説明

研磨された受熱平面を備える散熱器及びその研磨方法と設備

【課題】散熱器の受熱面がより良い平面度及びラフ度を達成可能な研磨された受熱平面を備える散熱器及びその研磨方法と設備。
【解決手段】研磨された受熱平面を備える散熱器30及びその研磨方法は、先ず、研磨盤11を備える研磨機10及び治具20を提供し、散熱器30を治具20上にセットし、研磨盤11と散熱器30の受熱平面34との間に研磨物132を注入し、治具20により散熱器30を圧迫して固定し、これにより散熱器30の受熱平面34は、研磨物132上に平らに密着し、さらに研磨盤11を回転させ、受熱平面34に対して、少なくとも1回の研磨を行い、こうして受熱平面34の表面ラフ度及び平面度はより優良となり、受熱平面34と発熱部品との接触時の密着度を向上させ、散熱器30と発熱部品との伝熱効率を高めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、散熱器に関し、特に研磨された受熱平面を備える散熱器及びその研磨方法と設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
テクノロジーの進歩に従い、コンピューターの演算処理速度はますます高速化し、それにより消費する電力量も増えている。
そのため、電子部品が発生する熱も相当の量となり、溜まった熱を即時に排出できなければ、電子部品は過熱し、処理効率は低下し、損壊する恐れさえある。
そのため、電子部品の多くは、散熱装置を用いて、作業温度を制御し、電子部品の正常な作動を維持している。
【0003】
従来のベイパーチャンパー或いはヒートパイプ等を備える散熱装置は、実施時には、先ず、伝熱台に結合し、その上に複数の散熱片を設置し、さらに伝熱台の片側面と発熱する電子部品を相互に接触させる。これにより、発熱電子部品が発生する熱を持ち去ることができる。
しかし、各装置には、散熱空間、消費電力量等の個別の要因があり、それに応じつつ、いかにして散熱効率を向上させるかに、業界はしのぎを削っている。
【0004】
該散熱器の受熱面が平坦で滑らかであればあるほど、該受熱面と発熱電子部品との伝熱接触はより緊密となり、伝熱効果が向上する。しかし、一般の散熱器の受熱面は、通常はマット面である。
一方、該受熱面を加工し、平坦で滑らかに見えるようにしても、実際には表面のラフ度と平面度は高くない。
そのため、該受熱面と発熱部品との接触が十分に緊密でないため、該受熱平面と発熱電子部品との伝熱を向上させる効果は低い。
【0005】
よって、もし該受熱面の表面ラフ度を低下させ、その平面度を向上させ、該受熱面と発熱電子部品との接触の密着度を向上させることができれば、より優れた伝熱効果を達成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−192820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来の散熱器と受熱面の上述した欠点に鑑みてなされたものである。
本発明が解決しようとする課題は、散熱器の受熱平面を研磨することで、受熱平面の表面ラフ度を低下させ、その平面度を向上させ、これにより発熱電子部品との接触の伝熱効果を高めることができる研磨された受熱平面を備える散熱器及びその研磨方法と設備を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は下記の研磨された受熱平面を備える散熱器及びその研磨方法と設備を提供する。
散熱器の受熱平面の研磨方法は、以下のステップを含み、
(a)研磨盤を備える研磨機及び治具(ジグ)を提供し、
(b)受熱平面を備える散熱器を提供し、散熱器を治具上に設置し、
(c)研磨盤と受熱平面との間に、研磨物(研磨剤)を注入し、
(d)治具により散熱器を圧迫して固定し、これにより受熱平面は研磨物上に密着し、
(e)研磨盤を回転させ、受熱平面に対して、少なくとも1回の研磨を行う。
散熱器の受熱平面を研磨する設備は、散熱器の受熱平面を研磨し、該設備は、研磨機及び治具を備え、該研磨機は、研磨盤及び研磨物供給筒を備え、該研磨物供給筒は、該研磨盤上方に設置し、これにより研磨物を受熱平面と研磨盤との間に提供し、前記治具は、該研磨機上に連結し、少なくとも1個のプレッシャーボードを備え、該レッシャーボードには散熱器をセットし、これにより、該プレッシャーボードは該散熱器を圧迫して固定し、該散熱器の受熱平面は、研磨物に平らに密着して、散熱器の受熱平面を研磨する。
研磨された受熱平面を備える散熱器は、発熱電子部品の散熱を行なうことができ、該散熱器は、受熱平面を備え、該受熱平面は、治具により研磨機上に圧迫して固定され、研磨され、これにより該受熱平面の表面ラフ度はRa0.03μm以下となり、しかもその平面度は10μm以下となる。
【0009】
すなわち、請求項1の発明は、散熱器受熱平面の研磨方法であって、
(a)研磨盤を備える研磨機及び治具を提供し、
(b)受熱平面を備える散熱器を提供し、該散熱器を該治具上に設置し、
(c)該研磨盤及び該受熱平面の間に、研磨物を注入し、
(d)前記治具は、該散熱器を圧迫して固定し、これにより該受熱平面は、該研磨物上に平らに密着し、
(e)該研磨盤を回転させ、これにより該研磨物は、該受熱平面に対して、少なくとも1回の研磨を行なうことをステップすることを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載の散熱器受熱平面の研磨方法であって、前記ステップ(c)において、該研磨物は、研磨液及び研磨顆粒を含んだことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1に記載の散熱器受熱平面の研磨方法であって、前記ステップ(c)では、数回に分けて研磨を行なうことができ、それぞれ異なる研磨精度を備える研磨物を注入したことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3に記載の散熱器受熱平面の研磨方法であって、前記ステップ(c)では、先ず、研磨精度が比較的粗い該研磨物を注入し、第1回研磨を行い、該第1回研磨の完成後、さらに研磨精度が比較的細かい該研磨物を注入し、第2回研磨を行なったことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1に記載の散熱器受熱平面の研磨方法であって、前記ステップ(d)において、該治具は、該受熱平面に相対するもう一方の面を圧迫して固定したことを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項5に記載の散熱器受熱平面の研磨方法であって、前記ステップ(d)において、該治具は、点圧迫の方式により、該散熱器を圧迫して固定したことを特徴とする。
【0011】
請求項7の発明は、散熱器の受熱平面を研磨する設備は、散熱器の受熱平面を研磨し、該設備は、研磨盤及び研磨物供給筒を備える研磨機、該研磨機上に連結し、少なくとも1個のプレッシャーボードを備える治具からなり、該研磨物供給筒は、該研磨盤上方に設置し、研磨物を、該受熱平面と該研磨盤との間に提供し、該プレッシャーボードには、該散熱器をセットし、これにより、該プレッシャーボードは、該散熱器を圧迫して固定し、こうして該散熱平面は、該研磨物に平らに密着したことを特徴とする。
【0012】
請求項8の発明は、請求項7に記載の散熱器の受熱平面を研磨する設備であって、前記研磨機はさらに、該研磨機上に固定する固定フレーム及び該治具と該研磨機との間に設置する少なくとも1個の弾性部品を備え、
これにより該治具は、該研磨機上に弾力的に設置されたことを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項8に記載の散熱器の受熱平面を研磨する設備であって、前記研磨機はさらに、該固定フレーム上に設置する駆動装置を備え、該駆動装置は、該治具に接触し、該治具を駆動して、弾力的に昇降させ、こうして該散熱器を圧迫して固定したことを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項7に記載の散熱器の受熱平面を研磨する設備であって、前記治具は、該研磨盤に対応して、円盤型を呈し、その周縁には、複数のプレッシャーボードを等分に延伸し、該プレッシャーボードの底部には、少なくとも1個の突起を設置し、該突起は、該散熱器上を圧迫して固定したことを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項10に記載の散熱器の受熱平面を研磨する設備であって、前記プレッシャーボードは、点接触の方式で、該散熱器を圧迫して固定したことを特徴とする。
請求項12の発明は、請求項7に記載の散熱器の受熱平面を研磨する設備であって、前記研磨物は、研磨液及び研磨顆粒を含み、該研磨物供給筒は、噴射管を備えたことを特徴とする、請求項7に記載の散熱器の受熱平面を研磨する設備。
【0013】
請求項13の発明は、研磨された受熱平面を備える散熱器が、発熱電子部品の散熱を行い、該散熱器は受熱平面を備え、該受熱平面は、治具により、研磨機上に圧迫して固定され、研磨により、該受熱平面の表面ラフ度及び平面度は、それぞれRa0.03μm以下、及び10μm以下となったことを特徴とする。
【0014】
請求項14の発明は、請求項13に記載の研磨された受熱平面を備える散熱器であって、前記受熱平面の表面ラフ度は、Ra0.03μmからRa0.01μmの間となったことを特徴とする。
請求項15の発明は、請求項13に記載の研磨された受熱平面を備える散熱器であって、前記受熱平面の平面度は、0.3μmから10μmの間となったことを特徴とする。
請求項16の発明は、請求項13に記載の研磨された受熱平面を備える散熱器であって、前記散熱器は、平板式ヒートパイプ及び複数の散熱フィンを備え、該各散熱フィンは、該平板式ヒートパイプ上を通過して設置され、該平板式ヒートパイプは、平面化蒸発セクションを備え、該平面化蒸発セクションは、該受熱平面であったことを特徴とする。
請求項17の発明は、請求項13に記載の研磨された受熱平面を備える散熱器であって、前記散熱器はさらに、伝熱台、少なくとも1個のヒートパイプ、及び該ヒートパイプを通過して設置される複数の散熱フィンからなり、該伝熱台は、底平面を備え、該底平面は、該ヒートパイプの数に対応して、少なくとも1個の溝を設置し、該ヒートパイプは、平面化蒸発セクションを備え、該平面化蒸発セクションは、該溝中に嵌設し、しかも該底平面と平坦に揃い、該受熱平面は、該底平面及び該平面化蒸発セクションを含んだことを特徴とする。
【0015】
請求項18の発明は、請求項13に記載の研磨された受熱平面を備える散熱器であって、前記散熱器は、伝熱台、少なくとも1個のヒートパイプ、及び該ヒートパイプに貫通して設置する複数の散熱フィンを備え、該伝熱台は底平面を備え、該底平面はは、該ヒートパイプの数に対応して、少なくとも1個の溝を設置し、該ヒートパイプは、平面化蒸発セクションを備え、該平面化蒸発セクションは、該溝中に嵌設し、しかも該底平面より高く、該受熱平面は該平面化蒸発セクションであったことを特徴とする。
請求項19に発明は、請求項13に記載の研磨された受熱平面を備える散熱器であって、前記散熱器は、伝熱台、少なくとも2個のヒートパイプ、及び該ヒートパイプに貫通して設置する複数の散熱フィンを備え、該伝熱台は、底平面を備え、該底平面には、収容設置凹槽を設置し、該各ヒートパイプは、それぞれ平面化蒸発セクションを備え、該各平面化蒸発セクションは並列し、平坦に揃った状態で、該収容設置凹槽中に固定され、しかも該底平面と平坦に揃い、該受熱平面は、該底平面及び該各平面化蒸発セクションを含んだことを特徴とする。
請求項20の発明は、請求項13に記載の研磨された受熱平面を備える散熱器であって、前記散熱器は伝熱台、少なくとも2個のヒートパイプ、及び該ヒートパイプに貫通して設置する複数の散熱フィンを備え、該伝熱台は、底平面を備え、該底平面は、収容設置凹槽を備え、該各ヒートパイプは、それぞれ平面化蒸発セクションを備え、該各平面化蒸発セクションは並列し、平坦に揃った状態で、該収容設置凹槽中に固定され、しかも該底平面より高く、該受熱平面は該各平面化蒸発セクションであったことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の研磨された受熱平面を備える散熱器及びその研磨方法と設備は、従来の技術に比べ、研磨機に治具を設置し、治具は点接触の方式により散熱器を圧迫して固定するため、散熱器の受熱平面を研磨して、最適な平面度と表面ラフ度を実現可能で、これにより受熱平面と発熱電子部品との接触の密着度を向上させ、より優良な伝熱効果を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の研磨機及び治具の組合せ図である。
【図2】本発明の治具が散熱器を圧迫して固定する様子を示す模式図である。
【図3】本発明の治具が散熱器を圧迫して固定する様子を示す断面図である。
【図4】本発明の散熱器の研磨作業を示す模式図である。
【図5】本発明研磨時の側面図である。
【図6】本発明研磨動作の模式図である。
【図7】本発明研磨時の局部の拡大模式図である。
【図8】本発明散熱器の受熱平面の研磨方法のステップを示すフローチャートである。
【図9】本発明研磨された受熱平面を備える散熱器の第一実施例図である。
【図10】本発明研磨された受熱平面を備える散熱器の第二実施例図である。
【図11】本発明研磨された受熱平面を備える散熱器の第三実施例図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【実施例】
【0019】
本発明の実施例の研磨機10及び治具20の組合せ図である図1に示すように、本発明の散熱器の受熱平面研磨の方法は、研磨盤11及び固定フレーム15を備える研磨機10を提供する。
図1に示す前記研磨機10において、
前記研磨盤11は、モーター12により連動され回転する。
前記固定フレーム15は、該研磨機10上に固定する。
前記固定フレーム15上には、研磨物供給筒13を設置する。
前記研磨物供給筒13内には、研磨物を充填し、しかも該研磨物供給筒13は、噴射管131を備え、これにより該研磨物は、該研磨盤11上に噴射される。
【0020】
前記研磨機10は、該研磨盤11の上方に、別に治具20を連結する。該治具20と該研磨機10との間には、少なくとも1個の弾性部品14(バネ等)を設置する。
該弾性部品14により、該治具20と該研磨盤11とは、隙間100を維持し、弾力的に上、下移動を行なうことができる。
前記固定フレーム15上には、油圧シリンダー或いは気圧シリンダー等の駆動装置21を設置する。該駆動装置21は、該治具20上に接触し、こうして該駆動装置21の昇降を駆動し、これにより該治具20は、該研磨盤11の方向へと接近し、或いは、離れる。
【0021】
図2、3は、本発明の治具20が散熱器30を圧迫して固定する様子を示す模式図及びその断面図である。
図1に示すように、該治具20は、該研磨盤11に対応して、円盤型を呈し、その周縁には、複数のプレッシャーボード22を等分に延伸する。
図2に示すように、該プレッシャーボード22には、散熱器30をセットする。該プレッシャーボード22の底部には、突起221を設置する。
該突起221は、該散熱器30の中心を押さえ、これにより該治具20は、点接触の方式で、該散熱器30を圧迫して固定する。
【0022】
本実施例中では、図2、図3に示すように、該散熱器30は、伝熱台31、少なくとも1個のヒートパイプ32、複数の散熱フィン33からなる。
該ヒートパイプ32は、平面化蒸発セクション321及び凝結セクション322を備える。
該伝熱台31には、少なくとも1個の溝310を設置し、該平面化蒸発セクション321は、該溝310中に嵌設される。しかも、該各複数の散熱フィン33は、該ヒートパイプ32の凝結セクション322上を貫通して設置される。該平面化蒸発セクション321は、受熱平面34を形成し、これにより発熱源と接触する。
該伝熱台31の頂点部が、該プレッシャーボード22の突起221により圧迫して固定されると、該散熱器30の受熱平面34は、押されて、該研磨盤11と相対して設置される。
【0023】
図4〜7は、本発明の実施例の散熱器30の研磨作業の模式図、研磨作業の側面図、研磨動作の模式図、及び研磨時の局部拡大模式図である。
本発明の研磨作業では、先ず、該治具20の各プレッシャーボード22上に、それぞれ該散熱器30をセットする。
【0024】
次に、該研磨物132を該研磨盤11と該受熱平面34との隙間100中に注入する。
該研磨物132は、研磨液1321と研磨顆粒1322を含む(図7参照)。続いて、該駆動装置21を起動し、該治具20を下降させる。
これにより、該プレッシャーボード22は、該各伝熱台31の頂点部にそれぞれ対応して圧迫する。しかも、該突起221は、該伝熱台31の中心を圧迫して固定し、こうして該各受熱平面34は、該研磨物132に接触し、該研磨盤11上に平らに密着する。
【0025】
さらに、該モーター12を起動すると、該モーター12は、該研磨盤11を連動する。こうして、該研磨盤11は、円周式の回転動を行ない、遠心力と圧迫固定作用により、該研磨物132は、該受熱平面34に対して均一に研磨を行なうことができる。
これにより、該受熱平面34の平面度を向上させ、表面ラフ度は最良の値を示す。研磨が完成すると、再び該駆動装置21を駆動し、上昇させる。
この時、該治具20は、圧迫固定を離れ、該弾性部品14の弾性回復力により上昇する。
こうして、該散熱器30の受熱平面34は、該研磨盤11の相対接触を離れる。
【0026】
この後、該各散熱器30を別の研磨機台に移し、次の研磨プロセスを行なう。或いは、数回に分け研磨を行い、数回に分け異なる研磨精度を備える該研磨物132を注入することができる。
【0027】
この場合には、先ず、研磨精度が比較的粗い該研磨物132を注入し、第1回研磨を行う。
該第1回研磨の完成後、さらに研磨精度が比較的細かい該研磨物132を注入し、第2回研磨を行なう。
研磨時に注入する該研磨物132を換えることで、該受熱平面34を必要な精度まで研磨することができる。
これにより、その表面ラフ度は、Ra0.03μm以下を達成し、およそRa0.03μmからRa0.01μmの間で、その平面度は、およそ0.3μmから10μmの間である。
【0028】
図8は、本発明散熱器の受熱平面の研磨方法のステップフローチャートである。
そのステップは、以下の通りである。
先ず、研磨盤11を備える研磨機10及び治具(ジグ)20を提供する(ステップ61)。
続いて、受熱平面34を備える散熱器30を提供する(ステップ62)。
さらに、研磨物132を、該研磨盤11と該受熱平面34との間に注入する(ステップ63)。
【0029】
しかも、数回に分けて研磨を行なうことができ、それぞれ異なる研磨精度を備える研磨物132を注入する。さらに、該治具20は接触点を圧迫する点圧迫の方式により、該散熱器30を圧迫して固定するが、この際には、該受熱平面34に相対するもう一方の面を圧迫して固定する。
これにより該受熱平面34は、該研磨盤11上に平らに密着し、該研磨物132に接触する(ステップ64)。
最後に、該研磨盤11を回転させ、該受熱平面34に対して、少なくとも1回の研磨を行なう(ステップ65)。
【0030】
図9は、本発明研磨された受熱平面を備える散熱器30の第一実施例を示す。
前記伝熱台31は、底平面311を備える。
該底平面311には、少なくとも1個の溝310を設置する。
前記ヒートパイプ32の平面化蒸発セクション321は、該溝310中に嵌設される。該各平面化蒸発セクション321の表面が、該伝熱台31の底平面311より高い時、該各平面化蒸発セクション321は、その受熱平面34である。
さらに、該各平面化蒸発セクション321の表面と該伝熱台31の底平面311が平坦に揃っている時、該受熱平面34は、該各平面化蒸発セクション321及び該底平面311を備える。
研磨後の該受熱平面34は、鏡面のような滑らかな平面を呈し、これにより発熱電子部品に密着して、散熱を行なうことができる。
【0031】
図10は、本発明の実施例での研磨された受熱平面を備える散熱器30’の第二実施例を示す。
本実施例と第一実施例はおよそ相同であるが、その差異点は、伝熱台31’の底平面311’には収容設置凹槽310’を設置する点である。
該散熱器30’は、3本のヒートパイプ32’を備える。該ヒートパイプ32’は、平面化蒸発セクション321’を備え、散熱フィン33’を貫通して設置する。
【0032】
該3本のヒートパイプ32’は、並列して、該収容設置凹槽310’内に嵌合され、しかも該各平面化蒸発セクション321’を平坦に揃っている状態で形成する。
同様に、該各平面化蒸発セクション321’の表面が、該伝熱台31’の底平面311’より高い時には、該各平面化蒸発セクション321’が、その受熱平面34’である。さらに、該各平面化蒸発セクション321’の表面と該伝熱台31’の底平面311’が平坦に揃っている時には、該受熱平面34’は、該各平面化蒸発セクション321’及び該底平面311’を備える。
【0033】
図11は、本発明の実施例での研磨された受熱平面を備える散熱器40の第三実施例を示す。
本第三実施例の散熱器40は、平板式ヒートパイプ41で、該平板式ヒートパイプ41は、平面化蒸発セクション411を備え、複数の散熱フィン43を貫通させて設置する。
該平面化蒸発セクション411は、その受熱平面42で、該受熱平面42は研磨により、より優れた表面ラフ度及び平面度を実現することができる。
これにより発熱部品とより緊密に密着可能で、伝熱効果を向上させることができる。
【0034】
なお、上記の本発明名称と内容は、本発明技術内容の説明に用いたのみで、本発明を限定するものではない。本発明の精神に基づく等価応用或いは部品(構造)の転換、置換、数量の増減はすべて、本発明の保護範囲に含むものとする。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は新規性を有することは勿論のこと、従来の同類製品に比べ十分な進歩を有し、実用性が高く、社会のニーズに合致しており、産業上の利用価値は非常に大きい。
【符号の説明】
【0036】
10 研磨機
100 隙間
11 研磨盤
12 モーター
13 研磨物供給筒
131 噴射管
132 研磨物(研磨剤)
1321 研磨液
1322 研磨顆粒
14 弾性部品
15 固定フレーム
20 治具(ジグ)
21 駆動装置
22 プレッシャーボード
221 突起
30 散熱器
310 溝
310’収容設置凹槽
311、311' 底平面
32、32'、41 ヒートパイプ
322 凝結セクション
34、34'、42' 受熱平面
30’ 散熱器
31、31’ 伝熱台
321、321’平面化蒸発セクション
33、33’ 散熱フィン
40 散熱器
411 平面化蒸発セクション
43 散熱フィン
61〜65 ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
散熱器受熱平面の研磨方法であって、以下のステップを含み、
(a)研磨盤を備える研磨機及び治具を提供し、
(b)受熱平面を備える散熱器を提供し、該散熱器を該治具上に設置し、
(c)該研磨盤及び該受熱平面の間に、研磨物を注入し、
(d)前記治具は、該散熱器を圧迫して固定し、これにより該受熱平面は、該研磨物上に平らに密着し、
(e)該研磨盤を回転させ、これにより該研磨物は、該受熱平面に対して、少なくとも1回の研磨を行なうことを特徴とする、散熱器受熱平面の研磨方法。
【請求項2】
前記ステップ(c)において、該研磨物は、研磨液及び研磨顆粒を含んだことを特徴とする、請求項1に記載の散熱器受熱平面の研磨方法。
【請求項3】
前記ステップ(c)では、数回に分けて研磨を行なうことができ、それぞれ異なる研磨精度を備える研磨物を注入したことを特徴とする、請求項1に記載の散熱器受熱平面の研磨方法。
【請求項4】
前記ステップ(c)では、先ず、研磨精度が比較的粗い該研磨物を注入し、第1回研磨を行い、該第1回研磨の完成後、さらに研磨精度が比較的細かい該研磨物を注入し、第2回研磨を行なったことを特徴とする、請求項3に記載の散熱器受熱平面の研磨方法。
【請求項5】
前記ステップ(d)において、該治具は、該受熱平面に相対するもう一方の面を圧迫して固定したことを特徴とする、請求項1に記載の散熱器受熱平面の研磨方法。
【請求項6】
前記ステップ(d)において、該治具は、点圧迫の方式により、該散熱器を圧迫して固定したことを特徴とする、請求項5に記載の散熱器受熱平面の研磨方法。
【請求項7】
散熱器の受熱平面を研磨する設備は、散熱器の受熱平面を研磨し、該設備は、研磨盤及び研磨物供給筒を備える研磨機、該研磨機上に連結し、少なくとも1個のプレッシャーボードを備える治具からなり、
該研磨物供給筒は、該研磨盤上方に設置し、研磨物を、該受熱平面と該研磨盤との間に提供し、
該プレッシャーボードには、該散熱器をセットし、これにより、該プレッシャーボードは、該散熱器を圧迫して固定し、こうして該散熱平面は、該研磨物に平らに密着したことを特徴とする散熱器の受熱平面を研磨する設備。
【請求項8】
前記研磨機はさらに、該研磨機上に固定する固定フレーム及び該治具と該研磨機との間に設置する少なくとも1個の弾性部品を備え、
これにより該治具は、該研磨機上に弾力的に設置されたことを特徴とする、請求項7に記載の散熱器の受熱平面を研磨する設備。
【請求項9】
前記研磨機はさらに、該固定フレーム上に設置する駆動装置を備え、
該駆動装置は、該治具に接触し、該治具を駆動して、弾力的に昇降させ、こうして該散熱器を圧迫して固定したことを特徴とする、請求項8に記載の散熱器の受熱平面を研磨する設備。
【請求項10】
前記治具は、該研磨盤に対応して、円盤型を呈し、その周縁には、複数のプレッシャーボードを等分に延伸し、
該プレッシャーボードの底部には、少なくとも1個の突起を設置し、該突起は、該散熱器上を圧迫して固定したことを特徴とする、請求項7に記載の散熱器の受熱平面を研磨する設備。
【請求項11】
前記プレッシャーボードは、点接触の方式で、該散熱器を圧迫して固定したことを特徴とする、請求項10に記載の散熱器の受熱平面を研磨する設備。
【請求項12】
前記研磨物は、研磨液及び研磨顆粒を含み、
該研磨物供給筒は、噴射管を備えたことを特徴とする、請求項7に記載の散熱器の受熱平面を研磨する設備。
【請求項13】
研磨された受熱平面を備える散熱器は、発熱電子部品の散熱を行い、該散熱器は受熱平面を備え、
該受熱平面は、治具により、研磨機上に圧迫して固定され、
研磨により、該受熱平面の表面ラフ度及び平面度は、それぞれRa0.03μm以下、及び10μm以下となったことを特徴とする研磨された受熱平面を備える散熱器。
【請求項14】
前記受熱平面の表面ラフ度は、Ra0.03μmからRa0.01μmの間となったことを特徴とする、請求項13前記記載の研磨された受熱平面を備える散熱器。
【請求項15】
前記受熱平面の平面度は、0.3μmから10μmの間となったことを特徴とする、請求項13前記記載の研磨された受熱平面を備える散熱器。
【請求項16】
前記散熱器は、平板式ヒートパイプ及び複数の散熱フィンを備え、
該各散熱フィンは、該平板式ヒートパイプ上を通過して設置され、
該平板式ヒートパイプは、平面化蒸発セクションを備え、
該平面化蒸発セクションは、該受熱平面であったことを特徴とする、請求項13に記載の研磨された受熱平面を備える散熱器。
【請求項17】
前記散熱器はさらに、伝熱台、少なくとも1個のヒートパイプ、及び該ヒートパイプを通過して設置される複数の散熱フィンからなり、
該伝熱台は、底平面を備え、該底平面は、該ヒートパイプの数に対応して、少なくとも1個の溝を設置し、
該ヒートパイプは、平面化蒸発セクションを備え、
該平面化蒸発セクションは、該溝中に嵌設し、しかも該底平面と平坦に揃い、
該受熱平面は、該底平面及び該平面化蒸発セクションを含んだことを特徴とする、請求項13に記載の研磨された受熱平面を備える散熱器。
【請求項18】
前記散熱器は、伝熱台、少なくとも1個のヒートパイプ、及び該ヒートパイプに貫通して設置する複数の散熱フィンを備え、
該伝熱台は、底平面を備え、
該底平面はは、該ヒートパイプの数に対応して、少なくとも1個の溝を設置し、
該ヒートパイプは、平面化蒸発セクションを備え、該平面化蒸発セクションは、該溝中に嵌設し、しかも該底平面より高く、該受熱平面は該平面化蒸発セクションであったことを特徴とする、請求項13に記載の研磨された受熱平面を備える散熱器。
【請求項19】
前記散熱器は、伝熱台、少なくとも2個のヒートパイプ、及び該ヒートパイプに貫通して設置する複数の散熱フィンを備え、
該伝熱台は、底平面を備え、
該底平面には、収容設置凹槽を設置し、
該各ヒートパイプは、それぞれ平面化蒸発セクションを備え、該各平面化蒸発セクションは並列し、平坦に揃った状態で、該収容設置凹槽中に固定され、しかも該底平面と平坦に揃い、
該受熱平面は、該底平面及び該各平面化蒸発セクションを含んだことを特徴とする、請求項13に記載の研磨された受熱平面を備える散熱器。
【請求項20】
前記散熱器は伝熱台、少なくとも2個のヒートパイプ、及び該ヒートパイプに貫通して設置する複数の散熱フィンを備え、
該伝熱台は、底平面を備え、
該底平面は、収容設置凹槽を備え、該各ヒートパイプは、それぞれ平面化蒸発セクションを備え、該各平面化蒸発セクションは並列し、平坦に揃った状態で、該収容設置凹槽中に固定され、しかも該底平面より高く、該受熱平面は該各平面化蒸発セクションであったことを特徴とする、請求項13に記載の研磨された受熱平面を備える散熱器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−18706(P2011−18706A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−161169(P2009−161169)
【出願日】平成21年7月7日(2009.7.7)
【出願人】(508147935)珍通能源技術股▲ふん▼有限公司 (5)
【出願人】(503454539)▲じつ▼新科技股▲ふん▼有限公司 (5)
【Fターム(参考)】