説明

画像形成装置

【課題】
基準となる基準パターンと色が変化する階調パターンとの接続角度が様々な角度を有するように交互に配置して、濃度差を認識しやすくした補正用チャートを印刷出力する画像形成装置を提案する。
【解決手段】
ROM5に記憶される画像データに基づき、基準濃度パターンと調整濃度パターンとの接する接続角度が全ての角度を含むように配置される濃度補正チャートの画像データをRAM9に生成する。
そして、プリントエンジン6でRAM9の画像データが印刷出力され、ユーザが印刷された濃度補正チャートに基づき濃度調整値を選択して表示/操作部3に入力し、入力された濃度調整値に基づき補正部8で階調補正が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタや複写機等の画像形成装置においては、構成する部品が経時的に劣化する為、出力画質が意図した画質と異なって印刷出力されてしまうようになり、その補正の為のキャリブレーションが必要となる。
【0003】
キャリブレーションであるグレーバランス補正や階調補正では、数々の色で構成されているチャートを印刷し、あらかじめ印刷してある基準チャートと比較したり、目視や測定器によって読み取り、補正が行われる。
【0004】
特に、基準パターンと、濃度や色を変化させた階調パターンとを並置して印刷し、目視で濃淡を判断して補正する方法は、測定器や基準チャートが不要となり、低コストで構成することができる為、様々なものが提案されている。
【0005】
特許文献1では、複数のグレイレベル仕様の標準バンドと複数のグレイレベル仕様で円滑に増加するシーケンスとを印刷し、視覚的に等しく見えるシーケンスが選択され、その選択値を用いてプリンタ階調補正を行う階調再現カーブ決定方法が提案されている。
【0006】
特許文献2では、色比較の基準となる基準パターンと段階的に濃さを変化させた階調パターンとを扇状に同一面積比となるように交互に配置し印刷される。ユーザにより色の比較が目視で行われ、基準パターンと差が最も小さい階調パターンの部分が選択されて入力され、その入力された値を補正入力値として階調補正を行う色補正可能な画像形成装置が提案されている。
【0007】
特許文献3では、色ずれの判断の対象となるテスト領域と色ずれの基準となるリファレンス領域と交互に配置してこれらの領域の幅を複数種類有しているチャートを印刷出力するテストパターン記録方法、情報処理装置および記録装置が提案されている。
【0008】
特許文献4では、基準となるブラック単色を背景に印刷し、比較すべきCMYの混合比を変えたテスト領域を背景の中に凹状に配置し、最も色差の小さいところを目視で検出してグレーバランス調整が行われる画像処理方法、装置および記録媒体が提案されている。
【0009】
特許文献5では、複数階調の各階調において各要素色の量を変化させたものを有するパターンシートが印刷出力され、そのパターンシートに基づき受け付けられる値からグレーバランス補正用カーブが生成される画像処理装置、画像処理方法、プログラム、記録媒体、及び基準シートが提案されている。
【0010】
特許文献6では、基準と成る市松模様の基準領域と段階的に階調の増大する階調領域とが並置されたテストチャートが印刷出力され、テストチャートから読み取られる値に基づき階調補正が行われるカラーレーザプリンタのキャリブレーション方法およびテストチャートが提案されている。
【特許文献1】特許3539575号公報
【特許文献2】特開2001−130056号公報
【特許文献3】特開2000−301810号公報
【特許文献4】特開2001−47665号公報
【特許文献5】特開2003−234913号公報
【特許文献6】特開2002−44455号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
基準となる基準パターンと色が変化する階調パターンとの接続角度が様々な角度を有するように交互に配置して、濃度差を認識しやすくした補正用チャートを印刷出力する画像形成装置を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成する為に、請求項1の画像形成装置は、基準濃度パターンと調整濃度パターンとが接する接続角度が全ての角度を含むように配置され前記調整濃度パターンはパターン毎に濃度が異なっている印刷する濃度補正チャートデータを生成するチャートデータ生成手段と、前記濃度補正チャートデータに基づき各パターン毎に基準濃度パターンと調整濃度パターンが並置された濃度補正チャートを印刷する印刷手段と、印刷された濃度補正チャート上の利用者の視認による基準濃度パターンと調整濃度パターンの濃淡比較に基づく任意のパターンの濃度調整値の入力を受け付ける受付手段と、前記受付手段が受け付けた任意のパターンの濃度調整値に基づき該任意のパターンの階調補正を行う階調補正手段とを有するように構成される。
【0013】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記チャートデータ生成手段は、前記基準濃度パターンと前記調整濃度パターンとが環状であり、同心円状に交互に配置される濃度補正チャートデータを生成するように構成される。
【0014】
また、請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記チャートデータ生成手段で生成する濃度補正チャート上の同心円の最内周の領域と最外周の領域は、前記基準濃度パターンとなるように構成される。
【0015】
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかの発明において、前記チャートデータ生成手段で生成する濃度補正チャート上の同心円の最内側の領域は、円状の前記基準濃度パターンとなるように構成される。
【0016】
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかの発明において、前記チャートデータ生成手段は、前記同心円の調整濃度パターンが最内周から最外周に向かって段階的に濃くなる前記濃度補正チャートと、前記同心円の調整濃度パターンが最内周から最外周に向かって段階的に薄くなる前記濃度補正チャートデータと生成し、前記印刷手段は、前記チャートデータ生成手段が生成した2種の濃度補正チャートを印刷し、前記受付手段は、前記印刷手段より印刷された2種の濃度補正チャートよりそれぞれ濃度調整値を受け付け、前記階調補正手段は、前記受付手段でそれぞれ受け付けた2つの濃度調整値の平均値に基づき階調補正を行うように構成される。
【0017】
また、請求項6の発明は、請求項1の発明において、前記チャートデータ生成手段は、前記基準濃度パターンと前記調整濃度パターンとが環状であり、前記基準濃度パターンと前記調整濃度パターンと環の幅は段階的に変化する濃度補正チャートデータを生成するように構成される。
【0018】
また、請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記チャートデータ生成手段は、前記基準濃度パターンと前記調整濃度パターンの環の中心が偏心されて配置される濃度補正チャートデータを生成するように構成される。
【0019】
また、請求項8の発明は、請求項6の発明において、前記チャートデータ生成手段は、前記基準濃度パターンと前記調整濃度パターンの環は楕円であり、該環の中心が同一に配置される濃度補正チャートデータを生成するように構成される。
【0020】
また、請求項9の発明は、請求項6乃至8のいずれかの発明において、前記チャートデータ生成手段で生成する濃度補正チャート上の最内周の領域と最外周の領域は、前記基準濃度パターンとなるように構成される。
【0021】
また、請求項10の発明は、請求項6乃至9のいずれかの発明において、前記チャートデータ生成手段で生成する濃度補正チャート上の最内側の領域は、円状の前記基準濃度パターンとなるように構成される。
【0022】
また、請求項11の発明は、請求項1の発明において、前記チャートデータ生成手段は、前記基準濃度パターンの領域と前記調整濃度パターンとの領域によって2重渦巻が形成される濃度補正チャートデータを生成するように構成される。
【0023】
また、請求項12の発明は、請求項1の発明において、前記チャート生成手段は、前記基準濃度パターンの領域を濃度の異なる2つの前記調整濃度パターンで挟んだ3重渦巻の濃度補正チャートデータを生成するように構成される。
【0024】
また、請求項13の発明は、請求項11または12の発明において、前記チャートデータ生成手段は、前記調整濃度パターンの色が連続的に変化する濃度補正チャートデータを生成するように構成される。
【0025】
また、請求項14の発明は、請求項11または12の発明において、前記チャートデータ生成手段は、前記調整濃度パターンの色が連続的に変化する範囲と変化しない範囲とを交互に配置する濃度補正チャートデータを生成するように構成される。
【0026】
また、請求項15の発明の画像形成装置は、基準濃度パターンと、前記基準濃度パターンのスクリーン線数より高い線数のスクリーンで構成される中線数調整濃度パターンとが含まれる印刷する第1の濃度補正チャートデータを生成する第1のチャートデータ生成手段と、前記第1の濃度補正チャートデータに基づきパターン毎に基準濃度パターンと中線数調整濃度パターンが並置された第1の濃度補正チャートを印刷する第1の印刷手段と、印刷された第1の濃度補正チャート上の利用者の視認による基準濃度パターンと中線数調整濃度パターンの濃淡比較に基づく任意のパターンの濃度調整値の入力を受け付ける第1の受付手段と、前記第1の受付手段が受け付けた任意のパターンの濃度調整値に基づく濃度で構成される前記中線数調整濃度パターンと、前記中線数調整濃度パターンのスクリーン線数よりも高い線数のスクリーンで構成される調整濃度パターンとが含まれる印刷する第2の濃度補正チャートデータを生成する第2のチャートデータ生成手段と、前記第2の濃度補正チャートデータに基づきパターン毎に前記中線数調整濃度パターンと前記調整濃度パターンが並置された第2の濃度補正チャートを印刷する第2の印刷手段と、印刷された第2の濃度補正チャート上の利用者の視認による中線数調整濃度パターンと前記調整濃度パターンの濃淡比較に基づく任意のパターンの第2の濃度調整値の入力を受け付ける第2の受付手段と、前記第2の受付手段が受け付けた任意のパターンの濃度調整値に基づき該任意のパターンの階調補正を行う階調補正手段とを有するように構成される。
【0027】
また、請求項16の発明の画像形成装置は、基準濃度パターンと調整濃度パターンとが接する最適な接続角度を計算する最適角度計算手段と、前記基準濃度パターンと前記調整パターンとが前記最適角度計算手段で計算された接続角度を含むように配置される印刷する濃度補正チャートデータを生成するチャートデータ生成手段と、前記濃度補正チャートデータに基づき各パターン毎に基準濃度パターンと調整濃度パターンが同心円状に交互に並置された濃度補正チャートを印刷する印刷手段と、印刷された濃度補正チャート上の利用者の視認による基準濃度パターンと調整濃度パターンの濃淡比較に基づく任意のパターンの濃度調整値の入力を受け付ける受付手段と、前記受付手段が受け付けた任意のパターンの濃度調整値に基づき該任意のパターンの階調補正を行う階調補正手段とを有するように構成される。
【0028】
また、請求項17の発明は、請求項16の発明において、前記チャートデータ生成手段は、複数の色毎の前記基準濃度パターンと前記調整パターンとが含められ、前記基準濃度パターンと前記調整パターンとが前記最適角度計算手段で計算された接続角度を含む扇形形状で各色の前記基準濃度パターンと前記調整パターンとが構成されるように前記濃度補正チャートデータを生成するように構成される。
【0029】
また、請求項18の発明は、請求項16または17の発明において、前記最適角度計算手段は、前記基準濃度パターンと前記調整濃度パターンとの接続面でスクリーン周波数の合計が最大となる接続角度を最適な接続角度とするように構成される。
【0030】
また、請求項19の発明の画像形成装置は、基準黒パターンと調整黒パターンとが接する接続角度が全ての角度を含むように配置される印刷するグレー補正チャートデータを生成するチャートデータ生成手段と、前記グレー補正チャートデータに基づき各パターン毎に基準黒パターンと調整黒パターンが並置されたグレー補正チャートを印刷する印刷手段と、印刷された濃度補正チャート上の利用者の視認による基準黒パターンと調整黒パターンの濃淡比較に基づく任意のパターンの調整値の入力を受け付ける受付手段と、前記受付手段が受け付けた任意のパターンの調整値に基づき該任意のパターンのグレーバランス補正を行うグレーバランス補正手段とを有するように構成される。
【0031】
また、請求項20の発明は、請求項19の発明において、前記チャートデータ生成手段は、前記基準濃度パターンと前記調整濃度パターンとが環状であり、同心円状に交互に配置されるグレー補正チャートデータを生成するように構成される。
【0032】
また、請求項21の発明は、請求項19または20の発明において、前記チャートデータ生成手段は、前記基準黒パターンは単色の黒であり、前記調整黒パターンは、前記同心円の円周方向に調整黒を生成する為の複数の色の成分量を変化させた異なる色の調整黒であるようにグレー補正チャートデータを生成するように構成される。
【0033】
また、請求項22の発明は、請求項19乃至21のいずれかの発明において、前記チャートデータ生成手段は、前記基準黒パターンは単色の黒であり、前記調整黒パターンは、前記調整黒を生成する為の複数の色の成分量が、前記同心円の角度方向に一定となるようにグレー補正チャートデータを生成するように構成される。
【0034】
また、請求項23の発明は、請求項19または20の発明において、前記チャートデータ生成手段は、前記基準黒パターンは単色の黒であり、前記調整黒パターンはパターン毎に調整黒を生成する為の複数の色の成分量を変化させた異なる色の調整黒であるようにグレー補正チャートデータを生成するように構成される。
【発明の効果】
【0035】
請求項1乃至4のいずれかの発明によれば、本発明の構成を備えない場合と比較して、基準濃度パターンと調整濃度パターンとの色の比較がより容易となる。
【0036】
請求項5の発明によれば、本発明の構成を備えない場合と比較して、より精度よく基準濃度パターンと調整濃度パターンとの色の比較が行われる。
【0037】
請求項6乃至14のいずれかの発明によれば、本発明の構成を備えない場合と比較して、基準濃度パターンと調整濃度パターンとの色の比較がより容易となる。
【0038】
請求項15の発明によれば、本発明の構成を有しない場合と比較して、基準濃度パターンと調整濃度パターンとの間で起こる干渉、見ずらさを回避することができる。
【0039】
請求項16の発明によれば、本発明の構成を備えない場合と比較して、基準濃度パターンと調整濃度パターンとの色の比較がより容易となる。
【0040】
請求項17の発明によれば、本発明の構成を備えない場合と比較して、濃度補正チャートがより少ない面積で構成される。
【0041】
請求項18の発明によれば、本発明の構成を備えない場合と比較して、基準濃度パターンと調整濃度パターンとの色の比較がより容易となる。
【0042】
請求項19乃至23のいずれかの発明によれば、本発明の構成を備えない場合と比較して、基準黒パターンと調整黒パターンとの色の比較がより容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、本発明の実施例について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0044】
まず、画像形成装置1について、図1を参照して説明を行う。
【0045】
図1は、画像形成装置1の構成を示す模式図である。
【0046】
画像形成装置1は、表示/操作部3、制御部4、ROM(Read Only Memory)5、プリントエンジン6、通信I/F部7、補正部8、RAM(Random Access Memory)9がバス2を介して接続されている。
【0047】
表示/操作部3は、液晶のタッチパネルで構成され、ユーザインタフェースの機能を司る。
【0048】
制御部4は、CPU(Central Processing Unit)で構成され、画像形成装置1の統括的な制御を司る。
【0049】
また、制御部4は、ROM5に記憶されている階調補正用チャートの元となる画像データを使用してRAM9上に、印刷出力する階調補正用チャートの画像データを生成する。
【0050】
ROM5は、画像形成装置1の階調補正を行う為に印刷出力される階調補正用チャートの元となる画像データを記憶する。
【0051】
また、ROM5は、画像形成装置1を動作させるファームウェアを記憶する。
【0052】

プリントエンジン6は、用紙を収納する用紙トレイ、画像データの静電潜像を感光体に形成する露光装置、感光体にトナー像を形成する現像装置、トナー像を感光体から用紙に転写する転写装置、用紙上のトナー像を定着させる定着装置などで構成され、画像データを用紙に印刷して出力する機能を司る。
【0053】
通信I/F部7は、通信回線と接続されて、その通信回線を介して、パーソナルコンピュータなどから送信される画像データの受信等の通信を行う。
【0054】
補正部8は、経時および外的要因により変化した濃度特性を、印刷出力した補正用チャートを基にユーザが表示/操作部3から入力した値に基づいて、補正する処理を行う。
【0055】
さらに、補正部8では、表示/操作部3で受け付けた値に基づいて、TRC(Tone Reproduction Curve)処理で行われる階調補正と、CMY混合の黒(プロセスブラック)の混合比が調整されるグレーバランス補正も行われる。
【0056】
RAM9では、制御部4によってROM5より呼び出された補正用チャートの元の画像データから、印刷出力される補正用チャートの画像データが生成される。
【0057】
このように構成される、画像形成装置1では、ROM5に補正用チャートの元となる画像データが記憶され、その画像データに基づいて補正用チャートが印刷出力される。
【0058】
経時および外的要因によって変化した濃度特性を適正な濃度特性で印刷できるように補正する為に、ユーザは印刷出力された補正用チャートより確認した値を表示/操作部3に入力する。
【0059】
表示/操作部3に入力された値に基づいて、補正部8で補正が行われ、画像形成装置1は適正な濃度特性で印刷できるようになる。
【0060】
次に、画像形成装置1で行われる処理について図2を参照して説明する。
【0061】
図2は、画像形成装置1で行われる処理を示したフローチャートである。
【0062】
経時および外的要因によって印刷出力時の濃度特性が変化した画像形成装置1では、ユーザによって、補正用チャートの印刷出力が指示される。
【0063】
補正用チャートの印刷出力が指示された画像形成装置1では、制御部4が、ROM5に記憶される画像データを元にして補正用チャートの画像データをRAM4に生成し(ステップ201)、補正用チャートをプリントエンジン6より出力する(ステップ202)。
【0064】
ユーザは、印刷出力された補正用チャートを目視して、低線数基準パターンの色に最も近い階調パターンを選択して(ステップ203)、その階調パターンの数値を表示/操作部3に入力する(階調補正が行われる場合)(ステップ204)。
【0065】
或いは、画像形成装置1でグレーバランス補正が行われる場合には、ユーザは、印刷出力された補正用チャートを目視して、Kのインクで印刷される黒パターンの色に最も近いプロセスブラックのパターンを選択して(ステップ203)、そのプロセスブラックのパターンの値を表示/操作部3に入力する(グレーバランス補正が行われる場合)(ステップ204)。
【0066】
そして、画像形成装置1の補正部8で、入力された値に基づいて、階調補正或いはグレーバランス補正が行われる(ステップ205)。
【0067】
階調補正が行われる場合には、画像形成装置1から印刷出力される補正用チャートは階調補正用のチャートであり、また、グレーバランス補正が行われる場合には、画像形成装置1から印刷出力される補正用チャートはグレーバランス用のチャートである。
【0068】
次に、補正部8の階調補正動作を図3(a)から図3(f)で説明する。
【0069】
図3(a)はプリントエンジンの濃度特性であり、縦軸は出力濃度、横軸は入力データ値を表す。図3(a)の参照番号301のカーブは高線数で印字された画像の濃度特性であり、図3(a)の参照番号302のカーブは基準となる低線数の濃度特性である。また、図3(d)の参照番号303のカーブは、プリントエンジン濃度が変化したときに、高線数パターンで印字された場合の濃度特性である。この図では、参照番号303のカーブは右下に移動し、元の参照番号301のカーブより薄くなっている。これに対して、低線数スクリーンの濃度特性は参照番号302のままであり変化しにくい。
【0070】
初期状態で補正部8は図3(b)のようなTRCに画像データを通すことにより階調を補正する。このTRCは、図3(a)のプリントエンジン濃度特性の縦軸と横軸を入れ替えた形のLUTである。つまり、補正部8のTRCとプリントエンジンを通ることで、印刷面においてリニアな濃度特性の画像を得ることができる。
【0071】
階調補正チャートの階調パターン部b1からb5の値で描かれており、基準パターン部はb3の値で描かれているとして、補正部8の説明を進める。
【0072】
プリントエンジン濃度が図3(d)のように変化した状態で階調補正チャートの印字が指示されると、補正部8のTRCは一時的に図3(c)のように入出力が同じ値となる直線LUTに入れ替わる。階調補正チャートは補正部8を通り、プリントエンジン部でb1からb5に対応したd1’〜d5’の濃度で印刷される。また、基準パターンは濃度が変化しないため、b3入力に対応するd3(d5’)の濃度で印字される。ユーザは基準パターンと同じ濃度であるb3入力の階調パターンを選択して表示/操作部3に入力する。表示/操作部3からの指示を受け、補正部8は図3(e)ようにb3をb5に変換するような補正点を決定し、これを原点と100%の点と結んで階調補正LUTを生成する。これに図3(b)のTRCを通して図3(f)の補正されたTRCを生成する。補正部8は図3(f)の補正TRCを以後の通常印字で使用する。
【0073】
このように、元のTRCを補正することで、プリントエンジンの濃度が変換しても、リニアな濃度特性で印刷することが可能となる。
【0074】
High(高濃度)、Middle(普通濃度)、Low(低濃度)の3種類の濃度に対して、それぞれのチャートを出力して補正する場合は、3種類のチャートに対して、上記と同じ方法で3点の補正点を決定する。これら3点と原点と100%の点を結んで階調補正LUTを生成し、TRCを通して、補正されたTRCを生成する。
【0075】
また、グレーバランスを補正する場合は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(黄色)のそれぞれの色毎に、補正されたTRCを生成することで、グレーバランスが補正される。
【0076】
以下、画像形成装置1より印刷出力される様々な補正用チャートについて、実施例1乃至実施例7の中で説明をする。
【実施例1】
【0077】
第1実施例では、画像形成装置1から印刷出力される階調補正用の補正用チャートについて説明する。
【0078】
画像形成装置1のROM5に記憶される画像データを元にして、図4に示すような補正チャートが印刷出力される。
【0079】
図4は画像形成装置1から印刷出力される補正用チャートであり、図4(a)は内側の円から外側の円にかけて階調パターンの濃度が徐々に薄くなる補正用チャートであり、図4(b)は内側の円から外側の円にかけて階調パターンの濃度が徐々に濃くなる補正用チャートである。
【0080】
図4(a)に示すように、画像形成装置1から印刷出力される補正用チャートは、低線数基準パターンと階調パターンとが交互に同心円状に並べられて構成される。
【0081】
低線数基準パターンは、画像形成装置1の階調特性の変化を比較的受けにくい低線数で構成されるパターンであり、基準となるパターンである。
【0082】
低線数基準パターンは、図4(a)に示すように、補正用チャート上で全て同じ濃度で構成されており、同心円として階調パターンと交互に配置される。
【0083】
階調パターンは、図4(a)に示すように、様々な濃度の階調パターンがあり、同心円状に低線数基準パターンと交互に配置される。
【0084】
そして、図4(a)に示すように、内側、外側に関して端に位置する階調パターンの濃度比較を容易にするために、補正用チャートの最内側と最外側には低線数基準パターンが配置される。また、最内側の低線数基準パターンは円状としてもよい。
【0085】
このように同心円状に交互に配置されることにより、低線数基準パターンと階調パターンとが接する角度が全方向に渡って存在することになる。つまり、低線数基準パターンと階調パターンとが全ての角度で隣接する。
【0086】
また、濃度の異なる階調パターンは、図4(a)に示すように、内側から外側にかけて徐々に濃度の薄い階調パターンとなるように配置される(若しくは、内側から外側にかけて徐々に濃度の濃い階調パターンとなるように配置される)。
【0087】
ユーザは、このような補正用チャート(図4(a))を目視して、低線数基準パターンと濃度の同じ階調パターンを選択する。
【0088】
そして、選択された一つの階調パターンの値が表示/操作部3に入力されて、補正部8で、入力された階調パターンの値を基に階調補正される。
【0089】
また、第1実施例では、画像形成装置1より補正用チャートとして、図4(a)に示す外側の方が階調パターンが徐々に薄くなる補正用チャートだけでなく、図4(b)に示す外側の方が階調パターンが徐々に濃くなる補正用チャートも共に印刷出力されてもよい。
【0090】
図4(b)に示す補正用チャートは、図4(a)に示す補正用チャートと同じく、低線数基準パターンと様々な濃度の階調パターンとが同心円状に交互に配置され、低線数基準パターンと階調パターンとが全ての角度で隣接し、最内側と最外側には低線数基準パターンが配置される。
【0091】
しかし、図4(b)に示す補正用チャートは、図4(a)に示す補正用チャートとは異なり、配置される階調パターンの濃度が、円の内側から外側にいくに従って濃くなるように配置される。
【0092】
ユーザは、内側から外側にかけて階調パターンが薄くなる補正用チャート(図4(a))と、内側から外側にかけて階調パターンが濃くなる補正用チャート(図4(b))との2枚のチャートから濃度が同じように見える階調パターンをそれぞれ選択する。
【0093】
そして、選択されたそれぞれの階調パターンの値が表示/操作部3に入力されると、画像形成装置1の補正部8では、入力された2つの階調パターンの値の平均値を基に階調補正が行われる。
【0094】
このように、2種類の補正用チャートが使用されることにより、人間の目による選択の誤りを低減することができ、より高精度な補正が行われる。
【実施例2】
【0095】
第2実施例では、画像形成装置1から印刷出力される階調補正用の補正用チャートについて説明する。
【0096】
画像形成装置1のROM5に記憶される画像データを元にして、図5或いは図6に示すような補正用チャートが印刷出力される。
【0097】
図5は、画像形成装置1から印刷出力される補正用チャートを示す模式図である。
【0098】
図5に示すように、第2実施例では、画像形成装置1から印刷出力される補正用チャートでは、低線数基準パターンの領域と階調パターンの領域とが、中心が偏心している複数の円の群で構成されている。
【0099】
そして、円環状の低線数基準パターンの領域と円環状の階調パターンの領域とが、境界を接して交互に配置される。
【0100】
また、図6は、画像形成装置1から印刷出力される補正用チャートを示す模式図である。
【0101】
図6に示すように、第2実施例では、画像形成装置1から印刷出力される補正用チャートとして、低線数基準パターンの領域と円環状の階調パターンの領域とが、中心を同一とした楕円の群で構成される補正チャートが印刷出力される。
【0102】
このように補正チャートが印刷出力されると、低線数基準パターンの領域と階調パターンの領域との境界が全ての方向を有しているので、低線数基準パターンの領域の色と階調パターンの領域の色との比較が容易となる。
【0103】
また、このような補正チャートは、階調パターンの濃度変化の方向と境界とがおよそ直交しているので、低線数基準パターンの領域の色と階調パターンの領域の色との比較が容易となる。
【0104】
そして、図5、図6に示すような補正チャートは、それぞれの領域の幅が連続的に変化しているので、視覚特性が鋭敏な空間周波数の範囲が含まれる。
【0105】
図7(a)に示すように、人間の視覚特性は空間周波数に依存して応答が変化する傾向があり、特定の周波数において視覚が鋭敏になる。この特性を補正チャートに適用すると、図7(b)に示すように、空間周波数は、低線数基準パターンと階調パターンの領域の幅と、ユーザがチャートを観察する距離によって決定される。図5、図6を参照して説明した補正チャートでは、それぞれの領域の幅が連続的に変化しているので、空間周波数も連続的に変化している。よって、補正チャートのなかに視覚応答が最も高い空間周波数が必ず存在することになるので、比較が容易な間隔が必ず存在することになる。
【0106】
このような図5、図6を参照して説明した補正用チャートの画像データは、ROM5に記憶されており、補正用チャートの印刷出力が指示されると印刷出力される。
【0107】
ユーザは、図5、図6を参照して説明した補正用チャートを画像形成装置1から印刷出力させ、その補正用チャートより低線数基準パターンと同じ濃度に見える階調パターンを選択し、選択した階調パターンの値を表示/操作部3に入力する。
【0108】
選択された階調パターンの値が表示/操作部3に入力されると、画像形成装置1の補正部8で、入力された階調パターンの値を基に階調補正が行われる。
【実施例3】
【0109】
第3実施例では、画像形成装置1から印刷出力される階調補正用の補正用チャートについて説明する。
【0110】
画像形成装置1のROM5に記憶される画像データを元にして、図8或いは図9或いは図10に示す補正用チャートが印刷出力される。
【0111】
図8は、画像形成装置1から印刷出力される補正用チャートを示す模式図である。
【0112】
補正用チャートについて図8を参照して説明する。
【0113】
図8に示すように、第3実施例では、画像形成装置1から印刷出力される補正用チャートでは、低線数基準パターンの領域と階調パターンの領域とが2重渦巻で構成されている。
【0114】
一方の渦巻は濃度変動に強い低線数のスクリーンで描画される基準パターンの領域であり、もう一方の渦巻は階調補正用の階調パターンの領域である。
【0115】
低線数スクリーンで描画される基準パターンの領域は、渦巻の始端から終端まで階調は変化しない。
【0116】
階調補正用の階調パターンの領域は、渦巻の始端から終端までの間で階調が連続的に変化する。渦巻の始端(内側)から終端(外側)にかけて階調が次第に濃くなるように構成されている。
【0117】
そして、補正用チャートには図8に示すように、2重渦巻と共に、2重渦巻上の位置をXY座標で示すためのX軸、Y軸が記されている。
【0118】
この2重渦巻はXY座標に形成されており、XY座標が明確になれば、その位置の階調パターンの濃度が判明されるように2重渦巻のデータがROM5に記憶されている。
【0119】
図8に示す補正用チャートは、濃度がHigh(高濃度)、Middle(普通濃度)、Low(低濃度)に対応して基準パターンの濃度が異なる3種類のチャートが印刷出力される。
【0120】
補正用チャートを印刷出力したユーザは、低線数スクリーンの基準パターンと並置された階調パターンが同じ濃度に見える領域の座標値を選択する。
【0121】
離散的に階調パターンが変化した場合には、基準パターン領域と並置された階調パターンが同じ濃度に見える領域がチャート上に存在しないということが起こり得るが、連続的に階調パターンが変化する場合は、必ず同じに見える領域がチャート上に含まれている。従って、ユーザは、階調が離散的に変化した場合よりも、連続的に変化した場合の方が同じ濃度に見える領域を選択しやすくなる。
【0122】
また、図9も画像形成装置1から印刷出力される補正用チャートを示す模式図である。 補正用チャートについて図9を参照して説明する。
【0123】
図9に示すように、画像形成装置1から印刷出力される補正用チャートは、図8を参照して説明した補正用チャートと同様に、低線数基準パターンの領域と階調パターンの領域とが2重渦巻で構成されている。
【0124】
そして、一方の渦巻は濃度変動に強い低線数のスクリーンで描画される基準パターンの領域であり、もう一方の渦巻は階調補正用の階調パターンの領域である。
【0125】
低線数スクリーンで描画される基準パターンの領域は、渦巻の始端から終端まで階調は変化しない。
【0126】
階調補正用の階調パターンの領域は渦巻の始端から終端にかけて、渦巻の1周毎に階調が変化する離散的な変化をしている。つまり、図9に示す補正用チャートの階調パターンの領域は、渦巻が1周する領域は同じ階調で構成され、2周目の領域は1周目とは異なる階調で等しく構成され、3周目の領域は2周目とは異なる階調で等しく構成される。このようにして、図9に示す補正用チャートの階調パターンの領域は、渦巻の始端(内側)から終端(外側)にかけて離散的に階調が濃くなるように構成される。
【0127】
また、図9に示す補正用チャートは、図4と同様に階調パターンの各濃度を選択するための数字が振られていて、ユーザは、低線数基準パターンの領域と同じ濃度の階調の領域を選択して、その部分の値を選択する。図8に示す補正用チャートでは、座標を特定するために、同じに見えている領域から視線を逸らしてXY軸を確認する必要があったが、図9に示すチャートでは、1周は同一濃度となっているため、同じに見えている領域から渦巻を辿る事により、値の特定が可能となっている。
【0128】
図9に示す補正用チャートは、濃度がHigh(高濃度)、Middle(普通濃度)、Low(低濃度)対応して基準パターンの濃度が異なる3種類のチャートが印刷出力される。
【0129】
また、図10も画像形成装置1から印刷出力される補正用チャートを示す模式図である。
【0130】
補正用チャートについて図10を参照して説明する。
【0131】
図10に示す補正用チャートは、低濃度の階調パターンの領域(参照番号1003)と、低線数基準パターンの領域(参照番号1001)と、高濃度の階調パターンの領域(参照番号1002)とが3重渦巻で構成されている。
【0132】
1つの渦巻は濃度変動に強い低線数のスクリーンで描画される色見本となる低線数基準パターンの領域である。
【0133】
そして、他の2つの渦巻は、低線数基準パターンの渦巻を両側から挟むように構成されている。
【0134】
このように低線数基準パターンの領域を低濃度の階調パターンと高濃度の階調パターンとで両側から挟むようにして3重渦巻が構成されるので、低濃度の階調パターンと高濃度の階調パターンの領域は共に低線数基準パターンの領域と接している。
【0135】
図10に示す補正用チャートでは、基準パターンと比較可能な階調パターンの領域が、図8、図9に示されるチャートよりも増えており、その事により、図8、図9に示されるチャートよりも階調パターンに用いる階調の範囲を広く取ることが出来る。また、図8、図9で示されるチャートと同じ階調の範囲を取れば、同じ階調の範囲で、より詳細な濃度の選択が可能である。
【0136】
また、図10に示す補正用チャートでは、図8を参照して説明した補正用チャートと同様に、3重渦巻と共に、3重渦巻上の位置をXY座標で示すためのX軸、Y軸が記されている。ユーザは、低線数基準パターンの領域と同じ濃度の階調パターンの領域を選択し、選択した部分のXY座標を選択する。
【0137】
この図10に示す3重渦巻はXY座標に形成されており、XY座標が明確になれば、その位置の階調パターンの値(濃度)が判明されるように3重渦巻のデータがROM5に記憶されている。
【0138】
尚、図10を参照して説明した3重渦巻の補正用チャートでも図9を参照して説明した補正用チャートのように階調パターンの領域は連続的ではなく離散的に階調が濃くなるように構成することもできる。
【0139】
図8、図9、図10を参照して説明した補正用チャートの画像データは、ROM5に記憶されており、補正用チャートの印刷出力が指示されると印刷出力される。
【0140】
次に、図8、図9、図10を参照して説明した補正用チャートを使った画像形成装置1の階調補正の処理について図11を参照して説明する。
【0141】
図11は、図8、図9、図10を参照して説明した補正用チャートを使った画像形成装置1の階調補正の処理について示したフローチャートである。
【0142】
図11に示すように、まず、図8、図9、図10を参照して説明した補正用チャートの高濃度用の補正用チャートが、ROM5に記憶される画像データに基づいてRAM4に生成され(ステップ1101)高濃度用の補正用チャートが印刷出力される(ステップ1102)。
【0143】
ユーザは印刷出力された高濃度用の補正用チャートより、低線数基準パターンの領域と同じ濃度の階調パターンを選択し、その選択した部分のXY座標値、あるいは付されている値を画像形成装置1の表示/操作部3に入力する(ステップ1103)。
【0144】
次に、図8、図9、図10を参照して説明した補正用チャートの普通濃度用の補正用チャートが、ROM5に記憶される画像データに基づいてRAM4に生成され(ステップ1104)、普通濃度用の補正用チャートが印刷出力される(ステップ1105)。
【0145】
ユーザは印刷出力された普通濃度用の補正用チャートより、低線数基準パターンの領域と同じ濃度の階調パターンを選択し、その選択した部分のXY座標値、あるいは付されている値を画像形成装置1の表示/操作部3に入力する(ステップ1106)。
【0146】
次に、図8、図9、図10を参照して説明した補正用チャートの低濃度用の補正用チャートが、ROM5に記憶される画像データに基づいてRAM4に生成され(ステップ1107)、低濃度用の補正用チャートが印刷出力される(ステップ1108)。
【0147】
ユーザは印刷出力された低濃度用の補正用チャートより、低線数基準パターンの領域と同じ濃度の階調パターンを選択し、その選択した部分のXY座標値、あるいは付されている値を画像形成装置1の表示/操作部3に入力する(ステップ1109)。
【0148】
高濃度用、普通濃度用、低濃度用の補正チャートからそれぞれの選択された値が表示/操作部3に入力されると、それぞれの濃度の階調修正値が補正部8で計算される(ステップ1110)。
【0149】
更に、(高濃度−普通濃度)間、(普通濃度−低濃度)間での修正値が補正部8で計算される(ステップ1111)。
【0150】
このように補正部8で計算が行われて新たなLUT関数が生成され階調の変更が行われる(ステップ1112)。
【実施例4】
【0151】
第4実施例で説明する補正用チャートは、基準濃度パターンである低線数パターンと階調パターンとを比較するのではなく、最初に、低線数パターンと、階調パターンで用いられるスクリーンより線数が低く、かつ、低線数パターンで用いられるスクリーンより線数が高いスクリーンで構成される中線数パターンとが比較、選択されて、次に、そこで選択された中線数パターンと階調パターンとが比較されるように構成される。
【0152】
低線数パターンと高線数スクリーンの階調パターンとが比較されると、線数の差が大きいために見づらい状態が発生する場合があるが、低線数パターンと中線数パターンとが比較されて、次に選択された中線数パターンと階調パターンとが比較されると、比較されるパターン間のスクリーン線数の差がより小さくなる。
【0153】
このように2段階に渡って比較される処理について図12を参照して説明する。
【0154】
図12は、2段階に渡って補正用チャートによる補正が行われる処理について示したフローチャートである。
【0155】
まず、低線数パターンと中線数パターンとで構成される補正用チャートがROM5に記憶される画像データに基づきRAM4に制御部4により生成され(ステップ1201)、印刷される(ステップ1202)。
【0156】
低線数パターンと中線数パターンとが印刷された補正用チャートは、図13に示すように、濃度の変わらない低線数パターンの領域と、濃度が徐々に変化する中線数パターンの領域とが隣接して構成される。
【0157】
図13に示す補正用チャートは、低線数パターンと中線数パターンとが印刷された補正用チャートであり、同心円状に領域が構成され、内側から外側に向かって順番に低線数パターンの領域、濃度が薄い中線数パターンの領域、低線数パターンの領域、濃度がやや薄い中線数パターンの領域、低線数パターンの領域、濃度が普通の中線数パターンの領域、低線数パターンの領域、濃度がやや濃い中線数パターンの領域、低線数パターンの領域、濃度が濃い中線数パターンの領域、低線数パターンの領域と構成される。
【0158】
このような図13に示す補正用チャートより、ユーザは、濃度の変わらない低線数パターンと同じ濃度に見える中線数パターンを選択する。
【0159】
そして、選択された中線数パターンの値が表示/操作部3に入力される(ステップ1203)。
【0160】
すると、入力された中線数パターンの値に基づき、補正部8で中線数スクリーンの補正が行われる(ステップ1204)。
【0161】
そして、低線数パターンと中線数パターンとで構成される補正チャートから選択された中線数パターンの濃度を基準とする中線数パターンの濃度として、この中線数パターンと階調パターンとで構成される補正チャートの画像データが制御部4によりRAM9に生成され(ステップ1205)、印刷される(ステップ1206)。
【0162】
中線数パターンと階調パターンとで構成される補正チャートは、図14に示すように、基準となる中線数パターンと高線数の階調パターンとが同心円状に隣あわせに構成されている。
【0163】
そして、中線数パターンはステップ1202で入力された濃度で構成されて濃度は一定であるが、階調パターンは、同心円の内側から外側にかけて濃度が変化している。
【0164】
ユーザは、この図14に示す、中線数パターンと階調パターンとが含まれる補正チャートより、中線数パターンの色と同じ濃度の階調パターンを選択して、その階調パターンの値を表示/操作部3に入力する(ステップ1207)。
【0165】
そして、階調パターンの値が入力された画像形成装置1では、補正部8により階調パターンである高線数スクリーンの補正が行われる(ステップ1208)。
【0166】
このように、低線数パターンと中線数パターンで構成される補正チャートは常に同じ補正チャートが印刷されるが、中線数パターンと階調パターンで構成される補正チャートは、低線数パターンと中線数パターンで構成される補正チャートより選択された中線数パターンと階調パターンとで構成される。
【0167】
それで、中線数パターンと階調パターンとの全ての組み合わせによる補正チャートの画像データがROM5に記憶されている。
【0168】
また、最初に印刷される低線数パターンと中線数パターンで構成される補正チャートの画像データもROM5に記憶されている。
【0169】
図12のフローチャートを参照して説明した処理では補正チャートが2枚印刷されるが、次に1枚の補正チャートにより中線数パターンを使って行われる処理を図15、図16を参照して説明する。
【0170】
図15は、1枚の補正チャートにより、低線数パターンと中線数パターンとの比較、中線数パターンと階調パターンとの比較が行われる処理について示したフローチャートである。
【0171】
まず、図16に示す補正チャートを印刷するためのROM5に記憶される画像データがRAM9に生成され(ステップ1501、画像形成装置1より印刷される(ステップ1502)。
【0172】
図16は、1枚で、低線数パターンと中線数パターンとの比較、中線数パターンと階調パターンとの比較が行える補正チャートである。
【0173】
図16に示す補正チャートは、上部に低線数パターンと中線数パターンの比較が行われる比較チャートが記されている(参照番号1601)。
【0174】
この比較チャートの低線数パターンは比較の基準となるパターンであり濃度の変化はないが、中線数パターンは異なる濃度のパターンが記されている。
【0175】
この中線数パターンも、他の中線数パターンと同様、高線数スクリーンで印刷される階調パターンよりスクリーン線数が低いが、基準となる低線数パターンのスクリーン線数よりは高い線数のスクリーンで構成される。
【0176】
そして、図16に示す補正チャートには、低線数パターンと中線数パターンとで構成される比較チャート(参照番号1601)より選択可能な中線数パターンと階調パターンとを比較する比較チャートが記されている(参照番号1602)。階調パターンは、中線数パターンのスクリーン線数より高いスクリーンで構成され印刷される。
【0177】
例えば、ユーザは、低線数パターンと中線数パターンとで構成される比較チャートから基準となる低線数パターンと同じ濃度に見える中線数パターンとして、図16の参照番号1601に示す7番の中線数スクリーンを選択したとする。
【0178】
すると、次にユーザは、7番の中線数パターンと階調パターンとの比較チャートより(参照番号1603)、同じように見える階調パターンを選択する。
【0179】
そして、ユーザは、印刷された補正チャートより選択した階調パターンを表示/操作部3に入力する。
【0180】
表示/操作部3への選択された階調パターンの入力は、補正チャートより選択された階調パターンに記される番号が入力されることによって行われる。
【0181】
表示/操作部3が、ユーザからの階調パターンの選択を受け付けると、その受け付けた値に基づき補正部8が階調補正を行う(ステップ1504)。
【0182】
このように図16を参照して説明した補正チャートの画像データは、画像形成装置1のROM5に記憶されている。
【実施例5】
【0183】
第5実施例では、画像形成装置1から印刷出力されるグレーバランス用の補正用チャートについて説明する。
【0184】
画像形成装置1のROM5に記憶される画像データを元にして、図17、図18、図19に示す補正用チャートが印刷出力される。
【0185】
図17は、画像形成装置1から印刷出力される補正用チャートを示す模式図である。
【0186】
補正用チャートについて図17を参照して説明する。
【0187】
図17に示すように、グレーバランス調整の為に印刷出力される補正用チャートは、比較の基準となる基準パターンが単色のK(黒)のインクにより印刷されていて、選択されて異なる色で印刷される調整パターンは、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(黄色)の異なる混合比で生成されるプロセスブラックにより印刷される。
【0188】
そして、基準パターンの単色K(黒)は所定の明度で印刷され、調整パターンのプロセスブラックの明度は基準パターンの単色K(黒)の明度とおよそ等しくなるようにC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(黄色)の成分量が調整されて印刷される。
【0189】
そして、この補正用チャートより、ユーザは、基準パターンと同じ色に見える調整パターンを選択して表示/操作部3に入力する。
【0190】
図17に示すように、補正用チャートは、基準パターンと調整パターンとがすべての角度において隣接し、かつ基準パターンと調整パターンとが交互に配置された、同心円の配置構成となっている。
【0191】
補正用チャートには、図17(a)に示すように、調整パターンの色の混合比をC(シアン)の成分を変化させずにM(マゼンタ)とY(黄色)の成分を変化させて異なる色のプロセスブラックを形成する場合と、図17(b)に示すように、調整パターンの色の混合比をY(黄色)の成分を変化させずにC(シアン)とM(マゼンタ)の成分を変化させて異なる色のプロセスブラックを形成する場合と、図17(c)に示すように、調整パターンの色の混合比をM(マゼンタ)の成分を変化させずにC(シアン)とY(黄色)の成分を変化させて異なる色のプロセスブラックを形成する場合とがある。
【0192】
図17(a)、(b)、(c)を参照して説明した調整パターンと基準パターンとが配置された同心円が全て1枚の用紙に印刷されても良いし、また、それぞれが1枚の用紙に印刷されてもよい。
【0193】
また、図18に示すように、図17(a)、(b)、(c)を参照して説明した3つの同心円が、1つの同心円に集約されて構成されてもよい。
【0194】
図18に示す補正チャートには、1つの同心円が構成されている。
【0195】
図18に示す補正チャートには、基準となる基準パターンが単色K(黒)の所定の明度で印刷されている。
【0196】
そして、図18に示す補正チャートには、ユーザにより選択される調整パターンは、C(シアン)の成分を変化させずにM(マゼンタ)とY(黄色)の成分を変化させて異なる色のプロセスブラックを形成する部分(参照番号1801)と、Y(黄色)の成分を変化させずにC(シアン)とM(マゼンタ)の成分を変化させて異なる色のプロセスブラックを形成する部分(参照番号1802)と、M(マゼンタ)の成分を変化させずにC(シアン)とY(黄色)の成分を変化させて異なる色のプロセスブラックを形成する部分(参照番号1803)とにより構成されている。
【0197】
この図18を参照して説明した補正チャートが印刷されると、図17(a)、(b)、(c)を参照して説明した3つの同心円が1つの同心円におよそ集約される。
【0198】
ユーザは、図17、図18を参照して説明した補正用チャートを画像形成装置1から印刷出力させ、その補正用チャートより基準パターンと同じ色に見える調整パターンを選択し、選択した調整パターンの値を表示/操作部3に入力する。
【0199】
選択された調整パターンの値が表示/操作部3に入力されると、画像形成装置1の補正部8で、入力された調整パターンの値に基づきグレーバランス調整が行われる。
【0200】
次に、調整パターンが、それぞれ逆順に配置された2種類のチャートでユーザにより選択された調整パターンの値の平均値によって補正部8でグレーバランスの補正が行われる場合について図19を参照して説明する。
【0201】
図19(a)は、内側から外側に調整パターンのC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の混合比が変化するように配置された補正チャートであり、図19(b)は、図19(a)で配置された調整パターンの領域の配置順序が、内側から外側にかけて逆の配置で配置された補正チャートである。
【0202】
図19(a)、図19(b)に示す補正チャートは、図17を参照して説明した補正チャートの構成要素である調整パターンと基準パターンとが配置された同心円と同様に、基準パターンは単色K(黒)で印刷され、調整パターンはC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(黄色)の混合比が変化されて構成される異なる色のプロセスブラックが印刷される。そして、基準パターンと調整パターンとは、図19に示すように、全ての角度で接して交互に配置され、更に同心円状に配置されている。
【0203】
そして、調整パターンの異なる色の配置順が、図19(a)と図19(b)で逆になるように配置されている(つまり、図19(b)では、図19(a)で示した調整パターンの各々の領域の配置が、内側から外側の向きで逆向きに配置されている)。
【0204】
例えば、図19(a)に示す1番の調整パターンの領域(参照番号1901)は、調整パターンの中で一番内側に配置されているが、図19(b)に示す補正チャートでは、調整パターンの中で一番外側に配置されている(参照番号1902)。
【0205】
ユーザは、グレーバランスの調整を行う為に、画像形成装置1から図19(a)に示す補正用チャートと図19(b)に示す補正チャートとを印刷出力する。
【0206】
そして、ユーザは、それぞれの補正チャートから基準パターンと同じ色と見える調整パターンを選択し、その選択した調整パターンの値を表示/操作部3に入力する。
【0207】
画像形成装置1の補正部8では、図19(a)に示す補正チャートから選択された調整パターンの値と、図19(b)に示す補正チャートから選択された調整パターンの値との平均値が算出され、その算出された値に基づきグレーバランス補正が行われる。
【0208】
このように補正チャートの色が変化するパターンの配置順を内側から外側にかけて逆にした補正チャートを更に1つ生成し、両方の補正チャートからの選択結果の平均値によって補正される処理は、グレーバランス補正に限らず、他の実施例の階調補正でも適用できる。階調補正でこのような処理が適用される場合には、色の異なる階調パターンの配置順が逆の補正チャートが更に1つ生成されて印刷され、ユーザから両方の補正チャートの選択結果をそれぞれ受け付けて、2つの選択結果の平均値に基づき階調補正が行われる。
【0209】
以上、図17、図18、図19を参照して説明した補正チャートの画像データは、ROM5に記憶されている。
【実施例6】
【0210】
第6実施例では、画像形成装置1から印刷出力されるグレーバランス用の補正用チャートについて説明する。
【0211】
画像形成装置1のROM5に記憶される画像データを元にして、図20、図21、図22に示す補正用チャートが印刷出力される。
【0212】
図20は、画像形成装置1から印刷出力される補正用チャートを示す模式図である。
【0213】
補正用チャートについて図20を参照して説明する。
【0214】
図20に示すように、グレーバランス調整の為に印刷出力される補正用チャートは、比較の基準となる基準用パターンが単色のK(黒)のインクにより印刷されていて、選択されるパターンとなる調整パターンは、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(黄色)の異なる混合比で生成されるプロセスブラックにより印刷される。
【0215】
基準パターンの単色K(黒)は所定の明度で印刷され、調整パターンのプロセスブラックの明度は、基準パターンの単色K(黒)の明度とおよそ等しくなるようにC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(黄色)の成分量が調整されて印刷される。
【0216】
図20に示す補正用チャートの調整パターンの領域は、環状の領域中の環状方向に沿って色が変化して、グラデーションを呈している。
【0217】
そして、図20に示す補正用チャートの調整パターンは、内側の調整パターンであれ、外側の調整パターンであれ、全ての調整パターンの環状方向の色の変化は等しく構成されており、環状方向に等間隔に目盛りが配置されている。
【0218】
ユーザが基準パターンと同じ色を調整パターンから選択する場合には、調整パターンの環状方向に配置された目盛りを選択する(図20に示す例では参照番号2001の目盛り)。
【0219】
目盛りは、調整パターンの環状方向に1周72本存在する。目盛りの間もユーザによって選択可能であることを考慮すると、図20に示す補正チャートの調整パターンには144の選択肢が存在する。
【0220】
また、目盛りの色を基準パターンと同じ色にして、基準パターンと同じ色の調整パターンの部分を選択し易くしてもよい。
【0221】
基準パターンと調整パターンとはすべての角度において隣接し、かつ交互に配置されて、かつ同心円状に配置される。
【0222】
そして、図20に示すように1枚の用紙に明度が20の基準パターンと調整パターンとで構成される同心円、明度が40の基準パターンと調整パターンとで構成される同心円、明度が60の基準パターンと調整パターンとで構成される同心円、明度が80の基準パターンと調整パターンとで構成される同心円が印刷される。
【0223】
次に、補正用チャートについて図21を参照して説明する。
【0224】
図21は、画像形成装置1から印刷出力される補正用チャートを示す模式図である。
【0225】
図21に示すように、グレーバランス調整の為に印刷出力される補正用チャートは、比較の基準となる基準用パターンが単色のK(黒)のインクにより印刷されていて、選択されるパターンとなる異なる色の調整パターンは、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(黄色)の異なる混合比で生成されるプロセスブラックにより印刷される。
【0226】
基準パターンの単色K(黒)は所定の明度で印刷され、調整パターンのプロセスブラックの明度は、基準パターンの単色K(黒)の明度とおよそ等しくなるようにC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(黄色)の成分量が調整されて印刷される。
【0227】
基準パターンと調整パターンとはすべての角度において隣接し、かつ交互に配置されて、かつ同心円状に配置される。
【0228】
図21に示す補正用チャートの調整パターンの領域は、環状の領域中の環状方向にそって色が変化して、グラデーションを呈している。
【0229】
そして、同心円に存在する調整パターンの環は、すべて異なる色のグラデーションを呈している。
【0230】
つまり、図21に示す例では、同心円の最も内側に位置する環は調整パターン1(参照番号2101)として存在し、それより1つ外側の環は調整パターン2(参照番号2102)として調整パターン1とは異なる色のグラデーションで印刷される。更に、他の調整パターンである環も、調整パターン3(参照番号2103)、調整パターン4(参照番号2104)、調整パターン5(参照番号2105)として、それぞれ他の調整パターンの環とは違う色のグラデーションとして構成される。
【0231】
また、基準パターンと調整パターンとで構成される同心円には、縦と横の座標軸が配置されている。
【0232】
そして、図21に示すように、画像形成装置1より印刷出力される補正チャートには、明度20の基準パターンと調整パターンとで構成される同心円、明度40の基準パターンと調整パターンとで構成される同心円、明度60の基準パターンと調整パターンとで構成される同心円、明度80の基準パターンと調整パターンとで構成される同心円が印刷される。
【0233】
この図21に示すような補正チャートにより、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(黄色)の混合比を変えた非常に多くのプロセスブラックが基準パターンと比較される。
【0234】
次に、補正用チャートについて図22を参照して説明する。
【0235】
図22は、画像形成装置1から印刷出力される補正用チャートを示す模式図である。
【0236】
図22に示すように、グレーバランス調整の為に印刷出力される補正用チャートは、比較の基準となる基準用パターンが単色のK(黒)のインクにより印刷されていて、選択されるパターンとなる異なる色の調整パターンは、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(黄色)の異なる混合比で生成されるプロセスブラックにより印刷される。
【0237】
基準パターンと調整パターンとはすべての角度において隣接し、かつ交互に配置されて、かつ同心円状に配置される。
【0238】
画像形成装置1より出力される補正用チャートには、図22に示すように、基準パターンと調整パターンとで構成される同心円が4つ印刷される。
【0239】
4つの同心円の基準パターンの明度は、それぞれ、20、40、60、80である。
【0240】
そして、図22に示すように、明度が20である基準パターンで構成される同心円の構成要素である調整パターンの明度は、10、15、20、25、30である。
【0241】
明度が20の基準パターンを有する同心円は、5つの調整パターンの環を備え、それぞれ明度が10の調整パターン1(参照番号2201)、明度が15の調整パターン2(参照番号2202)、明度が20の調整パターン3(参照番号2203)、明度が25の調整パターン4(参照番号2204)、明度が30の調整パターン5が存在する。
【0242】
また、明度が40の基準パターンを有する同心円は、5つの調整パターンの環を備え、それぞれ明度が30の調整パターン6、明度が35の調整パターン7、明度が40の調整パターン8、明度が45の調整パターン9、明度が50の調整パターン10が存在する。
【0243】
また、明度が60の基準パターンを有する同心円は、5つの調整パターンの環を備え、それぞれ明度が50の調整パターン11、明度が55の調整パターン12、明度が60の調整パターン13、明度が65の調整パターン14、明度が70の調整パターン15が存在する。
【0244】
また、明度が80の基準パターンを有する同心円は、5つの調整パターンの環を備え、それぞれ明度が70の調整パターン16、明度が75の調整パターン17、明度が80の調整パターン18、明度が85の調整パターン19、明度が90の調整パターン20が存在する。
【0245】
図22に示す補正用パターンの同心円を構成する調整パターンの1つの環は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(黄色)の異なる混合比によって環状方向に色が変わるグラデーションを成している。
【0246】
また、同心円には、縦と横の座標軸が配置されていて、ユーザが補正用チャートより、基準パターンの色と同じ色の調整パターンの部分を座標軸で現される座標値で選択して、その座標値が表示/操作部3に入力される。そして、入力された座標値に基づく調整パターンのC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(黄色)の混合比によってグレーバランス補正が補正部8で行われる。
【0247】
図20、図21、図22を参照して説明した補正チャートの画像データは、ROM5に記憶されているので、その画像データに基づき、図20では目盛り、図21、図22では座標値が明確になれば、それぞれ目盛りや座標値で示される調整チャートのC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(黄色)のプロセスブラックの混合比が判明される。
【実施例7】
【0248】
第7実施例では、画像形成装置1から印刷出力される階調補正用チャートについて説明する。
【0249】
画像形成装置1より印刷出力される階調補正用チャートには、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(黄色)等の複数の色について、それぞれ基準パターンと階調パターンとが構成されている。
【0250】
各色の基準パターンと階調パターンはそれぞれ所定の線数のスクリーンで構成されるが、基準パターンのスクリーン線数は、濃度変動に強い低線数のスクリーン線数が使用される。
【0251】
画像形成装置1は制御部4を有し、制御部4は最適接続角度計算部41、各色チャート配置部42、チャート作成部43を備える。
【0252】
最適接続角度計算部41は、基準パターンのスクリーン線数とスクリーン角度、階調パターンのスクリーン線数とスクリーン角度とに基づいて、基準パターンのスクリーンと階調パターンのスクリーンとが接する接続角度の最適角度を計算する。
【0253】
基準パターンのスクリーン線数をm[lpi、line per inch]、スクリーン角度をb[度]、調整パターンのスクリーン線数をn[度]、スクリーン角度をa[度]とすると、最適な接続角度(最適接続角度)Zは、
Z=atan〔(1/sin(b−a))・(m/n+cos(b−a))〕、但しb=aの場合は、Z=0 (式1)
となる。
【0254】
最適接続角度Zは、基準パターンと調整パターンとの接続面でのスクリーン周波数が最も高くなる角度である。
【0255】
例えば、図24に示すように基準パターンのスクリーン線数が100lpi、スクリーン角度が90度であって、調整パターンのスクリーン線数が200lpi、スクリーン角度が45度である場合の最適接続角度Zは
Z= atan〔1/sin45度×(100/200+cos45度)〕
∴Z=59.6度となる。
【0256】
この最適接続角度計算部41が計算する最適角度で基準パターンと階調パターンとが配置されると、基準パターンと階調パターンとの接続部分のパターンが目立ちにくくなるため、少ない印刷面積でも視覚的に基準パターンと階調パターンとの比較が行いやすくなる。
【0257】
各色チャート配置部42は、最適接続角度計算部41で計算された各色の最適角度に基づき、各色のチャートを配置する。
【0258】
先の例で説明すると、最適接続角度計算部41で計算された最適接続角度は59.6度なので、チャートの基準パターンと調整パターンとが接する部分が、所定の位置から59.6度の位置に存在するようにチャートが配置される。
【0259】
チャート作成部43は、各色チャート配置部42によって配置されたチャートに基づき印刷出力される補正用チャートの画像データを作成する。
【0260】
次に、制御部4によって画像データが作成されて印刷出力される階調補正用チャートについて図25を参照して説明する。
【0261】
この例では、基準パターンのスクリーン線数、角度および調整パターンのスクリーン線数角度を以下とし、YMCの3色を同一同心円上に配置する。
【0262】
基準パターンのスクリーン 100lpi 90度(YMC共通)
調整パターンのスクリーン 200lpi90度(Y)、200lpi45度(M)、200lpi135度(C)
各色の配置場所は、最適接続角度計算部41で計算された最適接続角度に基づき各色チャート配置部42で決定される。
【0263】
例えば、マゼンタのチャートの最適接続角度は、最適接続角度計算部41により、式1を使用して59.6度と計算される。(Z= atan〔1/sin45度×(100/200+cos45度)〕∴Z=59.6度)
その結果、各色チャート配置部42は、所定の位置から59.6度の位置をマゼンタのチャートが含むように、マゼンタのチャートを配置する(参照番号2501)。
【0264】
また、シアンのチャートの最適接続角度も同様に、最適接続角度計算部41により、−59.6度と計算される。(Z= atan〔1/sin(−45度)×(100/200+cos(−45度))〕
∴Z=−59.6度)
その結果、各色チャート配置部42は、所定の位置から−59.6度の位置をシアンのチャートが含むように、シアンのチャートを配置する(参照番号2502)。
【0265】
また、黄色のチャートの最適接続角度も同様に、最適接続角度計算部41により、0度と計算される。(b=aのため、Z=0度)
その結果、各色チャート配置部42は、所定の位置から0度の位置を黄色のチャートが含むように、黄色のチャートを配置する。(参照番号2503)
各色チャート配置部42は、それぞれの色の最適接続角度の位置(この例では、Y=0度、M=59.6度、C=−59.6度)を含むように、各色のチャートの場所を調整して配置を行う。その後、チャート作成部43は、各色チャート配置部42の配置に基づき、補正用チャートの画像データを作成し印刷出力する。結果として、図25に示すようなY、M、Cの3色のチャートが同一同心円上に配置されたチャートが印刷される。
【0266】
なお、仮に黄色のチャートの最適接続角度が30度と計算された場合、図25に示すように、30度を中心として120度の扇形のチャートを配置すると、他の色(この場合にはC(シアン))と重なるため、黄色のチャートが最適角度である30度を含む形(たとえば図25のように0度を中心として)で配置を行う。
【0267】
各色の配分は、同一同心円上に印刷する色の数をt個とすると、(360/t)度の内角を有する扇型であってもいいし、その角度が各色チャート配置部42によって調整されてもよい。
【0268】
次に、画像形成装置1の制御部4が基準スクリーン変更部44を備える場合に印刷出力される階調補正用チャートについて図26、図27、図28を参照して説明する。
【0269】
図26に示すように、画像形成装置1の制御部4は基準スクリーン変更部44を有する。
【0270】
基準スクリーン変更部44は、必要に応じて補正用チャートに配置される基準パターンのスクリーン線数やスクリーン角度を変更する。
【0271】
基準スクリーン変更部44が機能する場面は、例えば、最適接続角度計算部41によって計算された接続角度が全て同じ角度になった場合に、そのままの条件では各色チャート配置部42が各色のチャートを配置することが不可能なときである。
【0272】
具体的に説明すると、図27に示すように、補正用チャートに配置されるのはC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(黄色)、K(黒)の4色であって、基準パターンのスクリーンは、Y、M、C、K4色ともにスクリーン角度は90度、スクリーン線数は100lpi、また、調整パターンのスクリーンは、Y、M、C、K4色ともにスクリーン角度は45度、スクリーン線数は200lpiである場合には、最適接続角度計算部41で計算される接続角度はY、M、C、K全て59.6度となる(参照番号2601)。
【0273】
このような場合には、4色のチャートの最適接続角度が全て同じになるので、4色のチャートを1つの同心円に配置するのは不可能である(参照番号2602)。
【0274】
そこで、基準スクリーン変更部44は、算出された各色の接続角度を、各色のチャートが配置可能な数値に変更する。
【0275】
例えば、Y、M、C、Kのそれぞれの接続角度が59.6度であった場合には、M、Cの接続角度は59.6度のままにして、Y、Kの接続角度を−59.6度に変更する(参照番号2603)。
【0276】
そして、基準スクリーン変更部44は、Y、Kの接続角度を−59.6度に変更したことにより、Y、Kの基準パターンのスクリーン角度bを(式1)から求める。結果として下記の式となり、
−59.6 = atan〔l/sin(b −45度)×(100/200+cos(b−45度))〕
b=0度を得る(参照番号2604)。
【0277】
基準スクリーン変更部44からスクリーン角度(或いはスクリーン線数)が求められると、各色チャート配置部42は、Y、M、C、Kのチャートを基準スクリーン変更部44が変更した値に基づき配置する。
【0278】
そして、チャート作成部43は、各色チャート配置部42の配置に基づき補正用チャートの画像用データを作成し印刷出力する。
【0279】
印刷出力された補正用チャートは、図28に示すようにM(マゼンタ)とC(シアン)は接続角度59.6度が含むように配置され、Y(黄色)とK(黒)は接続角度−59.6度が含むように配置される。
【0280】
そして、各色の基準パターンのスクリーン角度はM,Cは90度のままであるが、Y,Kは0度に変更される。
【0281】
このように基準スクリーン変更部44の機能によって、各色チャート配置部42が各色のチャートを配置できない場合に基準パターンのスクリーン角度もしくはスクリーン線数を変更することにより、各色のチャートを配置することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0282】
この発明は、画像形成装置において利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0283】
【図1】画像形成装置1の構成を示す模式図。
【図2】画像形成装置1で行われる処理を示したフローチャート。
【図3】補正部8の階調補正動作を説明する図。
【図4】同心円で構成される補正チャートを示す模式図。
【図5】偏心の円で構成される補正チャートを示す模式図。
【図6】楕円で構成される補正チャートを示す模式図。
【図7】視覚特性の空間周波数を示すグラフ。
【図8】渦巻で構成される補正チャートを示す模式図。
【図9】渦巻で構成され離散的に濃度が変化する補正チャートを示す模式図。
【図10】階調パターンとして低濃度と高濃度のパターンが表示される渦巻の補正チャートを示す模式図。
【図11】画像形成装置1の階調補正の処理を示すフローチャート。
【図12】画像形成装置1の階調補正の処理を示すフローチャート。
【図13】低線数パターンと中線数パターンとが印刷された補正チャート。
【図14】中線数パターンと階調パターンとが印刷された補正チャート。
【図15】1枚の補正チャートで中線数パターンを使って階調補正が行われる処理を示したフローチャート。
【図16】1枚で、低線数パターンと中線数パターンとの比較、中線数パターンと階調パターンとの比較が行われる補正チャート。
【図17】画像形成装置1から出力されるグレーバランス調整の為の補正チャート。
【図18】図17で示した3つの同心円を1つのおよそまとめた同心円の補正チャート。
【図19】濃度が濃くなる配置が逆である2つの同心円を示す補正チャート。
【図20】同心円の環状方向に色が変化する補正チャートを示す模式図。
【図21】同心円の環状方向と半径方向に色が変化する補正チャートを示す模式図。
【図22】同心円の調整チャートの環がそれぞれ異なる明度である補正チャートを示す模式図。
【図23】制御部4を示すブロック図。
【図24】基準パターンと調整パターンのスクリーン角度を示す模式図。
【図25】複数の色について基準パターンと階調パターンとが同心円に含まれる補正チャートを示す模式図。
【図26】基準スクリーン変換部44を備える制御部4のブロック図。
【図27】基準スクリーン変換部44の処理を示す図。
【図28】基準スクリーン変換部44によって基準パターンのスクリーン角度が変化された補正チャートの模式図。
【符号の説明】
【0284】
1 画像形成装置
3 表示/操作部
4 制御部
5 ROM
8 補正部
9 RAM
41 最適接続角度計算部
42 各色チャート配置部
43 チャート作成部
44 基準スクリーン変更部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準濃度パターンと調整濃度パターンとが接する接続角度が全ての角度を含むように配置され前記調整濃度パターンはパターン毎に濃度が異なっている印刷する濃度補正チャートデータを生成するチャートデータ生成手段と、
前記濃度補正チャートデータに基づき各パターン毎に基準濃度パターンと調整濃度パターンが並置された濃度補正チャートを印刷する印刷手段と、
印刷された濃度補正チャート上の利用者の視認による基準濃度パターンと調整濃度パターンの濃淡比較に基づく任意のパターンの濃度調整値の入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けた任意のパターンの濃度調整値に基づき該任意のパターンの階調補正を行う階調補正手段と
を有する画像形成装置。
【請求項2】
前記チャートデータ生成手段は、
前記基準濃度パターンと前記調整濃度パターンとが環状であり、同心円状に交互に配置される濃度補正チャートデータを生成する
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記チャートデータ生成手段で生成する濃度補正チャート上の同心円の最内周の領域と最外周の領域は、前記基準濃度パターンとなる
請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記チャートデータ生成手段で生成する濃度補正チャート上の同心円の最内側の領域は、円状の前記基準濃度パターンとなる
請求項1乃至3いずれか記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記チャートデータ生成手段は、
前記同心円の調整濃度パターンが最内周から最外周に向かって段階的に濃くなる前記濃度補正チャートと、前記同心円の調整濃度パターンが最内周から最外周に向かって段階的に薄くなる前記濃度補正チャートデータと生成し、
前記印刷手段は、
前記チャートデータ生成手段が生成した2種の濃度補正チャートを印刷し、
前記受付手段は、
前記印刷手段より印刷された2種の濃度補正チャートよりそれぞれ濃度調整値を受け付け、
前記階調補正手段は、
前記受付手段でそれぞれ受け付けた2つの濃度調整値の平均値に基づき階調補正を行う 請求項1乃至4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記チャートデータ生成手段は、
前記基準濃度パターンと前記調整濃度パターンとが環状であり、前記基準濃度パターンと前記調整濃度パターンと環の幅は段階的に変化する濃度補正チャートデータを生成する
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記チャートデータ生成手段は、
前記基準濃度パターンと前記調整濃度パターンの環の中心が偏心されて配置される濃度補正チャートデータを生成する
請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記チャートデータ生成手段は、
前記基準濃度パターンと前記調整濃度パターンの環は楕円であり、該環の中心が同一に配置される濃度補正チャートデータを生成する
請求項6記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記チャートデータ生成手段で生成する濃度補正チャート上の最内周の領域と最外周の領域は、前記基準濃度パターンとなる
請求項6乃至8いずれか記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記チャートデータ生成手段で生成する濃度補正チャート上の最内側の領域は、円状の前記基準濃度パターンとなる
請求項6乃至9いずれか記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記チャートデータ生成手段は、
前記基準濃度パターンの領域と前記調整濃度パターンとの領域によって2重渦巻が形成される濃度補正チャートデータを生成する
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記チャート生成手段は、
前記基準濃度パターンの領域を濃度の異なる2つの前記調整濃度パターンで挟んだ3重渦巻の濃度補正チャートデータを生成する
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記チャートデータ生成手段は、
前記調整濃度パターンの色が連続的に変化する濃度補正チャートデータを生成する
請求項11または12記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記チャートデータ生成手段は、
前記調整濃度パターンの色が連続的に変化する範囲と変化しない範囲とを交互に配置する濃度補正チャートデータを生成する
請求項11または12記載の画像形成装置。
【請求項15】
基準濃度パターンと、前記基準濃度パターンのスクリーン線数より
高い線数のスクリーンで構成される中線数調整濃度パターンとが含まれる印刷する第1の濃度補正チャートデータを生成する第1のチャートデータ生成手段と、
前記第1の濃度補正チャートデータに基づきパターン毎に基準濃度パターンと中線数調整濃度パターンが併置された第1の濃度補正チャートを印刷する第1の印刷手段と、
印刷された第1の濃度補正チャート上の利用者の視認による基準濃度パターンと中線数調整濃度パターンの濃淡比較に基づく任意のパターンの濃度調整値の入力を受け付ける第1の受付手段と、
前記第1の受付手段が受け付けた任意のパターンの濃度調整値に基づく濃度で構成される前記中線数調整濃度パターンと、前記中線数調整濃度パターンのスクリーン線数よりも高い線数のスクリーンで構成される調整濃度パターンとが含まれる印刷する第2の濃度補正チャートデータを生成する第2のチャートデータ生成手段と、
前記第2の濃度補正チャートデータに基づきパターン毎に前記中線数調整濃度パターンと前記調整濃度パターンが並置された第2の濃度補正チャートを印刷する第2の印刷手段と、
印刷された第2の濃度補正チャート上の利用者の視認による中線数調整濃度パターンと前記調整濃度パターンの濃淡比較に基づく任意のパターンの第2の濃度調整値の入力を受け付ける第2の受付手段と、
前記第2の受付手段が受け付けた任意のパターンの濃度調整値に基づき該任意のパターンの階調補正を行う階調補正手段と
を有する画像形成装置。
【請求項16】
基準濃度パターンと調整濃度パターンとが接する最適な接続角度を計算する最適角度計算手段と、
前記基準濃度パターンと前記調整パターンとが前記最適角度計算手段で計算された接続角度を含むように配置される印刷する濃度補正チャートデータを生成するチャートデータ生成手段と、
前記濃度補正チャートデータに基づき各パターン毎に基準濃度パターンと調整濃度パターンが同心円状に交互に並置された濃度補正チャートを印刷する印刷手段と、
印刷された濃度補正チャート上の利用者の視認による基準濃度パターンと調整濃度パターンの濃淡比較に基づく任意のパターンの濃度調整値の入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けた任意のパターンの濃度調整値に基づき該任意のパターンの階調補正を行う階調補正手段と
を有する画像形成装置。
【請求項17】
前記チャートデータ生成手段は、
複数の色毎の前記基準濃度パターンと前記調整パターンとが含められ、
前記基準濃度パターンと前記調整パターンとが前記最適角度計算手段で計算された接続角度を含む扇形形状で各色の前記基準濃度パターンと前記調整パターンとが構成されるように前記濃度補正チャートデータを生成する
請求項16記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記最適角度計算手段は、
前記基準濃度パターンと前記調整濃度パターンとの接続面でスクリーン周波数の合計が最大となる接続角度を最適な接続角度とする
請求項16または17記載の画像形成装置。
【請求項19】
基準黒パターンと調整黒パターンとが接する接続角度が全ての角度を含むように配置される印刷するグレー補正チャートデータを生成するチャートデータ生成手段と、
前記グレー補正チャートデータに基づき各パターン毎に基準黒パターンと調整黒パターンが並置されたグレー補正チャートを印刷する印刷手段と、
印刷された濃度補正チャート上の利用者の視認による基準黒パターンと調整黒パターンの濃淡比較に基づく任意のパターンの調整値の入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けた任意のパターンの調整値に基づき該任意のパターンのグレーバランス補正を行うグレーバランス補正手段と
を有する画像形成装置。
【請求項20】
前記チャートデータ生成手段は、
前記基準濃度パターンと前記調整濃度パターンとが環状であり、同心円状に交互に配置されるグレー補正チャートデータを生成する
請求項19記載の画像形成装置。
【請求項21】
前記チャートデータ生成手段は、
前記基準黒パターンは単色の黒であり、前記調整黒パターンは、前記同心円の円周方向に調整黒を生成する為の複数の色の成分量を変化させた異なる色の調整黒であるようにグレー補正チャートデータを生成する
請求項19または20記載の画像形成装置。
【請求項22】
前記チャートデータ生成手段は、
前記基準黒パターンは単色の黒であり、前記調整黒パターンは、前記調整黒を生成する為の複数の色の成分量が、前記同心円の角度方向に一定となるようにグレー補正チャートデータを生成する
請求項19乃至21いずれか記載の画像形成装置。
【請求項23】
前記チャートデータ生成手段は、
前記基準黒パターンは単色の黒であり、前記調整黒パターンはパターン毎に調整黒を生成する為の複数の色の成分量を変化させた異なる色の調整黒であるようにグレー補正チャートデータを生成する
請求項19または20記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2010−194812(P2010−194812A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−41062(P2009−41062)
【出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】