説明

画像処理装置および画像処理方法

【課題】多様なユーザ要求を満足することが可能となる画像処理装置および画像処理方法を提供する。
【解決手段】認識機能が天地識別の場合、第2の画像データ処理装置104では入力画像201を用いて、認識処理203を行う。画像データを原稿モードや変倍率などの付帯情報202にしたがって適する画像処理を施す。認識処理203によって得られた認識結果204と付帯情報202に含まれる情報のうちの[何らかの条件]にしたがって補正処理206を行う。認識機能がスキュー補正の場合、第2の画像データ処理装置104では入力画像201を用いて、認識処理203を行う。実行結果によって、画像データのスキュー角度を出力する。また、付帯情報202に含まれる条件に従って、認識処理203と補正処理206の内容を切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コピー・FAX・スキャナ・プリンタ・HDD蓄積アプリなどのアプリケーションで利用する画像処理装置および画像処理方法に関し、認識精度、処理速度等の性能を優先するのか、あるいは機能を優先するのか、という条件をユーザ自身の環境・用途・好みなどに合わせて選択可能な画像処理装置および画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のMFP機では、コピー・スキャナ・FAX・HDD蓄積アプリ等さまざまなアプリケーションに対応しているが、天地識別やスキュー補正の「認識して画像補正する」といういわゆる画像認識機能もMFPが取り扱うさまざまなアプリケーションに対応することが望まれている。このような中、天地識別やスキュー補正などといった画像認識機能において、これまでに、認識精度の向上、処理速度の高速化等を目的とした様々な処理方式が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、文字認識(OCR)で使用する2値化処理として、画像全体について単一のしきい値を使用した、いわゆる単純2値化方法における欠陥(認識精度の低下)を改善する方式が提案されている。
【0004】
また、特許文献2では、文字認識(OCR)を利用して天地方向を判別する方式が提案されている。
【0005】
さらに、特許文献3では、文字行の行内矩形の配置情報を量子化しシンボルを付与し行内矩形のシンボル系列を作成し該シンボル系列から当該文字行のエヌグラムモデルを作成し、基準文書画像から文字方向および回転方向別に作成したエヌグラムモデルと比較することによって文字方向を識別する方式が提案されている。
【特許文献1】特開2003−058879号公報
【特許文献2】実開平5−012960号公報
【特許文献3】特開2006−031546号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、文字認識(OCR)で使用する2値化処理は、単純2値化方法と比較するとどうしても処理演算量が大きくなり、少なからず処理速度が低下する。
【0007】
また、特許文献2では、文字認識(OCR)を利用して天地方向を判別する方式で、高い認識精度を出せる反面、辞書データが大きく、辞書との照合に多大な時間を要するという欠点をもち、処理速度の低下をもたらす。
【0008】
それに対して、特許文献3では、少ない情報記憶ならびに少ない演算量で迅速に天地方向を判別する新たな方式であるが、認識精度の面では不利とされていた。
【0009】
このように、上記に代表される従来技術では、処理速度の改善、認識精度の改善、等を個々に提案しているものはあるが、処理速度を優先したいのか、あるいは認識精度を優先したいのか、等の条件を環境・用途・好みなどによってユーザ自身が選択可能とするシステム的な仕組みを提供しているものはない。
【0010】
そこで本発明では、性能あるいは機能に影響を与える何らかの条件を選択するための選択手段と、前記で選択した条件にしたがって処理を切り替える処理手段とを備えた画像処理装置および画像処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、原稿を読み取り電子化した画像データを得る画像形成装置と、転写紙に画像データを印字する画像書込装置と、前記画像データおよび前記画像データの付帯情報を蓄積するメモリ装置と、外部装置と前記画像データを送受する外部インタフェース装置と、前記画像読取装置からの前記画像データを処理する第1の画像データ処理装置と、前記画像読取装置からの前記画像データを処理する第2の画像データ処理装置と、上記各装置を接続するバス制御装置とを有する画像処理装置において、前記第2の画像データ処理装置は、前記画像処理の性能あるいは機能のどちらか片方に影響を与える条件を選択する選択手段と、選択した前記条件にしたがって処理を切り替える切替手段とを有する画像処理装置であることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記第2の画像データ処理装置は、前記画像データを天地識別する天地識別手段と、スキュー補正処理するスキュー補正処理手段とを有することを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像処理装置において、前記選択手段が、選択する前記条件は、前記画像処理の認識精度を優先する、処理速度を優先する2つであることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像処理装置において、前記切替手段は、切り換える処理対象として、認識処理内の2値化処理を有することを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の画像処理装置において、前記切替手段は、切り替える処理対象として、認識処理内の画素密度変換処理を有することを特徴とする。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項3に記載の画像処理装置において、前記切替手段は、切り替える処理対象として、認識処理内の本処理にて、画像データの特徴から方向を判別する部分と、傾き角度を検出する部分とを有することを特徴とする。
【0017】
請求項7に記載の発明は、請求項3に記載の画像処理装置において、前記切替手段により切り替える処理対象は、クライアントPCへ電子データを配信する場合で、且つファイル出力フォーマットがPDF形式の場合において、補正処理として実際に回転処理するか、回転処理をせずにPDFファイルのヘッダに回転情報を記述することによってクライアントPC側のビューアによる回転するかであることを特徴とする。
【0018】
請求項8に記載の発明は、請求項3に記載の画像処理装置において、前記切替手段により切り替える処理対象は、補正処理のうちの回転処理時に使用するワークメモリ量であることを特徴とする。
【0019】
請求項9に記載の発明は、画像形成手段にて原稿を読み取り電子化した画像データを得る工程と、画像書込手段にて転写紙に画像データを印字する工程と、メモリ手段にて前記画像データおよび前記画像データの付帯情報を蓄積する工程と、外部インタフェース手段にて外部装置と前記画像データを送受する工程と、第1の画像データ処理手段にて前記画像読取装置からの前記画像データを処理する工程と、第2の画像データ処理手段にて前記画像読取装置からの前記画像データを処理する工程と、バス制御手段にて上記各装置を接続する工程とを有する画像処理方法において、前記第2の画像データ処理手段は、前記画像処理の性能あるいは機能のどちらか片方に影響を与える条件を選択する選択工程と、選択した前記条件にしたがって処理を切り替える工程とを有する画像処理方法であることを特徴とする。
【0020】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の画像処理方法において、前記第2の画像データ処理手段は、前記画像データを天地識別する工程と、スキュー補正処理する工程とを有することを特徴とする。
【0021】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の画像処理方法において、前記選択工程が、選択する前記条件は、前記画像処理の認識精度を優先する、処理速度を優先する2つであることを特徴とする。
【0022】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の画像処理方法において、前記切替工程は、切り換える処理対象として、認識処理内の2値化処理手段を有することを特徴とする。
【0023】
請求項13に記載の発明は、請求項11に記載の画像処理方法において、前記切替工程は、切り替える処理対象として、認識処理内の画素密度変換処理手段を有することを特徴とする。
【0024】
請求項14に記載の発明は、請求項11に記載の画像処理方法において、前記切替工程にて切り替える処理対象は、認識処理内の本処理にて、画像データの特徴から方向を判別する部分と、傾き角度を検出する部分とを有することを特徴とする。
【0025】
請求項15に記載の発明は、請求項11に記載の画像処理方法において、前記切替工程により切り替える処理対象は、クライアントPCへ電子データを配信する場合で、且つファイル出力フォーマットがPDF形式の場合において、補正処理として実際に回転処理するか、回転処理をせずにPDFファイルのヘッダに回転情報を記述することによってクライアントPC側のビューアによる回転するかであることを特徴とする。
【0026】
請求項16に記載の発明は、請求項11に記載の画像処理方法において、前記切替工程により切り替える処理対象は、補正処理のうちの回転処理時に使用するワークメモリ量であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
このように、本発明によれば、ユーザ自身の環境・用途・好みなどに合わせて選択可能とし、選択した条件にしたがって処理の切り替えを可能とすることにより、多様なユーザ要求を満足することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本実施形態では、認識精度、処理速度等の性能を優先するのか、あるいは機能を優先するのか、という条件をユーザ自身の環境・用途・好みなどに合わせて選択可能とし、選択した条件にしたがって処理の切り替えを可能とする画像処理装置および画像処理方法を提供する。
【0029】
以下からは、本実施形態の画像処理装置および画像処理方法について詳細に説明する。
【0030】
図1は、本実施形態のMFPシステム構成の概要を示し、構成要素について説明する。読取り装置101はCCD光電変換素子からなるラインセンサとA/Dコンバータとそれら駆動回路を具備し、セットされた原稿をスキャンすることで得る原稿の濃淡情報から、RGB各8ビットのデジタル画像データを生成し出力する。
【0031】
第1の画像データ処理装置102は、読取り装置101からのデジタル画像データに対し、予め定めた特性に統一する処理を施して出力する。本装置では、読取り装置101の特性は変わらず、出力も予め定められて統一された画像データであるため、専用の画像処理回路であるASICにより、決められた画像処理を実現する。
【0032】
バス制御装置103は、本デジタル画像処理装置内で必要な画像データや制御コマンド等各種データのやり取りを行なうデータバスの制御装置で、複数種のバス規格間のブリッジ機能も有している。本実施形態では、第1の画像データ処理装置102、第2の画像データ処理装置104、CPU106とは、パソコン内部の各パーツ間で結ぶバスであるPCIやPCI−Expressバス,HDD105とはATAバスで接続し、ASIC化している。
【0033】
第2の画像データ処理装置104は、第1の画像データ処理装置102で予め定めた特性を統一されたデジタル画像データに対し、ユーザから指定される出力先に適した画像処理を施し出力する。本装置の画像処理による認識処理は、この第2の画像データ処理装置104の入力画像データは、統一化された特性なので、この出力先に適した画像処理の前段で認識処理を施し、本装置の画像処理による認識処理の結果による補正処理を後段に行なう。なお、認識処理、及び補正処理は、あらかじめ選択された条件にしたがった処理を施す。
【0034】
HDD105は、デスクトップパソコンにも使用されている電子データを保存するための大型の記憶装置で、本デジタル画像処理装置内では主にデジタル画像データおよびデジタル画像データの付帯情報を蓄積する。本実施形態ではIDEを拡張して規格化されているATAバス接続のハードディスクを使用する。
【0035】
CPU106は、本デジタル画像処理装置の制御全体を司るマイクロプロセッサである。本実施形態では、全体制御のためのシーケンス管理や各装置への要求管理やハードウェアの設定管理、タイミング管理や複数のユーザ要求に対するタスク管理、第2の画像データ処理装置104のソフトウェアによる画像処理もこのCPU106を用いて実行される。
【0036】
メモリ107は、CPU106が制御するためにプログラムされた内容を実行する際に、プログラムや中間処理データや画像データを一時的に記憶する揮発性メモリである。オブジェクト指向プログラムにより、各制御単位にオブジェクト化されたオブジェクトデータを保存しておき、ユーザ要求に従って各オブジェクトの責務に従って制御処理を遂行する。
【0037】
プロッタI/F装置108は、CPU106のプリント要求に従い、汎用規格I/F経由で送られてくる色の表現方式C(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロ)K(ブラック)からなるデジタル画像データを受け取ると、プロッタ装置109の専用I/Fに出力するバスブリッジ処理を行なう。本実施形態で使用している汎用規格I/FはPCIやPCI−Expressバスである。
【0038】
プロッタ装置109は、CMYKからなるデジタル画像データを受け取ると、レーザビームを用いた電子写真プロセスを使って、転写紙に受け取った画像データを出力する。
S.B.113は、パーソナルコンピュータに使用されるチップセットのひとつで、サウスブリッジと呼ばれる汎用の電子デバイスである。
【0039】
ROM114は、CPU106が本デジタル画像処理装置の制御を行なう際の制御プログラムが格納されるメモリである。
【0040】
また、第2の画像データ処理装置104内のミドルウェア(デジタルシグナルプロセッサ 以下DSP)用の画像処理アセンブラコードや画像処理である、フィルタ処理やγ処理等の画像処理パラメータが格納されている。
【0041】
また、音声や画像などの処理に持下したマイクロプロセッサのDSPで画像処理を行なう場合、ROM114にあらかじめ格納されている機械語と一対一に対応した低級言語によるプログラミングのアセンブラコードや画像処理パラメータをダウンロードしてDSPで画像処理を行なう際に用いる。
【0042】
操作表示装置110は、本デジタル画像処理装置とユーザのインターフェースを行なう部分で、液晶表示装置(以下 LCD)とキースイッチから構成され、装置の各種状態や操作方法をLCDに表示し、ユーザからのキースイッチ入力を検知する。
【0043】
本実施形態では操作表示装置110は、PCIやPCI−Expressバスを介してCPU106と接続する。コピー、スキャナ、HDD蓄積、FAX送信に対応している。
【0044】
回線I/F装置111は、PCIやPCI−Expressバスと電話回線を接続する装置で、この装置により本デジタル画像処理装置は電話回線を介して各種データのやり取りを行なうことが可能になる。FAXは通常のファクシミリで、電話回線を介して本デジタル画像処理装置と画像データの受信を行なう。
【0045】
外部I/F装置112は、PCIやPCI−Expressバスと外部装置を接続する装置で、この装置により本デジタル画像処理装置は外部装置と各種データのやり取りを行なうことが可能になる。本実施形態では機器側にIPアドレスが割り振られ、その接続I/Fにイーサネット(登録商標)ワークによるTCP/IP接続される。
【0046】
クライアントPCは、いわゆるパーソナルコンピュータで、クライアントPC116にインストールされたアプリケーションソフトやドライバを介して、ユーザは本実施形態ではTwainドライバという画像入力機器とパソコンを接続するためのアプリケーションソフトによるスキャナ読取や、プリントアウトを行なう。
【0047】
図2に、第2の画像データ処理装置104の詳細な構成を示す。まず構成要素としては、ユーザから指定された出力先に適した処理を施す通常の画像処理205と、本実施形態で必要となる認識処理203と認識結果204、及び認識処理の結果による補正処理206がある。
【0048】
例えば、スキャナ配信動作の場合、読取り装置101でデジタル化された画像がシステムに入力される。そのデータをもとに画像データ装置102はある特性(色空間等)に統一化された画像に変換する。第2の画像データ処理装置104の入力画像201は、画像データ装置102で統一化されたデジタル画像データである。
【0049】
もう一方の付帯情報202は、入力画像201の付帯情報になる。この付帯情報とは、操作表示装置110での入力情報(原稿モード、変倍率、画像サイズ等)、画像データの1画素ごとに対応した分離データ(文字/写真/網点等)と、本実施形態で必要となる性能や機能に影響を与える何らかの条件も含まれる。何らかの条件の選択手段としては、操作表示装置110が最も一般的であり、スキャナ配信動作前に予め選択しておくことになる。
【0050】
また、選択手段はネットワーク経由などによるリモート設定などでも構わない。第2の画像データ処理装置104では、入力画像201を用いて、まず認識処理203を行う。その際、付帯情報201に含まれる情報のうちの「何らかの条件」にしたがって、認識処理203の[条件1の処理][条件2の処理]・・・「条件Nの処理」の中から適する処理に切り替えて、その処理を実行する。
【0051】
次に、画像データを原稿モードや変倍率などの付帯情報202にしたがって適する画像処理を施す。その後、適する画像処理205(例:フィルタ処理やガンマ処理)を施した画像データに対して、先ほど認識処理203によって得られた認識結果204と付帯情報202に含まれる情報のうちの「何らかの条件」にしたがって、補正処理206を行う。
【0052】
なお、適する処理への切り替え動作に関しては、前述の認識処理203と同様である。そして、補正処理206を行った画像データを第2の画像データ処理装置104の出力画像207として出力する。その後、外部I/F装置112を経由してクライアントPCに画像データが配信される。
【0053】
また、本実施形態では、出力先に適した画像処理205の後段に補正処理206を配置したが、反対に配置しても構わない。重要なのは、付帯情報202に含まれる何らかの条件にしたがって、認識処理203と補正処理206の内容を切り替えることである。
【0054】
上記のように、コピー・FAX・スキャナ・プリンタ・HDD蓄積アプリなどのアプリケーションで画像認識処理を利用する場合に関して、認識精度、処理速度等の性能を優先するのか、あるいは機能を優先するのか、という条件をユーザ自身の環境・用途・好みなどに合わせて選択可能とし、選択した条件にしたがって処理の切り替えを可能とすることにより、多様なユーザ要求を満足することが可能となる。
【0055】
次に、図3(a)は本実施形態の認識処理203の詳細な構成を示す図である。第2の画像データ処理装置104の認識機能として天地識別あるいはスキュー補正を適用したケースである。構成要素としては、前処理301と本処理304がある。
【0056】
前処理301とは、認識機能としての本処理に対する前段階としての処理であり、2値化処理302と画素密度変換処理303で構成される。2値化処理302は本処理の入力に適した2値画像にするための処理であり、画素密度変換処理303は本処理に入力する画素密度(画像サイズ/解像度)を変換する処理である。
【0057】
本処理304とは、認識機能としてのメイン処理のことで、天地識別であれば画像データの特徴から東西南北の方向を判別する処理を指し、スキュー補正であれば画像データの特徴からスキュー角度(傾き角度)を検出する処理を指す。
【0058】
また、図3(b)は本実施形態の補正処理206の構成を示す図である。補正処理206は認識処理203のように処理が細分化されないので図2と同等の構成になる。補正処理206とは、天地識別であれば認識処理203の結果から北向きの方向へ補正(回転)する処理を指し、スキュー補正であれば傾かない方向へ補正(回転)する処理を指す。
【0059】
以下、本実施形態の補正処理の動作について詳細に説明する。
【0060】
まず、認識機能が天地識別の場合、第2の画像データ処理装置104では入力画像201を用いて、まず認識処理203を行なう。その際、付帯情報202に含まれる情報のうちの[何らかの条件]に従って認識処理203の構成要素である前処理301(2値化処理302と画素密度変換処理303)と本処理304(画像データの特徴から東西南北の方向を判別する処理)の中から適する処理に切り替えて、それぞれの処理を実行する。
【0061】
この実行結果によって、画像データの東西南北の方向を出力する。次に、画像データを原稿モードや変倍率などの付帯情報202にしたがって適する画像処理を施す。その後、適する画像処理205(例:フィルタ処理やガンマ処理)を施した画像データに対して、先ほど認識処理203によって得られた認識結果204(東西南北の方向)と付帯情報202に含まれる情報のうちの[何らかの条件]にしたがって補正処理206(北向きの方向へ回転する処理)を行なう。
【0062】
なお、適する処理への切り替え動作に関しては、前述の認識処理203と同様である。そして、補正処理206を実行した画像データを第2の画像データ処理装置104の出力画像207として出力する。
【0063】
その後、外部I/F装置112を経由してクライアントPCに画像データが配信される。なお本実施形態では、出力先に適した画像処理205の後段に補正処理206を配置したが、反対に配置しても構わない。重要なのは、付帯情報202に含まれる何らかの条件に従って、認識処理203と補正処理206の内容を切り替えることである。
【0064】
次に、認識機能がスキュー補正の場合、第2の画像データ処理装置104では入力画像201を用いて、まず認識処理203を行なう。その際、付帯情報202に含まれる情報のうちの[何らかの条件]に従って認識処理203の構成要素である前処理301(2値化処理302と解像度変換処理303)と本処理304(画像データの特徴からスキュー角度を検出する処理)の中から適する処理に切り替えて、それぞれの処理を実行する。この実行結果によって、画像データのスキュー角度(傾き角度)を出力する。
【0065】
次に、画像データを原稿モードや変倍率などの付帯情報202にしたがって適する画像処理を施す。その後、適する画像処理205(例:フィルタ処理やガンマ処理)を施した画像データに対して、先ほど認識処理203によって得られた認識結果204(スキュー角度)と付帯情報202に含まれる情報のうちの[何らかの条件]にしたがって補正処理206(傾かない方向へ回転する処理)を行なう。なお、適する処理への切り替え動作に関しては、前述の認識処理203と同様である。
【0066】
そして、補正処理206を行った画像データを第2の画像データ処理装置104の出力画像207として出力する。その後、外部I/F装置112を経由してクライアントPCに画像データが配信される。なお本実施形態では、出力先に適した画像処理205の後段に補正処理206を配置したが、反対に配置しても構わない。重要なのは、付帯情報202に含まれる何らかの条件に従って、認識処理203と補正処理206の内容を切り替えることである。
【0067】
また、上記のようにコピー・FAX・スキャナ・プリンタ・HDD蓄積アプリなどのアプリケーションで画像認識処理を利用する場合に関して、認識精度、処理速度等の性能を優先するのか、あるいは機能を優先するのか、という条件をユーザ自身の環境・用途・好みなどに合わせて選択可能とし、選択した条件にしたがって処理の切り替えを可能とすることにより、多様なユーザ要求を満足することが可能となる。
【0068】
以下に、「何らかの条件」と「切り替える処理」とを具体化したケースを説明する。
【0069】
まず、選択する何らかの条件が「認識精度を優先する」「処理速度を優先する」で、切り替え処理の対象が図3の2値化処理302のケースである。図4に切り替える処理対象である2値化処理302の実施形態として単純2値化処理401と適応2値化処理402を示す。
【0070】
単純2値化処理401とは、画像全体について単一の敷居値を使用した単純な方法である。この処理は画像全面に対して同じ処理を行なうため、本処理304における認識精度面(画像品質面)においては低下する要因になりやすい。しかし、演算量が少なく処理速度面では有利である。したがって「処理速度を優先する」が選択されたときに適用される処理の例である。
【0071】
適応2値化処理402とは、画像内容によって処理を変化させて適した2値化する方法を総称したものである。この処理は本処理304における認識精度を向上させるための高品質な2値画像を得ることを可能とするが、演算量が多くなりがちで処理速度面においては不利となる。したがって、「認識精度を優先する」が選択されたときに適用される処理の例である。なお、動作については、条件と切り替え処理対象を当てはめることが出来る。
【0072】
また、上記のように認識機能が天地識別処理あるいはスキュー補正処理の場合において、「認識精度を優先する」「処理速度を優先する」という条件を選択可能とし、選択した条件にしたがって認識処理内の2値化処理の切り替えを可能とすることにより、多様なユーザ要求を満足することが可能となる。
【0073】
次に、選択する何らかの条件が「認識精度を優先する」「処理速度を優先する」で、切り替え処理の対象が図3の画素密度変換処理303のケースである。図5に切り替える処理対象である画素密度変換処理303の実施形態として画素密度1/2倍変換処理501と画素密度1/4倍変換処理502と画素密度1倍変換処理(変換しない処理)503を示す。
【0074】
画素密度1/2倍変換処理501とは、画素密度を半分にすること、つまり2画素を1画素の割合で変換する処理であり、単純間引き処理やOR間引き処理などが一般的である。画像密度を減らすほど(画素数を減らすほど)、単純に処理するデータ量が減るので本処理304での処理時間が短縮されるが、その分画像品質面が悪くなるため認識精度面では低下する要因になりやすい。したがって「処理速度を優先する」が選択された場合の処理の例となる。
【0075】
画素密度1/4倍変換処理503は、密度変換の倍率をさらに上げた例なので、1/2倍と比べてもさらに処理速度面で有利ということになる。画素密度1倍変換処理504は、密度変換をしないで入力画像をそのまま本処理304へ渡す処理である。これが本処理304にとって最も認識精度を低下させない処理といえるので、「認識精度を優先する」が選択された場合の処理の例となる。
【0076】
これまで説明してきた内容から本項を総合的に考えると、第2の画像データ処理装置104に入力される画像の画素密度に応じて、密度変換をするのか、画像変換をしないのか、またどの程度の倍率で密度変換をするのかを調整するような選択手段を設けると、より効果が出ると思われる。なお、動作については、条件と切り替え処理対象を当てはめることができる。
【0077】
また、上記のように認識機能が天地識別処理あるいはスキュー補正処理の場合において、「認識精度を優先する」「処理速度を優先する」という条件を選択可能とし、選択した条件にしたがって認識処理内の画素密度変換処理の切り替えを可能とすることにより、多様なユーザ要求を満足することが可能となる。
【0078】
次に、選択する何らかの条件が「認識精度を優先する」「処理速度を優先する」で、切り替え処理の対象が本処理304のケースで、図6に切り替える処理対象である本処理304の実施形態として、認識機能が天地識別の場合のOCR天地識別処理601と高速軽量天地識別処理602を示す。
【0079】
OCR天地識別処理601とは、公知技術である文字認識(OCR)を利用して天地方向を判別する方式である。この方式の場合、安定した認識精度を出せる反面、辞書データが大きく、辞書との照合に多大な時間を要するという欠点をもつ。したがって「認識精度を優先する」が選択された場合の処理の例となる。
【0080】
高速軽量天地識別処理602とは、少ない情報記憶ならびに少ない演算量で迅速に天地方向を判別する新たな方式である。この場合には認識精度の面をある程度犠牲にしているため、「処理速度を優先する」が選択された場合の処理の例となる。
【0081】
今回は、認識機能として天地識別を例に挙げたが、スキュー補正の場合においても同じ考え方が適用できる。なお動作については、条件と切り替え処理対象を当てはめることができる。
【0082】
また、上記のように認識機能が天地識別処理の場合において、「認識精度を優先する」「処理速度を優先する」という条件を選択可能とし、選択した条件にしたがって認識処理内の本処理(画像から方向を判別する部分)の切り替えを可能とすることにより、多様なユーザ要求を満足することが可能となる。
【0083】
次に、選択する何らかの条件が「処理速度を優先する」「機能を優先する」で、切り替え処理の対象が認識処理の結果による補正処理206のケースで、図7に切り替える処理対象である認識処理の結果による補正処理206の実施形態として、回転処理701とPDFヘッダを利用した補正処理702を示す。
【0084】
回転処理701とは、認識結果204(天地識別ならば東西南北の向き)に従って、実際の画像データを北向き方向に回転する処理である。ハードウェア回転で実現する場合にはコスト的に不利になり易く、ソフトウェア回転で実現する場合には、処理速度面で不利になり易い。
【0085】
しかし、スキャナ配信機能の場合には最終的なファイル形式の種類は特に問わず任意の出力ファイル形式として配信することが可能であり、後述するPDFヘッダを利用した補正処理702と比べて機能面で有利である。したがって[機能を優先する]が選択されたときに適用される処理の例である。
【0086】
PDFヘッダを利用した補正処理702とは、認識結果204(天地識別ならば東西南北の向き)に従って、実際に画像データを北向き方向に回転せず、補正するための回転情報をPDFヘッダ内に記述してクライアントPC側のビューアがこの回転情報に従って回転させて表示しするというPDFファイルフォーマット特有の機能を利用する処理である。
【0087】
この処理では、実際の回転処理をしないため処理速度面で有利であるが、TIFFやJPEGといったPDFファイルフォーマット以外で出力できないため機能面で制限が出る。
【0088】
したがって「処理速度を優先する」が選択されたときに適用される処理の例である。今回は認識機能として天地識別を例に挙げたが、スキュー補正の場合においても同じ考え方が適用できる。
【0089】
今回は、認識機能として天地識別を例に挙げたが、スキュー補正の場合においても補正する内容を「傾かない方向へ回転すること」に置き換えるだけであり、同じ考え方が適用できる。なお、動作については、条件と切り替え処理対象を当てはめることができる。
【0090】
また、上記のように認識機能が天地識別処理あるいはスキュー補正処理の場合において、「処理速度を優先する」「機能を優先する」という条件を選択可能とし、選択した条件にしたがって補正処理として回転処理するか回転処理せずPDF機能を利用するかの切り替えを可能とすることにより、多様なユーザ要求を満足することが可能となる。
【0091】
さらに、選択する何らかの条件が「認識機能の処理速度を優先する」「認識機能以外の処理速度を優先する」で、切り替え処理の対象が認識処理の結果による補正処理206のケースで、図8に切り替える処理対象である認識処理の結果による補正処理206の実施形態として、一般的な回転処理(ワークメモリ量=画像1面分)801と省ワークメモリ回転処理(ワークメモリ量<画像1面未満)802を示す。
【0092】
一般的な回転処理(ワークメモリ量=画像1面分)801とは、認識結果204(天地識別ならば東西南北の向き)に従って、実際の画像データを北向き方向に回転する際のワークメモリ量として画像1面分を使用する場合の処理である。
【0093】
この処理の場合、1面分を一度に回転できるため処理速度面では有利であるが、ワークメモリ使用量が多くなり、限られたメモリを様々な機能で共有しているケースにおいては他機能のリソースを圧迫して認識機能以外は、処理速度低下に陥りやすい。したがって「認識機能の処理速度を優先する」が選択されたときに適用される処理の例である。
【0094】
省ワークメモリ回転処理(ワークメモリ量<画像1面未満)802とは、認識結果204(天地識別ならば東西南北の向き)に従って、実際の画像データを北向き方向に回転する際のワークメモリ量として画像1面分を使用せず小さいメモリで実現する場合の処理である。この処理の場合、1度に回転できず分割して逐次回転していく必要があるため処理速度面で不利となる。
【0095】
しかし、ワークメモリ使用量を節約できるので、限られたメモリを様々な機能で共有しているケースにおいては、他機能が利用できるリソースを多く確保できることになり、結果として他機能の処理速度向上につながる。したがって「認識機能以外の処理速度を優先する」が選択されたときに適用される処理の例である。
【0096】
今回は、認識機能として天地識別を例に挙げたが、スキュー補正の場合においても補正する内容を、「傾かない方向へ回転すること」に置き換えるだけであり、同じ考え方が適用できる。なお動作については、条件と切り替え処理対象を当てはめることが出来る。
【0097】
このように、天地識別処理あるいはスキュー補正処理の場合において、認識機能が「認識機能の処理速度を優先する」「認識機能以外の処理速度を優先する」という条件を選択可能とし、選択した条件にしたがって、補正処理として回転処理時に使用するワークメモリ量の切り替えを可能とすることにより、多様なユーザ要求を満足することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本実施形態のMFPシステム構成の概要を示す。
【図2】本実施形態の第2の画像データ処理装置104の詳細な構成を示す。
【図3】(a)は、本実施形態の認識処理203の詳細な構成を示す。(b)は、本実施形態の補正処理206の構成を示す。
【図4】本実施形態の切り替える処理対象である2値化処理302の実施形態として、単純2値化処理401と適応2値化処理402を示す。
【図5】本実施形態の切り替える処理対象である画素密度変換処理303を示す。
【図6】本実施形態の切り替える処理対象である本処理304を示す。
【図7】本実施形態の切り替える処理対象である認識処理の結果による補正処理206の一例として、回転処理701とPDFヘッダを利用した補正処理702を示す。
【図8】本実施形態の切り替える処理対象である認識処理の結果による補正処理206の一例として、一般的な回転処理801と省ワークメモリ回転処理802を示す。
【符号の説明】
【0099】
101 読取り装置
102 第1の画像データ処理装置102
103 バス制御装置
104 第2の画像データ処理装置104
105 HDD
106 CPU
107 メモリ
108 プロッタI/F装置
109 プロッタ装置
110 操作表示装置
111 回線I/F装置
112 外部I/F装置
113 S.B.
114 ROM
201 入力画像
202 付帯情報
203 認識処理
204 認識結果
205 出力先に適した画像処理
206 認識処理の結果による補正処理
207 出力画像
301 前処理
302 2値下処理
303 画素密度変換処理
304 本処理
401 単純2値化処理
402 適応2値化処理
501 画素密度1/2倍変換処理
502 画素密度1/4倍変換処理
503 画素密度1倍変換処理
601 OCR天地識別
602 高速軽量天地識別
701 回転処理
702 PDFヘッダを利用した補正処理
801 一般的な回転処理
802 省ワークメモリ回転処理

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を読み取り電子化した画像データを得る画像読取装置と、
転写紙に前記画像データを印字する画像書込装置と、
前記画像データおよび前記画像データの付帯情報を蓄積するメモリ装置と、
外部装置と前記画像データを送受する外部インタフェース装置と、
前記画像読取装置からの前記画像データを処理する第1の画像データ処理装置と、
前記メモリ装置からの前記画像データを処理する第2の画像データ処理装置と、
上記各装置を接続するバス制御装置とを有する画像処理装置において、
前記第2の画像データ処理装置は、前記画像処理の性能あるいは機能のどちらか片方に影響を与える条件を選択する選択手段と、
選択した前記条件にしたがって処理を切り替える切替手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記第2の画像データ処理装置は、前記画像データを天地識別する天地識別手段と、スキュー補正処理するスキュー補正処理手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記選択手段が、選択する前記条件は、前記画像処理の認識精度を優先する、処理速度を優先するの2つであることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記切替手段は、切り替える処理対象が認識処理内の2値化処理であることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記切替手段は、切り替える処理対象が認識処理内の画素密度変換処理であることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記切替手段は、切り替える処理対象が認識処理内の本処理にて、画像データの特徴から方向を判別する部分と、傾き角度を検出する部分とであることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記切替手段により切り替える処理対象は、クライアントPCへ電子データを配信する場合で、且つファイル出力フォーマットがPDF形式の場合において、
補正処理として実際に回転処理するか、回転処理をせずにPDFファイルのヘッダに回転情報を記述することによってクライアントPC側のビューアによる回転するかであることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置
【請求項8】
前記切替手段により切り替える処理対象は、補正処理のうちの回転処理時に使用するワークメモリ量であることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項9】
原稿を読み取り電子化した画像データを得る工程と、
転写紙に前記画像データを印字する工程と、
前記画像データおよび前記画像データの付帯情報を蓄積する工程と、
前記メモリ装置からの前記画像データを処理する工程と、
前記画像データを処理する工程は、前記画像処理の性能あるいは機能のどちらか片方に影響を与える条件を選択する選択工程と、
選択した前記条件にしたがって処理を切り替える切替工程とを有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項10】
前記画像データを処理する工程は、前記画像データを天地識別する工程と、スキュー補正処理する工程とを有することを特徴とする請求項9に記載の画像処理方法。
【請求項11】
前記選択工程が選択する前記条件は、前記画像処理の認識精度を優先する、処理速度を優先するの2つであることを特徴とする請求項10に記載の画像処理方法。
【請求項12】
前記切替工程は、切り替える処理対象が認識処理内の2値化処理手段であることを特徴とする請求項11に記載の画像処理方法。
【請求項13】
前記切替工程は、切り替える処理対象が認識処理内の画素密度変換処理であることを特徴とする請求項11に記載の画像処理方法。
【請求項14】
前記切替工程にて切り替える処理対象は、認識処理内の本処理にて、画像データの特徴から方向を判別する部分と、傾き角度を検出する部分とを有することを特徴とする請求項11に記載の画像処理方法。
【請求項15】
前記切替工程により切り替える処理対象は、クライアントPCへ電子データを配信する場合で、且つファイル出力フォーマットがPDF形式の場合において、
補正処理として実際に回転処理するか、回転処理をせずにPDFファイルのヘッダに回転情報を記述することによってクライアントPC側のビューアによる回転するかであることを特徴とする請求項11に記載の画像処理方法。
【請求項16】
前記切替工程により切り替える処理対象は、補正処理のうちの回転処理時に使用するワークメモリ量であることを特徴とする請求項11に記載の画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−17032(P2008−17032A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−184624(P2006−184624)
【出願日】平成18年7月4日(2006.7.4)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】