説明

画像形成装置

【課題】 画像形成装置において、シート材のループ量を検出するとともに、透光性の良好なシート材に対してジャム検出を可能にする。
【解決手段】 ループ量検出部31は、搬送ガイド部19、21を通過するシート材Pのループ量を算出するもので、発光素子25、受光素子29、受光量算出部31とを有する。発光素子25は、シート材Pに向けて光ビームを照射する。受光素子29は、シート材P側からの反射光ビームを受光する。受光量算出部31は、受光素子29での受光量に基づき、受光量が基準変化量を超えて減少方向に変化したとき、シート材のループ量を三角測量方式で算出する。受光量算出部31は、受光量が基準変化量を超えて減少方向に変化しないとき、シート材Pのジャムを検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に係り、特に、転写部と定着部間におけるシート材のループを適量に維持してシート材の適切な搬送を可能にした電子写真方式の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の画像形成装置においては、トナー像が形成された転写部から当該トナー像をシート材に転写した後、搬送ガイド部を経てそのシート材を定着部のニップ部に導く構成を有しているが、シート材の先端が定着部のニップ部に突入したときでも、同じシート材の後端部が未だ転写部を通過していない状態となっている場合が多い。
【0003】
他方、定着部を形成する加圧ローラの熱膨張、固体差又は経年変化等に起因して、定着部におけるシート材搬送速度と転写部におけるシート材搬送速度との間に差が生じる場合がある。
【0004】
このような状況では、定着部におけるシート材搬送速度が転写部のそれを上回ると、未定着トナー像を担持しているシート材が定着部と転写部間で定着部側に引っ張られる現象が生じ、転写ずれを招くおそれがある。
【0005】
このような転写ずれ現象の発生を防ぐために、転写部と定着部との間を搬送されるシート材に、ループ(たるみ)を形成した状態で搬送することが行われていが、シート材に過度のループを発生させると「しわ」を生じ易いから、転写部と定着部間におけるシート材のループ量を適切に維持してシート材を搬送することが望まれる。
【0006】
こうした要請に応えるため、例えば特開平7−234604号公報(特許文献1)の画像形成装置が提案されている。
【0007】
この特許文献1は、定着ユニットと転写ユニットを有する画像形成装置において、各ユニットに独立した駆動系を設け、定着ユニット入口手前で用紙の形成するループ量の上限及び下限を検出して、ループ量の上限を検出したとき定着部側の駆動部の速度を速くし、ループ量の下限を検出したとき定着部側の駆動部の速度を遅くするように構成し、定着手段のニップ量の変化に伴う転写手段の搬送速度変化を一定に保ち、ピッチ不良の発生を軽減するものである。
【0008】
また、本出願人は、特願2007−210374号(特許文献2)の画像形成装置をもって更に改善した構成を提案した。
【0009】
すなわち、特許文献2は、搬送ガイド部材を通過するシート材に向けて、光学基準面に対して所定の角度をもって発光素子から光ビームを照射し、そのシート材で反射してきた発光素子の反射光ビームを受光素子の受光面で受光し、受光した反射光ビームの受光面における到着点に基づき、ループ量算出部にてシート材のループ量を三角測量方式で演算し、ループ量算出部の演算結果に基づきシート材のループ量を検知する構成を有し、転写手段と定着手段の駆動系に多段階かつ高精度のループ量を反映制御させることで、搬送ガイド部材を通過中のシート材のループを適量に維持可能にしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平7−234604号公報
【特許文献2】特願2007−210374号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上述した特許文献1の画像形成装置では、検出したループ量の上限および下限に基づいてシート材の搬送速度制御を行っているから、上限および下限間の中間段階を含む多段階でのループ量をきめ細かく検出することが困難で、転写ずれやしわのない画像を形成する観点からは十分ではなかった。
【0012】
また、上述した特許文献2の画像形成装置では、シート材に向けて発光素子から光ビームを照射し、シート材で反射してきた反射光ビームに基づきループ量を演算し、この演算結果によってシート材のループ量を制御するが、OHP(OverHead Projecter Panel)用の透光性シート材については、照射光がシート材を透過して反射光が弱くなり易く、正しくループ量を制御することが困難であることが分かり、改善する余地がある。
【0013】
例えば、特許文献2の画像形成装置において、紙のシート材とOHP用のシート材からの反射光をセンサとしての受光素子で測定すると、図3に示すように、いずれもループ量(測定距離)が大きくなるとセンサ出力が低下するとともに、実線で示す紙のシート材よりも鎖線で示すOHP用のシート材からの反射光が弱いことが分かる。
【0014】
そこで、本発明は、画像形成装置の機能、非透光性シート材と透光性シート材について鋭意観察検討を加えた結果、一般に、OHP用の透光性シート材が厚手で紙のこしが強くてループ制御が必要ない点に着目する一方、シート材の背面側に反射部を配置すれば、非透光性シート材のループ量の把握が可能であり、同一の発光素子および受光素子を用いて透光性シート材のジャムの検出が可能である点を見いだし、本発明を完成させた。
【0015】
本発明はそのような課題を解決するためになされたもので、シート材のループ量の検出が可能であるとともに、透光性の良好なシート材に対してジャム検出を可能にした構成の簡単な画像形成装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
そのような課題を解決するために請求項1に係る本発明の画像形成装置は、担持されたトナー像をシート材に転写するための転写部と、そのシート材の転写トナー像を定着させるための定着部と、それらの転写部および定着部を各々独立して駆動する駆動部と、その転写部から送り出された前記シート材をその定着部へ向けて案内するための搬送ガイド部と、この搬送ガイド部を通過するシート材に向けて照射した光ビームの反射光に基づき前記シート材のループ量を算出するループ量検出部と、このループ量検出部の算出結果に基づき前記駆動部を駆動制御する駆動制御部と、を具備している。
【0017】
しかも、上記ループ量検出部は、その搬送ガイド部を通過するシート材に向けて、光学基準面に対して所定の角度をもって光ビームを照射する発光素子と、そのシート材側で反射してきた発光素子の反射光ビームを受光する受光面を備えた受光素子と、その受光素子で受光した反射光ビームの受光面における到着点に基づき受光量を検出し、検出された受光量が所定の基準変化量を超えて減少方向に変化したときその受光量からシート材のループ量を三角測量方式で算出し、この算出結果によってその駆動制御部を制御し、検出されたその受光量が基準変化量を超えて減少方向に変化しないとき、そのシート材のジャムを検出する受光量算出部とを有している。
【0018】
請求項1に係る本発明の画像形成装置は、上記ループ量検出部の受光量算出部が、そのシート材が透光性を有するとき、そのジャムのみを検出する構成である。
【0019】
請求項1に係る本発明の画像形成装置は、上記ループ量検出部の受光量算出部が、そのシート材が非透光性を有するとき、そのループ量のみを検出する構成である。
【0020】
請求項2に係る本発明の画像形成装置は、上記ループ量検出部の受光量算出部が、その転写部より上流に配置されたシート検出部であってそのシート材の透光性と非透光性を検出するシート検出部からの検出に基づき、そのジャム又はループ量のみを検出する構成も可能である。
【0021】
請求項3に係る本発明の画像形成装置は、上記ループ量検出部の受光量算出部が、透光性を有するシート材の外部からの選択指示に基づき、そのジャムのみを検出する構成も可能である。
【発明の効果】
【0022】
請求項1に係る本発明の画像形成装置では、搬送ガイド部を通過するシート材に向けて発光素子から光ビームを照射し、そのシート材側から反射してきた発光素子の反射光ビームを受光素子で受光し、その受光素子で受光した反射光ビームの受光量を検出し、検出された受光量が所定の基準変化量を超えて減少方向に変化したときその受光量からシート材のループ量を三角測量方式で算出してその駆動制御部を制御し、検出されたその受光量が基準変化量を超えて減少方向に変化しないとき、そのシート材のジャムを検出するから、シート材のループ量の検出が可能であるとともに、透光性の良好なシート材に対してジャム検出も可能となるし、構成も簡単で複雑化しない。
【0023】
請求項1に係る本発明の画像形成装置において、上記ループ量検出部の受光量算出部が、そのシート材が透光性を有するときそのジャムのみを検出する構成では、ループ量検出センサを用いて透光性シート材のジャム検出が可能である。
【0024】
請求項1に係る本発明の画像形成装置において、上記ループ量検出部の受光量算出部が、そのシート材が非透光性を有するときそのループ量のみを検出する構成では、ループ量検出センサを用いて非透光性シート材のループ量検出が可能である。
【0025】
請求項2に係る本発明の画像形成装置において、上記ループ量検出部の受光量算出部が、その転写部より上流に配置されたシート検出部であってそのシート材の透光性と非透光性を検出する検出部からの検出に基づき、そのジャム又はループ量のみを検出する構成では、そのシート検出部による自動検出に対して、ループ量検出センサを用いて非透光性シート材のループ量検出と透光性シート材のジャム検出が可能である。
【0026】
請求項3に係る本発明の画像形成装置において、上記ループ量検出部の受光量算出部が、透光性を有するシート材の外部からの選択指示に基づきそのジャムのみを検出する構成では、外部からの選択指示に基づき、ループ量検出センサを用いて非透光性シート材のループ量検出が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る画像形成装置の主要部を示す構成図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置におけるループ量センサを側方から見た外観図である。
【図3】本発明に関して画像形成装置の一般的動作を説明するための特性図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明に係る画像形成装置の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0029】
図1は、本発明の画像形成装置に係る実施の形態を示す主要構成図であり、主に画像形成部を中心にして示している。
【0030】
図1において、画像形成装置の画像形成部1は、レジストローラ3、感光体5、転写ローラ7、定着ローラ9、加圧ローラ11等を有し、図示しない給紙段から1次給紙されたシート材Pを、図中右側から左側に向けて横方向に搬送する過程で、後述するように、画像を転写および定着させて排紙する機能を有している。
【0031】
レジストローラ3は、従来公知の1対のローラからなり、1次給紙されたシート材Pの搬送路の末端に配置され、シート材Pの転写タイミングとシート材Pの位置修正をして2次給紙する機能を有している。
【0032】
レジストローラ3の近傍にあって2次給紙されたシート材Pの搬送路には、感光体5と転写ローラ7からなる転写部13が配置されている。
【0033】
感光体5は、導電性の円筒基体の外周面に有機感光層を形成した公知のものであり、図1の矢印で示す時計方向に所定の周速度で回転駆動されるとともに、転写ローラ7に当接している。感光体5は公知のモータM1等の駆動部によって回転駆動される。
【0034】
感光体5は、その回転過程で帯電器(図示せず。)によってその周面が所定の極性(例えば負極性)の電位に一次帯電され、その感光体帯電面に対してレーザスキャナ(図示せず。)で画像情報のレーザ走査露光がなされ、走査露光パターンに対応した静電潜像が形成されるとともに、その静電潜像には現像器(図示せず。)からトナー剤が供給されてトナー像(現像剤像)が担持され、現像される。
【0035】
転写ローラ7は、印加された所定の転写バイアスをシート材Pに与えるものであり、感光体5に従動して回転制御されている。
【0036】
そして、感光体5と転写ローラ7との当接部である転写ニップ部Tにおいて、シート材Pにトナー像が順次に転写されていく。
【0037】
なお、シート材P分離後の感光体5の表面は、図示しないクリーナによって転写残トナー等の残留付着物が除去、清掃され、繰り返し作像に供される。
【0038】
レジストローラ3と感光体5との間には、2次給紙されるシート材Pが非透光性を有するか透光性を有するかを判別するシート検出部15が配置されている。
【0039】
シート検出部15は、例えばシート材Pに光を発射してその反射光の強弱を検出し、これに基づきシート材Pが非透光性を有するか透光性を有するか判別するものである。紙用紙等の非透光性を有するシート材Pでは反射光が強く、OHP用シート材Pでは発射光が透過して反射光が弱いから、これを利用して判別する。
【0040】
トナー像が転写されたシート材Pの搬送路には、定着ローラ9およびこれに圧接された加圧ローラ11が配置されて定着部17が形成されている。
【0041】
定着ローラ9は、モータM1とは別の独立したモータM2等の駆動部によって所定の回転周速度で回転制御されており、シート材Pを加熱するために図示しないヒータを内蔵しており、定着ローラ9および加圧ローラ11との間で定着ニップ部Nが形成されている。
【0042】
転写部13から搬送されてきたシート材Pは、この定着ニップ部Nにおいて未定着トナー像が加熱、圧接されて溶融定着され、排紙される。
【0043】
転写部13から定着部17へ至る経路には、シート材Pの搬送を案内するための一対の搬送ガイド部19、21が、シート材Pを挟んで間隔を置いて対面するように配置されている。
【0044】
一方(図1中下側)の搬送ガイド部19には、シート材Pのループ量を検出するためのループ量検出部23が配置されている。
【0045】
ループ量検出部23は、転写ニップ部Tから定着ニップ部Nに至るシート材Pの搬送経路のほぼ中間付近に配置されている。これは、この中間付近において、転写ニップ部Tから定着ニップ部Nに至るシート材Pのループ量が最も大きくなり易く、ループ量の検出が容易であるからである。
【0046】
ループ量検出部23は、搬送ガイド部19、21間を通過するシート材Pに向けて、図2に示すように、光学基準面に対して所定の角度(θ)をもってシート材Pに光ビームを照射する発光素子25と、シート材Pで反射してきた発光素子25の反射光ビームを受光する受光面27を有する受光素子29とを有しており、図1の受光量算出部31に接続されている。
【0047】
受光量算出部31は、受光素子29で受光した反射光ビームの受光面27における到着点に基づき、シート材Pのループ量を三角測量方式で算出するもので、駆動制御部33に接続されている他、後述する以下の機能を有している。
【0048】
発光素子25は例えば赤外線発光ダイオード(LED)からなり、光ビーム出射口に適宜の光学系を配置しても良く、受光素子29も例えば位置検出素子からなり、受光面27の前面に適宜の光学系を配置しても良い。
【0049】
他方の搬送ガイド部21には、図1に示すように、発光素子25からの発光ビームをシート材P側に反射するミラーからなる反射部35が発光受光素子25、29側に向け、光学基準面と平行に対面配置されている。
【0050】
なお、ループ量検出部23を搬送ガイド部21側に配置するとともに、反射部35を搬送ガイド部19側に配置する構成も可能である。
【0051】
搬送ガイド部21は、樹脂製の場合でも大なり小なり光を反射するし、金属製の場合はその面が平滑面であることから樹脂製の場合よりもさらに光を反射し易く、必ずしも、反射部35が必須ではない(図2中破線参照)。
【0052】
受光量算出部31は、シート材Pからの反射光と同様に、反射部35からの反射光も受光面27における到着点に基づき、ループ量として三角測量方式で算出する機能を有している。算出は以下のようになされる。
【0053】
すなわち、ループ量検出部23は、図2に示すように、例えば搬送ガイド部19、21間を通過するシート材Pに向けて、光学基準面に対して所定の角度(θ)で発光素子25から光ビームを照射すると、もし、シート材Pが介在していれば、シート材Pで反射してきた発光素子25の反射光ビームが受光素子29における受光面27で受光される。
【0054】
そして、発光素子25における出射点Q1と、シート材P上における光ビームの反射点Q2と、受光素子29の受光面27における到着点Q3との各点を線分で結ぶことにより、反射点Q2を頂点とし、点Q1、Q3を底点とする二等辺三角形が形成される。
【0055】
ここで、発光素子25における出射点Q1の座標(X、Y)は既知であるから、受光素子29で受光した反射光ビームの受光面27における到着点Q3の座標(X、Y)が分かれば、光学基準面からシート材Pの反射点Q2に至る距離Lを、三角測量方式をもって求めることが可能となる。
【0056】
そして、シート材Pが、例えばジャム等によって搬送されてこないときには、反射点Q2がQ4に変位するものの、受光素子29で受光した反射光ビームの受光面27における到着点Q3の座標(X、Y)がQ4点へ変化するだけで、同様に、光学基準面から反射部35の反射点Q4に至る距離L’を、三角測量方式をもって算出することもできる。なお、反射部35がなくともシート材Pのループ量やジャム検出に影響し難い。
【0057】
しかも、反射部35の反射点Q4からの反射光は、OHP用のシート材Pが介在する場合よりも強く、その受光量は一定に近い。
【0058】
なお、図2においては、発光素子25から発射される光ビームを線状態で図示したが、実際にはある幅をもったものである。
【0059】
受光量算出部31は、シート検出部15から非透光性シート材を検出する検出情報が入力された状態の下で、距離Lの変化量が所定の基準変化量を超えて減少方向に大きければ、その算出結果を駆動制御部33に出力し、上述したように、シート材Pのループ量が所定の基準範囲(基準ループ量)内に収まるよう、駆動制御部33がモータM1、M2を各々独立して駆動制御し、感光体5および定着ローラ9を回転駆動する。なお、基準変化量としては 回転数±1%(0.1%step)程度が好ましい。
【0060】
すなわち、図3の実線で示すように、シート材Pが普通紙等の紙の用紙であれば、シート材Pが発光素子25から離れるようにループして距離Lが大きくなれば、センサとしての受光素子29からの出力が距離Lに応じて低下するから、この変化量が所定の基準変化量を超えて減少方向に変化し、ループ量検出部23で得られた多段階かつ高精度のループ量が感光体5および定着ローラ9の駆動制御系に反映される。シート材PがOHP用の用紙であっても同様である。
【0061】
他方、受光量算出部31は、プリンタドライバ、液晶パネル操作部等から透光性シート材を検出する検出情報が入力された状態の下で、受光素子29からの出力の変化量が所定の基準変化量を超えて減少方向に変化しないとき、すなわち受光素子29からの出力の変化量が一定又は小さいとき、シート材Pのジャムを検出する機能を有し、画像形成装置Aの図示しない操作パネル部に警報情報を出力する機能を有している。
【0062】
このような本発明に係る画像形成装置Aでは、担持されたトナー像をシート材Pに転写するための転写部13と、そのシート材Pの転写トナー像を定着させるための定着部17と、それらの転写部13および定着部17を各々独立して駆動するモータ(駆動部)M1、M2と、その転写部13から送り出されたシート材Pをその定着部17へ向けて案内するための搬送ガイド部19、21と、この搬送ガイド部19、21を通過するシート材Pに向けて照射した光ビームの反射光に基づきシート材Pのループ量を検出するループ量検出部31と、このループ量検出部31の算出結果に基づきモータM1、M2の駆動制御を行う駆動制御部33とを具備している。
【0063】
そして、上記ループ量検出部31は、その搬送ガイド部19、21を通過するシート材Pに向けて、光学基準面に対して所定の角度をもって光ビームを照射する発光素子25と、そのシート材P側で反射してきた発光素子25の反射光ビームを受光する受光面27を備えた受光素子29と、その受光素子29で受光した反射光ビームの受光面27における到着点に基づき受光量を検出し、検出された受光量が所定の基準変化量を超えて減少方向に変化したときその受光量からシート材Pのループ量を三角測量方式で算出してその駆動制御部33を制御し、検出されたその受光量が基準変化量を超えて減少方向に変化しないとき、そのシート材Pのジャムを検出する受光量算出部31とを有している。
【0064】
そのため、多段階かつ高精度のループ量を駆動制御系に反映させることを通じて、搬送ガイド部19、21を通過中のシート材Pのループを適量に維持してシート材Pを搬送可能となるから、転写ずれやしわのない画像形成に寄与することが可能である。
【0065】
しかも、シート材Pのループ検出が可能であるし、透光性の良好なシート材Pに対してはジャム検出が可能となるとともに、発光素子25および受光素子29によって双方の検出が可能であるから構成も簡単である。
【0066】
さらに、転写部13より上流に配置されたシート検出部15によってシート材Pの透光性と非透光性を検出し、この検出情報に基づきループ量検出部31がジャム又はループ量を検出可能であるから、シート検出部15によるシート材Pの透光性と非透光性の自動検出に基づき、非透光性シート材のループ量検出と透光性シート材のジャム検出が可能である。
【0067】
そして、本発明の画像形成装置においては、ループ量検出部23の受光量算出部31が、そのシート材Pが透光性を有するとき、そのジャムのみを検出する構成にしても良く、この構成では、ループ量検出センサを用いて透光性シート材のジャム検出が可能である。
【0068】
また、そのシート材Pが非透光性を有するとき、ループ量検出部23の受光量算出部31がそのループ量のみを検出する構成では、ループ量検出部23を用いて非透光性シート材のループ量検出が可能である。
【0069】
さらにまた、操作パネル部等からシート材Pが透光性を有する旨の選択指示が可能で、外部からの選択指示に基づき、ループ量検出センサを用いて非透光性シート材のループ量検出が可能である。
【0070】
そして、シート材Pが透光性を有する旨の選択指示は、例えば、給紙段の選択、外部からの印刷データを当該画像形成装置に送信する情報処理装置(何れも図示せず。)からのものであっても良い。
【0071】
また、上述した本発明の画像形成装置において、横方向の右方から左方に向けてシート材Pを搬送する画像形成部1を説明したが、本発明ではシート材Pの搬送方向として下方向から上方向に向けた構成の画像形成部1においても実施可能である。
【0072】
なお、本発明の画像形成装置において、像担持体として感光体5を例にして説明したが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、感光体に代えて、転写ベルト等を採用することも可能である。
【符号の説明】
【0073】
1 画像形成部
3 レジストローラ
5 感光体(転写部)
7 転写ローラ(転写部)
9 定着ローラ(定着部)
11 加圧ローラ(定着部)
13 転写部
15 シート検出部
17 定着部
19、21 搬送ガイド部
23 ループ量検出部
25 発光素子(ループ量検出部)
27 受光面(ループ量検出部)
29 受光素子(ループ量検出部)
31 受光量算出部(ループ量検出部)
33 駆動制御部
35 反射部
M1、M2 モータ(駆動部)
P シート材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
担持されたトナー像をシート材に転写するための転写部と、
前記シート材の転写トナー像を定着させるための定着部と、
前記転写部および前記定着部を各々独立して駆動する駆動部と、
前記転写部から送り出された前記シート材を前記定着部へ向けて案内するための搬送ガイド部と、
この搬送ガイド部を通過する前記シート材に向けて照射した光ビームの反射光に基づき前記シート材のループ量を算出するループ量検出部と、
このループ量検出部の算出結果に基づき前記駆動部を駆動制御する駆動制御部と、
を具備し、
前記ループ量検出部は、
前記搬送ガイド部を通過する前記シート材に向けて、光学基準面に対して所定の角度をもって光ビームを照射する発光素子と、
前記シート材側で反射してきた前記発光素子の反射光ビームを受光する受光面を備えた受光素子と、
前記受光素子で受光した前記反射光ビームの前記受光面における到着点に基づき受光量を検出し、前記シート材が非透光性を有するとき、検出された前記受光量が所定の基準変化量を超えて減少方向に変化したとき前記受光量から前記シート材のループ量のみを三角測量方式で算出し、この算出結果によって前記駆動制御部を制御し、前記シート材が透光性を有し、検出された前記受光量が前記基準変化量を超えて減少方向に変化しないとき、前記シート材のジャムのみを検出する受光量算出部とを有する、
ことを具備することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ループ量検出部の前記受光量算出部は、前記転写部より上流に配置されたシート検出部であって前記シート材の透光性と非透光性を検出するシート検出部からの検出に基づき、前記ジャム又はループ量のみを検出する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ループ量検出部の前記受光量算出部は、透光性を有する前記シート材の外部からの選択指示に基づき、前記ジャムのみを検出する請求項1記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−50729(P2013−50729A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−228501(P2012−228501)
【出願日】平成24年10月16日(2012.10.16)
【分割の表示】特願2008−212459(P2008−212459)の分割
【原出願日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】