説明

発光装置

【課題】輝度の経時変化を抑制し、電流効率が高く表示品質の高い発光装置を提供することを課題とする。
【解決手段】一対の電極間に少なくとも一層の発光層を有する発光ユニットが複数個直列に接続された発光素子を複数備えた発光装置であって、一の発光ユニットと他の発光ユニットとの間には、該発光ユニット内に中間導電層が設けられている。発光層は、第2族の元素と第16族の元素を含む化合物または第12族の元素と第16族の元素を含む化合物である母体材料と発光中心である不純物元素とを含んでいる。この構成により、電流密度を高めることなく、発光輝度を高めることができる。また、発光素子の隣接間リーク電流を抑えることができる。すなわち、マトリクス状に画素を配列させた表示装置において、画素間のクロストークの発生を抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレクトロルミネセンスを利用する発光装置に係り、特に表示画面を形成する画素部の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、10V程度の電圧を一対の電極間に印加して100cd/m〜1000cd/mの輝度で発光する有機EL(Electro Luminescence)素子が知られている。有機EL素子は、薄型化及び軽量化が可能であることから、表示装置や照明装置への応用が期待されている。しかし、実用化のためには、さらなる輝度の向上や劣化を抑制しなければならないことが指摘されている。
【0003】
電流効率を高め、単位面積に換算したときの輝度を高める方法として、有機EL素子において複数の発光ユニットを積層し、単層の場合と同じ電流密度の電流を流すことによって、実質的に単位面積当たりの輝度が向上する発光素子が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
この発光ユニットを積層させた発光素子によれば、電流密度を半減させたとしても、発光ユニットが単層である標準的な発光素子と同等の輝度を得ることができる。例えばn倍の輝度を所望電流密度において得たい場合は、電極間に存在する同一の構成の発光ユニットをn個とすれば、電流密度を上昇させることなくn倍の輝度を実現できるとされている。このとき、駆動電圧もn倍、もしくはそれ以上になってしまうが、n倍の輝度が寿命を犠牲にせずに実現できることの利点は大きいと言われている。
【特許文献1】特開2003−45676号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、複数の発光ユニットを積層した発光素子で画素を形成し、数十マイクロメートルのピッチで画素をマトリクス状に配列させた表示装置では、隣接する画素間のクロストークが問題となる。すなわち、一の発光ユニットと他の発光ユニットとの間に設けた中間導電層により、隣接する発光素子に電流が流れてしまう。中間導電層は導電性を有するため、もし発光ユニットから中間導電層が露出している場合、その部位で短絡不良の発生頻度が高まってしまう。
【0006】
そこで本発明は、隣接する発光素子同士のクロストークの発生を抑制した発光装置を提供することを課題とする。また、本発明は複数の発光ユニットを積層した発光素子で画素を形成した発光装置において、短絡不良の発生を抑制することを課題とする。また、本発明では、電流効率が高く表示品質の高い発光装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一は、一対の電極間に少なくとも一層の発光層を有する発光ユニットが複数個直列に接続された発光素子を複数備えた発光装置である。一の発光ユニットと他の発光ユニットとの間には、該発光ユニット内に中間導電層が設けられている。発光層は、第2族の元素と第16族の元素を含む化合物または第12族の元素と第16族の元素を含む化合物である母体材料と発光中心である不純物元素とを含んでいる。
【0008】
本発明の一は、一対の電極間に少なくとも一層の発光層を有する発光ユニットが複数個直列に接続された発光素子を各画素に設け、該画素をマトリクス状に配列させた画素部を有する発光装置である。一の発光ユニットと他の発光ユニットとの間には、中間導電層が設けられている。発光層は、第2族の元素と第16族の元素を含む化合物または第12族の元素と第16族の元素を含む化合物である母体材料と発光中心である不純物元素とを含んでいる。発光層は、隣接する画素間で連続して形成され、前記中間導電層は、画素毎に形成されている。
【0009】
本発明の一は、一対の電極間に少なくとも一層の発光層を有する発光ユニットが複数個直列に接続された発光素子を各画素に設け、該画素をマトリクス状に配列させた画素部を有する発光装置である。一の発光ユニットと他の発光ユニットとの間には、中間導電層が設けられている。画素部は、前記一対の電極の一方の電極の周辺端部を覆う隔壁層を有している。発光層は、第2族の元素と第16族の元素を含む化合物または第12族の元素と第16族の元素を含む化合物である母体材料と発光中心である不純物元素とを含んでいる。発光層は、一対の電極の一方の電極上と隔壁層上を連続して形成されている。中間導電層は、一対の電極の一方の電極上に形成され、該中間導電層の端部が隔壁層上に位置している。
【0010】
本発明において、発光ユニットとは、代表的には元素周期表第12族と第16族元素を含む母体材料と、発光中心を形成する不純物元素を含む一又は複数の層により構成される。発光ユニットは一対の電極と中間導電層を除いた要素を指す。例えば、元素周期表第12族と第16族元素を含む母体材料と発光中心を形成する不純物元素を含む発光層と、該発光層を挟むキャリア輸送層(正孔輸送層、電子輸送層など)若しくはキャリア注入層(正孔注入層、電子注入層など)で構成されていても良い。
【0011】
中間導電層とは、一の発光ユニットと他の発光ユニットの間に挟まれ、一対の電極の一方を陽極、他方を陰極とした場合に、素子の陰極方向にホールを注入し、陽極方向に電子を注入する機能を持った層をいう。
【0012】
発光装置とは、発光素子と、該発光素子の発光及び非発光を制御する機能を備えた装置を含み、発光素子で画素を形成して映像等を表示する表示媒体、光源(照明装置を含む)を範疇に含む。また、本明細書中で示す発光素子が形成されたパネルにコネクター、例えばFPC(Flexible printed circuit)もしくはTAB(Tape Automated Bonding)テープもしくはTCP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、または発光素子にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも発光装置に含むものとする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、一の発光ユニットと他の発光ユニットとの間には中間導電層を設けることにより、電流密度を高めることなく、発光輝度を高めることができる。また、中間導電層を、一の発光ユニットと他の発光ユニット内に設けることにより、発光素子の隣接間リーク電流を抑えることができる。すなわち、マトリクス状に画素を配列させた表示装置において、画素間のクロストークの発生を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0015】
(実施の形態1)
図1は本形態の発光装置の構成を説明する図である。図1(A)は発光装置おいて画素を構成する発光素子の構造を示している。この発光素子は、第1の電極100、第1の発光ユニット101、第2の発光ユニット102、第2の電極103及び中間導電層110を含む。中間導電層110は第1の発光ユニット101と第2の発光ユニット102との間に設けられており、その端部は第1の発光ユニット101若しくは第2の発光ユニット102に覆われて画素毎に分離されている。
【0016】
第1の電極100及び第2の電極103は金属、合金、電気伝導性化合物、及びこれらの混合物金属、化合物、合金を用いることができる。例えば、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、チタン(Ti)などの導電性を有する金属、又はアルミニウム−シリコン(Al−Si)、アルミニウム−チタン(Al−Ti)、アルミニウム−シリコン−銅(Al−Si−Cu)等それらの合金、または窒化チタン(TiN)等の金属材料の窒化物、酸化インジウム酸化スズ(ITO:Indium tin oxide)、酸化インジウムに2wt%〜20wt%の酸化亜鉛(ZnO)を混合した酸化インジウム酸化亜鉛(IZO:Indium zinc oxide)等のターゲットを用いてスパッタリング法で成膜された導電性金属酸化物等を用いることができる。なお、第1の電極100と第2の電極103は一方が陽極として機能する電極、他方が陰極として機能する。
【0017】
第1の発光ユニット101及び第2の発光ユニット102は少なくとも発光物質を含む発光層を含んでいる。
【0018】
発光ユニットの発光層として適した発光材料について説明する。ここで示す発光材料は、母体材料及び発光中心となる少なくとも1種類以上の不純物元素で構成される材料である。なお、これら不純物元素は母体材料を構成する元素を含まないものとする。
【0019】
発光材料に用いる母体材料は無機材料として、硫化物、酸化物、窒化物を用いる。硫化物としては、例えば、硫化亜鉛(ZnS)、硫化カドミウム(CdS)、硫化カルシウム(CaS)、硫化イットリウム(Y)、硫化ガリウム(Ga)、硫化ストロンチウム(SrS)、硫化バリウム(BaS)などを用いることができる。酸化物としては、例えば、酸化亜鉛(ZnO)、酸化イットリウム(Y)などを用いることができる。また、窒化物としては、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウム(InN)などを用いることができる。さらに、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)なども用いることができ、硫化カルシウム−ガリウム(CaGa)、硫化ストロンチウム−ガリウム(SrGa)、硫化バリウム−ガリウム(BaGa)、などの3元系の混晶であってもよい。
【0020】
不純物元素としては、金属イオンの内殻電子遷移を利用した発光中心を形成するものとして、マンガン(Mn)、銅(Cu)、サマリウム(Sm)、テルビウム(Tb)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、ユーロピウム(Eu)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)などの金属元素を用いることができる。なお、電荷補償として、フッ素(F)、塩素(Cl)などのハロゲン元素が添加されていてもよい。
【0021】
また、ドナー・アクセプタ再結合を利用した発光中心として、第一の不純物元素及び第二の不純物元素を含む発光材料を用いることができる。第一の不純物元素としては、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)などの金属元素、珪素(Si)などを用いることができる。第二の不純物元素は、例えば、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)などを用いることができる。
【0022】
この発光材料は固相反応、すなわち、母体材料及び不純物元素を秤量し、乳鉢で混合、電気炉で加熱して反応させる方法により、母体材料に不純物元素を含有させる。例えば、母体材料と、第一の不純物元素又は第一の不純物元素を含む化合物と、第二の不純物元素又は第二の不純物元素を含む化合物をそれぞれ秤量し、乳鉢で混合した後、電気炉で加熱、焼成を行う。焼成温度は、700℃〜1500℃が好ましい。温度が低すぎる場合は固体反応が進まず、温度が高すぎる場合は母体材料が分解してしまうからである。なお、粉末状態で焼成を行ってもよいが、ペレット状態で焼成を行うことが好ましい。
【0023】
また、固相反応を利用する場合の不純物元素として、第一の不純物元素と第二の不純物元素で構成される化合物を用いてもよい。この場合、不純物元素が拡散されやすく固相反応が進みやすくなるため、均一な発光材料を得ることができる。さらに余分な不純物元素が入らないため、純度の高い発光材料が得ることができる。第一の不純物元素と第二の不純物元素で構成される化合物としては、例えば、フッ化銅(CuF)、塩化銅(CuCl)、ヨウ化銅(CuI)、臭化銅(CuBr)、窒化銅(CuN)、リン化銅(CuP)、フッ化銀(AgF)、塩化銀(AgCl)、ヨウ化銀(AgI)、臭化銀(AgBr)、塩化金(AuCl)、臭化金(AuBr)、塩化白金(PtCl)などを用いることができる。また、第二の不純物元素の代わりに第三の不純物元素を含んだ発光材料を用いてもよい。
【0024】
第三の不純物元素は、例えば、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)、窒素(N)、リン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)などを用いることができる。これらの不純物元素の濃度は、母体材料に対して0.01mol%〜10mol%であれば良く、好ましくは0.1mol%〜5mol%の範囲である。
【0025】
高い電気導電性を有する発光材料としては、母体材料として、上述した材料を用い、上述した第一の不純物元素及び第二の不純物元素及び第三の不純物元素を含む発光材料を用いることができる。これらの不純物元素の濃度は、母体材料に対して0.01mol%〜10mol%であれば良く、好ましくは0.1mol%〜5mol%の範囲であれば良い。
【0026】
第二の不純物元素と第三の不純物元素で構成される化合物としては、例えば、フッ化リチウム(LiF)、塩化リチウム(LiCl)、ヨウ化リチウム(LiI)、臭化銅(CuBr)、塩化ナトリウム(NaCl)などのハロゲン化アルカリ、窒化ホウ素(BN)、窒化アルミニウム(AlN)、アルミニウムアンチモン(AlSb)、ガリウムリン(GaP)、ガリウムヒ素(GaAs)、インジウムリン(InP)、インジウムヒ素(InAs)、インジウムアンチモン(InSb)などを用いることができる。
【0027】
母体材料として、上述した材料を用い、上述した第一の不純物元素及び第二の不純物元素及び第三の不純物元素を含む発光材料を用いた発光層は、高電界により加速されたホットエレクトロンを必要とすることなく発光することが可能である。つまり、発光素子に高電圧を印加する必要がなくなるため、低駆動電圧で動作可能な発光素子を得ることができる。また、低駆動電圧で発光可能であるため、消費電力も低減された発光素子を得ることができる。また、さらに他の発光中心となる元素が含まれていてもよい。
【0028】
また、母体材料として上述した材料を用い、第二の不純物元素及び第三の不純物元素及び上述した金属イオンの内殻電子遷移を利用した発光中心を含む発光材料を用いることができる。この場合、発光中心となる金属イオンは、母体材料に対して0.05atomic%〜5atomic%であることが好ましい。また、第二の不純物元素の濃度は、母体材料に対して0.05atomic%〜5atomic%であることが好ましい。また、第三の不純物元素の濃度は、母体材料に対して0.05atomic%〜5atomic%であることが好ましい。このような構成の発光材料は、低電圧で発光可能である。よって、低駆動電圧で発光可能な発光素子を得ることができるため、消費電力が低減された発光素子を得ることができる。また、さらに他の発光中心となる元素が含まれていてもよい。
【0029】
例えば、特開2005−336275号公報に開示されているものとして、母体材料としてZnS、第1の不純物としてCu、第2の不純物としてCl及びGa、第3の不純物元素してAsを含み、さらに他の発光中心としてMnを含む発光材料を用いることも可能である。このような発光材料を形成するには、以下に示す方法を用いることができる。ZnSに、硫酸銅(CuS)、硫黄、酸化亜鉛(ZnO)を配合した発光体(ZnS:Cu、Cl)にMnを加え、真空中で2〜4時間程度焼成する。焼成温度は700℃〜1500℃であることが好ましい。この焼成したものを粉砕して粒径5μm〜20μmにし、粒径1μm〜3μmのGaAsを加え撹拌する。この混合物を、硫黄ガスを含む窒素気流中で約500℃〜800℃で2〜4時間焼成することにより、発光材料を得ることができる。この発光材料を用いて、蒸着法などにより薄膜を形成することにより、発光素子の発光層として用いることができる。
【0030】
また、上記の発光材料に対して、さらに、不純物元素を添加することにより、発光材料の結晶系を制御することができる。結晶系を制御できる不純物としては、立方晶系のものとして、GaP、GaAs、GaSb、InP、InAs、InSb、Si、Geなどを挙げることができる。また、六方晶系のものとして、GaN、InNを挙げることができる。他にもAlP、AlN、AlSbなどを用いることができる。発光材料の結晶系を制御することにより、発光効率を向上させることができる。
【0031】
図21(A)は、第1の電極12、第1の発光ユニット14、中間導電層16、第2の発光ユニット18、第2の電極20が積層された発光素子を示している。この発光素子は、第1の電極12と、第2の電極20の間に電圧を印加することで発光させることができる。
【0032】
第1の電極12は、種々の金属、合金、導電性化合物、及びこれらの混合物などを用いることができる。第1の電極12を透明電極とする場合には、酸化インジウム酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム酸化スズ、酸化インジウム酸化亜鉛(IZO:Indium Zinc Oxide)、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム酸化スズなどを用いて形成する。これらの導電性金属酸化物膜は、スパッタリングにより作製することができる。例えば、酸化インジウム酸化亜鉛は、酸化インジウムに対し1wt%〜20wt%の酸化亜鉛を加えたターゲットを用いたスパッタリングにより形成することができる。また、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム−酸化スズは、酸化インジウムに対し酸化タングステンを0.5wt%〜5wt%、酸化亜鉛を0.1wt%〜1wt%含有したターゲットを用いたスパッタリングにより形成することができる。第1の電極12を金属電極とする場合には、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)などを用いることができる。
【0033】
第2の電極20は、第1の電極12と同様にして形成することができる。第2の電極20は第1の電極12と対を成して形成するので、一方の電極を透明電極とする場合には、他方を金属電極で形成すれば良い。また、両方の電極を透明電極で形成しても良い。
【0034】
第1の発光ユニット14及び第2の発光ユニット18は、発光層22により形成されている。この発光層22は、上記発光材料を用いて作製することができる。
【0035】
中間導電層16は、酸化インジウム、酸化インジウム酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム酸化亜鉛などの透明導電膜材料で形成することが好ましい。第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットで発光した光を有効に取り出すためである。
【0036】
中間導電層の他の構成として、正孔発生層と電子発生層を積層した構成としても良い。正孔発生層は無機化合物と有機化合物との複合材料で形成することができる。正孔発生層を形成するものとして、無機化合物は有機化合物に対して電子受容性を示す物質であり、有機化合物は正孔輸送性に優れた物質である。無機化合物としては特に限定されないが、遷移金属酸化物が好ましく、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムが好適である。有機化合物としては、TDATA、MTDATA、m−MTDAB、TPD、NPB、DNTPD、TCTAなどに代表される芳香族アミン化合物は、ホールを発生しやすく、有機化合物として好適な化合物群である。
【0037】
電子発生層としては、電子輸送性の有機化合物と、その有機化合物に対して電子供与性を示す物質とを有する層を含んでいればよい。電子輸送性の有機化合物としては、Alq、Almq、BeBq、BAlq、Zn(BOX)、Zn(BTZ)、BPhen、BCP、PBD、OXD−7、TPBI、TAZ、p−EtTAZなどを用いることができる。また、電子供与性を示す物質としては、リチウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムなどのアルカリ金属又はアルカリ土類金属、あるいはそれらの合金がある。また、酸化リチウム、酸化バリウム、窒化リチウム、窒化マグネシウム、窒化カルシウムなどのアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物を用いることもできる。
【0038】
いずれにしても、第1の発光ユニット14と第2の発光ユニット18に挟まれる中間導電層16は、第1の電極12と第2の電極20に電圧を印加したときに、一方の側の発光ユニットに電子を注入し、他方の側の発光ユニットに正孔を注入するものであれば良い。
【0039】
図21(A)では、2つの発光ユニットを有する発光素子について説明したが、同様に、3つ以上の発光ユニットを積層した発光素子についても適用することができる。一対の電極間に複数の発光ユニットを中間導電層で連結することで、電流密度を低く保ったまま、高輝度で発光させつつ劣化を抑制することができる。
【0040】
図21(B)は、第1の発光ユニット14及び第2の発光ユニット18の構成として、発光層22とバリア層24を組み合わせたものである。バリア層24は発光層22の陰極側に配置することが好ましい。バリア層24は膜厚を0.1nm〜2nm程度とし、トンネル電流が流れる厚さで形成する。
【0041】
バリア層24は、絶縁性又は半絶縁性の金属酸化物又は金属窒化物を用いることができる。例えば、アルミニウム、タングステン、クロム、モリブデン、チタンなどの酸化物又は窒化物を用いることができる。このような金属酸化物又は金属窒化物の薄膜はスパッタリング法で形成することができる。また、金属電極の表面を陽極酸化して形成することもできる。
【0042】
バリア層24を設けることにより、電極と発光層の界面でキャリアが再結合してしまうことを防止することができる。また、発光層に注入されたキャリアに対しバリアとなるので、キャリアが発光に寄与せずそのまま電極や中間導電層に流れ込んでしまう確率を抑制することができる。このような構成とすることで、発光効率を高めることができる。なお、図21(B)は、第1の電極12が陽極、第2の電極20が陰極の場合を想定している。第1の電極12を陰極、第2の電極20を陽極とする場合には、バリア層24の配置は反転する。
【0043】
図21(C)は、第1の発光ユニット14及び第2の発光ユニット18の構成として、発光層22の両側にバリア層24を設けたものである。バリア層24は膜厚を0.1nm〜2nm程度とし、トンネル電流が流れる厚さで形成することで、図21(B)と同様の効果が得られる。また、バリア層24を10nm〜1000nmとすると、交流駆動により発光させることもできる。
【0044】
図22(A)、(B)は、発光素子において、無機材料で形成される発光層に、キャリア注入性を高めるために有機無機複合材料層を組み合わせる態様を示している。この場合も発光素子は、第1の電極12、第1の発光ユニット14、中間導電層16、第2の発光ユニット18、第2の電極20で構成される。
【0045】
図22(A)は、第1の発光ユニット14及び第2の発光ユニット18の構成として、発光層22と有機無機複合材料層26を組み合わせる構成を示している。有機無機複合材料層26は正孔を注入するものとして、発光層22の陽極側に設けることが好ましい。図22(A)は、第1の電極12が陽極、第2の電極20が陰極の場合を想定している。第1の電極12を陰極、第2の電極20を陽極とする場合には、有機無機複合材料層26の配置を反転させれば良い。
【0046】
有機無機複合材料層26は、有機化合物と無機化合物とを複合してなる有機無機複合材料である。有機無機複合材料に用いる有機化合物として、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマーなど)などの化合物を用いることができる。なお、有機無機複合材料に用いる有機化合物としては、正孔輸送性の高い有機化合物であることが好ましい。具体的には、1×10−6cm/V・sec以上の正孔移動度を有する物質であることが好ましい。ただし、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いることができる。以下では、有機無機複合材料に用いることのできる有機化合物を例示する。
【0047】
芳香族アミン化合物としては、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)、4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)などを挙げることができる。
【0048】
また、以下に示す有機化合物を用いることにより、450nm〜800nmの波長領域において、吸収ピークを有しない有機無機複合材料を得ることができる。例えば、N,N’−ジ(p−トリル)−N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(略称:DTDPPA)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、4,4’−ビス(N−{4−[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]フェニル}−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)などを挙げることができる。
【0049】
カルバゾール誘導体としては、具体的には、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)などがある。
【0050】
また、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,3,5−トリス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)、9−[4−(N−カルバゾリル)]フェニル−10−フェニルアントラセン(略称:CzPA)、2,3,5,6−トリフェニル−1,4−ビス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]ベンゼンなどを用いることができる。
【0051】
また、450nm〜800nmの波長領域において、吸収ピークを有しない有機無機複合材料に用いることのできる芳香族炭化水素としては、9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)−2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuDNA)、9,10−ジ(ナフタレン−1−イル)−2−tert−ブチルアントラセン、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、9,10−ジ(4−フェニルフェニル)−2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuDBA)、9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン(略称:DNA)、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuAnth)、9,10−ジ(4−メチルナフタレン−1−イル)アントラセン(略称:DMNA)、2−tert−ブチル−9,10−ビス[2−(ナフタレン−1−イル)フェニル]アントラセン、9,10−ビス[2−(ナフタレン−1−イル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(ナフタレン−1−イル)アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン、9,9’−ビアントリル、10,10’−ジフェニル−9,9’−ビアントリル、10,10’−ジ(2−フェニルフェニル)−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス[(2,3,4,5,6−ペンタフェニル)フェニル]−9,9’−ビアントリル、アントラセン、テトラセン、ルブレン、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレンなどがある。また、この他、ペンタセン、コロネンなども用いることができる。このように、1×10−6cm/V・sec以上の正孔移動度を有し、炭素数14〜42である芳香族炭化水素を用いることがより好ましい。
【0052】
450nm〜800nmの波長領域において、吸収ピークを有しない有機無機複合材料に用いることのできる芳香族炭化水素としては、ビニル骨格を有していてもよい。ビニル基を有している芳香族炭化水素としては、例えば、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(略称:DPVBi)、9,10−ビス[4−(2,2−ジフェニルビニル)フェニル]アントラセン(略称:DPVPA)などがある。
【0053】
ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)やポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)などの高分子化合物を用いることもできる。
【0054】
有機無機複合材料に用いる無機化合物としては、遷移金属酸化物が好ましい。また元素周期表における第4族乃至第8族に属する金属の酸化物であることが好ましい。具体的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムは電子受容性が高いため好ましい。中でも特に、酸化モリブデンは大気中でも安定であり、吸湿性が低く扱いやすいので好ましい材料である。
【0055】
上記のような有機化合物と無機化合物を複合化して(互いに相互作用させて)、得られる有機無機複合材料は、正孔注入性、正孔輸送性に優れている。また導電性が高い。よって、電極からキャリアを注入しやすく、発光層へ効率良くキャリアを輸送することができる。また、有機無機複合材料は導電性金属酸化物、各種金属とオーム接触をすることが可能となる。また、450nm〜800nmの波長領域において、吸収ピークを有しない有機無機複合材料を、有機無機複合材料層26として用いることにより、発光層22の発光を吸収することなく効率良く透過し、外部取り出し効率を向上させることができる。
【0056】
また、有機化合物と無機化合物とを複合した有機無機複合材料を含む層は導電性が高いため、有機無機複合材料を含む層を厚膜化した場合でも、駆動電圧の上昇を抑制することができる。よって、駆動電圧の上昇を抑制しつつ、外部への光の取り出し効率が高くなるように有機無機複合材料を含む層の膜厚を最適化することが可能となる。また、駆動電圧を上昇させることなく、光学設計による色純度の向上を実現することができる。
【0057】
なお、有機無機複合材料を含む層の製造方法は、湿式法、乾式法を問わず、どのような手法を用いても良い。例えば、有機無機複合材料を含む層は、上述した有機化合物と無機化合物との共蒸着で作製することができる。また、上述した有機化合物と金属アルコキシドを含む溶液を塗布し、焼成することによって得ることもできる。なお、酸化モリブデンは真空中で蒸発しやすく、作製プロセスの面からも好ましい。
【0058】
このように、第1の電極12(陽極)と発光層22の間、若しくは中間導電層16と発光層22の間に有機無機複合材料層26を設けることで、発光層に対する正孔の注入性を向上させることができる。発光層22を形成する母体材料は導電型がn型であるので、正孔注入性を向上させる有機無機複合材料層26を組み合わせることにより、キャリアの注入性を高めることができる。それにより、照明装置において、低電圧の点灯を可能とし、発光効率を高めることができる。すなわち、低消費電力化を図ることができる。
【0059】
図22(B)は発光層22の一方の面に有機無機複合材料層26を設け、他方の面にバリア層24を設ける構成を示している。バリア層24は、電極と発光層の界面でキャリアが再結合してしまうことを防止することができる。また、発光層に注入されたキャリアに対しバリアとなるので、キャリアが発光に寄与せずそのまま電極や中間導電層に流れ込んでしまう確率を抑制することができる。このように、有機無機複合材料層26とバリア層24を組み合わせることにより、より発光効率を高めることができる。
【0060】
中間導電層110を形成するのに用いることのできるのは透明性を有する透明導電膜であり、具体例としては、酸化インジウム、酸化インジウム酸化スズ、酸化インジウム酸化亜鉛等の無機導電膜、透明性を有する程度に薄膜化した金属膜、導電性有機化合物などである。
【0061】
また、中間導電層110は、陰極として機能する層側から正孔を発生する層と電子を発生する層との積層体であっても良い。正孔を発生する層は無機化合物と有機化合物との複合材料でなり、この層において無機化合物は有機化合物に対して電子受容性を示す物質であり、有機化合物は正孔輸送性に優れた物質である。無機化合物としては特に限定されないが、遷移金属酸化物が好ましく、具体的には酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムが好適である。有機化合物としては先に正孔輸送層の材料として挙げた材料を用いることができるが、特にその中でも、TDATA、MTDATA、m−MTDAB、TPD、NPB、DNTPD、BBPB、TCTAなどに代表される芳香族アミン化合物は、ホールを発生しやすく、有機化合物として好適な化合物群である。電子を発生する層は電子を発生できる層であれば特に限定はされないが、具体的には、電子輸送性の有機化合物と、その有機化合物に対して電子供与性を示す物質とを有する層を含んでいればよい。電子輸送性の有機化合物としては、Alq、Almq、BeBq、BAlq、Zn(BOX)、Zn(BTZ)、BPhen、BCP、PBD、OXD−7、TPBI、TAZ、p−EtTAZなどを用いることができる。また、電子供与性を示す物質としては、リチウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属、あるいはそれらの合金が挙げられる。また、酸化リチウム、酸化バリウム、窒化リチウム、窒化マグネシウム、窒化カルシウム等のアルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物を用いることもできる。
【0062】
なお、中間導電層110は可視光領域の吸収ができるだけ小さいことが望ましい。ここで、正孔を発生する層において、有機化合物に下記一般式に示したような構造を有する有機材料を用いることによって、正孔を発生する領域の可視光における吸収を低減させることができる。
【0063】
【化1】

ただし、式中R1〜R24は、それぞれ同一でも異なっていても良く、水素、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールアルキル基のいずれかを表す。
【0064】
【化2】

ただし、式中、Xは、構造式(2−1)、構造式(2−3)〜(2−6)、一般式(2−2)に示す芳香族炭化水素基のいずれかを表し、R1〜R20はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素、アルキル基、アルコキシ基、アリール基のいずれかを表し、R21はアルキル基を表す。
【0065】
【化3】

ただし、式中R1〜R9はそれぞれ同一でも異なっていても良く、水素、アルキル基、アルコキシ基、アリール基のいずれかを表す。
【0066】
また、中間導電層110は、陰極として機能する層側から正孔を発生する層、透明導電膜、電子を発生する層の積層体であっても良い。
【0067】
このように、第2族の元素と第16族の元素を含む化合物または第12族の元素と第16族の元素を含む化合物である母体材料と発光中心である不純物元素とを含む発光層(無機発光層)に有機化合物を含む中間導電層を用いることで、複数の発光ユニットを連結して効率良く発光させることができる。
【0068】
中間導電層110は画素毎に設けられており、その端部が第1の発光ユニット101及び第2の発光ユニット102に覆われていることから、画素間でのクロストークの発生が抑制され発光装置の表示品質が向上する。このことから本形態の発光装置は発光効率が高く且つ表示品質も高い発光装置とすることが可能となる。また、中間導電層110が第1の発光ユニット101及び第2の発光ユニット102に覆われていることから、第2の電極103と中間導電層110が短絡する恐れも無く、第2の電極103と中間導電層110が中間導電層110の端部においてショートしてしまうことによる初期不良を無くすことができる。
【0069】
また、中間導電層110の端部を発光素子における発光領域(基板側から見て発光が得られる部分)の端部よりも外側に位置するように形成すると良い。本形態の発光装置に用いられるような発光素子は基板側から見て中間導電層110が形成された領域のみから所望の発光が得られ、中間導電層110が形成されていない領域は発光自体が得られないか、その輝度が著しく低い発光しか得られない。または所望の色彩の発光を得ることが出来ない。そのため中間導電層110を発光領域と一致するように形成しようとすると中間導電層110を形成する際、僅かなずれを生じただけで発光領域が減少し、表示品質が悪化するなどの不都合を引き起こしてしまう。しかし、中間導電層110の端部を発光領域の端部よりも外側に形成することによってたとえ中間導電層110が多少ずれて形成されてしまったとしても、表示品質の劣化を招くことを低減することができる。これはマスクあわせを非常に慎重に行わなければいけないアクティブマトリクス型発光装置や高精細なパッシブマトリクス型の発光装置に適用すると特に好適であり、マスクずれなどによる表示品質の低下を抑制することができる。
【0070】
図1(B)はアクティブマトリクス型の発光装置の例を示した模式図であり、基板200上に、半導体層201、ゲート絶縁膜、ゲート電極202よりなる薄膜トランジスタが形成され、薄膜トランジスタ上には層間絶縁膜203介し第1の電極205、第1の発光ユニット207、中間導電層250、第2の発光ユニット208及び第2の電極209よりなる発光素子が形成されている。発光素子の第1の電極205の端部は隔壁層206により覆われており、発光素子は第1の電極205が隔壁層206から露出した部分に形成される。発光素子は電極204を介して薄膜トランジスタと電気的に接続されており、発光の制御がなされる。
【0071】
基板200は薄膜トランジスタや発光素子の支持体として用いられ、その材料としてはガラス、石英やプラスチック(ポリイミド、アクリル、ポリエチレンテレフタラート、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエーテルスルホンなど)等を用いることができるが、その他薄膜トランジスタや発光素子の支持体として用いることができるものであればこれら以外の材料で形成されていても良い。
【0072】
基板200と半導体層201との間には下地絶縁膜が単層もしくは多層で設けられていても良い。下地絶縁膜は、基板200中のアルカリ金属やアルカリ土類金属など、半導体膜の特性に悪影響を及ぼすような元素が半導体層中に拡散するのを防ぐために設ける。材料としては酸化珪素、窒化珪素、窒素を含む酸化珪素、酸素を含む窒化珪素などを用いることができる。なお、基板からの不純物の拡散が気にならないようであれば下地絶縁膜は設ける必要がない。
【0073】
薄膜トランジスタは本形態ではトップゲート型(順スタガ型)の薄膜トランジスタの例を示したが、ボトムゲート型(逆スタガ型)など他の形状の薄膜トランジスタでも良く、本形態は発光素子を駆動するトランジスタの種類及び駆動方法によって限定されることはない。
【0074】
層間絶縁膜203は薄膜トランジスタと発光素子が不要な部分において電気的に接触することを防ぐために設けられ、単層であっても多層であっても良い。層間絶縁膜203は少なくとも一層が下部の薄膜トランジスタなどにより発生した凹凸を緩和できるような自己平坦性を有する材料で形成することが好ましい。層間絶縁膜203は、アクリル、ポリイミド、もしくは珪素と酸素との結合で骨格構造が構成され、置換基として少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、アリール基)、フルオロ基、又は少なくとも水素を含む有機基及びフルオロ基を有する材料、いわゆるシロキサンなどの材料を用いることが望ましい。また、その他の材料としては酸化珪素、窒化珪素、窒化珪素を含む酸化珪素、酸化珪素を含む窒化珪素、Low−k材料等を用いて形成することができる。
【0075】
第1の電極205、第1の発光ユニット207、中間導電層250、第2の発光ユニット208、第2の電極209よりなる発光素子は図1(A)で説明した発光素子と同じ構成を有している。発光素子の第1の電極205は隔壁層206によってその端部が覆われており、隔壁層206より第1の電極205が露出している部分が当該発光素子の発光領域となる。隔壁層206は層間絶縁膜203の材料として挙げた材料と同様の材料を使用することができる。
【0076】
発光素子の第1の電極205と薄膜トランジスタとを電気的に接続する電極204はアルミニウム、銅、アルミニウムと炭素とニッケルの合金、アルミニウムと炭素とモリブデンの合金等の単層や多層で形成する。多層構造の場合例えば、薄膜トランジスタ側からモリブデン、アルミニウム、モリブデンやチタン、アルミニウム、チタンもしくはチタン、窒化チタン、アルミニウム、チタンといった積層構造を適用することができる。
【0077】
図1(B)に示したような本形態の発光装置は発光素子における中間導電層250が画素毎に設けられており、その端部が第1の発光ユニット207及び第2の発光ユニット208に覆われていることから、画素間でのクロストークの発生が抑制され発光装置の表示品質が向上した発光装置である。このことから本形態の発光装置は発光効率が高く且つ表示品質も高い発光装置とすることが可能となる。また、中間導電層250が第1の発光ユニット207及び第2の発光ユニット208に覆われていることから、第2の電極209と中間導電層250が中間導電層250の端部において短絡する恐れも無く、第2の電極209と中間導電層250がショートしてしまうことによる初期不良を無くすことができる。
【0078】
また、中間導電層250の端部を発光素子における発光領域(基板側から見て発光が得られる部分)の端部よりも外側に位置するように形成するとなお良い。本形態の発光装置に用いられるような発光素子は基板側から見て中間導電層250が形成された領域のみから所望の発光が得られ、中間導電層250が形成されていない領域は発光自体が得られないか、その輝度が低い発光しか得られない。または所望の色彩の発光を得ることが出来ない。そのため中間導電層250を発光領域と一致するように形成しようとすると中間導電層250を形成する際、僅かなずれを生じただけで発光領域が減少して表示品質が悪化するなどの不都合を引き起こしてしまう。しかし、中間導電層250の端部を発光領域の端部よりも外側に形成することによってたとえ中間導電層250が多少ずれて形成されてしまったとしても、表示品質の劣化を招くことを低減することができる。これはマスクあわせを非常に慎重に行わなければいけないアクティブマトリクス型発光装置に適用すると特に好適であり、マスクずれなどによる表示品質の低下を抑制することができる。
【0079】
図1(C)はパッシブマトリクス型の発光装置の例を示した模式図であり、基板300上に、第1の電極301、第1の発光ユニット303、中間導電層350、第2の発光ユニット304及び第2の電極305よりなる発光素子が形成されている。発光素子は他の第1の電極301を同じとする他の発光素子と隔壁層302によって分離されている。基板300、第1の電極301、第1の発光ユニット303、中間導電層350、第2の発光ユニット304、第2の電極305及び隔壁層302はそれぞれ図1(B)における基板200、第1の電極205、第1の発光ユニット207、中間導電層250、第2の発光ユニット208、第2の電極209及び隔壁層206に相当し、同様の材料を用いることができる。
【0080】
図1(C)に示したような本形態の発光装置は発光素子における中間導電層350は画素毎に設けられており、その端部が第1の発光ユニット303及び第2の発光ユニット304に覆われていることから、画素間でのクロストークの発生が抑制され発光装置の表示品質が向上する。このことから本形態の発光装置は発光効率が高く且つ表示品質も高い発光装置とすることが可能となる。また、中間導電層350が第1の発光ユニット303及び第2の発光ユニット304に覆われていることから、第2の電極305と中間導電層350が中間導電層350の端部において短絡する恐れも無く、第2の電極305と中間導電層350がショートしてしまうことによる初期不良を無くすことができる。
【0081】
また、中間導電層350の端部を発光素子における発光領域(基板側から見て発光が得られる部分)の端部よりも外側に位置するように形成するとなお良い。本形態の発光装置に用いられるような発光素子は基板側から見て中間導電層350が形成された領域のみから所望の発光が得られ、中間導電層350が形成されていない領域は発光自体が得られないか、その輝度が著しく低い発光しか得られない。または所望の色彩の発光を得ることが出来ない。そのため中間導電層350を発光領域と一致するように形成しようとすると中間導電層350を形成する際、僅かなずれを生じただけで発光領域が減少して表示品質が悪化するなどの不都合を引き起こしてしまう。しかし、中間導電層350の端部を発光領域の端部よりも外側に形成することによってたとえ中間導電層350が多少ずれて形成されてしまったとしても、表示品質の劣化を招くことを低減することができる。これはマスクあわせを非常に慎重に行わなければいけない高精細なパッシブマトリクス型の発光装置に適用すると特に好適であり、マスクずれなどによる表示品質の低下を抑制することができる。
【0082】
(実施の形態2)
図2は本形態の発光装置の構成を説明する図である。図2(A)は発光装置内の1画素を表しており、第1の電極100、第1の発光ユニット101、第2の発光ユニット102、第2の電極103、中間導電層110及び中間導電層111を含む。図2(A)において、第1の電極100、第1の発光ユニット101、第2の発光ユニット102、第2の電極103及び中間導電層110は、図1(A)と全く同じ構成であるので図1(A)の説明が参照される。中間導電層111は画素毎に分離されており、その構成、材料は中間導電層110と同じである。また、中間導電層111は実施の形態1における中間導電層110の構成の説明において説明した正孔を発生する層、電子を発生する層のみで形成しても良い。
【0083】
本形態に係る発光装置は、発光素子内に第1の発光ユニット101と第2の発光ユニット102の複数の発光ユニットを有する構成となっている。そのため、発光ユニットが単数の場合と比較して少ない電流密度で同じ輝度を得ることが可能となる。
【0084】
また、中間導電層111はその膜厚が大きくなっても、発光ユニットと比較して抵抗が小さいことから発光素子の駆動電圧の上昇が小さい。そのため中間導電層111を適当な膜厚で設けることによって、発光ユニットから発した発光が第1の電極100に達するまでの光路長を調整することが可能となる。第1の電極100までの光路長を調整することができることから、第1の電極100の界面で起こった反射光を利用して、マイクロキャビティー効果により発光の色純度や視野角依存性を制御するなどの光学設計ができるようになり、より表示品質を向上させることができるようになる。さらに中間導電層111は厚膜化が可能であることから、第1の電極100表面に何らかの原因で凹凸が発生していたり、第1の電極上に異物が存在していたりしても、凹凸を緩和して異物を覆うことができる。これにより、第1の電極100上の凹凸や異物が原因で引き起こされる不良(ショートなど)を低減させることができるようになる。
【0085】
中間導電層110が画素毎に設けられており、その端部が第1の発光ユニット101と第2の発光ユニット102に覆われていることから、画素間でのクロストークの発生が抑制され発光装置の表示品質が向上する。このことから本形態に係る発光装置は発光効率が高く且つ表示品質も高い発光装置とすることが可能となる。また、中間導電層110が第1の発光ユニット101及び第2の発光ユニット102に覆われていることから、第2の電極103と中間導電層110が中間導電層110の端部において短絡する恐れも無く、第2の電極103と中間導電層110がショートしてしまうことによる初期不良を無くすことができる。
【0086】
中間導電層110の端部は、発光素子における発光領域(基板側から見て発光が得られる部分)の端部よりも外側に位置するように形成すると良い。本形態に係る発光装置に用いられるような発光素子は、基板側から見て中間導電層110が形成された領域のみから所望の発光が得られ、中間導電層110が形成されていない領域は発光自体が得られないか、その輝度が著しく低い発光しか得られない。または所望の色彩の発光を得ることが出来ない。そのため中間導電層110を発光領域と一致するように形成しようとすると中間導電層110を形成する際、僅かなずれを生じただけで発光領域が減少して表示品質が悪化するなどの不都合を引き起こしてしまう。しかし、中間導電層110の端部を発光領域の端部よりも外側に形成することによってたとえ中間導電層110が多少ずれて形成されてしまったとしても、表示品質の劣化を招くことを低減することができる。これはマスクあわせを非常に慎重に行わなければならないアクティブマトリクス型発光装置や高精細なパッシブマトリクス型の発光装置に適用すると特に好適であり、マスクずれなどによる表示品質の低下を抑制することができる。
【0087】
中間導電層111も同様に、その端部を発光素子における発光領域(基板側から見て発光が得られる部分)の端部よりも外側に位置するように形成すると良い。これにより、中間導電層111が多少ずれて形成されてしまったとしても中間導電層111が発光領域を覆ったままでいられるため、表示品質の低下を抑制することができる。
【0088】
図2(B)はアクティブマトリクス型の発光装置の例を示した模式図であり、基板200上に、半導体層201、ゲート絶縁膜、ゲート電極202よりなる薄膜トランジスタが形成され、薄膜トランジスタ上には層間絶縁膜203介し第1の電極205、中間導電層251、第1の発光ユニット207、中間導電層250、第2の発光ユニット208及び第2の電極209よりなる発光素子が形成されている。発光素子の第1の電極205の端部は隔壁層206により覆われており、発光素子は第1の電極205が隔壁層206から露出した部分に形成される。発光素子は電極204を介して薄膜トランジスタと電気的に接続されており、発光の制御がなされる。図2(B)に示した発光装置において中間導電層251以外の構成は図1(B)と同じ構成であるので図1(B)の説明に準ずる。中間導電層251は画素毎に分離されており、中間導電層251の構成、材料は中間導電層250と同じである。また、中間導電層251は実施の形態1における中間導電層110の構成の説明において説明した、正孔を発生する層、電子を発生する層のみで形成しても良い。
【0089】
中間導電層251はその膜厚が大きくなっても、発光ユニットと比較して抵抗が小さいことから発光素子の駆動電圧の上昇が小さい。そのため中間導電層251を適当な膜厚で設けることによって、発光ユニットから発した発光が第1の電極205に達するまでの光路長を調整することが可能となる。第1の電極205までの光路長を調整することができることから、第1の電極205の界面で起こった反射光を利用して、マイクロキャビティー効果により発光の色純度や視野角依存性を制御するなどの光学設計ができるようになり、より表示品質を向上させることができるようになる。さらに中間導電層251は厚膜化が可能であることから、第1の電極205表面に何らかの原因で凹凸が発生していたり、第1の電極205上に異物が存在する場合でも凹凸を緩和して異物を被覆することができる。これにより、第1の電極205上の凹凸や異物が原因で引き起こされる不良(ショートなど)を低減させることができるようになる。
【0090】
図2(B)に示したような本形態の発光装置は発光素子における中間導電層250が画素毎に設けられており、その端部が第1の発光ユニット207と第2の発光ユニット208に覆われていることから、画素間でのクロストークの発生が抑制され発光装置の表示品質が向上する。このことから本形態の発光装置は発光効率が高く且つ表示品質を向上させることができる。また、中間導電層250が第1の発光ユニット207及び第2の発光ユニット208に覆われていることから、第2の電極209と中間導電層250が中間導電層250の端部において短絡する恐れも無く、第2の電極209と中間導電層250がショートしてしまうことによる初期不良を無くすことができる。
【0091】
中間導電層250の端部は、発光素子における発光領域(基板側から見て発光が得られる部分)の端部よりも外側に位置するように形成するとなお良い。本形態の発光装置に用いられるような発光素子は基板側から見て中間導電層250が形成された領域のみから所望の発光が得られ、中間導電層250が形成されていない領域は発光自体が得られないか、その輝度が著しく低い発光しか得られない。または所望の色彩の発光を得ることが出来ない。そのため中間導電層250を発光領域と一致するように形成しようとすると中間導電層250を形成する際、僅かなずれを生じただけで発光領域が減少して表示品質が悪化するなどの不都合を引き起こしてしまう。しかし、中間導電層250の端部を発光領域の端部よりも外側に形成することによってたとえ中間導電層250が多少ずれて形成されてしまったとしても、表示品質の劣化を招くことを低減することができる。これはマスクあわせを非常に慎重に行わなければいけないアクティブマトリクス型発光装置や高精細なパッシブマトリクス型の発光装置に適用すると特に好適であり、マスクずれなどによる表示品質の低下を抑制することができる。
【0092】
中間導電層251もその端部を発光素子における発光領域(基板側から見て発光が得られる部分)の端部よりも外側に位置するように形成すると良い。これにより、中間導電層251が多少ずれて形成されてしまったとしても中間導電層251が発光領域を覆ったままでいられるため、表示品質の低下を抑制することができる。
【0093】
図2(C)はパッシブマトリクス型の発光装置の例を示した模式図であり、基板300上に、第1の電極301、中間導電層351、第1の発光ユニット303、中間導電層350、第2の発光ユニット304及び第2の電極305よりなる発光素子が形成されている。発光素子は他の第1の電極301を同じとする他の発光素子と隔壁層302によって分離されている。図2(C)に示した発光装置において中間導電層351以外の構成は図1(C)と同じ構成であるので図1(C)の説明に準ずる。中間導電層351は画素毎に分離されており中間導電層351の構成、材料は中間導電層350と同じである。また、中間導電層351は実施の形態1における中間導電層110の構成の説明において説明した、正孔を発生する層、電子を発生する層のみで形成しても良い。
【0094】
図2(C)に示したような本形態の発光装置は発光素子における中間導電層350が画素毎に設けられており、その端部が第1の発光ユニット303と第2の発光ユニット304に覆われていることから、画素間でのクロストークの発生が抑制され発光装置の表示品質が向上する。このことから本形態の発光装置は発光効率が高く且つ表示品質も高い発光装置とすることが可能となる。また、中間導電層350が第1の発光ユニット303及び第2の発光ユニット304に覆われていることから、第2の電極305と中間導電層350が中間導電層350の端部において短絡する恐れも無く、第2の電極305と中間導電層350がショートしてしまうことによる初期不良を無くすことができる。
【0095】
また、中間導電層350の端部を発光素子における発光領域(基板側から見て発光が得られる部分)の端部よりも外側に位置するように形成するとなお良い。本形態の発光装置に用いられるような発光素子は基板側から見て中間導電層350が形成された領域のみから所望の発光が得られ、中間導電層350が形成されていない領域は発光自体が得られないか、その輝度が著しく低い発光しか得られない。または所望の色彩の発光を得ることが出来ない。そのため中間導電層350を発光領域と一致するように形成しようとすると中間導電層350を形成する際、僅かなずれを生じただけで発光領域が減少して表示品質が悪化するなどの不都合を引き起こしてしまう。しかし、中間導電層350の端部を発光領域の端部よりも外側に形成することによって、たとえ中間導電層350が多少ずれて形成されてしまったとしても表示品質の低下を低減することができる。これはマスクあわせを非常に慎重に行わなければいけないアクティブマトリクス型発光装置や高精細なパッシブマトリクス型の発光装置に適用すると特に好適であり、マスクずれなどによる表示品質の低下を抑制することができる。
【0096】
中間導電層351もその端部を発光素子における発光領域(基板側から見て発光が得られる部分)の端部よりも外側に位置するように形成すると良い。これにより、中間導電層351が多少ずれて形成されてしまったとしても中間導電層251が発光領域を覆ったままでいられるため、表示品質の低下を抑制することができる。
【0097】
(実施の形態3)
図3は本形態の発光装置の模式図である。図3(A)は発光装置内の1画素を表しており、第1の電極100、第1の発光ユニット101、第2の発光ユニット102、第2の電極103、中間導電層110及び中間導電層112を含む。図3(A)において、第1の電極100、第1の発光ユニット101、第2の発光ユニット102、第2の電極103及び中間導電層110は図1(A)と同じ構成であるので図1(A)の説明が参照される。中間導電層112は第2の発光ユニット102と第2の電極103との間に設けられ、その端部は第2の発光ユニット102と第2の電極103に覆われており、画素毎に分離されている。中間導電層112の構成、材料は中間導電層110と同じである。中間導電層112は実施の形態1における中間導電層110の構成の説明において説明した正孔を発生する層、電子を発生する層のみで形成しても良い。
【0098】
本形態の発光装置では、発光素子内に第1の発光ユニット101と第2の発光ユニット102の複数の発光ユニットを有する構成となっている。そのため、発光ユニットが単数の場合と比較して少ない電流密度で同じ輝度を得ることが可能となる。
【0099】
中間導電層112はその膜厚が大きくなっても、発光ユニットと比較して抵抗が小さいことから発光素子の駆動電圧の上昇が小さい。そのため中間導電層112を適当な膜厚で設けることによって、発光ユニットから発した発光が第2の電極103に達するまでの光路長を調整することが可能となる。さらに、第2の電極103までの光路長を調整することができることから、第2の電極103の界面で起こった反射光を利用して、マイクロキャビティー効果により発光の色純度や視野角依存性を制御するなどの光学設計ができるようになり、より表示品質を向上させることができるようになる。
【0100】
中間導電層110が画素毎に設けられており、その端部が第1の発光ユニット101と第2の発光ユニット102に覆われていることから、画素間でのクロストークの発生が抑制され発光装置の表示品質が向上する。このことから本形態の発光装置は発光効率が高く且つ表示品質も高い発光装置とすることが可能となる。中間導電層110が第1の発光ユニット101及び第2の発光ユニット102に覆われていることから、第2の電極103と中間導電層110が中間導電層110の端部において短絡する恐れも無く、第2の電極103と中間導電層110がショートしてしまうことによる初期不良を無くすことができる。
【0101】
中間導電層110の端部を発光素子における発光領域(基板側から見て発光が得られる部分)の端部よりも外側に位置するように形成するとなお良い。本形態の発光装置に用いられるような発光素子は基板側から見て中間導電層110が形成された領域のみから所望の発光が得られ、中間導電層110が形成されていない領域は発光自体が得られないか、その輝度が著しく低い発光しか得られない。または所望の色彩の発光を得ることが出来ない。そのため中間導電層110を発光領域と一致するように形成しようとすると中間導電層110を形成する際、僅かなずれを生じただけで発光領域が減少して表示品質が悪化するなどの不都合を引き起こしてしまう。しかし、中間導電層110の端部を発光領域の端部よりも外側に形成することによって、たとえ中間導電層110が多少ずれて形成されてしまったとしても、表示品質の劣化を招くことを低減することができる。これはマスクあわせを非常に慎重に行わなければいけないアクティブマトリクス型発光装置や高精細なパッシブマトリクス型の発光装置に適用すると特に好適であり、マスクずれなどによる表示品質の低下を抑制することができる。
【0102】
中間導電層112もその端部を発光素子における発光領域(基板側から見て発光が得られる部分)の端部よりも外側に位置するように形成すると良い。これにより、中間導電層112が多少ずれて形成されてしまったとしても中間導電層112が発光領域を覆ったままでいられるため、表示品質の低下を抑制することができる。
【0103】
図3(B)はアクティブマトリクス型の発光装置の例を示した模式図であり、基板200上に、半導体層201、ゲート絶縁膜、ゲート電極202よりなる薄膜トランジスタが形成され、薄膜トランジスタ上には層間絶縁膜203介し第1の電極205、第1の発光ユニット207、中間導電層250、第2の発光ユニット208、中間導電層252及び第2の電極209よりなる発光素子が形成されている。発光素子の第1の電極205の端部は隔壁層206により覆われており、発光素子は第1の電極205が隔壁層206から露出した部分に形成される。発光素子は電極204を介して薄膜トランジスタと電気的に接続されており、発光の制御がなされる。図3(B)に示した発光装置において中間導電層252以外の構成は図1(B)と同じ構成であるので図1(B)の説明に準ずる。中間導電層252は第2の発光ユニット208と第2の電極209との間に設けられ、その端部は第2の発光ユニット208と第2の電極209に覆われており、画素毎に分離されている。中間導電層252の構成、材料は中間導電層250と同じである。また、中間導電層252は実施の形態1における中間導電層110の構成の説明において説明した、正孔を発生する層、電子を発生する層のみで形成しても良い。
【0104】
中間導電層252はその膜厚が厚くなっても、発光ユニットと比較して抵抗が小さいことから発光素子の駆動電圧の上昇が小さい。そのため中間導電層252を適当な膜厚で設けることによって、発光ユニットから発した発光が第2の電極209に達するまでの光路長を調整することが可能となる。第2の電極209までの光路長を調整することができることから、第2の電極209の界面で起こった反射光を利用して、マイクロキャビティー効果により発光の色純度や視野角依存性を制御するなどの光学設計ができるようになり、より表示品質を向上させることができるようになる。
【0105】
図3(B)に示したような本形態の発光装置は発光素子における中間導電層250が画素毎に設けられており、その端部が第1の発光ユニット207と第2の発光ユニット208に覆われていることから、画素間でのクロストークの発生が抑制され発光装置の表示品質が向上する。このことから本形態の発光装置は発光効率が高く且つ表示品質も高い発光装置とすることが可能となる。中間導電層250が第1の発光ユニット207及び第2の発光ユニット208に覆われていることから、第2の電極209と中間導電層250が中間導電層250の端部において短絡する恐れも無く、第2の電極209と中間導電層250がショートしてしまうことによる初期不良を無くすことができる。
【0106】
中間導電層250の端部を発光素子における発光領域(基板側から見て発光が得られる部分)の端部よりも外側に位置するように形成するとなお良い。本形態の発光装置に用いられるような発光素子は基板側から見て中間導電層250が形成された領域のみから所望の発光が得られ、中間導電層250が形成されていない領域は発光自体が得られないか、その輝度が著しく低い発光しか得られない。または所望の色彩の発光を得ることが出来ない。そのため中間導電層250を発光領域と一致するように形成しようとすると中間導電層250を形成する際、僅かなずれを生じただけで発光領域が減少して表示品質が悪化するなどの不都合を引き起こしてしまう。しかし、中間導電層250の端部を発光領域の端部よりも外側に形成することによってたとえ中間導電層250が多少ずれて形成されてしまったとしても、表示品質の劣化を招くことを低減することができる。これはマスクあわせを非常に慎重に行わなければいけないアクティブマトリクス型発光装置や高精細なパッシブマトリクス型の発光装置に適用すると特に好適であり、マスクずれなどによる表示品質の低下を抑制することができる。
【0107】
中間導電層252もその端部を発光素子における発光領域(基板側から見て発光が得られる部分)の端部よりも外側に位置するように形成すると良い。これにより、中間導電層252が多少ずれて形成されてしまったとしても中間導電層252が発光領域を覆ったままでいられるため、表示品質の低下を抑制することができる。
【0108】
図3(C)はパッシブマトリクス型の発光装置の例を示した模式図であり、基板300上に、第1の電極301、第1の発光ユニット303、中間導電層350、第2の発光ユニット304、中間導電層352及び第2の電極305よりなる発光素子が形成されている。発光素子は他の第1の電極301を同じとする他の発光素子と隔壁層302によって分離されている。図3(C)に示した発光装置において中間導電層352以外の構成は図1(C)と同じ構成であるので図1(C)の説明に準ずる。中間導電層352は第2の発光ユニット304と第2の電極305との間に設けられ、その端部は第2の発光ユニット304と第2の電極305に覆われており、画素毎に分離されている。中間導電層352の構成、材料は中間導電層350と同じである。また、中間導電層352は実施の形態1における中間導電層110の構成の説明において説明した、正孔を発生する層、電子を発生する層のみで形成しても良い。
【0109】
図2(C)に示したような本形態の発光装置は発光素子における中間導電層350が画素毎に設けられており、その端部が第1の発光ユニット303と第2の発光ユニット304に覆われていることから、画素間でのクロストークの発生が抑制され発光装置の表示品質が向上する。このことから本形態の発光装置は発光効率が高く且つ表示品質も高い発光装置とすることが可能となる。また、中間導電層350が第1の発光ユニット303及び第2の発光ユニット304に覆われていることから、第2の電極305と中間導電層350が中間導電層350の端部において短絡する恐れも無く、第2の電極305と中間導電層350がショートしてしまうことによる初期不良を無くすことができる。
【0110】
中間導電層350の端部を発光素子における発光領域(基板側から見て発光が得られる部分)の端部よりも外側に位置するように形成するとなお良い。本形態の発光装置に用いられるような発光素子は基板側から見て中間導電層350が形成された領域のみから所望の発光が得られ、中間導電層350が形成されていない領域は発光自体が得られないか、その輝度が著しく低い発光しか得られない。または所望の色彩の発光を得ることが出来ない。そのため中間導電層350を発光領域と一致するように形成しようとすると中間導電層350を形成する際、僅かなずれを生じただけで発光領域が減少して表示品質が悪化するなどの不都合を引き起こしてしまう。しかし、中間導電層350の端部を発光領域の端部よりも外側に形成することによってたとえ中間導電層350が多少ずれて形成されてしまったとしても、表示品質の劣化を招くことを低減することができる。これはマスクあわせを非常に慎重に行わなければいけないアクティブマトリクス型発光装置や高精細なパッシブマトリクス型の発光装置に適用すると特に好適であり、マスクずれなどによる表示品質の低下を抑制することができる。
【0111】
中間導電層352もその端部を発光素子における発光領域(基板側から見て発光が得られる部分)の端部よりも外側に位置するように形成すると良い。これにより、中間導電層352が多少ずれて形成されてしまったとしても中間導電層352が発光領域を覆ったままでいられるため、表示品質の低下を抑制することができる。
【0112】
(実施の形態4)
図4は本形態の発光装置の模式図である。図4(A)は発光装置内の1画素を表しており、第1の電極100、第1の発光ユニット101、第2の発光ユニット102、第2の電極103、中間導電層110、中間導電層111及び中間導電層112を含む。図4(A)において、第1の電極100、第1の発光ユニット101、第2の発光ユニット102、第2の電極103及び中間導電層110は図1(A)と全く同じ構成であるので図1(A)の説明に準ずる。また、中間導電層111については図2(A)に、中間導電層112については図3(A)の説明に準ずる。本形態における発光装置は、第1の電極100側と第2の電極103側の両方に導電層を有することから発光素子の両側で光学設計を行うことができるため、より綿密な光学設計を行うことができる。また、第1の電極100側に中間導電層111を有することから、第1の電極100上の凹凸や異物が原因で引き起こされる不良(ショートなど)を低減させることができるようになる。
【0113】
本形態の発光装置では、発光素子内に第1の発光ユニット101と第2の発光ユニット102の複数の発光ユニットを有する構成となっている。そのため、発光ユニットが単数の場合と比較して少ない電流密度で同じ輝度を得ることが可能となる。
【0114】
中間導電層110が画素毎に設けられており、その端部が第1の発光ユニット101と第2の発光ユニット102に覆われていることから、画素間でのクロストークの発生が抑制され発光装置の表示品質が向上する。このことから本形態の発光装置は発光効率が高く且つ表示品質も高い発光装置とすることが可能となる。また、中間導電層110が第1の発光ユニット101及び第2の発光ユニット102に覆われていることから、第2の電極103と中間導電層110が中間導電層110の端部において短絡する恐れも無く、第2の電極103と中間導電層110がショートしてしまうことによる初期不良を無くすことができる。
【0115】
中間導電層110の端部を発光素子における発光領域(基板側から見て発光が得られる部分)の端部よりも外側に位置するように形成するとなお良い。本形態の発光装置に用いられるような発光素子は基板側から見て中間導電層110が形成された領域のみから所望の発光が得られ、中間導電層110が形成されていない領域は発光自体が得られないか、その輝度が著しく低い発光しか得られない。または所望の色彩の発光を得ることが出来ない。そのため中間導電層110を発光領域と一致するように形成しようとすると中間導電層110を形成する際、僅かなずれを生じただけで発光領域が減少して表示品質が悪化するなどの不都合を引き起こしてしまう。しかし、中間導電層110の端部を発光領域の端部よりも外側に形成することによってたとえ中間導電層110が多少ずれて形成されてしまったとしても、表示品質の劣化を招くことを低減することができる。これはマスクあわせを非常に慎重に行わなければいけないアクティブマトリクス型発光装置や高精細なパッシブマトリクス型の発光装置に適用すると特に好適であり、マスクずれなどによる表示品質の低下を抑制することができる。
【0116】
中間導電層111、中間導電層112もその端部を発光素子における発光領域(基板側から見て発光が得られる部分)の端部よりも外側に位置するように形成すると良い。これにより、中間導電層111や中間導電層112が多少ずれて形成されてしまったとしても中間導電層111や中間導電層112が発光領域を覆ったままでいられるため、表示品質の低下を抑制することができる。
【0117】
図4(B)はアクティブマトリクス型の発光装置の例を示した模式図であり、基板200上に、半導体層201、ゲート絶縁膜、ゲート電極202よりなる薄膜トランジスタが形成され、薄膜トランジスタ上には層間絶縁膜203介し第1の電極205、中間導電層251、第1の発光ユニット207、中間導電層250、第2の発光ユニット208、中間導電層252及び第2の電極209よりなる発光素子が形成されている。発光素子の第1の電極205の端部は隔壁層206により覆われており、発光素子は第1の電極205が隔壁層206から露出した部分に形成される。発光素子は電極204を介して薄膜トランジスタと電気的に接続されており、発光の制御がなされる。図4(B)に示した発光装置において中間導電層251、中間導電層252以外の構成は図1(B)と同じ構成であるので図1(B)の説明に準ずる。中間導電層251については図2(B)に、中間導電層252については図3(B)の説明に準ずる。本形態における発光装置は、第1の電極205側と第2の電極209側の両方に導電層を有することから発光素子の両側で光学設計を行うことができるため、より綿密な光学設計を行うことができる。また、第1の電極205側に中間導電層251を有することから、第1の電極205上の凹凸や異物が原因で引き起こされる不良(ショートなど)を低減させることができるようになる。
【0118】
図4(B)に示したような本形態の発光装置は発光素子における中間導電層250が画素毎に設けられており、その端部が第1の発光ユニット207と第2の発光ユニット208に覆われていることから、画素間でのクロストークの発生が抑制され発光装置の表示品質が向上する。このことから本形態の発光装置は発光効率が高く且つ表示品質も高い発光装置とすることが可能となる。また、中間導電層250が第1の発光ユニット207及び第2の発光ユニット208に覆われていることから、第2の電極209と中間導電層250が中間導電層250の端部において短絡する恐れも無く、第2の電極209と中間導電層250がショートしてしまうことによる初期不良を無くすことができる。
【0119】
中間導電層250の端部を発光素子における発光領域(基板側から見て発光が得られる部分)の端部よりも外側に位置するように形成するとなお良い。本形態の発光装置に用いられるような発光素子は基板側から見て中間導電層250が形成された領域のみから所望の発光が得られ、中間導電層250が形成されていない領域は発光自体が得られないか、その輝度が著しく低い発光しか得られない。または所望の色彩の発光を得ることが出来ない。そのため中間導電層250を発光領域と一致するように形成しようとすると中間導電層250を形成する際、僅かなずれを生じただけで発光領域が減少して表示品質が悪化するなどの不都合を引き起こしてしまう。しかし、中間導電層250の端部を発光領域の端部よりも外側に形成することによってたとえ中間導電層250が多少ずれて形成されてしまったとしても、表示品質の劣化を招くことを低減することができる。これはマスクあわせを非常に慎重に行わなければいけないアクティブマトリクス型発光装置や高精細なパッシブマトリクス型の発光装置に適用すると特に好適であり、マスクずれなどによる表示品質の低下を抑制することができる。
【0120】
中間導電層251、中間導電層252もその端部を発光素子における発光領域(基板側から見て発光が得られる部分)の端部よりも外側に位置するように形成すると良い。これにより、中間導電層251や中間導電層252が多少ずれて形成されてしまったとしても中間導電層251や中間導電層252が発光領域を覆ったままでいられるため、表示品質の低下を抑制することができる。
【0121】
図4(C)はパッシブマトリクス型の発光装置の例を示した模式図であり、基板300上に、第1の電極301、中間導電層351、第1の発光ユニット303、中間導電層350、第2の発光ユニット304、中間導電層352及び第2の電極305よりなる発光素子が形成されている。発光素子は他の第1の電極301を同じとする他の発光素子と隔壁層302によって分離されている。図4(C)に示した発光装置において中間導電層351、中間導電層352以外の構成は図1(C)と同じ構成であるので図1(C)の説明に準ずる。また、中間導電層351については図2(C)に、中間導電層352については図3(C)の説明に準ずる。本形態における発光装置は、第1の電極301側と第2の電極305側の両方に導電層を有することから発光素子の両側で光学設計を行うことができるため、より綿密な光学設計を行うことができる。また、第1の電極301側に中間導電層351を有することから、第1の電極301上の凹凸や異物が原因で引き起こされる不良(ショートなど)を低減させることができるようになる。
【0122】
図4(C)に示したような本形態の発光装置は発光素子における中間導電層350が画素毎に設けられており、その端部が第1の発光ユニット303と第2の発光ユニット304に覆われていることから、画素間でのクロストークの発生が抑制され発光装置の表示品質が向上する。このことから本形態の発光装置は発光効率が高く且つ表示品質も高い発光装置とすることが可能となる。また、中間導電層350が第1の発光ユニット303及び第2の発光ユニット304に覆われていることから、第2の電極305と中間導電層350が中間導電層350の端部において短絡する恐れも無く、第2の電極305と中間導電層350がショートしてしまうことによる初期不良を無くすことができる。
【0123】
中間導電層350の端部を発光素子における発光領域(基板側から見て発光が得られる部分)の端部よりも外側に位置するように形成するとなお良い。本形態の発光装置に用いられるような発光素子は基板側から見て中間導電層350が形成された領域のみから所望の発光が得られ、中間導電層350が形成されていない領域は発光自体が得られないか、その輝度が著しく低い発光しか得られない。または所望の色彩の発光を得ることが出来ない。そのため中間導電層350を発光領域と一致するように形成しようとすると中間導電層350を形成する際、僅かなずれを生じただけで発光領域が減少して表示品質が悪化するなどの不都合を引き起こしてしまう。しかし、中間導電層350の端部を発光領域の端部よりも外側に形成することによってたとえ中間導電層350が多少ずれて形成されてしまったとしても、表示品質の劣化を招くことを低減することができる。これはマスクあわせを非常に慎重に行わなければいけないアクティブマトリクス型発光装置や高精細なパッシブマトリクス型の発光装置に適用すると特に好適であり、マスクずれなどによる表示品質の低下を抑制することができる。
【0124】
中間導電層351、中間導電層352もその端部を発光素子における発光領域(基板側から見て発光が得られる部分)の端部よりも外側に位置するように形成すると良い。これにより、中間導電層351や中間導電層352が多少ずれて形成されてしまったとしても中間導電層351や中間導電層352が発光領域を覆ったままでいられるため、表示品質の低下を抑制することができる。
【0125】
(実施の形態5)
図5は発光素子からの発光の方向が異なるアクティブマトリクス型の発光装置の例を示す。なお、図5は発光装置の発光方向を説明するために設けた図面であり、本形態の発光装置はこれに記載された構造に限定されず、薄膜トランジスタの形状などは適宜選択できる。また、各々付した番号は実施の形態1乃至実施の形態4に準ずることとする。図5(A)は薄膜トランジスタが形成された方の基板側に発光素子の発光を取り出す構造である。この場合第1の電極205を透過して光を取り出すこととなるため、第1の電極205を透光性を有する材料で形成する。図5(B)は薄膜トランジスタが形成された方とは逆の方向に発光素子の発光を取り出す構造である。この場合、第2の電極209が透光性を有する材料により形成する。図5(C)は両側から発光素子の発光を取り出す構造である。この場合は第1の電極205、第2の電極209の両方を透光性を有する材料によって形成する。なお、第1の電極205と第2の電極209の材料については実施の形態1で第1の電極100及び第2の電極103の材料として述べた材料のうち、ITOに代表される透光性を有する材料を選択すればよい。
【0126】
本形態は実施の形態1乃至実施の形態4と自由に組み合わせて用いることができる。
【0127】
(実施の形態6)
図6は発光素子からの発光の方向が異なるパッシブマトリクス型の発光装置の例を示す。なお、図6は発光装置の発光方向を説明するために設けた図面であり、本形態の発光装置はこれに記載された構造に限定されず、薄膜トランジスタの形状などは適宜選択できる。また、各々付した番号は実施の形態1乃至実施の形態4に準ずることとする。図6(A)は第1の電極301が形成された方の基板側に発光素子の発光を取り出す構造である。この場合第1の電極301を透過して光を取り出すこととなるため、第1の電極301を透光性を有する材料で形成する。図6(B)は第1の電極301が形成された方とは逆の方向に発光素子の発光を取り出す構造である。この場合、第2の電極305が透光性を有する材料により形成する。図6(C)は両側から発光素子の発光を取り出す構造である。この場合は第1の電極301、第2の電極305の両方を透光性を有する材料によって形成する。なお、第1の電極301と第2の電極305の材料については実施の形態1で第1の電極301及び第2の電極305の材料として述べた材料のうち、ITOに代表される透光性を有する材料を選択すればよい。
【0128】
本形態は実施の形態1乃至実施の形態4と自由に組み合わせて用いることができる。
【0129】
(実施の形態7)
本形態では、本形態の発光装置について図7、図8を参照し、作製方法を示しながら説明する。なお、本形態ではアクティブマトリクス型の発光装置を作成する例を示した。
【0130】
基板50上に第1の下地絶縁層51a、第2の下地絶縁層51bを形成した後、さらに半導体層を第2の下地絶縁層51b上に形成する(図7(A))。
【0131】
基板50の材料としてはガラス、石英やプラスチック(ポリイミド、アクリル、ポリエチレンテレフタラート、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエーテルスルホンなど)等を用いることができる。本形態においてはガラス基板を用いる。
【0132】
第1の下地絶縁層51a、第2の下地絶縁層51bは基板50中のアルカリ金属やアルカリ土類金属など、半導体膜の特性に悪影響を及ぼすような元素が半導体層中に拡散するのを防ぐために設ける。材料としては酸化珪素、窒化珪素、窒素を含む酸化珪素、酸素を含む窒化珪素などを用いることができる。本形態では第1の下地絶縁層51aを窒化珪素で、第2の下地絶縁層51bを酸化珪素で形成する。本形態では、下地絶縁層を第1の下地絶縁層51a、第2の下地絶縁層51bの2層で形成したが、単層で形成してもかまわないし、2層以上の多層であってもかまわない。
【0133】
続いて形成される半導体層は非晶質珪素膜をレーザ結晶化して得る。第2の下地絶縁層51b上に非晶質珪素膜を25nm〜100nm(好ましくは30nm〜60nm)の膜厚で形成する。作製方法としては、スパッタリング法、減圧CVD法またはプラズマCVD法などが使用できる。その後、500℃で1時間の加熱処理を行い水素出しをする。
【0134】
続いてレーザ照射装置を用いて非晶質珪素膜を結晶化して結晶質珪素膜を形成する。本形態のレーザ結晶化ではエキシマレーザを使用し、発振されたレーザビームを光学系を用いて線状のビームスポットに加工し非晶質珪素膜に照射することで結晶質珪素膜とし、半導体層として用いる。
【0135】
非晶質珪素膜の他の結晶化の方法としては、他に、熱処理のみにより結晶化を行う方法や結晶化を促進する触媒元素を用い加熱処理を行うことによって行う方法もある。結晶化を促進する元素としてはニッケル、鉄、パラジウム、スズ、鉛、コバルト、白金、銅、金などが挙げられ、このような元素を用いることによって熱処理のみで結晶化を行った場合に比べ、低温、短時間で結晶化が行われるため、ガラス基板などへのダメージが少ない。熱処理のみにより結晶化をする場合は、基板50を熱に強い石英基板などにすればよい。
【0136】
続いて、必要に応じて半導体層にしきい値をコントロールするために微量の不純物添加、いわゆるチャネルドーピングを行う。要求されるしきい値を得るためにn型もしくはp型を呈する不純物(リン、ボロンなど)をイオンドーピング法などにより添加する。
【0137】
その後、図7(A)に示すように半導体層を所定の形状にエッチング加工し、島状の半導体層52を得る。この加工は半導体層にフォトレジストを塗布し、所定のマスク形状を露光し、焼成して、半導体層上にレジストマスクを形成し、このマスクを用いてエッチングをすることにより行われる。
【0138】
続いて半導体層52を覆うようにゲート絶縁層53を形成する。ゲート絶縁層53はプラズマCVD法またはスパッタ法を用いて膜厚を40nm〜150nmとして珪素を含む絶縁層で形成する。本形態では酸化珪素を用いて形成する。
【0139】
次いで、ゲート絶縁層53上にゲート電極54を形成する。ゲート電極54はタンタル、タングステン、チタン、モリブデン、アルミニウム、銅、クロム、ニオブから選ばれた元素、または元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成してもよい。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶珪素膜に代表される半導体膜を用いてもよい。また、AgPdCu合金を用いてもよい。
【0140】
また、本形態ではゲート電極54は単層で形成されているが、下層にタングステン、上層にモリブデンなどの2層以上の積層構造でもかまわない。積層構造としてゲート電極を形成する場合であっても前段で述べた材料を使用するとよい。また、その組み合わせも適宜選択すればよい。ゲート電極54の加工はフォトレジストを用いたマスクを利用し、エッチングをして行う。
【0141】
続いて、ゲート電極54をマスクとして半導体層52に高濃度の不純物を添加する。これによって半導体層52、ゲート絶縁層53、及びゲート電極54を含む薄膜トランジスタ70が形成される。
【0142】
なお、薄膜トランジスタの作製工程については特に限定されず、所望の構造のトランジスタを作製できるように適宜変更すればよい。
【0143】
本形態では、レーザ結晶化を使用して結晶化した結晶性シリコン膜を用いたトップゲートの薄膜トランジスタを用いたが、非晶質半導体膜を用いたボトムゲート型の薄膜トランジスタを画素部に用いることも可能である。非晶質半導体は珪素だけではなくシリコンゲルマニウムも用いることができ、シリコンゲルマニウムを用いる場合、ゲルマニウムの濃度は0.01atomic%〜4.5atomic%程度であることが好ましい。
【0144】
ゲート電極54、ゲート絶縁層53を覆って絶縁膜59を窒化珪素により形成する。絶縁膜59を形成したら480℃で1時間程度加熱を行って、不純物元素の活性化及び半導体層52の水素化を行う。
【0145】
絶縁膜59を覆う第1の層間絶縁層60を形成する。第1の層間絶縁層60を形成する材料としては酸化珪素、アクリル、ポリイミドやシロキサン、Low−k材料等をもちいるとよい。本形態では酸化珪素膜を第1の層間絶縁層として形成する(図7(B))。
【0146】
次に、半導体層52に至るコンタクトホールを開口する。コンタクトホールはレジストマスクを用いて、半導体層52が露出するまでエッチングを行うことで形成することができ、ウエットエッチング、ドライエッチングどちらでも形成することができる。なお、条件によって一回でエッチングを行ってしまっても良いし、複数回に分けてエッチングを行っても良い。また、複数回でエッチングする際は、ウエットエッチングとドライエッチングの両方を用いても良い(図7(C))。
【0147】
そして、当該コンタクトホールや第1の層間絶縁層60を覆う導電層を形成する。当該導電層を所望の形状に加工し、接続部61a、配線61bなどが形成される。この配線はアルミニウム、銅、アルミニウムと炭素とニッケルの合金、アルミニウムと炭素とモリブデンの合金等の単層でも良いが、基板側からモリブデン、アルミニウム、モリブデンの積層構造やチタン、アルミニウム、チタンやチタン、窒化チタン、アルミニウム、チタンといった構造でも良い(図7(D))。
【0148】
その後、接続部61a、配線61b、第1の層間絶縁層60を覆って第2の層間絶縁層63を形成する。第2の層間絶縁層63の材料としては自己平坦性を有するアクリル、ポリイミド、シロキサンなどの塗布膜が好適に利用できる。本形態ではシロキサンを第2の層間絶縁層63として用いる(図7(E))。
【0149】
続いて第2の層間絶縁層63上に窒化珪素などで絶縁層を形成してもよい。これは後の画素電極のエッチングにおいて、第2の層間絶縁層63が必要以上にエッチングされてしまうのを防ぐために形成する。そのため、画素電極と第2の層間絶縁層のエッチングレートの比が大きい場合には特に設けなくとも良い。続いて、第2の層間絶縁層63を貫通して接続部61aに至るコンタクトホールを形成する。
【0150】
そして当該コンタクトホールと第2の層間絶縁層63(もしくは絶縁層)を覆って、透光性を有する導電層を形成したのち、当該透光性を有する導電層を加工して薄膜発光素子の第1の電極64を形成する。ここで第1の電極64は接続部61aと電気的に接触している。
【0151】
第1の電極64の材料としてはアルミニウム(Al)、銀(Ag)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)などの導電性を有する金属、又はアルミニウム−シリコン(Al−Si)、アルミニウム−チタン(Al−Ti)、アルミニウム−シリコン−銅(Al−Si−Cu)等それらの合金、または窒化チタン(TiN)等の金属材料の窒化物、酸化インジウム酸化スズ(ITO:indium tin oxide)、珪素を含有するITO、酸化インジウムに酸化亜鉛(ZnO)を混合した酸化インジウム酸化亜鉛(IZO:indium zinc oxide)等の金属化合物など実施の形態1に示したような導電膜により形成することができる。
【0152】
また、発光を取り出す方の電極は透明性を有する導電膜により形成すれば良く、酸化インジウム酸化スズ(ITO:indium tin oxide)、珪素を含有するITO、酸化インジウムに酸化亜鉛(ZnO)を混合した酸化インジウム酸化亜鉛(IZO:indium zinc oxide)などの金属化合物の他、Al、Ag等金属の極薄膜を用いる。また、第2の電極の方から発光を取り出す場合は第1の電極は反射率の高い材料(Al、Ag等)を用いることができる。本形態ではITOを第1の電極64として用いる(図8(A))。
【0153】
次に第2の層間絶縁層63(もしくは絶縁層)及び第1の電極64を覆って有機材料もしくは無機材料からなる絶縁層を形成する。続いて当該絶縁層を第1の電極64の一部が露出するように加工し、隔壁層65を形成する。隔壁層65の材料としては、感光性を有する有機材料(アクリル、ポリイミドなど)が好適に用いられるが、感光性を有さない有機材料や無機材料で形成してもかまわない。また、隔壁層65の材料にチタンブラックやカーボンナイトライドなどの黒色顔料や染料を分散材などを用いて分散し、隔壁層65を黒くすることでブラックマトリクスに用いても良い。隔壁層65の第1の電極に向かう端面は曲率を有し、当該曲率が連続的に変化するテーパー形状をしていることが望ましい(図8(B))。
【0154】
次に、隔壁層65から露出した第1の電極64を覆って、有機無機複合材料層を形成する。本形態では有機化合物としてNPB、金属化合物としてモリブデン酸化物を用い、NPBに対してモリブデン酸化物が33wt%となるように共蒸着により形成する。続いて、正孔を輸送する機能に優れた層としてNPBを膜厚10nm、発光層としてAlqにクマリン6を重量比1:0.005、膜厚35nm、電子輸送層としてはAlqを膜厚10nmとなるように蒸着する。これにより第1の電極64上に有機無機複合材料層、発光層、電子輸送層からなる発光ユニット66が形成される。
【0155】
続いて発光ユニット66を覆う第2の電極67を形成する。これによって第1の電極64と第2の電極67との間に発光層を含む有機層を挟んでなる発光素子93を作製することができ、第1の電極に第2の電極より高い電圧をかけることによって発光を得ることができる。第2の電極67の形成に用いられる電極材料としては第1の電極の材料と同様の材料を用いることができる。本形態ではアルミニウムを第2の電極として用いる。
【0156】
その後、プラズマCVD法により窒素を含む酸化珪素膜を第2のパッシベーション膜として形成する。窒素を含む酸化珪素膜を用いる場合には、プラズマCVD法でSiH、NO、NHから作製される酸化窒化珪素膜、またはSiH、NOから作製される酸化窒化珪素膜、あるいはSiH、NOをArで希釈したガスから形成される酸化窒化珪素膜を形成すれば良い。
【0157】
また、第1のパッシベーション膜としてSiH、NO、Hから作製される酸化窒化水素化珪素膜を適用しても良い。もちろん、第1のパッシベーション膜は単層構造に限定されるものではなく、他の珪素を含む絶縁層を単層構造、もしくは積層構造として用いても良い。また、窒化炭素膜と窒化珪素膜の多層膜やスチレンポリマーの多層膜、窒化珪素膜やダイヤモンドライクカーボン膜を窒素を含む酸化珪素膜の代わりに形成してもよい。
【0158】
続いて発光素子を水などの劣化を促進する物質から保護するために、表示部の封止を行う。対向基板を封止に用いる場合は、絶縁性のシール材により、外部接続部が露出するように貼り合わせる。対向基板と素子基板との間の空間には乾燥した窒素などの不活性気体を充填しても良いし、シール材を画素部全面に塗布しそれにより対向基板を貼り合わせても良い。シール材には紫外線硬化樹脂などを用いると好適である。シール材には乾燥剤や基板間のギャップを一定に保つための粒子を混入しておいても良い。続いて外部接続部にフレキシブル配線基板を貼り付けることによって、発光装置が完成する。
【0159】
以上のように作製した発光装置の構成の1例を図9参照しながら説明する。なお、形が異なっていても同様の機能を示す部分には同じ符号を付し、その説明を省略する部分もある。本形態では、LDD構造を有する薄膜トランジスタ70が接続部61aを介して発光素子93に接続している。
【0160】
図9(A)は第1の電極64が透光性を有する導電膜により形成されており、基板50側に発光ユニット66より発せられた光が取り出される構造である。なお94は対向基板であり、発光素子93が形成された後、シール材などを用い、基板50に固着される。対向基板94と素子との間に透光性を有する樹脂88等を充填し、封止することによって発光素子93が水分により劣化することを防ぐことができる。また、樹脂88が吸湿性を有していることが望ましい。さらに樹脂88中に透光性の高い乾燥剤89を分散させるとさらに水分の影響を抑えることが可能になるためさらに望ましい形態である。
【0161】
図9(B)は第1の電極64と第2の電極67両方が透光性を有する導電膜により形成されており、基板50及び対向基板94の両方に光を取り出すことが可能な構成となっている。また、この構成では基板50と対向基板94の外側に偏光板90を設けることによって画面が透けてしまうことを防ぐことができ、視認性が向上する。偏光板90の外側には保護フィルム91を設けると良い。
【0162】
なお、表示機能を有する本形態の発光装置には、アナログのビデオ信号、デジタルのビデオ信号のどちらを用いてもよい。デジタルのビデオ信号を用いる場合はそのビデオ信号が電圧を用いているものと、電流を用いているものとに分けられる。発光素子の発光時において、画素に入力されるビデオ信号は、定電圧のものと、定電流のものがあり、ビデオ信号が定電圧のものには、発光素子に印加される電圧が一定のものと、発光素子に流れる電流が一定のものとがある。またビデオ信号が定電流のものには、発光素子に印加される電圧が一定のものと、発光素子に流れる電流が一定のものとがある。この発光素子に印加される電圧が一定のものは定電圧駆動であり、発光素子に流れる電流が一定のものは定電流駆動である。定電流駆動は、発光素子の抵抗変化によらず、一定の電流が流れる。本形態の発光装置及びその駆動方法には、上記したどの駆動方法を用いてもよい。
【0163】
このような構成により発光効率が高い発光装置を得ることができる。
【0164】
本形態は実施の形態1乃至実施の形態6の適当な構成と組み合わせて用いることが可能である。
【0165】
(実施の形態8)
本形態では図10乃至図12を用い、本形態のアクティブマトリクス型発光装置の作製方法を説明する。なお、各構成の材料等については実施の形態1乃至実施の形態7に準ずることとし、説明を省略する。
【0166】
図10(A)は実施の形態7において隔壁層65まで作製した発光装置の上面図である。基板200上に設けられた点線部は走査線駆動回路形成領域400、信号線駆動回路形成領域401、外部接続部形成領域402、画素部403をそれぞれ示し、404は隔壁層65の開口部に相当し下部の第1の電極205が露出した状態である。なお、404は発光領域に相当する。このように各々薄膜トランジスタと電気的に接続した第1の電極205の一部が露出した発光領域404がマトリクス状に配列される。
【0167】
図10(B)は画素部403を覆って第1の発光ユニット207が形成された状態である。本形態では全画素にわたって同一の発光ユニットが形成されているが、異なる発光を呈する発光ユニットを画素毎や画素の一定の領域毎に分けて形成しても良い。なお、発光ユニットは基本的に抵抗が大きいことから隣接する画素におけるクロストークの心配は無い。
【0168】
図11(A)は画素毎に分離して中間導電層250を設けた状態である。また、中間導電層250の端部は発光領域404の端部より各々外側に設けられているため、多少のマスクずれが生じても発光領域404を中間導電層250が覆うことができるため表示品質の低下を招かず、当該マスクずれが原因で起こる不良も低減させることができる。
【0169】
図11(B)は画素部403を覆って第2の発光ユニット208を形成した状態である。これにより中間導電層250の端部を第1の発光ユニット207と第2の発光ユニット208によって覆うことができ、中間導電層250が画素毎に分離していることから隣接する画素同士でクロストークを充分に低減させることができる。このことから、第1の発光ユニット207と第2の発光ユニット208からの発光により発光効率の高い発光装置でありながら隣接する画素同士のクロストークを充分に低下した表示品質の高い発光装置を得ることができる。
【0170】
図12は第2の電極209まで形成した状態である。第2の電極209は全画素にまたがって形成すればよい。なお実施の形態1乃至実施の形態4に記載したアクティブマトリクス型発光装置の断面図は図12におけるA−Bの断面に相当する。
【0171】
本形態は実施の形態1乃至実施の形態7と適宜組み合わせて用いることができる。
【0172】
(実施の形態9)
本形態では、本形態の発光装置であるパネルの外観について図13を用いて説明する。図13(A)は基板上に形成されたトランジスタ及び発光素子を対向基板4006との間に形成したシール材によって封止したパネルの上面図であり、図13(B)は図13(A)の断面図に相応する。また、このパネルに搭載されている発光素子の有する構造は、実施の形態4に示したような構成である。
【0173】
基板4001上に設けられた画素部4002と信号線駆動回路4003と走査線駆動回路4004とを囲むようにして、シール材4005が設けられている。また、画素部4002と信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4004の上に対向基板4006が設けられている。よって画素部4002と信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4004とは基板4001とシール材4005と対向基板4006とによって充填材4007と共に密封されている。
【0174】
また、基板4001上に設けられた画素部4002と信号線駆動回路4003と走査線駆動回路4004とは薄膜トランジスタを複数有しており、図13(B)では信号線駆動回路4003に含まれる薄膜トランジスタ4008と、画素部4002に含まれる薄膜トランジスタ4010とを示す。発光素子4011は、薄膜トランジスタ4010と電気的に接続されている。
【0175】
引き回し配線4014は画素部4002と信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4004とに、信号、または電源電圧を供給するための配線に相当する。引き回し配線4014は、引き回し配線4015a、4015bを介して接続端子4016と接続されている。接続端子4016はフレキシブルプリント配線基板4018(FPC)が有する端子と異方性導電膜4019を介して電気的に接続されている。
【0176】
充填材4007としては窒素やアルゴンなどの不活性な気体の他に、紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂を用いることができ、ポリビニルクロライド、アクリル、ポリイミド、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルブチラル、またはエチレンビニレンアセテートを用いることができる。
【0177】
本形態の発光装置は発光素子を有する画素部が形成されたパネルと、該パネルにICが実装されたモジュールとをその範疇に含む。このような構成を有する本形態の発光装置は発光効率が高く且つ表示品質も高い発光装置である。
【0178】
本形態は実施の形態1乃至実施の形態8と適宜組み合わせて用いることができる。
【0179】
(実施の形態10)
本形態では、実施の形態9で示したパネル、モジュールが有する画素回路、保護回路及びそれらの動作について説明する。なお、図7、図8に示してきた断面図は駆動用TFT1403と発光素子1405の断面図となっている。
【0180】
図14(A)に示す画素は、列方向に信号線1410及び電源線1411、1412、行方向に走査線1414が配置される。また、スイッチング用TFT1401、駆動用TFT1403、電流制御用TFT1404、容量素子1402及び発光素子1405を有する。
【0181】
図14(C)に示す画素は、駆動用TFT1403のゲート電極が、行方向に配置された電源線1412に接続される点が異なっており、それ以外は図14(A)に示す画素と同じ構成である。しかしながら、図14(A)で示すように行方向に電源線1412が配置される場合と、図14(C)で示すように列方向に電源線1412が配置される場合とでは、各電源線は異なる層の導電膜で形成される。ここでは、駆動用TFT1403のゲート電極が接続される配線に注目し、これらを作製するレイヤーが異なることを表すために、図14(A)乃至(C)として分けて記載する。
【0182】
図14(A)乃至(C)に示す画素の特徴として、画素内に駆動用TFT1403と電流制御用TFT1404が直列に接続されており、駆動用TFT1403のチャネル長L(1403)、チャネル幅W(1403)、電流制御用TFT1404のチャネル長L(1404)、チャネル幅W(1404)は、L(1403)/W(1403):L(1404)/W(1404)=5〜6000:1を満たすように設定するとよい。
【0183】
なお、駆動用TFT1403は、飽和領域で動作し発光素子1405に流れる電流値を制御する役目を有し、電流制御用TFT1404は線形領域で動作し発光素子1405に対する電流の供給を制御する役目を有する。両TFTは同じ導電型を有していると作製工程上好ましく、本形態ではnチャネル型TFTとして形成する。また駆動用TFT1403には、エンハンスメント型だけでなく、ディプリーション型のTFTを用いてもよい。上記構成を有する本形態の発光装置は、電流制御用TFT1404が線形領域で動作するために、電流制御用TFT1404のゲート−ソース間電圧(Vgs)の僅かな変動は、発光素子1405の電流値に影響を及ぼさない。つまり、発光素子1405の電流値は、飽和領域で動作する駆動用TFT1403により決定することができる。上記構成により、TFTの特性バラツキに起因した発光素子の輝度ムラを改善して、画質を向上させた発光装置を提供することができる。
【0184】
図14(A)乃至(D)に示す画素において、スイッチング用TFT1401は、画素に対するビデオ信号の入力を制御するものであり、スイッチング用TFT1401がオンとなると、画素内にビデオ信号が入力される。すると、容量素子1402にそのビデオ信号の電圧が保持される。なお図14(A)乃至(C)には、容量素子1402を設けた構成を示したが、本形態はこれに限定されず、ビデオ信号を保持する容量がゲート容量などでまかなうことが可能な場合には、容量素子1402を設けなくてもよい。
【0185】
図14(B)に示す画素は、TFT1406と走査線1414を追加している以外は、図14(A)に示す画素構成と同じである。同様に、図14(D)に示す画素は、TFT1406と走査線1414を追加している以外は、図14(C)に示す画素構成と同じである。
【0186】
TFT1406は、新たに配置された走査線1414によりオン又はオフが制御される。TFT1406がオンとなると、容量素子1402に保持された電荷は放電し、電流制御用TFT1404がオフとなる。つまり、TFT1406の配置により、強制的に発光素子1405に電流が流れない状態を作ることができる。そのためTFT1406を消去用TFTと呼ぶことができる。従って、図14(B)乃至(D)の構成は、全ての画素に対する信号の書き込みを待つことなく、書き込み期間の開始と同時又は直後に点灯期間を開始することができるため、デューティ比を向上することが可能となる。
【0187】
図14(E)に示す画素は、列方向に信号線1410、電源線1411、行方向に走査線1414が配置される。また、スイッチング用TFT1401、駆動用TFT1403、容量素子1402及び発光素子1405を有する。図14(F)に示す画素は、TFT1406と走査線1415を追加している以外は、図14(E)に示す画素構成と同じである。なお、図14(F)の構成も、TFT1406の配置により、デューティ比を向上することが可能となる。
【0188】
駆動用TFT1403を強制的にオフにする場合の画素構成の例を図15に示す。選択TFT1451、駆動用TFT1453、消去ダイオード1461、発光素子1454が配置されている。選択TFT1451のソースとドレインは各々、信号線1455と駆動用TFT1453のゲートに接続されている。選択TFT1451のゲートは、第1ゲート線1457に接続されている。駆動用TFT1453のソースとドレインは各々、第1電源線1456と発光素子1454に接続されている。消去ダイオード1461は、駆動用TFT1453のゲートと第2ゲート線1467に接続されている。
【0189】
容量素子1452は、駆動用TFT1453のゲート電位を保持する役目をしている。よって、駆動用TFT1453のゲートと第1電源線1456の間に接続されているが、これに限定されない。駆動用TFT1453のゲート電位を保持できるように配置されていればよい。また、駆動用TFT1453のゲート容量などを用いて、駆動用TFT1453のゲート電位を保持できる場合は容量素子1452を省いても良い。
【0190】
動作方法としては、第1ゲート線1457を選択して、選択TFT1451をオン状態にして、信号線1455から信号を容量素子1452に入力する。すると、その信号に応じて、駆動用TFT1453の電流が制御され、第1電源線1456から、発光素子1454を通って、第2電源線1458に電流が流れる。
【0191】
信号を消去したい場合は、第2ゲート線1467を選択(ここでは、高い電位にする)して、消去ダイオード1461がオンして、第2ゲート線1467から駆動用TFT1453のゲートへ電流が流れるようにする。その結果、駆動用TFT1453がオフ状態になる。すると、第1電源線1456から、発光素子1454を通って、第2電源線1458には、電流が流れないようになる。その結果、非点灯期間を作ることができ、点灯期間の長さを自由に制御できるようになる。
【0192】
信号を保持しておきたい場合は、第2ゲート線1467を非選択(ここでは、低い電位にする)しておく。すると、消去ダイオード1461がオフするので、駆動用TFT1453のゲート電位は保持される。
【0193】
なお、消去ダイオード1461は、整流性がある素子であればよい。PN型ダイオード、PIN型ダイオード、ショットキー型ダイオード、ツェナー型ダイオードなど様々な整流素子を適用することができる。
【0194】
以上のように、多様な画素回路を採用することができる。特に、非晶質半導体膜から薄膜トランジスタを形成する場合、駆動用TFT1403、1453の半導体膜を大きくすると好ましい。そのため、上記画素回路において、発光ユニットからの光が封止基板側から射出する上面発光型とすると好ましい。
【0195】
このようなアクティブマトリクス型の発光装置は、画素密度が増えた場合、各画素にTFTが設けられているため低電圧駆動でき有利である。
【0196】
本形態では、一画素に各TFTが設けられるアクティブマトリクス型の発光装置について説明したがパッシブマトリクス型の発光装置を形成することもできる。パッシブマトリクス型の発光装置は、各画素にTFTが設けられていないため、高開口率となる。発光が発光ユニットの両側へ射出する発光装置の場合、パッシブマトリクス型の発光装置を用いると透過率が高まる。
【0197】
続いて、図14(E)に示す等価回路を用い、走査線及び信号線に保護回路としてダイオードを設ける場合について説明する。
【0198】
図16には、画素部1500にスイッチング用TFT1401、駆動用TFT1403、容量素子1402、発光素子1405が設けられている。信号線1410には、ダイオード1561と1562が設けられている。ダイオード1561と1562は、スイッチング用TFT1401又は駆動用TFT1403と同様に、上記実施の形態に基づき作製され、ゲート電極、半導体層、ソース電極及びドレイン電極等を有する。ダイオード1561と1562は、ゲート電極と、ドレイン電極又はソース電極とを接続することによりダイオードとして動作させている。
【0199】
ダイオードと接続する共通電位線1554、1555はゲート電極と同じレイヤーで形成している。従って、ダイオードのソース電極又はドレイン電極と接続するには、ゲート絶縁層にコンタクトホールを形成する必要がある。走査線1414に設けられるダイオードも同様な構成である。
【0200】
このように、本形態によれば、入力段に設けられる保護ダイオードを同時に形成することができる。なお、保護ダイオードを形成する位置は、これに限定されず、駆動回路と画素との間に設けることもできる。
【0201】
このような保護回路を有する本形態の発光装置は、当該発光装置は発光効率が高く且つ表示品質も高い発光装置でありまた、上記構成を有することで、発光装置としての信頼性をさらに高めることが可能となる。
【0202】
(実施の形態11)
本形態では図17乃至図19を用い、上面図を参照しながら本形態のパッシブマトリクス型発光装置の作製方法を説明する。なお、各構成の材料等については実施の形態1乃至実施の形態4に準ずることとし、説明を省略する部分もある。
【0203】
基板300の主表面上に、一方向に延びる第1の電極301及び入力端子部を形成するための端子500を同じ材料で形成する。第1の電極301の組成及び作製方法については、上述したとおりである。基板300は、例えばバリウムホウケイ酸ガラスや、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板等を用いることができる。なお図17(A)では、第1の電極301から光を取り出す発光素子を用いているので、基板300は透光性を有する材料で形成するが、第2の電極305から光を取り出す場合、上記基板に加えて、例えばステンレス基板を含む金属基板またはシリコン基板の表面に絶縁膜を形成したものや、セラミック基板なども用いても良い。プラスチック等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板は、一般的に上記基板と比較して耐熱温度が低い傾向にあるが、作製工程における処理温度に耐え得るのであれば用いることが可能である。
【0204】
次に、図17(B)に示すように、第1の電極301の入力端子部形成領域と、第2の電極305の接続部兼入力端子部形成領域に、補助電極501a、501bを形成する。補助電極は、外部回路と接続する際に、ヒートシール性の良い導電性材料で形成することが好ましく、クロム、ニッケルなどを含む金属材料で形成すれば良い。次に、隔壁層302を形成する。隔壁層302は、第1の電極301と直交するように設け、隔壁層302は、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸窒化アミニウム、その他の絶縁性を有する無機材料、又はアクリル酸、メタクリル酸及びこれらの誘導体、ポリイミド(polyimide)、芳香族ポリアミド、ポリベンゾイミダゾール(polybenzimidazole)などの耐熱性を有する高分子材料、シロキサンで形成することができる。
【0205】
その後、図18(A)に示すように、隔壁層302から露出している第1の電極301上に第1の発光ユニット303を形成する。本形態において第1の発光ユニット303は異なる発光色を示す発光材料を有する3種類を列毎に塗り分けして形成する。もちろん、全ての画素に同じ発光ユニットを形成しても良い。なお、本形態における発光領域は隔壁層302から第1の電極301が露出している部分となる。
【0206】
続いて図18(B)に示すように画素毎に分離して中間導電層350を設ける。また、中間導電層350の端部は発光領域端部より各々外側に設ける。これより、多少のマスクずれが生じても発光領域を中間導電層350が覆うことができるため表示品質の低下を招かず、当該マスクずれが原因で起こる不良も低減させることができる。
【0207】
次に、図19(A)に示すように、中間導電層350上に第2の発光ユニット304を形成する。第2の発光ユニット304は第1の発光ユニット303と同様に異なる発光色を示す発光材料を有する3種類を列毎に塗り分けして形成する。これにより中間導電層350の端部を第1の発光ユニット303と第2の発光ユニット304によって覆うことができ、中間導電層350が画素毎に分離していることから隣接する画素同士でクロストークを充分に低減させることができる。このことから、第1の発光ユニット303と第2の発光ユニット304からの発光により発光効率の高い発光装置でありながら隣接する画素同士のクロストークを充分に低下した表示品質の高い発光装置を得ることができる。
【0208】
図19(B)に示すように、第1の電極301上に第1の発光ユニット303、中間導電層350及び第2の発光ユニット304が形成された領域に、第1の電極301と交差する方向延びる第2の電極305を形成する。
【0209】
以上の様にして、発光素子が形成された画素部を有するパネルが形成される。なお実施の形態1乃至実施の形態4に示したパッシブマトリクス型の発光装置の断面図は図19(B)におけるC−Dの断面図に相当する。
【0210】
その後、図20(A)に示すように、水分などの侵入を防ぐ保護膜306を形成し、ガラス、石英、アルミナなどのセラミック材料又は合成材料などの封止基板308をシール用の接着剤307で固着する。また外部入力端子部には外部回路と接続する際に、異方性導電膜309を介してフレキシブルプリント配線基板310を用い接続をとる。保護膜306は、窒化珪素で形成するものの他、応力を低減しつつガスバリア性を高める構成として、窒化炭素と窒化珪素の積層体で形成しても良い。
【0211】
図20(B)に、図20(A)に示すパネルに外部回路312を接続して形成された、モジュールの様子を示す。基板300には画素部322が形成され、基板300の端に外部回路312と接続する外部入力端子部320、321を備えている。モジュールは外部入力端子部320、321にフレキシブルプリント配線基板310を固着して、電源回路や信号処理回路が形成された外部回路基板と電気的に接続する。また、外部回路312の一つであるドライバIC311の実装方法は、COG法、TAB法のどちらでも良く、図20(B)に、外部回路の一つであるドライバIC311を、COG法を用いて実装している様子を示す。
【0212】
なおパネルとモジュールは、本形態の発光装置の一形態に相当し、共に本形態の範疇に含まれる。
【0213】
(実施の形態12)
本形態のモジュールを搭載した本形態の電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオコンポ等)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigitAl Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。それらの電子機器の具体例を図23に示す。
【0214】
図23(A)は発光装置でありテレビ受像器やパーソナルコンピュータのモニターなどがこれに当たる。筐体2001、表示部2003、スピーカー部2004等を含む。本形態の発光装置は表示部2003の表示品質が高い発光装置である。画素部にはコントランスを高めるため、偏光板、又は円偏光板を備えるとよい。例えば、封止基板へ1/4λ板、1/2λ板、偏光板の順にフィルムを設けるとよい。さらに偏光板上に反射防止膜を設けてもよい。
【0215】
図23(B)は携帯電話であり、本体2101、筐体2102、表示部2103、音声入力部2104、音声出力部2105、操作キー2106、アンテナ2108等を含む。本形態の携帯電話は表示部2103の表示品質が高い携帯電話である。
【0216】
図23(C)はコンピュータであり、本体2201、筐体2202、表示部2203、キーボード2204、外部接続ポート2205、ポインティングマウス2206等を含む。本形態のコンピュータは表示部2203の表示品質が高いコンピュータである。図23(C)ではノート型のコンピュータを例示したが、ハードディスクと表示部が一体化したデスクトップ型のコンピュータなどにも適用することが可能である。
【0217】
図23(D)はモバイルコンピュータであり、本体2301、表示部2302、スイッチ2303、操作キー2304、赤外線ポート2305等を含む。本形態のモバイルコンピュータは表示部2302の表示品質が高いモバイルコンピュータである。
【0218】
図23(E)は携帯型のゲーム機であり、筐体2401、表示部2402、スピーカー部2403、操作キー2404、記録媒体挿入部2405等を含む。本形態の携帯型ゲーム機は表示部2402の有する発光素の表示品質が高い携帯型ゲーム機である。
【0219】
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に用いることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0220】
【図1】本発明の発光装置の断面図。
【図2】本発明の発光装置の断面図。
【図3】本発明の発光装置の断面図。
【図4】本発明の発光装置の断面図。
【図5】本発明の発光装置の断面図。
【図6】本発明の発光装置の断面図。
【図7】本発明のアクティブマトリクス型発光装置の作製方法を説明する断面図。
【図8】本発明のアクティブマトリクス型発光装置の作製方法を説明する断面図。
【図9】本発明の発光装置の断面図。
【図10】本発明のアクティブマトリクス型発光装置の作製方法を説明する上面図。
【図11】本発明のアクティブマトリクス型発光装置の作製方法を説明する上面図。
【図12】本発明のアクティブマトリクス型発光装置の作製方法を説明する上面図。
【図13】本発明の発光装置の上面図及び断面図。
【図14】本発明の発光装置の画素回路一例を示す図。
【図15】本発明の発光装置の画素回路一例を示す図。
【図16】本発明の発光装置の保護回路の一例を示す図。
【図17】本発明のパッシブマトリクス型発光装置の作製方法を説明する上面図。
【図18】本発明のパッシブマトリクス型発光装置の作製方法を説明する上面図。
【図19】本発明のパッシブマトリクス型発光装置の作製方法を説明する上面図。
【図20】本発明の発光装置の断面図及び平面図。
【図21】第1の電極、第1の発光ユニット、中間導電層、第2の発光ユニット、第2の電極が積層された発光セルを示す図。
【図22】第1の電極、第1の発光ユニット、中間導電層、第2の発光ユニット、第2の電極が積層された発光セルを示す図。
【図23】本発明が適用可能な電子機器の例示した図。
【符号の説明】
【0221】
12 第1の電極
14 第1の発光ユニット
16 中間導電層
18 第2の発光ユニット
20 第2の電極
22 発光層
24 バリア層
26 有機無機複合材料層
50 基板
51a 第1の下地絶縁層
51b 第2の下地絶縁層
52 半導体層
53 ゲート絶縁層
54 ゲート電極
59 絶縁膜
60 第1の層間絶縁層
61a 接続部
61b 配線
63 第2の層間絶縁層
64 第1の電極
65 隔壁層
66 発光ユニット
67 第2の電極
70 薄膜トランジスタ
88 樹脂
89 乾燥剤
90 偏光板
91 保護フィルム
93 発光素子
94 対向基板
100 第1の電極
101 第1の発光ユニット
102 第2の発光ユニット
103 第2の電極
110 中間導電層
111 中間導電層
112 中間導電層
200 基板
201 半導体層
202 ゲート電極
203 層間絶縁膜
204 電極
205 第1の電極
206 隔壁層
207 第1の発光ユニット
208 第2の発光ユニット
209 第2の電極
250 中間導電層
251 中間導電層
252 中間導電層
300 基板
301 第1の電極
302 隔壁層
303 第1の発光ユニット
304 第2の発光ユニット
305 第2の電極
306 保護膜
307 接着剤
308 封止基板
309 異方性導電膜
310 フレキシブルプリント配線基板
311 ドライバIC
312 外部回路
320 外部入力端子部
321 外部入力端子部
322 画素部
350 中間導電層
351 中間導電層
352 中間導電層
400 走査線駆動回路形成領域
401 信号線駆動回路形成領域
402 外部接続部形成領域
403 画素部
404 発光領域
500 端子
501a 補助電極
501b 補助電極
1401 スイッチング用TFT
1402 容量素子
1403 駆動用TFT
1404 電流制御用TFT
1405 発光素子
1406 TFT
1410 信号線
1411 電源線
1412 電源線
1414 走査線
1415 走査線
1451 選択TFT
1452 容量素子
1453 駆動用TFT
1454 発光素子
1455 信号線
1456 第1電源線
1457 第1ゲート線
1458 第2電源線
1461 消去ダイオード
1467 第2ゲート線
1500 画素部
1554 共通電位線
1555 共通電位線
1561 ダイオード
1562 ダイオード
2001 筐体
2003 表示部
2004 スピーカー部
2101 本体
2102 筐体
2103 表示部
2104 音声入力部
2105 音声出力部
2106 操作キー
2201 本体
2202 筐体
2203 表示部
2204 キーボード
2205 外部接続ポート
2206 ポインティングマウス
2301 本体
2302 表示部
2303 スイッチ
2304 操作キー
2305 赤外線ポート
2401 筐体
2402 表示部
2403 スピーカー部
2404 操作キー
2405 記録媒体挿入部
4001 基板
4002 画素部
4003 信号線駆動回路
4004 走査線駆動回路
4005 シール材
4006 対向基板
4007 充填材
4008 薄膜トランジスタ
4010 薄膜トランジスタ
4011 発光素子
4014 引き回し配線
4015 引き回し配線
4016 接続端子
4018 フレキシブルプリント配線基板
4019 異方性導電膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2族の元素と第16族の元素を含む化合物または第12族の元素と第16族の元素を含む化合物である母体材料と発光中心となる不純物元素とを含む発光層と、
前記発光層を少なくとも一層含む発光ユニットと、
前記発光ユニット内に設けられた中間導電層とを有し、
前記発光ユニットが、前記中間導電層を介して一対の電極間に複数個直列に接続されている発光素子が設けられていることを特徴とする発光装置。
【請求項2】
第2族の元素と第16族の元素を含む化合物または第12族の元素と第16族の元素を含む化合物である母体材料と発光中心となる不純物元素とを含む発光層と、
前記発光層を少なくとも一層含む発光ユニットと、
前記発光ユニット内に設けられた中間導電層とを含み、
前記発光ユニットが、前記中間導電層を介して一対の電極間に複数個直列に接続されている発光素子を有し、
前記発光素子がマトリクス状に配列された画素部を備えたことを特徴とする発光装置。
【請求項3】
第2族の元素と第16族の元素を含む化合物または第12族の元素と第16族の元素を含む化合物である母体材料と発光中心となる不純物元素とを含む発光層と、
前記発光層を少なくとも一層含む発光ユニットと、
前記発光ユニット内に設けられた中間導電層とを含み、
前記発光ユニットが、前記中間導電層を介して一対の電極間に複数個直列に接続されている発光素子を有し、
前記発光素子で構成される画素がマトリクス状に配列された画素部を備え、
前記発光層は、隣接する画素間に連続して設けられ、前記中間導電層は、前記画素毎に分離して形成されていることを特徴とする発光装置。
【請求項4】
第2族の元素と第16族の元素を含む化合物または第12族の元素と第16族の元素を含む化合物である母体材料と発光中心となる不純物元素とを含む発光層と、
前記発光層を少なくとも一層含む発光ユニットと、
前記発光ユニット内に設けられた中間導電層とを含み、
前記発光ユニットが、前記中間導電層を介して一対の電極間に複数個直列に接続されている発光素子を有し、
前記発光素子で構成される画素がマトリクス状に配列された画素部を備え、
前記画素部は、前記一対の電極の一方の電極の周辺端部を覆う隔壁層を有し、
前記発光層は、前記一対の電極の一方の電極上と、前記隔壁層上を連続して形成され、前記中間導電層の端部は前記隔壁層上に位置していることを特徴とする発光装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項において、前記母体材料は、硫化亜鉛、硫化カドミウム、硫化カルシウム、硫化イットリウム、硫化ガリウム、硫化ストロンチウム、硫化バリウム、酸化亜鉛、酸化イットリウム、窒化アルミニウム、窒化ガリウム、窒化インジウム、セレン化亜鉛、テルル化亜鉛、硫化カルシウム−ガリウム、硫化ストロンチウム−ガリウム、硫化バリウム−ガリウムのいずれかであることを特徴とする発光装置。
【請求項6】
請求項5において、前記不純物元素は、発光中心となる金属元素であることを特徴とする発光装置。
【請求項7】
請求項5において、前記不純物元素は複数種含まれており、発光中心となる金属元素と、
フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)のいずれか一と、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)、窒素(N)、リン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)のいずれか一であることを特徴とする発光装置。
【請求項8】
請求項6又は7において、前記金属元素は、母体材料に対して0.05乃至5atomic%の濃度で含まれていることを特徴とする発光装置。
【請求項9】
請求項5において、前記不純物元素は複数種含まれており、銅、銀、金、白金、珪素のいずれか一と、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウムのいずれか一であることを特徴とする発光装置。
【請求項10】
請求項5において、前記不純物元素は複数種含まれており、銅、銀、金、白金、珪素のいずれか一と、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、窒素、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマスのいずれか一であることを特徴とする発光装置。
【請求項11】
請求項5において、前記不純物元素は複数種含まれており、銅、銀、金、白金、珪素のいずれか一と、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウムのいずれか一と、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、窒素、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマスのいずれか一であることを特徴とする発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2007−258163(P2007−258163A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−41654(P2007−41654)
【出願日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】