説明

発電装置

【課題】 系統電源が短時間の停電の場合に、発電機にストレスを与えることなく、またその制御を複雑にすることなく、復電時に速やかに再連系を行うことができる発電装置を提供する。
【解決手段】 系統電源120と連系して負荷106に交流電力を供給する発電装置100であって、制御器111は、系統電源120の停電を検知すると、余剰電力消費器107に対し電力消費を開始させ、DC/AC変換器103の変換動作を停止させるよう制御し、停電を検知してから第1の所定時間以内に復電を検知すると、余剰電力消費器107への供給電力を時間経過に応じて減少させるとともに、DC/AC変換器103の変換動作を再開させDC/AC変換器103の変換電力を時間経過に応じて増加させるよう制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電機に燃料電池等を用いた発電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
燃料電池装置は、都市ガスなどの燃料を改質して得られた水素と空気中の酸素による電気化学反応によって発電する発電装置の一つである。このような発電装置は、系統電源と連系して、発電装置で発電した電力と系統電源からの電力とを、例えば家庭内負荷に供給するように構成されている。従来の発電装置としては、例えば、特許文献1に示すものがある。
【0003】
図8は、従来の発電装置(特許文献1参照)の構成を示すブロック図である。
【0004】
図8において、燃料電池801は直流電力を発電する。第2DC/DC変換器802は、燃料電池801の発電電力を入力し、電圧変換してインバータ803に出力する。インバータ803では、入力される直流電力を交流電力に変換し、系統電源806と連系して、交流負荷810に電力供給する。一方、第1DC/DC変換器807は、燃料電池801から入力される電力を電圧変換して、直流負荷808に供給する。連系部805は、受電点にあって、系統電源806からの供給電力を監視し、停電時に系統停止信号をインバータ803及び電力制御器809へ出力する。逆潮流検出器804は、連系部805とインバータ803の間で、交流負荷810よりも系統側にあって、そこを流れる電流を監視し、系統側へ電流が流れる場合に逆潮流検出情報を出力する。電力制御器809は、系統停止信号及び逆潮流検出情報を入力して、インバータ803、燃料電池801、第1DC/DC変換器807を制御し、燃料電池801の生成する電力が第1DC/DC変換器807及びインバータ803から出力される電力の和に等しくなるように制御する。
【0005】
この発電装置では、停電時、連系部805から系統停止信号が出力されると、インバータ803の出力を停止させるとともに、一旦、燃料電池801の出力電力を急激に0に低下させた後、その出力電力を増加させ、燃料電池801から出力される電力を第1DC/DC変換器807へ入力させ、直流負荷808によって消費させるように構成されている。
【0006】
また、交流負荷810の消費電力が減少し、逆潮流検出器804にて逆潮流を検出した場合、インバータ803の出力電力を逆潮流の余剰電力分(交流負荷810の消費電力が減少したことにより生じた余剰分の電力)、急激に低下させるとともに、一旦、燃料電池801の出力電力を逆潮流の余剰電力分低下させた後、燃料電池801の出力電力を増加させ、その増加分の電力を第1DC/DC変換器807へ入力させ、直流負荷808で消費させることによって逆潮流を抑えるように構成されている。
【特許文献1】特開2006−67757号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来の構成によれば、系統電源806が停電してから、例えば数秒後に復電するような短時間の停電の場合でも、一旦、燃料電池801の出力電力を急激に0にしなければならない。このように出力電力を急激に低下させることを考慮して燃料電池801を設計したとしても、少なからず燃料電池801にストレスを与えることになると考えられる。また、上記のように短時間の停電の場合であっても、燃料電池801の出力電力を急激に0に低下させた後、その出力電力を増加させるので、燃料電池801の制御が複雑になる。
【0008】
また、逆潮流を検出した場合においては、最終的に、逆潮流の余剰電力分を直流負荷808で消費させ続けることになり、この場合の余剰電力は本来消費されるべき負荷である交流負荷810の消費電力が減少したことにより生じた余剰分の電力であるから、燃料電池801が非経済的な発電を行っていることになる。
【0009】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、系統電源が短時間の停電の場合に、燃料電池等からなる発電機にストレスを与えることなく、またその制御を複雑にすることなく、復電時に速やかに再連系を行うことができる発電装置を提供することを目的とする。また、逆潮流が発生した場合に、速やかに逆潮流を解消するとともに燃料電池からなる発電機の非経済的な発電を抑制することができる発電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の発電装置は、系統電源と連系して負荷に交流電力を供給する発電装置であって、直流電力を発生する発電機と、前記発電機が発生する直流電力を直流電力に変換して出力するDC/DC変換器と、前記DC/DC変換器の出力する直流電力を交流電力に変換して前記負荷へ出力するDC/AC変換器と、前記系統電源が停電したことを検知する停電検知器と、前記系統電源が復電したことを検知する復電検知器と、前記発電機が発生する直流電力を消費可能な余剰電力消費器と、制御器とを備え、前記制御器は、前記停電検知器が前記系統電源の停電を検知すると、前記余剰電力消費器に対し電力消費を開始させるとともに、前記DC/AC変換器の変換動作を停止させるよう制御し、前記停電検知器が前記系統電源の停電を検知してから第1の所定時間以内に前記復電検知器が前記系統電源の復電を検知すると、前記余剰電力消費器への供給電力を時間経過に応じて減少させるとともに、前記DC/AC変換器の変換動作を再開させ前記DC/AC変換器の変換電力を時間経過に応じて増加させるよう制御する。
【0011】
この構成によれば、系統電源の停電を検知したときに、余剰電力消費器に対し電力消費を開始させるとともに、DC/AC変換器に対し変換動作を停止させることにより、発電電力(発電機の発生する直流電力)を低下させることなく、発電装置から系統電源側へ電力が流出する逆潮流の発生を防止することができる。また、停電を検知後、すぐに発電機の発電電力を低下させるような制御はしないので、少なくとも第1の所定時間が経過するまでの間は、発電機は停電を検知する直前の発電電力を維持して発電を継続しており、第1の所定時間以内(例えば5秒以内)の短時間の停電の場合には、速やかに系統電源との再連系を行うことができる。また、この短時間の停電の場合には、発電電力を低下させることなく一定に維持されるので、例えば燃料電池からなる発電機に発電電力を低下させることによるストレスを与えることもなく、またその制御が複雑になることもない。また、第1の所定時間以内に復電を検知すると、DC/AC変換器の変換電力を時間経過に応じて増加させるようにしているので、DC/AC変換器から過電流が出力されるのを防止し、この過電流による逆潮流の発生を防止することができる。
【0012】
また、前記制御器は、前記復電検知器が前記系統電源の復電を検知すると、時間経過に応じて減少させる前記余剰電力消費器の消費電力の減少量と、時間経過に応じて増加させる前記DC/AC変換器の変換電力の増加量とが等しくなるよう制御する。
【0013】
この構成によれば、発電機の発電電力以上の電力を使用しようとすることによって発生するデメリット(発電機の発電停止等)を避けることができる。
【0014】
また、前記制御器は、前記停電検知器が前記系統電源の停電を検知してから前記第1の所定時間以内に前記復電検知器が前記系統電源の復電を検知しなかったときに、発電電力を減少させて零にするよう前記発電機を制御するとともに、前記発電機の発電電力の減少に対応して前記余剰電力消費器の消費電力を減少させるよう制御する。
【0015】
この構成によれば、系統電源の停電が第1の所定時間以内の短時間の停電ではない場合に、発電機による発電を停止させることができる。
【0016】
また、前記余剰電力消費器及び前記DC/AC変換器は、前記DC/DC変換器の出力する直流電力が入力されるように接続されている。
【0017】
この構成によれば、余剰電力消費器をDC/AC変換器とともに、出力電圧が所定電圧に制御されているDC/DC変換器の出力に接続しているため、出力電圧が不安定である発電機の出力に余剰電力消費器を接続した場合に比べて、電力を余剰電力消費器とDC/AC変換器とへ分配するための制御が簡単になり、例えば制御器をマイコンを用いて構成した場合のマイコンのプログラム開発負荷及びマイコンの処理負荷を軽減することができる。
【0018】
また、前記DC/AC変換器と前記負荷との間の電路に挿入された開閉器を備え、前記制御器は、前記停電検知器が前記系統電源の停電を検知すると前記開閉器を開き、前記復電検知器が前記系統電源の復電を検知すると前記開閉器を閉じるよう制御する。
【0019】
この構成によれば、系統電源が停電している間、開閉器を開くことにより、逆潮流の発生をより確実に防止することができる。
【0020】
また、前記停電検知器は、前記DC/AC変換器と前記負荷との間の電路に設けられた第1の電流検出器及び/または電圧検出器を有し、前記第1の電流検出器で検出される電流値及び/または前記電圧検出器で検出される電圧値に基づいて前記系統電源が停電したことを検知する。
【0021】
また、前記復電検知器は、前記DC/AC変換器と前記負荷との間の電路に設けられた電圧検出器を有し、前記電圧検出器で検出される電圧値に基づいて前記系統電源が復電したことを検知する。
【0022】
また、前記発電装置から前記系統電源の方向へ電流が流れる状態である逆潮流を検知する逆潮流検知器を備え、前記制御器は、前記逆潮流検知器が逆潮流を検知すると、前記余剰電力消費器に対し前記負荷で消費されない余剰分の電力を消費するよう制御する。
【0023】
この構成によれば、逆潮流を検知後、余剰分の電力を余剰電力消費器によって消費させることにより、速やかに逆潮流を解消することができる。
【0024】
また、前記制御器は、前記逆潮流検知器が逆潮流を検知してから第2の所定時間を経過すると、前記余剰分の電力に相当する分の発電電力を減少させるように前記発電機を制御するとともに、前記発電機の発電電力の減少に対応して前記余剰電力消費器の消費電力を減少させるよう制御する。
【0025】
この構成によれば、逆潮流を検知してから第2の所定時間を経過したときに、発電機の発電電力を余剰分の電力分減少させることにより、本来消費されるべき負荷で消費されない余剰分の電力の非経済的な発電を抑制することができる。
【0026】
また、前記逆潮流検知器は、前記負荷よりも前記系統電源側の電路に設けられた第2の電流検出器を有し、前記第2の電流検出器で検出される電流値に基づいて逆潮流を検知する。
【0027】
また、前記発電機の排熱を回収した熱媒体を貯える蓄熱器を備え、前記余剰電力消費器が前記熱媒体を加熱する電気ヒータを有する。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、以上に説明した構成を有し、系統電源が短時間の停電の場合に、燃料電池等からなる発電機にストレスを与えることなく、またその制御を複雑にすることなく、復電時に速やかに再連系を行うことができる発電装置を提供することができるという効果を奏する。また、逆潮流が発生した場合に、速やかに逆潮流を解消するとともに燃料電池からなる発電機の非経済的な発電を抑制することができる発電装置を提供することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0030】
図1は、本発明の実施の形態の発電装置の構成を示すブロック図である。
【0031】
この発電装置100では、発電機101の出力電力がDC/DC変換器102に入力され、DC/DC変換器102の出力電力がDC/AC変換器103及び余剰電力消費器107に入力される。DC/AC変換器103の出力電力は交流電路116に出力され、開閉器104を介して交流電路116に接続された負荷106に供給される。また、交流電路116は受電点105を介して系統電源120に接続された交流電路117と接続されている。したがって、この発電装置100は、系統電源120の系統と連系して負荷106へ電力を供給するように構成されている。
【0032】
発電機101は、例えば燃料電池により構成される。燃料電池は、水素などの燃料ガスと酸素などの酸化剤ガスを反応させて直流電力を発電する電気化学反応による発電システムであり、一旦停止プロセスに入った場合、すぐに発電プロセスに移行することができない。DC/DC変換器102は、発電機101から入力される直流電力を所定電圧となるように電圧が制御された直流電力に変換して出力する。DC/AC変換器103は、DC/DC変換器102から入力される直流電力を交流電力に変換して出力する。余剰電力消費器107は、DC/DC変換器102から出力される直流電力のうち、DC/AC変換器103により交流電力に変換されない直流電力を消費するために設けられ、例えば電気ヒータを有する。さらに、発電機101の排熱を回収した熱媒体を蓄える蓄熱器108が設けられ、余剰電力消費器107は、その電気ヒータを作動させることによって直流電力を消費し、蓄熱器108に蓄えられる熱媒体を加熱するように構成されている。
【0033】
図2は、発電機101、余剰電力消費器107及び蓄熱器108の一例を示す図である。この例では、燃料電池11が発電機101であり、貯湯タンク15が蓄熱器108である。また、電気ヒータ14とこれの通電量を制御するヒータ制御器(図示せず)とによって余剰電力消費器107が構成されている。
【0034】
この例では、燃料電池11で発生した熱を回収するために冷却水流路12が、その途中で燃料電池11の内部を通るようにして設けられている。冷却水流路12では、ポンプ17によって矢印A方向に冷却水が循環されるとともにその流量が調整され、燃料電池11の内部が一定温度(例えば70℃)に保たれている。
【0035】
貯湯タンク15には、その下部側より市水(水道水)が供給され、上部側より給湯器等の外部給湯負荷へ温水が排出される。貯湯タンク15の下部流出口15aと上部流入口15bとを連結する熱回収水流路16が設けられている。熱回収水流路16では、ポンプ18によって矢印B方向に熱回収水が流されるとともにその流量が調整されている。
【0036】
また、冷却水流路12の冷却水から熱回収水流路16の熱回収水に熱を伝える熱交換器13が、冷却水流路12及び熱回収水流路16の途中に設けられている。これにより、燃料電池11で発生し冷却水により回収された熱は、熱交換器13を介して熱回収水流路16を流れる熱回収水へ移動し熱回収水が昇温される。
【0037】
さらに、熱回収水流路16の熱交換器13より下流側に電気ヒータ14が配設されている。貯湯タンク15の下部流出口15aから取り出された熱回収水は、熱交換器13を通して冷却水12の熱(燃料電池11の排熱)を受け取って昇温され、さらに電気ヒータ14の作動中には電気ヒータ14によって昇温された後、貯湯タンク15の上部流入口15bから貯湯タンク15へ戻される。このようにして、熱回収水が循環され、貯湯タンク15内の熱回収水は下側から上側になるにつれて温度が高くなっている。
【0038】
また、本実施の形態の発電装置100には、発電機101とDC/AC変換器103と開閉器104と余剰電力消費器107とを制御する制御器111が備えられている。
【0039】
さらに、発電機101とDC/DC変換器102との間に、発電機101の発電電力を計測する直流電力計112が設けられ、直流電力計112により計測した発電電力値は制御器111へ入力される。
【0040】
また、開閉器104と負荷106との間の交流電路116に、交流電流計113及び交流電圧計114が配設され、それらの計測値に基づいて系統電源120の停電及び復電を検知し、その検知信号を制御器111へ出力する停電/復電判定器109が備えられている。また、受電点105より系統電源120側の交流電路117に交流電流計115が配設され、その計測値に基づいて逆潮流の発生を検知し、その検知信号を制御器111へ出力する逆潮流判定器110が備えられている。
【0041】
落雷等の影響によって系統電源120が停電(系統電源120による電力供給が停止)したときには、DC/AC変換器103から負荷106へ瞬間的に異常電流が流れて、交流電路116の電流値及び電圧値が上昇する。
【0042】
停電/復電判定器109では、例えば交流電流計113の計測値(瞬時値)が所定の閾値It1以上であるか否かによって、系統電源120が停電したか否かを判定し、交流電流計113の計測値が所定の閾値It1以上であるときに停電したことを判定し停電検知信号を制御器111へ出力する。この場合、停電/復電判定器109及び交流電流計113によって停電検知器が構成されている。
【0043】
また、後述するが、停電が検知されると開閉器104は開いた状態となり、交流電路116,117へは電力供給がなくなり、交流電路116,117の電圧値が0になる。この状態で、系統電源120が復電(系統電源120による電力供給が再開)したときには、交流電路116,117の電圧値が上昇する。
【0044】
停電/復電判定器109では、交流電圧計114の計測値(実効値)が所定の閾値Vt1以上であるか否かによって、系統電源120が復電したか否かを判定し、交流電圧計114の計測値が所定の閾値Vt1以上であるときに復電したことを判定し復電検知信号を制御器111へ出力する。この場合、停電/復電判定器109及び交流電圧計114によって復電検知器が構成されている。
【0045】
なお、停電検知器が、停電/復電判定器109及び交流電圧計114によって構成されてもよい。この場合、停電/復電判定器109では、交流電圧計114の計測値(実効値)が所定の閾値Vt2以上であるか否かによって、系統電源120が停電したか否かを判定するように構成され、交流電圧計114の計測値が所定の閾値Vt2以上であるときに停電したことを判定し停電検知信号を制御器111へ出力する。
【0046】
また、停電検知器が、停電/復電判定器109、交流電流計113及び交流電圧計114によって構成されてもよい。この場合、停電/復電判定器109では、交流電流計113の計測値(瞬時値)が所定の閾値It1以上であり、かつ交流電圧計114の計測値(実効値)が所定の閾値Vt2以上であるときに、系統電源120が停電したと判定し、それ以外のときは停電していないと判定するように構成される。系統電源120が停電したと判定したときには停電検知信号を制御器111へ出力する。
【0047】
また、負荷106は例えば複数の電気機器からなり、いずれかの電気機器の運転を停止したときに、負荷106全体の消費電力がDC/AC変換器103の出力電力よりも小さくなると、負荷106で消費されない余剰の電力が系統電源120側の交流電路117へ流出する(すなわち、逆潮流が発生する)。
【0048】
逆潮流判定器110では、交流電流計115によって計測される、受電点105から系統電源120の方向へ流れる電流(逆方向電流)の計測値(実効値)が所定の閾値It2以上であるか否かによって、逆潮流が発生したか否かを判定するともに、逆潮流が発生したと判定した場合には、逆方向電流の計測値を電力値(逆潮流電力値)に換算する。したがって、逆潮流判定器110は、逆方向電流の計測値が所定の閾値It2以上であるときには逆潮流が発生したと判定し、逆潮流検知信号及び逆潮流電力値を制御器111へ出力する。この場合、逆潮流判定器110及び交流電流計115によって逆潮流検知器が構成されている。
【0049】
なお、逆潮流判定器110において、交流電流計115によって計測される逆方向電流の計測値を電力値(逆潮流電力値)に換算し、その電力値が所定の閾値Pt以上であるか否かによって、逆潮流が発生したか否かを判定するように構成してもよい。この場合、換算した電力値が所定の閾値Pt以上であるときに逆潮流が発生したと判定し、逆潮流検知信号及び逆潮流電力値を制御器111へ出力する。
【0050】
以下、停電、復電及び逆潮流の発生を判定する場合の各閾値の一例について説明する。
【0051】
一般的な商用電源では、単相3線式によって100V及び/または200Vの交流電圧によって負荷へ電力供給が行われるが、ここでは説明を簡単にするため、系統電源120からは200Vの交流電圧のみによって電力供給が行われるものとする。また、発電装置100の定格電力を例えば1000W(定格電圧200V,定格電流5A)とし、定格運転が行われるものとする。この場合、例えば、発電機101の出力はDC20V,50Aであり、DC/DC変換器102の出力はDC400V,2.5Aであり、DC/AC変換器103の出力はAC200V,5Aである。
【0052】
したがって、通常動作時(停電及び逆潮流が発生していない時)には、系統電源120からは200Vの電圧によって負荷106へ電力が供給され、DC/AC変換器103から負荷106へは1000W(200V,5A)の電力が供給されている。
【0053】
ここで、停電/復電判定器109において、交流電流計113の計測値(瞬時値)を用いて停電したか否かを判定する場合、例えば、通常動作時の電流値(瞬時値)の最大値の約2倍である15Aを閾値It1とする。また、交流電圧計114の計測値(実効値)を用いて停電したか否かを判定する場合、例えば、通常動作時の電圧値(実効値)の110%である220Vを閾値Vt1とする。
【0054】
また、停電/復電判定器109において、交流電圧計114の計測値(実効値)を用いて復電したか否かを判定する場合、例えば、通常動作時の電圧値(実効値)の80%である160Vを閾値Vt2とする。
【0055】
また、逆潮流判定器110において、交流電流計115によって計測される、逆方向電流の計測値(実効値)を用いて逆潮流が発生したか否かを判定する場合、例えば、通常動作時のDC/AC変換器103の出力電流値(5A)の5%である0.25Aを閾値It2とする。また、逆方向電流の計測値から換算した電力値を用いて逆潮流が発生したか否かを判定する場合、例えば、通常動作時のDC/AC変換器103の出力電力値(1000W)の5%である50Wを閾値Ptとする。
【0056】
上記の制御器111は、例えば、単一のマイコンあるいは複数のマイコンによって構成されている。また、制御器111と停電/復電判定器109と逆潮流判定器110とを、単一のマイコンあるいは複数のマイコンによって構成してもよい。
【0057】
以上のように構成された発電装置について、以下にその動作を説明する。
【0058】
通常動作時には、開閉器104は閉じられた状態であり、余剰電力消費器107は停止状態(消費電力が0の状態)である。発電機101が発電した直流電力は、DC/DC変換器102に入力され、所定電圧に制御されて出力される。DC/DC変換器102の出力電力の100%がDC/AC変換器103に入力されて交流電力に変換され、その交流電力は、開閉器104を経て、系統電源120と連系して負荷106に供給される。
【0059】
次に、前述の通常動作が行われているときに、例えば落雷等の影響によって系統電源120からの電力供給が停止した場合、すなわち系統電源120が停電した場合の動作について説明する。
【0060】
図3は、系統電源120が停電した場合の制御器111の制御動作を示すフローチャートである。
【0061】
また、図4は、停電発生後、所定時間内に復電した場合の発電機101の出力電力値(発電電力値)、DC/AC変換器103の出力電力値(変換電力値)、及び余剰電力消費器107の消費電力値の経時変化を示すタイムチャートである。また、図5は、停電発生後、所定時間内に復電しなかった場合の発電機101の発電電力値、DC/AC変換器103の変換電力値、及び余剰電力消費器107の消費電力値の経時変化を示すタイムチャートである。
【0062】
まず、予め、制御器111によって、発電機101の発電電力目標値Pt1がP1に、DC/AC変換器103の変換電力目標値Pt2がP1に、余剰電力消費器107の消費電力目標値Pt3が0に設定されており、これにより、前述の通常動作が行われているものとする。
【0063】
そして、ステップ201において、制御器111は、停電/復電判定器109から停電検知信号が入力されると、ステップ202へ進む。
【0064】
ステップ202では、制御器111は、余剰電力消費器107とDC/AC変換器103への発電電力の配分を決定する。この場合、系統電源120が停電しているので、DC/AC変換器103への入力電力を0にして、すべての発電電力を余剰電力消費器107に入力するように配分する。このため、DC/AC変換器103の変換電力目標値Pt2を0に、余剰電力消費器107の消費電力目標値Pt3をP1に決定するとともに、DC/AC変換器103をゲートブロックさせることを決定する。
【0065】
次にステップ203では、制御器111は、DC/AC変換器103へ変換電力目標値Pt2(=0)とゲートブロック指令を出力し、かつ、開閉器104を開かせて系統から本発電装置を切り離す。ここで、DC/AC変換器103では、ゲートブロック指令に応答して、ゲートブロック機能を働かせて電力変換動作を停止し、変換電力目標値Pt2を0にする。
【0066】
続いて、ステップ204では、制御器111は、余剰電力消費器107へ消費電力目標値Pt3(=P1)を出力する。これに応答して、余剰電力消費器107ではその消費電力が消費電力目標値Pt3(=P1)になるよう直流負荷(電気ヒータ14)を制御する。
【0067】
ステップ203と204は、並列に実行するのが理想的であるが、その実行順序を入れ替えても構わない。
【0068】
この結果、発電機101の発電電力値、DC/AC変換器103の変換電力値及び余剰電力消費器107の消費電力値は、図4の時刻t1〜t2に示すように推移し、発電電力の全てが余剰電力消費器107によって消費される。
【0069】
次にステップ205では、制御器111は、停電/復電判定器109から停電検知信号が入力されたときから、所定時間(T1)以内に停電/復電判定器109から復電検知信号が入力されるか否かを判定し、所定時間(T1)以内に復電検知信号が入力された場合は、ステップ206へ進み、入力されなかった場合は、ステップ209へ進む。
【0070】
ステップ206では、制御器111は、DC/AC変換器103と余剰電力消費器107とへの直流電力の再配分を実施し、それぞれの最終目標電力値を決定する。ここでは、停電前の状態に戻すため、Pt2=P1、Pt3=0に配分を決定する。
【0071】
次に、ステップ207では、制御器111は、DC/AC変換器103へゲートブロック解除指令を出力し、かつ、開閉器104を閉じさせて本発電装置を系統と再連系させる。
【0072】
続いて、ステップ208では、制御器111は、DC/AC変換器103へ変換電力目標値Pt2を0から最終目標電力値(P1)まで徐々に増加させながら一定時間間隔(例えば0.01秒間隔)で出力するとともに、余剰電力消費器107へ消費電力目標値Pt3をP1から最終目標電力値(0)まで徐々に減少させながら一定時間間隔(例えば0.01秒間隔)で出力する。
【0073】
DC/AC変換器103では、ステップ207によるゲートブロック解除指令に応答して、ゲートブロック機能を停止して電力変換動作を再開し、その変換電力がステップ208により順次入力される変換電力目標値Pt2になるように動作する。また、余剰電力消費器107では、その消費電力がステップ208により順次入力される消費電力目標値Pt3になるよう直流負荷(電気ヒータ14)を制御する。
【0074】
このステップ208において、制御器111は、変換電力目標値Pt2を0から例えば300W/秒の割合で増加させながら例えば0.01秒間隔でDC/AC変換器103へ出力し、それとタイミングを合わせて、例えば、消費電力目標値Pt3をP1から例えば300W/秒の割合で減少させながら例えば0.01秒間隔で余剰電力消費器107へ出力する。このように、DC/AC変換器103の変換電力目標値Pt2の単位時間当たりの増加量と、余剰電力消費器107の消費電力目標値Pt3の単位時間当たりの減少量とを等しくする。
【0075】
このステップ207〜208における処理の結果、図4の時刻t2〜t3に示すように、DC/AC変換器103の変換電力値は、0からP1まで時間経過に応じて増加し、それとは逆に余剰電力消費器107の消費電力値は、P1から0まで時間経過に応じて減少する。
【0076】
上記のステップ205において、所定時間(T1)以内に復電検知信号が入力されなかった場合は、ステップ209〜211へ進み、制御器111は、発電機101、DC/AC変換器103及び余剰電力消費器107のそれぞれに対し停止指令を出力する。
【0077】
発電機101、DC/AC変換器103及び余剰電力消費器107では、それぞれ停止指令に応答して動作を停止するための停止処理を実行する。ここで、燃料電池からなる発電機101では、停止処理を始めると、その出力が、即座に0Wになるのではなく、所定の傾きをもって減少し0Wになる。ステップ211では、制御器111は、停止処理によって減少する発電機101の発電電力と余剰電力消費器107での消費電力とが等しくなるように、直流電力計112により計測される発電電力値に基づいて消費電力目標値Pt3を一定時間間隔(例えば0.01秒間隔)で設定し、余剰電力消費器107へ出力する。そして、値が0の消費電力目標値Pt3を余剰電力消費器107へ出力した後、余剰電力消費器107への停止指令を出力する。
【0078】
このステップ209〜211における処理の結果、図5の時刻t12〜t13に示すように、発電機101の発電電力値の減少にともなって余剰電力消費器107の消費電力値も減少する。
【0079】
図4及び図5に示すように、停電検知後、少なくとも所定時間T1経過するまでの間は、発電機101は停電を検知する直前の発電電力を維持しているため、所定時間T1以内(例えば5秒以内)の短時間の停電の場合には、速やかに再連系を行うことができる。また、この短時間の停電の場合には、発電電力を低下させることなく一定に維持しているので、燃料電池からなる発電機101に発電電力を低下させることによるストレスを与えることもなく、また発電機101の制御が複雑になることもない。所定時間T1は、任意に設定でき、例えば、5.0秒に設定する。
【0080】
また、停電検知後、所定時間T1以内に復電した場合には、DC/AC変換器103の変換電力値を0から徐々に増加させるようにしているので、DC/AC変換器103から過電流が出力されるのを防止し、この過電流による逆潮流の発生を防止することができる。
【0081】
次に、前述の通常動作が行われているときに、発電装置100から系統電源120側へ電力が流出する逆潮流が発生した場合の動作について説明する。
【0082】
図6は、逆潮流が発生した場合の制御器111の制御動作を示すフローチャートである。
【0083】
また、図7は、逆潮流が発生した場合の発電機101の発電電力値、DC/AC変換器103の変換電力値、及び余剰電力消費器107の消費電力値の経時変化を示すタイムチャートである。
【0084】
まず、予め、制御器111によって、発電機101の発電電力目標値Pt1がP1に、DC/AC変換器103の変換電力目標値Pt2がP1に、余剰電力消費器107の消費電力目標値Pt3が0に設定されており、これにより、前述の通常動作が行われているものとする。
【0085】
そして、ステップ501において、制御器111は、逆潮流判定器110から逆潮流検知信号及び逆潮流電力値(Pr)が入力されると、ステップ502へ進む。
【0086】
ステップ502では、制御器111は、余剰電力消費器107とDC/AC変換器103への発電電力の配分を決定する。この場合、逆潮流分の電力(Pr)を余剰電力消費器107に入力するように配分する。このため、制御器111では、DC/AC変換器103の変換電力目標値Pt2をP1−Prに、余剰電力消費器107の消費電力目標値Pt3をPrに決定する。なお、ここでは、Pt2+Pt3が、Pt1(=P1)となるように分配したが、予め定められた許容範囲内の値となるようにしてもよい。例えば、Pt2+Pt3が、Pt1以下で、かつ、Pt1×0.95以上の範囲内の値となるようにしてもよい。
【0087】
次にステップ503では、制御器111は、DC/AC変換器103へ変換電力目標値Pt2を出力する。これに応答して、DC/AC変換器103では、その変換電力が変換電力目標値Pt2(=P1−Pr)になるように動作する。
【0088】
続いて、ステップ504では、制御器111は、余剰電力消費器107へ消費電力目標値Pt3を出力する。これに応答して、余剰電力消費器107ではその消費電力が消費電力目標値Pt3(=Pr)になるよう直流負荷(電気ヒータ14)を制御する。
【0089】
ステップ503と504は、並列に実行するのが理想的であるが、その実行順序を入れ替えても構わない。
【0090】
この結果、発電機101の発電電力値、DC/AC変換器103の変換電力値及び余剰電力消費器107の消費電力値は、図7の時刻t21〜t22に示すように推移し、逆潮流分の電力(Pr)が余剰電力消費器107によって消費され、その分、DC/AC変換器103の変換電力が減少し、逆潮流が解消される。
【0091】
次にステップ505では、制御器111は、逆潮流判定器110から逆潮流検知信号が入力されたときから、所定時間(T2)が経過したか否かを判定し、所定時間(T2)が経過するとステップ506へ進む。
【0092】
ステップ506では、制御器111は、発電機101に上記の逆潮流分の電力(Pr)分発電電力を減少させるために、発電電力目標値Pt1をP1−Prとして発電電力低下指令を発電機101へ出力する。
【0093】
続いて、ステップ507では、制御器111は、余剰電力消費器107へ停止指令を出力する。
【0094】
発電機101では、ステップ506の発電電力低下指令に応答して発電電力が発電電力目標値Pt1(=P1−Pr)となるようにして発電電力低下処理を実行する。ここで、燃料電池からなる発電機101では、発電電力低下処理を始めると、その出力が、即座に発電電力目標値Pt1になるのではなく、所定の傾きをもって減少する。ステップ507では、制御器111は、発電電力低下処理によって減少する発電機101の発電電力の減少量と余剰電力消費器107の消費電力の減少量とが等しくなるように、直流電力計112により計測される発電電力値に基づいて消費電力目標値Pt3を一定時間間隔(例えば0.01秒間隔)で設定し、余剰電力消費器107へ出力する。そして、値が0の消費電力目標値Pt3を余剰電力消費器107へ出力した後、余剰電力消費器107への停止指令を出力する。
【0095】
このステップ506〜507における処理の結果、図7の時刻t22〜t23に示すように、発電機101の発電電力値の減少にともなって余剰電力消費器107の消費電力値も減少する。
【0096】
図7に示すように、逆潮流分の電力を余剰電力消費器107によって消費させることにより、逆潮流検知後、速やかに(例えば0.5秒以内に)逆潮流を解消することができる。また、逆潮流検知後、所定時間T2が経過後に、発電機101の発電電力を逆潮流分減少させることにより、本来消費されるべき負荷106で消費されない余剰分の電力(逆潮流分の電力)の非経済的な発電を抑制することができる。所定時間T2は、任意に設定でき、例えば、10分に設定する。
【0097】
本実施の形態では、余剰電力消費器107をDC/AC変換器103とともに、出力電圧が所定電圧に制御されているDC/DC変換器102の出力に接続しているため、出力電圧が不安定である発電機101の出力に余剰電力消費器107を接続した場合に比べて、例えば図4の時刻t2〜t3における図3のステップ208の処理、図7の時刻t21〜t22における図6のステップ503,504の処理において、電力を余剰電力消費器107とDC/AC変換器103とへ分配するための制御が簡単になり、制御器111を構成するマイコンのプログラム開発負荷及びマイコンの処理負荷を軽減することができる。例えば燃料電池からなる発電機101の出力電圧は不安定であり、このように出力電圧が不安定な発電機101の出力電力を分配しようとすれば多大な負荷が伴うが、本実施の形態では、出力電圧が安定しているDC/DC変換器102の出力電力を余剰電力消費器107とDC/AC変換器103とへ分配するように構成しているため、DC/DC変換器102の出力電圧を一定値とし、余剰電力消費器107の通電電流値及びDC/AC変換器103の通電電流値の制御によって電力を分配することができる。そのため、制御器111では、DC/AC変換器103の変換電力目標値Pt2及び余剰電力消費器107の消費電力目標値Pt3を、DC/DC変換器102の出力電圧を所定の一定値としてそれぞれの通電電流の目標値に換算し、その値によってDC/AC変換器103及び余剰電力消費器107を制御することができる。DC/AC変換器103及び余剰電力消費器107においてそれぞれの通電電流の目標値になるように通電電流が制御されることにより、所望とする電力の分配を行うことができる。したがって、電力分配を行うためのマイコン(制御器111)のプログラム開発負荷を軽減できるとともに、マイコンのCPU処理負荷を軽減できる。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明にかかる発電装置は、系統電源が短時間の停電の場合に、燃料電池等からなる発電機にストレスを与えることなく、またその制御を複雑にすることなく、復電時に速やかに再連系を行うことができる発電装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の実施の形態の発電装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態における発電機、余剰電力消費器及び蓄熱器の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態において系統電源が停電した場合の制御器の制御動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態において系統電源が停電した後、所定時間内に復電した場合の発電機の発電電力値、DC/AC変換器の変換電力値、及び余剰電力消費器の消費電力値の経時変化を示すタイムチャートである。
【図5】本発明の実施の形態において系統電源が停電した後、所定時間内に復電しなかった場合の発電機の発電電力値、DC/AC変換器の変換電力値、及び余剰電力消費器の消費電力値の経時変化を示すタイムチャートである。
【図6】本発明の実施の形態において逆潮流が発生した場合の制御器の制御動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態において逆潮流が発生した場合の発電機の発電電力値、DC/AC変換器の変換電力値、及び余剰電力消費器の消費電力値の経時変化を示すタイムチャートである。
【図8】従来の発電装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0100】
101 発電機
102 DC/DC変換器
103 DC/AC変換器
104 開閉器
105 受電点
106 負荷
107 余剰電力消費器
108 蓄熱器
109 停電/復電判定器
110 逆潮流判定器
111 制御器
112 直流電力計
113 交流電流計
114 交流電圧計
115 交流電流計
116、117 交流電路
120 系統電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
系統電源と連系して負荷に交流電力を供給する発電装置であって、
直流電力を発生する発電機と、
前記発電機が発生する直流電力を直流電力に変換して出力するDC/DC変換器と、
前記DC/DC変換器の出力する直流電力を交流電力に変換して前記負荷へ出力するDC/AC変換器と、
前記系統電源が停電したことを検知する停電検知器と、
前記系統電源が復電したことを検知する復電検知器と、
前記発電機が発生する直流電力を消費可能な余剰電力消費器と、
制御器とを備え、
前記制御器は、
前記停電検知器が前記系統電源の停電を検知すると、前記余剰電力消費器に対し電力消費を開始させるとともに、前記DC/AC変換器の変換動作を停止させるよう制御し、
前記停電検知器が前記系統電源の停電を検知してから第1の所定時間以内に前記復電検知器が前記系統電源の復電を検知すると、前記余剰電力消費器への供給電力を時間経過に応じて減少させるとともに、前記DC/AC変換器の変換動作を再開させ前記DC/AC変換器の変換電力を時間経過に応じて増加させるよう制御する発電装置。
【請求項2】
前記制御器は、前記復電検知器が前記系統電源の復電を検知すると、時間経過に応じて減少させる前記余剰電力消費器の消費電力の減少量と、時間経過に応じて増加させる前記DC/AC変換器の変換電力の増加量とが等しくなるよう制御する請求項1記載の発電装置。
【請求項3】
前記制御器は、前記停電検知器が前記系統電源の停電を検知してから前記第1の所定時間以内に前記復電検知器が前記系統電源の復電を検知しなかったときに、発電電力を減少させて零にするよう前記発電機を制御するとともに、前記発電機の発電電力の減少に対応して前記余剰電力消費器の消費電力を減少させるよう制御する請求項1記載の発電装置。
【請求項4】
前記余剰電力消費器及び前記DC/AC変換器は、前記DC/DC変換器の出力する直流電力が入力されるように接続された請求項1記載の発電装置。
【請求項5】
前記DC/AC変換器と前記負荷との間の電路に挿入された開閉器を備え、
前記制御器は、前記停電検知器が前記系統電源の停電を検知すると前記開閉器を開き、前記復電検知器が前記系統電源の復電を検知すると前記開閉器を閉じるよう制御する請求項1記載の発電装置。
【請求項6】
前記停電検知器は、
前記DC/AC変換器と前記負荷との間の電路に設けられた第1の電流検出器及び/または電圧検出器を有し、
前記第1の電流検出器で検出される電流値及び/または前記電圧検出器で検出される電圧値に基づいて前記系統電源が停電したことを検知する請求項1記載の発電装置。
【請求項7】
前記復電検知器は、
前記DC/AC変換器と前記負荷との間の電路に設けられた電圧検出器を有し、
前記電圧検出器で検出される電圧値に基づいて前記系統電源が復電したことを検知する請求項1記載の発電装置。
【請求項8】
前記発電装置から前記系統電源の方向へ電流が流れる状態である逆潮流を検知する逆潮流検知器を備え、
前記制御器は、前記逆潮流検知器が逆潮流を検知すると、前記余剰電力消費器に対し前記負荷で消費されない余剰分の電力を消費するよう制御する請求項1記載の発電装置。
【請求項9】
前記制御器は、前記逆潮流検知器が逆潮流を検知してから第2の所定時間を経過すると、前記余剰分の電力に相当する分の発電電力を減少させるように前記発電機を制御するとともに、前記発電機の発電電力の減少に対応して前記余剰電力消費器の消費電力を減少させるよう制御する請求項8記載の発電装置。
【請求項10】
前記逆潮流検知器は、
前記負荷よりも前記系統電源側の電路に設けられた第2の電流検出器を有し、
前記第2の電流検出器で検出される電流値に基づいて逆潮流を検知する請求項8記載の発電装置。
【請求項11】
前記発電機の排熱を回収した熱媒体を貯える蓄熱器を備え、
前記余剰電力消費器が前記熱媒体を加熱する電気ヒータを有する請求項1記載の発電装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2008−92767(P2008−92767A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−274034(P2006−274034)
【出願日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】