説明

監視カメラシステム

【課題】監視者による他の監視カメラの向きを変えるなどの操作を不要とし、監視作業を容易とするとともに、監視を集中して行うことができるようにする。
【解決手段】監視者が、複数台の監視カメラ110〜130のうち、いずれか一台のたとえば監視カメラ110を操作し、その監視カメラ110で監視対象(侵入者等)が映し出され、その後、監視対象(侵入者等)がその監視カメラ110の少なくとも死角に入ると、制御装置150によりプリセット情報テーブル151の位置関係情報とプリセット旋回情報とに基づき、自動的に他の監視カメラ120,130の旋回制御が行われて監視対象(侵入者等)の追尾が行われるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数台の監視カメラにより監視対象(侵入者等)の監視を行う監視カメラシステムに係り、特に、プリセット情報テーブルに登録してある複数台の監視カメラ相互の位置関係情報を基に、一台の監視カメラが監視対象(侵入者等)を捉えると、その監視カメラに追従させて他の監視カメラを監視対象(侵入者等)を捉える方向に旋回させるようにした監視カメラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、所定の監視エリア内に進入する監視対象(侵入者等)を監視するものとして、複数台の監視カメラにより所定の監視エリア内を全体的に監視する監視カメラシステムが採用されている。ここで、所定の監視エリアとしては、たとえば個人や法人等が所有する敷地や銀行等の金融機関における店内等が相当する。
【0003】
このような監視カメラによる監視を行うものとして、特許文献1では、第1撮像装置によって室内全体が固定視野のもとで常時撮像され、演算部によって第1撮像装置の映像信号に基づき、室内に入った一移動体に係る入室検知と、第1撮像装置の固定視野内における移動体画像の領域及び時間的な各位置とが求められ、第2撮像装置によって演算部により求められた入室検知に基づいて撮像が開始され、移動体画像領域に基づく倍率で拡大方向にズーミングがなされ、かつ移動体画像の時間的な各位置に基づいて移動体に対する追尾がなされ、移動体画像が常に視野内のほぼ中心に位置するようにした室内監視装置を提案している。
【特許文献1】特開平05−334572号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1では、第1撮像装置によって常に室内における侵入者の全ての挙動が総括的に撮像されるとともに、侵入者が部屋に侵入した時点から、第2撮像装置によって侵入者に対する拡大された詳細な画像が、常に視野の中心部に位置するように追尾されて撮像されるから、全体又は部分の両面からの的確な状況把握が可能となり、ひいては侵入者の特定、探索が容易になる。
【0005】
ところが、このような監視カメラによる監視方法では、第1撮像装置によって侵入者が撮像されると、第2撮像装置によって侵入者に対する拡大された詳細な画像が、常に視野の中心部に位置するように追尾されて撮像されるようになっているが、たとえば侵入者が第1撮像装置によって撮像できない場所、つまり侵入者が第1撮像装置の視野から隠れた物陰に侵入者が移動すると、第1撮像装置によって侵入者を撮像することができないばかりか、第2撮像装置による侵入者を追尾しての撮像を行うことができなくなってしまう。
【0006】
このような場合、複数台の監視カメラで侵入者を追尾するようにすれば、いずれかの監視カメラの死角に侵入者が入っても、他の監視カメラでその侵入者を追尾することが可能となるが、監視者がその都度監視カメラを選択して監視カメラの向きを変えるなどの操作が必要となり、監視作業が繁雑となるばかりか、監視に集中できなくなってしまうという問題点を生じてしまう。
【0007】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解決することができる監視カメラシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の監視カメラシステムは、複数台の監視カメラにより監視対象の監視を行う監視カメラシステムであって、いずれか一台の前記監視カメラを操作する操作装置と、複数台の前記監視カメラ相互の位置関係を示す位置関係情報とそれぞれの監視カメラの旋回の向きや旋回量を示すプリセット旋回情報とが登録されているプリセット情報テーブルを有する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記監視対象が少なくとも前記操作装置によって操作される前記監視カメラの死角に入ると、前記プリセット情報テーブルの位置関係情報とプリセット旋回情報とに基づき、他の監視カメラの旋回制御を行うことを特徴とする。
本発明の監視カメラシステムでは、監視対象が少なくとも操作装置によって操作される監視カメラの死角に入ると、制御装置によりプリセット情報テーブルの位置関係情報とプリセット旋回情報とに基づき、他の監視カメラの旋回制御が行われるようにしたので、監視者は一台の監視カメラの操作を行うことで、自動的に他の監視カメラからの映像の監視も行うことができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の監視カメラシステムによれば、監視者が一台の監視カメラの操作を行うことで、自動的に他の監視カメラからの映像の監視も行うことができるようにしたので、他の監視カメラの向きを変えるなどの操作が不要となり、監視作業が容易となるばかりか、監視を集中して行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本実施形態では、監視者が、複数台の監視カメラのうち、いずれか一台の監視カメラを操作し、その監視カメラで監視対象(侵入者等)が映し出され、その後、監視対象(侵入者等)がその監視カメラの少なくとも死角に入ると、制御装置によりプリセット情報テーブルの位置関係情報とプリセット旋回情報とに基づき、自動的に他の監視カメラの旋回制御が行われて監視対象(侵入者等)の追尾が行われる。
【0011】
このように、監視者が一台の監視カメラの操作を行うことで、他の監視カメラは自動的に旋回制御が行われることから、監視者による他の監視カメラの向きを変えるなどの操作が不要となり、監視作業が容易となるばかりか、監視を集中して行うことができるようになる。
【0012】
なお、複数台の監視カメラは、たとえばエンコーダ及びHUBを介していずれかの監視カメラの操作を行うパーソナルコンピュータと、いずれかの監視カメラからの画像データを記録する記録装置とに接続される構成をとることも可能である。
【0013】
また、複数台の監視カメラは、たとえばエンコーダ及びネットワークを介してサーバに接続されるようにし、そのサーバには上述したパーソナルコンピュータが接続されるような構成をとることも可能である。
【実施例】
【0014】
以下、本発明の実施例の詳細について説明する。図1は、本発明の監視カメラシステムの一実施例を説明するための図である。
【0015】
同図に示す監視カメラシステムは、監視カメラ110,120,130と、エンコーダ141,142,143と、制御装置150と、HUB160と、パーソナルコンピュータ170と、記録装置180とを備えている。
【0016】
監視カメラ110〜130は、所定の監視エリア内に分散配置され、その監視エリア内を撮像した映像信号を出力する。また、監視カメラ110〜130には、レンズに付着した雨滴等を除去するワイパ装置111,121,131と、夜間等に撮像エリアを明るく照らす照明装置112,122,132とが設けられている。
【0017】
ここで、ワイパ装置111〜131は、それぞれの監視カメラ110〜130が屋外に設置される場合を想定したものであり、それぞれの監視カメラ110〜130が屋内に設置される場合はこれらのワイパ装置111〜131を省くことも可能である。また、照明装置112〜132は、夜間等に撮像エリアを明るく照らす場合を想定したものであり、それぞれの監視カメラ110〜130によって撮像エリアを明るく照らす必要がなければこれらの照明装置112〜132を省くことも可能である。
【0018】
エンコーダ141〜143は、それぞれの監視カメラ110〜130からの映像信号をデジタルの映像信号に変換する。
【0019】
制御装置150は、それぞれの監視カメラ110〜130の相互の位置関係を示す位置関係情報と、それぞれの監視カメラ110〜130の旋回量を示す旋回情報とが登録されているプリセット情報テーブル151を有している。
【0020】
また、制御装置150は、パーソナルコンピュータ170からの操作に応じて一台のたとえば監視カメラ110を旋回させるが、その監視カメラ110によって監視対象(侵入者等)が撮像されると、プリセット情報テーブル151の位置関係情報と旋回情報とに基づき、他の監視カメラ120又は監視カメラ130を自動で旋回させる。
【0021】
また、制御装置150は、パーソナルコンピュータ170からの操作に応じて一台のたとえば監視カメラ110のワイパ装置111や照明装置112を駆動させるが、パーソナルコンピュータ170からの監視カメラ110に対してのワイパ装置111や照明装置112を駆動させる操作があると、他の監視カメラ120及び監視カメラ130のワイパ装置121,131及び照明装置122,132を自動で駆動させる。
【0022】
ここで、制御装置150は、これらの制御を行うために、図示しないCPUが図示しないROMに記憶されている所定の制御プログラムを読み込むことで、画像認識判別処理部152、監視カメラ旋回制御部153、ワイパ制御部154、照明制御部155を実現する。
【0023】
ここで、画像認識判別処理部152は、たとえば監視カメラ110によって監視対象(侵入者等)が撮像されたかどうかを判別するための画像認識判別処理を行う。すなわち、たとえば撮像におけるフレーム間の画像データの変化を検出することで、監視対象(侵入者等)が撮像されたかどうかを判別することができる。
【0024】
監視カメラ旋回制御部153は、画像認識判別処理部152によって監視対象(侵入者等)が撮像されたと判別されると、上述のプリセット情報テーブル151の位置関係情報とプリセット旋回情報とに基づき、他の監視カメラ120又は監視カメラ130を自動で旋回させる。ここで、他の監視カメラ120又は監視カメラ130の旋回は、プリセット旋回情報よってその向きや旋回量等が決められている。
【0025】
ワイパ制御部154は、パーソナルコンピュータ170からの監視カメラ110に対してのワイパ装置111を駆動させる操作があると、他の監視カメラ120及び監視カメラ130のワイパ装置121,132をパーソナルコンピュータ170からの操作がなくても自動で駆動させる。
【0026】
照明制御部155は、パーソナルコンピュータ170からの監視カメラ110に対しての照明装置112を駆動させる操作があると、他の監視カメラ120及び監視カメラ130の照明装置122,132をパーソナルコンピュータ170からの操作がなくても自動で駆動させる。
【0027】
これにより、監視者は一台の監視カメラ110に対しての旋回操作、ワイパ操作、照明操作を行うことで、他の監視カメラ120,130に対してのそれぞれの操作が不要となり、監視作業を容易に行えることになる。
【0028】
HUB160は、エンコーダ141〜143及び制御装置150と、パーソナルコンピュータ170及び記録装置180との接続を受け持つ。
【0029】
パーソナルコンピュータ170は、監視者が監視操作画面171を見ながら操作するものであるが、その詳細については後述する。
【0030】
記録装置180は、エンコーダ141〜143からのデジタルの映像信号を記録する。記録に際しては、たとえばそれぞれの監視カメラ110〜130を識別するための識別子に対応させて記録されるようになっている。
【0031】
図2は、パーソナルコンピュータ170の詳細について説明するための図である。同図に示すパーソナルコンピュータ170の監視操作画面171はタッチパネル操作式となっており、映像表示エリア172、監視カメラ配置表示エリア173、操作ボタン表示エリア174が設けられている。
【0032】
映像表示エリア172には、監視カメラ配置表示エリア173に表示されている監視カメラ110〜130のいずれかをタッチして選択されたいずれかの監視カメラ110〜130の映像が表示される。
【0033】
監視カメラ配置表示エリア173には、監視エリアの概要と、その監視エリアにおける監視カメラ110〜130の配置個所に対応させたカメラアイコン110a〜130aが表示される。すなわち、ここでの監視エリアは、門100と所定の建物との間の広場を示している。
【0034】
また、これらの監視カメラ110〜130の配置個所に対応させたカメラアイコン110a〜130aは、上述のプリセット情報テーブル151に登録されている位置関係情報に応じて表示されるものである。すなわち、監視カメラ110に対応するカメラアイコン110aは門100の近くに配置され、監視カメラ120に対応するカメラアイコン120aは監視カメラ110に対向し、門100からやや離れた位置に配置され、監視カメラ130に対応するカメラアイコン130aは監視カメラ120に対向し、門100からさらに離れた位置に配置されている。
【0035】
また、これらのカメラアイコン110a〜130aのいずれかかがタッチ操作により選択されると、その選択されたカメラアイコン110a〜130aのいずれかかがたとえば青色等によって表示される。これにより、選択されたカメラアイコン110a〜130aのいずれかかと選択されていないカメラアイコン110a〜130aのいずれかかとの区別が容易となる。
【0036】
また、カメラアイコン110a〜130aのいずれかかが選択されると、その選択されたいずれかのカメラアイコン110a〜130aの映像が上述の映像表示エリア172に表示される。
【0037】
操作ボタン表示エリア174には、監視カメラ110〜130のいずれか一台の旋回を操作する旋回操作ボタン175と、監視カメラ110〜130のワイパ装置111〜131を駆動操作するワイパ操作ボタン176a,177a,178aと、監視カメラ110〜130の照明装置112〜132を駆動操作する照明操作ボタン176b,177b,178bとが表示されている。
【0038】
ここで、旋回操作ボタン175は、監視カメラ配置表示エリア173にて選択されたカメラアイコン110a〜130aのいずれかかにのみ対応させて有効となっている。また、ワイパ操作ボタン176a,177a,178aと、監視カメラ110〜130の照明装置112〜132を駆動操作する照明操作ボタン176b,177b,178bとは、監視カメラ配置表示エリア173にて選択されたカメラアイコン110a〜130aのいずれかにのみ対応させて有効となっている。
【0039】
なお、ワイパ操作ボタン176a,177a,178a及び照明操作ボタン176b,177b,178bにあっては、選択されたカメラアイコン110a〜130aのいずれかに対応させるようにしておけば、それぞれ1個とするようにすることもできる。
【0040】
選択されなかったカメラアイコン110a〜130aのいずれかかに対応する監視カメラ110〜130については、上述の制御装置150によって旋回操作、ワイパ操作、照明操作が制御される。
【0041】
これにより、監視者がたとえば門100の近くに配置されている監視カメラ110に対応するカメラアイコン110aを選択し、旋回操作ボタン175の操作によって監視することにより、その監視カメラ110によって撮像された監視対象(侵入者等)が木や建物等の障害物に隠れて映し出されなくなったり、監視対象(侵入者等)が監視カメラ110の死角に入ったりしても、上述の制御装置150によって他の監視カメラ120又は130が上述のプリセット情報テーブル151に登録されている位置関係情報から他の監視カメラ120又は監視カメラ130が同様にプリセット情報テーブル151に登録されている旋回情報である一方向から他方向に向きを変えるためのプリセット旋回値に基づき自動的に旋回される。
【0042】
これにより、監視者が他の監視カメラ120又は監視カメラ130を操作しなくても、障害物に隠れている監視対象(侵入者等)が監視カメラ120又は監視カメラ130によって自動的に映し出されることになり、監視対象(侵入者等)を見失うことがなくなる。
【0043】
また、監視者が上記同様に、たとえば門100の近くに配置されている監視カメラ110に対応するカメラアイコン110aを選択し、そのカメラアイコン110aに対応するワイパ操作ボタン176a又は照明操作ボタン176bをタッチ操作すると、監視カメラ110に対応するワイパ装置111又は照明装置112のみが駆動されることになるが、上述したように、制御装置150により他の監視カメラ120,130のワイパ装置121,131又は照明装置122,132が自動で駆動される。
【0044】
これにより、監視者は、一台のたとえば監視カメラ110の操作に集中して監視作業を行うことができる。
【0045】
このように、本実施例では、監視者が、複数台の監視カメラ110〜130のうち、いずれか一台のたとえば監視カメラ110を操作し、その監視カメラ110で監視対象(侵入者等)が映し出され、その後、監視対象(侵入者等)がその監視カメラ110の少なくとも死角に入ると、制御装置150によりプリセット情報テーブル151の位置関係情報とプリセット旋回情報とに基づき、自動的に他の監視カメラ120,130の旋回制御が行われて監視対象(侵入者等)の追尾が行われるようにした。
【0046】
このように、監視者が一台のたとえば監視カメラ110の操作を行うことで、他の監視カメラ120,130は自動的に旋回制御が行われることから、監視者による他の監視カメラ120,130の向きを変えるなどの操作が不要となり、監視作業が容易となるばかりか、監視を集中して行うことができるようになる。
【0047】
また、本実施例では、監視者が一台のたとえば監視カメラ110のレンズに付着した雨滴等を除去するワイパ装置111や夜間等に撮像エリアを明るく照らす照明装置112を駆動させるように操作すると、制御装置150により他の監視カメラ120,130のワイパ装置121,131や照明装置122,132が自動的に駆動されるため、監視者によるワイパ装置111,121,131や照明装置112,122,132の操作のための負担が大幅に軽減される。
【0048】
すなわち、全ての監視カメラ110〜130のワイパ装置111,121,131や照明装置112,122,132を駆動させるための操作を行う場合、通常では、監視カメラ110〜130を一台ずつ選択してワイパ装置111,121,131や照明装置112,122,132を駆動させるための操作を行う必要があるが、本実施例のように、制御装置150により監視者が監視カメラ110に対して操作した内容に応じて他の監視カメラ120,130も同様に自動的に操作されるようにすることで、少なくとも監視カメラ110〜130を一台ずつ選択する操作と、その選択に併せてワイパ装置111,121,131や照明装置112,122,132を駆動させるための操作手順が大幅に軽減されることになる。
【0049】
なお、本実施例では、HUB160を介して監視カメラ110〜130からの映像をパーソナルコンピュータ170の監視操作画面171や記録装置180に取り込む場合について説明したが、この例に限らず、たとえば図3に示すように、インターネット等のネットワークを介して監視カメラ110〜130からの映像を取り込むようにすることも可能である。
【0050】
すなわち、同図に示すように、監視カメラ110〜130からの映像信号をデジタルの映像信号に変換するエンコーダ141a〜143aのそれぞれにIPアドレスを割り振るとともに、それぞれのエンコーダ141a〜143aをネットワーク160Aに接続する。
【0051】
また、ネットワーク160Aにはサーバ180aが接続されるようにし、そのサーバ180aには上述したパーソナルコンピュータ170が接続されるようにする。
【0052】
また、サーバ180aには、上述した制御装置150が有するそれぞれの監視カメラ110〜130の相互の位置関係を示す位置関係情報と、それぞれの監視カメラ110〜130の旋回量を示す旋回情報とが登録されているプリセット情報テーブル151と同等のプリセット情報テーブル181が設けられている。
【0053】
また、サーバ180aには、制御装置150にて図示しないCPUが図示しないROMに記憶されている所定の制御プログラムを読み込むことにより実現される、上述の画像認識判別処理部152、監視カメラ旋回制御部153、ワイパ制御部154、照明制御部155と同等の画像認識判別処理部182、監視カメラ旋回制御部183、ワイパ制御部184、照明制御部185が実現される。
【0054】
このような構成では、たとえば図4に示すように、パーソナルコンピュータ170の操作に応じたサーバ180aによる制御により、たとえば監視カメラ110による監視が行われるとすると、監視カメラ110からの映像がネットワーク160Aを介してパーソナルコンピュータ170の監視操作画面171に映し出される。
【0055】
ここで、監視対象(侵入者等)190が監視カメラ110の死角に入る(監視カメラ110の監視範囲110aから外れる)とき、サーバ180aにより、プリセット情報テーブル181の監視カメラ110〜130の相互の位置関係を示す位置関係情報を基に、たとえば監視カメラ120が制御され、上記同様に、プリセット情報テーブル181に登録されている旋回情報である一方向(監視範囲120a)から他方向(監視範囲120b)に向きを変えるためのプリセット旋回値に基づき自動的に旋回される。
【0056】
これにより、監視対象(侵入者等)190が監視カメラ110の死角に入っても、たとえば監視カメラ120によって監視対象(侵入者等)が追従して捉えられるので、見失うことがなくなる。
【0057】
よって、このようにネットワーク160Aを介して監視カメラ110〜130によって監視を行うことにより、上述した効果に加え、監視カメラ110〜130の設置個所の制約を大幅に緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の監視カメラシステムの一実施例を説明するための図である。
【図2】図1のパーソナルコンピュータの詳細について説明するための図である。
【図3】図1の監視カメラシステムの構成を変えた場合の他の実施例を説明するための図である。
【図4】図3の監視カメラシステムによる監視概要を説明するための図である。
【符号の説明】
【0059】
100 門
110〜130 監視カメラ
110a〜130a カメラアイコン
111〜131 ワイパ装置
112〜132 照明装置
141〜143 エンコーダ
141a〜143a エンコーダ
150 制御装置
151 プリセット情報テーブル
152 画像認識判別処理部
153 監視カメラ旋回制御部
154 ワイパ制御部
155 照明制御部
160 HUB
160A ネットワーク
170 パーソナルコンピュータ(操作装置)
171 監視操作画面
172 映像表示エリア
173 監視カメラ配置表示エリア
174 操作ボタン表示エリア
175 旋回操作ボタン
176a,177a,178a ワイパ操作ボタン
176b,177b,178b 照明操作ボタン
180 記録装置
180a サーバ(制御装置)
181 プリセット情報テーブル
182 画像認識判別処理部
183 監視カメラ旋回制御部
184 ワイパ制御部
185 照明制御部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数台の監視カメラにより監視対象の監視を行う監視カメラシステムであって、
いずれか一台の前記監視カメラを操作する操作装置と、
複数台の前記監視カメラ相互の位置関係を示す位置関係情報とそれぞれの監視カメラの旋回の向きや旋回量を示すプリセット旋回情報とが登録されているプリセット情報テーブルを有する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記監視対象が少なくとも前記操作装置によって操作される前記監視カメラの死角に入ると、前記プリセット情報テーブルの位置関係情報とプリセット旋回情報とに基づき、他の監視カメラの旋回制御を行う
ことを特徴とする監視カメラシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−55180(P2009−55180A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−218307(P2007−218307)
【出願日】平成19年8月24日(2007.8.24)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】