画像形成装置
【課題】 異常状態が発生した場合でも、電圧出力の停止と回復動作を制御することで、安全性に優れた画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 圧電トランスと、圧電トランスを駆動するための駆動周波数を生成する駆動周波数生成部と、を有する電源装置を用いて電子写真方式の画像形成を実行する画像形成装置は、電源装置が、出力すべき電圧として設定された設定電圧を受け付ける出力電圧設定回路と、電源装置から出力された出力電圧を検出する出力電圧検出回路と、設定電圧と出力電圧との比較に基づき駆動周波数生成部を制御する制御回路と、出力電圧に対応する出力電流を検出する出力電流検出回路と、出力電流が基準値を超えた場合に、予め定められた時間制御回路の出力を切り替えて、駆動周波数生成回路の動作を制御する間欠保護動作回路と、を備える。
【解決手段】 圧電トランスと、圧電トランスを駆動するための駆動周波数を生成する駆動周波数生成部と、を有する電源装置を用いて電子写真方式の画像形成を実行する画像形成装置は、電源装置が、出力すべき電圧として設定された設定電圧を受け付ける出力電圧設定回路と、電源装置から出力された出力電圧を検出する出力電圧検出回路と、設定電圧と出力電圧との比較に基づき駆動周波数生成部を制御する制御回路と、出力電圧に対応する出力電流を検出する出力電流検出回路と、出力電流が基準値を超えた場合に、予め定められた時間制御回路の出力を切り替えて、駆動周波数生成回路の動作を制御する間欠保護動作回路と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真プロセスにより画像を形成する画像形成装置に関し、特に圧電トランスを用いる電源装置を有する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、感光ドラム表面への帯電やトナーによる静電潜像の現像、中間転写体や紙などのメディアへの転写等のプロセスで数百ボルトから数キロボルトといった高電圧の生成が必要とされる。
【0003】
上述した画像形成に必要とされる高電圧を生成するために、従来は、例えば、巻線式の電磁トランスを使用している。電磁トランスは、銅線,ボビン,コアで構成されており、電子写真方式の画像形成装置に用いる場合は、トランス駆動側の低圧巻線と高圧出力側との巻線間の絶縁確保のため、トランスの巻線を樹脂モールド部材等により絶縁する必要が有る。また、装置の小型化のために薄型など特殊形状を実現しようとした場合には駆動巻線と出力巻線間の結合度が低下して電力変換効率や波形伝達などの特性が悪化するという問題がある。
【0004】
これらの問題点を補うために、薄型で軽量な圧電トランスを用いて高電圧を発生させる技術がある。
【0005】
特許文献1では、定電流制御時には出力オープンによる電圧上昇を検知して出力電流を絞る構成を開示している。出力が何らかの異常状態で低インピーダンスになった場合、定電圧制御が維持できずに出力電圧は低下する。特許文献1の構成では、出力電圧を上昇させようとして電圧制御用オペアンプが電圧−周波数変換器(V-F)の出力周波数を下げる方向に制御し続けて制御周波数が共振周波数を超えてしまい制御不能になることを防いでいる。
【特許文献1】特開2006−201351号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の方式では以下のような問題点がある。図13は、特許文献1で提案された方式において高圧出力部での特定インピーダンスによる短絡発生時の出力電圧の時間変化を示す図である。特定インピーダンスによる短絡とは、画像形成プロセスの例えば感光ドラムと転写ローラの間などに異物が混入するなどの場合を想定している。
【0007】
一定の電圧出力時に所定の電流量を超えた過電流が流れると、電流検出用のオペアンプの出力電圧が上昇し、トランジスタがオン状態となり、電圧制御用オペアンプの反転増幅端子レベルを低下させる。電圧制御用オペアンプから見ると出力設定値が下げられたことになるので、制御周波数を上げる方向に動作して電圧を低下させる。これに応じて出力電圧が低下すると、流れる電流値も低下し始め、あるところで過電流検知点を下回るため、トランジスタはオフ状態となる。電圧制御用オペアンプは、通常動作に復帰しようとして設定電圧を目標に出力電圧を上昇させる動作を行う。
【0008】
この時、混入した異物が取り除かれていないと再び電圧が上昇したところで過電流を検知して出力電圧は低下する。異常状態が継続した場合、高圧出力の上昇と低下を繰り返すことになり、その平均電力が異物の介在により消費されるため、このような状態では平均電力を可能な限り下げられると、装置にとってより安全と言える。
【0009】
小さな異物の通過などによる瞬間的な過電流を検知した場合には、異常状態はすぐに除去されることになる。そのため、過電流の検知の都度、毎回高圧出力を停止させて以後画像が出せないような状況にはせずに、異常状態から自動復帰させる構成とすることが好ましい。
【0010】
定電流制御時の過電圧保護動作では、例えば高圧出力経路途中の接触不良などを想定すると不良が生じた接点手前で回路が出せる最大電圧を出してしまうことになり、周囲との電位差が増えることから予期せぬ場所への放電などが起こってしまう可能性がある。この場合、上述した定電圧制御時の過電流保護と同様に高電圧発生と保護動作を繰り返すことになってしまう。
【0011】
また、異常な高電圧が接触不良となった接点手前までの高圧ルート全体に発生することになり、上述した異物の通過とは異なり、一度このような状態になった場合には短時間での復帰は見込めないケースが多いため、回路を停止させてしまった方が安全である。
【0012】
上記の問題点を鑑み、本発明は、異常状態が発生した場合でも、電圧出力の停止と回復動作を制御することで、安全性に優れた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る画像形成装置に拠れば、圧電トランスと、前記圧電トランスを駆動するための駆動周波数を生成する駆動周波数生成手段と、を有する電源装置を用いて電子写真方式の画像形成を実行する画像形成装置であって、当該電源装置が、
出力すべき電圧として設定された設定電圧を受け付ける出力電圧設定手段と、
前記電源装置から出力された出力電圧を検出する出力電圧検出手段と、
前記設定電圧と前記出力電圧との比較に基づき前記駆動周波数生成手段を制御する制御手段と、
前記出力電圧に対応する出力電流を検出する出力電流検出手段と、
前記出力電流が基準値を超えた場合に、予め定められた時間前記制御手段の出力を切り替えて、前記駆動周波数生成手段の動作を制御する間欠保護動作手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、異常状態が発生した場合でも、電圧出力の停止と回復動作を制御することで、安全性に優れた画像形成装置を提供することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
【0016】
(第1実施形態)
図4は、本発明の実施形態にかかる画像形成装置の構成例を示す図である。画像形成装置900は、フルカラー印刷に対応した画像形成装置である場合、イエロー(y)、マゼンタ(m)、シアン(c)、ブラック(bk)に対応した画像形成ユニットを備える。イエロー(y)を例にすると、感光ドラム901yは反時計回りに回転していて、高圧を加える一次帯電ローラ902yを通過し、感光ドラム901yの表面は均一にマイナス帯電される。均一に帯電を行うために、DC成分マイナス300Vからマイナス700Vの電圧にAC成分1300Vから2000Vが重畳されている。
【0017】
高圧電源装置は、装置内のモーター等を動作させるために使用する24Vなどの電圧を元にして、高圧トランスを用いてこれらの電圧を生成することが可能である。
【0018】
均一に帯電された感光ドラム901yの表面にレーザーユニット903yからレーザーが照射され、レーザーが照射された部分は露光される。露光された部分は感光してインピーダンスが低下して帯電量は低下する。レーザーユニット903yはON/OFF、PWM制御により露光量を制御することが可能であり、感光ドラム901yの表面には帯電量の分布による潜像画像が描画される。
【0019】
次に現像スリーブ904yを感光ドラム901yの表面が通過する。現像スリーブ904yと感光ドラム901yの間のギャップは高精度に管理されている。現像スリーブ904yにDC成分マイナス150V〜マイナス500VとAC成分1300V〜2000Vの高圧を加えることで、感光ドラム901yの表面と現像スリーブ904yの間に電界が発生する。ここにおいても前述した帯電プロセス同様に高圧トランスを用いた高圧電源装置によりDC成分及びAC成分が生成されており、現像プロセスではAC成分の波形が画質に影響する。
【0020】
電界の向きと強度は帯電量に影響し、レーザーの照射で露光されてないマイナス帯電量の大きい感光ドラム901yの表面では現像スリーブ904yから感光ドラム901yに向かう電界が生じる。
【0021】
一方、レーザーで露光されて感光ドラム901y表面の帯電量の小さいところでは、感光ドラム901yから現像スリーブ904yに向かう電界が生じる。
【0022】
現像スリーブ904y上のマイナスに帯電したイエローのトナーが現像スリーブ904yと感光ドラム901yの表面との間に形成されている電界の向きと反対方向に力をうける。そして、感光ドラム901y上に潜像画像がイエロー(y)のトナーによって形成される。
【0023】
次に、感光ドラム901yの表面は中間転写ベルト906と接する。中間転写ベルト906を挟み、感光ドラム901yの反対側には一次転写ローラ905yが設けられている。この一次転写ローラ905yには、プラス500V〜プラス1200Vの電圧が加えられていて、マイナスに帯電したイエローのトナーを感光ドラム901yから一次転写ローラ905y側に引き寄せる。それにより、感光ドラム901yの表面にあったイエローのトナーが中間転写ベルト906の表面に転写される。
【0024】
以上の説明は、イエローの画像形成ユニットを例としているが、マゼンタm、シアンc、ブラックbkでも同様であり、各色のトナーが中間転写ベルト906の表面に転写される。こうして、中間転写ベルト906には、イエローとマゼンタとシアンとブラックのトナーで形成されたフルカラーの画像が形成される。
【0025】
そして、中間転写ベルト906が2次転写内ローラ907と2次転写外ローラ908を通過する。その時に中間転写ベルト906と2次転写外ローラ908の間を用紙130が挟まれた状態で搬送される。2次転写外ローラ908には、プラス500〜プラス7000Vの電圧が加えられていて、マイナスに帯電したトナーが、用紙130の上表面に転写される。用紙130は用紙カセット910から給紙されて、矢印912−1、912−2、912−3、912−4と搬送される。2次転写内ローラ907、2次転写外ローラ908を通過した用紙130−2の表面のトナーは未定着トナーで、用紙130−2から容易に剥がれる状態である。この状態の用紙130−2が定着器911に搬送されて高温にされ、トナーが柔らかくなったところで、圧力を加えられることで、用紙130−2の表面に張り付き定着する。そして、矢印912−5、912−6、912−7、912−8、912−9と搬送されて、排出トレイ上の用紙130−3のように出力され積載される。
【0026】
(高圧電源装置の回路構成)
図11は、圧電トランス式高圧電源装置(以下、単に「高圧電源装置」)の構成例を示す図である。圧電トランス式高圧電源装置は圧電トランス3、ダイオード4、5、高圧コンデンサ6は、抵抗7、8、11、13、17、18、電圧制御用オペアンプ9、12、電圧−周波数変換器(V-F)10、トランジスタ2、16、インダクタ1を備える。図11では高圧電源を制御する構成として、画像形成装置側から設定された目標出力電圧値に応じた高圧出力を行う定電圧制御方式を示しているが、電流値を一定に制御する定電流制御も可能である。高圧電源装置は、出力すべき電圧として、画像形成装置の本体側からの指示で設定電圧(Vcont)を設定する出力電圧設定回路(素子)を有する。また、高圧電源装置は、出力電圧を検出する出力電圧検出回路(素子)を有する。具体的には、出力電圧検出回路は高圧電源装置から出力された出力電圧(Vout)に基づく検出電圧(Vdet)を検出する。また、高圧電源装置は、設定電圧(Vcont)と検出電圧(Vdet)との比較に基づき駆動周波数生成ユニット(電圧−周波数変換器(V-F))を制御する制御回路(素子)を有する。電圧制御用オペアンプ9は、制御回路(素子)として機能することが可能である。まず、電圧制御用オペアンプ9の反転入力端子(−端子)に抵抗11を介して不図示のコントローラから出力された出力すべき電圧として設定された設定電圧(Vcont)を示すアナログ信号である高圧出力制御信号が入力される。
【0027】
一方、電圧制御用オペアンプ9の非反転入力端子(+端子)には出力電圧Voutを抵抗7、8によって分圧した検出電圧Vdetが入力される。検出電圧Vdetは出力電圧Voutに基づき検出された検出電圧となる。電圧制御用オペアンプ9は反転入力端子(−端子)に入力される設定電圧Vcontと、反転入力端子(+端子)に入力される検出電圧Vdetが等しい電圧となるように出力端子から電圧を出力する。電圧制御用オペアンプ9の出力端子は電圧−周波数変換器(V-F)10に接続される。電圧−周波数変換器(V-F)10は、圧電トランス3を駆動するために駆動周波数を発生する駆動周波数生成ユニット(素子)として機能する。電圧−周波数変換器(V-F)10は電圧制御用オペアンプ9の出力電圧に応じた周波数でトランジスタ2をスイッチングさせ圧電トランス3の一次側に電力を供給する。圧電トランス3は一次側に供給された駆動周波数に応じて振動し、2次側に圧電トランス3のサイズに応じた昇圧比で増幅した交流電圧を発生させる。発生した交流電圧はダイオード4、5及び高圧コンデンサ6によって正電圧に整流平滑され負荷(不図示)に供給される。
【0028】
電圧制御用オペアンプ9は設定電圧Vcontと出力電圧Voutの検出結果を示す検出電圧Vdetとが等しい電圧になるように動作する。そのため、設定電圧Vcontを変化させることにより、出力電圧Voutを制御することが可能である。
【0029】
また、高圧電源装置は、出力電流を検出する出力電流検出回路を有する。具体的には、出力電流検出回路は、出力電圧Voutに基づく検出電流を検出する。出力電流検出回路の構成要素として、オペアンプ12は電流電圧変換器として含まれる。オペアンプ12は、出力電圧Voutに基づく出力電流が負荷(不図示)を経由してGNDから戻る経路の途中に設けられ、負荷を流れる電流値に比例した電圧をVIdetとして出力する。オペアンプ12は非反転入力端子(+端子)に接続された電源14の電圧と反転入力端子(−端子)の電圧が等しくなるよう動作する(イマジナリーショート)。オペアンプ12は、負荷を流れて戻ってきた電流が電流検出抵抗13を流れると抵抗値に応じた電圧降下が発生するので、電源14の電圧値をV14として、電流検出抵抗13の抵抗値をR13、流れる電流値をIoutとすれば、以下の関係式が成り立つ。
【0030】
VIdet=V14+Iout×R13 ・・・(1)
図12は所定の負荷に電圧を供給する場合の圧電トランス3の駆動周波数と出力電圧の関係を示す図である。一般に圧電トランスの特性は、同図に示すように共振周波数f0において出力電圧が最大となるような裾広がりな形状をしている。fLは電圧−周波数変換器(V-F)10で動作可能な最低周波数、fHは電圧−周波数変換器(V-F)10で動作可能な最高周波数、flは定格内最低周波数、fhは定格内最高周波数である。
【0031】
通常動作時には、共振周波数f0よりもわずかに低めに設定された駆動周波数を変化させることにより圧電トランスの出力電圧を制御している。
【0032】
次に、本実施形態にかかる高圧電源装置の特徴となる回路構成を図1の参照により説明する。画像形成装置は、圧電トランス3と、圧電トランス3を駆動するための駆動周波数を生成する駆動周波数生成ユニット(電圧−周波数変換器(V-F))と、を有する電源装置を用いて電子写真方式の画像形成を実行することが可能である。先に説明した図11と説明の重複を避けるため、同様の構成及び動作については説明を省略する。図11の回路構成と異なる点は、間欠保護動作回路15(Int)を有する点にある。間欠保護動作回路15は、出力電流が基準値を超えた場合に、予め定められた時間、制御回路(電圧制御用オペアンプ9)の出力を切り替えて、駆動周波数生成ユニット(電圧−周波数変換器(V-F))の動作を制御することが可能である。
【0033】
間欠保護動作回路15は、高圧電源装置を構成する回路のオン時間を調整するための回路オン時間調整用抵抗156と、回路のオフ時間を調整するオフ時間調整用抵抗157を有する。間欠保護動作回路15は、高圧電源装置を構成する回路を間欠的に動作させるタイミングを制御するための間欠時間決定用のコンデンサ1510を有する。
【0034】
また、間欠保護動作回路15は、間欠時間決定用のコンデンサ1510を充電するための充電用ダイオード158、間欠時間決定用のコンデンサ1510を放電するための放電用ダイオード159を有する。更に、間欠保護動作回路15は、保護動作用のコンパレータ152、保護動作検知点及びヒステリシスレベルを調整するための調整用抵抗153、154、155、保護動作用のトランジスタ151、1511を有する。保護動作用のトランジスタ151、1511がオンすると、電流検出抵抗13を介して電流が流れ、電流検出用のオペアンプ12の出力電圧が上昇する。
【0035】
間欠保護動作回路15は、検出電流が基準値を超えた場合に設定電圧Vcontを制御する。制御回路(電圧制御用オペアンプ9)は、間欠保護動作回路により制御された設定電圧と、出力電圧との入力に従い出力を切り替え、予め定められた時間、駆動周波数生成ユニットの動作を停止させる。また、制御回路(電圧制御用オペアンプ9)は、予め定められた時間の経過の後に、設定電圧と、検出電圧との入力に従い出力を切り替え、駆動周波数生成ユニットの動作を回復させる。
【0036】
図2は、高圧電源装置における高圧出力設定値と出力電圧の関係を例示する図である。電流検出用のオペアンプ12の反転入力端子電圧(V14)=3Vとし、出力電圧Vout=0VとするとVdet=3Vとなる。Voutが増えるとそれに比例してVdetも上昇する。図2において、OVPは、過電圧の状態を示す電圧基準値を示す。LVPは、低電圧の状態を示す電圧基準値を示す。
【0037】
電圧制御用オペアンプ9は出力設定値Vcontの値と出力電圧の検出結果を示すVdetが同じ電圧になるように出力電圧Voutを制御する。すなわち、電圧制御用オペアンプ9は、出力設定値Vcontが低い時には出力電圧Voutも低くなるように制御し、出力設定値Vcontが高い時には出力電圧Voutも高くなるように制御する。
【0038】
また、電流検出用のオペアンプ12は、出力をオフにすることで高圧出力として、出力電圧Voutをオフに制御することが可能である。本実施形態では電圧制御用オペアンプ9、電流検出用のオペアンプ12の動作を保護回路に利用している。
【0039】
通常動作時、コンパレータ152の反転入力端子(-端子)に入力される電圧(反転入力端子電圧)は、オペアンプ12の出力電圧が所定値以下となっているためローレベルである。反転入力端子(-端子)に入力される電圧は、調整用抵抗153、154、155で決められるコンパレータ152の非反転入力端子(+端子)に入力される電圧を下回っている。そのためコンパレータ152の出力はハイレベルであり、トランジスタ151、1511はオンできない。
【0040】
この状態におけるコンパレータ152の非反転入力端子電圧(+端子)に入力される電圧(非反転入力端子電圧)は、調整用抵抗153と調整用抵抗155の並列抵抗値と調整用抵抗154の分圧電圧V1となる。設定例として、Vcc=12V、調整用抵抗153=調整用抵抗154=調整用抵抗155=10KΩと設定すると、分圧電圧V1=6Vとなる。前述した電流検出結果VIdetの計算式(1)に当てはめると、出力電流値は、電流検出用のオペアンプ12の反転入力端子電圧(V14)=3Vとした場合、Iout=300μAとなる。
【0041】
出力異常時に出力電流Iout300μAを超える電流が流れる場合を想定する。この場合、コンパレータ152の非反転入力端子電圧は、充電用ダイオード158と回路オン時間調整用抵抗156を介して、コンデンサ1510を抵抗値と静電容量により決められた時定数で充電した電圧となる。分圧電圧レベルがV1=6Vを上回ると、コンパレータ152の出力が反転してローレベルとなり、トランジスタ151、1511をオンさせる。
【0042】
これにより電圧制御用オペアンプ9の反転入力端子電圧、すなわち出力電圧設定値はローレベルに落とされ、高圧出力(Vout)をオフにする方向に回路が動作する。高圧出力(Vout)がオフにされると、電流検出用のオペアンプ12の出力電圧も低下する。この時、保護検知用のコンパレータ152の反転入力端子電圧は、放電用ダイオード159及びオフ時間調整用抵抗157を介してコンデンサ1510を抵抗値と静電容量により決められた時定数で放電された電圧となる。
【0043】
コンパレータ152の出力がローレベルの場合の非反転入力端子電圧をV2とし、前述した設定例により計算すると、V2=4Vとなり、この時のIout=100μAとなる。つまり、コンパレータ152は異常検知時と検知後の開放時のレベルにヒステリシスを持っていることになる。
【0044】
コンデンサ1510がオフ時間調整用抵抗157との時定数で4Vまで放電されると、コンパレータ152の出力は再び反転してハイレベルになり、トランジスタ151、1511もオフとなり、通常動作に復帰する。この時、高圧出力の異常が排除されていればそのまま通常動作が継続される。異常状態が解消されていない場合、反転入力端子電圧は、再び、充電用ダイオード158と回路オン時間調整用抵抗156を介して、コンデンサ1510を抵抗値と静電容量により決められた時定数で充電されてゆく電圧により上昇する。異常状態が解消されていない場合、回路はオフとなり再び停止する。
【0045】
間欠保護動作とは回路出力の停止と復帰の繰り返し動作をいい、回路オン時間調整用抵抗156、157の抵抗値とコンデンサ1510の静電容量との関係でオン時間とオフ時間の調整が可能である。例えば、異常を検知した次の瞬間に異常は排除され、自己復帰させたい場合には出来るだけ早く出力を元に戻すことが好ましい。一方、オフ時間を短く設定しすぎると、異常継続時の平均出力電力が増えてしまうので、オフ時間と平均出力電力のバランスを取りながら回路定数を設定することが好ましい。
【0046】
図3は、間欠保護動作時における出力電圧の変化を例示的に示す図である。間欠保護動作回路15が過電流を検知すると、高圧電源装置の回路出力は停止する。間欠保護動作回路15により予め定められた回路出力を停止する回路停止時間(オフ時間:t2−t1)を経過すると、間欠保護動作回路15は、回路出力をもとに戻す復帰動作により回路出力を再び立ち上がる。この場合、異常状態が継続していると、間欠保護動作回路15は、回路出力を停止する停止動作を実行する(t3)。
【0047】
画像形成装置の異常により過電流が発生した場合、圧電トランスを駆動するための駆動周波数が制御可能な範囲を超える場合が生じる。このような場合でも、回路出力の停止と復帰を繰り返す間欠保護動作により、駆動周波数を高周波(低出力)側に一旦、周波数リセットしながら回路出力を制御することが可能になる。
【0048】
図5は周波数リセットの方式を変えた第1変形例の回路構成を示す図である。図5の回路構成において、図1の回路構成と同一の構成要素については同一の参照番号を付している。間欠保護動作回路15については、図1の構成と同一であるため詳細な回路構成を省略して図示している。図5の回路構成では、間欠保護動作回路15の出力が電圧制御用オペアンプ9の非反転入力端子(+端子)に入力され、異常状態の検出時にVdetを強制的にハイレベルに引っ張ることで駆動周波数のリセットをして回路出力をオフにしている。
【0049】
図6は周波数リセットの方式を変えた第2変形例の回路構成を示す図である。図6の回路構成においても、図1の回路構成と同一の構成要素については同一の参照番号を付している。間欠保護動作回路15については、図1の構成と同一であるため詳細な回路構成を省略して図示している。図6の回路構成では、間欠保護動作回路15の出力が電圧制御用オペアンプ9の出力側と接続することにより、異常状態の検出時に電圧制御用オペアンプ9の出力を強制的にハイレベルに引っ張ることで駆動周波数のリセットをして回路出力をオフにしている。
【0050】
本実施形態に拠れば、異常状態が発生した場合でも、出力の停止と回復動作を制御することで、安全性に優れた画像形成装置を提供することが可能になる。
【0051】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を図7乃至図10の参照により説明する。
【0052】
図7は、第2実施形態にかかる高圧電源装置の回路構成を示す図である。図7において図1と異なる点は、定電流制御を行っていることである。電流検出用のオペアンプ12の出力が電流制御用オペアンプ19の非反転入力端子(+端子)と接続されている。反転入力端子(−端子)は、抵抗20を介して出力すべき電流として設定された設定電流Icontを示す出力電流設定信号と接続されている。電流制御用オペアンプ19に抵抗20を介して入力された出力電流設定信号Icontと、電流制御用オペアンプ12の出力VIdetとが同じになるよう回路出力が制御される。
【0053】
高圧電源装置は、画像形成装置の本体側からの指示で出力すべき電流として、設定電流Icontを設定する出力電流設定回路と、高圧電源装置の出力電流を検出する出力電流検出回路と、を有する。また、高圧電源装置は、設定電流Icontに基づく電圧と、出力電流検出回路の検出結果として出力される電圧VIdetと、に基づき駆動周波数生成ユニットを制御する制御回路(素子)を有する。また、高圧電源装置は、出力電圧を検出する電圧検出回路を有する。具体的には、電圧検出回路は高圧電源回路の出力電圧に基づく検出電圧Vdetを検出する。また、高圧電源装置は、出力電流が過電流であることを示す第1の基準値を超えた場合に、予め定められた時間、制御回路(素子)の出力を切り替えて、駆動周波数生成ユニットの動作を制御する間欠保護動作回路を有する。間欠保護動作回路は出力電流が第1の基準値を超えたことを通知する過電流通知回路を有する。
【0054】
また、高圧電源装置は、検出電圧が過電圧の状態を示す第2の基準値を超えた場合に、制御回路の出力を切り替えて、駆動周波数生成ユニットの動作を制御する過電圧検知回路(OVP23)を有する。過電圧検知回路(OVP23)は、検出電圧が第2の基準値を超えたことを画像形成装置本体の制御部に通知する過電圧通知回路を有する。更に、高圧電源装置は、検出電圧が低電圧の基準となる第3の基準値を下回ったことを画像形成装置本体の制御部に通知する低電圧通知回路(LVP22)を更に有する。
【0055】
図8は、オペアンプ12の出力であり電流検出結果を示すVIdetと、高圧出力電圧Voutに対応した高圧出力電流値Ioutと、の関係を例示的に示す図である。図8において、OCPは、過電流の状態を示す基準値である。電流検出用のオペアンプ12の非反転入力端子(+端子)に接続された電源14の電圧を基準として、電流検出抵抗13に流れた電流に応じて、電流検出用のオペアンプ12の出力電圧が変化することを示している。Iout=0AではVIdet=3V、Iout=300μAではVIdet=9Vを示していることから、電流検出抵抗13はこの場合、20KΩであることが計算により導かれる。
【0056】
出力電圧検出用の抵抗7、8の分圧部分に接続されたボルテージフォロワのオペアンプ21と、その出力を元にして過電圧を検知するOVP回路23(過電圧検知手段)及び、低電圧を検知するLVP回路(低電圧検知手段)22を備えている。
【0057】
定電流制御方式では、高圧出力のインピーダンスに応じて出力電圧が変化する。つまり出力インピーダンスが高ければわずかな電流でも高い電圧が発生するし、逆にインピーダンスが低ければ発生する電圧は低くなる。
【0058】
このような構成での出力異常状態を想定すると、高圧出力回路に異常が発生し、回路側からみたインピーダンスが上昇した場合の過電圧発生と定電流制御ながらも出力が突然短絡された場合などには過電流が流れる場合がある。また、圧電トランス3はセラミックを使用した素子であるため、巻線トランスよりも衝撃に弱く、割れてしまった場合、出力が完全にオフしてしまうため、電流も流れず、電圧も発生していない状態となる。過電流の発生に対する保護は第1実施形態で説明した通りなので詳細は割愛するが、本実施形態では間欠保護動作回路15の動作結果が画像形成装置本体の制御部に通知される(OCP通知)。
【0059】
次に過電圧保護動作について説明する。出力部の接触不良やコネクタ抜け等によるインピーダンスの上昇が発生すると、電流制御用オペアンプ19は一定の電流を流そうとして最大出力を制御する。この時、回路出力部での出力電圧は回路の能力の最大値となり、通常動作時には発生しないような高電圧が発生してしまう。高圧電源装置を構成する回路の途中に断線等が生じた場合、この部分に異常電圧が出力されてしまう。そのような電圧印加が想定されていない設計の場合、リーク電流が近傍の低圧金属部に向けて流れてしまう。このため、過電圧発生時には装置内のどの部分で異常電圧が印加されても問題の無いような絶縁設計が可能であればよいが、通常経路全体に対しては困難であることが多いため本実施形態では出力を停止し、停止状態を保持する構成とした。
【0060】
図9は過電圧発生時の出力電圧の時間変化を示す図である。通常動作レベルの出力が続いた後、あるところで出力異常が発生して電圧が上昇すると、過電圧を検知して回路が停止するため出力電圧は低下する。異常検知により停止状態を保持する構成としているので、自動的な復帰動作は行われない。
【0061】
次に、図7に示す回路の動作を説明する。出力電圧Voutが上昇するとそれに比例してVdetも上昇する。過電圧検出用のツェナーダイオード235のツェナー電圧を超える電圧がVdetに発生すると抵抗234を経由してコンデンサ233が充電される。サイリスタ232のオンレベルまで電圧が上昇するとサイリスタ232はオンしてIcont信号をローレベルに落として状態を保持する。
【0062】
抵抗231はサイリスタ232の保持電流を決める抵抗であり、抵抗234とコンデンサ233の充電時定数によりノイズ等の誤動作を防止している。また、サイリスタ232のアノード電圧を画像形成装置本体に返すことで、過電圧発生を画像形成装置本体の制御部に通知している(OVP通知)。
【0063】
次に、圧電トランス3の素子割れ検知について説明する。圧電トランス3の素子割れ時には出力電圧Voutが低下し、且つ出力電流も流れない状態となることから、出力低電圧検知信号を装置に返す構成としている。装置側では過電圧検知信号との組み合わせにより過電流が発生しているのか、素子割れが発生しているのかを判別することができる。
【0064】
次に低電圧検知回路22の説明を行う。出力電圧の検知結果を示すVdetには通常動作時には一定以上の電圧が必ず発生しており、この電圧Vdetが所定値を下回った場合に、低電圧検知回路22は出力電圧が異常(低電圧の状態)と判断する。低電圧検知用ツェナーダイオード221には通常動作時に電流が流れており、トランジスタ222のエミッタ、ベース間抵抗223の両端にはトランジスタ222をオンさせるのに十分な電圧が発生している。トランジスタ222がオンすることでトランジスタ224はオフし、プルアップ抵抗226によりコレクタはVccまで引っ張り上げられている。圧電トランス3に割れが発生すると出力電圧Voutが低下し、これに応じて出力電圧の検出結果を示すVdetも低下する。そして、低電圧検知用ツェナーダイオード221の出力はオフとなり、トランジスタ222もオフとなる。これにより抵抗225を経由してトランジスタ224のベースに電流が供給され、トランジスタ224はオンし、コレクタ電圧はローレベルとなる。低電圧検知回路22は、この電圧レベルを画像形成装置本体の制御部に低電圧検知信号として通知する(LVP通知)。
【0065】
図10は、検知情報(OCP、OVP、LVP)と装置本体のステータスとの関係を示す図である。装置側ではこの時の過電流検知信号(OCP)を併せてモニターし、過電流検知信号(OCP)を検知せずに低電圧検知信号(LVP)が検知された場合には、圧電トランスの素子割れと判定される。
【0066】
過電流検知信号(OCP)を検知し、低電圧検知信号(LVP)を検知した場合には出力インピーダンス低下による電圧低下の可能性が高いので、この場合には過電流が発生したと判定する。画像形成装置は、この判定結果を操作部等に表示してユーザーに通知することもできるし、ネットワークを介して通知することも可能である。
【0067】
本実施形態に拠れば、異常状態が発生した場合でも、出力の停止と回復動作を制御することで、安全性に優れた画像形成装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の第1実施形態に係る高圧電源装置の回路構成を示す図である。
【図2】高圧電源装置における高圧出力設定値と出力電圧の関係を例示する図である。
【図3】間欠保護動作時における出力電圧の変化を例示的に示す図である。
【図4】一般的な画像形成装置の動作の一例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る回路構成で、周波数リセットの方式を変えた第1変形例の回路構成を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る回路構成で、周波数リセットの方式を変えた第2変形例の回路構成を示す図である。
【図7】本発明の第2実施形態にかかる高圧電源装置の回路構成を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る電流検出結果に基づくVIdetと、高圧出力電圧Voutに対応した高圧出力電流値Ioutと、の関係を例示的に示す図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る過電圧発生時の出力電圧の時間変化を示す図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る検知情報(OCP、OVP、LVP)と装置本体のステータスとの関係を示す図である。
【図11】圧電トランス式高圧電源装置の構成例を示す図である。
【図12】圧電トランスの駆動周波数と出力電圧の関係を示す図である。
【図13】従来の圧電トランス高圧回路の過電流保護動作時の出力状態を示す図である。
【符号の説明】
【0069】
15 間欠保護動作回路
152 コンパレータ
153 調整用抵抗
154 調整用抵抗
155 調整用抵抗
158 充電用ダイオード
159 放電用ダイオード
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真プロセスにより画像を形成する画像形成装置に関し、特に圧電トランスを用いる電源装置を有する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、感光ドラム表面への帯電やトナーによる静電潜像の現像、中間転写体や紙などのメディアへの転写等のプロセスで数百ボルトから数キロボルトといった高電圧の生成が必要とされる。
【0003】
上述した画像形成に必要とされる高電圧を生成するために、従来は、例えば、巻線式の電磁トランスを使用している。電磁トランスは、銅線,ボビン,コアで構成されており、電子写真方式の画像形成装置に用いる場合は、トランス駆動側の低圧巻線と高圧出力側との巻線間の絶縁確保のため、トランスの巻線を樹脂モールド部材等により絶縁する必要が有る。また、装置の小型化のために薄型など特殊形状を実現しようとした場合には駆動巻線と出力巻線間の結合度が低下して電力変換効率や波形伝達などの特性が悪化するという問題がある。
【0004】
これらの問題点を補うために、薄型で軽量な圧電トランスを用いて高電圧を発生させる技術がある。
【0005】
特許文献1では、定電流制御時には出力オープンによる電圧上昇を検知して出力電流を絞る構成を開示している。出力が何らかの異常状態で低インピーダンスになった場合、定電圧制御が維持できずに出力電圧は低下する。特許文献1の構成では、出力電圧を上昇させようとして電圧制御用オペアンプが電圧−周波数変換器(V-F)の出力周波数を下げる方向に制御し続けて制御周波数が共振周波数を超えてしまい制御不能になることを防いでいる。
【特許文献1】特開2006−201351号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の方式では以下のような問題点がある。図13は、特許文献1で提案された方式において高圧出力部での特定インピーダンスによる短絡発生時の出力電圧の時間変化を示す図である。特定インピーダンスによる短絡とは、画像形成プロセスの例えば感光ドラムと転写ローラの間などに異物が混入するなどの場合を想定している。
【0007】
一定の電圧出力時に所定の電流量を超えた過電流が流れると、電流検出用のオペアンプの出力電圧が上昇し、トランジスタがオン状態となり、電圧制御用オペアンプの反転増幅端子レベルを低下させる。電圧制御用オペアンプから見ると出力設定値が下げられたことになるので、制御周波数を上げる方向に動作して電圧を低下させる。これに応じて出力電圧が低下すると、流れる電流値も低下し始め、あるところで過電流検知点を下回るため、トランジスタはオフ状態となる。電圧制御用オペアンプは、通常動作に復帰しようとして設定電圧を目標に出力電圧を上昇させる動作を行う。
【0008】
この時、混入した異物が取り除かれていないと再び電圧が上昇したところで過電流を検知して出力電圧は低下する。異常状態が継続した場合、高圧出力の上昇と低下を繰り返すことになり、その平均電力が異物の介在により消費されるため、このような状態では平均電力を可能な限り下げられると、装置にとってより安全と言える。
【0009】
小さな異物の通過などによる瞬間的な過電流を検知した場合には、異常状態はすぐに除去されることになる。そのため、過電流の検知の都度、毎回高圧出力を停止させて以後画像が出せないような状況にはせずに、異常状態から自動復帰させる構成とすることが好ましい。
【0010】
定電流制御時の過電圧保護動作では、例えば高圧出力経路途中の接触不良などを想定すると不良が生じた接点手前で回路が出せる最大電圧を出してしまうことになり、周囲との電位差が増えることから予期せぬ場所への放電などが起こってしまう可能性がある。この場合、上述した定電圧制御時の過電流保護と同様に高電圧発生と保護動作を繰り返すことになってしまう。
【0011】
また、異常な高電圧が接触不良となった接点手前までの高圧ルート全体に発生することになり、上述した異物の通過とは異なり、一度このような状態になった場合には短時間での復帰は見込めないケースが多いため、回路を停止させてしまった方が安全である。
【0012】
上記の問題点を鑑み、本発明は、異常状態が発生した場合でも、電圧出力の停止と回復動作を制御することで、安全性に優れた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る画像形成装置に拠れば、圧電トランスと、前記圧電トランスを駆動するための駆動周波数を生成する駆動周波数生成手段と、を有する電源装置を用いて電子写真方式の画像形成を実行する画像形成装置であって、当該電源装置が、
出力すべき電圧として設定された設定電圧を受け付ける出力電圧設定手段と、
前記電源装置から出力された出力電圧を検出する出力電圧検出手段と、
前記設定電圧と前記出力電圧との比較に基づき前記駆動周波数生成手段を制御する制御手段と、
前記出力電圧に対応する出力電流を検出する出力電流検出手段と、
前記出力電流が基準値を超えた場合に、予め定められた時間前記制御手段の出力を切り替えて、前記駆動周波数生成手段の動作を制御する間欠保護動作手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、異常状態が発生した場合でも、電圧出力の停止と回復動作を制御することで、安全性に優れた画像形成装置を提供することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
【0016】
(第1実施形態)
図4は、本発明の実施形態にかかる画像形成装置の構成例を示す図である。画像形成装置900は、フルカラー印刷に対応した画像形成装置である場合、イエロー(y)、マゼンタ(m)、シアン(c)、ブラック(bk)に対応した画像形成ユニットを備える。イエロー(y)を例にすると、感光ドラム901yは反時計回りに回転していて、高圧を加える一次帯電ローラ902yを通過し、感光ドラム901yの表面は均一にマイナス帯電される。均一に帯電を行うために、DC成分マイナス300Vからマイナス700Vの電圧にAC成分1300Vから2000Vが重畳されている。
【0017】
高圧電源装置は、装置内のモーター等を動作させるために使用する24Vなどの電圧を元にして、高圧トランスを用いてこれらの電圧を生成することが可能である。
【0018】
均一に帯電された感光ドラム901yの表面にレーザーユニット903yからレーザーが照射され、レーザーが照射された部分は露光される。露光された部分は感光してインピーダンスが低下して帯電量は低下する。レーザーユニット903yはON/OFF、PWM制御により露光量を制御することが可能であり、感光ドラム901yの表面には帯電量の分布による潜像画像が描画される。
【0019】
次に現像スリーブ904yを感光ドラム901yの表面が通過する。現像スリーブ904yと感光ドラム901yの間のギャップは高精度に管理されている。現像スリーブ904yにDC成分マイナス150V〜マイナス500VとAC成分1300V〜2000Vの高圧を加えることで、感光ドラム901yの表面と現像スリーブ904yの間に電界が発生する。ここにおいても前述した帯電プロセス同様に高圧トランスを用いた高圧電源装置によりDC成分及びAC成分が生成されており、現像プロセスではAC成分の波形が画質に影響する。
【0020】
電界の向きと強度は帯電量に影響し、レーザーの照射で露光されてないマイナス帯電量の大きい感光ドラム901yの表面では現像スリーブ904yから感光ドラム901yに向かう電界が生じる。
【0021】
一方、レーザーで露光されて感光ドラム901y表面の帯電量の小さいところでは、感光ドラム901yから現像スリーブ904yに向かう電界が生じる。
【0022】
現像スリーブ904y上のマイナスに帯電したイエローのトナーが現像スリーブ904yと感光ドラム901yの表面との間に形成されている電界の向きと反対方向に力をうける。そして、感光ドラム901y上に潜像画像がイエロー(y)のトナーによって形成される。
【0023】
次に、感光ドラム901yの表面は中間転写ベルト906と接する。中間転写ベルト906を挟み、感光ドラム901yの反対側には一次転写ローラ905yが設けられている。この一次転写ローラ905yには、プラス500V〜プラス1200Vの電圧が加えられていて、マイナスに帯電したイエローのトナーを感光ドラム901yから一次転写ローラ905y側に引き寄せる。それにより、感光ドラム901yの表面にあったイエローのトナーが中間転写ベルト906の表面に転写される。
【0024】
以上の説明は、イエローの画像形成ユニットを例としているが、マゼンタm、シアンc、ブラックbkでも同様であり、各色のトナーが中間転写ベルト906の表面に転写される。こうして、中間転写ベルト906には、イエローとマゼンタとシアンとブラックのトナーで形成されたフルカラーの画像が形成される。
【0025】
そして、中間転写ベルト906が2次転写内ローラ907と2次転写外ローラ908を通過する。その時に中間転写ベルト906と2次転写外ローラ908の間を用紙130が挟まれた状態で搬送される。2次転写外ローラ908には、プラス500〜プラス7000Vの電圧が加えられていて、マイナスに帯電したトナーが、用紙130の上表面に転写される。用紙130は用紙カセット910から給紙されて、矢印912−1、912−2、912−3、912−4と搬送される。2次転写内ローラ907、2次転写外ローラ908を通過した用紙130−2の表面のトナーは未定着トナーで、用紙130−2から容易に剥がれる状態である。この状態の用紙130−2が定着器911に搬送されて高温にされ、トナーが柔らかくなったところで、圧力を加えられることで、用紙130−2の表面に張り付き定着する。そして、矢印912−5、912−6、912−7、912−8、912−9と搬送されて、排出トレイ上の用紙130−3のように出力され積載される。
【0026】
(高圧電源装置の回路構成)
図11は、圧電トランス式高圧電源装置(以下、単に「高圧電源装置」)の構成例を示す図である。圧電トランス式高圧電源装置は圧電トランス3、ダイオード4、5、高圧コンデンサ6は、抵抗7、8、11、13、17、18、電圧制御用オペアンプ9、12、電圧−周波数変換器(V-F)10、トランジスタ2、16、インダクタ1を備える。図11では高圧電源を制御する構成として、画像形成装置側から設定された目標出力電圧値に応じた高圧出力を行う定電圧制御方式を示しているが、電流値を一定に制御する定電流制御も可能である。高圧電源装置は、出力すべき電圧として、画像形成装置の本体側からの指示で設定電圧(Vcont)を設定する出力電圧設定回路(素子)を有する。また、高圧電源装置は、出力電圧を検出する出力電圧検出回路(素子)を有する。具体的には、出力電圧検出回路は高圧電源装置から出力された出力電圧(Vout)に基づく検出電圧(Vdet)を検出する。また、高圧電源装置は、設定電圧(Vcont)と検出電圧(Vdet)との比較に基づき駆動周波数生成ユニット(電圧−周波数変換器(V-F))を制御する制御回路(素子)を有する。電圧制御用オペアンプ9は、制御回路(素子)として機能することが可能である。まず、電圧制御用オペアンプ9の反転入力端子(−端子)に抵抗11を介して不図示のコントローラから出力された出力すべき電圧として設定された設定電圧(Vcont)を示すアナログ信号である高圧出力制御信号が入力される。
【0027】
一方、電圧制御用オペアンプ9の非反転入力端子(+端子)には出力電圧Voutを抵抗7、8によって分圧した検出電圧Vdetが入力される。検出電圧Vdetは出力電圧Voutに基づき検出された検出電圧となる。電圧制御用オペアンプ9は反転入力端子(−端子)に入力される設定電圧Vcontと、反転入力端子(+端子)に入力される検出電圧Vdetが等しい電圧となるように出力端子から電圧を出力する。電圧制御用オペアンプ9の出力端子は電圧−周波数変換器(V-F)10に接続される。電圧−周波数変換器(V-F)10は、圧電トランス3を駆動するために駆動周波数を発生する駆動周波数生成ユニット(素子)として機能する。電圧−周波数変換器(V-F)10は電圧制御用オペアンプ9の出力電圧に応じた周波数でトランジスタ2をスイッチングさせ圧電トランス3の一次側に電力を供給する。圧電トランス3は一次側に供給された駆動周波数に応じて振動し、2次側に圧電トランス3のサイズに応じた昇圧比で増幅した交流電圧を発生させる。発生した交流電圧はダイオード4、5及び高圧コンデンサ6によって正電圧に整流平滑され負荷(不図示)に供給される。
【0028】
電圧制御用オペアンプ9は設定電圧Vcontと出力電圧Voutの検出結果を示す検出電圧Vdetとが等しい電圧になるように動作する。そのため、設定電圧Vcontを変化させることにより、出力電圧Voutを制御することが可能である。
【0029】
また、高圧電源装置は、出力電流を検出する出力電流検出回路を有する。具体的には、出力電流検出回路は、出力電圧Voutに基づく検出電流を検出する。出力電流検出回路の構成要素として、オペアンプ12は電流電圧変換器として含まれる。オペアンプ12は、出力電圧Voutに基づく出力電流が負荷(不図示)を経由してGNDから戻る経路の途中に設けられ、負荷を流れる電流値に比例した電圧をVIdetとして出力する。オペアンプ12は非反転入力端子(+端子)に接続された電源14の電圧と反転入力端子(−端子)の電圧が等しくなるよう動作する(イマジナリーショート)。オペアンプ12は、負荷を流れて戻ってきた電流が電流検出抵抗13を流れると抵抗値に応じた電圧降下が発生するので、電源14の電圧値をV14として、電流検出抵抗13の抵抗値をR13、流れる電流値をIoutとすれば、以下の関係式が成り立つ。
【0030】
VIdet=V14+Iout×R13 ・・・(1)
図12は所定の負荷に電圧を供給する場合の圧電トランス3の駆動周波数と出力電圧の関係を示す図である。一般に圧電トランスの特性は、同図に示すように共振周波数f0において出力電圧が最大となるような裾広がりな形状をしている。fLは電圧−周波数変換器(V-F)10で動作可能な最低周波数、fHは電圧−周波数変換器(V-F)10で動作可能な最高周波数、flは定格内最低周波数、fhは定格内最高周波数である。
【0031】
通常動作時には、共振周波数f0よりもわずかに低めに設定された駆動周波数を変化させることにより圧電トランスの出力電圧を制御している。
【0032】
次に、本実施形態にかかる高圧電源装置の特徴となる回路構成を図1の参照により説明する。画像形成装置は、圧電トランス3と、圧電トランス3を駆動するための駆動周波数を生成する駆動周波数生成ユニット(電圧−周波数変換器(V-F))と、を有する電源装置を用いて電子写真方式の画像形成を実行することが可能である。先に説明した図11と説明の重複を避けるため、同様の構成及び動作については説明を省略する。図11の回路構成と異なる点は、間欠保護動作回路15(Int)を有する点にある。間欠保護動作回路15は、出力電流が基準値を超えた場合に、予め定められた時間、制御回路(電圧制御用オペアンプ9)の出力を切り替えて、駆動周波数生成ユニット(電圧−周波数変換器(V-F))の動作を制御することが可能である。
【0033】
間欠保護動作回路15は、高圧電源装置を構成する回路のオン時間を調整するための回路オン時間調整用抵抗156と、回路のオフ時間を調整するオフ時間調整用抵抗157を有する。間欠保護動作回路15は、高圧電源装置を構成する回路を間欠的に動作させるタイミングを制御するための間欠時間決定用のコンデンサ1510を有する。
【0034】
また、間欠保護動作回路15は、間欠時間決定用のコンデンサ1510を充電するための充電用ダイオード158、間欠時間決定用のコンデンサ1510を放電するための放電用ダイオード159を有する。更に、間欠保護動作回路15は、保護動作用のコンパレータ152、保護動作検知点及びヒステリシスレベルを調整するための調整用抵抗153、154、155、保護動作用のトランジスタ151、1511を有する。保護動作用のトランジスタ151、1511がオンすると、電流検出抵抗13を介して電流が流れ、電流検出用のオペアンプ12の出力電圧が上昇する。
【0035】
間欠保護動作回路15は、検出電流が基準値を超えた場合に設定電圧Vcontを制御する。制御回路(電圧制御用オペアンプ9)は、間欠保護動作回路により制御された設定電圧と、出力電圧との入力に従い出力を切り替え、予め定められた時間、駆動周波数生成ユニットの動作を停止させる。また、制御回路(電圧制御用オペアンプ9)は、予め定められた時間の経過の後に、設定電圧と、検出電圧との入力に従い出力を切り替え、駆動周波数生成ユニットの動作を回復させる。
【0036】
図2は、高圧電源装置における高圧出力設定値と出力電圧の関係を例示する図である。電流検出用のオペアンプ12の反転入力端子電圧(V14)=3Vとし、出力電圧Vout=0VとするとVdet=3Vとなる。Voutが増えるとそれに比例してVdetも上昇する。図2において、OVPは、過電圧の状態を示す電圧基準値を示す。LVPは、低電圧の状態を示す電圧基準値を示す。
【0037】
電圧制御用オペアンプ9は出力設定値Vcontの値と出力電圧の検出結果を示すVdetが同じ電圧になるように出力電圧Voutを制御する。すなわち、電圧制御用オペアンプ9は、出力設定値Vcontが低い時には出力電圧Voutも低くなるように制御し、出力設定値Vcontが高い時には出力電圧Voutも高くなるように制御する。
【0038】
また、電流検出用のオペアンプ12は、出力をオフにすることで高圧出力として、出力電圧Voutをオフに制御することが可能である。本実施形態では電圧制御用オペアンプ9、電流検出用のオペアンプ12の動作を保護回路に利用している。
【0039】
通常動作時、コンパレータ152の反転入力端子(-端子)に入力される電圧(反転入力端子電圧)は、オペアンプ12の出力電圧が所定値以下となっているためローレベルである。反転入力端子(-端子)に入力される電圧は、調整用抵抗153、154、155で決められるコンパレータ152の非反転入力端子(+端子)に入力される電圧を下回っている。そのためコンパレータ152の出力はハイレベルであり、トランジスタ151、1511はオンできない。
【0040】
この状態におけるコンパレータ152の非反転入力端子電圧(+端子)に入力される電圧(非反転入力端子電圧)は、調整用抵抗153と調整用抵抗155の並列抵抗値と調整用抵抗154の分圧電圧V1となる。設定例として、Vcc=12V、調整用抵抗153=調整用抵抗154=調整用抵抗155=10KΩと設定すると、分圧電圧V1=6Vとなる。前述した電流検出結果VIdetの計算式(1)に当てはめると、出力電流値は、電流検出用のオペアンプ12の反転入力端子電圧(V14)=3Vとした場合、Iout=300μAとなる。
【0041】
出力異常時に出力電流Iout300μAを超える電流が流れる場合を想定する。この場合、コンパレータ152の非反転入力端子電圧は、充電用ダイオード158と回路オン時間調整用抵抗156を介して、コンデンサ1510を抵抗値と静電容量により決められた時定数で充電した電圧となる。分圧電圧レベルがV1=6Vを上回ると、コンパレータ152の出力が反転してローレベルとなり、トランジスタ151、1511をオンさせる。
【0042】
これにより電圧制御用オペアンプ9の反転入力端子電圧、すなわち出力電圧設定値はローレベルに落とされ、高圧出力(Vout)をオフにする方向に回路が動作する。高圧出力(Vout)がオフにされると、電流検出用のオペアンプ12の出力電圧も低下する。この時、保護検知用のコンパレータ152の反転入力端子電圧は、放電用ダイオード159及びオフ時間調整用抵抗157を介してコンデンサ1510を抵抗値と静電容量により決められた時定数で放電された電圧となる。
【0043】
コンパレータ152の出力がローレベルの場合の非反転入力端子電圧をV2とし、前述した設定例により計算すると、V2=4Vとなり、この時のIout=100μAとなる。つまり、コンパレータ152は異常検知時と検知後の開放時のレベルにヒステリシスを持っていることになる。
【0044】
コンデンサ1510がオフ時間調整用抵抗157との時定数で4Vまで放電されると、コンパレータ152の出力は再び反転してハイレベルになり、トランジスタ151、1511もオフとなり、通常動作に復帰する。この時、高圧出力の異常が排除されていればそのまま通常動作が継続される。異常状態が解消されていない場合、反転入力端子電圧は、再び、充電用ダイオード158と回路オン時間調整用抵抗156を介して、コンデンサ1510を抵抗値と静電容量により決められた時定数で充電されてゆく電圧により上昇する。異常状態が解消されていない場合、回路はオフとなり再び停止する。
【0045】
間欠保護動作とは回路出力の停止と復帰の繰り返し動作をいい、回路オン時間調整用抵抗156、157の抵抗値とコンデンサ1510の静電容量との関係でオン時間とオフ時間の調整が可能である。例えば、異常を検知した次の瞬間に異常は排除され、自己復帰させたい場合には出来るだけ早く出力を元に戻すことが好ましい。一方、オフ時間を短く設定しすぎると、異常継続時の平均出力電力が増えてしまうので、オフ時間と平均出力電力のバランスを取りながら回路定数を設定することが好ましい。
【0046】
図3は、間欠保護動作時における出力電圧の変化を例示的に示す図である。間欠保護動作回路15が過電流を検知すると、高圧電源装置の回路出力は停止する。間欠保護動作回路15により予め定められた回路出力を停止する回路停止時間(オフ時間:t2−t1)を経過すると、間欠保護動作回路15は、回路出力をもとに戻す復帰動作により回路出力を再び立ち上がる。この場合、異常状態が継続していると、間欠保護動作回路15は、回路出力を停止する停止動作を実行する(t3)。
【0047】
画像形成装置の異常により過電流が発生した場合、圧電トランスを駆動するための駆動周波数が制御可能な範囲を超える場合が生じる。このような場合でも、回路出力の停止と復帰を繰り返す間欠保護動作により、駆動周波数を高周波(低出力)側に一旦、周波数リセットしながら回路出力を制御することが可能になる。
【0048】
図5は周波数リセットの方式を変えた第1変形例の回路構成を示す図である。図5の回路構成において、図1の回路構成と同一の構成要素については同一の参照番号を付している。間欠保護動作回路15については、図1の構成と同一であるため詳細な回路構成を省略して図示している。図5の回路構成では、間欠保護動作回路15の出力が電圧制御用オペアンプ9の非反転入力端子(+端子)に入力され、異常状態の検出時にVdetを強制的にハイレベルに引っ張ることで駆動周波数のリセットをして回路出力をオフにしている。
【0049】
図6は周波数リセットの方式を変えた第2変形例の回路構成を示す図である。図6の回路構成においても、図1の回路構成と同一の構成要素については同一の参照番号を付している。間欠保護動作回路15については、図1の構成と同一であるため詳細な回路構成を省略して図示している。図6の回路構成では、間欠保護動作回路15の出力が電圧制御用オペアンプ9の出力側と接続することにより、異常状態の検出時に電圧制御用オペアンプ9の出力を強制的にハイレベルに引っ張ることで駆動周波数のリセットをして回路出力をオフにしている。
【0050】
本実施形態に拠れば、異常状態が発生した場合でも、出力の停止と回復動作を制御することで、安全性に優れた画像形成装置を提供することが可能になる。
【0051】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を図7乃至図10の参照により説明する。
【0052】
図7は、第2実施形態にかかる高圧電源装置の回路構成を示す図である。図7において図1と異なる点は、定電流制御を行っていることである。電流検出用のオペアンプ12の出力が電流制御用オペアンプ19の非反転入力端子(+端子)と接続されている。反転入力端子(−端子)は、抵抗20を介して出力すべき電流として設定された設定電流Icontを示す出力電流設定信号と接続されている。電流制御用オペアンプ19に抵抗20を介して入力された出力電流設定信号Icontと、電流制御用オペアンプ12の出力VIdetとが同じになるよう回路出力が制御される。
【0053】
高圧電源装置は、画像形成装置の本体側からの指示で出力すべき電流として、設定電流Icontを設定する出力電流設定回路と、高圧電源装置の出力電流を検出する出力電流検出回路と、を有する。また、高圧電源装置は、設定電流Icontに基づく電圧と、出力電流検出回路の検出結果として出力される電圧VIdetと、に基づき駆動周波数生成ユニットを制御する制御回路(素子)を有する。また、高圧電源装置は、出力電圧を検出する電圧検出回路を有する。具体的には、電圧検出回路は高圧電源回路の出力電圧に基づく検出電圧Vdetを検出する。また、高圧電源装置は、出力電流が過電流であることを示す第1の基準値を超えた場合に、予め定められた時間、制御回路(素子)の出力を切り替えて、駆動周波数生成ユニットの動作を制御する間欠保護動作回路を有する。間欠保護動作回路は出力電流が第1の基準値を超えたことを通知する過電流通知回路を有する。
【0054】
また、高圧電源装置は、検出電圧が過電圧の状態を示す第2の基準値を超えた場合に、制御回路の出力を切り替えて、駆動周波数生成ユニットの動作を制御する過電圧検知回路(OVP23)を有する。過電圧検知回路(OVP23)は、検出電圧が第2の基準値を超えたことを画像形成装置本体の制御部に通知する過電圧通知回路を有する。更に、高圧電源装置は、検出電圧が低電圧の基準となる第3の基準値を下回ったことを画像形成装置本体の制御部に通知する低電圧通知回路(LVP22)を更に有する。
【0055】
図8は、オペアンプ12の出力であり電流検出結果を示すVIdetと、高圧出力電圧Voutに対応した高圧出力電流値Ioutと、の関係を例示的に示す図である。図8において、OCPは、過電流の状態を示す基準値である。電流検出用のオペアンプ12の非反転入力端子(+端子)に接続された電源14の電圧を基準として、電流検出抵抗13に流れた電流に応じて、電流検出用のオペアンプ12の出力電圧が変化することを示している。Iout=0AではVIdet=3V、Iout=300μAではVIdet=9Vを示していることから、電流検出抵抗13はこの場合、20KΩであることが計算により導かれる。
【0056】
出力電圧検出用の抵抗7、8の分圧部分に接続されたボルテージフォロワのオペアンプ21と、その出力を元にして過電圧を検知するOVP回路23(過電圧検知手段)及び、低電圧を検知するLVP回路(低電圧検知手段)22を備えている。
【0057】
定電流制御方式では、高圧出力のインピーダンスに応じて出力電圧が変化する。つまり出力インピーダンスが高ければわずかな電流でも高い電圧が発生するし、逆にインピーダンスが低ければ発生する電圧は低くなる。
【0058】
このような構成での出力異常状態を想定すると、高圧出力回路に異常が発生し、回路側からみたインピーダンスが上昇した場合の過電圧発生と定電流制御ながらも出力が突然短絡された場合などには過電流が流れる場合がある。また、圧電トランス3はセラミックを使用した素子であるため、巻線トランスよりも衝撃に弱く、割れてしまった場合、出力が完全にオフしてしまうため、電流も流れず、電圧も発生していない状態となる。過電流の発生に対する保護は第1実施形態で説明した通りなので詳細は割愛するが、本実施形態では間欠保護動作回路15の動作結果が画像形成装置本体の制御部に通知される(OCP通知)。
【0059】
次に過電圧保護動作について説明する。出力部の接触不良やコネクタ抜け等によるインピーダンスの上昇が発生すると、電流制御用オペアンプ19は一定の電流を流そうとして最大出力を制御する。この時、回路出力部での出力電圧は回路の能力の最大値となり、通常動作時には発生しないような高電圧が発生してしまう。高圧電源装置を構成する回路の途中に断線等が生じた場合、この部分に異常電圧が出力されてしまう。そのような電圧印加が想定されていない設計の場合、リーク電流が近傍の低圧金属部に向けて流れてしまう。このため、過電圧発生時には装置内のどの部分で異常電圧が印加されても問題の無いような絶縁設計が可能であればよいが、通常経路全体に対しては困難であることが多いため本実施形態では出力を停止し、停止状態を保持する構成とした。
【0060】
図9は過電圧発生時の出力電圧の時間変化を示す図である。通常動作レベルの出力が続いた後、あるところで出力異常が発生して電圧が上昇すると、過電圧を検知して回路が停止するため出力電圧は低下する。異常検知により停止状態を保持する構成としているので、自動的な復帰動作は行われない。
【0061】
次に、図7に示す回路の動作を説明する。出力電圧Voutが上昇するとそれに比例してVdetも上昇する。過電圧検出用のツェナーダイオード235のツェナー電圧を超える電圧がVdetに発生すると抵抗234を経由してコンデンサ233が充電される。サイリスタ232のオンレベルまで電圧が上昇するとサイリスタ232はオンしてIcont信号をローレベルに落として状態を保持する。
【0062】
抵抗231はサイリスタ232の保持電流を決める抵抗であり、抵抗234とコンデンサ233の充電時定数によりノイズ等の誤動作を防止している。また、サイリスタ232のアノード電圧を画像形成装置本体に返すことで、過電圧発生を画像形成装置本体の制御部に通知している(OVP通知)。
【0063】
次に、圧電トランス3の素子割れ検知について説明する。圧電トランス3の素子割れ時には出力電圧Voutが低下し、且つ出力電流も流れない状態となることから、出力低電圧検知信号を装置に返す構成としている。装置側では過電圧検知信号との組み合わせにより過電流が発生しているのか、素子割れが発生しているのかを判別することができる。
【0064】
次に低電圧検知回路22の説明を行う。出力電圧の検知結果を示すVdetには通常動作時には一定以上の電圧が必ず発生しており、この電圧Vdetが所定値を下回った場合に、低電圧検知回路22は出力電圧が異常(低電圧の状態)と判断する。低電圧検知用ツェナーダイオード221には通常動作時に電流が流れており、トランジスタ222のエミッタ、ベース間抵抗223の両端にはトランジスタ222をオンさせるのに十分な電圧が発生している。トランジスタ222がオンすることでトランジスタ224はオフし、プルアップ抵抗226によりコレクタはVccまで引っ張り上げられている。圧電トランス3に割れが発生すると出力電圧Voutが低下し、これに応じて出力電圧の検出結果を示すVdetも低下する。そして、低電圧検知用ツェナーダイオード221の出力はオフとなり、トランジスタ222もオフとなる。これにより抵抗225を経由してトランジスタ224のベースに電流が供給され、トランジスタ224はオンし、コレクタ電圧はローレベルとなる。低電圧検知回路22は、この電圧レベルを画像形成装置本体の制御部に低電圧検知信号として通知する(LVP通知)。
【0065】
図10は、検知情報(OCP、OVP、LVP)と装置本体のステータスとの関係を示す図である。装置側ではこの時の過電流検知信号(OCP)を併せてモニターし、過電流検知信号(OCP)を検知せずに低電圧検知信号(LVP)が検知された場合には、圧電トランスの素子割れと判定される。
【0066】
過電流検知信号(OCP)を検知し、低電圧検知信号(LVP)を検知した場合には出力インピーダンス低下による電圧低下の可能性が高いので、この場合には過電流が発生したと判定する。画像形成装置は、この判定結果を操作部等に表示してユーザーに通知することもできるし、ネットワークを介して通知することも可能である。
【0067】
本実施形態に拠れば、異常状態が発生した場合でも、出力の停止と回復動作を制御することで、安全性に優れた画像形成装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の第1実施形態に係る高圧電源装置の回路構成を示す図である。
【図2】高圧電源装置における高圧出力設定値と出力電圧の関係を例示する図である。
【図3】間欠保護動作時における出力電圧の変化を例示的に示す図である。
【図4】一般的な画像形成装置の動作の一例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る回路構成で、周波数リセットの方式を変えた第1変形例の回路構成を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る回路構成で、周波数リセットの方式を変えた第2変形例の回路構成を示す図である。
【図7】本発明の第2実施形態にかかる高圧電源装置の回路構成を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る電流検出結果に基づくVIdetと、高圧出力電圧Voutに対応した高圧出力電流値Ioutと、の関係を例示的に示す図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る過電圧発生時の出力電圧の時間変化を示す図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る検知情報(OCP、OVP、LVP)と装置本体のステータスとの関係を示す図である。
【図11】圧電トランス式高圧電源装置の構成例を示す図である。
【図12】圧電トランスの駆動周波数と出力電圧の関係を示す図である。
【図13】従来の圧電トランス高圧回路の過電流保護動作時の出力状態を示す図である。
【符号の説明】
【0069】
15 間欠保護動作回路
152 コンパレータ
153 調整用抵抗
154 調整用抵抗
155 調整用抵抗
158 充電用ダイオード
159 放電用ダイオード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電トランスと、前記圧電トランスを駆動するための駆動周波数を生成する駆動周波数生成手段と、を有する電源装置を用いて電子写真方式の画像形成を実行する画像形成装置であって、当該電源装置が、
出力すべき電圧を設定する出力電圧設定手段と、
前記電源装置の出力電圧を検出する電圧検出手段と、
前記設定電圧と前記電圧検出手段により検出された出力電圧に基づき前記駆動周波数生成手段を制御する制御手段と、
前記電源装置の出力電流を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段により検出された出力電流が過電流であることを示す基準値を超えた場合に、予め定められた時間、前記制御手段の出力を切り替えて、前記駆動周波数生成手段の動作を制御する間欠保護動作手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記間欠保護動作手段は、前記出力電流が前記基準値を超えた場合に、前記設定電圧を制御し、
前記制御手段は、前記間欠保護動作手段により制御された前記設定電圧と、前記出力電圧との入力に従い当該制御手段の出力を切り替え、前記予め定められた時間、前記駆動周波数生成手段の動作を停止させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記予め定められた時間の経過の後に、前記設定電圧と、前記出力電圧との入力に従い当該制御手段の出力を切り替え、前記駆動周波数生成手段の動作を回復させることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記間欠保護動作手段は、前記検出電流が前記基準値を超えた場合に、前記出力電圧を制御し、
前記制御手段は、前記間欠保護動作手段により制御された前記出力電圧と、前記設定電圧との入力に従い当該制御手段の出力を切り替え、前記予め定められた時間、前記駆動周波数生成手段の動作を停止させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記予め定められた時間の経過の後に、前記設定電圧と、前記出力電圧との入力に従い当該制御手段の出力を切り替え、前記駆動周波数生成手段の動作を回復させることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記間欠保護動作手段は、前記出力電流が前記基準値を超えた場合に、前記予め定められた時間、前記制御手段の出力を制御して前記駆動周波数生成手段の動作の動作を停止させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記間欠保護動作手段は、前記予め定められた時間の経過の後、前記制御手段の出力を制御して前記駆動周波数生成手段の動作の動作を回復させることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記間欠保護動作手段は、前記出力電流が前記基準値を超えたことを通知する過電流通知手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項9】
圧電トランスと、前記圧電トランスを駆動するための駆動周波数を生成する駆動周波数生成手段と、を有する電源装置を用いて電子写真方式の画像形成を実行する画像形成装置であって、当該電源装置が、
出力すべき電流を設定する出力電流設定手段と、
前記電源装置の出力電流を検出する出力電流検出手段と、
前記設定電流に基づく電圧と、前記出力電流検出手段で検出された出力電流と、に基づき前記駆動周波数生成手段を制御する制御手段と、
前記電源装置の出力電圧を検出する電圧検出手段と、
前記出力電流検出手段により検出された前記出力電流が過電流であることを示す第1の基準値を超えた場合に、予め定められた時間、前記制御手段の出力を切り替えて、前記駆動周波数生成手段の動作を制御する間欠保護動作手段と、
前記電圧検出手段により検出された前記出力電圧が過電圧の状態を示す第2の基準値を超えた場合に、前記制御手段の出力を切り替えて、前記駆動周波数生成手段の動作を制御する過電圧検知手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
前記過電圧検知手段は、前記出力電圧が前記第2の基準値を超えた場合に前記設定電流に基づく電圧を制御し、
前記制御手段は、前記過電圧検知手段により制御された前記電圧と、前記出力電流検出手段の検出結果として出力される電圧と、の入力に従い当該制御手段の出力を切り替え、前記予め定められた時間、前記駆動周波数生成手段の動作を停止させることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御手段は、前記予め定められた時間の経過の後に、前記設定電流に基づく電圧と、前記出力電流検出手段の検出結果として出力される電圧と、の入力に従い当該制御手段の出力を切り替え、前記駆動周波数生成手段の動作を回復させることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記間欠保護動作手段は、前記出力電流が前記第1の基準値を超えた場合に、前記予め定められた時間、前記制御手段の出力を制御して前記駆動周波数生成手段の動作の動作を停止させることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記間欠保護動作手段は、前記予め定められた時間の経過の後、前記制御手段の出力を制御して前記駆動周波数生成手段の動作の動作を回復させることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記間欠保護動作手段は、前記出力電流が前記第1の基準値を超えたことを通知する過電流通知手段を有することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記出力電圧が前記第2の基準値を超えたことを通知する過電圧通知手段を更に備えることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記出力電圧が低電圧の状態を示す第3の基準値を下回ったことを通知する低電圧通知手段を更に備えることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項1】
圧電トランスと、前記圧電トランスを駆動するための駆動周波数を生成する駆動周波数生成手段と、を有する電源装置を用いて電子写真方式の画像形成を実行する画像形成装置であって、当該電源装置が、
出力すべき電圧を設定する出力電圧設定手段と、
前記電源装置の出力電圧を検出する電圧検出手段と、
前記設定電圧と前記電圧検出手段により検出された出力電圧に基づき前記駆動周波数生成手段を制御する制御手段と、
前記電源装置の出力電流を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段により検出された出力電流が過電流であることを示す基準値を超えた場合に、予め定められた時間、前記制御手段の出力を切り替えて、前記駆動周波数生成手段の動作を制御する間欠保護動作手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記間欠保護動作手段は、前記出力電流が前記基準値を超えた場合に、前記設定電圧を制御し、
前記制御手段は、前記間欠保護動作手段により制御された前記設定電圧と、前記出力電圧との入力に従い当該制御手段の出力を切り替え、前記予め定められた時間、前記駆動周波数生成手段の動作を停止させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記予め定められた時間の経過の後に、前記設定電圧と、前記出力電圧との入力に従い当該制御手段の出力を切り替え、前記駆動周波数生成手段の動作を回復させることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記間欠保護動作手段は、前記検出電流が前記基準値を超えた場合に、前記出力電圧を制御し、
前記制御手段は、前記間欠保護動作手段により制御された前記出力電圧と、前記設定電圧との入力に従い当該制御手段の出力を切り替え、前記予め定められた時間、前記駆動周波数生成手段の動作を停止させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記予め定められた時間の経過の後に、前記設定電圧と、前記出力電圧との入力に従い当該制御手段の出力を切り替え、前記駆動周波数生成手段の動作を回復させることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記間欠保護動作手段は、前記出力電流が前記基準値を超えた場合に、前記予め定められた時間、前記制御手段の出力を制御して前記駆動周波数生成手段の動作の動作を停止させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記間欠保護動作手段は、前記予め定められた時間の経過の後、前記制御手段の出力を制御して前記駆動周波数生成手段の動作の動作を回復させることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記間欠保護動作手段は、前記出力電流が前記基準値を超えたことを通知する過電流通知手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項9】
圧電トランスと、前記圧電トランスを駆動するための駆動周波数を生成する駆動周波数生成手段と、を有する電源装置を用いて電子写真方式の画像形成を実行する画像形成装置であって、当該電源装置が、
出力すべき電流を設定する出力電流設定手段と、
前記電源装置の出力電流を検出する出力電流検出手段と、
前記設定電流に基づく電圧と、前記出力電流検出手段で検出された出力電流と、に基づき前記駆動周波数生成手段を制御する制御手段と、
前記電源装置の出力電圧を検出する電圧検出手段と、
前記出力電流検出手段により検出された前記出力電流が過電流であることを示す第1の基準値を超えた場合に、予め定められた時間、前記制御手段の出力を切り替えて、前記駆動周波数生成手段の動作を制御する間欠保護動作手段と、
前記電圧検出手段により検出された前記出力電圧が過電圧の状態を示す第2の基準値を超えた場合に、前記制御手段の出力を切り替えて、前記駆動周波数生成手段の動作を制御する過電圧検知手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
前記過電圧検知手段は、前記出力電圧が前記第2の基準値を超えた場合に前記設定電流に基づく電圧を制御し、
前記制御手段は、前記過電圧検知手段により制御された前記電圧と、前記出力電流検出手段の検出結果として出力される電圧と、の入力に従い当該制御手段の出力を切り替え、前記予め定められた時間、前記駆動周波数生成手段の動作を停止させることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御手段は、前記予め定められた時間の経過の後に、前記設定電流に基づく電圧と、前記出力電流検出手段の検出結果として出力される電圧と、の入力に従い当該制御手段の出力を切り替え、前記駆動周波数生成手段の動作を回復させることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記間欠保護動作手段は、前記出力電流が前記第1の基準値を超えた場合に、前記予め定められた時間、前記制御手段の出力を制御して前記駆動周波数生成手段の動作の動作を停止させることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記間欠保護動作手段は、前記予め定められた時間の経過の後、前記制御手段の出力を制御して前記駆動周波数生成手段の動作の動作を回復させることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記間欠保護動作手段は、前記出力電流が前記第1の基準値を超えたことを通知する過電流通知手段を有することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記出力電圧が前記第2の基準値を超えたことを通知する過電圧通知手段を更に備えることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記出力電圧が低電圧の状態を示す第3の基準値を下回ったことを通知する低電圧通知手段を更に備えることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−139498(P2009−139498A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−313943(P2007−313943)
【出願日】平成19年12月4日(2007.12.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月4日(2007.12.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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