説明

皮膚加齢の徴候を処置するための少なくとも1種のカロチノイドと少なくとも1種のイソフラボノイドの組合せ物の使用

【課題】コラーゲンの合成を増大し、コラゲナーゼの活性化及び/又は発現を阻害することにより、皮膚加齢の徴候、特に皮膚及び/又は粘膜の劣化を処置するための薬剤の提供。
【解決手段】少なくとも1種のカロチノイドと少なくとも1種のイソフラボノイドの組合せ物からなる薬剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1種のカロチノイドと少なくとも1種のイソフラボノイドの組合せ物の、組成物における又は組成物の調製における使用であって、該組合せ物又は該組成物が、コラゲナーゼの活性化及び/又は発現を阻害し、コラーゲンの合成を増大させることにより、皮膚加齢の徴候、特に皮膚及び/又は粘膜の劣化を治療することを意図している使用に関する。
また本発明の主題は、皮膚及び/又は粘膜の美容処理方法にもある。
【背景技術】
【0002】
一般的に哺乳動物、特にヒトにおいて、皮膚は2つの区画、すなわち、外部に接触する区画である表皮と、表皮に対する支持体となる深層区画である真皮とからなる。
表皮は主として3種類の細胞、すなわち大部分を占めるケラチノサイト、メラノサイト及びランゲルハンス細胞からなる。これらの細胞型のそれぞれが、その特定の機能により、皮膚が身体において担う必須の役割に寄与している。
【0003】
真皮は表皮に対して堅牢な支持部を提供している。また表皮の栄養供給成分でもある。真皮は、主として線維芽細胞と細胞外マトリックスとからなり、細胞外マトリックス自体は、主にコラーゲン、エラスチン、及び基底物質と称される物質から構成され、これら成分は線維芽細胞によって合成される。さらに、白血球、肥満細胞又は組織マクロファージも存在している。また、真皮には血管と神経線維が横断している。正常な皮膚、すなわち病気や創傷治癒のない皮膚では、線維芽細胞は静止状態にあり、すなわち非増殖状態で、代謝の観点からほとんど活性ではなく、動かない。
【0004】
膠原線維は、真皮の堅牢性の主たる要因である。これらの線維は互いに強固に結合した原繊維からなり、よって10以上の異なった種類の構造を形成している。真皮の堅牢性は、主に、全ての方向に互いに対向して密に束ねられた膠原繊維の絡み合いによる。また膠原線維は皮膚及び/又は粘膜の弾力性、特に張りに寄与する。
【0005】
膠原線維は絶えず再生されているが、この再生は年齢と共に減少し、真皮の厚みが低減する原因となっている。この真皮の厚みの減少は、病理学的原因、例えばコルチコイドホルモンの分泌過多、ある種の病理又はビタミン欠乏症による場合もある。また、外因性要因、例えば紫外線、タバコ又はある種の処理(例えば、グルココルチコイド、ビタミンD及びその誘導体)が、皮膚及びそのコラーゲンレベルにまた影響を及ぼすことも認識されている。
しかしながら、様々な要因がコラーゲン(膠原線維)分解の原因となり、皮膚及び/又は粘膜の構造及び/又は堅さ(firmness)について考えられるあらゆる結果を伴う。
【0006】
膠原線維は非常に耐性があるが、コラゲナーゼと称されるある種の酵素に敏感である。膠原線維の分解は、たるみやシワのある皮膚の外観になる原因であり、特に滑らかで引き締まった皮膚の外観であることを好む人々は常にこれらに抵抗しようとしてきた。
コラゲナーゼは、それ自体タンパク質分解酵素(エンドプロテアーゼ)ファミリーのメンバーであり、その活性部位に3つのシステイン残基と1つのメチオニンに配位した亜鉛原子を有し、中性のpHで基底層及び細胞外マトリックスの巨大分子成分(コラーゲン、エラスチン等)を分解する、メタロプロテイナーゼ(MMPs)と呼ばれる酵素ファミリーの一部を形成する。これらの酵素は生物界に非常に広く分布しており、正常な生理学的状態、例えば器官の成長及び組織の再生中に存在するが、微弱な発現しかしない。
しかしながら、それらの過剰発現と活性化は、マトリックスの破壊及び再構築を含む多くのプロセス、場合よっては病理的プロセスに関与している。このことは、細胞外マトリックスの吸収が調節できないか、また逆に、線維症状態が生じる原因となる。
【0007】
メタロプロテイナーゼファミリーは、基質特異性及び構造の点の類似性に基づく、いくつかの明確に定まった群からなる(Woessner J.F.、Faseb Journal、第5巻、1991、2145頁を参照)。これらの群としては、原線維コラーゲンの分解のためのコラゲナーゼ(MMP−1すなわち間質コラゲナーゼ、MMP−8すなわち好中球コラゲナーゼ、MMP−13すなわちコラゲナーゼ3)、タイプIVのコラーゲン又は任意の形態の変性コラーゲンを分解するゼラチナーゼ[MMP−2すなわちゼラチナーゼA(72kDa)、MMP−9すなわちゼラチナーゼB(92kDa)]、広範囲の活性スペクトルが細胞外マトリックスのタンパク質、例えば糖タンパク質(フィブロネクチン、ラミニン)、プロテオグリカン等に影響を及ぼすストロメラインシ(MMP−3)、あるいは膜型メタロプロテイナーゼを挙げることができる。
長期にわたって紫外線、特にUVA及び/又はUVBにさらされると、コラゲナーゼ、特にMMP−1の発現が刺激されるという影響が出てくる。これは、光誘発皮膚加齢の要素の1つである。
【0008】
さらに、更年期における真皮に関する主な変化は、コラーゲンレベルと真皮の厚みが減少することである。これは、更年期の女性において皮膚及び/又は粘膜の厚みが減少する原因である。しかして、女性は、「乾燥肌」になったり、皮膚に突張感を感じたり、表面のシワが目立ってきたり、またコジワが見られるようになるという経験をする。皮膚は触ると荒れた状態を呈するようになる。最後に、皮膚の柔軟性の低下も見られるようになる。
【0009】
しかして、上記の説明を読むと、組織構造、特に皮膚及び/又は粘膜におけるコラーゲンの重要性と、コラーゲンの分解に抗し、よって年齢的又は光誘発性であるかにかかわらず、皮膚加齢の徴候及びその結果、例えば、たるみ及びシワのある皮膚の出現の原因となる真皮の厚みの低減化、及び/又は膠原線維の分解を制御することの重要性を理解することができる。
【0010】
皮膚加齢の徴候なる表現は、シワ及びコジワ、衰えた皮膚(withered skin)、たるんだ皮膚(soft skin)、厚みが低減した皮膚、くすんだ皮膚(dull skin)及び輝きのない皮膚、皮膚の弾性及び/又は緊張(tone)の喪失等の、年齢的及び/又は光誘発性にかかわらず、加齢による皮膚の外観におけるあらゆる変化ばかりでなく、真皮の厚みが低減するという結果になる、紫外線にさらされた後の皮膚、特に膠原線維に対するあらゆる内部ダメージ等の、組織的には変化した外観になるものではない、あらゆる皮膚の内部的変化も意味するものと理解される。
【特許文献1】特表2000−511907号公報
【特許文献2】特表平10−510803号公報
【特許文献3】国際公開第98/55075号パンフレット
【特許文献4】特開2000−86489号公報
【特許文献5】特開2000−229827号公報
【特許文献6】特開平11−35444号公報
【特許文献7】特開平8−225428号公報
【特許文献8】特開2000−159656号公報
【特許文献9】国際公開第98/56373号パンフレット
【特許文献10】国際公開第99/47118号パンフレット
【特許文献11】国際公開第99/48386号パンフレット
【特許文献12】特開平11−246333号公報
【特許文献13】特開平11−246332号公報
【特許文献14】特開平11−246328号公報
【特許文献15】国際公開第99/32078号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
よって本発明の目的の一つは、一般に哺乳動物、特にヒトにおいて、年齢的又は光誘発性にかかわらず、皮膚加齢の徴候、特に真皮の厚みの低減及び/又は膠原線維の分解を、コラーゲンの合成への刺激効果、及び/又はコラゲナーゼへの阻害効果により、さらに可能であれば目立つ副作用を伴わないで、予防的又は治癒的に処置可能な生成物を入手可能とすることである。
驚くべきことに、本出願人は、少なくとも1種のカロチノイドと少なくとも1種のイソフラボノイドの組合せ物により、年齢的又は光誘発性にかかわらず、皮膚加齢の徴候、特に真皮の厚みの低減化及び/又は膠原線維の分解を、コラーゲンの合成への刺激効果、及び/又はコラゲナーゼへの阻害効果により予防的及び/又は治癒的に処置可能であることを見出した。
【0012】
本発明の組合せ物の顕著な特性の一つは、これらの成分のそれぞれにより別個に得られる効果を単純に合計したものから合理的に予測されるよりも、高い割合の効果を有することである。
この特性の利点の一つは、本発明の組成物において、一般的な使用許容量より少ない量で各生成物を使用できることである。
本出願人の知る限り、少なくとも1種のカロチノイドと少なくとも1種のイソフラボノイドの組合せ物により、コラーゲンの合成が刺激活性化され、コラゲナーゼの発現及び/又は活性化が阻害されることについては、今だ何ら記載されていない。
【課題を解決するための手段】
【0013】
従って、本発明の第1の主題は、少なくとも1種のカロチノイドと少なくとも1種のイソフラボノイドの組合せ物の、組成物における又は組成物の調製における使用であって、該組合せ物又は該組成物が皮膚加齢の徴候の治療を意図したものにある。
また本発明の第2の主題は、少なくとも1種のカロチノイドと少なくとも1種のイソフラボノイドの組合せ物の、組成物における又は組成物の調製における使用であって、該組合せ物又は該組成物がコラーゲンの分解に抗することを意図したものにある。
さらに本発明の第3の主題は、少なくとも1種のカロチノイドと少なくとも1種のイソフラボノイドの組合せ物の、組成物における又は組成物の調製における使用であって、該組合せ物又は該組成物が細胞外マトリックスのプロテアーゼ、特にメタロプロテイナーゼ、さらにはメタロプロテイナーゼ1型の発現の阻害を意図したものにある。
【0014】
本発明の第4の主題は、少なくとも1種のカロチノイドと少なくとも1種のイソフラボノイドの組合せ物の、組成物における又は組成物の調製における使用であって、該組合せ物又は該組成物が、加齢に関連した皮膚状態、特に更年期における皮膚状態の処置を意図したものにある。
本発明の第5の主題は、少なくとも1種のカロチノイドと少なくとも1種のイソフラボノイドの組合せ物の、組成物における又は組成物の調製における使用であって、該組合せ物又は該組成物が、シワ及びコジワに抗することを意図したものにある。
さらに本発明の第6の主題は、少なくとも1種のカロチノイドと少なくとも1種のイソフラボノイドの組合せ物の、組成物における又は組成物の調製における使用であって、該組合せ物又は該組成物が、衰えた皮膚に抗することを意図したものにある。
【0015】
本発明の第7の主題は、少なくとも1種のカロチノイドと少なくとも1種のイソフラボノイドの組合せ物の、組成物における又は組成物の調製における使用であって、該組合せ物又は該組成物が、たるんだ皮膚に抗することを意図したものにある。
本発明の第8の主題は、少なくとも1種のカロチノイドと少なくとも1種のイソフラボノイドの組合せ物の、組成物における又は組成物の調製における使用であって、該組合せ物又は該組成物が、厚みが低減した皮膚に抗することを意図したものにある。
【0016】
また本発明の第9の主題は、少なくとも1種のカロチノイドと少なくとも1種のイソフラボノイドの組合せ物の、組成物における又は組成物の調製における使用であって、該組合せ物又は該組成物が、くすんだ皮膚又は輝きのない皮膚に抗することを意図したものにある。
さらに本発明の第10の主題は、少なくとも1種のカロチノイドと少なくとも1種のイソフラボノイドの組合せ物の、組成物における又は組成物の調製における使用であって、該組合せ物又は該組成物が、皮膚の弾性及び/又は緊張の喪失に抗することを意図したものにある。
本発明において考慮される使用が何であれ、目的とする状態は予防的及び/又は治癒的に処置されうる。
本発明が一般に哺乳動物、特にヒトに対するものであることは明らかである。
【0017】
本発明においてカロチノイドなる表現は、プロビタミンA活性を有するカロチノイドとプロビタミンA活性を有さないカロチノイドの双方を意味すると理解される。
もちろん、本発明において、カロチノイドは、プロビタミンA活性を有するカロチノイドとプロビタミンA活性を有さないカロチノイドの混合物であってもよい。この混合物は任意の割合とすることができる。
本発明において、プロビタミンA活性を有するカロチノイドは、プロビタミンA活性を有するカロチノイドの混合物であってもよい。この混合物は任意の割合とすることができる。プロビタミンA活性を有するカロチノイドとしては、例えばβ-カロチン又はα-カロチンを挙げることができる。
本発明において好ましくはβ-カロチンが使用される。
【0018】
本発明において、プロビタミンA活性を有さないカロチノイドは、プロビタミンA活性を有さないカロチノイドの混合物であってもよい。この混合物は任意の割合とすることができる。プロビタミンA活性を有さないカロチノイドとしては、例えばゼアキサンチン、クリプトキサンチン、ルテイン、又はリコピン、又はそれらの混合物を挙げることができる。
本発明において好ましくはリコピンが使用される。
本発明において好ましくは、プロビタミンA活性を有さないカロチノイド、さらに好ましくはリコピンが使用される。
【0019】
リコピンは熟した果実、特にトマトに見出される天然色素である。それはカロチノイドファミリーに属し、その構造はβ-カロチンのものと類似している。果実の成熟におけるリコピンの役割は、従来技術において公知である。
リコピンは、抗フリーラジカル剤(日本国特許出願公開第8-283136号)として、5α-レダクターゼ(日本国特許第2940964号)における活性から、座瘡及び/又は毛髪のトリートメントを意図した組成物、又はメラニン合成における役割からサンタン活性を有する組成物(国際公開第97/47278号)に使用されている。
リコピンはシス又はトランスの化学形態であってよい。
【0020】
本発明で使用されるカロチノイドは、天然又は合成由来のものであってよい。天然由来なる表現は、天然成分から得られる、溶液中の濃度が如何なるものでもよい溶液又は純粋な状態のカロチノイドを意味すると理解される。
本発明の好ましい実施態様においては、リコピンリッチの抽出物、例えばトマト抽出物が使用される。
合成由来なる表現は、化学合成により得られ、溶液中の濃度が如何なるものでもよい溶液又は純粋な状態のカロチノイドを意味すると理解される。
【0021】
カロチノイドが天然由来である場合、インビボ栽培された植物全体、又はインビトロ栽培物から誘導された植物材料から得たものであってもよい。
インビボ栽培なる表現は、従来からのタイプの任意の栽培、すなわち土壌、戸外又は温室での栽培、もしくは無土壌栽培を意味すると理解される。
インビトロ栽培なる表現は、人工的に植物又は植物の一部を得ることのできる、当業者に公知の全ての技術を意味すると理解される。インビトロにおける植物細胞の成長中に物理化学的条件に課せられる選択圧力により、インビボで栽培される植物とは異なり、一年中入手可能で標準化された植物材料を得ることができる。
本発明において好ましくは、インビボ栽培から得られる植物が使用される。
【0022】
当業者に公知の任意の抽出方法を、本発明で使用されるカロチノイドの調製に使用することができる。
カロチノイドはアルコール、特にエタノール溶液形態でもよい。
またカロチノイドは、脂質(油)又はリポアルコール性溶液形態でもよい。
【0023】
本発明においては例えば、6%の純粋なリコピンを含有するオレオレジン抽出物(脂肪相)からなり、メタファー社(Metaphar)から調製され、LycOMato(登録商標)の名称で市販されているリコピンリッチトマト抽出物が使用される。
また本発明においては、リコピンの生物学的利用能を改善する目的を有するリコピンを含有する任意の調製物、及び/又はリコピンの製造及び/又は製剤化及び/又はカプセル化のためのあらゆる新規な方法を使用することもできる。
【0024】
もちろん、本発明において使用可能なカロチノイドの量は所望する効果に依存し、よってかなりの程度で変わりうる。
目安を述べると、本発明の組成物において、純粋な状態のカロチノイドは、組成物の全重量に対して10−12%〜20%の量、好ましくは組成物の全重量に対して10−10%〜10%の量である。
もちろん、当業者であれば、溶液の形態のカロチノイド、例えば植物抽出物を使用する場合に、組成物中のカロチノイドの最終量が使用可能な上述した量となるように、組成物中の使用する溶液の量を如何にして調節するかは分かる。
【0025】
イソフラボノイドは、多様な置換基及び異なる酸化レベルを含み得る、3-フェニルクロマン骨格からなるフラボノイド類のサブクラスを構成する。フラボノイドとは異なり、それらは非常に限られた数の植物中にしか存在しない。
イソフラボノイドという用語は幾つかのクラスの化合物のグループであり、イソフラボン類、イソフラバノン類、レチノイド類、プテロカルパン類、イソフラバン類、イソフラバン-3-エン類、3-アリールクマリン類、3-アリール-4-ヒドロキシクマリン類、クメスタン類(coumestans)、クマロノクロモン類、α-メチルデオキシベンゾイン類又は2-アリールベンゾフラン類を挙げることができる。
この点に関し、イソフラボノイド、その分析方法及び供給源についての完全なレビューには、Flavonoids, Harbone編, pp.125-157(1988)中のP. M. Dewick,により書かれた第5章の「イソフラボノイド」を参照することができる。
【0026】
本発明での使用に適したイソフラボノイドは、天然又は合成由来であってよい。「天然由来」なる表現は、天然由来の成分、一般には植物から様々な抽出方法によって得られる、異なる濃度の溶液又は純粋な状態のイソフラボノイドを意味すると理解される。「合成由来」なる表現は、化学合成により得られる、異なる濃度の溶液又は純粋な状態のイソフラボノイドを意味すると理解される。
【0027】
天然由来のイソフラボノイドが好ましく使用される。このようなものとしては、ダイゼイン、ホルムオノネチン、クネアチン(cuneatin)、ゲニステイン、イソプルネチン及びプルネチン、カジャニン(cajanin)、オロボール(orobol)、プラテンセイン(pratensein)、サンタル(santal)、ジュニペゲニン(junipegenin)A、グリシテイン(glycitein)、アフロモシン、レツシン(retusin)、テクトリゲニン(tectorigenin)、イリソリドン(irisolidone)、ジャマイシン(jamaicin)、及びそれらの類似体及び/又は代謝産物を挙げることができる。
本発明において好ましくは、イソフラボノイドとして、イソフラボン類が使用される。より詳細には、本発明において、ダイゼイン、ゲニステイン及びそれらの混合物の最も単純なアグリコン形態のものが使用される。これら2つの化合物は、特に、ノバソイ(Novasoy)(登録商標)の名称でアーチャー-ダニエルズ-ミッドランド(Archer Daniels Midland)社から入手可能な大豆抽出物[グリシナ・マックス(Glycina max)]中に存在する。
【0028】
もちろん、本発明で使用可能なイソフラボノイドの量は所望する効果に依存し、よってかなりの程度で変わりうる。
目安を述べると、本発明の組成物における純粋な状態のイソフラボノイドは、組成物の全重量に対して10−10%〜10%の量、好ましくは組成物の全重量に対して10−8%〜5%の量である。
もちろん、当業者であれば、イソフラボノイドが、植物抽出物等の溶液の形態で存在する場合に、組成物中のイソフラボノイド濃度が上述した範囲内になるように、本発明の組成物中のこの溶液の量を調節する方法を知っている。
【0029】
イソフラボン類の調製方法は、特に国際公開第95/10530号、国際公開第95/10512号、米国特許第5679806号、米国特許第5554519号、欧州特許第812837号及び国際公開第97/26269号に記載されている。
イソフラボン類は、特に、抗フリーラジカル及び脱色素特性を有しており、皮脂腺の活性化を阻害するため、酸化防止剤として知られている(特に、独国特許第4432947号を参照)。
【0030】
本発明の組成物は、皮膚及び/又は粘膜及び/又は頭髪及び/又は体毛への局所適用と、経口経路による投与の両方に適した考慮可能なあらゆるガレノス形態にすることができる。
好ましくは、本発明の組成物は経口経路により投与されることを意図したものである。
【0031】
本発明の組成物は化粧品用又は皮膚科学的組成物であってよい。本発明において好ましくは、組成物は化粧品用組成物である。組成物は、それを使用する個人の一般的な皮膚の外観を改善することを意図しているため、化粧品用組成物である。
最も好ましくは、本発明の組成物は経口経路により投与されることを意図した化粧品用組成物である。
経口経路により投与する場合、本発明の組成物はあらゆる適切な形態、特に経口用溶液、シロップ、錠剤、糖衣錠剤、硬質ゼラチンカプセル又は軟質ゼラチンカプセル、又は栄養食品又は栄養補助剤として提供することができる。
前記組成物は、経口投与に適した少なくとも1種の適切な賦形剤をさらに含有してもよい。
【0032】
皮膚、頭髪及び/又は体毛及び/又は粘膜に局所適用することにより投与する場合、本発明の組成物は化粧品的に許容可能なキャリア、すなわち皮膚、粘膜、爪、頭髪及び体毛と融和性のあるキャリアを含有することは明らかであり、局所適用に通常使用されるあらゆるガレノス形態、特に水性、水性-アルコール又は油性の溶液、水中油型又は油中水型又は多相エマルション、水性又は油性のゲル、無水の液体、ペースト状又は固体状の生成物、ポリマーナノ粒子、例えばナノスフィア及びナノカプセル、より好ましくはイオン性及び/又は非イオン性の脂質小胞体であってよい小球体を使用して水相に油を分散させたものとして提供することができる。
【0033】
この組成物は、多かれ少なかれ流動的なものであり得、白色又は有色のクリーム、軟膏、ミルク、ローション、セラム、ペースト、フォームの外観を有するものであってもよい。またエアゾールの形態で皮膚に適用してもよい。さらに、固体状の形態、例えば棒状の形態で提供することもできる。またさらに、トリートメント用品、クレンジング用品、メークアップ用品又は単なる脱臭用品として使用することもできる。
また、知られている方法で、本発明の組成物は、化粧品及び皮膚科学の分野で常套的なアジュバント、例えば、親水性又は親油性のゲル化剤、親水性又は親油性の活性剤、防腐剤、酸化防止剤、溶媒、香料、フィラー、スクリーン剤、顔料、キレート剤、臭気吸収剤及び着色物質をさらに含有してもよい。これら種々のアジュバントの量は、考慮される分野において従来より使用されている量、例えば、組成物の全重量に対して0.01%〜20%である。これらのアジュバントは、その性質により、脂肪相、水性相、脂質小胞体及び/又はナノ粒子中に取り込まれうる。
【0034】
本発明の組成物がエマルションである場合、脂肪相の割合は、組成物の全重量に対して5〜80重量%、好ましくは5〜50重量%の範囲である。エマルションの形態の組成物に使用される油、乳化剤及び共乳化剤は考慮される分野で従来より使用されているものから選択される。乳化剤及び共乳化剤は、組成物中に、組成物の全重量に対して0.3〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%の範囲の割合で存在する。
【0035】
本発明において使用可能な油としては、鉱物性油、植物由来の油(アプリコット油、ヒマワリ油)、動物由来の油、合成油、シリコーン油及びフッ化油(ペルフルオロポリエーテル)を挙げることができる。また脂肪としては、脂肪アルコール(セチルアルコール)、脂肪酸、ロウ(ミツロウ)を使用することもできる。
本発明において使用可能な乳化剤及び共乳化剤としては、例えばポリエチレングリコールと脂肪酸のエステル、例えばPEG-40ステアラート、PEG-100ステアラート、ポリオールと脂肪酸のエステル、例えばステアリン酸グリセリル及びトリステアリン酸ソルビタンを挙げることができる。
親水性のゲル化剤としては、特に、カルボキシビニルポリマー類(カーボマー:carbomer)、アクリルコポリマー類、例えば、アクリラート/アクリル酸アルキルのコポリマー類、ポリアクリルアミド類、多糖類、天然ガム類及びクレー類を挙げることができ、また、親油性のゲル化剤としては、変性クレー類、例えばベントーン類、脂肪酸の金属塩、疎水性シリカ及びポリエチレンを挙げることができる。
【0036】
組成物は他の親水性の活性剤、例えば、タンパク質又はタンパク質の加水分解物、アミノ酸、ポリオール、尿素、アラントイン、糖類と糖類誘導体、植物抽出物及びヒドロキシ酸を含有してもよい。
親油性の活性剤としては、レチノール(ビタミンA)とその誘導体、トコフェロール(ビタミンE)とその誘導体、必須脂肪酸、セラミド類、精油、サリチル酸とその誘導体、又はビタミンB1、B6及び/又はB12を使用することができる。
ビタミンC(又はアスコルビン酸)とその誘導体(エステル、塩等)を本発明の組成物に使用することもできる。
【0037】
本発明の好ましい組成物は、他にも成分はあるが、少なくとも1種のカロチノイドと少なくとも1種のイソフラボノイドの組合せ物と、ビタミンC及びα-トコフェロールの抽出物を含有する。
さらにより好ましくは、本発明の組成物は、他にも成分はあるが、β-カロチン、大豆抽出物(アーチャー-ダニエルズ-ミッドランド社のノバソイ(登録商標))、ビタミンC及びα-トコフェロールアセタートを含有する。
【0038】
また、本発明の組成物に:
− 微量元素;
− 植物ホルモン;
− カルシウムアンタゴニスト、例えばベラパミル及びジルチアゼム;
− OH基捕捉剤、例えばジメチルスルホキシド;
− 塩素チャンネルオープナー;
− 植物抽出物、特に細菌抽出物を含む微生物抽出物、例えば非光合成糸状菌のもの;
から選択される化合物を使用することもできる。
【0039】
さらに上述の列挙に、他の化合物、例えばカリウムチャンネルオープナー、例えばジアゾキシド及びミノキシジル、スピロキサゾン(spiroxazone)、リン脂質、例えばレシチン、リノール酸及びリノレン酸、サリチル酸及び仏国特許第2581542号に記載されているその誘導体、例えばベンゼン環の5位に2〜12の炭素原子を有するアルカノイル基を担持するサリチル酸誘導体、ヒドロキシカルボン酸又はケトカルボン酸及びそれらのエステル類、ラクトン類及びその対応の塩類、アントラリン、カロチノイド、エイコサテトラエン酸及びエイコサトリエン酸又はそれらのエステル類及びアミド類、ビタミンDとその誘導体を加えることもできる。
【0040】
本発明においては、特に皮膚状態の予防及び/又は治療を意図した他の活性剤を、とりわけ本発明の組成物に添加してもよい。これらの活性剤としては、例えば:
− 皮膚の分化及び/又は増殖及び/又は色素沈着を調節する薬剤、例えば、レチノイン酸とその異性体、レチノールとそのエステル、ビタミンDとその誘導体、エストロゲン類、例えばエストラジオール、コウジ酸又はヒドロキノン;
− 抗菌剤、例えばリン酸クリンダマイシン、エリスロマイシン又はテトラサイクリンクラスの抗生物質;
− 皮膚及び/又は粘膜への細菌の付着を調節する薬剤、例えばハチミツ、特にアカシアのハチミツ及びある種の糖誘導体;
− 駆虫剤、特に、メトロニダゾール、クロタミトン及びピレスリノイド類(pyrethrinoids);
− 抗真菌剤、特に、イミダゾールクラスに属する化合物、例えばエコナゾール、ケトコナゾール又はミコナゾール又はそれらの塩、ポリエン化合物、例えばアンホテリシンB、アリルアミンファミリーの化合物、例えばテルビナフィン、又はオクトピロックス;
− 抗ウィルス剤、例えばアシクロビル;
− ステロイド系の抗炎症剤、例えばヒドロコルチゾン、吉草酸ベタメタゾン又はプロピオン酸クロベタゾール、又は非ステロイド系の抗炎症剤、例えば、イブプロフェンとその塩、ジクロフェナクとその塩、アセチルサリチル酸、アセトアミノフェン又はグルシルレチン酸;
− 麻酔剤、例えば塩酸リドカインとその誘導体;
− 止痒剤、例えばテナルジン、トリメプラジン又はシプロヘプタジン;
− 角質溶解剤、例えばα-及びβ-ヒドロキシカルボン酸又はβ-ケトカルボン酸、それらの塩、アミド又はエステル、特にヒドロキシ酸、例えばグリコール酸、乳酸、サリチル酸、クエン酸、及び一般に果実酸、及び5-n-オクタノイルサリチル酸;
− 抗フリーラジカル剤、例えばスーパーオキシドジスムターゼ、ある種の金属キレート剤、又はアスコルビン酸とそのエステル;
− 抗脂漏剤、例えばプロゲステロン;
− 抗フケ剤、例えばオクトピロックス又はジンクピリチオン;
− 抗座瘡剤、例えばレチノイン酸又は過酸化ベンゾイル;
− サブスタンスP、CGRP又はブラジキニンのアンタゴニストもしくはNOシンターゼインヒビター、あるいはナトリウムチャンネルインヒビター、敏感肌の治療に活性があり、特に組成物中に存在し得る刺激性化合物に対して抗刺激効果を示すと記載されている化合物等の物質、
を挙げることができる。
【0041】
保湿剤、例えばポリオール(例えばグリセリン)、ビタミン類(例えばD-パンテノール)、抗炎症剤、鎮静剤(soothing agents)(アラントイン、ヤグルマソウ水)、UVA-及びUVB遮蔽剤、艶消し剤(例えば、信越からKSG(登録商標)の名称で販売されている部分的に架橋したポリジメチルオルガノシロキサン)、及びそれらの混合物を特に活性剤として使用することができる。
また、抗シワ活性剤、特に緊張化製品(toning products)、例えば植物タンパク質及びそれらの加水分解物、特にLSN社からエレセリル(Eleseryl)(登録商標)の名称で販売されている大豆タンパク抽出物、又はシラブ社(Silab)からレダクチン(Reductine)(登録商標)の名称で販売されているオート麦誘導体を添加することもできる。
【0042】
皮膚はコラーゲンと線維芽細胞以外に、多くの他の成分からなるので、本発明の組合せ物を使用する場合、同時にこれらの他の成分、例えば脂質の合成を促進し、及び/又はケラチノサイトのような他の細胞成分の増殖を促進させることが有利である。
よって、本発明の主題は、化粧品的に許容可能な媒体中に、少なくとも1種のカロチノイドと少なくとも1種のイソフラボノイドの組合せ物と、脂質の合成及び/又はケラチノサイトの増殖を刺激する少なくとも1種の他の生成物を含有せしめてなる化粧品用組成物にある。
この組成物において、カロチノイドとイソフラボノイドは、本明細書において上述したものである。
前記組成物は、化粧品又は皮膚科学の分野、好ましくは化粧品の分野において使用されることが意図されうる。
【0043】
脂質の合成を刺激する生成物としては、植物ホルモン、例えばオーキシン、又は植物由来の化合物、例えばケイ皮酸、ケラチノサイトの増殖を刺激する生成物としては植物由来の化合物、例えばフロログルシノールを挙げることができる。
よって、本発明の組成物は、本発明の組合せ物、ケイ皮酸又はその誘導体及び/又は植物ホルモン、特にインドール酢酸(IAA)、4-クロロインドール-3-酢酸(4-CI-IAA)、フェニル酢酸(PAA)、インドール-3-酪酸(IBA)、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)、α-ナフタレン酢酸(α-NAA)、β-ナフトキシ酢酸、インドールエタノール、インドールアセトアルデヒド及びインドールアセトニトリルから選択されるオーキシン、及び/又はフロログルシノールのような植物化合物をさらに含有することができる。
【0044】
また本発明の主題は、少なくとも1種のカロチノイド、少なくとも1種のイソフラボノイド、及び脂質合成及び/又はケラチノサイトの増殖を刺激する少なくとも1種の他の生成物の組合せ物の、組成物における又は組成物の調製における使用であって、該組合せ物又は該組成物が皮膚加齢の徴候を予防的及び/又は治癒的に処置し、コラーゲンの分解に抗し、細胞外マトリックスのプロテアーゼの発現を阻害し、メタロプロテイナーゼ、特にメタロプロテイナーゼ1型の発現を阻害し、更年期による皮膚状態を治療し、シワ及びコジワに抗し、皮膚の衰えに抗し、皮膚のたるみに抗し、皮膚の厚みの低減化に抗し、皮膚のくすみ及び/又は皮膚に輝きがなくなることに抗し、皮膚の弾性及び/又は緊張の喪失に抗し、紫外線にさらされた後の皮膚の内部ダメージに抗することを意図した使用にある。
【0045】
この点に関し、脂質の合成を刺激する生成物としては、植物ホルモン、例えばオーキシン、又は植物由来の化合物、例えばケイ皮酸、及びケラチノサイトの増殖を刺激する生成物としては、植物由来の化合物、例えばフロログルシノールを挙げることができる。
よって、本発明の組成物は、本発明の組合せ物、ケイ皮酸又はその誘導体及び/又は植物ホルモン、特にインドール酢酸(IAA)、4-クロロインドール-3-酢酸(4-CI-IAA)、フェニル酢酸(PAA)、インドール-3-酪酸(IBA)、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)、α-ナフタレン酢酸(α-NAA)、β-ナフトキシ酢酸、インドールエタノール、インドールアセトアルデヒド及びインドールアセトニトリルから選択されるオーキシン、及び/又はフロログルシノールのような植物化合物をさらに含有することができる。
【0046】
また本発明の主題は、コラーゲンの合成を刺激し、及び/又は加齢及び/又は更年期に関連する皮膚状態に抗し、及び/又は真皮の厚みの低減化に抗し、及び/又はたるみ及び/又はシワのある外観の皮膚に抗することを意図した皮膚の美容処理方法において、少なくとも1種のカロチノイドと少なくとも1種のイソフラボノイドの少なくとも1種の組合せ物を含有する化粧品用組成物を、皮膚、頭髪、体毛及び/又は粘膜に適用し、また摂取することを特徴とする方法にある。
本発明の美容処理方法は、特に、上述した化粧品用組成物を使用する通常の技術に従い、これらの組成物を適用することにより実施される。
例えば、クリーム、ゲル、セラム、ローション、ミルク、シャンプー、又は日光から保護するための組成物の皮膚又は頭髪又は体毛への適用、あるいは歯磨剤の歯肉への適用、好ましくは経口用溶液、シロップ、錠剤、硬質ゼラチンカプセル、軟質ゼラチンカプセル又は栄養食品又は栄養補助剤の経口経路による投与である。
【0047】
次の実施例及び組成物は本発明を例証するものであって、限定するものではない。組成物において示した割合は重量パーセントである。
組成物1−軟質ゼラチンカプセル:
賦形剤:
大豆油 40mg
小麦胚芽油 85mg
大豆レシチン 25mg
ビタミン:
天然トコフェロール 3mg
ビタミンC 60mg
成分:
リコピン 6mg
ノバソイ(登録商標)-イソフラボンを 120mg
含有する大豆抽出物(ノバソイ(登録商
標)120mg当たり50mgのイソ
フラボン)
【0048】
組成物2:ローション
6%のリコピン[リコマト(Lycomat)(登 0.001%
録商標)]
イソフラボン(ノバソイ(登録商標)) 0.10%
酸化防止剤 0.05%
イソプロパノール 40.0%
防腐剤 0.30%
水 全体を100.00%にする量
【0049】
組成物3:手入れ用クリーム(水中油型エマルション)
6%のリコピン(リコマト(登録商標)) 0.005%
大豆抽出物(ノバソイ(登録商標)) 0.10%
ビタミンC 5.00%
ステアリン酸グリセリル 2.00%
ポリソルベイト60[ICI社から販売 1.00%
されているトゥイーン(Tween)60(登
録商標)]
ステアリン酸 1.40%
トリエタノールアミン 0.70%
カーボマー 0.40%
シアバターの液状留分 12.00%
ペルヒドロスクアレン 12.00%
酸化防止剤 0.05%
香料 0.50%
防腐剤 0.30%
水 全体を100.00%にする量
【0050】
組成物4:手入れ用ゲル(水中油型エマルション)
6%のリコピン(リコマト(登録商標)) 0.001%
大豆抽出物(ノバソイ(登録商標)) 0.10%
ステアリン酸グリセリル 2.00%
ポリソルベイト60(ICI社から販売 1.00%
されているトゥイーン60(登録商標))
ステアリン酸 1.40%
グリシルレチン酸 2.00%
トリエタノールアミン 0.70%
カーボマー 0.40%
シアバターの液状留分 12.00%
ヒマワリ油 10.00%
酸化防止剤 0.05%
香料 0.50%
防腐剤 0.30%
水 全体を100.00%にする量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種のカロチノイドと少なくとも1種のイソフラボノイドの組合せを含んでなる、皮膚加齢の徴候を予防的及び/又は治癒的に処置するための薬剤。
【請求項2】
少なくとも1種のカロチノイドと少なくとも1種のイソフラボノイドの組合せを含んでなる、コラーゲンの分解に抗するための薬剤。
【請求項3】
少なくとも1種のカロチノイドと少なくとも1種のイソフラボノイドの組合せを含んでなる、細胞外マトリックスのプロテアーゼの発現を阻害するための薬剤。
【請求項4】
前記組合せ又は組成物が、メタロプロテイナーゼの発現の阻害を意図したものであることを特徴とする請求項3に記載の薬剤。
【請求項5】
前記組合せ又は組成物が、メタロプロテイナーゼ1型の発現の阻害を意図したものであることを特徴とする請求項3又は4に記載の薬剤。
【請求項6】
少なくとも1種のカロチノイドと少なくとも1種のイソフラボノイドの組合せを含んでなる、更年期に関連した皮膚状態を処置するための薬剤。
【請求項7】
少なくとも1種のカロチノイドと少なくとも1種のイソフラボノイドの組合せを含んでなる、シワ及びコジワに抗するための薬剤。
【請求項8】
少なくとも1種のカロチノイドと少なくとも1種のイソフラボノイドの組合せを含んでなる、衰えた皮膚に抗するための薬剤。
【請求項9】
少なくとも1種のカロチノイドと少なくとも1種のイソフラボノイドの組合せを含んでなる、たるんだ皮膚に抗するための薬剤。
【請求項10】
少なくとも1種のカロチノイドと少なくとも1種のイソフラボノイドの組合せを含んでなる、皮膚の厚みの低減化に抗するための薬剤。
【請求項11】
少なくとも1種のカロチノイドと少なくとも1種のイソフラボノイドの組合せを含んでなる、くすんだ皮膚又は輝きのない皮膚に抗するための薬剤。
【請求項12】
少なくとも1種のカロチノイドと少なくとも1種のイソフラボノイドの組合せを含んでなる、皮膚の弾性及び/又は緊張の喪失に抗するための薬剤。
【請求項13】
少なくとも1種のカロチノイドと少なくとも1種のイソフラボノイドの組合せを含んでなる、紫外線にさらされた後の皮膚の内部ダメージに抗するための薬剤。
【請求項14】
カロチノイドが、プロビタミンA活性を有するカロチノイド、又はプロビタミンA活性を有さないカロチノイド、又は2つの混合物であることを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1項に記載の薬剤。
【請求項15】
プロビタミンA活性を有するカロチノイドが、β-カロチン又はα-カロチン又はそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1項に記載の薬剤。
【請求項16】
プロビタミンA活性を有するカロチノイドがβ-カロチンであることを特徴とする請求項15に記載の薬剤。
【請求項17】
プロビタミンA活性を有さないカロチノイドが、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、ルテイン又はリコピン又はそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1ないし16のいずれか1項に記載の薬剤。
【請求項18】
プロビタミンA活性を有さないカロチノイドがリコピンであることを特徴とする請求項17に記載の薬剤。
【請求項19】
純粋な状態のカロチノイドが、組成物の全重量に対して10−12%〜20%の量であることを特徴とする請求項1ないし18のいずれか1項に記載の薬剤。
【請求項20】
純粋な状態のカロチノイドが、組成物の全重量に対して10−10%〜10%の量であることを特徴とする請求項1ないし19のいずれか1項に記載の薬剤。
【請求項21】
イソフラボノイドが、イソフラボン類、イソフラバノン類、レチノイド類、プテロカルパン類、イソフラバン類、イソフラバン-3-エン類、3-アリールクマリン類、3-アリール-4-ヒドロキシクマリン類、クメスタン類、クマロノクロモン類、α-メチルデオキシベンゾイン類又は2-アリールベンゾフラン類から選択されることを特徴とする請求項1ないし20のいずれか1項に記載の薬剤。
【請求項22】
イソフラボノイドが、ダイゼイン、ホルムオノネチン、クネアチン、ゲニステイン、イソプルネチン及びプルネチン、カジャニン、オロボール、プラテンセイン、サンタル、ジュニペゲニンA、グリシテイン、アフロモシン、レツシン、テクトリゲニン、イリソリドン、ジャマイシン、及びそれらの類似物及び/又は代謝産物から選択されることを特徴とする請求項1ないし21のいずれか1項に記載の薬剤。
【請求項23】
イソフラボノイドがイソフラボンであることを特徴とする請求項1ないし22のいずれか1項に記載の薬剤。
【請求項24】
イソフラボノイドがダイゼイン、ゲニステイン又はそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項23に記載の薬剤。
【請求項25】
純粋な状態のイソフラボノイドが、組成物の全重量に対して10−10%〜10%の量であることを特徴とする請求項1ないし24のいずれか1項に記載の薬剤。
【請求項26】
純粋な状態のイソフラボノイドが、組成物の全重量に対して10−8%〜5%の量であることを特徴とする請求項1ないし25のいずれか1項に記載の薬剤。
【請求項27】
組成物が経口経路により投与されることを意図したものであることを特徴とする請求項1ないし26のいずれか1項に記載の薬剤。
【請求項28】
組成物が、経口用溶液、シロップ、錠剤、糖衣錠剤、硬質ゼラチンカプセル、又は軟質ゼラチンカプセル、又は栄養食品又は栄養補助剤の形態で提供されることを特徴とする請求項1ないし27のいずれか1項に記載の薬剤。
【請求項29】
少なくとも1種のカロチノイドと少なくとも1種のイソフラボノイドの少なくとも1種の組合せ物と、脂質の合成及び/又はケラチノサイトの増殖を刺激する少なくとも1種の他の生成物を含有する化粧品用組成物。
【請求項30】
カロチノイドが、請求項14ないし20のいずれか1項に記載のものであることを特徴とする請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
イソフラボノイドが、請求項21ないし26のいずれか1項に記載のものであることを特徴とする請求項29又は30に記載の組成物。
【請求項32】
脂質の合成を刺激する生成物が、オーキシン等の植物ホルモン、又はケイ皮酸又はその誘導体等の植物由来の化合物から選択されることを特徴とする請求項29ないし31のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項33】
オーキシンが、インドール酢酸(IAA)、4-クロロインドール-3-酢酸(4-CI-IAA)、フェニル酢酸(PAA)、インドール-3-酪酸(IBA)、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)、α-ナフタレン酢酸(α-NAA)、β-ナフトキシ酢酸、インドールエタノール、インドールアセトアルデヒド及びインドールアセトニトリルから選択されることを特徴とする請求項29ないし32のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項34】
ケラチノサイトの増殖を刺激する生成物がフロログルシノールであることを特徴とする請求項29ないし33のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項35】
少なくとも1種のカロチノイド、少なくとも1種のイソフラボノイド、及び脂質の合成及び/又はケラチノサイトの増殖を刺激する少なくとも1種の他の生成物の組合せを含んでなる皮膚加齢の徴候を予防的及び/又は治癒的に処置し、コラーゲンの分解に抗し、細胞外マトリックスのプロテアーゼの発現を阻害し、メタロプロテイナーゼ、特にメタロプロテイナーゼ1型の発現を阻害し、更年期による皮膚状態を治療し、シワ及びコジワに抗し、皮膚の衰えに抗し、皮膚のたるみに抗し、皮膚の厚みの低減化に抗し、皮膚のくすみ及び/又は皮膚に輝きがなくなることに抗し、皮膚の弾性及び/又は緊張の喪失に抗し、紫外線にさらされた後の皮膚の内部ダメージに抗するための薬剤。

【公開番号】特開2008−189675(P2008−189675A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−40942(P2008−40942)
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【分割の表示】特願2002−537287(P2002−537287)の分割
【原出願日】平成13年10月25日(2001.10.25)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】