説明

画像形成装置

【課題】 現像剤排出ユニットの排出口を現像剤受入ユニットの受入口の真上に位置させつつ、現像剤排出ユニットの着脱と現像剤受入ユニットの着脱とが互いに無関係に行なえる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 装着空間4を上下に仕切るとともに連通孔50が形成された仕切壁5を持つ装置本体1に、前記仕切壁5の上方に少なくとも現像剤排出部が位置するように現像剤排出ユニット3が前記装着空間4に着脱自在に装着され、前記仕切壁5の下方に少なくとも現像剤受入部が位置するように現像剤受入ユニット2が前記装着空間4に着脱自在に装着される画像形成装置100である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規トナーを収容するトナーカートリッジや感光体表面から残トナーを除去するクリーニングユニットの如き現像剤排出ユニットと、新規トナーが補給される現像器や除去した廃トナーが捨てられる廃トナーボックスの如き現像剤受入ユニットとが、装置本体の装着空間に着脱可能に装着される画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、トナー補給器ユニットから現像器ユニットに直接に新規トナーを補給するタイプの画像形成装置を開示する。特許文献1では、現像器ユニットの装置本体への装着動作に伴い、トナー補給ユニットの排出口を閉じるシャッターと現像器ユニットの受入口を閉じるシャッターとが互いに係合して、双方のシャッターを開くように構成している。特許文献2は、トナーコンテナに収容されるトナーを装置本体に設置したトナーホッパーに補給して一時的に貯留し、トナーホッパーに貯留されるトナーを現像器に供給するタイプの画像形成装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−279532号公報
【特許文献2】特開2008-83164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の画像形成装置においては、各シャッターのバネ力を適宜に設定して現像器ユニットの受入口が開いてからトナー補給器ユニットの排出口を開くように構成している。このため、トナーの受け渡し部におけるトナーの飛散は極力抑えられているものの、万全を期すために実機では、トナー補給器ユニットを取り外してから現像器ユニットを取り外す作業手順を使用者に強制する。特許文献2の画像形成装置においては、トナーホッパーを装置本体に設置するため、装置本体にその設置スペースを確保する必要があり、画像形成装置の小型化設計を阻害する。
【0005】
画像形成装置の小型化設計の観点に立てば、トナーホッパーの如きバッファタンクを設置せず、現像剤排出ユニットの排出口が現像剤受入ユニットの受入口の真上に位置させることが望ましく、これら消耗品の着脱作業の簡便性の観点に立てば、現像剤排出ユニットの着脱と現像剤受入ユニットの着脱とが互いに無関係に行なえることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した2つの要望を同時に満たし得る第1の発明は、装着空間を上下に仕切るとともに連通孔が形成された仕切壁を持つ装置本体に、前記仕切壁の上方に少なくとも現像剤排出部が位置するように現像剤排出ユニットが前記装着空間に着脱自在に装着され、前記仕切壁の下方に少なくとも現像剤受入部が位置するように現像剤受入ユニットが前記装着空間に着脱自在に装着される画像形成装置である。前記現像剤排出ユニットの現像剤排出口を閉じる排出口シャッターと、前記仕切壁の連通孔の上側を閉じる上側シャッターとが、現像剤排出ユニットの装着の際に互いに係合して双方ともに開く。前記現像剤受入口を閉じる受入口シャッターと、前記仕切壁の連通孔の下側を閉じる下側シャッターとが、現像剤受入ユニットの装着の際に互いに係合して双方ともに開く。
【0007】
上述した第1の発明において、その好ましい態様では、前記現像剤排出ユニットと前記現像剤受入ユニットの双方が前記装着空間に装着された状態で、前記現像剤排出口と前記連通孔と前記現像剤受入口とが平面視で重なり合うことにより、前記現像剤排出ユニットから前記現像剤受入ユニットに現像剤を受け渡し可能とした。
【0008】
さらに第1の発明において、その好ましい態様では、前記現像剤排出ユニットは、前記現像剤排出口を閉じる方向に前記排出口シャッターを付勢する第1付勢部材を有する。前記仕切壁には、前記連通孔の上側を閉じる方向に前記上側シャッターを付勢する第2付勢部材が設けられる。
【0009】
さらに第1の発明において、その好ましい態様では、前記現像剤受入ユニットは、前記現像剤受入口を閉じる方向に前記受入口シャッターを付勢する第3付勢部材を有する。前記仕切壁には、前記連通孔の下側を閉じる方向に前記下側シャッターを付勢する第4付勢部材が設けられる。
【0010】
さらに第1の発明において、その好ましい態様では、前記上側シャッターの上面には、上側シャッターに形成した開口部を取り囲みつつ厚み方向に凹んだ凹所が形成される。
【0011】
さらに第1の発明において、その好ましい態様では、前記現像剤がトナーである。前記現像剤排出ユニットは、現像剤受入ユニットに補給するためのトナーを収容したトナーカートリッジである。
【0012】
さらに第1の発明において、その好ましい態様では、前記現像剤受入ユニットは、前記装置本体に備えられた感光体上の静電潜像をトナーで現像するための現像器である。
【0013】
上述した2つの要望を同時に満たし得る第2の発明は、装置本体に、トナーカートリッジと現像器とが着脱自在に装着される画像形成装置である。前記トナーカートリッジは、トナーを排出するためのトナー排出口と、該トナー排出口を外側から覆い且つ閉じる方向にバネ付勢される排出口シャッターとを有する。前記現像器は、前記トナーカートリッジからトナーを受け入れるためのトナー受入口と、該トナー受入口を外側から覆い且つ閉じる方向にバネ付勢される受入口シャッターとを有する。前記装置本体に前記トナーカートリッジと前記現像器とが装着された状態で、前記トナーカートリッジにおける前記トナー排出口の形成部分が前記現像器における前記トナー受入口の形成部分の真上に位置し且つ平面視で前記トナー排出口と前記トナー受入口とが重なり合うことにより、トナーを受け渡す構成である。装置本体は、上下配置される前記トナー排出口の形成部分と前記トナー受入口の形成部分との間に位置する仕切壁を有し、該仕切壁には連通孔が形成され、該連通孔を上側から覆う開閉可能な上側シャッターと、前記連通孔を下側から覆う開閉可能な下側シャッターとを有する。前記トナーカートリッジを前記装置本体に装着する際に、前記排出口用シャッターと前記上側シャッターとが互いに当接して開いて前記トナー排出口と前記連通孔とが平面視で重なり合う。前記現像器を前記装置本体に装着する際に、前記受入口用シャッターと下側シャッターとが互いに当接して開いて前記連通孔と前記トナー受入口とが平面視で重なり合う。
【発明の効果】
【0014】
上述した第1の発明、第2の発明及びその好ましい態様によれば、現像剤排出部と現像剤受入部の間に仕切壁が配置されているものの、双方のユニットが装置本体に装着された状態において現像剤排出部と現像剤受入部とが上下に位置する関係にあるため、装置本体にバッファタンクを設置しなくとも、現像剤排出口から排出されたトナーといった現像剤は、重力落下により、仕切壁の連通孔を通って現像剤受入口から受け入れられる。
【0015】
そして、現像剤排出ユニットの装脱着に際して、排出口を閉じる排出口シャッターと連通孔の上側を閉じる上側シャッターとが互いに係合して、第1及び第2付勢部材の付勢力に抗して双方が開閉されるが、この際に排出口から微量ながらも現像剤が漏れたとしても、現像剤受入ユニットが装着されていないときは下側シャッターによって受け止められ、現像剤受入ユニットが装着されているときは受入口によって受け止められるので、装置本体内部に現像剤が漏れ出さない。
【0016】
また、現像剤排出ユニットが装着されて排出口が開いていたとしても、排出口から排出される現像剤は、現像剤受入ユニットの装着時又は装脱着中は受入口によって受け止められ、現像剤受入ユニットの脱着後は下側シャッターによって受け止められるので、装置本体の内部に現像剤が漏れ出さない。
【0017】
つまり、第1の発明、第2の発明及びその好ましい態様によると、現像剤排出ユニットの着脱と現像剤受入ユニットの着脱とを互いに無関係に、任意の順番に行うことができる。このため、画像形成装置の使用者に、現像剤受入ユニットの脱着の際に現像剤排出ユニットを先に脱着させる手順を強制せず、また現像剤排出ユニットの装着の際に現像剤受入ユニットを先に装着させる手順を強制しない。こうして、使用者は、自己の直感に従って、双方又はいずれかのユニットを装脱着すれば良い。
【0018】
特に好ましい態様では、上側シャッターの上面に、上側シャッターに形成した開口部を取り囲みつつ厚み方向に凹んだ凹所が形成されているため、排出口から漏れ出し上側シャッターの上面に落ちた現像剤は凹所に捕捉されて、装置本体の内部で飛散することもない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明の一実施態様の画像形成装置における現像剤受け渡し部を示す図であり、特に現像剤排出ユニットと現像剤受入ユニットの双方が装置本体に装着された状態を示す。
【図2】図2は、本発明の一実施態様の画像形成装置を示す断面図である。
【図3】図3は、本発明の一実施態様の画像形成装置における現像剤受け渡し部を示す図であり、特に現像剤排出ユニットと現像剤受入ユニットのいずれも装置本体に装着されていない状態を示す。
【図4】図4は、本発明の一実施態様の画像形成装置における現像剤受け渡し部を示す図であり、特に現像剤排出ユニットのみが装置本体に装着されている状態を示す。
【図5】図5は、本発明の一実施態様の画像形成装置における現像剤受け渡し部を示す図であり、特に現像剤受入ユニットのみが装置本体に装着されている状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1〜図5を参照して本発明を好適な一実施例として説明するが、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲の記載により定められるべきものであり、この実施例の記載により限定的に解釈されるべきでない。
【0021】
図2は本発明の好適な一実施例の画像形成装置100を示す断面図であり、図1及び図3〜図5は画像形成装置100におけるトナー受け渡し部を示す図である。本実施例では、現像剤排出ユニットをトナーカートリッジ3に具体化し、現像剤受入ユニットを現像器2に具体化した例を示す。けれども、本発明を、現像剤排出ユニットを感光体表面から残トナーを除去するクリーニングユニットに具体化し、現像剤受入ユニットを除去した廃トナーが捨てられる廃トナーボックスに具体化することも勿論可能である。
【0022】
図2を参照して、画像形成装置100の全体構成について説明する。画像形成装置100は、図2にその内部構成の概略断面図を示すように、装置本体1、装置本体1に装着される現像器2、及び現像器2に現像剤としてのトナーを補給するトナーカートリッジ3を含む。現像器2及びトナーカートリッジ3は画像形成部101を構成する。
【0023】
装置本体1には、その底部に記録用紙を順次供給する給紙カセット102が、画像形成部101の上方に排紙トレイ103がそれぞれ配設されている。なお、図示しないが、画像形成装置100は、排紙トレイ103の上方に、フラットベッドスキャナとして機能する画像読取部、及び画像読取りや記録の開始等を入力するための操作パネルが配設されていてもよい。
【0024】
給紙カセット102は、各種サイズの記録用紙を貯蔵可能で、記録用紙を1枚ずつ搬送路104へ繰り込む。搬送路104には一対のレジストローラ41が設けられており、記録用紙が搬送姿勢を調整されて画像形成部101へ搬送される。搬送路104には搬送ローラ42が適宜設けられており、画像形成部101にて画像が形成された記録用紙が搬送され、排紙トレイ103へ排出される。このように、給紙カセット102から搬送路104に沿って画像形成部101に記録用紙が搬送され、該画像形成部101により画像や文字等が記録用紙に記録されて、排紙トレイ103に排紙される。
【0025】
画像形成部101は、感光体ドラム11の周囲に配設された帯電器12、LEDヘッド13、現像器2、トナーカートリッジ3、転写ローラ14、及びクリーニングブレード15と、感光体ドラム11の下流側の搬送路104に配設された定着器16とから構成されている。現像器2及びトナーカートリッジ3は、装置の前後に抜き差しして、装置本体1の装着空間4に装脱着可能とされる。装置本体1に固定された仕切壁5は、この装着空間4について、トナーカートリッジ3の少なくともトナー排出部の設置位置と、現像器2の少なくともトナー受入部の設置位置とに上下に仕切る。即ち、トナーカートリッジ3及び現像器2が装置本体1の装着空間4に正しく装着された状況で、トナーカートリッジ3のトナー排出部と現像器2のトナー受入部とは、仕切壁5を挟んで上下に位置する。
【0026】
感光体ドラム11は、表面に有機感光体による光導電膜が形成され、図示しない駆動源により所定速度で回転するものであり、帯電器12により一定電圧に帯電される。帯電器12は、所謂スコロトロン帯電器と呼ばれる非接触のコロナ帯電方式のものであり、図には詳細を示さないが、半空間を形成するケーシング電極の略中心に放電ワイヤが配設されるとともに、感光体ドラム11側にグリッド電極が配設されてなり、該放電ワイヤに所定の電圧が印加されることによりコロナ放電が生じ、該コロナ放電によるイオン量をグリッド電極で制御するものである。なお、帯電器12には、放電ワイヤに代えて針電極を採用してもよく、さらには非接触のコロナ帯電方式に代えて接触型のローラ帯電方式等、他の帯電器を採用してもよい。
【0027】
LEDヘッド13は、LEDアレイを記録画素数だけ並設し、該LEDアレイが発した光をレンズアレイで感光体ドラム11の表面に結像する所謂自己発光型のプリンタヘッドであり、前記感光体ドラム11に対して画像情報に基づいて感光体ドラム11の表面を選択的に露光して、該表面に静電潜像を形成するものである。帯電器12により帯電された感光体ドラム11の表面は、LEDヘッド13により露光されることにより表面電位が減衰し、露光されていない部分との電位差により静電潜像が形成される。また、画像情報は、例えばフラットベッドスキャナとして機能する前記画像読取部が読み取った原稿の画像が電気信号としてLEDヘッド13に送信されるようになっている。なお、露光器としては、LEDヘッド13の他に半導体レーザを用いた走査光学系のものを採用してもよい。
【0028】
現像器2は、トナー微粒子とキャリアからなる2成分トナーを用いる現像手段をユニット化したものであり、その現像機能が劣化した場合に新しいものと交換可能なように、装置本体1に着脱自在に装着されている。現像器2は、図1に示すように、補給されるトナーを受け入れる受入口21と、該受入口21を開閉可能にスライドする受入口シャッター22と、受入口21を閉鎖する方向に受入口シャッター22を付勢するコイルバネなどの第3付勢部材23とを備えている。第3付勢部材23は、その一端が受入口シャッター22に、その他端が現像器2の外観を構成し受け入れたトナーを収容するトナー受入容器24の係止片25にそれぞれ係止されている。第3付勢部材23の付勢力に抗して受入口シャッター22がスライド移動して、受入口21と受入口シャッター22の開口26とが一致して、現像器2はトナーを受け入れることができる。なお、現像器2の装置本体1に対する装脱着動作は、図1における右方向を装着方向、その逆方向である左方向を離脱方向として行われる。
【0029】
トナーカートリッジ3は、現像器2にトナーを補給するトナー補給手段をユニット化したものであり、そのトナー補給機能が滅化した場合に新しいものと交換可能なように、装置本体1に着脱自在に装着されている。トナーカートリッジ3は、トナーを排出する排出口31と、該排出口31を開閉可能にスライドする排出口シャッター32と、排出口31を閉鎖する方向にシャッター32を付勢するコイルバネなどの第1付勢部材33とを備えている。第1付勢部材33は、その一端が排出口シャッター32に、他端がトナーカートリッジ3の外観を構成し補給するトナーを収容するトナー補給容器34の係止片35にそれぞれ係止されている。第1付勢部材33の付勢力に抗して排出口シャッター32がスライド移動して、排出口31と排出口シャッター32の開口36とが一致して、トナーカートリッジ3はトナーを排出することができる。
【0030】
転写ローラ14は、図2に示すように、導電性スポンジからなるローラであり、搬送路104の対向位置において感光体ドラム11に圧接されてなり、不図示の電気回路からバイアス電圧が印加されるようになっている。給紙カセット102から搬送路104を経て供給された記録用紙を感光体ドラム11及び転写ローラ14がニップしてバイアス電圧が印加されることにより、該感光体ドラム11の表面に形成されたトナー画像が記録用紙へ転写される。
【0031】
クリーニングブレード15は、転写後の感光体ドラム11に圧接され、不図示の電気回路から定電圧が印加されることにより、感光体ドラム11の表面に残留したトナーや紙粉を除去するものである。これにより、感光体ドラム11の表面が清掃されて連続使用が可能となる。なお、クリーニングブレードの他に、クリーニングローラ等を用いる他の接触方式やトナーを電界吸引する非接触方式によるクリーニング方式も採用でき、また、クリーニング部材を用いないクリーニングレス方式とすることもできる。
【0032】
定着器16は、搬送路104の対向位置に夫々配置された加熱ローラ17及び加圧ローラ18からなり、搬送路104を搬送された記録用紙上のトナー画像を加熱及び加圧して固定するものである。加熱ローラ17の表面はヒータにより所定の温度に維持されており、該加熱ローラ17に加圧ローラ18が所定の圧力で圧接されている。トナー画像が転写された記録用紙が、該加熱ローラ17と加圧ローラ18とにニップされることにより記録用紙上のトナーが溶融されて固定される。このように構成された画像形成部101により、前記画像読取部で読み取られた原稿の画像が記録用紙上に形成されるようになっている。
【0033】
次に、現像器2の構成についてさらに説明する。現像器2は、トナーとキャリアからなる2成分トナーを用いるものであり、感光体ドラム11に対向して配置される現像スリーブ40と、トナーを収容する前記トナー受入容器24と、トナー受入容器24に収容されたトナーを攪拌しながら移送させる2本のスクリュー(搬送オーガ)及びパドルと、を具備している。2本のスクリュー及びパドルにより攪拌移送されたトナーが現像スリーブ40に対して供給され、現像スリーブ40の表面上に担持されたトナーが感光体ドラム11に供給される。該感光体ドラム11の表面上の静電潜像をトナーにて現像されることにより、トナー画像が形成される。
【0034】
現像スリーブ40は、現像器2が装置本体1の所定位置に装着された状態において感光体ドラム11に近接した位置で回転可能なようにトナー受入容器24に軸支されており、バイアス電圧が印加されることにより、その表面は帯電している。攪拌によって帯電されたトナーが供給されることにより、現像スリーブ40の表面にトナーが担持される。感光体ドラム11の軸回転に同調して現像スリーブ40が軸回転し、感光体ドラム11の静電潜像との電位差により現像スリーブ40の表面に担持されたトナーが感光体ドラム11に供給され、該感光体ドラム11の表面上の静電潜像が可視像化されトナー画像が形成される。
【0035】
規制ブレードは、現像スリーブ40の表面に近接させてトナー受入容器24に配設されており、現像スリーブ40の表面に担持された余分なトナーを掻き落し、トナーの層厚を一定に規制する。
【0036】
図1を参照して、仕切壁5は、装置本体1の装着空間4に横置された板状体であり、上下に連通する一つの連通孔50が形成されている。仕切壁5は、その一端部で装置本体1の例えば背面側のフレーム51等に支持される。
【0037】
仕切壁5の上側に上側シャッター52が前後にスライド可能に設けられ、この上側シャッター52は連通孔50の上側を閉じる。コイルバネなどの第2付勢部材53の一端がフレーム51に取り付けられ、その他端が上側シャッター52の端部に取り付けられる。上側シャッター52は、第2付勢部材53の付勢力によって、連通孔50を閉じる方向(装置前方でトナーカートリッジ3の脱着方向、図1の左方)に付勢される。この上側シャッター52の上面に上向きに突出する凸部54が形成され、この凸部54は装着空間4に装着されるトナーカートリッジ3の排出口シャッター32の端面と当接する。この上側シャッター52の上面には、さらに、上側シャッター52の開口55を取り囲みつつ、厚み方向に凹むが貫通していない円環状の凹所56が形成されている。
【0038】
仕切壁5の下側に下側シャッター62が前後にスライド可能に設けられ、この上側シャッター62は連通孔50の下側を閉じる。コイルバネなどの第4付勢部材63の一端がフレーム51に取り付けられ、その他端が下側シャッター62の端部に取り付けられる。下側シャッター62は、第4付勢部材63の付勢力によって、連通孔50を閉じる方向(装置前方で現像器2の脱着方向、図1の左方)に付勢される。この下側シャッター62の下面には下向きに突出する凸部64が形成され、この凸部64は装着空間4に装着される現像器2の受入口シャッター22の端面と当接する。
【0039】
図3は、トナーカートリッジ3も現像器2も装置本体1に装着されない状態を示す。この状態では、上側シャッター52は第2付勢部材53によって付勢されて仕切壁5の連通孔50の上側を閉じ、下側シャッター62は第4付勢部材63によって付勢されて仕切壁5の連通孔50の下側を閉じる。
【0040】
図4は、トナーカートリッジ3のみが装置本体1に装着された状態を示す。トナーカートリッジ3を装置本体1に装着していくと排出口シャッター32の端面と上側シャッター52の凸部54とが当接し、排出口シャッター32の下向きの凸部37と上側シャッター52の端面とが当接する。さらにトナーカートリッジを装着していくと、第2及び第1付勢部材53,33の付勢力に抗して両シャッター32,52がスライドして開き、トナー補給容器34の排出口31、排出口シャッター32の開口36、上側シャッター52の開口55及び仕切壁5の連通孔50が平面視で重なるように位置合わせされ、トナー補給容器34内のトナーは排出される。けれども、下側シャッター62は連通孔50の下側を閉じており、下側シャッター62がそれより下へのトナーの排出を堰き止めるから、現像器2が先に装置本体1に装着されてその受入口21が開いていなくても、装置本体1内にトナーが漏れ出さない。
【0041】
図5は、現像器2のみが装置本体1に装着された状態を示す。現像器2を装置本体1に装着していくと受入口シャッター22の端面と下側シャッター62の凸部64とが当接し、受入口シャッター22の凸部27と下側シャッター62の端面とが当接する。さらに現像器2を装着していくと、第4及び第3付勢部材63,23の付勢力に抗して両シャッター22,62がスライドして開き、トナー受入容器24の受入口21、受入口シャッター22の開口26、下側シャッター62の開口65及び仕切壁5の連通孔50が平面視で重なるように位置合わせされ、トナー受入容器24へのトナーの受入れ準備が整う。さらに、各付勢部材の付勢力について、第1付勢部材33の付勢力を第2付勢部材53の付勢力よりも大きいものとし、且つ第4付勢部材63の付勢力を第3付勢部材23の付勢力よりも大きいものと設定しておくと、下側シャッター62が先に開き、また後から閉まるため、より確実にトナー漏れを防止し得る。
【0042】
図1に示す通り、現像器2もトナーカートリッジ3も装置本体1に装着された状態では、排出口31、開口36,55、連通孔50、開口65,26、受入口21が上からこの順番に平面視で重なるように位置合わせされるため、トナーカートリッジ3から排出されるトナーは、重力落下により、連通孔50を通って現像器2に補給がされる。
【0043】
上記したトナー受け渡し部の構成によると、トナーカートリッジ3の装脱着に際して、排出口31を閉じる排出口シャッター32と連通孔50の上側を閉じる上側シャッター52とが互いに係合して、付勢部材の付勢力に抗して双方が開閉されるが、この際に排出口31から微量ながらもトナーが漏れたとしても、現像器2が装着されていないときは下側シャッター62によって受け止められ、現像器2が装着されているときは受入口21によって受け止められるので、装置本体1内部にトナーが漏れ出さない。
【0044】
また、トナーカートリッジ3が装着されて排出口31が開いていたとしても、排出口31から排出されるトナーは、現像器2の装着時又は装脱着中は受入口21によって受け止められ、現像器2の脱着後は下側シャッター62によって受け止められるので、装置本体1の内部にトナーが漏れ出さない。
【0045】
こうして、トナーカートリッジ3の着脱と現像器2の着脱とを互いに無関係に、任意の順番に行うことができる。このため、画像形成装置100の使用者に、現像器2の脱着の際にトナーカートリッジ3を先に脱着させる手順を強制せず、またトナーカートリッジ3の装着の際に現像器2を先に装着させる手順を強制しない。こうして、使用者は、自己の直感に従って、双方又はいずれかのユニットを装脱着すれば良い。
【0046】
また、上側シャッター52の上面に、上側シャッター52に形成した開口55を取り囲みつつ厚み方向に凹んだ凹所56が形成されているため、排出口31から漏れ出し上側シャッター52の上面に落ちたトナーは凹所56に捕捉されて、装置本体1の内部で飛散することもない。
【0047】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、トナーとキャリアからなる二成分現像剤に代えて、非磁性又は磁性の一成分トナーをトナーカートリッジ3から現像器2に補給する構成を採用することもできる。
【符号の説明】
【0048】
1 装置本体
2 現像器
3 トナーカートリッジ
5 仕切壁
21 受入口
22 受入口シャッター
31 排出口
32 排出口シャッター
50 連通孔
52 上側シャッター
62 下側シャッター


【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着空間を上下に仕切るとともに連通孔が形成された仕切壁を持つ装置本体に、前記仕切壁の上方に少なくとも現像剤排出部が位置するように現像剤排出ユニットが前記装着空間に着脱自在に装着され、前記仕切壁の下方に少なくとも現像剤受入部が位置するように現像剤受入ユニットが前記装着空間に着脱自在に装着される画像形成装置であって、
前記現像剤排出ユニットの現像剤排出口を閉じる排出口シャッターと、前記仕切壁の連通孔の上側を閉じる上側シャッターとが、現像剤排出ユニットの装着の際に互いに係合して双方ともに開き、
前記現像剤受入口を閉じる受入口シャッターと、前記仕切壁の連通孔の下側を閉じる下側シャッターとが、現像剤受入ユニットの装着の際に互いに係合して双方ともに開くように構成した、ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記現像剤排出ユニットと前記現像剤受入ユニットの双方が前記装着空間に装着された状態で、前記現像剤排出口と前記連通孔と前記現像剤受入口とが平面視で重なり合うことにより、前記現像剤排出ユニットから前記現像剤受入ユニットに現像剤を受け渡し可能とした、ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
前記現像剤排出ユニットは、前記現像剤排出口を閉じる方向に前記排出口シャッターを付勢する第1付勢部材を有し、
前記仕切壁には、前記連通孔の上側を閉じる方向に前記上側シャッターを付勢する第2付勢部材が設けられる、ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置において、
前記現像剤受入ユニットは、前記現像剤受入口を閉じる方向に前記受入口シャッターを付勢する第3付勢部材を有し、
前記仕切壁には、前記連通孔の下側を閉じる方向に前記下側シャッターを付勢する第4付勢部材が設けられる。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記上側シャッターの上面には、上側シャッターに形成した開口部を取り囲みつつ厚み方向に凹んだ凹所が形成される、ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記現像剤がトナーであって、
前記現像剤排出ユニットは、現像剤受入ユニットに補給するためのトナーを収容したトナーカートリッジである、ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像形成装置において、
前記現像剤受入ユニットは、前記装置本体に備えられた感光体上の静電潜像をトナーで現像するための現像器である、ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
装置本体に、トナーカートリッジと現像器とが着脱自在に装着される画像形成装置であって、
前記トナーカートリッジは、トナーを排出するためのトナー排出口と、該トナー排出口を外側から覆い且つ閉じる方向にバネ付勢される排出口シャッターとを有し、
前記現像器は、前記トナーカートリッジからトナーを受け入れるためのトナー受入口と、該トナー受入口を外側から覆い且つ閉じる方向にバネ付勢される受入口シャッターとを有し、
前記装置本体に前記トナーカートリッジと前記現像器とが装着された状態で、前記トナーカートリッジにおける前記トナー排出口の形成部分が前記現像器における前記トナー受入口の形成部分の真上に位置し且つ平面視で前記トナー排出口と前記トナー受入口とが重なり合うことにより、トナーを受け渡す構成の画像形成装置において、
装置本体は、上下配置される前記トナー排出口の形成部分と前記トナー受入口の形成部分との間に位置する仕切壁を有し、該仕切壁には連通孔が形成され、該連通孔を上側から覆う開閉可能な上側シャッターと、前記連通孔を下側から覆う開閉可能な下側シャッターとを有し、
前記トナーカートリッジを前記装置本体に装着する際に、前記排出口用シャッターと前記上側シャッターとが互いに当接して開いて前記トナー排出口と前記連通孔とが平面視で重なり合い、
前記現像器を前記装置本体に装着する際に、前記受入口用シャッターと下側シャッターとが互いに当接して開いて前記連通孔と前記トナー受入口とが平面視で重なり合う、ことを特徴とする画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−47772(P2012−47772A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−186760(P2010−186760)
【出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】