説明

画像形成装置

【課題】出力画像のバンディングを抑制することができる画像形成装置を得る。
【解決手段】フレーム部材に固定された断面コ字形状とされるブラケット64が、支持部材38を囲むようにLPH20の長手方向中央部に設けられている。そして、このブラケット64の立設板64Aには、支持部材38の側面部38Bを付勢する板ばね60、及び板ばね62が設けられている。このように、両端部が支持されたLPH20の側面部38Bを両側から板ばね60、及び板ばね62で付勢することで、支持点間の距離が短くなり、LPH20の固有周波数を高くすることができる。また、各部を駆動するモータ等の振動によりLPH20が加振されても、LPH20の振幅が小さくなるため、出力画像のバンディングを抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体ドラムの表面を露光する複数個の発光素子が並べられた発光器を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の画像形成装置では、感光体ドラムの軸方向へ延びる発光器が、感光体ドラムの表面に沿って配置されている。この発光器の両端部には、感光体ドラムへ向って延びる当接ピンが設けられている。そして、この当接ピンの先端部を感光体ドラムの軸受部材と当接させることで、発光器の焦点距離を所定の距離に保つことができ、良質な出力画像を得ることが出来るようになっている。
【特許文献1】特開2001−130047公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、発光器の中央部には、当接ピンが設けられていないため、発光器に外力が作用すると発光器の中央部では、発光器が変形して発光器の焦点距離を所定の距離に保つことができない。仮に発光器の中央部に当接ピンを設けると、感光体ドラムの露光領域に当接させなければならないため、発光器の中央部に当接ピンを設けることはできない。
【0004】
そこで、この画像形成装置の発光器では、各部を駆動するモータ等の振動による外乱により発光器の中央部が変形し、発光器が振動する。この発光器の振動により、発光器の焦点距離が変化し、出力画像にすじ(所謂バンディング)が発生することが考えられる。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、出力画像のバンディングを抑制することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る画像形成装置は、光の照射によって潜像が形成される感光体ドラムと、前記感光体ドラムの軸方向に沿って延びると共に、前記感光体ドラムの表面へ光を照射する複数の発光素子が並べられ、フレーム部材に両端部が支持された脱着可能な発光器と、前記発光器の外面である第1外面部を付勢する第1付勢手段と、前記第1外面部の反対側の外面である第2外面部を付勢する第2付勢手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
上記構成によれば、フレーム部材に両端部が支持された脱着可能な発光器には、感光体ドラムの表面へ光を照射する複数の発光素子が設けられている。この発光器が、感光体ドラムに光を照射して感光体ドラムの表面に潜像を形成する。
【0008】
また、第1付勢手段が、発光器の外面である第1外面部を付勢し、さらに、第2付勢手段が、第1外面部の反対側の外面である第2外面部を付勢して両側から挟む。
【0009】
ここで、このような発光器を用いた画像形成装置では、各部を駆動するモータ等の振動により発光器が加振され、発光器の焦点距離等が変化して、出力画像にすじ(所謂バンディング)が発生する場合がある。
【0010】
しかし、本発明では、第1付勢手段が、第1外面部を付勢し、第2付勢手段が、第1外面部の反対側の外面である第2外面部を付勢している。
【0011】
これにより、支持点間の距離が短くなり発光器の固有周波数を高くすることができる。
【0012】
また、各部を駆動するモータ等の振動により発光器が加振されても、発光器の振幅が小さくなるため、出力画像のバンディングを抑制することができる。
【0013】
さらに、第1付勢手段だけが第1外面部を付勢する場合と比較すると、第2付勢手段が第1外面部の反対側の第2外面部を付勢するため、付勢力による発光器の変形を抑制することができる。
【0014】
本発明の請求項2に係る画像形成装置は、請求項1に記載において、前記発光器は、前記発光素子が発光した光を透過する光学部材と、前記光学部材を支持する直方体形状の支持部材と、を備え、前記支持部材は、前記光学部材の焦点方向と直交する直交面部と、前記直交面部と直交する側面部と、を備え、前記第1外面部と前記第2外面部は、前記側面部であることを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、発光器は、発光素子が発光した光を透過する光学部材と、光学部材を支持する直方体形状の支持部材を備えている。
【0016】
また、支持部材は、発光器の焦点方向と直交する直交面部と、直交面部と直交する側面部を備えている。
【0017】
そして、第1付勢手段、及び第2付勢手段が付勢する第1外面部、及び第2外面部は、支持部材の側面部である。
【0018】
これにより、側面部が側方へ振動しようとする発光器の固有周波数を高くすることができる。
【0019】
本発明の請求項3に係る画像形成装置は、光の照射によって潜像が形成される感光体ドラムと、前記感光体ドラムの軸方向に沿って延びると共に、前記感光体ドラムの表面へ光を照射する複数の発光素子が並べられ、フレーム部材に両端部が支持された脱着可能な発光器と、前記発光器に中空部が形成され、前記中空部を構成する内面である第1内面部を付勢する第1付勢手段と、前記第1内面部に対向する他の内面である第2内面部を付勢する第2付勢手段と、を備えることを特徴とする。
【0020】
上記構成によれば、フレーム部材に両端部が支持された脱着可能な発光器には、感光体ドラムの表面へ光を照射する複数の発光素子が設けられている。この発光器が、感光体ドラムに光を照射して感光体ドラムの表面に潜像を形成する。
【0021】
また、第1付勢手段が、発光器に形成された中空部の内面である第1内面部を付勢し、さらに、第2付勢手段が、第1内面部に対向する内面である第2内面部を付勢する。
【0022】
ここで、このような発光器を用いた画像形成装置では、発光器が各部を駆動するモータ等の振動により加振され、発光器の焦点距離等が変化して、出力画像にすじ(所謂バンディング)が発生する場合がある。
【0023】
しかし、本発明では、第1付勢手段が、第1内面部を付勢し、第2付勢手段が、第1内面部に対向する第2内面部を付勢している。
【0024】
これにより、支持点間の距離が短くなり発光器の固有周波数を高くすることができる。
【0025】
また、各部を駆動するモータ等の振動により発光器が加振されても、発光器の振幅が小さくなるため、出力画像のバンディングを抑制することができる。
【0026】
さらに、第1付勢手段だけが第1内面部を付勢する場合と比較すると、第2付勢手段が第1内面部に対向する第2内面部を付勢するため、付勢力による発光器の変形を抑制することができる。
【0027】
本発明の請求項4に係る画像形成装置は、請求項1から3何れか1に記載において、前記第1付勢手段及び前記第2付勢手段は、前記発光器の長手方向中央部を付勢することを特徴とする。
【0028】
上記構成によれば、第1付勢手段及び第2付勢手段は、発光器の長手方向中央部を付勢する。このため、支持点間の距離が等しくなり、発光器の長手方向中央部を付勢しない場合と比較すると、効率良く発光器の振動を抑えることができる。
【0029】
本発明の請求項5に係る画像形成装置は、請求項4に記載において、前記第1付勢手段及び前記第2付勢手段は、板ばねであり、前記第1付勢手段と前記第2付勢手段の付勢力が同一であることを特徴とする。
【0030】
上記構成によれば、第1付勢手段及び第2付勢手段は、板ばねであり、第1付勢手段と第2付勢手段の付勢力が同一である。このため、発光器が付勢力によって片側に変形することはない。
【0031】
本発明の請求項6に係る画像形成装置は、請求項5に記載において、前記板ばねは、単数又は複数で構成されることを特徴とする。
【0032】
上記構成によれば、板ばねは、単数又は複数で構成される。つまり、単数又は複数個の板ばねを使用することで発光器の固有周波数を高くすることができる。
【0033】
本発明の請求項7に係る画像形成装置は、請求項6項に記載において、前記板ばねのバネ定数が同一であることを特徴とする。
【0034】
上記構成によれば、同一のバネ定数の板ばねを使用することができる。
【0035】
本発明の請求項8に係る画像形成装置は、光の照射によって潜像が形成される感光体ドラムと、前記感光体ドラムの軸方向に沿って延びると共に、前記感光体ドラムの表面へ光を照射する複数の発光素子が並べられ、両端部が支持された脱着可能な発光器と、前記発光器と当接する当接部材と、前記当接部材を前記発光器に当接及び離間する方向へ移動可能に支持する保持部材と、前記発光器に前記当接部材が当接した状態で前記当接部材を前記保持部材に固定する固定部材と、を備えることを特徴とする。
【0036】
上記構成によれば、両端部が支持された脱着可能な発光器には、感光体ドラムの表面へ光を照射する複数の発光素子が設けられている。この発光器が、感光体ドラムに光を照射して感光体ドラムの表面に潜像を形成する。
【0037】
また、発光器と当接する当接部材が設けられており、保持部材は、当接部材を発光器に当接及び離間する方向へ移動可能に支持する。
【0038】
さらに、固定部材は、発光器に当接部材が当接した状態で当接部材を保持部材に固定する。
【0039】
このため、発光器の支持点間の距離が短くなり固有周波数を高くすることができる。
【0040】
また、各部を駆動するモータ等の振動により発光器が加振されても、発光器の振幅が小さくなるため、出力画像のバンディングを抑制することができる。
【0041】
本発明の請求項9に係る画像形成装置は、請求項8に記載において、前記当接部材を前記発光器に当接する方向へ付勢する付勢部材が設けられたことを特徴とする。
【0042】
上記構成によれば、付勢部材は、当接部材を発光器に当接する方向へ付勢する。このため、手で当接部材を押し付けなくても発光器に当接部材を当接させることができる。
【0043】
本発明の請求項10に係る画像形成装置は、請求項9に記載において、前記当接部材は、前記発光器に沿って設けられ、前記当接部材の両端部に前記付勢部材が設けられることを特徴とする。
【0044】
上記構成によれば、当接部材は、発光器に沿って設けられている。また、付勢部材は、当接部材の両端部に設けられている。このため、付勢部材は、当接部材を当接部材の両端部から発光器へ向けてバランス良く付勢することができる。
【0045】
本発明の請求項11に係る画像形成装置は、請求項9に記載において、前記当接部材は、前記発光器に沿って設けられ、前記当接部材の一端には、前記当接部材を揺動可能に支持する軸部材が設けられ、前記当接部材の他端には、前記付勢部材が設けられることを特徴とする。
【0046】
上記構成によれば、当接部材は、発光器に沿って設けられている。また、当接部材の一端には、当接部材を揺動可能に支持する軸部材が設けられ、当接部材の他端には、付勢部材が設けられている。このように、1個の付勢部材で当接部材を発光器へ向けて付勢することができる。
【0047】
本発明の請求項12に係る画像形成装置は、光の照射によって潜像が形成される感光体ドラムと、前記感光体ドラムの軸方向に沿って延びると共に、前記感光体ドラムの表面へ光を照射する複数の発光素子が並べられ、両端部が支持されると共に、前記軸方向へ脱着可能な発光器と、前記発光器と当接する当接部材と、前記当接部材を前記感光体ドラムの前記軸方向へ移動可能に支持する保持部材と、前記発光器に設けられ、装着時に前記発光器が前記軸方向へ装填されると前記当接部材と当接する突起部と、前記突起部に前記当接部材が当接した位置で前記当接部材を前記保持部材に固定する固定部材と、を備えることを特徴とする。
【0048】
上記構成によれば、両端部が支持された脱着可能な発光器には、感光体ドラムの表面へ光を照射する複数の発光素子が設けられている。この発光器が、感光体ドラムに光を照射して感光体ドラムの表面に潜像を形成する。
【0049】
また、発光器と当接する当接部材が設けられており、保持部材は、当接部材を感光体ドラムの軸方向へ移動可能に支持する。
【0050】
さらに、発光器に設けられた突起部が、装着時に発光器が軸方向へ装填されると当接部材と当接する。
【0051】
また、固定部材は、突起部に当接部材が当接した状態で当接部材を保持部材に固定する。
【0052】
これにより、両端部が支持された発光器の突起部は、当接部材に当接する。このため、支持点間の距離が短くなり発光器の固有周波数を高くすることができる。
【0053】
また、各部を駆動するモータ等の振動により発光器が加振されても、発光器の振幅が小さくなるため、出力画像のバンディングを抑制することができる。
【0054】
また、当接部材を軸方向へ移動させることで、コンパクトな構成とすることができる。
【発明の効果】
【0055】
本発明の画像形成装置によれば、出力画像のバンディングを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の実施形態を図1〜図5に従って説明する。
【0057】
図5に示されるように、画像形成装置10には、本体を構成する筐体11の内部に、複数のローラ12に張架され、モータ(図示省略)の駆動により矢印A方向に搬送される無端ベルト状の中間転写体ベルト14が設けられている。
【0058】
この画像形成装置10は、カラー画像の形成に対応しており、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色に対応するトナー像を形成する画像形成ユニット15Y、15M、15C、15Kが、中間転写体ベルト14の長手方向に沿って配置されている。
【0059】
なお、各色毎に設けられた部材については、符号の末尾に各々の色を示すアルファベット(Y/M/C/K)を付与して示すが、特に色を区別せずに説明する場合は、この符号末尾のアルファベットを省略して説明する。
【0060】
画像形成ユニット15は、図示しないモータ及びギアからなる駆動手段によって反時計方向へ回転する感光体ドラム16を備えている。
【0061】
さらに、感光体ドラム16の周面には、感光体ドラム16の表面を所定の電位に一様に帯電させるための帯電ローラ18が配置されている。帯電ローラ18は、導電性のローラであり、その周面が感光体ドラム16の周面に接触し、かつ帯電ローラ18の軸線方向と感光体ドラム16の軸線方向とが一致するように配設されている。
【0062】
また、感光体ドラム16の回転方向の帯電ローラ18よりも下流側の周面には、感光体ドラム16上に静電潜像を形成するための発光素子としてのLED(発光ダイオード)を光源とした発光器としてのLEDプリントヘッド(LPH)20が感光体ドラム16の軸方向に延びて備えられている。なお、以後、LEDプリントヘッド20をLPH20と記載する。
【0063】
図4に示すように、LPH20は、多数のLEDをライン状に配列したLEDチップ30が配置されたLEDアレイ28と、LEDから出力された光を感光体表面に結像させるために、複数のロッドレンズを配列したセルフォックレンズアレイ32と、セルフォックレンズアレイ32を支持する直方体状の支持部材38を含んで構成されている。
【0064】
詳細には、LEDアレイ28は、LEDアレイ28の駆動を制御する各種信号を供給するための回路が形成されたプリント基板28Aに、LEDチップ30が複数配置されて構成されている。LEDアレイ28全体のLEDの数は、解像度に応じた画素(ドット)数分、例えば、A3サイズ(420mm×297mm)の用紙まで対応し、LEDの配列方向(LPH長手方向)について600dpiで印刷する場合には、約7020個設けられている。
【0065】
さらに、LEDチップ30は、各々のLEDの配列方向をLPH20の長手方向に一致させるとともに、取付位置を所定のピッチだけ交互にずらしてLPH20の長手方向に並べられ(千鳥配置)、プリント基板28Aに取り付けられている。
【0066】
このようにLEDチップ30を千鳥配置にしたことにより、LPH20の長手方向に隣接するLEDチップ30のLPH長手方向位置を重複させて配置することができ、各LEDの間隔にばらつきが発生することがないようになっている。
【0067】
なお、LEDチップ30の配置は、LPH長手方向のLEDの配設間隔が等間隔であれば、千鳥配置に拘らず一列に並べて配置してもよいし、LEDチップ30を複数個ではなく1つだけ配置してあってもよい。
【0068】
また、セルフォックレンズアレイ32は、結像レンズとして、LEDアレイ28と感光体ドラム16との間に設けられている。セルフォックレンズアレイ32は、屈折率分布型のロッドレンズが、例えば、解像度に応じた各画素(ドット)に対応したピッチで配列されて構成されており、各LEDから出射された光ビームを感光体ドラム16上に結像させる。なお、LPH20については、詳細を後述する。
【0069】
上記構成のLPH20は、画像データに応じて光ビームを感光体ドラム16に照射することにより、感光体ドラム16上に静電潜像を形成するようになっている。
【0070】
さらに、図5に示されるように、各感光体ドラム16の回転方向のLPH20よりも下流側の周面には、感光体ドラム16上に形成された静電潜像を所定色(イエロー/マゼンタ/シアン/ブラック)のトナーによって現像してトナー像を形成させる現像器22が配設されている。
【0071】
現像器22は、感光体ドラム16に近接配置され、回転可能に設けられた円筒状の現像ローラ24を有している。現像ローラ24は、現像バイアスが印加され、現像器22内に装填されたトナーが周面に付着される。現像ローラ24の回転により、現像ローラ24に付着されたトナーが感光体ドラム16の表面に搬送され、トナーが感光体ドラム16に擦りつけられて、感光体ドラム16上に形成された静電潜像が現像される構成となっている。
【0072】
また、各感光体ドラム16の回転方向の現像器22よりも下流側の周面には、各感光体ドラム16上のトナー像を中間転写体ベルト14に転写する転写ローラ25が設けられている。転写ローラ25は、所定の電位に帯電されて時計方向に回転して中間転写体ベルト14を所定の速度で搬送し、感光体ドラム16に順次対向させる。これにより、転写ローラ25は、感光体ドラム16上のトナーを中間転写体ベルト14上に転写させるようになっている。
【0073】
また、感光体ドラム16の周面の転写ローラ25よりも下流側には、感光体ドラム16上の転写残トナーやリトランスファートナー等の残留トナーを回収するクリーニングブレード26が配置されている。クリーニングブレード26は、一辺が感光体ドラム16と接触するように配設されており、中間転写体ベルト14に転写されずに感光体ドラム16上に残留したトナーや、転写時に感光体ドラム16上に付着してしまった他の色のトナー等を削ぎとって回収するようになっている。
【0074】
ここで、各画像形成ユニット15により形成された互いに異なる色のトナー像は、中間転写体ベルト14のベルト面上で、互いに重なり合うように転写される。これにより、中間転写体ベルト14上にカラーのトナー像が形成される。なお、本実施形態では、このようにして4色のトナー像が重ねて転写されたトナー像を最終トナー像と称する。
【0075】
4つの画像形成ユニット15よりも中間転写体ベルト14の搬送方向下流側には、対向する2つのローラ34A、34Bからなる転写装置34が配設されている。中間転写体ベルト14上に形成された最終トナー像は、このローラ34A、34Bの間に送り込まれ、画像形成装置10の底部に設けられた用紙トレイ36から取り出されて、同じくローラ34A、34Bの間に搬送されてきたシート材Pに転写されるようになっている。
【0076】
また、最終トナー像が転写されたシート材Pの搬送経路には、加熱ローラ40Aと加圧ローラ40Bとからなる定着装置40が配設されている。定着装置40に搬送されたシート材Pは、加熱ローラ40Aと加圧ローラ40Bとによって挟持搬送されることにより、シート材P上のトナーが溶融すると共にシート材Pに圧着されて、定着される。
【0077】
一方、転写装置34よりも中間転写体ベルト14の搬送方向下流側には、転写装置34によってシート材Pに転写されずに中間転写体ベルト14上に残留したトナーを回収するクリーナ42が配設されている。クリーナ42には、中間転写体ベルト14に接するようにブレード44が備えられており、残留したトナーを擦り取ることによって回収する。
【0078】
上記構成による画像形成装置10では、次のようにして画像が形成される。
【0079】
まず、帯電ローラ18が、感光体ドラム16の表面を予定の帯電部電位で一様にマイナス帯電する。さらに、帯電された感光体ドラム16上の画像部分が予定の露光部電位になるようにLHP20で露光を行ない感光体ドラム16上に静電潜像が形成される。
【0080】
すなわち、図示せぬ制御部から供給される画像データに基づき、LHP20のレーザ光をオン・オフすることによって画像に対応した静電潜像が各感光体ドラム16上に形成される。
【0081】
さらに、回転する感光体ドラム16上の静電潜像が現像器22に備えられた現像ローラ24を通過すると、電気力によって現像剤Gのトナーが静電潜像へ付着し、静電潜像はトナー画像として可視化される。
【0082】
可視化された各色のトナー画像は、転写ローラ25の電気力で中間転写体ベルト14へ順次転写され、中間転写体ベルト14上にカラーの最終トナー画像が形成される。
【0083】
この最終トナー像は、転写装置34に設けられたローラ34A、34Bの間に送り込まれ、用紙トレイ36から取り出されて、同じくローラ34A、34Bの間に搬送されてきたシート材Pに転写される。
【0084】
さらに、シート材Pへ転写されたトナー画像は定着装置40で定着され、シート材Pは、装置外へ排出される。
【0085】
次に、LPH20、及び感光体ドラム16について詳細に説明する。
【0086】
図1に示されるように、感光体ドラム16は、両端面から外側へ突設された円柱状の軸部50を有している。さらに、感光体ドラム16の両端部には、円筒形状のベアリング52がそれぞれ設けられ、感光体ドラム16は、ベアリング52に対して回転可能とされている。
【0087】
さらに、感光体ドラム16と対向するように、感光体ドラム16の下方には、LPH20が配置されている。
【0088】
また、LPH20の支持部材38は、LPH20の焦点方向と直交面部38Aと、直交面部38Aと直交する側面部38Bを備えている。
【0089】
一方、図1、図3に示されるように、LPH20の両端部には、図示せぬフレーム部材に固定され、上方が開放された断面コ字形状とされるブラケット54が設けられている。
【0090】
このブラケット54の立設板54Aの内側には、半球形状の突起部56が設けられており、突起部56に対向する立設板54Aには、断面く字形状の板ばね58が設けられている。この板ばね58の端部は、立設板54Aに固定され、板ばね58は、支持部材38の側面部38Bを付勢し、支持部材38を突起部56に押し付けている。
【0091】
この構成により、LPH20の両端部は、ブラケット54に支持されるようになっている。
【0092】
また、LPH20は、感光体ドラム16(図1参照)の軸方向に脱着可能とされており、図3(A)に示すLPH20の装着位置から駆動手段(図示省略)によってLPH20を軸方向(矢印B方向)へ移動させることで図3(B)に示すように離脱するようになっている。
【0093】
一方、図1に示されるように、フレーム部材に固定され、上方が開放された断面コ字形状とされるブラケット64が、支持部材38を囲むようにLPH20の長手方向中央部に設けられている。そして、このブラケット64の立設板64Aには、支持部材38の側面部38Bを付勢する第1付勢手段及び第2付勢手段としての板ばね60、及び板ばね62が設けられている。
【0094】
詳細には、図2(A)に示されるように、ブラケット64の立設板64Aには、上側(感光体ドラム16側)から見て、断面く字形状の板ばね60が設けられている。この板ばね60の端部は、立設板64Aに固定され、板ばね60は、支持部材38の側面部38Bを付勢している。
【0095】
さらに、板ばね60が固定される立設板64Aと対向する立設板64Aにも、断面く字形状の板ばね62が設けられている。この板ばね62の端部は、立設板64Aに固定され、板ばね62は、板ばね60によって付勢される側面部38Bと反対側の側面部38Bを付勢している。
【0096】
また、板ばね60のバネ定数と板ばね62のバネ定数は同数とされており、さらに、板ばね60が側面部38Bを付勢する付勢力と板ばね62が側面部38Bを付勢する付勢力が同じになるように各部品の位置関係が決められている。
【0097】
このように、両端部がブラケット54で支持されたLPH20の中央部の側面部38Bを両側から板ばね60、及び板ばね62で付勢することで、支持点間の距離が短くなり、LPH20が側方へ振動しようとする固有周波数を高くすることができる。
【0098】
また、各部を駆動するモータ等の振動によりLPH20が加振されても、LPH20の振幅が小さくなるため、出力画像のバンディングを抑制することができる。
【0099】
ここで、仮に、片側の側面部38Bだけを付勢して、同じ固有周波数を得る場合と比較すると、それぞれの側面部38Bを付勢することで、板ばね60、及び板ばね62のバネ定数を半分にすることができる。
【0100】
また、板ばね60、及び板ばね62の側面部38Bへの付勢力が同一であるため、LPH20が付勢力によって片側に変形することはない。
【0101】
また、板ばねがLPH20の長手方向中央部を付勢しない場合と比較すると、LPH20は、両端と中央部でバランスよく支持されるため、効果的にLPH20の固有周波数を高くすることができる。
【0102】
次に第2実施形態の画像形成装置10について図6、図7に従って説明する。
【0103】
なお、第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0104】
この実施形態では、図6、図7に示されるように、LPH20の側面部38Bを付勢する板ばねは、第1実施形態と違い、4個設けられている。
【0105】
詳細には、図7(A)に示されるように、LPH20の長手方向中央部に設けられた断面コ字形状のブラケット70の立設板70Aには、上側(感光体ドラム16側)から見て、断面く字形状の板ばね72が並んで2個設けられている。この板ばね72の端部は、立設板70Aに固定され、板ばね72は、支持部材38の側面部38Bを付勢している。
【0106】
さらに、板ばね72が固定される立設板70Aと対向する立設板70Aにも、断面く字形状の板ばね74が設けられている。この板ばね74の端部は、立設板70Aに固定され、板ばね74は、板ばね72によって付勢される側面部38Bと反対側の側面部38Bを付勢している。
【0107】
このように、4個の板ばね72、板ばね74を使用することでLPH20の固有周波数を高くすることができる。
【0108】
また、2個の板ばねを使用して、LPH20を付勢して同じ固有周波数を得る場合と比較すると、バネ定数を半分にすることができる。
【0109】
次に第3実施形態の画像形成装置10について図8、図9に従って説明する。
【0110】
なお、第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0111】
この実施形態では、図8に示されるように、長手方向に対して直交する支持部材80の断面は、第1実施形態と違い、下側(感光体ドラム16と対向しない側)が開放されたコ字形状(中空形状)とされている。
【0112】
また、支持部材80の立設板82の内側の面である第1内面部82Aと、第1内面部82Aと対向する第2内面部82Bとを付勢する板ばね92、板ばね94が設けられている。
【0113】
詳細には、フレーム部材に固定され、断面逆T字形状とされたブラケット88は、ブラケット88の立板90が支持部材80の内側に配置されるように設けられている。
【0114】
図9(A)に示されるように、立板90の板面部90Aには、上側(感光体ドラム16側)から見て、断面く字形状の板ばね92が設けられている。この板ばね92の端部は、立板90に固定され、板ばね92は、支持部材38の第1内面部82Aを付勢している。
【0115】
同様に、立板90の板面部90Aの反対側の板面部90Bには、上側(感光体ドラム16側)から見て、断面く字形状の板ばね94が設けられている。この板ばね94の端部は、立板90に固定され、板ばね94は、支持部材38の第2内面部82Bを付勢している。
【0116】
このように、両端部がブラケット54で支持されたLPH20の第1内面部82A及び第2内面部82Bを板ばね92及び板ばね94で付勢することで、支持点間の距離が短くなり、LPH20が側方の固有周波数を高くすることができる。
【0117】
次に第4実施形態の画像形成装置10について図10から図12に従って説明する。
【0118】
なお、第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0119】
この実施形態では、図10に示されるように、長手方向に対して直交する支持部材100の断面は、第1実施形態と違い、側方が開放されたコ字形状(中空形状)とされている。また、LPH20の両端部のブラケット102の断面は、支持部材100が開放された側方とは反対側の側方が開放されたコ字形状とされている。
【0120】
詳細には、図12(A)に示されるように、LPH20の両端部には、図示せぬフレーム部材に固定され、側方が開放された断面コ字形状とされるブラケット102が設けられている。
【0121】
このブラケット102の突出板102Aの内側には、半球形状の突起部104が設けられており、突起部104に対向する突出板102Aには、断面く字形状の板ばね106が設けられている。この板ばね106の端部は、突出板102Aに固定され、板ばね106は、支持部材100の直交面部100Aを付勢し、支持部材100を突起部104に押し付けている。
【0122】
さらに、コ字形状の支持部材100の端部と突き当たる突起部102Bが、ブラケット102に設けられており、支持部材100の端部を突起部102Bに突き当てることで、支持部材100とブラケット102の側方向における位置関係が決まるようになっている。
【0123】
この構成により、LPH20の両端部は、ブラケット102に支持されるようになっている。
【0124】
また、LPH20は、側方向(図12(A)で示す矢印D方向)に脱着可能とされており、図12(A)に示すLPH20の装着位置から駆動手段(図示省略)によってLPH20を側方向(矢印D方向)へ移動させることで図12(B)に示すように離脱するようになっている。
【0125】
さらに、図10に示されるように、フレーム部材に固定され、断面L字形状とされるブラケット108が、支持部材100に隣接してLPH20の長手方向中央部に設けられている。
【0126】
図11(A)に示されるように、ブラケット108の立設板108Aには、断面く字形状の板ばね110が設けられている。この板ばね110の端部は、立設板108Aに固定され、板ばね110は、支持部材100の直交面部100Aを内側から付勢している。
【0127】
さらに、板ばね110が固定される立設板108Aには、板ばね110と対向するように断面く字形状の板ばね112が設けられている。この板ばね112の端部は、板ばね110と同様に立設板108Aに固定され、板ばね112は、板ばね110によって付勢される直交面部100Aと反対側の直交面部100Bを内側から付勢している。
【0128】
このように、両端部がブラケット102で支持されたLPH20の中央部の直交面部100Aを内側から上下方向へ板ばね110、板ばね112で付勢することで、支持点間の距離が短くなり、LPH20が焦点方向へ振動しようとする固有周波数を高くすることができる。
【0129】
次に第5実施形態の画像形成装置10について図13、図14に従って説明する。
【0130】
なお、第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0131】
この実施形態では、図13に示されるように、第1実施形態のように、支持部材38の側面部38Bの長手方向中央部を付勢する板ばねは設けられておらず、それに替えて、支持部材38の側面部38Bの長手方向中央部と当接する当接部材120が設けられている。
【0132】
詳細には、当接部材120には、側面部38Bと当接する半球状の突起部120Aと、この突起部120Aを支持する矩形状の支持板120Bが設けられている。さらに、支持板120Bの下端は、感光体ドラム16の軸方向へ延びる板状の台板120Cに支持されている。
【0133】
また、台板120Cの両端部には、台板120Cを下方から保持する保持部材122が図示せぬフレーム部材に支持されている。さらに、台板120Cの両端部の下面には、ガイドピン124が設けられており、保持部材122には、このガイドピン124が嵌めこなれると共に、ガイドピン124をLPH20に対して当接離間する方向へガイドするガイド溝122Aが設けられている。この構成により、当接部材120は、LPH20に対して当接離間する方向へ移動可能となっている。
【0134】
また、台板120Cの両端部には、LPH20に対して当接離間する方向へ延びた長穴128が設けられている。さらに、この長穴128を通して見える保持部材122の上面には、雌ネジ穴130(図14(A)参照)が形成されている。また、長穴128を通して雌ネジ穴130に締めこまれる固定部材としてのボルト132が設けられており、ボルト132を雌ネジ穴130に締め込むことで、当接部材120は、保持部材122に固定されるようになっている。
【0135】
さらに、保持部材122の上面には、矩形状の凸部122Bが設けられており、凸部122Bと台板120Cの間には、台板120CをLPH20に向けて付勢するコイルスプリング126が配置されている。
【0136】
ここで、LPH20の装着方法について説明する。
【0137】
図14(A)に示されるように、ボルト132を締め込まない状態で、離脱されたLPH20を駆動部材(図示省略)によって感光体ドラム16(図13参照)の軸方向(矢印F)に沿って移動させて装填する。
【0138】
移動するLPH20の支持部材38の角部Cが突起部120Aの球面に当接し、突起部120Aが角部Cによって押される。突起部120Aが押されると、当接部材120は、ガイドピン124が嵌るガイド溝122Aに沿って、LPH20に対して離間する方向(矢印G方向)移動する。ここで、当接部材120には、コイルスプリング126の付勢力が作用しているため、突起部120Aが支持部材38に接した状態で当接部材120が移動することとなる。
【0139】
図14(B)に示されるように、LPH20が装着位置された状態で、ボルト132を雌ネジ穴130に締めこむことで、側面部38Bに突起部120Aを当接させた状態で当接部材120が保持部材122に固定される。
【0140】
このため、支持点間の距離が短くなり、LPH20の固有周波数を高くすることができる。
【0141】
また、各部を駆動するモータ等の振動によりLPH20が加振されても、LPH20の振幅が小さくなるため、出力画像のバンディングを抑制することができる。
【0142】
また、当接部材120の突起部120AをLPH20に向けて付勢するコイルスプリング126が設けられているため、手で当接部材120を押し付けなくてもLPH20に当接部材120を当接させることができる。
【0143】
また、LPH20の中央部を付勢部材で付勢して、LPHの固有周波数を高くするのと比較すると、LPH20の中央部を付勢する必要がないため、付勢力でLPH20が変形することはない。
【0144】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、コイルスプリング126の付勢力で、当接部材120の突起部120AをLPH20に当接させ、この当接状態でボルト132を締めこんだが、これに替えて、コイルスプリング126を廃止し、作業者が装着位置に移動したLPH20に当接部材120の突起部120Aを当接させ、この当接状態でボルト132を締めこんでもよい。
【0145】
また、図14については、LPH20の作動状況を分かりやすくするため、LPH20の両端部に設けられたブラケット54を省略して記載する。
【0146】
次に第6実施形態の画像形成装置10について図15、図16に従って説明する。
【0147】
なお、第5実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0148】
この実施形態では、図15に示されるように、第5実施形態とは違い、台板120Cの一端は、保持部材140に設けられた軸部材142によって揺動可能に支持されている。
【0149】
また、図16(A)に示されるように、LPH20の装着時には、移動するLPH20の支持部材38の角部Cが突起部120Aの球面に当接し、突起部120Aが角部Cによって押される。突起部120Aが押されると、当接部材120は、軸部材142を中心に揺動し、LPH20に対して離間する方向(矢印H方向)揺動する。ここで、当接部材120には、保持部材122に設けられたコイルスプリング126の付勢力が作用しているため、突起部120Aが支持部材38に接した状態で当接部材120が揺動する。
【0150】
さらに、図16(B)に示すように、LPH20が装着位置に移動した状態で、軸部材142と反対側に配置された保持部材122の雌ネジ穴130にボルト132を締めこむことで当接部材120を保持部材122に固定させる。
【0151】
このように、1個のコイルスプリング126で当接部材120をLPH20へ向けて付勢することができる。
【0152】
また、1本のボルト132で当接部材120を保持部材122に固定することができる。
【0153】
なお、図16については、LPH20の作動状況を分かりやすくするため、LPH20の両端部に設けられたブラケット54を省略して記載する。
【0154】
次に第7実施形態の画像形成装置10について図17、図18に従って説明する。
【0155】
なお、第5実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0156】
この実施形態では、図17に示されるように、第5実施形態とは違い、支持部材38の側面部38Bの長手方向中央部には、当接部材150に設けられた矩形状の支持板150Bと当る半球形状の突起部152が設けられている。
【0157】
詳細には、突起部152と当接する支持板150Bは、感光体ドラム16の軸方向に移動する突起部152と支持板150Bの板面で当るように、傾けられている。さらに、当接部材150には、支持板150Bをその下端部で支持する台板150Cが感光体ドラム16の軸方向へ延びている。
【0158】
台板150Cの両端部には、台板150Cを下方から台板150Cを保持する保持部材154、156が図示せぬフレーム部材に支持されている。
【0159】
LPH20が、脱着される側(紙面左側)に配置された保持部材154と、保持部材154と対向する位置に配置された保持部材156の上面には、先端部が一回り大きくされたピン148が夫々設けられている。
【0160】
また、台板150Cの両端部には、感光体ドラム16の軸方向へ延びると共に、ピン148が通された長穴158が夫々設けられている。この構成により、当接部材150は、感光体ドラム16の軸方向へ移動可能となっている。
【0161】
さらに、保持部材156に保持された台板150Cの一端部には、台板150Cを保持部材154側へ向けて付勢するコイルスプリング160が設けられている。
【0162】
また、長穴158を通して見える保持部材154の上面には、雌ネジ穴162(図18(A)参照)が形成されている。さらに、長穴158を通して雌ネジ穴162に締めこまれる固定部材としてのボルト164が設けられており、ボルト164を雌ネジ穴162に締め込むことで、当接部材150は、保持部材154に固定されるようになっている。
【0163】
ここで、LPH20の装着方法について説明する。
【0164】
図18(A)に示されるように、ボルト164を締め込まない状態で、離脱されたLPH20を駆動部材(図示省略)によって感光体ドラム16(図17参照)の軸方向(矢印J)に沿って移動させる。
【0165】
そして、移動するLPH20の側面部38Bに設けられた突起部152の球面が支持板150Bに当接し、LPH20の押圧力によって、当接部材150は、ピン148が嵌る長穴158に沿って、感光体ドラム16の軸方向(矢印J方向)へ移動する。ここで、当接部材150には、コイルスプリング160の付勢力が作用しているため、支持板150Bが突起部152に接した状態で当接部材120が移動することとなる。
【0166】
図18(B)に示されるように、LPH20が装着位置に移動した状態で、ボルト164を雌ネジ穴162に締めこむことで、ボルト164は、突起部152に支持板150Bを当接させた状態で当接部材150を保持部材154に固定する。
【0167】
このように、当接部材150を軸方向へ移動させることで、コンパクトな構成とすることができる。
【0168】
なお、図18については、LPH20の作動状況を分かりやすくするため、LPH20の両端部に設けられたブラケット54を省略して記載する。
【図面の簡単な説明】
【0169】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置に採用された、感光体ドラム及びLPH等を示した斜視図である。
【図2】(A)(B)本発明の第1実施形態に係る画像形成装置に採用された、LPH及びLPHの中央部に配置されたブラケット等を示した平面図である。
【図3】(A)(B)本発明の第1実施形態に係る画像形成装置に採用された、LPH及びLPHの端部に配置されたブラケット等を示した平面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置に採用された、LPHを示した斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置を示した概略構成図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置に採用された、感光体ドラム及びLPH等を示した斜視図である。
【図7】(A)(B)本発明の第2実施形態に係る画像形成装置に採用された、LPH及びLPHの中央部に配置されたブラケット等を示した平面図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る画像形成装置に採用された、感光体ドラム及びLPH等を示した斜視図である。
【図9】(A)(B)本発明の第3実施形態に係る画像形成装置に採用された、LPH及びLPHの中央部に配置されたブラケット等を示した断面図である。
【図10】本発明の第4実施形態に係る画像形成装置に採用された、感光体ドラム及びLPH等を示した斜視図である。
【図11】(A)(B)本発明の第4実施形態に係る画像形成装置に採用された、LPH及びLPHの中央部に配置されたブラケット等を示した断面図である。
【図12】(A)(B)本発明の第4実施形態に係る画像形成装置に採用された、LPH及びLPHの端部に配置されたブラケット等を示した断面図である。
【図13】本発明の第5実施形態に係る画像形成装置に採用された、感光体ドラム及びLPH等を示した斜視図である。
【図14】(A)(B)本発明の第5実施形態に係る画像形成装置に採用された、LPH及び当接部材等を示した平面図である。
【図15】本発明の第6実施形態に係る画像形成装置に採用された、感光体ドラム及びLPH等を示した斜視図である。
【図16】(A)(B)本発明の第6実施形態に係る画像形成装置に採用された、LPH及び当接部材等を示した平面図である。
【図17】本発明の第7実施形態に係る画像形成装置に採用された、感光体ドラム及びLPH等を示した斜視図である。
【図18】(A)(B)本発明の第7実施形態に係る画像形成装置に採用された、LPH及び当接部材等を示した平面図である。
【符号の説明】
【0170】
10 画像形成装置
16 感光体ドラム
20 LPH(発光器)
32 セルフォックレンズアレイ(光学部材)
38 支持部材
38B 側面部
38A 直交面部
60 板ばね(第1付勢手段)
62 板ばね(第2付勢手段)
72 板ばね(第1付勢手段)
74 板ばね(第2付勢手段)
82A 内面部(第1内面部)
82B 内面部(第2内面部)
92 板ばね(第1付勢手段)
94 板ばね(第2付勢手段)
100A 直交面部(第1内面部)
100B 直交面部(第2内面部)
110 板ばね(第1付勢手段)
112 板ばね(第2付勢手段)
120 当接部材
122 保持部材
126 コイルスプリング(付勢部材)
132 ボルト(固定部材)
140 保持部材
142 軸部材
150 当接部材
154 保持部材
160 コイルスプリング(付勢部材)
164 ボルト(固定部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光の照射によって潜像が形成される感光体ドラムと、
前記感光体ドラムの軸方向に沿って延びると共に、前記感光体ドラムの表面へ光を照射する複数の発光素子が並べられ、フレーム部材に両端部が支持された脱着可能な発光器と、
前記発光器の外面である第1外面部を付勢する第1付勢手段と、
前記第1外面部の反対側の外面である第2外面部を付勢する第2付勢手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記発光器は、前記発光素子が発光した光を透過する光学部材と、前記光学部材を支持する直方体形状の支持部材と、を備え、
前記支持部材は、前記光学部材の焦点方向と直交する直交面部と、前記直交面部と直交する側面部と、を備え、
前記第1外面部と前記第2外面部は、前記側面部であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
光の照射によって潜像が形成される感光体ドラムと、
前記感光体ドラムの軸方向に沿って延びると共に、前記感光体ドラムの表面へ光を照射する複数の発光素子が並べられ、フレーム部材に両端部が支持された脱着可能な発光器と、
前記発光器に中空部が形成され、前記中空部を構成する内面である第1内面部を付勢する第1付勢手段と、
前記第1内面部に対向する他の内面である第2内面部を付勢する第2付勢手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
前記第1付勢手段及び前記第2付勢手段は、前記発光器の長手方向中央部を付勢することを特徴とする請求項1から3何れか1項に記載された画像形成装置。
【請求項5】
前記第1付勢手段及び前記第2付勢手段は、板ばねであり、前記第1付勢手段と前記第2付勢手段の付勢力が同一であることを特徴とする請求項4に記載された画像形成装置。
【請求項6】
前記板ばねは、単数又は複数で構成されることを特徴とする請求項5に記載された画像形成装置。
【請求項7】
前記板ばねのバネ定数が同一であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
光の照射によって潜像が形成される感光体ドラムと、
前記感光体ドラムの軸方向に沿って延びると共に、前記感光体ドラムの表面へ光を照射する複数の発光素子が並べられ、両端部が支持された脱着可能な発光器と、
前記発光器と当接する当接部材と、
前記当接部材を前記発光器に当接及び離間する方向へ移動可能に支持する保持部材と、
前記発光器に前記当接部材が当接した状態で前記当接部材を前記保持部材に固定する固定部材と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
前記当接部材を前記発光器に当接する方向へ付勢する付勢部材が設けられたことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記当接部材は、前記発光器に沿って設けられ、前記当接部材の両端部に前記付勢部材が設けられることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記当接部材は、前記発光器に沿って設けられ、前記当接部材の一端には、前記当接部材を揺動可能に支持する軸部材が設けられ、前記当接部材の他端には、前記付勢部材が設けられることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項12】
光の照射によって潜像が形成される感光体ドラムと、
前記感光体ドラムの軸方向に沿って延びると共に、前記感光体ドラムの表面へ光を照射する複数の発光素子が並べられ、両端部が支持されると共に、前記軸方向へ脱着可能な発光器と、
前記発光器と当接する当接部材と、
前記当接部材を前記感光体ドラムの前記軸方向へ移動可能に支持する保持部材と、
前記発光器に設けられ、装着時に前記発光器が前記軸方向へ装填されると前記当接部材と当接する突起部と、
前記突起部に前記当接部材が当接した位置で前記当接部材を前記保持部材に固定する固定部材と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−12281(P2009−12281A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−176290(P2007−176290)
【出願日】平成19年7月4日(2007.7.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.セルフォック
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】