説明

界面汚染を低減した層を堆積させる方法

本明細書では、界面汚染を低減した層の堆積方法を開示する。発明の方法は、有利には、堆積させた層間の汚染、例えば堆積させた層とその下にある基板または膜との間の界面の汚染を減少させる。幾つかの実施形態では、層の堆積方法は、第1の層が上に配置されたシリコン含有層を還元性雰囲気中でアニールすることと、アニールの後で、シリコン含有層を露出させるエッチングプロセスを使用して第1の層を除去することと、露出したシリコン含有層の上に第2の層を堆積させることとを含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般に基板処理法に関し、具体的には、基板上に層を堆積させることに関する。
【背景技術】
【0002】
トランジスタ、メモリ、光電池などのデバイスのクリティカルディメンションが縮小し続けるので、かかるデバイスの構成要素間の界面が、実質的により重要になってきている。例えば、構成要素間の界面のところの望ましくない汚染が、接合抵抗の増加、寄生容量の増加などのそのような望ましくない効果の増加を結果としてもたらすことがある。例えば、基板または膜上への層の堆積に先立って、層の堆積のために基板表面または膜表面を前処理するために、自然酸化物を除去することができる。自然酸化物の除去が十分でないこと、および層を基板上にその後に堆積させるときに結果として界面のところでの汚染をもたらす許容可能な汚染よりも多く、汚染が基板または膜の表面上に残ることを、本発明者は見出した。汚染を除去するために、自然酸化物の除去の後に実行する高温アニール(例えば、水素(H)雰囲気中で、>約摂氏700度)を使用することができるが、高温アニールに付随する高いエネルギー要求およびプロセススループットの低下が望ましくないと、本発明者は考えている。
【0003】
従って、本発明者は、堆積させた層と下にある基板または膜との間の界面のところの汚染を減少させるための方法を提供する。
【発明の概要】
【0004】
界面汚染を低減した層の堆積方法を、本明細書において開示する。発明の方法は、堆積させた層間の、例えば、堆積させた層と下にある基板または膜との間の界面のところの汚染を都合よく減少させる。ある実施形態では、層の堆積方法は、第1の層が上に配置されたシリコン含有層を還元性雰囲気中でアニールすることと、アニールの後で、シリコン含有層を露出させるためにエッチングプロセスを使用して第1の層を除去することと、露出したシリコン含有層上に第2の層を堆積させることとを含むことができる。ある実施形態では、シリコン含有層が、シリコン(Si)であり、第1の層が、二酸化シリコン(SiO)である。本発明の別の実施形態およびさらなる実施形態を、下記に説明する。
【0005】
上に簡潔に要約され下記により詳細に論じられる本発明の実施形態を、添付した図面に図示した本発明の例示的な実施形態を参照することによって理解することができる。しかしながら、添付した図面が本発明の典型的な実施形態だけを例示し、本発明が他の同様に有効な実施形態を許容することができるので、それゆえ、本発明の範囲を限定するようには見なされないことに、留意すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明のある実施形態による、層の堆積方法についての流れ図である。
【図2】A〜Cは、図1で説明した方法による層を堆積させる段階の図である。
【図3】従来技術を介して堆積した隣接する層の界面のところの汚染濃度と、本発明のある実施形態による方法を介して堆積した隣接する層との界面のところの汚染濃度との比較の図である。
【図4】本発明のある実施形態による方法を実行するために適したプロセスチャンバの部分断面図である。
【図5】本発明のある実施形態による方法を実行するために適したプロセスシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
理解を容易にするために、可能である場合には、複数の図に共通な同一の要素を示すために、同一の参照番号を使用している。図は、一定の縮尺では描かれず、明確化のために簡略にする場合がある。一実施形態の要素およびフィーチャを、さらに詳述しなくとも別の実施形態において利益をもたらすように組み込むことができることが、予想される。
【0008】
界面汚染を低減した層の堆積方法を、本明細書において開示する。発明の方法は、堆積させた層間の、例えば、堆積させた層と下にある基板または膜との間の界面のところの汚染を都合よく減少させる。
【0009】
図1は、本発明のある実施形態による、層の堆積方法についての流れ図を図示する。方法100を、図2A〜図2Cに図示したように層を堆積させる段階に従って下記に説明する。
【0010】
図2Aに示したように、方法100は、第1の層202を上に配置したシリコン含有層200を還元性雰囲気204中でアニールすることによって102において始まる。シリコン含有層は、基板、堆積した膜、またはその他を含むことができる。ある実施形態では、シリコン含有層は、シリコン(Si)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、シリコン炭素(SiC)、シリコンリン(SiP)、シリコンホウ素(SiB)、シリコンゲルマニウムホウ素(SiGeB)、シリコンゲルマニウムリン(SiGeP)、およびシリコン炭素リン(SiCP)のうちの少なくとも1つを包含する。
【0011】
第1の層202を、除去を必要とする任意の適切な層とすることができ、シリコン含有層200の表面上に望ましくない汚染をもたらすことがある。例えば、第1の層202は、自然酸化物層、堆積した酸化物層、パターン形成した層、フォトレジスト、マスキング層、またはその他を含むことがある。ある実施形態では、第1の層202は、酸化物層である。例えば、第1の層202は、シリコン酸化物(SiO)を含むことができる。ある実施形態では、第1の層は、二酸化シリコン(SiO)である。
【0012】
還元性雰囲気204を、例えば、非プラズマ状態および/またはプラズマ状態の還元性種を包含する任意の適切な還元性雰囲気とすることができる。例えば、ある実施形態では、還元性雰囲気204は、水素(H)、または水素(H)と、窒素(N)などの少なくとも1つの不活性ガスもしくはアルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、その他などの希ガスとの混合物を含む還元性ガスを包含する。ある実施形態では、プラズマを、還元性ガスから形成する。
【0013】
アニーリングステップ102中に、還元性ガスを、約1slmから約50slmまでの範囲である流量で与えることができる。ある実施形態では、還元性ガスを、約20slmで与える。アニーリングステップ102を実行するために適したプロセスチャンバ、例えば、エピタキシャル堆積チャンバまたは非プラズマ還元性雰囲気および/もしくはプラズマ還元性雰囲気を与えることができるもう1つのかかるチャンバ内で、任意の適切な圧力を維持することができる。ある実施形態では、約1Torrから約1000Torrまでの非限定的な範囲内で、圧力を維持することができる。
【0014】
アニーリングステップ102中に、例えば、プロセスチャンバの基板支持部内に配置した抵抗ヒータまたは他の適切な加熱機構を介して熱を与えることによって、シリコン含有層200をアニールすることができる。代替でまたは組み合わせで、アニーリング温度に基板を加熱することを促進させるために、加熱ランプまたは他のエネルギー源を利用することができる。ある実施形態では、シリコン含有層200を、摂氏約100〜約700度の温度でアニールする。ある実施形態では、シリコン含有層200を、摂氏約300〜約700度の温度でアニールする。ある実施形態では、シリコン含有層200を、摂氏約500度〜約700度の温度でアニールする。
【0015】
アニーリングステップ102は、シリコン含有層200および第1の層202をアニールするために必要な時間の期間にわたり続けることができる。ある実施形態では、シリコン含有層を、約1分までの期間にわたりアニールする。ある実施形態では、シリコン含有層を、約30秒未満の期間にわたりアニールする。ある実施形態では、シリコン含有層を、約5秒〜約10秒の期間にわたりアニールする。
【0016】
アニーリングステップ102の後で、例えば、窒素(N)または希ガスなどの任意の適切な不活性ガスなどの不活性雰囲気中で、シリコン含有層200および第1の層202を冷却することができる。層200、202を、アニーリングステップ102を実行するプロセスチャンバ内でその場で冷却することができる、あるいは、例えば、下記に論じるシステム500(例えば、クラスタツール)などのクラスタツールの搬送ロボットによって不活性雰囲気下で搬送し、(第1の段階搬送チャンバ506もしくは第2の段階搬送チャンバ508などの)搬送チャンバ内、専用の冷却チャンバ(図示せず)内、または下記に論じるプロセスチャンバ400などの第1の層202を除去するように構成されたプロセスチャンバ内で冷却することができる。
【0017】
104では、シリコン含有層200を露出させるために(図2Bに例示したような)エッチングプロセスを使用して、第1の層202を除去する。エッチングプロセスをドライエッチングプロセスとすることができる。例えば、ある実施形態では、エッチングプロセスは、エッチャントガスから形成されるプラズマ206を用いて第1の層202をエッチングすることを含む。エッチャントガスは、三フッ化窒素(NF)、アンモニア(NH)、およびその他のうちの少なくとも1つを含むことができる。ある実施形態では、エッチャントガスは、三フッ化窒素(NF)およびアンモニア(NH)を含む。
【0018】
シリコン含有層200および第1の層202をほぼ室温または約摂氏30度の温度で維持しながら、プラズマ206を与えることができる。ある実施形態では、プラズマを、第1の層202と相互作用させて、第1の層202を昇華可能固体208へと少なくとも部分的に変換させることができる。例えば、第1の層202が二酸化シリコン(SiO)であり、プラズマがNFおよびNHを含むエッチャントガスから形成されるときには、フッ化シリコンアンモニウム((NHSiF)などの昇華可能固体を形成することができる。
【0019】
エッチングプロセスは、シリコン含有層200を約摂氏100度よりも高くでアニールすることによって昇華可能固体208を除去することをさらに含むことができる。例えば、フッ化シリコンアンモニウム((NHSiF)などの昇華可能固体を、約摂氏100度よりも高くでアニーリングすると、四フッ化シリコン(SiF)、アンモニア(NH)、またはフッ化水素(HF)などのガスの組み合わせに変換することができる。
【0020】
第1の層202を除去した後で、例えば、下記に説明するようなシステム500の搬送ロボット510および第1の段階搬送チャンバ506などの、搬送チャンバを介した搬送ロボットによって、下記に示すようなプロセスチャンバ512、514、516、および518のうちのいずれかなどのエピタキシャル堆積用に構成されたプロセスチャンバへ、シリコン含有層200を有する基板を搬送することができる。例えば、下記に論じるように、アニーリングステップ102および堆積ステップ106の両方を実行するために、同じプロセスチャンバを利用することができる。
【0021】
ステップ106において、第2の層210を、シリコン含有層200の露出した表面上に堆積させることができる。第2の層210は、シリコン含有層200に関して上に開示した材料のうちの1つまたは複数を包含することができる。それに加えて、第2の層210は、ゲルマニウム(Ge)、III−V族元素、またはガリウムヒ素(GaAs)、アルミニウムヒ素(AlAs)、インジウムヒ素(InAs)、アルミニウムアンチモン(AlSb)、インジウムアンチモン(InSb)、ガリウムアンチモン(GaSb)、ガリウムリン(GaP)、アルミニウムリン(AlP)、インジウムリン(InP)、もしくはその他などのIII−V族元素から形成される合金のうちの1つまたは複数を包含することができる。ある実施形態では、第2の層は、シリコンゲルマニウム(SiGe)である。ある実施形態では、シリコン含有層は、シリコン(Si)であり、第2の層は、シリコンゲルマニウム(SiGe)である。化学気相堆積(CVD)、原子層堆積(ALD)、またはその他によってなどの、任意の適した方式で、第2の層210を堆積させることができる。ある実施形態では、第2の層210は、約600オングストロームの厚さに形成した25原子パーセントのゲルマニウムを有するシリコンゲルマニウム(SiGe)包含することができる。
【0022】
第2の層210の堆積の完了で、方法100は、一般に終了し、基板上に構造および/またはデバイスの形成を完了させるために、基板を、要望に応じて処理し続けることができる。本明細書中に説明した方法により処理した基板は、シリコン含有層200と第2の層210との間の界面のところの汚染を都合よく減少させることができる。例えば、図3は、従来技術方法によって堆積した隣接する層の界面のところの汚染濃度と、本明細書中に開示した方法によって堆積した隣接する層の界面のところの汚染濃度との比較を図示する。図3に示したデータは、二次イオン質量分析法(SIMS)を使用して取得し、シリコン含有層と第2の層との間の界面のところの汚染、例えば、酸素の濃度プロファイルを図説する。曲線302は、図1の方法100を実行しないで形成したシリコン含有層と第2の層との間の界面のところの濃度プロファイルを図説し、曲線304は、方法100に従って形成したシリコン含有層200と第2の層210との界面のところの濃度プロファイルを図説する。曲線302に示される界面のところでは、酸素の濃度が、方法100によって形成した曲線304に示される界面のところよりも高い。例えば、曲線302に示したように、方法100を実行しない界面のところの酸素のピーク値が約4×1018atoms/cmであり、または、約2×1018atoms/cmから約8×1018atoms/cmまでの範囲になる場合があることを、発明者は見出した。しかしながら、方法100に関して上に説明したように本発明の実施形態を使用して、例えば、アニーリングステップ102を、約摂氏550度の温度で約10秒の期間にわたって実行したときに、曲線304に示した界面のところの酸素のピーク値が約2×1018atoms/cmである場合があることを、発明者は見出した。また、アニーリングステップ102を、約摂氏600度の温度で約5秒の期間にわたって実行したときに、曲線304に示した界面のところの酸素のピーク値を、約1×1018atoms/cmよりも低くすることができる。ある実施形態では、曲線304に示した界面のところの酸素のピーク値を、酸素については約3×1017atoms/cmである検出限界以下に減少させることができる。
【0023】
本明細書において説明するエッチングプロセスを、Santa Clara、CaliforniaのApplied Materials,Inc.から入手可能なSICONI(商標)Precleanプロセスチャンバなどの任意の適切なエッチチャンバ、または図4に関して下記に説明するような他の適切なエッチチャンバ中で実行することができる。さらに、図4に説明するエッチチャンバのさらなる詳細を、米国特許第7,494,545号、名称「EPITAXIAL DEPOSITION PROCESS AND APPARATUS」、米国特許出願第2006/0130971号、名称「APPARATUS FOR GENERATING PLASMA BY RF POWER」、および米国特許出願第2006/0051966号、名称「IN−SITU CHAMBER CLEAN PROCESS TO REMOVE BY−PRODUCTS DEPOSITS FROM CHEMICAL VAPOR ETCH CHAMBER」中に見出すことができる。エッチチャンバを、やはり、Applied Materials, Inc.から入手可能なクラスタツールのCENTURA(登録商標)またはENDURA(登録商標)ラインのうちの1つなどのクラスタツールの一部とすることができる。典型例のクラスタツールを、図5に例示する。
【0024】
図4は、典型例のエッチチャンバ400の概略的断面図である。エッチチャンバ400は、処理用容積403を囲み、遠隔プラズマ発生器412に連結されたチャンバ壁402を含むことができる。遠隔プラズマ発生器412を、プラズマ406を発生するように構成する。処理用容積403へプロセスプラズマ406を配送するためのチューブ、パイプ、および/またはマニフォールドなどのプラズマ分配装置404を介して、遠隔プラズマ発生器412を、処理用容積403に流体的に連結することができる。処理用容積403内部に配置するものを、基板408が上に配置される基板支持ペデスタル410とすることができる。プロセスプラズマ406は、基板408の上方に設置したシャワーヘッド414を介して基板408に配送することができる。基板408は、ピン416によって低い位置とシャワーヘッド414に近い高い位置との間を制御可能に動かすことができる。基板408は、図2Aにおいて説明したように、シリコン含有層200および第1の層202を含むことができる。
【0025】
ある実施形態では、プラズマ分配装置404は、プロセスガスから発生したプラズマ406をプロセスチャンバ400中へと導入することができる。ある実施形態では、エッチプラズマ406用の供給配管は、(i)チャンバ中へのプロセスプラズマの流れを自動的にまたは手動で遮断するために使用することができるいくつかの安全遮断弁(図示せず)、および(ii)供給配管を通るプラズマ406の流れを測定するマスフローコントローラ(図示せず)を含むことができる。
【0026】
チャンバ壁402は、チャンバ壁上にエッチャントおよび/または副生成物の凝結を実質的に防止するための温度を有することができる。基板408の表面上にエッチャントを凝結させるために、約−100℃と約1000℃との間の所望の温度を与えるように、ペデスタル410を動作させることができる。上記の実施形態において説明したように、エッチャントは、次に、誘電体層および追加の層と望ましく相互に作用することができる。
【0027】
ある実施形態では、余分なプロセスガスおよび/または分解したガスなどの副生成物をエッチチャンバ400から望ましく除去するために、少なくとも1つのポンピング流路420を、エッチチャンバ400内部に構成することができる。副生成物を望ましく除去することができるように、ポンピング流路420を、例えば、ポンプまたはモータに連結することができる。ある実施形態では、ポンピング流路420は、少なくとも1つの開口部(図示せず)を有することができ、そこを通って副生成物を望ましく除去することができる。
【0028】
ある実施形態では、プロセスガスを励起させてプラズマ406を形成するために、RF電源(図示せず)をプラズマ発生器412に連結することができる。RF電源は、約5ワットと約3,000ワットとの間のRF電力を与えるように動作することができる。RF電源は、約100kHzと約64MHzとの間のRF周波数で電力を供給することができる。
【0029】
システムコントローラ422を、プロセスチャンバ400に連結することができ、エッチシステムの動作のすべてを制御することができる。システムコントローラは、メモリなどのコンピュータ可読媒体中に記憶されたコンピュータプログラムであるシステム制御ソフトウェアを実施する。ある実施形態では、メモリは、ハードディスク駆動装置であるが、メモリを、やはり、別の種類のメモリとすることができる。コンピュータプログラムは、特定のプロセスのタイミング、ガスの混合、チャンバ圧力、チャンバ温度、およびその他のパラメータを指図する命令のセットを含む。例えば、フロッピディスクまたは別のもう1つのふさわしい駆動装置を含む別のメモリデバイス上に記憶された別のコンピュータプログラムを、やはりコントローラを動作させるために使用することができる。プロセスチャンバ400が(マルチチャンバプロセスシステム500などの)クラスタツールに連結されている実施形態では、本明細書中で説明した実行するエッチングプロセス用のコンピュータ可読媒体を、クラスタツールの(コントローラ550などの)システムコントローラ中に記憶させることができ、システムコントローラから実施することができる。
【0030】
図5は、例示的なマルチチャンバプロセスシステム500(例えば、クラスタツール)の概略的上面図である。システム500は、システム500中へとおよびシステムから外に基板を搬送するための第1の段階搬送チャンバ506に連結された1つまたは複数のロードロックチャンバ502、504を含むことができる。典型的には、システム500が真空下であるので、ロードロックチャンバ502、504は、システム500中へと導入する基板を「真空にする」ことができる。第1のロボット510は、ロードロックチャンバ502、504と、第1の段階搬送チャンバ506に連結された1つまたは複数の基板プロセスチャンバ512、514、516、518の第1のセットとの間で基板を搬送することができる。周期的層堆積(CLD)プロセス、原子層堆積(ALD)プロセス、化学気相堆積(CVD)プロセス、物理気相堆積(PVD)プロセス、エッチプロセス、プレクリーンプロセス、脱ガスプロセス、配向プロセス、および他の基板プロセスに加えて本明細書中で説明するエッチングプロセスを含む複数の基板処理操作を実行するために、各プロセスチャンバ512、514、516、518を、選ぶことができる。例えば、ある実施形態では、システム500の少なくとも1つのプロセスチャンバが、エピタキシャル堆積用に構成されて、方法100のアニーリングステップ102および堆積ステップ106に利用され、システム500の少なくとも1つのプロセスチャンバが、エッチングプロセスを使用して第1の層202を除去するために構成された上述のプロセスチャンバ400である。しかしながら、アニーリングステップ102および堆積ステップ106は、必ずしも同じチャンバ内で両者とも実行する必要がなく、アニーリングステップ102および堆積ステップ106のプロセス必要条件を備えることが可能なシステム500の別々のチャンバ内で実行することができる。
【0031】
第1のロボット510は、やはり、第1の段階搬送チャンバ506と第2の段階搬送チャンバ508との間に配置された1つまたは複数の搬送チャンバ522、524へ/から基板を搬送することができる。超高真空状態を維持しながら、第1の段階搬送チャンバ506と第2の段階搬送チャンバ508との間などのシステム500内部で基板を搬送することを可能にするために、搬送チャンバ522、524を使用することができる。第2のロボット530は、搬送チャンバ522、524と、第2の段階搬送チャンバ508に連結された1つまたは複数のプロセスチャンバ532、534、536、538の第2のセットとの間で基板を搬送することができる。プロセスチャンバ512、514、516、518と同様に、例えば、周期的層堆積(CLD)、原子層堆積(ALD)、化学気相堆積(CVD)、物理気相堆積(PVD)、エッチ、プレクリーン、脱ガス、および配向に加えて、本明細書中で説明したドライエッチプロセスを含む様々な基板処理操作を実行するために、プロセスチャンバ532、534、536、538を、選ぶことができる。システム500によって実行しようとする特定のプロセスにとって必要でない場合には、基板プロセスチャンバ512、514、516、518、532、534、536、538のうちのいずれかを、システム500から取り除くことができる。
【0032】
システムコントローラ550は、プロセスチャンバ512、514、516、518、532、534、536、538の直接制御を使用して、あるいは、プロセスチャンバ512、514、516、518、532、534、536、538およびシステム500に関連するコンピュータ(すなわちコントローラ)を制御することによって、システムの動作を制御する。動作では、システムコントローラ550は、データ収集ならびにそれぞれのチャンバおよびシステムからのフィードバックを利用可能にさせて、システム500の性能を最適化する。システムコントローラ550は、一般に中央処理ユニット(CPU)552、メモリ554、および支援回路556を含む。CPU552を、工業的設定の際に使用することができる任意の形式の汎用コンピュータプロセッサのうちの1つとすることができる。支援回路556は、CPU552に従来通り連結され、キャッシュ、クロック回路、入力/出力サブシステム、電源などを備えることができる。上に説明したような方法100などのソフトウェアルーチンは、CPU552によって実施されたときに、CPU552を特殊目的コンピュータ(コントローラ)902へと変換する。ソフトウェアルーチンを、やはり、システム500から離れて設けられた第2のコントローラ(図示せず)によって記憶するおよび/または実施することができる。
【0033】
従って、界面汚染を低減した層の堆積方法を、本明細書中に開示してきている。発明の方法は、層間の、例えば、堆積させた層と下にある基板または膜との間の界面のところの汚染を減少させることができる。
【0034】
上記は本発明の実施形態に向けられているが、本発明の別の実施形態およびさらなる実施形態を、本発明の基本的な範囲から乖離せずに考案することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の層が上に配置されたシリコン含有層を還元性雰囲気中でアニールすることと、
アニールの後で、前記シリコン含有層を露出させるエッチングプロセスを使用して前記第1の層を除去することと、
前記露出させたシリコン含有層上に第2の層を堆積させることと
を含む、層の堆積方法。
【請求項2】
前記還元性雰囲気が、非プラズマ状態の還元性ガスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記還元性雰囲気が、還元性ガスから形成されたプラズマを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記還元性ガスが、水素(H)、または水素(H)と、窒素(N)、アルゴン(Ar)、およびヘリウム(He)のうちの少なくとも1つとを含む、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記アニールするステップが、
約摂氏100度から約摂氏700度の温度で前記シリコン含有層をアニールすること
をさらに含む、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記アニールするステップが、
約摂氏300度から約摂氏700度の温度で前記シリコン含有層をアニールすること
をさらに含む、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記アニールするステップが、
約1分以下の期間にわたり前記シリコン含有層をアニールすること
をさらに含む、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記アニールするステップが、
約30秒未満の期間にわたり前記シリコン含有層をアニールすること
をさらに含む、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記エッチングプロセスが、
エッチャントガスから形成されるプラズマを用いて前記第1の層をエッチングすること
をさらに含む、請求項1ないし8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記エッチャントガスが、三フッ化窒素(NF)およびアンモニア(NH)のうちの少なくとも1つを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記エッチングプロセスが、
前記プラズマを使用して前記第1の層を昇華可能固体へと少なくとも部分的に変換することと、約100度よりも高い温度で前記シリコン含有層をアニールすることによって前記昇華可能固体を除去することと
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
第1のチャンバ内で前記アニールを実行することと、
不活性雰囲気中で、前記第1のチャンバと第2のチャンバとの間で前記シリコン含有層を搬送することと、
前記第2のチャンバ内で前記除去を実行することと、
不活性雰囲気中で、前記第2のチャンバと第3のチャンバとの間で前記シリコン含有層を搬送することと、
前記第1のチャンバと同じまたは異なる前記第3のチャンバ内で前記堆積を実行することと
をさらに含む、請求項1ないし11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の層が酸化物層を含む、請求項1ないし12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記シリコン含有層が、シリコン(Si)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、シリコン炭素(SiC)、シリコンリン(SiP)、シリコンホウ素(SiB)、シリコンゲルマニウムホウ素(SiGeB)、シリコンゲルマニウムリン(SiGeP)、およびシリコン炭素リン(SiCP)のうちの少なくとも1つを包含し、前記第2の層が、シリコン(Si)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、シリコン炭素(SiC)、シリコンリン(SiP)、シリコンホウ素(SiB)、シリコンゲルマニウムホウ素(SiGeB)、シリコンゲルマニウムリン(SiGeP)、シリコン炭素リン(SiCP)、ガリウムヒ素(GaAs)、アルミニウムヒ素(AlAs)、インジウムヒ素(InAs)、アルミニウムアンチモン(AlSb)、インジウムアンチモン(InSb)、ガリウムアンチモン(GaSb)、ガリウムリン(GaP)、アルミニウムリン(AlP)、およびインジウムリン(InP)のうちの少なくとも1つを含む、請求項1ないし13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記シリコン含有層がシリコン(Si)であり、前記第2の層がシリコンゲルマニウム(SiGe)である、請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−519962(P2012−519962A)
【公表日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−553102(P2011−553102)
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際出願番号】PCT/US2010/026174
【国際公開番号】WO2010/102089
【国際公開日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】