説明

画素駆動回路

本発明は、アクティブマトリクス光電子デバイスのための、特にOLED(有機発光ダイオード)ディスプレイのための画素駆動回路に関する。我々が記載するのは、複数のアクティブマトリクス画素を有するアクティブマトリクス光電子デバイスであって、画素のそれぞれは、画素を駆動する薄膜トランジスタ(TFT)と、画素値を記憶する画素キャパシタとを備える画素回路を含み、TFTは、フローティングゲートをもつTFTで構成されるアクティブマトリクス光電子デバイスである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクティブマトリクス光電子デバイスのための、特にOLED(有機発光ダイオード)ディスプレイのための画素駆動回路に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の実施の形態について説明する。本発明は、アクティブマトリクスOLEDディスプレイにおいて特に有用であるが、本発明の用途および実施の形態は、そのようなディスプレイに限定されず、他の種類のアクティブマトリクスディスプレイと共に用いられてよく、また、実施の形態において、アクティブマトリクスセンサアレイで用いられてもよい。
【0003】
(有機発光ダイオードディスプレイ)
有機発光ダイオード、ここでは有機金属系のLEDを含むが、有機発光ダイオードは、ポリマー、小分子、およびデンドリマーなどの材料を用いて、使用される材料に依存するさまざまな色で製造され得る。ポリマー系の有機LEDの例は、国際公開第90/13148号、国際公開第95/06400号、および国際公開第99/48160号に記載され、デンドリマー系の材料の例は、国際公開第99/21935号および国際公開第02/067343号に記載され、いわゆる小分子系のデバイスの例は、米国特許第4,539,507号明細書に記載されている。典型的なOLEDデバイスは2層の有機材料を備え、その一方は、発光ポリマー(LEP)、オリゴマー、または発光低分子量材料のような発光材料の層であり、他方は、ポリチオフェン誘導体またはポリアニリン誘導体のような正孔輸送材料の層である。
【0004】
有機LEDは、画素のマトリクスという形で基板上にデポされて、単色または多色画素型ディスプレイを構成し得る。多色型ディスプレイは、赤、緑、および青の発光サブ画素群を用いて構成されてよい。いわゆるアクティブマトリクスディスプレイは、各画素と関連付けられた、典型的には蓄積キャパシタおよびトランジスタであるメモリ素子を有する(一方、パッシブマトリクスディスプレイはそのようなメモリ素子を持たず、その代わり、安定した画像という印象を与えるために、繰り返し走査される)。ポリマーおよび小分子のアクティブマトリクスディスプレイ駆動部の例は、それぞれ国際公開99/42983号および欧州特許出願公開第0717446(A)号明細書に見られる。
【0005】
OLEDには電流プログラム型の駆動を施すことが一般的である。これは、デバイスを流れる電流によってデバイスの生成する光子の数が決まり、それによってOLEDの明るさが決まるからである。一方、単純な電圧プログラム型の構成では、駆動された時に画素がどれくらいの明るさで光るのかを予測することが困難となる恐れがある。
【0006】
電圧プログラム型アクティブマトリクス画素駆動回路に関する、背景となる従来技術は、Dawson et al, (1998), "The impact of the transient response of organic light emitting diodes on the design of active matrix OLED displays," IEEE International Electron Device Meeting, San Francisco, Ca, 875-878に見られる。電流プログラム型アクティブマトリクス画素駆動回路に関する、背景となる従来技術は、"Solution for Large-Area Full-Color OLED Television - Light Emitting Polymer and a-Si TFT Technologies," T. Shirasaki, T. Ozaki, T. Toyama, M. Takei, M. Kumagai, K. Sato, S. Shimoda, T. Tano, K. Yamamoto, K. Morimoto, J. Ogura and R. Hattori of Casio Computer Co Ltd and Kyushu University, Invited paper AMD3/OLED5 1, 11th International Display Workshops, 8-10 December 2004, IDW '04 Conference Proceedings pp275-278に見られる。さらなる、背景となる従来技術は、米国特許第5,982,462号明細書および特開2003−271095号公報に見られる。
【0007】
図1aおよび図1bは、上記のIDW '04の論文からの抜粋であり、例となる電流プログラム型アクティブマトリクス画素回路および対応するタイミング図を示す。動作時は、第1段階において、データ線が一時的に接地されて、CsとOLEDの接合容量とが放電される(Vselect、VresetはHIGH、VsourceはLOW)。続いて、データシンクIdataが印加されて、対応する電流がT3を流れ、この電流に必要なゲート電圧をCsが記憶するようにされる(OLEDに電流が流れないようVsourceはLOWにされ、T3がダイオード接続されるようにT1はオンにされる)。最後に、選択線がデアサートされ、VsourceがHIGHにされて、プログラム電流(Csに記憶されたゲート電圧により決まる)がOLEDを流れるようにされる(IOLED)。
しかしながら、改良された画素駆動回路の必要性が存在する。
【発明の概要】
【0008】
そこで、本発明の第1の態様によれば、複数のアクティブマトリクス画素を有するアクティブマトリクス光電子デバイスであって、画素のそれぞれは、画素を駆動する薄膜トランジスタ(TFT)と、画素値を記憶する画素キャパシタとを備える画素回路を含み、TFTは、フローティングゲートをもつTFTで構成されるアクティブマトリクス光電子デバイスが提供される。
【0009】
実施の形態において、フローティングゲートTFTは、入力キャパシタを介して結合された、フローティングゲートへの1つ以上の容量的に結合された入力端子を有する。実施の形態において、入力キャパシタ経由以外にフローティングゲートへの接続はない(すなわち、直接または抵抗的な入力がない)。フローティングゲートおよび付随するゲート接続は、TFT構造内に一体化されてもよいし、フローティングゲートが、画素回路の残りの部分から実質的に抵抗的に絶縁された、TFTへのゲート接続を備えるように、すなわち、画素回路の残りの部分への1つ以上の容量的な接続のみを有するようにしてもよい(「非一体型」)。従って、非一体型のデバイスでは、入力キャパシタは、フローティングゲートTFTとは別にパターン形成されたデバイスであってよい。
【0010】
「非一体型」の構成は、ゲート金属層とドレイン・ソース金属層との間のバイアを回避できるので、特に有用である。これは、結合キャパシタの一方の極板がソース・ドレイン層にパターン形成され得るからである。従って、非一体型の入力キャパシタをもつフローティングゲートデバイスが用いられる実施の形態では、フローティングゲート(FG)デバイスの使用により、典型的には駆動TFTのゲート層と制御TFTまたはスイッチングTFTのドレイン・ソース層との間の、付加的なバイアの必要性が回避される。
【0011】
特に好ましい実施の形態のいくつかにおいて、駆動TFTは、それぞれがデバイスのFGへの付随する容量的な接続をもつ2つの入力、を有する。OLEDディスプレイにおいて、駆動TFTによって駆動されるOLED画素の明るさを制御するために、これらの入力容量のうちの一方は駆動TFTの閾電圧を変える電圧を記憶するために用いられてよく、他方はプログラミング入力として用いられてよい。
【0012】
容量的に結合された入力端子を2つもつ実施の形態では、第2の入力端子によりもたらされる付加的な融通性によって、動作効率が高められた画素回路および/または回路の動作をよりよく制御する能力をもつ画素回路の製造が容易になる。そして、実施の形態において、一方の入力端子とそれに付随する容量を用いて、経時変化、温度、および位置的な不均一性の1つ以上に関して、画素の明るさおよび/または色を補償してよい。入力端子を用いて、画素回路の1つ以上のパラメータを調整してもよいし、および/または画素の明るさを設定するために画素回路をプログラムしてもよい(ここでは、明るさは、多色ディスプレイの色サブ画素の明るさを含む)。
【0013】
さらに別の実施の形態では、容量的に結合された付加的な入力端子を用いて、例えば電流ミラー型の画素回路におけるデバイス不整合による変動を補償するなど、デバイス間の不整合を補償してもよい。
【0014】
さらに別の画素回路では、FG薄膜トランジスタの有効な閾電圧を、FGトランジスタの1つ(以上)の容量的に結合された入力端子に電圧を印加することによって、ゼロまで下げるかまたは反転さえさせてもよい。これにより、所与のドレイン・ソース電流に必要な入力電圧を下げることができ、よって必要なドレイン・ソース電圧(Vds)を下げることができる。これは、デバイスが飽和状態で動作することが好ましい場合は特にそうである。従って、これにより、所要電力を減らし、動作効率を上げることができる。
【0015】
さらに、有効な閾電圧を変更する機能は、隣接するトランジスタ間で不整合を訂正する必要のある、調整およびプログラミングを要する回路にとって有益である。
【0016】
前述したように、好ましい実施の形態において、アクティブマトリクス光電子デバイスは、OLEDデバイスを備え、画素回路は、TFTによって駆動されるOLEDを含む。さらに別の実施の形態において、アクティブマトリクスデバイスは、アクティブマトリクスセンサを備えてよく、あるいはアクティブマトリクスセンサをアクティブマトリクス表示デバイスと組み合わせて備えてよい。
【0017】
いくつかの実施の形態において、画素回路は、電圧プログラム型画素回路で構成される。すなわち、画素回路に印加されたプログラミング電圧によって画素の明るさ(または色)が制御される。そして、入力キャパシタに記憶された画素値が、TFTの閾電圧をオフセットするための閾オフセット電圧値を含んでよい。容量的に結合された入力端子を駆動TFTが2つ有する場合は、入力端子を用いて画素のプログラミング電圧を設定してよい。いくつかの実施の形態において、画素回路は、例えばFG駆動TFTの入力端子に結合されたフォトダイオードを備える、光フィードバックを含んでよい。実施の形態において、そのような電圧プログラム型画素のための制御回路は、閾オフセット電圧値が記憶される第1のサイクルと、閾オフセット電圧値により調整または変更されたプログラミング電圧でOLEDの明るさが設定される第2のサイクルとの2つのサイクルを有する。
【0018】
他の実施の形態において、画素回路は、電流プログラム型画素回路で構成され、入力キャパシタに記憶される電圧は、画素回路のための電流データ線に流される電流によってプログラムされる電圧を含む。ここでもまた、実施の形態において、FGTFTのFGへの第2の容量的に結合された入力端子を用いて、TFTの閾電圧を変えてよい。しかしながら、当業者は、容量的に結合された入力端子が2つ別々に設けられる場合であってもTFT構造内の共通のフローティングゲートを両方の接続に用いてよいことを認めるであろう(キャパシタの一方の極板が共通で、反対側の極板については、異なる極板に各入力が接続される)。
【0019】
駆動TFTのFGに容量的に結合された入力端子を駆動TFTが2つ有する電流プログラム型画素回路の実施の形態において、第1の入力端子は、1つ以上のスイッチングトランジスタまたは選択トランジスタを介して直接または間接的に、駆動TFTのソース(またはドレイン)接続に結合されてよい。そのような選択トランジスタを制御して(オンにして)画素回路の電流プログラミングを可能にしてよい。実施の形態において、プログラミングのために選択トランジスタを1つ設け、駆動TFTをダイオード接続するために他の選択トランジスタを設けてよく、あるいは、両方の機能が単一の選択トランジスタによって実装されてもよい。
【0020】
また、実施の形態において、駆動TFTの他の容量的に結合された入力端子が画素選択トランジスタ(前述の選択トランジスタの1つか、あるいはさらなる選択トランジスタ)に結合されてもよい。この選択トランジスタは、駆動TFTの第2の容量的に結合された入力端子と駆動TFTのドレイン接続との間に結合されてもよいし、あるいは、例えば駆動TFTの閾電圧を調整する(例えば、プログラミング時にOLEDに逆バイアスをかけるよう、Vtを上げる)ためにバイアス電圧を印加できるようにするために、画素回路のためのバイアス電圧接続に結合されてもよい。
【0021】
電流プログラム型画素回路の実施の形態は、電流データ線を含み、電流データ線は、駆動TFTの容量的に結合された入力端子の1つに選択的に接続されてよく、この選択的な接続は、画素回路にプログラミング電流を選択的に提供してフローティングゲート接続に付随する入力キャパシタにプログラミング電流に対応するゲート電圧が記憶され得るようにする選択トランジスタ(前述のトランジスタの1つか、あるいはさらなる選択トランジスタ)によって、行われてよい。また、回路の実施の形態は、プログラミング時にOLEDの照明を無効にするために、駆動TFTとOLEDとの間に結合された無効化トランジスタも含んでよい。
【0022】
さらに別の実施の形態において、画素回路は、電流ミラー回路などの電流コピー回路を備え、その場合、駆動TFTは、電流ミラーまたは電流コピーの入力または出力トランジスタを備えてよい。従って、実施の形態において、電流ミラー回路または電流コピー回路の1つ以上のトランジスタが、例えばデバイスどうしの特性を調整して互いにより密接に整合させるために用いられる入力端子のいくつかをもつ1つ以上のFGデバイスを有してよい。
【0023】
関連する態様において、本発明は、特に上述したような、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイのアクティブマトリクス画素回路を駆動する方法であって、画素回路は、画素を駆動する薄膜トランジスタ(TFT)と、画素値を記憶する画素キャパシタとを備え、TFTは、フローティングゲートをもつTFTで構成され、フローティングゲートは、付随するフローティングゲート容量を有する方法において、画素回路をプログラムしてフローティングゲート・ソース間キャパシタに電圧を記憶させることを含み、記憶された電圧が、有機エレクトロルミネッセンス表示素子の明るさを定める方法を提供する。
【0024】
前述したように、フローティングゲートTFTは、好ましくは、1つ以上の入力キャパシタを介して結合された、フローティングゲートへの1つ以上の容量的に結合された入力端子を有する。これらは、フローティングゲートTFTと一体化されてもよいし、これらの入力キャパシタ経由以外にフローティングゲートへの接続をもたないようにして、フローティングゲートTFTとは別にパターン形成されてもよい。このように、画素キャパシタは、そのような入力キャパシタを備えてよい。
【0025】
好ましい実施の形態において、本方法は、画素の明るさを定める電圧を入力接続の1つに結合された入力キャパシタに設定し、TFTの閾電圧を変えるための電圧を第2の入力接続に結合された入力キャパシタに記憶させることをさらに含む。入力キャパシタは、一体型でも非一体型でもよい。
【0026】
さらなる態様において、本発明は、フローティングゲート有機薄膜トランジスタであって、薄膜トランジスタのフローティングゲートに容量的に結合された少なくとも1つの入力端子を備えるフローティングゲート有機薄膜トランジスタを提供する。実施の形態において、入力端子は、一体化されたフローティングゲートキャパシタへのフローティングゲート接続を備える。
【0027】
当業者は、上述した本発明の態様および実施の形態において、フローティングゲートトランジスタがnチャネルトランジスタまたはpチャネルトランジスタのいずれかであってよいことを理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
次に、本発明のこれらおよび他の態様について、単に例として、添付の図面を参照してさらに説明する。
【図1a】従来技術による画素回路の例および対応するタイミング図と、アクティブマトリクス画素駆動回路のさらなる例とを示す図である。
【図1b】従来技術による画素回路の例および対応するタイミング図と、アクティブマトリクス画素駆動回路のさらなる例とを示す図である。
【図1c】従来技術による画素回路の例および対応するタイミング図と、アクティブマトリクス画素駆動回路のさらなる例とを示す図である。
【図1d】従来技術による画素回路の例および対応するタイミング図と、アクティブマトリクス画素駆動回路のさらなる例とを示す図である。
【図1e】従来技術による画素回路の例および対応するタイミング図と、アクティブマトリクス画素駆動回路のさらなる例とを示す図である。
【図1f】従来技術による画素回路の例および対応するタイミング図と、アクティブマトリクス画素駆動回路のさらなる例とを示す図である。
【図1g】従来技術による画素回路の例および対応するタイミング図と、アクティブマトリクス画素駆動回路のさらなる例とを示す図である。
【図2】フローティングゲートTFT(薄膜トランジスタ)の模式的表現を示す図である。
【図3a】本発明の態様の実施の形態による電圧プログラム型画素回路の例を示す図である。
【図3b】本発明の態様の実施の形態による電圧プログラム型画素回路の例を示す図である。
【図3c】本発明の態様の実施の形態による電圧プログラム型画素回路の例を示す図である。
【図4】図3に示す種類の電圧プログラム型画素回路の動作を説明するタイミング図を示す。
【図5a】本発明の態様の実施の形態による電流プログラム型画素回路の例を示す図である。
【図5b】本発明の態様の実施の形態による電流プログラム型画素回路の例を示す図である。
【図5c】本発明の態様の実施の形態による電流プログラム型画素回路の例を示す図である。
【図5d】本発明の態様の実施の形態による電流プログラム型画素回路の例を示す図である。
【図5e】本発明の態様の実施の形態による電流プログラム型画素回路の例を示す図である。
【図5f】本発明の態様の実施の形態による電流プログラム型画素回路の例を示す図である。
【図5g】本発明の態様の実施の形態による電流プログラム型画素回路の例を示す図である。
【図5h】本発明の態様の実施の形態による電流プログラム型画素回路の例を示す図である。
【図6a】画素回路のためのフローティングゲート電流ミラー回路の例を示す図である。
【図6b】フローティングゲート薄膜トランジスタを内蔵するアクティブマトリクスセンサ回路の例を示す図である。
【図7a】本発明の実施の形態によるアクティブマトリクス画素回路のための一体型のフローティングゲートデバイス構造を、対応する回路とともにそれぞれ示す図である。
【図7b】本発明の実施の形態によるアクティブマトリクス画素回路のための非一体型のフローティングゲートデバイス構造を、対応する回路とともにそれぞれ示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(アクティブマトリクス画素回路)
図1cは、電圧プログラム型OLEDアクティブマトリクス画素回路150の例を示す図である。回路150はディスプレイの各画素に設けられ、Vdd152、接地154、行選択124、および列データ126の各母線が、各画素を相互に接続するように設けられる。このように、各画素は電源接続および接地接続を有し、画素の各行は共通の行選択線124を有し、画素の各列は共通のデータ線126を有する。
【0030】
各画素は、電源線152と接地線154との間に駆動トランジスタ158と直列に接続されたOLED152を有する。駆動トランジスタ158のゲート接続159が記憶キャパシタ120に結合され、制御トランジスタ122が、行選択線124の制御下でゲート159を列データ線126に結合する。トランジスタ122は、行選択線124がアクティブにされた時に列データ線126をゲート159およびキャパシタ120に接続する薄膜電界効果トランジスタ(TFT)スイッチである。こうして、スイッチ122がオンの時に、列データ線126の電圧がキャパシタ120に記憶され得る。この電圧は、駆動トランジスタ158へのゲート接続の、および「オフ」状態にあるスイッチトランジスタ122の、比較的高いインピーダンスのために、少なくともフレームリフレッシュ期間の間、キャパシタに保持される。
【0031】
駆動トランジスタ158は、典型的にはTFTであり、トランジスタのゲート電圧から閾電圧を引いた電圧に依存する(ドレイン・ソース)電流を通す。こうして、ゲートノード159の電圧がOLED152を通る電流を制御し、ひいてはOLEDの明るさを制御する。
【0032】
図1cの電圧プログラム型回路は、いくつかの欠点に悩まされる。これは特に、OLEDの発光が印加電圧に非線形に依存するからである。OLEDからの光出力はOLEDが通す電流に比例するので、電流制御が好ましい。図1d(図1cの要素と同一の要素は同一の参照番号で示してある)は、電流制御を用いた、図1cの回路の変形を示す図である。より詳しくは、電流発生器166によって設定された(列)データ線の電流が、薄膜トランジスタ(TFT)160を通る電流を「プログラム」し、今度はそれが、OLED152を通る電流を設定する。これは、トランジスタ122aがオンの時に、(整合した)トランジスタ160および158が電流ミラーを形成するからである。図1eはさらなる変形を示しており、TFT160がフォトダイオード162に置き換えられて、データ線の電流が(画素駆動回路が選択された時に)、フォトダイオードを通る電流を設定することによりOLEDからの光出力をプログラムするようになっている。
【0033】
図1fは、我々の出願である国際公開第03/038790号からの引用であり、電流プログラム型画素駆動回路のさらなる例を示す図である。この回路では、OLED152を通る電流は、例えば基準電流シンクなどの電流発生器166を用いてOLED駆動トランジスタ158のドレイン・ソース電流を設定し、このドレイン・ソース電流に必要な駆動トランジスタゲート電圧を記憶することにより、設定される。従って、OLED152の明るさは、基準電流シンク166に流れ込む電流Icolによって定まり、基準電流シンク166は、調整可能かつアドレス指定されている画素の要求に合わせて設定されることが好ましい。さらに、駆動トランジスタ158とOLED152との間にさらなるスイッチングトランジスタ164が接続されて、プログラミング段階においてOLEDの照明が防止される。通常、列データ線ごとに電流シンク166が1つ設けられる。図1gは、図1fの回路の変形を示す図である。
【0034】
図2を参照すると、この図は、ドレイン(D)と、ソース(S)と、複数の入力端子202とをもつフローティングゲート薄膜トランジスタ200の概略図を示し、複数の入力端子202は、トランジスタのFG204に容量的に結合され、それぞれがそれぞれの印加電圧V1、V2、・・・、VNをもつ。トランジスタ200は、フローティングゲート(FG)204も内蔵する。また、図2は、トランジスタの複数の入力端子とフローティングゲートとがいかに一組のキャパシタC1、C2、・・・、CNと見なされ得るか、についても示す。この後者の表現は、後述する画素回路において用いている。
【0035】
次に、図3aを参照すると、この図は、複数の入力端子304をもつフローティングゲート駆動トランジスタ302を備える電圧プログラム型画素回路300の第1の例を示す図であり、複数の入力端子304は、それぞれがTFT302(T2)のフローティングゲートへの、付随する容量的な結合をもつ。固有のゲート・ソース容量Cgsも破線で示してある(T2がオンの時、これはトランジスタの寄生容量と、チャネル容量の一部とで構成され、オフの状態では寄生だけである)。典型的には、この寄生容量は、回路記憶容量を設けるためにゲートとソースとの間の重複領域を増やすことによって増加する。駆動トランジスタ302は、OLED301を駆動する。第1の選択トランジスタ306(T1)は、フローティングゲート駆動TFTの入力端子の1つを、画素回路のためのプログラミング電圧を保持するデータ線308に選択的に結合し、第2の選択トランジスタ310は、自動ゼロ線AZの信号に応じて、トランジスタ302の第2の入力端子をトランジスタ302のドレイン接続に選択的に結合する。これにより、例えば経時変化および/または不均一性に関して画素駆動を補償するための自動ゼロ化機能が提供される。図3aの例示回路においてトランジスタ302(T2)がpチャネル型デバイスであることは理解されるであろう。
【0036】
図3bは、図3aと同じ回路を示す図であるが、いくぶん異なる表現を用いている。
【0037】
図3cは、図3aおよび図3bの回路の変形のpチャネル型の例を示す図であり、同一の要素は同一の参照番号で示してある。図3cの回路は、前述した図1eの回路と同様な方法でフォトダイオード350を含む。これにより、OLED301がオンの時に光フィードバックが提供され、トランジスタ302の閾電圧Vtの違いまたはずれを回路が訂正するという点において図1eの構成に勝る利点が得られる。
【0038】
次に、図4を参照すると、この図は、図3の回路の動作をより詳細に説明するタイミング図を示す。図3aのアクティブマトリクス画素回路の動作におけるA〜Gの段階は、以下に説明する通りである。
【0039】
A――画素回路はオフ状態である。Vdataは画素回路から切断されている。キャパシタC1およびC2は不確定状態で浮動する。
B――選択スイッチが有効にされ、基準データ電圧(VHIGH)がフローティングゲートTFT302の入力端子の1つに印加されて(V1=VHIGH)、フローティングゲートTFT302に電流が流れないようにされる(|VFGS|<|Vt|)。VDDはHIGHである。
C――AZがLOW、T3が有効にされる。駆動TFT(T2)の入力V2がドレインに接続されて、T2 302がダイオード接続される。入力V1はまだVHIGHである(V1=VHIGH)。電流がT2を流れ始めて、Vgs/Vdsが増加する。キャパシタC1、C2、およびCgsの間で電荷が再分布する。
D――VDDおよびV1が(Vdataの変化により駆動されて)ΔVだけ低くなる。VD(T2)がLOWになって、OLED301に逆バイアスがかかる。T2を通る電流が向きを変え、有効にされたT3を通ってC2へと流れ込み、容量C2を充電する。電圧V2がHIGHになり、TFT302のフローティングゲートが閾電圧に達するとトランジスタ302のスイッチがオフになる(そしてVtがCgsに記録される)。
E――AZがHIGHになり、T3がオフになり、V2の接続が切れる。
F――VDDおよびV1が(有効にされたT1によって)再びHIGHになり、その結果OLEDが順バイアス状態になる。
G――T2上にプログラムされたデータが、閾電圧Vtでオフセットされる。
【0040】
上記の説明から、当業者は、図3の画素回路が、TFTスイッチによってOLEDを切断する必要なしに電圧プログラム型画素駆動部における閾電圧補償を可能にすることを認めるであろう(なぜならば、これは入力電圧を制御してOLEDに逆バイアスをかけることによって効果的に達成され得るからである)。さらに、実施の形態において、用いられるすべてのキャパシタは、デバイス302として一体型フローティングゲートTFTにより提供され得る。あるいは、回路が一体型TFTなしに構成される場合は、回路レイアウトの設計は、ゲート金属層とソース・ドレイン金属層との間のバイアの必要性を回避できる。画素をプログラムするデータ電圧情報は、実施の形態において、容量Cgsによって記憶され、従って駆動TFT302(T2)の寄生容量によって定まる。これはゲートとソースとの間の重複領域と、駆動TFT302のチャネル容量の一部とによって定まる。十分な記憶容量を得るために、典型的にはこの重複部分が増やされてもよいし、あるいは外部容量が設けられてもよい。キャパシタC1およびC2は、フローティングゲートトランジスタ302(T2)の一体型の容量であってもよいし、あるいは別々の要素が駆動TFTに隣接してパターン形成されて、回路設計の一部を構成してもよい。キャパシタC1およびC2の値は、一体型か分離型かにかかわらず、フローティングゲート電極と入力端子との間で幾何学的な重複領域を選ぶことによって定められてよいのである。
【0041】
次に、図5aを参照すると、この図は、フローティングゲート駆動トランジスタ502を内蔵する電流プログラム型アクティブマトリクス画素回路500の第1の例を示す図である。図5aの回路は、図1aの回路と比較することができる。トランジスタ502の一方の入力端子502a(G1)は、選択トランジスタ504(図1aのT1に対応する)の入力接続として働く。他方の入力端子502b(G2)は、この入力端子が結合された第2の選択トランジスタ506のスイッチが入れられた時に、電流データ線Idataに設定された電流によりプログラムされたゲート・ソース電圧をトランジスタ502の入力容量に記憶させるために用いられる。従って、動作時は、SEL線がアサートされると、両トランジスタ504および506のスイッチが入り、画素をプログラムするために、Vdd線がLOWにされ、Idata線に電流シンクが印加されて、プログラム電流に対応する電圧がトランジスタ502の入力端子キャパシタに設定される。そして、プログラム電流がOLED508を流れるように、SEL線がデアサートされ、VddがHIGHにされる。なお、リセットトランジスタ(図5aには示さない)をIdata線に結合して、出力電流をプログラムする前に、入力端子G2とFGとの間に接続された入力キャパシタに記憶された電圧をリセットするようにしてもよい。
【0042】
図5aの回路は、バイアの数を少なくして製造することができる。一体型の入力キャパシタにより、画素回路として物理的大きさがより小さくなる。従って、回路は、一体型フローティングゲートデバイスで(すなわち一体型の入力キャパシタで)実現して、より複雑な層構造と引き替えに物理的大きさをより小さくすることもできるし、あるいは、非一体型の入力キャパシタで、より少ないバイアの、もしくはバイアなしの、より単純な層構造を実現することができる。
【0043】
図5aの回路は、nチャネルトランジスタを用いる。しかし、当業者であれば理解するように、代わりにpチャネルトランジスタが用いられてもよい。ここで図5bを参照すると、この図は、図5aの回路の変形を示す図であり(同一の要素は同一の参照番号で示してある)、選択トランジスタ504が、Vddではなくバイアス線Vbias510に結合されている。このバイアス線を用いて、入力端子G1の電圧を調整することにより駆動トランジスタの有効な閾電圧を調整することができる。閾電圧がゼロでない場合、従ってダイオード接続を用いて駆動デバイスをプログラムする際に、(飽和状態を維持するのに必要な値よりも)より大きなドレイン・ソース電圧が生成される可能性がある場合は、フローティングゲートデバイスの閾電圧をゼロに調整することにより、同じOLED駆動電流に用いられるゲート・ソース電圧を下げることができる。この結果、より低いVddを用いることが可能になり、従って電力消費が減る。同様に、Vbiasを正方向に調整してVtを下げる代わりに、Vbiasを負方向に調整してVtを上げてもよいことは、当業者は理解するであろう。
【0044】
図5bの構成は、プログラミング時に、Vddをより低い電圧水準にしてOLEDに逆バイアスをかける代わりに、Vbias線の電圧を制御して画素回路の電流プログラミング時にOLEDが点灯しないようにする、という代替動作モードも容易にする。この構成は、Vbiasを正方向に調整してプログラミング電圧を負方向にずらすことに依拠する。プログラミング後、Vgsがほぼ一定にとどまる一方(図5bのG1は本質的に浮動する)、ソース電圧は上昇してOLEDが点灯する。
【0045】
次に、図5cを参照すると、この図は、図5aの回路のさらなる変形を示す図であり、ここでも同一の要素は同一の参照番号で示してある。この変形は、プログラミング時に、VddをLOWにするのではなくOLED508のスイッチを積極的に切ることができるように、SEL線の反転線に結合された無効化トランジスタ512を含む。
【0046】
次に、図5dを参照すると、この図は、電流プログラム型アクティブマトリクス画素回路520の別の例を示す図であり、この回路は、nチャネル型デバイスではなくpチャネル型デバイスを用いる。図5dの回路において、駆動トランジスタ522は第1の入力端子522a(G1)を有し、第1の入力端子522a(G1)は、選択トランジスタ524および526がオンの時に、Idata線の電流によってプログラムされたゲート電圧を対応する入力キャパシタに記憶させるが、第2の入力端子522b(G2)は、トランジスタ522の付加的な入力端子として働くものであり、プログラミング時に駆動TFTがオンで飽和状態にある場合には、駆動TFTのドレインに接続される。繰り返すが、プログラミング時には、選択トランジスタ524および526がオンになり、プログラミング電流がVdd線から駆動トランジスタ522を通って、Idata線に接続されたプログラム可能データシンク(図示しない)へと流れる。選択トランジスタ524および526のスイッチが切られると、この電流はOLED528を通って流れる(プログラミング段階では、OLEDを通る電流は無効にされなければならない)。
【0047】
図5eは、図5dの回路の変形を説明する図であり、ここでは、選択トランジスタ524および526は、Idata線と駆動トランジスタ522のドレイン接続との間に直列結合されず、一方の選択トランジスタ526は、駆動トランジスタ522のドレイン端子とこのトランジスタの第2の入力端子G2 522bとの間に結合され、第2の選択トランジスタ524は、Idata線を直接、駆動トランジスタ522のドレイン端子に結合する。これは、駆動トランジスタ出力とプログラミング電流を通すIdata線との間に単一の選択トランジスタが存在する、という利点を有する。
【0048】
図5fは、この回路のさらなる変形を示す図であり、図5dの要素と同一の要素は同一の参照番号で示してある。ここでは、入力端子G1 522aは、バイアス電圧線Vbias530に接続されて、図5bを参照して説明したのとだいたい同様の方法で駆動トランジスタ522の閾電圧の調整/制御を行えるようになっている。
【0049】
バイアス電圧線を含む、図5fに示すもののような構成について言及を続けるが、動作時に、閾電圧を大きな値に上げるためにフローティングゲートTFTの一方の入力端子にバイアスをかければ――これはバイアス電圧線を正にバイアスすることによって行える(TFTはp型である)――、駆動TFTがダイオード接続されている時は、駆動TFT端子間のドレイン・ソース電圧VDSによってOLEDに逆バイアスをかけ、ひいてはプログラミングサイクル中のOLEDの動作を無効にすることができる。従って、Vdd電圧の変更(LOWにすること)が不要なので、これにより有用な利点が得られる。実施の形態において、これにより省電力が可能になるが、これは概してこの線には相当な容量が付随するためである。また、実施の形態において、アクティブマトリクス表示デバイスのバイアス電圧は、隣接する画素/画素ラインどうしの間で共有され得る。
【0050】
図5gは、さらなる代替回路を説明する図であり、ここでは、駆動トランジスタの第2の入力端子G2 522bに結合された選択トランジスタ526が、駆動トランジスタのドレイン端子ではなくIdata線に(または5eのように両方に)直接、結合される(その結果、ドレイン端子が、直列接続された選択トランジスタ524および526を介して、入力端子G2に接続される)。
【0051】
図5hは、電流プログラム型回路のさらなる変形を説明する図であり、ここでは、プログラミング時にOLEDのスイッチを積極的に切ることができるように(ひいてはプログラミング時にVddをLOWにする必要のないように)、付加的なOLED無効化トランジスタ532が設けられる。
【0052】
図6aは、電流ミラー回路の例を示す図であり、この回路は、1つまたは図示のように2つのフローティングゲートトランジスタ602および604を用いるアクティブマトリクス画素駆動回路に内蔵され得るものである。図示の例において、第2の入力端子の一方または両方をバイアス電圧Vbに結合して、トランジスタ602および604の閾電圧の一方または両方を調整するようにしてもよく、これによって、例えば2つのトランジスタの特性をより良く整合させるようにしてよい。同様の構成が、電流コピー回路において用いられてもよい。1つ以上のフローティングゲートデバイスを用いることのさらなる利点は、1つの入力端子のゲート電圧を制御して駆動TFTの閾電圧を下げることにより、必要な電力供給を減らすことができる、ということである。
【0053】
図6bは、フローティングゲートTFTを内蔵するセンサのためのアクティブマトリクス画素回路の例を示す図であり、ここでもまた、上述したような閾電圧調整がある。
【0054】
図7aおよび図7bを参照すると、これらの図は、一体型および非一体型のフローティングゲートデバイスの構造および回路を示す図である。図2の要素と同一の要素は同一の参照番号で示してある。
【0055】
図7aは、一体型フローティングゲート204をもつフローティングゲート(FG)TFT200aの実施の形態を示す図である。この一体型FGデバイスにおいて、フローティングゲートキャパシタは、ゲート金属の層204bを備え、ゲート金属の層204bは、誘電層204aと204cとに挟まれて、半導体206ならびにソース・ドレイン金属208のソース接続およびドレイン接続の上にフローティングゲートを形成する。第1の容量的に結合された入力202aが、フローティングゲート204bの第1の部分と共に第1の入力キャパシタを形成し、第2の容量的に結合された入力202bが、フローティングゲート204bの第2の部分と共に第2の入力キャパシタを形成する。
【0056】
図7bは、非一体型フローティングゲートをもつフローティングゲート(FG)TFT200bの実施の形態を示す図であり、図7aの要素と同一の要素は同一の参照番号で示してある。この構造においても、第1の容量的に結合された入力202aが、フローティングゲート金属204bの第1の部分と共に第1の入力キャパシタを形成し、第2の容量的に結合された入力202bが、フローティングゲート金属204bの第2の部分と共に第2の入力キャパシタを形成する。しかしながら、デバイスは垂直の構造をもたず、第1および第2の容量的に結合された入力が、ソース・ドレイン接点の両側に横に配置される。これにより、ソース・ドレイン金属層を用いて各入力キャパシタの一方の極板を形成することが可能となり、これにより、画素駆動回路のいくつかのバイアを減らすことができる。さらに、図7aとの比較から分かるように、金属層が1つ少なく、誘電層も1つ少なくなっている。
【0057】
上記の回路の好ましい実施の形態において、トランジスタは、例えばアモルファスシリコンから作られた、MOSデバイスで構成される。しかしながら、他の実装では、1つ以上の有機薄膜トランジスタが用いられてもよい。
【0058】
当業者が理解するように、上述の回路は、nチャネルまたはpチャネルの変形のいずれかで実装されてよい。当業者は、他の多くの変形が可能であること、例えば、図1cないし図1gに示された回路の1つ以上がフローティングゲート駆動トランジスタを用いて実装されてもよいことを、さらに理解するであろう。より一般的には、当技術分野において記載された事実上あらゆる画素回路が、上述されたやり方にならってフローティングゲートTFTを内蔵するように構成されてよい。
【0059】
無論、当業者には他の多くの効果的な代替例が見いだされるであろう。本発明が、記載された実施の形態に限定されず、本明細書に添付された請求の範囲の精神と範囲内にある、当業者にとって明らかな変更を包含することは理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアクティブマトリクス画素を有するアクティブマトリクス光電子デバイスであって、前記画素のそれぞれは、前記画素を駆動する薄膜トランジスタ(TFT)と、画素値を記憶する画素キャパシタとを備える画素回路を含み、前記TFTは、フローティングゲートをもつTFTで構成されるアクティブマトリクス光電子デバイス。
【請求項2】
フローティングゲートをもつ前記TFTは、前記TFTのゲートへの1つ以上の接続をもつTFTで構成され、前記ゲート接続は、前記TFTの前記ゲートへの容量的にのみ結合された接続で構成される請求項1に記載のアクティブマトリクス光電子デバイス。
【請求項3】
前記容量的に結合されたゲート接続は、2つの極板をもつゲート接続キャパシタを備え、前記TFTは、ソース・ドレイン金属層を備え、前記TFTの前記ゲートへの前記容量的に結合された接続は、前記ソース・ドレイン金属層にパターン形成された接続を備え、前記ソース・ドレイン金属層にパターン形成された前記接続は、前記ゲート接続キャパシタの前記極板の一方を備え、前記TFTは、ゲート金属層をさらに備え、前記ゲート金属層は、前記ゲート接続キャパシタの前記極板の第2を備える請求項2に記載のアクティブマトリクス光電子デバイス。
【請求項4】
前記フローティングゲートは、前記TFTと一体化される請求項1または2に記載のアクティブマトリクス光電子デバイス。
【請求項5】
前記フローティングゲートは、付随するフローティングゲート容量を有し、前記画素キャパシタは、前記フローティングゲート容量を有する上記請求項のいずれかに記載のアクティブマトリクス光電子デバイス。
【請求項6】
前記デバイスは、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイを備え、前記画素回路は、前記フローティングゲートTFTによって駆動されるOLEDを含む上記請求項のいずれかに記載のアクティブマトリクス光電子デバイス。
【請求項7】
前記画素回路は、電圧プログラム型画素回路で構成され、前記画素値は、前記フローティングゲートTFTの閾電圧をオフセットするための閾オフセット電圧値で構成される請求項6に記載のアクティブマトリクス光電子デバイス。
【請求項8】
前記フローティングゲートTFTは、2つのフローティングゲート接続を有し、前記電圧プログラム型画素回路は、第1のフローティングゲート接続を用いて前記閾オフセット電圧値を調整し、第2のフローティングゲート接続を用いて前記画素のプログラミング電圧を記憶するように構成される請求項7に記載のアクティブマトリクス光電子デバイス。
【請求項9】
前記画素回路は、前記閾オフセット電圧値と前記プログラミング電圧とを提供する動作が前記フローティングゲートと前記TFTのソース端子またはドレイン端子との間の固有のデバイス容量にプログラミング電圧を記憶させるように構成される請求項8に記載のアクティブマトリクス光電子デバイス。
【請求項10】
前記画素回路は、前記画素内に光フィードバックを提供するために、前記TFTのフローティングゲート接続に結合されたフォトダイオードを含む請求項7、8、または9に記載のアクティブマトリクス光電子デバイス。
【請求項11】
前記画素回路を制御する制御回路をさらに備え、前記制御回路は、前記OLEDがオフに制御され、前記一体化されたフローティングゲートキャパシタに前記閾オフセット電圧値が記憶される第1のサイクルと、前記閾オフセット電圧値により調整されたプログラミング電圧で前記OLEDの明るさが設定される第2のサイクルとの2つのサイクルを有する請求項6ないし10のいずれか1項に記載のアクティブマトリクス光電子デバイス。
【請求項12】
前記画素回路は、電流プログラム型画素回路で構成され、前記画素値は、前記画素回路に流されるプログラミング電流に実質的に比例する前記OLEDを通る駆動電流に対応するゲート・ソース電圧値で構成される請求項6に記載のアクティブマトリクス光電子デバイス。
【請求項13】
前記TFTは、第1のフローティングゲート接続と、第2のフローティングゲート接続との2つのフローティングゲート接続を有し、前記電流プログラム型画素回路は、前記フローティングゲート接続の1つが、前記TFTの有効な閾電圧を変えるための電圧を記憶するキャパシタへの接続を備えるように構成される請求項12に記載のアクティブマトリクス光電子デバイス。
【請求項14】
前記第1のフローティングゲート接続は、前記フローティングゲートTFTのドレイン接続に結合される請求項13に記載のアクティブマトリクス光電子デバイス。
【請求項15】
前記第1のフローティングゲート接続は、前記画素回路が前記プログラミング回路によってプログラミングのために選択され得るようにする少なくとも1つの選択TFTを介して、前記TFTの前記ドレイン接続に結合される請求項14に記載のアクティブマトリクス光電子デバイス。
【請求項16】
前記画素回路は、前記第2のフローティングゲート接続とフローティングゲートTFTのドレイン接続との間に結合された少なくとも1つの選択TFTを含む請求項13、14、または15に記載のアクティブマトリクス光電子デバイス。
【請求項17】
前記画素回路は、前記第1のフローティングゲート接続と前記画素回路のバイアス電圧接続との間に結合された少なくとも1つの選択TFTを含む請求項13、14、または15に記載のアクティブマトリクス光電子デバイス。
【請求項18】
前記画素回路は、前記プログラミング電流を前記画素回路へ選択的に提供するために、前記第2のフローティングゲート接続と電流データ線との間に結合された少なくとも1つの選択TFTを含む請求項13ないし17のいずれか1項に記載のアクティブマトリクス光電子デバイス。
【請求項19】
前記画素駆動回路のプログラミング時に前記OLEDの照明を無効にするための、前記フローティングゲートTFTと前記OLEDとの間に結合された無効化TFTをさらに備える請求項13ないし18のいずれか1項に記載のアクティブマトリクス光電子デバイス。
【請求項20】
前記フローティングゲートTFTは、2つのフローティングゲート接続を有し、前記画素回路は、前記フローティングゲートTFTの有効な閾電圧制御のために入力端子の一方を用いるように構成される上記請求項のいずれかに記載のアクティブマトリクス光電子デバイス。
【請求項21】
前記画素回路は、前記フローティングゲート接続の他方を用いて前記アクティブマトリクス画素のプログラミングを有効にするように構成される請求項20に記載のアクティブマトリクス光電子デバイス。
【請求項22】
前記画素回路は、前記フローティングゲートTFTを入力または出力トランジスタとして含む電流ミラー回路または電流コピー回路を備える請求項20または21に記載のアクティブマトリクス光電子デバイス。
【請求項23】
有機エレクトロルミネッセンスディスプレイのアクティブマトリクス画素回路を駆動する方法であって、前記画素回路は、前記画素を駆動する薄膜トランジスタ(TFT)と、画素値を記憶する画素キャパシタとを備え、前記TFTは、フローティングゲートをもつTFTで構成され、前記フローティングゲートは、付随するフローティングゲート・ソース間容量を有する方法において、前記画素回路をプログラムして前記フローティングゲート・ソース間キャパシタに電圧を記憶させることを含み、前記記憶された電圧が、前記有機エレクトロルミネッセンス表示素子の明るさを定める方法。
【請求項24】
前記フローティングゲートTFTは、2つのフローティングゲート接続を有し、前記方法は、前記フローティングゲート接続の第1を用いて前記有機エレクトロルミネッセンス表示画素の前記明るさをプログラムし、前記フローティングゲート接続の第2を用いて前記駆動TFTの閾電圧を変えることを含む請求項23に記載の方法。
【請求項25】
フローティングゲート有機薄膜トランジスタ(OTFT)であって、前記薄膜トランジスタのフローティングゲートに容量的に結合された少なくとも1つの入力端子を備えるフローティングゲート有機薄膜トランジスタ。
【請求項26】
請求項25に記載のフローティングゲート有機薄膜トランジスタを備える画素回路であって、前記回路は、OTFTのドレイン・ソース金属層と前記OTFTのゲート金属層との間のバイアを欠く画素回路。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図1d】
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【図1e】
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【図1f】
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【図1g】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図5e】
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【図5f】
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【図5g】
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【図5h】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7a】
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【図7b】
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【公表番号】特表2011−507005(P2011−507005A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−531588(P2010−531588)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【国際出願番号】PCT/GB2008/051007
【国際公開番号】WO2009/056877
【国際公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(597063048)ケンブリッジ ディスプレイ テクノロジー リミテッド (152)
【Fターム(参考)】