説明

画像形成装置、および画像形成装置の制御方法

【課題】装置の状態を判りやすく示すことができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置の複数の面のそれぞれに、メッセージ表示部109a〜109dを設ける。画像形成装置の状態を検知し、通知が必要なユーザの方向を向いたメッセージ表示部にメッセージを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像形成装置、および画像形成装置の制御方法に関し、特に装置の状態を検知してメッセージを表示することができる画像形成装置、および画像形成装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、MFP(Multi Function Peripheral)、プリンタ、ファクシミリ装置などの画像形成装置が知られている。画像形成装置では、ジョブの受付、印字の実行、用紙やトナーなどの消耗品の有無などに関する、正常動作中/エラー発生中の表示は、主に操作パネルで行なわれる。
【0003】
このような技術においては、ユーザが機械のそばに行かない限り通知された情報を得ることができない。このため、ユーザは一旦機械のそばまで行ってから、プリント指示の出しなおしのために自席のPC(personal computer)まで戻ったり、用紙を取りに行ったりするなど、物理的な動作に無駄が発生していた。
【0004】
このような問題を解決する方法としては、たとえばユーティリティソフトをPCにあらかじめインストールしておき、装置の状態を監視しておくことが考えられる。たとえば、問題発生時にPC上に情報を表示する管理ソフトウェアなどである。
【0005】
下記特許文献1は、ホストコンピュータに接続することで、受信データの宛先を特定し、ユーザに対して報知を行なうファクシミリ装置を開示している。
【0006】
特許文献2は、操作パネルを2つ設けて様々な方向から操作可能な画像形成装置を開示している。
【0007】
特許文献3は、操作パネルを本体上部に立てて設けた情報処理装置を開示している。
特許文献4は、装置から離れたオペレータでも異常状態が確認できる様に、パネル右下にLED表示部を設けた画像形成装置を開示している。
【特許文献1】特開平7−312668号公報
【特許文献2】特開平5−207209号公報
【特許文献3】特開平11−134129号公報
【特許文献4】特開平7−312681号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のようにユーティリティソフトをPCにあらかじめインストールしておくことは手間がかかり、システムが複雑になるなどの欠点があった。
【0009】
この発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、装置の状態を判りやすく示すことができる画像形成装置、および画像形成装置の制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するためこの発明のある局面に従うと、複数の面を有する画像形成装置は、画像を印刷する印刷部と、複数の面のうちの第1の面に具備される第1のメッセージ表示部と、複数の面のうちの第1の面とは異なる方向に向いた第2の面に具備される第2のメッセージ表示部と、画像形成装置の状態を検知する状態検知手段と、状態検知手段による検知結果に基づいて、第1のメッセージ表示部と第2のメッセージ表示部の少なくとも一方に表示するメッセージを決定する決定手段と、決定したメッセージを、第1のメッセージ表示部と第2のメッセージ表示部の少なくとも一方に表示する表示手段とを備える。
【0011】
好ましくは状態検知手段は、画像形成装置の印刷状態を検知する。
好ましくは画像形成装置は、4面方向に夫々メッセージ表示部を有する事を特徴とする。
【0012】
好ましくは画像形成装置はファクシミリ機能を有し、表示手段は、ファクシミリ画像を受信した時に第1のメッセージ表示部と第2のメッセージ表示部の少なくとも一方に受信した旨の表示を行なう。
【0013】
好ましくは画像形成装置は自動原稿搬送装置と読取機能とを有し、全原稿の読取を終了した時に第1のメッセージ表示部と第2のメッセージ表示部の少なくとも一方に読取りが終了した旨の表示を行なう。
【0014】
好ましくは画像形成装置は、第1および第2のメッセージ表示部に同一メッセージを表示する事を特徴とする。
【0015】
好ましくは画像形成装置は、第1および第2のメッセージ表示部に異なるメッセージを表示する事を特徴とする。
【0016】
好ましくは決定手段は、メッセージの内容に応じて表示を行なうメッセージ表示部を決定する。
【0017】
好ましくは画像形成装置は、コードと、そのコードに対応するメッセージ表示部とを対応付けて記憶する記憶手段と、印刷する画像または受信した画像に対するコードを検知する検知手段とをさらに備え、決定手段は、検知手段による検知の結果と、記憶手段の情報とに基づいて、メッセージを表示するメッセージ表示部を決定する。
【0018】
好ましくは画像形成装置は、第1および第2のメッセージ表示部に、同一メッセージを表示するか異なるメッセージを表示するかを選択する選択手段をさらに備える。
【0019】
好ましくは画像形成装置は、第1および第2のメッセージ表示部のうち、メッセージを表示するものを選択する。
【0020】
好ましくは画像形成装置は、第1および第2のメッセージ表示部の一方において、文字を流して表示すると共に、流し終えた文字を第1および第2のメッセージ表示部の他方において流して表示する。
【0021】
好ましくは画像形成装置は、文字を流して表示する方向を設定する設定手段をさらに備える。
【0022】
好ましくは状態検知手段は、画像の入力完了、画像の印字開始、画像の印字終了、印字枚数、およびエラーのうち少なくとも1つを検知する。
【0023】
好ましくは第1および第2のメッセージ表示部の少なくとも一方に表示したメッセージは、所定時間経過後に消されることを特徴とする。
【0024】
好ましくは画像形成装置は、外部からの印刷ジョブを受信する受信手段と、印刷ジョブの要求元を判別する判別手段とをさらに備え、決定手段は、判別手段により判別した要求元に応じて、メッセージを表示するメッセージ表示部を決定する。
【0025】
好ましくは第1のメッセージ表示部は縦方向に配置される。
好ましくは第1のメッセージ表示部は、画像形成装置から突出して配置される。
【0026】
好ましくは第1のメッセージ表示部は、画像形成装置の面の全体に配置される。
好ましくは画像形成装置は、決定したメッセージの内容に応じて、表示するメッセージの色を決定する事を特徴とする。
【0027】
好ましくは決定手段は、状態検知手段の検知結果に基づいて、第1のメッセージ表示部、および第2のメッセージ表示部に表示する両方の内容を決定することを特徴とする。
【0028】
この発明の他の局面に従うと、複数の面を有する画像形成装置の制御方法において、画像形成装置は、画像を印刷する印刷部と、複数の面のうちの第1の面に具備される第1のメッセージ表示部と、複数の面のうちの第1の面とは異なる方向に向いた第2の面に具備される第2のメッセージ表示部とを備え、制御方法は、画像形成装置の状態を検知する状態検知ステップと、状態検知ステップによる検知結果に基づいて、第1のメッセージ表示部と第2のメッセージ表示部の少なくとも一方に表示するメッセージを決定する決定ステップと、決定したメッセージを、第1のメッセージ表示部と第2のメッセージ表示部の少なくとも一方に表示する表示ステップとを備える。
【発明の効果】
【0029】
この発明に従うと、装置の状態を判りやすく示すことができる画像形成装置、および画像形成装置の制御方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態における画像形成装置について説明する。画像形成装置は、物理的に目視可能なメッセージを装置上に表示する。表示されるメッセージにより、ユーザはある程度遠隔からでも装置の状態を確認することが可能である。これにより、装置利用時の無駄な動作が解消される。メッセージ表示部は、画像形成装置の異なる方向に向いた面にそれぞれ設けられる。
【0031】
メッセージとしては、装置の動作に関する情報を表示してもよいし、装置の操作以外の一般的な情報(たとえば天気予報、ニュース、株価情報、社内連絡など)を表示してもよい。このような一般的な情報は、ネットワーク上のデータベースから適宜受信して表示することができる。これにより、画像形成装置の情報端末としての利便性を向上させることができる。
【0032】
図1は、本発明の実施の形態の1つにおける画像形成装置の構成を示す図である。図2は、図1のII−II線の断面図である。
【0033】
図に示されるように、画像形成装置は、原稿を照射する光源、CCDセンサなどを含む画像読取部101と、画像が印字された用紙を排紙する排紙部103と、画像を用紙に印字するプリンタエンジンを含む印字部105と、複数の種類の用紙を格納する給紙部107a〜107cとを含む。また、画像形成装置の四方を囲む面のそれぞれには、メッセージ表示部109a〜109dが設けられている。メッセージ表示部109a〜109dのそれぞれは、ある程度の遠隔からユーザが見ることができる程度の大きさの文字や記号を表示することが可能である。
【0034】
図3は、画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図を参照して画像形成装置は、ネットワークを介して接続されたPC151と通信する通信部111と、外部装置とファクシミリ通信を行なうFAX通信部121と、画像読取部101と、印字する画像を形成する画像形成部113と、装置全体の制御を行なう制御部115と、ハードディスクやメモリなどの記憶装置で構成される記憶領域117と、印字部105と、ユーザからの入力を受付け、かつ情報を表示する操作部119と、メッセージ表示部109a〜109dとから構成される。
【0035】
制御部115は、印字部105および画像形成装置の全体の状態を検知する印字状態検知部115a、および表示内容を決定する表示内容決定部115bを含んでいる。
【0036】
記憶領域117は、表示用のデータを記憶する表示バッファ117aと、複数人のユーザの個人情報を記憶する個人情報記憶領域117bと、特定のメッセージの表示を行なう表示部と表示位置とを記憶する表示位置情報記憶領域117cとを含んでいる。
【0037】
印字状態としては、印刷完了や紙詰まりや用紙エンプティなどの状態や、FAX受信、読取完了などの画像形成装置全体の状態が含まれる。
【0038】
ネットワークを通じて、あるいは画像読取部101により入力した画像データは、画像形成部113において印字データに変換される。このデータを元に印字部105は、画像を印字する。
【0039】
印字部105は、たとえばレーザービーム式の静電写真方式や、LED式の静電写真方式や、インクジェット印字方式を採用することができる。さらに、FAXの受信や印刷の開始など、制御部115の状態を印字状態検知部115aにより検知することもできる。
【0040】
印字状態検知部115aとしては、光学センサを用いて印字用紙の排出をカウントする機構や、紙が通過した事をレバーの動きで検知する電磁誘導式の機構を採用することができる。これら各部の動作は、制御部115により監視される。
【0041】
印字状態検知部115aにより検知された出力の状態は、制御部115に通知される。これにより制御部115はどの画像データの印字が完了したかを判断する。同時に制御部115は、たとえば印字を完了した第1のデータが画像読取部101から入力されたものであれば、その情報に基づいてタスクを「コピー」と判断する。このような判断は、あらかじめインプットされたプログラムにより行なわれる。
【0042】
制御部115は、記憶領域117に対し情報をインプットする。記憶領域117は、この情報に基づき表示バッファ117aにおいて、表示するメッセージを形成する。たとえば「コピーが完了しました。」などのメッセージである。
【0043】
記憶領域117は、形成されたメッセージを制御部115にフィードバックする。これを受けた制御部115は、メッセージ表示部109a〜109dにメッセージを表示するように信号を出す。
【0044】
メッセージ表示部109a〜109dは、制御部115から出された信号に基づいて、メッセージを表示する。表示を行なう機構は、たとえばLED表示ディスプレイ、LCD表示ディスプレイ、EL表示ディスプレイなどを採用することができる。
【0045】
たとえば印字を完了した第1のデータが通信部111から入力されたものであれば、制御部115は、通信情報に基づいて、どこから印字指示されたかを記憶領域117の個人情報記憶領域117bに照会する。更に記憶領域117では、個人情報記憶領域117bで特定された発信元情報に基づき、表示位置記憶領域117cに対してどの表示部にメッセージを出すかを照会し、これを特定する。
【0046】
また表示バッファ117aは、制御部115からの情報、および特定された個人情報に基づき、表示するメッセージを形成する。たとえば「Aさんのプリントが完了しました。」などのメッセージである。
【0047】
記憶領域117は、形成されたメッセージと、特定された表示位置情報とを制御部115にフィードバックする。これを受けた制御部115は、たとえばメッセージ表示部109bにこのメッセージを表示するように信号を出す。
【0048】
メッセージ表示部109bは、制御部115から出された信号に基づいて、メッセージを表示する。
【0049】
また、FAX通信部121により入力した画像データは、画像形成部113において印字データに変換され、このデータを元に印字部105が画像を印字する。同時にFAX通信部121は、FAX画像を受信した旨、および受信した画像データを制御部115に通知する。
【0050】
制御部115は、この情報に基づいて、タスクを「ファックス」と判断する。これは、あらかじめインプットされたプログラムにより判断される。制御部115は、送られた画像データなどから宛先を抽出する。抽出には、たとえばOCRによる文字解析と、パターン照合などが用いられる。
【0051】
制御部115は、記憶領域117に対して情報をインプットする。記憶領域115ではこの情報に基づき、表示バッファ117aにおいて表示するメッセージを形成する。たとえば「Aさん宛にファックスを受信しました。」などのメッセージである。
【0052】
次に記憶領域117は、形成されたメッセージを制御部115にフィードバックする。これを受けた制御部115は、メッセージ表示部109a〜109dにメッセージを表示するように信号を出す。
【0053】
またこの時、得られた宛先に基づき、個人情報記憶領域117bがユーザを特定し、特定されたユーザへの表示位置を表示位置情報記憶領域117cが判定する事で、予め決められた表示部にメッセージを表示する事ができる。
【0054】
図4は、図3の構成の変形例を示す図である。
図4においては、画像読取部101に自動原稿搬送装置101aと読取状態検知部101bとが備えられている。読取状態検知部101bとしては、光学センサを用いて原稿用紙の排出をカウントする機構や、あるいは紙が通過した事をレバーの動きで検知する電磁誘導式の機構を用いることができる。
【0055】
画像読取部101は、読取状態検知部101bにより、原稿の読取が終了した旨を制御部115に対して通知する。
【0056】
制御部115ではこの情報と、たとえばこのタスクが読取りだけである旨の操作パネル(操作部119)からのトリガー情報とから、「スキャンが終了した」などと判断する。これは、あらかじめインプットされたプログラムにより判断される。
【0057】
制御部115は、記憶領域117に対し情報をインプットする。
記憶領域115ではこの情報に基づき、表示バッファ117aにおいて表示するメッセージを形成する。たとえば「ジョブ005のスキャン作業が終了しました。」などのメッセージである。
【0058】
記憶領域117は、形成されたメッセージを制御部115にフィードバックする。これを受けた制御部115は、メッセージ表示部109a〜109dにメッセージを表示するように信号を出す。
【0059】
また制御部115は、あるタスクの開始、終了、もしくはエラーの発生を検知すると、これを記憶領域117に通知する。記憶領域117は、タスクの種類、そのタスクの通信情報に基づき、個人情報記憶領域117bにおいて、そのタスクの発信元の情報を特定し、表示位置情報記憶領域117cに照会する。
【0060】
表示位置情報記憶領域117cは、照会情報に基づき、どの表示部にメッセージを出すかを特定する。
【0061】
また表示バッファ117aは、制御部115からの情報、および特定された個人情報に基づき、表示するメッセージを形成する。たとえば「Aさんのプリントが完了しました。」などのメッセージである。
【0062】
次に記憶領域117は、形成されたメッセージと、特定された表示位置情報を制御部115にフィードバックする。これを受けた制御部115は、たとえばメッセージ表示部109bにメッセージを表示するように信号を出す。
【0063】
この繰返しにより、タスクまたはエラー毎に形成されたメッセージと特定された表示位置が、制御部115から各々のメッセージ表示部に対し通知され、各々のメッセージ表示部がそれぞれ違ったメッセージを表示する。
【0064】
図5は、画像形成装置の外観を示す斜視図である。
図に示されるようにメッセージ表示部109a,109dにおいて、メッセージが表示される。メッセージの例としては、「Aさんのコピーが完了しました。」、「Bさんにファックスが届きました。」、「Cさんのプリントが完了しました。」、などの動作に関するメッセージや、「紙詰まりが発生しました。用紙を取り除いてください。」、「下の扉を開けて詰まった用紙を取り除いてください。」、「黄色のトナーが無くなりました。トナーカートリッジを新しいものに交換してください。」、「A4の用紙が無くなりました。用紙を補給してください。」などの装置の状態に関するメッセージを表示することが考えられる。
【0065】
またメッセージとして、「本日の外国為替情報。1ドル=117円・・・。」、「明日の天気: 東京地方=晴れ時々曇り。降水確率は・・・・。」、「トピックス: 今日の予算審議会で、小泉首相は・・・・。」、「社内報 2006/02/08 社長メッセージ: 本日の取締役会において・・。」などの装置の状態とは無関係なメッセージを表示することとしてもよい。
【0066】
図6は、画像形成装置の表示の例を示す平面図である。
この図においては、画像形成装置を中心として、その周りにAさん、Bさん、Cさん、Dさんの座席があることを想定している。Aさんは画像形成装置のメッセージ表示部109aの方向を向いて座っており、Bさんは画像形成装置のメッセージ表示部109cの方向を向いて座っており、Cさんは画像形成装置のメッセージ表示部109bが右側にあるように座っており、Dさんは画像形成装置のメッセージ表示部109bが左側にあるように座っている。
【0067】
この場合、メッセージ表示部109aにAさんに向けたメッセージを、メッセージ表示部109bにDさんに向けたメッセージを、メッセージ表示部109cにBさんに向けたメッセージを、メッセージ表示部109dにCさんに向けたメッセージを表示するように設定する。これにより、各ユーザは自己に宛てられたメッセージのみを見ることができ、不必要なメッセージを見ることが無くなるという効果がある
図7は、画像形成装置の表示の例を示す平面図である。
【0068】
ここでは、メッセージ表示部109a〜109dのそれぞれに同じメッセージを表示する例を示している。たとえば「A4の用紙を補給してください。」などのメッセージであれば全員に知らせるべきであるため、全てのメッセージ表示部109a〜109dに同じ表示を行ない、広く周知を図る。
【0069】
図8は、画像形成装置の表示の例を示す平面図である。
ここでは、画像形成装置におけるユーザが操作すべき部材の位置に応じて、メッセージ表示部の表示位置を変更している。たとえば、メッセージ表示部109aにおいて「下から2段目のトレイにA4の用紙を補給してください。」のメッセージを、メッセージ表示部109cにおいて「フィルターの交換はこちら側から行ってください。」のメッセージを、メッセージ表示部109dにおいて「下の扉を開けて詰まった用紙を取り除いてください。」のメッセージを表示する。
【0070】
これは、メッセージ表示部109aが設けられている面からトレイを引き出すことが可能であり、メッセージ表示部109cが設けられている面からフィルター交換を行なうことが可能であり、メッセージ表示部109dが設けられている面から詰まった用紙を取り除くことが可能であるためである。
【0071】
図9は、画像形成装置のメッセージ表示処理を示すフローチャートである。
図を参照して、ステップS101において、装置の状態を判断して表示するメッセージの主文を決定する処理を行なう。ステップS103において、決定した表示がどのユーザに向けたものかを確認するユーザコード確認ルーチンを実行する。ステップS105において、どの面にあるメッセージ表示部で表示を行なうかを決定する処理を行なう。
【0072】
これらの処理は、制御部115および記憶領域117における表示バッファ117aにおいて行なわれる。この処理により、メッセージ表示部への表示情報が決定される。
【0073】
図10は、図9の表示メッセージ決定ルーチン(S101)の処理を示すフローチャートである。
【0074】
たとえば画像形成装置装置では、画像読取部101に設けられた読取状態検知部101bが、原稿の読取が終了した旨を制御部115に対して通知する。通知が行なわれると(S201でYES)、制御部115は記憶領域117に対し、その情報をインプットする。
【0075】
記憶領域117ではこの情報に基づき、表示バッファ117aにおいて表示するメッセージを形成し記憶する(S203)。たとえば「原稿読取完了しました。」などのメッセージである。
【0076】
原稿読取り完了についての信号検知に続き、制御部115に設けられた印字状態検知部115aにより検知された、印刷完了の状態が制御部115に通知された場合(S205でYES)、制御部115は記憶領域117に対し情報をインプットする。記憶領域117ではこの情報に基づき、表示バッファ117aにおいて表示するメッセージを形成し記憶する(S207)。たとえば「印刷完了しました。」などのメッセージである。
【0077】
通信部111が検知した印刷データ受信完了の状態が制御部115に通知された場合(S209でYES)、制御部115は記憶領域117に対し情報をインプットする。記憶領域117ではこの情報に基づき、表示バッファにおいて表示するメッセージを形成し記憶する(S211)。たとえば「印刷データを受信しました。」などのメッセージである。
【0078】
制御部115に設けられた印字状態検知部115aにより検知された印刷開始の状態が制御部115に通知された場合(S213でYES)、制御部115は、記憶領域117に対し情報をインプットする。記憶領域117ではこの情報に基づき、表示バッファ117aにおいて表示するメッセージを形成し記憶する(S215)。たとえば「印刷開始しました。」などのメッセージである。
【0079】
制御部115に設けられた印字状態検知部115aにより検知されたコピー枚数の状態が制御部115に通知された場合(S217でYES)、制御部115は、記憶領域117に対し情報をインプットする。記憶領域117ではこの情報に基づき、表示バッファ117aにおいて表示するメッセージを形成し記憶する(S219)。たとえば「あと残り○○枚です。」などのメッセージである。
【0080】
FAX通信部121が検知した、FAXデータの受信の状態が制御部115に通知された場合(S221でYES)、制御部115は記憶領域117に対し情報をインプットする。記憶領域117ではこの情報に基づき、表示バッファ117aにおいて表示するメッセージを形成し記憶する(S223)。たとえば「FAXを受信しました。」などのメッセージである。
【0081】
給紙部107a〜107cが検知した用紙不足または用紙切れの状態が制御部115に通知された場合(S225でYES)、制御部115は記憶領域117に対し情報をインプットする。記憶領域117ではこの情報に基づき、表示バッファ117aにおいて表示するメッセージを形成し記憶する(S227)。たとえば「用紙不足が発生しました。」などのメッセージである。
【0082】
給紙部107a〜107cあるいは印字部105の通紙経路に設けられた検知部が検知した用紙ジャムの状態が制御部115に通知された場合(S229でYES)、制御部115は記憶領域117に対し情報をインプットする。記憶領域117ではこの情報に基づき、表示バッファ117aにおいて表示するメッセージを形成し記憶する(S231)。たとえば「用紙ジャムが発生しました。」などのメッセージである。
【0083】
FAX通信部121が検知したFAX送信ミスの状態が制御部115に通知された場合(S233でYES)、制御部115は記憶領域117に対し情報をインプットする。記憶領域117ではこの情報に基づき、表示バッファ117aにおいて表示するメッセージを形成し記憶する(S235)。たとえば「FAX送信ミスが発生しました。」などである。
【0084】
これら一連の動作において最後に検知された情報が、表示メッセージとして決定される。尚、これら一連の動作は、受信したタスク毎に計算される単位時間により制御され、その時間内の最後の検知情報が表示メッセージとして採用される。また、タスクによっては、上記機器の状態を通知する信号を決定ルーチン実行のトリガーとしてもよい。
【0085】
図11は、図9のユーザコード確認ルーチン(S103)の処理を示すフローチャートである。
【0086】
画像読取部101に設けられた読取状態検知部101bが原稿の読取が終了した旨を制御部115に対して通知すると(S301でYES)、制御部115は記憶領域117に対し、情報をインプットする。記憶領域117ではこの情報に基づき、個人情報記憶領域117bにおいて、原稿読取指示者を特定する(S303)。
【0087】
制御部115に設けられた印字状態検知部115aにより検知された印刷完了の状態が制御部115に通知された場合(S305でYES)、制御部115は記憶領域117に対し情報をインプットする。記憶領域117ではこの情報に基づき、個人情報記憶領域117bにおいて、印字指示者を特定する(S307)。
【0088】
通信部111が検知した印刷データ受信完了の状態が制御部115に通知された場合(S309でYES)、制御部115は記憶領域117に対し情報をインプットする。記憶領域117ではこの情報に基づき、個人情報記憶領域117bにおいて、印字指示者を特定する(S307)。
【0089】
制御部115に設けられた印字状態検知部115aにより検知された印刷開始の状態が制御部115に通知された場合(S311でYES)、制御部115は記憶領域117に対し情報をインプットする。記憶領域117ではこの情報に基づき、個人情報記憶領域117bにおいて、印字指示者を特定する(S307)。
【0090】
FAX通信部121が検知したFAXデータの受信の状態が制御部115に通知された場合(S313でYES)、制御部115は記憶領域117に対し情報をインプットする。記憶領域117ではこの情報に基づき、個人情報記憶領域117bにおいて、FAX受信者を特定する(S315)。
【0091】
最終的に個人が特定されなかった場合は、その旨を表示バッファに記憶する(S317)。
【0092】
図12は、図11の原稿読取指示者特定処理(S303)の内容を示すフローチャートである。
【0093】
画像形成装置では、個人情報記憶領域117bにおいて、ユーザコードが予め登録されている。ユーザコードに基づいて、タスクを指示した個人が特定される。これはたとえば、装置のログイン操作において入力されたユーザコードと、登録されたコードとを照合する事で行なわれる。ログイン時のコードに一致したコードが登録コードに見つかった場合、そのコードに付与された個人情報を呼び出し氏名を特定する。
【0094】
すなわち図12においては、原稿読取を指示したのがA氏であるかが判定され(S401)、YESであれば、特定された氏名情報(ここではA氏)は表示バッファ117aに送られ、表示するメッセージが形成され記憶される(S403)。たとえば「A氏の原稿読取が完了しました。」などのメッセージである。
【0095】
ログインコードがA氏のものでなかった場合には(S401でNO)、次にB氏の情報、次にC氏の情報と、次々に照会を行なうことにより、一致する個人情報を見つけ出す(S405〜S419)。
【0096】
最終的に個人が特定されなかった場合(S417でNO)、その旨を表示バッファに記憶する(S421)。たとえば「どなたかの原稿読取が完了しました。」などのメッセージである。
【0097】
図13は、図11の印刷指示者特定処理(S307)の内容を示すフローチャートである。
【0098】
画像形成装置では、個人情報記憶領域117bにおいて、ユーザコードが予め登録されている。ユーザコードに基づいて、タスクを指示した個人が特定される。これはたとえば、装置のログイン操作において入力されたユーザコードと、登録されたコードとを照合する事で行なわれる。ログイン時のコードに一致したコードが登録コードに見つかった場合、そのコードに付与された個人情報を呼び出し氏名を特定する。または、印刷データの発信元であるPCのIPアドレスと、登録されたコードに付与されたIPアドレスとを照合することによって特定を行なってもよい。
【0099】
すなわち図13においては、印刷を指示したのがA氏であるかが判定され(S501)、YESであれば、特定された氏名情報(ここではA氏)が表示バッファ117aに送られ、表示するメッセージが形成され記憶される(S503)。たとえば「A氏の印刷が完了しました。」などのメッセージである。
【0100】
ログインコードまたは印刷データの発信元であるPCのIPアドレスがA氏のものでなかった場合には(S501でNO)、次にB氏の情報、次にC氏の情報と、次々に照会を行なうことにより、一致する個人情報を見つけ出す(S505〜S519)。
【0101】
最終的に個人が特定されなかった場合(S517でNO)、その旨を表示バッファに記憶する(S521)。たとえば「どなたかの印刷が完了しました。」などのメッセージである。
【0102】
図14は、図11のFAX受信者特定処理(S315)の内容を示すフローチャートである。
【0103】
画像形成装置では、個人情報記憶領域117bにおいて、予め登録されたユーザーコードに照らし、FAXを受信した個人を特定する。これはたとえば、制御部115が受信した画像データから宛先を抽出する。抽出には、OCRによる文字解析と、パターン照合などが用いられる。抽出された宛先情報は個人情報記憶領域117bに送られ、ここで登録されたコードに付与された氏名と照合することにより、個人が特定される。
【0104】
すなわち図14においては、FAXの宛先がA氏であるかが判定され(S601)、YESであれば、特定された氏名情報(ここではA氏)が表示バッファ117aに送られ、表示するメッセージが形成され記憶される(S603)。たとえば「A氏宛のFAXを受信しました。」などのメッセージである。
【0105】
宛先がA氏のものでなかった場合には(S601でNO)、次にB氏の情報、次にC氏の情報と、次々に照会を行なうことにより、一致する個人情報を見つけ出す(S605〜S619)。
【0106】
最終的に個人が特定されなかった場合(S617でNO)、その旨を表示バッファに記憶する(S621)。たとえば「どなたか宛にFAXを受信しました。」などのメッセージである。
【0107】
図15は、表示位置情報記憶領域に記憶される情報の具体例を示す図である。
図に示されるように、ユーザによって設定された個人名やユーザコードと対応付けて、どのメッセージ表示部を用いた表示を行なうかが記録される。これは、図6に示されるように画像形成装置からの座席の位置関係などに基づいて設定される。
【0108】
図16および17は、図9の表示位置決定処理(S105)の内容を示すフローチャートである。
【0109】
画像形成装置は、ユーザーコード確認ルーチン(図9のステップS103)において特定された個人情報に基づき、表示位置を決定する。
【0110】
すなわち図16においては、表示するメッセージがA氏宛のものであるかが判定され(S701)、YESであれば、予め記憶されたA氏宛の固定表示位置(図15)である前面のメッセージ表示部109aが、表示部として設定される。
【0111】
個人情報がA氏のものでなかった場合には(S701でNO)、次にB氏の情報、次にC氏の情報と、次々に照会を行なうことにより、一致する個人情報を見つけ出し、表示位置が決定される(S705〜719)。
【0112】
最終的に個人情報が特定されなかった場合、或いは個人情報は特定できても固定された表示位置情報が付与されていなかった場合は(S717でNO)、たとえば全てのメッセージ表示部にそのメッセージを表示する旨、表示バッファ117に記憶する(S721)。
【0113】
また、個人情報に基づいてメッセージ表示部が特定された後において、表示位置が前面のメッセージ表示部109aに固定されているかが判定され(S801)、YESであれば前面のメッセージ表示部109aが表示部として設定される(S803)。これは、図8のようにメッセージの表示位置を固定する場合の処理である。
【0114】
表示部が前面のメッセージ表示部に固定されてなかった場合には(S801でNO)、次に右面のメッセージ表示部、次に左面のメッセージ表示部と、次々にチェックを行なうことにより、表示位置が決定される(S805〜S815)。
【0115】
表示位置が固定されていない場合は(S813でNO)、ステップS701〜S721で決定された表示部がそのまま使用される。
【0116】
図18は、メッセージ表示位置の設定画面の具体例を示す図である。
画像形成装置では、通信部111によって結ばれたPC151からコード入力用ソフトウェアを使って、または画像形成装置の操作部119から、特定個人の名前とコードを入力する。入力されたコードは、記憶領域117にある個人情報記憶領域117bに記憶される。
【0117】
また、PCの画面、または操作部119上の操作画面により、個人毎に表示を行なうメッセージ表示部が設定される。
【0118】
図18においては、操作部119で設定が行なわれる例を示している。先ずユーザは操作部119の画面上で設定を行なうメッセージ表示部を選択する。操作部119はタッチパネルを具備しており、表示されたA〜Dの4つの表示部から、任意の場所の絵に直接触れる事で表示部が選択される。図の例ではドットが付されたDが選択された状態を示している。
【0119】
A〜Dの表示部から所望のものが選択されると、それぞれ(A)〜(D)に示される状態に遷移する。(A)〜(D)それぞれの画面は、それぞれの表示部が選択されている事を示している。
【0120】
右側に表示されたイ、ロ、ハ、ニのキーは、個人情報記憶領域117bに記憶された個人を特定するコードを示している。キーには、たとえばコード毎に一緒に記憶された個人名が表示される。ユーザはキーから、その表示部に表示を行なう対象となる人を選択する。選択は1名でも複数名でもよい。また、表示されていないユーザを選択したい場合は、スクロールにより、イ、ロ、ハ、ニに表示される選択肢を順次変更することが可能である。
【0121】
選択終了後、決定キーが押下される事で、各メッセージ表示部に表示させるユーザが特定され、表示位置情報記憶領域117cに記憶される。
【0122】
このような操作を繰返すことで、各メッセージ表示部で表示を行なう対象となるユーザを表示位置情報記憶領域117cに記憶させる事ができる。
【0123】
記憶領域117ではタスクの種類、そのタスクの通信情報に基き、個人情報記憶領域117bにおいて、そのタスクの発信元情報を特定し、表示位置情報記憶領域117cに照会する。表示位置情報記憶領域117cでは照会情報に基づき、どのメッセージ表示部にメッセージを出すかを特定する。
【0124】
図19は、メッセージ表示位置の設定画面の具体例を示す図である。
操作部119上の操作画面により、各メッセージ表示部に同一メッセージを表示するか、異なるメッセージを表示するかを選択することができる。
【0125】
先ずユーザは、操作部119の画面上で、各表示部に同一メッセージを表示するか異なるメッセージを表示するかを選択する。画面はタッチパネルを具備しており、任意の絵に直接触れる事で表示方法が選択される。図の例では、左の選択部119aが全表示部に同じメッセージを表示させることを選択するキーであり、右の選択部119bが各表示部に違うメッセージを表示させることを選択するキーである。
【0126】
左の選択部119aが選択されると、(E)の画面に遷移する。(E)の画面では、全てのメッセージ表示部に同じメッセージを表示するモードが選択されている事を示している。右側に表示されたイ、ロ、ハ、ニのキーにはタスクやエラーの種類が表示されている。
【0127】
ユーザはこれらのキーから、全てのメッセージ表示部に表示させるタスクやエラーを選択する。選択は1種でも複数種でもよい。また、表示されていないタスクやエラーは、スクロールによりイ、ロ、ハ、ニに表示される選択肢を順次変更することで、選択が可能である。また、全てを一括して選択する事も可能である。
【0128】
選択終了後、決定キーが押される事で、全てのメッセージ表示部に表示させるタスクやエラーが特定され、表示位置情報記憶領域117cに記憶される。
【0129】
またここでは選択肢をユーザとすることもできる。この場合、選択肢切替えキーを設け、イ、ロ、ハ、ニに表示させる選択肢を、タスク、エラーの選択肢かユーザ情報の選択肢かで切替えるようにすることもできる。
【0130】
操作部119の画面で右の選択肢119aが選択されると、図18の操作部119の画面に遷移する。各表示部に表示するタスク、エラーの種類を選択する方法は、図18での説明と同様である。また、ここでもユーザを選択肢とすることが可能であり、この場合の手順も前述の場合と同じである。
【0131】
また、特定のエラーメッセージについては、予め表示位置情報記憶領域117cに、各エラー毎の表示位置がプログラムとして記憶されている。たとえば、ジャム処理が発生した場合に、制御部115は検知した発生箇所コードを記憶領域117に通知する。記憶領域117はこの情報に基づき、表示位置情報記憶領域117cに予め記憶されているコードから表示位置を特定する。
【0132】
この処理により、図8のように実際に処理操作を行なうべき開閉扉を有する面のメッセージ表示部に対し、「下の扉を開けて詰まった用紙を取り除いてください。」などの表示を行なうことが可能である。
【0133】
図20は、画像形成装置の外観の第1の具体例を示す図であり、図21は、図20の画像形成装置を他の方向から見た外観を示す図である。
【0134】
装置の上部に画像読取部101が位置し、操作部119が上を向くように設置されている。装置正面にメッセージ表示部109aが位置しており、装置の側面にメッセージ表示部109dが位置している。メッセージ表示部109a,109dは、縦方向に長い部分と、横方向に長い部分とを有している。このようにすることで、メッセージ表示部にメッセージを流して表示することができる。その流す方向を任意に設定できるようにすると、言語により文字を流す方向が左右で逆の場合(アラビア語を表示する場合など)に対応できるという効果がある。
【0135】
また、文字を流して表示したり、所定時間経過後に消去することで、エラー発生時などに中断、あるいはキャンセルされたジョブに関わるメッセージがそのまま放置され、実際の状態と齟齬が生じることを防ぐことができる。
【0136】
また、メッセージ表示部を縦方向に配置すると、縦方向に各機能(給紙部、印字部、排紙部など)が並んでいる画像形成装置において、実際の装置の動きや部位を直接指し示すような表示を行なうことができる。たとえば、図20においては、ユーザが操作すべきフロントパネルの部分が、黒の三角形で示されており、フロントパネルを開けるように示唆するメッセージがメッセージ表示部に表示されている。このような表示により、たとえばエンジン部、用紙トレー部にアクセスが必要な時(ジャム発生時、用紙補給時など)に、それらを視覚的に示すことができる。
【0137】
また、画像形成装置からメッセージ表示部を突出させて配置することで、装置のある場所からより遠くの人に対しても、メッセージが見えるようにすることができる。
【0138】
なお、図20、21に示されるように、画像形成装置は、異なる方向に向く少なくとも2つのメッセージ表示部を有していればよい。
【0139】
図22は、画像形成装置の外観の第2の具体例を示す図であり、図23は、図22の画像形成装置を他の方向から見た外観を示す図である。
【0140】
この例では、装置の四方にメッセージ表示部109a〜109dが備えられている。メッセージ表示部109a〜109cは繋がっており、メッセージをたとえばメッセージ表示部109a→メッセージ表示部109b→メッセージ表示部109cの順に流して表示することができる。すなわち、たとえばメッセージ表示部109aにおいて文字を流して表示すると共に、流し終えた文字をメッセージ表示部109bにおいて流して表示することができる。
【0141】
図24および25は、メッセージ表示部を正面から見た表示例を示す図である。
この例では、メッセージ表示部109a〜109dは、パンチングメタルシート(小さな穴を多数設けたメタルシート)越しに、LEDの発光によるメッセージを見せるものとなっている。
【0142】
また、メッセージの内容に応じて色を付けて表示することとしてもよい。このようにすると、特定部位や状態、優先順位、緊急度などに応じた、より直感的な情報伝達を行うことができる。
【0143】
図26は、図1の画像形成装置の変形例を示す図である。
この例では、メッセージ表示部109b,109dを画像形成装置の面の全体に配置することとしている。
【0144】
これにより、長いメッセージを一度に表示することができる。また、文字を大きくすることができるため、装置のある場所からより遠くの人に対しても、メッセージが見えるようにすることができる。また、文字を大きくすることで、ある程度視覚に障害がある人に対しても、メッセージが見えるようにすることができる。
【0145】
また、メッセージ表示部を画像形成装置の面の全体に配置することで、実際の装置の動きや部位を直接指し示すような表示を行なうことができる。さらに、画像や動画などを含んだ情報を表示することができる。
【0146】
[実施の形態における効果]
上記実施の形態によると、メッセージ表示部が設けられることにより、ユーザは離れた場所から装置の動作状態を確認することができる。これにより、自分のジョブが確実に終了した時点でプリント物を取りに行けるため、プリント回収にかかわる無駄な動作の発生を回避できる。
【0147】
また、離れた場所から装置の動作状態が確認できることで、エラー発生によってジョブが実行できずに放置される危険度が低下する。これにより、ワークフロー全体における時間の無駄を解消できる。
【0148】
さらに、ユーザは自分宛のFAX文書が着信したか否かをいちいち確認しに行く無駄が解消できる。また、特定ユーザ宛のFAX文書が放置されたままになるといった事故を解消できる。
【0149】
さらに、ユーザはジョブの完了まで、装置の傍で待っていなければならないという事態が防止され、時間的な無駄を解消することができる。
【0150】
また、メッセージ表示部で消耗品の補給指示などを表示し、利用者が共有すべき情報を広く知らせる事で、装置のダウンタイムを短くし、時間的な無駄を解消することができる。
【0151】
また、複数のメッセージ表示部を設けることで、一度により多くの違った情報を表示できる。また、一つのメッセージに関し、一度により多くの情報を表示できる。
【0152】
さらに、特定のユーザ向けに必要な情報のみを表示することで、多くの情報の中に必要な情報が埋もれてしまうという危険を回避することができる。
【0153】
また、物理的な操作を促す情報を、実際の操作場所の近傍に表示することで、情報伝達の確実性を向上させることができる。
【0154】
なお、メッセージ表示部にメッセージを流して表示し、その流す方向を任意に設定できるようにすると、言語により文字を流す順が左右で逆の場合(アラビア語を表示する場合など)に対応できるという効果がある。
【0155】
また、文字を流して表示したり、所定時間経過後に消去することで、エラー発生時などに中断、あるいはキャンセルされたジョブに関わるメッセージがそのまま放置され、実際の状態と齟齬が生じることを防ぐことができる。
【0156】
また、メッセージ表示部を縦方向に配置すると、縦方向に各機能(給紙部、印字部、排紙部など)が並んでいる画像形成装置において、実際の装置の動きや部位を直接指し示すような表示を行なうことができる。
【0157】
また、画像形成装置からメッセージ表示部を突出させて配置することで、装置のある場所からより遠くの人に対しても、メッセージが見えるようにすることができる。
【0158】
また、メッセージ表示部を画像形成装置の面の全体に配置することで、より長いメッセージを一度に表示することができる。また、文字を大きくすることができるため、装置のある場所からより遠くの人に対しても、メッセージが見えるようにすることができる。また、文字を大きくすることで、ある程度視覚に障害がある人に対しても、メッセージが見えるようにすることができる。
【0159】
また、メッセージ表示部を画像形成装置の面の全体に配置することで、実際の装置の動きや部位を直接指し示すような表示を行なうことができる。さらに、画像や動画などを含んだ情報を表示することができる。
【0160】
また、メッセージに色情報を付加することで、特定部位や状態、優先順位、緊急度などに応じた、より直感的な情報伝達を行うことができる。
【0161】
[その他]
なお、メッセージは文字、文書などでもよいし、記号などを用いたメッセージを表示してもよい。
【0162】
本発明はMFP、ファクシミリ装置、複写機、PCなどの画像形成装置に対して実施することができる。
【0163】
また、上述の実施の形態における処理は、ソフトウエアによって行なっても、ハードウエア回路を用いて行なってもよい。
【0164】
また、上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。
【0165】
なお、上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0166】
【図1】本発明の実施の形態の1つにおける画像形成装置の構成を示す図である。
【図2】図1のII−II線の断面図である。
【図3】画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】図3の構成の変形例を示す図である。
【図5】画像形成装置の外観を示す斜視図である。
【図6】画像形成装置の表示の例を示す平面図である。
【図7】画像形成装置の表示の例を示す平面図である。
【図8】画像形成装置の表示の例を示す平面図である。
【図9】画像形成装置のメッセージ表示処理を示すフローチャートである。
【図10】図9の表示メッセージ決定ルーチン(S101)の処理を示すフローチャートである。
【図11】図9のユーザコード確認ルーチン(S103)の処理を示すフローチャートである。
【図12】図11の原稿読取指示者特定処理(S303)の内容を示すフローチャートである。
【図13】図11の印刷指示者特定処理(S307)の内容を示すフローチャートである。
【図14】図11のFAX受信者特定処理(S315)の内容を示すフローチャートである。
【図15】表示位置情報記憶領域に記憶される情報の具体例を示す図である。
【図16】図9の表示位置決定処理(S105)の内容を示すフローチャートである。
【図17】図16に続くフローチャートである。
【図18】メッセージ表示位置の設定画面の具体例を示す図である。
【図19】メッセージ表示位置の設定画面の具体例を示す図である。
【図20】画像形成装置の外観の第1の具体例を示す図である。
【図21】図20の画像形成装置を他の方向から見た外観を示す図である。
【図22】画像形成装置の外観の第2の具体例を示す図である。
【図23】図22の画像形成装置を他の方向から見た外観を示す図である。
【図24】メッセージ表示部を正面から見た表示例を示す図である。
【図25】メッセージ表示部を正面から見た表示例を示す図である。
【図26】図1の画像形成装置の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0167】
101 画像読取部、103 排紙部、105 印字部、107a〜107c 給紙部、109a〜109d メッセージ表示部、111 通信部、113 画像形成部、115 制御部、117 記憶領域、119操作部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の面を有する画像形成装置であって、
画像を印刷する印刷部と、
前記複数の面のうちの第1の面に具備される第1のメッセージ表示部と、
前記複数の面のうちの前記第1の面とは異なる方向に向いた第2の面に具備される第2のメッセージ表示部と、
前記画像形成装置の状態を検知する状態検知手段と、
前記状態検知手段による検知結果に基づいて、前記第1のメッセージ表示部と前記第2のメッセージ表示部の少なくとも一方に表示するメッセージを決定する決定手段と、
前記決定したメッセージを、前記第1のメッセージ表示部と前記第2のメッセージ表示部の少なくとも一方に表示する表示手段とを備えた、画像形成装置。
【請求項2】
前記状態検知手段は、前記画像形成装置の印刷状態を検知する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成装置は、4面方向に夫々メッセージ表示部を有する事を特徴とする、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成装置はファクシミリ機能を有し、
前記表示手段は、ファクシミリ画像を受信した時に前記第1のメッセージ表示部と前記第2のメッセージ表示部の少なくとも一方に受信した旨の表示を行なう、請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成装置は自動原稿搬送装置と読取機能とを有し、
全原稿の読取を終了した時に前記第1のメッセージ表示部と前記第2のメッセージ表示部の少なくとも一方に読取りが終了した旨の表示を行なう、請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1および第2のメッセージ表示部に同一メッセージを表示する事を特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1および第2のメッセージ表示部に異なるメッセージを表示する事を特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記決定手段は、メッセージの内容に応じて表示を行なうメッセージ表示部を決定する、請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
コードと、そのコードに対応するメッセージ表示部とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記印刷する画像または受信した画像に対するコードを検知する検知手段とをさらに備え、
前記決定手段は、前記検知手段による検知の結果と、前記記憶手段の情報とに基づいて、メッセージを表示するメッセージ表示部を決定する、請求項1〜8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第1および第2のメッセージ表示部に、同一メッセージを表示するか異なるメッセージを表示するかを選択する選択手段をさらに備えた、請求項1〜9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記第1および第2のメッセージ表示部のうち、メッセージを表示するものを選択する、請求項1〜10のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記第1および第2のメッセージ表示部の一方において、文字を流して表示すると共に、流し終えた文字を前記第1および第2のメッセージ表示部の他方において流して表示する、請求項1〜11のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項13】
文字を流して表示する方向を設定する設定手段をさらに備えた、請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記状態検知手段は、画像の入力完了、画像の印字開始、画像の印字終了、印字枚数、およびエラーのうち少なくとも1つを検知する、請求項1〜13のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記前記第1および第2のメッセージ表示部の少なくとも一方に表示したメッセージは、所定時間経過後に消されることを特徴とする、請求項1〜14のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項16】
外部からの印刷ジョブを受信する受信手段と、
前記印刷ジョブの要求元を判別する判別手段とをさらに備え、
前記決定手段は、前記判別手段により判別した要求元に応じて、メッセージを表示するメッセージ表示部を決定する、請求項1〜15のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記第1のメッセージ表示部は縦方向に配置される、請求項1〜16のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記第1のメッセージ表示部は、前記画像形成装置から突出して配置される、請求項1〜17のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項19】
前記第1のメッセージ表示部は、前記画像形成装置の面の全体に配置される、請求項1〜18のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項20】
前記決定したメッセージの内容に応じて、表示するメッセージの色を決定する事を特徴とする、請求項1〜19のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項21】
前記決定手段は、前記状態検知手段の検知結果に基づいて、前記第1のメッセージ表示部、および前記第2のメッセージ表示部に表示する両方の内容を決定することを特徴とする、請求項1〜20のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項22】
複数の面を有する画像形成装置の制御方法であって、
前記画像形成装置は、
画像を印刷する印刷部と、
前記複数の面のうちの第1の面に具備される第1のメッセージ表示部と、
前記複数の面のうちの前記第1の面とは異なる方向に向いた第2の面に具備される第2のメッセージ表示部とを備え、
前記画像形成装置の状態を検知する状態検知ステップと、
前記状態検知ステップによる検知結果に基づいて、前記第1のメッセージ表示部と前記第2のメッセージ表示部の少なくとも一方に表示するメッセージを決定する決定ステップと、
前記決定したメッセージを、前記第1のメッセージ表示部と前記第2のメッセージ表示部の少なくとも一方に表示する表示ステップとを備えた、画像形成装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2008−11228(P2008−11228A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−180028(P2006−180028)
【出願日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】