説明

画像形成装置

【課題】ベルトユニットが画像形成装置本体に対して着脱可能に設置された場合であっても、ベルトユニットの用途や形態に制約が生じにくい、画像形成装置を提供する。
【解決手段】ベルトユニット40における1つのローラ部材42は、画像形成装置本体50に設置された駆動モータ51に連結されてベルト部材41を駆動するとともに、ベルトユニット40において所定方向に揺動可能に支持されてベルト部材41に張力を与える駆動テンションローラである。他方、画像形成装置本体50は、駆動モータ51の駆動軸に、駆動テンションローラ42の軸部42aに駆動力を伝達する偏心カップリング52を具備するとともに、駆動テンションローラ42を所定方向に付勢する付勢部材56を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置に関し、特に、中間転写ベルト、感光体ベルト、転写搬送ベルト等のベルト部材を保持するベルトユニットが画像形成装置本体に対して着脱可能に設置される画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置において、中間転写ベルト等のベルト部材の交換メンテナンス性を向上させるために、ベルト部材が複数のローラ部材によって張架・支持された状態で保持されたベルトユニットを画像形成装置本体に対して着脱可能に構成する技術が広く知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
このようなベルトユニットにおいて、ベルト部材を張架する複数のローラ部材は、少なくとも、画像形成装置本体の駆動モータに連結されてベルト部材を駆動するための駆動ローラと、ベルトユニットに対して所定方向に揺動可能に支持されていてスプリングによって所定方向に付勢された状態でベルト部材に所定の張力を与えるテンションローラと、で構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の画像形成装置は、ベルトユニットが画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されているために、ベルト部材の交換メンテナンスをおこなうときの作業性を高めることができる。
しかし、ベルト部材を張架する複数のローラ部材のうち駆動ローラとテンションローラとを別々に設けているため、ベルトユニットの用途や形態に制約が生じてしまっていた。例えば、駆動ローラを介したベルト部材の位置で転写ニップ部を形成して転写工程をおこなうとともに、ベルト部材の表面を確実にクリーニングするためにローラ部材を介してベルト部材の表面にクリーニングブレードを当接させる場合には、そのクリーニング用のローラ部材として、揺動して位置が定まらないテンションローラや、転写ニップ部を形成する駆動ローラを用いることができず、テンションローラや駆動ローラとは別にクリーニング用のローラ部材を設ける必要が生じてしまうことになる。また、2次転写ベルトを中間転写ベルト(ベルト部材)を介して駆動ローラに当接させる場合に、駆動ローラがベルトユニットに対して揺動しないように固定されているために、中間転写ベルトと2次転写ベルトとの2次転写ニップ部を確実に形成するために、2次転写ベルト及び中間転写ベルトを介して駆動ローラに圧接するように2次転写ベルト側にテンションローラを設置する必要が生じてしまうことになる。
また、駆動ローラに対するベルト部材の巻き付き角をある程度大きく設定しないと駆動ローラによるベルト部材の駆動不良が生じてしまい、さらにテンションローラに対するベルト部材の巻き付き角もある程度大きく設定しないとベルト部材の張力変動が大きくなってしまうため、駆動ローラとテンションローラとを含む複数のローラ部材の構成や配置にも制約が生じてしまっていた。
【0005】
また、このような問題は、ベルト部材として中間転写ベルトを用いた画像形成装置に限定されることなく、感光体ベルトや転写搬送ベルト等のその他のベルト部材を用いた画像形成装置であっても、共通したものとなる。
【0006】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、ベルトユニットが画像形成装置本体に対して着脱可能に設置された場合であっても、ベルトユニットの用途や形態に制約が生じにくい、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の請求項1記載の発明にかかる画像形成装置は、画像形成装置本体に対してベルトユニットが着脱可能に設置される画像形成装置であって、前記ベルトユニットは、ベルト部材と、前記ベルト部材を張架する複数のローラ部材と、具備し、前記複数のローラ部材のうち1つのローラ部材は、前記画像形成装置本体に設置された駆動モータに連結されて前記ベルト部材を駆動するとともに、前記ベルトユニットにおいて所定方向に揺動可能に支持されて前記ベルト部材に張力を与える駆動テンションローラであって、前記画像形成装置本体は、前記駆動モータの駆動軸に、前記駆動テンションローラの軸部に駆動力を伝達する偏心カップリングを具備するとともに、前記駆動テンションローラを所定方向に付勢する付勢部材を具備したものである。
【0008】
また、請求項2記載の発明にかかる画像形成装置は、前記請求項1に記載の発明において、前記画像形成装置本体は、前記偏心カップリングを介して前記駆動軸に連結されるとともに、第2カップリングを介して前記駆動テンションローラの軸部に連結される中継軸を具備し、前記付勢部材は、前記中継軸を軸受を介して前記所定方向に付勢する第1スプリングであって、前記ベルトユニットは、前記駆動軸に連結される一端側とは異なる他端側において前記駆動テンションローラの軸部を軸受を介して前記所定方向に付勢する第2スプリングを具備したものである。
【0009】
また、請求項3記載の発明にかかる画像形成装置は、前記請求項2に記載の発明において、前記ベルトユニットは、前記駆動テンションローラの軸部に係合して前記画像形成装置本体から離脱された状態での前記駆動テンションローラの揺動を制限する第1ストッパ部材を具備し、前記画像形成装置本体は、前記中継軸の軸受に係合して前記ベルトユニットが離脱された状態での前記第1スプリングによる前記中継軸の付勢を制限する第2ストッパ部材を具備し、前記画像形成装置本体に前記ベルトユニットを装着する動作に連動して、前記第1ストッパ部材と前記第2ストッパ部材とが係合して移動することで前記第1ストッパ部材及び前記第2ストッパ部材による制限が解除されるものである。
【0010】
また、請求項4記載の発明にかかる画像形成装置は、前記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明において、前記ベルトユニットは、前記駆動テンションローラに対する前記ベルト部材の巻き付き角が100度以上になるように形成されたものである。
【0011】
また、請求項5記載の発明にかかる画像形成装置は、前記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発明において、前記ベルト部材を、中間転写ベルト、感光体ベルト、転写搬送ベルトのうちいずれかとしたものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるベルトユニットに、駆動ローラとして機能するとともにテンションローラとしても機能する駆動テンションローラを設置しているため、ベルトユニットの用途や形態に制約が生じにくい、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。
【図2】作像部を示す断面図である。
【図3】中間転写ベルトユニットが装置本体から離脱された状態を示す上面図である。
【図4】中間転写ベルトユニットが装置本体に装着された状態を示す上面図である。
【図5】第1ストッパ部材と第2ストッパ部材との動作を示す図である。
【図6】別形態の画像形成装置における2次転写ニップ部の近傍を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施の形態.
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0015】
まず、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1に示すように、画像形成装置本体100の上方にあるトナー容器収容部31には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つのトナー容器32Y、32M、32C、32Kが着脱自在(交換自在)に設置されている。
トナー容器収容部31の下方には、ベルトユニットとしての中間転写ベルトユニット40が配設されている。その中間転写ベルトユニット40の中間転写ベルト41(ベルト部材)に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部6Y、6M、6C、6Kが並設されている。なお、中間転写ベルトユニットは、画像形成装置本体100に対して着脱可能に設置されている。
また、図示は省略するが、トナー容器32Y、32M、32C、32Kの下方には、それぞれ、トナー補給装置が配設されている。そして、トナー容器32Y、32M、32C、32Kに収容されたトナーは、それぞれ、トナー補給装置によって、作像部6Y、6M、6C、6Kの現像装置内に供給(補給)される。
【0016】
図2を参照して、イエローに対応した作像部6Yは、感光体ドラム1Yと、感光体ドラム1Yの周囲に配設された帯電部4Y、現像装置5Y(現像部)、クリーニング部2Y、除電部(不図示である。)、等で構成されている。そして、感光体ドラム1Y上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)がおこなわれて、感光体ドラム1Y上にイエロー画像が形成されることになる。
【0017】
なお、他の3つの作像部6M、6C、6Kも、使用されるトナーの色が異なる以外は、イエローに対応した作像部6Yとほぼ同様の構成となっていて、それぞれのトナー色に対応した画像が形成される。以下、他の3つの作像部6M、6C、6Kの説明を適宜に省略して、イエローに対応した作像部6Yのみの説明をおこなうことにする。
【0018】
図2を参照して、感光体ドラム1Yは、不図示のモータによって図2中の時計方向に回転駆動される。そして、帯電部4Yの位置で、感光体ドラム1Yの表面が一様に帯電される(帯電工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、露光装置7(図1を参照できる。)から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によってイエローに対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
【0019】
その後、感光体ドラム1Yの表面は、現像装置5Yとの対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、イエローのトナー像が形成される(現像工程である。)。
詳しくは、図2を参照して、現像装置5Y内には、トナーとキャリア(磁性キャリア)とからなる2成分現像剤Gが収容されている。現像装置5Y内の現像剤Gは、不図示の磁気センサによって検知されるトナー濃度(現像剤G中のトナーの割合である。)が所定の範囲内になるように調整される。すなわち、現像装置5Y内のトナー消費に応じて、トナー補給装置によってトナー補給口64Yを介して第2現像剤搬送部504Y内に、トナー(補給トナー)が補給される。
トナー補給装置は、図1に示すトナー容器32Yに接続されている。なお、図示は省略するが、トナー補給装置は、トナー容器32Y(トナーボトル)を回転駆動する駆動部や、トナー容器32Yから排出されたトナーを貯留するトナータンク部や、トナータンク部に貯留されたトナーをトナー落下経路に向けて搬送するトナー搬送部や、トナー搬送部によって搬送されたトナーを現像装置5Y(第2現像剤搬送部504Y)に向けて自重落下させるトナー落下経路、等で構成されている。
【0020】
図2を参照して、その後、トナー補給口64Yを介して第2現像剤搬送部504Y内に補給されたトナー(補給トナー)は、2つの搬送スクリュ505Y、506Yによって、現像剤Gとともに混合・撹拌されながら、仕切部材で隔絶された第1現像剤搬送部503Yと第2現像剤搬送部504Yとを循環する。
このように循環経路中を循環する現像剤G中のトナーは、キャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着して、周囲に複数の磁極が形成された現像ローラ501Y上にキャリアとともに担持される。現像ローラ501Y上に担持された現像剤Gは、現像ローラ501Yの矢印方向の回転にともなって搬送されて、ドクターブレード502Yの位置に達する。そして、現像ローラ501Y上の現像剤Gは、この位置で適量に規制された後に、感光体ドラム1Yとの対向位置(現像領域である。)まで搬送される。そして、現像領域に形成された電界(現像電界)によって、感光体ドラム1Y上に形成された潜像にトナーが吸着される。
ここで、現像装置5Y内の現像剤は、現像剤中のトナーの割合(トナー濃度)が所定の範囲内になるように調整される。詳しくは、現像装置5Y内のトナー消費に応じて、トナーボトル32Yに収容されているトナーが、トナー補給装置によってトナー補給口64Yを介して第2現像剤搬送部504Y内に補給される。
【0021】
図2を参照して、上述した現像工程の後、感光体ドラム1Yの表面は、中間転写ベルト41及び第1転写バイアスローラ9Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上のトナー像がベルト部材としての中間転写ベルト41上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム1Y上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、クリーニング部2Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上に残存した未転写トナーがクリーニングブレード2aによって機械的に回収される(クリーニング工程である。)。
最後に、感光体ドラム1Yの表面は、不図示の除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム1Y上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
【0022】
なお、上述した作像プロセスは、他の作像部6M、6C、6Kでも、イエロー作像部6Yと同様におこなわれる。すなわち、作像部の下方に配設された露光部7から、画像情報に基いたレーザ光Lが、各作像部6M、6C、6Kの感光体ドラム上に向けて照射される。詳しくは、露光部7は、光源からレーザ光Lを発して、そのレーザ光Lを回転駆動されたポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学素子を介して感光体ドラム上に照射する。
その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、ベルト部材としての中間転写ベルト41上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト41上にカラー画像が形成される。
【0023】
ここで、図1を参照して、中間転写ベルトユニット40(ベルトユニット)は、中間転写ベルト41(ベルト部材)、4つの1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9K、2次転写対向ローラ42(駆動テンションローラ)、従動ローラ43、中間転写クリーニング部10、等で構成される。中間転写ベルト41は、複数のローラ部材42、43よって張架・支持されるとともに、1つのローラ部材42(2次転写対向ローラ)の回転駆動によって図1中の矢印方向に無端移動される。詳しくは、2次転写対向ローラ42が駆動モータ51(図4等を参照できる。)によって回転駆動されることで、2次転写対向ローラ42との摩擦抵抗によって中間転写ベルト41が走行するとともに、従動ローラ43も中間転写ベルト41との摩擦抵抗によって従動回転する。
なお、本実施の形態において、2次転写対向ローラ42は、画像形成装置本体100に設置された駆動モータ51(図4等を参照できる。)に連結されて中間転写ベルト41を駆動するとともに、中間転写ベルトユニット40において所定方向(図4の左右方向である。)に揺動可能に支持されて中間転写ベルト41に張力を与える駆動テンションローラとして機能する。
また、従動ローラ43は、中間転写ベルトユニット40に対して、揺動可能に支持されているのではなくて、不図示のベアリングを介して回転可能に固定支持されている。そして、中間転写クリーニング部10のクリーニングブレードが中間転写ベルト41を介して従動ローラ43に所定の当接力と当接角で当接することで、中間転写ベルト41上の未転写トナーがクリーニングブレード(中間転写クリーニング部10)によって良好にクリーニングされることになる。
2次転写対向ローラ42と従動ローラ43とは、いずれも、芯金上にウレタン材料(ウレタンゴム)等の弾性層が形成されたローラ部材である。
【0024】
4つの1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kは、それぞれ、中間転写ベルト41を感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。そして、1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kに、トナーの極性とは逆の転写バイアスが印加される。
そして、中間転写ベルト41は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1Y、1M、1C、1K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト41上に重ねて1次転写される。
【0025】
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト41は、2次転写ローラ19との対向位置に達する。この位置では、駆動テンションローラとしての2次転写対向ローラ42が、2次転写ローラ19(転写部材)との間に中間転写ベルト41を挟み込んでニップ部(2次転写ニップ部)を形成するように、2次転写ローラ19に向かって加圧(付勢)されている。そして、2次転写ローラ19に、トナーの極性とは逆の2次転写バイアスが印加される(又は、2次転写対向ローラ42に、トナーの極性と同極性の2次転写バイアスを印加してもよい。)。これにより、ベルト部材としての中間転写ベルト41上に担持されたカラートナー像は、この2次転写ニップ部の位置に搬送された転写紙等の記録媒体P上に転写される。このとき、中間転写ベルト41には、記録媒体Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。
その後、中間転写ベルト41は、中間転写クリーニング部10の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト41上の未転写トナーが回収される。
こうして、中間転写ベルト41上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
【0026】
ここで、2次転写ニップ部の位置に搬送された記録媒体Pは、装置本体100の下方に配設された給紙部26から、給紙ローラ27やレジストローラ対28等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、給紙部26には、転写紙等の記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対28のローラ間に向けて給送される。
【0027】
レジストローラ対28に搬送された記録媒体Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対28のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト41上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対28が回転駆動されて、記録媒体Pが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、記録媒体P上に、所望のカラー画像が転写される。
【0028】
その後、2次転写ニップ部の位置でカラー画像が転写された記録媒体Pは、定着部20(定着装置)の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ローラ及び加圧ローラによる熱と圧力とにより、記録媒体Pの表面に転写されたカラー画像(トナー像)が記録媒体P上に定着される。
その後、記録媒体Pは、排紙ローラ対29のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対29によって装置外に排出された記録媒体Pは、出力画像として、スタック部30上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0029】
なお、本実施の形態において、ベルト部材としての中間転写ベルト41は、PI(ポリイミド)、PVDF(フッ化ビニルデン)、ETFE(エチレン−四フッ化エチレン共重合体)、PC(ポリカーボネート)、等を単層又は複数層に構成して、カーボンブラック等の導電性材料を分散させたベルト部材である。中間転写ベルト41は、体積抵抗率が107〜1012Ωcm程度に、厚さが80〜100μm程度に設定されている。
なお、必要に応じて中間転写ベルト41の表面に離型層をコートすることもできる。その際、コートに用いる材料として、ETFE(エチレン−四フッ化エチレン共重合体)、PTFE(ポリ四フッ化エチレン)、PVDF(フッ化ビニルデン)、PEA(パーフルオロアルコキシフッ素樹脂)、FEP(四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体)、PVF(フッ化ビニル)、等のフッ素樹脂を使用できるが、これに限定されるものではない。
また、中間転写ベルト41の製造方法としては、注型法、遠心成形法、等があり、必要に応じてその表面を研磨する工程がおこなわれる。
【0030】
また、中間転写ベルト41を内周面側から押圧する2次転写対向ローラ42(駆動テンションローラ)は、ベルト部材としての中間転写ベルト41を介して2次転写ローラ19に当接している。
なお、2次転写ローラ19は、芯金上に、ウレタン材料(ウレタンゴム)からなるゴム硬度が48〜58Hs程度の弾性層(導電性ゴム層)が形成されたローラである。2次転写ローラ19は、中間転写ベルト41を介して2次転写対向ローラ42に当接して、2次転写ニップ部を形成している。
そして、上述したように、2次転写ローラ19と2次転写対向ローラ42(又は、中間転写ベルト41)との間に所望の電界が形成されることで、中間転写ベルト41上に担持されたトナー像が2次転写ニップ部の位置で記録媒体P上に転写(2次転写)されることになる。具体的に、本実施の形態では、不図示の電源部から2次転写ローラ19に向けて所定の電圧(2次転写バイアス)が印加されて、2次転写工程がおこなわれる。
なお、装置100の稼働時において、2次転写ローラ19は、2次転写ニップ部の位置での中間転写ベルト41との摩擦抵抗によって、図1の時計方向に従動回転(連れ回り)する。
【0031】
以下、図3〜図5を用いて、本実施の形態における画像形成装置において、特徴的な構成・動作について詳述する。
図3は、中間転写ベルトユニット40が装置本体100のユニット収容部50から離脱された状態を示す上面図である。これに対して、図4は、中間転写ベルトユニット40が装置本体100のユニット収容部50に装着された状態を示す上面図である。すなわち、図4の状態で先に説明した画像形成プロセスがおこなわれて、画像形成動作を停止した状態で図3のように中間転写ベルトユニット40の着脱動作がおこなわれることになる。なお、図3及び図4において、理解を容易とするために、一部を断面で示すとともに、一部の上下関係を無視して実線にて図示している。
また、図5(A)は、中間転写ベルトユニット40が装置本体100から離脱されたとき(図3の状態である。)の、第1ストッパ部材44と第2ストッパ部材60との状態を示す概略正面図である。これに対して、図5(B)は、中間転写ベルトユニット40が装置本体100に装着されたとき(図4の状態である。)の、第1ストッパ部材44と第2ストッパ部材60との動作を示す概略正面図である。
【0032】
図3及び図4を参照して、本実施の形態における画像形成装置は、中間転写ベルトユニット40が、画像形成装置本体100に対して着脱可能に設置されている。詳しくは、画像形成装置本体100のユニット収容部50に対して、中間転写ベルトユニット40が図3の白矢印方向に移動されて、ユニット収容部50(装置本体100)に対する中間転写ベルトユニット40の着脱動作がおこなわれる。そして、このようなユニット収容部50(装置本体100)に対する中間転写ベルトユニット40の着脱動作をおこなって、中間転写ベルト41の交換等のメンテナンス作業がおこなわれることになる。
このように、画像形成装置本体100に対して中間転写ベルトユニット40を着脱可能に構成することで、中間転写ベルトユニット40のメンテナンス作業性が格段に向上する。
【0033】
ここで、本実施の形態において、ユニット収容部50(装置本体100)は、駆動モータ51の駆動軸に、2次転写対向ローラ42(駆動テンションローラ)の軸部42aに駆動力を伝達する偏心カップリング52が設置されている。また、ユニット収容部50には、2次転写対向ローラ42(駆動テンションローラ)を所定方向(図3、図4の右方である。)に付勢する付勢部材(第1スプリング)としての圧縮スプリング56が設置されている。
詳しくは、ユニット収容部50には、偏心カップリング52を介して駆動モータ51の駆動軸に連結されるとともに、第2カップリング54を介して2次転写対向ローラ42(駆動テンションローラ)の軸部42aに連結される中継軸53が設けられている。また、付勢部材(第1スプリング)としての圧縮スプリング56は、中継軸53を軸受55を介して所定方向(図3、図4の右方である。)に付勢するように構成されている。なお、第2カップリング54は、双方の軸心のズレを吸収して駆動を伝達する偏心カップリング52とは異なり、双方の軸心を一致させて駆動を伝達するカップリング(軸継ぎ手)である。
【0034】
さらに詳しくは、図4を参照して、駆動モータ51の駆動力は偏心カップリング52を介して中継軸53に伝達されて、中継軸53に伝達された駆動力は第2カップリング54を介して2次転写対向ローラ42の軸部42aの先端に設置された従動カップリング42a1(第2カップリング52に嵌合する相手方のカップリングである。)に伝達される。こうして、駆動モータ51によって2次転写対向ローラ42が回転駆動されて、先に図1及び図2にて説明した画像形成プロセスがおこなわれることになる。
ここで、駆動モータ51は、ユニット収容部50のフレームに固定支持されている。また、ユニット収容部50のフレームの壁面には圧縮スプリング56(第1スプリング)の一端側が保持され、圧縮スプリング56の他端側がフレームに形成された長穴(圧縮スプリング56の付勢方向を長手方向とする長穴である。)に挿設された軸受55(内径部に中継軸53が挿設されている。)に接続されている。また、中継軸53の一端側には偏心カップリング52が接続されていて、中継軸53の他端側には第2カップリング54が設置されている。
【0035】
一方、中間転写ベルトユニット40には、駆動モータ51の駆動軸に連結される一端側とは異なる他端側において2次転写対向ローラ42の軸部42bを軸受45を介して所定方向(図3、図4の右方である。)に付勢する第2スプリングとしての圧縮スプリング46が設置されている。
詳しくは、図3、図4を参照して、中間転写ベルトユニット40において、幅方向(図3、図4の上下方向であって、図1の紙面垂直方向である。)に対向するように配設された両側板47、48に、2次転写対向ローラ42(駆動テンションローラ)と従動ローラ43とが、それぞれ、回転可能に支持されている。ここで、装着方向手前側の側板48の壁面には圧縮スプリング46(第2スプリング)の一端側が保持され、圧縮スプリング46の他端側が側板48の長穴(圧縮スプリング46の付勢方向を長手方向とする長穴である。)に挿設された軸受45(装着方向手前側の軸部42bが挿設されている。)に接続されている。これに対して、装着方向奥側の側板47には、2次転写対向ローラ42の装着方向手前側(駆動側)の軸部42aが揺動できるように長穴(圧縮スプリング46、56の付勢方向と同じ方向を長手方向とする長穴である。)が形成されている。そして、2次転写対向ローラ42と従動ローラ43との間に、中間転写ベルト41が巻装されている。
【0036】
このように、本実施の形態では、ユニット収容部50(装置本体100)に対して着脱可能に設置される中間転写ベルトユニット40に、駆動ローラとして機能するとともにテンションローラとしても機能する2次転写対向ローラ42(駆動テンションローラ)を設置しているため、1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kを除き、最小本数の2つのローラ部材42、43によって張架・支持されてコンパクト化された高機能の中間転写ベルトユニット40を提供することができる。具体的に、中間転写クリーニング部10のクリーニングブレードに対して中間転写ベルト41を介して当接する従動ローラ43を、テンションローラとせずに、固定ローラとして設置することができるため、良好なクリーニング性能が確保される。また、2次転写ニップ部の位置に駆動ローラとして機能する2次転写対向ローラ42を設置することができるため、2次転写ニップ部の位置で中間転写ベルト41にスリップが生じにくくなって、良好な2次転写工程が確保される。さらに、2次転写ニップ部の位置にテンションローラとして機能する2次転写対向ローラ42を設置することができるため、2次転写ローラ19に加圧機構を設けることなく所望の2次転写ニップ部が形成されて、良好な2次転写工程が確保される。
【0037】
さらに、本実施の形態において、中間転写ベルトユニット40には、2次転写対向ローラ42(駆動テンションローラ)の軸部42a、42bに係合して、ユニット収容部50(装置本体100)から離脱された状態での2次転写対向ローラ42の揺動を制限する第1ストッパ部材44が設置されている。
詳しくは、図3〜図5を参照して、第1ストッパ部材44は、両側板47、48に回転可能に保持されたシャフトの両端にフックレバー44a、44bが設置されたものである。フックレバー44a、44bには、それぞれ、2次転写対向ローラ42の軸部42a、42bに係合するフック部44a1、44b1(切欠)が形成されている。そして、2次転写対向ローラ42の軸部42a、42bにフックレバー44a、44b(第1ストッパ部材44)のフック部44a1、44b1が係合することで、2次転写対向ローラ42の揺動が制限されることになる(図3、図5(A)の状態である。)。すなわち、図3、図5(A)に示すように、中間転写ベルトユニット40が単独で装置本体100から取り外されているときには、第1ストッパ部材44によって2次転写対向ローラ42が移動しないように固定・保持されて、中間転写ベルト41に張力が与えられていない状態になっている。
これにより、中間転写ベルトユニット40が単独で装置本体100から取り外されているときに中間転写ベルト41に不要な張力がかかるのを防止することができるとともに、張力がかかっていない状態で中間転写ベルト41の交換作業をおこなうことができるため、中間転写ベルト41のメンテナンス作業性が向上する。
【0038】
また、ユニット収容部50(装置本体100)には、中継軸53の軸受55に係合して、中間転写ベルトユニット40が離脱された状態での圧縮スプリング56(第1スプリング)による中継軸53の付勢を制限する第2ストッパ部材60が設置されている。
詳しくは、図3〜図5を参照して、第2ストッパ部材60は、ユニット収容部50のフレームの幅方向両端にシャフトが回転可能に保持され、シャフトの一端側(装着方向奥側であって、駆動側である。)にカム60aが設置され、シャフトの他端側(装着方向手前側である。)に操作レバー60bが設置されている。
【0039】
第2ストッパ部材60のカム60aは、シャフトの回転にともない中継軸53の軸受55を押圧・解除可能に形成されている。そして、中間転写ベルトユニット40がユニット収容部50から離脱した状態(図3の状態である。)では、軸受55を押圧して、第2カップリング54と従動カップリング42a1(第1ストッパ部材44によって2次転写対向ローラ42が固定された状態のものである。)との係合がスムーズにおこなわれる位置に第2カップリング54の位置を定める。
【0040】
第2ストッパ部材60の操作レバー60bは、シャフトの回転にともない中間転写ベルトユニット40の第1ストッパ部材44(フックレバー44b)を押動可能に形成されている。そして、中間転写ベルトユニット40がユニット収容部50に装着された状態(図4の状態である。)で、操作レバー60bを手動で図5(B)の破線矢印方向に回転させることで、操作レバー60bによってフックレバー44bが押動されて、第1ストッパ部材44のシャフトの回転とともに両端のフックレバー44a、44bが回転して2次転写対向ローラ42の軸部42a、42bとの係合が解除される(図3、図5(A)の状態から、図4、図5(B)の状態への移行である。)。これにより、軸部42b(2次転写対向ローラ42の非駆動側の軸部である。)が圧縮スプリング46によって中間転写ベルト41に張力を与える方向に付勢されることになる。
さらに、操作レバー60bを手動で図5(B)の破線矢印方向に回転させることで、第2ストッパ部材60のシャフトの回転とともに駆動側のカム60aも回転して、中継軸53の軸受55に対するカム60aの押圧が解除される。これにより、中継軸53に連結された状態の軸部42a(2次転写対向ローラ42の駆動側の軸部である。)が圧縮スプリング56によって中間転写ベルト41に張力を与える方向に付勢されることになる。
【0041】
このように操作レバー60bの操作によって、幅方向両端部にそれぞれ設置された圧縮スプリング46、56によって、2次転写対向ローラ42がバランスよく付勢されて、中間転写ベルト41に所望の張力が付与されることになる。すなわち、ユニット収容部50(装置本体100)に中間転写ベルトユニット40を装着する動作に連動して、第1ストッパ部材44(フックレバー44b)と第2ストッパ部材60(操作レバー60b)とが係合して、双方のストッパ部材44、60が移動することで、第1ストッパ部材44及び第2ストッパ部材60による制限が解除されることになる。そして、このような状態で、先に図1及び図2で説明した画像形成プロセスがおこなわれることになる。
なお、ユニット収容部50(装置本体100)から中間転写ベルトユニット40を離脱するときには、上述した操作レバー60bの回転方向とは逆方向の操作がおこなわれた後に、装着時の動作とは逆の手順で離脱動作がおこなわれる。
【0042】
このように、本実施の形態では、装置本体100に対して着脱可能に設置される中間転写ベルトユニット40において、2次転写対向ローラ42を駆動テンションローラとして機能させている場合であっても、中間転写ベルトユニット40の着脱操作性やメンテナンス作業性を向上させることができる。
【0043】
ここで、本実施の形態において、中間転写ベルトユニット40は、駆動テンションローラとしての2次転写対向ローラ42に対する中間転写ベルト41の巻き付き角θが100度以上になるように形成されている。ここで、巻き付き角θとは、ローラ部材の回転軸方向に直交する断面でみたときに、ローラ部材の外周面に巻き付くベルト部材の範囲であってローラ部材の回転軸を中心とする角度である(図8を参照できる。)。
ベルト部材に対するローラ部材の表面摩擦係数が1.2〜1.4(ローラ部材の表面材料等を考慮して、実使用上、想定される値である。)のときに、駆動ローラとして機能するローラ部材に対するベルト部材の巻き付き角θが100度未満であると、ベルト部材にスリップが生じやすくなり、駆動ローラによるベルト部材の駆動不良が生じてしまう。また、ローラ部材によってベルト部材に与える張力を1N/cm程度(ベルト部材へのダメージ等を考慮して、実使用上、想定される設定値である。)としたときに、テンションローラとして機能するローラ部材に対するベルト部材の巻き付き角θが100度以上であると、ベルト部材の張力変動が0.8%以下になり、ベルト部材の良好な走行が可能になる。したがって、駆動ローラとしてもテンションローラとしても機能する駆動テンションローラ(2次転写対向ローラ42)に対する中間転写ベルト41の巻き付き角θを100度以上に設定することで、その他のローラ部材(例えば、従動ローラ43である。)の巻き付き角に関らず、スリップ等の駆動不良が生じることなく良好なベルト部材の走行が可能になる。
このことは、ベルト部材(中間転写ベルト41)を張架する複数のローラ部材のうちの1つを駆動テンションローラ(2次転写対向ローラ42)とすることで、その他のローラ部材(例えば、従動ローラ43である。)の構成や配置に対する制約が緩くなることを意味するものである。すなわち、中間転写ベルトユニット40の設計の自由度が著しく高まることになる。
【0044】
なお、本実施の形態では、中間転写ベルト41(2次転写対向ローラ42)に対して2次転写ニップ部を形成する相手方の部材(2次転写部材)として、2次転写ローラ19を用いた。
これに対して、図6に示すように、中間転写ベルト41(2次転写対向ローラ42)に対して2次転写ニップ部を形成する相手方の部材(2次転写部材)として、2次転写ベルト71(2次転写ベルトユニット70)を用いることもできる。詳しくは、2次転写ベルトユニット70は、2つのローラ部材72、73によって張架・支持されていて、そのうちの1つのローラ部材73が駆動ローラとなって2次転写ベルト71を図6の矢印方向に走行させる。そして、本実施の形態のものと同様に、給紙部26から給紙ローラ27やレジストローラ対28等を経由して搬送された記録媒体Pが、2次転写ベルト71によって2次転写ニップ部(図6中の破線で囲んだ位置である。)に向けて搬送されて、この位置で2次転写工程がおこなわれることになる。
このような構成において、2次転写ニップ部を形成するための2次転写対向ローラ42が駆動テンションローラとして機能するために、2次転写ベルト71及び中間転写ベルト41を介して2次転写対向ローラ42に圧接するように2次転写ベルトユニット70側にテンションローラを設置する必要がない。したがって、2次転写ベルトユニット70の構成が簡易化されることになる。
さらに、図6に示した2次転写ベルトユニット70(ベルトユニット)において、本実施の形態における中間転写ベルトユニット40と同様に、駆動ローラ73をテンションローラとしても機能させることで、2次転写ベルトユニット70における用途や形態にも制約が生じにくくなり、その設計上の自由度を向上させることができる。
【0045】
以上説明したように、本実施の形態では、画像形成装置本体100に対して着脱可能に設置される中間転写ベルトユニット40(ベルトユニット)に、駆動ローラとして機能するとともにテンションローラとしても機能する2次転写対向ローラ42(駆動テンションローラ)を設置しているため、中間転写ベルトユニット40の用途や形態に制約が生じにくく、その設計上の自由度を向上させることができる。
【0046】
なお、本実施の形態では、ベルト部材として中間転写ベルト41が設置された中間転写ベルトユニット40が着脱可能に構成された画像形成装置100に対して本発明を適用した。これに対して、その他のベルト部材(例えば、感光体ベルトや転写搬送ベルト等である。)が設置されたベルトユニットが着脱可能に構成された画像形成装置に対しても本発明を適用することができる。
そして、そのような場合にも、本実施の形態と同様に駆動ローラとして機能するとともにテンションローラとしても機能する駆動テンションローラをベルトユニットに設置することで、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0047】
また、本実施の形態では、中間転写ベルトユニット40において、中間転写ベルト41を張架・支持するローラ部材として、駆動テンションローラとして機能する2次転写対向ローラ42の他に、1つの従動ローラ43を設置した。これに対して、中間転写ベルトユニット40において、中間転写ベルト41を張架・支持するローラ部材として、駆動テンションローラとして機能する2次転写対向ローラ42の他に、2つ以上の従動ローラを設置することもできる。その場合にも、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0048】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【符号の説明】
【0049】
1Y、1M、1C、1K 感光体ドラム、
19 2次転写ローラ、
40 中間転写ベルトユニット(ベルトユニット)、
41 中間転写ベルト(ベルト部材)、
42 2次転写対向ローラ(駆動テンションローラ、ローラ部材)、
42a、42b 軸部、
43 従動ローラ(ローラ部材)
44 第1ストッパ部材、
44a、44b フックレバー、
45 軸受、
46 圧縮スプリング(第2スプリング)、
51 駆動モータ、
52 偏心カップリング、
53 中継軸、
54 第2カップリング、
55 軸受、
56 圧縮スプリング(第1スプリング、付勢部材)、
60 第2ストッパ部材、
60a カム、
60b 操作レバー、
100 画像形成装置本体(装置本体)、 P 記録媒体。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0050】
【特許文献1】特開2007−10865号公報
【特許文献2】特開2003−216001号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体に対してベルトユニットが着脱可能に設置される画像形成装置であって、
前記ベルトユニットは、ベルト部材と、前記ベルト部材を張架する複数のローラ部材と、具備し、
前記複数のローラ部材のうち1つのローラ部材は、前記画像形成装置本体に設置された駆動モータに連結されて前記ベルト部材を駆動するとともに、前記ベルトユニットにおいて所定方向に揺動可能に支持されて前記ベルト部材に張力を与える駆動テンションローラであって、
前記画像形成装置本体は、
前記駆動モータの駆動軸に、前記駆動テンションローラの軸部に駆動力を伝達する偏心カップリングを具備するとともに、
前記駆動テンションローラを所定方向に付勢する付勢部材を具備したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成装置本体は、前記偏心カップリングを介して前記駆動軸に連結されるとともに、第2カップリングを介して前記駆動テンションローラの軸部に連結される中継軸を具備し、
前記付勢部材は、前記中継軸を軸受を介して前記所定方向に付勢する第1スプリングであって、
前記ベルトユニットは、前記駆動軸に連結される一端側とは異なる他端側において前記駆動テンションローラの軸部を軸受を介して前記所定方向に付勢する第2スプリングを具備したことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ベルトユニットは、前記駆動テンションローラの軸部に係合して前記画像形成装置本体から離脱された状態での前記駆動テンションローラの揺動を制限する第1ストッパ部材を具備し、
前記画像形成装置本体は、前記中継軸の軸受に係合して前記ベルトユニットが離脱された状態での前記第1スプリングによる前記中継軸の付勢を制限する第2ストッパ部材を具備し、
前記画像形成装置本体に前記ベルトユニットを装着する動作に連動して、前記第1ストッパ部材と前記第2ストッパ部材とが係合して移動することで前記第1ストッパ部材及び前記第2ストッパ部材による制限が解除されることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ベルトユニットは、前記駆動テンションローラに対する前記ベルト部材の巻き付き角が100度以上になるように形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ベルト部材は、中間転写ベルト、感光体ベルト、転写搬送ベルトのうちいずれかであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−108398(P2012−108398A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−258455(P2010−258455)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】