説明

画像形成装置

【課題】転写部材をバイアスクリーニングする場合において、実際の使用状況に応じてクリーニング性能が変化しても、現状のクリーニング性能に適合したバイアスクリーニング条件を低コストで決定することを課題とする。
【解決手段】所定のクリーニング条件変更時期(プロセス制御実行終了時)が到来したときに、クリーニングバイアスを所定のバイアスクリーニング条件で二次転写バックアップローラに3回印加させるとともに、この3回のクリーニングバイアス印加時それぞれの検知センサによる検出結果に基づいてクリーニングバイアスの絶対値及びクリーニングバイアスの印加回数を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転写部材の表面上に付着したトナーを像担持体表面に転移させてバイアスクリーニングする画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の画像形成装置としては、記録材へ転写されるトナー像を担持する像担持体の表面に接触又は近接するように回転体からなる転写部材を配置し、像担持体と転写部材との間に印加される転写バイアスの作用により像担持体上のトナー像を記録材上に転写するものがある。特に、近年のカラー画像形成装置には、1つの感光体(像担持体)の周りに複数の現像装置を備え、それらの現像装置で各色トナーを付着して感光体上に各色トナーを重ねた合成トナー画像を形成し、その合成トナー画像を転写紙に転写して転写紙上にカラー画像を形成する、いわゆる1ドラム方式と称される構成が知られている。また、各色ごとに感光体を備え、これらの感光体に対して個別の現像装置によりそれぞれ単色トナー像を形成し、それらの単色トナー像を転写体上に互いに重なり合うように順次転写して、転写体上に合成カラー画像を形成する、いわゆるタンデム方式と称される構成も知られている。ここでいう転写体には、最終的に画像が形成される転写紙などの記録材のほか、中間転写体なども含まれる。転写体が記録材である直接転写方式の場合には各感光体が上記像担持体に該当し、転写体が中間転写体である間接転写方式の場合には中間転写体が上記像担持体に該当する。1ドラム方式とタンデム方式とを比較すると、前者には感光体が1つであるから、比較的小型化でき、コストも低減できる利点はあるものの、1つの感光体を用いて複数回(通常4回)画像形成を繰り返してカラー画像を形成するので、画像形成の高速化が困難であるという問題点がある。これに対し、後者には、逆に大型化し、コスト高となる問題点はあるものの、画像形成の高速化が容易であるという利点がある。最近は、カラーもモノクロ並みのスピード要求が望まれることから、タンデム方式が注目されている。
【0003】
以下、タンデム方式の構成を例に挙げて説明すると、タンデム方式の画像形成装置においては、感光体で形成された画像を互いに重畳してカラー画像とすることになるが、画像を重畳転写する方式として、搬送ベルト等の記録材搬送部材により搬送される転写紙に対して各感光体に担持されている各色トナー像を順次転写する直接転写方式と、各感光体に形成された各色トナー像を中間転写ベルト等の中間転写体上に順次一次転写した後に、中間転写体上に重畳転写された合成トナー画像を転写紙に二次転写する間接転写方式とがある。直接転写方式は、各感光体間に転写紙のサイズに対応する配置間隔が必要となることが原因で、間接転写方式に比べて転写紙搬送方向に装置が大型化するという問題点がある。これに対し、間接転写方式では、二次転写位置を中間転写体の周囲で比較的自由に決定できることから、小型化が可能となる利点があり、最近におけるタンデム方式の画像形成装置では、間接転写方式が多用されてきている。
【0004】
中間転写体に重畳された合成トナー画像を転写紙へ二次転写する場合、通常は、二次転写位置において中間転写体の表面と対向する位置に二次転写ローラ等の二次転写部材を配置する。そして、二次転写位置において中間転写体と二次転写部材との間に転写ニップを形成し、その転写ニップに二次転写バイアスが印加されることで、転写ニップ中の転写紙に対し、中間転写体上に担持された合成トナー画像が静電転写される。この二次転写バイアスを印加する構成には、二次転写部材に対してバイアス印加する構成と、中間転写体側にバイアス印加する構成とがある。後者は、例えば、二次転写位置において中間転写ベルトの内周面に当接する二次転写対向ローラにバイアスが印加される構成である。前者の構成は転写紙の抵抗により転写特性が変化しやすくなるのに対し、後者の構成は転写紙の抵抗による転写特性変化が少ない点で有利である。
【0005】
二次転写部材は、転写ニップに転写紙が存在しない状態では中間転写体の表面に接触するとともに、転写ニップに転写紙が存在する状態では転写紙の裏面に接触することになる。そのため、転写ニップに転写紙が存在しない状態のときに中間転写体の表面上のトナーが二次転写部材の表面に付着し、そのトナーが転写紙の裏面に付着してしまう転写紙に裏汚れを発生させることがある。このような転写紙の裏汚れを抑制するために、特許文献1に記載された画像形成装置のように、二次転写部材の表面に付着しているトナーを除去する専用のクリーニング装置を設ける方法が考えられる。しかしながら、このような二次転写部材用クリーニング装置を設ける方法では、二次転写部材の高いクリーニング性を得る点では有利であるものの、低コスト化に対して不利になる上、画像形成装置内部に二次転写部材用クリーニング装置の設置スペースが必要となり、画像形成装置の小型化にも不利となる。
【0006】
これに対し、特許文献2に記載された画像形成装置のように、二次転写部材用クリーニング装置を設けず、二次転写部材に付着したトナーを、所定の非画像形成タイミング(例えば、画像形成ジョブの前あるいは後のタイミング)で二次転写領域にクリーニングバイアスを印加して中間転写体の表面に転移させ、これを中間転写体のクリーニング機構を用いてクリーニングするというバイアスクリーニング方式が知られている。このバイアスクリーニング方式では、二次転写部材用クリーニング装置を設けることなく転写紙の裏汚れを抑制できることから、画像形成装置の小型化かつ低コスト化の観点で有利である。
【0007】
しかも、上記特許文献2に記載された画像形成装置では、クリーニングバイアスとして正と負の極性の電圧を交互に印加して二次転写部材上のトナーを中間転写体上に転移させるバイアスクリーニング処理を行う際、中間転写体上に転移した各極性のトナー付着量をトナー付着量検出手段により検出する。そして、各極性のトナー付着量とこれらの差分とに基づいて、クリーニングバイアスの正と負の電圧切替時間(正負それぞれの電圧印加時間)と1回のクリーニング処理で行うサイクル回数(正負の電圧切り替えを1サイクルとしたサイクル回数)とを決定する。この画像形成装置では、トナー付着量検出手段により検出される各極性のトナー付着量及びこれらの差分と、それらに対応する最適な電圧切替時間及びサイクル回数との関係を、予め実験によって決めておき、これを参照テーブルとして画像形成装置に保持させる。このような構成により、上記特許文献2の記載によれば、トナー付着量検出手段の検出結果と当該参照テーブルとから最適な電圧切替時間及びサイクル回数を決定することができるとしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、上記特許文献2に記載の画像形成装置では、参照テーブルを作成する際の実験条件が画像形成装置の実際の使用状況下における条件と整合していないと、決定される電圧切替時間及びサイクル回数は、画像形成装置の実際の使用状況下では最適値とならない。
例えば、本発明者らの研究によると、初期の二次転写部材と経時の二次転写部材とを比較すると、これらが同じ量のトナーで汚れている場合、同じバイアスクリーニング条件でバイアスクリーニング処理しても、二次転写部材上のトナーの取れ方(クリーニング性能)が異なることが判明している。具体的には、経時の二次転写部材の方が初期の場合よりもクリーニングが困難であり、二次転写部材上から中間転写体表面へ転移するトナーの量が少ない。よって、二次転写部材上から中間転写体表面へ転移するトナーの量が同じであったとしても、二次転写部材上に残るトナー量は、初期の二次転写部材よりも経時の二次転写部材の方が多いという状況を引き起こす。上記特許文献2の画像形成装置では、二次転写部材上から中間転写体表面へ転移するトナーの量が同じであれば、参照テーブルから同じバイアスクリーニング条件(電圧切替時間及びサイクル回数)が設定されることになる。よって、例えば初期の二次転写部材を用いて実験を行った参照テーブルを用いた場合には、経時の二次転写部材に対してクリーニングが不足してしまう事態が起きる。逆に、例えば経時の二次転写部材を用いて実験を行った参照テーブルを用いた場合には、初期の二次転写部材に対してクリーニング過剰となり、クリーニング処理時間が無駄に長くなって画像形成の待ち時間を増やす結果となってしまう。
【0009】
二次転写部材が初期の場合と経時の場合とでクリーニング性能が異なる要因は、経時使用による二次転写部材の抵抗変動や、二次転写部材の表面劣化状態の違いなどが考えられるが、これら以外の要因でも、二次転写部材についてのクリーニング性能は変動する。具体的には、二次転写部材についてのクリーニング性能は、例えば、使用環境の違いや、二次転写部材に入力されるトナー量の違いなど、種々の要因によって左右される。なお、二次転写部材に入力されるトナー量は、地肌汚れトナー量の違いや、出力モードがモノクロモードかカラーモードかの違い(カラーモードの方が画像形成に使用する全体のトナー量が多い)によって変わる。これらの要因は、画像形成装置の実際の使用状況に応じて種々変化するものである。そして、このようにクリーニング性能が変動すると、同じバイアスクリーニング条件でバイアスクリーニング処理を行っても、二次転写部材から中間転写体へ転移させるトナーの量が変わってくる。そのため、上記特許文献2に記載の画像形成装置においては、トナー付着量検出手段により同じ検知結果に基づいて電圧切替時間及びサイクル回数を決定した場合でも、これらの要因によってもクリーニング不足やクリーニング過剰が生じる場合が出てくる。
【0010】
一方、クリーニング性能を変動させる要因ごとにあらゆる使用状況下の条件で予め実験を行って参照テーブルを作成すれば、クリーニング不足やクリーニング過剰の生じない電圧切替時間及びサイクル回数を決定することは不可能ではない。しかしながら、この場合、このような参照テーブルを作成するための事前実験が煩雑であるとともに、すべての要因に関わる実際の使用状況を検知する処理が必要となるため、コストが高騰する。
【0011】
以上の説明では、像担持体が中間転写体である場合の間接転写方式のタンデム型の画像形成装置における二次転写部材のバイアスクリーニングを例に挙げた。しかしながら、像担持体の表面に接触又は近接するように配置された回転体からなる転写部材についてのクリーニング性能が実際の使用状況に応じて変化することにより、クリーニングバイアスの電圧切替時間やサイクル回数などのバイアスクリーニング条件を適切に決定できないという問題は、このような画像形成装置に特有の問題ではない。すなわち、画像形成時において像担持体の表面とこれに接触又は近接するように配置された転写部材の表面との間の転写領域に転写バイアスを印加し、この転写バイアスの作用により転写領域を通過する記録材上に像担持体の表面上のトナー像を転写させる画像形成装置であって、当該転写部材の表面上に付着したトナーをクリーニングバイアスの作用により像担持体表面に転移させるバイアスクリーニングを行う構成であれば、上記問題は同様に生じ得る。すなわち、例えば上述した1ドラム方式やタンデム方式のカラー画像形成装置において感光体等の像担持体上のトナー像を記録材上に転写する際に用いられる転写部材のバイアスクリーニングや、モノクロ画像形成装置において感光体等の像担持体上のトナー像を記録材上に転写する際に用いられる転写部材のバイアスクリーニングにも、同様の問題が存在する。
【0012】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、転写部材をバイアスクリーニングする場合において、実際の使用状況に応じてクリーニング性能が変化しても、現状のクリーニング性能に適合したバイアスクリーニング条件を低コストで決定することが可能な画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、像担持体と、該像担持体の表面にトナー像を形成するトナー像形成手段と、該像担持体の表面に接触又は近接するように配置された回転体からなる転写部材と、該像担持体の表面と転写部材の表面との間の転写領域を通過するように記録材を搬送する搬送手段と、該像担持体と該転写部材との間に転写バイアスを印加する転写バイアス印加手段と、所定のバイアスクリーニング条件に従って該像担持体と該転写部材との間にクリーニングバイアスを印加するクリーニングバイアス印加手段と、上記像担持体の表面に付着する不要物をクリーニングするクリーニング手段とを有し、画像形成時に上記像担持体の表面上のトナー像を上記転写バイアスの作用によって上記転写領域で記録材上に転写させるとともに、上記転写部材の表面上のトナーを上記クリーニングバイアスの作用によって該転写領域で該像担持体の表面に転移させる画像形成装置において、上記クリーニングバイアスの作用によって上記転写部材の表面から上記像担持体の表面に転移したトナーの量を検出するトナー量検出手段と、所定のクリーニング開始条件が満たされたとき、転写部材が1回転する時間以上の時間に設定されたバイアス印加期間を有するクリーニングバイアスを、所定のバイアスクリーニング条件で上記クリーニングバイアス印加手段に印加させるバイアスクリーニング制御手段と、上記トナー量検出手段による検出結果を記憶する検出結果記憶手段と、所定のクリーニング条件変更時期が到来したときに、上記クリーニングバイアスを上記クリーニングバイアス印加手段に複数回印加させるとともに、該複数回のクリーニングバイアス印加時それぞれの該トナー量検出手段による検出結果を検出結果記憶手段に記憶させ、該検出結果記憶手段に記憶されている当該複数回分の検出結果に基づいて上記所定のバイアスクリーニング条件を決定するクリーニング条件決定手段とを有することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記クリーニングバイアスは、正と負のバイアスを含むことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記検出結果記憶手段は、上記複数回のクリーニングバイアス印加時それぞれについて正と負のバイアスそれぞれの上記トナー量検出手段による検出結果を記憶しており、上記クリーニング条件決定手段が決定するバイアスクリーニング条件は、上記クリーニングバイアスの正と負それぞれのバイアスの大きさ、及び、上記クリーニング開始条件が満たされたときに印加する該正と負それぞれのバイアスの印加回数の少なくとも一方を含むことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記クリーニング条件決定手段が決定するバイアスクリーニング条件は、上記クリーニングバイアスの大きさ、及び、上記クリーニング開始条件が満たされたときに印加する該クリーニングバイアスの印加回数の少なくとも一方を含むことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項3又は4の画像形成装置において、上記バイアスクリーニング条件に含まれるバイアスの大きさは、予め決められた上限値を超えない範囲で決定されることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項3乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記バイアスクリーニング条件に含まれるバイアスの印加回数は、予め決められた上限値を超えない範囲で決定されることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記バイアスクリーニング制御手段は、上記所定のクリーニング条件変更時期が到来して上記トナー量検出手段が検出したトナー量が規定値以下になるまで、上記クリーニングバイアス印加手段に所定回数のクリーニングバイアスを印加させる制御を追加で行うことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置において、所定のプロセスコントロール開始条件が満たされると、画像形成条件を調整するためのプロセスコントロールを実行するプロセスコントロール手段を有し、上記クリーニング条件変更時期は、上記プロセスコントロールの実行終了後の時期であることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記クリーニング条件変更時期は、初期時から所定期間が経過した後であることを特徴とするものである。
【0014】
本発明においては、転写部材が1回転する時間以上の時間に設定されたバイアス印加期間を有するクリーニングバイアスを複数回印加して、それぞれのクリーニングバイアス印加時に転写部材から像担持体表面へ転移したトナーの量をトナー量検出手段によって検出する。そして、当該複数回分の検出結果に基づいて、バイアスクリーニング制御手段がクリーニングバイアスを印加させる際のバイアスクリーニング条件を決定する。バイアスクリーニングにおいては、クリーニング性能が実際の使用状況に応じて種々変化する。上述したように、クリーニングバイアスを1回だけ印加したときのトナー量検出手段による検出結果だけから、現状のクリーニング性能を把握することはできない。しかしながら、その後に2回目のクリーニングバイアスを印加してバイアスクリーニングしたときのトナー量検出手段による検出結果には、1回目のバイアスクリーニング後に転写部材の表面上に残ったトナーの量が反映される。したがって、本発明のように、複数回のクリーニングバイアスごとのトナー量検出手段による検出結果を見れば、現状のクリーニング性能を推測することが可能である。よって、本発明によれば、現状のクリーニング性能に適合した適切なバイアスクリーニング条件を高い精度で特定することが可能である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、転写部材をバイアスクリーニングする場合において、実際の使用状況に応じてクリーニング性能が変化しても、現状のクリーニング性能に適合したバイアスクリーニング条件を低コストで決定することが可能となるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施形態に係る画像形成装置の主要部の概略構成を示す説明図である。
【図2】二次転写ローラのバイアスクリーニングにおけるクリーニングバイアスと二次転写ローラから中間転写ベルトへの吐き出しトナー量との関係を示すグラフである。
【図3】二次転写ローラのバイアスクリーニングにおけるクリーニング回数と二次転写ローラから中間転写ベルトへの吐き出しトナー量との関係を示すグラフである。
【図4】初期時点において二次転写バックアップローラに印加されるバイアスのタイミングチャートである。
【図5】初期時点における二次転写ローラと経時使用後の二次転写ローラとについて、3回のバイアスクリーニングを行ったときの、二次転写ローラ上のトナー残量を測定した結果を示すグラフである。
【図6】ある使用状況下において二次転写ローラに対して3回のバイアスクリーニングを行ったときの吐き出しトナー量を、正バイアスと負バイアスごとに計測した結果を示すグラフである。
【図7】正バイアスと負バイアスごとに、図6に示した3点を最小二乗法で直線近似したグラフである。
【図8】他の使用状況下において二次転写ローラに対して3回のバイアスクリーニングを行ったときの吐き出しトナー量を、正バイアスと負バイアスごとに計測した結果を示すグラフである。
【図9】正バイアスと負バイアスごとに、図8に示した3点を最小二乗法で直線近似したグラフである。
【図10】実施形態におけるバイアスクリーニング条件の変更フローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る画像形成装置の一実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の主要部の概略構成を示す説明図である。
同図において、符号1は画像形成ユニット、符号2は感光体、符号3は帯電ローラ、符号4は現像器、符号5は一次転写ローラ、符号6はクリーニング器、符号7は中間転写ベルト、符号Y、M、C、Kは各現像色をそれぞれ示す。
【0018】
本実施形態においては、潜像担持体としてのドラム状の感光体2Y,2C,2M,2K、帯電手段としての帯電ローラ3Y,3C,3M,3K、潜像形成手段としてのレーザ露光装置(不図示)および現像手段としての現像器4Y,4C,4M,4K、上記感光体表面の転写残トナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニング器6Y,6C,6M,6Kを少なくとも有するユニットとして、各色の画像形成ユニット1Y,1C,1M,1Kが複数組(本実施形態では4組)構成され、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の各色の画像形成ユニット1Y,1C,1M,1Kが、ループ状に走行する像担持体としての中間転写体である中間転写ベルト7の水平な張架面に対向して、その下部に左からY、C、M、Kの順に配設されている。
【0019】
各色の画像形成ユニット1Y,1C,1M,1Kは4組とも同じ構成にしてある。
帯電ローラ3Y,3C,3M,3Kは、それぞれ、所定の電位に保持されたトナーと同極性の帯電によって感光体2Y,2C,2M,2Kに対して帯電(本実施形態においてはマイナス帯電)を行い、感光体2Y,2C,2M,2Kに一様な電位を与える。なお、帯電手段としては帯電ローラに限るものではなく、帯電ブラシ、帯電チャージャ等の種々の帯電手段を適宜使用することができる。
【0020】
上記レーザ露光装置は、帯電ローラ3Y,3C,3M,3Kに対して感光体2Y,2C,2M,2Kの回転方向下流側で現像器4Y,4C,4M,4Kの上流側に配置される。レーザ露光装置は、感光体2Y,2C,2M,2Kの回転軸と平行に主走査方向に露光走査するように配置されている。このレーザ露光装置は、例えば、半導体レーザ(LD)からなる光源と、コリメートレンズやシリンドリカルレンズ等からなるカップリング光学系(またはビーム整形光学系)と、回転多面鏡等からなる光偏向器と、光偏向器で偏向されたレーザ光を感光体上に集光する結像光学系等からなり、別構成で設けた図示しない画像読み取り装置によって読み取られ、メモリに記録された各色の画像データ(あるいはパーソナルコンピュータ等の外部機器から入力された各色の画像データ)に従って強度変調されたレーザ光LY,LC,LM,LKによって各色用の感光体2Y,2C,2M,2Kの感光層を像露光し、各色毎の静電潜像を形成する。なお、画像書込手段(露光手段)としては、上記のレーザ露光装置の他に、発光ダイオードアレイ(LEDアレイ)とレンズアレイ等を組み合わせたLED書き込み装置なども用いることができる。
【0021】
感光体2Y,2C,2M,2Kは、導電性円筒状支持体の表面に形成された下引き層上に、上記感光層として電荷発生層(下層)、電荷輸送層(上層)の順、またはこの逆の順にこれらの感光層が積層されている。また、電荷輸送層または電荷発生層の表面にさらに公知の表面保護層、例えば熱可塑性または熱硬化性ポリマーを主体とするオーバーコート層などが形成されていてもよい。本実施形態では、感光体2Y,2C,2M,2Kの導電性円筒状の支持体は接地されている。
【0022】
現像器4Y,4C,4M,4Kは、感光体2の周面に対し所定の間隙を保ち、感光体2の回転方向と順方向に回転する円筒状の非磁性のステンレスあるいはアルミニウム材で形成された現像スリーブ41Y,41C,41M,41Kを有し、現像器内部には各色毎の現像色に従いイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の一成分あるいは二成分現像剤を収容している。現像スリーブ内には、複数の固定磁石あるいは複数の磁極が着磁されたマグネットロールが配置されている。また、各色の現像器4Y,4C,4M,4Kには、容器内の現像剤を撹拌しながら搬送する撹拌・搬送部材42や、各色のトナーの補給部43が設けられている。さらに各色の現像器4Y,4C,4M,4Kには、必要に応じて容器内の現像剤のトナー濃度を検出するトナー濃度センサが設けられる。各色の現像器4Y,4C,4M,4Kの現像スリーブ41Y,41C,41M,41Kは図示しない突き当てコロ等により、感光体2Y,2C,2M,2Kのドラム面と所定の間隙、例えば100〜500μmの間隙を開けて非接触に保たれており、その現像スリーブ41Y,41C,41M,41Kに対して直流電圧と交流電圧を重畳した現像バイアスを印加することにより、接触または非接触の反転現像を行い、感光体2Y,2C,2M,2Kの表面上にトナー画像を形成する。
【0023】
クリーニング器6Y,6C,6M,6Kは、例えばクリーニングブレード61とクリーニングローラ(またはクリーニングブラシ)62を有し、クリーニングブレード61は、感光体表面のカウンタ方向に当接して設けられている。中間転写ベルト7は、中間転写ベルト駆動ローラ(二次転写バックアップローラを兼ねる)8、中間転写ベルト支持ローラ9、中間転写ベルトテンションローラ10a,10bに内接して張架され、中間転写ベルト7の回転方向が図中の矢印で示す反時計方向になるように設けられている。また、中間転写ベルト駆動ローラ(二次転写バックアップローラ)8に対向して中間転写ベルト7を介して二次転写ローラ14が設けられている。そして、ベルトクリーニング器12のクリーニングブレード12aが上記支持ローラ9の位置の中間転写ベルト7に、カウンタ方向に当接して設けられている。また、同様に、中間転写ベルト7を挟んで色ごとの一次転写ローラ5Y,5C,5M,5Kが感光体2Y,2C,2M,2Kに対向して設けられている。
【0024】
中間転写ベルト7は、体積抵抗率が10〜1012Ω・cmの無端ベルトであり、例えばポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)等の樹脂材料や、EPDM、NBR、CR、ポリウレタン等のゴム材料にカーボン等の導電性フィラーを分散させたり、イオン性の導電材料を含有させたりしたものが用いられる。この厚みは、樹脂材料の場合には50〜200μm程度に設定し、ゴム材料の場合には300〜700μm程度の設定にすることが好ましい。なお、樹脂ベルト上にゴム層を設けたり、さらに表層にコーティング層を設けたりすることも可能である。また、中間転写ベルト7の表面にトナーが固着することを防止するためやクリーニング性の向上のために、ベルト表面にフッ素系樹脂等の離型剤または潤滑剤を塗布する手段を設けることも可能である。中間転写ベルト7の駆動は図示しない駆動モータによる中間転写ベルト駆動ローラ(兼二次転写バックアップローラ)8の回転によって行われる。中間転写ベルト駆動ローラ(兼二次転写バックアップローラ)8は、例えばステンレス等の導電性芯金(図示せず)の周面に、ポリウレタン、EPDM、シリコーン等のゴムや樹脂材料にカーボン等の導電性フィラーを分散させた導電性または半導電性材料を被覆したものが用いられる。
【0025】
一次転写ローラ5Y,5C,5M,5Kは、中間転写ベルト7を挟んで感光体2Y,2C,2M,2Kに対向して設けられ、中間転写ベルト7と感光体2Y,2C,2M,2Kとの間に転写域を形成する。一次転写ローラ5Y,5C,5M,5Kには、図示しない直流電源によりトナーと反対極性(本実施形態においてはプラス極性)の直流電圧を印加し、上記転写域に転写電界を形成することにより、感光体2Y,2C,2M,2K上に形成される各色のトナー像が中間転写ベルト7上に転写される。この各色の一次転写ローラ5Y,5C,5M,5Kは、例えば外径8mmのステンレス等の導電性芯金(図示せず)の周面に、ポリウレタン、EPDM、シリコーン等のゴム材料に、カーボン等の導電性フィラーを分散させたり、イオン性導電材料を含有させたりして、体積抵抗率が10〜10Ω・cm程度のソリッド状態または発泡スポンジ状態で、厚さが5mm、ゴム硬度が20〜70°程度(Asker−C:アスカー社のC型硬度)の半導電性弾性ゴム(図示しない)を被覆して形成される。
【0026】
転写紙Sの表面に転写を行う転写部材である二次転写ローラ14は、中間転写ベルト7を挟んで駆動ローラ(二次転写バックアップローラ)8に対向して設けられている。二次転写ローラ14は、接地されており、二次転写バックアップローラ8には、トナーと同じ対極性(本実施形態においてはマイナス)の直流電圧が直流電源17によって印加され、中間転写ベルト7上に担持される重ね合わせのトナー画像を、二次転写バックアップローラ8に印加された二次転写バイアスによって形成される二次転写ローラ14との間の転写電界により転写紙Sの表面に転写する。
なお、本実施形態では、二次転写バックアップローラ8側に電源を接続した斥力転写方式を採用しているが、二次転写ローラ14側に電源を接続した通常の転写方式を採用してもよい。
【0027】
中間転写ベルト7上のカラートナー像を記録材としての転写紙上に二次転写するための二次転写ローラ14は、例えば外径16mmのステンレス等の導電性芯金(図示しない)の周面に、ポリウレタン、EPDM、シリコーン等のゴム材料に、カーボン等の導電性フィラーを分散させたり、イオン性の導電材料を含有させたりして、体積抵抗率が10〜10Ω・cm程度のソリッド状態または発泡スポンジ状態で、厚さが7mm、ゴム硬度が20〜70°程度(Asker−C)の半導電性弾性ゴム(図示しない)を被覆して形成される。この二次転写ローラ14は、一次転写ローラ5Y,5C,5M,5Kと異なり、トナーが接するため、表面に半導電性のフッ素樹脂やウレタン樹脂等の離型性の良いものを被覆する場合がある。
【0028】
また、駆動ローラ8は、上述したように、ステンレス等の導電性芯金(図示しない)の周面に、ポリウレタン、EPDM、シリコーン等のゴムや樹脂材料に、カーボン等の導電性フィラーを分散させたり、イオン性の導電材料を含有させたりした半導電性材料を、厚さが0.05〜0.5mm程度に被覆して形成される。
【0029】
感光体2Y,2C,2M,2Kや中間転写ベルト7の表面に接したクリーニングブレード61,12aは、板金ホルダー上に厚み1〜3mmでJIS−A硬度が60〜80°の板状のウレタンゴムを接着し、自由長が5〜12mm程度になるようにし、荷重5〜50gf程度で感光体2Y,2C,2M,2Kや中間転写ベルト7に当接されている。また、ブレードが捲れあがらないようにブレード先端部にフッ素コーティングを施したり、相手側が帯電しないように導電性のウレタンゴムを使用することもある。
【0030】
転写紙Sは、図示しない給紙部(給紙カセット、給紙トレイ等)から給紙装置により一枚ずつ搬送され、レジストローラ対13を経て上記二次転写ローラ14と駆動ローラ8に挟まれた中間転写ベルト7に重ねられるように搬送され、二次転写部で中間転写ベルト7からトナー像の転写を受けて定着手段である定着器15に送られ、定着器15の定着ローラ15aと加圧ローラ15bによる熱溶着による定着がなされて図示しない排紙部に排紙される。
【0031】
なお、本実施形態においては、感光体2Y,2C,2M,2Kの帯電手段として帯電ローラ3Y,3C,3M,3Kを用い、一次転写部材として一次転写ローラ5Y,5C,5M,5Kを用い、有害なオゾンの発生を抑制している。本発明は、これに限られるものでなく、コロトロン放電器等の放電器を非接触の状態の帯電手段や一次転写手段として使うこともできる。
【0032】
本実施形態の画像形成装置では、感光体2Y,2C,2M,2K上のトナー像を中間転写ベルト7に転写(一次転写)した後、中間転写ベルト7上のトナー像を二次転写ローラ14により転写紙Sへ転写(二次転写)させるが、この二次転写位置より中間転写ベルト7の回転方向下流側には、中間転写ベルト7の表面に対向させた画像調整用パターンの光学式検知センサ(例えば発光素子と受光素子からなる光反射型フォトセンサ)16を備えている。そして、感光体2Y,2C,2M,2K上の非画像領域に画像調整用のトナー付着パターン(画像調整用パターン)を形成して、中間転写ベルト7上に一次転写し、光学式の検知センサ16により画像調整用パターンのトナー付着量を検知して、この検知センサ16の検知情報によって次画像の画像形成条件を変え、適正な画像が得られるようにプロセス制御(プロセスコントロール)をマイクロコンピュータ(MPUあるいはCPU)等からなる制御部によって行ったり、あるいは、制御部によりトナー濃度制御のためのトナー補給量の最適化を行ったりする。さらに、制御部は、画質などへの影響を防止しつつコピーやプリントの生産性を効率よく確保するように、二次転写ローラ14の当接およびその解除動作時期の設定が行えるように制御している。なお、上記制御部は、主制御部であるマイクロコンピュータ(CPUあるいはMPU)のほか、制御用のプログラムやデータを記憶したメモリ、各種センサからの検知出力を上記マイクロコンピュータ(CPU)に入力するための入力装置、マイクロコンピュータ(CPU)からの制御信号を装置各部の制御回路に出力する出力装置、時間計測用のクロック、タイマー等を備えている。
【0033】
ところで、二次転写ローラ14を中間転写ベルト7に対して離間する場合、離間時の振動が画像に悪影響を与え、問題となり得る。そのため、本実施形態では、二次転写ローラ14を中間転写ベルト7に対して接離を行う時期を、画像への乱れ等の影響の起こらない時期に選定した。すなわち、作像動作に際して最初に動作開始する先頭の画像形成ユニット(本実施形態ではイエロー(Y))1Yの書き込み動作が開始される前に二次転写ローラ14を中間転写ベルト7から離間させることで、二次転写ローラ離間時の振動の影響を受けることなく、書き込み露光、現像や一次転写などの作像動作を確実に実行することができるようにした(単一パターン形成の場合)。
【0034】
本実施形態では、Y(イエロー),C(シアン),M(マゼンタ),K(黒)の各色のトナー付着パターンの検出を極力短時間で実施するようにしているため、検知センサ16を構成する光反射型フォトセンサは、トナー飛散等の汚れを避けるために、中間転写ベルト7の回転方向で二次転写ローラ14の下流側に、ベルト面に向けて下向きに配置しており、さらに中間転写ベルト7の駆動軸方向に沿って色毎に計4個を配列し、この検知センサ(光反射型フォトセンサ)4個が同時に検出可能(検知可能)にしている。本実施形態では二次転写部材として、上述のように接触方式の二次転写ローラ14を用いたので、放電方式のコロトロンを用いた場合よりもオゾンの発生を抑制でき、また、転写紙Sの搬送性も好ましい。
【0035】
しかし、二次転写ローラ14が接触方式であるため、上記のトナー付着パターンを検出する際には、中間転写ベルト7から離間させる必要がある。すなわち、通常の作像領域外の感光体上に形成されたトナー付着パターンは、中間転写ベルト7上に転写され、二次転写ローラ14の下流側に配置された光学式の検知センサ(光反射型フォトセンサ)16によって反射光量、すなわちトナー付着量を検出するが、この時、中間転写ベルト7上のトナー付着パターンが乱れないようにするため、二次転写ローラ14は図1に符号14’で示すように、中間転写ベルト7から離間している必要がある。
【0036】
二次転写ローラ14には、不所望のトナーが付着することがあり、そのまま通常の画像形成を行うと、転写紙の裏にそのトナーが付着していわゆる裏汚れが発生することがある。その問題を避けるため、二次転写ローラに物理的なクリーニング部材を設ける例があるが、上記のように、二次転写ローラ14を中間転写ベルト7から離間させる構成にすると、当該クリーニング部材を一緒に動かす必要があり、機構が複雑になる。そこで、本実施形態では、機械的なクリーニング部材を設けず、電気的なバイアスのみでクリーニングを行うバイアスクリーニング方式を採用する。すなわち、中間転写ベルト7に接触している期間中に二次転写ローラ14に付着したトナーを、トナーと逆極性のバイアスをかけることで中間転写ベルト側に転移させ、中間転写ベルトに用意されているクリーニング装置で掻き落とさせるようにした。
【0037】
クリーニング部材を用いた物理的クリーニング方式では、二次転写ローラ14の表面に対するトナーの付着力を小さくするために、二次転写ローラ14に表面性の良い高価な金属ローラなどを使用することが望まれるが、この場合、表面性の良いことによる転写紙Sの搬送性悪化という問題が生じる。また、二次転写ローラ14に表面性の良いものを用いると、二次転写ローラ14から転写紙Sの裏面へのトナー移動も容易となるため、その点で裏汚れには不利である。これに対し、バイアスクリーニング方式を採用すると、二次転写ローラ14の物理的クリーニングが不要となるため、二次転写ローラ14に表面性の良い高価な金属ローラなどを使用しなくても、例えば無数の穴が開いた発泡ローラなどの安価なローラで、十分なクリーニング能力を発揮できる。よって、二次転写ローラ14による高い搬送性を実現できるとともに、二次転写ローラ14から転写紙Sの裏面へのトナー移動が困難となって裏汚れに有利である。
【0038】
しかしながら、例えば紙間で中間転写ベルト7上を通る地汚れトナーを二次転写ローラ14が拾い汚れてしまった場合、これが転写紙Sの裏面に付着して裏汚れが生じてしまう場合がある。また、裏汚れが目立たないレベルであっても、裏汚れとして運んだトナーにより二次転写部より下流の定着ユニットや搬送経路で固着物が蓄積し、搬送不具合や画像汚れが発生してしまうおそれもがある。したがって、二次転写ローラ14のクリーニングは、初期時から経時にかけて安定かつ適切に行われる必要がある。
【0039】
ここで、二次転写ローラ14の汚れ方は、環境変化、初期経時差によるローラの抵抗変動によるクリーニング性能の変化や、フルカラーで出力すると二次転写ローラが4色の汚れを拾うため印刷物のフルカラー率が高いと汚れ易いなど、多様な要因によって変わる。そのため、単に、経時的にクリーニング性能が徐々に高まるようにバイアスクリーニング条件を変更するという単純な制御方法では、初期時から経時にかけて安定かつ適切なバイアスクリーニングを実現することはできない。
一方、二次転写ローラ14の汚れ量(トナー付着量)に応じてバイアスクリーニング条件を変更する場合であっても、初期時から経時にかけて安定かつ適切なバイアスクリーニングを実現することはできない。なぜなら、二次転写ローラ14についてのバイアスクリーニングによるクリーニング性能は、経時使用による二次転写ローラ14の抵抗変動、二次転写ローラ14の表面劣化状態の違い、使用環境の違い、二次転写部材に入力されるトナー量の違いなどの種々の要因によって刻々と変化するため、その時期のクリーニング性能が把握できていなければ、その時期の適切なバイアスクリーニング条件を決定できないからである。
【0040】
以下、本実施形態におけるバイアスクリーニング条件の決定方法について説明する。
図2は、クリーニングバイアスと、二次転写ローラから中間転写ベルトへの吐き出しトナー量との関係を示すグラフである。
このグラフの縦軸に示す画像濃度IDは、故意に地肌汚れトナーで汚した二次転写ローラ14へ正と負のクリーニングバイアスをローラ一周分それぞれ印加したときに中転転写ベルト7上に転移したトナーを分光光度計X−riteにて測定した値であり、二次転写ローラから中間転写ベルトへの吐き出しトナー量の指標値となる。このグラフにおいて、縦軸の値が低いほどクリーニング性能(ローラ一周分のクリーニングバイアス印加によって二次転写ローラ14から中間転写ベルト7へ転移するトナーの量)が高いことを示す。このグラフからわかるように、クリーニングバイアスを上げるほど、クリーニング性能が上がる。
【0041】
図3は、クリーニング回数と、二次転写ローラから中間転写ベルトへの吐き出しトナー量との関係を示すグラフである。
ここでいうクリーニング回数とは、所定の繰り返し単位のクリーニングバイアス印加の繰り返し(サイクル)回数であり、本実施形態ではクリーニングバイアスを正負1回ずつ切り替えるサイクルを1サイクルとしたサイクル回数を意味する。クリーニング回数が多いほど、1回のバイアスクリーニングで二次転写ローラ14からの吐き出しトナー量の累積回数が増える。よって、二次転写ローラ14から除去されるトナーの量は増え、全クリーニング回数トータルでのクリーニング性能が上がる。また、クリーニング回数が増えるほど、1回のバイアスクリーニングでの吐き出しトナー量は少なくなり、この例では3回目以降のバイアスクリーニングでは吐き出しトナー量がほぼ一定となる。
【0042】
図4は、初期時点において二次転写バックアップローラ8に印加されるバイアスのタイミングチャートである。
初期時点においては、二次転写ローラ14の汚れが少ないことを考慮して、画像形成の生産性を優先し、バイアスクリーニング条件としては、画像形成ジョブ開始前に一回のバイアスクリーニングを行うという条件としている。具体的には、画像形成ジョブ開始前に−500Vのクリーニングバイアスをローラ一周分印加し、続けて+500Vのクリーニングバイアスをローラ一周分印加するサイクルを1回だけ行う。その後、画像形成ジョブを実行して画像を形成するが、その画像形成ジョブが連続画像形成ジョブの場合、紙間においてクリーニングバイアスは印加しないし、ジョブエンド時にもクリーニングバイアスは印加しない。
【0043】
本発明は、クリーニング回数が複数回であるという特徴を有するため、初期時点からクリーニング回数を複数回としてもよいが、本実施形態では、生産性を優先して初期時点ではクリーニング回数を1回とし、所定の経時使用条件を満たした後に、クリーニング回数が複数回とする。なお、所定の経時使用条件としては、例えば画像形成枚数が既定枚数を超えたという条件や、二次転写ローラ14から中間転写ベルト7への吐き出しトナー量が規定量を超えたという条件などが挙げられる。
【0044】
図5は、初期時点における二次転写ローラ14と経時使用後の二次転写ローラ14とについて、3回のバイアスクリーニングを行ったときの、二次転写ローラ上のトナー残量を測定した結果を示すグラフである。
このグラフの縦軸は、二次転写ローラ14上のトナーを分光光度計X−riteにて測定した値である。1回のバイアスクリーニングでは、絶対値が500Vである負バイアスと正バイアスを交互に1回ずつ印加した。なお、クリーニング前における初期及び経時の二次転写ローラ14には、1回目のバイアスクリーニング後のトナー残量がほぼ同じとなるように、予めトナーを付着させた。
【0045】
初期の二次転写ローラ14と経時の二次転写ローラ14とを比較すると、1回目のバイアスクリーニングでは、両者ともほぼ同量のトナーが残留しているが、2回目のバイアスクリーニング後のトナー残量と、3回目のバイアスクリーニング後のトナー残量は、互いに相違するものとなった。この結果から、2回目のバイアスクリーニング時における吐き出しトナー量と、3回目のバイアスクリーニング時における吐き出しトナー量が、初期と経時とで異なることがわかる。本例では、初期時においては、3回目のバイアスクリーニング時点での二次転写ローラ14上のトナー残量が1回目のクリーニング後のトナー残量の半分以下となる。これに対し、経時においては、3回目のバイアスクリーニング時点での二次転写ローラ14上のトナー残量が1回目のクリーニング後のトナー残量の約2割程度にしかならない。したがって、経時においては、クリーニング回数を増加したり、クリーニングバイアスを増加したりするなど、クリーニング性能が高まるようにバイアスクリーニング条件を変更する必要がある。
【0046】
図6は、ある使用状況下において二次転写ローラ14に対して3回のバイアスクリーニングを行ったときの吐き出しトナー量を、正バイアスと負バイアスごとに計測した結果を示すグラフである。
正バイアスの場合も負バイアスの場合も、クリーニング回数が増えると、徐々に吐き出しトナー量が減っていくことがわかる。
【0047】
図7は、正バイアスと負バイアスごとに、図6に示した3点を最小二乗法で直線近似したグラフである。
このグラフに示す直線近似結果からすれば、単純にクリーニングを5回行えばバイアスクリーニングによるトナー吐き出しがゼロとなり、二次転写ローラ14は十分にクリーニングが行われた状態になることが推測できる。よって、この使用状況下では、クリーニング回数を例えば5回に設定する。
【0048】
図8は、他の使用状況下において二次転写ローラ14に対して3回のバイアスクリーニングを行ったときの吐き出しトナー量を、正バイアスと負バイアスごとに計測した結果を示すグラフである。
図9は、正バイアスと負バイアスごとに、図8に示した3点を最小二乗法で直線近似したグラフである。
この使用状況下においては、図9に示した直線近似結果から上記と同様の推測を行うと、負バイアスについては6〜7回、正バイアスについては7回以上のバイアスクリーニングが必要となる。
【0049】
ここで、図6及び図7に示した使用状況から図8及び図9に示した使用状況に変化した場合、例えばクリーニング回数を5回から8回へ変更する制御を行うことで、いずれの使用状況下においても、十分なクリーニング性能を発揮して、二次転写ローラ14を十分にクリーニングすることができる。しかしながら、クリーニング回数が増えるほど画像形成の待ち時間が増えるために画像形成の生産性が落ちる。よって、クリーニング回数の上限を決め、それ以上のクリーニング回数が必要な場合には、クリーニング回数を増やすのではなくクリーニングバイアスを高めるようにするのが好ましい。クリーニングバイアスが高まると、図7や図9に示した直線近似結果の傾きが大きくなり、少ないクリーニング回数でも、十分なクリーニング性能を発揮して、二次転写ローラ14を十分にクリーニングすることができる。
【0050】
ただし、実際には何回バイアスクリーニングを行っても完全にクリーニングできるわけではなく、少量の吐き出しトナー量がいつまでも存在する。本実施形態では、クリーニングを行わなくても裏汚れ等の不具合が生じない良い吐き出しトナー量として、画像濃度が0.1以下となる吐き出しトナー量に設定する。
【0051】
次に、以上の検討を踏まえた上で、本実施形態で採用しているバイアスクリーニング条件の変更方法について説明する。
図10は、本実施形態におけるバイアスクリーニング条件の変更フローを示すフローチャートである。
本実施形態では、変更対象となるバイアスクリーニング条件を、クリーニング回数とクリーニングバイアスの絶対値(正負共通)とし、初期値では、クリーニング回数を3回とし、クリーニングバイアスの絶対値を500Vとする。ただし、クリーニング回数の上限値は5回とする。また、クリーニングバイアスの絶対値の上限値は3000Vとする。クリーニングバイアスの絶対値の上限値をこのように規定した理由は、これ以上の値にすると中間転写ベルト7にクリーニングバイアスによる電荷が残ることによる不具合、トナーに電荷が注入されることによる不具合、高電圧印加による部品の寿命低下などが懸念されるためである。
【0052】
また、本実施形態におけるクリーニング条件変更時期は、プロセス制御の実行が終了した時期に設定しているが、これに限られない。また、本実施形態におけるクリーニング開始条件は、画像形成ジョブが終了したという条件や、連続画像形成ジョブ中における紙間時のバイアスクリーニングを行う条件などであってもよい。
【0053】
本実施形態におけるバイアスクリーニング条件の変更処理では、まず、プロセス制御を実行し(S1)、そのプロセス制御が終了した後、現在のバイアスクリーニング条件にてバイアスクリーニングを実行する(S2)。そして、各回のバイアスクリーニング時に二次転写ローラ14から中間転写ベルト7へ吐き出されたトナー量(吐き出しトナー量)を、検知センサ16にて検出する。1回目のバイアスクリーニング時に吐き出されたトナーについての検知センサ16の出力結果(画像濃度ID)が0.1以下である場合(S3のYes)、バイアスクリーニング条件を変更せずにそのまま処理を終了する。
【0054】
1回目のバイアスクリーニング時に吐き出されたトナーについての検知センサ16の出力結果が0.1を超えている場合(S3のNo)、まず、最初3回分のバイアスクリーニングによって吐き出されたトナーの検知センサ16の出力結果(画像濃度ID)を直線近似し、その直線近似結果から必要なクリーニング回数を算出する(S4)。このようにして算出した必要クリーニング回数が5回以下であれば(S5のYes)、次にクリーニング開始条件が満たされたときのクリーニング回数を、ここで算出した必要クリーニング回数に設定し(S6)、処理を終了する。一方、算出した必要クリーニング回数が5回を超える場合には(S5のNo)、次にクリーニング開始条件が満たされたときのクリーニング回数を上限値である5回に設定するとともに(S7)、次にクリーニング開始条件が満たされたときのクリーニングバイアスの絶対値を100V増加させる(S8)。ただし、この増加によりクリーニングバイアスの絶対値が3000Vを超える場合には(S9のYes)、クリーニングバイアスを上限値である3000Vに設定する(S10)。
【0055】
以上、本実施形態に係る画像形成装置は、像担持体としての中間転写ベルト7と、中間転写ベルト7の表面にトナー像を形成するトナー像形成手段としての画像形成ユニット1Y,1C,1M,1Kと、中間転写ベルト7の表面に接触又は近接するように配置された転写部材としての二次転写ローラ14と、中間転写ベルト7の表面と二次転写ローラ14の表面との間の二次転写領域を通過するように記録材としての転写紙Sを搬送する搬送手段としてのレジストローラ対13と、中間転写ベルト7と二次転写ローラ14との間に二次転写バイアスを印加する転写バイアス印加手段としての直流電源17と、所定のバイアスクリーニング条件に従って中間転写ベルト7と二次転写ローラ14との間にクリーニングバイアスを印加するクリーニングバイアス印加手段としての直流電源17と、中間転写ベルト7の表面に付着するトナー等の不要物をクリーニングするクリーニング手段としてのベルトクリーニング器12とを有し、画像形成時に中間転写ベルト7の表面上のトナー像を二次転写バイアスの作用によって二次転写領域で転写紙S上に二次転写させるとともに、二次転写ローラ14の表面上のトナーを上記クリーニングバイアスの作用によって二次転写領域で中間転写ベルト7の表面に転移させるものである。この画像形成装置は、クリーニングバイアスの作用によって二次転写ローラ14の表面から中間転写ベルト7の表面に転移したトナーの量を検出するトナー量検出手段としての検知センサ16と、所定のクリーニング開始条件が満たされたとき、二次転写ローラ14が1回転する時間以上の時間に設定されたバイアス印加期間を有するクリーニングバイアスを、所定のバイアスクリーニング条件で直流電源17に複数回印加させるバイアスクリーニング制御手段としての図示しない制御部と、検知センサ16による検出結果(画像濃度ID)を記憶する検出結果記憶手段としての図示しないIDメモリと、所定のクリーニング条件変更時期(プロセス制御実行終了時)が到来したときに、上記クリーニングバイアスを直流電源17に3回印加させるとともに、この3回のクリーニングバイアス印加時それぞれの検知センサ16による検出結果をIDメモリに記憶させ、そのIDメモリに記憶されている当該3回分の検出結果に基づいて上記所定のバイアスクリーニング条件であるクリーニング回数及びクリーニングバイアスの絶対値を決定するクリーニング条件決定手段としての制御部とを有している。これにより、その使用状況下における必要クリーニング回数を高い精度で算出することができる。この必要クリーニング回数は、その使用状況下におけるクリーニング性能を示す指標値である。よって、現状のクリーニング性能に適合した適切なバイアスクリーニング条件(クリーニング回数及びクリーニングバイアスの絶対値)を高い精度で特定することができる。その結果、ほとんどの使用状況下において、その使用状況に応じた最適なバイアスクリーニング条件でバイアスクリーニングを行うことができる。
また、本実施形態においては、クリーニングバイアスが正と負のバイアスを含むので、二次転写ローラ14に正負両方の極性のトナーが付着している場合でも、両極性のトナーもクリーニングすることができる。
本実施形態において、最初3回のクリーニングバイアス印加時それぞれについて正と負のバイアスそれぞれの検知センサ16による検出結果をIDメモリに記憶しておき、クリーニングバイアスの正と負それぞれのバイアスの大きさ(絶対値)及びバイアス印加回数の少なくとも一方を個別に変更するようにしてもよい。この場合、図10に示したフローチャートを、正と負それぞれのバイアスごとに実施すればよい。バイアス印加回数を個別に変更する場合、正バイアスと負バイアスでバイアス印加回数が異なる事態が生じ得るが、クリーニングバイアスとしては正と負のバイアスを交互に印加することが望ましいため、必要クリーニング回数が多い方のバイアスから印加を開始するようにする。この場合、正と負のバイアスを交互に印加しつつも、必要クリーニング回数が多い方のバイアスの印加回数を少ない方よりも1回多くすることができる。なお、必要クリーニング回数が少ない方のバイアスの印加回数を、必要クリーニング回数が多い方のバイアスと同じ回数とし、常に正と負のバイアス印加回数が同じになるようにしてもよい。このようにクリーニングバイアスの正と負それぞれのバイアスの大きさ(絶対値)及びバイアス印加回数の少なくとも一方を個別に変更できるようにすることで、二次転写ローラ14に付着しているトナー量の極性がいずれかに偏っている場合に、トナー量の少ない極性のトナーに対する過剰なバイアスクリーニングを行わずに済み、クリーニングバイアスが強すぎることで起こる不具合や、バイアス印加回数の増大による生産性の低下を防ぐことができる。
また、本実施形態においては、バイアスクリーニング条件に含まれるバイアスの絶対値が、予め決められた上限値(3000V)を超えない範囲で決定されるので、クリーニングバイアスによる電流を上げ過ぎた場合の不具合、すなわち二次転写ローラ14の劣化や残像や裏汚れを防止することが可能となる。
また、本実施形態においては、バイアスクリーニング条件に含まれるバイアスの印加回数(クリーニング回数)が、予め決められた上限値(5回)を超えない範囲で決定されるので、画像形成の生産性が著しく低下することを防止することができる。
また、本実施形態において、所定のクリーニング条件変更時期が到来して検知センサ16が検出するトナー量(画像濃度ID)が規定値(0.1)以下になるまで、直流電源17に所定回数のクリーニングバイアスを印加させる制御を追加で行うようにしてもよい。この場合、二次転写ローラ14のクリーニング残しをより確実に防止することができる。
また、本実施形態においては、所定のプロセスコントロール開始条件が満たされると、画像形成条件を調整するためのプロセスコントロールを実行するプロセスコントロール手段としての制御部を有しており、クリーニング条件変更時期は、上記プロセスコントロールの実行終了後の時期であるので、プロセスコントロールの実行に合わせてバイアスクリーニングを行うことができ、ソフトの負荷やメモリの使用量を抑えることが可能となる。
また、本実施形態においては、クリーニング条件変更時期は、初期時から所定期間が経過した後であるので、バイアスクリーニング条件の変更があまり必要でない初期時からの一定期間については、画像形成の生産性を優先することができる。
【符号の説明】
【0056】
1Y,1C,1M,1K 画像形成ユニット
2Y,2C,2M,2K 感光体
3Y,3C,3M,3K 帯電ローラ
4Y,4C,4M,4K 現像器
5Y,5C,5M,5K 一次転写ローラ
6Y,6C,6M,6K クリーニング器
7 中間転写ベルト
8 二次転写バックアップローラ
12 ベルトクリーニング器
13 レジストローラ対
14 二次転写ローラ
15 定着器
16 検知センサ
17 直流電源
【先行技術文献】
【特許文献】
【0057】
【特許文献1】特開2000−147954号公報
【特許文献2】特開2003−140470号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体と、
該像担持体の表面にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
該像担持体の表面に接触又は近接するように配置された回転体からなる転写部材と、
該像担持体の表面と転写部材の表面との間の転写領域を通過するように記録材を搬送する搬送手段と、
該像担持体と該転写部材との間に転写バイアスを印加する転写バイアス印加手段と、
所定のバイアスクリーニング条件に従って該像担持体と該転写部材との間にクリーニングバイアスを印加するクリーニングバイアス印加手段と、
上記像担持体の表面に付着する不要物をクリーニングするクリーニング手段とを有し、
画像形成時に上記像担持体の表面上のトナー像を上記転写バイアスの作用によって上記転写領域で記録材上に転写させるとともに、上記転写部材の表面上のトナーを上記クリーニングバイアスの作用によって該転写領域で該像担持体の表面に転移させる画像形成装置において、
上記クリーニングバイアスの作用によって上記転写部材の表面から上記像担持体の表面に転移したトナーの量を検出するトナー量検出手段と、
所定のクリーニング開始条件が満たされたとき、転写部材が1回転する時間以上の時間に設定されたバイアス印加期間を有するクリーニングバイアスを、所定のバイアスクリーニング条件で上記クリーニングバイアス印加手段に印加させるバイアスクリーニング制御手段と、
上記トナー量検出手段による検出結果を記憶する検出結果記憶手段と、
所定のクリーニング条件変更時期が到来したときに、上記クリーニングバイアスを上記クリーニングバイアス印加手段に複数回印加させるとともに、該複数回のクリーニングバイアス印加時それぞれの該トナー量検出手段による検出結果を検出結果記憶手段に記憶させ、該検出結果記憶手段に記憶されている当該複数回分の検出結果に基づいて上記所定のバイアスクリーニング条件を決定するクリーニング条件決定手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
上記クリーニングバイアスは、正と負のバイアスを含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2の画像形成装置において、
上記検出結果記憶手段は、上記複数回のクリーニングバイアス印加時それぞれについて正と負のバイアスそれぞれの上記トナー量検出手段による検出結果を記憶しており、
上記クリーニング条件決定手段が決定するバイアスクリーニング条件は、上記クリーニングバイアスの正と負それぞれのバイアスの大きさ、及び、上記クリーニング開始条件が満たされたときに印加する該正と負それぞれのバイアスの印加回数の少なくとも一方を含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1の画像形成装置において、
上記クリーニング条件決定手段が決定するバイアスクリーニング条件は、上記クリーニングバイアスの大きさ、及び、上記クリーニング開始条件が満たされたときに印加する該クリーニングバイアスの印加回数の少なくとも一方を含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項3又は4の画像形成装置において、
上記バイアスクリーニング条件に含まれるバイアスの大きさは、予め決められた上限値を超えない範囲で決定されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項3乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記バイアスクリーニング条件に含まれるバイアスの印加回数は、予め決められた上限値を超えない範囲で決定されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記バイアスクリーニング制御手段は、上記所定のクリーニング条件変更時期が到来して上記トナー量検出手段が検出したトナー量が規定値以下になるまで、上記クリーニングバイアス印加手段に所定回数のクリーニングバイアスを印加させる制御を追加で行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
所定のプロセスコントロール開始条件が満たされると、画像形成条件を調整するためのプロセスコントロールを実行するプロセスコントロール手段を有し、
上記クリーニング条件変更時期は、上記プロセスコントロールの実行終了後の時期であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記クリーニング条件変更時期は、初期時から所定期間が経過した後であることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−158785(P2011−158785A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−21594(P2010−21594)
【出願日】平成22年2月2日(2010.2.2)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】