説明

皮膚洗浄料

【課題】化粧料とのなじみが良く、洗浄中のすすぎやすさ、洗浄後のべたつき感・きしみ感のなさ等の使用性に優れ、化粧料除去効果に優れ、さらに低皮膚刺激性である皮膚洗浄料を提供することにある。
【解決手段】下記の式(I)で示されるブロック型アルキレンオキシド誘導体0.01〜70質量%と、保湿剤0.1〜20質量%とを含有することを特徴とする皮膚洗浄料。


(式中、Yは3〜6個の水酸基を有する多価アルコールの水酸基を除いた残基、kは前記多価アルコールの水酸基数、EOはオキシエチレン基、AOは炭素数3〜6のオキシアルキレン基でそれぞれブロック状に付加されている。0≦a×k≦100、1≦b×k≦100、0≦c×k≦100、ただし(a+c)×k>1である。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は皮膚洗浄料、特に有効成分としてブロック型アルキレンオキシド誘導体を含む、皮膚洗浄料の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、メーク落とし用洗浄料としては、ローションタイプ、エマルジョンタイプ、オイルタイプ等の種々のタイプがある。
一般に、ローションタイプのメーク落とし用洗浄料では、洗浄作用を有する界面活性剤として、皮膚に対して刺激とならない緩和な非イオン性界面活性剤または両性界面活性剤が配合されている。一方、オイルタイプのものは、溶剤作用を有する溶媒を主成分とすることにより、また、エマルジョンタイプのものは、主に油分や水分の溶剤作用により、化粧料を溶解、分散することで洗浄効果を得ている。
ところが、最近は、皮膚への密着性が良く、水分や皮脂等に対して化粧くずれしにくい、いわゆる化粧もちの良い化粧料が開発されている。このため、メーク落とし用洗浄料においても、化粧料除去効果を向上させる目的で、アルコールや界面活性剤を増加させたり、洗浄作用の高い界面活性剤や溶解力の強い溶剤を配合する等の手段が講じられている。
【0003】
しかしながら、洗浄作用の高い界面活性剤や溶解力の強い溶剤を配合した洗浄料では、その高い溶解力ゆえに、洗浄後にヒリツキや赤みを生じたり、その後に使用する化粧料の刺激を増強してしまうといった問題があった。そこで、これらの問題を回避し、高い洗浄力を実現するために、環状ジメチルポリシロキサンを配合したメーク落とし用洗浄料も開発されているが、洗い流しにくい等の解決すべき課題があった。
一方、安全性が高く、使用感触や皮膚親和性の良好な油性基剤として、特定の(ポリ)エチレングリコールジアルキルエーテルが報告されている(例えば、特許文献1を参照)。しかしながら、この(ポリ)エチレングリコールジアルキルエーテルを配合した場合でも、メイク洗浄性やすすぎ性等において十分に満足のいくものは得られなかった。
さらに、安全性、使用性が良好で、洗い流しやすい特定のアルキレンオキシド誘導体を含有する皮膚洗浄料が報告されている(例えば、特許文献2を参照)。しかしながら、この特定のアルキレンオキシド誘導体を配合した場合でも、共に配合している界面活性剤に由来すると考えられる洗浄後の肌のきしみ感などにおいて課題の残るものであった。
【0004】
【特許文献1】特開平10−259112号公報
【特許文献2】特開2003−221310号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来技術の事情に鑑み行われたものであり、その目的は使用性、及び化粧料除去効果に優れた皮膚洗浄料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等が前記目的を達成するために鋭意研究を行った結果、皮膚洗浄料に特定構造のブロック型アルキレンオキシド誘導体を配合すると、化粧料とのなじみが良く、洗浄中のすすぎやすさ、洗浄後のべたつき感・きしみ感のなさ等の使用性に優れ、化粧料除去効果に優れ、さらに低皮膚刺激性である皮膚洗浄料を提供しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明の皮膚外用剤は、下記式(I)で示されるブロック型アルキレンオキシド誘導体0.01〜70質量%と、保湿剤0.1〜20質量%とを含有することを特徴とする。
【化2】

(式中、Yは3〜6個の水酸基を有する多価アルコールの水酸基を除いた残基、kは前記多価アルコールの水酸基数、EOはオキシエチレン基、AOは炭素数3〜6のオキシアルキレン基でそれぞれブロック状に付加されている。a×k、b×kおよびc×kはそれぞれオキシエチレン基、炭素数3〜6のオキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数で、0≦a×k≦100、1≦b×k≦100、0≦c×k≦100、ただし(a+c)×k>1である。オキシエチレン基と炭素数3〜6のオキシアルキレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合は、10〜80質量%である。Rは炭素数1〜4の炭化水素基である。)
前記特定構造のブロック型アルキレンオキシド誘導体の含有量が0.1〜20質量%であることが好適である。
【0008】
前記皮膚洗浄料において、上記式(I)で示されるブロック型アルキレンオキシド誘導体のAO基がオキシブチレン基であることが好適である。
また、前記皮膚洗浄料において、上記式(I)で示されるブロック型アルキレンオキシド誘導体のaが0であり、AOとEOの付加順序が、式中のYに対して、(AO)−(EO)であることが好適である。
前記保湿剤が、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリンから選ばれる1種または2種以上であることが好適である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、特定構造のブロック型アルキレンオキシド誘導体0.01〜70質量%と、保湿剤0.1〜20質量%とを配合することにより、化粧料とのなじみが良く、洗浄中のすすぎやすさ、洗浄後のべたつき感・きしみ感のなさ等の使用性に優れ、化粧料除去効果に優れ、さらに低皮膚刺激性である皮膚洗浄料を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
<ブロック型アルキレンオキシド誘導体>
本発明の皮膚外用剤は、下記式(I)で示される特定構造のブロック型アルキレンオキシド誘導体を含むものである。
【化3】

【0011】
上記式(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体において、Yは3〜6個の水酸基を有する多価アルコールの水酸基を除いた残基であり、kは前記多価アルコールの水酸基数であり3〜6である。3〜6個の水酸基を有する化合物としては、k=3であるグリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキシレングリコール、k=4であるエリスリトール、ペンタエリスリトール、k=5であるキシリトール、k=6であるソルビトール、イノシトールが挙げられる。本発明にかかる皮膚洗浄料に配合されるブロック型アルキレンオキシド誘導体は、前記の3〜6個の水酸基を有する多価アルコールの1種または2種以上の混合物の水酸基を除いた残基を基本骨格とする。
本発明において、Yが3〜4個の水酸基を有する多価アルコールの水酸基を除いた残基であることがより好ましく、すなわち、3≦k≦4を満たすことが好適である。kが2以下であると、皮膚洗浄料に配合した場合に洗浄後の肌のなめらか感が劣る傾向にあり、kが7以上であると洗浄後に肌のべたつき感を生じる傾向にある。
【0012】
EOは、炭素数2のオキシエチレン基である。AOは炭素数3〜6のオキシアルキレン基であり、具体的には、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシイソブチレン基、オキシt−ブチレン基、オキシペンチレン基、オキシヘキシレン基などが挙げられる。好ましくは、オキシプロピレン基、オキシブチレン基であり、さらに好ましくはオキシブチレン基である。
【0013】
b×kはAOの平均付加モル数であり、1≦b×k≦100、好ましくは3≦b×k≦70である。a×k及びc×kはEOの平均付加モル数であり、0≦a×k≦100、0≦c×k≦100であり、好ましくは3≦a×k≦70、3≦c×k≦70である。また、前記式(I)中の全オキシエチレン基の平均付加モル数の好ましい範囲は、1<(a+c)×k≦200であり、さらに好ましくは6≦(a+c)×k≦140である。AOは本発明にかかるブロック型アルキレンオキシド誘導体において疎水性部位となり、b×kが0または100を超えると、皮膚洗浄料に配合した場合に化粧料除去効果が低く、洗浄後の肌の保湿効果感に劣る傾向がある。また、a×kもしくはc×kが0であると、皮膚洗浄料に配合した場合に期待すべき化粧料除去効果が発揮されず、100を越えると洗浄後に肌のべたつき感が生じる傾向にある。
【0014】
前記式(I)中のAOとEOの合計に対する前記式(I)中の全EOの割合は10〜80質量%であり、さらに好ましくは20〜70質量%である。10質量%より小さいと化粧料除去効果が劣る傾向にあり、80質量%より大きいと化粧料除去効果が低く、洗浄後の肌のべたつき感が生じる傾向にある。
また、AOとEOの付加形態はブロック状であり、付加順序は式中のYに対して、(AO)−(EO)の順、(EO)−(AO)の順、(EO)−(AO)−(EO)の順のいずれであってもよい。本発明においては、式中のYに対して(AO)−(EO)の順であることが特に好ましい。式中のYに対して(AO)−(EO)の順となる場合、式中のaは0であることに相当する。
【0015】
Rは炭素数1〜4の炭化水素基で、炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。本発明においてはメチル基、エチル基であることが好ましい。炭素数が5より大きいと、洗浄後の肌の保湿効果感が劣る傾向にある。また、本発明にかかる皮膚洗浄料に配合されるブロック型アルキレンオキシド誘導体において、Rは1分子中、同一であっても又は異なっていてもよく、1分子中において同一のRを有するフブロック型アルキレンオキシド誘導体1種、または異なるRを有する2種以上の混合物であってもよい。
【0016】
本発明にかかる皮膚洗浄料に配合されるブロック型アルキレンオキシド誘導体としては、具体的にはPOB(30)POE(30)グリセリルトリメチルエーテル、POB(30)POE(35)グリセリルトリメチルエーテル、POB(17)POE(28)グリセリルトリメチルエーテル、POB(27)POE(45)グリセリルトリメチルエーテル、POB(14)POE(34)グリセリルトリメチルエーテル、POB(22)POE(55)グリセリルトリメチルエーテル、POB(19)POE(55)グリセリルトリメチルエーテル、POB(40)POE(80)グリセリルトリメチルエーテル、POB(80)POE(40)グリセリルトリメチルエーテル、POB(30)POE(30)グリセリルトリエチルエーテル、POB(30)POE(35)グリセリルトリエチルエーテル、POB(14)POE(34)グリセリルトリエチルエーテル、POB(30)POE(30)グリセリルトリプロピルエーテル、POE(30)POP(30)グリセリルトリメチルエーテル、POE(35)POP(40)グリセリルトリメチルエーテル、POE(41)POP(48)グリセリルトリメチルエーテル等が挙げられる。
なお、上記POE、POP、POBは、それぞれポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレンの略であり、以下、このように略して記載することがある。
【0017】
本発明のブロック型アルキレンオキシド誘導体は公知の方法で製造することができる。例えば、水酸基を有している化合物にエチレンオキシドおよび炭素数3〜4のアルキレンオキシドを付加重合した後、ハロゲン化アルキルをアルカリ触媒の存在下にエーテル反応させることによって得られる。
【0018】
ブロック型アルキレンオキシド誘導体の配合量は、通常皮膚洗浄料全体に対して0.01〜70質量%、好ましくは0.1〜20質量%であり、特に好ましくは1〜10質量%配合される。0.01質量%未満では配合による効果の発現が十分ではない場合があり、また70質量%を超えると、洗浄後べたつき感を生じる場合がある。
【0019】
本発明の保湿剤としては、具体的にはポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンナトリウム、N−ミリストイル−N’−カルボキシメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンナトリウム、N−パルミトイル−N’−カルボキシメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンナトリウム、N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンカリウム、N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンマグネシウム等が挙げられる。特にジプロピレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリンから選ばれる1種または2種以上であることが好ましい。
【0020】
本発明の皮膚洗浄料には上記必須成分の他、通常化粧品や医薬品の洗浄料に用いられる成分を配合することができ常法に応じて製造される。係る成分としては下記のようなものが挙げられ、上記必須成分に加え下記成分を適宜配合して製造される。
【0021】
粉末成分としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等);有機粉末(例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等);無機白色顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等);無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等);無機褐色系顔料(例えば、γ−酸化鉄等);無機黄色系顔料(例えば、黄酸化鉄、黄土等);無機黒色系顔料(例えば、黒酸化鉄、低次酸化チタン等);無機紫色系顔料(例えば、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等);無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等);無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等);パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等);金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等);ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等);天然色素(例えば、クロロフィル、β−カロチン等)等が挙げられる。
【0022】
液体油脂としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン等が挙げられる。
【0023】
固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0024】
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、 POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
【0025】
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0026】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
【0027】
高級アルコールとしては、例えば、直鎖アルコール(例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等);分枝鎖アルコール(例えば、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2-デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等)等が挙げられる。
【0028】
合成エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、 12-ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ−2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2-エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
【0029】
シリコーン油としては、例えば、鎖状ポリシロキサン(例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等);環状ポリシロキサン(例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等)、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴム、各種変性ポリシロキサン(アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等)等が挙げられる。
【0030】
また、本発明にかかる皮膚洗浄料には、各種界面活性剤を配合することも可能である。
アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン(例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等);高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等);アルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、POEラウリル硫酸トリエタノールアミン、POEラウリル硫酸ナトリウム等);N−アシルサルコシン酸(例えば、ラウロイルサルコシンナトリウム等);高級脂肪酸アミドスルホン酸塩(例えば、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウム等);リン酸エステル塩(POEオレイルエーテルリン酸ナトリウム、POEステアリルエーテルリン酸等);スルホコハク酸塩(例えば、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等);アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等);高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等);N−アシルグルタミン酸塩(例えば、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル-L-グルタミン酸モノナトリウム等);硫酸化油(例えば、ロート油等);POEアルキルエーテルカルボン酸;POEアルキルアリルエーテルカルボン酸塩;α-オレフィンスルホン酸塩;高級脂肪酸エステルスルホン酸塩;二級アルコール硫酸エステル塩;高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩;ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム;N−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン;カゼインナトリウム等が挙げられる。
【0031】
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等);アルキルピリジニウム塩(例えば、塩化セチルピリジニウム等);塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩;塩化ポリ(N,N'−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウム);アルキル四級アンモニウム塩;アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩;アルキルイソキノリニウム塩;ジアルキルモリホニウム塩;POEアルキルアミン;アルキルアミン塩;ポリアミン脂肪酸誘導体;アミルアルコール脂肪酸誘導体;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0032】
両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系両性界面活性剤(例えば、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等);ベタイン系界面活性剤(例えば、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)等が挙げられる。
【0033】
親油性非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリンポリグリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α'−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体;グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0034】
親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、POEソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POEソルビタンモノオレエート、POEソルビタンモノステアレート、POEソルビタンモノオレエート、POEソルビタンテトラオレエート等);POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POEソルビットモノラウレート、POEソルビットモノオレエート、POEソルビットペンタオレエート、POEソルビットモノステアレート等);POEグリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POEグリセリンモノステアレート、POEグリセリンモノイソステアレート、POEグリセリントリイソステアレート等のPOEモノオレエート等);POE脂肪酸エステル類(例えば、POEジステアレート、POEモノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POEアルキルエーテル類(例えば、POEラウリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEステアリルエーテル、POE-ベヘニルエーテル、POE−2−オクチルドデシルエーテル、POEコレスタノールエーテル等);プルロニック型類(例えば、プルロニック等);POE・POPアルキルエーテル類(例えば、POE・POPセチルエーテル、POE・POP−2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POPモノブチルエーテル、POE・POP水添ラノリン、POE・POPグリセリンエーテル等);テトラ POE・テトラPOPエチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等);POEヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、POE硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE硬化ヒマシ油マレイン酸等);POEミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POEソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POEプロピレングリコール脂肪酸エステル;POEアルキルアミン;POE脂肪酸アミド;ショ糖脂肪酸エステル;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;トリオレイルリン酸等が挙げられる。
【0035】
天然の水溶性高分子としては、例えば、植物系高分子(例えば、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸);微生物系高分子(例えば、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、ブルラン等);動物系高分子(例えば、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等)等が挙げられる。
【0036】
半合成の水溶性高分子としては、例えば、デンプン系高分子(例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等);セルロース系高分子(メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等);アルギン酸系高分子(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等)等が挙げられる。
【0037】
合成の水溶性高分子としては、例えば、ビニル系高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等);ポリオキシエチレン系高分子(例えば、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,000等);アクリル系高分子(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等);ポリエチレンイミン;カチオンポリマー等が挙げられる。
【0038】
増粘剤としては、例えば、アラビアガム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アラギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、PVA、PVM、PVP、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ローカストビーンガム、グアガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、ケイ酸A1Mg(ビーガム) 、ラポナイト、無水ケイ酸等が挙げられる。
【0039】
紫外線吸収剤としては、例えば、安息香酸系紫外線吸収剤(例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N-ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N-ジエトキシPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAブチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル等);アントラニル酸系紫外線吸収剤(例えば、ホモメンチル-N- アセチルアントラニレート等);サリチル酸系紫外線吸収剤(例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p-イソプロパノールフェニルサリシレート等);桂皮酸系紫外線吸収剤(例えば、オクチルシンナメート、エチル-4-イソプロピルシンナメート、メチル-2,5-ジイソプロピルシンナメート、エチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、メチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、プロピル-p-メトキシシンナメート、イソプロピル-p-メトキシシンナメート、イソアミル-p-メトキシシンナメート、オクチル-p-メトキシシンナメート(2-エチルヘキシル-p-メトキシシンナメート) 、2-エトキシエチル-p-メトキシシンナメート、シクロヘキシル-p-メトキシシンナメート、エチル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、2-エチルヘキシル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、グリセリルモノ-2-エチルヘキサノイル-ジパラメトキシシンナメート等);ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2'- ジヒドロキシ-4- メトキシベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシベンゾフェノン、2,2',4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4- メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4- メトキシ-4'-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4- メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸塩、4-フェニルベンゾフェノン、2-エチルヘキシル-4'-フェニル-ベンゾフェノン-2-カルボキシレート、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、4-ヒドロキシ-3-カルボキシベンゾフェノン等);3-(4'-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー、3-ベンジリデン-d,l-カンファー;2-フェニル-5-メチルベンゾキサゾール;2,2'-ヒドロキシ-5-メチルフェニルベンゾトリアゾール;2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル) ベンゾトリアゾール;2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニルベンゾトリアゾール;ジベンザラジン;ジアニソイルメタン;4-メトキシ-4'-t-ブチルジベンゾイルメタン;5-(3,3-ジメチル-2-ノルボルニリデン)-3-ペンタン-2-オン等が挙げられる。
【0040】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸、1-ヒドロキシエタン-1,1- ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3ナトリウム等が挙げられる。
【0041】
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t-ブチルアルコール等が挙げられる。
シプロピレングリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテルリン酸;POP・POE-ペンタンエリスリトールエーテル、ポリグリセリン等が挙げられる。
【0042】
アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等);塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム) 、アシルグルタミン酸塩、アシルβ-アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
【0043】
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル−1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール等が挙げられる。
【0044】
高分子エマルジョンとしては、例えば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリアクリル酸エチルエマルジョン、アクリルレジン液、ポリアクリルアルキルエステルエマルジョン、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョン、天然ゴムラテックス等が挙げられる。
【0045】
pH調製剤としては、例えば、乳酸−乳酸ナトリウム、クエン酸−クエン酸ナトリウム、コハク酸−コハク酸ナトリウム等の緩衝剤等が挙げられる。
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、B1、B2、B6、C、E及びその誘導体、パントテン酸及びその誘導体、ビオチン等が挙げられる。
【0046】
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
【0047】
その他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン等);消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等);美白剤(例えば、胎盤抽出物、ユキノシタ抽出物、アルブチン等);各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等);血行促進剤(例えば、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等);抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等);抗炎症剤(例えば、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン等)等が挙げられる。
【0048】
本発明の皮膚洗浄料の剤型は任意であり、例えば、溶液系、可溶化系、乳化系、粉末分散系、水-油二層系、水-油-粉末三層系等が挙げられる。
本発明の皮膚洗浄料は、皮膚の洗浄、特にメーク後やサンスクリーン塗布後の皮膚の洗浄用として好適に使用され、その剤型はゲル状又はクリーム状の形態をとることが好ましい。
【実施例】
【0049】
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明はこれによって限定されるものではない。まず、本発明に用いた評価方法について説明する。
最初に、試験に用いた化粧料(サンスクリーン及び被膜性の強いファンデーション)の処方について示す。
【0050】
サンスクリーンの処方 (質量%)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
(1)メチルポリシロキサン 5.0
(2)デカメチルシクロペンタシロキサン 20.0
(3)トリメチルシロキシケイ酸 2.0
(4)ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 1.0
(5)1,3−ブチレングリコール 5.0
(6)イソステアリン酸 0.3
(7)酸化チタン 17.0
(8)オクチルメトキシシンナメート 8.0
(9)粘土鉱物 0.5
(10)ポリアクリル酸アルキル 5.0
(11)エデト酸三ナトリウム 適 量
(12)防腐剤 適 量
(13)香料 適 量
(14)精製水 残 余
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0051】
ファンデーションの処方 (質量%)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
(1)デカメチルシクロペンタシロキサン 14.0
(2)オクタメチルシクロテトラシロキサン 24.0
(3)シリコーン化プルラン 15.0
(4)イソステアリン酸 1.0
(5)酸化チタン 5.0
(6)オクチルメトキシシンナメート 5.0
(7)デキストリン脂肪酸被覆粉末 25.0
(8)アルコール 残 部
(9)香料 適 量
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0052】
以下の評価(1)〜(5)については、コントロール皮膚洗浄料として下記組成のものを調製し、評価の基準として用いた。
コントロール皮膚洗浄料組成
(1)カルボキシビニルポリマー 0.5 質量%
(2)ヒドロキシエチルセルロース 0.02
(3)アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.1
(4)デカメチルシクロペンタシロキサン 10.0
(5)流動パラフィン 3.0
(6)POE(10)イソステアリン酸 5.0
(7)1,3−ブチレングリコール 5.0
(8)水酸化カリウム 適 量
(9)香料 適 量
(10)精製水 残 余
(調製方法)
(1)〜(3)、(6)〜(8)を(10)に均一に混合溶解し、その中に(4)、(5)を混合した油相成分を攪拌混合した。さらに(9)を加えてホモミキサーで乳化し、クリーム状クレンジング(O/Wタイプ)を得た。
【0053】
「評価(1):皮膚洗浄料と化粧料とのなじみやすさ」
サンスクリーン及び皮膜性の強いファンデーションを重ね塗りし、2時間経過後試料を用いて洗顔を行い、皮膚洗浄料と化粧料とのなじみやすさの有無を専門パネラー10名により実使用試験を実施した。下記採点基準による点数判定を行ってもらう。ここで、点数判定は、コントロール皮膚洗浄料と化粧料とのなじみやすさを0として実施する。なお、各パネルによる点数の総和をパネル人数で割った平均値を算出し、下記評価基準に従い、評価結果とした。
採点基準
+3:コントロール皮膚洗浄料に比べて、非常になじむと認めた。
+2:コントロール皮膚洗浄料に比べて、なじむと認めた。
+1:コントロール皮膚洗浄料に比べて、ややなじむと認めた。
0:どちらともいえない。
−1:コントロール皮膚洗浄料に比べて、あまりなじまない。
−2:コントロール皮膚洗浄料に比べて、なじまない。
−3:コントロール皮膚洗浄料に比べて、全くなじまない。
評価基準
A:パネル10名の平均値が、+1.5点以上。
B:パネル10名の平均値が、0以上1.5点未満。
C:パネル10名の平均値が、−1.5点以上0点未満。
D:パネル10名の平均値が、−1.5点未満
【0054】
「評価(2):皮膚洗浄料のすすぎやすさ」
サンスクリーン及び被膜性の強いファンデーションを重ね塗りし、2時間経過後試料を用いて洗顔を行い、皮膚洗浄料のすすぎやすさの有無を専門パネラー10名により実使用試験を実施した。下記採点基準による点数判定を行ってもらう。ここで、点数判定は、コントロール皮膚洗浄料のすすぎやすさを0として実施する。なお、各パネルによる点数の総和をパネル人数で割った平均値を算出し、下記評価基準に従い、評価結果とした。
採点基準
+3:コントロール皮膚洗浄料に比べて、非常にすすぎやすいと認めた。
+2:コントロール皮膚洗浄料に比べて、すすぎやすいと認めた。
+1:コントロール皮膚洗浄料に比べて、ややすすぎやすいと認めた。
0:どちらともいえない。
−1:コントロール皮膚洗浄料に比べて、あまりすすぎやすくない。
−2:コントロール皮膚洗浄料に比べて、すすぎやすくないい。
−3:コントロール皮膚洗浄料に比べて、全くすすぎやすくない。
評価基準
A:パネル10名の平均値が、+1.5点以上。
B:パネル10名の平均値が、0以上1.5点未満。
C:パネル10名の平均値が、−1.5点以上0点未満。
D:パネル10名の平均値が、−1.5点未満
【0055】
「評価(3):洗浄後のべたつき感のなさ」
サンスクリーン及び被膜性の強いファンデーションを重ね塗りし、2時間経過後試料を用いて洗顔を行い、洗浄後のべたつき感の有無を専門パネラー10名により実使用試験を実施した。下記採点基準による点数判定を行ってもらう。ここで、点数判定は、コントロール皮膚洗浄料使用後のべたつき感のなさを0として実施する。なお、各パネルによる点数の総和をパネル人数で割った平均値を算出し、下記評価基準に従い、評価結果とした。
採点基準
+3:コントロール皮膚洗浄料に比べて、洗浄後非常にべたつかないと認めた。
+2:コントロール皮膚洗浄料に比べて、洗浄後べたつかないと認めた。
+1:コントロール皮膚洗浄料に比べて、洗浄後ややべたつかないと認めた。
0:どちらともいえない。
−1:コントロール皮膚洗浄料に比べて、洗浄後ややべたつく。
−2:コントロール皮膚洗浄料に比べて、洗浄後べたつく。
−3:コントロール皮膚洗浄料に比べて、洗浄後とてもべたつく。
評価基準
A:パネル10名の平均値が、+1.5点以上。
B:パネル10名の平均値が、0以上1.5点未満。
C:パネル10名の平均値が、−1.5点以上0点未満。
D:パネル10名の平均値が、−1.5点未満
【0056】
「評価(4):洗浄後のきしみ感」
サンスクリーン及び被膜性の強いファンデーションを重ね塗りし、2時間経過後試料を用いて洗顔を行い、洗浄後のきしみ感の有無を専門パネラー10名により実使用試験を実施した。下記採点基準による点数判定を行ってもらう。ここで、点数判定は、コントロール皮膚洗浄料のきしみ感を0として実施する。なお、各パネルによる点数の総和をパネル人数で割った平均値を算出し、下記評価基準に従い、評価結果とした。
採点基準
+3:コントロール皮膚洗浄料に比べて、洗浄後非常にきしまないと認めた。
+2:コントロール皮膚洗浄料に比べて、洗浄後きしまないと認めた。
+1:コントロール皮膚洗浄料に比べて、洗浄後ややきしまないと認めた。
0:どちらともいえない。
−1:コントロール皮膚洗浄料に比べて、洗浄後ややきしむ。
−2:コントロール皮膚洗浄料に比べて、洗浄後きしむ。
−3:コントロール皮膚洗浄料に比べて、洗浄後とてもきしむ。
評価基準
A:パネル10名の平均値が、+1.5点以上。
B:パネル10名の平均値が、0以上1.5点未満。
C:パネル10名の平均値が、−1.5点以上0点未満。
D:パネル10名の平均値が、−1.5点未満
【0057】
「評価(5):化粧料除去効果」
サンスクリーン及び被膜性の強いファンデーションを重ね塗りし、2時間経過後試料を用いて洗顔を行い、洗浄後の化粧料除去効果の有無を専門パネラー10名により実使用試験を実施した。下記採点基準による点数判定を行ってもらう。ここで、点数判定は、コントロール皮膚洗浄料除去効果を0として実施する。なお、各パネルによる点数の総和をパネル人数で割った平均値を算出し、下記評価基準に従い、評価結果とした。
採点基準
+3:コントロール皮膚洗浄料に比べて、洗浄後非常に化粧料除去効果が高いと認めた。
+2:コントロール皮膚洗浄料に比べて、洗浄後化粧料除去効果が高いと認めた。
+1:コントロール皮膚洗浄料に比べて、洗浄後やや化粧料除去効果が高いと認めた。
0:どちらともいえない。
−1:コントロール皮膚洗浄料に比べて、洗浄後やや化粧料除去効果が低いと認めた。
−2:コントロール皮膚洗浄料に比べて、洗浄後化粧料除去効果が低いと認めた。
−3:コントロール皮膚洗浄料に比べて、洗浄後とても化粧料除去効果が低いと認めた。
評価基準
A:パネル10名の平均値が、+1.5点以上。
B:パネル10名の平均値が、0以上1.5点未満。
C:パネル10名の平均値が、−1.5点以上0点未満。
D:パネル10名の平均値が、−1.5点未満
【0058】
「評価(6):皮膚刺激試験」
10名の被験者の上腕内側部に24時間の閉塞パッチ試験を実施し、その後以下の採点基準により平均値を算出した。評価基準は下記のとおり。
採点基準
0点:全く異常が認められない。
1点:わずかに赤みが認められた。
2点:赤みが認められた。
3点:赤みと丘疹が認められた。
評価基準
A:パネル10名の平均値が、0.15点未満。
B:パネル10名の平均値が、0.15点以上0.2点未満。
C:パネル10名の平均値が、0.2点以上0.3点未満。
D:パネル10名の平均値が、0.3点以上
【0059】
本発明者らは、各種アルキレンオキシド誘導体を配合した下記試験用基本組成を用いて、実際に皮膚洗浄料を調製し、その評価を行った。なお、下記基本組成のクレンジング料による洗顔は、クレンジング料を直接顔になじませた後水で洗い流すことにより行った。
【0060】
試験用基本組成
(1)カルボキシビニルポリマー 0.5質量%
(2)ヒドロキシエチルセルロース 0.02
(3)アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.1
(4)デカメチルシクロペンタシロキサン 10.0
(5)流動パラフィン 3.0
(6)アルキレンオキシド誘導体
(7)保湿剤
(8)水酸化カリウム 適 量
(9)香料 適 量
(10)精製水 残 余
(調製方法)
(1)〜(3)、(6)〜(8)を(10)に均一に混合溶解し、その中に(4)、(5)を混合した油相成分を攪拌混合した。さらに(9)を加えてホモミキサーで乳化し、クリーム状クレンジング(O/Wタイプ)を得た。
【0061】
本発明者らは、各種アルキレンオキシド誘導体を配合した各種皮膚洗浄料について検討した。その結果を表1〜3に示す。
なお、下記表中のブロック型アルキレンオキシド誘導体は、以下の式(II)の構造を有するものとする。例えば、a+c+e=30、b+d+f=30の場合は、(BO)30(EO)30と表記する。
【化4】

【表1】

【0062】
なお、上記表1中の試験例1〜10では、保湿剤として1,3―ブチレングリコールを5質量%配合している。
コントロールとして、従来から用いられている界面活性剤POE(10)イソステアリン酸を洗浄性のために配合しても(コントロール)、洗浄後べたつき感、皮膚刺激性は満足のいくものではない。
配合されるアルキレンオキシド誘導体の構造がオキシエチレン部のみ、あるいはオキシブチレン部のみで構成されていると(試験例7及び8)、これらの物質は界面活性剤として機能しないために、化粧品となじみやすさ、洗浄中のすすぎやすさ、化粧料除去効果が非常に劣るものである。
【0063】
さらにアルキレンオキシド誘導体の末端が水素であるものを配合した試験例9では、洗浄後べたつき感、皮膚刺激性の評価が劣るものであった。また、ランダム型のアルキレンオキシド誘導体を配合した場合(試験例10)、界面活性剤としての機能に劣るため、化粧料とのなじみ、洗浄中すすぎやすさ、化粧料除去効果が満足のいくものではなかった。
一方、試験例1〜6に配合される各種ブロック型アルキレンオキシド誘導体を配合した試験例においては、(1)〜(6)のいずれの評価においても優れたものであった。
【0064】
以上の結果より明らかなように、特定構造を有するブロック型アルキレンオキシド誘導体を皮膚洗浄料に配合すると、化粧料とのなじみが良く洗浄中のすすぎやすさ、洗浄後のべたつき感・きしみ感のなさ等の使用性に優れ、化粧料除去効果に優れ、さらに低皮膚刺激性である皮膚洗浄料とすることが可能である。
次に、皮膚洗浄料に配合する保湿剤について検討した。その結果を下記表2に示す。
【0065】
【表2】

【0066】
特定構造のブロック型アルキレンオキシド誘導体無配合の場合(試験例14)、洗浄中のすすぎやすさ、洗浄後のきしみ感、及び皮膚刺激性の点で劣ることが認められた。またプロピレングリコール、グリセリンなどの保湿剤無配合の場合(試験例15)、特に洗浄後のきしみ感がよくないことが認められた。
一方、試験例11〜13に配合される特定構造のブロック型アルキレンオキシド誘導体と保湿剤を組み合わせた場合においては、(1)〜(6)のいずれの評価においても優れたものであった。
次に、皮膚洗浄料における特定構造のブロック型アルキレンオキシド誘導体の好適な配合量の検討結果を下記表3に示す。
【0067】
【表3】

【0068】
上記表3の結果から、特定構造を有するブロック型アルキレンオキシド誘導体の配合量は0.1質量%程度から認められるが、特に顕著に認められるのは1.0質量%以上である。ただし20.0質量%以上になると洗浄後のべたつき感などが若干生じ始めるので、10質量%程度までの配合が特に好ましい。したがって特定構造を有するブロック型アルキレンオキシド誘導体の配合量は、0.1〜20.0質量%が好適である。
【0069】
以下、前述の試験例の皮膚洗浄料に配合した各種アルキレンオキシド誘導体の合成例の一部を示す。
<合成例1>
ポリオキシブチレン(30モル)ポリオキシエチレン(30モル)トリメチルグリセリルエーテル(ブロック型アルキレンオキシド誘導体)の合成
グリセリン92gと触媒として水酸化カリウム18gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら140℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりブチレンオキシド2160gを滴下させ、2時間攪拌した。続いて、滴下装置によりエチレンオキシド1320gを滴下させ、2時間攪拌した。次に、水酸化カリウム400gを仕込み、系内を乾燥窒素で置換した後、塩化メチル300gを温度80〜130℃で圧入し5時間反応させた。その後オートクレーブより反応組成物を取り出し、塩酸で中和してpH6〜7に調整し、含有する水分を除去するため減圧−0.088MPa(ゲージ圧)100℃で1時間処理した。さらに処理後生成した塩を除去するため濾過を行い、ブロック型アルキレンオキシド誘導体を得た。
塩化メチルを反応させる前にサンプリングし、精製したものの水酸基価が49、アルキレンオキシド誘導体1の水酸基価が0.4、末端メチル基数に対する水素原子数の割合は0.008であり、ほぼ完全に水素原子がメチル基に変換されている。
【0070】
<合成例2>
ポリオキシエチレン(57モル)トリメチルグリセリルエーテル(アルキレンオキシド誘導体)の合成
グリセリン92gと触媒として水酸化カリウム18gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら140℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりエチレンオキシド2508gを滴下させ、2時間攪拌した。次に、水酸化カリウム400gを仕込み、系内を乾燥窒素で置換した後、塩化メチル300gを温度80〜130℃で圧入し5時間反応させた。その後オートクレーブより反応組成物を取り出し、塩酸で中和してpH6〜7に調整し、含有する水分を除去するため減圧−0.088MPa(ゲージ圧)100℃で1時間処理した。さらに処理後生成した塩を除去するため濾過を行い、アルキレンオキシド誘導体を得た。
塩化メチルを反応させる前にサンプリングし、精製したものの水酸基価が66、アルキレンオキシド誘導体1の水酸基価が、末端メチル基数に対する水素原子数の割合は0.60.009であり、ほぼ完全に水素原子がメチル基に変換されている。
【0071】
<合成例3>
ポリオキシブチレン(30モル)ポリオキシエチレン(30モル)グリセリルエーテル(ブロック型アルキレンオキシド誘導体)の合成
グリセリン92gと触媒として水酸化カリウム18gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら140℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりブチレンオキシド2160gを滴下させ、2時間攪拌した。続いて、滴下装置によりエチレンオキシド1320gを滴下させ、2時間攪拌した。その後オートクレーブより反応組成物を取り出し、塩酸で中和してpH6〜7に調整し、含有する水分を除去するため減圧−0.088MPa(ゲージ圧)100℃で1時間処理した。さらに処理後生成した塩を除去するため濾過を行い、ブロック型アルキレンオキシド誘導体を得た。
【0072】
<合成例4>
ポリオキシブチレン(30モル)ポリオキシエチレン(30モル)トリブチルグリセリルエーテル(ブロック型アルキレンオキシド誘導体)の合成
グリセリン92gと触媒として水酸化カリウム18gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら140℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりブチレンオキシド2160gを滴下させ、2時間攪拌した。続いて、滴下装置によりエチレンオキシド1320gを滴下させ、2時間攪拌した。次に、水酸化カリウム800gを仕込み、系内を乾燥窒素で置換した後、塩化ブチル1200gを温度80〜130℃で圧入し5時間反応させた。その後オートクレーブより反応組成物を取り出し、塩酸で中和してpH6〜7に調整し、含有する水分を除去するため減圧−0.088MPa(ゲージ圧)100℃で1時間処理した。さらに処理後生成した塩を除去するため濾過を行い、ブロック型アルキレンオキシド誘導体を得た。
塩化メチルを反応させる前にサンプリングし、精製したものの水酸基価が50、アルキレンオキシド誘導体1の水酸基価が1.5、末端ブチル基数に対する水素原子数の割合は0.03であり、ほぼ完全に水素原子がブチル基に変換されている。
【0073】
<合成例5>
ポリオキシブチレン(30モル)ポリオキシエチレン(30モル)グリセリルエーテル(ランダム型アルキレンオキシド誘導体)の合成
グリセリン92gと触媒として水酸化カリウム18gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら140℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりブチレンオキシド2160gとエチレンオキシド1320gの混合物を滴下させ、2時間攪拌した。次に、水酸化カリウム400gを仕込み、系内を乾燥窒素で置換した後、塩化メチル300gを温度80〜130℃で圧入し5時間反応させた。その後オートクレーブより反応組成物を取り出し、塩酸で中和してpH6〜7に調整し、含有する水分を除去するため減圧−0.088MPa(ゲージ圧)、100℃で1時間処理した。さらに処理後生成した塩を除去するため濾過を行い、ランダム型アルキレンオキシド誘導体を得た。
塩化メチルを反応させる前にサンプリングし、精製したものの水酸基価が47、得られたランダム型アルキレンオキシド誘導体5の化合物の水酸基価が0.5、末端メチル基数に対する水素原子数の割合は0.011であり、ほぼ完全に水素原子がメチル基に変換されている。
【0074】
以下に本発明にかかる皮膚洗浄料の処方例を挙げるが、本発明の技術範囲はこれらにより限定されるものではない。なお、得られた皮膚洗浄料は、化粧料とのなじみが良く、洗浄中のすすぎやすさ、洗浄後のべたつき感・きしみ感のなさ等の使用性に優れ、化粧料除去果に優れ、さらに低皮膚刺激性であることが確認された。
【0075】
以下に配合例について示す。
配合例1:メーククレンジングジェル
(1)ヒドロキシエチルセルロース 0.1 質量%
(2)カルボキシビニルポリマー 0.4
(3)アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.2
(4)エデト酸三ナトリウム 適 量
(5)ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 0.1
(6)モノイソステアリン酸ポリエチレングリコール 0.5
(7)POB(30)POE(35)トリメチルグリセリルエーテル(ブロック) 5.0
【化4】

(式(III)中、a+c+e=30、b+d+f=35であり、BOはオキシブチレン基、EOはオキシエチレン基を示す。)
(8)水酸化カリウム 適 量
(9)アルコール 5.0
(10)防腐剤 適 量
(11)デカメチルシクロペンタシロキサン 18.0
(12)メチルポリシロキサン 3.0
(13)香料 適 量
(14)精製水 残 余
(製法及び評価)
(14)に(1)〜(8)を加え攪拌溶解し、これを水相部とした。その後(9)に(10)を溶解させたものを水相部に加え、更に(11)〜(13)を加えて、乳化機で乳化してメーククレンジングジェルを得た。得られたメーククレンジングジェルを直接なじませた後、水で洗い流したところ、該クレンジングジェルは化粧料とのなじみが良く、洗浄中のすすぎやすさ、洗浄後のべたつき感・きしみ感のなさ等の使用性に優れ、化粧料除去効果に優れ、さらに低皮膚刺激性であることが認められた。
【0076】
配合例2:メーククレンジングジェル
(1)ヒドロキシエチルセルロース 0.05 質量%
(2)カルボキシビニルポリマー 0.45
(3)アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.1
(4)エデト酸三ナトリウム 適 量
(5)ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 0.01
(6)POB(32)POE(52)トリメチルグリセリルエーテル(ブロック) 7.0
(式(III)中、a+c+e=32、b+d+f=52であり、BOはオキシブチレン基、EOはオキシエチレン基を示す。)
(7)ポリアスパラギン酸ナトリウム液 適 量
(8)カモミラエキス 適 量
(9)水酸化カリウム 適 量
(10)アルコール 5.0
(11)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.1
(12)防腐剤 適 量
(13)デカメチルシクロペンタシロキサン 18.0
(14)メチルポリシロキサン 3.0
(15)香料 適 量
(16)精製水 残 余
(製法及び評価)
(16)に(1)〜(9)を加え攪拌溶解し、これを水相部とした。その後(10)に(11)〜(12)を溶解させたものを水相部に加え、更に(13)〜(15)を加えて、乳化機で乳化してメーククレンジングジェルを得た。得られたメーククレンジングジェルを直接なじませた後、水で洗い流したところ、該クレンジングジェルは化粧料とのなじみが良く、洗浄中のすすぎやすさ、洗浄後のべたつき感・きしみ感のなさ等の使用性に優れ、化粧料除去効果に優れ、さらに低皮膚刺激性であることが認められた。
【0077】
配合例3:ボディーシャンプー
(1)ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.1 質量%
(2)グリセリン 10.0
(3)ジプロピレングリコール 5.0
(4)ラウリン酸トリエタノールアミン 12.0
(5)ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 5.0
(6)ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
(7)POB(17)POE(28)トリメチルグリセリルエーテル(ブロック) 5.0
(式(III)中、a+c+e=17、b+d+f=28であり、BOはオキシブチレン基、EOはオキシエチレン基を示す。)
(8)カミモラエキス 適 量
(9)エデト酸三ナトリウム 適 量
(10)防腐剤 適 量
(11)色剤 適 量
(12)香料 適 量
(13)精製水 残 余
(製法及び評価)
(13)に(1)を加え攪拌分散した後70℃に加熱し、(2)〜(12)を加え攪拌溶解した。その後熱交換機を用いて冷却してボディーシャンプーを得た。得られたボディーシャンプーを水で泡立ててなじませた後、水で洗い流したところ、該ボディシャンプーは化粧料とのなじみが良く、洗浄中のすすぎやすさ、洗浄後のべたつき感・きしみ感のなさ等の使用性に優れ、化粧料除去効果に優れ、さらに低皮膚刺激性であることが認められた。
【0078】
配合例4:機械練り石鹸
(1)ナトリウム石鹸 残 余
(2)カリウム石鹸 5.0 質量 %
(3)塩化ナトリウム 0.3
(4)グリセリン 0.5
(5)ラウリン酸 5.0
(6)POB(41)POE(48)トリメチルグリセリルエーテル(ブロック) 3.0
(式(III)中、a+c+e=41、b+d+f=48であり、BOはオキシブチレン基、EOはオキシエチレン基を示す。)
(7)色剤 適 量
(8)エデト酸三ナトリウム 適 量
(9)香料 適 量
(製法及び評価)
(1)〜(9)を60℃で加熱混合し、この液を枠内に流し込み、冷却・固化して機械練り石鹸を得た。得られた石鹸を水で泡立ててなじませた後、水で洗い流したところ、該石鹸は化粧料とのなじみが良く、洗浄中のすすぎやすさ、洗浄後のべたつき感・きしみ感のなさ等の使用性に優れ、化粧料除去効果に優れ、さらに低皮膚刺激性であることが認められた。
【0079】
配合例5:メーククレンジングジェル
(1)ヒドロキシエチルセルロース 0.1 質量%
(2)カルボキシビニルポリマー 0.3
(3)アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.3
(4)エデト酸三ナトリウム 適 量
(5)モノイソステアリン酸ポリエチレングリコール 0.5
(6)POB(14)POE(34)トリメチルグリセリルエーテル(ブロック) 3.0
(式(III)中、a+c+e=14、b+d+f=34であり、BOはオキシブチレン基、EOはオキシエチレン基を示す。)
(7)水酸化カリウム 適 量
(8)アルコール 5.0
(9)POE硬化ヒマシ油 0.3
(10)防腐剤 適 量
(11)デカメチルシクロペンタシロキサン 10.0
(12)メチルポリシロキサン 10.0
(13)香料 適 量
(14)精製水 残 余
(製法及び評価)
(14)に(1)〜(7)を加え攪拌溶解し、これを水相部とした。その後、(8)に(9)〜(10)を溶解させたものを水相部に加え、更に(11)〜(13)を加えて、乳化機で乳化してメーククレンジングジェルを得た。得られたメーククレンジングジェルを直接なじませた後、水で洗い流したところ、該クレンジングジェルは化粧料とのなじみが良く、洗浄中のすすぎやすさ、洗浄後のべたつき感・きしみ感のなさ等の使用性に優れ、化粧料除去効果に優れ、さらに低皮膚刺激性であることが認められた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の式(I)で示されるブロック型アルキレンオキシド誘導体0.01〜70質量%と、保湿剤0.1〜20質量%とを含有することを特徴とする皮膚洗浄料。
【化1】

(式中、Yは3〜6個の水酸基を有する多価アルコールの水酸基を除いた残基、kは前記多価アルコールの水酸基数、EOはオキシエチレン基、AOは炭素数3〜6のオキシアルキレン基でそれぞれブロック状に付加されている。a×k、b×kおよびc×kはそれぞれオキシエチレン基、炭素数3〜6のオキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数で、0≦a×k≦100、1≦b×k≦100、0≦c×k≦100、ただし(a+c)×k>1である。オキシエチレン基と炭素数3〜6のオキシアルキレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合は、10〜80質量%である。Rは炭素数1〜4の炭化水素基である。)
【請求項2】
請求項1に記載の皮膚洗浄料において、前記式(I)で示されるブロック型アルキレンオキシド誘導体の含有量が0.1〜20質量%であることを特徴とする皮膚洗浄料。
【請求項3】
請求項1または2に記載の皮膚洗浄料において、前記式(I)で示されるブロック型アルキレンオキシド誘導体のAO基がオキシブチレン基であることを特徴とする皮膚洗浄料。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の皮膚洗浄料において、前記式(I)で示されるブロック型アルキレンオキシド誘導体のaが0であり、AOとEOの付加順序が、式中のYに対して、(AO)−(EO)であることを特徴とする皮膚洗浄料。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の皮膚洗浄料において、前記保湿剤がジプロピレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリンから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする皮膚洗浄料。



【公開番号】特開2008−88085(P2008−88085A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−269123(P2006−269123)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【出願人】(000004341)日油株式会社 (896)
【Fターム(参考)】