説明

画像形成装置

【課題】感光体ドラムと帯電ローラとを備えたドラムユニット装着時の作業性を高める画像形成装置を提供すること。
【解決手段】当該画像形成装置Xに対するドラムユニットDの装着位置から該ドラムユニットDの取り出し位置まで帯電ローラ12の回転軸を間接的に案内する上レール21及び感光体ドラム11の回転軸11−1を案内する下レール22を備えてなり,上記上レール21と上記下レール22とが,上記装着位置では,上記帯電ローラ12と上記感光体ドラム11とが当接する間隔をあけて設けられ,上記取り出し位置では,上記帯電ローラ12と上記感光体ドラム11とが離間する間隔をあけて設けられ,上記ドラムユニットDが上記取り出し位置にあるときに,上記帯電ローラ12と上記感光体ドラム11とを離間した状態に維持するものである画像形成装置X。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,画像形成装置に関し,特に,像担持体と帯電ローラとを備えた作像ユニットを着脱可能な画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来,感光体ドラムと帯電ローラとを有するユニットを備えた画像形成装置で上記ユニットのメンテナンスを行う場合には,上記画像形成装置本体から上記ユニットを上記ユニットごと取り外してメンテナンスを行っていた。その場合,取り外されたユニット内の上記帯電ローラの清掃を行うには,上記帯電ローラと上記感光体ドラムとを接触させたままでは衝突により損傷する危険性があるので,上記感光体ドラムと上記帯電ローラとを離間させる必要がある。
特許文献1に記載の画像形成装置では,常時上記帯電ローラを上記感光体ドラムから離間させる方向に付勢する付勢手段が設けられており,上記帯電ローラと感光体ドラムとが備えられたユニットが上記画像形成装置本体に装着された状態では,筐体により上記付勢手段の付勢力が抑制され,上記帯電ローラと上記感光体ドラムとが当接されている。一方,上記ユニットが上記画像形成装置本体から取り外された状態では,上記付勢手段の付勢力を抑制する上記筐体による押圧力が解除されることにより,上記付勢手段の付勢力によって上記帯電ローラが上記感光体ドラムから離間される。
上記のように,上記ユニットが上記画像形成装置本体から取り外され,上記感光体ドラムと上記帯電ローラとが離間された状態で,作業者により,上記帯電ローラが長手方向に引き出されることによって,上記帯電ローラ表面の清掃が行われる。
【特許文献1】特開平5−107881号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら,特許文献1に記載の画像形成装置のような上記感光体ドラムと上記帯電ローラとを離間させる構成では,上記ユニットを画像形成装置本体に装着するときに,上記付勢手段が常時上記帯電ローラを上記感光体ドラムから離間させる方向に作用しているので,上記付勢手段の付勢力に逆らって上記感光体ドラムと上記帯電ローラとを当接させる方向に押圧しながら上記ユニットを上記画像形成装置本体に装着しなければならず,作業がしにくかった。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,感光体ドラムと帯電ローラとを備えたドラムユニット装着時の作業性を高める画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述のように現像剤により現像される静電潜像を担持する回転可能な像担持体と,上記像担持体に平行状態を保って離接自在な帯電ローラと,を備え,付勢手段による付勢力だけで上記像担持体と上記帯電ローラとを離間させる従来の画像形成装置では,上記付勢力に逆らって上記像担持体と上記帯電ローラとを当接させる方向に押圧しながら上記作像ユニットを上記画像形成装置本体に装着しなければならず,作業がしにくかった。
そのため,本発明では,帯電ローラ及び像担持体の回転軸を当該画像形成装置に対する作像ユニットの装着位置から該作像ユニットの取り出し位置までそれぞれ直接又は間接的に案内する第1及び第2のレールと,上記作像ユニットが上記取り出し位置にあるときに,上記帯電ローラと上記像担持体とを離間した状態に維持する離間維持手段と,を備え,上記第1のレールと上記第2のレールとが,上記作像ユニットが上記装着位置にあるときは,上記帯電ローラと上記像担持体とが当接する間隔をあけて設けられ,上記作像ユニットが上記取り出し位置にあるときは,上記帯電ローラと上記像担持体とが離間する間隔をあけて設けられている。
これにより,上記付勢手段による付勢力に逆らって上記作像ユニットの一部を押さえながら装着するなどといったやりにくい作業を行うことなく,上記作像ユニットを当該画像形成装置本体から取り外すだけで,上記像担持体と上記帯電ローラとが離間し,上記作像ユニットを当該画像形成装置本体に装着するだけで,上記像担持体と上記帯電ローラとが当接される。
また,上記像担持体及び/又は上記帯電ローラを,上記像担持体と上記帯電ローラとが離接する方向に摺動可能に案内するガイド手段を備えてなり,上記離間維持手段が,上記像担持体と上記帯電ローラとが離間する方向に付勢する付勢手段であることが考えられる。
一方,上記作像ユニットが,上記第1のレールに上記帯電ローラを間接的に案内する第1の突起部及び/又は上記第2のレールに上記像担持体を間接的に案内する第2の突起部を備えることが考えられる。
これは,第1及び第2のレールが,上記帯電ローラ及び像担持体の回転軸を当該画像形成装置に対する作像ユニットの装着位置から該作像ユニットの取り出し位置までそれぞれ間接的に案内する構成の一例である。
また,上記帯電ローラの外周上に接触して摺動可能な弾性部材の環状部と,上記離間維持手段により上記像担持体と上記帯電ローラとが離間された状態で,上記環状部を上記帯電ローラの回転軸方向に移動自在に支持する支持部と,を備え,上記第1のレールと上記第2のレールとの上記取り出し位置における間隔が,上記環状部が上記帯電ローラに沿ってその回転軸方向に移動可能な程度の間隔であることが好ましい。
これにより,上記作像ユニットを当該画像形成装置本体から完全に取り外さなくても,上記取り出し位置において,上記環状部が上記帯電ローラに沿ってその回転軸方向に摺動可能であるので,上記環状部を摺動させることにより,上記帯電ローラを清掃することができる。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば,感光体ドラムと帯電ローラとを備えたドラムユニット装着時の作業性を高める画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置Xの断面図,図2は本発明の実施の形態に係る画像形成装置Xの側面カバー及び現像部2を取り外した状態の斜視図,図3は本発明の実施の形態に係る画像形成装置Xに装着時の図1における矢印P7方向から見たドラムユニットDの斜視図,図4はドラムユニットDから側面支持部材14を取り外した模式図,図5は本発明の実施の形態に係る画像形成装置Xの感光体ドラム11の回転軸11−1及びドラムユニットDの突起部14−2,14−3が上レール21及び下レール22に案内される経路を説明するための模式図,図6は図3のP方向から見た感光体ドラム11の回転軸11−1及びドラムユニットDの突起部14−2,14−3近傍の模式図,図7は環状部16及び支持部17の模式図,図8は支持部17近傍の拡大図,図9は本発明の実施の形態に係る画像形成装置XのドラムユニットD取り出し位置におけるドラムユニットDの斜視図である。
なお,図4の模式図では,説明のために,ドラムユニットDの側部支持部材14がドラムユニットDから外されている。
【0007】
図1に示すように,本発明の実施の形態に係る画像形成装置Xは,大別すると,記録紙にトナー像を形成(転写)する画像形成部G,該画像形成部Gに記録紙を供給する給紙部K,上記画像形成部Gでトナー像が形成された記録紙にそのトナー像を加熱定着させる定着部T,これらを収容する筐体20(図2参照)などを備えて構成されている。
上記画像形成部Gは,図1に示すように,ドラムユニットD(作像ユニットの一例),露光部1,現像部2,転写部3,不図示のクリーニング部,不図示の除電部などを備えて構成されている。
上記ドラムユニットDは,図1における矢印P7方向から見た模式図である図3に示すように,感光体ドラム11,帯電ローラ12,上部支持部材13,側部支持部材14,帯電ローラハウジング部15,環状部16(後述),支持部17(後述),付勢部18(図4参照)などを備えて構成されている。上記ドラムユニットDは,当該画像形成装置X本体に着脱可能である。上記ドラムユニットDの着脱についての詳細は後記する。
上記感光体ドラム11は,上記ドラムユニットDが上記画像形成装置Xに対する装着位置(図1に示された位置)にあるときは,上記帯電ローラ12に当接して,回転軸11−1を中心に,所定の方向に回転され,静電潜像を担持するものであり,上記ドラムユニットDが上記画像形成装置Xに対して取り出し位置にあるときは,上記帯電ローラ12から離間している。
上記感光体ドラム11が,像担持体の一例に相当する。
上記帯電ローラ12は,上記感光体ドラム11に平行状態を保って離接自在である。すなわち,上記帯電ローラ12は,上記ドラムユニットDが上記画像形成装置Xに対する装着位置(図1に示された位置)にあるときは,上記感光体ドラム11に当接して回転して,上記感光体ドラム11表面を帯電させる。また,上記ドラムユニットDが上記画像形成装置Xに対して取り出し位置にあるときは,上記感光体ドラム11が上記付勢部18に押されて上記帯電ローラ12から離間することにより,上記感光体ドラム11から離間している。
上記上部支持部材13は,上記帯電ローラ12を支持する上記帯電ローラハウジング部15及び上記感光体ドラム11を支持する上記側部支持部材14を支持している。
上記帯電ローラハウジング部15は,上記帯電ローラ12の回転軸の両端を支持する部材である。
上記側部支持部材14には,図4に示すように,長孔14−1,突起部14−2,14−3が形成されている。
上記長孔14−1は,上記感光体ドラム11の回転軸11−1が嵌入される孔であり,上記感光体ドラム11の上記回転軸11−1を,上記感光体ドラム11と上記帯電ローラ12とが離接する方向(図4における矢印P6,P5方向)に摺動可能に案内する。
上記長孔14−1が,ガイド手段の一例に相当する。
上記突起部14−2及び14−3は,後記の上レール21に上記帯電ローラ12を間接的に案内する突起部である。
上記突起部14−2及び14−3が,第1の突起部の一例に相当する。
上記側部支持部材14は,左右に1対設けられており,上記ドラムユニットDの側面にそれぞれ固定されている。
上記付勢部18は,図4に示すように,上記感光体ドラム11を上記帯電ローラ12から離間する方向(図4における矢印P6方向)に上記回転軸11−1を付勢するバネであり,上記帯電ローラハウジング部15両端部に設けられている。
上記付勢部18が,付勢手段の一例に相当する。
また,上記付勢部18が,離間維持手段の一例である。
なお,本実施の形態では,上記付勢部18が設けられているが,上記付勢部18を設けずに,上記帯電ローラ12と上記感光体ドラム11とが離間した状態を維持した状態で上記感光体ドラム11を上記ドラムユニットDの側部支持部材14などにひっかけておく部材などを設けてもかまわない。
【0008】
図1に示すように,上記露光部1は,上記感光体ドラム11にレーザビームを照射して静電潜像を形成するものである。
上記現像部2は,上記感光体ドラム11に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー像を上記感光体ドラム11の表面に形成するものである。
上記転写部3は,上記感光体ドラム11上に現像された像を記録紙などに転写するものである。
上記クリーニング部は,転写後の上記感光体ドラム11をクリーニングするものである。
上記除電部は,転写後の上記感光体ドラム11に残留する電位を除去するものである。
【0009】
当該画像形成装置Xで行われる画像形成処理について簡単に説明する。
所定の読取装置などから画像情報信号が送信されると,上記給紙部Kにより収納されている記録紙が,画像形成開始位置まで給紙される。
所定の読取装置(不図示)などから送信された画像情報信号は,上記画像形成装置Xに伝送され,所定の画像処理がなされる。所定の画像処理がなされたデータ(画像データ)は,上記露光部1に入力される。その後,この露光部1により,上記所定の画像処理がなされたデータに従って光量や点滅状態が調整されたレーザビーム(静電潜像書き込み用のレーザビーム)が,上記感光体ドラム11表面に出射される。
そして,上記帯電ローラ12により帯電された上記感光体ドラム11表面に,静電潜像が書き込まれる。上記感光体ドラム11は回転され,上記現像部2の現像ローラに担持されたトナーが上記感光体ドラム11表面上の静電潜像に移行して,トナー画像が形成される。
上記感光体ドラム11は引き続き回転され,上記感光体ドラム11上に形成された上記トナー画像は,上記転写部3によって,上記給紙部Kにより搬送された記録紙に転写される。上記記録紙に転写されたトナー像は,上記定着部Tにより加熱され,記録紙に定着される。トナー像が定着した記録紙は,当該画像形成装置Xの外へ排出される。
【0010】
ところで,このように上記ドラムユニットDが着脱可能な画像形成装置Xでは,上記ドラムユニットDのメンテナンスを行う場合,取り外されたドラムユニットD内の帯電ローラ12の清掃を行うには,上記帯電ローラ12と上記感光体ドラム11とを離間させる必要があるが,従来の画像形成装置では,上記帯電ローラと上記感光体ドラムとを強制的に離間させる付勢手段を備えているので,一旦離間させた帯電ローラに感光体ドラムを当接させようとすると,上記付勢手段による付勢力に逆らって,作像ユニットを画像形成装置本体に装着しなければならず,作業がしにくかった。
このような問題を解決するために,本実施の形態では,上記ドラムユニットDを案内するレールを設けることによって,該レールに沿って当該画像形成装置X本体に着脱するだけで上記感光体ドラム11と上記帯電ローラ12とが離接する画像形成装置Xを提供する。
以下に詳細を記す。
【0011】
上記感光体ドラム11の回転軸方向両端部の上記筐体20の側面には,図2に示すように,上レール21,下レール22が形成されている。
上記上レール21は,図5に示すように,そこに嵌入された上記側部支持部材14に形成された上記突起部14−3及び14−2を,当該画像形成装置Xに対する上記ドラムユニットDの装着位置から上記ドラムユニットDの取り出し位置まで案内する溝部である。上記上レール21に沿って上記突起部14−3,14−2が移動されることにより,上記帯電ローラ12を一体的に備えた上記ドラムユニットD全体が移動される。
なお,上記側部支持部材14の上記突起部14−2,14−3は,上記上レール21に,上記帯電ローラ12の回転軸を,当該画像形成装置Xに対するドラムユニットXの装着位置から該ドラムユニットXの取り出し位置まで間接的に案内する構成の一例であり,上記帯電ローラ12の回転軸自身を突出させて,上記上レール21に,上記帯電ローラ12の回転軸を直接案内する構成でもかまわない。
上記上レール21が,上記第1のレールの一例に相当する。
上記下レール22は,図6に示すように,上記側部支持部材14に形成された長孔14−1に嵌入された上記感光体ドラム11の回転軸11−1が嵌入され,これを当該画像形成装置Xに対する上記ドラムユニットDの装着位置から上記ドラムユニットDの取り出し位置まで案内する溝部である。上記下レール22に沿って上記回転軸11−1が移動されることにより,上記感光体ドラム11を有するドラムユニットDが移動される。
この例では上記回転軸11−1を上記下レール22が直接案内しているが,上記感光体ドラム11の回転軸11−1を突出させずに,上記感光体ドラム11の回転軸11−1を支持する突起部を設けて,該突起部が,上記下レール22に,上記感光体ドラム11の回転軸11−1を,上記装着位置から上記取り出し位置まで間接的に案内する構成でもかまわない。
ここで,上記下レール22が,上記第2のレールの一例に相当する。
図2,図5に示すように,上記上レール21と上記下レール22との間隔は,上記装着位置から上記取り出し位置に向かって,徐々に広がっている。
このとき,上記上レール21と上記下レール22との間隔は,図1に示す装着位置では,上記帯電ローラ12と上記感光体ドラム11とが当接する間隔である。
一方,上記ドラムユニットDの取り出し位置では,上記上レール21と上記下レール22との間隔は,上記帯電ローラ12と上記感光体ドラム11とが離間する間隔である。
従って,上記帯電ローラ12と上記感光体ドラム11とは,上記ドラムユニットDが上記図1の装着位置にあるときは,上記上レール21と上記下レール22との間隔が狭いので当接し,上記ドラムユニットDが上記取り出し位置にまで移動したときには,上記上レール21と上記下レール22との間隔の広がりによって上記帯電ローラ12と上記感光体ドラム11とが離間される。詳しくは後述する。
すなわち,上記上レール21及び上記下レール22が,離間維持手段の一例に相当する。
【0012】
続いて,上記画像形成装置X本体から上記ドラムユニットDを着脱する動作にともなう各部の動きについて説明する。上記ドラムユニットDの着脱は,上記現像部2が取り外された状態で行われる。
まず,上記ドラムユニットDが上記画像形成装置X本体に装着された状態では,上記ドラムユニットDの突起部14−2,14−3及び上記感光体ドラム11の回転軸11−1は,図5に示す位置にある。
作業者により,上記ドラムユニットDが,上記ドラムユニットD取り外し方向(図5における矢印P1方向)に移動される。このとき,上記突起部14−2,14−3が上記上レール21に案内される。そして,上記回転軸11−1は下レール22に案内されることによって,上記長孔14−1の図6における矢印P6方向端部まで摺動される。これにより,上記画像形成装置Xに対する上記ドラムユニットDの取り出し位置において,上記帯電ローラ12から上記感光体ドラム11が離間される(図9参照)。
また,上記ドラムユニットDが上記画像形成装置X本体から取り外された後は,上記上レール21及び上記下レール22による付勢力の抑制が解除されるので,上記付勢部18の付勢力により,上記帯電ローラ12と上記感光体ドラム11とが離間された状態が維持される。
【0013】
一方,上記ドラムユニットDを上記画像形成装置X本体に装着するには,作業者により,上記上レール21に上記突起部14−2,14−3が嵌入され,上記下レール22に上記回転軸11−1が嵌入される。続いて,作業者により,上記ドラムユニットDが,上記ドラムユニットD装着方向(図5における矢印P2方向)に移動される。このとき,上記突起部14−2,14−3が上記上レール21に案内される。そして,上記回転軸11−1は上記下レール22に案内されることによって摺動し,上記長孔14−1の図6における矢印P5方向端部に押し付けられ,上記付勢部18による付勢力が抑制される。これにより,上記ドラムユニットDが装着時には,上記帯電ローラ12に上記感光体ドラム11が押圧されて,上記帯電ローラ12と上記感光体ドラム11とが当接する。
なお,本実施の形態では上記現像部2と上記ドラムユニットDとが別々の構成であるが,一体となっていてもかまわない。
【0014】
このように,上記ドラムユニットDを取り出し位置まで移動させるだけで,上記感光体ドラム11と上記帯電ローラ12とが離間する。そして,上記ドラムユニットDが上記画像形成装置X本体から取り出された後も,上記付勢部18の付勢力により,上記感光体ドラム11は,上記帯電ローラ12から離間された状態が維持される。
また,上記ドラムユニットDの装着時に,上記ドラムユニットDの一部を押さえながら装着するなどといったやりにくい作業を行うことなく,上記ドラムユニットDを当該画像形成装置X本体に簡単に装着することができる。そして,上記画像形成装置X本体に装着するだけで,上記感光体ドラム11と上記帯電ローラ12とが当接される。
これにより,上記感光体ドラム11及び上記帯電ローラ12を備えたドラムユニットD装着時の作業性を高めることができる。
【0015】
上述のように上記帯電ローラ12と上記感光体ドラム11とが離間した状態で,上記帯電ローラ12と上記感光体ドラム11との接触部分の清掃が行われる。上記帯電ローラ12の清掃のために,上記帯電ローラ12と上記感光体ドラム11とが離間した状態で上記帯電ローラ12を摺動可能な環状部16が設けられている。
上記上レール21と上記下レール22との間隔が,上記帯電ローラ12の外周を上記環状部16が接触しながら摺動することが可能なほど上記感光体ドラム11と上記帯電ローラ12とを離間させる間隔であれば,上記ドラムユニットDを当該画像形成装置X本体から完全に取り外さなくても,上記取り出し位置において,上記環状部16が上記帯電ローラ12に沿ってその回転軸方向に移動可能であるので,上記環状部16を摺動させることにより,上記帯電ローラ12を清掃することができる。
ここに上記環状部16は,上記帯電ローラ12の外周上に接触して摺動可能な大きさの環状の部材である。図7(b)に示すように,上記環状部16の内側は,例えば,アクリルパイルや発泡ウレタンなどの弾性部材で形成されている。上記環状部16の穴に,上記帯電ローラ12が嵌入される。
なお,上記環状部16はこの形に限らず,上記帯電ローラ12に接触して外周を摺動し,そのクリーニングを行い得るものであれば,どのような形状でもかまわない。
上記支持部17は,図7(a)に示すように,上記環状部16を支持し,上記環状部16を移動させるための把手であり,上記帯電ローラハウジング部15の溝部の幅より小さい中央部17−1と,上記中央部17−1上部に設けられ,上記溝部の幅より大きい把手部17−2とが備えられている。上記中央部17−1は,上記帯電ローラハウジング部15の上記帯電ローラ12に沿って設けられた溝部に嵌入されている。このような構成より,上記感光体ドラム11と上記帯電ローラ12とが離間された状態で,上記支持部17は,上記帯電ローラハウジング部15上において,上記帯電ローラ12の回転軸方向のみに移動可能であり,上記環状部16を上記帯電ローラ12の回転軸方向に移動させることが可能な支持部材である。
ところで,上記感光体ドラム11の端部には,フランジ部11−2が形成されている。上記感光体ドラム11が上記帯電ローラ12と当接しているときは,図3に示すように,上記フランジ部11−2の側端部が上記環状部16に当接している。そのため,上記感光体ドラム11と上記帯電ローラ12とが当接しているときは,上記環状部16を上記帯電ローラ12の回転軸方向に移動させることができない。
一方,上記感光体ドラム11と上記帯電ローラ12とが離間しているときは,図9に示すように,上記フランジ部11−2が上記環状部16に当接しないので,上記環状部16を,上記支持部17により,上記帯電ローラ12の回転軸方向(図8における矢印P3,P4方向)に移動させることができる。
なお,支持部17はこの形に限らず,上記環状部16を上記帯電ローラ12の回転軸方向に移動させるものであれば,どのような形状でもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置Xの断面図。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像形成装置Xの側面カバー及び現像部2を取り外した状態の斜視図。
【図3】本発明の実施の形態に係る画像形成装置Xに装着時の図1における矢印P7方向から見たドラムユニットDの斜視図。
【図4】ドラムユニットDから側面支持部材14を取り外した模式図。
【図5】本発明の実施の形態に係る画像形成装置Xの感光体ドラム11の回転軸11−1及びドラムユニットDの突起部14−2,14−3が上レール21及び下レール22に案内される経路を説明するための模式図。
【図6】図3のP方向から見た感光体ドラム11の回転軸11−1及びドラムユニットDの突起部14−2,14−3近傍の模式図。
【図7】環状部16及び支持部17の模式図。
【図8】支持部17近傍の拡大図。
【図9】本発明の実施の形態に係る画像形成装置XのドラムユニットD取り出し位置におけるドラムユニットDの斜視図。
【符号の説明】
【0017】
1…露光部
2…現像部
3…転写部
11…感光体ドラム
11−1…回転軸
11−2…フランジ部
12…帯電ローラ
13…上部支持部材
14…側部支持部材
14−1…長孔
14−2,14−3…突起部
15…帯電ローラハウジング部
16…環状部
17…支持部
18…付勢部
20…筐体
21…上レール
22…下レール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤により現像される静電潜像を担持する回転可能な像担持体と,上記像担持体に平行状態を保って離接自在な帯電ローラと,を備えた作像ユニットを着脱自在に備えてなる画像形成装置であって,
上記帯電ローラ及び上記像担持体の回転軸を当該画像形成装置に対する上記作像ユニットの装着位置から上記作像ユニットの取り出し位置までそれぞれ直接又は間接的に案内する第1及び第2のレールと,
上記作像ユニットが上記取り出し位置にあるときに,上記帯電ローラと上記像担持体とを離間した状態に維持する離間維持手段と,を備え,
上記第1のレールと上記第2のレールとが,上記作像ユニットが上記装着位置にあるときは,上記帯電ローラと上記像担持体とが当接する間隔をあけて設けられ,上記作像ユニットが上記取り出し位置にあるときは,上記帯電ローラと上記像担持体とが離間する間隔をあけて設けられてなることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
上記像担持体及び/又は上記帯電ローラを,上記像担持体と上記帯電ローラとが離接する方向に摺動可能に案内するガイド手段を備えてなり,
上記離間維持手段が,上記像担持体と上記帯電ローラとが離間する方向に付勢する付勢手段である請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
上記作像ユニットが,上記第1のレールに上記帯電ローラを間接的に案内する第1の突起部及び/又は上記第2のレールに上記像担持体を間接的に案内する第2の突起部を備えてなるものである請求項1又は2のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項4】
上記帯電ローラの外周上に接触して摺動可能な弾性部材の環状部と,
上記離間維持手段により上記像担持体と上記帯電ローラとが離間された状態で,上記環状部を上記帯電ローラの回転軸方向に移動自在に支持する支持部と,
を備えてなる請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
上記第1のレールと上記第2のレールとの上記取り出し位置における間隔が,上記環状部が上記帯電ローラに沿ってその回転軸方向に移動可能な程度の間隔である請求項4に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−3340(P2008−3340A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−173299(P2006−173299)
【出願日】平成18年6月23日(2006.6.23)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】