説明

疼痛を治療するためのセピアプテリンレダクターゼ阻害薬

本明細書には、セピアプテリンレダクターゼ(SPR)の小分子複素環式阻害薬ならびにそのプロドラッグおよび薬学的に許容される塩が開示されている。また、これらの化合物の医薬組成物および疼痛(例えば、炎症性、侵害受容性、機能性疼痛および神経障害性疼痛)を治療または予防するためのこれらの化合物の使用も特徴付けられている。SPRは、6−ピルボイルテトラヒドロプテリンのBH4への変換であるBH4合成経路における最終ステップを触媒する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年10月15日出願の米国特許仮出願第61/252,013号の利益を主張し、これは、参照によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
一般に、本発明は、セピアプテリンレダクターゼ(SPR)の小分子複素環式阻害薬およびこれらの化合物の医学的使用に関する。
【0003】
次の構造:
【化1】


を有するテトラヒドロビオプテリン(BH4)は、セロトニン、メラトニン、ドーパミン、ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)、エピネフリン(アドレナリン)および一酸化窒素(NO)などの神経伝達物質の合成に関与しているヒドロキシラーゼ酵素の必須補因子である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
SPRは、6−ピルボイルテトラヒドロプテリンのBH4への変換であるBH4合成経路における最終ステップを触媒する。SPRはまた、新規BH4合成に関与している2種の酵素のうちの1種でもあり、これは、前臨床疼痛モデルにおいてアップレギュレーションされ、これらの酵素の活性を低下させると、前臨床疼痛の軽減がもたらされる(Tegederら、Nature Medicine 12:1269〜1277、2006)。したがって、SPRの阻害は、疼痛を治療または予防するための新たな方法を開発するための有用な標的であり得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一般に、第1の態様において、本発明は、式(I)による構造を有する化合物またはそのプロドラッグもしくは薬学的に許容される塩を特徴とする:
【化2】


[式中、
およびXはそれぞれ独立に、N、C−HまたはC−ハロゲンであり;
Aは、単結合、C(=O)またはSOであり;
は、(CHOR1A、ハロゲン(例えば、F、Cl、BrまたはI、好ましくはCl)、アミノ(例えば、NH)、CN、SO1A、NHSO1A、NHC(=O)R1AまたはC(=O)N(R1Aであり;
1Aはそれぞれ独立に、Hまたは置換されていてもよいC1〜6アルキルであり;
nは、0、1または2であり;
は、CHOR2A、置換されていてもよいC1〜6アルキル、置換されていてもよいC3〜9シクロアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロシクリルまたは置換されていてもよいヘテロアリールであり;
2Aは、Hまたは置換されていてもよいC1〜6アルキルであり;
3AおよびR3Bは両方ともHであるか、またはR3AおよびR3Bは一緒になって、=Oを形成しており;
4AおよびR4Bは両方ともHであるか、またはR4AおよびR4Bは一緒になって、=Oを形成しており;
およびRはそれぞれ独立に、H、置換されていてもよいC1〜6アルキル、置換されていてもよいC3〜10シクロアルキル、置換されていてもよいアルカリールまたは置換されていてもよいアルクヘテロアリールであり;
ここで、AがC(=O)である場合、RはOHであり、RはCHOMe、R3A、R3B、R4AおよびR4BはそれぞれHであり、RはHであり、RはHではない]。
【0006】
一部の実施形態では、R3AおよびR3BならびにR4AおよびR4Bのただ一方のみが、一緒になって、=Oを形成していてよい。
【0007】
他の実施形態では、XおよびXの一方または両方がC−Hであるか、またはXおよびXの一方または両方がC−Clである。
【0008】
ある種の実施形態では、RおよびRは独立に、H、分岐C1〜6アルキル、アミノアルキル、アルコキシアルキルまたはハロアルキルである。
【0009】
一部の実施形態では、化合物は、式(I−A)による構造またはそのプロドラッグもしくは薬学的に許容される塩を有する
【化3】


[式中、Rは、(CHOR1A、ハロゲン、CN、SO1A、NHSO1AまたはC(=O)N(R1Aであり;Rは、Hまたは置換されていてもよいC1〜6アルキルであり;Rは、Hまたは置換されていてもよいC1〜6アルキルであり;ここで、R3AおよびR3Bならびに4AおよびR4Bのただ一方のみが、一緒になって、=Oを形成していてよい]。
【0010】
ある種の実施形態では、Rは、OH、CHOH、F、CN、SOCH、NHSOCHまたはC(=O)NHである。
【0011】
他の実施形態では、Rは、(CHOR2Bであり、ここで、mは、1、2または3であり、R2BはHまたは置換されていてもよいC1〜6アルキルである。
【0012】
一部の実施形態では、Rは、HまたはCHである。
【0013】
他の実施形態では、Rは、HまたはCHである。
【0014】
さらに他の実施形態では、R3A、R3B、R4AおよびR4Bはそれぞれ、Hである。
【0015】
ある種の実施形態では、R3AおよびR3Bは一緒になって、=Oを形成している。他の実施形態では、R4AおよびR4Bは一緒になって、=Oを形成している。
【0016】
ある種の実施形態では、化合物は、下式による構造またはそのプロドラッグもしくは薬学的に許容される塩を有する:
【化4】


[式中、Rは、OH、CHOH、F、CN、SO1A、NHSO1AまたはC(=O)NHであり;R1Aは、置換されていてもよいC1〜3アルキルであり;Rは、置換されていてもよいC3〜6アルキル、置換されていてもよいC3〜6シクロアルキル、置換されていてもよい5〜6員のヘテロシクリルまたは置換されていてもよいヘテロアリールであり;Rは、HまたはCHであり;Rは、Hまたは置換されていてもよいC1〜3アルキルである]。
【0017】
一部の実施形態では、式(I)の化合物は次の構造を有する:
【化5】

【0018】
一部の実施形態では、化合物は、下式による構造またはそのプロドラッグもしくは薬学的に許容される塩を有する:
【化6】


[式中、Rは、OH、CHOH、F、CN、SO1A、NHSO1AまたはC(=O)NHであり;R1Aは、置換されていてもよいC1〜3アルキルであり;Rは、置換されていてもよいC1〜6アルキルまたは置換されていてもよいC3〜6シクロアルキルであり;Rは、HまたはCHであり;Rは、Hまたは置換されていてもよいC1〜3アルキルである]。一部の実施形態では、Rは、OHであり、RおよびRはそれぞれHである。一部の実施形態では、化合物は、下式からなる群から選択される:
【化7】

【0019】
さらに他の実施形態では、化合物は、下式による構造またはそのプロドラッグもしくは薬学的に許容される塩を有する:
【化8】


[式中、Rは、OH、CHOH、F、CN、SO1A、NHSO1AまたはC(=O)NHであり;R1Aは、置換されていてもよいC1〜3アルキルであり;Rは、置換されていてもよいC1〜6アルキルまたは置換されていてもよいヘテロアリールであり;Rは、Hまたは置換されていてもよいC1〜3アルキルである]。一部の実施形態では、Rは、OHであり、RはHである。他の実施形態では、Rは、置換されていてもよいピリジルまたは、C1〜2アルコキシ置換基を包含するC1〜3アルキルである。一部の実施形態では、化合物は、下式からなる群から選択される:
【化9】

【0020】
第2の態様では、本発明は、式(II)による構造を有するさらなる化合物またはそのプロドラッグもしくは薬学的に許容される塩を特徴とする:
【化10】


[式中、
Xは、NまたはCHであり;
mは、0または1であり;
は、(CHOR1A、ハロゲン、CN、アミノ(例えば、NH)、SO1A、NHSO1A、NHC(=O)R1AまたはC(=O)N(R1Aであり;
1Aはそれぞれ独立に、Hまたは置換されていてもよいC1〜6アルキルであり;
nは、0、1または2であり;
は、Hまたは置換されていてもよいC1〜3アルキルであり;
は、H、C(=O)R3AまたはSO3Aであり;
3Aは、置換されていてもよいC1〜6アルキルである]。
【0021】
一部の実施形態では、化合物は、下式のいずれかによる構造またはそのプロドラッグもしくは薬学的に許容される塩を有する:
【化11】

【0022】
ある種の実施形態では、XはNであり、mは1であり、RはHである。他の実施形態では、Rはアミノである。一部の実施形態では、Rは、C(=O)R3Aであり、R3Aは、C1〜3アルコキシ置換基を包含するC1〜3アルキルである。さらなる実施形態では、化合物は、下式である:
【化12】

【0023】
一部の実施形態では、XはCHであり、mは1であり、RはHである。他の実施形態では、Rは、F、OH、CN、CHOR1A、SO1A、NHSO1AまたはC(=O)NHであり;R1Aは、HまたはC1〜2アルキルである。
【0024】
さらに他の実施形態では、Rは、HまたはC(=O)R3Aであり、R3Aは、C1〜3アルコキシ置換基を包含するC1〜3アルキルである。ある種の実施形態では、化合物は、下式からなる群から選択される:
【化13】

【0025】
一部の実施形態では、Rは、SO3Aであり、R3Aは、置換されていてもよいC1〜4アルキルである。ある種の実施形態では、化合物は、下式からなる群から選択される:
【化14】

【0026】
本明細書に記載の実施形態のいずれにおいても(例えば、式(I)または(II)の化合物)、化合物は、セピアプテリンレダクターゼ(SPR)の阻害薬である。
【0027】
関連する態様において、本発明は、本明細書に記載の化合物(例えば、有効量の)(例えば、式(I)もしくは(II)の化合物または化合物(1)〜(39)のいずれか)またはその互変異性体、プロドラッグもしくは薬学的に許容される塩のいずれかと、薬学的に許容される添加剤とを包含する医薬組成物に関する。医薬組成物は、有効量の化合物(例えば、式(I)もしくは(II)の化合物または化合物(1)〜(39)のいずれか)またはその互変異性体、プロドラッグもしくは薬学的に許容される塩を包含してよい。
【0028】
他の関連する態様では、本発明は、哺乳動物における状態を治療、軽減または予防する方法に関し、この方法は、本明細書に記載されている化合物(例えば、式(I)もしくは(II)の化合物または化合物(1)〜(39)のいずれか)またはその互変異性体、プロドラッグもしくは薬学的に許容される塩またはその医薬組成物のいずれかを哺乳動物に、SPRを阻害するのに十分な投薬量で投与することを包含する。一実施形態では、状態は疼痛である。疼痛は、神経障害性、炎症性、侵害受容性または機能性疼痛であってよい。さらに、疼痛は、慢性または急性であってよい。
【0029】
最終的に、本発明は、細胞においてSPRを阻害する方法に関し、この方法は、細胞を本明細書に記載されている化合物(例えば、式(I)もしくは(II)の化合物または化合物(1)〜(39)のいずれか)またはその互変異性体、プロドラッグもしくは薬学的に許容される塩のいずれかと接触させることを伴う。
【0030】
「Cx〜yアルカリール」という用語は、本明細書で使用される場合、式−RR’の化学的置換基を表し、ここで、Rは、xからy個の炭素からなるアルキレン基であり、R’は、本明細書で定義されているとおりのアリール基である。同様に、「Cx〜yアルクヘテロアリール」という用語は、式−RR”の化学的置換基を意味しており、ここで、Rは、xからy個の炭素からなるアルキレン基であり、R”は、本明細書で定義されているとおりのヘテロアリール基である。接頭辞「アルク−」が先行する他の基も同様に定義される。例示的な非置換アルカリール基は、7から16個の炭素からなる。
【0031】
「アルクシクロアルキル」という用語は、アルキレン基を介して親分子基に結合しているシクロアルキル基を表す。
【0032】
「アルケニル」または「C2〜6アルケニル」という用語は、本明細書で使用される場合、1つまたは複数の炭素−炭素二重結合を含有し、別段に規定されていない限り、2から6個の炭素からなる一価の直鎖または分岐鎖基を表し、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニルなどによって例示される。置換C2〜6アルケニルは、任意の位置に位置する例えば、1、2、3、4、5または6個の置換基を有してよい。
【0033】
「アルクヘテロシクリル」という用語は、アルキレン基を介して親分子基に結合している複素環式基を表す。例示的な非置換アルクヘテロシクリル基は、2から14個の炭素からなる。
【0034】
「アルコキシ」という用語は、別段に規定されていない限り(例えば、「C1〜3アルコキシ」はC1〜3アルキル基を包含するアルコキシ基を指す)、Rが、1から6個の炭素からなる置換されていてもよいアルキルであり、ここで、置換されていてもよいアルキルは、分岐、直鎖または環式であってよい、式−ORの化学的置換基を表す。「C1〜6アルキル」は、置換されていてよいか、または非置換であってよい。置換C1〜6アルキルは、任意の位置に位置する例えば、1、2、3、4、5または6個の置換基を有してよい。例示的なアルコキシ基には、これらに限られないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、tert−ブトキシなどが包含される。
【0035】
「アルコキシアルキル」という用語は、アルコキシ基で置換されているアルキル基を表す。例示的な非置換アルコキシアルキル基は、2〜12個の炭素を包含する。一部の実施形態では、アルキルおよびアルコキシはそれぞれ、個々の基について本明細書で定義されているとおりの1、2、3または4個の置換基でさらに置換されていてよい。
【0036】
「アルキル」という用語および接頭辞「アルク−」は、本明細書で使用される場合、別段に規定されていない限り(例えば「C1〜4アルキル」は、1〜4個の炭素を有するアルキル基を指す)、1から6個の炭素からなる直鎖飽和基および分岐鎖飽和基の両方を包含する。アルキル基は、メチル、エチル、n−およびイソプロピル、n−、sec−、イソ−およびtert−ブチル、ネオペンチルなどによって例示され、置換されていてもよい。例示的な置換アルキル基には、これらに限られないが、本明細書で定義されているとおりのアルカリール、アルコキシアルキル、アミノアルキルおよびハロアルキル(例えば、ペルフルオロアルキル)基が包含される。
【0037】
「アルキレン」という用語は、本明細書で使用される場合、直鎖または分岐鎖飽和炭化水素からの2個の水素原子の除去に由来する二価の飽和炭化水素基を表し、メチレン(−CH−)、エチレン(−CHCH−)、イソプロピレンなどによって例示される。
【0038】
「アミノ」とは、構造−NR’R”を有する基を意味し、ここで、R’およびR”はそれぞれ、H、置換されていてもよいC1〜6アルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいヘテロシクリル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリールから独立に選択されるか、またはR’およびR”は一緒になって、置換されていてもよいヘテロシクリルを形成している。R’がHではないか、またはR”がHではない場合、R’およびR”は、非置換であるか、または例えば、1、2、3、4、5または6個の置換基で置換されていてよい。
【0039】
「アミノアルキル」または「C1〜6アルキルアミノ」という用語は、本明細書で使用される場合、本明細書で定義されているとおりのアミノ基によって置換されている本明細書で定義されているとおりのアルキル基を表す。アルキルおよびアミノはそれぞれ、個々の基について本明細書で記載されているとおりの1、2、3または4個の置換基でさらに置換されていてよい。
【0040】
「アリール」とは、共役している[4n+2]π電子を有し、nが1、2または3である置換されていてもよいC〜C10環式基を意味する。アリールの非限定的な例には、ヘテロアリールおよび、例えば、ベンゼンおよびナフタレンが包含される。アリールにはまた、非芳香族飽和または部分不飽和炭素環式環(例えば、シクロアルキルまたはシクロアルケニル)がベンゼンまたはナフタレンなどの芳香環に縮合している二環式および三環式環系も包含される。非芳香環に縮合している例示的なアリールには、インダニルおよびテトラヒドロナフチルが包含される。本明細書で定義されているとおりのアリールはいずれも、非置換であるか、または置換されていてよい。置換アリールは、環の任意の位置に位置している例えば、1、2、3、4、5または6個の置換基で置換されていてよい。
【0041】
「シクロアルキル」とは、置換されていてもよい飽和または部分不飽和の3員から10員の単環式または多環式(例えば、二環式または三環式)炭化水素環系を意味する。シクロアルキルが多環式である場合、構成成分のシクロアルキル環は一緒に縮合して、スピロ環式構造を形成していてよいか、または多環式シクロアルキルは、架橋シクロアルキル(例えば、アダマンチルまたはノルボナニル)であってよい。例示的なシクロアルキルには、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルが包含される。シクロアルキルは、非置換であるか、または置換されていてよい。置換シクロアルキルは、例えば、1、2、3、4、5または6個の置換基を有してよい。
【0042】
「シクロアルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、別段に規定されていない限り、3から8個の炭素からなる一価の飽和または不飽和非芳香族環式炭化水素基を表し、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ビシクロ[2.2.1.]ヘプチルなどによって例示される。本発明のシクロアルキル基は、置換されていてもよい。
【0043】
化合物(例えば、化合物(1)〜(39)の化合物または式(I)もしくは(II)による化合物のいずれか)の「有効量」という用語は、本明細書で使用される場合、臨床結果などの有益か、または所望の結果をもたらすのに十分な量であり、したがって、「有効量」は、施与されている状況に左右される。例えば、SPRを阻害する薬剤を投与している状況において、薬剤の有効量は例えば、その薬剤を投与しない場合に得られる応答と比較して、SPR活性の低減を達成し、そのことによって、痛覚を予防、軽減または除去するのに十分な量である。疼痛を治療的処置するための本発明を実行するために使用される活性化合物(複数可)の有効量はまた、投与方法、対象の年齢および体重、さらに、疼痛の原因となっているベースにある病理に応じて変動する。最終的に、担当医師または獣医師が、適切な量および投与計画を決定する。
【0044】
「ハロアルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、ハロゲン基(即ち、F、CI、BrまたはI)によって置換されている本明細書で定義されているとおりのアルキル基を表す。ハロアルキルは、1個、2個、3個のハロゲンまたは、2個以上の炭素からなるアルキル基の場合には、4個のハロゲンで置換されいてよい。一部の実施形態では、ハロアルキル基は、アルキル基に関して本明細書に記載されているとおりの1、2、3または4個の置換基でさらに置換されていてもよい。ハロアルキル基には、ペルフルオロアルキルが包含される。
【0045】
「ハロゲン」または「ハロ」とは、フッ素(−F)、塩素(−C1)、臭素(−Br)またはヨウ素(−I)を意味している。
【0046】
「ヘテロアリール」という用語は、本明細書で使用される場合、芳香族である:即ち、4n+2π電子を単環式または多環式環系内に含有する本明細書で定義されているとおりの複素環のサブセットを表している。例示的なヘテロアリールには、これらに限られないが、フラン、チオフェン、ピロール、チアジアゾール(例えば、1,2,3−チアジアゾールまたは1,2,4−チアジアゾール)、オキサジアゾール(例えば、1,2,3−オキサジアゾールまたは1,2,5−オキサジアゾール)、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、ピラゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、トリアゾール(例えば、1,2,4−トリアゾールまたは1,2,3−トリアゾール)、ベンゾトリアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、キノリン、イソキノリン、プリン、ピラジン、プテリジン、トリアジン(例えば、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジンまたは1,3,5−トリアジン)インドール、1,2,4,5−テトラジン、ベンゾ[b]チオフェン、ベンゾ[c]チオフェン、ベンゾフラン、イソベンゾフランおよびベンゾイミダゾールが包含される。ヘテロアリールは、非置換であるか、または置換されていてよい。置換ヘテロアリールは、例えば、1、2、3、4、5または6個の置換基を有してよい。
【0047】
本明細書で互換的に使用されている「複素環」または「ヘテロシクリル」という用語は、別段に規定されていない限り、窒素、酸素およびイオウからなる群から独立に選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含有する5員、6員または7員の環を表す。5員の環は、0から2つの二重結合を有し、6員および7員の環は、0から3つの二重結合を有する。「ヘテロシクリル」という用語はまた、1個または複数の炭素および/またはヘテロ原子が単環式環の隣接していない2つの員を架橋している架橋多環式構造、例えばキヌクリジニル基を有する複素環式化合物も表す。「複素環」という用語には、上記複素環式環のいずれかが、例えば、アリール環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、シクロペンタン環、シクロペンテン環およびインドリル、キノリル、イソキノリル、テトラヒドロキノリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニルなどの他の単環式複素環式環などの1、2または3個の環に縮合している二環式、三環式および四環式基が包含される。縮合複素環の例には、トロパンおよびl,2,3,5,8,8a−ヘキサヒドロインドリジンが包含される。複素環式環には、ピロリル、ピロリニル、ピロリジニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピラジニル、ピペラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、フリル、チエニル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソインダゾイル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサジアゾリル、ウリシル、チアジアゾリル、ピリミジル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロインドリル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、ピラニル、ジヒドロピラニル、ジチアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニルなどが包含される。本明細書に述べられている複素環基はいずれも、1、2、3、4または5個の置換基で置換されていてもよい。
【0048】
「ヒドロキシル」という用語は、本明細書で使用される場合、−OH基を表す。
【0049】
「ニトリル」という用語は、本明細書で使用される場合、−CN基を表す。
【0050】
「疼痛」とは、急性または慢性に関わらず、炎症性疼痛、侵害受容性疼痛、機能性疼痛および神経障害性疼痛(末梢および中枢)を包含するあらゆる種類の疼痛を意味する。本明細書に記載されている方法によって治療することができる例示的で、非限定的な疼痛の種類には、筋骨格疼痛(外傷、感染および運動後の)、脊髄損傷、腫瘍、圧迫、炎症、歯痛、会陰切開疼痛が原因の神経障害性疼痛、深部および内臓疼痛(例えば、心臓疼痛、膀胱疼痛または骨盤臓器疼痛)、筋肉疼痛、眼疼痛、口顔疼痛(例えば、歯痛、三叉神経痛、舌咽神経痛)、腹痛、婦人科疼痛(例えば、月経困難および分娩疼痛)、外傷、圧迫、炎症、毒性化学物質、代謝障害、遺伝性条件、感染、脈管炎および自己免疫疾患による神経および神経根損傷に関連した疼痛、脊髄または脳幹損傷、脳血管性偶発症状、腫瘍、感染、多発性硬化症を包含する脱髄疾患による疼痛などの中枢神経系疼痛、腰痛、坐骨神経痛ならびに術後疼痛が包含される。疼痛はまた、例えば、軟部組織、関節、骨の炎症および/または損傷(例えば、急性外傷、変形性関節症または関節リウマチ)、筋筋膜疼痛症候群(線維筋痛症)、頭痛(群発性頭痛、片頭痛および緊張型頭痛を包含)、心筋梗塞、アンギナ、虚血性心臓血管疾患、卒中後疼痛、鎌状赤血球性貧血、末梢血管閉塞性疾患、癌、皮膚または関節の炎症状態、糖尿病性神経障害および外科手術または外傷性損傷(例えば、熱傷、裂傷または骨折)による急性組織損傷を包含する状態に随伴し得る。
【0051】
「ペルフルオロアルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、アルキル基に結合している各水素ラジカルが、フルオリドラジカルによって置き換えられている本明細書で定義されているとおりのアルキル基を表す。ペルフルオロアルキル基は、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルなどによって例示される。
【0052】
「医薬組成物」という用語は、本明細書で使用される場合、哺乳動物における疾患を治療するための治療計画の一部として、薬学的に許容される添加剤で製剤化されて、典型的には政府規制当局の認可によって製造または販売される本明細書に記載されている化合物(例えば、有効量の化合物)(例えば、化合物(1)〜(39)または式(I)もしくは(II)による化合物のいずれか)を含有する組成物を表す。医薬組成物は例えば、経口投与用に単位剤形で(例えば、錠剤、カプセル剤、カプレット剤、ゲルカップ剤またはシロップ剤);局所投与用に(例えば、クリーム剤、ゲル剤、ローション剤または軟膏剤として);静脈内投与用に(例えば、微粒子栓子を含まない無菌溶液として、および静脈内使用に適した溶媒系で);または本明細書に記載されている任意の他の製剤で製剤化することができる。
【0053】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される添加剤」は、本明細書に記載されている化合物以外(例えば、活性化合物を懸濁または溶解させ得るビヒクル)であり、患者において非毒性および非炎症性であるという特性を有する任意の成分を指す。添加剤には例えば:粘着防止剤、抗酸化剤、結合剤、コーティング剤、圧縮助剤、崩壊剤、染料(着色剤)、皮膚緩和剤、乳化剤、充填剤(希釈剤)、フィルム形成剤またはコーティング剤、香味剤、香料、流動促進剤(流動増大剤)、滑沢剤、防腐剤、印刷インク、吸着剤、懸濁化剤または分散化剤、甘味剤または水和の水が包含され得る。例示的な添加剤には、これらに限られないが:ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム(第二)、ステアリン酸カルシウム、クロスカルメロース、架橋ポリビニルピロリドン、クエン酸、クロスポビドン、システイン、エチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、マルチトール、マンニトール、メチオニン、メチルセルロース、メチルパラベン、微結晶性セルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポビドン、α化デンプン、プロピルパラベン、レチニルパルミテート、シェラック、二酸化ケイ素、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、クエン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ソルビトール、デンプン(トウモロコシ)、ステアリン酸、ステアリン酸、スクロース、タルク、二酸化チタン、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンCおよびキシリトールが包含される。
【0054】
「薬学的に許容されるプロドラッグ」という用語は、本明細書で使用される場合、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー性応答などを伴って、ヒトおよび動物の組織と接触させて使用するために適していて、合理的なベネフィット/リスク比に合致し、意図されているその使用のために有効である本発明の化合物のプロドラッグ、さらに、可能な場合には、本発明の化合物の双性イオン形態を表す。
【0055】
「薬学的に許容される塩」という用語は、本明細書で使用される場合、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー性応答などを伴うことなく、ヒトおよび動物の組織と接触させて使用するために適していて、合理的なベネフィット/リスク比に合致するその塩を表す。薬学的に許容される塩は、当分野で周知である。例えば、薬学的に許容される塩は、Bergeら、J.Pharmaceutical Sciences 66:1〜19、1977およびPharmaceutical Salts:Properties、Selection and Use(P.H.StahlおよびC.G.Wermuth編)、Wiley−VCH、2008に記載されている。塩は、本発明の化合物の最終の単離および精製の間にその場で、または遊離塩基基を適切な有機酸と反応させることによって別に調製することができる。代表的な酸付加塩には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプト酸塩、グリセロリン酸塩、半硫酸塩、ヘプトン酸塩、ヘキサン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが包含される。代表的なアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩は、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどを包含し、さらに、これらに限られないが、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンなどを包含する非毒性アンモニウム、第四級アンモニウムおよびアミンカチオンを包含する。
【0056】
「薬学的に許容される溶媒和物」または「溶媒和物」という用語は、本明細書で使用される場合、適切な溶媒の分子が結晶格子に組み込まれている本発明の化合物を意味する。適切な溶媒は、投与される投薬量で生理学的に許容され得る。例えば、溶媒和物は、有機溶媒、水またはそれらの混合物を包含する溶液からの結晶化、再結晶化または沈殿によって調製することができる。適切な溶媒の例は、エタノール、水(例えば、一水和物、二水和物および三水和物)、N−メチルピロリジノン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N’−ジメチルアセトアミド(DMAC)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMEU)、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2−(1H)−ピリミジノン(DMPU)、アセトニトリル(ACN)、プロピレングリコール、酢酸エチル、ベンジルアルコール、2−ピロリドン、安息香酸ベンジルなどである。水が溶媒である場合、溶媒和物は、「水和物」と称される。
【0057】
「予防する」という用語は、本明細書で使用される場合、疼痛(例えば、神経障害性または炎症性疼痛)などの本明細書に記載されている疾患、障害または状態の1つまたは複数の症状または状態を予防する予防的治療または治療を指す。予防的治療は、疾患、障害または状態の発症に先立つ事象の前(「曝露前予防」)またはその後(「曝露後予防」)に開始することができる。本発明の化合物またはその医薬組成物の投与を包含する予防的治療は、急性、短期または長期であってよい。投与される用量は、予防的治療の経過の間に変動させることができる。
【0058】
「プロドラッグ」という用語は、本明細書で使用される場合、in vivoで、例えば、血液中での加水分解によって上式の親化合物(例えば、化合物(1)〜(39)または式(I)もしくは(II)による化合物のいずれか)に迅速に変換される化合物を表す。本発明の化合物のプロドラッグは、従来のエステルであってよい。プロドラッグとして利用されている一部の一般的なエステルは、フェニルエステル、脂肪族(C〜CまたはC〜C24)エステル、コレステロールエステル、アシルオキシメチルエステル、カルバム酸エステルおよびアミノ酸エステルである。例えば、OH基を含有する本発明の化合物は、この位置でアシル化して、そのプロドラッグ形態にすることができる。徹底的な検討が、T.HiguchiおよびV.Stella、Pro−drugs as Novel Delivery Systems、Vol.14 of the A.C.S. Symposium Series、Edward B.Roche編、Bioreversible Carriers in Drug Design、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press、1987およびJudkinsら、Synthetic Communications 26(23):4351〜4367、1996に示されており、これらはそれぞれ、参照によって本明細書に組み込まれる。好ましくは、本発明の化合物のプロドラッグは、薬学的に許容される。
【0059】
「チオエーテル」という用語は、本明細書で使用される場合、C−SR基を指し、ここで、Rは、本明細書に記載されているとおりの非置換アルキルまたは置換アルキル(例えば、さらに置換されていてよいアルカリール基)である。
【0060】
「チオール」という用語は、本明細書で使用される場合、−SH基を指す。
【0061】
「チオオキソ」という用語は、本明細書で使用される場合、炭素原子がイオウに二重結合しているC=S基を指す。
【0062】
本明細書で使用される場合、および当分野で十分に理解されているとおり、「治療」は、臨床結果などの有益か、または所望の結果を得るための手法である。有益か、または所望の結果には、検出可能または検出不可能に関わらず、これらに限られないが、1つまたは複数の症状または状態の緩和または改善;疾患、障害または状態の規模の縮小;疾患、障害または状態の状況の安定化(即ち、悪化させないこと);疾患、障害または状態の広がりの予防;疾患、障害または状態の進行の遅延または減速;疾患、障害または状態の改善または寛解;および緩解(一部でも全部でも)が包含され得る。疾患、障害または状態の「寛解」は、治療しない場合の規模または時間経過と比較して、疾患、障害または状態の規模および/または望ましくない臨床的症状発現が小さくなり、かつ/または進行の時間経過が減速または延長することを意味する。同等の非治療対照と比較した場合に、そのような疼痛の低減は、当分野で公知の任意の標準的な技術によって測定して少なくとも5%、10%、20%、40%、50%、60%、80%、90%、95%または100%の低減である。疼痛を治療するために、本発明の方法では、治療は、疼痛感覚の原因となっているベースにある病理の治療を必ずしももたらさない。疼痛の治療は純粋に、対症的であってよい。
【0063】
本明細書に記載されている任意の基はいずれも、置換されていてよいか、または非置換であってよい。基が置換されている場合、基は、1、2、3、4、5または6個の置換基で置換されていてよい。場合による置換基には、これらに限られないが:C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、ハロゲン;アジド(−N)、ニトロ(−NO)、シアノ(−CN)、アシルオキシ(−OC(=O)R’)、アシル(−C(=O)R’)、アルコキシ(−OR’)、アミド(−NR’C(=O)R”または−C(=O)NRR’)、アミノ(−NRR’)、カルボン酸(−COH)、カルボン酸エステル(−COR’)、カルバモイル(−OC(=O)NR’R”または−NRC(=O)OR’)、ヒドロキシ(−OH)、イソシアノ(−NC)、スルホネート(−S(=O)OR)、スルホンアミド(−S(=O)NRR’または−NRS(=O)R’)またはスルホニル(−S(=O)R)が包含され、ここで、RまたはR’はそれぞれ、H、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールから独立に選択される。置換基は、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8または9個の置換基を有してよい。一部の実施形態では、基中の水素はそれぞれ、置換基(例えば、−CFもしくは−CFCFなどのペルハロアルキル基または−Cなどのペルハロアリール)によって置き換えられていてよい。他の実施形態では、置換基はそれ自体、置換基の水素を、本明細書に記載されているものなどの他の置換基によって置き換えることによってさらに置換されていてよい。置換基は、例えば、1、2、3、4、5または6個の本明細書で定義されているとおりの置換基でさらに置換されていてよい。例えば、低級C1〜6アルキルまたはアリール置換基(例えば、ヘテロアリール、フェニルまたはナフチル)は、1、2、3、4、5または6個の本明細書に記載されているとおりの置換基でさらに置換されていてよい。
【0064】
不斉またはキラル中心が、本発明の化合物のいずれかに存在することがある。本発明は、様々な立体異性体およびそれらの混合物を企図している。本発明の化合物の個々の立体異性体は、不斉またはキラル中心を含有する市販の出発物質から、または鏡像異性体化合物の混合物を調製し、続いて、当業者には周知なとおりに分割することによって、合成で調製する。これらの分割方法は、(1)(+/−)と表示される鏡像異性体のラセミ混合物をキラル補助剤と結合させ、生じたジアステレオ異性体を再結晶化またはクロマトグラフィーによって分離し、補助剤から光学的に純粋な生成物を遊離することによって、または(2)キラルクロマトグラフィーカラムで、光学鏡像異性体の混合物を直接的に分離することによって例示される。別法では、他方の鏡像異性体よりも一方の鏡像異性体の調製を優遇する不斉合成によって、キラル化合物を調製することができる。別法では、キラル基または中心が中間体または最終生成物に保持されるキラルプール合成(鏡像異性的に純粋な構成ブロックで出発)を使用することができる。キラル原子の周囲の置換基の配置に応じて、鏡像異性体は本明細書では、記号「R」または「S」によって表示されている。別法では、鏡像異性体の溶液がそれぞれ、偏光の平面を時計回りまたは逆時計回りのどちらに回転させるかに応じて、鏡像異性体は、(+)または(−)として表示されている。他の場合、シスおよびトランス異性体などのジアステレオ異性体を、カラムクロマトグラフィー、キラルクロマトグラフィーまたは再結晶化によって分離することができる。場合によっては、誘導体化によって、これらの混合物の分離を改良することができる。
【0065】
幾何異性体も、本発明の化合物では存在することがある。本発明は、炭素−炭素二重結合の周囲の置換基の配置から生じる様々な幾何異性体およびそれらの混合物を企図しており、そのような異性体を、ZまたはE配置と表示している。互変異性型が可能である構造では、別段に規定されていない限り一方の互変異性型の記載が、両方の記載に相当することも認められる。
【0066】
当業者であれば、本発明の化合物上の置換基および置換パターンを選択して、化学的に安定で、当分野で公知の技術、さらに下記の方法によって、容易に入手可能な出発物質から容易に合成することができる化合物を得ることができると理解される。置換基自体が1個より多い基で置換されているとしたら、安定な構造が生じる限り、これらの複数の基は、同じ炭素上に、または異なる炭素上にあってよいと理解される。
【0067】
本発明の他の特徴および利点は、次の発明を実施するための形態、図面および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】BH4生合成および制御を示す図である。BH4は、グアノシン三リン酸(GTP)から、GTPシクロヒドロラーゼ(GCH−1)、6−ピルボイルテトラヒドリオビオプテリンシンターゼ(PTPS)およびセピアプテリンレダクターゼ(SPR)によって媒介される3ステップで新規合成される。BH4はまた、キノイドBH4またはBH2を、酵素還元を介してBH4に変換する別のリサイクリング経路によっても生じる。
【発明を実施するための形態】
【0069】
一般に、本発明は、式(I)および(II)による化合物またはその互変異性体、プロドラッグもしくは薬学的に許容される塩またはその医薬組成物ならびに治療方法またはセピアプテリンレダクターゼ(SPR)を阻害する方法でのこれらの化合物および組成物の使用に関する。
【0070】
式(I)の化合物は、次の構造またはその互変異性体、プロドラッグもしくは薬学的に許容されるその塩を有する
【化15】


[式中、
およびXはそれぞれ独立に、N、C−HまたはC−ハロゲンであり;
Aは、単結合、C(=O)またはSOであり;
は、(CHOR1A、ハロゲン(例えば、F、Cl、BrまたはI、好ましくはCl)、アミノ(例えば、NH)、CN、SO1A、NHSO1A、NHC(=O)R1AまたはC(=O)N(R1Aであり;
1Aはそれぞれ独立に、Hまたは置換されていてもよいC1〜6アルキルであり;
nは、0、1または2であり;
は、CHOR2A、置換されていてもよいC1〜6アルキル、置換されていてもよいC3〜9シクロアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロシクリルまたは置換されていてもよいヘテロアリールであり;
2Aは、Hまたは置換されていてもよいC1〜6アルキルであり;
3AおよびR3Bは両方ともHであるか、またはR3AおよびR3Bは一緒になって、=Oを形成しており;
4AおよびR4Bは両方ともHであるか、またはR4AおよびR4Bは一緒になって、=Oを形成しており;
およびRはそれぞれ独立に、H、置換されていてもよいC1〜6アルキル、置換されていてもよいC3〜10シクロアルキル、置換されていてもよいアルカリールまたは置換されていてもよいアルクヘテロアリールであり;
ここで、AがC(=O)である場合、RはOHであり、RはCHOMeであり、R3A、R3B、R4AおよびR4BはそれぞれHであり、RはHであり、RはHではない]。
【0071】
一部の実施形態では、R3AおよびR3Bならびに4AおよびR4Bのただ一方のみが、一緒になって、=Oを形成していてよい。
【0072】
式(II)の化合物は、次の構造またはその互変異性体、プロドラッグもしくは薬学的に許容されるその塩を有する:
【化16】


[式中、
Xは、NまたはCHであり;
mは、0または1であり;
は、(CHOR1A、ハロゲン、CN、アミノ、SO1A、NHSO1A、NHC(=O)R1AまたはC(=O)N(R1Aであり;
1Aはそれぞれ独立に、Hまたは置換されていてもよいC1〜6アルキルであり;
nは、0、1または2であり;
は、Hまたは置換されていてもよいC1〜3アルキルであり;
は、H、C(=O)R3AまたはSO3Aであり;
3Aは、置換されていてもよいC1〜6アルキルである]。
【0073】
例示的な本発明の化合物またはその互変異性体、プロドラッグもしくは薬学的に許容される塩には、表1に示されているものが包含される。
【表1−1】


【表1−2】


【表1−3】


【表1−4】

【0074】
合成
本明細書に記載されている化合物、例えば、化合物(1)〜(39)または式(I)もしくは(II)による化合物はいずれも、当分野で公知の方法に従って調製することができる。例示的な方法には、次の方法が包含される。
【0075】
式(I)の化合物の合成
スキーム1に示されているとおり、様々な2−(1H−インドール−3−イル)エタンアミン出発物質を求電子試薬で処理することによって、式(I)の化合物を合成することができる。
【化17】

【0076】
このスキームにおいて、R−A−LGは、求電子試薬であり、ここで、RおよびAは、式(I)に関して定義されたとおりであり、LGは、脱離基である。適切なR−A−LG試薬には、これらに限られないが、アルキルハロゲン化物、アルキルスルホネート、アシルクロリド、カーボネート、アシル無水物およびスルホニルクロリドが包含される。さらなる例示的な試薬は、本明細書に示されている合成例に記載されている。一部の実施形態では、例えば、RがOHである場合、この基を選択的に脱保護することが望ましいことがある(例えば、形成されている可能性のある何らかのアシルエステルの脱アシル化)。そのような変換は、当分野で知られている方法、例えば、塩基性条件下での脱保護または参照によって本明細書に組み込まれるGreene、Protective Groups In Organic Synthesis、第3版(John Wiley & Sons、New York、1999)に記載されている方法などを使用して達成することができる。
【0077】
スキーム2に示されているとおり、式(I)の化合物はまた、他のインドール出発物質からも調製することができる。
【化18】

【0078】
ルートAを使用すると、インドール化合物を対応する3−カルボキサミド中間体へと合成することができる(例えば、化合物(10)〜(12)のための合成プロトコルを参照のこと)。所望の場合には、カルボニルを還元条件下で処理して、飽和架橋基を得ることができる。
【0079】
が電子吸引基である場合、ルートBを使用することができる。それに応じて、インドール出発物質をオレフィン化して、対応するニトロ−アルケン中間体を形成する。ニトロ基をアミノ基に還元し、続いて、スキーム1に記載されているとおりの求電子試薬R−A−LGで処理すると、さらに他の式(I)の化合物を得ることができる。所望の場合には、R−LG(ここで、Rは、式(I)に関して定義されたとおりであり、LGは脱離基である)などの求電子試薬を使用して、インドール化合物をN−アルキル化することができる。
【0080】
スキーム3に示されているとおり、アリールヒドラジン出発物質を環化することによっても、式(I)の化合物を調製することができる(例えば、化合物(17)の合成を参照のこと).
【化19】

【0081】
式(II)の化合物の合成
式(II)の化合物は、スキーム4に示されているとおり、フェネチルアミノ出発物質を求電子性RLG試薬で処理することによって調製することができる。
【化20】

【0082】
スキーム4において、Rは式(II)に関して記載されたRまたはR基のいずれかであってよく、LGは脱離基である。第三級アミンが望ましい場合には、相応して、RLGの当量数を調節することができる。
【0083】
必要なフェネチルアミノ出発物質が市販されていない場合、対応するフェニルカルボキサルデヒドから、対応するニトロアルケンへのオレフィン化および還元を介して、所望のフェネチルアミノ化合物を形成することで(スキーム5)、必要な化合物を調製することができる。
【化21】

【0084】
スキーム6に示されているとおり、式(II)の化合物は、カルボン酸出発物質を使用して調製することもできる。
【化22】

【0085】
スキーム6において、Arは、アリール基、例えば、フェニルを表し、Hetは、ヘテロアリール基、例えば、ピリジルを表す。このスキームでは、カルボン酸基をクロロメチル基に変換する。この中間体をシアン化物で処理し、続いて、還元して、所望のアミン化合物を得る。必要ならば、アミン化合物を求電子試薬RLGで処理して、さらに他の式(II)の化合物を得ることができる。
【0086】
医薬組成物
本発明の化合物(例えば、化合物(1)〜(39)または式(I)もしくは(II)による化合物のいずれか)またはその互変異性体、塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを好ましくは製剤化して、in vivoで投与するために適した生物学的に相容性な形態のヒト対象に投与するための医薬組成物にする。したがって、他の態様では、本発明は、適切な希釈剤、担体または添加剤と混合されている本発明の化合物またはその互変異性体、塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを包含する医薬組成物を提供する。
【0087】
本発明の化合物(例えば、化合物(1)〜(39)または式(I)もしくは(II)による化合物のいずれか)は、遊離塩基の形態で、互変異性体、塩、溶媒和物、プロドラッグまたは医薬組成物の形態で使用することができる。全ての形態が、本発明の範囲内である。当業者であれば理解するように、本発明の方法に従って、記載の化合物またはその互変異性体、塩、溶媒和物、プロドラッグもしくは医薬組成物を、選択された投与経路に応じた様々な形態で患者に投与することができる。本発明の化合物またはその互変異性体、塩、溶媒和物、プロドラッグもしくは医薬組成物は、例えば、経口、非経口、頬側、舌下、経鼻、直腸、パッチ、ポンプまたは経皮投与によって投与することができ、相応して、医薬組成物は製剤化される。非経口投与には、投与の静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、経上皮、経鼻、肺内、クモ膜下、直腸および局所方法が包含される。非経口投与は、選択された期間にわたる連続的な点滴によってもよい。
【0088】
本発明の化合物(例えば、化合物(1)〜(39)または式(I)もしくは(II)による化合物のいずれか)またはその互変異性体、塩、溶媒和物もしくはプロドラッグは、例えば、不活性希釈剤を用いて、または同化性食用担体を用いて経口投与することができるか、または硬質もしくは軟質シェルゼラチンカプセルに封入することができるか、または圧縮して錠剤にすることができるか、または食事用の食品に直接組み込むことができる。経口治療投与では、本発明の化合物またはその互変異性体、塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを、添加剤と混合し、摂取可能な錠剤、バッカル錠、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤、ウェハ剤の形態で使用することができる。
【0089】
本発明の化合物(例えば、化合物(1)〜(39)または式(I)もしくは(II)による化合物のいずれか)またはその互変異性体、塩、溶媒和物もしくはプロドラッグはまた、非経口投与することができる。本発明の化合物の溶液は、ヒドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤と適切に混合された水中で調製することができる。分散剤もまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、DMSOおよびそれらの混合物中で、オイル中でアルコールを用いて、または用いずに調製することができる。貯蔵および使用の通常の条件下では、これらの調剤は、微生物の増殖を防ぐための防腐剤を含有していてよい。適切な製剤を選択および調製するための慣用の手順および成分は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(2003、第20版)および2008年発行の米国薬局方:The National Formulary(USP 32−NF 27)に記載されている。
【0090】
注射での使用に適した医薬形態には、無菌水溶液または分散液および無菌の注射用液剤または分散剤を即時調製するための無菌散剤が包含される。いずれの場合にも、形態は、無菌でなくてはならず、シリンジを介して容易に投与することができる程度に流動性でなければならない。
【0091】
経鼻投与用の医薬組成物は好都合には、エアロゾル、滴剤、ゲル剤および散剤として製剤化することができる。エアロゾル製剤には典型的には、生理学的に許容できる水性または非水性溶媒中の活性物質の溶液または微細な懸濁液が包含され、通常、噴霧デバイスを用いて使用するためのカートリッジまたはレフィルの形態を取ってよい密閉容器中、無菌の形態の単回または多回用量の量で提供される。別法では、密閉容器は、使用後は廃棄することが意図されている単回投与用経鼻吸入器または軽量バルブを備えたエアロゾルディスペンサーなどの単位分取デバイスであってよい。剤形がエアロゾルディスペンサーを含む場合、これは、圧縮空気またはフルオロクロロ炭化水素などの有機噴射剤などの圧縮ガスであってよい噴射剤を含有するであろう。エアロゾル剤形はまた、ポンプアトマイザーの形態をとってもよい。
【0092】
頬側または舌下投与に適した組成物には、糖、アラビアゴム、トラガカントまたはゼラチンおよびグリセリンなどの担体を用いて活性成分が製剤化されている錠剤、ロゼンジおよび香錠が包含される。直腸投与用の組成物は好都合には、カカオバターなどの慣用の坐剤基剤を含有する坐剤の形態である。
【0093】
本発明の化合物は、動物、例えば、ヒトに、単独で、または上述されたとおりの薬学的に許容される担体と組み合わせて投与することができ、その際、組み合わせの割合は、化合物の溶解性および化学的性質、選択された投与経路ならびに標準的な医薬実施によって決定される。
【0094】
本発明の化合物および/または本発明の化合物を含む組成物の投薬量は、化合物の薬力学的特性;投与方法;受容者の年齢、健康および体重;症状の性質および規模;治療頻度およびもしあるならば同時治療の種類;ならびに治療される動物における化合物のクリアランス速度などの多くの因子に応じて変動し得る。
【0095】
当業者であれば、上記の因子に基づいて適切な投薬量を決定することができる。本発明の化合物を適切な投薬量で初めに投与し、その投薬量を必要があれば、臨床的応答に応じて調節することができる。一般に、0.1μg/体重kgから100mg/体重kgの投薬量レベルを毎日、単回用量として、または複数の用量に分けて投与する。望ましくは、一般的な投薬量範囲は、1日当たり250μg/体重kgから5.0mg/体重kgである。様々な投与経路の種々の効率を考慮すると、必要な投薬量には幅広い変化が予期され得る。例えば、経口投与は一般に、静脈内注射による投与よりも高い投薬量レベルを必要とすることが予期されるであろう。当分野で周知の最適化のための標準的で経験的な日常の操作手順を使用して、これらの投薬量レベルの変化を調節することができる。一般に、上記で同定された因子を検討して、担当医が正確な治療的有効投薬量を決定するであろう。
【0096】
キット
本発明の化合物または医薬組成物のいずれか(例えば、化合物(1)〜(39)または式(I)もしくは(II)による化合物のいずれか)を、指示書のセットと一緒に、即ち、キットを形成するために使用することができる。キットは、本発明の化合物をスクリーニング方法で、または本明細書に記載されているとおりの療法で使用するための指示書を包含し得る。例えば、指示書は、本明細書に記載されている任意の種類の疼痛を包含する疼痛を軽減するために、本発明の化合物を使用するための投与および治療計画を示していてよい。
【0097】
SPRの阻害薬
本明細書に記載されている化合物および組成物は、GTPをBH4へと変換する最終ステップを触媒するSPRを阻害するために使用することができる。BH4は、複数の酵素および神経伝達物質系の正常な機能に必要な必須の補因子である:フェニルアラニンヒドロキシラーゼ、チロシンヒドロキシラーゼ、トリプトファンヒドロキシラーゼおよび3種の一酸化窒素シンターゼ(NOS)サブタイプは全て、BH4アロステリック制御に依存している(Thonyら、Biochem.J.347:1〜16、2000)。BH4は、グアノシン三リン酸(GTP)から、GCH−1、6−ピルボイルテトラヒドリオビオプテリンシンターゼ(PTPS)およびセピアプテリンレダクターゼ(SPR)によって緊密に調節される3つのステップで合成される(図1)。BH4合成経路での最終ステップは、セピアプテリンレダクターゼ(SPR)による6−ピルボイルテトラヒドロプテリンのBH4への変換である。
【0098】
新規BH4合成に関与している酵素のうちの2種、即ち、GCH−1およびSPRは、前臨床疼痛モデルにおいてアップレギュレーションされ、これらの酵素の活性を低減させると、前臨床疼痛の軽減がもたらされる(Tegederら、Nature Medicine 12:1269〜1277、2006)。したがって、新規BH4合成を低減する薬剤(例えば、SPRの直接的な活性部位阻害を介して)は、疼痛を予防または治療する際に使用することができる。
【0099】
初期の研究によって、SPRは、カテコールアミンおよびインドールアミンによって弱いながらも阻害されることが証明されており、このことは、下流の生体アミンによる負のフィードバック機構を示唆している(Katohら、Biochem.Biophys.Res.Commun.105:75〜81、1982;Smithら、J.Biol.Chem.267:5509〜5607、1992)。SPRタンパク質構造を分析することによって、追加的な構造情報を得ることができる。ヒト、マウスおよびChlorobium tepidumのSPRの結晶構造は、N−アセチルセロトニン、NADPH、NADPH+、オキザロアセテートおよびセピアプテリンを包含する一連の活性部位リガンドとの複合体において解明されている。初めに解明されたマウスSPRの構造によって、261アミノ酸のホモダイマー構造が明らかである(Auerbachら、EMBO J.16:7219〜7230、1997)。SPRのリガンド結合タンパク質のX線結晶構造複合体によって、疎水性残基Leu105、Leu159、Tyr165、Trp168、Tyr171、Met206およびCys160に囲まれている深さ15Åのポケットによって形成されている活性部位が明らかである。SPRは、抗結核薬であるイソニアジドのターゲットであるM.tb InhAなどの他のオキシドレダクターゼ薬物ターゲットの同族体である。SPRの阻害は、疼痛を治療または予防するための新たな方法を開発するための有用なターゲットであり得る。
【0100】
SPRの阻害薬は、本明細書に記載されている方法または当分野で公知の方法(例えば、Katohら、Biochem.Biophys.Res.Commun.105:75〜81、1982;Smithら、J.Biol.Chem.267:5509〜5607、1992)に従って同定することができる。
【0101】
必要ではないが、所望の場合には、SPR阻害薬の候補を、疼痛の任意の標準的な動物モデルにおいて効力に関して試験することができる。様々なモデルで、激しいか、または有害な刺激に対する正常な動物の感度(生理学的または侵害受容性疼痛)を試験する。これらの試験には、熱的、機械的または化学的刺激に対する応答が包含される。熱的刺激は通常、例えば:尾に対する輻射熱(テールフリック試験)、後肢の足底表面に対する輻射熱(ハーグリーブス試験)、ホットプレート試験および温水への後肢または尾の浸漬を包含する温刺激(典型的には、42〜55℃で変動)の施与を伴う。冷水への浸漬、アセトン蒸発またはコールドプレート試験もまた、冷覚疼痛応答性を試験するために使用することができる。機械的刺激を伴う試験は典型的には、肢への段階的強度モノフィラメントであるフォン・フライ毛に対してか、または持続的圧力刺激に対しての後肢の引き込み反射を誘発する閾値を測定する(例えば、Ugo Basile無痛覚計)。標準的なピンプリックに対する応答期間も測定することができる。化学的刺激を使用する場合には、皮膚、筋肉 関節または内臓(例えば、膀胱または腹膜)への化学的刺激物(例えば、カプサイシン、マスタードオイル、ブラジキニン、ATP、ホルマリン、酢酸)の塗布または注射に対する応答を測定する。
【0102】
加えて、様々な試験によって、疼痛神経経路の末梢または中枢コンポーネントの興奮性の変化を測定することで、疼痛増感を評価する。これに関連して、末梢増感(即ち、高閾値侵害受容器の閾値および応答性の変化)を、熱刺激の繰り返し、さらに、増感化学物質(例えば、プロスタグランジン、ブラジキニン、ヒスタミン、セロトニン、カプサイシンまたはマスタードオイル)の塗布または注射によって誘発することができる。中枢増感(即ち、末梢疼痛線維の活性によって誘発される中枢神経系のニューロンの興奮性の変化)は、有害な刺激(例えば、熱)、化学刺激(例えば、化学刺激物質の注射または塗布)または知覚線維の電気活性化によって誘発することができる。
【0103】
疼痛感度に対する末梢炎症の効果を測定するために開発された様々な疼痛試験もまた、使用することができ、所望の場合には、SPR阻害薬の効力を確認することができる(Steinら、Pharmacol.Biochem.Behav.(1988)31:445〜451;Woolfら、Neurosci.(1994)62:327〜331)。加えて、様々な試験によって、末梢神経系の病変を使用して、末梢神経障害性疼痛を評価する。そのような一例は、「軸索切断疼痛モデル」(Watson、J.Physiol.(1973)231:41)である。他の類似の試験には、脊髄神経の結紮を伴うSNL試験(KimおよびChung、Pain(1992)50:355)、部分神経損傷を伴うSeltzerモデル(Seltzer、Pain(1990)43:205〜18)、神経部分損傷(SNI)モデル(DecosterdおよびWoolf、Pain(2000)87:149)、慢性絞縮傷(CCI)モデル(Bennett(1993)Muscle Nerve 16:1040)、糖尿病などの毒性神経障害を伴う試験(ストレプトゾシンモデル)、ピリドキシン神経障害、タキソール、ビンクリスチンおよび他の抗新生物薬−誘発神経傷害、神経に対する虚血を伴う試験、末梢神経炎モデル(例えば、CFAを神経周囲に施与)、HSV感染を使用する帯状疱疹後神経痛のモデルおよび圧迫モデルが包含される。
【0104】
上記の試験の全てにおいて、例えば、行動、電気生理学、神経化学または画像診断技術に従って評価項目を評価して、神経活性の変化を検出することができる。さらに、中枢神経障害性疼痛を模倣する複数の疼痛試験は、例えば、脊髄損傷(例えば、機械的、圧迫、虚血性、感染性または化学的)を包含する中枢神経系の病変を必要とする。これらの特定の試験では、評価項目は、末梢神経障害性疼痛に関して使用されたのと同じである。
【0105】
療法および他の使用
本発明の方法は例えば、様々な形態の疼痛を診断、治療、軽減または予防するために有用である。
【0106】
疼痛は、その起点に応じて、様々な形態をとり得る。損傷の開始が、神経の全部もしくは一部切離または神経叢に対する外傷の結果として生じている場合、疼痛は、末梢神経障害性であると記載され得る。別法では、脊髄損傷または脳血管性偶発症状などの中枢神経系に対する損傷の後では、疼痛は、中枢神経障害性であると記載される。炎症性疼痛は、組織損傷または炎症が原因である(例えば、手術後疼痛または関節リウマチにおける)疼痛の形態である。末梢神経損傷の後では、症状は典型的には、損傷部位の遠位で慢性的に経験され、知覚過敏(平常の刺激に対する感度の増大)、痛覚過敏(有害な刺激に対する異常な感度)、異痛症(正常では無害な触覚刺激に対する知覚過敏に関連する広範な圧痛)および/または自発灼熱性または電撃性の刺すような疼痛によって特徴付けられる。炎症性疼痛では、症状は少なくとも当初は、損傷または炎症組織の部位で明らかであり、典型的には、関節炎に関連する疼痛、筋骨格疼痛および手術後疼痛に付随する。侵害受容性疼痛は、針刺傷などの有害刺激に応答して、または外傷または手術の間に経験される疼痛である。機能性疼痛は、神経系に対する明らかな末梢病理または病変が存在しない状態を指す。疼痛のこの特定の形態は、神経系の異常な機能によって生じており、そのような疼痛を特徴とする状態には、線維筋痛症、緊張型頭痛および過敏性腸症候群が包含される。種々の種類の疼痛が同時に存在することがあるか、または疼痛は、帯状疱疹後神経痛においてのように、疾患の自然な経過の間に炎症性から神経障害性へと変わり得る。
【0107】
本発明の方法は、急性または慢性に関わらず、様々な形態の疼痛、即ち、炎症性疼痛、侵害受容性疼痛、機能性疼痛および神経障害性疼痛を診断、治療、軽減または予防するために有用である。疼痛に関連し得る例示的な状態には、例えば、軟部組織、関節、骨炎症および/または損傷(例えば、急性外傷、変形性関節症または関節リウマチ)、顔面筋疼痛症候群(線維筋痛症)、頭痛(群発性頭痛、片頭痛および緊張型頭痛を包含)、心筋梗塞、アンギナ、虚血性心臓血管疾患、卒中後疼痛、鎌状赤血球性貧血、末梢血管閉塞性疾患、癌、皮膚または関節の炎症状態、糖尿病性神経障害および外科手術または外傷性損傷(例えば、熱傷、裂傷または骨折)による急性組織損傷が包含される。本発明はまた、筋骨格疼痛(外傷、感染および運動後の)、脊髄損傷、腫瘍、圧迫、炎症、歯痛、会陰切開疼痛が原因の神経障害性疼痛、深部および内臓疼痛(例えば、心臓疼痛、膀胱疼痛または骨盤臓器疼痛)、筋肉疼痛、眼疼痛、口顔疼痛(例えば、歯痛、三叉神経痛、舌咽神経痛)、腹痛、婦人科疼痛(例えば、月経困難および分娩疼痛)、外傷、圧迫、炎症、毒性化学物質、代謝障害、遺伝性条件、感染、脈管炎および自己免疫疾患による神経および神経根損傷に関連した疼痛、脊髄または脳幹損傷、脳血管性偶発症状、腫瘍、感染、多発性硬化症を包含する脱髄疾患による疼痛などの中枢神経系疼痛、腰痛、坐骨神経痛ならびに術後疼痛を治療、軽減または予防するためにも有用である。
【0108】
本発明による治療に適している状態は例えば、それぞれ参照によって本明細書に組み込まれる米国特許出願第10/987,289号および同第11/584,449号、さらに、米国特許第6,593,331号に詳細に記載されている。
【0109】
併用療法
本発明の化合物(例えば、化合物(1)〜(39)または式(I)もしくは(II)による化合物のいずれか)またはその互変異性体、塩、溶媒和物、プロドラッグもしくは医薬組成物は、単独で、または、侵害受容性、炎症性、機能性または神経障害性疼痛の治療で使用される鎮痛薬などの1種または複数の追加の治療薬と組み合わせて投与することができる。本発明では、第2の治療薬は、独立して投与された場合に、治療効果をもたらしてよいか、またはもたらさなくてよいが、本発明の組成物と共に投与された場合には、そのような効果をもたらす(例えば、疼痛の軽減)。
【0110】
例示的な鎮痛薬には、限定ではないが、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)(例えば、ロフェコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブ、パラコキシブ、サリチル酸、アセトアミノフェン、ジクロフェナク、ピロキシカン(piroxican)インドメタシン、イブプロフェンおよびナプロキセン)、オピオイド鎮痛薬(例えば、プロポキシフェン、メペリジン、ヒドロモルホン、ヒドロコドン、オキシコドン、モルヒネ、コデインおよびトラマドール(tramodol))、NMDAアンタゴニスト鎮痛薬(例えば、2−ピペリジノ−1アルカノール誘導体、ケタミン、デキストロメトルファン、エリプロジルまたはイフェンプロジル)、麻酔薬(例えば、亜酸化窒素、ハロセン、フローセン)、局所麻酔薬(リドカイン、エチドカイン、ロピバカイン、クロロプロカイン、サラピン(sarapin)およびブピバカイン)、ベンゾジアゼピン(ジアゼパム、クロルジアゼポキシド、アルプラゾラムおよびロラゼパム)、カプサイシン、三環系抗うつ薬(例えば、アミトリプチリン、ペルファナジン(perphanazine)、プロトリプチリン、トラニルシプロミン、イミプラミン、デスイミプラミン(desimipramine)およびクロミプラミン)、骨格筋弛緩鎮痛薬(フレクセリル、カリソプロドール、ロバキシサル(robaxisal)、ノルゲシク(norgesic)およびダントリウム)、片頭痛治療薬(例えば、エリトリプタン、スマトリプタン、リザトリプタン、ゾルミトリプタンおよびナラトリプタン)、抗痙攣薬(例えば、フェニトイン、ラモトリジン、プレガバリン、カルバマゼピン、オキスカルバゼピン、トピラメート、バルプロ酸およびガバペンチン)、バクロフェン、クロニジン、メキシリテン(mexilitene)、ジフェニル−ヒドラミン、ヒドロキシシン(hydroxysine)、カフェイン、プレドニゾン、メチルプレドニゾン、デカドロン、パロキセチン、セルトラリン、フルオキセチン、トラモドール(tramodol)、ジコノチドおよびレボドパが包含される。
【0111】
さらに、所望の場合には、治療される哺乳動物に、BH4の産生を阻害する1種を超える薬剤を投与することができる(例えば、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許出願第10/987,289号に記載されているもの)。場合によって、本発明の組成物は、1種を超えるそのような阻害薬を含有してよい。別法では、哺乳動物に、本発明の組成物に加えてさらに、BH4の下流で機能する酵素の特異的阻害薬を投与することができる。
【0112】
次の非限定的実施例で、本発明を説明する。
【実施例】
【0113】
実施例
式(I)の化合物の合成
化合物(1)〜(5)の合成
化合物1(1)〜(5)を、スキーム7に従って調製した。このスキームでは、Rは例えば、式(I)においてRに関して定義された任意の基であってよい。
【化23】

【0114】
中間体B1〜B5の調製
【化24】

【0115】
一般手順:冷たい(0℃)化合物A(1.0mmol)およびトリエチルアミン(4.0mmol)のジクロロメタン(25mL)中の透明な溶液に、対応する酸塩化物(2.0mmol)を5分かけて徐々に加えた。添加の後に、反応混合物を0℃で5時間撹拌した。反応混合物を水(20mL)で希釈し、ジクロロメタン(2×20mL)で抽出した。合わせたジクロロメタン層をブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を蒸発させて、粗製の中間体Bを得、次いで、これを次のステップで使用した(表2)。
【表2】

【0116】
化合物(1)〜(5)の調製
【化25】

【0117】
一般手順:中間体B(1.0mmol)およびKCO(1mmol)のメタノール(20mL)中の懸濁液を26℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を水(30mL)で希釈し、酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル層を水(10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、対応する粗製の生成物(表3)を得、これを、カラムクロマトグラフィー(100〜200メッシュのシリカゲル)によってクロロホルム中3%のMeOHを溶離剤として使用して精製した。
【表3】

【0118】
化合物(6)(7)および(8)の合成
【化26】

【0119】
化合物(6)〜(8)をそれぞれ、スキーム8の手順に従って合成した。この手順では、Rは例えば、式(I)においてRに関して定義されたとおりの任意の基であってよい。
【化27】

【0120】
中間体Dの調製
【化28】

【0121】
冷たい(0℃)中間体C(2.5g、11.75mmol)およびトリエチルアミン(8.25mL、58.77mmol)のジクロロメタン(80.0mL)中の透明な溶液に、塩化アセチル(2.67mL、37.61mmol)を10分かけて徐々に加えた。添加が完了した後に、反応混合物を室温に加温し、2時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(20mL)で希釈し、水(2×20mL)およびブライン(30mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の中間体D(3.3g、88%)を淡茶色のゴムとして得た。Mass(M+H):261.0。
【0122】
中間体Eの調製
【化29】

【0123】
中間体D(3.3g、12.69mmol)およびKCO(1.75g、12.69mmol)のメタノール(40.0mL)中の懸濁液を26℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し;次いで、残渣を水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル層を水(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、対応する粗製の中間体E(2.3g、83.15%)を淡茶色のゴムとして得た。Mass(M+H):219.0。
【0124】
中間体Fの調製
【化30】

【0125】
中間体E(2.3g、10.55mmol)の30%NaOH溶液(1.3mL)中の溶液に26℃で、硫酸ジメチル(1.7mL、17.93mmol)を15分間で徐々に加えた。添加が完了した後に、反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。反応混合物を2NのHClで酸性化し(pH約2)、水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル層を水(2×20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の中間体Fを得、これをエーテル(2×10ml)およびn−ペンタン(10mL)で洗浄し、次いで乾燥させて、中間体F(1.5g、61.4%)をオフホワイト色の固体として得た。H NMR(CDCl3):δ 8.02(bs,1H),7.26(s,1H),7.04−7.01(m,2H),6.89−6.86(m,1H),5.54(bs,1H),3.86(s,3H),3.60(q,2H),2.94(t,J=6.73Hz;2H),1.93(s,3H)。Mass(M+H):233.0。
【0126】
中間体Gの調製
【化31】

【0127】
中間体F(1.4g、6.03mmol)の10%NaOH溶液(13.5mL)中の溶液を80℃で8時間撹拌した。反応混合物を20%のNaOHで塩基性(pH約10)にし、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル層を水(30mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の生成物を得、これを、petエーテル(2×10ml)およびn−ペンタン(10mL)で洗浄し、次いで乾燥させて、中間体G(1.2g、粗製)を淡茶色の固体として得た。H NMR(CDCl3):δ 10.58(bs,1H),7.20(t,J=8.78Hz;1H),7.07(s,1H),6.98(s,1H),6.71〜6.68(m,1H),3.75(s,3H),2.81〜2.69(m,4H),1.39(bs,2H).
【0128】
中間体H1〜H3の調製
【化32】

【0129】
一般手順:冷たい(0℃)中間体G(1.0mmol)およびトリエチルアミン(1.5mmol)のジクロロメタン(30mL)中の溶液に、必要なスルホニルクロリド(1.2mmol)を5分間で徐々に加えた。添加が完了した後に、反応混合物を室温にし、2時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(20mL)で希釈し、水(2×10mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の中間体H(表4)を得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、石油エーテル中40%の酢酸エチルを溶離剤として使用して精製した。
【表4】

【0130】
化合物(6)〜(8)の調製
【化33】

【0131】
一般手順:冷たい(−40℃)中間体H(1.0mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液に、BBr(4.0mmol)を徐々に加えた。添加が完了した後に、反応混合物を0℃にし、次いで、2時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(20mL)で希釈し、水(2×10mL)で洗浄した。合わせたジクロロメタン層を水(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、石油エーテル中40%の酢酸エチルを溶離剤として使用して精製した(表5)。
【表5】

【0132】
化合物(9)の合成
【化34】

【0133】
化合物(9)を、スキーム9の手順に従って調製した。
【化35】

【0134】
冷たい(0℃)中間体C(500mg、2.35mmol)およびトリエチルアミン(3.5mL、25.51mmol)のジクロロメタン(20.0mL)中の溶液に、エチルスルホニルクロリド(453mg、3.52mmol)を5分かけて徐々に加えた。添加が完了した後に、反応混合物を室温にし、2時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(50mL)で希釈し、水(2×10mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、石油エーテル中30%の酢酸エチルを溶離剤として使用して精製した。化合物(9)が15mgで淡茶色のゴムとして得られた。H NMR(DMSO−d):δ 10.52(bs,1H),8.61(s,1H),7.16−7.07(m,3H),6.79(s,1H),6.59−6.57(m,1H),3.17−3.12(m,3H),2.97−2.91(m,2H),2.79−2.75(m,2H),1.15(t,J=7.22Hz;3H)。Mass(M+H):268.9。IR(cm−1):3398,2925,1307,1134,790。HPLC純度(%):93.74(Max plot),92.54(215nm)。
【0135】
化合物(10)〜(12)の合成
【化36】

【0136】
化合物(10)〜(12)をスキーム10に示されている手順に従って調製した。
【化37】

【0137】
中間体Kの調製
【化38】

【0138】
冷たい(0℃)ホルムアルデヒド(37%水溶液;4.0mL、49.32mmol)および酢酸(46.0g、762.28mmol)のジオキサン(40.0mL)中の溶液に、ジメチルアミン(40%水溶液;6.4mL、58.29mmol)を15分間で滴加した。次いで、反応物をさらに15分間撹拌した。同じ温度で、中間体J(10.0g、44.84mmol)のジオキサン(70.0mL)溶液を徐々に加えた。添加が完了した後に、反応混合物を0℃で2時間撹拌した。反応混合物をジオキサン(100mL)で希釈し、次いで、10%KOH水溶液を使用して、塩基性(pH約10)にした。得られた固体を濾過によって集め、水(3×50mL)で洗浄し、乾燥させて、粗製の中間体K(12.0g、95%)をオフホワイト色の固体として得、これを、さらに精製することなく次のステップで使用した。H NMR(DMSO−d):δ 10.72(bs,1H),7.47(d,J=7.42Hz;2H),7.40−7.29(m,3H),7.23(d,J=8.78Hz;1H),7.15(m,2H),6.80−6.77(m,1H),5.07(s,2H),3.47(s,2H),2.49(s,6H)。Mass(M+H):281.1。
【0139】
中間体Lの調製
【化39】

【0140】
中間体K(14g、50.0mmol)の水(40.0mL)およびエタノール(157.0mL)中の溶液に室温で、シアン化ナトリウム(20.0g、408.0mmol)を加え、反応混合物を100℃で60時間撹拌した。反応混合物を濃縮し;次いで、水性の残渣を水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出して、不純物を除去した。水性層を、希HClを使用して酸性化し(pH約2)、ジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を水(30mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の中間体L(4.5g、32%)を淡茶色の固体として得た。H NMR(CDCl):δ 7.98(bs,1H),7.48−7.46(m,2H),7.39−7.28(m,4H),7.18−7.13(m,2H),6.96−6.94(m,1H),5.10(s,2H),3.78(s,2H)。Mass(M+H):282.1。
【0141】
中間体M1〜M3の調製
【化40】

【0142】
一般手順:冷たい(0℃)中間体L(1.0mmol)、EDC・HCl(1.3mmol)、HOBt(1.3mmol)およびトリエチルアミン(1.0mmol)のジクロロメタン(30mL)中の溶液に、対応するアミン(1.1mmol)のジクロロメタン(2mL)溶液を5分かけて徐々に加えた。添加が完了した後に、反応混合物を室温にし、16時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(25mL)で希釈し、水(10mL)、10%NaHCO溶液(10ml)、水(10mL)およびブライン溶液(20mL)で順次洗浄した。次いで、有機層を無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の中間体M(表6)を得て、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、クロロホルム中1%のMeOHを溶離剤として使用して精製した。
【表6】

【0143】
中間体N2およびN3の調製
【化41】

【0144】
一般手順:冷却されている中間体M(1.0mmol)のTHF(30mL)溶液に0℃で、BHDMS(15.0mmol)溶液を0℃で加えた。添加が完了した後に、反応混合物を70℃で2時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、メタノール(2.0mL)および2NのHCl(5.0mL)の混合物でクエンチした。1時間還流させた後に、溶媒を蒸発させ、水性残渣を、2NのNaOH溶液を使用して塩基性(pH約10)にした。水性層を酢酸エチル(2×50mL)で抽出し、水(2×15mL)およびブライン(15mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、蒸発させて、粗製の生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、petエーテル中80%の酢酸エチルを溶離剤として使用して精製し、中間体N(表7)を得た。
【表7】

【0145】
化合物(11)および(12)の調製
【化42】

【0146】
一般手順:冷たい(−70℃)中間体O(1.0mmol)のジクロロメタン(30mL)溶液に、BCl(DCM中0.1M)(1.4mmol)を徐々に加えた。添加が完了した後に、反応混合物を室温にし、1時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(20mL)で希釈し、水(2×20mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の生成物(表8)を得、これをPREP−TLCによって、クロロホルム中6%のMeOHを溶離剤として使用して精製した。
【表8】

【0147】
化合物(10)の調製
【化43】

【0148】
中間体M1(100mg、0.29mmol)および10%Pd/C(30mg、無水)のMeOH(10.0mL)中の懸濁液を室温で5時間水素化した(50psiのH圧力)。反応混合物を濾過し、ケーキをメタノール(3×5mL)で洗浄した。合わせた濾液を減圧下で濃縮して、粗製の化合物(10)を得、これをPREP−TLCによって、クロロホルム中5%のMeOHを溶離剤として使用して精製し、生成物(30mg、41%)をオフホワイト色の固体として得た。H NMR(DMSO−d):δ 10.54(bs,1H),8.57(s,1H),7.85(s,1H),7.11(d,J=8.78Hz;1H),7.06(s,1H),6.83(s,1H),6.58(dd,1H),3.40(s,2H),3.34−3.30(m,2H),3.22−3.17(m,5H)。Mass(M+H):249.1。IR(cm−1):3378,3323,2934,1641,1228,1019,669。HPLC純度(%):99.73(Max plot),99.71(215nm)。
【0149】
化合物(13)〜(15)の調製
【化44】

【0150】
化合物(13)〜(15)は、スキーム10に示されている手順に従って、中間体Mの調製において次のアミン(表9)のうちのいずれかを使用することによって合成することができる。
【表9】

【0151】
化合物(16)の合成
【化45】

【0152】
化合物(16)を、スキーム11の手順に従って調製した。
【化46】

【0153】
冷たい(0℃)中間体O(250mg、1.16mmol)およびトリエチルアミン(0.32mL、2.32mmol)のジクロロメタン(5.0mL)中の溶液に、メトキシアセチルクロリド(0.12mL、1.39mmol)を5分かけて徐々に加えた。添加が完了した後に、反応混合物を室温にし、2時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(20mL)で希釈し、水(2×20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の生成物を得た。次いで、物質を石油エーテル(2×4mL)、n−ペンタン(3mL)で洗浄し、乾燥させて、化合物(16)(20mg、68.2%)を淡黄色の固体として得た。H NMR(CDCl3):δ 8.15(bs,1H),7.29−7.22(m,2H),7.09(s,1H),6.97−6.93(m,IH),6.68(bs,1H),3.87(s,2H),3.64−3.59(m,2H),3.33(s,3H),2.95(t,J=6.84,Hz;2H)。Mass(M+H):251.0。HPLC純度(%):98.87(Max plot),98.00(254nm),98.88(215nm)。
【0154】
化合物(17)の合成
【化47】

【0155】
化合物(17)を、スキーム12に記載されている手順に従って調製した。
【化48】

【0156】
中間体Sの調製
【化49】

【0157】
中間体P(1.0g、5.53mmol)の濃HCl(0.2mL)および水(11.6mL)中の溶液を室温で1時間撹拌した。中間体Q(1.1g、4.97mmol)の水(2.4mL)およびMeOH(12.8mL)中の溶液を上記の混合物に加え、次いでこれを、室温で1時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、固体を濾別し、9:1の水性メタノール(5.0mL)および水(10.0mL)で洗浄し、乾燥させた。次いで、この化合物の水(7.2mL)およびMeOH(29.0mL)中の溶液に、NaHPO(0.5g、3.54mmol)および濃HCl(0.1mL)を加えた。次いで、反応混合物を還流で20時間撹拌した。反応混合物を濃縮し;次いで、水性の残渣を水(20mL)で希釈し、NaCOで飽和し、ジクロロメタン(3×25mL)で抽出した。合わせたジクロロメタン層を無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の中間体Sを得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、クロロホルム中2%の(MeOH/NH)を溶離剤として使用して精製し、生成物(80mg、6%)を茶色の固体として得た。H NMR(DMSO−d):δ 11.41(bs,1H),8.12(s,1H),7.59−7.53(m,2H),7.38(s,1H),3.15(s,3H),2.83(s,4H)。Mass(M+H):239.0.
【0158】
化合物(17)の調製
【化50】

【0159】
冷たい(0℃)中間体S(150mg、0.63mmol)およびトリエチルアミン(0.13mL、0.94mmol)のジクロロメタン(10.0mL)中の溶液に、メトキシアセチルクロリド(0.06mL、0.69mmol)のジクロロメタン(2.0mL)溶液を5分かけて徐々に加えた。添加が完了した後に、反応混合物を室温にし、2時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(20mL)で希釈し、水(2×20mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の生成物を得た。次いで、この物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、クロロホルム中2%のMeOHを溶離剤として使用して精製し、化合物(17)(80mg、41%)をオフホワイト色の固体として得た。H NMR(CDCl3):δ 8.40(bs,1H),8.25(s,1H),7.75(d,J=8.39Hz;1H),7.50(d,J=8.78Hz;1H),7.24(s,1H),6.66(bs,1H),3.89(s,2H),3.68−3.63(m,2H),3.36(s,3H),3.09(s,3H),3.06−3.03(t,J=7.03Hz;2H)。Mass(M−H):309.0。IR(cm−1):3344,2925,1656,1289,1147,750。HPLC純度(%):98.90(Max plot),94.95(254nm),97.96(215nm)。
【0160】
化合物(18)の合成
【化51】

【0161】
化合物(18)を、スキーム13に示されている手順に従って調製した。
【化52】

【0162】
中間体Tの調製
【化53】

【0163】
中間体T(2.5g、15.41mmol)のエーテル(50.0mL)溶液に、塩化オキサリル(5.4mL、61.67mmol)のエーテル(15.0mL)溶液を室温で加えた。生じた反応物を40℃で16時間撹拌した。反応混合物を濾過し、生じた固体をエーテル(2×20mL)で洗浄した。次いで、固体をNHの飽和ジオキサン溶液(100.0mL)に加え、4時間撹拌した。反応混合物を、NaCOを用いて塩基性にし、濃縮して、粗製の生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、石油エーテル中70%の酢酸エチルを溶離剤として使用して精製し、中間体U(1.2g、31%)の淡黄色の固体を得た。H NMR(DMSO−d):δ 12.75(bs,1H),9.08(s,IH),8.93(s,IH),8.19−8.15(m,2H),7.86(s,1H),7.74(d,J=8.78Hz;1H)。Mass(M−H):232.0。
【0164】
中間体Vの調製
【化54】

【0165】
水素化アルミニウムリチウム(3.26g、85.0mmol)のTHF(150.0mL)懸濁液に室温で、中間体U(1.0g、4.29mmol)の溶液を加えた。生じた混合物を70℃で48時間撹拌した。次いで、反応混合物を0℃に冷却し、氷冷水(5.0mL)でクエンチし、濾過した。ケーキを酢酸エチル(3×100mL)で洗浄し、合わせた濾液を抽出した。分離した有機層を水(25mL)およびブライン(15mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、蒸発させて、粗製の中間体Vを得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、(5:94:1から20:79:1への)MeOH:クロロホルム:NH水溶液を溶離剤として使用して精製し、生成物(400mg、53.2%)を茶色のゴムとして得た。H NMR(DMSO−d):δ 10.30(s,1H),7.22−7.00(m,2H),6.93(s,1H),6.47−6.44(dd,1H),4.39(bs,2H),2.81(t,J=7.07Hz;2H),2.66(t,J=7.31Hz;2H)。Mass(M+H):176.1。
【0166】
中間体Wの調製
【化55】

【0167】
冷たい(0℃)中間体V(500mg、2.86mmol)の酢酸(15.0mL)溶液に、NaNO(217mg、3.14mmol)の冷水(1.6mL)溶液を5分かけて徐々に加えた。5分間撹拌した後に、NaN(204mg、3.14mmol)の冷水(1.6mL)溶液を徐々に加えた。添加が完了した後に、反応混合物を0℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、粗製の生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、(5:94:1から20:79:1への)MeOH:クロロホルム:(NH水溶液)を溶離剤として使用して精製し、中間体W(220mg、38%)を茶色の固体として得た。H NMR(DMSO−d):δ 10.97(bs,1H),7.42−7.32(m,1H),7.21(m,2H),6.82−6.80(m,1H),2.79−2.74(m,4H)。Mass(M+H):202.1。IR(cm−1):3433,2918,2106,920,792。
【0168】
中間体Xの調製
【化56】

【0169】
冷たい(0℃)中間体W(200mg、0.995mmol)およびトリエチルアミン(20.14mL、0.995mmol)のジクロロメタン(20mL)中の溶液に、メトキシアセチルクロリド(100mg、0.895mmol)のジクロロメタン(5.0mL)溶液を30分かけて徐々に加えた。添加が完了した後に、反応混合物を室温にし、1時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(30mL)で希釈し、水(2×15mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、クロロホルム中20%のMeOHを溶離剤として使用して精製し、中間体X(200mg、74%)をオフホワイト色の固体として得た。H NMR(CDCl):δ 8.08(bs,1H),7.34(d,J=8.59Hz;1H),7.24(s,1H),7.09(s,1H),6.90(dd,1H),6.64(b,1H),3.88(s,2H),3.65−3.60(q,2H),3.35(s,3H),2.96(t,J=6.93Hz;2H)。Mass(M+H):274.1。
【0170】
中間体Yの調製
【化57】

【0171】
中間体X(200mg、0.73mmol)および10%Pd/C(30mg、無水)のMeOH(20.0mL)中の懸濁液を、室温で1時間水素化した(30psiのH圧力)。反応混合物をセライトで濾過し、ケーキをメタノール(3×5mL)で洗浄した。合わせた濾液を減圧下で濃縮して、粗製の中間体Y(180mg、粗製)の茶色のゴムを得た。H NMR(DMSO−d):δ 10.31(bs,1H),7.80(t,J=5.39Hz;1H),7.01(d,J=8.29Hz;1H),6.95(s,1H),6.66(s,1H),6.46(dd,1H),4.42(m,2H),3.78(s,2H),3.41−3.28(m,5H),2.72(t,J=7.46Hz;2H)。Mass(M+H):248.1。
【0172】
化合物(18)の調製
【化58】

【0173】
冷たい(0℃)中間体Y(90mg、0.364mmol)およびトリエチルアミン(0.06mL、0.40mmol)のジクロロメタン(10.0mL)中の溶液に、メタンスルホニルクロリド(0.03mL、0.327mmol)のジクロロメタン(2.0mL)溶液を15分かけて徐々に加えた。添加が完了した後に、反応混合物を室温にし、6時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(30mL)で希釈し、水(2×10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の生成物を得、これをPREP−TLCによって、クロロホルム中5%のMeOHを溶離剤として使用して精製し、化合物(18)(35mg、30%)を淡茶色のゴムとして得た。H NMR(CDCl):δ 8.12(bs,1H),7.52(s,1H),7.35(d,J=8.35Hz;1H),7.14−7.11(m,2H),6.66(bs,1H),6.33(bs,1H),3.88(s,2H),3.63−3.60(q,2H),3.36(s,3H),3.00−2.96(m,5H)。Mass(M+H):326.1。IR(cm−1):3387,3275,2930,1658,1321,1148,975。HPLC純度(%):97.97(Max plot),97.20(215nm)。
【0174】
化合物(19)および(20)の合成
【化59】

【0175】
化合物(19)および(20)をスキーム14に従って合成した。
【化60】

【0176】
中間体AAの調製
【化61】

【0177】
POCl(3.6mL、38.68mmol)をDMF(16.5mL)に0℃〜10℃で滴加した。生じた混合物を30分間攪拌し、0℃に冷却し、中間体Z(5.0g、35.17mmol)のDMF(10.0mL)溶液を15分かけて加えた。添加が完了した後に、反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。反応混合物を氷(25g)でクエンチし、水(50mL)に注ぎ、NaOH(1.5g)を加えた。混合物を濾過し、黄色に着色した濾液を水(100mL)で希釈し、室温で20時間放置した。次いで、固体を濾過し、乾燥させて、中間体AA(1.5g、62%)を黄色の固体として得た。H NMR(DMSO−d):δ 12.59(bs,1H),10.00(s,1H),8.52(s,1H),8.51(s,1H),7.71(s,J=8.29Hz;1H),7.65(d,J=8.70Hz;1H)。Mass(M−H):169.1。
【0178】
中間体ABの調製
【化62】

【0179】
中間体AA(4.2g、24.7mmol)および酢酸アンモニウム(4.18g、54.34mmol)のニトロメタン(263.0mL)中の懸濁液を90℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。粗製の生成物を石油エーテル中25%の酢酸エチル(2×20mL)で洗浄し、乾燥させ、中間体AB(3.5g、68%)を黄色の固体として得た。H NMR(DMSO−d):δ 10.84(bs,1H),8.67(s,1H),8.43−8.40(m,2H),8.23(d,J=13.66Hz;1H),7.68(d,J=8.29Hz;1H),7.61(d,J=8.78Hz;1H)。Mass(M−H):212.0。
【0180】
中間体ACの調製
【化63】

【0181】
冷たい(0℃)中間体AB(3.5g、16.4mmol)のメタノールおよびDMF(1:1;35mL)中の溶液に、NaBH(7.08g、18.73mmol)を15分かけて少量ずつ加えた。添加が完了した後に、反応混合物を10℃にし、2時間撹拌した。
【0182】
反応混合物を水(10mL)でクエンチし、減圧下で濃縮した。生じた水性残渣を水(25mL)で希釈し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル層を水(30mL)およびブライン溶液(25mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の中間体ACを得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、石油エーテル中20%の酢酸エチルを溶離剤として使用して精製し、生成物(2.5g、71.4%)を淡黄色の固体として得た。H NMR(CDCl):δ 8.39(bs,1H),7.93(s,1H),7.48−7.43(m,2H),7.21(s,1H),4.68(t,J=6.84Hz,2H),3.49(t,J=6.84Hz,2H)。Mass(M−H):214.0。
【0183】
中間体ADの調製
【化64】

【0184】
中間体AC(2.5g、11.6mmol)、亜鉛粉末(17.9g)のメタノール(330.0mL)および2NのHCl(330.0mL)中の懸濁液を85℃で2時間撹拌した。反応混合物を塩基性(pH約10)にし、濾過した。ケーキをメタノール(3×10mL)で洗浄し、合わせた濾液を減圧下で濃縮した。残渣をクロロホルム中5%のMeOHに溶かし、水で洗浄した。有機層を無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の中間体AD(1.5g、70%)を茶色のゴムとして得た。H NMR(DMSO−d):δ 11.43(bs,1H),8.09(s,1H),7.49(d,J=8.49Hz;1H),7.44−7.35(m,2H),2.84−2.77(m,4H),3.29(t,J=7.03Hz,2H)。Mass(M+H):186.0。
【0185】
化合物(19)の調製
【化65】

【0186】
冷たい(0℃)中間体AD(300mg、1.62mmol)およびトリエチルアミン(1.3mL、3.24mmol)のジクロロメタン(10.0mL)中の溶液に、メトキシアセチルクロリド(0.22mL、2.43mmol)を5分かけて徐々に加えた。添加が完了した後に、反応混合物を室温にし、3時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(30mL)で希釈し、水(2×15mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の生成物を得た。この物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、クロロホルム中2%のMeOHを溶離剤として使用して精製し、化合物(19)(60mg、15%)を淡茶色のゴムとして得た。H NMR(DMSO−d):δ 11.42(bs,1H),8.11(s,1H),7.89(t,J=5.59Hz;1H),7.49(d,J=8.29Hz;1H),7.42−7.37(m,2H),3.76(s,2H),3.40−3.34(m,2H),3.32(s,3H),2.87(t,J=7.25Hz;2H)。Mass(M+H):258.0。IR(cm−1):3386,3210,2921,2222,1651,1542,1124,639。HPLC純度(%):94.72(Max plot)、92.32(254nm)、94.91(215nm)。
【0187】
化合物(20)の調製
【化66】

【0188】
冷たい(0℃)化合物(19)(50mg、0.194mmol)および3NのNaOH(2.5mL)のエタノール(3.5mL)中の溶液に、H(水中30%;0.2mL)を加えた。添加が完了した後に、反応混合物を室温にし、20時間撹拌した。
【0189】
反応混合物を濃縮し、得られた水性残渣をジクロロメタン(50mL)で希釈し、水(2×10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の生成物を得た。この物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、クロロホルム中8%のMeOHを溶離剤として精製して、化合物(20)(36mg、33.6%)を淡茶色のゴムとして得た。H NMR(DMSO−d):11.03(bs,1H),8.17(s,1H),7.83−7.78(m,2H),7.63(d,J=8.2Hz;1H),7.32(d,J=8.39Hz;1H),7.22(s,1H),7.06(bs,1H),3.78(s,2H),3.42−3.41(m,2H),3.32(s,3H),2.88(t,J=6.93Hz;2H)。Mass(M+H):275.9。IR(cm−1):3433,32923,1645,1239,789。HPLC純度(%):89.89(Max plot),95.47(254nm),90.40(215nm)。
【0190】
化合物(21)の合成
【化67】

【0191】
化合物(21)を、スキーム15に示されている手順に従って合成した。
【化68】

【0192】
中間体AEの調製
【化69】

【0193】
冷たい(0℃)DMF(10.0mL)中60%のNaH(0.51g、15.71mmol)懸濁液に、中間体K(3.0g、13.43mmol)のDMF(10.0mL)溶液を5分かけて徐々に加えた。反応物を30分間撹拌し;次いで、ヨードメタン(0.98mL、15.71mmol)を加え、反応物を室温で1.5時間撹拌した。反応混合物を氷冷水(50mL)でクエンチし、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル層を水(2×20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の中間体AE(520mg、96%)を得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。H NMR(CDCl):δ 7.48−7.46(m,2H),7.39−7.35(m,2H),7.32−7.28(m,1H),7.24−7.16(m,2H),7.01−6.95(m,2H),6.38(d,J=2.92Hz;1H),5.10(s,2H),3.75(s,3H)。Mass(M+H):238.1。
【0194】
中間体AFの調製
【化70】

【0195】
POCl(0.21mL、2.32mmol)をDMF(1.0mL)に0℃〜10℃で滴加した。生じた混合物を30分間撹拌し、0℃に冷却し、中間体AE(0.5g、2.11mmol)のDMF(1.0mL)溶液を15分かけて加えた。添加が完了した後に、反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。反応混合物を氷(25g)でクエンチし、水(20mL)に注ぎ、1NのNaOH溶液を使用して塩基性(pH約10)にした。混合物を酢酸エチル(2×50mL)で抽出し、合わせた酢酸エチル層を水(2×20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の中間体AFを得、これを石油エーテル(2×5mL)で洗浄し、乾燥させて、生成物(480mg、85%)を黄色の固体として得た。H NMR(CDCl):δ 9.95(s,1H),7.91(s,1H),7.62(s,1H),7.50−7.48(m,2H),7.48−7.30(m,3H),7.26−7.24(m,2H),7.08−7.05(dd,1H),5.15(s,2H),3.84(s,3H)。Mass(M+H):266.0。
【0196】
中間体AGの調製
【化71】

【0197】
中間体AF(0.47g、1.77mmol)および酢酸アンモニウム(0.47g、6.09mmol)のニトロメタン(33.3mL)中の懸濁液を90℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた粗製の生成物を石油エーテル中25%の酢酸エチル(2×20mL)で洗浄し、乾燥させて、中間体AG(0.48g、87%)を黄色の固体として得た。H NMR(DMSO−d):δ 8.23(d,J=13.28Hz;1H),7.65(d,J=13.28Hz;1H),7.51−7.24(m,8H),7.09−7.07(m,1H),5.16(s,2H),3.83(s,3H)。Mass(M+H):309.0。
【0198】
中間体AHの調製
【化72】

【0199】
冷たい(0℃)中間体AG(0.7g、2.27mmol)のメタノールおよびDMF(2:1;15mL)中の溶液に、NaBH(0.17g、4.54mmol)を20分かけて少量ずつ加えた。添加が完了した後に、反応混合物を5℃で2時間撹拌した。反応混合物を水(10mL)でクエンチし、減圧下で濃縮した。生じた水性残渣を水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル層を水(10mL)およびブライン溶液(10mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、石油エーテル中20%の酢酸エチルを溶離剤として使用して精製し、中間体AH(440mg、62%)を淡黄色の固体として得た。
H NMR(CDCl):δ 7.49−7.47(m,2H),7.41−7.32(m,3H),7.20(d,J=9.12Hz;1H),7.06−7.05(s,1H),7.00−6.97(m,1H),6.88(s,1H),5.11(s,2H),4.60(t,J=7.25Hz;2H),3.71(s,3H),3.42(t,J=7.25Hz;2H)。Mass(M+H):311.1。
【0200】
中間体AIの調製
【化73】

【0201】
中間体AH(430mg、1.381mmol)および亜鉛粉末(2.13mg、32.59mmol)のメタノール(57.0mL)および2NのHCl(57.0mL)中の懸濁液を65℃で2時間撹拌した。反応混合物を塩基性(pH約10)にし、濾過した。ケーキをメタノール(3×10mL)で洗浄し、合わせた濾液を減圧下で濃縮した。残渣をクロロホルム中5%のMeOH(150mL)に溶かし、水(20mL)で洗浄した。有機層を無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の中間体AI(160mg、41%)を茶色のゴムとして得た。H NMR(DMSO−d):δ 7.48−7.25(m,6H),7.12−7.06(m,2H),6.86−6.83(m,1H),5.09(s,2H),3.68(s,3H),2.79−2.68(m,4H)。Mass(M+H):281.1。
【0202】
中間体AJの調製
【化74】

【0203】
冷たい(0℃)中間体AI(150mg、0.535mmol)およびトリエチルアミン(0.15mL、1.07mmol)のジクロロメタン(10.0mL)中の溶液に、メトキシアセチルクロリド(0.06mL、0.64mmol)のジクロロメタン(2.0mL)溶液を5分かけて徐々に加えた。添加が完了した後に、反応混合物を室温にし、2時間撹拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、ジクロロメタン(2×20mL)で抽出した。合わせたジクロロメタン層を水(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、クロロホルム中2%のMeOHを溶離剤として使用して精製し、中間体AJ(85mg、45%)を茶色のゴムとして得た。H NMR(CDCl):δ 7.49−7.47(m,2H),7.41−7.30(m,3H),7.21−7.13(m,2H),6.99−6.96(m,1H),6.87(s,1H),6.63(bs,1H),5.11(s,2H),3.87(s,2H),3.72(s,3H),3.64−3.57(m,2H),3.33(s,3H),2.93(t,J=6.84Hz;2H)。Mass(M+H):353.1。
【0204】
化合物(21)の調製
【化75】

【0205】
中間体AJ(80mg、0.227mmol)および10%Pd/C(40mg、無水)のMeOH(10.0mL)中の懸濁液を室温で2時間水素化した(40psiのH圧力)。反応混合物をセライト床で濾過し、ケーキをメタノール(3×5mL)で洗浄した。合わせた濾液を減圧下で濃縮して、粗製の生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、クロロホルム中2%のMeOHを溶離剤として使用して精製し、化合物(21)(30mg、50%)を茶色の固体として得た。H NMR(CDCl):δ 7.15(d,J=8.85Hz;1H),7.02(s,1H),6.85−6.80(m,2H),6.66(bs,7H),5.02(s,1H),3.88(s,2H),3.71(s,3H),3.61−3.56(m,2H),3.33(s,3H),2.91(t,J=6.97Hz;2H)。Mass(M+H):262.9。IR(cm−1):3400,2926,1651,1219,1114,771。HPLC純度(%):93.49(Max plot),94.77(254nm),97.19(215nm)。
【0206】
化合物(22)および(23)の合成
【化76】

【0207】
化合物(22)および(23)をスキーム16に示されている手順に従って調製した。
【化77】

【0208】
中間体ALの調製
【化78】

【0209】
冷たい(0℃)60%NaH(0.58g、14.51mmol)のDMF(10.0mL)懸濁液に、中間体AK(2.0g、12.40mmol)のDMF(5.0mL)溶液を5分間で徐々に加えた。次いで、反応物を30分間攪拌し、次いで、ヨードメタン(2.06g、14.52mmol)を反応混合物に加えた。反応物を室温で5時間撹拌した。反応混合物を氷冷水(25mL)でクエンチし、酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル層を水(2×20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の中間体ALを得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、石油エーテル中12%の酢酸エチルを溶離剤として使用して精製し、生成物(1.25g、57%)を茶色の固体として得た。H NMR(CDCl):δ 7.13(d,J=8.78Hz;1H),7.00(s,1H),6.81−6.78(dd,1H),6.16(s,1H),3.83(s,3H),3.62(s,3H),2.39(s,3H)。Mass(M+H):176.0.
【0210】
中間体AM1およびAM2の調製
【化79】

【0211】
一般手順
POCl(1.1mmol)をDMF(2.0mL)に0℃〜10℃で滴加した。生じた混合物を30分間撹拌し、0℃に冷却し、中間体AKまたは中間体AL(1.0mmol)のDMF(2.0mL)溶液を15分かけて加えた。添加が完了した後に、反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。反応混合物を氷(25g)でクエンチし、水(30mL)に注ぎ、1NのNaOH溶液を使用して塩基性(pH約10)にした。混合物を、酢酸エチル(3×20mL)を使用して抽出し、水(2×10mL)およびブライン(15mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、中間体AM1またはAM2(表10)を得た。
【表10】

【0212】
中間体AN1およびAN2の調製
【化80】

【0213】
中間体AMIまたはAM2(1.0mmol)、酢酸アンモニウム(3.43mmol)のニトロメタン(80mL)中の懸濁液を90℃で7時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。生じた粗製の生成物を酢酸エチル(100mL)に溶かし、水(2×30mL)およびブライン溶液(25mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の中間体AN(表11)を得た。
【表11】

【0214】
中間体AO1およびAO2の調製
【化81】

【0215】
冷たい(0℃)中間体AN1またはAN2(1.0mmol)のメタノールおよびDMF(1:1;35mL)中の溶液に、NaBH(2.0mmol)を20分かけて少量ずつ加えた。添加が完了した後に、反応混合物を10℃で2時間撹拌した。反応混合物を水(10mL)でクエンチし、減圧下で濃縮した。生じた水性残渣を水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(2×30mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル層を水(2×20mL)およびブライン溶液(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の中間体AO(表12)を得た。
【表12】

【0216】
中間体AP1およびAP2の調製
【化82】

【0217】
冷たい(−70℃)中間体AO(1.0mmol)のジクロロメタン(約30mL)溶液に、BBr(2.0mmol)を徐々に加えた。添加が完了した後に、反応混合物を0℃にし、4時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(25mL)で希釈し、水(2×10mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の中間体APを得、そのそれぞれをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、石油エーテル中20%の酢酸エチルを溶離剤として使用して精製した(表13)。
【表13】

【0218】
中間体AQ1およびAQ2の調製
【化83】

【0219】
中間体AP(1.0mmol)および10%Pd/C(60%w/w、無水)のMeOH(30mL)中の懸濁液を26℃で2時間水素化した(40psiのH圧力)。反応混合物を濾過し、ケーキをメタノール(3×5mL)で洗浄し、合わせた濾液を減圧下で濃縮して、中間体AQ(表14)を得、これを、次のステップでそのまま使用した。
【表14】

【0220】
中間体AR1およびAR2の調製
【化84】

【0221】
冷たい(0℃)粗製中間体AQ(1.0mmol)およびトリエチルアミン(2.2mmol)のジクロロメタン(20mL)中の溶液に、メトキシアセチルクロリド(2.2mmol)を5分かけて徐々に加えた。添加が完了した後に、反応混合物を室温にし、2時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(25mL)で希釈し、水(2×10mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の中間体AR(表15)を得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、石油エーテル中20%の酢酸エチルを溶離剤として使用して精製した。
【表15】

【0222】
化合物(22)および(23)の調製
【化85】

【0223】
中間体AR(1.0mmol)およびKCO(1.1mmol)のメタノール(20mL)中の懸濁液を26℃で2時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル層をブライン(2×10mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、濃縮して、粗製の生成物を得、これをPREP−TLCによって、石油エーテル中70%の酢酸エチルを溶離剤として使用して精製し、対応する化合物(22)および(23)(表16)を得た。
【表16】

【0224】
化合物(24)の合成
【化86】

【0225】
化合物(24)を、スキーム17に示されている手順に従って合成した。
【化87】

【0226】
中間体ASの調製
【化88】

【0227】
中間体K(3.0g、13.45mmol)およびピリジン(1.8mL、22.86mmol)のジオキサン(25.0mL)中の溶液を65℃で1時間撹拌した。次いで、クロロアセチルクロリド(1.8mL、22.86mmol)のジオキサン(5.0mL)溶液を滴加した。添加が完了した後に、反応混合物を1時間撹拌した。反応混合物を冷却し、冷たいエーテル(150mL)に注ぎ、撹拌した。生じた固体を濾過し、冷たいエーテル(2×20mL)で洗浄し、乾燥させて、粗製の中間体AS(1.6g、40%)を黄色の固体として得た。H NMR(DMSO−d):δ 12.04(bs,1H),8.38(s,1H),7.76(s,1H),7.49−7.32(m,6H),6.96(m,1H),5.13(s,2H),4.84(s,2H)。Mass(M+H):300.0。
【0228】
中間体ATの調製
【化89】

【0229】
中間体AS(1.6g、5.35mmol)のアセトン(80.0mL)および水(40.0mL)中の溶液に、NaN(800mg、1.23mmol)を加え、生じた反応混合物を80℃で16時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、水(100mL)で希釈し、ジクロロメタン(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を水(50mL)およびブライン(30mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の中間体ATを得た。この物質を石油エーテル(2×10mL)で洗浄し、乾燥させて、中間体AT(1.2g、73%)を黄色の固体として得た。
H NMR(CDCl):δ 8.52(bs,1H),7.99(s,1H),7.85(s,1H),7.50(d,J=7.31Hz;1H),7.41−7.32(m,4H),7.05(m,1H),5.16(s,2H),4.37(s,2H)。Mass(M−H):305.0。IR(cm−1):3190,2924,2103,1641,1259,746。
【0230】
中間体AUの調製
【化90】

【0231】
中間体AT(1.2g、3.93mmol)および10%Pd/C(750mg、無水)のMeOH(40.0mL)中の懸濁液を室温で3時間水素化した(60psiのH圧力)。反応混合物を濾過し、ケーキをメタノール(3×5mL)で洗浄した。合わせた濾液を減圧下で濃縮して、中間体AU(750mg、粗製)を茶色の固体として得、これをさらに精製することなく、次のステップで使用した。Mass(M+H):191.0。
【0232】
中間体AVの調製
【化91】

【0233】
冷たい(0℃)中間体AU(500mg、2.63mmol)およびトリエチルアミン(1.09mL、7.89mmol)のジクロロメタン(20.0mL)中の溶液に、メトキシアセチルクロリド(430mg、3.94mmol)を5分かけて徐々に加えた。添加が完了した後に、反応混合物を室温にし、2時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(50mL)で希釈し、水(2×20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の中間体AV(800mg、粗製)を得、これをさらに精製することなく、次のステップで使用した。
【0234】
化合物(24)の調製
【化92】

【0235】
粗製の中間体AV(800mg、2.63mmol)およびKCO(363mg、2.63mmol)のメタノール(15.0mL)中の懸濁液を26℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し;残渣を水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル層を水(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の生成物を得た。この物質をカラムクロマトグラフィー(100〜200メッシュのシリカゲル)によって、クロロホルム中10%のMeOHを溶離剤として使用して精製し、化合物(24)(190mg、30%)を淡黄色の固体として得た。H NMR(DMSO−d):δ 11.75(bs,1H),9.01(s,1H),8.30(s,1H),7.92(m,1H),7.54(s,1H),7.26(d,J=8.70Hz 1H),6.71(m,1H),4.47(d,J=5.39Hz;1H),3.89(s,2H),3.38(s,3H)。Mass(M+H):263.0。IR(cm−1):3259,2930,1661,1614,1215,1122,924。HPLC純度(%):93.7(Max plot),96.40(254nm),94.59(215nm)。
【0236】
化合物(25)の合成
【化93】

【0237】
化合物(25)は、スキーム18に示されている手順に従って合成することができる。アニリン出発物質は、対応するアリールヒドラジンに変換することができる。このアリールヒドラジン中間体を4−クロロブチルアルデヒドジエチルアセタールで処理することで、必要なインドール中間体を得ることができる。C5エステルをN−アシル化し、続いて、還元すると、所望の化合物(25)を生じさせることができる。
【化94】

【0238】
式(II)の化合物の合成
化合物(26)の合成
【化95】

【0239】
化合物(26)を、スキーム19に示されている手順に従って合成した。
【化96】

【0240】
冷たい(0℃)中間体AW(250mg、1.79mmol)およびトリエチルアミン(0.3mL、2.13mmol)のジクロロメタン(5.0mL)中の溶液に、メトキシアセチルクロリド(0.18mL、2.12mmol)を5分かけて徐々に加えた。添加が完了した後に、反応混合物を室温にし、3時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(20mL)で希釈し、水(2×20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、クロロホルム中2%のMeOHを溶離剤として使用して精製し、化合物(26)(380mg、88%)を淡茶色のオイルとして得た。H NMR(DMSO−d):δ 7.30−7.24(m,1H),6.99−6.90(m,3H),6.58(bs,1H),3.87(s,2H),3.55(q,J=13.26Hz;J=7.09Hz;2H),3.36(s,3H),2.84(t,J=7.04,Hz;2H)。Mass(M+H):212.0。IR(cm−1):3418,2934,1671,1534,1116,783。HPLC純度(%):97.37(Max plot),98.95(215nm)。
【0241】
化合物(27)の合成
【化97】

【0242】
化合物(27)をスキーム20に示されている手順に従って調製した。
【化98】

【0243】
中間体AYの調製
【化99】

【0244】
中間体AX(1.0g、4.99mmol)のTHF(20mL)溶液に0℃で、BHDMSの溶液(0.94mL、9.98mmol)を加えた。添加が完了した後に、反応混合物を70℃で1時間撹拌した。反応混合物を冷却し、メタノール(5.0mL)を加え、混合物を30分間還流させた。蒸留を介して、反応混合物から溶媒を除去し、残渣を酢酸エチル(30mL)で希釈し、水(2×15mL)およびブライン(15mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の中間体AY(720mg、77%)をオフホワイト色の固体として得た。この物質をさらに精製することなく、次のステップで使用した。H NMR(CDCl):δ 7.95(s,1H),7.85(d,J=7.88Hz;1H),7.66(d,J=7.88Hz,1H),7.56(t,J=7.65Hz;1H),4.80(s,2H),3.06(s,3H)。Mass(M+H):187.0。
【0245】
中間体AZの調製
【化100】

【0246】
冷たい(0℃)中間体AY(2g、10.75mmol)およびトリエチルアミン(2.26mL、16.12mmol)のジクロロメタン(25mL)中の溶液に、メタンスルホニルクロリド(1.08mL、13.85mmol)を5分かけて徐々に加えた。添加が完了した後に、反応混合物を室温にし、16時間撹拌した。反応混合物を冷水(10mL)でクエンチし、ジクロロメタン(20mL)で希釈し、冷水(2×50mL)およびブライン(20mL)で洗浄した、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の中間体AZを得た。この物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、石油エーテル中10%の酢酸エチルを溶離剤として使用して精製し、生成物(1.6g、73%)を淡黄色のオイルとして得た。H NMR(CDCl):δ 7.98(s,1H),7.91(d,J=7.80Hz;1H),7.70(d,J=7.80Hz,1H),7.59(t,J=7.80Hz;1H),4.65(s,2H),3.07(s,3H)。Mass(M+H):205.0。
【0247】
中間体BAの調製
【化101】

【0248】
冷たい中間体AZ(500mg、2.45mmol)のDMSO(5.0mL)溶液に0℃で、シアン化ナトリウム(240mg、4.89mmol)を15分かけて少量ずつ加えた。添加が完了した後に、反応混合物を10℃で1時間撹拌した。氷冷水(20mL)を反応混合物に加えた。次いで、反応物を酢酸エチル(3×20mL)で抽出し、水(20mL)およびブライン(15mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の中間体BAを得た。この物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、石油エーテル中40%の酢酸エチルを溶離剤として使用して、生成物(280mg、59%)を淡茶色の固体として得た。H NMR(CDCl):δ 7.95−7.91(m,2H),7.69−7.61(m,2H),3.86(s,2H),3.07(s,3H)。Mass(M−H):194.0。IR(cm−1):2927,2249,1300,1144,964,761。
【0249】
化合物(27)の調製
【化102】

【0250】
中間体BA(250mg、1.28mmol)およびラネー−Ni(100mg、湿潤)のNHメタノール溶液(5.0mL)中の懸濁液を、Hを気泡導入することによって10℃で3時間水素化した。反応混合物を濾過し、ケーキをメタノール(3×10mL)で洗浄し、合わせた濾液を減圧下で濃縮した。生じた油性の残渣を酢酸エチル(2.0mL)に溶かし、氷中で冷却し、EtOAcおよびHClで処理し、10分間撹拌した。生じた固体を濾過し、酢酸エチル(3×5mL)で洗浄し、乾燥させて、化合物(27)・HCl(150mg、50%)をオフホワイト色の固体として得た。H NMR(DMSO−d):δ 7.91(bs,2H),7.83−7.81(m,2H),7.64−7.62(m,2H),3.21(s,3H),3.11−3.01(m,2H),2.99−2.97(m,2H)。Mass(M+H):200.0。IR(cm−1):3402,3034,1601,1290,1141,965,767,532。HPLC純度(%):99.92(Max plot),99.90(215nm)。
【0251】
化合物(28)の調製
【化103】

【0252】
化合物(28)を、スキーム21に示されている手順に従って調製した。
【化104】

【0253】
中間体BCの調製
【化105】

【0254】
冷たい中間体BB(2g、9.25mmol)のDMSO(20.0mL)溶液に0℃で、シアン化ナトリウム(900mg、18.36mmol)を15分かけて少量ずつ加えた。添加が完了した後に、反応混合物を10℃で3時間撹拌した。氷冷水を反応混合物(30mL)に加え、反応混合物を酢酸エチル(3×25mL)で抽出し、水(20mL)およびブライン(15mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の生成物を得た。混合物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、石油エーテル中40%の酢酸エチルを溶離剤として使用して精製し、中間体BC(800mg、53%)を茶色のゴムとして得た。H NMR(CDCl):δ 8.23−8.21(m,2H),7.72(d,J=7.80Hz,1H),7.62(m,1H),3.89(s,2H)。Mass(M−H):161.0。
【0255】
中間体BDの調製
【化106】

【0256】
撹拌されているNHCl(1.1g、19.74mmol)のHO(16mL)溶液に、Fe粉末(1.01g、18.08mmol)を、続いて、THF(8.0mL)およびMeOH(8.0mL)の混合物中の中間体BC(800mg、4.23mmol)を室温で徐々に加えた。次いで、反応物を60℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(100mL)で希釈し、セライト床で濾過した。有機層を水(2×25mL)およびブライン溶液(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、蒸発させて、粗製の生成物を得た。この物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、石油エーテル中40%の酢酸エチルを溶離剤として使用して精製し、中間体BD(520mg、80%)を茶色のゴムとして得た。H NMR(CDCl):δ 7.14(d,J=7.67Hz,1H),7.68−6.62(m,3H),3.74(bs,2H),3.65(s,2H)。Mass(M+H):238.0。
【0257】
中間体BEの調製
【化107】

【0258】
冷たい(0℃)中間体BD(500mg、3.78mmol)およびトリエチルアミン(0.63mL、4.48mmol)のジクロロメタン(10mL)中の溶液に、メタンスルホニルクロリド(0.35mL、4.49mmol)を5分かけて徐々に加えた。添加が完了した後に、反応混合物を室温にし、2時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(10mL)で希釈し、水(2×20mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の生成物を得た。この物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、石油エーテル中15%の酢酸エチルを溶離剤として使用して精製し、中間体BE(300mg、38%)を茶色のゴムとして得た。H NMR(CDCl):δ 7.40−7.34(m,1H),7.20−7.16(m,2H),6.63(bs,1H),3.76(s,2H),3.04(s,3H)。Mass(M−H):187.0。
【0259】
中間体BFの調製
【化108】

【0260】
中間体BE(100mg、0.47mmol)およびラネー−Ni(20mg、湿潤)のNHメタノール溶液(5.0mL)中の懸濁液を、Hを気泡導入することによって10℃で3時間水素化した。反応混合物を濾過し、ケーキをメタノール(3×10mL)で洗浄した。合わせた濾液を減圧下で濃縮し、中間体BF(80mg、粗製)を淡茶色のオイルとして得、これをさらに精製することなく、次のステップで使用した。
【0261】
化合物(28)の調製
【化109】

【0262】
冷たい(0℃)粗製の中間体BF(30mg、0.14mmol)およびトリエチルアミン(0.02mL、0.14mmol)のジクロロメタン(4.0mL)中の溶液に、メトキシアセチルクロリド(0.03mL、0.13mmol)のジクロロメタン(1.0mL)溶液を5分かけて徐々に加えた。添加が完了した後に、反応混合物を室温にし、2時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(10mL)で希釈し、水(2×10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の生成物を得た。この物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、石油エーテル中23%の酢酸エチルを溶離剤として使用して精製し、化合物(28)(29mg、72%)を淡茶色のゴムとして得た。H NMR(CDCl):δ 7.31−7.25(m,2H),7.09−7.03(m,2H),6.58(bs,1H),6.50(bs,1H),3.87(s,2H),3.59−3.53(q,2H),3.37(s,3H),2.84(t,J=7.11Hz;2H)。Mass(M+H):286.9。IR(cm−1):3401,2927,1655,1328,1149,976,763,515。HPLC純度(%):94.51(Max plot),92.11(215nm)。
【0263】
化合物(29)および(30)の合成
【化110】

【0264】
化合物(29)および(30)を、スキーム22での手順に従って調製した。
【化111】

【0265】
中間体BHの調製
【化112】

【0266】
中間体BG(5g、27.02mmol)および酢酸アンモニウム(4.57g、59.45mmol)のニトロメタン(150.0mL)中の懸濁液を90℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、生じた粗製物質を酢酸エチル(100mL)に溶かし、水(2×30mL)およびブライン溶液(25mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の生成物を得た。この物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、石油エーテル中2%の酢酸エチルを溶離剤として使用して精製し、中間体BH(2.2g、36%)を黄色の固体として得た。H NMR(CDCl):δ 7.93(d,J=13.66Hz,1H),7.70(s,1H),7.62(d,J=8.00Hz,1H),7.56(d,J=13.66Hz,1H),7.48(d,J=7.61Hz,1H),7.34(s,J=7.90Hz,1H)。Mass(M−2H),M:226.9,228.9。
【0267】
中間体BIの調製
【化113】

【0268】
冷たい(0℃)中間体BH(2g、8.77mmol)のメタノール(30mL)溶液に0℃で、NaBH(0.4g、10.52mmol)を15分かけて少量ずつ加えた。添加が完了した後に、反応混合物を10℃で1時間撹拌した。反応混合物を水(10mL)でクエンチし、減圧下で濃縮した。生じた水性残渣を水(25mL)で希釈し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル層を水(30mL)およびブライン溶液(25mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の生成物を得た。この物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、石油エーテル中5%の酢酸エチルを溶離剤として使用して精製し、中間体ΒI(1.5g、74%)を淡黄色の固体として得た。H NMR(CDCl):δ 7.39(d,J=10.78Hz,1H),7.37(s,1H),7.22−7.15(m,2H),4.61(t,J=7.46Hz,2H),3.29(t,J=7.03Hz,2H)。Mass(M−2H),M:227.9,229.9。
【0269】
中間体BJの調製
【化114】

【0270】
中間体BI(350mg、15.21mmol)および亜鉛粉末(300mg、4.56mmol)のメタノール(50.0mL)および2NのHCl(50.0mL)中の懸濁液を65℃で1時間撹拌した。反応混合物を濾過し、ケーキをメタノール(3×10mL)で洗浄した。合わせた濾液を減圧下で濃縮し、残渣をジクロロメタンに溶かし、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の中間体BJ(1g、粗製)を得、これをさらに精製することなく、次のステップで使用した。
【0271】
中間体BKの調製
【化115】

【0272】
冷たい(0℃)粗製の中間体BJ(300mg、1.50mmol)およびトリエチルアミン(0.42mL、3.01mmol)のジクロロメタン(15.0mL)中の溶液に、メトキシアセチルクロリド(0.15mL、1.65mmol)のジクロロメタン(2.0mL)溶液を5分かけて徐々に加えた。添加が完了した後に、反応混合物を室温にし、2時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(10mL)で希釈し、水(2×20mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の生成物を得た。この物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、クロロホルム中1%のMeOHを溶離剤として使用して精製し、中間体BK(200mg、60%)を淡茶色の固体として得た。H NMR(CDCl):δ 7.38−7.36(m,2H),7.20−7.12(m,2H),6.55(bs,1H),3.87(s,2H),3.56−3.51(m,2H),3.37(s,3H),2.81(t,J=7.12Hz,2H)。Mass(M,M+H):271.9,273.9。
【0273】
化合物(29)の調製
【化116】

【0274】
中間体BK(300mg、1.10mmol)およびCuCN(200mg、2.20mmol)のDMSO(4.0mL)中の懸濁液を密閉管中、165℃で20時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル層を水(2×10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の生成物を得た。この物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、クロロホルム中2%のMeOHを溶離剤として使用して精製し、化合物(29)(100mg、41.5%)を淡茶色のゴムとして得た。H NMR(CDCl):δ 7.55−7.42(m,4H),6.6(bs,1H),3.88(s,2H),3.58−3.53(q,2H),3.38(s,3H),2.89(t,J=7.31Hz;2H)。Mass(M−H):217。IR(cm−1):3412,2928,2230,1665,1537,1116,798,691。HPLC純度(%):95.33(Max plot)、92.55(215nm)。
【0275】
化合物(30)の調製
【化117】

【0276】
冷たい(0℃)化合物(29)(100mg、0.45mmol)、3NのNaOH(3.0mL)のエタノール(3.0mL)中の溶液に0℃で、H(水中30%;0.05mL)を加えた。添加が完了した後に、反応混合物を室温にし、20時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、生じた水性残渣をジクロロメタン(50mL)で希釈し、水(2×10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の生成物を得た。この物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、クロロホルム中5%のMeOHを溶離剤として使用して精製し、化合物(30)(40mg、37%)をオフホワイト色の固体として得た。H NMR(CDCl):δ 7.70−7.67(m,2H),7.40−7.38(m,2H),6.58(bs,1H),6.2(bs,1H),5.6(bs,1H),3.86(s,2H),3.63−3.60(q,2H),3.58(s,3H),2.91(t,J=7.04Hz;2H)。Mass(M+H):237.1。IR(cm−1):3339,3162,1661,1543,1199,1120,690。HPLC純度(%):95.95(Max plot),95.29(215nm)。
【0277】
化合物(31)の調製
【化118】

【0278】
化合物(31)を、スキーム23に示されている手順に従って調製した。
【化119】

【0279】
中間体BMの調製
【化120】

【0280】
中間体BL(5.0g、33.29mmol)および過酸化ベンゾイル(0.4g、1.66mmol)のCCl(60.0mL)中の溶液に、NBS(5.75g、33.29mmol)を加えた。反応混合物を70℃で4時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮して、粗製の生成物を得た。この物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、石油エーテル中1%の酢酸エチルを溶離剤として使用して精製し、中間体BM(6.8g、87%)を淡黄色のオイルとして得た。H NMR(CDCl):δ 8.07(s,1H),8.00−7.96(m,1H),7.60−7.58(m,1H),7.43(t,J=7.67Hz,1H),4.52(s,2H),3.93(s、3H)。
【0281】
中間体BNの調製
【化121】

【0282】
冷たい中間体BM(7.2g、31.44mmol)のDMSO(35.0mL)溶液に0℃でシアン化ナトリウム(3.0g、62.88mmol)を15分かけて少量ずつ加えた。添加が完了した後に、反応混合物を10℃で3時間撹拌した。氷冷水を反応混合物(50mL)に加え、反応物を酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、水(2×25mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の生成物を得た。この物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、石油エーテル中10%の酢酸エチルを溶離剤として使用して精製し、中間体BN(2.8g、51%)を淡茶色の液体として得た。H NMR(CDCl):δ 9.44−9.42(m,2H),8.90−8.78(m,2H),4.63(s,3H),4.49(s,2H)。Mass(M−H):174.1。
【0283】
中間体BOの調製
【化122】

【0284】
冷たい(0℃)中間体BN(500mg、2.85mmol)のTHF(25.0mL)溶液に、NaBH(216mg、5.71mmol)を加え、反応物を80℃で15分間攪拌した。次いで、泡立ちが止まるまで、メタノール(8.0mL)を反応混合物に80℃で加えた。次いで、反応物を約16時間撹拌した。次いで、反応混合物を水(10mL)でクエンチし、減圧下で濃縮した。生じた水性残渣を水(25mL)で希釈し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル層を水(25mL)およびブライン溶液(25mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の生成物を得た。この物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、石油エーテル中12%の酢酸エチルを溶離剤として使用して精製し、中間体BO(410mg、95%)を淡黄色のオイルとして得た。H NMR(CDCl):δ 7.40−7.32(m,3H),7.27(s,1H),4.72(d,J=5.66Hz,2H),3.76(s,2H),1.72(t,J=5.76Hz,1H)。Mass(M−H):146.1。
【0285】
中間体BPの調製
【化123】

【0286】
中間体BO(200mg、1.32mmol)およびラネー−Ni(50mg、湿潤)のNHメタノール溶液(6.0mL)中の懸濁液を、Hを気泡導入することによって、10℃で3時間水素化した。反応混合物を濾過し、ケーキをメタノール(3×l0mL)で洗浄した。合わせた濾液を減圧下で濃縮して、中間体BP(200mg、粗製)を淡茶色のゴムとして得た。H NMR(CDCl):δ 7.30−7.21(m,4H),4.69(s,2H),3.49(s,2H),2.9(bs,2H),4.80(s,2H)。Mass(M+H):152.0。
【0287】
中間体BQの調製
【化124】

【0288】
冷たい(0℃)中間体BP(200mg、1.32mmol)およびトリエチルアミン(0.27mL、1.92mmol)のジクロロメタン(10.0mL)中の溶液に、メトキシアセチルクロリド(0.18mL、1.96mmol)を5分かけて徐々に加えた。添加が完了した後に、反応混合物を室温にし、3時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(10mL)で希釈し、水(2×20mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の生成物を得た。この物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、石油エーテル中5〜10%の酢酸エチルを溶離剤として使用して精製し、中間体BQ(250mg、64%)を淡茶色のゴムとして得た。H NMR(CDCl):δ 7.33−7.17(m,4H),6.56(bs,1H),5.18(s,2H),4.08(s,2H),3.87(s,2H),3.58−3.53(m,2H),3.46(s,3H),3.36(s,3H),2.85(t,J=7.07Hz;2H)。Mass(M+H):295.9。
【0289】
化合物(31)の調製
【化125】

【0290】
中間体BQ(250mg、0.84mmol)およびKCO(130mg、0.94mmol)のメタノール(3.0mL)中の懸濁液を26℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し;次いで、残渣を水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル層を水(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の生成物を得た。この物質をカラムクロマトグラフィー(100〜200メッシュのシリカゲル)によって、石油エーテル中20%の酢酸エチルを溶離剤として使用して精製し、化合物(31)(120mg、63%)を淡茶色の固体として得た。H NMR(CDCl):δ 7.32−7.22(m,3H),7.13(d,J=7.41Hz;1H),6.56(bs,1H),4.67(s,2H),3.85(s,2H),3.58−3.53(m,3H),3.35(s,3H),2.84(t,J=7.12Hz;2H)。Mass(M+H):223.9。IR(cm−1):3401,2931,1658,1540,1116,791。HPLC純度(%):98.9(Max plot),96.92(254nm),97.11(215nm)。
【0291】
化合物(32)の合成
【化126】

【0292】
化合物(32)を、スキーム24に示されている手順に従って合成した。
【化127】

【0293】
中間体BSの調製
【化128】

【0294】
中間体BR(lg、8.19mmol)および酢酸アンモニウム(1.38g、18.03mmol)のニトロメタン(70.0mL)中の懸濁液を90℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、生じた粗製物質を酢酸エチル(50mL)に溶かし、水(2×20mL)およびブライン溶液(25mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の生成物を得た。この物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、石油エーテル中10%の酢酸エチルを溶離剤として使用して精製し、中間体BS(550mg、40.6%)を黄色の固体として得た。H NMR(CDCl):δ 7.95(d,J=13.68Hz;1H),7.55(d,J=13.68Hz;1H),7.13(d,J=7.87Hz,1H),7.01−6.95(m,2H),4.97(s,2H)。Mass(M−H):164.0。
【0295】
中間体BTの調製
【化129】

【0296】
冷たい(0℃)中間体BS(350mg、2.12mmol)のメタノール(3.5mL)溶液に0℃で、NaBH(100mg、2.54mmol)を5分かけて少量ずつ加えた。添加が完了した後に、反応混合物を10℃で1時間撹拌した。反応混合物を水(5mL)でクエンチし、減圧下で濃縮した。生じた水性残渣を水(15mL)で希釈し、酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル層を水(10mL)およびブライン溶液(15mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の生成物を得た。この物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、石油エーテル中10%の酢酸エチルを溶離剤として使用して精製し、中間体BT(200mg、56.4%)を淡黄色の固体として得た。H NMR(CDCl):δ 7.19(s,J=7.90Hz;1H),6.77−6.72(m,2H),6.68(s,1H),4.59(t,J=7.32Hz,2H),3.27(t,J=7.32Hz)。Mass(M−H):166.0。
【0297】
中間体BUの調製
【化130】

【0298】
中間体BT(150mg、0.89mmol)および10%Pd/C(25mg、無水)のMeOH(1.0mL)中の懸濁液を、Hを気泡導入することによって、10℃で3時間水素化した。反応混合物を濾過し、およびケーキをメタノール(3×5mL)で洗浄した。合わせた濾液を減圧下で濃縮した。得られたゴム状の物質を酢酸エチル(1mL)に溶かし、EtOAcおよびHCl(0.5mL)で処理した。反応物を10分間撹拌し、次いで濃縮して、中間体BUのHCl塩(200mg、粗製)を淡茶色のゴムとして得た。この物質をさらに精製することなく、次のステップで使用した。
【0299】
中間体BVの調製
【化131】

【0300】
冷たい(0℃)中間体BU(200mg、1.15mmol)およびトリエチルアミン(0.323mL、2.3mmol)のジクロロメタン(3.0mL)中の溶液に、メトキシアセチルクロリド(0.136mL、1.26mmol)を5分かけて徐々に加えた。添加が完了した後に、反応混合物を室温にし、2時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(10mL)で希釈し、水(2×20mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の生成物を得た。この物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、クロロホルム中2%のMeOHを溶離剤として使用して精製し、中間体BV(20mg、61.7%)を淡茶色のゴムとして得た。H NMR(CDCl):δ 7.33(t,J=7.86Hz;1H),7.09(d,J=7.64Hz;1H),7.00−6.97(m,2H),6.56(bs,1H),4.28(s,2H),3.87(s,2H),3.59−3.54(m,5H),3.35(s,3H),2.85(t,J=7.04Hz;2H)。Mass(M+H):282.0。
【0301】
化合物(32)の調製
【化132】

【0302】
中間体BV(200mg、0.71mmol)およびKCO(108mg、0.78mmol)のメタノール(2.0mL)中の懸濁液を26℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し;次いで、残渣を水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル層を水(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の生成物を得た。この物質をカラムクロマトグラフィー(100〜200メッシュのシリカゲル)によって、クロロホルム中4%のMeOHを溶離剤として使用して精製し、化合物(32)(80mg、53.7%)を淡茶色のゴムとして得た。H NMR(CDCl):δ 7.17(t,J=8.30Hz;1H),6.77(d,J=7.81Hz;1H),6.71−6.69(m,2H),6.55(bs,1H),4.85(s,1H),3.87(s,2H),3.58−3.53(m,3H),3.35(s,3H),2.79(t,J=7.08Hz;2H)。Mass(M+H):210.0。IR(cm−1):3392,2936,1658,1542,1455,1116,783。HPLC純度(%):94.43(Max plot),94.16(215nm)。
【0303】
化合物(33)、(34)および(35)の合成
【化133】

【0304】
化合物(33)〜(35)を、スキーム25に示されている手順に従って合成した。
【化134】

【0305】
中間体BXの調製
【化135】

【0306】
冷たいNaBH(1.5mmol)のTHF(30mL)懸濁液に0℃で、中間体BW(1.0mmol)を15分かけて少量ずつ加えた。添加が完了した後に、反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物に、BF・O(Et)(2.0mmol)のTHF(10mL)溶液を3時間かけて徐々に加えた。添加が完了した後に、反応混合物を室温で20時間撹拌した。反応混合物を1.5NのHCl(10mL)およびMeOH(20mL)でクエンチし、次いで、濃縮した。得られた水性残渣を1NのNaOH溶液で塩基性(pH約10)にし、酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル層をブライン溶液(2×20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の中間体BX(表17)を得、これをさらに精製することなく、次のステップで使用した。
【表17】

【0307】
中間体BYの調製
【化136】

【0308】
冷たい中間体BX(1.0mmol)のジクロロメタン(15mL)溶液に0℃で、塩化チオニル(1.0mmol)を15分かけて徐々に加えた。添加が完了した後に、反応混合物を室温で20時間撹拌した。反応混合物を冷却し、氷冷水(30mL)を加えた。混合物をジクロロメタン(3×50mL)で抽出し、水(25mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の中間体BY(表18)を得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、石油エーテル中20%の酢酸エチルを溶離剤として使用して精製した。
【表18】

【0309】
中間体BZの調製
【化137】

【0310】
冷たい中間体BY(1.0mmol)のDMSO(10mL)溶液に0℃で、シアン化ナトリウム(2.0mmol)を15分かけて少量ずつ加えた。添加が完了した後に、反応混合物を10℃で2時間撹拌した。氷冷水を反応混合物(30mL)に加え、混合物を酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、水(25mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の中間体BZ(表19)を得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、石油エーテル中10%の酢酸エチルを溶離剤として使用して精製した。
【表19】

【0311】
中間体CAの調製
【化138】

【0312】
冷たい中間体BZ(1.0mmol)のTHF(30mL)溶液に0℃で、BH・DMS(9.0mmol)を5分かけて徐々に加えた。添加が完了した後に、反応混合物を室温にし、20時間撹拌した。反応混合物を氷中で冷却し、次いで、MeOH(5mL)でクエンチした。次いで、反応物を1時間還流させ、濃縮した。残渣を酢酸エチル(50mL)に溶かし、水(2×10mL)およびブライン溶液(15mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の中間体CA(表20)を得、これをさらに精製することなく、次のステップで使用した。
【表20】

【0313】
中間体CBの調製
【化139】

【0314】
冷たい(0℃)中間体CA(1.0mmol)およびトリエチルアミン(2.0mmol)のジクロロメタン(20mL)中の溶液に、メトキシアセチルクロリド(1.1mmol)を5分かけて徐々に加えた。添加が完了した後に、反応混合物を室温にし、4時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(10mL)で希釈し、水(2×15mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の中間体CB(表21)を得、これをPREP−TLCプレートによって、酢酸エチル中5%のMeOHを溶離剤として使用して精製した。
【表21】

【0315】
化合物(33)〜(35)の調製
【化140】

【0316】
中間体CB(1.0mmol)のトルエン(10mL)溶液に順次、NaOtBu(1.4mmol)、(±)BINAP(0.02mmol)、Pd(dba)(0.01mmol)およびベンゾフェノンイミン(1.2mmol)を加えた。混合物をアルゴンで30分間脱ガスし、80℃で6時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、粗製のイミンをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、クロロホルム中20%のMeOHを溶離剤として使用して精製した。生じた中間体をMeOH(15mL)に溶かし、ヒドロキシルアミン溶液(水中50%;1.2mmol)を加え、混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を濃縮し;次いで、生じた水性残渣を水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(2×15mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル層を水(10mL)およびブライン(15mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の生成物を得、これをPREP TLCを使用して、クロロホルム中3%のMeOHで溶離することによって精製した。生成物アミンをEtOAc・HClで処理し、化合物(33)〜(35)を対応するHCl塩(表22)として得た。
【表22】

【0317】
化合物(36)〜(39)の合成
【化141】

【0318】
化合物(36)〜(39)を、スキーム26に示されている手順に従って合成した。
【化142】

【0319】
中間体CDの調製
【化143】

【0320】
冷たい(0℃)中間体CC(1.0mmol)およびトリエチルアミン(1.2mmol)のジクロロメタン(20mL)中の溶液に、必要なスルホニルクロリド(1.2mmol)を5分かけて徐々に加えた。添加が完了した後に、反応混合物を室温にし、3時間撹拌した。次いで、反応混合物をジクロロメタン(25mL)で希釈し、水(2×25mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の中間体CD(表23)を得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、クロロホルム中2%のMeOHを溶離剤として使用して精製した。
【表23】

【0321】
化合物(36)〜(39)の調製
【化144】

【0322】
冷たい(−70℃)中間体CD(1.0mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液に、BBr(1.3mmol)を徐々に加えた。添加が完了した後に、反応混合物を0℃にし、2時間撹拌した。反応混合物を氷冷水(15mL)でクエンチし、ジクロロメタン(2×30mL)で抽出した。合わせたジクロロメタン層を水(2×10mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗製の生成物(表24)を得た。次いで、この物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)によって、石油エーテル中40%の酢酸エチルを溶離剤として使用して精製し、所望の生成物を得た。
【表24】

【0323】
SPR阻害を同定するためのスクリーニング条件
本明細書に記載されている化合物を、セピアプテリンレダクターゼ(SPR)の阻害薬としての活性に関してスクリーニングした。
【0324】
タンパク質産生
Hisタグ組換えヒトSPR(GenBank受入番号:NM 003124)を合成遺伝子としてクローニングし、大腸菌Rosetta2株で発現させた。細菌を37℃で増殖させ、SPRタンパク質の発現を4時間誘発した。
【0325】
細胞溶解の後に、HisタグSPRタンパク質を、TALONカラムを用いて親和性精製した(単離SPRタンパク質の純度は>95%である)。当初品質管理において、組換えSPRの酵素活性を、発色アッセイで確認した(420nmでODを読み出す)。
【0326】
一次スクリーニング
SPR阻害についてスクリーニングするために、LC/MS(および発色)読み出しをベースとする生化学アッセイが開発されている。LC/MSアッセイによって、産生物形成(L−ビオプテリン)をモニタリングし、発色アッセイによって、420nmでODを測定する。
【0327】
N−メトキシアセチルセロトニンを、基準化合物(陽性対照)として使用した。スクリーニング条件を使用して測定されたIC50は、20〜40nMであったが、これは、文献(Smithら、Journal of Biological Chemistry、297:5601、1992)に合致する。
【0328】
例示的なアッセイプロトコルは、次の条件を使用する:SPR(6nM);L−セピアプテリン(50μΜ);NADPH(100μΜ);リン酸Na緩衝剤、pH6.5(100mM);82μLのアッセイ体積;Greiner μclear(登録商標)384ウェルプレート中、37℃で、化合物(DMSO中0.5%の最終濃度)と共に60分インキュベーション。
【0329】
次の実験手順を適用した:
(1)化合物(阻害薬)希釈溶液(20%DMSO)2μLをGreiner μclear(登録商標)384ウェルプレートに加える。
(2)酵素/アッセイ緩衝液40μLを加える。
(3)開始:基質溶液/アッセイ緩衝液40μL。
(4)終了:アッセイ溶液82μL。
(5)インキュベーション:Safireで37℃で1時間および1時間後に、420nmでODを使用して測定(発色読み出し)。
(6)LC/MS測定のために、50μLを384Matrixフラットボトム(透明)に移す。
(7)停止:1MのHClを5μLおよび0.1MのI/NaI溶液10μLを加える。
(8)インキュベーション:37℃で45分。
(9)中和:0.1Mのアスコルビン酸10μLおよび1NのNaOH5μL。
(10)LC/MS測定。
【0330】
所望の場合には、化合物を、8ポイント希釈列を使用してさらにスクリーニングして、結果を確認することができる。例えば、表1の化合物を、この追加的な方法を使用して三重にスクリーニングした。これらの試験を次の濃度で行った:
【0331】
最も有効:0.2−0.7−2.1−6.2−18.5−55.6−166.7−500nM
中程度に有効:0.002−0.007−0.02−00.6−0.02−0.7−1.7−5μΜ
僅かに有効:0.02−0.07−0.2−0.6−1.9−5.6−16.7−50μΜ
【0332】
0.93(発色)および0.82(LC/MS)の平均Z’値が生じるSPRアッセイの確実な性能が、スクリーニング全体で達成され、阻害薬は、LC/MS(発色)アッセイにおいて予期された応答を示した。
【0333】
化合物のスクリーニングを3種の濃度(20nM、200nMおよび2000nM)で一重に行った(DMSO中0.5%の最終濃度)。Z’は、発色測定およびLC/MS測定でそれぞれ0.91および0.81であった。スクリーニングによって、式(I)および(II)の化合物は、比較的低い濃度でもSPRを阻害し得ることが示された。例えば、20nMの濃度で、酵素活性の77%までの阻害が観察された。例示的なIC50値を表25に示す。
【表25−1】


【表25−2】


【表25−3】

【0334】
他の実施形態
本発明を、その特定の実施形態に関して記載したが、さらなる変更が可能であり、本出願は、一般に本発明の原理に従っていて、本発明が属する分野内の公知または慣用の実施の範囲内であり、本明細書に前記されている必須の特徴に当てはまり得る本開示からのそのような逸脱を包含する本発明の任意の変形、使用または順応に及ぶことが意図されていることは理解されるであろう。
【0335】
本明細書に挙げられている参照文献、特許、特許出願公報および特許出願は全て、あたかもこれらの参照文献、特許、特許出願公報および特許出願のそれぞれが個別に参照によって本明細書に組み込まれているかのように同じ程度、参照によって本明細書に援用される。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)による構造を有する化合物
【化201】


[式中、
およびXはそれぞれ独立に、N、C−HまたはC−ハロゲンであり;
Aは、単結合、C(=O)またはSOであり;
は、(CHOR1A、ハロゲン、アミノ、CN、SO1A、NHSO1A、NHC(=O)R1AまたはC(=O)N(R1Aであり;
1Aはそれぞれ独立に、Hまたは置換されていてもよいC1〜6アルキルであり;
nは、0、1または2であり;
は、CHOR2A、置換されていてもよいC1〜6アルキル、置換されていてもよいC3〜9シクロアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロシクリルまたは置換されていてもよいヘテロアリールであり;
2Aは、Hまたは置換されていてもよいC1〜6アルキルであり;
3AおよびR3Bは両方ともHであるか、またはR3AおよびR3Bは一緒になって、=Oを形成しており;
4AおよびR4Bは両方ともHであるか、またはR4AおよびR4Bは一緒になって、=Oを形成しており;
およびRはそれぞれ独立に、H、置換されていてもよいC1〜6アルキル、置換されていてもよいC3〜10シクロアルキル、置換されていてもよいアルカリールまたは置換されていてもよいアルクヘテロアリールであり;
ここで、AがC(=O)である場合、RはOHであり、RはCHOMeであり、R3A、R3B、R4AおよびR4BはそれぞれHであり、RはHであり、RはHではない]。
【請求項2】
3AおよびR3Bならびに4AおよびR4Bのただ一方のみが、一緒になって、=Oを形成していてよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
およびXの一方または両方がC−Hである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
およびXの一方または両方がC−Clである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
およびRがそれぞれ独立に、H、分岐C1〜6アルキル、アミノアルキル、アルコキシアルキルまたはハロアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
式(I−A)による構造を有する、請求項1に記載の化合物またはそのプロドラッグもしくは薬学的に許容される塩
【化202】


[式中、
は、(CHOR1A、ハロゲン、CN、SO1A、NHSO1AまたはC(=O)N(R1Aであり;
は、Hまたは置換されていてもよいC1〜6アルキルであり;
は、Hまたは置換されていてもよいC1〜6アルキルであり;
ここで、R3AおよびR3Bならびに4AおよびR4Bのただ一方のみが、一緒になって、=Oを形成していてよい]。
【請求項7】
が、OH、CHOH、F、CN、SOCH、NHSOCHまたはC(=O)NHである、請求項1または6に記載の化合物。
【請求項8】
が、(CHOR2Bであり、ここで、mは、1、2または3であり、R2BはHまたは置換されていてもよいC1〜6アルキルである、請求項1または6に記載の化合物。
【請求項9】
が、HまたはCHである、請求項1または6に記載の化合物。
【請求項10】
が、HまたはCHである、請求項1または6に記載の化合物。
【請求項11】
3A、R3B、R4AおよびR4Bがそれぞれ、Hである、請求項1または6に記載の化合物。
【請求項12】
3AおよびR3Bが一緒になって、=Oを形成している、請求項1または6に記載の化合物。
【請求項13】
4AおよびR4Bが一緒になって、=Oを形成している、請求項1または6に記載の化合物。
【請求項14】
下式による構造を有する、請求項6に記載の化合物
【化203】


[式中、
は、OH、CHOH、F、CN、SO2R1A、NHSO1AまたはC(=O)NHであり;
1Aは、置換されていてもよいC1〜3アルキルであり;
は、置換されていてもよいC3〜6アルキル、置換されていてもよいC3〜6シクロアルキル、置換されていてもよい5〜6員のヘテロシクリルまたは置換されていてもよいヘテロアリールであり;
は、HまたはCHであり;
は、Hまたは置換されていてもよいC1〜3アルキルである]。
【請求項15】
下式からなる群から選択される、請求項14に記載の化合物
【化204】

【請求項16】
下式である、請求項15に記載の化合物。
【化205】

【請求項17】
下式である、請求項1に記載の化合物。
【化206】

【請求項18】
下式による構造を有する、請求項6に記載の化合物:
【化207】


[式中、
は、OH、CHOH、F、CN、SO1A、NHSO1AまたはC(=O)NHであり;
1Aは、置換されていてもよいC1〜3アルキルであり;
は、置換されていてもよいC1〜6アルキルまたは置換されていてもよいC3〜6シクロアルキルであり;
は、HまたはCHであり;
は、Hまたは置換されていてもよいC1〜3アルキルである]。
【請求項19】
がOHであり、RおよびRがそれぞれHである、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
下式からなる群から選択される、請求項19に記載の化合物:
【化208】

【請求項21】
下式による構造を有する、請求項6に記載の化合物:
【化209】


[式中、
は、OH、CHOH、F、CN、SO1A、NHSO1AまたはC(=O)NHであり;
1Aは、置換されていてもよいC1〜3アルキルであり;
は、置換されていてもよいC1〜6アルキルまたは置換されていてもよいヘテロアリールであり;
は、Hまたは置換されていてもよいC1〜3アルキルである]。
【請求項22】
がOHであり、RがHである、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
が、置換されていてもよいピリジルまたは、C1〜2アルコキシ置換基を含むC1〜3アルキルである、請求項21に記載の化合物。
【請求項24】
下式からなる群から選択される、請求項21に記載の化合物:
【化210】

【請求項25】
式(II)による構造を有する化合物またはそのプロドラッグもしくは薬学的に許容される塩:
【化211】


[式中、
Xは、NまたはCHであり;
mは、0または1であり;
は、(CHOR1A、ハロゲン、CN、アミノ、SO1A、NHSO1A、NHC(=O)R1AまたはC(=O)N(R1Aであり;
1Aはそれぞれ独立に、Hまたは置換されていてもよいC1〜6アルキルであり;
nは、0、1または2であり;
は、Hまたは置換されていてもよいC1〜3アルキルであり;
は、H、C(=O)R3AまたはSO3Aであり;
3Aは、置換されていてもよいC1〜6アルキルである]。
【請求項26】
下式による構造を有する、請求項25に記載の化合物:
【化212】

【請求項27】
下式による構造を有する、請求項25に記載の化合物:
【化213】

【請求項28】
下式による構造を有する、請求項25に記載の化合物:
【化214】

【請求項29】
XがNであり、mが1であり、RがHである、請求項25〜28のいずれかに記載の化合物。
【請求項30】
がアミノである、請求項29に記載の化合物。
【請求項31】
が、C(=O)R3Aであり、R3Aが、C1〜3アルコキシ置換基を含むC1〜3アルキルである、請求項30に記載の化合物。
【請求項32】
下式である、請求項31に記載の化合物:
【化215】

【請求項33】
XがCHであり、mが1であり、RがHである、請求項25〜28のいずれかに記載の化合物。
【請求項34】
が、F、OH、CN、CHOR1A、SO1A、NHSO1AまたはC(=O)NHであり;
1Aが、HまたはC1〜2アルキルである、請求項33に記載の化合物。
【請求項35】
が、HまたはC(=O)R3Aであり、R3Aが、C1〜3アルコキシ置換基を含むC1〜3アルキルである、請求項34に記載の化合物。
【請求項36】
下式からなる群から選択される、請求項35に記載の化合物:
【化216】

【請求項37】
がSO3Aであり、R3Aが置換されていてもよいC1〜4アルキルである、請求項34に記載の化合物。
【請求項38】
下式からなる群から選択される、請求項37に記載の化合物:
【化217】

【請求項39】
セピアプテリンレダクターゼ(SPR)の阻害薬である、請求項1〜38のいずれかに記載の化合物。
【請求項40】
請求項1〜39のいずれかに記載の化合物またはそのプロドラッグもしくは薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される添加剤とを含む医薬組成物。
【請求項41】
哺乳動物における状態を治療、軽減または予防する方法であって、請求項1〜39のいずれかに記載の化合物またはそのプロドラッグもしくは薬学的に許容される塩または請求項40に記載の医薬組成物を前記哺乳動物に、SPRを阻害するのに十分な投薬量で投与することを含む方法。
【請求項42】
前記状態が疼痛である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記疼痛が、神経障害性、炎症性、侵害受容性または機能性疼痛である、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記疼痛が慢性疼痛である、請求項42または43に記載の方法。
【請求項45】
前記疼痛が急性疼痛である、請求項42または43に記載の方法。
【請求項46】
細胞においてSPRを阻害する方法であって、細胞を、請求項1〜39に記載の化合物またはそのプロドラッグもしくは薬学的に許容される塩のいずれかと接触させることを含む方法。

【図1】
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【公表番号】特表2013−508288(P2013−508288A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534357(P2012−534357)
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際出願番号】PCT/US2010/052674
【国際公開番号】WO2011/047156
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(591044027)チルドレンズ メディカル センター コーポレイション (12)
【氏名又は名称原語表記】CHILDREN’S MEDICAL CENTER CORPORATION
【Fターム(参考)】