説明

画像形成装置

【課題】直接転写方式のタンデム型の電子写真装置において、黒トナー単色のファーストプリント時間が短く、かつイエロートナーやシアントナー上の黒トナー地汚れを目立たないようにする画像形成装置を提供する。
【解決手段】黒色及びカラーのトナー画像を形成する複数の作像ユニット20を並列に配置し、各々の作像ユニット20で作像されたトナー画像を中間転写体25上に1次転写して重ね合せて複数色の画像を形成し、2次転写装置28で転写紙に転写する画像形成装置1において、カラートナーは3色の非磁性接触1成分現像装置29を用い、2次転写装置24に最も近い位置に黒トナーの作像ユニット20aを配置し、黒トナーは接触2成分現像装置21を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンター等の静電複写プロセスの画像形成装置に係わるものである。さらに詳細には、クリーニング装置を有する中間転写体を備える画像形成装置に係わるものである。
【背景技術】
【0002】
フルカラー電子写真方式の画像形成装置には、1つの感光体の周りに複数色の現像装置を備え、それらの現像装置でトナーを付着して感光体上に合成トナー画像を形成し、そのトナー画像を転写して転写紙にカラー画像を記録する、いわゆる1ドラム型フルカラー電子写真装置(以下、単に1ドラム型という。)のものと、並べて備える複数の感光体にそれぞれ個別に現像装置を備え、各感光体上にそれぞれ単色トナー画像を形成し、それらの単色トナー画像を順次転写して転写紙に合成カラー画像を記録する、いわゆるタンデム型フルカラー電子写真装置(以下、単にタンデム型という。)のものとがある。
1ドラム型とタンデム型とを比較すると、1ドラム型は、感光体が1つであるから、比較的小型化でき、コストも低減できる利点はあるものの、1つの感光体を用いて複数回(通常4回)画像形成を繰り返してフルカラー画像を形成するので、画像形成の高速化には困難である欠点がある。タンデム型は、逆に大型化し、コスト高となる欠点はあるものの、画像形成の高速化が容易である利点がある。
最近は、フルカラーもモノクロ並みのスピード要求が望まれることから、タンデム型が注目されてきている。
【0003】
図1は、間接転写方式のタンデム型であって、2成分現像方式を採用する電子写真方式の画像形成装置の構成を示す概略図である。タンデム型の電子写真装置には、各感光体上の画像を転写装置により、搬送ベルトで搬送する転写紙に順次転写する直接転写方式のものと、図1に示すように、各感光体上11の画像を1次転写装置23で一旦中間転写体25に順次転写して後、その中間転写体25上の画像を2次転写装置24で転写紙に一括転写する間接転写方式のものとがある。
間接転写方式は、2次転写位置を比較的自由に設置することができるので、給紙から定着装置28までの距離を短くでき、そのため給紙から排紙までの時間が短くなり、ファーストプリントタイムを低減することができる。またジャム処理が容易にできる等のメリットがある。
図1で示したように、各感光体の帯電及びクリーニング装置22で、転写ベルトクリーニング装置26である。このようにタンデム型の中間転写方式では、画像形成の高速化が容易でかつファーストプリントタイムを低減できるメリットがあるが、装置が大型化するという欠点がある。
図2は、リサイクル機構を有する2成分現像装置の構成を示す概略図である。図2は通常カラー機の作像に良く用いられている2成分現像装置21を持つ構成で、各現像装置21にトナーを補給するトナーカートリッジ27及び補給部を持つ。これに対し、現像装置を小型化するために図3のように1成分現像装置29を持つ構成にすることもできる。
【0004】
図3は、間接転写方式のタンデム型であって、1成分現像方式を採用する電子写真装置の構成を示す概略図である。
図4は、リサイクル機構を有しない非磁性1成分現像装置の構成を示す概略図である。
図4における1成分現像装置29は、トナーカートリッジ27から補給をせずにトナーを現像装置29内に持つタイプで、このような1成分現像装置29を用いることにより、トーカートリッジ27及びトナー補給部が必要なくなるので、その分のスペースを小さくすることができる。
この1成分現像装置29では、現像ローラ31を感光体に接触させて所定の線速比を持たせて現像させる。非接触にすることもできるが、現像バイアスにACバイアスを印加しないと現像能力が不十分になる。現像ローラ31を接触にすることにより、DCバイアスで現像能力が足りるようになる。トナー貯蔵部34から供給ローラ32により現像ローラ31表層にトナーを供給し、トナー層規制部材33により所定のトナー層厚にしている。
【0005】
しかし、このような接触1成分現像装置29を用いると、感光体上11の地汚れが2成分現像装置21よりも経時で悪化するという問題がある。
図5は、地汚れ黒トナーによる他のカラートナーの画像を汚す状態を説明するための模式図である。図5(a)に示すように、地汚れしているトナーは逆帯電のトナーが多いので、感光体11上では地汚れしていても、転写装置23、24で転写されないので、転写紙上の地肌部では殆ど問題にならない。しかし、カラートナーを用いる画像形成装置で、黒トナーの作像ユニットを中間転写体25の回転方向の下流側にもってきた場合、図5(b)のように中間転写体25上のトナー像のマイナス帯電に逆帯電の地汚れトナーが引きつけられ、地汚れトナーが中間転写体25に転写されてしまう。
図5は、中間転写体上25にイエロー(Y)トナー像がある場合で、明度の高いイエロー色の中に黒トナーの地汚れトナーがある場合が最も目立ちやすく、逆では目立たないのでイエロートナーの作像ユニットが中間転写体25回転方向の下流側にある場合には問題にならない。この関係は黒トナーと明度差が大きいシアン(C)トナーでも同様で、黒トナーの作像ユニットを中間転写体25の回転方向の上流側に配置すれば問題なくなる。しかし、その場合黒トナー作像の1次転写位置と2次転写位置の間の距離が長くなり、黒トナー単色のファーストプリント時間が長くなる。
【0006】
例えば、特許文献1では、現像に磁性トナーを用いたブラックなどのトナー像及び現像に非磁性トナーを用いたその他の色のトナー像からなる複数色のカラー画像として、光沢度が多い高品位なカラー画像を得ることができ、且つ現像に磁性トナーを用いたブラックなどの単色の画像形成に使用して、その時に、ブラックの画像形成ステーションを第2ステーションとし、その第2ステーションを、二成分現像器を用いるステーションと異なる磁性トナーのブラックトナーを使用する一成分現像器を用いたステーションとした画像形成装置が開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開平5−323781
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1では、搬送ベルトで搬送する転写紙に順次転写する直接転写方式のタンデム型の電子写真装置であり、中間転写体上のトナー像のマイナス帯電に逆帯電の地汚れトナーが引きつけられ、地汚れトナーが中間転写体に転写されてしまうという問題を解決するには不十分である。
【0009】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、直接転写方式のタンデム型の電子写真装置において、黒トナー単色のファーストプリント時間が短く、かつイエロートナーやシアントナー上の黒トナー地汚れを目立たないようにする画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する手段である本発明の特徴を以下に挙げる。
本発明の画像形成装置は、黒色及びカラーのトナー画像を形成する複数の作像ユニットを並列に配置し、各々の作像ユニットで作像されたトナー画像を中間転写体上に1次転写して重ね合せて複数色の画像を形成し、2次転写装置で転写紙に転写する画像形成装置において、カラートナーは3色の非磁性接触1成分現像装置を用い、2次転写装置に最も近い位置に黒トナーの作像ユニットを配置し、黒トナーは接触2成分現像装置を用いることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、黒トナーの作像ユニットは、感光体クリーニングでクリーニングされたトナーを現像ユニット内に戻す機構を持ち、カラートナーの作像ユニットは、クリーニングされたトナーを現像ユニット内に戻す機構を持たないことを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、カラートナーの作像ユニットは、各々の作像ユニット毎に1枚当りの出力画像面積の閾値を設定し、その閾値より低い画像面積のときは作像後に所定量のトナーを現像させる制御を行ない、現像されたトナーが1次転写ニップを通過するときに、中間転写体に転写される極性と逆のバイアスを印加することを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、カラートナーの作像ユニットは、各々の作像ユニット毎に1枚当りの出力画像面積の閾値を設定し、その閾値より低い画像面積のときは作像後に所定量のトナーを現像させる制御を行ない、そのトナーが1次転写ニップを通過するときに中間転写体に転写される極性のバイアスを印加し、中間転写体に転写されたカラートナーが黒トナーの作像ユニットを通過するときの黒トナーの1次転写バイアスは、出力無し又は画像形成時のバイアスと同じ極性で画像形成時より小さい値のバイアスを印加することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、本発明の画像形成装置では、2次転写装置に最も近い位置に黒トナーの作像ユニットを配置し、黒トナーは2成分現像装置を用い、カラー3色は非磁性接触1成分現像装置を用いているので、経時でもイエロートナーやシアントナー上の黒トナー地汚れが目立たなくなり、かつ黒トナー単色プリント時のファーストプリント時間を短くすることができる。さらに、黒トナーの作像ユニットは感光体クリーニング装置でクリーニングされたトナーを現像ユニット内に戻す機構を持ち、カラーの作像ユニットはクリーニングされたトナーを現像ユニット内に戻す機構を持たないので、黒トナーは無駄に消費することなく、カラーの地汚れを問題にならないレベルにすることができる。また、カラーの作像ユニットは、各々の作像ユニット毎に1枚当りの出力画像面積の閾値を設定し、その閾値より低い画像面積のときは作像後に所定量のトナーを現像させる制御を行ない、現像されたトナーが1次転写ニップを通過するときに、中間転写体に転写される極性と逆のバイアスを印加するので、カラーの吐き出しトナーの逆転写が黒トナーに混入することが起きなくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明における最良の形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
【0013】
本発明の画像形成装置1では、黒色及びカラーのトナー画像を形成する複数の作像ユニット20を並列に配置し、各々の作像ユニット20で作像されたトナー画像を中間転写体25上に1次転写して重ね合せて複数色の画像を形成し、2次転写装置で転写紙に転写する画像形成装置において、カラートナーは3色の非磁性接触1成分現像装置を用い、2次転写装置に最も近い位置に黒トナーの作像ユニットを配置し、黒トナーは接触2成分現像装置を用いる。
図6は、本発明の画像形成装置における一実施形態の構成を示す概略図である。図6で示すように、最も2次転写装置に近い位置の作像ユニットを黒トナーの作像ユニットにし、黒トナーのみ2成分現像装置として、カラー3色は1成分現像ユニットとする。3色のカラートナーとしては、非磁性一成分系が好ましい。磁性一成分では、透明性の高い磁性体が少ない。このような画像形成装置とすることで、経時でも黒トナーの地汚れが悪化しないので、YトナーやCトナー上の黒トナー地汚れが目立たなくなる。また黒トナー作像ユニット20aを最も2次転写装置24に近い位置に配置しているので、黒トナー単色プリント時のファーストプリント時間を短くでき、また全色2成分現像ユニットにしているときと比較して3色分のトナーカートリッジと補給部のスペースが減るので、装置を小型化することができる。
【0014】
また、本発明の画像形成装置1では、黒トナーの作像ユニットは、感光体クリーニング装置22でクリーニングされたトナーを現像装置20内に戻すリサイクル機構19を持ち、カラートナーの作像ユニット20は、クリーニングされたトナーを現像装置20内に戻すリサイクル機構19を持たない。
感光体上のクリーニングされたトナーは、クリーニング装置22から図示しない廃トナー容器へ搬送されて中間転写体25のクリーニングされたトナーとともに廃トナー容器に貯められる。しかし、クリーニングされたトナーを廃トナーとして捨てていると、ある割合のトナーを無駄にすることになる。
そのため、図2のような構成で、黒トナー作像ユニット20aのクリーニング装置22で回収したトナーを再び利用する。感光体11が図の矢印の方向に回転し、現像ローラ12が非常に狭い間隔Gpで感光体11に近接している。現像剤攪拌部14には、トナーと磁性体のキャリアからなる2成分現像剤が、現像ローラ12と平行に配置された2本のスクリュー14aにより循環しながら攪拌され、トナーが帯電してキャリアに付着している状態となっている。現像ローラ12は内部に固定されたマグネットを有し、外側の円筒状の現像ローラ12が図の方向に回転することにより、現像剤供給部15の現像剤が磁力により汲み上げられ、現像剤規制部材13により所定の汲み上げ量にして、感光体11と現像ローラ12の対向部で磁気ブラシを形成する。
【0015】
現像ローラ12の表面速度(現像ローラ線速)は感光体11の表面速度(感光体線速)より速く設定し、磁気ブラシの先端が感光体11を摺擦することによりトナーが供給される。図で、帯電装置として帯電ローラ16、帯電ローラのクリーニングローラ16aを示している。現像されたトナーは、中間転写体25とのニップ部で中間転写体25に転写されるが、全部のトナーは転写されずに感光体11上に転写残トナーとして残ってしまう。また、感光体11上の地汚れはほとんど転写されずに感光体11に残る。そのトナーをクリーニングブレード17でクリーニングし、搬送部材18で作像ユニット20の後側に搬送する。作像ユニット20の後側で、図の点線で示した搬送経路を有するリサイクル機構19で図の矢印(白抜き)方向に搬送し、現像剤供給部15にトナーを落下させて再利用する。このような構成にすることによってトナーを無駄にすることなく画像形成することができる。
【0016】
地汚れトナーは主に逆帯電しているようなトナーで、劣化して帯電性が悪くなっている場合が多い。2成分現像装置21では、地汚れがそれほど多くないので、クリーニングされたトナーを現像装置21に戻しても問題にはならない。しかし、1成分現像装置29の場合、前述したように経時で感光体11上地汚れが増加するので、クリーニングされたトナーを1成分現像装置29に戻すと1成分現像装置29内で帯電性が悪くなったトナーが増加し、さらに地汚れが悪化するという問題が起きる。このため、本発明では、黒トナーの作像ユニットは、感光体クリーニングでクリーニングされたトナーを現像ユニット内に戻すリサイクル機構を持ち、カラートナーの作像ユニットは、クリーニングされたトナーを現像ユニット内に戻すリサイクル機構を持たない構成とする。これにより、黒トナーを廃棄することなく再利用することで無駄に消費することなく、さらに、黒トナーによるカラー画像における地汚れを問題にならないレベルにすることができる。
【0017】
本発明の画像形成装置1では、カラートナーの作像ユニット20は、各々の作像ユニット20毎に1枚当りの出力画像面積の閾値を設定し、その閾値より低い画像面積のときは作像後に所定量のトナーを現像させる制御を行ない、現像されたトナーが1次転写ニップを通過するときに、中間転写体25に転写される極性と逆のバイアスを印加する。
カラー画像では、ある色のトナーは殆ど使われないような画像も有るので、ある色の作像ユニットが平均すればかなり低い画像面積で使用される場合がある。低面積の画像を連続して出力していると現像装置29内のトナーが現像されるまでに長時間現像装置29内を循環することになり、現像されるまでにストレスが多くかかってしまう。そのため通常の画像よりトナーが劣化し、転写性が悪くなって転写率が著しく低下する問題が起きる。この問題を防ぐために、各々の作像ユニット20での平均の画像出力面積をカウントし、低面積のときは画像形成後に所定のトナーを感光体11上に現像する(以下、トナー吐き出しと呼ぶ)ことにより、トナーが現像されるまでに現像装置29内を循環する時間を少なくすることができる。
【0018】
この吐き出しトナーを中間転写体25に転写させる場合、中間転写体25の回転方向の上流側に配置された作像ユニット20で中間転写体25に転写されたトナーが下流側にある作像ユニット20を通過するとき、一部のトナーが中間転写体25から感光体11に逆転写してしまうという現象が起こる。この逆転写されたトナーは、感光体11のクリーニング装置22でクリーニングされるので通常は問題にならないが、黒トナーの感光体クリーニング装置22から黒トナーの現像装置21に混入するので、黒トナーに他色のトナーが混入してしまう。そのため、カラーの作像ユニット20で現像されたトナーが1次転写ニップを通過するときに、中間転写体25に転写される極性と逆のバイアスを印加する。これにより中間転写体25に吐き出しトナーが転写されないので、カラーの吐き出しトナーの逆転写が黒トナーに混入することが起きなくなる。
【0019】
さらに、本発明の画像形成装置1では、カラートナーの作像ユニット20は、各々の作像ユニット20毎に1枚当りの出力画像面積の閾値を設定し、その閾値より低い画像面積のときは作像後に所定量のトナーを現像させる制御を行ない、そのトナーが1次転写ニップを通過するときに中間転写体25に転写される極性のバイアスを印加し、中間転写体25に転写されたカラートナーが黒トナーの作像ユニット20を通過するときの黒トナーの1次転写バイアスは、出力無し又は画像形成時のバイアスと同じ極性で画像形成時より小さい値のバイアスを印加する。
カラートナーの作像ユニット20の吐き出しトナーを感光体11のクリーニング装置212に戻すが、作像ユニット20の形態によっては感光体ユニットに戻せない形態がある。例えば、現像装置29と感光体11、帯電及びクリーニング装置22を一体化し、トナーエンド時に一度に交換するタイプにすると、トナー交換と作像部の交換が同時にできるのでユーザ交換しやすい。このような構成で感光体11のクリーニング装置22の廃トナーを別体の廃トナー容器に回収せずに、クリーニング装置22にある容量を持った廃トナー容器を持ち、トナーエンド時に同時に交換するようなタイプでは、通常の転写残と地汚れの廃トナーではそれほど大きな廃トナー容量を持たなくても良い。しかし吐き出しトナーは、例えば出力画像面積の閾値を3%としたとき、平均値で0.5%の画像を出力したときには2.5%画像分のトナーが廃トナーになるので、かなり大きな廃トナー容量が必要になり、一体としてユーザー交換するのが困難になる。そのため、カラートナーの作像ユニット20で吐き出しトナーが1次転写ニップを通過するときに中間転写体25に転写される極性のバイアスを印加して中間転写体25上に転写させる。
【0020】
これにより前述のように黒トナーの1次転写装置23でカラートナーが逆転写するので、以下に説明する制御を行う。1次転写バイアスは定電流制御がよく行われるが、1次転写電流値と転写率及び逆転写率は図7のような関係になることが多い。逆転写が低いのは出力無しのときか或いは1次転写電流値が小さいときであるが転写率も低く、通常の転写のタイミングでは転写率が高い状態にするので、逆転写をそれほど少なくできない。これに対し、本発明では、中間転写体25に転写されたカラートナーが黒トナー作像ユニット20を通過するときの黒トナーの1次転写バイアスは、出力無し或いは画像形成時のバイアスと同じ極性で画像形成時より小さい値のバイアスを印加するので、逆転写を少なくして黒トナー現像装置への他色トナーの混入を問題無いレベルにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】間接転写方式のタンデム型であって、2成分現像方式を採用する電子写真方式の画像形成装置の構成を示す概略図である。
【図2】リサイクル機構を有する2成分現像装置の構成を示す概略図である。
【図3】間接転写方式のタンデム型であって、1成分現像方式を採用する電子写真装置の構成を示す概略図である。
【図4】リサイクル機構を有しない非磁性1成分現像装置の構成を示す概略図である。
【図5】地汚れ黒トナーによる他のカラートナーの画像を汚す状態を説明するための模式図である。
【図6】本発明の画像形成装置における一実施形態の構成を示す概略図である。
【図7】1次転写電流値と転写率及び逆転写率の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0022】
1 画像形成装置
11 感光体
12 現像ローラ
13 規制剤規制部材
14 現像剤撹拌部
14a スクリュー
15 現像剤供給部
16 帯電装置
16a クリーニングローラ
17 クリーニング装置(クリーニングブレード)
18 搬送部材
19 リサイクル機構
20 作像ユニット
21 二成分現像装置
22 クリーニング装置
23 一次転写装置
24 二次転写装置
25 中間転写体
25a 転写バイアス
26 中間転写体クリーニング装置
27 トナーカートリッジ
28 定着装置
29 一成分現像装置
31 現像ローラ
32 供給ローラ
33 規制ブレード
34 トナー収納


【特許請求の範囲】
【請求項1】
黒色及びカラーのトナー画像を形成する複数の作像ユニットを並列に配置し、
各々の作像ユニットで作像されたトナー画像を中間転写体上に1次転写して重ね合せて複数色の画像を形成し、2次転写装置で転写紙に転写する画像形成装置において、
3色のカラートナーは非磁性接触1成分現像装置を用い、
2次転写装置に最も近い位置に黒トナーの作像ユニットを配置し、黒トナーは接触2成分現像装置を用いる
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
黒トナーの作像ユニットは、感光体クリーニングでクリーニングされたトナーを現像ユニット内に戻すリサイクル機構を持ち、
カラートナーの作像ユニットは、クリーニングされたトナーを現像ユニット内に戻すリサイクル機構を持たない
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2記載の画像形成装置において、
カラートナーの作像ユニットは、各々の作像ユニット毎に1枚当りの出力画像面積の閾値を設定し、
その閾値より低い画像面積のときは作像後に、所定量のトナーを現像させる制御を行ない、現像されたトナーが1次転写ニップを通過するときに、中間転写体に転写される極性と逆のバイアスを印加する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2記載の画像形成装置において、
カラートナーの作像ユニットは、各々の作像ユニット毎に1枚当りの出力画像面積の閾値を設定し、その閾値より低い画像面積のときは作像後に所定量のトナーを現像させる制御を行ない、そのトナーが1次転写ニップを通過するときに中間転写体に転写される極性のバイアスを印加し、中間転写体に転写されたカラートナーが黒トナーの作像ユニットを通過するときの黒トナーの1次転写バイアスは、出力無し又は画像形成時のバイアスと同じ極性で画像形成時より小さい値のバイアスを印加する
ことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−257114(P2008−257114A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−101637(P2007−101637)
【出願日】平成19年4月9日(2007.4.9)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】