説明

目的地予測装置、目的地予測方法、交差点進行方向推定装置および交差点進行方向推定方法、三次元地図表示システム、三次元地図表示方法

【課題】ユーザが向かおうとする目的地を簡易かつ的確に予測する目的地予測装置、交差点におけるユーザの進行方向を簡易かつ的確に推定する交差点進行方向推定装置、上記推定結果を反映した三次元地図を表示する三次元地図表示システムを実現する。
【解決手段】クライアント100はサーバ200からユーザが選択的に設定した進行方向の視野に該当する三次元地図表示用データの供給を受けて、その表示部150にその三次元地図を表示する三次元地図表示システムであって、サーバ200はクライアント100側の目的地算出部170で算出した目的地の予測データの供給を受け、更に自己が保有するエリア、パス、交差点の地図情報を勘案して、その交差点進行方向推定部270で、ユーザの操作を待たずに交差点における進行方向を予測してその方向の三次元地図表示のためのデータを生成し、該生成したデータをクライアント100に供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが向かおうとする目的地を予測する目的地予測装置、目的地予測方法、交差点におけるユーザの進行方向を推定する交差点進行方向推定装置および交差点進行方向推定方法、上記推定に係る三次元地図を表示する三次元地図表示システム、三次元地図表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機その他の移動通信端末に三次元地図を表示できる地図情報システムが開発されている。
三次元地図を表示するためには、二次元地図と比べ、移動通信端末での処理能力やストレージ容量への要求が高く、これは三次元地図情報システムが普及するについての阻害要因となっていた。
そこで、移動通信端末側への要求を低減するために、サーバと移動通信端末とを連携させることによって、三次元地図を表示するシステムが提案されている(例えば非特許文献1参照)。
【0003】
非特許文献1には、「3D地図ビューアー」という三次元地図システムが開示されている。この「3D地図ビューアー」システムでは、3D地図で表現された街並みを再現し、その内部で歩行・鑑賞・情報探索などを行うものである。
このシステムでは、サーバは対象とするエリアの建物や道路の外形や外観に関するデータを保存し、移動通信端末(携帯電話機)からユーザによって入力された位置情報と視点情報を受信する。
サーバは受信したこれらの情報に基づき、ユーザの視野内における三次元情報を抽出し、移動通信端末(携帯電話機)のディスプレイに表示する画像を生成する。
【0004】
この処理は、データに基づいてイメージを再現するレンダリングの処理であり、大量の計算が必要である。「3D地図ビューアー」システムでは、この計算をサーバ側で行うことによって移動通信端末側での処理負荷を低減している。
即ち、移動通信端末側では3Dで再現された街並みを「歩く」ような形で進行するイメージを再現し、地図上の進行可能な道の上に「パス」を描いていく。サーバ側では、移動通信端末側から、現在地と行き先の方向を表す情報を受信し、次の操作に対応するイメージのデータをレンダリングによって生成し、移動通信端末側に供給する。
【0005】
移動通信端末側では上述のようにして供給されたデータによるイメージを表示する。例えば、ユーザが移動通信端末の「直進ボタン」を押すと、一歩進んだ後の三次元画像を表示する。また、後退ボタンを押すと、進む前の画像が表示される。このように、ユーザの操作に応じて、表示する内容が連続的に切り替わり、仮想世界で歩いているような効果を実現できる。
【0006】
更にまた、非特許文献1には、花火大会などのイベントの様子を三次元地図上で再現することが開示されている。即ち、該当するアプリケーションを適用し、ユーザは、例えば花火大会などが催される現地を仮想的にリアルタイムの感覚で下見するといったような利用方法が見込まれている。
他方、ナビゲーション装置において、走行履歴に基づいて目的地または走行経路を推定する技術が既に提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0007】
特許文献1に開示された技術では、サーバに保有された走行履歴に基づいてナビゲーション装置において目的地または走行経路を推定し、過去に所定回数以上走行した目的地または走行経路であると判定する。そして、このような既に熟知されている経路については、その案内表示を敢て行わないことによってユーザの不快感を解消するようにしている。
また、次に通過すると見込まれる交差点の周囲の環境を推定して該交差点の仮想背景画像を三次元表示するようにしたナビゲーション装置が既に提案されている(例えば特許文献2参照)。
【0008】
特許文献2に開示された技術では、移動体が最適経路上を移動開始すると、CPUが最適経路情報に基づいて経路案内処理を行う。経路案内処理中に当該移動体が詳細に案内を行うべき交差点から予め定められた距離以内に近接すると、CPUはこの交差点に関する拡大図等の詳細な案内をディスプレイに三次元表示する。
更にまた、センター側から端末側にデータを送って経路案内を行うシステムにおいて、交差点に関するプロトタイプの情報を予め端末側に保有しておき、交差点の案内画像を自動生成する場合に、センター側から端末側に送るデータ量が過大とならないようにする技術が提案されている(例えば特許文献3参照)。
【0009】
特許文献3では、案内情報を提示する端末側に、画像情報の素材として、矢印の画像情報と交差点プロトタイプの情報を保有しておき、センター側では、曲がる方向と交差点タイプ等の情報を送るだけで、端末側でこれらを合成して案内画像を作成することができるとされている。
また、端末装置がサーバ装置から交差点に接続している複数道路の関連する画像データを取得して交差点周辺の画像を表示するようにし、かつ、配信サーバは目的地に向かうための案内に適合するように画像を編集して端末装置に供給するようにした技術も提案されている(例えば特許文献4参照)。
【0010】
特許文献4には、情報端末装置が、当該所定の交差点から目的地情報によって示される目的地に向かう道路を含んだ関連画像情報を、当該サーバ装置から取得し、当該取得した関連画像情報を表示することが開示されている。
また、ユーザ端末と案内情報生成サーバとで案内情報提供システムを構成し、ユーザ端末からの案内要求に応じて案内情報生成サーバで生成した交差点に関連するコマ地図情報(目的地に向かう経路を複数に分割した各領域を表す地図情報)をユーザ端末に供給する技術が提案されている(例えば特許文献5参照)。
【0011】
特許文献5に開示された技術では、位置情報入力部および案内情報表示部を有するユーザ端末と、地図情報およびランドマーク情報を格納した記憶装置が接続され案内情報を提供する案内情報生成サーバとによって、案内情報提供システムを構成する。そして、この案内情報生成サーバは、取得した経路解析情報から得られる経路上にある地物情報と、ランドマーク情報と、交差点情報とに基づいて、経路を分割して、コマ地図とそれに対応する案内文とを生成し、記憶領域に格納するとされている。
【0012】
更にまた、移動体からの要求に応じてサーバが探索結果の経路情報を移動体に供給するように通信型ナビゲーションシステムを構成し、このサーバが、イベント等の情報や立体交差点等の表示を含む3次元コンピュータグラフィックス画像を表示するためのデータを移動体に供給するようにした技術も提案されている(例えば特許文献6参照)。
【0013】
特許文献6には、通信型ナビゲーションシステムにおいて、サーバが移動体に地図データを送信する際、移動体に適切な料金を課金すること、および、経路探索を行う際、より最適に近い経路を求めることを主眼とする旨開示されている。
また、交差点に対応付けた画像テンプレートを保有しその交差点において出力すべき画像の案内情報を自動生成する案内データ処理方法が提案されている(例えば特許文献7参照)。
【0014】
特許文献7には、案内経路における交差点について、あらかじめ用意された交差点と矢印との画像テンプレートを組み合わせ、その交差点において出力すべき画像の案内情報を自動作成し、その案内情報をもとに案内用スクリプトを作成または編集することにより、全ての交差点の画像を用意しておかなくても、交差点などで間違いが少ない経路案内を行うことができることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2001−50769号公報
【特許文献2】特開2003−269968号公報
【特許文献3】特開2007−93611号公報
【特許文献4】特開2009−63579号公報
【特許文献5】特開2003−337046号公報
【特許文献6】特開2002−48579号公報
【特許文献7】特開2001−311626号公報
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】関口聖“サイバード、Android向け「3D地図ビューアー」開発に協力”、[online]、平成21年8月3日、ケータイWatch編集部、[平成21年11月25日検索]、インターネット(http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20090803_306769.html)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、非特許文献1の3D地図ビューアーでは、ユーザが歩いているパスの前方に交差点が存在する場合、表示のタイミングに遅延が発生する。
即ち、複数の方向へ道が伸びている交差点に対し、サーバはユーザの次の移動先を未然に判断できないため、表示する画像を予め生成することができず、移動先に対応する3D地図の表示やその更新が一時的に或いは間欠的に停止することになる。
【0018】
移動通信端末(携帯電話機)側では、交差点まで移動した後、ユーザから明示的な指示を受けてサーバに行き先の画像を生成する要求を送信する必要がある。例えば、交差点前に来たとき、ユーザが「左」ボタンを押すと、移動通信端末は、現在地、及び行き先が左だという情報をサーバに送信する。
サーバは、この情報を受けて、3D地図による表示対象領域を左に回すように条件設定を行った後、ユーザの視野内に見える画像を生成し始める。
【0019】
上述のように、交差点が行き先の前方に現れる都度ユーザからの指示を待つ必要あるので、表示画像の連続生成ができなくなる。この結果、ユーザが操作する際に、表示画像の更新が一時的に停止してしまい、ユーザのストレスも増大する。
非特許文献1に開示された技術で、表示画像の更新が一時的に停止してしまうことを回避するには、ユーザ(従って、移動通信端末)が交差点における移動方向を入力するに先立ってその移動方向を推定し、該推定による方向に合わせて3D地図による表示の準備を予め行っておくことが考えられる。
【0020】
上掲の特許文献1には、目的地または走行経路を推定することが開示されている。しかしながら、特許文献1に開示された技術における推定は、過去に所定回数以上走行した経路か否かを判定して、この判定結果が肯定的であるときに経路の案内表示を行わないようにするのみである。即ち、過去における走行実績の有無に着目するが、経路上の個々の交差点における移動方向を推定する技術を提供するものではない。
【0021】
一方、上掲のとおり、特許文献2ないし特許文献7には、サーバから移動通信端末に経路案内情報を供給したり、移動通信端末側で三次元表示を行うこと等が開示されているが、交差点に至る都度そこで表示画像更新の一時的停止が発生してしまうという技術課題については開示がない。従って、このような技術課題の解決に通じる手段は一切示されていない。
【0022】
本発明は、上記の課題を解決するために、ユーザが向かおうとする目的地を簡易かつ的確に予測する目的地予測装置、目的地予測方法、交差点におけるユーザの進行方向を簡易かつ的確に推定する交差点進行方向推定装置および交差点進行方向推定方法、上記推定結果を反映した三次元地図を表示する三次元地図表示システム、三次元地図表示方法を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記目的を達成するべく次に列記するような技術を提案する。
(1)二次元地図上の選択的に設定された部分領域を表示可能な表示部と、
前記二次元地図の特定領域が前記表示部に既定の時間以上継続して表示されたことが検出される毎に当該特定領域の中心位置を表す中心位置データを逐次保持し、該保存された中心位置データに基づいてユーザの移動に係る目的地を表すデータを算出する目的地算出部と、
を備えたことを特徴とする目的地予測装置。
【0024】
上記(1)の目的地予測装置では、その表示部に二次元地図上の選択的に設定された部分領域を表示することができる。
また、その目的地算出部で、前記二次元地図の特定領域が前記表示部に既定の時間以上継続して表示されたことが検出される毎に当該特定領域の中心位置を表す中心位置データを逐次保持し、該保存された中心位置データに基づいてユーザの移動に係る目的地を表すデータを算出する。
【0025】
(2)二次元地図上の選択的に設定された部分領域を表示可能な表示部に、前記二次元地図の特定領域が既定の時間以上継続して表示されたことを検出する毎に当該特定領域の中心位置を表す中心位置データを逐次保持する中心位置データ保存ステップと、
前記中心位置データ保存ステップで保存された中心位置データに基づいてユーザの移動に係る目的地を表すデータを算出する目的地算出ステップと、
を含むことを特徴とする目的地予測方法。
【0026】
上記(2)の目的地予測方法目的地予測方法では、その中心位置データ保存ステップで、少なくとも二次元地図上の選択的に設定された部分領域を表示可能な表示部に、前記二次元地図の特定領域が既定の時間以上継続して表示されたことを検出する毎に当該特定領域の中心位置を表す中心位置データを保持する。
また、その目的地算出ステップでは、前記中心位置データ保存ステップで保存された中心位置データに基づいてユーザの移動に係る目的地を表すデータを算出する。
【0027】
(3)目的地を表すデータを取得する目的地データ取得部と、
交差点の位置を表す交差点位置データを保持する交差点位置データ保持部と、
前記交差点位置データ保持部が保持する交差点位置データによって表される交差点と前記目的地データ取得部が取得した目的地データによって表される目的地とを結ぶ線分の方向と前記交差点の分岐路の方向との相関に基づいて前記交差点を起点とするユーザの進行方向を推定する交差点進行方向推定部と、
を備えたことを特徴とする交差点進行方向推定装置。
【0028】
上記(3)の交差点進行方向推定装置では、その目的地データ取得部で、目的地を表すデータを取得する。
また、その交差点位置データ保持部で、交差点の位置を表す交差点位置データを保持する。
更に、その交差点進行方向推定部で、前記交差点位置データ保持部が保持する交差点位置データによって表される交差点と前記目的地データ取得部が取得した目的地データによって表される目的地とを結ぶ線分の方向とんと前記交差点の分岐路の方向との相関に基づいて前記交差点を起点とするユーザの進行方向を推定する。
【0029】
(4)目的地を表すデータを取得する目的地データ取得ステップと、
交差点の位置を表す交差点位置データを取得する交差点位置データ取得ステップと、
前記交差点位置データ取得ステップによって取得した交差点位置データによって表される交差点と前記目的地データ取得ステップによって取得した目的地データによって表される目的地とを結ぶ線分の方向との相関に基づいて前記交差点を起点とするユーザの進行方向を推定する交差点進行方向推定ステップと、
を含むことを特徴とする交差点進行方向推定方法。
【0030】
上記(4)の交差点進行方向推定方法では、目的地を表すデータを取得する。
また、その交差点位置データ取得ステップで、交差点の位置を表す交差点位置データを取得する。
更に、その交差点進行方向推定ステップで、前記交差点位置データ取得ステップによって取得した交差点位置データによって表される交差点と前記目的地データ取得ステップによって取得した目的地データによって表される目的地とを結ぶ線分の方向との相関に基づいて前記交差点を起点とするユーザの進行方向を推定する。
【0031】
(5)二次元地図の特定領域が表示部に既定の時間以上継続して表示されたことが検出される毎に当該特定領域の中心位置を表す中心位置データを逐次保持することによって形成された累積中心位置データに基づいて算出された当該ユーザの移動に係る目的地を表すデータを取得する目的地データ取得部と、
交差点の位置を表す交差点位置データを保持する交差点位置データ保持部と、
前記交差点位置データ保持部が保持する交差点位置データによって表される交差点と前記目的地データ取得部が取得した目的地データによって表される目的地とを結ぶ線分の方向と当該交差点の分岐路の方向との相関に基づいて前記交差点を起点とするユーザの進行方向を推定する交差点進行方向推定部と、
前記交差点進行方向推定部で推定したユーザの進行方向に沿った領域の三次元地図を表示するためのデータを生成する三次元地図表示用データ生成部と、
前記三次元地図表示用データ生成部で生成したデータを移動通信端末に供給する通信部と、
を含むことを特徴とする三次元地図表示システム。
【0032】
上記(5)の三次元地図表示システムでは、その目的地データ取得部で、二次元地図の特定領域が表示部に既定の時間以上継続して表示されたことが検出される毎に当該特定領域の中心位置を表す中心位置データを逐次保持することによって形成された累積中心位置データに基づいて算出された当該ユーザの移動に係る目的地を表すデータを取得する。
また、その交差点位置データ保持部で、交差点の位置を表す交差点位置データを保持する。
【0033】
更に、その交差点進行方向推定部で、前記交差点位置データ保持部が保持する交差点位置データによって表される交差点と前記目的地データ取得部が取得した目的地データによって表される目的地とを結ぶ線分の方向と当該交差点の分岐路の方向との相関に基づいて前記交差点を起点とするユーザの進行方向を推定する。
更にまた、その三次元地図表示用データ生成部で、前記交差点進行方向推定部で推定したユーザの進行方向に沿った領域の三次元地図を表示するためのデータを生成する。
そして、その通信部で、前記三次元地図表示用データ生成部で生成したデータを移動通信端末に供給する。
【0034】
(6)前記交差点進行方向推定部は、ユーザの進行方向を可能性の多寡に応じて区分した推定結果として出力し、
前記三次元地図表示用データ生成部は、前記交差点進行方向推定部による前記推定結果の区分に相応した可能性の多寡に対応したデータ量の配分で当該推定したユーザの進行方向に沿った領域の三次元地図を表示するためのデータを生成することを特徴とする(5)の三次元地図表示システム。
【0035】
上記(6)の三次元地図表示システムでは、(5)の三次元地図表示システムにおいて特に、前記交差点進行方向推定部は、ユーザの進行方向を可能性の多寡に応じて区分した推定結果として出力し、
前記三次元地図表示用データ生成部は、前記交差点進行方向推定部による前記推定結果の区分に相応した可能性の多寡に対応したデータ量の配分で当該推定したユーザの進行方向に沿った領域の三次元地図を表示するためのデータを生成する。
【0036】
(7)前記交差点進行方向推定部は、ユーザの進行方向を可能性の多寡に応じて区分した推定結果として出力するに際し、日付を表す情報およびイベントの開催に関する情報に基づいて前記区分を設定することを特徴とする(6)の三次元地図表示システム。
上記(7)の三次元地図表示システムでは(6)の三次元地図表示システムにおいて特に、前記交差点進行方向推定部は、ユーザの進行方向を可能性の多寡に応じて区分した推定結果として出力するに際し、日付を表す情報およびイベントの開催に関する情報に基づいて前記区分を設定する。
【0037】
(8)二次元地図の特定領域が表示部に既定の時間以上継続して表示されたことが検出される毎に当該特定領域の中心位置を表す中心位置データを逐次保持することによって形成された累積中心位置データに基づいて算出された当該ユーザの移動に係る目的地を表すデータを取得する目的地データ取得ステップと、
交差点の位置を表す交差点位置データを保持する交差点位置データ保持ステップと、
前記交差点位置データ保持ステップで保持した交差点位置データによって表される交差点と前記目的地データ取得ステップで取得した目的地データによって表される目的地とを結ぶ線分の方向と前記交差点の分岐路の方向との相関に基づいて前記交差点を起点とするユーザの進行方向を推定する交差点進行方向推定ステップと、
前記交差点進行方向推定ステップで推定したユーザの進行方向に沿った領域の三次元地図を表示するためのデータを生成する三次元地図表示用データ生成ステップと、
前記三次元地図表示用データ生成ステップで生成したデータを移動通信端末に供給するデータ供給ステップと、
を含むことを特徴とする三次元地図表示方法。
【0038】
上記(8)の三次元地図表示方法では、その目的地データ取得ステップで、前記交差点進行方向推定部は、ユーザの進行方向を可能性の多寡に応じて区分した推定結果として出力し、
前記三次元地図表示用データ生成部は、前記交差点進行方向推定部による前記推定結果の区分に相応した可能性の多寡に対応したデータ量の配分で当該推定したユーザの進行方向に沿った領域の三次元地図を表示するためのデータを生成する。
また、その交差点位置データ保持ステップで、交差点の位置を表す交差点位置データを保持する。
【0039】
更に、その交差点進行方向推定ステップで、前記交差点位置データ保持ステップで保持した交差点位置データによって表される交差点と前記目的地データ取得ステップで取得した目的地データによって表される目的地とを結ぶ線分の方向と当該交差点の分岐路の方向との相関に基づいて前記交差点を起点とするユーザの進行方向を推定する。
更にまた、その三次元地図表示用データ生成ステップで、前記交差点進行方向推定ステップで推定したユーザの進行方向に沿った領域の三次元地図を表示するためのデータを生成する。
そして、そのデータ供給ステップで、前記三次元地図表示用データ生成ステップで生成したデータを移動通信端末に供給する。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、ユーザが向かおうとする目的地を簡易かつ的確に予測する目的地予測装置、目的地予測方法、交差点におけるユーザの進行方向を簡易かつ的確に推定する交差点進行方向推定装置および交差点進行方向推定方法、上記推定結果を反映した三次元地図を表示する三次元地図表示システム、三次元地図表示方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1の実施の形態としての三次元地図表示システムを表す機能ブロック図である。
【図2】図1の三次元地図表示システムの特徴の説明に用いる一般的な三次元地図の表示処理を表すフローチャートである。
【図3】図1における画像保存マスタが保有する画像データの構造を表す図である。
【図4】図1におけるエリアマスタが保有するデータの構造を表す図である。
【図5】二次元地図表示におけるエリア、パス、および、交差点の関係を表す図である。
【図6】図1におけるパスマスタが保有するデータの構造を表す図である。
【図7】目的地予測処理を表すフローチャートである。
【図8】目的地予測の基本原理について説明するための図である。
【図9】交差点進行方向予測の処理を表すフローチャートである。
【図10】交差点マスタが保有するデータの構造を表す図である。
【図11】交差点での進行方向の推定方法に関する三通りの手法を説明するためのフローチャートである。
【図12】ユーザの操作によって目的地を設定する様子を表す図である。
【図13】目的地による交差点での各方向に応じて画像(表示用の単位画像のデータ)を配分する様子を説明するための図である。
【図14】図1におけるイベントマスタが保有するデータ構造を表す図である。
【図15】イベント情報を利用して交差点での進行方向の推定を行う手法を説明するための図である。
【図16】図1における操作履歴マスタ261が保有するデータ構造を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態につき詳述することにより本発明を明らかにする。
(三次元地図表示システムの構成)
図1は本発明の第1の実施の形態としての三次元地図表示システムを表す機能ブロック図である。
本実施の形態に係る三次元地図表示システムは、携帯電話などの移動通信端末(クライアント)100と表示用画像データを生成するサーバ200とを含んで構成される。
移動通信端末(クライアント)100は、本実施の形態において目的地予測装置を構成するものであり、通信部110、入力部120、画像取得部130、画像保存部140、画像表示部150、二次元地図表示処理部160、および、目的地算出部170の各機能部を備えている。
【0043】
通信部110、は送信部111および受信部112を有しており、外部との情報の授受を行う。クライアント100が携帯電話機などの移動通信端末である場合には、通信部110における情報の授受は無線の伝送路を通して行われる。
入力部120は、ユーザが種々の操作を行うための機能部であり、二次元地図操作部121を有している。
【0044】
画像取得部130は、通信部110を通して画像データを取得する機能部である。
画像保存部140は、画像取得部130によって取得した画像データをその画像保存マスタ141に保存し管理する機能部である。
画像表示部150は、二次元地図や三次元地図およびその他の種々の表示を行うための機能部であり、例えば液晶表示器のようなディスプレイを備える。
【0045】
二次元地図表示処理部160は、画像表示部150に二次元地図を表示するための表示処理を行う機能部である。
目的地算出部170は、目的地を予測する処理を行うための機能部である。
クライアント100におけるこれら各機能部の詳細については必要に応じて後述する。
一方、サーバ200は、通信部210、地図情報保存部220、目的地保存部230、三次元画像情報・テクスチャー保存部240、イベント情報管理部250、操作履歴保存部260、交差点進行方向推定部270、および、画像生成部280の各機能部を備えている。
【0046】
通信部210は、送信部211および受信部212を有し、移動通信端末(クライアント)100など外部との情報の授受を行う機能部である。
地図情報保存部220は、地図内のエリアの区分毎の情報を保有するエリアマスタ221、エリア毎のパスの情報を保有するパスマスタ222、および、パス上の各交差点の情報を保有する交差点マスタ223を含み、地図に関する上述の各情報をアクセス可能に保有している機能部である。
【0047】
目的地保存部230は、通信部210を通してクライアント100側から取得した予測される目的地の情報、或いは、その他の方法で取得された目的地の情報を保存している機能部である。
三次元画像情報・テクスチャー保存部240は、三次元地図データおよび関連する三次元テクスチャーデータを保存している機能部である。
【0048】
イベント情報管理部250は、そのイベントマスタ251に、各種イベント情報をテーブル形式で保有する機能部である。
操作履歴保存部260は、その操作履歴マスタ261に、ユーザの操作履歴のデータをテーブル形式で保有する機能部である。
交差点進行方向推定部270は、後述するような手法によって該当する交差点での進行方向を推定する機能部である。
【0049】
サーバ200におけるこれら各機能部の詳細については必要に応じて後述する。
本実施の形態に係る三次元地図表示システムにおける主な処理は、二次元地図による目的地予測の処理と、目的地、イベント情報、操作履歴を使い、交差点における各岐路に沿う進行方向が選択される確率を算定し、この算定結果を踏まえ、各方向の画像の数を予測・生成・表示する処理である。
【0050】
尚、図1の三次元地図表示システムでは、目的地予測の処理はクライアント100側(その目的地算出部170)で担い、この目的地算出部170で算出した目的地の予測データを通信によってサーバ200側に供給するようにしている。しかしながら、本発明の三次元地図表示システムにおけるクライアント100側とサーバ200側との機能分担は上述の態様に限定されるものではない。
例えば、目的地予測の処理も、三次元地図表示用のデータ生成処理と共に、一切サーバ200側で担うように構成し、クライアント100側では、専らユーザからの操作の受け付け処理と、三次元地図の表示とを担うように機能分担することも考えられる。
【0051】
(一般的な三次元地図の表示処理)
本実施の形態に係る三次元地図表示システムの特徴の理解のために、目的地の予測を行わない一般的な三次元画像の表示を行うための処理について説明する。
このような一般的な処理に基づいて三次元画像の表示を行うと、既述のように、交差点に至る都度そこで表示画像更新の一時的停止が発生してしまう。
図2は、目的地の予測を行わない一般的な三次元地図の表示処理を表すフローチャートである。
この表示処理には、クライアント100側で実行する処理とサーバ200側で実行する処理との二つの処理の流れが含まれる。
【0052】
以下、図2のフローチャートを参照してクライアント100側およびサーバ200側における処理を説明しつつ、図1における該当する各機能部について詳述する。
クライアント(移動通信端末)100は、最初に入力部120においてユーザからの入力操作を受け付ける(ステップS201)。
このステップS201では、二次元地図表示処理部160は町並みの様子を二次元表示する処理を実行し、この処理結果が画像表示部150に供給されて、ここで二次元地図が表示される。
【0053】
ユーザは入力部120から種々の操作を行うが、この入力部120には二次元地図に対する操作を行うための二次元地図操作部121が設けられている。二次元地図操作部121から入力する操作は二次元地図内での移動方向を示すものである。
その移動のための操作は、具体的には、例えば、前、後、左、右などである。入力部120はユーザからの入力操作を受け付け、該入力操作に対応する信号を画像取得部130に供給する。
【0054】
画像取得部130は該供給された信号に基づいて、画像保存部140から対応する画像データを取得して画像表示部150に供給する。この結果画像表示部150にはユーザの操作に対応した前、後、左、右などの二次元地図が表示される。
画像保存部140は、サーバ200から供給された画像データを保存する画像保存マスタ141を管理する。
【0055】
図3は、図1における画像保存マスタ141が保有する画像データの構造を表す図である。図示の通り、方向、画像番号、保存場所という三つの列から構成されるテーブルである。
このテーブルでは一つのレコードが一枚の画像に対応している。方向列は、管理している画像を表示させる操作に対応している。例えば、ユーザが前進ボタンを押すと、方向が前となる画像が表示候補となる。方向列が同じ内容のレコードは画像番号の昇順でランキングされている。
【0056】
同一操作に対応するレコードから、一番若い番号を持つレコードが表示内容として選ばれ、保存場所に記録された内容により、該当する画像のデータ(以下、適宜、画像ファイルという)が画像表示部150に供給され、表示される。
上述のように二次元画像を表示した後、対応しているレコードの方向を示す値が更新される。例えば、前進の場合、「前」という値が「現」と更新され、元々「現」という値が「後」と更新される。
【0057】
目的地の予測を行わない一般的な三次元地図の表示処理では、画像保存マスタ141に該当する画像ファイルが保存されているかどうかを確認する処理が実行される(ステップS202)。
ステップS202で、次に表示する三次元画像が保存されていると判断されたときには(ステップS202:YES)、その保存されている画像ファイルを画像表示部150に供給し、その画像を画像表示部150の表示器に三次元地図を表示する(ステップS203)。
【0058】
一方、次に表示する三次元地図の画像ファイルが画像保存部140に保存されていないと判断されたときには(ステップS202:NO)、画像取得部130に指令を発し、サーバ200側からのダウンロード処理を要請する。
画像取得部130は、現在表示している地点情報(例えば、経度および緯度で特定された地点の情報)、行き先(例えば、行き先の方向に沿う方向を0°として、この方向に対してなす角度X°の情報)、および、表示に供する三次元地図を構成する単位画像の枚数をサーバ200側への要求内容として、通信部110(その送信部111)を通してサーバ200に送信する(ステップS204)。
【0059】
次に、サーバ200側の処理を説明する。ここではクライアント100側からステップS204で送信された要求を受信して以降の処理について説明する。
サーバ200は、通信部210(その受信部212)で三次元地図表示用データの請求を受信する(ステップS211)。
次いで、ユーザの現在地(地点情報)に対応するパスを地図情報保存部220から取得する(ステップS212)。パスを取得するためには、まず、ステップS211で受信した現在地情報(経緯度)を使い、地図情報保存部220のエリアマスタ221から現在地に対応するエリアを抽出する。
【0060】
図4は、図1におけるエリアマスタ221が保有するデータの構造を表す図である。本実施の形態では、クライアント100の表示部150(ディスプレイ)に表示できる範囲を複数の四角形のエリアに分け、各エリアの経度と緯度の範囲を定義し、エリアマスタ221に保存している。
ステップS211でクライアント100側から受信したユーザの現在地(地点情報)に基づいて、エリアマスタ(図4)における経度範囲および緯度範囲という列を検索し、この経度と緯度によって定義されるエリアを抽出する。各エリアは重複しないように定義されている。
【0061】
上述のようにして、抽出したエリアのレコードから、該当エリアに属するパスを取得する。この手法では、レコードのパスリスト列を参照することによって、エリアに対応するパスのIDを取得する。
各エリアに属するパスのIDはエリアマスタ(図4)に保管され、パス上の交差点情報がさらに、テーブル形式でデータを保有する既述のパスマスタ222(図1)で保管されている。エリア、パス、および、交差点の関係を次に図面を参照して説明する。
【0062】
図5は、二次元地図表示における、エリア、パス、および、交差点の関係を表す図である。
図5において、X2というエリアには三つのパスが存在する。これら三つのパスのパスIDはY4、Y5、Y6である。
これらの情報は、エリアマスタ(図4)におけるX2に対応するレコーダに記録されている。そして、エリアIDがX2であるパスY4のパス情報はパスマスタで管理されている。
【0063】
図6は、図1におけるパスマスタが保有するデータの構造を表す図である。パスマスタでは、経緯度範囲という列を使い、パスの起点から終点までの経緯度情報と交差点情報を記録する。
パスは、連続した複数の点から構成された破線のような点の連なりとして定義され、各点の経緯度が順番に記録されている。
前のステップでは、ユーザの現在地が対応するエリアを見つけた後、該当エリアにあるパス情報も取得されている。次は、現在地が各パスのどの部分に対応するかの判断が必要となる。候補となるパスの経緯度範囲情報を使い、クライアントから送信された現在地情報と対比することによって、パスの情報を確定できる。
【0064】
このような対比の処理は作業量が大きいため、パス情報を確定した後、それをクライアントに送信してここで記録されるようにする。また画像生成の要求が来るとき、現在地の情報とパス情報とを併せ、サーバに送信することにより、検索ための時間を低減できる。
パスを見つけた後、次は三次元画像を生成するために、町並みのオブジェクトの外形と外観を表すデータとテクスチャー情報を取得する処理を実行する(ステップS213)。
【0065】
画像生成部280は、前のフェーズで抽出したパス情報を使い、クライアント100側から通信部210(その受信部212)を通して受信された目的地予測情報に基づいて、これ以降の時点で表示する可能性の高い地点を既述の進行方向に関する確率に応じた受信枚数分で、三次元情報・テクスチャー保存部240に供給する。
三次元情報・テクスチャー保存部240は、三次元地図データを保存するモジュールである。実装に依存するが、この実施の形態では、現在地と視点情報とを受信すると、レンダリング用の三次元データとテクスチャーを外部に供給することが可能に構成されている。
【0066】
画像生成部280は、三次元情報・テクスチャー保存部240から供給されたデータを使い、次に表示する三次元画像のデータをレンダリング処理によって生成し(ステップS214)、生成された三次元画像データを移動方向のデータと併せ、クライアント200側に通信部210(その送信部211)を通して送信する(ステップS215)。
次はクライアント100側の処理について説明する。サーバ側200でステップS215の処理が実行され、上述のように送信された情報が受信されるまではクライアント100は受信待ち状態にある(ステップS205)。
【0067】
この受信待ち状態では、ユーザからの入力に対し反応しない。サーバ側200からステップS215で発せられた情報(データ)が受信されると(ステップS206)、クライアント100の通信部110(その受信部112)は受信した情報を画像保存部140に転送し、ここに保存する(ステップS207)。
画像保存部140は、対応する操作を踏まえ、受信した画像データに対し、新しい番号を付与し、対応する操作のレコードの一番後ろに差込み、処理を完了する。
【0068】
(一般的な三次元地図の表示処理での問題点と本発明の狙い)
以上、図2のフローチャートを参照して説明したフローは目的地の予測を行わない一般的な三次元地図の表示処理である。
一回の処理が終わった後、クライアント100がステップS204におけるような要求をサーバ200に送信し、ユーザが直進を選択する操作をしていれば、いつでも行き先を閲覧できるようになる。しかし、サーバ200は、パス先方には交差点がある場合、次の行き先に対応する表示内容を判断できないため、クライアント100側からの指示を待たなくてはならず、この待ち時間に相当する遅延の発生が避けられない。
【0069】
即ち、交差点に至る都度そこで三次元地図の表示やその更新が一時的に或いは間欠的に停止しまうという不都合が生じてしまうことになる。
従って、上述のような交差点における三次元画像表示に関する遅延を避けるために、各交差点でユーザが何れの岐路を選んで進む可能性が高いかを推定し該推定による進行方向を視野とする三次元画像表示を予め行っておこうとするのが本発明の一つの狙いである。
そして、上述のように交差点におけるユーザの進行方向を推定するには、まず、目的地予測処理が必要となる。従って、本発明では、この趣旨で目的地の予測を簡易かつ的確に行うことも一つの狙いとするところである。次に、本発明の実施の形態における目的地予測の処理について説明する。
【0070】
(クライアント側における目的地予測処理)
図7は、目的地予測処理を表すフローチャートである。
先ず、ここで適用する目的地予測の手法に関する基本原理を説明する。図8は、目的地予測の基本原理について説明するための図である。
図8に表わされた通り予測には二次元地図を用いる。これは、三次元世界では道に迷いやすいため、ユーザが常に自分の行き先を確認するためには二次元地図の方が適しているからである。
ユーザが携帯電話機などの移動通信端末(クライアント)100を操作して選択する行き先の情報を把握し、その把握された情報に基づいて目的地を予測することができる。
即ち、目的地予測の一つの手法では、ユーザが二次元地図上で参照したエリアを記録し、当該エリアの中心的な場所を表す情報(データ)に基づいて目的地を予測する。
【0071】
次に、本発明の実施の形態における目的地を予測する処理について、図7のフローチャートを参照しながら説明する。
ユーザは二次元地図を開いた後(ステップS701)、参照しようとするエリアを確認するために、ドラッグ操作で表示する地図の中心地(即ち、該当する表示の中心位置を占める二次元地図の特定領域。以下同様)を選択的に設定するので、この設定(変更)を確認する(ステップS702)。
【0072】
ステップS702でユーザが設定した地図の中心地は、一定時間範囲内でその位置が変更されない場合には、ユーザが意図的に注目している地点であり、目的地である可能性が高いものと想定する。
即ち、本発明の実施の形態における手法では、二元地図表示における中心地が表示部に既定の時間以上継続して表示されたか否かを判断し(ステップS703)、既定の時間以上継続して表示されたと判断されたときには(ステップS703:YES)、その中心地を表す中心地データを逐一記録し(ステップS704)、その中心地がユーザが意図している目的地であると考える。
【0073】
ステップS703で、一定時間が経たずに、中心地が変更されたと判断された場合には(ステップS703:NO)、それは、ユーザは目的地に移動するための操作であるものとして取り扱い、記録対象外として、ステップS702に戻る。
ステップS704における記録を行った後、ユーザが所定時間内に更に目的地の変更操作を行ったか否かを判断し(ステップS705)、この変更操作が行われた場合には(ステップS705:YES)、ステップS702に戻る。即ち、ステップS702に戻る毎に、以降のステップS704での中心地データの記録が繰り返されて逐次保持され、累積中心地データが形成される。
【0074】
また、上述の変更操作が行われなかった場合には(ステップS705:NO)、ユーザが二次元地図の表示変更を中止したものとして、三次元地図(画像)の表示に戻る(ステップS706)。
目的地算出部170(図1)は、ステップS704で記録した中心地を表すデータが集積された上述の累積中心地データに基づいて、各中心地の平均値的な位置(例えば、重心)を算出し(ステップS707)、分散が一定範囲であれば、それを予測目的地を表す情報であるとしてサーバ200に送信する(ステップS708)。
【0075】
ステップS707の処理では、上述の各中心地である複数のエリアの中心座標(経緯度)を(a1,b1)〜(an,bn)として、平均的な位置は(Σ(ai)/n, Σ(bi)/n)となる。ただし、平均的な位置を算出した後、データの分散も計算する。分散が一定範囲を超えると、平均的な位置を目的地として算出する意味が少ないため、計算対象外とする。例えば、ユーザは新宿エリアを確認した後、また別の目的で池袋の地図を表示させる場合、新宿と池袋の平均値を計算しても、それが目的地とはいえない。
【0076】
(サーバ側における交差点での進行方向予測の処理)
次に、交差点での進行方向予測の処理について説明する。
図9は交差点進行方向予測の処理を表すフローチャートである。サーバ200は画像生成処理を実行しながら、通信部210(その受信部212)でクライアント100から予測目的地を受信する(ステップS901)。
既述の図7のフローチャートにおける、ステップS701からステップS707の処理によって、二元地図表示における中心地を表す中心地データ(このデータの累積である累積中心地データ)に基づいて目的地予測処理が行われ、この処理結果としての予測目的地のデータが、ステップS708でクライアント100からサーバ200側に供給される。
【0077】
サーバ200側では、ステップS708でクライアント100から取得した予測目的地へのパスは前方に交差点があるかどうかを判断し始める(ステップS902)。
交差点での進行方向の予測判断は地図情報保存部220で実行される。この実行には、パスマスタ222と交差点マスタ223とに保有されている情報が利用される。
パスマスタ222には、既述の通り、パスを構成するポイントの座標が全部記録されている。ある点が交差点にある場合、それに対応する座標と併せ、交差点のIDも記録される。
【0078】
例えば、Y2というパスの起点座標は(Y2a1,Y2b1)となり、交差点○○神社前にあるので、座標の後ろに交差点のID(Z1)も記録する。(Y2a1,Y2b1)-Z1のように記録される。
図10は、交差点マスタ223が保有するデータの構造を表す図である。図10に示されたように、交差点の、ID、名称、位置情報の他に、各方向の情報も記録されている。
【0079】
十字路の場合、四方へ道路が伸びるので、交差点を中心として、各道路の方向角度を方向リストに記録する。例えば、ある道が北に延びる場合、それを方向角度0°と記録し、その角度値に続けて道路(パス)のIDを付加している。
目的地保存部230は、今、表示された地点から、これから移動する地点へのパス情報をパスマスタ222から取得する(ステップS912)。このようにして取得したパス情報から該当するパスに交差点であるポイントが存在するか否かを判断する(ステップS913)。
【0080】
交差点であるポイントがあれば(ステップS913:YES)、交差点での進行方向の予測を行わない一般的な処理では、進行方向を予測ができないため、表示できる画像は交差点までとなる。
本発明の実施の形態では、クライアント100側から受信して目的地保存部230に保存した予測目的地の情報を用いて、交差点付近で進行方向を予測できる。この予測の処理のために、目的地保存部230は、交差点進行方向推定部270に、検出した交差点の情報を供給する。
交差点進行方向推定部270は上述したようなサーバ側200で保持する情報に基づいて交差点の各方向へ進む確率を算出し、交差点での進行方向を推定する(ステップS914)。
ステップS914で計算した結果をベースに、各方向に分配する画像をユーザからの要求を待つことなく生成する。
【0081】
(交差点での進行方向の推定に関する手法)
交差点での進行方向の推定方法は次の三つの手法を利用することを想定する。
(1)目的地を利用する推定手法
(2)イベント情報を利用する推定手法
(3)行動履歴を利用する推定手法
これらの推定手法については、図11のフローチャートに示した処理フローにより、利用する順番を決める。
【0082】
図11は、交差点での進行方向の推定方法に関する三通りの手法を説明するためのフローチャートである。
以下に図11のフローチャートを参照してこれら三通りの推定手法を解説する。
上記(1)の目的地を利用する推定手法は、目的地が明示的に設定された場合(ステップS1101)、それを利用して推定処理を行う手法である。
図12は、ユーザの操作によって目的地を設定する様子を表す図である。
ユーザが明示的に目的地を入力する場合は、図12に示した通りに、二次元地図などの表示に対して目的地の位置を指定し、その位置に確定させる操作(例えばタッチパネル上の「YES」をクリックする操作)を行った後、設定した目的地を表すデータがサーバ200の目的地保存部230にアップロードされる。
【0083】
サーバ200では、交差点進行方向推定部270において、上述のように設定された目的地を表すデータに基づいて交差点での進行方向の推定を行う(ステップS1102)。
一方、目的地が明示的に入力されない場合、前述した処理で予測した予測目的地が存在する場合(ステップS1103:YES)、その予測目的地を表すデータに基づいて交差点での進行方向の推定を行う(ステップS1104)。
ステップS1102およびステップS1104における目的地のデータに基づいて推定を実行するプロセスは次のようなものである。
まず、交差点IDから、交差点マスタ223が保有するデータに基づいて交差点の位置を取得する。この取得による交差点の位置を起点として、上述のように指定され或いは予測された目的地までの方向を算定する。
【0084】
図13は、目的地による交差点での各方向に応じて画像(表示用の単位画像のデータ)を配分する様子を説明するための図である。
算定された目的地(予測目的地)と交差点の位置との地理情報(経度、緯度)を持つため、図13に表示された破線の方向を計算できる。次は、破線方向と交差点の各岐路の方向との角度を計算する。図13で示した例では、計算した結果はそれぞれ、α、β、γ(単位は、ラジアン)となる。目的地方向との角度が一番少ない方向へ進む可能性が一番高いと考え、各方向へ進む確率に関する比率は1/α:1/β:1/γと決める。
【0085】
算出した確率の多寡に応じて、各岐路の方向の視野を三次元表示するための要素となる単位画像(そのデータ)を分配する。この分配方法として、一番確率が高い方向のみ請求枚数分の画像を生成する手法がある。また、1/α:1/β:1/γという比率で、各方向の分配枚数を決める手法もある。後者の手法では、例えばα=π/6、β=π/4、γ=π2/3である場合、6/π:4/π:2/π3=12:8:3という比率で画像(表示用の単位画像のデータ)を配分する。尚、各岐路の方向毎に分配枚数の軽重をつけず均等に按分してもよい。
【0086】
他方、指定され或いは予測された目的地が存在していない場合には、上記(2)のイベント情報を利用する推定手法を適用する。
ここに、イベントとは前文で紹介した花火大会などであり、三次元地図を使い、その様子を確認することができる。イベントの開催日に、ユーザがイベント会場付近エリアを検索する場合、イベント会場付近を探索する可能性が高い。
従って、それを潜在目的地(予測目的地)と想定する。イベントに関する各種情報は既述のイベント情報管理部250におけるデータテーブル形式のイベントマスタ251の中で管理されている。
【0087】
図14は図1におけるイベントマスタ251が保有するデータ構造を表す図である。
イベントマスタ251に各イベントの開催日付と開催場所が保持されている。開催日付と開催場所という二つの条件が満足された場合には、イベント情報を利用する推定を適用できる(ステップS1106)。
図15は、イベント情報を利用して交差点での進行方向の推定を行う手法を説明するための図である。
イベント情報管理部250は、開催日付と開催場所という二つの条件を満足するイベント開催エリアの中心領域を算出し、それを潜在目的地(予測目的地)とする。この場合の予測処理は設定された目的地に基づいて予測を行う場合と同じである(ステップS1107)。従って、また、各岐路の方向の視野を三次元表示するための要素となる単位画像(そのデータ)の分配手法についても図13を参照して既述のとおりである。
【0088】
上記の二つの条件が満たされていない場合、イベントを利用する推定ができなくなり、次は上記(3)の操作履歴を利用した推定を行う(ステップS1109)。
サーバ200側では、各交差点での各方向の移動する回数を記録しておき、この記録を利用して、ある交差点の各方向へ移動する確率を算出できる。操作履歴は操作履歴を保存している操作履歴保存部260の操作履歴マスタ261で管理されている。
【0089】
図16は図1における操作履歴マスタ261が保有するデータ構造を表す図である。
操作履歴に基づく交差点での進行方向の推定では、対象の交差点ID毎の各交差点での操作履歴を保存しておき、各方向へ移動する確率に基づいて、交差点における各岐路の方向の視野を三次元表示するための要素となる単位画像(そのデータ)を分配する。
この分配方法には、確率が一番高い方向のみ、請求枚数分の画像を生成する手法があるし、各方向の確率を比例として分配枚数を決める手法もある。
【0090】
操作履歴の保存は、例えば、次の手順による。即ち、ユーザが交差点の方向を決め、移動した後、その移動情報と交差点のIDをサーバ200における操作履歴保存部260の操作履歴マスタ261保存する。
一方、移動情報と交差点情報のアップロードにはもう一つの目的がある。それは、推定した方向とユーザが実際に選んだ方向を比較するためである。両者の差があまりにも大きい場合、推定方法を切り替えることになる。(ステップS1105)と(ステップS1108)はこのような場合である。推定の誤りが閾値を越えた場合、別の推定方法を次の交差点で採用する。
【0091】
推定誤りであると判断するのは次のような場合である。即ち、ユーザが実際に選択した方向が、推定した確率が一番高い方向とは異なった場合、推定誤りが1回であると計上する。誤りの回数が増え、ある閾値を超えた場合、別の推定方法に切り替える。
以上の(1)、(2)、(3)の三通りの手法で画像を分配した後、交差点推定フロー処理が完了する。
【0092】
次は、各方向の画像分配比例を決めた後、それぞれの方向に対し、分配する画像を生成する(図9:ステップS915;ステップS916)。その結果を各方向情報と併せ、クライアント100に送信する(ステップS917)。
クライアント100はサーバ200から、処理結果を受信し(ステップS901)、画像保存部140に、方向を表すデータに対応付けて保存する(ステップS902)。この後、図2の一般的な処理と同様に、ユーザの入力を受信し(ステップS903)、画像を表示する。
【0093】
ユーザは、交差点付近に移動したとき、前進ではなく、左折、右折を入力した場合(ステップS904)、画像保存部140(その画像保存マスタ141)には左や右の方向に対応した画像が保存されているため、それを画像表示部150に表示する。
ただし、表示する前に画像保存マスタ141を更新する操作が必要となる(ステップS905)。
【0094】
例えば、ユーザが左折を入力する場合、画像保存マスタ141では、方向が左であるレコードがこれから、全部「前」に更新し、元々、方向が前であるレコードを右に変更する。右のレコードを「右右」に変更し、新しい画像をダウンロードする時、優先的に、方向が「右右」である画像を削除する。
また、前進をする場合、ダウンロードした左と右の画像を全部削除する。更新が終わった後、次に表示する画像をクライアント100の画像表示部150に表示する。
【0095】
(目的地予測方法)
本発明の目的地予測方法では、その中心位置データ保存ステップ(例えば、図7:ステップS704)で、少なくとも二次元地図上の選択的に設定された部分領域を表示可能な表示部に、前記二次元地図の特定領域が既定の時間以上継続して表示されたことを検出する毎に当該特定領域の中心位置を表す中心位置データを保持する。
また、その目的地算出ステップ(例えば、図7:ステップS707)では、前記中心位置データ保存ステップで保存された中心位置データに基づいてユーザの移動に係る目的地を表すデータを算出する。
この目的地予測方法によれば、ユーザが目指す目的地を簡易且つ的確に予測することができる。
【0096】
(交差点進行方向推定方法)
本発明の交差点進行方向推定方法では、その目的地データ取得ステップで上述した本発明の目的地予測方法によって算出される目的地を表すデータを取得する(例えば、図9:ステップS911等)。
また、その交差点位置データ取得ステップ(例えば、図9:ステップS912、ステップS913等)で、交差点の位置を表す交差点位置データを取得する。
更に、その交差点進行方向推定ステップ(例えば、図9:ステップS914等)で、前記交差点位置データ取得ステップによって取得した交差点位置データによって表される交差点と前記目的地データ取得ステップによって取得した目的地データによって表される目的地とを結ぶ線分の方向との相関に基づいて前記交差点を起点とするユーザの進行方向を推定する。
この交差点進行方向推定方法によれば、交差点におけるユーザの進行方向を簡易且つ的確に推定することができる。
【0097】
(三次元地図表示方法)
本発明の三次元地図表示方法では、その目的地データ取得ステップ(例えば、図7のフローチャート)で、前記交差点進行方向推定部(例えば、図1:交差点進行方向推定部270)は、ユーザの進行方向を可能性の多寡に応じて区分した推定結果として出力し、
前記三次元地図表示用データ生成部(例えば、図1:画像生成部280)は、前記交差点進行方向推定部による前記推定結果の区分に相応した可能性の多寡に対応したデータ量の配分で当該推定したユーザの進行方向に沿った領域の三次元地図を表示するためのデータを生成する(例えば、図9:ステップS915〜ステップS916)。
【0098】
また、その交差点位置データ保持ステップで、交差点の位置を表す交差点位置データを保持する(例えば、図1:地図情報保持部220)。
更に、その交差点進行方向推定ステップ(例えば、図9:ステップS914等)で、前記交差点位置データ保持ステップで保持した交差点位置データによって表される交差点と前記目的地データ取得ステップで取得した目的地データによって表される目的地とを結ぶ線分の方向と当該交差点の分岐路の方向との相関に基づいて前記交差点を起点とするユーザの進行方向を推定する(例えば、図9:ステップS914)。
【0099】
更にまた、その三次元地図表示用データ生成ステップ(例えば、図9:ステップS915〜ステップS916)で、前記交差点進行方向推定ステップで推定したユーザの進行方向に沿った領域の三次元地図を表示するためのデータを生成する。
そして、そのデータ供給ステップ(例えば、図9:ステップS917)で、前記三次元地図表示用データ生成ステップで生成したデータを移動通信端末に供給する。
この三次元地図表示方法によれば、交差点に至る都度そこで表示画像更新の一時的停止が発生してしまうというという問題が一掃され、ユーザにとってストレスの少ない三次元地図表示が行われ得る。
【0100】
(変形例)
上述におけるクライアント装置としては、携帯電話機の他、PDAやパーソナルコンピュータ、その他、上述の機能を全うできる種々の態様の装置を適用可能である。
(まとめ)
本願において提案する目的地予測装置によれば、ユーザが二次元地図上の場所をある一定時間を超過して閲覧する都度、その閲覧時におけるクライアント(例えば携帯電話機)の閲覧対象とされた地図の中心位置のデータを逐次複数保存しておくことによって、ユーザの目的地を、例えば、これら複数の中心位置の重心などとして算出することができる。
【0101】
また、本願において提案する交差点進行方向推定装置によれば、上述の目的地予測装置によって算出された目的地と現在位置とを結ぶ線分とのなす角が最小である経路が、最もユーザが進む可能性が高い方向とされる。クライアント側にダウンロードするデータ量は、ユーザが進行する可能性の高さに応じて配分する。
但し、この配分比率は、イベントや開催日付の情報によって変更するようにしてもよい。
【0102】
既述のように、交差点に至る都度そこで表示画像更新の一時的停止が発生してしまうという問題は、交差点からの進行方向になり得る各岐路に関して、事前に表示用のデータが生成され得ないことによる処理遅延に起因する。
本発明では、ユーザの交差点からの進行方向を予測することによって、事前に表示用のデータを生成しておくため、上述のような表示画像更新の一時的停止が生じにくく、ユーザのストレスを大幅に軽減することができる。
【符号の説明】
【0103】
100………………………………クライアント
110………………………………通信部
111………………………………送信部
120………………………………入力部
121………………………………二次元地図操作部
130………………………………画像取得部
140………………………………画像保存部
141………………………………画像保存マスタ
150………………………………画像表示部
160………………………………二次元地図表示処理部
170………………………………目的地算出部
200………………………………サーバ
210………………………………通信部
211………………………………送信部
212………………………………受信部
220………………………………地図情報保存部
221………………………………エリアマスタ
222………………………………パスマスタ
223………………………………交差点マスタ
230………………………………目的地保存部
240………………………………三次元情報・テクスチャー保存部
250………………………………イベント情報管理部
251………………………………イベントマスタ
260………………………………操作履歴保存部
261………………………………操作履歴マスタ
270………………………………交差点進行方向推定部
280………………………………画像生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次元地図上の選択的に設定された部分領域を表示可能な表示部と、
前記二次元地図の特定領域が前記表示部に既定の時間以上継続して表示されたことが検出される毎に当該特定領域の中心位置を表す中心位置データを逐次保持し、該保持された中心位置データに基づいてユーザの移動に係る目的地を表すデータを算出する目的地算出部と、
を備えたことを特徴とする目的地予測装置。
【請求項2】
二次元地図上の選択的に設定された部分領域を表示可能な表示部に、前記二次元地図の特定領域が既定の時間以上継続して表示されたことを検出する毎に当該特定領域の中心位置を表す中心位置データを保持する中心位置データ保存ステップと、
前記中心位置データ保存ステップで保存された中心位置データに基づいて当該ユーザの移動に係る目的地を表すデータを算出する目的地算出ステップと、
を含むことを特徴とする目的地予測方法。
【請求項3】
目的地を表すデータを取得する目的地データ取得部と、
交差点の位置を表す交差点位置データを保持する交差点位置データ保持部と、
前記交差点位置データ保持部が保持する交差点位置データによって表される交差点と前記目的地データ取得部が取得した目的地データによって表される目的地とを結ぶ線分の方向と前記交差点の分岐路の方向との相関に基づいて前記交差点を起点とするユーザの進行方向を推定する交差点進行方向推定部と、
を備えたことを特徴とする交差点進行方向推定装置。
【請求項4】
目的地を表すデータを取得する目的地データ取得ステップと、
交差点の位置を表す交差点位置データを取得する交差点位置データ取得ステップと、
前記交差点位置データ取得ステップによって取得した交差点位置データによって表される交差点と前記目的地データ取得ステップによって取得した目的地データによって表される目的地とを結ぶ線分の方向との相関に基づいて前記交差点を起点とするユーザの進行方向を推定する交差点進行方向推定ステップと、
を含むことを特徴とする交差点進行方向推定方法。
【請求項5】
二次元地図の特定領域が表示部に既定の時間以上継続して表示されたことが検出される毎に当該特定領域の中心位置を表す中心位置データを逐次保持することによって形成された累積中心位置データに基づいて算出された当該ユーザの移動に係る目的地を表すデータを取得する目的地データ取得部と、
交差点の位置を表す交差点位置データを保持する交差点位置データ保持部と、
前記交差点位置データ保持部が保持する交差点位置データによって表される交差点と前記目的地データ取得部が取得した目的地データによって表される目的地とを結ぶ線分の方向と当該交差点の分岐路の方向との相関に基づいて前記交差点を起点とするユーザの進行方向を推定する交差点進行方向推定部と、
前記交差点進行方向推定部で推定したユーザの進行方向に沿った領域の三次元地図を表示するためのデータを生成する三次元地図表示用データ生成部と、
前記三次元地図表示用データ生成部で生成したデータを移動通信端末に供給する通信部と、
を含むことを特徴とする三次元地図表示システム。
【請求項6】
前記交差点進行方向推定部は、ユーザの進行方向を可能性の多寡に応じて区分した推定結果として出力し、
前記三次元地図表示用データ生成部は、前記交差点進行方向推定部による前記推定結果の区分に相応した可能性の多寡に対応したデータ量の配分で当該推定したユーザの進行方向に沿った領域の三次元地図を表示するためのデータを生成することを特徴とする請求項5に記載の三次元地図表示システム。
【請求項7】
前記交差点進行方向推定部は、ユーザの進行方向を可能性の多寡に応じて区分した推定結果として出力するに際し、日付を表す情報およびイベントの開催に関する情報に基づいて前記区分を設定することを特徴とする請求項6に記載の三次元地図表示システム。
【請求項8】
二次元地図の特定領域が表示部に既定の時間以上継続して表示されたことが検出される毎に当該特定領域の中心位置を表す中心位置データを逐次保持することによって形成された累積中心位置データに基づいて算出された当該ユーザの移動に係る目的地を表すデータを取得する目的地データ取得ステップと、
交差点の位置を表す交差点位置データを保持する交差点位置データ保持ステップと、
前記交差点位置データ保持ステップで保持した交差点位置データによって表される交差点と前記目的地データ取得ステップで取得した目的地データによって表される目的地とを結ぶ線分の方向と前記交差点の分岐路の方向との相関に基づいて前記交差点を起点とするユーザの進行方向を推定する交差点進行方向推定ステップと、
前記交差点進行方向推定ステップで推定したユーザの進行方向に沿った領域の三次元地図を表示するためのデータを生成する三次元地図表示用データ生成ステップと、
前記三次元地図表示用データ生成ステップで生成したデータを移動通信端末に供給するデータ供給ステップと、
を含むことを特徴とする三次元地図表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−127977(P2011−127977A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−285689(P2009−285689)
【出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】