説明

画像形成装置、及びプログラム

【課題】画像形成ドラムや露光ドラムなどの回転体が1回転する毎に複数の記録媒体に画像を形成する場合の複数の記録媒体の各々の画像形成開始位置のずれを抑制する。
【解決手段】基準パルスが発生した時点から複数の記録用紙W毎に予め定められた数のパルスが計測される毎に、予め定められた数のパルスが計測処理によって計測された以前のパルス幅が示す時間を予め定められた第1の値Kで分割してパルス幅が示す時間より小さい時間を演算し(108、118)、基準パルスが発生した時点から複数の記録用紙W毎に予め定められた数のパルスが計測される毎に、予め定められた数のパルスが計測された時点以後に、上記小さい時間に、複数の記録用紙W毎に予め定められた第2の値のうち今回画像を形成しようとする記録媒体に対応する値を乗じた時間が経過した時点で、対応する記録用紙Wへの画像の形成を開始するように記録ヘッド48を制御する(112、122)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用紙検出センサからの用紙検出信号により用紙先端のタイミングから、所定時間遅延、すなわち用紙先端から対象となるインクジェット記録ヘッドのノズルまでの距離に対応する時間分だけ遅延したタイミングを、インクジェット記録ヘッドのノズルの印字開始タイミングとする画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の画像形成装置では、印字クロック信号のパルスの数を計測することにより、用紙先端から対象となるインクジェット記録ヘッドのノズルまでの距離に対応する時間を計測する。
【0003】
また、従来、エンコーダセンサにより、記録紙を搬送するための駆動ローラの回転軸に取り付けたエンコーダフィルムに設けられた印字タイミングマークを読み取り、記録紙の搬送速度をドップラー計測器により検出し、駆動ローラの基準位置の検出タイミングに基づいて、ドップラー計測器により検出した移動速度と、エンコーダセンサによる読取信号に基づき導出される移動速度との差分が小さくなるように読取信号のパルス幅を補正して、補正された読取信号を用いて前記液滴吐出ヘッドによる液滴の吐出タイミングを制御する液滴吐出装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
また、従来、記録紙を印字部に搬送する搬送ベルトの縁に沿って設けられたスケール部の符号発生部に等間隔で設けたスリットをエンコーダセンサで検出して出力するパルス数により副走査方向の印字開始位置を指定するインクジェット記録装置が知られている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2007−301767号公報
【特許文献2】特開2008−114547号公報
【特許文献3】特開2004−17505号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、画像形成ドラムや露光ドラムなどの回転体が1回転する毎に複数の記録媒体に画像を形成する場合の複数の記録媒体の各々の画像形成開始位置のずれを抑制することができる画像形成装置、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の画像形成装置は、複数の記録媒体を周面に保持可能で、前記記録媒体を保持した状態で回転する回転体と、回転中の前記回転体の周面に保持された前記記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、前記回転体の予め定められた回転量に応じてパルス信号を発生すると共に、前記回転体の回転周期毎に基準パルスを発生する発生手段と、前記パルス信号のパルスの数を計測する計測手段と、前記基準パルスが発生した時点から前記複数の記録媒体毎に予め定められた数のパルスが前記計測手段によって計測される毎に、前記予め定められた数のパルスが前記計測手段によって計測された以前のパルス幅が示す時間を予め定められた第1の値で分割して、前記パルス幅が示す時間より小さい時間を演算する演算手段と、前記基準パルスが発生した時点から前記複数の記録媒体毎に予め定められた数のパルスが前記計測手段によって計測される毎に、前記予め定められた数のパルスが前記計測手段によって計測された時点以後に、前記演算手段によって演算された前記パルス幅が示す時間より小さい時間に、前記複数の記録媒体毎に予め定められた複数の第2の値のうち、今回画像を形成しようとする記録媒体に対応する値を乗じた時間が経過した時点で、前記記録媒体への画像の形成を開始するように前記画像形成手段を制御する制御手段とを含んで構成されている。
【0007】
また、上記目的を達成するために、請求項2に記載の画像形成装置は、周面に形成された複数の画像の各々を複数の記録媒体の各々に転写するために回転する回転体と、回転中の前記回転体の周面に画像を形成する画像形成手段と、前記回転体の予め定められた回転量に応じてパルス信号を発生すると共に、前記回転体の回転周期毎に基準パルスを発生する発生手段と、前記パルス信号のパルスの数を計測する計測手段と、前記基準パルスが発生した時点から前記複数の記録媒体毎に予め定められた数のパルスが前記計測手段によって計測される毎に、前記予め定められた数のパルスが前記計測手段によって計測された以前のパルス幅が示す時間を予め定められた第1の値で分割して、前記パルス幅が示す時間より小さい時間を演算する演算手段と、前記基準パルスが発生した時点から前記複数の記録媒体毎に予め定められた数のパルスが前記計測手段によって計測される毎に、前記予め定められた数のパルスが前記計測手段によって計測された時点以後に、前記演算手段によって演算された前記パルス幅が示す時間より小さい時間に、前記複数の記録媒体毎に予め定められた複数の第2の値のうち、今回画像を形成しようとする記録媒体に対応する値を乗じた時間が経過した時点で、前記周面への画像の形成を開始するように前記画像形成手段を制御する制御手段とを含んで構成されている。
【0008】
また、請求項3に記載の画像形成装置は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記画像形成手段を、各々画像を構成するドットを形成する複数の画像形成素子を含む記録ヘッドとし、前記回転体を、前記記録ヘッドにより記録媒体に画像が形成されるように、周面に該記録媒体を保持した状態で回転する画像形成ドラムとしたものである。
【0009】
また、請求項4に記載の画像形成装置は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記画像形成手段を、画像情報に応じた光ビームを照射する照射手段とし、前記回転体を、前記照射手段により照射された光ビームによって周面に前記画像情報に応じた潜像が形成され、形成された潜像に画像を形成するための材料が付着されることにより周面に形成された画像が、記録媒体に転写されるように回転する露光ドラムとしたものである。
【0010】
また、上記目的を達成するために、請求項5に記載のプログラムは、コンピュータを、複数の記録媒体を周面に保持可能で、前記記録媒体を保持した状態で回転する回転体の予め定められた回転量に応じてパルス信号を発生すると共に、前記回転体の回転周期毎に基準パルスを発生する発生手段によって発生された前記パルス信号のパルスの数を計測する計測手段、前記基準パルスが発生した時点から前記複数の記録媒体毎に予め定められた数のパルスが前記計測手段によって計測される毎に、前記予め定められた数のパルスが前記計測手段によって計測された以前のパルス幅が示す時間を予め定められた第1の値で分割して、前記パルス幅が示す時間より小さい時間を演算する演算手段、及び前記基準パルスが発生した時点から前記複数の記録媒体毎に予め定められた数のパルスが前記計測手段によって計測される毎に、前記予め定められた数のパルスが前記計測手段によって計測された時点以後に、前記演算手段によって演算された前記パルス幅が示す時間より小さい時間に、前記複数の記録媒体毎に予め定められた複数の第2の値のうち、今回画像を形成しようとする記録媒体に対応する値を乗じた時間が経過した時点で、前記記録媒体への画像の形成を開始するように、回転中の前記回転体の周面に保持された前記記録媒体に画像を形成する画像形成手段を制御する制御手段として機能させるためのものである。
【0011】
また、上記目的を達成するために、請求項6に記載のプログラムは、コンピュータを、周面に形成された複数の画像の各々を複数の記録媒体の各々に転写するために回転する回転体の予め定められた回転量に応じてパルス信号を発生すると共に、前記回転体の回転周期毎に基準パルスを発生する発生手段によって発生された前記パルス信号のパルスの数を計測する計測手段、前記基準パルスが発生した時点から前記複数の記録媒体毎に予め定められた数のパルスが前記計測手段によって計測される毎に、前記予め定められた数のパルスが前記計測手段によって計測された以前のパルス幅が示す時間を予め定められた第1の値で分割して、前記パルス幅が示す時間より小さい時間を演算する演算手段、及び前記基準パルスが発生した時点から前記複数の記録媒体毎に予め定められた数のパルスが前記計測手段によって計測される毎に、前記予め定められた数のパルスが前記計測手段によって計測された時点以後に、前記演算手段によって演算された前記パルス幅が示す時間より小さい時間に、前記複数の記録媒体毎に予め定められた複数の第2の値のうち、今回画像を形成しようとする記録媒体に対応する値を乗じた時間が経過した時点で、前記周面への画像の形成を開始するように、回転中の前記回転体の周面に画像を形成する画像形成手段を制御する制御手段として機能させるためのものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、及び請求項6に記載の各発明によれば、回転体が1回転する毎に複数の記録媒体に画像を形成する場合の複数の記録媒体の各々の画像形成開始位置のずれを抑制することができる、という効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0014】
本実施の形態では、本発明をインクジェット方式の画像形成装置に適用した場合について説明する。図1は、本実施の形態に係る画像形成装置10の構成を示す図である。
【0015】
同図に示されるように、画像形成装置10には、記録媒体である記録用紙Wを給紙搬送する給紙搬送部12が設けられている。この給紙搬送部12の記録用紙Wの搬送方向下流側には記録用紙Wの搬送方向に沿って、記録用紙Wの記録面(表面)に処理液を塗布する処理液塗布部14、記録用紙Wの記録面に画像を形成する画像形成部16、記録面に形成された画像を乾燥させるインク乾燥部18、乾燥した画像を記録用紙Wに定着させる画像定着部20、及び画像が定着した記録用紙Wを排出部22へ搬送する排出搬送部24が設けられている。
【0016】
給紙搬送部12は、記録用紙Wを収容した収容部26を備えている。また、収容部26にはモータ30が設けられている。更に、収容部26には給紙装置(図示省略)が設けられており、当該給紙装置によって記録用紙Wは収容部26から処理液塗布部14へ送り出される。
【0017】
処理液塗布部14は、中間搬送ドラム28A及び処理液塗布ドラム36を備えている。中間搬送ドラム28Aは、収容部26と処理液塗布ドラム36との間に回転可能に配設されており、中間搬送ドラム28Aの回転軸とモータ30の回転軸とにベルト32が張架されている。従って、モータ30の回転駆動力がベルト32を介して中間搬送ドラム28Aに伝達されることにより、中間搬送ドラム28Aは円弧矢印A方向に回転する。
【0018】
また、中間搬送ドラム28Aには、記録用紙Wの先端部を挟持して記録用紙Wを保持する保持部材である用紙グリッパ34が設けられている。従って、収容部26から処理液塗布部14へ送り出された記録用紙Wは、用紙グリッパ34を介して中間搬送ドラム28Aの周面に保持され、中間搬送ドラム28Aの回転によって処理液塗布ドラム36へ搬送される。
【0019】
なお、後述する中間搬送ドラム28B、28C、28D、28E、処理液塗布ドラム36、画像形成ドラム44、インク乾燥ドラム56、画像定着ドラム62、及び排出搬送ドラム68についても、中間搬送ドラム28Aと同様に用紙グリッパ34が設けられている。そして、この用紙グリッパ34によって、上流側のドラムから下流側のドラムへ記録用紙Wの受け渡しが行われる。
【0020】
処理液塗布ドラム36は、図示しないギアにより中間搬送ドラム28Aと連結されており、回転力を受けて回転する。
【0021】
中間搬送ドラム28Aによって搬送された記録用紙Wは、処理液塗布ドラム36の用紙グリッパ34を介して処理液塗布ドラム36に受け渡され、処理液塗布ドラム36の周面に保持された状態で搬送される。
【0022】
処理液塗布ドラム36の上部には、処理液塗布ローラ38が処理液塗布ドラム36の周面に接触した状態で配設されており、処理液塗布ローラ38によって、処理液塗布ドラム36の周面上の記録用紙Wの記録面に処理液が塗布される。なお、上記処理液は、インクと反応して色材(顔料)を凝集し、色材と溶媒を分離促進するものである。
【0023】
処理液塗布部14により処理液が塗布された記録用紙Wは、処理液塗布ドラム36の回転によって画像形成部16へ搬送される。
【0024】
画像形成部16は、中間搬送ドラム28B及び画像形成ドラム44を備えている。中間搬送ドラム28Bは、図示しないギアにより中間搬送ドラム28Aと連結されており、回転力を受けて回転する。
【0025】
処理液塗布ドラム36によって搬送された記録用紙Wは、画像形成部16の中間搬送ドラム28Bの用紙グリッパ34を介して中間搬送ドラム28Bに受け渡され、中間搬送ドラム28Bの周面に保持された状態で搬送される。
【0026】
画像形成ドラム44は、図示しないギアにより中間搬送ドラム28Aと連結されており、回転力を受けて回転する。
【0027】
中間搬送ドラム28Bによって搬送された記録用紙Wは、図2に示すように、画像形成ドラム44の用紙グリッパ34を介して画像形成ドラム44に受け渡され、画像形成ドラム44の周面に保持された状態で搬送される。なお、図2に示すように、周面にはA面、B面が設けられており、画像形成ドラム44が1回転する毎に、A面、B面に保持された2枚の記録用紙Wに、詳細を以下で説明するインクジェット記録ヘッド48によって画像が形成される。
【0028】
画像形成ドラム44の上方には、画像形成ドラム44の周面に近接して、ヘッドユニット46が配設されている。このヘッドユニット46は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色の各々に対応した4つのインクジェット記録ヘッド48を備えており、これらの記録ヘッド48は、各々画像を構成するドットを形成する複数の画像形成素子としてのノズル(図示しない)を含んで構成されている。これらの記録ヘッド48は、画像形成ドラム44の周方向に沿って配列され、処理液塗布部14で記録用紙Wの記録面に形成された処理液層に重なるように、ノズルからインク滴を吐出することにより画像を形成する。すなわち、画像形成ドラム44は、複数の記録媒体としての記録用紙W(本実施の形態では、A面、B面の2つの記録用紙W)を周面に保持可能で、記録用紙Wを保持した状態で、インクジェット記録ヘッド48によって複数の記録用紙Wの各々に画像が形成可能なように回転する回転体である。
【0029】
画像形成ドラム44は、ロータリエンコーダ52を備えている。本実施の形態に係るロータリエンコーダ52は、画像形成ドラム44の回転に伴って、パルス信号を発生して出力する。なお、パルス信号の1パルスは、予め定められた回転角度Θ(例えば、1.257ミリラジアン)に対応している。また、本実施の形態に係るロータリエンコーダ52は、画像形成ドラム44が回転することにより、画像形成ドラム44の基準点が通過したことを示す基準信号即ちインデックスパルス(基準パルス)を発生して出力する。すなわち、ロータリエンコーダ52は、画像形成ドラム44の予め定められた回転量(回転角度)Θに応じてパルス信号を発生すると共に、画像形成ドラムの回転周期毎に基準パルスを発生する。
【0030】
画像形成部16により記録面に画像が形成された記録用紙Wは、画像形成ドラム44の回転によってインク乾燥部18へ搬送される。
【0031】
インク乾燥部18は、中間搬送ドラム28C及びインク乾燥ドラム56を備えている。中間搬送ドラム28Cは、図示しないギアにより中間転写ドラム28Aと連結されており、回転力を受けて回転する。
【0032】
画像形成ドラム44によって搬送された記録用紙Wは、中間搬送ドラム28Cの用紙グリッパ34を介して中間搬送ドラム28Cに受け渡され、中間搬送ドラム28Cの周面に保持された状態で搬送される。
【0033】
インク乾燥ドラム56は、図示しないギアにより中間転写ドラム28Aと連結されており、回転力を受けて回転する。
【0034】
中間搬送ドラム28Cによって搬送された記録用紙Wは、インク乾燥ドラム56の用紙グリッパ34を介してインク乾燥ドラム56に受け渡され、インク乾燥ドラム56の周面に保持された状態で搬送される。
【0035】
インク乾燥ドラム56の上方には、インク乾燥ドラム56の周面に近接して、温風ヒータ58が配設されている。温風ヒータ58による温風によって、記録用紙Wに形成された画像における余分な溶媒が除去される。インク乾燥部18により記録面の画像が乾燥された記録用紙Wは、インク乾燥ドラム56の回転によって画像定着部20へ搬送される。
【0036】
画像定着部20は、中間搬送ドラム28D及び画像定着ドラム62を備えている。中間搬送ドラム28Dは、図示しないギアにより中間転写ドラム28Aと連結されており、回転力を受けて回転する。
【0037】
インク乾燥ドラム56によって搬送された記録用紙Wは、中間搬送ドラム28Dの用紙グリッパ34を介して中間搬送ドラム28Dに受け渡され、中間搬送ドラム28Dの周面に保持された状態で搬送される。
【0038】
画像定着ドラム62は、図示しないギアにより中間転写ドラム28Aと連結されており、回転力を受けて回転する。
【0039】
中間搬送ドラム28Dによって搬送された記録用紙Wは、画像定着ドラム62の用紙グリッパ34を介して画像定着ドラム62に受け渡され、画像定着ドラム62の周面に保持された状態で搬送される。
【0040】
画像定着ドラム62の上部には、内部にヒータを有する定着ローラ64が画像定着ドラム62の周面に圧接した状態で配設されている。画像定着ドラム62の周面に保持された記録用紙Wは定着ローラ64と圧接した状態で上記ヒータで加熱されることにより、記録用紙Wの記録面に形成された画像の色材が記録用紙Wに融着し、当該記録用紙Wに画像が定着される。画像定着部20により画像が定着された記録用紙Wは、画像定着ドラム62の回転によって排出搬送部24へ搬送される。
【0041】
排出搬送部24は、中間搬送ドラム28E及び排出搬送ドラム68を備えている。中間搬送ドラム28Eは、図示しないギアにより中間転写ドラム28Aと連結されており、回転力を受けて回転する。
【0042】
画像定着ドラム62によって搬送された記録用紙Wは、中間搬送ドラム28Eの用紙グリッパ34を介して中間搬送ドラム28Eに受け渡され、中間搬送ドラム28Eの周面に保持された状態で搬送される。
【0043】
排出搬送ドラム68は、図示しないギアにより中間転写ドラム28Aと連結されており、回転力を受けて回転する。
【0044】
中間搬送ドラム28Eによって搬送された記録用紙Wは、排出搬送ドラム68の用紙グリッパ34を介して排出搬送ドラム68に受け渡され、排出搬送ドラム68の周面に保持された状態で排出部22へ搬送される。
【0045】
図3は、本実施の形態に係る画像形成装置10の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【0046】
画像形成装置10は、コンピュータ(図示しない)を備えており、このコンピュータは、同図に示されるように、CPU(中央処理装置)70、ROM(Read Only Memory)72、RAM(Random Access Memory)74、NVM(Non Volatile Memory)76、UI(ユーザ・インタフェース)パネル78、及び通信I/F(通信インタフェース)80を含んで構成されている。
【0047】
CPU70は、画像形成装置10全体の動作を司るものである。CPU70は、ROM72からプログラムを読み出して画像形成制御処理を実行する。
【0048】
記憶手段としてのROM72には、詳細を以下で説明する画像形成装置10の作動を制御する画像形成制御処理を実行するためのプログラム、及び各種パラメータ等が予め記憶されている。
【0049】
RAM74は、各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるものである。NVM76は、装置の電源スイッチが切られても保持しなければならない各種情報を記憶するものである。
【0050】
UIパネル78は、ディスプレイ上に透過型のタッチパネルが重ねられたタッチパネルディスプレイ等から構成され、各種情報がディスプレイの表示面に表示されると共に、ユーザがタッチパネルに触れることにより所望の情報や指示が入力される。
【0051】
通信インタフェース80は、パーソナル・コンピュータ等の端末装置82に接続され、端末装置82から記録用紙Wに形成する画像を示す画像情報や各種情報を受信するためのものである。
【0052】
CPU70、ROM72、RAM74、NVM76、UIパネル78、及び通信インタフェース80は、システムバスBUSを介して相互に接続されている。従って、CPU70は、ROM72、RAM74、NVM76へのアクセスと、UIパネル78への各種情報の表示と、UIパネル78に対するユーザの操作指示内容の把握と、端末装置82からの通信インタフェース80を介した各種情報の受信と、を各々行うことができる。
【0053】
また、画像形成装置10は、記録ヘッドコントローラ84、及びモータコントローラ86を備えている。
【0054】
記録ヘッドコントローラ84は、CPU70の指示に従ってインクジェット記録ヘッド48の作動を制御するものである。モータコントローラ86は、モータ30の作動を制御するものである。
【0055】
記録ヘッドコントローラ84、及びモータコントローラ86もまた、上述したシステムバスBUSに接続されている。従って、CPU70は、記録ヘッドコントローラ84、及びモータコントローラ86の作動の制御を行うことができる。
【0056】
また、上述したロータリエンコーダ52もまた、上述したシステムバスBUSに接続されている。従って、CPU70は、ロータリエンコーダ52により発生されるパルス信号を受信することができる。また、CPU70は、ロータリエンコーダ52により発生されるインデックスパルスを受信することができる。
【0057】
次に、本実施の形態に係る画像形成装置10の作用を参照して、説明する。
【0058】
本実施の形態に係る画像形成装置10では、収容部26から給紙装置によって中間搬送ドラム28へ記録用紙Wが送り出され、当該記録用紙Wが中間搬送ドラム28、処理液塗布ドラム36及び中間搬送ドラム28を介して画像形成ドラム44へ搬送され、当該画像形成ドラム44の周面に保持される。そして、画像情報に基づいてインクジェット記録ヘッド48のノズルから画像形成ドラム44上の記録用紙Wに対してインク滴が吐出される。これによって記録用紙Wには上記画像情報により示される画像が形成される。
【0059】
画像形成装置10のコントローラのCPU70が実行する画像形成制御処理を図4及び図5を参照して説明する。なお、本実施の形態では、この画像形成制御処理は、記録用紙Wに画像形成するための画像形成処理の実行指示、及び画像形成対象の画像情報が、端末装置82から通信I/F80を介して入力され、CPU70が当該実行指示及び当該画像情報が入力されたと判断した場合に実行される。
【0060】
まず、ステップ100で、ロータリエンコーダ52からインデックスパルスを受信したか否かを判定する。ステップ100で、インデックスパルスを受信していないと判定された場合には、再びステップ100での判定処理を行う。一方、ステップ100で、インデックスパルスを受信したと判定された場合には、次のステップ102へ進む。なお、インデックスパルスを受信した時点(タイミング)は、インクジェット記録ヘッド48による画像形成を行う際に必要な基準時点(基準タイミング)である。より具体的には、インデックスパルスの立ち上がりを検出した時点(インデックスパルスが発生した時点)が、基準時点となる。
【0061】
ステップ102では、ロータリエンコーダ52からのパルス信号を監視して、パルスの数を計測する計測処理を開始する。これにより、ステップ102〜ステップ122で処理が行われている間も、計測処理は継続して行われる。
【0062】
次のステップ104では、計測されたパルスの数が予め定められた第1の数Naであるか否かを判定する。ステップ104において、計測されたパルスの数が予め定められた第1の数Naでないと判定された場合には、再びステップ104に戻り、判定処理を行う。一方、ステップ104において、計測されたパルスの数が予め定められた第1の数Naであると判定された場合には、次のステップ106へ進む。
【0063】
ステップ106では、第1の数Na個のパルスの数が計測された以前の予め定められた第2の数G(例えば1)個のパルスの幅(パルス幅)が示す時間Paを演算する。なお、第2の数Gの値は1に限られず、2以上の複数であってもよい。
【0064】
次のステップ108では、パルス幅が示す時間Paを、予め定められた第1の値K(例えば256)で分割して、パルス幅が示す時間Paより小さい時間Ts(=Pa/K)を演算する。
【0065】
次のステップ110では、上記ステップ104で計測されたパルスの数が予め定められた第1の数Naであると判定されてから、時間Ts(=Pa/K)に予め定められたA面に対応する第2の値iaを乗じた時間(ia×(Pa/K))が経過したか否かを判定する。ステップ110で否定判定(経過していないと判定)された場合には、再びステップ110で判定処理を行う。一方、ステップ110で、肯定判定(経過したと判定)された場合には、次のステップ112へ進む。
【0066】
ステップ112では、画像情報に応じたドットを形成して、画像情報に基づいた画像をA面の記録用紙Wに形成するようにインクジェット記録ヘッド48を制御するように、記録ヘッドコントローラ84に指示を出力する。これにより、記録ヘッドコントローラ84は、A面の記録用紙Wへの画像情報に基づいた画像の形成を開始するようにインクジェット記録ヘッド48を制御する。
【0067】
以上のステップ100〜112までの処理を図6のタイミングチャートを用いて説明する。
【0068】
同図に図示されるように、ステップ100でインデックスパルス(基準パルス)を受信したと判定されると、ステップ102、104で、第1の数Na個のパルスの数を計測(カウント)する。そして、ステップ106、108で、第1の数Na個のパルスの数が計測された以前の予め定められた第2の数G(例えば1)個のパルスの幅に対する時間Paを演算し、パルスの幅に対する時間Paを、予め定められた第1の値K(例えば256)で分割して、時間Ts(=Pa/K)を演算する。そして、ステップ110、112で、予め定められた第1の数Naのパルスが計測された時点以後に、時間Ts(=Pa/K)に予め定められたA面に対応する第2の値iaを乗じた時間(ia×(Pa/K))が経過した時点で、A面の記録用紙Wへの画像の形成を開始するように、画像形成手段としての記録ヘッド48を制御する。
【0069】
ここで、図5を参照して画像形成制御処理の説明に戻る。次のステップ114では、計測されたパルスの数が予め定められた第3の数Nbであるか否かを判定する。ステップ114において、計測されたパルスの数が予め定められた第3の数Nbでないと判定された場合には、再びステップ114に戻り、判定処理を行う。一方、ステップ114において、計測されたパルスの数が予め定められた第3の数Nbであると判定された場合には、次のステップ116へ進む。
【0070】
ステップ116では、第3の数Nb個のパルスの数が計測された以前の予め定められた第4の数D(例えば1)個のパルスの幅に対する時間Pbを演算する。なお、第4の数Dの値は1に限られず、2以上の複数であってもよい。
【0071】
次のステップ118では、パルスの幅に対する時間Pbを、予め定められた第1の値K(例えば256)で分割して、パルス幅が示す時間Pbより小さい時間T´s(=Pb/K)を演算する。
【0072】
次のステップ120では、上記ステップ114で計測されたパルスの数が予め定められた第3の数Nbであると判定されてから、時間T´s(=Pb/K)に予め定められたB面に対応する第2の値ibを乗じた時間(ib×(Pb/K))が経過したか否かを判定する。ステップ120で否定判定(経過していないと判定)された場合には、再びステップ120で判定処理を行う。一方、ステップ120で、肯定判定(経過したと判定)された場合には、次のステップ122へ進む。
【0073】
ステップ122では、画像情報に応じたドットを形成して、B面の記録用紙Wへの画像情報に基づいた画像の形成を開始するようにインクジェット記録ヘッド48を制御するように、記録ヘッドコントローラ84に指示を出力する。これにより、記録ヘッドコントローラ84は、B面の記録用紙Wへの画像情報に基づいた画像の形成を開始するようにインクジェット記録ヘッド48を制御する。
【0074】
以上のステップ100、114〜122までの処理を図6のタイミングチャートを用いて説明する。
【0075】
同図に図示されるように、ステップ100でインデックスパルスを受信したと判定されると、ステップ114で、回転ドラム44の回転量Θに応じてパルス信号を発生する発生手段としてのロータリエンコーダ52によって発生された第3の数Nb個のパルスの数を計測(カウント)する。そして、ステップ116、118で、第3の数Nb個のパルスの数が計測された以前の予め定められた第4の数D(例えば1)個のパルスの幅が示す時間Pbを演算し、パルスの幅が示す時間Pbを、予め定められた第1の値K(例えば256)で分割して、時間T´s(=Pb/K)を演算する。そして、ステップ120、122で、予め定められた第3の数Nbのパルスが計測された時点以後に、時間T´s(Pb/K)に予め定められたB面に対応する第2の値ibを乗じた時間(ib×(Pb/K))が経過した時点で、B面の記録用紙Wへの画像の形成を開始するように、画像形成手段としての記録ヘッド48を制御する。
【0076】
以上、説明したように、A面の記録用紙Wには、インデックスパルス(基準パルス)の立ち上がり(基準時点)からJa(Ta+(ia×(Pa/K)))秒経過した時点(タイミング)で画像形成が開始される。また、B面の記録用紙Wには、インデックスパルスの立ち上がりからJb(Tb+(ib×(Pb/K)))秒経過した時点(タイミング)で画像形成が開始される。なお、Ta(秒)はインデックスパルスの立ち上がりをトリガにNa個のパルスをカウントするのに要した時間であり、Tb(秒)はインデックスパルスの立ち上がりをトリガにNb個のパルスをカウントするのに要した時間である。
【0077】
本実施の形態の画像形成装置10は、パルス信号のパルスの数を計測する計測処理がステップ102で開始され、基準時点(基準タイミング)から複数(本実施の形態ではA面、B面の記録用紙Wの2個)の記録用紙W毎に予め定められた数のパルス(A面の記録用紙WはNa個のパルス、B面の記録用紙WはNb個のパルス)が計測される毎に、予め定められた数のパルスが計測処理によって計測された以前のパルス幅が示す時間(A面の記録用紙Wの場合にはPa、B面の記録用紙Wの場合にはPb)を予め定められた第1の値K(例えば256)で分割して、パルス幅が示す時間より小さい時間(A面の記録用紙Wの場合には(Pa/K)、B面の記録用紙Wの場合には(Pb/K))をステップ108、118で演算し、インデックスパルスが発生した時点から複数の記録用紙W毎に予め定められた数のパルスが計測される毎に、予め定められた数のパルスが計測された時点以後に、演算されたパルス幅が示す時間Pa、Pbより小さい時間(A面の記録用紙Wの場合には(Pa/K)、B面の記録用紙Wの場合には(Pb/K))に、複数の記録媒体W毎に予め定められた第2の値(A面の記録用紙Wの場合にはia、B面の記録用紙Wの場合にはib)のうち、今回画像を形成しようとする記録用紙W(画像形成対象の記録用紙W)に対応する値を乗じた時間が経過した時点で、対応する記録用紙Wへの画像の形成を開始するようにステップ112、122で記録ヘッド48を制御する。
【0078】
ここで、上記のNa、Nb、ia、及びibは、A面及びB面の両方の記録用紙Wに適切に画像が形成されるように予め実験的に求めておくとよい。
【0079】
なお、Na、Nb、ia、及びibの求める手順の一例について、図7及び図8を参照して説明する。なお、以下の手順で用いられる「Lo」は記録用紙の先頭から理想の印字開始位置までの距離(mm)であり、「R」は画像形成ドラムの半径(mm)であり、「P」は紙厚(mm)であり、「E」はエンコーダパルス数(ppr)であり、「K」は分割数である。これらの値は予め設定されている。
【0080】
まず、ステップ200で、変数Naに初期値Nao、変数Nbに初期値Nbo、変数iaに初期値iao、及び変数ibに初期値iboを仮に設定する。なお、これらの初期値はどのような値であってもよいが、処理を簡素化するために、理想とする値に近い値を初期値とするのが好ましい。
【0081】
次のステップ202では、A面、B面共に1枚、ラインを印字(画像形成)する。
【0082】
次のステップ204では、A面の用紙先頭から印字したラインの距離La(mm)を測定する。なお、直接的に距離Laを計測してもよいし、カメラ等の撮影手段を用いることにより得られた画像に対して画像処理を施すことにより距離Laを計測してもよい。
【0083】
次のステップ206では、距離Loと距離Laとの差ΔLaを計算する。
【0084】
次のステップ208では、ΔLaが誤差の範囲内か否かを判定する。例えば、ある値δを予め定めておき、−δ≦ΔLa≦δとなる場合には、ΔLaが誤差の範囲内であると判定し、そうでない場合には、ΔLaが誤差の範囲内でないと判定する。
【0085】
ステップ208で、ΔLaが誤差の範囲内であると判定された場合には、次のステップ214へ進む。ステップ214では、変数Naに初期値Nao、及び変数iaに初期値iaoを再度設定する。なお、ステップ214は省略してもよい。
【0086】
ステップ208で、ΔLaが誤差の範囲内でないと判定された場合には、次のステップ210へ進む。ステップ210では、ΔLa≒2π(R+P)/E*{ΔNa+Δia/K}となるようなΔNa、及びΔiaを探す。なお、Δia=ΔNa/Kである。
【0087】
次のステップ212では、変数Naに(Nao−ΔNa)を設定すると共に、変数iaに(iao−Δia)を設定する。
【0088】
次のステップ216では、B面の用紙先頭から印字したラインの距離Lb(mm)を測定する。なお、直接的に距離Lbを計測してもよいし、カメラ等の撮影手段を用いることにより得られた画像に対して画像処理を施すことにより距離Lbを計測してもよい。
【0089】
次のステップ218では、距離Loと距離Lbとの差ΔLbを計算する。
【0090】
次のステップ220では、ΔLbが誤差の範囲内か否かを判定する。例えば、ある値δを予め定めておき、−δ≦ΔLb≦δとなる場合には、ΔLbが誤差の範囲内であると判定し、そうでない場合には、ΔLbが誤差の範囲内でないと判定する。
【0091】
ステップ220で、ΔLbが誤差の範囲内であると判定された場合には、次のステップ226へ進む。ステップ226では、変数Nbに初期値Nbo、及び変数ibに初期値iboを再度設定する。なお、ステップ226は省略してもよい。
【0092】
ステップ220で、ΔLbが誤差の範囲内でないと判定された場合には、次のステップ222へ進む。ステップ222では、ΔLb≒2π(R+P)/E*{ΔNb+Δib/K}となるようなΔNb、及びΔibを探す。なお、Δib=ΔNb/Kである。
【0093】
次のステップ224では、変数Nbに(Nbo−ΔNb)を設定すると共に、変数ibに(ibo−Δib)を設定する。
【0094】
次のステップ228では、A面、B面共に1枚、ラインを印字(画像形成)する。
【0095】
次のステップ230では、A面の用紙先頭から印字したラインの距離La(mm)を測定すると共に、B面の用紙先頭から印字したラインの距離Lb(mm)を測定する。
【0096】
次のステップ232では、距離Loと上記ステップ230で測定された距離Laとの差ΔLaを計算すると共に、距離Loと上記ステップ230で測定された距離Lbとの差ΔLbを計算する。
【0097】
次のステップ234では、上記ステップ232で計算された差ΔLaが0または0に近い値(−δ≦ΔLa≦δ)であり、かつ上記ステップ232で計算された差ΔLbが0または0に近い値(−δ≦ΔLb≦δ)であるか否かを判定する。ステップ234で否定判定された場合には、ステップ208に戻り、ステップ234で肯定判定された場合には、次のステップ236で、変数Na、変数Nb、変数ia、及び変数ibの値を、それぞれ第1の数Na、第3の数Nb、A面の記録用紙Wに対応する第2の値ia、B面の記録用紙Wに対応する第2の値ibとすることにより、第1の数Na、第3の数Nb、A面の記録用紙Wに対応する第2の値ia、B面の記録用紙Wに対応する第2の値ibを求めて、本手順を終了する。
【0098】
また、上記各実施の形態では、インクジェット記録ヘッドにより記録用紙Wに直接画像を形成する形態の画像形成装置を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、回転体としての中間転写体を介して記録用紙Wに画像を形成する形態の画像形成装置であっても良い。この場合、画像形成手段としての光ビームを照射するLED等の発光素子(照射手段)を備えた記録ヘッドにより回転体である感光体ドラムの周面(所定面)に潜像を形成し、当該潜像を画像を形成するための材料(例えば、トナー)を用いてトナー像にして当該トナー像を記録用紙の表面に転写する形態の画像形成装置が例示できる。すなわち、画像情報に応じた光ビームを照射する照射手段により照射された光ビームによって周面に画像情報に応じた潜像が形成され、形成された潜像に画像を形成するための材料が付着されることにより周面に形成された画像が、記録媒体としての記録用紙に転写されるように回転する感光体ドラムを備えた画像形成装置に本発明を適用してもよい。なお、この場合の感光体ドラムは、上記照射手段により周面に形成された複数の画像の各々を、複数の記録用紙の各々に転写する転写体として機能するように回転する回転体である。
【0099】
その他、上記各実施の形態で説明した画像形成装置10の構成は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更可能である。
【0100】
また、上記各実施の形態で説明した演算式も一例であり、不要なパラメータを削除したり、新たにパラメータを追加しても良い。
【0101】
また、上記各実施の形態で説明した各種処理プログラムの処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
【図2】本実施の形態の画像形成ドラムの構造を示す図である。
【図3】本実施形態に係る画像形成装置の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【図4】本実施形態の画像形成装置のCPUが実行する画像形成制御処理のフローチャートである。
【図5】本実施形態の画像形成装置のCPUが実行する画像形成制御処理のフローチャートである。
【図6】本実施の形態の画像形成装置の作用を説明するためのタイミングチャートである。
【図7】Na、Nb、ia、及びibの求める手順の一例を示す図である。
【図8】Na、Nb、ia、及びibの求める手順の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0103】
10 画像形成装置
16 画像形成部
48 インクジェット記録ヘッド
44 画像形成ドラム
52 ロータリエンコーダ
70 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の記録媒体を周面に保持可能で、前記記録媒体を保持した状態で回転する回転体と、
回転中の前記回転体の周面に保持された前記記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
前記回転体の予め定められた回転量に応じてパルス信号を発生すると共に、前記回転体の回転周期毎に基準パルスを発生する発生手段と、
前記パルス信号のパルスの数を計測する計測手段と、
前記基準パルスが発生した時点から前記複数の記録媒体毎に予め定められた数のパルスが前記計測手段によって計測される毎に、前記予め定められた数のパルスが前記計測手段によって計測された以前のパルス幅が示す時間を予め定められた第1の値で分割して、前記パルス幅が示す時間より小さい時間を演算する演算手段と、
前記基準パルスが発生した時点から前記複数の記録媒体毎に予め定められた数のパルスが前記計測手段によって計測される毎に、前記予め定められた数のパルスが前記計測手段によって計測された時点以後に、前記演算手段によって演算された前記パルス幅が示す時間より小さい時間に、前記複数の記録媒体毎に予め定められた複数の第2の値のうち、今回画像を形成しようとする記録媒体に対応する値を乗じた時間が経過した時点で、前記記録媒体への画像の形成を開始するように前記画像形成手段を制御する制御手段と、
を含む画像形成装置。
【請求項2】
周面に形成された複数の画像の各々を複数の記録媒体の各々に転写するために回転する回転体と、
回転中の前記回転体の周面に画像を形成する画像形成手段と、
前記回転体の予め定められた回転量に応じてパルス信号を発生すると共に、前記回転体の回転周期毎に基準パルスを発生する発生手段と、
前記パルス信号のパルスの数を計測する計測手段と、
前記基準パルスが発生した時点から前記複数の記録媒体毎に予め定められた数のパルスが前記計測手段によって計測される毎に、前記予め定められた数のパルスが前記計測手段によって計測された以前のパルス幅が示す時間を予め定められた第1の値で分割して、前記パルス幅が示す時間より小さい時間を演算する演算手段と、
前記基準パルスが発生した時点から前記複数の記録媒体毎に予め定められた数のパルスが前記計測手段によって計測される毎に、前記予め定められた数のパルスが前記計測手段によって計測された時点以後に、前記演算手段によって演算された前記パルス幅が示す時間より小さい時間に、前記複数の記録媒体毎に予め定められた複数の第2の値のうち、今回画像を形成しようとする記録媒体に対応する値を乗じた時間が経過した時点で、前記周面への画像の形成を開始するように前記画像形成手段を制御する制御手段と、
を含む画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成手段を、各々画像を構成するドットを形成する複数の画像形成素子を含む記録ヘッドとし、
前記回転体を、前記記録ヘッドにより記録媒体に画像が形成されるように、周面に該記録媒体を保持した状態で回転する画像形成ドラムとした請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成手段を、画像情報に応じた光ビームを照射する照射手段とし、
前記回転体を、前記照射手段により照射された光ビームによって周面に前記画像情報に応じた潜像が形成され、形成された潜像に画像を形成するための材料が付着されることにより周面に形成された画像が、記録媒体に転写されるように回転する露光ドラムとした請求項2記載の画像形成装置。
【請求項5】
コンピュータを、
複数の記録媒体を周面に保持可能で、前記記録媒体を保持した状態で回転する回転体の予め定められた回転量に応じてパルス信号を発生すると共に、前記回転体の回転周期毎に基準パルスを発生する発生手段によって発生された前記パルス信号のパルスの数を計測する計測手段、
前記基準パルスが発生した時点から前記複数の記録媒体毎に予め定められた数のパルスが前記計測手段によって計測される毎に、前記予め定められた数のパルスが前記計測手段によって計測された以前のパルス幅が示す時間を予め定められた第1の値で分割して、前記パルス幅が示す時間より小さい時間を演算する演算手段、及び
前記基準パルスが発生した時点から前記複数の記録媒体毎に予め定められた数のパルスが前記計測手段によって計測される毎に、前記予め定められた数のパルスが前記計測手段によって計測された時点以後に、前記演算手段によって演算された前記パルス幅が示す時間より小さい時間に、前記複数の記録媒体毎に予め定められた複数の第2の値のうち、今回画像を形成しようとする記録媒体に対応する値を乗じた時間が経過した時点で、前記記録媒体への画像の形成を開始するように、回転中の前記回転体の周面に保持された前記記録媒体に画像を形成する画像形成手段を制御する制御手段
として機能させるためのプログラム。
【請求項6】
コンピュータを、
周面に形成された複数の画像の各々を複数の記録媒体の各々に転写するために回転する回転体の予め定められた回転量に応じてパルス信号を発生すると共に、前記回転体の回転周期毎に基準パルスを発生する発生手段によって発生された前記パルス信号のパルスの数を計測する計測手段、
前記基準パルスが発生した時点から前記複数の記録媒体毎に予め定められた数のパルスが前記計測手段によって計測される毎に、前記予め定められた数のパルスが前記計測手段によって計測された以前のパルス幅が示す時間を予め定められた第1の値で分割して、前記パルス幅が示す時間より小さい時間を演算する演算手段、及び
前記基準パルスが発生した時点から前記複数の記録媒体毎に予め定められた数のパルスが前記計測手段によって計測される毎に、前記予め定められた数のパルスが前記計測手段によって計測された時点以後に、前記演算手段によって演算された前記パルス幅が示す時間より小さい時間に、前記複数の記録媒体毎に予め定められた複数の第2の値のうち、今回画像を形成しようとする記録媒体に対応する値を乗じた時間が経過した時点で、前記周面への画像の形成を開始するように、回転中の前記回転体の周面に画像を形成する画像形成手段を制御する制御手段
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−149406(P2010−149406A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−330713(P2008−330713)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】