説明

研磨装置

【課題】研磨パッドなどにより構成される研磨面が研磨により摩耗しても、基板と研磨面との距離を一定にして基板の研磨を行うことができる研磨装置を提供する。
【解決手段】基板を保持しながら研磨テーブルの研磨面に押圧させて該基板を研磨する研磨装置に用いられるトップリング20であって、基板の研磨時に基板の外周縁を保持するリテーナリング302を備え、リテーナリング302は、内部に形成された室410に供給される液体によって上下方向に変形する弾性膜404の動きに伴って上下動して研磨面に接触するリング部材408を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、研磨装置に係り、特に半導体ウェハなどの研磨対象物(基板)を研磨して平坦化する基板の研磨装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体デバイスの高集積化が進むにつれて回路の配線が微細化し、配線間距離もより狭くなりつつある。特に線幅が0.5μm以下の光リソグラフィの場合、焦点深度が浅くなるためステッパーの結像面の平坦度を必要とする。このような半導体ウェハの表面を平坦化する一手段として、化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMP)を行う研磨装置が知られている。
【0003】
この種の研磨装置は、研磨パッドからなる研磨面を有する研磨テーブルと、研磨対象物としての半導体ウェハを保持するためのトップリングとを備えている。このような研磨装置を用いて半導体ウェハの研磨を行う場合には、トップリングにより半導体ウェハを保持しつつ、この半導体ウェハを研磨テーブルに対して所定の圧力で押圧する。このとき、研磨テーブルとトップリングとを相対運動させることにより半導体ウェハが研磨面に摺接し、半導体ウェハの表面が平坦かつ鏡面に研磨される。
【0004】
このような研磨装置において、樹脂製の研磨パッドを用いて研磨を行った場合、ドレッシングやパッド交換などにより研磨パッドが摩耗する。この場合において、トップリングに保持された半導体ウェハの面圧分布が変化しないようにするためには、研磨時のトップリングの半導体ウェハを保持する面と研磨パッドとの距離を一定に保つ必要がある。また、半導体ウェハの外周部を把持するリテーナリングが設けられる場合においても、このリテーナリングが研磨の進行に伴い摩耗することがある。このように、リテーナリングが摩耗した場合においても、研磨時のトップリングの半導体ウェハを保持する面と研磨パッドとの距離を一定に保つ必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−154874号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2004/0121704号明細書
【特許文献3】特開2003−173995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、研磨パッドなどにより構成される研磨面が研磨により摩耗しても、基板と研磨面との距離を一定にして基板の研磨を行うことができる研磨装置を提供することを第1の目的とする。
【0007】
また、本発明は、トップリングに取り付けられた弾性膜を簡単に交換することができる研磨装置を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記第1の目的を達成するため、本発明の第1の態様によれば、研磨面と、基板を保持するトップリングと、上記トップリングを上下動させる上下動機構とを備えた研磨装置が提供される。この研磨装置は、上記トップリングの下面または上記トップリングに保持された基板の下面が上記研磨面に接触したときの上記トップリングの位置を検出する位置検出部と、上記位置検出部により検出された位置から研磨時の上記トップリングの最適な位置を算出する位置算出部とを備えている。上記上下動機構は、研磨時に上記位置算出部により算出された最適な位置まで上記トップリングを移動させる移動機構を含んでいる。
【0009】
このような構成により、研磨パッドなどにより構成される研磨面が研磨により摩耗しても、研磨時のトップリングと研磨面との距離を一定にすることができる。したがって、トップリングに保持された基板の面圧を均一に維持することができる。また、移動機構を用いることにより、後述するパッドサーチにより求められた最適な位置までトップリングを正確に移動させることができ、トップリングと研磨面との距離を一定にして基板の研磨を行うことができる。
【0010】
ここで、上記位置検出部として、上記トップリングの位置を検出する測距センサを用いることができる。また、この場合において、研磨装置は、上記研磨面をドレッシングするドレッサと、該ドレッサの位置を検出する測距センサとをさらに備えていてもよい。上記ドレッサが上記研磨面に接触しているときの上記ドレッサの位置を検出することで上記研磨面の高さの変化を捉え、上記研磨面の高さの変化に対して上記トップリングの位置を追従させることができる。また、測距センサを上記ドレッサの昇降軸に設け、研磨ごとに行われるドレッシングの際に研磨面(研磨パッド)の減耗量を測定できるようにしてもよい。
【0011】
また、上記移動機構は、上記トップリングを上下動させるボールねじと、上記ボールねじを駆動するモータとを含んでいることが好ましい。この場合において、上記モータは、ACサーボモータであることが好ましい。サーボモータを用いることにより、エンコーダにより回転数を積算して、トップリングが上下動した距離を求めることができ、これに基づいてトップリングの位置を得ることができる。
【0012】
また、上記モータは、上記トップリングの下面または上記トップリングに保持された基板の下面が上記研磨面に接触するときのモータトルクが、上記研磨時のモータトルクよりも小さくなるように最大電流を設定できることが好ましい。さらに、上記モータは、上記トップリングの下面または上記トップリングに保持された基板の下面が上記研磨面に接触する前に、上記最大電流を下げることが好ましい。
【0013】
上記位置検出部は、上記モータの電流値を検知し、該電流値の変化により上記トップリングの下面または上記トップリングに保持された基板の下面が上記研磨面に接触したことを検出する電流検出器を含んでいてもよい。
【0014】
本発明の第2の態様によれば、研磨面と、基板を保持するトップリングと、上記研磨面に研磨液を供給する研磨液供給ノズルとを備えた研磨装置が提供される。この研磨装置は、上記研磨面に向けてガスを噴射して上記研磨面上の上記研磨液を除去する噴射ノズルと、上記研磨液が除去された領域で上記研磨面の位置を検出する測距センサとを備えている。
【0015】
このような構成により、ガスの噴射により研磨液が除去された研磨面上に、測距センサからのレーザや超音波を照射することができるので、レーザや超音波が研磨面上の研磨液や水によって反射することなく、研磨面の表面までの距離を正確に測定することができる。したがって、測定された研磨面の表面までの距離に基づいて、基板と研磨面との距離を一定に保持することができる。
【0016】
上記第2の目的を達成するため、本発明の第3の態様によれば、研磨面と、基板を保持するトップリングと、上記トップリングに連結された上下動自在のトップリングシャフトとを備えた研磨装置が提供される。上記トップリングは、上記トップリングシャフトに接続された上部材と、少なくとも基板の一部に当接する弾性膜と、上記弾性膜が取り付けられる下部材と、上記下部材を上記上部材に対して着脱自在に締結する締結具とを備えている。
【0017】
従来のトップリングにおいては、トップリングに取り付けられた弾性膜を交換する際には、トップリング全体をトップリングシャフトから取り外さなければならず、弾性膜の交換は手間のかかる作業であった。本発明によれば、上記締結具を取り外すことにより、弾性膜を取り付けた下部材を上部材から簡単に取り外すことができるので、トップリング全体をトップリングシャフトから取り外す必要がない。
【0018】
この場合において、上記トップリングは、上記弾性膜を上記下部材に保持するホルダと、上記ホルダに設けられたフックに係合する係合部を有するストッパとをさらに備えていることが好ましい。また、上記ストッパの係合部は、円筒形状の上記ストッパの円周方向の一部に形成されていることが好ましい。さらに、上記ストッパの係合部は、円周方向に沿って厚さが次第に大きくなるように形成されていることが好ましい。このような構成により、下部材から弾性膜を簡単に取り外すことができ、弾性膜の交換作業がさらに容易になる。
【0019】
また、上記トップリングは、基板の外周縁を保持するリテーナリングと、上記リテーナリングと上記上部材および/または上記下部材との間に、研磨液の浸入を防止するシール部材とをさらに備えていてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る研磨装置によれば、研磨パッドなどにより構成される研磨面が研磨により摩耗しても、基板と研磨面との距離を一定にして基板の研磨を行うことができる。
【0021】
また、本発明に係る研磨装置によれば、トップリングに取り付けられた弾性膜を簡単に交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施形態における研磨装置を示す模式図である。
【図2】図1に示す研磨装置によりパッドサーチを行うときの状態を示す模式図である。
【図3】図1に示す研磨装置により半導体ウェハの研磨を行うときの状態を示す模式図である。
【図4】本発明の第2の実施形態における研磨装置を示す模式図である。
【図5】図4に示す研磨装置によりパッドサーチを行うときの状態を示す模式図である。
【図6】本発明の第3の実施形態における研磨装置を示す模式図である。
【図7】本発明の第4の実施形態における研磨装置の一部を示す模式図である。
【図8】本発明の第1から第4の実施形態における研磨装置において好適に用いられるトップリングの縦断面図である。
【図9】図8に示すトップリングの縦断面図である。
【図10】図8に示すトップリングの縦断面図である。
【図11】図8に示すトップリングの下部材の平面図である。
【図12】図12(a)は図8に示すトップリングのストッパの平面図、図12(b)は縦断面図、図12(c)は底面図である。
【図13】図8に示すトップリングの変形例を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る研磨装置の実施形態について図1から図13を参照して詳細に説明する。なお、図1から図13において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0024】
図1は、本発明の第1の実施形態における研磨装置10を示す模式図である。図1に示すように、研磨装置10は、研磨テーブル12と、支軸14の上端に連結されたトップリングヘッド16と、トップリングヘッド16の自由端に取り付けられたトップリングシャフト18と、トップリングシャフト18の下端に連結された略円盤状のトップリング20とを備えている。
【0025】
研磨テーブル12は、テーブル軸12aを介してその下方に配置されるモータ(図示せず)に連結されており、そのテーブル軸12a周りに回転可能になっている。この研磨テーブル12の上面には研磨パッド22が貼付されており、研磨パッド22の表面が半導体ウェハWを研磨する研磨面を構成している。
【0026】
なお、市場で入手できる研磨パッドとしては種々のものがあり、例えば、ロデール社製のSUBA800、IC−1000、IC−1000/SUBA400(二層クロス)、フジミインコーポレイテッド社製のSurfin xxx−5、Surfin 000等がある。SUBA800、Surfin xxx−5、Surfin 000は繊維をウレタン樹脂で固めた不織布であり、IC−1000は硬質の発泡ポリウレタン(単層)である。発泡ポリウレタンは、ポーラス(多孔質状)になっており、その表面に多数の微細なへこみまたは孔を有している。
【0027】
トップリングシャフト18は、図示しないモータの駆動により回転するようになっている。このトップリングシャフト18の回転により、トップリング20がトップリングシャフト18周りに回転するようになっている。また、トップリングシャフト18は、上下動機構24によりトップリングヘッド16に対して上下動するようになっており、このトップリングシャフト18の上下動によりトップリング20がトップリングヘッド16に対して上下動するようになっている。なお、トップリングシャフト18の上端にはロータリージョイント25が取り付けられている。
【0028】
トップリング20は、その下面に半導体ウェハWなどの基板を保持できるようになっている。トップリングヘッド16は支軸14を中心として旋回可能に構成されており、下面に半導体ウェハWを保持したトップリング20は、トップリングヘッド16の旋回により半導体ウェハWの受取位置から研磨テーブル12の上方に移動される。そして、トップリング20を下降させて半導体ウェハWを研磨パッド10の表面(研磨面)に押圧する。このとき、トップリング20および研磨テーブル12をそれぞれ回転させ、研磨テーブル12の上方に設けられた研磨液供給ノズル(図示せず)から研磨パッド22上に研磨液を供給する。このように、半導体ウェハWを研磨パッド10の研磨面に摺接させて半導体ウェハWの表面を研磨する。
【0029】
トップリングシャフト18およびトップリング20を上下動させる上下動機構24は、軸受26を介してトップリングシャフト18を回転可能に支持する第1フレーム28と、第1フレーム28に取り付けられたナット30に螺合されるボールねじ32と、軸受34を介してボールねじ32を回転可能に支持する第2フレーム36と、第2フレーム36上に設けられたACサーボモータ38と、第2フレーム36を支持するエアシリンダ40とを備えている。
【0030】
ボールねじ32は、ベルト42を介して第2フレーム36上のサーボモータ38に連結されている。また、トップリングシャフト18は、第1フレーム28と一体となって上下動するようになっている。したがって、サーボモータ38を駆動すると、ボールねじ32を介して第1フレーム28が第2フレーム36に対して上下動し、トップリングシャフト18およびトップリング20が第2フレーム36に対して上下動するようになっている。
【0031】
エアシリンダ40は、トップリングヘッド16の上部に配置されており、上下動するロッド40aの上端により第2フレーム36を支持している。また、ボールねじ32は、第2フレーム36と一体となって上下動するようになっている。したがって、エアシリンダ40のロッド40aを上下動させると、第2フレーム36がトップリングヘッド16に対して上下動し、さらにボールねじ32および第1フレーム28がトップリングヘッド16に対して上下動するようになっている。
【0032】
また、トップリングヘッド16には、上方に伸びるガイドシャフト44が設けられており、このガイドシャフト44は第2フレーム36に挿通されている。したがって、第2フレーム36は、ガイドシャフト44にガイドされつつ上下動する。なお、ガイドシャフト44の上端にはストッパ44aが設けられており、このストッパ44aに第2フレーム36の上面が係止することで、第2フレーム36の上方への移動が規制されるようになっている。
【0033】
図1に示すように、研磨装置10は、第1フレーム28の下面までの距離、すなわち第1フレーム28の位置を検出する位置検出部としての測距センサ46を備えている。この測距センサ46により第1フレーム28の位置を検出することで、トップリング20の位置を検出することができるようになっている。また、研磨装置10は、測距センサ46、サーボモータ38、およびシリンダ40をはじめとする装置内の各機器を制御する制御部47を備えている。
【0034】
このような研磨装置10を用いて半導体ウェハWの研磨を行う場合、ドレッシングやパッド交換などにより研磨パッド22が摩耗し、研磨パッド22の厚さが常に変化する。この場合において、研磨の進行に伴い半導体ウェハWの面圧分布が変化しないようにするためには、研磨時のトップリング20と研磨パッド22の表面(研磨面)との距離を一定に維持する必要がある。このように、トップリング20と研磨パッド22の表面との距離を一定にするためには、例えば、半導体ウェハ1ロット(例えば25枚)ごとに、研磨パッド22の表面の高さ(位置)を検知してトップリング20の下降位置を調整する必要がある。以下、この研磨パッド22の表面の高さ(位置)を検知する工程をパッドサーチという。
【0035】
本実施形態では、トップリング20の下面を研磨パッド22の表面(研磨面)に接触させたときのトップリング20の位置を記憶し、この位置から研磨パッド22の表面の高さを検知する。すなわち、パッドサーチ時には、図2に示すように、エアシリンダ40のロッド40aを下げ、第2フレーム36、ボールねじ32、第1フレーム28、トップリングシャフト18、およびトップリング20を自重により下降させ、トップリング20の下面を研磨パッド22の表面に接触させて停止させる。このとき、測距センサ46により第1フレーム28の位置を検出し、検出された位置から研磨パッド22の表面の高さを得る。制御部47の演算部(位置算出部)は、この研磨パッド22の表面の高さから研磨時のトップリング20の最適な位置を算出し、この位置を記憶装置(図示せず)内に記憶する。
【0036】
半導体ウェハの研磨時には、図1に示す状態からサーボモータ38を駆動して、図3に示すように第1フレーム28および半導体ウェハWを保持したトップリング20を下降させる。このとき、制御部47によりサーボモータ38を制御して、トップリング20が上述した最適な位置に達したところでサーボモータ38を停止する。この位置でトップリング20の下面に保持された半導体ウェハWが研磨パッド22に押圧され研磨される。なお、この場合において、測距センサ46により第1フレーム28の位置を検出・確認しながら、第1フレーム28およびトップリング20を下降させてもよい。なお、測距センサ46は、レーザ式センサ、超音波センサ、過電流式センサ、もしくはリニアスケール式センサであってもよい。
【0037】
このように、本実施形態では、サーボモータ38とボールねじ32とを有するボールねじ機構を用いることにより、パッドサーチにより求められた最適な位置までトップリング20を正確に移動させることができ、トップリング20と研磨パッド22との距離を一定にして半導体ウェハWの研磨を行うことができる。
【0038】
図4は、本発明の第2の実施形態における研磨装置110を示す模式図である。図4に示すように、本実施形態における研磨装置110においては、上下動機構124によりトップリングシャフト18がトップリングヘッド16に対して上下動するようになっている。この上下動機構124は、軸受126を介してトップリングシャフト18を回転可能に支持する第1フレーム128と、第1フレーム128に取り付けられたナット130に螺合されるボールねじ132と、トップリングヘッド16に固定された第2フレーム136と、第2フレーム136上に設けられボールねじ132を回転させるACサーボモータ138とを備えている。制御部47は、サーボモータ138に流れる電流を検出する電流検出器を含んでいる。
【0039】
トップリングシャフト18は、第1フレーム128と一体となって上下動するようになっているため、サーボモータ138を駆動すると、ボールねじ132を介して第1フレーム128がトップリングヘッド16に対して上下動し、トップリングシャフト18およびトップリング20がトップリングヘッド16に対して上下動するようになっている。
【0040】
本実施形態のパッドサーチは、第1の実施形態と同様に、トップリング20の下面を研磨パッド22の表面(研磨面)に接触させたときのトップリング20の位置を検知することにより行われるが、本実施形態のパッドサーチは測距センサを用いずに行われる。すなわち、パッドサーチ時には、サーボモータ138を駆動して、エンコーダにより回転数を積算しながらトップリング20を下降させる。図5に示すように、トップリング20の下面が研磨パッド22の表面に接触すると、サーボモータ138に対する負荷が増し、サーボモータ138に流れる電流が大きくなる。したがって、制御部47の電流検出器によりサーボモータ138に流れる電流を検出し、電流が大きくなったときに、トップリング20の下面が研磨パッド22の表面に接触したと判断する。トップリング20の下面が研磨パッド22の表面に接触したと判断されると、制御部47は、サーボモータ138のエンコーダの積算値からトップリング20の下降距離(位置)を算出し、この下降距離を記憶装置に記憶する。このトップリング20の下降距離から研磨パッド22の表面の高さを得て、制御部47の演算部(位置算出部)は、この研磨パッド22の表面の高さから研磨時のトップリング20の最適な位置を算出する。
【0041】
半導体ウェハWの研磨時には、図4に示す状態からサーボモータ138を駆動して第1フレーム128およびトップリング20を下降させる。このとき、制御部47によりサーボモータ138を制御して、トップリング20が上述した最適な位置に達したところでサーボモータ138を停止する。この位置でトップリング20の下面に保持された半導体ウェハWが研磨パッド22に押圧され研磨される。
【0042】
なお、本実施形態においては、パッドサーチ時にトップリング20が半導体ウェハWを保持している例を説明したが、第1の実施形態においても、トップリング20が半導体ウェハWを保持した状態でパッドサーチを行ってもよい。この場合において、パッドサーチ時に使用する半導体ウェハWとしては、製品ウェハではなく、パッドサーチ用のダミーウェハを用いることが好ましい。ダミーウェハを用いれば、トップリング20の下面が露出しないので、トップリング20の下面に取り付けられた部材を研磨パッド22に直接接触させることがなくなり、これらの部材へのスラリ(研磨液)の付着を防止することができる。
【0043】
また、サーボモータ138としては、モータの最大電流が可変なものを使用することが好ましい。このようなサーボモータを用いることで、例えば、パッドサーチ時にモータの最大電流値を5%程度に設定しておくことにより、トップリング20の下面または半導体ウェハ(ダミーウェハ)Wの表面が研磨パッド22に接触したときに、半導体ウェハ(ダミーウェハ)W、トップリング20、研磨パッド22などに極端に大きな負荷がかかることを防止することができる。また、この場合において、トップリング20の下降時間や下降距離から、トップリング20が研磨パッド22に接触するときを予測できる場合には、トップリング20が研磨パッド22に接触する前にサーボモータ138の最大電流値を下げることが好ましい。このようにすれば、トップリング20の下面または半導体ウェハWを傷つけにくくすることができる。
【0044】
図6は、本発明の第3の実施形態における研磨装置210を示す模式図である。図6に示すように、本実施形態における研磨装置210は、研磨パッド22の高さを検出するレーザ測距センサ246と、研磨パッド22の表面に向けて窒素ガスまたは空気を噴射して研磨パッド22上のスラリ(研磨液)250を吹き飛ばす噴射ノズル252とを備えている。測距センサ246は、超音波測距センサであってもよい。
【0045】
このような構成により、窒素ガスまたは空気の噴射によりスラリ250が除去された研磨パッド22上に、レーザ測距センサ246からのレーザを照射することができるので、レーザが研磨パッド22上のスラリや水によって反射することなく、研磨パッド22の表面までの距離を正確に測定することができる。したがって、測定された研磨パッド22の表面までの距離に基づいて、半導体ウェハWと研磨パッド22との距離を一定に保持することができる。
【0046】
上述した各実施形態では、半導体ウェハ1ロットごとに、トップリング20の高さ(位置)を検知することによりパッドサーチを行う例を説明したが、パッドサーチはこれに限られるものではない。例えば、パッドサーチのために製品ウェハを用いたくない場合やダミーウェハを用意できない場合には、パッドサーチの一部を、研磨面の目立て(ドレッシング)を行うドレッサによって行うこともできる。図7は、第4の実施形態における研磨装置の一部を示す模式図であり、パッドサーチを行う機能を有するドレッサ50を示すものである。なお、ドレッサ50のドレッサヘッド52には、シリンダ53が取り付けられており、このシリンダ53の駆動によりドレッサ50が研磨パッド22に押圧されるようになっている。
【0047】
このドレッサ50を用いて研磨パッド22の厚さの変化を測定する。この場合においても、研磨パッドごとに厚さの違いがあるため、研磨パッドを交換した際には、上述したトップリング20によるパッドサーチを行う。このとき、トップリング20には製品ウェハやダミーウェハを装着せず、トップリング20の下面に取り付けられた部材(例えば弾性膜)を直接研磨パッド22に接触させても、研磨パッド22が未使用であるため問題がない。1枚の半導体ウェハの研磨ごと、もしくは半導体ウェハ1ロットごとの研磨パッド22の消耗に対する追従は、ドレッサ50のドレッサヘッド52に取り付けられた測距センサ54が検出した変化量を目安にする。すなわち、ドレッサ50の初期の高さ位置と、測定時の高さ位置の差を測距センサ54により検知し、研磨パッド22の減耗量を判断する。この研磨パッド22の減耗量は上述した制御部47に送られ、トップリング20による研磨パッド交換時のパッドサーチ結果と、ドレッサ50による研磨パッド22の厚さの変化量とから、研磨パッド22の減耗量を判断し、この減耗量に追従するようにトップリング20の高さ制御が行われる。このようにドレッサ50を用いて研磨パッド22の厚さの変化を測定することにより、半導体ウェハ1ロット(例えば25枚)ごとにトップリング20でパッドサーチを行う場合に比べ、スループットを上げることができる。
【0048】
次に、上述した第1から第4の実施形態において好適に使用できるトップリング20についてより詳細に説明する。図8から図10は、このようなトップリング20の断面図であり、複数の半径方向に沿って切断した図である。
【0049】
図8から図10に示すように、トップリング20は、円盤状の上部材300と、上部材300の外周部に取り付けられたリテーナリング302と、上部材300の下面に取り付けられた中間部材304と、中間部材304の下面に取り付けられた下部材306とを備えている。上部材300は、ボルト308によりトップリングシャフト18に連結されている。また、中間部材304は、図10に示すように、ボルト310(締結具)を介して上部材300に固定されており、下部材306はボルト312(締結具)を介して上部材300に固定されている。なお、このような締結具はボルトに限られるものではない。
【0050】
下部材306の下面には、トップリング20によって保持される半導体ウェハの裏面に当接する弾性膜314が取り付けられている。この弾性膜314は、外周側に配置されたエッジホルダ316と、エッジホルダ316の内方に配置されたリプルホルダ318とによって下部材306の下面に保持されている。エッジホルダ316およびリプルホルダ318は、それぞれストッパ320およびストッパ322により下部材306の下面に保持されている。なお、弾性膜314は、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ポリウレタンゴム、シリコンゴム等の強度および耐久性に優れたゴム材によって形成されている。
【0051】
弾性膜314の中央部には開口314aが形成されており、図8に示すように、下部材306にはこの開口314aに連通する流路324が形成されている。この下部材306の流路324は、図示しない流体供給源に接続されており、加圧された流体が流路324を通って弾性膜314の中央部(センタ部)に供給されるようになっている。また、この流路324は、図示しない真空ポンプにも切替可能に接続されており、真空ポンプの作動により下部材306の下面に半導体ウェハを吸着できるようになっている。
【0052】
リプルホルダ318は、弾性膜314のリプル314b,314cをそれぞれ爪部318b,318cで押さえて下部材306の下面に保持するようになっている。このリプルホルダ318には、弾性膜314のリプル314b,314cによって形成される室に連通する流路326が形成されている。また、下部材306には、図10に示すように、リプルホルダ318の流路326に連通する流路328が、中間部材304には、下部材306の流路328に連通する流路330がそれぞれ形成されている。下部材306の流路328と中間部材304の流路330との接続部分には、シール部材としてのOリング332が配置されている。このリプルホルダ318の流路326は、下部材306の流路328および中間部材304の流路330を介して図示しない流体供給源に接続されており、加圧された流体がこれらの流路を通って弾性膜314のリプル部に供給されるようになっている。
【0053】
また、図10に示すように、エッジホルダ316は、弾性膜314のエッジ314d,314eをそれぞれ爪部316d,316eで押さえて下部材306の下面に保持するようになっている。このエッジホルダ316には、弾性膜314のエッジ314d,314eによって形成される室に連通する流路334が形成されている。また、下部材306には、エッジホルダ316の流路334に連通する流路336が、中間部材304には、下部材306の流路336に連通する流路338がそれぞれ形成されている。下部材306の流路336と中間部材304の流路338との接続部分には、シール部材としてのOリング340が配置されている。このエッジホルダ316の流路334は、下部材306の流路336および中間部材304の流路338を介して図示しない流体供給源に接続されており、加圧された流体がこれらの流路を通って弾性膜314のエッジ部に供給されるようになっている。
【0054】
図9に示すように、弾性膜314のリプルホルダ318とエッジホルダ316との間には開口314fが形成されており、下部材306にはこの開口314fに連通する流路342が形成されている。また、中間部材304には、下部材306の流路342に連通する流路344が形成されている。下部材306の流路342と中間部材304の流路344との接続部分には、シール部材としてのOリング346が配置されている。この下部材306の流路342は、中間部材304の流路344を介して図示しない流体供給源に接続されており、加圧された流体がこれらの流路を通って弾性膜314のアウター部に供給されるようになっている。また、この流路342は、図示しない真空ポンプにも切替可能に接続されており、真空ポンプの作動により下部材306の下面に半導体ウェハを吸着できるようになっている。
【0055】
このように、本実施形態におけるトップリング20においては、上述した弾性膜314の各部(センタ部、リプル部、アウター部、エッジ部)に供給する流体の圧力を調整することにより、半導体ウェハを研磨パッド22に押圧する押圧力を半導体ウェハの部分ごとに調整できるようになっている。
【0056】
中間部材304の外周部には、洗浄液流路348が形成されている。この中間部材304の洗浄液流路348は、図示しない洗浄液供給源に接続されており、洗浄液が洗浄液流路348を通ってリテーナリング302と中間部材304との間に供給されるようになっている。
【0057】
図9に示すように、エッジホルダ316は、その上部にフック316aを有している。また、エッジホルダ316を保持するストッパ320は円筒状に形成されており、その下部に係合部320aを有している。図11に示すように、ストッパ320はトップリング20の円周方向に均等に複数設けられている。図12(a)から図12(c)は、このストッパ320の詳細を示す図であり、図12(a)は平面図、図12(b)は縦断面図、図12(c)は底面図である。
【0058】
図12(c)に示すように、ストッパ320の係合部320aは円周方向の一部に形成されており、円周方向に沿って係合部320aが厚さが次第に大きくなるようにテーパ部Tが設けられている。したがって、ストッパ320を回転させることにより、ストッパ320の係合部320aがエッジホルダ316のフック316aに次第に係合して、最終的にエッジホルダ316のフック316aがストッパ320の係合部320aにより下部材306に固定されるようになっている。なお、ストッパ320の頂部には、回転用具を挿入するための溝320bが形成されており、弾性膜314を下部材306の上方からの作業で取り外すことができる。
【0059】
また、同様に、リプルホルダ318は、その上部にフック318aを有している。また、リプルホルダ318を保持するストッパ322は円筒状に形成されており、その下部にフック322aを有している。ストッパ322のフック322aは円周方向の一部に形成されており、円周方向に沿ってフック322aが厚さが次第に大きくなるようにテーパ部が設けられている。したがって、ストッパ322を回転させることにより、ストッパ322のフック322aがリプルホルダ318のフック318aに次第に係合して、最終的にリプルホルダ318のフック318aがストッパ322のフック322aにより下部材306に固定されるようになっている。なお、ストッパ322の頂部には、回転用具を挿入するための溝322bが形成されており、弾性膜314を下部材306の上方からの作業で取り外すことができる。
【0060】
なお、ストッパ320,322にはそれぞれOリング350,352が取り付けられており、これらのOリング350,352により弾性膜314のエッジ部およびリプル部に供給される加圧流体がシールされる。
【0061】
リテーナリング302は半導体ウェハの外周縁を保持するものであり、図8に示すように、上部が閉塞された円筒状のシリンダ400と、シリンダ400の上部に取り付けられた保持部材402と、保持部材402によりシリンダ400内に保持される弾性膜404と、弾性膜404の下端部に接続されたピストン406と、ピストン406により下方に押圧されるリング部材408とを備えている。なお、弾性膜404は、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ポリウレタンゴム、シリコンゴム等の強度および耐久性に優れたゴム材によって形成されている。
【0062】
保持部材402には、弾性膜404によって形成される室410に連通する流路412が形成されている。また、シリンダ400の上部には、保持部材402の流路412に連通する流路414が形成され、上部材300には、シリンダ400の流路414に連通する流路416が形成されている。この保持部材402の流路412は、シリンダ400の流路414および上部材300の流路416を介して図示しない流体供給源に接続されており、加圧された流体がこれらの流路を通って室410に供給されるようになっている。したがって、室410に供給する流体の圧力を調整することにより、弾性膜404を伸縮させてピストン406を上下動させ、リテーナリング302のリング部材408を所望の圧力で研磨パッド22に押圧することができる。
【0063】
図示した例では、弾性膜404としてローリングダイヤフラムを用いている。ローリングダイヤフラムは、屈曲した部分をもつ弾性膜からなるもので、ローリングダイヤフラムで仕切る室の内部圧力の変化等により、その屈曲部が転動することにより室の空間を広げることができるものである。室が広がる際にダイヤフラムが外側の部材と摺動せず、ほとんど伸縮しないため、摺動摩擦が極めて少なくてすみ、ダイヤフラムを長寿命化することができるという利点がある。
【0064】
このような構成により、リテーナリング302のリング部材408が摩耗しても、リテーナリング302だけを下降させることができる。したがって、リテーナリング302のリング部材408が摩耗しても、下部材306と研磨パッド22との距離を一定に維持することが可能となる。また、研磨パッド22に接触するリング部材408とシリンダ400とは変形自在な弾性膜404で接続されているため、荷重点のオフセットによる曲げモーメントが発生しない。このため、リテーナリング302による面圧を均一にすることができ、研磨パッド22に対する追従性も向上する。
【0065】
リング部材408の内側面には縦方向に延びるV字状溝418が均等に複数形成されている。また、下部材306の外周部には、外方に突出する複数のピン349が設けられており、このピン349がリング部材418のV字状溝418に係合するようになっている。V字状溝418内でリング部材408とピン349が相対的に上下方向にスライド可能になっているとともに、このピン349により上部材300および下部材306を介してトップリング20の回転がリング部材408に伝達され、トップリング20とリング部材408は一体となって回転する。このような構成により、弾性膜(ローリングダイヤフラム)404のねじれを防止し、研磨中にリング部材408を研磨面22に対して円滑に均一に押圧することができる。また弾性膜の寿命を長くすることができる。
【0066】
弾性膜314のセンタ部、リプル部、アウター部、エッジ部に供給する圧力により半導体ウェハに対する押圧力を制御するので、研磨中には下部材306は研磨パッド22から上方に離れた位置にする必要がある。しかしながら、リテーナリング302が摩耗すると、半導体ウェハと下部材306との間の距離が変化し、弾性膜314の変形の仕方も変わるため、半導体ウェハに対する面圧分布も変化することになる。このような面圧分布の変化は、プロファイルが不安定になる要因となっていた。
【0067】
本実施形態では、リテーナリング302を下部材306とは独立して上下動させることができるので、リテーナリング302のリング部材408が摩耗しても、半導体ウェハと下部材306との間の距離を一定に維持することができる。したがって、研磨後の半導体ウェハのプロファイルを安定化させることができる。
【0068】
本実施形態においては、弾性膜314を交換する際に、トップリング20の全体をトップリングシャフト18から取り外す必要がなくなる。すなわち、弾性膜314を下部材306から取り外す際は、まず、ボルト312(図10参照)を取り外し、下部材306を上部材300および中間部材304から取り外す。そして、ストッパ320の頂部の溝320b(図9参照)に回転用具を挿入し、ストッパ320を回転させる。これにより、ストッパ320の係合部320aとエッジホルダ316のフック316aとの係合が外れ、エッジホルダ316を下部材306から取り外すことができる。同様に、ストッパ322の頂部の溝322bに回転用具を挿入し、ストッパ322を回転させる。これにより、ストッパ322のフック322aとリプルホルダ318のフック318aとの係合が外れ、リプルホルダ318を下部材306から取り外すことができる。
【0069】
このように、エッジホルダ316とリプルホルダ318とを下部材306から取り外すことで、エッジホルダ316とリプルホルダ318で保持していた弾性膜314を下部材306から簡単に取り外すことができる。また、弾性膜314を下部材306に取り付ける際は、上述した操作とは逆の操作を行うことにより、簡単に弾性膜314を下部材306に取り付けることができる。
【0070】
また、下部材306の流路と中間部材304の流路との接続部分には、シール部材としてのOリング332,340,346が介装されているため、ボルト312を締結することによりこれらの流路を確実にシールした状態で接続することができる。したがって、弾性膜314の交換の際に、特別な配管の抜き差しが行う必要がない。
【0071】
なお、上述した例では、半導体ウェハの略全面に弾性膜314が配置されているが、これに限られるものではなく、弾性膜314は半導体ウェハの少なくとも一部に当接するものであればよい。
【0072】
図13は、図8に示すトップリング20の変形例を示す拡大断面図である。図13に示す例では、リテーナリング302と下部材306との間に、研磨液のトップリング20内部への浸入やトップリング20内部から異物の排出を防止するリング状のシール部材420が設けられている。このシール部材420は軟質の材料で形成されており、リテーナリング302および下部材306の上下動に対応して変形するようになっている。
【0073】
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0074】
10,110,210 研磨装置
18 トップリングシャフト
20 トップリング
22 研磨パッド
24,124 上下動機構
28,128 第1フレーム
30,130 ナット
32,132 ボールねじ
36,136 第2フレーム
38,138 ACサーボモータ
46,54,246 測距センサ
47 制御部
50 ドレッサ
252 噴射ノズル
300 上部材
302 リテーナリング
304 中間部材
306 下部材
310,312 ボルト(締結具)
314,404 弾性膜
316 エッジホルダ
316a,318a フック
318 リプルホルダ
320,322 ストッパ
320a,322a 係合部
400 シリンダ
402 保持部材
406 ピストン
408 リング部材
420 シール部材
W 半導体ウェハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨面と、
基板を保持するトップリングと、
前記トップリングを上下動させる上下動機構と、
前記トップリングの下面または前記トップリングに保持された基板の下面が前記研磨面に接触したときの前記トップリングの位置を検出する位置検出部と、
前記位置検出部により検出された位置から研磨時の前記トップリングの最適な位置を算出する位置算出部と、
を備え、
前記上下動機構は、研磨時に前記位置算出部により算出された最適な位置まで前記トップリングを移動させる移動機構を含むことを特徴とする研磨装置。
【請求項2】
前記位置検出部は、前記トップリングの位置を検出する測距センサを含むことを特徴とする請求項1に記載の研磨装置。
【請求項3】
前記研磨面をドレッシングするドレッサと、
前記ドレッサの位置を検出する測距センサと、
をさらに備え、
前記ドレッサが前記研磨面に接触しているときの前記ドレッサの位置を検出することで前記研磨面の高さの変化を捉え、前記研磨面の高さの変化に対して前記トップリングの位置を追従させることを特徴とする請求項1または2に記載の研磨装置。
【請求項4】
前記移動機構は、前記トップリングを上下動させるボールねじと、前記ボールねじを駆動するモータとを含むことを特徴とする請求項1に記載の研磨装置。
【請求項5】
前記モータは、ACサーボモータであることを特徴とする請求項4に記載の研磨装置。
【請求項6】
前記モータは、前記トップリングの下面または前記トップリングに保持された基板の下面が前記研磨面に接触するときのモータトルクが、前記研磨時のモータトルクよりも小さくなるように最大電流を設定したことを特徴とする請求項4または5に記載の研磨装置。
【請求項7】
前記モータは、前記トップリングの下面または前記トップリングに保持された基板の下面が前記研磨面に接触する前に、前記最大電流を下げることを特徴とする請求項6に記載の研磨装置。
【請求項8】
前記位置検出部は、前記モータの電流値を検知し、該電流値の変化により前記トップリングの下面または前記トップリングに保持された基板の下面が前記研磨面に接触したことを検出する電流検出器を含むことを特徴とする請求項4から7のいずれか一項に記載の研磨装置。
【請求項9】
前記トップリングの位置を検出するときに、基板としてダミーウェハを前記トップリングに保持することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の研磨装置。
【請求項10】
研磨面と、
基板を保持するトップリングと、
前記研磨面に研磨液を供給する研磨液供給ノズルと、
前記研磨面に向けてガスを噴射して前記研磨面上の前記研磨液を除去する噴射ノズルと、
前記研磨液が除去された領域で前記研磨面の位置を検出する測距センサと、
を備えたことを特徴とする研磨装置。
【請求項11】
研磨面と、
基板を保持するトップリングと、
前記トップリングに連結された上下動自在のトップリングシャフトと、
を備え、
前記トップリングは、
前記トップリングシャフトに接続された上部材と、
少なくとも基板の一部に当接する弾性膜と、
前記弾性膜が取り付けられる下部材と、
前記下部材を前記上部材に対して着脱自在に締結する締結具と、
を備えたことを特徴とする研磨装置。
【請求項12】
前記トップリングは、
前記弾性膜を前記下部材に保持するホルダと、
前記ホルダに設けられたフックに係合する係合部を有するストッパと、
をさらに備えたことを特徴とする請求項11に記載の研磨装置。
【請求項13】
前記ストッパの係合部は、円筒形状の前記ストッパの円周方向の一部に形成されていることを特徴とする請求項12に記載の研磨装置。
【請求項14】
前記ストッパの係合部は、円周方向に沿って厚さが次第に大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項13に記載の研磨装置。
【請求項15】
前記トップリングは、
基板の外周縁を保持するリテーナリングと、
前記リテーナリングと前記上部材および/または前記下部材との間に、研磨液の浸入を防止するシール部材と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項13に記載の研磨装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−131955(P2009−131955A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−21264(P2009−21264)
【出願日】平成21年2月2日(2009.2.2)
【分割の表示】特願2004−318581(P2004−318581)の分割
【原出願日】平成16年11月1日(2004.11.1)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【Fターム(参考)】