説明

画像形成装置及びプログラム

【課題】画像形成装置が異常状態のまま一定時間放置されていたときの利便性を向上させる。
【解決手段】本発明に係る画像形成装置100によれば、コピー機能、プリンタ機能、読出し機能、スキャナ機能、保存機能、FAX機能等複数の機能を有し、異常の発生が検知されると、異常を通知するための異常通知画面をLCD22の表示画面上に表示し、異常の発生時からオートリセット設定された時間の経過後に、異常が解除されたか否かを判断し、異常が解除されていなかった場合に、現在使用可能な機能があるか否かを判断し、現在使用可能な機能があると判断した場合に、動作モードを現在使用可能な機能に対応するモードに切り換え、表示画面を現在使用可能な機能の初期画面に切り換える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置の異常を検知する異常検知手段を備えた画像形成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置において、ジャム等の異常が発生した際の制御について様々な技術が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、原稿読み取り手段がジャム(紙詰まり)や復旧のための処理中等の理由により動作不能な状態となった場合には、原稿読み取り手段によって既に読み取られた原稿の画像データについて画像形成が行えるように制御手段により画像形成手段が制御され、画像形成手段が動作不能となった場合に、画像形成に備えるため、原稿読み取り手段が既に読み取った原稿の画像データの他に、残りの原稿の画像データを読み取るように制御手段によって制御される技術が記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、エンジンがエラー状態に入ってから一定時間が経過すると、省エネルギーモードに入る技術が記載されている。
【特許文献1】特開平5−14644号公報
【特許文献2】特開平9−20047号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、プリンタモードにおけるジョブ実行中に発生したジャム等、遠隔から送信されるジョブ情報に基づくジョブ実行中に異常が発生した場合に、ジョブ情報の送信者が異常に気付かずに画像形成装置が異常状態のまま放置される場合がある。この状態でジョブ情報の送信者以外のユーザが装置を使用しようとした場合に、操作表示部上には異常通知画面が表示されているため、例えば、プリンタにおける転写紙の搬送経路上でジャムが発生している場合にスキャナのみを使用する場合等、自分の使用する機能が使用可能であるにも拘らず、使用を諦めたり、異常を解除する操作を行わなければならなかったりし、ユーザの利便性を悪くしていた。
【0006】
特許文献1に記載の技術においては、ジョブの実行中にジャムが生じた場合に、そのジョブにおいて実行可能な動作を続行することはできるが、ジャムが放置された状態のままである場合についての記述はない。また、特許文献2に記載の技術においては、省エネルギーモードから復帰した場合、省エネルギーモードに入る前と同じエラー情報を操作パネルに表示させるので、上述の問題点を解決することはできない。
【0007】
本発明の課題は、画像形成装置が異常状態のまま一定時間放置されていたときの利便性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
複数の機能を有する画像形成装置において、
前記複数の機能のうち少なくとも一つが使用不可となる異常の発生を検知する異常検知手段と、
前記異常の発生が検知された際に、前記異常を通知するための異常通知情報を表示画面上に表示する表示手段と、
前記異常の発生時から予め定められた一定時間経過後に、前記異常が解除されたか否かを判断し、前記異常が解除されていなかった場合に、現在使用可能な機能があるか否かを判断し、使用可能な機能があると判断した場合に、前記表示手段の表示画面を前記使用可能な機能の初期画面に切り換える制御手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載の発明は、
複数の機能に応じた複数の動作モードを有する画像形成装置において、
前記複数の機能のうち少なくとも一つが使用不可となる異常の発生を検知する異常検知手段と、
前記異常の発生時から予め定められた一定時間経過後に、前記異常が解除されたか否かを判断し、前記異常が解除されていなかった場合に、現在使用可能な機能があるか否かを判断し、使用可能な機能があると判断した場合に、前記使用可能な機能に応じた動作モードに切り換える制御手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、
前記予め定められた一定時間は、オートリセット設定された時間であることを特徴としている。
【0011】
請求項4に記載の発明は、
複数の機能を有する画像形成装置において、
前記複数の機能のうち少なくとも一つが使用不可となる異常の発生を検知する異常検知手段と、
前記異常の発生が検知された際に、前記異常を通知するための異常通知情報を表示画面上に表示する表示手段と、
前記異常の発生時から予め定められた一定時間経過後に節電モードに移行され、その節電モードが解除された際に、前記異常が解除されたか否かを判断し、前記異常が解除されていなかった場合に、現在使用可能な機能があるか否かを判断し、使用可能な機能があると判断した場合に、前記表示手段の表示画面を前記使用可能な機能の初期画面に切り換える制御手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0012】
請求項5に記載の発明は、
複数の機能に応じた複数の動作モードを有する画像形成装置において、
前記複数の機能のうち少なくとも一つが使用不可となる異常の発生を検知する異常検知手段と、
前記異常の発生時から予め定められた一定時間経過後に節電モードに移行され、その節電モードが解除された際に、前記異常が解除されたか否かを判断し、前記異常が解除されていなかった場合に、現在使用可能な機能があるか否かを判断し、使用可能な機能があると判断した場合に、前記使用可能な機能に応じた動作モードに切り換える制御手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の発明において、
前記複数の機能は、コピー機能、スキャナ機能、保存機能、プリンタ機能、読出し機能、FAX機能の少なくとも一つを含むことを特徴としている。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の発明において、
前記異常検知手段により検知される異常は、ジャムであることを特徴としている。
【0015】
請求項8に記載の発明は、
複数の機能を有する画像形成装置に用いられるコンピュータを、
前記複数の機能のうち少なくとも一つが使用不可となる異常の発生を検知する異常検知手段、
前記異常の発生が検知された際に、前記異常を通知するための異常通知情報を表示画面上に表示する表示手段、
前記異常の発生時から予め定められた一定時間経過後に前記異常が解除されたか否かを判断し、前記異常が解除されていなかった場合に、現在使用可能な機能があるか否かを判断し、使用可能な機能があると判断した場合に、前記表示手段の表示画面を前記使用可能な機能の初期画面に切り換える制御手段、
として機能させるためのプログラムであることを特徴としている。
【0016】
請求項9に記載の発明は、
複数の機能に応じた複数の動作モードを有する画像形成装置に用いられるコンピュータを、
前記複数の機能のうち少なくとも一つが使用不可となる異常の発生を検知する異常検知手段、
前記異常の発生時から予め定められた一定時間経過後に、前記異常が解除されたか否かを判断し、前記異常が解除されていなかった場合に、現在使用可能な機能があるか否かを判断し、使用可能な機能があると判断した場合に、前記使用可能な機能に応じた動作モードに切り換える制御手段、
として機能させるためのプログラムであることを特徴としている。
【0017】
請求項10に記載の発明は、請求項8又は9に記載の発明において、
前記予め定められた一定時間は、オートリセット設定された時間であることを特徴としている。
【0018】
請求項11に記載の発明は、
複数の機能を有する画像形成装置に用いられるコンピュータを、
前記複数の機能のうち少なくとも一つが使用不可となる異常の発生を検知する異常検知手段、
前記異常の発生が検知された際に、前記異常を通知するための異常通知情報を表示画面上に表示する表示手段、
前記異常の発生時から予め定められた一定時間経過後に節電モードに移行され、その節電モードが解除された際に、前記異常が解除されたか否かを判断し、前記異常が解除されていなかった場合に、現在使用可能な機能があるか否かを判断し、使用可能な機能があると判断した場合に、前記表示手段の表示画面を前記使用可能な機能の初期画面に切り換える制御手段、
として機能させるためのプログラムであることを特徴としている。
【0019】
請求項12に記載の発明は、
複数の機能に応じた複数の動作モードを有する画像形成装置に用いられるコンピュータを、
前記複数の機能のうち少なくとも一つが使用不可となる異常の発生を検知する異常検知手段、
前記異常の発生時から予め定められた一定時間経過後に節電モードに移行され、その節電モードが解除された際に、前記異常が解除されたか否かを判断し、前記異常が解除されていなかった場合に、現在使用可能な機能があるか否かを判断し、使用可能な機能があると判断した場合に、前記使用可能な機能に応じた動作モードに切り換える制御手段、
として機能させるためのプログラムであることを特徴としている。
【0020】
請求項13に記載の発明は、請求項8〜12の何れか一項に記載の発明において、
前記複数の機能は、コピー機能、スキャナ機能、保存機能、プリンタ機能、読出し機能、FAX機能の少なくとも一つを含むことを特徴としている。
【0021】
請求項14に記載の発明は、請求項8〜13の何れか一項に記載の発明において、
前記異常検知手段により検知される異常は、ジャムであることを特徴としている。
【発明の効果】
【0022】
請求項1、3、8、10に記載の発明によれば、画像形成装置が異常状態のまま一定時間、例えば、オートリセット設定された時間放置されていた場合、使用可能な機能の初期画面が表示されるので、ユーザは使用可能な機能を認識することが可能となり、画像形成装置が異常状態のまま一定時間放置されていたときの利便性を向上させることができる。
【0023】
請求項2、3、9、10に記載の発明によれば、画像形成装置が異常状態のまま一定時間、例えば、オートリセット設定された時間放置されていた場合、自動的に使用可能な機能に対応する動作モードに移行するので、ユーザは、自分が使用したい機能が現在使用可能であれば、異常状態を解除しなくても使用することが可能となり、画像形成装置が異常状態のまま一定時間放置されていたときの利便性を向上させることができる。
【0024】
請求項4、11に記載の発明によれば、画像形成装置が異常状態のまま一定時間放置され、そのまま節電モードに移行し、ユーザが画像形成装置を使用しようとして節電モードを解除したときに、現在使用可能な機能の初期画面が表示されるので、ユーザは、使用可能な機能を認識することが可能となり、画像形成装置が異常状態のまま一定時間放置されていたときのユーザの利便性を向上させることができる。
【0025】
請求項5、12に記載の発明によれば、画像形成装置が異常状態のまま一定時間放置され、そのまま節電モードに移行し、ユーザが画像形成装置を使用しようとして節電モードを解除したときに、自動的に使用可能な機能に対応する動作モードに移行するので、ユーザは、自分が使用したい機能が現在使用可能であれば、異常状態を解除しなくても使用することが可能となり、画像形成装置が異常状態のまま一定時間放置されていたときのユーザの利便性を向上させることができる。
【0026】
請求項6、13に記載の発明によれば、コピー機能、スキャナ機能、保存機能、プリンタ機能、読出し機能、FAX機能の少なくとも一つを含む複数の機能を有する画像形成装置において、画像形成装置が異常状態のまま一定時間放置されていたときのユーザの利便性を向上させることができる。
【0027】
請求項7、14に記載の発明によれば、画像形成装置がジャム状態のまま一定時間放置されていたときの利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図を参照して、本発明の第1及び第2の実施の形態を詳細に説明する。
【0029】
〔第1の実施の形態〕
まず、第1の実施の形態における構成を説明する。
図1に、本発明に係る画像形成装置100の外観及び内部構成例を模式的に示す。図2に、画像形成装置100の機能構成例を示す。
図2に示すように、画像形成装置100は、制御部10、操作表示部20、スキャナ部30、ADF(Auto Document Feeder)部40、プリンタ部50、プリントコントローラ部60、後処理装置70等を備えて構成される。また、画像形成装置100は、LAN(Local Area Network)等により構成される通信ネットワークNを介してホストコンピュータ200とデータ送受信可能に接続されている。ホストコンピュータ200は、一般公衆回線、インターネット等の通信ネットワークPNに接続され、通信ネットワークPNを介してFAX300を始めとする外部装置に接続されている。
【0030】
画像形成装置100の制御部10は、CPU11、プログラムメモリ12、RAM(Random Access Memory)13、不揮発メモリ14、読み取り処理部15、DRAM(Dynamic Random Access Memory)制御IC16、圧縮/伸張IC17、画像メモリ(DRAM)18、書き込み処理部19、HDD(Hard Disk)コントローラ101、HDD102、タイマ103等を備えて構成されている。
【0031】
CPU11は、操作表示部20から、又はプリントコントローラ部60を介してホストコンピュータ200から入力されたコピーモード、スキャナモード、プリンタモード、保存モード、読出しモード、FAXモードの各動作モードでのジョブの実行指示に基づいて、指示された動作モードに対応した処理プログラムを読み出してRAM13に展開することにより動作モードを切り換え、展開したプログラムに従って画像形成装置100の各部の動作を集中制御する。
【0032】
コピーモードは、ADF42の原稿トレイ42aに原稿が載置されている場合には、原稿をスキャナ32のコンタクトガラス32aに1枚ずつ搬送し、コンタクトガラス32a上に載置された原稿を読み取って、読み取った画像から画像データを生成し、画像データに基づいて、プリンタ52において転写紙上に画像を形成し出力するコピー機能を実現するモードである。
【0033】
スキャナモードは、ADF42の原稿トレイ42aに原稿が載置されている場合には、原稿をスキャナ32のコンタクトガラス32aに1枚ずつ搬送する処理を行い、コンタクトガラス32a上に載置された原稿を読み取って、読み取った画像から画像データを生成し、当該画像データを、操作表示部20から指定された電子メールアドレス等の送信先に送信するスキャナ機能を実現するモードである。
【0034】
プリンタモードは、ホストコンピュータ200から通信ネットワークNを介して入力されたジョブ情報及び印刷データに基づいて転写紙上に画像を形成し出力するプリンタ機能を実現するモードである。
【0035】
保存モードは、ADF42の原稿トレイ42aに原稿が載置されている場合には、原稿をスキャナ32のコンタクトガラス32aに1枚ずつ搬送する処理を行い、コンタクトガラス32a上に載置された原稿を読み取って、読み取った画像から画像データを生成し、当該画像データを、HDD102の所定のフォルダに保存する保存機能を実現するモードである。
【0036】
読出しモードは、操作表示部20から入力された指示に応じてHDD102に記憶されている画像データを読み出し、読み出した画像データに基づいてプリンタ52により転写紙上に画像を形成し出力する読出し機能を実現するモードである。
【0037】
FAXモードは、ADF42の原稿トレイ42aに原稿が載置されている場合には、原稿をスキャナ32のコンタクトガラス32aに1枚ずつ搬送する処理を行い、コンタクトガラス32a上に載置された原稿を読み取って、読み取った画像から画像データを生成し、当該画像データを操作表示部20により指示されたあて先にFAX送信する、FAX送信機能、或いは、通信ネットワークNを介してホストコンピュータ200から受信した画像データに基づいて、プリンタ52において転写紙上に画像を形成し出力するFAX受信機能を実現するモードである。
【0038】
プログラムメモリ12は、Flashメモリ等により構成され、画像形成装置100に対応するシステムプログラムや、コピーモード、スキャナモード、プリンタモード、保存モード、読出しモード、FAXモード等の各動作モードで画像形成装置100各部を制御するためのモード別の制御プログラム等を記憶する。プログラムは、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形態で格納され、CPU11は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
【0039】
RAM13は、CPU11により実行制御される各種処理において、プログラムメモリ12から読み出されたプログラム、入力、若しくは出力データ及びパラメータ等の一時的な格納領域となる。
【0040】
不揮発メモリ14は、CPU11からの指示に従って、画像形成装置100の機械状態を示すデータや動作に必要なデータ、例えば、ユーザ設定データ(オートリセット設定時間を示すオートリセット設定データ、画像形成装置が不使用な状態(動作中でなく、かつ操作表示部20やプリントコントローラ部60を介しての入力もない状態)となってからパワーセーブモード(節電モード)へ移行するまでの設定時間を示すパワーセーブモード設定データ、E−Mailデータ等を含む)、調整データ、収集データ(印字した枚数のカウントデータ、メモリダンプデータ、ログデータ等)、フォントパターンデータ、パラメータデータ等を記憶する。
【0041】
また、不揮発メモリ14は、画像形成装置100内で発生しうる異常の種類と、その異常の発生状態において使用可能な機能との関係を示す異常テーブル141を記憶している。図3に、異常テーブル141の一例を示す。図3に示す異常テーブル141においては、異常の種類を示す項目として「プリンタジャム」「ADFジャム」「紙なし」「トナー補給」「ドア開状態」を有し、使用可能な機能を示す項目として「コピー機能」「プリンタ機能/読出し機能」「スキャナ機能/保存機能/FAX(送信)機能」を有しており、異常テーブル141の異常の種類を示す項目に「○」が格納されている異常が発生した場合に使用可能な機能の項目には「○」、使用不可能な機能の項目には「×」が格納されている。例えば、異常テーブル141の一番上のデータ領域においては、「プリンタジャム」「ADFジャム」「紙なし」「トナー補給」「ドア開状態」の何れの項目にも「○」が格納されておらず、「コピー機能」「プリンタ機能/読出し機能」「スキャナ機能/保存機能/FAX(送信)機能」の全項目に「○」が格納されている。即ち、上記5つの異常が発生していない状態では、全ての機能が使用可能であることを示す。また、異常テーブル141の上から3番目に示すデータ領域においては、異常の種類を示す項目のうち「トナー補給」のみに「○」が格納されており、使用可能な機能を示す項目のうち「スキャナ機能/保存機能/FAX(送信)機能」に「○」が格納されている。即ち、トナー補給のみが発生している状態では、スキャナ機能/保存機能/FAX(送信)機能が使用可能であることを示す。
【0042】
また、不揮発メモリ14は、画像形成装置100が備える複数の機能の優先順位を格納する機能優先順位テーブル142を格納している。機能優先順位テーブルは、異常が発生して一定時間経過後に使用可能な機能の動作モードに切り換える際に参照されるテーブルであり、画像形成装置100の有する機能、具体的には、「コピー機能」「プリンタ機能」「読出し機能」「スキャナ機能」「保存機能」「FAX(送信)機能」のそれぞれを示す情報に、それぞれの優先順位を示す情報を対応付けて記憶する。当該優先順位は、デフォルトが予め設定されているが、ユーザが操作表示部20から設定することも可能である。
【0043】
読み取り処理部15は、スキャナ部30により読み取られたアナログ画像信号をデジタル画像データに変換してDRAM制御IC16へ出力する。
【0044】
DRAM制御IC16は、CPU11からの制御に基づいて、読み取り処理部15から入力された画像データ、プリントコントローラ部60から入力された画像データを圧縮/伸張IC17により圧縮させ、圧縮された画像データを画像メモリ18の圧縮メモリ18aに書き込んで一時的に記憶させる。また、CPU11から画像データ出力の指示があると、DRAM制御IC16は、圧縮メモリ18aに記憶されている出力指示された画像データを圧縮/伸張IC17により伸張させ、伸張された画像データをページメモリ18bに記憶させる。そして、CPU11からの指示に従って、ページメモリ18bに記憶された画像データを読み出して書き込み処理部19に出力する。また、DRAM制御IC16は、CPU11からの制御に基づいて、HDDコントローラ101に対し、HDD102への画像データの書き込み及びHDD102からの画像データの読み出しを行わせる。
【0045】
圧縮/伸張IC17は、DRAM制御IC16の制御により画像データの圧縮処理、伸張処理を行うICである。
画像メモリ18は、DRAMにより構成され、圧縮メモリ18a、ページメモリ18bを有している。圧縮メモリ18aは、DRAM制御IC16の制御により、圧縮/伸張IC17で圧縮された画像データを一時的に記憶する。ページメモリ18bは、圧縮/伸張IC17で伸張された画像データを一時的に記憶する。
【0046】
書き込み処理部19は、圧縮/伸張IC17から入力される画像データに基づくPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成し、プリンタ部50へ出力する。
【0047】
HDDコントローラ101は、CPU11からの制御に基づいて、画像データのHDD102への書き込み、HDD102からの画像データの読み出し及び消去を行う。
【0048】
HDD102は、画像データを保存する。
【0049】
タイマ103は、CPU11からの制御に基づいて、計時を開始し、CPU11により指定された時間が経過すると、指定された時間の経過をCPU11に通知する。
【0050】
操作表示部20は、操作表示制御部21と、LCD(Liquid Crystal Display)22とを備えて構成されている。
操作表示制御部21は、CPU11からの表示信号を受信して、LCD22における表示制御を行う。また、LCD22上のタッチパネルから入力される操作信号をCPU11へ出力する。
LCD22は、操作表示制御部21から入力される表示信号の指示に従って画面上に各種設定画面や画像の状態表示、各機能の動作状況等の表示を行う。LCDの画面上は、透明電極を格子状に配置した感圧式(抵抗膜圧式)のタッチパネルが構成されており、手指やタッチペン等で押下された力点のXY座標を電圧値で検出し、検出された位置信号を操作信号として操作表示制御部21に出力する。
操作表示部20は、その他、図示しない数字ボタンやスタートボタン等の各種操作ボタンを備えており、ボタン操作による操作信号を操作表示制御部21からCPU11に出力する。
【0051】
本実施の形態において、LCD22の表示画面上には、コピー機能、スキャナ機能、保存機能、読出し機能、FAX機能のそれぞれに対応する操作ボタンが表示されており(図5参照)、ユーザは、何れかの機能に対応する操作ボタンを押下することにより機能の選択を行い、その機能の選択状態でスタートボタンを押下することにより、選択した機能に応じた動作モードでのジョブ実行指示を入力することができる。
【0052】
スキャナ部30は、スキャナ制御部31と、スキャナ32とを備えて構成されている。
スキャナ制御部31は、CPU11からの制御信号を受信して、スキャナ32各部を駆動制御する。スキャナ32は、コンタクトガラス32a上の原稿読取位置に載置された原稿に光を投射し、その光の反射光をCCD(Charge Coupled Device)により結像し、光電変換することにより原稿の画像を読み取り、読み取ったアナログ画像信号を読み取り処理部15へ出力する。
【0053】
ADF部40は、CPU11から入力される制御信号に基づきADF42の制御を行うADF制御部41と、ADF42とを備え、ADF42の原稿トレイ42aに載置された原稿をスキャナ32のコンタクトガラス32a上の原稿読取位置に1枚ずつ搬送する。そして、スキャナ32による原稿の読み取りが完了すると、当該原稿を原稿排紙トレイ42bに搬送し、原稿排紙トレイ42bから排出する。
【0054】
ADF42において、原稿を原稿トレイ42aからコンタクトガラス32aまで搬送し、コンタクトガラス32aから原稿排紙トレイ42bに搬送するまでの搬送経路上には、図示しないが、異常検知手段として複数のセンサが設けられている。これらのセンサは、原稿の通過を検知して検知信号(原稿検知信号)を発生し、ADF制御部41に出力する。ADF制御部41は、各センサからの原稿検知信号に基づいて、ジャムの発生及びジャムの解除を検知して、ジャム検知情報及びジャム解除情報をCPU11に出力する。
【0055】
プリンタ部50は、プリンタ制御部51、プリンタ52により構成されている。
プリンタ制御部51は、CPU11からの制御信号を受信して、プリンタ52の各部の動作を制御する。また、プリンタ制御部51は、後処理装置70の後処理制御部71に接続されており、CPU11及び後処理制御部71間のデータ通信の中継を行う。
【0056】
プリンタ52は、プリンタ制御部51からの制御に従って、電子写真方式により転写紙に画像を形成し出力する。プリンタ52には、転写紙を収容する1以上の給紙カセット81を有する給紙ユニット52a、給紙ユニット52aから給紙された転写紙を画像形成装置100の内部の所定の搬送経路に沿って搬送するための複数の搬送ローラ82、転写紙の搬送経路を途中で切り換える搬送経路切換板83、転写紙を反転させる反転部84等が設けられており、給紙カセット81に搭載された転写紙を最上部から一枚ずつ画像形成部52bに搬送するようになっている。
【0057】
画像形成部52bには、静電潜像が形成される感光ドラム85と、感光ドラム85を帯電させる帯電部86と、書き込み処理部19から入力されたPWM信号に基づいて感光ドラム表面に露光走査するLD(Laser Diode)87と、トナーを保持し、感光ドラム85に付着させる現像部88と、感光ドラム85上に形成されたトナー像を転写紙に転写する転写部89と、感光ドラム85上の残トナーを除去するクリーニング部90と、転写紙上に形成されたトナー像を定着させる定着部91とが設けられている。
【0058】
プリンタ52は、プリンタ制御部51からの制御に従って、帯電部86により感光ドラム85の表面を帯電させ、書き込み処理部19から入力されたPWM信号に基づいてLD87により感光ドラム85表面にレーザ光を照射させて静電潜像を形成し、現像部88により感光ドラム85表面の静電潜像を含む領域にトナーを付着させる。そして、給紙ユニット52aから所定の転写紙を搬送ローラ82により搬送経路に沿って搬送させ、搬送された転写紙に転写部89によりトナー像を転写して画像を形成し、定着部91で画像を定着させた後、後処理装置70に送出する。両面印刷を行う場合には、片面が印刷された転写紙を搬送経路切換板83を介して反転部84に搬送し、反転部84により転写紙の表裏を反転して感光ドラム85に再搬送し、反転後の転写紙の表面に画像を形成、定着させて後処理装置70に送出する。
【0059】
プリンタ52には、プリンタ内の異常を検知するための異常検知手段として各種センサが設けられている。
例えば、プリンタ52における転写紙の搬送経路上には、図示しないが複数のセンサが設けられている。これらのセンサは、プリンタ制御部51に接続されており、転写紙の通過を検知すると検知信号(転写紙検知信号)を発生し、プリンタ制御部51に出力する。プリンタ制御部51は、各センサからの転写紙検知信号に基づいて、ジャムの発生及びジャムの解除を検知して、ジャム検知情報及びジャム解除情報をCPU11に出力する。
【0060】
また、プリンタ52の前面には、画像形成装置100の前面を覆う各ドア(図5参照)の開閉を検知する図示しない開閉検知センサが設けられている。開閉検知センサは、プリンタ制御部51に接続されており、ドアが開放された際に検知信号(ドア開放検知信号)を発生し、プリンタ制御部51に出力する。プリンタ制御部51は、開閉検知センサからのドア開放検知信号の有無に基づいて、ドア開放及びドア閉鎖を検知し、ドア開放検知情報及びドア閉鎖情報をCPU11に出力する。
【0061】
また、プリンタ52の現像部88には、図示しないが、トナー残量が所定量以下となった、即ち、トナー不足となったことを検知するトナー残量検知センサが設けられている。トナー残量検知センサは、プリンタ制御部51に接続されており、現像部88内のトナーが所定量以下となった場合に検知信号(トナー不足検知信号)を発生し、プリンタ制御部51に出力する。プリンタ制御部51は、トナー残量検知センサからのトナー不足検知信号の有無に基づいて、トナー不足及びトナー不足解除を検知し、トナー不足検知情報及びトナー不足解除情報をCPU11に出力する。
【0062】
また、プリンタ52の各給紙カセット81内には、図示しないが、紙なし状態を検知する紙なし検知センサが設けられている。紙なし検知センサは、プリンタ制御部51に接続されており、給紙カセット81内に転写紙がなくなった場合に検知信号(紙なし検知信号)を発生し、プリンタ制御部51に出力する。プリンタ制御部51は、紙なし検知センサからの紙なし検知信号の有無に基づいて、紙なし状態及び紙なし状態の解除を検知し、紙なし検知情報及び紙なし解除情報をCPU11に出力する。
【0063】
プリントコントローラ部60は、コントローラ制御部61、DRAM制御IC62、画像メモリ63、LANIF64により構成されている。
【0064】
コントローラ制御部61は、プリントコントローラ部60各部の動作を統括的に制御する。また、コントローラ制御部61は、LANIF64を介してホストコンピュータ200から入力される印刷データを所定のページ記述言語によって画像形成装置100で印刷可能なデータ形式の画像データに変換し、ホストコンピュータ200から入力されるジョブ情報とともにDRAM制御IC62に出力する。
【0065】
DRAM制御IC62は、LANIF64により受信されたジョブ情報及び印刷データをコントローラ制御部61に出力するとともに、コントローラ制御部61からの指示に従って、コントローラ制御部61から入力されたジョブ情報及び画像データを画像メモリ63へ一時的に格納する制御を行う。また、DRAM制御IC62は、制御部10のDRAM制御IC16とPCI(Peripheral Components Interconnect)バスで接続されており、コントローラ制御部61からの指示に従って、画像メモリ63からジョブ情報や画像データを読み出してDRAM制御IC16に出力する。
【0066】
画像メモリ63は、DRAMから構成され、入力されたデータを一時的に格納する。
【0067】
LANIF64は、NIC(Network Interface Card)等により構成され、通信ネットワークNに接続されたホストコンピュータ200とジョブ情報、印刷データ、FAXの画像データを始めとするデータ送受信を行う。ホストコンピュータ200から受信されたジョブ情報、印刷データ、画像データは、DRAM制御IC62に出力される。
【0068】
後処理装置70は、後処理制御部71、後処理部72を備えて構成される。後処理制御部71は、プリンタ制御部51を介してCPU11から入力される制御信号に基づいて後処理部72各部の制御を行う。後処理部72は、後処理制御部71からの制御信号に基づいて、プリンタ52から搬入された画像形成済みの転写紙の綴じ処理、パンチ孔開け処理、ソート処理等を行う。
【0069】
後処理部72における転写紙の搬送経路上には、図示しないが、異常検知手段として複数のセンサが設けられている。これらのセンサは、後処理制御部71に接続されており、転写紙の通過を検知すると検知信号(転写紙検知信号)を発生し、後処理制御部71に出力する。プリンタ制御部51は、各センサからの転写紙検知信号に基づいて、ジャムの発生及びジャムの解除を検知して、ジャム検知情報及びジャム解除情報をプリンタ制御部51に出力する。
【0070】
また、後処理装置70の前面には、異常検知手段として、後処理装置70の前面を覆うドア(図5参照)の開閉を検知する図示しない開閉検知センサが設けられている。開閉検知センサは、後処理制御部71に接続されており、ドアが開放された際に検知信号(ドア開放検知信号)を発生し、後処理制御部71に出力する。後処理制御部71は、開閉検知センサからのドア開放検知信号の有無に基づいて、ドア開放及びドア閉鎖を検知し、ドア開放検知情報及びドア閉鎖情報をCPU11に出力する。
【0071】
ホストコンピュータ200は、画像形成装置100に対応するプリンタドライバ、文書データや画像データを作成するアプリケーションソフト、通信ネットワークNにより接続された画像形成装置100等に通信ネットワークPNを介して受信されたFAXの画像データを配信したり、画像形成装置100等により送信されたFAXの画像データを通信ネットワークPNを介して指定された宛て先に送信したりするFAXサーバ機能を実現するアプリケーションソフト等が搭載されたパーソナルコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)、システムプログラム、各種ソフトウエアプログラムや各種データを記憶する記憶部、キーボードやマウス等により構成される入力部、LCD等により構成される表示部、ホストコンピュータ200を通信ネットワークN、通信ネットワークPNに接続するためのNIC、モデム等の通信インターフェース等を備える。ホストコンピュータ200は、入力部を介して印刷対象のデータ(印刷データ)の指定や印刷条件設定等が入力されると、印刷設定条件をジョブ情報として、指定された印刷データに付加し、通信ネットワークNを介して画像形成装置100に送信することにより、画像形成装置100にプリンタモードによるジョブの実行指示を入力する。また、通信ネットワークPNを介して受信されたFAXの画像データを宛先に従って配信したり、通信ネットワークNを介して受信されたFAXの画像データを、通信ネットワークPNを介して宛先に送信したりする。
【0072】
次に、画像形成装置100の動作について説明する。
図4に、CPU11により実行されるプリント処理を示す。当該処理は、プリントコントローラ部60によりホストコンピュータ200から入力されたジョブ情報及び印刷データが受信されてCPU11に出力され、ホストコンピュータ200からプリンタモードでのジョブ実行指示がCPU11に入力された際に、CPU11とプログラムメモリ12に記憶されているプリント処理プログラムとの協働によるソフトウエア処理により実現される処理である。当該処理の実行により制御手段が実現される。
【0073】
まず、DRAM制御IC16、プリンタ制御部51等にプリント動作の開始指示が出力され、プリント動作が実行される(ステップS1)。次いで、画像形成装置100内で異常が発生したか否かが判断され、異常が発生していないと判断されると(ステップS2;NO)、プリント動作が終了したか否かが判断され、プリント動作が終了すると(ステップS3;YES)、本処理は終了する。
【0074】
ここで、画像形成装置100内の異常としては、例えば、ADF42におけるジャム(紙詰まり)、プリンタ52におけるジャム、後処理部72におけるジャム、給紙カセット81における紙なし、トナー不足(トナー補給)、ドア開状態等が挙げられる。CPU11は、ADF制御部41、プリンタ制御部51または後処理制御部71からジャム検知情報、紙なし情報、トナー不足情報、ドア開放検知情報等が入力されたか否かに基づいて異常が発生したか否かの判断を行う。
【0075】
画像形成装置100内で異常が発生したと判断されると(ステップS2;YES)、タイマ103による計時が開始されるとともに(ステップS4)、各部にプリント動作の停止が指示され、プリント動作が停止される(ステップS5)。次いで、操作表示部20のLCD22に、異常発生をユーザに通知するための異常通知情報を表示するための異常通知画面が表示される(ステップS6)。
【0076】
図5に、異常通知画面の一例を示す。図5に示す異常通知画面は、プリンタ52の搬送経路においてジャムが発生した際に表示される異常検知画面である。図5に示すように、異常検知画面には、異常の発生個所及び異常の解除方法が表示される。当該画面に従って異常の解除処理(例えば、ジャムとなった転写紙を取り除く、ドアを閉じる、トナーを補給する等)をユーザが行った結果、異常が解除されると、ADF制御部41又はプリンタ制御部51から異常解除を示す情報がCPU11に出力される。CPU11においては、異常解除情報の受信の有無により、異常が解除されたか否かが判断される。
【0077】
異常通知画面に従って、ユーザにより異常の解除処理が行われ、異常が解除されると(ステップS7;YES)、処理はステップS1に戻る。オートリセット設定された時間の経過(オートリセットタイムアップ)がタイマ103より通知されると(ステップS8;YES)、異常が解除されたか否かが判断され、異常が解除されたと判断されると(ステップS9;YES)、処理はステップS1に戻る。
【0078】
ステップS9において、異常が解除されていないと判断された場合(ステップS9;NO)、不揮発メモリ14に記憶されている異常テーブル141が参照され、発生した異常の種類に応じて、現在使用可能な機能があるか否かが判断され、使用可能な機能があると判断された場合(ステップS10;YES)、動作モードが現在使用可能な機能に対応するモードに切り換えられ(ステップS11)、動作モードの切り換えに伴いLCD22の表示が異常通知画面から現在使用可能な機能の初期画面に切り換えられ(ステップS12)、本処理は終了する。ここで、ステップS11における動作モードの切り換えとは、RAM13に展開されているプログラムやデータが現在使用可能な機能に対応する動作モードで各部を制御するためのプログラムやデータに切り換えられ、現在使用可能な動作モードでの動作のスタンバイ状態に入ることである。
【0079】
図6に、ステップS12において表示される初期画面の一例を示す。各機能の設定を行うための設定画面は、階層構造をなしており、各機能の初期画面は、その機能に関する設定を行うための設定画面のうち、1ページ目として表示される最上位層の画面である。図6においては、スキャナ機能の初期画面が表示された例を示している。スキャナ機能の初期画面には、スキャナ機能において取得された画像データの送信先を設定するための各種操作ボタンが表示されている。各機能の初期画面の上部には、画像形成装置100が有する複数の機能に対応する操作ボタン(例えば、「コピー」ボタン、「スキャナ」ボタン、・・・)が表示されており、使用する機能を変更したい場合、変更先の機能に対応するボタンを押下することで、その機能の初期画面を表示することができるが、異常が発生している場合には、CPU11により、その異常の発生下において使用可能な機能に対応するボタンが点滅表示され、現在使用可能な機能に対応する操作ボタンが認識可能に表示される。図6においては、スキャナ機能、保存機能、FAX機能が使用可能であることがわかる。
【0080】
なお、現在使用可能な機能が複数ある場合は、不揮発メモリ14に記憶されている機能の優先順位に従って、優先順位の最も高い機能に対応する動作モードに切り換えられ、当該機能の初期画面が表示される。ユーザは、表示されている初期画面により、当該初期画面が表示された機能が使用可能であること、及びその他の現在使用可能な機能を把握することができる。
【0081】
以上説明したように、第1の実施の形態における画像形成装置100によれば、コピー機能、プリンタ機能、読出し機能、スキャナ機能、保存機能、FAX機能等複数の機能を有し、異常の発生が検知されると、異常を通知するための異常通知画面をLCD22の表示画面上に表示し、異常の発生時からオートリセット設定された時間の経過後に、異常が解除されたか否かを判断し、異常が解除されていなかった場合に、現在使用可能な機能があるか否かを判断し、現在使用可能な機能があると判断した場合に、動作モードを現在使用可能な機能に対応するモードに切り換え、表示画面を現在使用可能な機能の初期画面に切り換える。
【0082】
従って、画像形成装置100が異常状態のままオートリセット設定された時間放置されていた場合、自動的に使用可能な機能に対応する動作モードに移行し、使用可能な機能の初期画面が表示されるので、ユーザは、自分が使用したい機能が現在使用可能であるか否かを認識でき、使用可能であれば、異常状態を解除しなくても使用することが可能となり、利便性を向上させることができる。
【0083】
なお、上記第1の実施の形態における記述内容は、本発明に係る画像形成装置100の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
【0084】
例えば、上記図4においては、プリンタモードでの処理を例にとり説明したが、他の動作モードにおいても、ステップS1の動作が、そのモードに応じた動作となる他は、図4に示す処理と同様の処理が実行される。即ち、モードに応じた動作中に異常が発生し、オートリセットタイムアップ後も異常が解除されない場合は、異常の種類に応じて使用可能な機能があるか否かが判断され、使用可能な機能がある場合には、当該使用可能な機能に対応する動作モードに切り換えられるとともに、LCD22に当該使用可能な機能の初期画面が表示される。
【0085】
また、上記実施の形態においては、異常発生時からオートリセット設定時間経過後に異常が解除されたか否かを判断し、異常が解除されていなかった場合に現在使用可能な機能があるか否かを判断し、現在使用可能な機能があると判断した場合に、動作モードを現在使用可能な機能に対応するモードに切り換え、表示画面を現在使用可能な機能の初期画面に切り換えたが、異常発生時からの経過時間はオートリセット設定された時間に限定されず、ユーザにより異常発生時から動作モードや画面を切り換えるための判断を行うまでの一定時間を操作表示部20を介して設定できるようにしてもよい。
【0086】
〔第2の実施の形態〕
以下、図を参照して本発明の第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態の構成は、第1の実施の形態で説明したのと同様であるので説明を省略し、第2の実施の形態の動作について説明する。
【0087】
図7に、CPU11により実行されるプリント処理Bを示す。当該処理は、プリントコントローラ部60によりホストコンピュータ200から入力されたジョブ情報及び印刷データが受信されてCPU11に出力され、ホストコンピュータ200からプリンタモードでのジョブ実行指示がCPU11に入力された際に、CPU11とプログラムメモリ12に記憶されているプリント処理Bプログラムとの協働によるソフトウエア処理により実現される処理である。当該処理の実行により制御手段が実現される。
【0088】
まず、DRAM制御IC16、プリンタ制御部51等にプリント動作の開始指示が出力され、プリント動作が実行される(ステップS21)。次いで、画像形成装置100内で異常が発生したか否かが判断され、異常が発生していないと判断されると(ステップS22;NO)、プリント動作が終了したか否かが判断され、プリント動作が終了すると(ステップS23;YES)、本処理は終了する。
【0089】
ここで、画像形成装置100内の異常としては、例えば、ADF42におけるジャム、プリンタ52におけるジャム、後処理部72におけるジャム、給紙カセット81における紙なし、トナー不足(トナー補給)、ドア開状態等が挙げられる。CPU11は、ADF制御部41、プリンタ制御部51または後処理制御部71からジャム検知情報、紙なし情報、トナー不足情報、ドア開放検知情報等が入力されたか否かに基づいて異常が発生したか否かの判断を行う。
【0090】
画像形成装置100内で異常が発生したと判断されると(ステップS22;YES)、タイマ103による計時が開始されるとともに(ステップS24)、各部にプリント動作の停止が指示され、プリント動作が停止される(ステップS25)。次いで、操作表示部20のLCD22に、異常発生をユーザに通知するための異常通知情報を表示する異常通知画面(図5参照)が表示される(ステップS26)。
【0091】
表示された異常通知画面に従って、ユーザにより異常の解除処理が行われ、異常が解除されると(ステップS27;YES)、処理はステップS21に戻る。パワーセーブモードへの移行時間として設定されている時間の経過がタイマ103より通知されると(ステップS28;YES)、現在の異常の種類がRAM13に記憶されるとともに、パワーセーブモードへ移行される(ステップS29)。パワーセーブモードとは、画像形成装置100の不使用時に消費電力を低減させるモードであり、例えば、LCD22やプリンタ52に供給する電力が低減される。
【0092】
操作表示部20のLCD22や各種ボタンが操作され、パワーセーブモードが解除されると(ステップS30;YES)、異常が解除されたか否かが判断され(ステップS31)、異常が解除されたと判断されると(ステップS31;YES)、処理はステップS21に戻る。
【0093】
ステップS31において、異常が解除されていないと判断された場合(ステップS31;NO)、不揮発メモリ14に記憶されている異常テーブル141が参照され、発生した異常の種類に応じて、現在使用可能な機能があるか否かが判断され、使用可能な機能があると判断された場合(ステップS32;YES)、動作モードが現在使用可能な機能に対応するモードに切り換えられ(ステップS33)、動作モードの切り換えに伴いLCD22の表示画面上に現在使用可能な機能の初期画面が表示され(ステップS34)、本処理は終了する。ここで、ステップS33における動作モードの切り換えとは、RAM13に展開されているプログラムやデータが現在使用可能な機能に対応する動作モードで各部を制御するためのプログラムやデータに切り換えられ、現在使用可能な動作モードでの動作のスタンバイ状態に入ることである。
【0094】
なお、現在使用可能な機能が複数ある場合は、不揮発メモリ14に記憶されている機能の優先順位に従って、優先順位の最も高い機能に対応するモードに切り換えられ、当該機能の初期画面が表示される。ユーザは、表示されている初期画面により、当該初期画面が表示された機能が使用可能であること、及びその他の現在使用可能な機能を把握することができる。
【0095】
以上説明したように、第2の実施の形態における画像形成装置100においては、複数の機能を有する画像形成装置において、コピー機能、プリンタ機能、読出し機能、スキャナ機能、保存機能、FAX機能等複数の機能を有し、異常の発生が検知されると、異常を通知するための異常通知画面をLCD22の表示画面上に表示し、異常の発生時から予め定められた一定時間経過後にパワーセーブモードに移行され、そのパワーセーブモードが解除された際に、異常が解除されたか否かを判断し、異常が解除されていなかった場合に、現在使用可能な機能があるか否かを判断し、使用可能な機能があると判断した場合に、動作モードを現在使用可能な機能に対応するモードに切り換え、表示画面を現在使用可能な機能の初期画面に切り換える。
【0096】
従って、異常状態が放置され、そのままパワーセーブモードに移行し、ユーザが画像形成装置100を使用しようとしてパワーセーブモードを解除したときに、現在使用可能な機能がある場合に、自動的に使用可能な機能に対応する動作モードに移行し、使用可能な機能の初期画面が表示されるので、ユーザは、自分が使用したい機能が現在使用可能であるか否かを認識でき、使用可能であれば、異常状態を解除しなくても使用することが可能となり、利便性を向上させることができる。
【0097】
なお、上記実施の形態における記述内容は、本発明に係る画像形成装置100の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
【0098】
例えば、上記図7においては、プリンタモードでの処理を例にとり説明したが、他の動作モードにおいても、ステップS21の動作が、そのモードに応じた動作となる他は、図
7に示す処理と同様の処理が実行される。即ち、モードに応じた動作中に異常が発生し、そのままパワーセーブモードに移行し、ユーザが画像形成装置100を使用しようとしてパワーセーブモードを解除したときに、異常が解除されてない場合は、異常の種類に応じて使用可能な機能があるか否かが判断され、使用可能な機能がある場合には、当該使用可能な機能に対応する動作モードに切り換えられるとともに、LCD22に当該使用可能な機能の初期画面が表示される。
【0099】
その他、画像形成装置100の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明に係る画像形成装置100の外観及び内部構成例を模式的に示す図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置100の機能的構成を示すブロック図である。
【図3】異常テーブル141の一例を示す図である。
【図4】CPU11により実行されるプリント処理を示すフローチャート図である。
【図5】異常通知画面の一例を示す図である。
【図6】初期画面の一例を示す図である。
【図7】CPU11により実行されるプリント処理Bを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0101】
100 画像形成装置
200 ホストコンピュータ
300 FAX
10 制御部
11 CPU
12 プログラムメモリ
13 RAM
14 不揮発メモリ
141 異常テーブル
142 機能優先順位テーブル
15 読み取り処理部
16 DRAM制御IC
17 圧縮/伸張IC
18 画像メモリ
18a 圧縮メモリ
18b ページメモリ
19 書き込み処理部
101 HDDコントローラ
102 HDD
103 タイマ
20 操作表示部
21 操作表示制御部
22 LCD
30 スキャナ部
31 スキャナ制御部
32 スキャナ
32a コンタクトガラス
40 ADF部
41 ADF制御部
42 ADF
42a 原稿トレイ
42b 原稿排紙トレイ
50 プリンタ部
51 プリンタ制御部
52 プリンタ
52a 給紙ユニット
52b 画像形成部
60 プリントコントローラ部
61 コントローラ制御部
62 DRAM制御IC
63 画像メモリ
64 LANIF
70 後処理装置
71 後処理制御部
72 後処理部
81 給紙カセット
82 搬送ローラ
83 搬送経路切換板
84 反転部
85 感光ドラム
86 帯電部
87 LD
88 現像部
89 転写部
90 クリーニング部
91 定着部
N 通信ネットワーク
PN 通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機能を有する画像形成装置において、
前記複数の機能のうち少なくとも一つが使用不可となる異常の発生を検知する異常検知手段と、
前記異常の発生が検知された際に、前記異常を通知するための異常通知情報を表示画面上に表示する表示手段と、
前記異常の発生時から予め定められた一定時間経過後に、前記異常が解除されたか否かを判断し、前記異常が解除されていなかった場合に、現在使用可能な機能があるか否かを判断し、使用可能な機能があると判断した場合に、前記表示手段の表示画面を前記使用可能な機能の初期画面に切り換える制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
複数の機能に応じた複数の動作モードを有する画像形成装置において、
前記複数の機能のうち少なくとも一つが使用不可となる異常の発生を検知する異常検知手段と、
前記異常の発生時から予め定められた一定時間経過後に、前記異常が解除されたか否かを判断し、前記異常が解除されていなかった場合に、現在使用可能な機能があるか否かを判断し、使用可能な機能があると判断した場合に、前記使用可能な機能に応じた動作モードに切り換える制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記予め定められた一定時間は、オートリセット設定された時間であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
複数の機能を有する画像形成装置において、
前記複数の機能のうち少なくとも一つが使用不可となる異常の発生を検知する異常検知手段と、
前記異常の発生が検知された際に、前記異常を通知するための異常通知情報を表示画面上に表示する表示手段と、
前記異常の発生時から予め定められた一定時間経過後に節電モードに移行され、その節電モードが解除された際に、前記異常が解除されたか否かを判断し、前記異常が解除されていなかった場合に、現在使用可能な機能があるか否かを判断し、使用可能な機能があると判断した場合に、前記表示手段の表示画面を前記使用可能な機能の初期画面に切り換える制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
複数の機能に応じた複数の動作モードを有する画像形成装置において、
前記複数の機能のうち少なくとも一つが使用不可となる異常の発生を検知する異常検知手段と、
前記異常の発生時から予め定められた一定時間経過後に節電モードに移行され、その節電モードが解除された際に、前記異常が解除されたか否かを判断し、前記異常が解除されていなかった場合に、現在使用可能な機能があるか否かを判断し、使用可能な機能があると判断した場合に、前記使用可能な機能に応じた動作モードに切り換える制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記複数の機能は、コピー機能、スキャナ機能、保存機能、プリンタ機能、読出し機能、FAX機能の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記異常検知手段により検知される異常は、ジャムであることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
複数の機能を有する画像形成装置に用いられるコンピュータを、
前記複数の機能のうち少なくとも一つが使用不可となる異常の発生を検知する異常検知手段、
前記異常の発生が検知された際に、前記異常を通知するための異常通知情報を表示画面上に表示する表示手段、
前記異常の発生時から予め定められた一定時間経過後に、前記異常が解除されたか否かを判断し、前記異常が解除されていなかった場合に、現在使用可能な機能があるか否かを判断し、使用可能な機能があると判断した場合に、前記表示手段の表示画面を前記使用可能な機能の初期画面に切り換える制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項9】
複数の機能に応じた複数の動作モードを有する画像形成装置に用いられるコンピュータを、
前記複数の機能のうち少なくとも一つが使用不可となる異常の発生を検知する異常検知手段、
前記異常の発生時から予め定められた一定時間経過後に、前記異常が解除されたか否かを判断し、前記異常が解除されていなかった場合に、現在使用可能な機能があるか否かを判断し、使用可能な機能があると判断した場合に、前記使用可能な機能に応じた動作モードに切り換える制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項10】
前記予め定められた一定時間は、オートリセット設定された時間であることを特徴とする請求項8又は9に記載のプログラム。
【請求項11】
複数の機能を有する画像形成装置に用いられるコンピュータを、
前記複数の機能のうち少なくとも一つが使用不可となる異常の発生を検知する異常検知手段、
前記異常の発生が検知された際に、前記異常を通知するための異常通知情報を表示画面上に表示する表示手段、
前記異常の発生時から予め定められた一定時間経過後に節電モードに移行され、その節電モードが解除された際に、前記異常が解除されたか否かを判断し、前記異常が解除されていなかった場合に、現在使用可能な機能があるか否かを判断し、使用可能な機能があると判断した場合に、前記表示手段の表示画面を前記使用可能な機能の初期画面に切り換える制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項12】
複数の機能に応じた複数の動作モードを有する画像形成装置に用いられるコンピュータを、
前記複数の機能のうち少なくとも一つが使用不可となる異常の発生を検知する異常検知手段、
前記異常の発生時から予め定められた一定時間経過後に節電モードに移行され、その節電モードが解除された際に、前記異常が解除されたか否かを判断し、前記異常が解除されていなかった場合に、現在使用可能な機能があるか否かを判断し、使用可能な機能があると判断した場合に、前記使用可能な機能に応じた動作モードに切り換える制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項13】
前記複数の機能は、コピー機能、スキャナ機能、保存機能、プリンタ機能、読出し機能、FAX機能の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項8〜12の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項14】
前記異常検知手段により検知される異常は、ジャムであることを特徴とする請求項8〜13の何れか一項に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−310074(P2007−310074A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−137872(P2006−137872)
【出願日】平成18年5月17日(2006.5.17)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】