画像形成装置
【課題】像担持体表面に付着した放電生成物の除去動作を、除去部材等追加せずに実施可能とし、除去動作時間の最適化を図ることができる構成とする画像形成装置を提供することにある。
【解決手段】画像形成装置1は、制御手段40が、温湿度及び立ち上がり時の動作時間を決定・変更し、ウォームアップ時の動作中に、前記転写手段7を前記像担持体2から離間させた状態で、前記帯電手段3及び前記現像手段4のバイアス印加を行わず、前記像担持体2、前記現像手段4、前記クリーニング手段5を動作させ、前記温湿度計測手段49、及び前記計測手段50から算出した動作必要時間分、前記制御手段40により動作させるようにした放電生成物の除去モード機能を搭載している。
【解決手段】画像形成装置1は、制御手段40が、温湿度及び立ち上がり時の動作時間を決定・変更し、ウォームアップ時の動作中に、前記転写手段7を前記像担持体2から離間させた状態で、前記帯電手段3及び前記現像手段4のバイアス印加を行わず、前記像担持体2、前記現像手段4、前記クリーニング手段5を動作させ、前記温湿度計測手段49、及び前記計測手段50から算出した動作必要時間分、前記制御手段40により動作させるようにした放電生成物の除去モード機能を搭載している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、像担持体を帯電手段によって帯電する帯電し、像担持体上の潜像に現像手段によってトナー像を形成し、像担持体上のトナー像を転写手段によって転写し、転写後の残トナーをクリーニング手段によって像担持体から除去する構成の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置では、スコロトロン帯電等の放電による帯電方式を用いて像担持体を帯電しているため、放電による生成物(オゾン等)が発生してしまう。この放電生成物は触媒等を用いて、分解処理しなければならない。そのため、ファンやブロアを用いて気流を生じさせ、触媒を用いたフィルタを通して分解処理することで、機外に排出する構成とされており、広く用いられている。
しかし、画像形成装置はよりコンパクトにすることが望まれており、限られたスペース内で各ユニットを収納しなければならない。そのため形状が複雑となり、放電により発生した放電生成物を触媒により分解し、機外へ排出する気流を用いた構成においても完全に抜けきることができず、帯電部材や帯電手段を収納する本体の収納スペース部に付着して残存することがある。
このような放電生成物が、電源をオフし気流の流れが停止した夜間放置時などにおいて、像担持体表面に降り注ぎ、画像流れや白抜けといった異常画像の発生原因となる。また、放電生成物は吸湿し易く、高温高湿の環境下でより像担持体表面に付着し易く問題となり易い状態である。
【0003】
この対策として、画像形成装置においては、従来から各種の技術が帯電手段で発生された放電生成物の除去を実施するために提案されている(例えば、特許文献1乃至3参照)。
像担持体に付着した放電生成物の除去動作が必要となり実施されているが、除去部材を追加することによるスペースの増加とコストの増加や、除去動作による像担持体表面の研磨による低寿命化といった懸念事項がある。
特許文献1には、ウォームアップ時に、帯電手段を動作させ現像手段にバイアスを印加し、像担持体表面に反転かぶり現像して、クリーニングにより除去する技術が開示されている。特許文献2には、像担持体停止時、帯電に対向する位置にトナー層を現像して停止し、クリーニング動作で除去する技術が開示されている。
また、特許文献3には、クリーニング手段とは別に除去部材を有し、その除去部材を含水弾性部材層と高吸水性部材層と有する構成とし像担持体に当接させて除去する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、バイアス印加することにより、放電生成物の発生や現像動作によるトナー消費量が懸念される。また、特許文献2の技術では、帯電対向部にトナー層を形成するのみで、付着状況によっても動作間隔が一様である。さらに、特許文献3の技術では、放電生成物を除去する除去部材を別個に必要とする。
そこで、本発明の目的は、上述した実情を考慮して、像担持体表面に付着した放電生成物の除去動作を、除去部材等追加せずに実施可能とし、除去動作時間の最適化を図ることができる構成とする画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、像担持体と、該像担持体を帯電する帯電手段と、前記像担持体に潜像を形成する露光手段と、前記潜像にトナー像を形成する現像手段と、前記像担持体上のトナー像を転写する転写手段と、転写後の残トナーを前記像担持体から除去するクリーニング手段と、を有する画像形成装置において、画像形成装置内部の温度及び湿度を計測する温湿度計測手段と、前記像担持体が停止されている時間を計測する停止時間計測手段と、前記転写手段を前記像担持体から離間させ、前記帯電手段のバイアス印加を行わない状態で、前記像担持体、前記現像手段及び前記クリーニング手段を動作させて、前記像担持体に付着した放電生成物を除去する除去手段と、前記温湿度計測手段及び前記停止時間計測手段の計測結果に基づいて、前記像担持体に付着した放電生成物を除去するのに必要な時間だけ、前記除去手段を動作させる制御手段と、を備えた画像形成装置を特徴とする。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、前記クリーニング手段に、クリーニングブレードとクリーニングブラシを用いた請求項1記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記除去モード動作中の前記像担持体の回転数、及び、前記クリーニングブラシの回転数を、印刷動作実行時とは異なる回転数に変更する回転数変更手段を有する請求項2記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記クリーニングブラシの回転方向を切り換える切り換え制御手段を有する請求項2又は3記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、前記除去モード動作中に前記現像手段にパルス入力でバイアス印加可能にした請求項1乃至4のいずれか1項記載の画像形成装置を特徴とする。
【0007】
また、請求項6に記載の発明は、前記帯電手段にコロナ帯電を用い、該コロナ帯電手段の放電部材近傍に放電生成物の吸着剤を塗布した請求項1乃至4のいずれか1項記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、前記帯電手段に印加するバイアスを切り換えることを可能にした請求項1乃至6のいずれか1項記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、前記像担持体の使用状況を判断する使用状況判断手段を有し、使用状況に応じて、制御手段により除去モードの動作時間の変更を可能とした請求項1乃至6のいずれか1項記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、前記像担持体、前記帯電手段、前記現像手段、前記クリーニング手段を一体構成とし、画像形成装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジとした請求項1乃至8のいずれか1項記載の画像形成装置を特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、放電生成物による問題が発生し易い高温高湿時や長時間放置後において、画像出力前に像担持体表面の付着物を除去する動作を、像担持体と、現像手段、クリーニング手段とを動作させることで実行するので、付着物除去用に新しく部材を設ける必要がなく、既存の部材のみにより行うことができ、コスト増加を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の画像形成装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置のプロセスカートリッジの1例を示す概略構成図である。
【図3】放電生成物の除去動作実行時のプロセスカートリッジの各ユニットの状態を示す概略図である。
【図4】放電生成物の除去動作時における感光体へのトナー付着量をグラフで示す図である。
【図5】感光体、現像装置及びクリーニング装置の動作タイミングを示す図である。
【図6】本発明による放電生成物の除去動作の制御系を示す概略ブロック図である。
【図7】放電生成物等の除去動作実行時間を算出する方法をグラフで示す図である。
【図8】クリーニング装置にクリーニングブレードとクリーニングブラシローラを用いた構成を示す概略図である。
【図9】クリーニングブラシローラの回転方向を切り換えた場合を示す概略図である。
【図10】現像バイアスをパルス入力した場合のトナー供給量をグラフで示す図である。
【図11】コロナ放電方式を用いた帯電装置を示す概略図である。
【図12】温湿度による帯電バイアスの変更状態をグラフで示す図である。
【図13】画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジの構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、像担持体としてはドラム状の感光体を代表例として用いるが、他の形状の感光体や中間転写ベルト等についても同様のことが当てはまるため、ドラム状感光体だけに限定されるものではない。
図1は本発明の画像形成装置の全体構成を示す概略図である。図2は本発明に係る画像形成装置のプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。まず、本発明に係る電子写真方式の画像形成プロセスを利用した画像形成装置の構成、動作の1例について説明する。
図1及び図2において、この画像形成装置1は、像担持体であるドラム状の感光体2、帯電装置である帯電ローラ3、現像装置4、クリーニング装置5を含んでいるプロセスカートリッジ6、このプロセスカートリッジ6の上方に配置された転写装置7、この転写装置7の上方に配置されかつ各色のトナーを補給するトナーカートリッジ8を備え、さらに、このトナーカートリッジ8の上方にスキャナ9が配置されている。
【0011】
また、プロセスカートリッジ6の下方には光書き込み装置10、この光書き込み装置10の下方には廃トナータンク11、この廃トナータンク11の横に記録媒体である転写紙を収容・搬送する給紙装置の第1トレイ12、廃トナータンク11と第1トレイ12との下方に第2トレイ13を配置している。
さらに、転写装置7の中間転写ベルト14と対向する位置には2次転写ローラ15が配置されている。この2次転写ローラ15の上方には中間転写ベルト14と2次転写ローラ15とのニップを通った画像を転写された記録媒体に熱と圧力を加える定着ローラ16aと加圧ローラ16bとからなる定着装置16が配置されている。
画像形成プロセスが実行されると、画像形成装置1は像担持体であるドラム状の感光体2を時計方向に回転駆動して、この感光体2を帯電部の帯電装置(例えば、帯電ローラ等)3で一様に帯電した後、潜像形成手段である光書き込み部(例えば、レーザ光を走査して光書き込みを行うレーザ走査装置や、LEDアレー等による光書き込み装置)10により画像データで変調された静電潜像形成光を照射して感光体に静電潜像を形成する。
【0012】
そして静電潜像が形成された感光体2に、現像装置4の現像ローラ4aにより現像装置4内の現像剤のトナーを付着させて現像し可視像化する。画像形成装置1は、現像装置4でトナーを付着してトナー画像を形成した感光体2をさらに回転し、転写装置7で、感光体2と中間転写ベルト14との間に搬送されてきた転写紙にトナー画像を転写させる。
転写装置7の転写ベルト14は搬送ローラ7a、7b、7cに掛け渡されて図中の矢印方向に回動し、転写紙を搬送して感光体2上のトナー画像を転写紙に転写させるともとに、トナー画像の転写された転写紙を定着装置16に搬送する。次いで、この定着装置16に搬送された転写紙を定着ローラ16aと加圧ローラ16bにより加熱・加圧して、転写紙上のトナー画像を転写紙上に定着した後、排紙部上に排出する。
一方、画像形成装置1は、転写装置7でトナー画像を転写紙に転写した感光体2をさらに回転して、クリーニング装置5のクリーニングブレード5a等により感光体2表面に残留するトナーを掻き落して除去する。クリーニングした感光体2を帯電装置3で再び一様に帯電させた後、上記と同様の次の画像形成に供する。なお、図2中、符号34は帯電ローラクリーナである。
【0013】
図3は放電生成物の除去動作実行時のプロセスカートリッジの各ユニットの状態を示す概略図である。図4は放電生成物の除去動作時における感光体へのトナー付着量をグラフで示す図である。なお、図3において、感光体2の回転方向は図1及び図2の場合と逆に示してある。
本発明における放電生成物の除去動作は、現像装置4や帯電装置3へのバイアスを印加せずに、転写装置の転写手段である転写ローラ7dを感光体2から離間させた状態で、感光体2、現像装置4、クリーニング装置5を、温湿度や感光体2の停止時間から算出した動作時間だけ実行する構成である。
感光体2を回転させるのみでなく、バイアスを印加せずに現像装置4も動作させることで、バイアス印加を行わなくても、地汚れ程度の少ないトナーを付着させることができ(図4)、感光体2表面に付着した放電生成物の除去性を向上させられる。また、現像装置4の動作によりトナーを付着させるために、同時にクリーニング装置5も動作させ、回収したトナーの搬送等が行える構成とする。
【0014】
現像装置4にバイアスを印加した場合、感光体2表面のトナー付着量は増加するため放電生成物等の除去性は向上するが、転写手段9を離間した状態で現像動作を行うことでクリーニング装置5に供給されるトナー量が増加してしまい、クリーニング装置5への負荷が大きくなる。また、トナーの消費量も多くなり、コスト面でのロスが増えてしまう。そのため、現像装置4へのバイアス印加は行わず実行する。
帯電装置3にバイアスを印加した場合、現像装置4を動作させてもトナーが付着しない。そのため、帯電装置3にもバイアス印加を行わず放電生成物等の除去動作を実行する。この場合、感光体2を帯電させないので、帯電装置3に接触方式を用いた場合は、その帯電装置3に感光体2と接離可能な機構を設ける。
図3中ではクリーニング装置5に、クリーニングブレード5aを用いた構成を示しているが、同時にブラシローラ5b等を用いた構成においても同様の効果が得られる。また、図1の潤滑剤徒負装置は省略してある。
【0015】
図5は感光体、現像装置及びクリーニング装置の動作タイミングを示す図である。放電生成物等の除去動作の開始は感光体2、クリーニング装置5、現像装置4の順で行う。また、動作終了時は現像装置4、クリーニング装置5、感光体2の順で停止する。
停止時、現像装置4の停止時間とクリーニング装置5の停止時間の差(図中T1)が、現像装置4の停止時にこの現像装置4を通過した感光体2の面がクリーニング装置5を通過するまでに必要な時間(t)より大きくなるように設定する(T1≧t)。現像装置4の動作時は感光体2にトナーを付着させているため、停止時は感光体2上のトナーをクリーニング装置5によりすべて回収した状態で停止する。
図6は本発明による放電生成物の除去動作の制御系を示す概略ブロック図である。図6には、感光体2と、この感光体2を帯電する帯電装置3、感光体2に形成された潜像にトナー像を形成する現像装置4、感光体2上のトナー像を転写する転写装置7、転写後の残トナーを感光体2から除去するクリーニング装置5を示している。
【0016】
さらに、制御手段40を介して感光体2の使用状況を判断する使用状況判断手段41、感光体2の回転数を変更する回転数変更手段42、帯電装置3のバイアス切り換え手段43、現像装置4へパルス入力バイアスを印加するパルス入力バイアス印加手段44、クリーニングブラシローラ5bの回転方向を切り換えるクリーニングブラシ回転方向切り換え手段46、クリーニングブラシローラ5bの回転数を変更するクリーニングブラシ回転数変更手段47、転写装置7を感光体2から離間させる離間手段48、温湿度を検出する温湿度計測手段49、感光体2の停止時間を計測する停止時間計測手段50、及び感光体2の立ち上がり時の動作時間を決定変更する動作時間決定変更手段51を示している。
制御手段40は、温湿度計測手段49からの温湿度と、停止時間計測手段50からの停止時間の結果に応じて、感光体2の立ち上がり時の動作時間を決定して変更する動作時間を動作時間設定変更手段51に応答する。
画像形成装置は、ウォームアップ時の動作中に、転写装置7を離間させた状態で、帯電装置3及び現像装置4のバイアス印加を行わず、感光体2、現像装置4、クリーニング装置5を動作させ、温湿度計測手段49からの温湿度、及び停止後の停止時間計測手段50から算出した除去動作に必要な時間分、制御手段40に接続された除去手段54を介して動作させるようにした放電生成物の除去モード機能を搭載することになる。
【0017】
本発明は、転写装置が中間転写方式、直接転写方式のいずれかで構成されても、画像形成装置の構成がモノクロ機、カラー機であってもでも十分にその効果を発揮できる。
本発明では、放電生成物による問題が発生し易い高温高湿時や長時間放置後において、画像出力前に感光体2表面の付着物を除去する動作を行うようにする。
この除去モード動作は、感光体2と、現像装置4、クリーニング装置5とを動作させることで実行する。そのため、付着物除去用に新しく部材を設ける必要がなく、既存の部材のみにより行うことができ、コスト増加を防止できる。
帯電装置3にはバイアスを印加せず放電動作を行わず、除去動作中の放電生成物の発生を無くすことができる。また、現像装置4にもバイアス印加をしないためトナーの消費量を押さえることもできる。放置時間や環境により、その動作時間を変化させることで、ウォームアップ時間の増加も極力短時間として最適を図る構成である。
【0018】
図7は放電生成物等の除去動作実行時間を算出する方法をグラフで示す図である。図7(a)は、温度及び湿度を計測する温湿度計測手段49により第一除去実行時間を設定する構成を示す図である。まず、温湿度計測手段49により検出された温度と湿度から絶対湿度を算出し、その絶対湿度に応じて環境を判断する。
次に、その絶対湿度に対して除去動作を実行する第一除去実行時間を算出する(図7(a))。図中では、絶対湿度Dに対して閾値D0とD1を設定しているが、閾値として設ける数は問わない。
また、絶対湿度でなく、温湿度計測手段49により検出された温度及び湿度に応じて判断する構成でも同様の効果が得られる。温湿度や絶対湿度の値を閾値により判断し切り換える構成ではなく、絶対湿度の数値に応じて除去動作実行時間を算出して設定する構成でも同様に効果が得られる。
【0019】
図7(b)は停止時間を計測する停止時間計測手段50により第二除去動作時間を設定する構成を示す図である。図7(b)中では、停止時間とともに第二除去動作時間を線形で設定する構成であるが、停止時間の閾値を設けて、或る時間以上停止すれば何分間動作させるといった構成でも同様の効果が得られる。
図7(c)は制御手段40による除去動作時間の設定を示す図である。上記の温湿度計測手段49(図7(a))と停止時間計測手段50(図7(b))により算出された結果を用いて、必要な除去動作時間を判断して制御手段により実行する。図7(c)の実施例では、像担持体に付着する放電生成物により異常画像の発生が始まる付着量を超えた量に応じて、除去手段を動作させる除去動作時間が長くなるように設定されている。
【0020】
図8はクリーニング装置にクリーニングブレードとクリーニングブラシローラを用いた構成を示す概略図である。図8において、クリーニングブレード5aは、ゴムなどの弾性体で構成され、その基端側が、接着剤等によりブレードホルダ5cに固定されている。
クリーニングブレード5a先端のエッジを感光体2に当接させることによって、転写後の残留トナーを回収する役目を果たす。また、クリーニングブレード5aは、像担持体である感光体2に対して対向するように当接させることで、クリーニング性を向上させるとともに、感光体2に付着した放電生成物の除去性も向上する。
クリーニングブラシローラ5bは、ブラシ繊維を取り付けたシート部材を軸となる芯金部材に巻き付けて作製される。ブラシ繊維の先端を感光体2に当接させながら回転し、クリーニングブレード5aと同様に、転写後の残留トナーを回収する役目を果たす。
クリーニングブラシローラ5bは、感光体2の回転方向に対してクリーニングブレード5aの上流側に配置することにより、このクリーニングブレード5aのブレードエッジにはトナーが溜まり、また、クリーニングブラシローラ5bにもトナーを担持することで、付着物の除去性の向上を図り、また、感光体2に付着した放電生成物の除去性も同時に向上させる。
【0021】
クリーニングブラシローラ5bは、感光体2に当接し回転するため、感光体2表面を徐々に研磨してしまう。そのため、感光体2表面の高寿命を実現するために、クリーニング性を有しながらも、極力、感光体2表面を研磨しない回転数(感光体2との速度差が小さい条件)にされている。
しかし、除去動作においては、短時間で感光体2表面に付着した付着物を除去しなければならないため、回転数の変更を行い感光体2との速度差を大きくし、除去能力の向上を図る構成とする。
放電生成物の除去モード動作中の感光体2の回転数、及びクリーニングブラシローラ5bの回転数を、印刷動作実行時とは異なる回転数となるように、図6に示したそれぞれの回転数変更手段42、47によって変更する。クリーニングブラシローラ5bと感光体2の回転数の差を大きくすることで、クリーニングブラシローラ5bによる感光体2表面の研磨効果を高め、感光体2表面の付着物の除去性を向上させる。
【0022】
図9はクリーニングブラシローラの回転方向を切り換えた場合を示す概略図である。クリーニングブラシローラ5bの回転方向によっても感光体2表面の研磨性が異なる。クリーニングブラシローラ5bは、感光体2の研磨を防止するため、通常動作においては感光体2と順方向に回転する構成とされている(図9(a))。
除去動作時においては、回転方向を逆とすることにより感光体2との速度差を大きくし、除去能力の向上を図る構成とする(図9(b))。図6の制御手段40は、温湿度計測手段49や停止時間計測手段50とともに、回転数の変更や、回転方向の変更により、短い動作時間での最適化を図る。
クリーニングブラシローラ5bの回転方向により、感光体2表面の研磨能力が異なり、感光体2と逆回転で回転した場合、表面の研磨能力が向上する。しかし、常時研磨能力を向上した状態では、感光体2表面が削れ、寿命を縮めてしまう。そのため、クリーニングブラシローラ5bの回転方向を切り換えるクリーニングブラシ回転方向切り換え手段46を設け、付着物の除去動作実行時のみ回転方向を逆回転とする構成とする。
【0023】
図10は現像バイアスをパルス入力した場合のトナー供給量をグラフで示す図である。図6及び図7を参照して説明すると、放電生成物の除去モード動作中に現像装置4にパルス入力バイアス印加手段44でパルス入力を印加する。
温湿度計測手段49と停止時間計測手段50により、放電生成物の付着量が多く発生状況が悪いと判断した場合において、除去モードの動作時間が長くなり過ぎることを防止するため、現像バイアスをパルス入力で印加することで、断続的にトナーを供給し、図3に示すクリーニングブレード5aやクリーニングブラシローラ5bによる付着物の除去能力を向上させる。
現像バイアスを印加せずに、感光体2、現像装置4、クリーニング装置5を動作させるのみでは、感光体2上に付着するトナーは僅かであり、放電生成物の付着量が多い場合などにおいては除去動作を行う時間が長くなってしまう。そのため、トナーの供給量を増やし、除去動作時間の短縮を図る構成とする。
【0024】
しかし、感光体2上にトナーを付着させ続けると、未転写状態でトナーをクリーニング装置5に供給しつづけることとなり、負荷が大きく、クリーニングブレード5aを用いた場合にはブレードの欠け等が生じてしまう。
そこで、パルスごとにトナー供給量を増加するように現像バイアスをパルス入力して、断続的にトナーを供給することにより、感光体2上の付着物除去性を向上させ、また、クリーニング装置5にかかる負荷も少なくし、除去動作の時間の最適を図れる。温湿度計測手段49や停止時間計測手段50による必要動作時間に応じて、制御手段40により現像バイアスの入力を必要とするかどうか判断する構成とする。
【0025】
図11はコロナ放電方式を用いた帯電装置を示す概略図である。図11には、帯電方式としてコロナ帯電を用い、放電部材52近傍に放電生成物の吸着剤として電位制御部材53を塗布したコロナ帯電装置3を示している。
帯電装置の帯電方式として、コロナ帯電方式とローラ帯電方式が広く知られているが、放電生成物の発生量を少なくするためには、ローラ帯電方式が有効である。しかし、ローラ帯電方式においては、ローラ汚れによる帯電不良や、印刷速度に対する余裕が無く、高速機において長寿命を実現するためには、コロナ帯電方式の方が望ましい。
本発明での放電生成物の除去動作を実行することにより、放電生成物の発生量が多くなるコロナ帯電方式においても、画像流れや白抜けの異常画像の発生を防止できるため、高速印刷への対応や高寿命化が望める。
また、放電生成物の吸着剤である電位制御部材53を塗布することにより、帯電装置3の収納スペースに残存した放電生成物を吸着し、放置時における感光体2表面への降り注ぎを少なくすることができ、除去動作の時間を短くできる。例えば、スコロトロン帯電方式を用いた場合では、ワイヤや電極の放電部材と、感光体の中間に配置されるグリッド等の電位制御部材に塗布することにより、その効果は増大する。帯電装置3に放電生成物の吸着剤を塗布することで、感光体表面に振りそそぐ前に、電位制御部材53により吸着でき、問題の発生を防止できる。
【0026】
図12は温湿度による帯電バイアスの変更状態をグラフで示す図である。放電生成物の付着が多くなる高温高湿環境において、帯電装置の放電による放電生成物発生量を低減するため、帯電装置に印加するバイアスを低く設定できるように切り換え可能する。
放電生成物は吸水し易く、高温高湿環境において感光体表面に付着し易くなり、画像流れや白抜けの異常画像を引き起こす。そのため、温湿度計測手段49により検出した値に応じて、帯電装置に印加するバイアスを切り換え可能とした構成とする。
図12では、温湿度計測手段49から算出した絶対湿度(D)に応じて帯電バイアスを切り換える構成を示しているが、温度や相対湿度により切り換える構成でもよい。また、図中では、2点の閾値を設けて切り換える構成を示しているが、閾値の数は問わず、絶対湿度等から算出する式を用いた構成でもよい。
高温高湿環境での帯電手段に印加するバイアスを小さくすることで、放電生成物の発生量を少なくすることができる。そのため、感光体表面への付着量を低減することができ、放電生成物の除去動作の時間の短縮を図れる。
【0027】
図6に示すように、感光体2の使用状況を判断する使用状況判断手段41を設けて、使用状況に応じて、制御手段40により放電生成物の除去モードの動作時間の変更を可能としている。
印刷枚数により、感光体2表面の状態は変化していき、放電生成物の付着し易さも変化する。使用状況判断手段41として印刷枚数計数手段を有することで、像担持体表面に付着した放電生成物の除去動作実行時間を変更することで、より最適時間とすることが可能となる。
感光体2の使用状況により放電生成物の付着し易さが異なるため、感光体2表面の付着物の除去動作に必要な時間が異なってくる。そのため、感光体2の使用状況を判断する使用状況判断手段41を有し、除去動作に必要時間を短くできるようにすることで、感光体2の高寿命を実現できる。
感光体2の使用状況の判断手段41としては、印刷枚数の計数手段や、感光体2の回転数の計数手段、感光体2の走行距離の距離測定手段がある。印刷枚数や、回転数、走行距離の値に応じて、制御手段40により動作時間を変更する構成とする。
【0028】
図13は画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジの構成を示す概略図である。図13では、感光体2、帯電装置3、現像装置4、クリーニングブレード5a及びクリーニングブラシローラ5bを有するクリーニング装置5を一体構成とし、画像形成装置本体(図示せず)に対して着脱可能なプロセスカートリッジ6としている。着脱可能なプロセスカートリッジ6とすることで、ユニット交換時等におけるメンテナンス性の向上が図れる。
像担持体としてのドラム形状の感光体2と、感光体2を帯電するための帯電装置3と、トナー像を現像するための現像装置4と、本発明を有し、図示してない潤滑剤塗布装置を搭載し、感光体2の転写後の残留トナーを除去するためのクリーニング装置5とで構成されている。
一般的に電子写真方式の画像形成装置はその構成が複雑で、これを構成する各装置を容易に交換したりすることが困難である場合が多い。しかし、本実施の形態のように交換等が必要な装置を一体化したプロセスカートリッジ6の構成とすることで、その交換等が容易となり、メンテナンス性が向上する。
【0029】
以上のように、本発明の画像形成装置1では、制御手段40が、温湿度を検出する温湿度計測手段49からの温湿度、及び前記像担持体2の動作停止後からの時間を計測する計測手段50からの前記像担持体2の停止時間の結果により、温湿度及び立ち上がり時の動作時間を決定・変更する。
そして、ウォームアップ時の動作中に、前記転写手段7を前記像担持体2から離間させた状態で、前記帯電手段3及び前記現像手段4のバイアス印加を行わず、前記像担持体2、前記現像手段4、前記クリーニング手段5を動作させ、前記温湿度計測手段49、及び前記計測手段50から算出した動作必要時間分、前記制御手段40により動作させるようにした放電生成物の除去モード機能を搭載している。
【符号の説明】
【0030】
1 画像形成装置、2 像担持体(感光体)、3 帯電手段(帯電装置)、4 現像手段(現像装置)、5 クリーニング手段(クリーニング装置)、5a クリーニングブレード、5b クリーニングブラシローラ、6 プロセスカートリッジ、7 転写手段(転写装置)、10 露光手段(光書き込み部)、40 制御手段、41 使用状況判断手段、42 回転数変更手段、43 バイアス切り換え手段、44 パルスバイアス印加手段、46 回転方向切り換え手段、47 回転数変更手段、48 離間手段、49 温湿度計測手段、50 停止時間計測手段、51 動作時間決定変更手段、52 放電部材、53 電位制御部材(吸着剤)、54 除去手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0031】
【特許文献1】特開平06−149129号公報
【特許文献2】特開2002−174996公報
【特許文献3】特許第3985931号
【技術分野】
【0001】
本発明は、像担持体を帯電手段によって帯電する帯電し、像担持体上の潜像に現像手段によってトナー像を形成し、像担持体上のトナー像を転写手段によって転写し、転写後の残トナーをクリーニング手段によって像担持体から除去する構成の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置では、スコロトロン帯電等の放電による帯電方式を用いて像担持体を帯電しているため、放電による生成物(オゾン等)が発生してしまう。この放電生成物は触媒等を用いて、分解処理しなければならない。そのため、ファンやブロアを用いて気流を生じさせ、触媒を用いたフィルタを通して分解処理することで、機外に排出する構成とされており、広く用いられている。
しかし、画像形成装置はよりコンパクトにすることが望まれており、限られたスペース内で各ユニットを収納しなければならない。そのため形状が複雑となり、放電により発生した放電生成物を触媒により分解し、機外へ排出する気流を用いた構成においても完全に抜けきることができず、帯電部材や帯電手段を収納する本体の収納スペース部に付着して残存することがある。
このような放電生成物が、電源をオフし気流の流れが停止した夜間放置時などにおいて、像担持体表面に降り注ぎ、画像流れや白抜けといった異常画像の発生原因となる。また、放電生成物は吸湿し易く、高温高湿の環境下でより像担持体表面に付着し易く問題となり易い状態である。
【0003】
この対策として、画像形成装置においては、従来から各種の技術が帯電手段で発生された放電生成物の除去を実施するために提案されている(例えば、特許文献1乃至3参照)。
像担持体に付着した放電生成物の除去動作が必要となり実施されているが、除去部材を追加することによるスペースの増加とコストの増加や、除去動作による像担持体表面の研磨による低寿命化といった懸念事項がある。
特許文献1には、ウォームアップ時に、帯電手段を動作させ現像手段にバイアスを印加し、像担持体表面に反転かぶり現像して、クリーニングにより除去する技術が開示されている。特許文献2には、像担持体停止時、帯電に対向する位置にトナー層を現像して停止し、クリーニング動作で除去する技術が開示されている。
また、特許文献3には、クリーニング手段とは別に除去部材を有し、その除去部材を含水弾性部材層と高吸水性部材層と有する構成とし像担持体に当接させて除去する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、バイアス印加することにより、放電生成物の発生や現像動作によるトナー消費量が懸念される。また、特許文献2の技術では、帯電対向部にトナー層を形成するのみで、付着状況によっても動作間隔が一様である。さらに、特許文献3の技術では、放電生成物を除去する除去部材を別個に必要とする。
そこで、本発明の目的は、上述した実情を考慮して、像担持体表面に付着した放電生成物の除去動作を、除去部材等追加せずに実施可能とし、除去動作時間の最適化を図ることができる構成とする画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、像担持体と、該像担持体を帯電する帯電手段と、前記像担持体に潜像を形成する露光手段と、前記潜像にトナー像を形成する現像手段と、前記像担持体上のトナー像を転写する転写手段と、転写後の残トナーを前記像担持体から除去するクリーニング手段と、を有する画像形成装置において、画像形成装置内部の温度及び湿度を計測する温湿度計測手段と、前記像担持体が停止されている時間を計測する停止時間計測手段と、前記転写手段を前記像担持体から離間させ、前記帯電手段のバイアス印加を行わない状態で、前記像担持体、前記現像手段及び前記クリーニング手段を動作させて、前記像担持体に付着した放電生成物を除去する除去手段と、前記温湿度計測手段及び前記停止時間計測手段の計測結果に基づいて、前記像担持体に付着した放電生成物を除去するのに必要な時間だけ、前記除去手段を動作させる制御手段と、を備えた画像形成装置を特徴とする。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、前記クリーニング手段に、クリーニングブレードとクリーニングブラシを用いた請求項1記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記除去モード動作中の前記像担持体の回転数、及び、前記クリーニングブラシの回転数を、印刷動作実行時とは異なる回転数に変更する回転数変更手段を有する請求項2記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記クリーニングブラシの回転方向を切り換える切り換え制御手段を有する請求項2又は3記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、前記除去モード動作中に前記現像手段にパルス入力でバイアス印加可能にした請求項1乃至4のいずれか1項記載の画像形成装置を特徴とする。
【0007】
また、請求項6に記載の発明は、前記帯電手段にコロナ帯電を用い、該コロナ帯電手段の放電部材近傍に放電生成物の吸着剤を塗布した請求項1乃至4のいずれか1項記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、前記帯電手段に印加するバイアスを切り換えることを可能にした請求項1乃至6のいずれか1項記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、前記像担持体の使用状況を判断する使用状況判断手段を有し、使用状況に応じて、制御手段により除去モードの動作時間の変更を可能とした請求項1乃至6のいずれか1項記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、前記像担持体、前記帯電手段、前記現像手段、前記クリーニング手段を一体構成とし、画像形成装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジとした請求項1乃至8のいずれか1項記載の画像形成装置を特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、放電生成物による問題が発生し易い高温高湿時や長時間放置後において、画像出力前に像担持体表面の付着物を除去する動作を、像担持体と、現像手段、クリーニング手段とを動作させることで実行するので、付着物除去用に新しく部材を設ける必要がなく、既存の部材のみにより行うことができ、コスト増加を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の画像形成装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置のプロセスカートリッジの1例を示す概略構成図である。
【図3】放電生成物の除去動作実行時のプロセスカートリッジの各ユニットの状態を示す概略図である。
【図4】放電生成物の除去動作時における感光体へのトナー付着量をグラフで示す図である。
【図5】感光体、現像装置及びクリーニング装置の動作タイミングを示す図である。
【図6】本発明による放電生成物の除去動作の制御系を示す概略ブロック図である。
【図7】放電生成物等の除去動作実行時間を算出する方法をグラフで示す図である。
【図8】クリーニング装置にクリーニングブレードとクリーニングブラシローラを用いた構成を示す概略図である。
【図9】クリーニングブラシローラの回転方向を切り換えた場合を示す概略図である。
【図10】現像バイアスをパルス入力した場合のトナー供給量をグラフで示す図である。
【図11】コロナ放電方式を用いた帯電装置を示す概略図である。
【図12】温湿度による帯電バイアスの変更状態をグラフで示す図である。
【図13】画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジの構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、像担持体としてはドラム状の感光体を代表例として用いるが、他の形状の感光体や中間転写ベルト等についても同様のことが当てはまるため、ドラム状感光体だけに限定されるものではない。
図1は本発明の画像形成装置の全体構成を示す概略図である。図2は本発明に係る画像形成装置のプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。まず、本発明に係る電子写真方式の画像形成プロセスを利用した画像形成装置の構成、動作の1例について説明する。
図1及び図2において、この画像形成装置1は、像担持体であるドラム状の感光体2、帯電装置である帯電ローラ3、現像装置4、クリーニング装置5を含んでいるプロセスカートリッジ6、このプロセスカートリッジ6の上方に配置された転写装置7、この転写装置7の上方に配置されかつ各色のトナーを補給するトナーカートリッジ8を備え、さらに、このトナーカートリッジ8の上方にスキャナ9が配置されている。
【0011】
また、プロセスカートリッジ6の下方には光書き込み装置10、この光書き込み装置10の下方には廃トナータンク11、この廃トナータンク11の横に記録媒体である転写紙を収容・搬送する給紙装置の第1トレイ12、廃トナータンク11と第1トレイ12との下方に第2トレイ13を配置している。
さらに、転写装置7の中間転写ベルト14と対向する位置には2次転写ローラ15が配置されている。この2次転写ローラ15の上方には中間転写ベルト14と2次転写ローラ15とのニップを通った画像を転写された記録媒体に熱と圧力を加える定着ローラ16aと加圧ローラ16bとからなる定着装置16が配置されている。
画像形成プロセスが実行されると、画像形成装置1は像担持体であるドラム状の感光体2を時計方向に回転駆動して、この感光体2を帯電部の帯電装置(例えば、帯電ローラ等)3で一様に帯電した後、潜像形成手段である光書き込み部(例えば、レーザ光を走査して光書き込みを行うレーザ走査装置や、LEDアレー等による光書き込み装置)10により画像データで変調された静電潜像形成光を照射して感光体に静電潜像を形成する。
【0012】
そして静電潜像が形成された感光体2に、現像装置4の現像ローラ4aにより現像装置4内の現像剤のトナーを付着させて現像し可視像化する。画像形成装置1は、現像装置4でトナーを付着してトナー画像を形成した感光体2をさらに回転し、転写装置7で、感光体2と中間転写ベルト14との間に搬送されてきた転写紙にトナー画像を転写させる。
転写装置7の転写ベルト14は搬送ローラ7a、7b、7cに掛け渡されて図中の矢印方向に回動し、転写紙を搬送して感光体2上のトナー画像を転写紙に転写させるともとに、トナー画像の転写された転写紙を定着装置16に搬送する。次いで、この定着装置16に搬送された転写紙を定着ローラ16aと加圧ローラ16bにより加熱・加圧して、転写紙上のトナー画像を転写紙上に定着した後、排紙部上に排出する。
一方、画像形成装置1は、転写装置7でトナー画像を転写紙に転写した感光体2をさらに回転して、クリーニング装置5のクリーニングブレード5a等により感光体2表面に残留するトナーを掻き落して除去する。クリーニングした感光体2を帯電装置3で再び一様に帯電させた後、上記と同様の次の画像形成に供する。なお、図2中、符号34は帯電ローラクリーナである。
【0013】
図3は放電生成物の除去動作実行時のプロセスカートリッジの各ユニットの状態を示す概略図である。図4は放電生成物の除去動作時における感光体へのトナー付着量をグラフで示す図である。なお、図3において、感光体2の回転方向は図1及び図2の場合と逆に示してある。
本発明における放電生成物の除去動作は、現像装置4や帯電装置3へのバイアスを印加せずに、転写装置の転写手段である転写ローラ7dを感光体2から離間させた状態で、感光体2、現像装置4、クリーニング装置5を、温湿度や感光体2の停止時間から算出した動作時間だけ実行する構成である。
感光体2を回転させるのみでなく、バイアスを印加せずに現像装置4も動作させることで、バイアス印加を行わなくても、地汚れ程度の少ないトナーを付着させることができ(図4)、感光体2表面に付着した放電生成物の除去性を向上させられる。また、現像装置4の動作によりトナーを付着させるために、同時にクリーニング装置5も動作させ、回収したトナーの搬送等が行える構成とする。
【0014】
現像装置4にバイアスを印加した場合、感光体2表面のトナー付着量は増加するため放電生成物等の除去性は向上するが、転写手段9を離間した状態で現像動作を行うことでクリーニング装置5に供給されるトナー量が増加してしまい、クリーニング装置5への負荷が大きくなる。また、トナーの消費量も多くなり、コスト面でのロスが増えてしまう。そのため、現像装置4へのバイアス印加は行わず実行する。
帯電装置3にバイアスを印加した場合、現像装置4を動作させてもトナーが付着しない。そのため、帯電装置3にもバイアス印加を行わず放電生成物等の除去動作を実行する。この場合、感光体2を帯電させないので、帯電装置3に接触方式を用いた場合は、その帯電装置3に感光体2と接離可能な機構を設ける。
図3中ではクリーニング装置5に、クリーニングブレード5aを用いた構成を示しているが、同時にブラシローラ5b等を用いた構成においても同様の効果が得られる。また、図1の潤滑剤徒負装置は省略してある。
【0015】
図5は感光体、現像装置及びクリーニング装置の動作タイミングを示す図である。放電生成物等の除去動作の開始は感光体2、クリーニング装置5、現像装置4の順で行う。また、動作終了時は現像装置4、クリーニング装置5、感光体2の順で停止する。
停止時、現像装置4の停止時間とクリーニング装置5の停止時間の差(図中T1)が、現像装置4の停止時にこの現像装置4を通過した感光体2の面がクリーニング装置5を通過するまでに必要な時間(t)より大きくなるように設定する(T1≧t)。現像装置4の動作時は感光体2にトナーを付着させているため、停止時は感光体2上のトナーをクリーニング装置5によりすべて回収した状態で停止する。
図6は本発明による放電生成物の除去動作の制御系を示す概略ブロック図である。図6には、感光体2と、この感光体2を帯電する帯電装置3、感光体2に形成された潜像にトナー像を形成する現像装置4、感光体2上のトナー像を転写する転写装置7、転写後の残トナーを感光体2から除去するクリーニング装置5を示している。
【0016】
さらに、制御手段40を介して感光体2の使用状況を判断する使用状況判断手段41、感光体2の回転数を変更する回転数変更手段42、帯電装置3のバイアス切り換え手段43、現像装置4へパルス入力バイアスを印加するパルス入力バイアス印加手段44、クリーニングブラシローラ5bの回転方向を切り換えるクリーニングブラシ回転方向切り換え手段46、クリーニングブラシローラ5bの回転数を変更するクリーニングブラシ回転数変更手段47、転写装置7を感光体2から離間させる離間手段48、温湿度を検出する温湿度計測手段49、感光体2の停止時間を計測する停止時間計測手段50、及び感光体2の立ち上がり時の動作時間を決定変更する動作時間決定変更手段51を示している。
制御手段40は、温湿度計測手段49からの温湿度と、停止時間計測手段50からの停止時間の結果に応じて、感光体2の立ち上がり時の動作時間を決定して変更する動作時間を動作時間設定変更手段51に応答する。
画像形成装置は、ウォームアップ時の動作中に、転写装置7を離間させた状態で、帯電装置3及び現像装置4のバイアス印加を行わず、感光体2、現像装置4、クリーニング装置5を動作させ、温湿度計測手段49からの温湿度、及び停止後の停止時間計測手段50から算出した除去動作に必要な時間分、制御手段40に接続された除去手段54を介して動作させるようにした放電生成物の除去モード機能を搭載することになる。
【0017】
本発明は、転写装置が中間転写方式、直接転写方式のいずれかで構成されても、画像形成装置の構成がモノクロ機、カラー機であってもでも十分にその効果を発揮できる。
本発明では、放電生成物による問題が発生し易い高温高湿時や長時間放置後において、画像出力前に感光体2表面の付着物を除去する動作を行うようにする。
この除去モード動作は、感光体2と、現像装置4、クリーニング装置5とを動作させることで実行する。そのため、付着物除去用に新しく部材を設ける必要がなく、既存の部材のみにより行うことができ、コスト増加を防止できる。
帯電装置3にはバイアスを印加せず放電動作を行わず、除去動作中の放電生成物の発生を無くすことができる。また、現像装置4にもバイアス印加をしないためトナーの消費量を押さえることもできる。放置時間や環境により、その動作時間を変化させることで、ウォームアップ時間の増加も極力短時間として最適を図る構成である。
【0018】
図7は放電生成物等の除去動作実行時間を算出する方法をグラフで示す図である。図7(a)は、温度及び湿度を計測する温湿度計測手段49により第一除去実行時間を設定する構成を示す図である。まず、温湿度計測手段49により検出された温度と湿度から絶対湿度を算出し、その絶対湿度に応じて環境を判断する。
次に、その絶対湿度に対して除去動作を実行する第一除去実行時間を算出する(図7(a))。図中では、絶対湿度Dに対して閾値D0とD1を設定しているが、閾値として設ける数は問わない。
また、絶対湿度でなく、温湿度計測手段49により検出された温度及び湿度に応じて判断する構成でも同様の効果が得られる。温湿度や絶対湿度の値を閾値により判断し切り換える構成ではなく、絶対湿度の数値に応じて除去動作実行時間を算出して設定する構成でも同様に効果が得られる。
【0019】
図7(b)は停止時間を計測する停止時間計測手段50により第二除去動作時間を設定する構成を示す図である。図7(b)中では、停止時間とともに第二除去動作時間を線形で設定する構成であるが、停止時間の閾値を設けて、或る時間以上停止すれば何分間動作させるといった構成でも同様の効果が得られる。
図7(c)は制御手段40による除去動作時間の設定を示す図である。上記の温湿度計測手段49(図7(a))と停止時間計測手段50(図7(b))により算出された結果を用いて、必要な除去動作時間を判断して制御手段により実行する。図7(c)の実施例では、像担持体に付着する放電生成物により異常画像の発生が始まる付着量を超えた量に応じて、除去手段を動作させる除去動作時間が長くなるように設定されている。
【0020】
図8はクリーニング装置にクリーニングブレードとクリーニングブラシローラを用いた構成を示す概略図である。図8において、クリーニングブレード5aは、ゴムなどの弾性体で構成され、その基端側が、接着剤等によりブレードホルダ5cに固定されている。
クリーニングブレード5a先端のエッジを感光体2に当接させることによって、転写後の残留トナーを回収する役目を果たす。また、クリーニングブレード5aは、像担持体である感光体2に対して対向するように当接させることで、クリーニング性を向上させるとともに、感光体2に付着した放電生成物の除去性も向上する。
クリーニングブラシローラ5bは、ブラシ繊維を取り付けたシート部材を軸となる芯金部材に巻き付けて作製される。ブラシ繊維の先端を感光体2に当接させながら回転し、クリーニングブレード5aと同様に、転写後の残留トナーを回収する役目を果たす。
クリーニングブラシローラ5bは、感光体2の回転方向に対してクリーニングブレード5aの上流側に配置することにより、このクリーニングブレード5aのブレードエッジにはトナーが溜まり、また、クリーニングブラシローラ5bにもトナーを担持することで、付着物の除去性の向上を図り、また、感光体2に付着した放電生成物の除去性も同時に向上させる。
【0021】
クリーニングブラシローラ5bは、感光体2に当接し回転するため、感光体2表面を徐々に研磨してしまう。そのため、感光体2表面の高寿命を実現するために、クリーニング性を有しながらも、極力、感光体2表面を研磨しない回転数(感光体2との速度差が小さい条件)にされている。
しかし、除去動作においては、短時間で感光体2表面に付着した付着物を除去しなければならないため、回転数の変更を行い感光体2との速度差を大きくし、除去能力の向上を図る構成とする。
放電生成物の除去モード動作中の感光体2の回転数、及びクリーニングブラシローラ5bの回転数を、印刷動作実行時とは異なる回転数となるように、図6に示したそれぞれの回転数変更手段42、47によって変更する。クリーニングブラシローラ5bと感光体2の回転数の差を大きくすることで、クリーニングブラシローラ5bによる感光体2表面の研磨効果を高め、感光体2表面の付着物の除去性を向上させる。
【0022】
図9はクリーニングブラシローラの回転方向を切り換えた場合を示す概略図である。クリーニングブラシローラ5bの回転方向によっても感光体2表面の研磨性が異なる。クリーニングブラシローラ5bは、感光体2の研磨を防止するため、通常動作においては感光体2と順方向に回転する構成とされている(図9(a))。
除去動作時においては、回転方向を逆とすることにより感光体2との速度差を大きくし、除去能力の向上を図る構成とする(図9(b))。図6の制御手段40は、温湿度計測手段49や停止時間計測手段50とともに、回転数の変更や、回転方向の変更により、短い動作時間での最適化を図る。
クリーニングブラシローラ5bの回転方向により、感光体2表面の研磨能力が異なり、感光体2と逆回転で回転した場合、表面の研磨能力が向上する。しかし、常時研磨能力を向上した状態では、感光体2表面が削れ、寿命を縮めてしまう。そのため、クリーニングブラシローラ5bの回転方向を切り換えるクリーニングブラシ回転方向切り換え手段46を設け、付着物の除去動作実行時のみ回転方向を逆回転とする構成とする。
【0023】
図10は現像バイアスをパルス入力した場合のトナー供給量をグラフで示す図である。図6及び図7を参照して説明すると、放電生成物の除去モード動作中に現像装置4にパルス入力バイアス印加手段44でパルス入力を印加する。
温湿度計測手段49と停止時間計測手段50により、放電生成物の付着量が多く発生状況が悪いと判断した場合において、除去モードの動作時間が長くなり過ぎることを防止するため、現像バイアスをパルス入力で印加することで、断続的にトナーを供給し、図3に示すクリーニングブレード5aやクリーニングブラシローラ5bによる付着物の除去能力を向上させる。
現像バイアスを印加せずに、感光体2、現像装置4、クリーニング装置5を動作させるのみでは、感光体2上に付着するトナーは僅かであり、放電生成物の付着量が多い場合などにおいては除去動作を行う時間が長くなってしまう。そのため、トナーの供給量を増やし、除去動作時間の短縮を図る構成とする。
【0024】
しかし、感光体2上にトナーを付着させ続けると、未転写状態でトナーをクリーニング装置5に供給しつづけることとなり、負荷が大きく、クリーニングブレード5aを用いた場合にはブレードの欠け等が生じてしまう。
そこで、パルスごとにトナー供給量を増加するように現像バイアスをパルス入力して、断続的にトナーを供給することにより、感光体2上の付着物除去性を向上させ、また、クリーニング装置5にかかる負荷も少なくし、除去動作の時間の最適を図れる。温湿度計測手段49や停止時間計測手段50による必要動作時間に応じて、制御手段40により現像バイアスの入力を必要とするかどうか判断する構成とする。
【0025】
図11はコロナ放電方式を用いた帯電装置を示す概略図である。図11には、帯電方式としてコロナ帯電を用い、放電部材52近傍に放電生成物の吸着剤として電位制御部材53を塗布したコロナ帯電装置3を示している。
帯電装置の帯電方式として、コロナ帯電方式とローラ帯電方式が広く知られているが、放電生成物の発生量を少なくするためには、ローラ帯電方式が有効である。しかし、ローラ帯電方式においては、ローラ汚れによる帯電不良や、印刷速度に対する余裕が無く、高速機において長寿命を実現するためには、コロナ帯電方式の方が望ましい。
本発明での放電生成物の除去動作を実行することにより、放電生成物の発生量が多くなるコロナ帯電方式においても、画像流れや白抜けの異常画像の発生を防止できるため、高速印刷への対応や高寿命化が望める。
また、放電生成物の吸着剤である電位制御部材53を塗布することにより、帯電装置3の収納スペースに残存した放電生成物を吸着し、放置時における感光体2表面への降り注ぎを少なくすることができ、除去動作の時間を短くできる。例えば、スコロトロン帯電方式を用いた場合では、ワイヤや電極の放電部材と、感光体の中間に配置されるグリッド等の電位制御部材に塗布することにより、その効果は増大する。帯電装置3に放電生成物の吸着剤を塗布することで、感光体表面に振りそそぐ前に、電位制御部材53により吸着でき、問題の発生を防止できる。
【0026】
図12は温湿度による帯電バイアスの変更状態をグラフで示す図である。放電生成物の付着が多くなる高温高湿環境において、帯電装置の放電による放電生成物発生量を低減するため、帯電装置に印加するバイアスを低く設定できるように切り換え可能する。
放電生成物は吸水し易く、高温高湿環境において感光体表面に付着し易くなり、画像流れや白抜けの異常画像を引き起こす。そのため、温湿度計測手段49により検出した値に応じて、帯電装置に印加するバイアスを切り換え可能とした構成とする。
図12では、温湿度計測手段49から算出した絶対湿度(D)に応じて帯電バイアスを切り換える構成を示しているが、温度や相対湿度により切り換える構成でもよい。また、図中では、2点の閾値を設けて切り換える構成を示しているが、閾値の数は問わず、絶対湿度等から算出する式を用いた構成でもよい。
高温高湿環境での帯電手段に印加するバイアスを小さくすることで、放電生成物の発生量を少なくすることができる。そのため、感光体表面への付着量を低減することができ、放電生成物の除去動作の時間の短縮を図れる。
【0027】
図6に示すように、感光体2の使用状況を判断する使用状況判断手段41を設けて、使用状況に応じて、制御手段40により放電生成物の除去モードの動作時間の変更を可能としている。
印刷枚数により、感光体2表面の状態は変化していき、放電生成物の付着し易さも変化する。使用状況判断手段41として印刷枚数計数手段を有することで、像担持体表面に付着した放電生成物の除去動作実行時間を変更することで、より最適時間とすることが可能となる。
感光体2の使用状況により放電生成物の付着し易さが異なるため、感光体2表面の付着物の除去動作に必要な時間が異なってくる。そのため、感光体2の使用状況を判断する使用状況判断手段41を有し、除去動作に必要時間を短くできるようにすることで、感光体2の高寿命を実現できる。
感光体2の使用状況の判断手段41としては、印刷枚数の計数手段や、感光体2の回転数の計数手段、感光体2の走行距離の距離測定手段がある。印刷枚数や、回転数、走行距離の値に応じて、制御手段40により動作時間を変更する構成とする。
【0028】
図13は画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジの構成を示す概略図である。図13では、感光体2、帯電装置3、現像装置4、クリーニングブレード5a及びクリーニングブラシローラ5bを有するクリーニング装置5を一体構成とし、画像形成装置本体(図示せず)に対して着脱可能なプロセスカートリッジ6としている。着脱可能なプロセスカートリッジ6とすることで、ユニット交換時等におけるメンテナンス性の向上が図れる。
像担持体としてのドラム形状の感光体2と、感光体2を帯電するための帯電装置3と、トナー像を現像するための現像装置4と、本発明を有し、図示してない潤滑剤塗布装置を搭載し、感光体2の転写後の残留トナーを除去するためのクリーニング装置5とで構成されている。
一般的に電子写真方式の画像形成装置はその構成が複雑で、これを構成する各装置を容易に交換したりすることが困難である場合が多い。しかし、本実施の形態のように交換等が必要な装置を一体化したプロセスカートリッジ6の構成とすることで、その交換等が容易となり、メンテナンス性が向上する。
【0029】
以上のように、本発明の画像形成装置1では、制御手段40が、温湿度を検出する温湿度計測手段49からの温湿度、及び前記像担持体2の動作停止後からの時間を計測する計測手段50からの前記像担持体2の停止時間の結果により、温湿度及び立ち上がり時の動作時間を決定・変更する。
そして、ウォームアップ時の動作中に、前記転写手段7を前記像担持体2から離間させた状態で、前記帯電手段3及び前記現像手段4のバイアス印加を行わず、前記像担持体2、前記現像手段4、前記クリーニング手段5を動作させ、前記温湿度計測手段49、及び前記計測手段50から算出した動作必要時間分、前記制御手段40により動作させるようにした放電生成物の除去モード機能を搭載している。
【符号の説明】
【0030】
1 画像形成装置、2 像担持体(感光体)、3 帯電手段(帯電装置)、4 現像手段(現像装置)、5 クリーニング手段(クリーニング装置)、5a クリーニングブレード、5b クリーニングブラシローラ、6 プロセスカートリッジ、7 転写手段(転写装置)、10 露光手段(光書き込み部)、40 制御手段、41 使用状況判断手段、42 回転数変更手段、43 バイアス切り換え手段、44 パルスバイアス印加手段、46 回転方向切り換え手段、47 回転数変更手段、48 離間手段、49 温湿度計測手段、50 停止時間計測手段、51 動作時間決定変更手段、52 放電部材、53 電位制御部材(吸着剤)、54 除去手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0031】
【特許文献1】特開平06−149129号公報
【特許文献2】特開2002−174996公報
【特許文献3】特許第3985931号
【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体と、該像担持体を帯電する帯電手段と、前記像担持体に潜像を形成する露光手段と、前記潜像にトナー像を形成する現像手段と、前記像担持体上のトナー像を転写する転写手段と、転写後の残トナーを前記像担持体から除去するクリーニング手段と、を有する画像形成装置において、
画像形成装置内部の温度及び湿度を計測する温湿度計測手段と、
前記像担持体が停止されている時間を計測する停止時間計測手段と、
前記転写手段を前記像担持体から離間させ、前記帯電手段のバイアス印加を行わない状態で、前記像担持体、前記現像手段及び前記クリーニング手段を動作させて、前記像担持体に付着した放電生成物を除去する除去手段と、
前記温湿度計測手段及び前記停止時間計測手段の計測結果に基づいて、前記像担持体に付着した放電生成物を除去するのに必要な時間だけ、前記除去手段を動作させる制御手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記クリーニング手段に、クリーニングブレードとクリーニングブラシを用いたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記除去モード動作中の前記像担持体の回転数、及び、前記クリーニングブラシの回転数を、印刷動作実行時とは異なる回転数に変更する回転数変更手段を有することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記クリーニングブラシの回転方向を切り換える切り換え制御手段を有することを特徴とする請求項2又は3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記除去モード動作中に前記現像手段にパルス入力でバイアス印加可能にしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記帯電手段にコロナ帯電を用い、該コロナ帯電手段の放電部材近傍に放電生成物の吸着剤を塗布したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記帯電手段に印加するバイアスを切り換えることを可能にしたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記像担持体の使用状況を判断する使用状況判断手段を有し、使用状況に応じて、制御手段により除去モードの動作時間の変更を可能としたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記像担持体、前記帯電手段、前記現像手段、前記クリーニング手段を一体構成とし、画像形成装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジとしたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項1】
像担持体と、該像担持体を帯電する帯電手段と、前記像担持体に潜像を形成する露光手段と、前記潜像にトナー像を形成する現像手段と、前記像担持体上のトナー像を転写する転写手段と、転写後の残トナーを前記像担持体から除去するクリーニング手段と、を有する画像形成装置において、
画像形成装置内部の温度及び湿度を計測する温湿度計測手段と、
前記像担持体が停止されている時間を計測する停止時間計測手段と、
前記転写手段を前記像担持体から離間させ、前記帯電手段のバイアス印加を行わない状態で、前記像担持体、前記現像手段及び前記クリーニング手段を動作させて、前記像担持体に付着した放電生成物を除去する除去手段と、
前記温湿度計測手段及び前記停止時間計測手段の計測結果に基づいて、前記像担持体に付着した放電生成物を除去するのに必要な時間だけ、前記除去手段を動作させる制御手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記クリーニング手段に、クリーニングブレードとクリーニングブラシを用いたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記除去モード動作中の前記像担持体の回転数、及び、前記クリーニングブラシの回転数を、印刷動作実行時とは異なる回転数に変更する回転数変更手段を有することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記クリーニングブラシの回転方向を切り換える切り換え制御手段を有することを特徴とする請求項2又は3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記除去モード動作中に前記現像手段にパルス入力でバイアス印加可能にしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記帯電手段にコロナ帯電を用い、該コロナ帯電手段の放電部材近傍に放電生成物の吸着剤を塗布したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記帯電手段に印加するバイアスを切り換えることを可能にしたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記像担持体の使用状況を判断する使用状況判断手段を有し、使用状況に応じて、制御手段により除去モードの動作時間の変更を可能としたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記像担持体、前記帯電手段、前記現像手段、前記クリーニング手段を一体構成とし、画像形成装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジとしたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−224395(P2010−224395A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−73812(P2009−73812)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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