説明

監視用画像処理装置

【課題】反復性のある木の葉の揺れや、一定時間継続する水たまりの水紋のような正規の発報対象ではない変化領域の不要検知を抑制できる監視用画像処理装置を提供する。
【解決手段】時系列に撮影された監視対象領域の各過去画像をブロック毎に分割し、各過去画像のエッジブロックからデフォルトエッジブロック及び各過去画像の全てに重なって存在するエッジブロックを除去し、各過去画像の残りのエッジブロックを統合したブロックをテンポラリエッジブロックとして算出し、監視対象領域を撮影した画像内から抽出した変化領域とテンポラリエッジブロックとの重なり度合いに応じて、該変化領域が発報対象であるか否かを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、監視領域の背景画像と現画像の照合結果から侵入者等の異常を判断する監視用画像処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
監視領域の背景画像と現画像の照合結果から侵入者等の異常を判断する従来の監視用画像処理装置としては、例えば特許文献1に開示されるものがある。この監視用画像処理装置では、現画像データと比較用背景画像データとの比較演算に基づき変化領域を抽出し、抽出した変化領域の特徴量が所定の条件(特徴量パラメータ設定値)に合致した場合で、かつ変化領域が一定時間所定の変化が無いときには発報対象として認識する。
【0003】
【特許文献1】特開平10−105839号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の監視用画像処理装置は、変化領域の特徴量が特徴量パラメータ設定値に合致するか否かに依存している。このため、変化領域が正規の発報対象ではない全く別の事象(例えば、木の葉の揺れや水たまりの水紋)であっても、特徴量が特徴量パラメータ設定値に合致すれば、発報すべきイベントと判断され、そのまま発報される可能性があるという課題があった。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、反復性のある木の葉の揺れや、一定時間継続する水たまりの水紋のような正規の発報対象ではない変化領域を発報すべきイベントと判断すること(以下、不要検知と称す)を抑制することができる監視用画像処理装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る監視用画像処理装置は、監視対象領域の画像をブロック毎に分割し、該監視対象領域に最初から存在する事物のエッジを含むブロックをデフォルトエッジブロックとして算出する第1の算出部と、時系列に撮影された監視対象領域の各画像をブロック毎に分割し、各画像内のエッジを含むブロックをエッジブロックとして算出すると共に、各画像のエッジブロックからデフォルトエッジブロック及び各画像の全てに重なって存在するエッジブロックを除去し、各画像の残りのエッジブロックを統合したブロックをテンポラリエッジブロックとして算出する第2の算出部と、監視対象領域を撮影した画像内から抽出した変化領域とテンポラリエッジブロックとの重なり度合いに応じて、該変化領域が発報対象であるか否かを判定する判定部とを備えるものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、時系列に撮影された監視対象領域の各画像をブロック毎に分割し、各画像内のエッジを含むブロックをエッジブロックとして算出すると共に、各画像のエッジブロックからデフォルトエッジブロック及び各画像の全てに重なって存在するエッジブロックを除去し、各画像の残りのエッジブロックを統合したブロックをテンポラリエッジブロックとして算出し、監視対象領域を撮影した画像内から抽出した変化領域とテンポラリエッジブロックとの重なり度合いに応じて、該変化領域が発報対象であるか否かを判定するので、監視対象領域における反復性のある木の葉の揺れや水たまりの水紋のような正規の発報対象ではない変化領域の不要検知を効果的に抑制することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による監視用画像処理装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1による監視用画像処理装置は、ビデオ入力部1、A/Dコンバータ2、現画像蓄積部3、背景画像蓄積部4、背景更新部5、背景差分部6、閾値演算部7、2値化部8、特徴量演算部9、認識処理部11、発報処理部13、デフォルトエッジNG/OK判定部(判定部)14、テンポラリエッジ算出記憶部(第2の算出部)15及びデフォルトエッジ算出記憶部(第1の算出部)16を備える。
【0009】
ビデオ入力部1は、不図示の撮像装置と接続して実施の形態1による監視用画像処理装置で処理すべき映像データが入力される。A/Dコンバータ2は、ビデオ入力部1から入力されたアナログ信号である映像データを量子化してディジタル信号に変換する。現画像蓄積部3は、A/Dコンバータ2によってディジタル信号に変換された現在の映像データ(以下、現画像データと称する)を入力し蓄積する。
【0010】
背景画像蓄積部4は、A/Dコンバータ2から入力した現画像データに所定の演算を施して比較用の背景画像データを生成し記憶する。背景更新部5は、背景画像蓄積部4が記憶する背景画像データに対して所定の演算を施してデータ内容(背景)を更新する。例えば、過去5シーンに対応する現画像データの各画素値の平均をとったものを更新後の背景画像データとする。
【0011】
背景差分部6は、現画像蓄積部3と背景画像蓄積部4とが記憶する各画像データを比較してその差分画像データを算出する。閾値演算部7は、背景差分部6が算出した差分画像データを2値化するための閾値を算出する。一般的に、差分画像データを元にして単純なルールで最適な閾値が求められ、例えば差分画像データの画素値の平均が閾値として設定される。2値化部8は、閾値演算部7が求めた閾値で差分画像データを2値化する。
【0012】
特徴量演算部9は、2値化部8が算出した2値データを受けて特徴量を算出する。この特徴量を規定するパラメータには、例えば画像中の経時的に変化した画素領域を示す変化領域の面積、縦横寸法などがある。また、図1中の特徴量パラメータ設定値10とは、発報対象を規定する所定の条件の下に予め設定した特徴量の各パラメータ値である。この特徴量パラメータ設定値10は、認識処理部11として機能するコンピュータ装置の演算処理部が適宜読み出し可能な記憶装置に格納される。
【0013】
認識処理部11は、特徴量演算部9が算出した特徴量データと発報対象の特徴量パラメータ設定値10とを比較してイベント発生か否かを判定し、判定結果のイベント通知12をデフォルトエッジNG/OK判定部14に出力する。発報処理部13は、デフォルトエッジNG/OK判定部14による判定結果に応じてオペレータに対して発報する。
【0014】
デフォルトエッジNG/OK判定部14は、認識処理部11からイベント通知12を受けると、発報対象の変化領域とテンポラリエッジブロックとの位置関係を比較し、テンポラリエッジブロックと変化領域との重なり度合いに応じて該イベント通知が誤報か否かを判定する。
【0015】
テンポラリエッジ算出記憶部15は、現画像データからテンポラリエッジを算出して記憶する。このテンポラリエッジ算出記憶部15の記憶部としては、例えば不揮発性メモリを利用する。なお、テンポラリエッジとは、デフォルトエッジとは逆の概念で定義されるエッジであり、監視領域内の外乱によって作り出された、最初から存在していないエッジである。例えば、監視領域に発生した木の葉の揺れ、木の影、草の影、水たまりの水紋等のエッジが考えられる。
【0016】
デフォルトエッジ算出記憶部16は、現画像データからデフォルトエッジを算出して記憶する。このデフォルトエッジ算出記憶部16の記憶部としては、例えば不揮発性メモリを利用する。なお、デフォルトエッジとは、外乱のない理想的な状況下の監視領域を撮像した画像中に存在するエッジであり、例えば建物、橋、道路、路上の線、側溝等の人工建造物等に含まれる不動のエッジである。
【0017】
上述した背景更新部5、背景差分部6、閾値演算部7、2値化部8、特徴量演算部9、認識処理部11、発報処理部13、デフォルトエッジNG/OK判定部14、テンポラリエッジ算出記憶部15及びデフォルトエッジ算出記憶部16は、本発明の趣旨に従う画像処理プログラムをコンピュータに読み込ませてその動作を制御することにより、当該コンピュータ上でソフトウェアとハードウェアが協働した具体的な手段として実現することができる。
【0018】
また、現画像蓄積部3、背景画像蓄積部4、テンポラリエッジ算出記憶部15及びデフォルトエッジ算出記憶部16については、上記コンピュータに搭載されたハードディスク等の記憶領域に構築することができる。なお、コンピュータ自体の構成及びその基本的な機能については、当業者が当該技術分野の技術常識に基づいて容易に認識できるものであり、本発明の本質に直接関わるものでないので詳細な記載を省略する。
【0019】
図2は、図1中のテンポラリエッジ算出記憶部の構成を示すブロック図である。図2において、テンポラリエッジ算出記憶部15は、ブロック分割部17、過去画像エッジブロック算出部18、過去画像テンポラリエッジブロック算出部19、テンポラリエッジブロック算出部20及びブロック記憶部21を備える。
【0020】
ブロック分割部17は、表示画面上の画像を所定サイズのブロック領域毎に均等に分割する。例えば、縦16画素×横16画素のサイズのブロック領域に分割する。過去画像エッジブロック算出部18は、全ての過去画像からエッジ画像を抽出し、各ブロック領域内に現れるエッジの総量に応じてエッジブロックを規定する。
【0021】
ここで、過去画像とは、比較的長いスパン(例えば、1分間)毎に収集された静止画像である。過去画像テンポラリエッジブロック算出部19は、全ての過去画像のエッジブロックとデフォルトエッジブロックとを比較して両者が重なるブロックを削除し、過去画像における残りのエッジブロックを過去画像テンポラリエッジブロックとして算出する。
【0022】
テンポラリエッジブロック算出部20は、各過去画像の過去画像テンポラリエッジブロックを互いに比較して全ての過去画像テンポラリエッジブロックに重なって存在するエッジブロックを過去画像テンポラリエッジブロックから削除し、残りの全ての過去画像テンポラリエッジブロックを統合してテンポラリエッジブロックとして算出する。ブロック記憶部21は、テンポラリエッジブロックのブロック情報を記憶する。
【0023】
次に動作について説明する。
ビデオ入力部1では、外部の撮像装置から時系列な現画像データを入力して、A/Dコンバータ2に送出する。A/Dコンバータ2では、受け取ったアナログ信号である現画像データをディジタル信号に変換する。例えば、1画素あたり8ビットの多値データに変換する。
【0024】
このあと、A/Dコンバータ2がディジタル変換した現画像データは、現画像蓄積部3及び背景画像蓄積部4に送出される。このとき、現画像蓄積部3は、入力した現画像データを蓄積し後の処理に備える。つまり、現画像蓄積部3には、上記撮像装置が撮像した現画像データが時系列に蓄積されてゆく。また、背景画像蓄積部4では、入力した現画像データを元に背景画像データを作成して蓄積する。
【0025】
また、背景更新部5は、背景画像蓄積部4に蓄積してある背景画像データを定期的に一定ルールで更新する。ここでは、定期的にサンプリングされた現画像データを元に演算処理される。例えば、過去5シーンの現画像データの各画素値を平均した平均画像を更新後の背景画像データとする方法や一定時間前の現画像データを入れ替える方法などが考えられる。
【0026】
続いて、背景差分部6は、現画像蓄積部3と背景画像蓄積部4とが格納する各画像データを比較して各画素毎に画素値の差分データを抽出し、画素値の差分データからなる画像(以下、差分画像と称する)を出力する。この差分画像は、例えば映像中における物体の移動や光量変化によって輝度が変化した部分を表す。つまり、差分画像は、現画像と背景画像との間で異なった画素値を示す画素を含む多値変化領域を特定するものである。
【0027】
また、映像中の輝度変化をもたらす要因としては、通常、人物や車両のような移動物が主であるが、希に「太陽光の照り陰りによる影の出現」や「夜間の車のヘッドライトの反射」などのように正規の発報対象以外による場合もある。
【0028】
次に、閾値演算部7は、背景差分部6から入力した多値変化領域である差分画像データを2値化するための閾値を算出する。多値変化領域は、現画像データと背景画像データとの間で異なった画素値を示す多値データである。このため、そのまま認識処理するには、多くの演算を施さなければならず不的確である。そこで、差分画像データを2値データに変換して認識処理を行う。この閾値としては、例えば差分画像データの画素値の平均値を用いる。
【0029】
2値化部8は、閾値演算部7から受けた閾値を用いて多値変化領域である差分画像データを2値化する。例えば、閾値以上の画素値を有する画素を値1、閾値未満の画素値を有する画素を値0とする。この結果、変化領域である差分画像データは、2値変化領域となる。但し、装置によっては、2値化を行わずに多値変化領域を直接的に認識処理する場合がある。ここでは、2値化を行うものとする。
【0030】
図3は、現画像データの表示例を示す図であり、会社の正門の映像を示している。図3に示すように、映像の中央付近に人物が移動している。この移動している人物の位置がそのまま変化領域となる。図4は、図3中の変化領域に対して黒いべた領域をスーパーインポーズさせた場合を示す図である。
【0031】
映像中の特定画像領域を抽出(切り出し)する方法として、図4に示すように、特定画像領域(変化領域)に黒いべた領域を設定することで、背景画像との差を強調する。これにより、その経時的変化を容易に求めることができる。上述した2値化によって、図3の画像における白い背景中に図4中の変化領域の黒べたが存在する画像データが得られる。
【0032】
続いて、特徴量演算部9は、2値化された変化領域を示す差分画像データを受けると、その特徴量を演算する。ここで、例えば特徴量を規定するパラメータとして「連続性」、「面積」、「縦横寸法」及び「速度」を設ける。具体的に説明すると、「連続性」とは映像中に何フレーム変化領域が生存したか、つまり、変化領域の連続発生時間を表している。また、「面積」は、2値の変化領域の画素数を表している。また、「縦横寸法」は、2値の変化領域を規定する外接矩形の縦の長さや横の長さを表している。「速度」は、当該変化領域の映像中における移動速度を表している。
【0033】
一方、上述したように、本装置には、オペレータが発報を希望している正規の発報対象(例えば、人物や車両)の特徴量の範囲や条件が特徴量パラメータ設定値10として予め記憶されている。認識処理部11では、特徴量演算部9から特徴量データを受けると、その特徴量が特徴量パラメータ設定値10に示されている範囲や条件に合致しているか否かを判断する。このとき、合致していると判断されるとイベント発生となり、認識処理部11は、正規の発報対象が発見された旨の発報12を発報処理部13に出力する。
【0034】
発報処理部13では、このイベント発報12を受けると、所定の発報処理を行う。発報処理としては、例えばビープ音の出力やランプの点灯、上位ホストマシンへの発報・通信などがある。
【0035】
図5は、図1中の認識処理部の動作を示すフロー図であり、この図に沿って特徴量パラメータ設定値10と実測した特徴量データとの比較処理について説明する。
先ず、認識処理部11は、特徴量演算部9から特徴量データを取得すると、その「連続性」が特徴量パラメータ設定値10に合致するか否かを判定する(ステップST1)。この「連続性」の判定には、例えば処理対象となる差分画像データにおける変化領域が映像中に何フレーム生存したかを示す連続時間が用いられる。
【0036】
具体的には、特徴量パラメータ設定値10の範囲が「最小4フレーム、最大10フレーム」である場合、変化領域が生存する連続時間が4〜10フレームであれば合致すると判断される。また、それ以外であれば、特徴量パラメータ設定値10の範囲に合致しないと判断される。ここで、特徴量パラメータ設定値10の範囲に合致すると判断されると、ステップST2の処理に進み、合致しないと処理を終了する。
【0037】
ステップST2において、認識処理部11は、特徴量演算部9が求めた特徴量データの「面積」が特徴量パラメータ設定値10に合致するか否かを判定する。この「面積」の判定には、例えば差分画像データの2値変化領域の画素数が用いられる。具体的には、特徴量パラメータ設定値10の範囲が「最小500画素、最大1000画素」である場合、2値変化領域の面積が500〜1000画素であれば合致すると判断される。また、それ以外であれば、特徴量パラメータ設定値10の範囲に合致しないと判断される。ここで、特徴量パラメータ設定値10の範囲に合致すると判断されると、ステップST3の処理に進み、合致しないと処理を終了する。
【0038】
次に、認識処理部11は、特徴量演算部9が求めた特徴量データの「縦横寸法」が特徴量パラメータ設定値10に合致するか否かを判定する(ステップST3)。この「縦横寸法」の判定には、例えば2値の変化領域を規定する外接矩形の縦の長さや横の長さが用いられる。具体的には、特徴量パラメータ設定値10の範囲が「縦最小50画素、最大100画素」、「横最小50画素、最大100画素」である場合、2値変化領域の縦横寸法が共に50〜100画素であれば合致すると判断される。また、それ以外であれば、特徴量パラメータ設定値10の範囲に合致しないと判断される。ここで、特徴量パラメータ設定値10の範囲に合致すると判断されると、ステップST4の処理に進み、合致しないと処理を終了する。
【0039】
続いて、認識処理部11は、特徴量演算部9が求めた特徴量データの「速度」が特徴量パラメータ設定値10に合致するか否かを判定する(ステップST4)。この「速度」の判定には、例えば当該変化領域の映像中における移動速度が用いられる。具体的には、特徴量パラメータ設定値10の範囲が「最小50画素/秒、最大100画素/秒」である場合、2値変化領域の映像中における移動速度が50〜100画素/秒であれば合致すると判断される。
【0040】
また、それ以外であれば、特徴量パラメータ設定値10の範囲に合致しないと判断される。ここで、特徴量パラメータ設定値10の範囲に合致すると判断されると、ステップST5の処理に進み、合致しないと処理を終了する。なお、上述した「面積」、「縦横寸法」、「移動速度」は、ステップST1で判定に使用する、2値変化領域の生存時間中における各画像の特徴量の平均値を算出して、特徴量パラメータ設定値10と比較する。
【0041】
ステップST5において、認識処理部11は、正規の発報対象を特定する全ての特徴量パラメータ設定値10に合致すると判断し、イベント通知12をデフォルトエッジNG/OK判定部14に出力する。なお、ステップST1からステップST5までの処理は、コンピュータ装置によって認識処理部11の機能を有するソフトウェアを実行することで実現することができる。
【0042】
次に、デフォルトエッジ算出記憶部の動作について説明する。
図6は現画像データの表示画面を示す図であり、外乱のない理想的な状況のお祭り会場の映像を示している。図6において、映像の上段付近に提灯、下段に木が存在する。これら提灯や木の葉の動きがそのまま変化領域となる。デフォルトエッジ算出記憶部16は、エッジ抽出アルゴリズに従って図6に示すような現画像からエッジを算出する。エッジ抽出アルゴリズムとしては、例えば隣接する画素間の輝度差が所定の閾値を越えたらその画素にエッジ有りと判定する。該判定処理を現画像の全画面に対して実行したものがエッジ画面となる。
【0043】
図7は、図6中の現画像データにおけるデフォルトエッジの表示画面を示す図であり、図7中に太線で示すように映像の上段付近にある階段、幔幕、フェンス、中段付近の電線等のエッジがデフォルトエッジとして抽出されている。ここで、デフォルトエッジは、上述したように不動のエッジであり、初期設定すれば以降継続的に修正無しに使用できる情報である。従って、デフォルトエッジの設定は初期に一回行われるのみである。
【0044】
なお、デフォルトエッジは、オペレータがトレースして誤差分の修正を行うようにしても良い。或いは、オペレータによりトレースされたデフォルトエッジをそのままデフォルトエッジブロックの判定に使用しても構わない。
【0045】
続いて、デフォルトエッジ算出記憶部16は、図8に示すように現画像を所定サイズのブロックに均等に分割する。また、ブロックの大きさは、1画素の大きさに定義してもよい。例えば、縦16画素×横16画素の大きさを持つ均一な正方形のブロックを均一に配置する。
【0046】
デフォルトエッジ算出記憶部16は、図8に示すように現画像をブロック分割すると、各ブロック領域内に現れるデフォルトエッジの総量が一定値を越えたら、該当ブロックをデフォルトエッジブロックと判断する。図9は、図6中の現画像データにおけるデフォルトエッジブロックを強調した表示画面を示す図であり、図9中に斜線を付したブロックがデフォルトエッジブロックを示している。
【0047】
図9に示すように、映像の上段付近にある階段、幔幕、フェンス、中段付近の電線等は、監視領域内の不動の事物であるので、これらのデフォルトエッジを含むブロックがデフォルトエッジブロックと判断され、そのブロック情報がデフォルトエッジ算出記憶部16に記憶される。
【0048】
次にテンポラリエッジ算出記憶部の動作について説明する。
先ず、テンポラリエッジ算出記憶部15のブロック分割部17が、図8に示すように、監視領域の画像を所定サイズのブロックに均等に分割する。また、ブロックの大きさは、1画素の大きさに定義してもよい。例えば、縦16画素×横16画素の大きさを持つ均一な正方形のブロックを均一に配置する。
【0049】
続いて、過去画像エッジブロック算出部18は、ブロック分割部17によりブロック毎に分割された全ての過去画像からエッジ画像を抽出し、各ブロック領域内に現れるエッジの総量が所定の閾値を越えたら、該当ブロックをエッジブロックと判断し、そのブロック情報を記憶する。なお、このエッジブロックには、デフォルトエッジも含まれている。
【0050】
エッジ抽出アルゴリズとしては、デフォルトエッジ算出記憶部16の場合と同様に、例えば隣接する画素間の輝度差が所定の閾値を越えたらその画素にエッジ有りと判定する方法を用いる。また、過去画像とは、比較的長いスパン(例えば、1分間)毎に監視領域を撮像して収集された静止画像であり、複数枚(例えば、8分間分の8枚)用意される。
【0051】
過去画像テンポラリエッジブロック算出部19は、全ての過去画像のエッジブロックとデフォルトエッジ算出記憶部16により算出された該過去画像におけるデフォルトエッジブロックとを比較して両者が重なるブロックを削除し、過去画像における残りのエッジブロックを過去画像テンポラリエッジブロックとして算出する。
【0052】
この後、テンポラリエッジブロック算出部20は、各過去画像の過去画像テンポラリエッジブロックを互いに比較して全ての過去画像テンポラリエッジブロックに重なって存在するエッジブロックを抽出する。例えば、上述の1分間隔で8枚の過去画像がある場合、全ての過去画像テンポラリエッジブロックにエッジがある事物は、後天的に発生して8分間はその位置に存在しているエッジであり、監視領域に一時的に停車中の車両等が該当する。
【0053】
テンポラリエッジブロック算出部20は、上述のような全ての過去画像テンポラリエッジブロックに重なって存在するエッジブロックを過去画像テンポラリエッジブロックから削除する。これにより、後天的に発生し、過去画像をサンプリングした時間分は監視領域に存在するような事物のエッジブロックが過去画像テンポラリエッジブロックから除かれる。
【0054】
このようにして全ての過去画像についての過去画像テンポラリエッジブロックが得られると、テンポラリエッジブロック算出部20は、これら過去画像テンポラリエッジブロックを重ねて統合的な画像を生成し、この画像のエッジブロックをテンポラリエッジブロックとして算出する。テンポラリエッジブロックのブロック情報は、ブロック記憶部21に記憶される。
【0055】
図10は、図9中のデフォルトエッジブロックにテンポラリデフォルトエッジを重畳した表示画面を示す図である。図10において、実施の形態1による監視用画像処理装置の初期設定時には存在せず、その後存在するようになったものとして、提灯、木、幔幕の3つが有るとする。過去画像を使用してテンポラリエッジブロックを作成すると、これらのエッジが算出され、最終的にデフォルトエッジブロックと重ならない位置にテンポラリブロックが算出される。図10中でブロック内に「T」の文字が表記されたブロックがテンポラリエッジブロックとして抽出されている。
【0056】
次にデフォルトエッジNG/OK判定部の動作について説明する。
デフォルトエッジNG/OK判定部14は、認識処理部11からイベント通知12を受信すると、発報対象の変化領域とテンポラリエッジ算出記憶部15から読み出したテンポラリエッジブロックとの位置関係を比較する。このとき、所定量のテンポラリエッジブロックが変化領域と重なっていた場合、デフォルトエッジNG/OK判定部14は、そのイベント通知12が「誤報」であると判断してデフォルトエッジNGである旨を発報処理部13に通知する。この場合、発報処理部13は、発報を行わない。
【0057】
一方、所定量のテンポラリエッジブロックが変化領域と重なっていなければ、デフォルトエッジNG/OK判定部14は、デフォルトエッジOKである旨を発報処理部13に通知する。この場合は、発報処理部13が発報を実行する。
【0058】
具体例を挙げて、デフォルトエッジNG/OK判定部14の処理を詳細に説明する。
図11は、図6中の現画像に外乱が発生した場合の表示画面を示す図であり、監視対象のお祭り会場に風が吹いて提灯や木の葉が揺れてイベント通知対象となる変化領域が発生した場合を示している。図11中で黒塗りにしている部分が風による揺れで発生した変化領域である。従来の監視用画像処理装置では、変化領域が特徴パラメータに一致すれば発報される。これに対し、本発明では、デフォルトエッジNG/OK判定部14による判定結果に応じて誤報か否かが判断される。
【0059】
図12は、図11中の画像にテンポラリエッジブロックを重畳した表示画面を示す図である。図12に示すように、提灯や木の葉の揺れによる変化領域は後天的に一時的に発生したものであるので、黒塗りの変化領域の全てが、テンポラリエッジブロック算出部20により求められたテンポラリエッジブロックに重なっている。
【0060】
このとき、デフォルトエッジNG/OK判定部14は、認識処理部11からのイベント通知12が「誤報」であると判断し、デフォルトエッジNGである旨を発報処理部13に通知する。これにより、発報処理部13は、発報を行わない。このように、提灯や木の葉の風による揺れが発報対象となることがなく、効果的に誤報を回避することができる。
【0061】
一方、図13のようにお祭り会場に侵入者が入り込んできた場合、該侵入者のエッジは、時々刻々と変化するので、全ての過去画像テンポラリエッジブロックに重なって存在することはなく、かつ後天的に発生した事象であることからデフォルトエッジブロックにも含まれない。このため、該侵入者による画像中の変化領域は、図13に示すようにテンポラリエッジブロックに重ならない。
【0062】
この場合、デフォルトエッジNG/OK判定部14は、デフォルトエッジOKである旨を発報処理部13に通知する。この場合は、発報処理部13が発報を実行する。このようにすることで、提灯や木の葉の風の揺れだけでなく、例えば水たまりの水紋や木の陰の揺れ等のような他の誤報要因についても対処でき、かつ「侵入者」については従来通りに発報する、精度のよい監視が可能となる。
【0063】
以上のように、この実施の形態1によれば、時系列に撮影された監視対象領域の各過去画像をブロック毎に分割し、各過去画像のエッジブロックからデフォルトエッジブロック及び各過去画像の全てに重なって存在するエッジブロックを除去し、各過去画像の残りのエッジブロックを統合したブロックをテンポラリエッジブロックとして算出し、監視対象領域を撮影した画像内から抽出した変化領域とテンポラリエッジブロックとの重なり度合いに応じて、該変化領域が発報対象であるか否かを判定するので、監視対象領域における反復性のある木の葉の揺れや水たまりの水紋のような正規の発報対象ではない変化領域の不要検知を効果的に抑制することができる。
【0064】
また、上記実施の形態1によれば、全ての過去画像テンポラリエッジブロックに共通に存在するエッジブロックをテンポラリエッジブロックから除外するので、デフォルトエッジブロックを算出した初期状態の後に駐車された車両や増設された設備等の比較的に長いスパンで存在して動かないものが発報対象から除かれる。このため、本発明の監視用画像処理装置の設置初期のデフォルトエッジ作成時に存在しなかった設備を後に設置しても、この新設備のエッジによって誤報されることはなく、精度劣化は防がれる。
【0065】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、監視対象領域の映像においてデフォルトエッジブロックを1つだけ作成するので、監視対象領域の状況が時間帯によって変化するような場合、デフォルトエッジブロックが現実と合わなくなるリスクがある。例えば、夜間は照明が入り、それまでただの床だった場所に、設備の影が差し込む状況である。この影は照明によってできたものであり、夜間は継続して同じ位置に存在する。このような状況変化がある場合、日中の風景と異なるため、夜間のデフォルトエッジは本来別の物になるはずである。
【0066】
そこで、この実施の形態2では、時間帯毎にデフォルトエッジブロックを作成し、時間帯毎に記憶する。テンポラリエッジ作成の際には、現在の時間帯に合わせたデフォルトエッジブロックを参照することにより、より正確なテンポラリエッジブロック作成が可能となる。これにより、時間帯によって照明条件が変化する環境下においても、照明条件の変化に起因した精度劣化が防止され、常に安定した判定結果が得られる。
【0067】
実施の形態2による監視用画像処理装置の基本的な構成は、上記実施の形態1における図1、2と同様であるが、上述したようにテンポラリエッジ算出記憶部15及びデフォルトエッジ算出記憶部16によるエッジブロックの算出処理が異なる。この実施の形態2による監視用画像処理装置では、監視領域の時間帯による変化を考慮してデフォルトエッジブロック及びテンポラリエッジブロックを算出し、これに応じたイベント通知の判断を行う。
【0068】
次に動作について説明する。
先ず、実施の形態2によるデフォルトエッジ算出記憶部の動作を説明する。
図14は、実施の形態2によるデフォルトエッジ算出記憶部の動作を示すフローチャートである。図14に示すように、実施の形態2によるデフォルトエッジ算出記憶部16は、複数の時間帯(A〜C時間帯、それ以外の時間帯)でデフォルトエッジブロックを作成する(ステップST1a)。
【0069】
ステップST1aにおいて、実施の形態2によるデフォルトエッジ算出記憶部16も、上記実施の形態1と同様にエッジ抽出アルゴリズに従って現画像からエッジを算出する。エッジ抽出アルゴリズムとしては、例えば隣接する画素間の輝度差が所定の閾値を越えたらその画素にエッジ有りと判定する。
【0070】
ここで、デフォルトエッジは、不動のエッジであり、初期設定すれば以降継続的に修正無しに使用できる情報である。しかしながら、屋外の風景は時間と共に変化し、エッジの有り様も時間に応じて変わる。特に、夜間はエッジが視認できなくなりデフォルトエッジが不要のケースも出てくる。
【0071】
そこで、この実施の形態2では、例えば1時間毎に1枚、合計24枚デフォルトエッジを作成する。デフォルトエッジの設定は、上記実施の形態1と同様に初期設定時に一回行えばよいが、実施の形態2では、初期設定において時間帯毎に作成したデフォルトエッジを設定する。なお、デフォルトエッジ設定は、初期に行った後は再実施はされない。
【0072】
また、上記実施の形態1と同様に、デフォルトエッジは、オペレータがトレースして誤差分の修正を行うようにしても良い。或いは、オペレータによりトレースされたデフォルトエッジをそのままデフォルトエッジブロックの判定に使用しても構わない。例えば、オペレータが、入力装置を用いて、表示画面上の各ブロックを見て確かにデフォルトエッジブロックである箇所についてはそのままにし、明らかに誤ってデフォルトエッジと判定されているブロックを修正する。この修正はブロック単位に行い、修正後のデータを再度保存する。
【0073】
デフォルトエッジ算出記憶部16は、上記実施の形態1の図8に示すように現画像を所定サイズのブロックに均等に分割する。このブロックの大きさや配置は均一であることが望ましいが、これらを不均一としても構わない。また、ブロックの大きさは、1画素の大きさに定義してもよい。例えば、縦16画素×横16画素の大きさを持つ均一な正方形のブロックを均一に配置する。
【0074】
デフォルトエッジ算出記憶部16は、現画像をブロック分割すると、各ブロック領域内に現れるデフォルトエッジの総量が一定値を越えたら、該当ブロックをデフォルトエッジブロックと判断する。デフォルトエッジブロックと判断されたブロックのブロック情報はデフォルトエッジ算出記憶部16に記憶される。
【0075】
この後、デフォルトエッジ算出記憶部16は、ステップST2aからステップST5aまでの時間帯判定を実行する。これにより各時間帯のデフォルトエッジブロックに選別すると、デフォルトエッジ算出記憶部16は、時間帯別にデフォルトエッジブロックのブロック情報を記憶する(ステップST6a)。
【0076】
次に実施の形態2によるテンポラリエッジ算出記憶部の動作を説明する。
テンポラリエッジ算出記憶部15のブロック分割部17及び過去画像エッジブロック算出部18による処理は、上記実施の形態1と同様である。
【0077】
実施の形態2による過去画像テンポラリエッジブロック算出部19では、過去画像エッジブロック算出部18により算出された全ての過去画像のエッジブロックと、デフォルトエッジ算出記憶部16により算出された現在の時間帯に最も近い時間帯のデフォルトエッジブロックと、を比較して両者が重なるブロックを削除し、過去画像における残りのエッジブロックを過去画像テンポラリエッジブロックとして算出する。
【0078】
続いて、テンポラリエッジブロック算出部20は、上記実施の形態1と同様に、各過去画像の過去画像テンポラリエッジブロックを互いに比較して全ての過去画像テンポラリエッジブロックに重なって存在するエッジブロックを抽出し、過去画像テンポラリエッジブロックから削除する。
【0079】
このようにして過去画像テンポラリエッジブロックが得られると、テンポラリエッジブロック算出部20は、これら過去画像テンポラリエッジブロックを重ねて統合的な画像を生成し、この画像のエッジブロックをテンポラリエッジブロックとして算出する。この後、テンポラリエッジブロックのブロック情報は、対応する時間帯毎にブロック記憶部21に記憶される。
【0080】
次に実施の形態2によるデフォルトエッジNG/OK判定部の動作について説明する。
実施の形態2によるデフォルトエッジNG/OK判定部14では、認識処理部11からイベント通知12を受信すると、発報対象の変化領域とテンポラリエッジ算出記憶部15から読み出した現在の時間帯に最も近い時間帯のテンポラリエッジブロックとの位置関係を比較する。
【0081】
このとき、所定量のテンポラリエッジブロックが変化領域と重なっていた場合、デフォルトエッジNG/OK判定部14は、そのイベント通知12が「誤報」であると判断してデフォルトエッジNGである旨を発報処理部13に通知する。この場合、発報処理部13は、発報を行わない。
【0082】
一方、所定量のテンポラリエッジブロックが変化領域と重なっていなければ、デフォルトエッジNG/OK判定部14は、デフォルトエッジOKである旨を発報処理部13に通知する。この場合は、発報処理部13が発報を実行する。
【0083】
以上のように、この実施の形態2によれば、デフォルトエッジNG/OK判定部14が、判定の時間帯に対応するテンポラリエッジブロックを用いて、監視対象領域を撮影した画像内から抽出した変化領域が発報対象であるか否かを判定するので、上記実施の形態1と同様の効果が得られる他、時間帯に応じて監視対象領域の状況が変化する場合であっても、状況変化に起因した誤報判定の精度劣化が防止され、常に安定した判定結果を得ることができる。
【0084】
なお、上記実施の形態2においても、全ての過去画像テンポラリエッジブロックに共通に存在するエッジブロックをテンポラリエッジブロックから除外するので、デフォルトエッジブロックを算出した初期状態の後に駐車した車両や増設された設備等の比較的に長いスパンで存在して動かないものが発報対象から除かれる。このため、本発明の監視用画像処理装置の設置初期のデフォルトエッジ作成時に存在しなかった設備を後に設置しても、この新設備のエッジによって誤報されることはなく、精度劣化は防がれる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】この発明の実施の形態1による監視用画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1中のテンポラリエッジ算出記憶部の構成を示すブロック図である。
【図3】現画像データの表示例を示す図である。
【図4】図3中の変化領域に対して黒いべた領域をスーパーインポーズさせた場合を示す図である。
【図5】図1中の認識処理部の動作を示すフロー図である。
【図6】現画像データの表示画面を示す図である。
【図7】図6中の現画像データにおけるデフォルトエッジの表示画面を示す図である。
【図8】図6中の現画像データをブロック分割した表示画面を示す図である。
【図9】図6中の現画像データにおけるデフォルトエッジブロックを強調した表示画面を示す図である。
【図10】図9中のデフォルトエッジブロックにテンポラリデフォルトエッジを重畳した表示画面を示す図である。
【図11】図6中の現画像の映像に外乱が発生した場合の表示画面を示す図である。
【図12】図11中の画像にテンポラリエッジブロックを重畳した表示画面を示す図である。
【図13】図6中の現画像の侵入者が撮像された場合の表示画面を示す図である。
【図14】実施の形態2によるデフォルトエッジ算出記憶部の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0086】
1 ビデオ入力部、2 A/Dコンバータ、3 現画像蓄積部、4 背景画像蓄積部、5 背景更新部、6 背景差分部、7 閾値演算部、8 2値化部、9 特徴量演算部、10 特徴量パラメータ設定値、11 認識処理部、12 イベント通知、13 発報処理部、14デフォルトエッジNG/OK判定部(判定部)、15 テンポラリエッジ算出記憶部(第2の算出部)、16 デフォルトエッジ算出記憶部(第1の算出部)、17 ブロック分割部、18 過去画像エッジブロック算出部、19 過去画像テンポラリエッジブロック算出部、20 テンポラリエッジ算出部、21 ブロック記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象領域の画像をブロック毎に分割し、該監視対象領域に最初から存在する事物のエッジを含むブロックをデフォルトエッジブロックとして算出する第1の算出部と、
時系列に撮影された監視対象領域の各画像をブロック毎に分割し、前記各画像内のエッジを含むブロックをエッジブロックとして算出すると共に、前記各画像のエッジブロックから前記デフォルトエッジブロック及び前記各画像の全てに重なって存在するエッジブロックを除去し、前記各画像の残りのエッジブロックを統合したブロックをテンポラリエッジブロックとして算出する第2の算出部と、
前記監視対象領域を撮影した画像内から抽出した変化領域と前記テンポラリエッジブロックとの重なり度合いに応じて、該変化領域が発報対象であるか否かを判定する判定部とを備えた監視用画像処理装置。
【請求項2】
第1の算出部は、複数の時間帯のデフォルトエッジブロックを算出し、
第2の算出部は、各時間帯毎の前記デフォルトエッジブロックを用いて、各時間帯毎のテンポラリエッジブロックを算出し、
判定部は、判定の時間帯に対応する前記テンポラリエッジブロックを用いて、監視対象領域を撮影した画像内から抽出した変化領域が発報対象であるか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の監視用画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−181321(P2008−181321A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−14051(P2007−14051)
【出願日】平成19年1月24日(2007.1.24)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】