説明

画像形成装置およびその方法

【課題】
用紙属性設定による画像形成が必要なカスタム紙と用紙属性設定の必要のない普通紙とを区別した画像形成指示が行われる画像形成装置およびその方法を提供する。
【解決手段】
画像形成装置100において、ユーザインターフェース部110より用紙属性が入力されて用紙属性保存部121に保存され、保存された用紙属性に識別子付与部122により識別子が付与され、給紙トレイ(給紙トレイa)131aに識別子が入力されたことを用紙属性設定検知部123が検知して、用紙属性設定有効部124が給紙トレイ(給紙トレイa)131aに当該識別子に対応する用紙属性の設定を有効として、用紙属性が設定されていない給紙トレイ(給紙トレイb)131bより給紙が行われる場合は、標準の設定での画像形成が行われ、給紙トレイ(給紙トレイa)131aより給紙が行われる場合は設定された用紙属性に基づき最適な画像形成が行われるように制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙を収納する1または複数の給紙装置を有し、給紙装置に収納されている用紙を使用して適切な画像形成が行えるように、収納されている用紙に適した用紙属性を給紙装置に対して設定することができる画像形成装置およびその方法に関し、特に、用紙属性設定による画像形成が必要なカスタム紙と用紙属性設定の必要のない普通紙とを区別した画像形成指示が行われる画像形成装置およびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、給紙装置に収納された用紙に画像を形成する際、その用紙のサイズや紙種によって最適な速度や温度で画像形成を行ったり、用紙の給紙時における用紙間の密着を解くために用紙に適した強さや時間でエアーを吹き付ける機能を持つ画像形成装置は知られている。
【0003】
従来、これらの動作を制御する用紙属性(用紙パラメータ)は、そのサイズや紙種(コート紙・非コート紙)などとあまり多くなく、そのために、その設定も給紙装置に設置された設定スイッチを用いて設定するのが普通であった。
【0004】
このような場合、給紙装置を開けて用紙を収容する際、同時に設定スイッチにより用紙属性を設定してから給紙装置を閉めることで、給紙装置に収容された用紙とその用紙に設定された各種属性は、設定スイッチの選択ミスを除けば常に一致しており、給紙装置に収容された用紙に最適な制御が可能であった。
【0005】
しかし近年、画像形成装置で制御可能な紙種や、最適な画像形成を行うための用紙属性がより細分化され多種に及んだため、従来のような、用紙属性の設定を給紙装置に設置された設定スイッチですべて行うことが困難となり、そこで、特許文献1に示すように、画像形成装置に備えられたユーザインターフェース装置を用いて設定したり、また、ネットワーク等を介して接続されるパーソナルコンピュータなどから、各種用紙属性を設定する構成が提案されている。
【特許文献1】特開2003−270872号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
さて、画像形成装置において給紙される給紙装置が選択される際には、ユーザが用紙サイズ等を指定することにより、画像形成装置が自動的に指定された内容に対応する給紙装置を選択するAPS(Auto Paper Selection)が知られている。
【0007】
そして、上述のような用紙属性の設定が必要な用紙の画像形成(カスタム紙の画像形成)の際に、用紙サイズを指定して画像形成を行う際に、カスタム紙としてコート紙やアート紙などを通常とは区別して、どちらかの用紙のみを指定して給紙装置の選択が行われるようにしたいという要求がある。
【0008】
そこで、用紙属性設定による画像形成が必要なカスタム紙と用紙属性設定の必要のない普通紙とを区別した画像形成指示が行われる画像形成装置およびその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成する為、請求項1の発明は、用紙を収容する1または複数の給紙装置を有し、前記給紙装置から給紙された用紙に画像を形成する画像形成処理を行う画像形成装置において、前記用紙に適した画像形成を行うための用紙属性を入力する用紙属性入力手段と、前記属性入力手段によって入力された用紙属性を保存する用紙属性保存手段と、前記属性保存手段によって保存された用紙属性を識別する識別子を該用紙属性に付与する用紙属性識別子付与手段と、前記用紙属性保存手段によって保存された用紙属性を、前記用紙属性識別子付与手段によって付与された識別子をユーザが選択する前記給紙装置に指定することによって、当該給紙装置に収納する用紙の用紙属性として設定する用紙属性設定手段と、用紙の給紙対象の給紙装置が識別子により用紙属性が設定されていない場合は、用紙に対して標準の設定での画像形成を行い、用紙の給紙対象の給紙装置が識別子により用紙属性が設定されている場合は、用紙に対して当該用紙属性に基づき最適な画像形成を行うように制御を行う画像形成制御手段とを具備することを特徴とする。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、画像形成指示装置に接続され、該画像形成指示装置から指定のジョブに対する画像形成指示を受付ける画像形成指示受付手段と、前記画像形成指示受付手段が受付けた前記画像形成指示が、前記識別子付与手段により付与された識別子と、画像形成に使用される用紙サイズとを独立して指定している場合、前記ジョブに基づく画像形成を行う用紙の給紙対象の給紙装置として、前記画像形成指示に含まれる識別子が前記用紙属性設定手段によって指定された識別子である給紙装置であって、かつ、前記画像形成指示に含まれる用紙サイズの用紙が収納されている給紙装置を選択する給紙装置選択手段とを具備することを特徴とする。
【0011】
また、請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記1または複数の給紙トレイに前記用紙属性設定手段によって指定されたそれぞれの識別子は、前記画像形成指示により指定された識別子と全て異なるか否かを調べる識別子判別手段と、前記識別子判別手段によって、前記1または複数の給紙トレイに前記用紙属性設定手段によって指定されたそれぞれの識別子が、前記画像形成指示により指定された識別子と全て異なると判別された場合には、用紙に画像形成を行わない画像形成中止手段とを具備することを特徴とする。
【0012】
また、請求項4の発明は、請求項2の発明において、前記給紙装置選択手段により選択された給紙装置に用紙切れが発生した場合には、前記画像形成指示に含まれる識別子が前記用紙属性設定手段によって指定された給紙装置が選択されて画像形成の続行が行われる画像形成続行手段を具備することを特徴とする。
【0013】
また、請求項5の発明は、請求項3の発明において、前記画像形成中止手段によって画像形成が行われない場合には、前記画像形成指示によって指定された用紙サイズを収納している給紙トレイに対して、前記画像形成指示に含まれている識別子を設定することで、該給紙トレイに用紙属性を設定して、該給紙トレイより給紙を行って画像形成を行う用紙属性変更画像形成手段を具備することを特徴とする。
【0014】
また、請求項6の発明は、請求項3の発明において、前記画像形成中止手段によって画像形成が行われない場合には、前記画像形成指示の次に前記画像形成指示装置より送信される次回画像形成指示に含まれる識別子が前記用紙属性設定手段によって指定さた識別子である給紙装置であって、かつ、該次回画像形成指示に含まれる用紙サイズの用紙が収納されている給紙装置が存在するか否かを判別する給紙装置判別手段と、前記給紙装置判別手段により、該次回画像形成指示に含まれる識別子が前記用紙属性設定手段によって指定された識別子である給紙装置であって、かつ、該次回画像形成指示に含まれる用紙サイズの用紙が収納されている給紙装置が存在すると判別された場合には、前記画像形成指示を保留して、該次回画像形成指示の画像形成が、前記給紙装置判別手段によって存在が確認された当該給紙装置より行われる次回画像形成指示画像形成手段とを具備することを特徴とする。
【0015】
また、請求項7の発明は、請求項1の発明において、前記画像形成装置に対して、前記識別子付与手段により付与された識別子は含まれず、前記画像形成装置に使用される用紙サイズが含まれる画像形成指示を行うことができる画像形成指示装置に接続されて、前記用紙の給紙対象の給紙装置は、前記画像形成指示に含まれる用紙サイズの用紙が収納されている給紙装置より選択される給紙装置選択手段を具備することを特徴とする。
【0016】
また、請求項8の発明は、請求項7の発明において、前記1または複数の給紙トレイに収納された用紙の用紙サイズは、前記画像形成指示により指定された用紙サイズと全て異なるか否かを調べる用紙サイズ判別手段と、前記識別子判別手段によって、前記1または複数の給紙トレイに前記用紙属性設定手段によって指定されたそれぞれの識別子が、前記画像形成指示により指定された用紙サイズと全て異なると判明された場合には、用紙に画像形成を行わない画像形成中止手段とを具備することを特徴とする。
【0017】
また、請求項9の発明は、請求項7の発明において、前記給紙装置選択手段により選択された給紙装置に用紙切れが発生した場合には、前記用紙属性設定手段による設定が行われていない給紙装置の中から、前記画像形成指示に含まれている用紙サイズの用紙を収納している給紙装置が選択されて画像形成の続行が行われる画像形成続行手段を具備することを特徴とする。
【0018】
また、請求項10の発明は、請求項8の発明において、前記画像形成中止手段によって画像形成が行われない場合には、前記画像形成指示の次に前記画像形成指示装置より送信される次回画像形成指示に含まれる用紙サイズの用紙を収納している給紙装置が存在するか否かを判別する給紙装置判別手段と、前記給紙装置判別手段により、該次回画像形成指示に含まれる用紙サイズの用紙を収納している給紙装置が存在すると判別された場合には、前記画像形成指示を保留して、該次回画像形成指示の画像形成が、前記給紙装置判別手段によって存在が確認された当該給紙装置より行われる次回画像形成指示画像形成手段とを具備することを特徴とする。
【0019】
また、請求項11の発明は、用紙を収容する1または複数の給紙装置を有し、前記給紙装置から給紙された用紙に画像を形成する画像形成処理を行う画像形成方法において、前記用紙に適した画像形成を行うための用紙属性を用紙属性入力手段により入力し、前記属性入力手段によって入力された用紙属性を用紙属性保存手段により保存し、前記属性保存手段によって保存された用紙属性を識別する識別子を該用紙属性に用紙属性識別子付与手段により付与し、前記用紙属性保存手段によって保存された用紙属性を、前記用紙属性識別子付与手段によって付与された識別子をユーザが選択する前記給紙装置に指定することによって、当該給紙装置に収納する用紙の用紙属性として用紙属性設定手段により設定し、用紙の給紙対象の給紙装置が識別子により用紙属性が設定されていない場合は、用紙に対して標準の設定での画像形成を行い、用紙の給紙対象の給紙装置が識別子により用紙属性が設定されている場合は、用紙に対して当該用紙属性に基づき最適な画像形成を行うように画像形成制御手段により制御を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の画像形成装置およびその方法によれば、用紙に適した画像形成を行うための用紙属性を入力する用紙属性入力手段と、属性入力手段によって入力された用紙属性を保存する用紙属性保存手段と、属性保存手段によって保存された用紙属性を識別する識別子を該用紙属性に付与する用紙属性識別子付与手段と、用紙属性保存手段によって保存された用紙属性を、用紙属性識別子付与手段によって付与された識別子をユーザが選択する給紙装置に指定することによって、当該給紙装置に収納する用紙の用紙属性として設定する用紙属性設定手段と、用紙の給紙対象の給紙装置が識別子により用紙属性が設定されていない場合は、用紙に対して標準の設定での画像形成を行い、用紙の給紙対象の給紙装置が識別子により用紙属性が設定されている場合は、用紙に対して当該用紙属性に基づき最適な画像形成を行うように制御を行う画像形成制御手段とを具備するように構成したので、用紙属性設定による画像形成が必要なカスタム紙と用紙属性設定の必要のない普通紙とを区別した画像形成指示が行われることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係わる画像形成装置およびその制御方法の実施例について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明に係わる画像形成装置およびその制御方法が提供される画像形成装置の一概略構成例を示すブロック図である。
【0023】
図1において、この画像形成装置100は、ネットワーク20を経由してプリント制御装置30、画像読取装置40、情報処理装置50−1〜50−nが接続されている。
【0024】
ここで、プリント制御装置30は、画像形成装置100を用いた各種文書の画像形成制御を行うもので、プリントサーバを構成するものである。
【0025】
また、画像読取装置40は、画像形成装置100を用いて画像形成する画像を読み取るもので、ネットワークスキャナとして構成される。
【0026】
また、情報処理装置50−1〜50−nは、画像形成装置100を用いて画像形成する文書の処理を行うもので、例えば、各ユーザのパーソナルコンピュータがこれに相当する。
【0027】
ここで、プリント制御装置30本発明に係わる画像形成装置100で画像形成に使用する用紙に適した画像形成を可能とする用紙属性を入力するユーザインターフェース部を有している。
【0028】
画像形成装置100は、ユーザインターフェース部110、制御部120、画像形成部130を具備して構成される。
【0029】
ここで、ユーザインターフェース部110は、この発明に係わる画像形成装置100で用紙属性を入力するものである。
【0030】
また、制御部120は、画像形成部130を制御するもので、ユーザインターフェース部110からおよびプリント制御装置が有するユーザインターフェース部より入力される用紙属性を受け付けて保存する不揮発性メモリ等で構成される用紙属性保存部121と、識別子を生成して用紙属性に識別子を付与する識別子付与部122と、給紙トレイの用紙属性設定部より指定された識別子に基づいて該識別子に対応する用紙属性保存部121に保存された用紙属性を当該給紙トレイに対する設定として有効にする用紙属性設定有効部124と、給紙トレイの用紙属性設定部に入力された用紙属性の識別子を検知する用紙属性設定検知部123とを有している。
【0031】
また、画像形成部13は、複数の給紙トレイ、すなわち、給紙トレイ(給紙トレイa)131a、給紙トレイ(給紙トレイb)131b、給紙トレイ(給紙トレイc)131c、給紙トレイ(給紙トレイd)131dを有する。
【0032】
給紙トレイを開けるとは、給紙トレイが画像形成装置100より外されて、当該給紙トレイに収納された用紙を使用した画像形成が行えない状態を指し、それに対して、給紙トレイを閉じるとは、外された給紙トレイが画像形成装置100に設置された状態を指す。
【0033】
さらに、各給紙トレイは、ユーザより識別子が指定されて給紙トレイに収容する用紙に適した用紙属性を設定する手段となる用紙属性設定部を有しており、給紙トレイ(給紙トレイa)131aには用紙属性設定部132a、給紙トレイ(給紙トレイb)131bには用紙属性設定部132b、給紙トレイ(給紙トレイc)131cには用紙属性設定部132c、給紙トレイ(給紙トレイd)131dには用紙属性設定部132dが備えられている。
【0034】
次に、本実施例の画像形成装置100の要部機能について、図2を参照して説明する。
【0035】
図2は、本実施例の画像形成装置100の要部機能構成を示すブロック図である。
【0036】
画像形成装置100の要部機能を示すブロック図は、図1を参照して説明した、ユーザインターフェース部110、用紙属性保存部121、識別子付与部122、用紙属性設定有効部124、用紙属性設定検知部123、画像形成部130、また、用紙属性設定部201で構成される。
【0037】
用紙属性設定部201は、画像形成部130内の各給紙トレイ内に設けられた用紙属性設定部を示すものである。
【0038】
画像形成装置100で、画像形成に使用される用紙に適した用紙属性を設定する際に、ユーザインターフェース部110よりユーザによって、該用紙に適した設定で画像形成を可能とするように、「2ndBTB電圧」、「用紙カール量」、「NIP電圧」、「エアアシスト動作」が入力されて用紙属性として用紙属性保存部121に保存される。
【0039】
そして、識別子付与部123において、保存された用紙属性に対して識別子を付与する処理が行われる。
【0040】
識別子を付与する処理は、識別子付与部123において、数値の識別子が自動的に生成されてユーザが入力した用紙属性に対して生成された識別子が付与される。
【0041】
また、生成される識別子は、数値の識別子ではなく、名称の識別子でもよく、或いは、ユーザが任意の識別子を生成して、入力した用紙属性に対して付与されるようにも構成される。
【0042】
保存された用紙属性に対して識別子が付与されると、用紙属性保存部121において、該用紙属性と該識別子とが対応付けられて保存される。
【0043】
そして、ユーザが画像形成を行う際に、用紙に適した設定により画像形成を必要とするカスタム紙を使用して画像形成を行うことを所望する場合には、ユーザは、画像形成に使用されるカスタム紙を給紙トレイに収納し、該給紙トレイに備えられた用紙属性設定部201より該カスタム紙に適した設定の内容の用紙属性に対応する識別子を入力する。
【0044】
画像形成が行われる際に、用紙属性設定部201に識別子が入力された給紙トレイが使用される場合には、用紙属性設定検知部123が該給紙トレイの用紙属性設定部201に識別子が入力されたことを検知して、用紙属性設定有効部124が入力された該識別子に対応する用紙属性を該給紙トレイに収納された用紙を画像形成する際に設定して、該給紙トレイに収納された用紙が使用されて画像形成部130で画像形成が行われる。
【0045】
また、画像形成が行われる際に、用紙属性設定部201に識別子が入力されなかった給紙トレイが使用される場合には、用紙属性設定検知部123が該給紙トレイの用紙属性設定部201に識別子が入力されなかったことを検知して、該給紙トレイに収納された用紙が使用されて画像形成部130で画像形成が行われる。
【0046】
次に、ユーザによって、用紙属性保存部121に保存される用紙属性が、画像形成装置100のユーザインターフェース部110或いはプリント制御装置30のユーザインターフェース部より入力され、識別子付与部122により識別子が付与される様子を示したユーザインターフェースの画面について図3を参照して説明を行う。
【0047】
図3は、ユーザによって、用紙属性保存部121に保存される用紙属性が、画像形成装置100のユーザインターフェース部110或いはプリント制御装置30のユーザインターフェース部より入力され、そして識別子付与部122によって識別子が入力される様子を示したユーザインターフェースの画面を示した画面構成図であり、図3(a)は画像形成装置100のユーザインターフェース部110、或いは情報処理装置50−1〜50−nの遠隔操作によりプリント制御装置30のユーザインターフェースより用紙属性保存部121に保存される用紙属性が入力されるユーザインターフェースの画面を示した画面構成図であり、図3(b)は用紙属性保存部121に保存された用紙属性に対して識別子付与部122によって識別子が付与されるユーザインターフェースの画面を示した画面構成図である。
【0048】
図3(a)に示したように、ユーザインターフェース部に、画像形成に使用する用紙の「2ndBTB電圧」、「用紙カール量」、「NIP電圧」、「エアアシスト動作」に関する用紙属性が表示され、ここで、この用紙属性をそのまま用いる場合は、ユーザはこの状態で決定ボタン301を押下し、この用紙属性を変更する場合は、表示されている用紙属性を変更した後、決定ボタン301を押下し、用紙属性の入力が行われる。
【0049】
決定ボタン301が押下されると、入力された用紙属性が用紙属性保存部121に保存され、そして識別子付与部122により、保存された用紙属性に識別子が付与され、該用紙属性と該識別子が対応付けられて用紙属性保存部121に保存される。
【0050】
識別子付与部122により識別子が用紙属性に付与されて、用紙属性保存部121に識別子と用紙属性が対応付けられて保存されると、対応付けられた保存された識別子をユーザに示すために、ユーザが用紙属性の入力を行ったユーザインターフェース部に、対応付けられて保存された該識別子が図3(b)に示すように表示される。
【0051】
次に、画像形成装置100のユーザインターフェース部110より、或いは情報処理装置50−1〜50−nの遠隔操作によるプリント制御装置30のユーザインターフェース部より、用紙属性が入力されて、該用紙属性に対して識別子が付与される際に画像形成装置100で行われる処理の処理フローについて図4を参照して説明する。
【0052】
図4は、画像形成装置100のユーザインターフェース部110より、或いは情報処理装置50−1〜50−nの遠隔操作によるプリント制御装置30のユーザインターフェース部より、用紙属性が入力されて、該用紙属性に対して識別子が付与される際に画像形成装置100で行われる処理の処理フローを示したフローチャートである。
【0053】
画像形成装置100のユーザインターフェース部110より、或いは情報処理装置50−1〜50−nの遠隔操作によるプリント制御装置30のユーザインターフェース部より、用紙属性が入力されると(ステップ401)、入力された用紙属性が画像形成装置100の用紙属性保存部121に保存される。
【0054】
そして、用紙属性保存部121に保存された用紙属性に対して、識別子付与部122が識別子を付与して(ステップ402)、該識別子と該用紙属性とが対応付けられて用紙属性保存部121に保存される。
【0055】
このように、給紙トレイに収納されたカスタム紙を画像形成する際に、カスタム紙に適した画像形成の制御を可能とする用紙属性の入力が画像形成装置100に行われる。
【0056】
次に、カスタム紙が収納される給紙トレイに用紙属性が設定される様子を給紙トレイ(給紙トレイa)131aと給紙トレイ(給紙トレイb)131bを示した図5を参照して説明する。
【0057】
図5は、収納するカスタム紙に適した画像形成が行われるように、用紙属性が設定される給紙トレイを示した模式図であり、図5(a)は用紙属性が設定される給紙トレイ(給紙トレイa)131aを示した模式図であり、図5(b)は用紙属性が設定される給紙トレイ(給紙トレイb)131bを示した模式図である。
【0058】
ユーザは、カスタム紙を給紙トレイ(給紙トレイa)131aに収納して、該カスタム紙に適した画像形成が行われるようにするために、給紙トレイ(給紙トレイa)131aが備える用紙属性設定部132aに、収納された該カスタム紙に適した画像形成を行うことが可能な用紙属性に対応する識別子の入力を行う。
【0059】
このように、給紙トレイ(給紙トレイa)131aの用紙属性設定部132aに識別子が入力されることにより、給紙トレイ(給紙トレイa)131aに用紙属性が設定され、給紙トレイ(給紙トレイa)131aに収納された用紙が使用された画像形成される際には、該用紙属性により収納された用紙に適した画像形成が行われる。
【0060】
また、給紙トレイ(給紙トレイa)131aに入力した識別子を無効にして、給紙トレイ(給紙トレイa)131aへ用紙属性の設定がないようにするには、給紙トレイ(給紙トレイa)131aに備えられた図5(a)に示す解除ボタン133aの押下によって行われる。
【0061】
また、給紙トレイは、給紙トレイ(給紙トレイb)131bに示すように、識別子を入力する欄が、数字の識別子が入力される用紙属性設定部132aとは異なり、用紙属性保存部121に保存された名称等の識別子が選択されることにより、識別子の入力が行われる用紙属性設定部132bを有するように構成されてもよい。
【0062】
次に、給紙トレイに用紙紙を収納して、該用紙に適した画像形成が行われるように、該用紙が収納された給紙トレイに用紙属性の設定が行われる処理について図6を参照して説明を行う。
【0063】
図6は、給紙トレイに用紙を収納して、該用紙が収納された給紙トレイに用紙属性の設定が行われる処理の処理フローを示したフローチャートである。
【0064】
ユーザは、画像形成に使用される所望のカスタム紙を画像形成装置100の給紙トレイを開けて収納する(ステップ601)。
【0065】
そして、ユーザは、収納したカスタム紙を使用して適切に画像形成を行うように制御することが可能な用紙属性を該カスタム紙を収納した給紙トレイに設定するために、該給紙トレイの用紙属性設定部201より、当該用紙属性に対応する識別子の入力を行う(ステップ602)。
【0066】
そして、画像形成に使用されるカスタム紙が収納されて識別子の入力が行われた給紙トレイが画像形成装置100に閉じられる(ステップ603)。
【0067】
このように処理されることにより、給紙トレイに、識別子に対応する用紙属性が設定される。
【0068】
また、ユーザが、給紙トレイに、カスタム紙以外の、用紙属性の設定の必要のない普通紙を収納する場合には、給紙トレイに普通紙を収納して(ステップ601)、当該給紙トレイの用紙属性を解除する解除ボタンの押下を行って(ステップ602)、当該給紙トレイを画像形成装置100に閉じる(ステップ603)。
【0069】
このように処理されることにより、普通紙が画像形成されるように、給紙トレイの用紙属性の設定が解除される。
【0070】
次に、給紙トレイ(給紙トレイa)131aにカスタム紙が収納されて、用紙属性設定部132aに識別子が入力された後に、ユーザが、情報処理装置50−1〜50−nより、画像形成装置100に文書の画像形成を依頼する印刷ジョブプロパティ画面について図7を参照して説明を行う。
【0071】
図7は、給紙トレイ(給紙トレイa)131aにカスタム紙が収納されて、用紙属性設定部132aに識別子が入力された後に、ユーザが、情報処理装置50−1〜50−nより、画像形成装置100に文書の画像形成を依頼する印刷ジョブプロパティ画面700を示した画面構成図である。
【0072】
図7に示す印刷ジョブプロパティ画面700は、ユーザが情報処理装置50−1〜50−nで作成した文書を画像形成する印刷ジョブをプリント制御装置30で作成する際に、情報処理装置50−1〜50−nのディスプレイに開かれる画面である。
【0073】
プリント制御装置30にインストールされたプリンタドライバを情報処理装置50−1〜50−nを操作するユーザが遠隔操作することによって、情報処理装置50−1〜50−nのディスプレイ上に印刷ジョブプロパティ画面700が表示される。
【0074】
印刷ジョブプロパティ画面700では、印刷ジョブの詳細内容を決定することができ、用紙サイズ(符合701)、給紙トレイ(符合702)、カスタム紙種指定(符合703)等の入力が行われる。
【0075】
用紙サイズ(符合701)の欄は、画像形成に使用される用紙の用紙サイズの指定が行われる欄であり、印刷ジョブプロパティ画面700では「A4」が入力されている(符合704)。
【0076】
また、給紙トレイ(符合702)の欄は、給紙が行われる給紙トレイの指定が入力される欄であり、印刷ジョブプロパティ画面700では「自動選択」が入力されている(符合705)。
【0077】
給紙トレイ(符合702)の欄に「自動選択」が入力されることにより、給紙が行われる給紙トレイの選択は、印刷ジョブプロパティ画面700の用紙サイズ(符合701)、カスタム紙種指定(符合703)等の欄に入力された条件に合う給紙トレイが自動的に選択されることになる。
【0078】
また、カスタム紙種指定(符合703)の欄は、用紙属性に対応する識別子の入力が行われ、印刷ジョブプロパティ画面700では、「カスタム紙種10」の識別子が入力されている(符合706)。
【0079】
カスタム紙種指定(符合703)の欄に識別子が入力されることによって、入力された該識別子が給紙トレイに入力されていることが給紙トレイの選択条件に加わる。
【0080】
また、カスタム紙種指定(符合703)の欄には、「カスタム紙種10」のように識別子の番号だけでなく、番号は関係なく識別子の入力が行われた給紙トレイを選択するように条件が指定される「カスタム紙種」を入力することや、また、識別子の入力が行われていなく用紙属性が設定されていない給紙トレイを選択するように条件が指定される「カスタム紙種以外」を入力することが可能である。
【0081】
次に、カスタム紙種指定の欄に「カスタム紙種以外」が入力された印刷ジョブプロパティ画面について図8を参照して説明を行う。
【0082】
図8は、カスタム紙種指定の欄に「カスタム紙種以外」が入力された印刷ジョブプロパティ画面800を示す画面構成図である。
【0083】
図8に示すように、印刷ジョブプロパティ画面800のカスタム紙種指定(符合803)の欄には、「カスタム紙種以外」が入力されている(符合806)。
【0084】
このように、カスタム紙種指定(符合803)の欄に、「カスタム紙種以外」が入力されることによって、給紙トレイが選択される条件として、給紙トレイに識別子の入力が行われていなく用紙属性の設定が行われていない給紙トレイが選択されることが選択条件に加わる。
【0085】
次に、ユーザが情報処理装置50−1〜50−nを使用して印刷ジョブを画像形成装置に送信する処理について図9を参照して説明を行う。
【0086】
図9は、ユーザが情報処理装置50−1〜50−nを使用して印刷ジョブを画像形成装置に送信する処理フローを示したフローチャートである。
【0087】
ユーザは、画像形成を依頼する文書を情報処理装置50−1〜50−nのいずれかの情報処理装置で作成すると(ステップ901)、遠隔操作によりプリント制御装置30のプリンタドライバを開き、印刷ジョブの作成を行う。
【0088】
印刷ジョブの作成の際には、プリンタドライバより開かれる印刷ジョブプロパティ画面で、カスタム紙種指定の欄に識別子を入力することや、画像形成に使用される用紙サイズ等の入力が行われる(ステップ902)。
【0089】
ステップ901で作成された文書をステップ902の印刷ジョブプロパティ画面で入力された条件で画像形成されるように印刷ジョブが作成されると、該印刷ジョブが画像形成装置100に送られる(ステップ903)。
【0090】
次に、印刷ジョブが送られた画像形成装置100において、画像形成が行われる処理フローを図10を参照して説明する。
【0091】
図10は、印刷ジョブが送られた画像形成装置100において、画像形成が行われる処理フローを示したフローチャートである。
【0092】
画像形成装置100は、印刷ジョブを受信すると(ステップ1001)、印刷ジョブの内容に給紙トレイが選択される条件が自動選択になっていれば、さらに印刷ジョブの内容から、給紙トレイに収納される用紙サイズ(印刷ジョブプロパティ画面700の用紙サイズ(符合701)の欄に記入された内容)と識別子(印刷ジョブプロパティ画面700のカスタム紙種指定(符合703)の欄に記入された内容)とを参照して、該用紙サイズと該識別子との条件にあった給紙トレイを、画像形成装置100が備える給紙トレイの中から制御部120が選択する(ステップ1002)。
【0093】
制御部120によって、印刷ジョブに記載された用紙サイズ(印刷ジョブプロパティ画面700の用紙サイズ(符合701)の欄に記入された内容)と識別子(印刷ジョブプロパティ画面700のカスタム紙種指定(符合703)に記入された内容)の条件に合う給紙トレイがあった場合(ステップ1003でYES)、例えば、印刷ジョブプロパティ画面700に入力された内容では、給紙トレイに収納された用紙がA4サイズで、給紙トレイに入力された識別子がカスタム紙種10を示す10の識別子が入力された給紙トレイが画像形成装置100に存在する場合、印刷ジョブに記された条件に合う給紙トレイとして該給紙トレイが選択される。
【0094】
ここで、印刷ジョブの内容に給紙トレイが選択される条件が自動選択(印刷ジョブプロパティ画面700の給紙トレイ(符合702)に記入される内容)になっていて、印刷ジョブに記載された識別子(印刷ジョブプロパティ画面700のカスタム紙種指定(符合703)の欄に記入された内容)が、識別子の番号は関係なく識別子の入力が行われた給紙トレイを選択するように条件が指定される「カスタム紙種」であった場合には、識別子が入力された給紙トレイの中から印刷ジョブに記載された用紙サイズに合う用紙を収納している給紙トレイが選択される。
【0095】
ここで、印刷ジョブの内容に給紙トレイが選択される条件が自動選択(印刷ジョブプロパティ画面700の給紙トレイ(符合702)に記入される内容)になっていて、印刷ジョブに記載された識別子(印刷ジョブプロパティ画面800のカスタム紙種指定(符合803)の欄に記入された内容)が、識別子の入力が行われていなく用紙属性が設定されていない給紙トレイが選択されるように条件が指定される「カスタム紙種以外」であった場合には、識別子の入力が行われていない給紙トレイの中から印刷ジョブに記載された用紙サイズに合う用紙を収納している給紙トレイが選択される。
【0096】
ここで、印刷ジョブの内容に給紙トレイが選択される条件が自動選択(印刷ジョブプロパティ画面700の給紙トレイ(符合702)に記入される内容)になっておらず、特定の給紙トレイが選択された場合には、さらに、該印刷ジョブに記載されている用紙サイズ、カスタム紙種指定の条件が、当該給紙トレイに合うか否かが制御部120、用紙属性設定検知部123によって判別され、すべて条件に合えば当該給紙トレイが選択され、条件がひとつでも合わない場合には、画像形成処理がフォルトとなり、印刷再開の為の処理が行われる(定義済みステップ1008)。
【0097】
給紙トレイが選択されると、給紙装置に設定された用紙属性の制御により印刷ジョブに含まれる画像データ中の1ページの画像形成が画像形成部130で行われる(ステップ1004)。
【0098】
また、印刷ジョブに記載された識別子(印刷ジョブプロパティ画面800のカスタム 紙種指定(符合803)の欄に記入された内容)が「カスタム紙種以外」であった場合には、標準の設定により、印刷ジョブに含まれる画像データ中の1ページの画像形成が画像形成部130で行われる(ステップ1004)。
【0099】
1ページの画像形成が行われると、印刷ジョブ中に含まれる画像データが全て画像形成されて印刷ジョブが終了していない場合には(ステップ1005でNO)、用紙切れが発生したか否かが制御部120によって確認され、用紙切れが発生していなければ(ステップ1006でNO)、再び印刷ジョブ中に含まれる画像データ中の1ページの画像形成が行われる(ステップ1004)。
【0100】
また、用紙切れの発生が制御部120で確認されると(ステップ1006でYES)、他の給紙トレイが選択されて画像形成が続行される機能であるATS(Auto Tray Switching)により給紙トレイが選択されるが、その選択の際にも、ステップ1002で給紙トレイが自動選択されたように、印刷ジョブの内容に記載された用紙サイズ(印刷ジョブプロパティ画面700の用紙サイズ(符合701)の欄に記入された内容)と識別子(印刷ジョブプロパティ画面700のカスタム紙種指定(符合703)の欄に記入された内容)との条件に合う給紙トレイが選択される(ステップ1007)。
【0101】
そして、1ページの画像形成が行われ(ステップ1004)、印刷ジョブ中の画像データが全て画像形成されると(ステップ1005でYES)、処理は終了される。
【0102】
また、ステップ1002で給紙トレイが選択される際に、印刷ジョブに記載された条件に合う給紙トレイがなかった場合には(ステップ1003でNO)、画像形成処理がフォルトとなり、印刷再開の為の処理が行われる(定義済み処理のステップ1008)。
【0103】
なお、印刷ジョブに記載された識別子(印刷ジョブプロパティ画面800のカスタム紙種指定(符合803)の欄に記入された内容)が「カスタム紙種以外」であった場合に、識別子の入力が行われていない給紙トレイの中から印刷ジョブに記載された用紙サイズに合う用紙を収納している給紙トレイがないと制御部120によって判別された場合にも、画像形成処理がフォルトとなり、印刷再開の為の処理が行われる(定義済み処理のステップ1008)。
【0104】
次に、給紙トレイが選択されずに、印刷再開の為に、画像形成装置100で行われる処理(定義済み処理のステップ1008)について図11を参照して説明を行う。
【0105】
図11は、画像形成装置100において、印刷ジョブに記載された条件に合う給紙トレイがなかった場合(ステップ1003でNO)に行われる、定義済み処理のステップ1008の内容であり、印刷再開の為の処理フローを示したフローチャートであり、図11(a)は給紙トレイに入力された識別子を印刷ジョブに記載された内容に変化させて印刷を行う処理を示したフローチャートであり、図11(b)は、次の印刷ジョブの内容を確認して、該次の印刷ジョブの内容記載された条件に合う給紙トレイが存在する場合には、処理中の印刷ジョブを保留にして、該次の印刷ジョブの画像形成を先に行うようする処理を示したフローチャートである。
【0106】
図11(a)に示すように、画像形成装置100で、受信した印刷ジョブに記載された条件に合う給紙トレイがなかった場合(ステップ1003でNO)には、給紙トレイに入力された識別子を変更することで、給紙トレイに設定された用紙属性を変更して、印刷ジョブに記載された識別子と同じにすることで、印刷ジョブに記載された条件に合う給紙トレイを作成する(ステップ1101)。
【0107】
そして、給紙トレイに設定された用紙属性を変化させることで、印刷ジョブに記載された条件に合う給紙トレイが存在するようになると、該給紙トレイが印刷に使用される給紙トレイとして選択され、処理がステップ1004に進み、該給紙トレイで画像形成が行われる(ステップ1004)。
【0108】
また、定義済み処理のステップ1008は、図11(a)を参照して説明したフローチャートの処理だけではなく、次に説明する、図11(b)を参照して説明するフローチャートの処理が行われてもよい。
【0109】
図11(b)に示すように、画像形成装置100で、受信した印刷ジョブに記載された条件に合う給紙トレイがなかった場合(ステップ1003でNO)には、処理中の印刷ジョブの次の印刷ジョブの内容を調べ、該次の印刷ジョブに記載された用紙サイズ(印刷ジョブプロパティ画面700の用紙サイズ(符合701)の欄に記入された内容)と識別子(印刷ジョブプロパティ画面700のカスタム紙種指定(符合703)の欄に記入された内容)の条件に合う給紙トレイが存在する場合には(ステップ1102でYES)、現在処理中の印刷ジョブを保留して、該次の印刷ジョブの画像形成を行うように制御部120によって処理される。
【0110】
また、次の印刷ジョブに記載された条件に合う給紙トレイも存在しない場合には(ステップ1102でNO)、画像形成処理は終了される。
【0111】
このように画像形成装置100で処理が行われることにより、用紙属性設定による画像形成が必要なカスタム紙と用紙属性設定の必要のない普通紙とを区別した画像形成指示が行われる。
【0112】
なお、本実施例では、図10に示したフローチャートのステップ1002で、印刷ジョブに記載された内容の、用紙サイズ(印刷ジョブプロパティ画面700の用紙サイズ(符合701)の欄に記入された内容)と識別子(印刷ジョブプロパティ画面700のカスタム紙種指定(符合703)に記入された内容)のどちらの条件にも合う給紙トレイがなかった場合には(ステップ1003でNO)、処理がフォルトとなり、すぐには画像形成が開始されないように説明したが、該用紙サイズの条件に合う給紙トレイがなかった場合に処理がフォルトとなって(ステップ1003でNOに進む)、すぐには画像形成が開始されないようにすることもできるし、或いは、該識別子の条件に合う給紙トレイがなかった場合に処理がフォルトとなって(ステップ1003でNOに進む)、すぐには画像形成が開始されないようにすることもでき、また、このように、該用紙サイズの条件に合う給紙トレイがなかった場合に処理をフォルトとしてすぐには画像形成が開始されないようにした場合には、ステップ1007でATS処理される際にも、該用紙サイズの条件に合う給紙トレイが自動選択されるように処理され、或いは、該識別子の条件に合う給紙トレイがなかった場合に処理をフォルトとしてすぐには画像形成が開始されないようにした場合には、ステップ1007でATS処理される際にも、該識別子の条件に合う給紙トレイが自動選択されるように処理されるようにすることができる。
【0113】
なお、画像形成装置100において、画像形成装置100が行われる際に、用紙切れが発生して、ATS処理により給紙トレイが自動選択される際に、画像形成装置100内の給紙トレイに設定された用紙属性を変更して、給紙トレイに設定される用紙属性を画像形成中の印刷ジョブに記載された識別子(印刷ジョブプロパティ画面700のカスタム紙種指定(符合703)に記入された内容)に対応する用紙属性に設定することで、該印刷ジョブに記載された条件に合う給紙トレイを作成し、作成した給紙トレイが選択されて画像形成が行われるようにしてもよい。
【0114】
なお、画像形成される文書は、情報処理装置50−1〜50−nで作成された文書だけでなく、画像読取装置40で読取られた文書や、外部記憶装置から情報処理装置50−1〜50−nにダウンロードされた文書も画像形成対象の文書とする。
【0115】
なお、用紙属性を画像形成装置100に入力することができるユーザインターフェース部は、画像形成装置100とプリント制御装置30だけでなく、画像読取装置40、情報処理装置50−1〜50−nにも備えられるようにしてもよい。
【0116】
また、ジョブプロパティ画面700、800が開かれるプリンタドライバは、プリント制御装置30だけでなく、情報処理装置50−1〜50−nにインストールされてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0117】
この発明は、用紙を収納する1または複数の給紙装置を有して、給紙装置に収納されている用紙に適した用紙属性を給紙装置に設定して、給紙装置に収納された用紙に適した画像形成を可能とする画像形成装置において利用可能である。
【0118】
この発明によれば、用紙属性設定による画像形成が必要なカスタム紙と用紙属性設定の必要のない普通紙とを区別した画像形成指示が行われる。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明に係わる画像形成装置およびその制御方法が提供される画像形成装置の一概略構成例を示すブロック図。
【図2】本実施例の画像形成装置100の要部機能構成を示すブロック図。
【図3】ユーザによって、用紙属性保存部121に保存される用紙属性が、画像形成装置100のユーザインターフェース部110或いはプリント制御装置30のユーザインターフェース部より入力され、そして識別子付与部122によって識別子が入力される様子を示したユーザインターフェースの画面を示した画面構成図。
【図4】画像形成装置100のユーザインターフェース部110より、或いは情報処理装置50−1〜50−nの遠隔操作によるプリント制御装置30のユーザインターフェース部より、用紙属性が入力されて、該用紙属性に対して識別子が付与される際に画像形成装置100で行われる処理の処理フローを示したフローチャート。
【図5】収納するカスタム紙に適した画像形成が行われるように、用紙属性が設定される給紙トレイを示した模式図。
【図6】給紙トレイに用紙を収納して、該用紙が収納された給紙トレイに用紙属性の設定が行われる処理の処理フローを示したフローチャート。
【図7】給紙トレイ(給紙トレイa)131aにカスタム紙が収納されて、用紙属性設定部132aに識別子が入力された後に、ユーザが、情報処理装置50−1〜50−nより、画像形成装置100に文書の画像形成を依頼する印刷ジョブプロパティ画面700を示した画面構成図。
【図8】カスタム紙種指定の欄に「カスタム紙種以外」が入力された印刷ジョブプロパティ画面800を示す画面構成図。
【図9】ユーザが情報処理装置50−1〜50−nを使用して印刷ジョブを画像形成装置に送信する処理フローを示したフローチャート。
【図10】印刷ジョブが送られた画像形成装置100において、画像形成が行われる処理フローを示したフローチャート。
【図11】画像形成装置100において、印刷ジョブに記載された条件に合う給紙トレイがなかった場合(ステップ1003でNO)に行われる、定義済み処理のステップ1008の内容であり、印刷再開の為の処理フローを示したフローチャート。
【符号の説明】
【0120】
20 ネットワーク
30 プリント制御装置
40 画像読取装置
50−1〜50−n 情報処理装置
100 画像形成装置
110 ユーザインターフェース部
120 制御部
121 用紙属性保存部
122 識別子付与部
123 用紙属性設定検知部
124 用紙属性設定有効部
130 画像形成部
131a 給紙トレイa
131b 給紙トレイb
131c 給紙トレイc
131d 給紙トレイd
132a 用紙属性設定部
132b 用紙属性設定部
132c 用紙属性設定部
132d 用紙属性設定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を収容する1または複数の給紙装置を有し、前記給紙装置から給紙された用紙に画像を形成する画像形成処理を行う画像形成装置において、
前記用紙に適した画像形成を行うための用紙属性を入力する用紙属性入力手段と、
前記属性入力手段によって入力された用紙属性を保存する用紙属性保存手段と、
前記属性保存手段によって保存された用紙属性を識別する識別子を該用紙属性に付与する用紙属性識別子付与手段と、
前記用紙属性保存手段によって保存された用紙属性を、前記用紙属性識別子付与手段によって付与された識別子をユーザが選択する前記給紙装置に指定することによって、当該給紙装置に収納する用紙の用紙属性として設定する用紙属性設定手段と、
用紙の給紙対象の給紙装置が識別子により用紙属性が設定されていない場合は、用紙に対して標準の設定での画像形成を行い、
用紙の給紙対象の給紙装置が識別子により用紙属性が設定されている場合は、用紙に対して当該用紙属性に基づき最適な画像形成を行うように制御を行う画像形成制御手段と
を具備することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
画像形成指示装置に接続され、該画像形成指示装置から指定のジョブに対する画像形成指示を受付ける画像形成指示受付手段と、
前記画像形成指示受付手段が受付けた前記画像形成指示が、前記識別子付与手段により付与された識別子と、画像形成に使用される用紙サイズとを独立して指定している場合、前記ジョブに基づく画像形成を行う用紙の給紙対象の給紙装置として、前記画像形成指示に含まれる識別子が前記用紙属性設定手段によって指定された識別子である給紙装置であって、かつ、前記画像形成指示に含まれる用紙サイズの用紙が収納されている給紙装置を選択する給紙装置選択手段と
を具備することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記1または複数の給紙トレイに前記用紙属性設定手段によって指定されたそれぞれの識別子は、前記画像形成指示により指定された識別子と全て異なるか否かを調べる識別子判別手段と、
前記識別子判別手段によって、前記1または複数の給紙トレイに前記用紙属性設定手段によって指定されたそれぞれの識別子が、前記画像形成指示により指定された識別子と全て異なると判別された場合には、用紙に画像形成を行わない画像形成中止手段と
を具備することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記給紙装置選択手段により選択された給紙装置に用紙切れが発生した場合には、前記画像形成指示に含まれる識別子が前記用紙属性設定手段によって指定された給紙装置が選択されて画像形成の続行が行われる画像形成続行手段
を具備することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成中止手段によって画像形成が行われない場合には、前記画像形成指示によって指定された用紙サイズを収納している給紙トレイに対して、前記画像形成指示に含まれている識別子を設定することで、該給紙トレイに用紙属性を設定して、該給紙トレイより給紙を行って画像形成を行う用紙属性変更画像形成手段
を具備することを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成中止手段によって画像形成が行われない場合には、前記画像形成指示の次に前記画像形成指示装置より送信される次回画像形成指示に含まれる識別子が前記用紙属性設定手段によって指定さた識別子である給紙装置であって、かつ、該次回画像形成指示に含まれる用紙サイズの用紙が収納されている給紙装置が存在するか否かを判別する給紙装置判別手段と、
前記給紙装置判別手段により、該次回画像形成指示に含まれる識別子が前記用紙属性設定手段によって指定された識別子である給紙装置であって、かつ、該次回画像形成指示に含まれる用紙サイズの用紙が収納されている給紙装置が存在すると判別された場合には、前記画像形成指示を保留して、該次回画像形成指示の画像形成が、前記給紙装置判別手段によって存在が確認された当該給紙装置より行われる次回画像形成指示画像形成手段と
を具備することを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像形成装置に対して、前記識別子付与手段により付与された識別子は含まれず、前記画像形成装置に使用される用紙サイズが含まれる画像形成指示を行うことができる画像形成指示装置に接続されて、
前記用紙の給紙対象の給紙装置は、
前記画像形成指示に含まれる用紙サイズの用紙が収納されている給紙装置より選択される給紙装置選択手段を
具備することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記1または複数の給紙トレイに収納された用紙の用紙サイズは、前記画像形成指示により指定された用紙サイズと全て異なるか否かを調べる用紙サイズ判別手段と、
前記識別子判別手段によって、前記1または複数の給紙トレイに前記用紙属性設定手段によって指定されたそれぞれの識別子が、前記画像形成指示により指定された用紙サイズと全て異なると判明された場合には、用紙に画像形成を行わない画像形成中止手段と
を具備することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記給紙装置選択手段により選択された給紙装置に用紙切れが発生した場合には、前記用紙属性設定手段による設定が行われていない給紙装置の中から、前記画像形成指示に含まれている用紙サイズの用紙を収納している給紙装置が選択されて画像形成の続行が行われる画像形成続行手段
を具備することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記画像形成中止手段によって画像形成が行われない場合には、前記画像形成指示の次に前記画像形成指示装置より送信される次回画像形成指示に含まれる用紙サイズの用紙を収納している給紙装置が存在するか否かを判別する給紙装置判別手段と、
前記給紙装置判別手段により、該次回画像形成指示に含まれる用紙サイズの用紙を収納している給紙装置が存在すると判別された場合には、前記画像形成指示を保留して、該次回画像形成指示の画像形成が、前記給紙装置判別手段によって存在が確認された当該給紙装置より行われる次回画像形成指示画像形成手段と
を具備することを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
【請求項11】
用紙を収容する1または複数の給紙装置を有し、前記給紙装置から給紙された用紙に画像を形成する画像形成処理を行う画像形成方法において、
前記用紙に適した画像形成を行うための用紙属性を用紙属性入力手段により入力し、
前記属性入力手段によって入力された用紙属性を用紙属性保存手段により保存し、
前記属性保存手段によって保存された用紙属性を識別する識別子を該用紙属性に用紙属性識別子付与手段により付与し、
前記用紙属性保存手段によって保存された用紙属性を、前記用紙属性識別子付与手段によって付与された識別子をユーザが選択する前記給紙装置に指定することによって、当該給紙装置に収納する用紙の用紙属性として用紙属性設定手段により設定し、
用紙の給紙対象の給紙装置が識別子により用紙属性が設定されていない場合は、用紙に対して標準の設定での画像形成を行い、
用紙の給紙対象の給紙装置が識別子により用紙属性が設定されている場合は、用紙に対して当該用紙属性に基づき最適な画像形成を行うように画像形成制御手段により制御を行う
ことを特徴とする画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−98842(P2007−98842A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−293566(P2005−293566)
【出願日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】