説明

画像出力システム、制御装置、画像出力方法、画像出力プログラム、及び、そのプログラムを記憶した記憶媒体

【課題】 比較的低解像度の網点画像を出力する場合であっても、トーンジャンプの発生を抑えることを可能にする。
【解決手段】 画像出力システムにおいて、指向性を有する形状に網点が成長するように閾値データを配した網点基準データを備え、ラスター画像データの各範囲に該網点基準データに基づいて網点を生成し、この網点生成における画像の濃度別の網点成長過程において、網点の形状を、第一の方向が該第一の方向と交差する第二の方向よりも先に大きく成長させるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部装置から受けた画像データに対して網点化処理を施し、これを比較的低解像度の画像出力装置に送信する制御装置において、上述した網点化処理を施す際の手法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、DTP(Desk Top Publishing)等の普及により、印刷発注者が自身の端末において、スキャナから入力した画像をコンピュータのソフトウェア上で画像編集し、ページ面付けする作業が一般化し、フルディジタルでの編集も珍しくなくなってきている。
【0003】
このような印刷製版工程では、さらなる効率化を目指して、そのページ面付け済みの画像データをフィルムに直接出力するイメージセッタ出力や、印刷版に直接画像記録を行うCTP(Computer to Plate)出力、さらには印刷機のシリンダー上に巻かれた印刷版に直接画像記録を行うCTC(Computer to Cylinder)が行われる。
【0004】
この場合、校正確認の為だけに一旦フィルム出力や印刷版出力を行い、印刷校正や、その他の校正材料による校正を行うことは、フィルムや印刷版にムダが生じ、また、余計な作業が多くなる問題がある。
【0005】
そこで、このようなコンピュータによるフルディジタルの画像作成、編集を行う工程では、DDCP(Direct Digital Color Proof)と呼ばれる直接カラー画像出力を行うシステムが求められるようになった。
【0006】
このようなDDCPは、例えばページ面付け済みの画像データをイメージセッタなどで製版用フィルム上に記録したり、プレートセッタ(以下、CTPと称する)で直接印刷版を作成する印刷作業を行ったり、CTCで印刷機のシリンダー上に巻かれた印刷版に直接画像記録を行ったりなどする前に、これを再現する色見本であるDCP(Digital Color Proof)を作成して、その絵柄、色調等の校正を行うために使用される。
【0007】
さらに、このようなDDCPを使用して、DCPを作成する前に、カラーレーザープリンタ等の汎用プリンタにより単ページの画像データ(ページ面付けする前の画像データ)の小サイズ出力を行い、その出力物であるカラーカンプの絵柄、色調、文章文字等の校正を行うことが行われる。
【0008】
このように、印刷製版工程では、印刷作業を行う前に、DDCPにより出力対象の絵柄、色調、文章文字等の校正を行うためのカラーカンプやDCPを作成して、その校正を行うことが一般的となっている。
【0009】
また、最近では、カラーレーザープリンタの性能向上に伴い、安価で高速に高品位なカラー出力を行うことが可能になってきたことから、DCPを作成する用途に、このカラーレーザープリンタを使用することが試みられている。
【0010】
このカラーレーザープリンタとしては、例えば特開平5−48857号公報に開示される電子写真方式のカラーレーザープリンタや、スキャナ・コピア・ファクシミリ機能を併せ持つ複合機等を挙げることができる(例えば、特許文献1参照)。
【0011】
ところで、上述した最終的な画像出力機であるCTPは、ON(1)かOFF(0)の2値スクリーン方式によってハーフトーンスクリーンを行っている。即ち、網点の面積の大小で階調(濃淡)を表現しているのである。その理由の1つは、CTPの出力解像度が非常に高い(一般的には2400[dpi]以上)ことにある。
【0012】
一般的に、商業印刷で利用されているスクリーン線数(1[inch]当りに網点が幾つ存在し得るかを表す指標)は、150[lpi]以上であるが、2400[dpi]の出力解像度を有するプリンタであれば、150[lpi]の場合、16×16個(2400/150)の最小画素で1個の網点を構成することができるので、その階調は256階調となり、十分な階調性を有することになる。
【0013】
但し、この網点の面積の大小で階調を表現する場合には、そのトーンジャンプに留意する必要があり、これまでにも、例えば特開2000−326562号公報に記載される階調再現方法のように、網点の成長過程における各種の工夫が提案されている(例えば、特許文献2参照)。これは、主として周囲の網点との接合の仕方を工夫したものである。なぜなら、トーンジャンプは、網点同士が接触する箇所において発生しやすいからである。
【0014】
【特許文献1】特開平5−48857号公報(段落〔0011〕‐〔0070〕、第一図乃至第一2図)
【特許文献2】特開2000−326562号公報(段落〔0023〕‐〔0069〕、第一図乃至第8図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
ところで、上述したようにカラーレーザープリンタを、DCPを作成する用途に使用する場合には、CTPに対して行う画像処理と同様の処理を行うことが好ましい。即ち、網点によって画像データの階調表現を行うことが好ましい。
【0016】
しかしながら、このようなカラーレーザープリンタの出力解像度は、一般的に低く、600[dpi]から1200[dpi]程度のものが多い。ここで、例えば600[dpi]で150[lpi]のスクリーン線数を得ようとする場合には、4×4個の画素群で1個の網点を形成することになり、その階調数は、高々16階調となる(これでは、十分な階調とはいえない)。
【0017】
このため、最近のカラーレーザープリンタでは、1つの画素をその画像濃度に応じて多値のレベルで描画する、所謂、多値の網点化処理を行うことが可能なものが増えている。ここで、例えば1個の画素を16レベルで表現可能であるとすると、4×4個の画素群で構成される網点であっても16階調×16階調=256階調の表現を行うことが可能となり、十分な階調を得ることができる。
【0018】
ところが、このような比較的低解像度のカラーレーザープリンタを使用して網点画像を出力する場合には、1個の網点を構成する画素数が少ないために、周囲の網点と接合する部分が相対的に大きくなる。ここで、上述した特開2000−326562号公報の図2及び図3に示されるように、網率(=1つの網点を構成するべく配列された画素群の全体の画素数に対する当該網点を構成する画素数の割合)が50%付近において、隣接する他の網点と互いに接する大きさにまで成長した正方形状を有する網点は、その上下左右方向において、周囲の画素と接合する箇所が同時に発生することになるため、トーンジャンプの発生が激しくなるという問題が生じる。
【0019】
本発明は、上述した課題を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、比較的低解像度ではあるが多値の網点化処理を行うことが可能な画像出力装置を、網点画像を出力する用途とした場合、その網点画像を構成する個々の網点をひし形や楕円形等の指向性を有する形状にて構成することで、個々の網点が周囲の網点と接合するその発生箇所を画像の濃度に応じて分散し、トーンジャンプの発生を抑えることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、画像データから色版別の網点画像データを生成し、該網点画像データに基づいて網点画像を出力する画像出力システムであって、前記画像データにRIP処理が施されていない場合には、前記各画像データにRIP処理を施して色版別のラスター画像データを生成するラスター画像生成手段と、マトリックス状に所定の閾値データが配される色版別の網点基準データを記憶する網点基準データ記憶手段と、前記ラスター画像データの各範囲の画素群に前記網点基準データを対応させ、該画素群を構成する画素の濃度値データと前記網点基準データの閾値データとを比較して、各画素の出力の有無を規定することで一つの網点を生成し、色版別のラスター画像データから色版別の網点画像データを生成する網点化処理手段と、前記色版別の網点画像データに基づき、網点画像を出力する画像出力手段と、を備え、前記網点化処理手段は、前記濃度値データが前記画素群をハイライト部分に規定している場合、第一の方向においてのみ周囲の網点と接合する方向に伸長する形状の網点を生成すること、を特徴とする。
【0021】
また、請求項2記載の発明は、画像データから色版別の網点画像データを生成し、該網点画像データに基づいて網点画像を出力する画像出力システムであって、前記画像データにRIP処理が施されていない場合には、前記各画像データにRIP処理を施して色版別のラスター画像データを生成するラスター画像生成手段と、マトリックス状に所定の閾値データが配される色版別の網点基準データを記憶する網点基準データ記憶手段と、前記ラスター画像データの各範囲の画素群に前記網点基準データを対応させ、該画素群を構成する画素の濃度値データと前記網点基準データの閾値データとを比較して、各画素の出力の有無を規定することで一つの網点を生成し、色版別のラスター画像データから色版別の網点画像データを生成する網点化処理手段と、前記色版別の網点画像データに基づき、網点画像を出力する画像出力手段と、を備え、前記網点化処理手段は、前記濃度値データが前記画素群をハイライト部分に規定している場合、第一の方向においてのみ周囲の網点と接合する方向に伸長する形状の網点を生成し、前記濃度値データが前記画像群をシャドウ部分に規定している場合、前記第一の方向及びこれと交差する第二の方向で周囲の網点と接合する方向に伸長する形状の網点を生成すること、を特徴とする。
【0022】
また、請求項4記載の発明は、画像データから色版別の網点画像データを生成し、該網点画像データに基づいて網点画像を出力する画像出力システムであって、前記画像データにRIP処理が施されていない場合には、前記各画像データにRIP処理を施して色版別のラスター画像データを生成するラスター画像生成手段と、マトリックス状に所定の閾値データが配される色版別の網点基準データを記憶する網点基準データ記憶手段と、前記ラスター画像データの各範囲の画素群に前記網点基準データを対応させ、該画素群を構成する画素の濃度値データと前記網点基準データの閾値データとを比較して、各画素の出力の有無を規定することで一つの網点を生成し、色版別のラスター画像データから色版別の網点画像データを生成する網点化処理手段と、前記色版別の網点画像データに基づき、網点画像を出力する画像出力手段と、を備え、前記網点基準データには、生成する網点の網%に応じて、所定の第一の伸長方向と交差する第二の伸長方向よりも先に該第一の伸長方向へ網点の形状を成長させる配列で前記閾値データが配されること、を特徴とする。
【0023】
また、請求項7記載の発明は、画像データから色版別の網点画像データを生成して、画像形成装置に対して該網点画像データに基づく画像の出力をさせる画像出力制御装置であって、前記画像データにRIP処理が施されていない場合には、前記各画像データにRIP処理を施して色版別のラスター画像データを生成するラスター画像生成手段と、マトリックス状に所定の閾値データが配される色版別の網点基準データを記憶する網点基準データ記憶手段と、前記ラスター画像データの各範囲の画素群に前記網点基準データを対応させ、該画素群を構成する画素の濃度値データと前記網点基準データの閾値データとを比較して、各画素の出力の有無を規定することで一つの網点を生成し、色版別のラスター画像データから色版別の網点画像データを生成する網点化処理手段と、前記網点画像データに出力制御情報を付加して画像形成装置に送信する送信手段と、を備え、前記網点化処理手段は、前記濃度値データが前記画素群をハイライト部分に規定している場合、第一の方向においてのみ周囲の網点と接合する方向に伸長する形状の網点を生成すること、を特徴とする。
【0024】
また、請求項8記載の発明は、画像データから色版別の網点画像データを生成して、画像形成装置に対して該網点画像データに基づく画像の出力をさせる画像出力制御装置であって、前記画像データにRIP処理が施されていない場合には、前記各画像データにRIP処理を施して色版別のラスター画像データを生成するラスター画像生成手段と、マトリックス状に所定の閾値データが配される色版別の網点基準データを記憶する網点基準データ記憶手段と、前記ラスター画像データの各範囲の画素群に前記網点基準データを対応させ、該画素群を構成する画素の濃度値データと前記網点基準データの閾値データとを比較して、各画素の出力の有無を規定することで一つの網点を生成し、色版別のラスター画像データから色版別の網点画像データを生成する網点化処理手段と、前記網点画像データに出力制御情報を付加して画像形成装置に送信する送信手段と、を備え、前記網点化処理手段は、前記濃度値データが前記画素群をハイライト部分に規定している場合、第一の方向においてのみ周囲の網点と接合する方向に伸長する形状の網点を生成し、前記濃度値データが前記画像群をシャドウ部分に規定している場合、前記第一の方向及びこれと交差する第二の方向で周囲の網点と接合する方向に伸長する形状の網点を生成すること、を特徴とする。
【0025】
また、請求項10記載の発明は、画像データから色版別の網点画像データを生成し、該網点画像データに基づいて網点画像を出力する画像出力制御装置であって、前記画像データにRIP処理が施されていない場合には、前記各画像データにRIP処理を施して色版別のラスター画像データを生成するラスター画像生成手段と、マトリックス状に所定の閾値データが配される色版別の網点基準データを記憶する網点基準データ記憶手段と、前記ラスター画像データの各範囲の画素群に前記網点基準データを対応させ、該画素群を構成する画素の濃度値データと前記網点基準データの閾値データとを比較して、各画素の出力の有無を規定することで一つの網点を生成し、色版別のラスター画像データから色版別の網点画像データを生成する網点化処理手段と、前記色版別の網点画像データに基づき、網点画像を出力する画像出力手段と、を備え、前記網点基準データには、生成する網点の網%に応じて、所定の第一の伸長方向と交差する第二の伸長方向よりも先に該第一の伸長方向へ網点の形状を成長させる配列で前記閾値データが配されること、を特徴とする。
【0026】
また、請求項13記載の発明は、色版別の画像データから色版別の網点画像データを生成し、該網点画像データに基づいて網点画像を出力する画像出力方法であって、予め、マトリックス状に所定の閾値データが配される色版別の網点基準データを記憶し、前記各画像データにRIP処理が施されていない場合には、前記各画像データにRIP処理を施して色版別のラスター画像データを生成し、前記ラスター画像データの各範囲の画素群に前記網点基準データを対応させ、該画素群を構成する画素の濃度値データと前記網点基準データの閾値データとを比較し、比較結果に基づいて、各画素の出力の有無を規定することで一つの網点を生成し、色版別のラスター画像データから色版別の網点画像データを生成し、前記した網点の生成は、前記濃度値データが前記画素群をハイライト部分に規定している場合、前記網点の生成において、第一の方向においてのみ周囲の網点と接合する方向に伸長する形状の網点を生成し、前記色版別の網点画像データに基づき、網点画像を出力すること、を特徴とする。
【0027】
また、請求項14記載の発明は、色版別の画像データから色版別の網点画像データを生成し、該網点画像データに基づいて網点画像を出力する画像出力方法であって、予め、マトリックス状に所定の閾値データが配される色版別の網点基準データを記憶し、前記各画像データにRIP処理が施されていない場合には、前記各画像データにRIP処理を施して色版別のラスター画像データを生成し、前記ラスター画像データの各範囲の画素群に前記網点基準データを対応させ、該画素群を構成する画素の濃度値データと前記網点基準データの閾値データとを比較し、比較結果に基づいて、各画素の出力の有無を規定することで一つの網点を生成し、色版別のラスター画像データから色版別の網点画像データを生成し、前記した網点の生成は、前記濃度値データが前記画素群をハイライト部分に規定している場合、前記網点の生成において、第一の方向においてのみ周囲の網点と接合する方向に伸長する形状の網点を生成し、前記濃度値データが前記画像群をシャドウ部分に規定している場合、前記第一の方向及びこれと交差する第二の方向で周囲の網点と接合する方向に伸長する形状の網点を生成し、前記色版別の網点画像データに基づき、網点画像を出力すること、を特徴とする。
【0028】
また、請求項16記載の発明は、色版別の画像データから色版別の網点画像データを生成し、該網点画像データに基づいて網点画像を出力する画像出力方法であって、予め、マトリックス状に所定の閾値データが配される色版別の網点基準データを記憶し、前記各画像データにRIP処理が施されていない場合には、前記各画像データにRIP処理を施して色版別のラスター画像データを生成し、前記ラスター画像データの各範囲の画素群に前記網点基準データを対応させ、該画素群を構成する画素の濃度値データと前記網点基準データの閾値データとを比較し、比較結果に基づいて、各画素の出力の有無を規定することで一つの網点を生成し、色版別のラスター画像データから色版別の網点画像データを生成し、前記色版別の網点画像データに基づき、網点画像を出力し、前記網点基準データには、生成する網点の網%に応じて、所定の第一の伸長方向と交差する第二の伸長方向よりも先に該第一の伸長方向へ網点の形状を成長させる配列で前記閾値データが配されること、を特徴とする。
【0029】
また、請求項19記載の発明は、コンピュータにより構成された画像出力制御装置に対して、画像データから色版別の網点画像データを生成する処理を実行させる画像出力プログラムであって、前記画像出力制御装置に、予め、マトリックス状に所定の閾値データが配された色版別の網点基準データを記憶させる処理を実行させ、前記画像データにRIP処理が施されていない場合には、前記各画像データにRIP処理を施して色版別のラスター画像データを生成する処理を実行させ、前記ラスター画像データの各範囲の画素群に前記網点基準データを対応させ、該画素群を構成する画素の濃度値データと前記網点基準データの閾値データとを比較して、各画素の出力の有無を規定することで一つの網点を生成し、色版別のラスター画像データから色版別の網点画像データを生成する処理を実行させ、前記網点画像データに出力制御情報を付加して画像形成装置に送信する処理を実行させ、前記濃度値データが前記画素群を少なくともハイライト部分に規定している場合、前記網点の生成において、第一の方向においてのみ周囲の網点と接合する方向に伸長する形状の網点を生成する処理を実行させること、を特徴とする。
【0030】
また、請求項20記載の発明は、コンピュータにより構成された画像出力制御装置に対して、画像データから色版別の網点画像データを生成する処理を実行させる画像出力プログラムであって、前記画像出力制御装置に、予め、マトリックス状に所定の閾値データが配された色版別の網点基準データを記憶させる処理を実行させ、前記画像データにRIP処理が施されていない場合には、前記各画像データにRIP処理を施して色版別のラスター画像データを生成する処理を実行させ、前記ラスター画像データの各範囲の画素群に前記網点基準データを対応させ、該画素群を構成する画素の濃度値データと前記網点基準データの閾値データとを比較して、各画素の出力の有無を規定することで一つの網点を生成し、色版別のラスター画像データから色版別の網点画像データを生成する処理を実行させ、前記網点画像データに出力制御情報を付加して画像形成装置に送信する処理を実行させ、前記濃度値データが前記画素群を少なくともハイライト部分に規定している場合、前記網点の生成において、第一の方向においてのみ周囲の網点と接合する方向に伸長する形状の網点を生成する処理を実行させ、前記濃度値データが前記画像群をシャドウ部分に規定している場合、前記第一の方向及びこれと交差する第二の方向で周囲の網点と接合する方向に伸長する形状の網点を生成する処理を更に実行させること、を特徴とする。
【0031】
また、請求項22記載の発明は、コンピュータにより構成された画像出力制御装置に対して、画像データから色版別の網点画像データを生成する処理を実行させる画像出力プログラムであって、前記画像出力制御装置に、予めマトリックス状に所定の閾値データが配された色版別の網点基準データを記憶させる処理を実行させ、前記画像データにRIP処理が施されていない場合には、前記各画像データにRIP処理を施して色版別のラスター画像データを生成する処理を実行させ、前記ラスター画像データの各範囲の画素群に前記網点基準データを対応させ、該画素群を構成する画素の濃度値データと前記網点基準データの閾値データとを比較して、各画素の出力の有無を規定することで一つの網点を生成し、色版別のラスター画像データから色版別の網点画像データを生成する処理を実行させ、前記網点基準データには、生成する網点の網%に応じて、所定の第一の伸長方向と交差する第二の伸長方向よりも先に該第一の伸長方向へ網点の形状を成長させる配列で前記閾値データが配されること、を特徴とする。
【0032】
また、請求項25記載の発明は、請求項19乃至24の何れかに記載の画像出力プログラムを、前記画像出力制御装置によって読み出し可能に記憶したことを特徴とする記憶媒体。
【発明の効果】
【0033】
本発明に係る画像出力システム、制御装置、画像出力方法、画像出力プログラム、及び、そのプログラムを記憶した記憶媒体によれば、指向性を有する形状に網点が成長するように閾値データを配した網点基準データによって網点を生成する処理を施して、網点の形状が、第一の方向が該第一の方向と交差する第二の方向よりも先に大きく成長するので、出力される網点画像においては、個々の網点が周囲の網点と接合するその発生箇所が画像の濃度に応じて分散され、トーンジャンプの発生を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明に係る画像形成システム、制御装置、画像出力方法、画像出力プログラム、及び、そのプログラムを記憶した記憶媒体の好適な一実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0035】
本実施形態における画像出力システムのシステム構成について図1に基づき詳細に説明する。
【0036】
図1に示すように、当該画像出力システムは、少なくとも1台のクライアント端末1と、カンプ用画像データを出力するための制御装置2及びカラーレーザープリンタ3と、CTP用のCTP用RIP4及びCTP6と、DCP用のDCP制御装置5とDCP作成装置7とをネットワーク接続して備えている。
【0037】
クライアント端末1は、画像データの画像編集、例えば面付け作業を行う。そして、クライアント端末1は、画像編集後、PostScriptで記述された画像データを、ページ面付けする前の単ページの画像データであるカンプ用画像データとして制御装置2に送信し、また印刷用画像データとしてCTP用RIP4に送信する。この送信される画像データには、文字や図形等の非写真画像オブジェクトが含まれており、画像データ中に、非写真画像オブジェクトがベクトルデータとして存在している。
【0038】
CTP用RIP4は、カンプ用画像データを複数面付けした印刷用画像データがクライアント端末1より送信されると、RIP処理を施す。RIP処理は、PostScriptで記述された画像データを解釈して、当該画像データを、CTP6、DCP作成装置7若しくはカラーレーザープリンタ3等の画像形成装置の出力解像度に合わせたラスター画像データ、すなわち点の集まりであるビットマップデータに変換するものであり、いわゆるラスタライズである。ここで、カラーレーザープリンタ3をDCPやCTP用途として用いる場合、印刷用画像データにカラーレーザープリンタ3の出力解像度に合わせたRIP処理を施してもよいし、RIP処理を制御装置2に任せ、文字フォント等のベクトル化やCTP出力用のページ面付け処理のみを行うようにしてもよい。
【0039】
制御装置2は、クライアント端末1からネットワークを介して送信されたカンプ用画像データや、CTP用RIP4から送信された印刷用画像データを解析して、ラスター画像データでない場合は、RIP処理を施す。更に、ラスター画像データを、カラーレーザープリンタ3の出力解像度に合わせて網点により構成される画像データ、すなわち網点画像データに変換する網点化処理を行う。そして、網点画像データの出力指示や、網点画像を出力する記録用紙のサイズ及び出力方向を指定する情報等を出力制御情報として、網点画像データとともにカラーレーザープリンタ3に送信する。
【0040】
カラーレーザープリンタ3は、電子写真方式の複写手段や、イメージスキャナ等のスキャン手段を備えるマルチファンクションプリンタであって、互いに異なるサイズの記録用紙を互いに異なる出力方向(縦置きと横置き)に収納する複数の給紙カセットと、この給紙カセットの各々に収納される記録用紙のサイズ及び出力方向を記憶する記憶手段等を備える。このカラーレーザープリンタ3は、制御装置2から送信された出力制御情報に従って、該当するサイズ及び出力方向の記録用紙を該当する給紙カセットから給紙して、その記録用紙にカンプ用画像データに基づくカンプ用画像や印刷用画像データに基づく印刷用画像を出力する。
【0041】
CTP6は、CTP用RIP4から送信された印刷用画像データに基づく印刷用画像を出力し、DCP制御装置5は、DCP作成装置7の出力制御を行い、DCP作成装置7は、DCP制御装置5を介して送信された印刷用画像データに基づく印刷用画像を出力する。
【0042】
尚、クライアント端末1、制御装置2、CTP用RIP4及びDCP制御装置5は、各々、コンピュータ端末として動作するものであって、コンピュータ本体、マウスやキーボード等の操作手段、モニタ等の表示手段等を備え、特に制御装置2には、ROM若しくはHDDに記憶されている画像出力プログラムにより本実施形態の各処理が実行される。さらに、クライアント端末1は、画像編集を行うための編集プログラム、イメージスキャナ等の必要な画像入力機器を備えている。
【0043】
次に、画像出力システムの概略動作を印刷製版工程の流れを踏みつつ、図2に示すフローチャートの流れに沿って説明する。
【0044】
図2に示すように、クライアント端末1にて画像編集された画像データは、制御装置2へ送信され、これを受けた制御装置2は、当該画像データを解析して、未だラスター画像データでない場合に、RIP処理を施してラスター画像データに変換する。さらに、そのラスター画像データに網点化処理を施して網点画像データに変換し、当該網点画像データを出力制御情報と共にカラーレーザープリンタ3へ送信する。
【0045】
網点画像データと出力制御情報を受けたカラーレーザープリンタ3は、その網点画像データに基づく網点画像を該当するサイズ及び出力方向の記録用紙に出力することでカンプ用画像が出力されたカラーカンプを作成する(S01)。
【0046】
尚、此処に言う“カラーカンプ”とは、色付きの仕上がり見本のことであり、ページ面付けされる写真やイラストのダミーとして印刷物に近い仕上がりイメージを見せることにより、デザインが企画・編集意図に沿ったものであるかどうかの検討や、クライアントの承諾を得るためなどに作成されるものである。即ち、この際には、単ページで小サイズのカンプ用画像の出力が行われ、印刷発注主やデザイナーによって、その文字校正や色校正等の作業結果確認が行われる(S02)。
【0047】
ここで、印刷発注主やデザイナーにより問題があることが確認された場合には(S02、No)、再度、クライアント端末1にて画像編集等が行われ、カラーレーザープリンタ3によってカラーカンプが作成される。ここで、問題がないことが確認された場合には(S02、Yes)、クライアントである印刷会社の作業者によりクライアント端末1において面付け作業が行われる(S03)。尚、此処に言う“面付け作業”とは、製版フィルムを的に印刷して折り丁にしたときにノンブル(そのページが何ページ目かがわかるように、ページの端に入れておく番号のこと)が順に並ぶように、写真やイラスト等の画像を16ページ単位、或いは8ページ単位や4ページ単位で、印刷機にかける用紙のサイズに合わせて貼り合わせる作業のことである。
【0048】
そして、印刷会社の作業者によりクライアント端末1からCTP用RIP4へ面付け作業が行われた印刷用画像データが送信されると、これを受けたCTP用RIP4は、その印刷用画像データに対して、DCP作成装置7、或いはCTP6の出力解像度にあわせてRIP処理を施す。(S04)。
【0049】
尚、DCPをカラーレーザープリンタ3にて作成する場合やCTP用途としてカラーレーザープリンタ3を使用する場合、CTP用RIP4においては、印刷用画像データに対し文字フォント等のベクトル化や面付け作業のみを行うようにし、RIP処理を制御装置2に任せてもよいし、RIP処理を施してもよい。これを受けた制御装置2は、当該印刷用画像データを解析し、未だラスター画像データでない場合は、RIP処理を施し、さらに網点化処理を施す(S05)。
【0050】
当該網点化された画像データは、制御装置2により出力制御情報と共にカラーレーザープリンタ3へ送信される。これを受けたカラーレーザープリンタ3は、出力制御情報に従って、その網点画像データに基づく網点画像を該当するサイズ及び出力方向の記録用紙に出力することで、印刷用画像が出力されたDCPを作成する(S06)。
【0051】
ここで、高精度のDCPが必要になる場合には、CTP用RIP4は、ラスター画像データをDCP制御装置5へ送信して、これを受けたDCP制御装置5は、DCP作成装置7の出力制御を行い、DCP作成装置7がその印刷用画像データに基づく画像を出力することで、DCPを作成する。
【0052】
そして、作成されたDCPの色校正が印刷発注主やデザイナーにより行われる。ここで、問題があることが確認された場合には(S07、No)、制御装置2において、各種設定情報(色調整の他、出力方向や出力サイズ等)の変更が行われた後、再度、カラーレーザープリンタ3によってその印刷用画像データに基づく画像が記録用紙に出力されて、DCPが作成される。
【0053】
ここで、その作成されたDCPに問題がないことが確認された場合には(S07、Yes)、印刷発注主やデザイナーは、CTP用RIP4からラスター画像データである印刷用画像データをCTP6に送信して、これを受けたCTP6は、印刷版に直接画像記録を行う(S08)。さらに、印刷会社の作業者は、その印刷版により印刷を行い、その印刷物である面付けされた画像の色校正が行われ、ここで、問題がないことが確認された場合には(S09、Yes)、印刷機により印刷物を印刷する工程に移行する(S10)。
【0054】
次に、制御装置2において行われるカンプ用画像データや印刷用画像データの網点化処理と縁取り処理について図3乃至図5に基づき詳細に説明する。尚、以下において、当該画像出力システムは、カラーレーザープリンタ3を利用してDCPを作成する場合を例に採り説明する。
【0055】
図3に示すように、制御装置2は、CTP用RIP4から送信された印刷用画像データにRIP処理を施してラスター画像データを生成し、ラスター画像データに網点化処理を施して網点画像データを生成し、出力制御情報を付加してカラーレーザープリンタ3に送信する装置である。
【0056】
すなわち、制御装置2は、印刷用画像データを保存する画像データ保存部20を備える。また、RIP処理を施す画像データ解析加工部21を備え、網点化処理を行う網点基準データ記憶部22及び網点化部23を備え、網点画像データをカラーレーザープリンタ3に送信する送信部26を備える。画像データ保存部20は、制御装置2のRAMにより構成され、網点基準データ記憶部22は、HDDにより構成され、他の各部は、ROMまたはHDDに記憶された画像出力プログラムに基づいてCPUが演算を行うことで構成される。尚、これら各部は、専用の回路によって構成されることを妨げない。
【0057】
画像データ保存部20は、CTP用RIP4から受信した印刷用画像データを保存する。印刷用画像データは、面付け処理が行われたもので、PostScript等によって記述されている。この印刷用画像データには、CTP用RIP4でRIP処理されてCMYKの4色および金色や銀色等の特別色(以下、「特色」ともいう)1,2の色版別に生成されたラスター画像データであっても、印刷用画像データの文字フォント等がベクトル化され、面付け処理されたのみのベクトル形式であってもよい。
ラスター画像データは、カラーレーザープリンタ3の出力解像度にあわせた画素で構成されるビットマップデータである。ラスター画像データを構成する画素のそれぞれには、その画素の濃度に応じた所定の濃度値データが割り振られている。図4(A)は、ラスター化された印刷用画像データの任意範囲に存在する画素群を示しており、ハイライト部分の画素群及びシャドウ部分の画素群を示す。濃度値データとしては、図4(A)に示すように、例えば、256階調の0〜255の数値が当てはめられる。本実施形態においては、CTP用RIP4にてRIP処理が施された色版別のラスター画像データが保存される。
【0058】
画像データ解析加工部21は、印刷用画像データを解析し、CTP用RIP4でRIP処理が施されていない場合には、印刷用画像データの記述内容を順次読み出し、順次RIP処理を施して、最終的に印刷用画像データからラスター画像データを生成する。
【0059】
網点基準データ記憶部22には、色版別の網点基準データが予め記憶されている。網点基準データは、印刷用画像を網点で形成する際に使用されるものである。この網点基準データは、図4(B)に示すように、複数の閾値データをマトリックス状に配した閾値マトリックスで構成されるものである。閾値マトリックスは、カラーレーザープリンタ3に設定されている出力強度の可変段数に合わせて出力強度別に用意されている。すなわち、網点基準データ記憶部22は、マトリックス状に所定の閾値データが配された網点基準データを記憶する網点基準データ記憶手段となる。
【0060】
網点基準データには、各閾値データが、網点の形状、網点配列角度、線数、及び網点の濃度に基づいて、各閾値マトリックス上に配列されている。本実施形態においては、図4(B)に示すように、各出力強度の閾値マトリックスが4×4行列であり、カラーレーザープリンタ3の出力強度の可変段数を5段階として、4つの出力強度別の閾値マトリックスが存在する。
【0061】
このような網点基準データにおいて、特に、網点の形状を考慮した各閾値データの配列は、網%に応じて、網点の所定の第一の伸長方向へ、該第一の伸長方向と直交する第二の伸長方向よりも先に網点の形状を成長させる配列である。網%とは、網点一つを形成する所定範囲の画素群において、網点を生成すべく出力有りと規定された画素の割合をいう。
【0062】
図4(B)は、所定の色版における網点基準データであり、網点配列角度を45度としている。この網点基準データは、閾値マトリックスにおいて、網点配列角度と同じである一対角線方向を第一の方向として設定されている。つまり、この網点基準データは、各閾値マトリックスにおいて、第一の方向に優先的に閾値の低い閾値データが縦列して配列されている。次に、順次、一対角線に配列された閾値データの周りを徐々に覆うように次なる閾値の低い閾値データが配列される。換言すれば、閾値マトリックスの各行及び各列で一番閾値の低い閾値データを結んだ結線の方向が第一の方向になる様に、かつ結線上の各閾値データから各行方向及び各列方向に離れていくにつれて閾値が高くなるように閾値データが配列されている。
【0063】
本実施形態の網点基準データによって、網点は、網%が0%から100%に上昇するにつれ、まず第一の方向を第一の伸長方向として伸長し、第一の方向を第一の伸長方向としてその伸長が最大に達すると、次に第二の方向へ第二の伸長方向として伸長するもので、網点が指向性を有する形状となるような網点画像データが生成される。すなわち、図4(C)に示すように、網点基準データによって、網点が、該網点の所定の第一の伸長方向へ該第一の伸長方向と直交する第二の伸長方向よりも先に成長する形状となる網点画像データが生成される。例えば該網点画像データに、楕円形状や菱形形状の網点が内包される。このような網点基準データは、網点の形状に指向性を有するようにすることで、ハイライト部分とシャドウ部分とで接合発生箇所を分散させる。
【0064】
尚、色版別の網点基準データにおいては、色版毎の網点配列角度に対応させて低い閾値の閾値データを優先的に配列されればよい。もちろん、網点配列角度と異なった方向を第一の方向とすることもでき、第二の方向も第一の方向と交差する方向であればよい。また、網点基準データの各閾値データは、網%がおよそ50%である網点において、第一の方向への成長が最大に達するように配列されている。
【0065】
網点化部23は、画像データ解析加工部21が順次施すRIP処理を追って、色版別のラスター画像データ上に上述の網点基準データを当てはめ、順次網点を形成していき、色版別の網点画像データを生成する。
【0066】
網点の生成は、まず所定範囲の画素群に網点基準データの各閾値マトリックスを当てはめて対応させる。この当てはめによって、当該画素群の各画素の濃度値データと対応する閾値データとを、閾値マトリックス毎に比較する。比較の結果、濃度値データが上回った閾値データが存在する閾値マトリックスが複数あると、複数の中の最大出力強度の閾値マトリックスに属する閾値データが採用される。そして、採用された閾値データが属する閾値マトリックスの出力強度に基づく出力データが、その濃度値データが配された画素に割り振られる。この結果、各画素には、図4(C)に示すように、出力無しを規定する“0”から、出力有りを規定する“1乃至4”までの出力データが割り振られ、各画素に出力強度が規定される。当該画素群の“1乃至4”によって、一つの網点が形成され、かつ、その網点自体の濃度が規定される。
【0067】
網点化によって、図4(C)に示すように、ラスター画像データから網点画像データが生成される。すなわち、網点化部23は、ラスター画像データの各範囲の画素群に対して、その画素群を構成する画素の濃度値データと該画素に対応させた網点基準データの閾値データとを比較して、各画素の出力の有無を規定することで一つの網点を生成し、ラスター画像データから網点画像データを生成する網点化処理手段となる。
【0068】
また、図4(C)は、本実施形態における網点基準データによって形成される網点画像データであり、図4(A)のハイライト部分の画素群とシャドウ部分の画素群がそれぞれ網点基準データと比較されることによって、生成されるハイライト部分及びシャドウ部分に対応した網点画像データである。本実施形態において、上述のような網点基準データにより、網点化部23は、図4(C)に示すように、網%が比較的低率な部分であるハイライト部分を形成する網点を、第二の方向よりも第一の方向へ伸長された、指向性を有する形状として生成するものである。網点化部23は、網%が比較的高率になった場合に、網%が高率になる部分であるシャドウ部分を形成する網点を、第二の方向へ徐々に膨らんで伸長していく形状として生成するものである。
【0069】
上述の各構成は、図示しないクロック生成部に同期しながら順次印刷用画像データの記述内容を読み出し、印刷用画像データの記述内容が終端に至るまで上述の各動作を繰り返していく。印刷用画像データは、同時並行的に、RIP処理が施されてラスター画像データとなり、ラスター画像データに網点化処理が施されて網点画像データとなる。終局的には、各処理は、CMYK、特色1,2の色版別の印刷用画像データ全てに行われる。
【0070】
尚、生成された色版毎の網点画像データは、上述の網点基準データに基づくものであり、ラスター画像データの所定画素群が濃度値データによってハイライト部分に規定されている場合、第一の方向においてのみ周囲の網点と接合する形状の網点が生成されて網点画像データとなっている。また、シャドウ部分に規定されている場合、第一の方向に加えて第二の方向で周囲の網点と接合する形状の網点が生成されて網点画像データとなっている。
【0071】
送信部26は、網点化部23により網点化された色版別の網点画像データに、出力制御情報を付加して共にカラーレーザープリンタ3に送信する。すなわち、送信部26は、網点画像データに出力制御情報を付加して画像形成装置に送信する送信手段となる。
【0072】
次に、本実施形態における画像出力システムの制御装置2及びカラーレーザープリンタ3の動作を図4乃至図6に基づき詳細に説明する。
【0073】
CTP用RIP4から印刷用画像データが送信されてくると、この印刷用画像データは、画像データ保存部20に保存される(S11)。そして、画像出力プログラムの起動により、画像データ解析加工部21は、まず印刷用画像データがラスター画像データであるか否かを解析し、ラスター画像データでない場合には、印刷用画像データの記述内容を順次読み出し、色版別にラスター画像データを生成する(S12)。この工程により、印刷用画像データは、各画素にカラーレーザープリンタ3の出力解像度に応じて全256階調のうち所定の濃度値データが付されたラスター画像データとなる。
【0074】
画像解析加工部21は、ラスター画像データとなった印刷用画像データの記述内容を網点化部23に渡し、網点化部23は、渡されたラスター画像データに網点化処理を施す(S13)。
【0075】
本実施形態において、網点化部23に渡されたラスター画像データは、図4(A)に示すように、濃度値データがハイライト部分を規定する濃度値データである40が付された画素群のデータと、濃度値データがシャドウ部分を規定する濃度値データである232が付された画素群のデータとなっている。また、図4(B)に示すように、網点基準データは、5段階の出力強度を規定し、かつ最大4×4の網点を形成する4つの出力強度別の閾値マトリックスで構成される。
【0076】
網点化部23は、まず、網点基準データ記憶部22より図4(B)に示す網点基準データを読み出す。網点基準データを読み出した網点化部23は、図4(A)に示す画素群に、網点基準データの各閾値マトリックスを当てはめ、各閾値データと濃度値データを比較し、濃度値データが上回った閾値データのうち、最大出力強度の閾値マトリックスに属する閾値データを採用する。そして、採用された閾値データが属する閾値マトリックスの出力強度に基づく出力データが各画素に付される。これによって、図4(C)に示すように、画素群の各画素には、出力無しを規定する“0”と、出力有りを規定する“1乃至4”が付されて一つの網点が生成される。また、1乃至4の出力データによって、当該網点の濃度の濃淡が表され、多値の網点画像データが生成される。
【0077】
このとき、図4(C)に示すように、ハイライト部分を規定する濃度値データを有するラスター画像データに基づいて、第一の方向を第一の伸長方向として先に伸長した網点形状を表す網点画像データが生成され、シャドウ部分を規定する濃度値データを有するラスター画像データに基づいて、第一の方向に加え、第二の方向を第二の伸長方向として伸長した網点形状を表す網点画像データが生成される。
【0078】
S11〜S13を繰り返して、読み出したデータから順次多値の網点画像データが生成され、最終的に印刷用画像データから色版別の多値の網点画像データの生成が完了する。この多値の網点画像データは、図4(C)に示すように、ハイライト部分において、第一の方向すなわち網点配列方向においてのみ周囲の網点と接合する網点の形状となり、シャドウ部分において、第二の方向すなわち網点配列方向と直交する方向で周囲の網点と接合する網点の形状となる。
【0079】
この色版別の網点画像データは、送信部26に渡される。送信部26は、渡された色版別の網点画像データに出力制御情報を付加してカラーレーザープリンタ3に送信する(S14)。そして、カラーレーザープリンタ3において、記録用紙上に、基本色からなる色版別の網点画像データに基づく網点画像が十分な階調をもって出力される。また、本実施形態によっては、個々の網点が周囲の網点と接合するその発生箇所が画像濃度別に分散され、その成長過程において同時に周囲の網点と接合する網点が形成されることはなく、トーンジャンプの発生を抑えることができる。
【0080】
これにより、凡そ120[dpi]程度の比較的低解像度ではあるが多値の網点化処理を行うことが可能なカラーレーザープリンタ3を、網点画像を出力する用途に使用する場合であっても、その網点画像を構成する個々の網点をひし形や楕円形等の指向性を有する形状にて構成することで、出力される網点画像においては、比較的低解像度ではあっても、十分な階調を得ることができると共に、個々の網点が周囲の網点と接合するその発生箇所が分散されて、トーンジャンプの発生を抑えられる。
【0081】
因みに、画像出力プログラムは、制御装置2によって読み取り可能な記憶媒体に記憶してもよく、記憶媒体の具体例としては、例えばROM、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、並びに、集積回路等のメモリ装置、光ディスク、光磁気ディスク(CD−ROM/DVD−RAM/DVD−ROM/MO等)、磁気記憶媒体<磁気ディスク>(ハードディスク/フロッピー(登録商標)ディスク/ZIP等)等を挙げることができる。
【0082】
尚、以上に説明した本実施形態における画像出力システムは、本発明の好適な一実施形態を例示したものであり、その他の実施形態を除外するものではない。例えば、本実施形態においては、比較的低解像度ではあるが多値の網点化処理(=多階調の網点画像出力)を行うことが可能な画像出力装置として、網点を出力する際の露光量を変化させるカラーレーザープリンタ3を例に挙げて説明したが、この他にも、例えば特開2004−082710号公報や、特開2001−260331号公報に記載されるインクジェット記録装置のように、通常のC、M、Y、Kインクの他に色材濃度の低いフォトインクを用いたり、インクの吐出量を変化させたりすることで、1つの画素を多階調にて表現するインクジェットプリンタ等を用いることにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明に係る画像出力システムの一実施形態における全体構成を表す構成図である。
【図2】図1に示す画像出力システムにおいて行われる印刷製版業務の一連の流れについて説明するためのフローチャートである。
【図3】図1に示す制御装置の詳細構成を表す機能ブロック図である。
【図4】制御装置における画像出力処理のうち、網点化についての説明図であり、(A)は、ラスター化された印刷用画像データの所定範囲の画素群を示す図であり、(B)は、本実施形態に係る網点基準データであり、(C)は、(A)の画素群が網点化された網点画像データを示す図である。
【図5】図3に示す制御装置における画像出力処理の流れについて説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0084】
1 クライアント端末
2 制御装置
20 画像データ保存部
21 画像データ解析加工部
22 網点基準データ記憶部
23 網点化部
24 送信部
3 カラーレーザープリンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データから色版別の網点画像データを生成し、該網点画像データに基づいて網点画像を出力する画像出力システムであって、
前記画像データにRIP処理が施されていない場合には、前記各画像データにRIP処理を施して色版別のラスター画像データを生成するラスター画像生成手段と、
マトリックス状に所定の閾値データが配される色版別の網点基準データを記憶する網点基準データ記憶手段と、
前記ラスター画像データの各範囲の画素群に前記網点基準データを対応させ、該画素群を構成する画素の濃度値データと前記網点基準データの閾値データとを比較して、各画素の出力の有無を規定することで一つの網点を生成し、色版別のラスター画像データから色版別の網点画像データを生成する網点化処理手段と、
前記色版別の網点画像データに基づき、網点画像を出力する画像出力手段と、
を備え、
前記網点化処理手段は、
前記濃度値データが前記画素群をハイライト部分に規定している場合、第一の方向においてのみ周囲の網点と接合する方向に伸長する形状の網点を生成すること、
を特徴とする画像出力システム。
【請求項2】
画像データから色版別の網点画像データを生成し、該網点画像データに基づいて網点画像を出力する画像出力システムであって、
前記画像データにRIP処理が施されていない場合には、前記各画像データにRIP処理を施して色版別のラスター画像データを生成するラスター画像生成手段と、
マトリックス状に所定の閾値データが配される色版別の網点基準データを記憶する網点基準データ記憶手段と、
前記ラスター画像データの各範囲の画素群に前記網点基準データを対応させ、該画素群を構成する画素の濃度値データと前記網点基準データの閾値データとを比較して、各画素の出力の有無を規定することで一つの網点を生成し、色版別のラスター画像データから色版別の網点画像データを生成する網点化処理手段と、
前記色版別の網点画像データに基づき、網点画像を出力する画像出力手段と、
を備え、
前記網点化処理手段は、
前記濃度値データが前記画素群をハイライト部分に規定している場合、第一の方向においてのみ周囲の網点と接合する方向に伸長する形状の網点を生成し、
前記濃度値データが前記画像群をシャドウ部分に規定している場合、前記第一の方向及びこれと交差する第二の方向で周囲の網点と接合する方向に伸長する形状の網点を生成すること、
を特徴とする画像出力システム。
【請求項3】
前記網点の形状における前記第一の方向は、前記第二の方向よりも先に長く伸長されること、
を特徴とする請求項2記載の画像出力システム。
【請求項4】
画像データから色版別の網点画像データを生成し、該網点画像データに基づいて網点画像を出力する画像出力システムであって、
前記画像データにRIP処理が施されていない場合には、前記各画像データにRIP処理を施して色版別のラスター画像データを生成するラスター画像生成手段と、
マトリックス状に所定の閾値データが配される色版別の網点基準データを記憶する網点基準データ記憶手段と、
前記ラスター画像データの各範囲の画素群に前記網点基準データを対応させ、該画素群を構成する画素の濃度値データと前記網点基準データの閾値データとを比較して、各画素の出力の有無を規定することで一つの網点を生成し、色版別のラスター画像データから色版別の網点画像データを生成する網点化処理手段と、
前記色版別の網点画像データに基づき、網点画像を出力する画像出力手段と、
を備え、
前記網点基準データには、
生成する網点の網%に応じて、所定の第一の伸長方向と交差する第二の伸長方向よりも先に該第一の伸長方向へ網点の形状を成長させる配列で前記閾値データが配されること、
を特徴とする画像出力システム。
【請求項5】
前記網点基準データには、
閾値データが閾値の低い順に前記第一の方向に配され、さらに該第一の方向に配された閾値データの周りを、残りの閾値データが閾値の低い順に順次覆うように配されること、
を特徴とする請求項4記載の画像出力システム。
【請求項6】
前記網点基準データには、
網%が略50%であるときに、前記第一の方向への成長が最大に達する配列で前記閾値データが配されること、
を特徴とする請求項4に記載の画像出力システム。
【請求項7】
画像データから色版別の網点画像データを生成して、画像形成装置に対して該網点画像データに基づく画像の出力をさせる画像出力制御装置であって、
前記画像データにRIP処理が施されていない場合には、前記各画像データにRIP処理を施して色版別のラスター画像データを生成するラスター画像生成手段と、
マトリックス状に所定の閾値データが配される色版別の網点基準データを記憶する網点基準データ記憶手段と、
前記ラスター画像データの各範囲の画素群に前記網点基準データを対応させ、該画素群を構成する画素の濃度値データと前記網点基準データの閾値データとを比較して、各画素の出力の有無を規定することで一つの網点を生成し、色版別のラスター画像データから色版別の網点画像データを生成する網点化処理手段と、
前記網点画像データに出力制御情報を付加して画像形成装置に送信する送信手段と、
を備え、
前記網点化処理手段は、
前記濃度値データが前記画素群をハイライト部分に規定している場合、第一の方向においてのみ周囲の網点と接合する方向に伸長する形状の網点を生成すること、
を特徴とする画像出力制御装置。
【請求項8】
画像データから色版別の網点画像データを生成して、画像形成装置に対して該網点画像データに基づく画像の出力をさせる画像出力制御装置であって、
前記画像データにRIP処理が施されていない場合には、前記各画像データにRIP処理を施して色版別のラスター画像データを生成するラスター画像生成手段と、
マトリックス状に所定の閾値データが配される色版別の網点基準データを記憶する網点基準データ記憶手段と、
前記ラスター画像データの各範囲の画素群に前記網点基準データを対応させ、該画素群を構成する画素の濃度値データと前記網点基準データの閾値データとを比較して、各画素の出力の有無を規定することで一つの網点を生成し、色版別のラスター画像データから色版別の網点画像データを生成する網点化処理手段と、
前記網点画像データに出力制御情報を付加して画像形成装置に送信する送信手段と、
を備え、
前記網点化処理手段は、
前記濃度値データが前記画素群をハイライト部分に規定している場合、第一の方向においてのみ周囲の網点と接合する方向に伸長する形状の網点を生成し、
前記濃度値データが前記画像群をシャドウ部分に規定している場合、前記第一の方向及びこれと交差する第二の方向で周囲の網点と接合する方向に伸長する形状の網点を生成すること、
を特徴とする画像出力制御装置。
【請求項9】
前記網点の形状における前記第一の方向は、前記第二の方向よりも先に長く伸長されること、
を特徴とする請求項8記載の画像出力制御装置。
【請求項10】
画像データから色版別の網点画像データを生成し、該網点画像データに基づいて網点画像を出力する画像出力制御装置であって、
前記画像データにRIP処理が施されていない場合には、前記各画像データにRIP処理を施して色版別のラスター画像データを生成するラスター画像生成手段と、
マトリックス状に所定の閾値データが配される色版別の網点基準データを記憶する網点基準データ記憶手段と、
前記ラスター画像データの各範囲の画素群に前記網点基準データを対応させ、該画素群を構成する画素の濃度値データと前記網点基準データの閾値データとを比較して、各画素の出力の有無を規定することで一つの網点を生成し、色版別のラスター画像データから色版別の網点画像データを生成する網点化処理手段と、
前記色版別の網点画像データに基づき、網点画像を出力する画像出力手段と、
を備え、
前記網点基準データには、
生成する網点の網%に応じて、所定の第一の伸長方向と交差する第二の伸長方向よりも先に該第一の伸長方向へ網点の形状を成長させる配列で前記閾値データが配されること、
を特徴とする画像出力制御装置。
【請求項11】
前記網点基準データには、
閾値データが閾値の低い順に前記第一の方向に配され、さらに該第一の方向に配された閾値データの周りを、残りの閾値データが閾値の低い順に順次覆うように配されること、
を特徴とする請求項10記載の画像出力制御装置。
【請求項12】
前記網点基準データには、
網%が略50%であるときに、前記第一の方向への成長が最大に達する配列で前記閾値データが配されること、
を特徴とする請求項10記載の画像出力制御装置。
【請求項13】
色版別の画像データから色版別の網点画像データを生成し、該網点画像データに基づいて網点画像を出力する画像出力方法であって、
予め、マトリックス状に所定の閾値データが配される色版別の網点基準データを記憶し、
前記各画像データにRIP処理が施されていない場合には、前記各画像データにRIP処理を施して色版別のラスター画像データを生成し、
前記ラスター画像データの各範囲の画素群に前記網点基準データを対応させ、該画素群を構成する画素の濃度値データと前記網点基準データの閾値データとを比較し、
比較結果に基づいて、各画素の出力の有無を規定することで一つの網点を生成し、色版別のラスター画像データから色版別の網点画像データを生成し、
前記した網点の生成は、
前記濃度値データが前記画素群をハイライト部分に規定している場合、前記網点の生成において、第一の方向においてのみ周囲の網点と接合する方向に伸長する形状の網点を生成し、
前記色版別の網点画像データに基づき、網点画像を出力すること、
を特徴とする画像出力方法。
【請求項14】
色版別の画像データから色版別の網点画像データを生成し、該網点画像データに基づいて網点画像を出力する画像出力方法であって、
予め、マトリックス状に所定の閾値データが配される色版別の網点基準データを記憶し、
前記各画像データにRIP処理が施されていない場合には、前記各画像データにRIP処理を施して色版別のラスター画像データを生成し、
前記ラスター画像データの各範囲の画素群に前記網点基準データを対応させ、該画素群を構成する画素の濃度値データと前記網点基準データの閾値データとを比較し、
比較結果に基づいて、各画素の出力の有無を規定することで一つの網点を生成し、色版別のラスター画像データから色版別の網点画像データを生成し、
前記した網点の生成は、
前記濃度値データが前記画素群をハイライト部分に規定している場合、前記網点の生成において、第一の方向においてのみ周囲の網点と接合する方向に伸長する形状の網点を生成し、
前記濃度値データが前記画像群をシャドウ部分に規定している場合、前記第一の方向及びこれと交差する第二の方向で周囲の網点と接合する方向に伸長する形状の網点を生成し、
前記色版別の網点画像データに基づき、網点画像を出力すること、
を特徴とする画像出力方法。
【請求項15】
前記網点の形状における前記第一の方向は、前記第二の方向よりも先に長く伸長されること、
を特徴とする請求項14記載の画像出力方法。
【請求項16】
色版別の画像データから色版別の網点画像データを生成し、該網点画像データに基づいて網点画像を出力する画像出力方法であって、
予め、マトリックス状に所定の閾値データが配される色版別の網点基準データを記憶し、
前記各画像データにRIP処理が施されていない場合には、前記各画像データにRIP処理を施して色版別のラスター画像データを生成し、
前記ラスター画像データの各範囲の画素群に前記網点基準データを対応させ、該画素群を構成する画素の濃度値データと前記網点基準データの閾値データとを比較し、
比較結果に基づいて、各画素の出力の有無を規定することで一つの網点を生成し、色版別のラスター画像データから色版別の網点画像データを生成し、
前記色版別の網点画像データに基づき、網点画像を出力し、
前記網点基準データには、
生成する網点の網%に応じて、所定の第一の伸長方向と交差する第二の伸長方向よりも先に該第一の伸長方向へ網点の形状を成長させる配列で前記閾値データが配されること、
を特徴とする画像出力方法。
【請求項17】
前記網点基準データには、
閾値データが閾値の低い順に前記第一の方向に配され、さらに該第一の方向に配された閾値データの周りを、残りの閾値データが閾値の低い順に順次覆うように配されること、
を特徴とする請求項16記載の画像出力方法。
【請求項18】
前記網点基準データには、
網%が略50%であるときに、前記第一の方向への成長が最大に達する配列で前記閾値データが配されること、
を特徴とする請求項16記載の画像出力方法。
【請求項19】
コンピュータにより構成された画像出力制御装置に対して、画像データから色版別の網点画像データを生成する処理を実行させる画像出力プログラムであって、
前記画像出力制御装置に、
予め、マトリックス状に所定の閾値データが配された色版別の網点基準データを記憶させる処理を実行させ、
前記画像データにRIP処理が施されていない場合には、前記各画像データにRIP処理を施して色版別のラスター画像データを生成する処理を実行させ、
前記ラスター画像データの各範囲の画素群に前記網点基準データを対応させ、該画素群を構成する画素の濃度値データと前記網点基準データの閾値データとを比較して、各画素の出力の有無を規定することで一つの網点を生成し、色版別のラスター画像データから色版別の網点画像データを生成する処理を実行させ、
前記網点画像データに出力制御情報を付加して画像形成装置に送信する処理を実行させ、
前記濃度値データが前記画素群を少なくともハイライト部分に規定している場合、前記網点の生成において、第一の方向においてのみ周囲の網点と接合する方向に伸長する形状の網点を生成する処理を実行させること、
を特徴とする画像出力プログラム。
【請求項20】
コンピュータにより構成された画像出力制御装置に対して、画像データから色版別の網点画像データを生成する処理を実行させる画像出力プログラムであって、
前記画像出力制御装置に、
予め、マトリックス状に所定の閾値データが配された色版別の網点基準データを記憶させる処理を実行させ、
前記画像データにRIP処理が施されていない場合には、前記各画像データにRIP処理を施して色版別のラスター画像データを生成する処理を実行させ、
前記ラスター画像データの各範囲の画素群に前記網点基準データを対応させ、該画素群を構成する画素の濃度値データと前記網点基準データの閾値データとを比較して、各画素の出力の有無を規定することで一つの網点を生成し、色版別のラスター画像データから色版別の網点画像データを生成する処理を実行させ、
前記網点画像データに出力制御情報を付加して画像形成装置に送信する処理を実行させ、
前記濃度値データが前記画素群を少なくともハイライト部分に規定している場合、前記網点の生成において、第一の方向においてのみ周囲の網点と接合する方向に伸長する形状の網点を生成する処理を実行させ、
前記濃度値データが前記画像群をシャドウ部分に規定している場合、前記第一の方向及びこれと交差する第二の方向で周囲の網点と接合する方向に伸長する形状の網点を生成する処理を更に実行させること、
を特徴とする画像出力プログラム。
【請求項21】
前記網点の形状における前記第一の方向は、前記第二の方向よりも先に長く伸長されること、
を特徴とする請求項20記載の画像出力プログラム。
【請求項22】
コンピュータにより構成された画像出力制御装置に対して、画像データから色版別の網点画像データを生成する処理を実行させる画像出力プログラムであって、
前記画像出力制御装置に、
予めマトリックス状に所定の閾値データが配された色版別の網点基準データを記憶させる処理を実行させ、
前記画像データにRIP処理が施されていない場合には、前記各画像データにRIP処理を施して色版別のラスター画像データを生成する処理を実行させ、
前記ラスター画像データの各範囲の画素群に前記網点基準データを対応させ、該画素群を構成する画素の濃度値データと前記網点基準データの閾値データとを比較して、各画素の出力の有無を規定することで一つの網点を生成し、色版別のラスター画像データから色版別の網点画像データを生成する処理を実行させ、
前記網点基準データには、
生成する網点の網%に応じて、所定の第一の伸長方向と交差する第二の伸長方向よりも先に該第一の伸長方向へ網点の形状を成長させる配列で前記閾値データが配されること、
を特徴とする画像出力プログラム。
【請求項23】
前記網点基準データには、
閾値データが閾値の低い順に前記第一の方向に配され、さらに該第一の方向に配された閾値データの周りを、残りの閾値データが閾値の低い順に順次覆うように配されること、
を特徴とする請求項22記載の画像出力プログラム。
【請求項24】
前記網点基準データには、
網%が略50%であるときに、前記第一の方向への成長が最大に達する配列で前記閾値データが配されること、
を特徴とする請求項22記載の画像出力プログラム。
【請求項25】
請求項19乃至24の何れかに記載の画像出力プログラムを、前記画像出力制御装置によって読み出し可能に記憶したことを特徴とする記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−13624(P2006−13624A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−184100(P2004−184100)
【出願日】平成16年6月22日(2004.6.22)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】