説明

画像欠陥検査装置、欠陥分類装置及び画像欠陥検査方法

【課題】 検査画像に含まれるノイズレベルの検査画像に対する依存性が大きい場合にも、最適な欠陥検出条件で欠陥を検出可能な画像欠陥検査装置、欠陥検査分類、及び画像欠陥検査方法を提供する。
【解決手段】 2つの検査画像の対応する部分画像のグレイレベル差から欠陥を検出するための欠陥検出条件のパラメータを変えて、複数の欠陥検出条件で検出した検出結果を求めておき、これら複数の検査結果のうちから選んで最適な検出結果を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの画像の対応する部分のグレイレベル差を検出し、検出したグレイレベル差を閾値と比較して、グレイレベル差が閾値より大きい場合に欠陥であると判定する画像欠陥検査装置及び画像欠陥検査方法、ならびにこのような検査装置や方法により検出された欠陥を分類する欠陥分類装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、同一であるべき2つの画像の対応する部分を比較して、差が大きな部分を欠陥と判定する画像処理方法、装置及び解析装置を対象とする。ここでは半導体製造工程で半導体ウエハ上に形成した半導体回路パターンの欠陥を検出する外観検査装置(インスペクションマシン)を例として説明を行なうが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0003】
一般の外観検査装置は、対象表面を垂直方向から照明してその反射光の像を捕らえる明視野検査装置であるが、照明光を直接捕らえない暗視野検査装置も使用されている。暗視野検査装置の場合、対象表面を斜め方向又は垂直方向から照明して正反射は検出しないようにセンサを配置し、照明光の照射位置を順次走査することにより対象表面の暗視野像を得る。従って、暗視野装置ではイメージセンサを使用しない場合もあるが、これも当然発明の対象である。このように、本発明は、同一であるべき2つの画像(信号)の対応する部分を比較して、差が大きな部分を欠陥と判定する画像処理方法及び装置であれば、どのような方法及び装置にも適用可能である。
【0004】
半導体製造工程では、半導体ウエハ上に多数のチップ(ダイ)を形成する。各ダイには何層にも渡ってパターンが形成される。完成したダイは、プローバとテスタにより電気的な検査が行われ、不良ダイは組み立て工程から除かれる。半導体製造工程では、歩留まりが非常に重要であり、上記の電気的な検査の結果は製造工程にフィードバックされて各工程の管理に使用される。しかし、半導体製造工程は多数の工程で形成されており、製造を開始してから電気的な検査が行われるまで非常に長時間を要するため、電気的な検査により工程に不具合があることが判明した時には既に多数のウエハは処理の途中であり、検査の結果を歩留まりの向上に十分に生かすことができない。そこで、途中の工程で形成したパターンを検査して欠陥を検出するパターン欠陥検査が行われる。全工程のうちの複数の工程でパターン欠陥検査を行なえば、前の検査の後で発生した欠陥を検出することができ、検査結果を迅速に工程管理に反映することができる。
【0005】
図1に、本特許出願の出願人が、特願2003−188209(下記特許文献1)にて提案する外観検査装置のブロック図を示す。図示するように、2次元又は3次元方向に自在に移動可能なステージ1の上面に試料台(チャックステージ)2が設けられている。この試料台の上に、検査対象となる半導体ウエハ3を載置して固定する。ステージの上部には1次元又は2次元のCCDカメラなどを用いて構成される撮像装置4が設けられており、撮像装置4は半導体ウエハ3上に形成されたパターンの画像信号を発生させる。
【0006】
図2に示すように、半導体ウエハ3上には、複数のダイ3Aが、X方向とY方向にそれぞれ繰返し、マトリクス状に配列されている。各ダイには同じパターンが形成されるので、隣接するダイの対応する部分の画像を比較するのが一般的である。両方のダイに欠陥がなければグレイレベル差は閾値より小さいが、一方に欠陥があればグレイレベル差は閾値より大きくなる(シングルディテクション)。これではどちらのダイに欠陥があるか分からないので、更に異なる側に隣接するダイとの比較を行ない、同じ部分のグレイレベル差が閾値より大きくなればそのダイに欠陥があることが分かる(ダブルディテクション)。
【0007】
撮像装置4は1次元のCCDカメラを備え、カメラが半導体ウエハ3に対してX方向又はY方向に一定速度で相対的に移動(スキャン)するようにステージ1を移動する。画像信号は多値のディジタル信号(グレイレベル信号)に変換された後、差分検出部6に入力されると共に、信号記憶部5に記憶される。スキャンにより隣のダイのグレイレベル信号(検査画像信号)が生成されると、それに同期して信号記憶部5に記憶された前のダイのグレイレベル信号(基準画像信号)を読み出し、差分検出部6に入力する。実際には微小な位置合わせ処理などが行われるがここでは詳しい説明は省略する。
【0008】
差分検出部6には隣接する2個のダイのグレイレベル信号が入力され、2つのグレイレベル信号の差(グレイレベル差)が演算されて検出閾値計算部7と欠陥検出部8に出力される。ここでは、差分検出部6は、対比される2個のダイの撮像画像に含まれる各画素のグレイレベル差を算出し、それをグレイレベル差として出力する。検出閾値計算部7は、グレイレベル差の分布に応じて自動的に検出閾値を決定し、欠陥検出部8に出力する。欠陥検出部8は、グレイレベル差を決定された閾値と比較し、欠陥かどうかを判定する。そして欠陥検出部8は、欠陥と判定された部分について、各欠陥毎に、その欠陥の位置やグレイレベル差、検出時の検出閾値等の欠陥パラメータなどを含む欠陥情報を出力する。
【0009】
その後、欠陥と判定された部分を更に詳細に調べるため、欠陥情報は自動欠陥分類(ADC)装置に供される(図示せず)。自動欠陥分類装置では、欠陥と判定された部分が歩留に影響する真の欠陥であるか、それとも撮像画像のノイズなどの影響によって誤検出した疑似欠陥であるか、またはどのような種類の欠陥(配線ショート、パターン欠損もしくはパーティクル等)であるかを判定する欠陥分類処理を行っている。
この欠陥分類処理では、欠陥の部分を詳細に調べる必要があるため長い処理時間を必要とする。そのため、欠陥を判定する場合には、真の欠陥は漏らさず、且つ真の欠陥以外はできるだけ欠陥と判定しないことが要求される。
【0010】
そこで、閾値の設定が大きな問題になる。閾値を小さくすると欠陥と判定される画素(ピクセル)が増加し、真の欠陥でない部分まで欠陥と判定されることになり、その結果として欠陥分類処理に要する時間が長くなるという問題を生じる。逆に、閾値を大きくしすぎると真の欠陥まで欠陥でないと判定されることになり、検査が不充分になるという問題を生じる。
【0011】
本特許出願の出願人が、特願2003−188209(下記特許文献1)にて提案する外観検査装置では、検出閾値計算部7は、グレイレベル差の分布に応じて検出閾値を決定する。
検出閾値計算部7は、差分検出部6から、図3の(A)に示すような分布のグレイレベル差信号を入力すると、そのヒストグラムを作成する。そして図3の(B)に示すような累積頻度を算出し、このグレイレベル差の分布が所定の分布に従っているとの仮定の下で、累積頻度がグレイレベル差に対してリニアな関係になるように変換した変換累積頻度を算出する(図3の(C)参照)。
【0012】
その後、この変換累積頻度の近似直線を算出して、この算出した近似直線に基づいて所定の累積頻度の値から所定の算出方法に従って閾値を決定する。例えば図3の(C)の例では閾値TはT=(P1−b+VOP)/a+HOで算出される。ここにaは近似直線の傾き、bは縦軸に対する近似直線の切片(すなわちグレイレベル差=0となる累積頻度)であり、P1は所定の累積確率(p)に対応する累積頻度であり、VOP、HOは所定の感度設定パラメータである。
【0013】
【特許文献1】特開2004−177397号公報
【特許文献2】特開平4−107946号公報
【特許文献3】特許第2996263号公報
【特許文献4】特開2002−22421号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上述の画像比較による欠陥検査においては、検査画像に含まれるノイズレベルの検査画像に対する依存性が大きい場合には、グレイレベル差の分布が検査画像によって大きく異なり、例えば上述の手法などのようにグレイレベル差の分布に応じて検査画像ごとに検出条件を決定しても、最適な値を欠陥検査前に決定することは困難となる。
【0015】
上記問題点に鑑み、本発明は、検査画像に含まれるノイズレベルの検査画像に対する依存性が大きい場合にも、最適な欠陥検出条件で欠陥を検出可能な画像欠陥検査装置、欠陥検査分類、及び画像欠陥検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、本発明では、2つの検査画像の対応する部分画像のグレイレベル差から欠陥を検出するための欠陥検出条件のパラメータを変えて、複数の欠陥検出条件で検出した検出結果を求めておき、これら複数の検査結果のうちから選んで最適な検出結果を得る。
そのために、本発明の第1形態による画像欠陥検査装置は、2つの検査画像の対応する部分画像のグレイレベル差を検出し、そのグレイレベル差が欠陥検出条件を満たすとき、2つの検査画像のうちいずれかの部分画像が欠陥であると判定する画像欠陥検査装置であって、パラメータの値を変えた複数の欠陥検出条件の下でそれぞれ検出される各欠陥集合をそれぞれ出力する。
【0017】
各欠陥集合を出力するために、画像欠陥検査装置は、欠陥であると判定された部分画像について少なくともグレイレベル差の値を含む欠陥情報を生成する欠陥情報生成部と、あるパラメータの値を有する欠陥検出条件の下で検出した欠陥の集合を母集合として、この母集合に含まれる各欠陥を各々の欠陥情報のグレイレベル差の値に応じてパラメータの値を変えた複数の欠陥検出条件で分類することにより各欠陥集合を生成する欠陥集合生成部と、を備えて構成されてよい。
【0018】
画像欠陥検査装置は、複数の欠陥検出条件において検出される欠陥集合どうしの差集合及び/又は和集合を算出する欠陥集合演算部を備えて構成されてもよい。
複数の欠陥検査条件の下で検出した各欠陥集合から、最適なパラメータ値の欠陥検出条件の下で検出した欠陥を求めるために、画像欠陥検査装置は、パラメータとこのパラメータの値を変えた複数の欠陥検出条件の下でそれぞれ検出される欠陥数との間の関数を導出する関数導出部と、関数に基づいて最適なパラメータの値を選択するパラメータ選択部と、を備え、選択されたパラメータの値を有する欠陥検出条件の下で検出した欠陥の集合を出力するように構成してもよい。
【0019】
また、画像欠陥検査装置が、本来同一であるべきパターンが複数形成された検査対象の対応する2箇所を撮像した2つの検査画像の、対応する部分画像どうしのグレイレベル差を検出し、そのグレイレベル差が欠陥検出条件を満たすとき、2つの検査画像のうちいずれかの部分画像が欠陥であると判定するために使用される場合には、パラメータの値を変えた複数の欠陥検出条件の下でそれぞれ検出される各欠陥数と、複数の欠陥検出条件のそれぞれについて予め定めた異常判定欠陥閾値とをそれぞれ比較して、検査対象の異常を判定する異常判定部を備えて構成してよい。
【0020】
また、本発明の第2形態による欠陥分類装置は、2つの検査画像の対応する部分画像のグレイレベル差を検出しそのグレイレベル差がある欠陥検出条件を満たすとき2つの検査画像のうちいずれかの部分画像が欠陥であると判定し欠陥であると判定された部分画像について少なくともグレイレベル差の値を含めて生成された欠陥情報を入力する欠陥情報入力部と、欠陥検出条件のパラメータの値を変えて欠陥を検出した場合の各欠陥集合をそれぞれ生成する欠陥集合生成部と、を備えて構成され、欠陥集合生成部は、欠陥情報入力部から欠陥情報が入力された各欠陥を、それぞれのグレイレベル差の値に応じて、パラメータの値を変えた複数の欠陥検出条件で分類することによって、各欠陥集合を生成する。
【0021】
欠陥分類装置は、複数の欠陥検出条件において検出される欠陥集合どうしの差集合及び/又は和集合を算出する欠陥集合演算部を備えて構成されてよい。
また、欠陥分類装置は、パラメータとこのパラメータの値を変えた複数の欠陥検出条件の下でそれぞれ検出される欠陥数との間の関数を導出する関数導出部と、関数に基づいて最適なパラメータの値を選択するパラメータ選択部と、を備えて構成され、選択されたパラメータの値を有する欠陥検出条件の下で検出した欠陥の集合を出力するよう構成されてよい。
【0022】
さらに、欠陥分類装置は、検査画像によって表された検査対象の異常を判定する異常判定部を備えて構成され、異常判定部は、パラメータの値を変えた複数の欠陥検出条件の下でそれぞれ検出される欠陥の各欠陥数と、複数の欠陥検出条件のそれぞれについて予め定めた異常判定欠陥閾値とをそれぞれ比較して、検査対象の異常を判定するよう構成されてよい。
【0023】
さらに、本発明の第3形態による画像欠陥検査方法は、2つの検査画像の対応する部分画像のグレイレベル差を検出し、そのグレイレベル差が欠陥検出条件を満たすとき、2つの検査画像のうちいずれかの部分画像が欠陥であると判定する画像欠陥検査方法であって、パラメータの値を変えた複数の欠陥検出条件の下でそれぞれ検出される各欠陥集合をそれぞれ出力する。
【0024】
画像欠陥検査方法は、あるパラメータの値を有する欠陥検出条件の下で欠陥を検出して検出された欠陥の集合を母集合とし、欠陥の検出の際に各欠陥毎に少なくともグレイレベル差の値を含む欠陥情報を生成し、母集合に含まれる各欠陥を各々の欠陥情報のグレイレベル差の値に応じてパラメータの値を変えた複数の欠陥検出条件で分類することにより各欠陥集合を生成する、こととしてよい。
また、画像欠陥検査方法は、複数の欠陥検出条件において検出される欠陥集合どうしの差集合及び/又は和集合を算出することとしてよい。
【0025】
さらに、画像欠陥検査方法は、パラメータとこのパラメータの値を変えた複数の欠陥検出条件の下でそれぞれ検出される欠陥数との間の関数を導出し、関数に基づいて最適なパラメータの値を選択し、選択されたパラメータの値を有する欠陥検出条件の下で検出した欠陥の集合を出力することとしてよい。
またさらに、本来同一であるべきパターンが複数形成された検査対象の対応する2箇所を撮像した2つの検査画像の、対応する部分画像どうしのグレイレベル差を検出し、そのグレイレベル差が欠陥検出条件を満たすとき、2つの検査画像のうちいずれかの部分画像が欠陥であると判定する場合には、画像欠陥検査方法は、パラメータの値を変えた複数の欠陥検出条件の下でそれぞれ検出される欠陥の各欠陥数と、複数の欠陥検出条件のそれぞれについて予め定めた異常判定欠陥閾値とをそれぞれ比較して、検査対象の異常を判定することとしてよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、検査画像に含まれるノイズレベルの検査画像に対する依存性が大きい場合にも、欠陥検出後に最適な欠陥検出条件を求めてこの最適な条件の下で検出した結果を得ることができるため、検出精度が高い画像欠陥検査が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、添付する図面を参照して本発明の実施例を説明する。図4は、本発明の実施例による半導体回路用の外観検査装置のブロック図である。図4に示す外観検査装置は、図1を参照して説明した従来の外観検査装置に類似する構成を有しており、したがって同一の構成要素には同じ参照符号を付して示し、説明を省略する。
【0028】
外観検査装置10は欠陥集合生成部21を備える。欠陥集合生成部21は、パラメータの値を変えた複数の欠陥検出条件の下でそれぞれ検出される各欠陥集合を生成する。以下、欠陥検出条件のパラメータの例として、欠陥検出部8において2個のダイの撮像画像の対応する部分の各画素同士のグレイレベル信号の差信号であるグレイレベル差と比較される、検出閾値を例示して説明する。
【0029】
2個のダイの撮像画像の絶対値グレイレベル差信号は、概ね図5の(A)のような分布を有する。すなわち2個のダイの撮像画像に平均的な明度差(色ムラ)が無ければ、グレイレベル差が0の部分の画素数が最も多くなり、グレイレベル差が大きくなるに従い画素数が少なくなる。
したがって、欠陥検出条件のパラメータである検出閾値を変えながら各検出閾値において欠陥検出をしたときの検出欠陥数の変化を求めると図5の(B)に示すグラフの通りとなる。検出閾値がゼロ、すなわちグレイレベル差が0以上の画素を欠陥として検出する場合には全画素が欠陥として検出され、検出閾値を増大させるに従って検出される欠陥数が減少してやがて検出欠陥数は0となる。
【0030】
欠陥集合生成部21は、検出閾値を例えばT1、T2…T7と変えたときにそれぞれ検出される欠陥情報の各集合を、各検出閾値T1〜T7に対応する検出結果として出力する。図5の(B)の例では、検出閾値T1のときに検出される欠陥情報の集合にはD1個の欠陥数が含まれ、検出閾値T2のときに検出される欠陥情報の集合にはD2個の欠陥数が含まれ、検出閾値T3のときに検出される欠陥情報の集合にはD3個の欠陥数が含まれるとする。
【0031】
欠陥集合生成部21による各欠陥集合の生成は、例えば以下により実現することが可能である。例えば、欠陥検出部8において、検出閾値を予め低い閾値T1に設定しておき(すなわち検出感度を高くしておき)、この閾値T1よりも大きなグレイレベル差を有する画素を全て欠陥と検出して欠陥情報を出力させる。
【0032】
このとき、欠陥検出部8は欠陥検出時に当該画素部分が有していたグレイレベル差の値を欠陥情報に含めておく。欠陥集合生成部21は、閾値T1の下で検出された全ての欠陥情報の集合を母集合として、この母集合に含まれる各欠陥の欠陥情報に含まれるグレイレベル差と各検出閾値T2〜T7とを比較して、母集合に含まれる各欠陥が各検出閾値の下で検出した場合にそれぞれ検出されるか否かを決定する。そして母集合に含まれる各欠陥を、各検出閾値によって検出されるか否かによって分類分けして、各検出閾値に対応する欠陥集合を生成する。
外観検査装置10はこのように生成した欠陥集合を、図示しない表示装置や、上述の自動欠陥分類装置などに出力することとしてよい。
【0033】
欠陥情報の採取を開始するグレイレベルT1は、例えば所定の値として予め定めてもよく、または検出閾値計算部7が自動的に算出した検出閾値の値に基づいて(例えば自動算出した閾値に所定のグレイレベル差数を加減して)求めることとしてよい。
また、上記説明では欠陥検出部8が所定の閾値T1で検出して得られた欠陥情報を母集合とし、欠陥検出後に欠陥集合生成部21が母集合に含まれる各欠陥情報を各欠陥集合に分類分けしたが、これに変えて、検出閾値計算部7が複数個の検出閾値を算出して、欠陥検出部8がこれら各検出閾値について検出した欠陥の集合を欠陥集合として求めてもよい。
【0034】
また上記説明では欠陥検出条件のパラメータとして検出閾値を例に挙げて説明を行ったが、検出閾値だけでなく、欠陥検出条件のパラメータとして上述のa、b、P1、VOPやHOなどの検出閾値を設定するための各種欠陥パラメータを変えて、複数の欠陥検出条件の下での欠陥集合を作成してもよい。
このとき、欠陥検出部8は欠陥検出時に使用した欠陥パラメータの値も欠陥情報に含めておく。欠陥集合生成部21は、検出閾値を設定するために必要な欠陥パラメータのうち、複数の検出閾値を決定する際に変化させる可変パラメータ以外の固定パラメータの値を欠陥情報から取り出して、これら取り出した固定パラメータ値と可変パラメータ値とを使用して、可変パラメータ値を変化させた場合の複数の検出閾値を決定し、これら各検出閾値の下で検出される欠陥の集合を上記欠陥集合として生成してよい。
【0035】
外観検査装置10は、さらにパラメータとこのパラメータの値を変えた複数の欠陥検出条件の下でそれぞれ検出される欠陥数との間の関数を導出する関数導出部22と、この関数に基づいて欠陥検出に最適なパラメータの値を選択するパラメータ選択部23と、選択されたパラメータの値で定められる欠陥検出条件の下で検出される欠陥を選択する欠陥選択部24と、を備える。
欠陥検出条件のパラメータとして検出閾値を例に挙げて説明すると、関数導出部22は、欠陥集合生成部21が生成した各検出閾値の下で検出した場合にそれぞれ検出される欠陥集合を入力し、各欠陥集合に含まれる欠陥数と検出閾値との間の関数を導出する。この関数のグラフは先に説明した図5の(B)のように表すことができる。導出する関数の形式は、欠陥数と検出閾値との間の関係を示すデータテーブルの形式でも良く、または近似式による数式表現でもよい。
【0036】
次にパラメータ選択部23は、関数導出部22が導出した関数に基づいて最適な検出閾値を選択する。ここに最適な検出閾値とは疑似欠陥が発生せず、かつできるだけ小さな(すなわち高感度な)検出閾値である。このような検出閾値は例えば以下のようにして選択してよい。
一般に、欠陥数と検出閾値との間の関数は検出閾値に対して単調減少関数(図5の(B)を参照)となる。ここで図5の(C)及び図5の(D)に示すように、図5の(B)に示す欠陥数の1次微分値と2次微分値を導出すると、2次微分値が0となる変曲点において欠陥数が急激に変化するため、この2次微分値が0となる検出閾値を算出して、この閾値を基準として(例えばこの閾値に固定値を加えるなどにより)上記の最適な検出閾値を選択する。
【0037】
そして欠陥選択部24は、欠陥検出部8が検出した欠陥のうち、その欠陥情報に含まれるグレイレベル差がパラメータ選択部23により選択された検出閾値を超える欠陥のみを、検出結果として選択する。これら選択された欠陥情報もまた、図示しない表示装置や自動欠陥分類装置などに出力することとしてよい。
このように、本発明の実施例による外観検査装置10は、欠陥を検出する最適な検出条件を、実際に検出した欠陥情報に基づいて欠陥検出後に事後的に決定することを可能とすることにより、欠陥検出の前に事前に検出条件を決定する従来の外観検査装置では困難であった最適な検出条件の決定を可能とする。
さらに、検出感度の最適化を欠陥検出後に行うことができるため、欠陥検出の際の検出感度を高めに設定することが可能となり、漏れのない欠陥検出を実現することが可能となる。
【0038】
外観検査装置10は、欠陥集合生成部21により生成された各欠陥集合どうしの差集合や和集合を演算する欠陥集合演算部25を備えることとしてよい。例えばパラメータである閾値T1及びT2(T1<T2)の下で検出された欠陥集合S1及び欠陥集合S2どうしの差集合(S1−S2)は、検出閾値をT2からT1に下げた場合に増加した欠陥の増分を与える。したがってこの差集合はパラメータ選択部23がパラメータ変化に対する欠陥数変動を検出して最適パラメータを選択する際に有用である。
【0039】
また、例えば、閾値T1、T2、T3及びT4(T1<T2<T3<T4)の下で検出された欠陥集合をそれぞれS1、S2、S3及びS4として、差集合(S1−S2)及び(S3−S4)の和集合を求めることにより、差集合S1−S4から、差集合S2−S3の部分を中抜きすることが可能となる。これは例えばある決まった範囲の検出条件でのみ検出される欠陥情報を検出結果から除外するときなどに有用である。これら演算された欠陥集合もまた、図示しない表示装置や、上述の自動欠陥分類装置などに出力することとしてよい。
【0040】
外観検査装置10は、ダイ3Aやウエハ3などの試料の異常を、これらに試料の各部について検出された欠陥数に基づいて判定する異常判定部27を備える。ここで異常判定部27は、パラメータの値を変えた複数の欠陥検出条件の下でそれぞれ検出される欠陥の各欠陥数と、複数の欠陥検出条件のそれぞれについて予め定めた異常判定欠陥閾値とをそれぞれ比較して、検査対象の異常を判定する。この理由を、上述と同様に欠陥検出条件のパラメータとして検出閾値を例に挙げて説明する。
【0041】
図6の(A)は、図5の(B)に示す検出閾値と検出欠陥数との関係のグラフのうち、最適検出閾値付近を拡大したグラフである。ここで検出閾値T2〜T3の範囲において検出される欠陥は疑似欠陥であり、図示する通り検出欠陥数が検出閾値T2〜T3の範囲で急激に減少するものとする。
ここで、従来の欠陥検出方法と同様に、1つの検出閾値T1における検出欠陥数D1のみを検出してこの検出欠陥数D1が所定の異常判定欠陥閾値N1より超えるか否かで、試料が異常であるか否かを判定するとする。
【0042】
この場合、閾値範囲T2〜T3において検出欠陥数が激減することは未知であるので、運悪く検出閾値T1が、このような閾値範囲T2〜T3よりも小さく設定されていることと知らず、検出欠陥数D1が所定の異常判定欠陥閾値N1を超えた事実のみをもって、試料が誤って異常であると判定されてしまう可能性がある。
そこで、異常判定部27は、検出閾値を変えたT1、T2…T8と変えた複数の欠陥検出条件の下でそれぞれ検出される欠陥の各欠陥数D1、D2…D8と、複数の欠陥検出条件のそれぞれについて予め定めた異常判定欠陥閾値N1、N2…N8とをそれぞれ比較して検査対象の異常を判定する。
【0043】
例えば、異常判定部27は、各欠陥数D1、D2…D8全てがそれぞれの異常判定欠陥閾値N1、N2…N8を超えた場合にのみ異常と判定することとしてよい。または異常判定部27は、異常判定欠陥閾値を超えた各欠陥数の数が所定数以上となった場合にのみ異常と判定することとしてよく、または異常判定欠陥閾値を超えた各欠陥数の数と異常判定欠陥閾値を超えない各欠陥数の数との割合によって異常を判定することとしてよい。
【0044】
このように複数の欠陥検出条件で検出される欠陥数を考慮して試料の異常を判定することによって、1つの欠陥検出条件で検出される欠陥数のみに基づいて判定する場合に生じていた誤判定が防止される。なお、検出した異常情報もまた、上述の各種欠陥情報と同様に、図示しない表示装置や自動欠陥分類装置などに出力することとしてよい。
また異常判定部27は、欠陥選択部24が選択した最適化された閾値で検出された欠陥の欠陥数を考慮して、試料の異常を判定してもよい。
【0045】
図7は、本発明の実施例による外観検査システムの構成図である。外観検査システムは、図1を参照して説明した外観検査装置10と、外観検査装置10から出力された欠陥情報を入力して、欠陥と判定された部分が歩留に影響する真の欠陥であるか、それとも撮像画像のノイズなどの影響によって誤検出した疑似欠陥であるか、またはどのような種類の欠陥(配線ショート、パターン欠損もしくはパーティクル等)であるかを判定する自動欠陥分類装置50と、を備える。
【0046】
上述したように、図4に示す外観検査装置10の欠陥検出部8が出力する欠陥情報には、検出した欠陥部分の座標値、グレイレベル差の他、検出時の欠陥検出閾値や、各種欠陥パラメータを含ませることが可能である。したがってこのとき欠陥集合生成部21、関数導出部22、パラメータ選択部23、欠陥選択部24、欠陥集合演算部25及び異常判定部27は、欠陥検出部8が出力する欠陥情報のみを入力して、欠陥検出条件のパラメータの値を変えて検出した場合の各欠陥集合を生成することもできる。したがってこれらの構成要素21〜27の機能は外観検査装置10とは別個に設けることが可能であり、以下に示すとおり、上述の自動欠陥分類装置50に持たせることも可能である。
【0047】
自動欠陥分類装置50は、従来の自動欠陥分類を行う欠陥分類部60に加えて、図4を参照して説明した欠陥集合生成部21、関数導出部22、パラメータ選択部23、欠陥選択部24、欠陥集合演算部25及び異常判定部27と同様の欠陥集合生成部51、関数導出部52、パラメータ選択部53、欠陥選択部54、欠陥集合演算部55及び異常判定部57を備える。
欠陥集合生成部51は、外観検査装置10の欠陥検出部8(図1参照)が出力した欠陥情報を欠陥の母集合として入力して、この母集合に含まれる欠陥を欠陥検出条件のパラメータの値を変えて検出した場合の各欠陥集合をそれぞれ生成する。
【0048】
関数導出部52は、欠陥集合生成部51により生成されたパラメータの値を変えた複数の欠陥検出条件の下でそれぞれ検出される欠陥集合に含まれる欠陥数と、このパラメータとの間の関数を導出する。
パラメータ選択部53は、関数導出部52が導出した関数に基づいて欠陥検出に最適なパラメータの値を選択する。
欠陥選択部54は、パラメータ選択部53により選択されたパラメータの値で定められる欠陥検出条件の下で検出される欠陥を、外観検査装置10の欠陥検出部8から入力した欠陥情報から選択する。
【0049】
欠陥集合演算部55は、欠陥集合生成部51により生成された各欠陥集合どうしの差集合や和集合を演算する。
異常判定部57は、欠陥集合生成部51により生成されたパラメータの値を変えた複数の欠陥検出条件の下でそれぞれ検出される集合欠陥の各欠陥数と、複数の欠陥検出条件のそれぞれについて予め定めた異常判定欠陥閾値とをそれぞれ比較して、外観検査装置10の欠陥検出部8が欠陥情報を出力した試料についてその異常を判定する。または、異常判定部57は、欠陥選択部54が選択した最適化された閾値で検出された欠陥の欠陥数を考慮して、試料の異常を判定してもよい。
また欠陥分類部60は、従来どおり外観検査装置10から入力された欠陥情報を分類するのに加えて、欠陥集合生成部51、欠陥集合演算部55及び欠陥選択部54から出力された欠陥集合に含まれる欠陥を、例えば、どのような種類の欠陥(配線ショート、パターン欠損もしくはパーティクル等)であるかなどに応じて分類することとしてもよい。
上記構成要素51〜57の機能は、図4を参照して説明した欠陥集合生成部21、関数導出部22、パラメータ選択部23、欠陥選択部24、欠陥集合演算部25及び異常判定部27と同様であり、詳しい説明は省略する。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、2つの画像の対応する部分のグレイレベル差を検出し、検出したグレイレベル差を閾値と比較して、グレイレベル差が閾値より大きい場合に欠陥であると判定する画像欠陥検査装置及び画像欠陥検査方法、ならびにこのような検査装置や方法により検出された欠陥を分類する欠陥分類装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】従来の外観検査装置の概略構成図である。
【図2】半導体ウエハ上の台の配列を示す図である。
【図3】従来の画像欠陥検査方法を説明する図である。
【図4】本発明の実施例による外観検査装置の概略構成図である。
【図5】(A)はグレイレベル差信号の分布の一例を示す図であり、(B)は(A)の分布における検出感度と検出欠陥数との関係を示すグラフであり、(C)は(B)の検出欠陥数の1次微分値と検出感度との関係を示すグラフであり、(D)は(B)の検出欠陥数の2次微分値と検出感度との関係を示すグラフである。
【図6】(A)は1つの検出閾値における検出欠陥数を用いて試料の異常を判定する方法を説明する図であり、(B)は複数の検出閾値における検出欠陥数を用いて試料の異常を判定する方法を説明する図である。
【図7】本発明の実施例による外観検査システムの構成図である。
【符号の説明】
【0052】
1 ステージ
2 試料台
3 ウエハ
4 撮像装置
5 信号記憶部
6 差分検出部
7 検出閾値計算部
8 欠陥検出部
21 欠陥集合生成部
22 関数導出部
23 パラメータ選択部
24 欠陥選択部
25 欠陥集合演算部
27 異常判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの検査画像の対応する部分画像のグレイレベル差を検出し、そのグレイレベル差が欠陥検出条件を満たすとき、前記2つの検査画像のうちいずれかの前記部分画像が欠陥であると判定する画像欠陥検査装置において、
パラメータの値を変えた複数の前記欠陥検出条件の下でそれぞれ検出される各欠陥集合をそれぞれ出力することを特徴とする画像欠陥検査装置。
【請求項2】
前記欠陥であると判定された前記部分画像について、少なくとも前記グレイレベル差の値を含む欠陥情報を生成する欠陥情報生成部と、
あるパラメータの値を有する前記欠陥検出条件の下で検出した欠陥の集合を母集合として、該母集合に含まれる各欠陥を、各々の前記欠陥情報のグレイレベル差の値に応じて、前記パラメータの値を変えた複数の欠陥検出条件で分類することにより、前記各欠陥集合を生成する欠陥集合生成部と、
を備えることを特徴とする、請求項1に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項3】
前記複数の欠陥検出条件において検出される欠陥集合どうしの差集合及び/又は和集合を算出する欠陥集合演算部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項4】
2つの検査画像の対応する部分画像のグレイレベル差を検出し、そのグレイレベル差が欠陥検出条件を満たすとき、前記2つの検査画像のうちいずれかの前記部分画像が欠陥であると判定する画像欠陥検査装置において、
パラメータの値を変えた複数の前記欠陥検出条件の下でそれぞれ検出される欠陥数と、このパラメータとの間の関数を導出する関数導出部と、
前記関数に基づいて最適な前記パラメータの値を選択するパラメータ選択部と、を備え、
選択された前記パラメータの値を有する前記欠陥検出条件の下で検出した欠陥の集合を出力することを特徴とする画像欠陥検査装置。
【請求項5】
本来同一であるべきパターンが複数形成された検査対象の対応する2箇所を撮像した2つの検査画像の、対応する部分画像どうしのグレイレベル差を検出し、そのグレイレベル差が欠陥検出条件を満たすとき、前記2つの検査画像のうちいずれかの前記部分画像が欠陥であると判定する画像欠陥検査装置において、
パラメータの値を変えた複数の前記欠陥検出条件の下でそれぞれ検出される各欠陥数と、前記複数の前記欠陥検出条件のそれぞれについて予め定めた異常判定欠陥閾値とをそれぞれ比較して、前記検査対象の異常を判定する異常判定部を備えることを特徴とする画像欠陥検査装置。
【請求項6】
前記欠陥であると判定された前記部分画像について、少なくとも前記グレイレベル差の値を含む欠陥情報を生成する欠陥情報生成部と、
あるパラメータの値を有する前記欠陥検出条件の下で検出した欠陥の集合を母集合として、該母集合に含まれる各欠陥を、各々の前記欠陥情報のグレイレベル差の値に応じて、前記パラメータの値を変えた複数の欠陥検出条件で分類することにより、前記パラメータの値を変えた複数の前記欠陥検出条件の下でそれぞれ検出される欠陥の集合を生成する欠陥集合生成部と、
を備えることを特徴とする請求項4又は5に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項7】
2つの検査画像の対応する部分画像のグレイレベル差を検出し、そのグレイレベル差がある欠陥検出条件を満たすとき前記2つの検査画像のうちいずれかの前記部分画像が欠陥であると判定し、欠陥であると判定された前記部分画像について少なくとも前記グレイレベル差の値を含めて生成された欠陥情報を入力する欠陥情報入力部と、
前記欠陥検出条件のパラメータの値を変えて前記欠陥を検出した場合の各欠陥集合をそれぞれ生成する欠陥集合生成部と、を備え、
前記欠陥集合生成部は、前記欠陥情報入力部から前記欠陥情報が入力された各欠陥を、それぞれの前記グレイレベル差の値に応じて、前記パラメータの値を変えた複数の欠陥検出条件で分類することによって、前記各欠陥集合を生成することを特徴とする欠陥分類装置。
【請求項8】
前記複数の欠陥検出条件において検出される欠陥集合どうしの差集合及び/又は和集合を算出する欠陥集合演算部を備えることを特徴とする請求項7に記載の欠陥分類装置。
【請求項9】
前記パラメータと、該パラメータの値を変えた複数の前記欠陥検出条件の下でそれぞれ検出される欠陥数と、の間の関数を導出する関数導出部と、
前記関数に基づいて最適な前記パラメータの値を選択するパラメータ選択部と、を備え、
選択された前記パラメータの値を有する前記欠陥検出条件の下で検出した欠陥の集合を出力することを特徴とする請求項7に記載の欠陥分類装置。
【請求項10】
前記検査画像によって表された検査対象の異常を判定する異常判定部をさらに備え、
前記異常判定部は、前記パラメータの値を変えた複数の前記欠陥検出条件の下でそれぞれ検出される欠陥の各欠陥数と、前記複数の前記欠陥検出条件のそれぞれについて予め定めた異常判定欠陥閾値とをそれぞれ比較して、前記検査対象の異常を判定することを特徴とする請求項7に記載の欠陥分類装置。
【請求項11】
2つの検査画像の対応する部分画像のグレイレベル差を検出し、そのグレイレベル差が欠陥検出条件を満たすとき、前記2つの検査画像のうちいずれかの前記部分画像が欠陥であると判定する画像欠陥検査方法において、
パラメータの値を変えた複数の前記欠陥検出条件の下でそれぞれ検出される各欠陥集合をそれぞれ出力することを特徴とする画像欠陥検査方法。
【請求項12】
あるパラメータの値を有する前記欠陥検出条件の下で前記欠陥を検出して、検出された前記欠陥の集合を母集合とし、
前記欠陥の検出の際に、各欠陥毎に、少なくとも前記グレイレベル差の値を含む欠陥情報を生成し、
前記母集合に含まれる各欠陥を、各々の前記欠陥情報のグレイレベル差の値に応じて、前記パラメータの値を変えた複数の欠陥検出条件で分類することにより、前記各欠陥集合を生成する、
ことを特徴とする、請求項11に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項13】
前記複数の欠陥検出条件において検出される欠陥集合どうしの差集合及び/又は和集合を算出することを特徴とする請求項11又は12に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項14】
2つの検査画像の対応する部分画像のグレイレベル差を検出し、そのグレイレベル差が欠陥検出条件を満たすとき、前記2つの検査画像のうちいずれかの前記部分画像が欠陥であると判定する画像欠陥検査方法において、
パラメータの値を変えた複数の前記欠陥検出条件の下でそれぞれ検出される欠陥集合の欠陥数と、このパラメータとの間の関数を導出し、
前記関数に基づいて最適な前記パラメータの値を選択し、
選択された前記パラメータの値を有する前記欠陥検出条件の下で検出した欠陥の集合を出力することを特徴とする画像欠陥検査方法。
【請求項15】
本来同一であるべきパターンが複数形成された検査対象の対応する2箇所を撮像した2つの検査画像の、対応する部分画像どうしのグレイレベル差を検出し、そのグレイレベル差が欠陥検出条件を満たすとき、前記2つの検査画像のうちいずれかの前記部分画像が欠陥であると判定する画像欠陥検査方法において、
パラメータの値を変えた複数の前記欠陥検出条件の下でそれぞれ検出される欠陥の各欠陥数と、前記複数の前記欠陥検出条件のそれぞれについて予め定めた異常判定欠陥閾値とをそれぞれ比較して、前記検査対象の異常を判定することを特徴とする画像欠陥検査方法。
【請求項16】
あるパラメータの値を有する前記欠陥検出条件の下で前記欠陥を検出して、検出された前記欠陥の集合を母集合とし、
前記欠陥の検出の際に、各欠陥毎に、少なくとも前記グレイレベル差の値を含む欠陥情報を生成し、
前記母集合に含まれる各欠陥を、各々の前記欠陥情報のグレイレベル差の値に応じて、前記パラメータの値を変えた複数の欠陥検出条件で分類することにより、前記パラメータの値を変えた複数の前記欠陥検出条件の下でそれぞれ検出される欠陥の集合を生成する、
ことを特徴とする請求項14又は15に記載の画像欠陥検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−47122(P2007−47122A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−234441(P2005−234441)
【出願日】平成17年8月12日(2005.8.12)
【出願人】(000151494)株式会社東京精密 (592)
【Fターム(参考)】