説明

画像読取装置

【課題】 デジタルカメラ等の画像読取装置において、画像を縮小する際、補間および間引き処理を行なうデータ数を削減することにより補間および間引き処理の時間が短縮される。
【解決手段】 2×2のマトリクスMの単位で繰り返し各色成分が配列される読取画面を構成する画素データから、破線Pで囲まれる画素データを間引く。間引いた後の画素データにより構成される読取画面の色成分の配列は2×2のマトリクスM単位で繰り返される。間引きによりデー多数の削減された画素データに補間処理を施して、縮小画像を生成するための各色成分毎の色データを生成する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撮像素子により読取られた画像データの間引きを行なう画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば3原色のオンチップカラーフィルタを有する撮像素子により画像を読取る画像読取装置として、画像を縮小するために、撮像素子により点順次で読取られた画素データに補間処理を施した後、画素データの間引き処理を行なうものが知られている。この画像読取装置では、撮像素子から出力された1画像分の画素データは所定の処理を施された後、補間処理を施され、レッド(R)、グリーン(G) 、ブルー(B) の各色成分の画素データ(色データ)に変換される。この色データはR、G、Bの各色成分毎に1画像分のデータ数ずつ生成され、つまり3画像分のデータ数の色データが生成される。その後、読取った画像を所定の縮小率で縮小するために、R、G、Bの各色成分毎に1画像分の色データから縮小率に応じた割合の数だけ色画素データが間引かれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような画像読取装置では、読取った画像を所定の縮小率で縮小する際、撮像素子から読取られた1画像分の画素データに補間処理を施した後に間引き処理が行なわれるため、補間処理により3画像分のデータ数の色データが生成され、この3画像分の色データから多数の色データが間引かれて、データ数が削減されている。したがってこの補間および間引き処理では、相対的に多数の色画素データを取り扱わなくてはならず、最終的に間引くべき色データが補間処理により生成されており、間引くべき色データの数も多くなってしまう。このため処理時間がかかるという問題があった。
【0004】本発明は、デジタルカメラ等の画像読取装置において、画像を縮小する際、補間および間引き処理を行なうデータ数を削減することにより補間および間引き処理の時間を短縮することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る画像読取装置は、2色以上のオンチップカラーフィルタを有する撮像素子から点順次で読取られた画素データに補間処理を施して、読取った画像に対応する各色成分の色データを生成する画像読取装置であって、画素データに補間処理を施す前に、相対的に小さいサイズの各色成分の画像を生成するための、画素データの間引きを行なう間引き手段を備えることを特徴としている。
【0006】好ましくは、画素データにより構成される読取画面の色成分がm×mのマトリクスの単位で繰り返し配列され、間引き手段は(1/(m×(n−1)+1))×(1/(m×(n−1)+1))(nは任意の正の整数)の縮小率で各色成分の画像を縮小するために、縮小率に応じて画素データを読取画像の水平方向および垂直方向に(m×(n−1)+1)個毎にm×(n−1)個ずつ間引く。さらに好ましくは、読取画面の色成分は2×2のマトリクスの単位で繰り返し配列され、間引き手段は(1/(2×n−1))×(1/(2×n−1))(nは任意の正の整数)の縮小率で各色成分の画像を縮小するために、縮小率に応じて画素データを読取画像の水平方向および垂直方向に(2×(n−1)+1)毎に2×(n−1)個ずつ間引く。特に、縮小率は(1/3)×(1/3)または(1/5)×(1/5)であり、間引き手段は縮小率に応じて画素データを読取画像の水平方向および垂直方向に3個または5個毎に2個または4個ずつ間引くことが望ましい。例えばオンチップカラーフィルタの配列はベイヤー配列である。この場合、撮像素子はレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の3色のオンチップカラーフィルタを有し、2×2のマトリクス内に、2つのGのオンチップカラーフィルタが対角に配置され、残りの対角に、RのオンチップカラーフィルタとBのオンチップカラーフィルタとが1つずつ配置される。
【0007】好ましくは、縮小率を設定するための縮小率設定手段と、縮小率設定手段で設定された縮小率に応じて間引き手段により間引きされた画素データに補間処理を施して、色データを生成し、この生成された色データに基づいて縮小画像を表示する縮小画像表示手段とが設けられる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の本実施形態を、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の画像読取装置であるデジタルカメラを示す斜視図である。
【0009】デジタルカメラ10は撮影した被写体像の画像を所定の縮小率で縮小して表示および記録可能である。このデジタルカメラ10には画像を表示するための表示装置が設けられ、画像を記録するためのメモリカードが内蔵されている。
【0010】デジタルカメラ10の正面10aには、レンズ鏡筒13が設けられ、レンズ鏡筒13には、撮影光学系12が保持されている。デジタルカメラ10の背面10cには、図示しないファインダが設けられる。
【0011】表示装置として撮影画像のモニタ用の液晶表示装置(LCD)11がデジタルカメラ10の上面10bに設けられる。またデジタルカメラ10の上面には操作パネル15と表示パネル17とが配設され、操作パネル15には、画像の縮小率を設定するための縮小率設定ボタン、デジタルカメラ10の動作を中断させるためのキャンセルボタン等の種々の操作ボタン15aが設けられる。なお縮小率設定ボタンは、1回押下される毎に縮小率の設定が例えば1倍、(1/3×1/3)倍、(1/5×1/5)倍の順で変化するように構成されている。表示パネル17は例えば液晶表示パネルであり、そこには、設定された縮小率等の文字および所定の図形が表示可能である。さらにデジタルカメラ10の上面10bには、画像を記録するためのレリーズボタン16が設けられる。
【0012】図2を参照してデジタルカメラ10の電気的構成について説明する。CPU40には、操作パネル15、表示パネル17、レリーズボタン16が接続されており、このデジタルカメラ10の動作は操作パネル15に設けられる種々の操作ボタンおよびレリーズボタン16を押下することにより実行され、中央演算処理装置(CPU)40により制御される。
【0013】撮影光学系12の後方には、ミラー21およびシャッタ22を介して撮像素子(CCD)30が設けられており、ミラー21の上方にはファインダ光学系23が配設されている。
【0014】CCD30はエリアセンサであり、その受光部はベイヤー配列のオンチップカラーフィルタを有する多数のフォトダイオードにより構成されている。
【0015】通常、ミラー21は図中実線で示す状態すなわち傾斜状態に配置されており、撮像光学系12から取込まれた光をファインダ光学系23に導く。このときシャッタ22は閉じており、CCD30に向かう光路を閉塞している。これに対しレリーズボタン16が押下され、撮影が行なわれる時、ミラー21はミラー駆動回路24の制御により上方に回動せしめられ、図中破線で示す状態すなわち水平状態となる。このミラー21の回動にともない、シャッタ22はシャッタ駆動回路25の制御により開口せしめられ、その結果撮像光学系12から取込まれた光はCCD30の受光部に結像される。
【0016】CPU40にはタイミング発生回路41が接続され、CPU40の制御によりタイミング発生回路41はタイミング信号を発生する。このタイミング信号に基づいて、CCD駆動回路32と相関二重サンプリング回路(CDS)42とA/D変換器43とが駆動せしめられ、CCD駆動回路32によりCCD30の駆動が制御される。
【0017】レリーズボタン16が押下されると、撮影が開始せしめられる。すなわちCCD駆動回路32によりCCD30が駆動され、CCD30により被写体像が画素データとして読取られ、この画素データに基づいて被写体像がLCD11に表示される。
【0018】詳述すると、被写体からの光は撮影光学系12を通過してCCD30の受光部に照射され、CCD30により検出される。CCD30の受光部にはレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)色のベイヤー配列オンチップカラーフィルタが設けられているため、CCD30からアナログのR、G、Bの各色成分の画素データが1画像分点順次で出力される。このアナログ画素データはCDS回路42においてリセット雑音を除去され、A/D変換器43においてデジタル画素データに変換される。デジタル画素データは信号処理回路(DSP)44を介して画像メモリ45に一旦格納される。
【0019】デジタル画素データは画像メモリ45から読み出される際、DSP44により画像を縮小するための間引き処理を施される。この間引き処理は操作パネル15の縮小率設定ボタンにより設定された縮小率に応じて行なわれ、この処理の後、デジタル画素データは補間処理を施され、R、G、Bの各色成分毎の画素データすなわち色データに変換される。この色データは色補正、ガンマ補正等の所定の処理を施されて、LCD表示回路50の内蔵メモリ(図示せず)に一旦格納される。そしてLCD表示回路50の制御によりデジタル色データはその内蔵メモリから読み出され、このデジタル色データに基づく画像がLCD11に表示される。
【0020】LCD11に表示された画像が操作者により確認され、再びレリーズボタン16が押下されると、メモリカード60への画像記録が行なわれる。この画像記録動作について説明する。画像メモリ45にはデジタル画素データが格納されている。このデジタル画素データは間引きおよび補間処理を施す前のものである。このデジタル画素データは、画像メモリ45から読み出される際、DSP44において設定されている縮小率に応じて間引き処理を施され、その後補間処理を施されて、R、G、Bの各色成分毎の画素データすなわち色データに変換される。この色データがメモリカードコントローラ62において輝度信号と色差信号に変換され、さらに輝度信号と色差信号は圧縮処理等の所定の処理を施され、メモリカードスロットル61を介してメモリカード60に格納される。
【0021】なお画像表示および画像記録を行なう際、縮小率が1倍に設定されており、画像を縮小しないとき、画像メモリ45から読み出されたデジタル画素データには間引き処理を行なわずに補間処理が施される。
【0022】図3を参照してCCD30による画素データの出力順序について説明する。CCD30の受光部には図3に一部を示すようなベイヤー配列のR、G、Bのオンチップカラーフィルタが設けられている。ただし図3にはカラーフィルタ要素の色をR、G、Bで示し、カラーフィルタ要素の配列位置を添字m,n で示す。このオンチップカラーフィルタの列Ln では、RとGのカラーフィルタ要素が交互に配列され、列Ln+1 では、GとBのカラーフィルタ要素が交互に配列されている。また図において列Ln+2 以下の列では、列Ln のカラーフィルタ要素の配列と列Ln+1 のカラーフィルタ要素の配列とが交互に繰り返されている。言い換えると、四角形のR、G、B各色のカラーフィルタ要素が2×2のマトリクスMを最小単位として矢印H方向および矢印V方向に繰り返し配列されており、このマトリクスM内では、2つのGのカラーフィルタが対角に配置され、残りの対角にはRのカラーフィルタとBのカラーフィルタとが1つずつ配置されている。なお各色のカラーフィルタ要素はCCD30の受光部の各フォトダイオードに1対1で対応している。
【0023】上述のようなオンチップカラーフィルタを有するCCD30の受光部の各フォトダイオードにより検出された光がCCD30から画素データとして点順次で出力される。このとき列Ln のフォトダイオードの検出光に対応する画素データの後には、列Ln+1 のフォトダイオードの検出光に対応する画素データが出力され、順次1列ずつ点順次で画素データが出力される。したがってCCD30によるR、G、B各色成分の画素データの出力順序は図3に示すR、G、B各色成分の配列順序に等しく、CCD30から出力された画素データにより1画面を構成すると、その画面(読取画面)ではR、G、B各色成分が2×2のマトリクスMの単位で繰り返し配列される。以下、読取画面におけるR、G、B各色成分の配列は図3に示すベイヤー配列のカラーフィルタと等しいので、図3を読取画面を示す図として参照し、図3に示す符号R、G、Bは画素データの色成分を表し、添字m,n は画素データの出力順序すなわち読取画面における画素データの配列位置を表すものとする。
【0024】CCD30から出力された画素データは既述のように所定の処理を施され、画像メモリ45に格納される。この格納された画素データのR、G、B各色成分の配列位置は、CCD30から出力された画素データの配列位置と等しい。この画素データが画像メモリ45から読み出され、画像を縮小するための間引き処理を施される。この間引き処理について図3から図5を参照して説明する。
【0025】本実施形態の間引き処理では、間引き処理の後の補間処理が従来の方法で行なえるように、間引いた後の画素データのR、G、Bの各色成分の配列が元の画素データのR、G、Bの各色成分の配列と等しくなるように、間引き処理が行なわれる。したがってCCD30から出力された画素データにより構成される読取画面において各色成分がm×mのマトリクス単位で繰り返し配列されるとき、縮小率をSとすると、(1)式で示される縮小率Sで画像を縮小することが可能である。
S=(1/(m×(n−1)+1)×(1/(m×(n−1)+1)
・・・(1)
ただしnは任意の正の整数である。縮小率Sが(1)式で示すように定められると、間引き処理において、(1)式により示される縮小率Sに応じて、読取画面の水平方向Hおよび垂直方向Vに(m×(n−1)+1)個毎に(m×(n−1))個ずつ画素データが間引かれる。
【0026】本実施形態ではmは「2」であるので、縮小率Sは例えば(1/3×1/3)倍、(1/5×1/5)倍で画像を縮小することが可能であり、本実施形態のデジタルカメラ10は、縮小率Sとして1倍(縮小しない)、(1/3×1/3)倍、(1/5×1/5)倍を選択可能である。
【0027】以下縮小率Sが(1/3×1/3)倍に設定されたときの間引き処理について説明する。この場合、上述の(1)式においてmが「2」、nが「2」であり、読取画面の水平方向Hおよび垂直方向Vに3個毎に2個ずつ画素データが間引かれる。すなわち図3に示す破線P3で囲まれる配列位置のR、G、Bの各色成分の画素データが間引かれる。本実施形態では、破線P3で囲まれない読取画面の配列位置(例えばRm,n 、Gm,n+3 、Gm+3,n 、Bm+3,n+3 )に対応する画素データのみを画像メモリ45から読み出すことにより間引き処理が行なわれる。読み出された画素データすなわち間引かれた後の画素データで画面(縮小画面)を構成すると、その縮小画面のR、G、Bの各色成分の配列は図4に示すようになり、間引かれる前の画素データで構成される読取画面の各色成分の配列と同様である。つまりR、G、Bの各色成分が2×2のマトリクスMの単位で繰り返し配列されている。
【0028】縮小率が(1/5×1/5)倍に設定されたときの間引き処理について説明する。この場合、(1)式においてmが「2」、nが「3」であり、読取画面の水平方向Hおよび垂直方向Vに5個毎に4個ずつ画素データが間引かれる。すなわち図3に示す一点鎖線P5で囲まれる配列位置のR、G、Bの各色成分の画素データが間引きされる。したがって本実施形態では、一点鎖線P5で囲まれない読取画面の配列位置(例えばRm,n 、Gm,n+5 、Gm+5,n 、Bm+5,n+5 )のみを画像メモリ45から読み出すことにより間引き処理が行なわれる。読み出された画素データで縮小画面を構成すると、その縮小画面のR、G、Bの各色成分の配列は図5に示すようになり、間引かれる前の画素データで構成される読取画面の各色成分の配列と同様に、2×2のマトリクスMの単位で繰り返されている。
【0029】以上のような間引き処理が行なわれ、画像が縮小される。また間引き後の縮小画面におけるR、G、Bの各色成分の相対位置が間引き前の読取画面におけるR、G、Bの各色成分の相対位置と同一であるため、この間引き処理の後に画素データは画像を縮小しないときと同様の方法で補間処理を施される。また間引き処理後の画素データのデータ数は元の画素データのデータ数よりも少なく、この少ないデータ数の画素データに補間処理が施されるため、補間処理の処理時間は短縮される。図6、図7には、それぞれ縮小率が(1/3×1/3)倍、(1/5×1/5)倍に設定され、間引き処理により画素データがそれぞれ図4、図5に示すように間引かれたときの補間処理後のR成分の画素データすなわち色データにより構成される画面を示す。図6、図7において●印を付した位置の色データは周辺の色データから従来の演算方法で求められた補間データである。この補間処理においてR成分の色データと同様にG、B成分の色データがそれぞれ生成され、R、G、B各色成分毎に1画面(縮小された画像)分の色データが生成される。なお本実施形態の補間処理は、図4、5に示す画面の各画素における画素データの色成分を除いた色成分を生成するものであり、従来公知の演算方法で行なわれるので、説明を省略する。
【0030】図8を参照して画像の表示および記録を行なう画像表示および記録ルーチンについて説明する。この画像表示および記録ルーチンは図2に示すCPU40において実行され、操作パネル15の縮小率設定ボタンにより設定されている縮小率で縮小した画像が表示または記録される。
【0031】ステップ110において、レリーズボタン16が押下されたか否かが判定される。レリーズボタン16が押下されたと判定されるまで、この画像表示および記録ルーチンは待機状態を維持する。レリーズボタン16が押下されたと判定されたとき、すなわち撮影動作を開始するとき、ステップ120の処理が実行される。
【0032】ステップ120において、CCD30が駆動せしめられ、CCD30により被写体が1画像分のR、G、Bの各色成分の画素データとして検出される。ステップ130において、検出されたR、G、Bの各色成分の画素データが既述の処理を施され、画像メモリ45に一旦格納される。この画像メモリ45に格納された画素データのR、G、Bの各色成分は図3に示すように配列される。
【0033】ステップ140において、表示用に予め設定されている縮小率、例えば(1/5×1/5)倍が読込まれ、そこで画像を設定されている縮小率で縮小するために、その縮小率に応じた間引かない画素データの配列位置が算出される。ステップ150において、算出された配列位置に対応する画素データのみが画像メモリ45から読み出されて、間引き処理が完了する。ステップ155において、ステップ150で読み出された画素データに補間処理が施される。これによりR、G、Bの各色成分の色データがそれぞれ縮小画像の1画面分ずつ生成され、LCD表示回路50の内蔵メモリに格納される。なおステップ150からステップ155の処理は、画像を表示するための画素データを生成しており、表示画素数の少ないLCD表示回路50で表示画像を生成するためのものである。
【0034】ステップ160において、R、G、Bの各色成分の色データがLCD表示回路50によりその内蔵メモリから読み出され、この色データに基づいて縮小画像がLCD11に表示される。
【0035】ステップ170からステップ190において、操作パネル15の縮小率設定ボタンおよびキャンセルボタン、レリーズボタン16の何れか1つが押下されるまで、ステップ170からステップ190の処理が繰り返され、この画像表示および記録ルーチンは待機状態となる。
【0036】ステップ170において、設定されている縮小率が変更されたか否かが判定される。操作者はLCD11に表示された縮小画像を確認して、縮小率を変更したいときに操作パネル15の縮小率設定ボタンを押下する。これにより縮小率が変更されると、ステップ170では縮小率が変更されたと判定され、ステップ140の処理が再び実行され、変更された縮小率で画像が表示される。一方ステップ170において、縮小率が変更されていないと判定されたとき、ステップ180の処理が実行される。
【0037】ステップ180において、操作パネル15のキャンセルボタンが押下されたか否かが判定される。操作パネル15のキャンセルボタンが押下されたと判定されたとき、すなわち画像をメモリカード60に記録しないとき、この画像表示および記録ルーチンは強制終了せしめられる。一方操作パネル15のキャンセルボタンが押下されていないと判定されたとき、ステップ190の処理が実行される。
【0038】ステップ190において、レリーズボタン16が再び押下されたか否かが、すなわち画像をメモリカード60に記録するか否かが判定される。レリーズボタン16が押下されていないと判定されたときステップ170の処理が再び実行される。これに対しレリーズボタン16が押下されたと判定されたとき、ステップ200において、画像メモリ45には間引き処理を行なう前のR、G、Bの各色成分の画素データが格納されており、その画像メモリ45からステップ140において算出された配列位置に対応する画素データのみが読み出されて、間引き処理が完了する。この読み出された画素データは、ステップ205において補間処理を施され、これによりR、G、Bの各色成分の色データに変換される。ステップ210において、色データが輝度信号および色差信号に変換され、圧縮処理等の所定の処理を施される。その処理を施されたデータがメモリカードコントローラ62によりメモリカード60に格納され、この画像表示および記録ルーチンは終了する。なおステップ200からステップ205の処理は、画像を記録するための画素データを生成している。
【0039】以上の本実施形態によれば、画像を所定の縮小率で縮小する際、補間処理を行なう前に、まず先に間引き処理が行なわれる。したがって間引き処理を行なう画素データのデータ数は1画像分の数のみである。従来、画像を所定の縮小率で縮小する際には、補間処理の後に間引き処理が行われている。この場合CCDにより読み出された画素データは補間処理によりR、G、Bの各色成分毎に1画像分ずつの色データに変換される。すなわち3画像分のデータ数の色データが生成される。したがって3画像分のデータ数の色データが間引き処理を施されるため、間引くべきデータ数が多い。これに比べ、本実施形態では、補間処理で画素データが増加する前の段階で、1画像分のデータ数の画素データに間引き処理が施されるため、間引くべきデータ数が少なく、間引き処理の時間が短縮される。
【0040】また本実施形態では、間引き処理により画素データのデータ数を削減した後、補間処理が施されるため、従来のように補間処理によって、生成されても間引かれてしまうような無駄な色データを生成することがなく、補間処理の演算時間が短縮される。さらに補間処理によりR、G、Bの各色成分毎に1画面分のデータ数の色データが生成される。すなわち3画面分のデータ数の色データが生成される。しかしながら補間処理が行なわれる際、すでにデータ数は縮小画像のデータ数に削減されているので、画像の表示および記録動作中に取り扱われるデータ数が減少し、LCD表示回路50の内蔵メモリ等の容量を小さくすることが可能である。
【0041】なお本実施形態では、オンチップカラーフィルタとしてベイヤー配列のものが使用されるが、CCDから出力される画素データにより構成される読取画面の色成分がm×mのマトリクスの単位で繰り返し配列されれば、オンチップカラーフィルタとして他の配列のものを用いてもよい。またカラーフィルタ要素の色はR、G、B以外でもよく、その色数は2以上の数であればよい。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、デジタルカメラ等の画像読取装置において、画像を縮小する際、補間および間引き処理を行なうデータ数を削減することにより補間および間引き処理の時間が短縮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の本実施形態の画像読取装置であるデジタルカメラを示す斜視図である。
【図2】本実施形態の画像読取装置であるデジタルカメラを示すブロック図である。
【図3】撮像素子に設けられるオンチップカラーフィルタの配列の一部、または撮像素子により読取られた画素データにより構成される読取画面の各色成分の配列の一部を示す図である。
【図4】縮小率が(1/3×1/3)倍であるときの間引き処理後の縮小画面の一部を示す図である。
【図5】縮小率が(1/5×1/5)倍であるときの間引き処理後の縮小画面の一部を示す図である。
【図6】縮小率が(1/3×1/3)倍であるときの補間処理後のレッド成分の色データにより構成される画面を示す図である。
【図7】縮小率が(1/5×1/5)倍であるときの補間処理後のレッド成分の色データにより構成される画面を示す図である。
【図8】画像の表示および記録を行なう画像表示および記録ルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
30 CCD(撮像素子)

【特許請求の範囲】
【請求項1】 2色以上のオンチップカラーフィルタを有する撮像素子から点順次で読取られた画素データに補間処理を施して、読取った画像に対応する各色成分の色データを生成する画像読取装置であって、前記画素データに前記補間処理を施す前に、相対的に小さいサイズの前記各色成分の画像を生成するための、前記画素データの間引きを行なう間引き手段を備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】 前記画素データにより構成される読取画像の色成分がm×mのマトリクスの単位で繰り返し配列され、前記間引き手段が(1/(m×(n−1)+1))×(1/(m×(n−1)+1))(nは任意の正の整数)の縮小率で前記各色成分の画像を縮小するために、前記縮小率に応じて前記画素データを前記読取画像の水平方向および垂直方向に(m×(n−1)+1)個毎にm×(n−1)個ずつ間引くことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】 前記読取画像の色成分が2×2のマトリクスの単位で繰り返し配列され、前記間引き手段が(1/(2×n−1))×(1/(2×n−1))(nは任意の正の整数)の縮小率で前記各色成分の画像を縮小するために、前記縮小率に応じて前記画素データを前記読取画像の水平方向および垂直方向に(2×(n−1)+1)毎に2×(n−1)個ずつ間引くことを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】 前記縮小率が(1/3)×(1/3)または(1/5)×(1/5)であり、前記間引き手段が前記縮小率に応じて前記画素データを前記読取画像の水平方向および垂直方向に3個または5個毎に2個または4個ずつ間引くことを特徴とする請求項3に記載の画像読取装置。
【請求項5】 前記オンチップカラーフィルタの配列がベイヤー配列であることを特徴とする請求項4に記載の画像読取装置。
【請求項6】 前記撮像素子がレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の3色のオンチップカラーフィルタを有し、前記2×2のマトリクス内に、2つのGのオンチップカラーフィルタが対角に配置され、残りの対角に、RのオンチップカラーフィルタとBのオンチップカラーフィルタとが1つずつ配置されることを特徴とする請求項5に記載の画像読取装置。
【請求項7】 前記縮小率を設定するための縮小率設定手段と、前記縮小率設定手段で設定された縮小率に応じて前記間引き手段により間引きされた画素データに補間処理を施して、前記色データを生成し、この生成された色データに基づいて縮小画像を表示する縮小画像表示手段とが設けられることを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図3】
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【図8】
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【公開番号】特開2000−175205(P2000−175205A)
【公開日】平成12年6月23日(2000.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−341680
【出願日】平成10年12月1日(1998.12.1)
【出願人】(000000527)旭光学工業株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】