説明

硫酸ウンデシルを含むパーソナルケア組成物

硫酸ウンデシル及び/又はエトキシル化硫酸ウンデシル(硫酸ウンデセス)を利用したパーソナルケア組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硫酸ウンデシル及び/又はエトキシル化硫酸ウンデシル(硫酸ウンデセス)を含む化合物を含む、パーソナルケア組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
シャンプー及び洗浄剤等のパーソナルケアに対する消費者の嗜好には、素早い起泡(「瞬間的な起泡」)及び迅速かつ清潔なすすぎが挙げられる。現在利用可能な製品は、C10〜C18硫酸混和物を含む従来の界面活性剤及び共界面活性剤を用いる傾向にあり、これは消費者の必要性及び嗜好を完全に満たすことはできない。例えばラウリル硫酸塩及びラウリルエーテル硫酸塩は、長きにわたり、シャンプー及び他の発泡性組成物の好ましい主要な界面活性剤である。ラウリル硫酸塩は良好な起泡を提供するが、不快である場合があり、例えば皮膚及び眼の炎症を引き起こし、更に水の硬度が増すと希釈時には沈殿する場合があり、界面活性剤の残渣が残る。ラウリルエーテル硫酸塩は不快さを和らげ、硬度感受性を改善し得るが、典型的なエトキシル化レベル、即ち、(OCH2CH2)3、又はEO3においてであり、起泡の質は悪く、比較的重量効率も悪い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、瞬間的な起泡及び迅速なすすぎの特徴を有する製品をもたらし、皮膚に不快でなく、比較的硬度に鈍感であり、消費者製品における使用に好適である、界面活性剤と共界面活性剤との組み合わせを特定する必要性が存在する。
【0004】
本発明は前述の要求を満たす。申請者らは、予想外に、硫酸ウンデシル(C11)と、低エトキシル化(「EO含有量」)(例えば一価にエトキシル化された)のウンデシルエトキシ硫酸塩(「硫酸ウンデセス」)とを含む組成物が、パーソナルケア製品における消費者の必要性及び嗜好を満たすために必要な特徴の多くを有することを見出した。硫酸ウンデシルは、これまでC10〜C18硫酸界面活性剤の群の一員として説明されてきたが、比較的低濃度(1000ppm未満)を使用して行われた起泡及び発泡特性研究に基づき、パーソナルケア組成物にはあまり好適でないと考えられていた。例えば米国特許第4,732,707号は、組成物は、1%を超えるC11を含有すべきではないと助言している。しかしながら、申請者らは、より高濃度(例えば3,000ppm以上)において、硫酸ウンデシル及び硫酸ウンデシルの一価エトキシレート(硫酸ウンデシルEO1)が、低表面張力及びより高い臨界ミセル濃度(CMC)等の特性を示すことを見出した。これらの特性が、硫酸ドデシル又はラウリル硫酸塩(C12〜C16混和物、例えば典型的には68/27/5、C12/C14/C16の比率を有する)のいずれかよりも優れ、刺激が少なく比較的水の硬度に鈍感である、素早い起泡及び迅速にすすげる組成物に、寄与すると考えられる。そのような組成物は、シャンプー、パーソナル洗浄剤、及び他のパーソナルケア組成物における使用に好適であり、他の界面活性剤、構造化界面活性剤、美的効果剤(例えばコンディショナー)、共界面活性剤、及び/又はレオロジー変性剤と組み合わせて使用し、望ましい消費者利益を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下では、本発明のいくつかの非制限的な実施形態について記載する。
本発明の第1の実施形態に従って、
a)R1−O(CH2CHR3O)y−SO3M、
b)CH3−(CH2)z−CHR2−CH2−O(CH2CHR3O)y−SO3M、及び
c)これらの混合物、からなる群から選択される、約3重量%〜約40重量%の少なくとも1つの化合物を含む、パーソナルケア組成物が提供され、
式中、R1は、CH3(CH2)10を表し、R2は、H又はz及びR2の炭素原子の合計が8になるように1〜4個の炭素原子を含む炭化水素ラジカルを表し、R3は、H又はCH3であり、yは、0〜7であり、yは、1以下の平均値を有し、Mは、一価又は二価の正電荷を持つカチオンである。
【0006】
一価の正電荷を持つカチオンの例には、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、トリエタノールアミンカチオンが挙げられ、二価の正電荷を持つカチオンの例には、マグネシウムが挙げられる。「平均値」は、組成物は1以外のyの値を有する分子を含み得るが、組成物中の全ての分子のyの平均値は約1であることを意味すると考えられる。
【0007】
本発明の第2の実施形態に従って、約3重量%〜約37重量%の第1の実施形態の少なくとも1つの化合物と、約3重量%〜約37重量%の少なくとも1つの追加のアニオン性界面活性剤とを含む、パーソナルケア組成物が提供される。
【0008】
本発明の更に別の実施形態に従って、約3重量%〜約10重量%の第1の実施形態の少なくとも1つの化合物と、約10重量%〜約30重量%の1つ以上の構造化界面活性剤とを含む、パーソナルケア組成物が提供される。
【0009】
本発明の更に別の実施形態に従って、第1の実施形態に従った組成物と、発泡性組成物の分配に好適なポンプディスペンサーと、所望により物品を使用するための取扱説明書を含む文書と、を含む、製造品が提供される。
【0010】
更に別の実施形態に従って、パーソナルケア組成物及び/又は本発明の物品を作製するための方法が提供される。
【0011】
本発明のこれら及び他の態様及び利点は、本発明の以下の詳細な説明を読むことによって当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】鎖長がC8、C10〜C12若しくはC14の界面活性剤、又はSLS(ラウリル硫酸ナトリウム)を配合した試験溶液のSITA発泡体容積(mL)の測定値を示す図である。
【図2】EXPANCEL(登録商標)ミクロスフェア、ペトロラタム、鉱油、及び構造化界面活性剤相を含む、超遠心分離後の洗浄組成物の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、硫酸ウンデシル及び/又はエトキシル化硫酸ウンデシル(硫酸ウンデセス)を含む組成物について記載する。本発明の組成物は、例えば洗浄組成物及び/又はシャンプー等のパーソナルケア組成物であり得る。本発明の組成物は、典型的には液体の形態であり、哺乳類のケラチン性組織への局所適用を企図した流動性液体、半液体、クリーム、ローション、及び/又はゲル組成物が含まれると理解される。組成物は、2つ以上の視覚的に識別可能な相を含み得る。
【0014】
これらの組成物は、約10cps〜約500,000cpsの粘度を有してもよく、「cps」は、センチポアズを意味する。一部の実施形態では、粘度は約10cps〜約100,000cpsであり、一実施形態では、粘度は約10cps〜約100cpsである。別の実施形態では、組成物の粘度は、約3,000cps〜約500,000cpsである。組成物がポンプフォーマーから分配される特定の実施形態では、粘度は約10cps〜約100cpsである。特定のシャンプーの実施形態では、粘度は約3,000cps〜約300,000cpsである。特に指示がない限り、全ての測定は、25℃において周囲条件で実施されるものと理解され、「周囲条件」とは、約1気圧及び相対湿度約50%における条件を意味する。
【0015】
本発明の組成物は、本明細書に定義される安定した、素早い(「瞬間的な」)起泡又は発泡を生成し得る。房起泡評価において観察される発泡は、典型的な浄化シャンプー製剤(以下の製剤の項に記載)と少なくとも同程度の総起泡容積を提供するはずであり、これは、典型的なコンディショニングシャンプー製剤(以下の製剤の項に記載)の起泡標線よりも約30%高い。
【0016】
本発明の組成物は、本明細書で論じられる典型的なコンディショニングシャンプー製剤のためのすすぎプロトコルに従って適用及び房を起泡後、迅速及び清潔にすすぐことができる。典型的には、典型的なコンディショニングシャンプー製剤のすすぎ特性は、典型的な浄化シャンプー製剤のものよりも実質的に長い。したがって、すすぎ利点の標的は、使用中少なくとも同じ起泡容積を伴い、典型的な浄化シャンプー製剤と同等になるように、コンディショニングシャンプーのすすぎ時間を改善することである。
【0017】
上述の要素及び追加の要素の各々が本明細書に記載される。
【0018】
本発明の全ての実施形態において、特に別段の指定がない限り、百分率はいずれも、組成物全体の重量を基準とする。特に別段の指定がない限り、比は全て、重量比である。全ての範囲は、包括的及び結合可能である。有効数字の桁数は、指示する量や測定の精度を制限しない。
【0019】
本明細書で使用するとき、「パーソナルケア組成物」とは、過度の望ましくない効果を伴わずに、哺乳類のケラチン性組織に適用され得る組成物を意味する。
【0020】
本明細書で使用するとき、「ケラチン性組織」とは、哺乳類の最も外側の保護被覆として配置されるケラチン含有層を意味し、これには皮膚、毛髪、頭皮、及び爪が挙げられるが、これらに限定されない。
【0021】
哺乳類のケラチン性組織に関連して本明細書で使用するとき、「美的効果」には、洗浄、皮脂の阻害、皮膚及び/又は毛髪の油っぽい及び/又は光る外観の軽減、乾燥度、掻痒、及び/又は鱗状の減少、皮膚の孔径、剥脱、剥離の減少、ケラチン性組織の外観の改善、コンディショニング、滑らかにする等が含まれるが、これらに限定されない。
【0022】
本明細書で使用するとき、「美的効果剤」とは、1つ以上の美的効果を供給するために組成物に含まれ得る物質を指す。
【0023】
本明細書で使用するとき、「スキンケア活性物質」又は「活性物質」とは、皮膚に適用したとき皮膚に効果又は改善をもたらす化合物を意味する。スキンケア活性物質は、皮膚だけではなく、毛髪、頭皮、爪、及びその他の哺乳類のケラチン性組織に適用する場合にも有用であると理解すべきである。
【0024】
I.界面活性剤
一実施形態では、組成物は、約3重量%〜約40重量%、あるいは約5重量%〜約25重量%、あるいは約10重量%〜約20重量%、あるいは約3重量%〜約15重量%、あるいは約3重量%〜約10重量%の硫酸ウンデシル化合物を含み、本明細書では、直鎖硫酸ウンデシル、分枝鎖硫酸ウンデシル、直鎖ウンデシルエトキシ硫酸塩、分枝鎖ウンデシルエトキシ硫酸塩、これらの塩及び誘導体、並びにこれらの混合物を含むと理解される
【0025】
A.硫酸ウンデシル
本発明の硫酸ウンデシルは、式、R1−O(CH2CHR3O)y−SO3Mを有する直鎖硫酸ウンデシル、一般式、CH3−(CH2)z−CHR2−CH2−O(CH2CHR3O)y−SO3Mを有する分枝鎖硫酸ウンデシル、又はこれらの混合物を含み得、式中、R1は、CH3(CH2)10を表し、R2は、H又はz及びR2の炭素原子の合計が8になるように1〜4個の炭素原子を含む炭化水素ラジカルを表し、R3は、H又はCH3であり、yは、0〜7であり、yは、1以下の平均値を有し、Mは、一価又は二価の正電荷を持つカチオンである。一価の正電荷を持つカチオンの例には、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、トリエタノールアミンカチオンが挙げられ、二価の正電荷を持つカチオンの例には、マグネシウムが挙げられる。
【0026】
「平均値」は、組成物は、1以下のyの値を有する分子を含み得るが、組成物中の全ての分子のyの平均値は、約1であることを意味すると理解される。硫酸ウンデシルは、硫酸ウンデシルの総重量の、約70重量%〜約90重量%、あるいは約80重量%の直鎖硫酸ウンデシルと、約10重量%〜約30重量%、あるいは約20重量%の分枝鎖硫酸ウンデシルを含み得る。
【0027】
本発明の硫酸ウンデシルは、例えば、流下薄膜反応器中でSO3で硫酸処理され、例えば水酸化ナトリウムでアルキル硫酸塩を作製し、硫酸ウンデシルナトリウムを生成するように中和される、直鎖及び分枝鎖の一級アルコールを生成する、2004年3月16日にシェル・オイル社(Shell Oil Company)に発行された米国特許第6,706,931号に記載される、1−デセン又は内部デセンのヒドロホルミル化によって調製され得る。好適なアルコールの一例は、NEODOL(商標)1(例えばシェル・オイル社(Shell Oil Co.))として市販されている。
【0028】
加えて、ウンデシルアルコールは、その加水分解を介してヒマシ油から誘導され、リシノール酸を得ることができる。リシノールは、熱分解されて、ウンデシレン酸を得ることができる。ウンデシレン酸は、一連の水素化を介してウンデシルアルコールに変換されて、ウンデシルアルコールを得ることができる。
【0029】
B.ウンデシルアルコキシ硫酸塩
本発明のウンデシルアルコキシ硫酸塩(硫酸ウンデセス)は、一般式、CH3−(CH2)z−CHR2−CH2−O−(CH2CHR3O)y−SO3Mを有する直鎖及び/又は分枝鎖ウンデシルアルコキシ硫酸塩を含み得、式中、R2は、H、又はz及びR2の炭素原子の合計が8になるように1〜4個の炭素原子を含む炭化水素ラジカルを表し、R3は、H又はCH3であり、yは、0〜7であり、yは、1以下の平均値を有し、Mは、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、及び/又はトリエタノールアミンカチオン等の一価の正電荷を持つカチオンであるか、又は2個の界面活性剤アニオンを持つマグネシウムの二価塩である。
【0030】
ウンデシルエトキシレートは、アルカリ系触媒の存在下、1モル等量以下のエチレンオキシドをウンデシルアルコールに添加することにより調製され得る。得られた物質は、約30%〜約60%の非エトキシル化アルコールを含み得、残りの混合物は、1〜7の範囲のEO含有量を有する種々の相同体からなる。この混合物を流下薄膜反応器中でSO3で硫酸処理し、例えばNaOH等の塩基で中和し、ウンデシルアルコキシ硫酸ナトリウムを生成することができる。加えて、ウンデシルアルコール及びウンデシルアルコキシレートの混合物は、合わせて混和され、上記のとおり硫酸処理されて、ウンデシルベースの界面活性剤の混合物を生成することができる。
【0031】
一実施形態では、組成物は、更に追加の界面活性剤を実質的に含まなくてもよく、実質的に含まないとは、0.001重量%未満を意味すると理解される。あるいは、組成物中の界面活性剤は、本質的に直鎖硫酸ウンデシル、分枝鎖硫酸ウンデシル、直鎖ウンデシルエトキシ硫酸塩、分枝鎖ウンデシルエトキシレート、これらの塩及び誘導体、並びにこれらの混合物からなる。
【0032】
C.追加の界面活性剤及び添加剤
1.追加のアニオン性界面活性剤
本発明の組成物は、パーソナルケア組成物中で従来使用されるものを含む、本明細書に記載される硫酸ウンデシル及びウンデシルエトキシ硫酸塩以外の、1つ以上の追加の界面活性剤を含み得る。追加の界面活性剤は、組成物の粘度を高めることができ、及び/又はより望ましい質感、容積、安定性、及び/又は他の特性を有する起泡の生成を補助し得る。好適な界面活性剤の非限定例は、コフィンダッファー(Coffindaffer)らに発行された米国特許第5,624,666号、アルレッド・パブリッシング・コーポレーション(Allured Publishing Corporation)により出版されたマカッチャン(McCutcheon)の「洗剤及び乳化剤(Detergents and Emulsifiers」(北米版(North American edition)、1986年)、及びマカッチャン(McCutcheon)の「機能的物質(Functional Materials)」(北米版(North American Edition、1992年)に開示されている。
【0033】
本発明の組成物は、組成物の約3重量%〜約37重量%の追加の界面活性剤を含み得る。
【0034】
本明細書において使用に好適な追加のアニオン性界面活性剤には、式、ROSO3M及びRO(C2H4O)xSO3Mのアルキル及びアルキルエーテル硫酸塩が含まれ、式中、Rは、約8〜約18個の炭素原子のアルキル又はアルケニルであり、xは、1〜10であり、Mは、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、及びトリエタノールアミンカチオン等の水溶性カチオンであるか、又は2個のアニオン性界面活性剤アニオンを持つ二価のマグネシウムイオンの塩である。アルキルエーテル硫酸塩は、エチレンオキシド及び約8〜約24個の炭素原子を有する一水酸基アルコールの縮合生成物として作製されてもよい。アルコールは、例えばココヤシ油、パーム油、パーム核油、若しくはタロー等の脂肪から誘導され得るか、又は合成であり得る。
【0035】
他の好適なアニオン性界面活性剤には、一般式、[R1−SO3M]の有機スルホン酸の水溶性塩が含まれる。R1は、13〜17個の炭素原子、好ましくは13〜15個の炭素原子を有する直鎖脂肪族炭化水素ラジカルである。Mは、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、及びトリエタノールアミンカチオン等の水溶性カチオンであるか、又は2個のアニオン性界面活性剤アニオンを持つ二価のマグネシウムイオンの塩である。これらの物質は、SO2及びO2と、適切な鎖長のノルマルパラフィン(C14〜C17)との反応により生成され、パラフィンスルホン酸ナトリウムとして市販されている。
【0036】
本明細書において使用に好適である追加のアニオン性界面活性剤の例としては、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸塩モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸塩ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリルモノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ココイル硫酸モノエタノールアミン、トリデセス硫酸ナトリウム、トリデシル硫酸ナトリウム、メチルラウロイルタウリン酸ナトリウム、メチルココイルタウリン酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウレススルホコハク酸ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸ナトリウム、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
2.共界面活性剤
共界面活性剤は、起泡容積の向上及び/又は起泡質感を修正するために、硫酸ウンデシル界面活性剤及び所望によりアニオン性界面活性剤と組み合わされる物質である。典型的には、これらの物質は、限定されないが、両性、双極性、カチオン性、及び非イオン性を含む種々の群の構造から選択され得る。それらは、典型的には1:20〜1:4の重量比、より好ましくは1:12〜1:7の重量比でアニオン性界面活性剤と併用される。
【0038】
本発明の組成物は、組成物の約0.5重量%〜約10重量%、あるいは約0.5重量%〜約5重量%、あるいは約1重量%〜約3重量%の少なくとも1つの好適な共界面活性剤を含み得る。共界面活性剤は、より素早く泡を生成する、より容易なすすぎの促進する、及び/又はケラチン性組織への不快感を緩和する役割を果たす。共界面活性剤は更に、より望ましい質感、容積、及び/又は他の特性を有する泡の生成を補助し得る。
【0039】
本明細書において使用に好適な両性界面活性剤には、脂肪族ラジカルが直鎖又は分枝鎖であり得、脂肪族置換基の1つの置換基が約8〜約18個の炭素原子を含み、1つは例えばカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネート等のアニオン水溶性基を含む、脂肪族二級及び三級アミンの誘導体が含まれるが、これらに限定されない。例としては、3−ドデシルアミノプロピオン酸ナトリウム、3−ドデシルアミノプロパンスルホン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、米国特許第2,658,072号の教示に従ってドデシルアミンをイセチオン酸ナトリウムと反応させることによって調製されるもの等のN−アルキルタウリン、米国特許第2,438,091号の教示に従って生成されるもの等のN−高級アルキルアスパラギン酸、並びに米国特許第2,528,378号に記載される生成物、並びにこれらの混合物が挙げられる。アルカノイルアンホアセテートを生成するためのクロロ酢酸ナトリウムのアミドアミンとの反応から誘導されるアンホアセテート群、例えばラウリルアンホアセテート等は、特に効果的である。
【0040】
本明細書において使用に好適である双極性界面活性剤には、脂肪族四級アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物の誘導体が挙げられるが、これらに限定されず、脂肪族ラジカルは直鎖又は分枝鎖であり得、脂肪族置換基の1つは約8〜約18個の炭素原子を含み、1つの置換基は、アニオン性基、例えばカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートを含む。本明細書において使用に好適な他の双極性界面活性剤には、高級アルキルベタインを包含するベタイン、例えば、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ココベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン、オレイルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルαカルボキシエチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)カルボキシメチルベタイン、ステアリルビス−(2−ヒドロキシプロピル)カルボキシメチルベタイン、オレイルジメチルγ−カルボキシプロピルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシプロピル)α−カルボキシエチルベタイン、及びこれらの混合物が挙げられる。スルホベタイン類には、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルジメチルスルホエチルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)スルホプロピルベタイン、及びこれらの混合物が含まれ得る。また、好適な両性界面活性剤には、RCONH(CH2)3ラジカル(式中、Rは、C11〜C17アルキルである)がベタインの窒素原子に付着する、アミドベタイン類及びアミドスルホベタイン類が含まれ、本発明においてやはり有用である。
【0041】
起泡容積又は質感を向上させるために本組成物中で典型的に使用される非イオン性共界面活性剤には、ラウリルジメチルアミンオキシド、ココジメチルアミンオキシド、ココアミドプロピルアミンオキシド、ラウリルアミドプロピルアミンオキシド等、又はラウレス−4〜ラウレス−7等のアルキルポリエトキシレートの水溶性物質と、ココモノエタノールアミド、ココジエタノールアミド、ラウロイルモノエタノールアミド、アルカノイルイソプロパノールアミド、並びにセチルアルコール及びオレイルアルコール等の脂肪アルコール、並びに2−ヒドロキシアルキルメチルエーテル等の非水溶性成分とが含まれる。
【0042】
本明細書において共界面活性剤として更に好適な物質には、1,2−アルキルエポキシド、1,2−アルカンジオール、分枝鎖又は直鎖アルキルグリセリルエーテル(例えば欧州特許第EP1696023(A1)号に記載される)、1,2−アルキル環状カーボネート、及び1,2−アルキル環状サルファイトであって、特にアルキル基が直鎖又は分枝鎖構成にある6〜14個の炭素原子を含有するものが含まれる。他の例には、米国特許第5,741,948号、同第5,994,595号、同第6,346,509号、及び同第6,417,408号の教示に従って作製され得る、C10又はC12αオレフィンをエチレングリコール(例えばヒドロキシエチル−2−デシルエーテル、ヒドロキシエチル−2−ドデシルエーテル)と反応させることにより誘導されるアルキルエーテルアルコールが含まれる。
【0043】
その他の好ましい非イオン性界面活性剤は、グルコースアミド、アルキルポリグルコシド、スクロースココエート、ラウリル硫酸スクロース、アルカノールアミド、エトキシル化アルコール、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。一実施形態では、非イオン性界面活性剤は、モノヒドロキシステアリン酸グリセリル、イソステアレス−2、トリデセス−3、ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸プロピレングリコール、ステアリン酸PEG−2、モノステアリン酸ソルビタン、ラウリン酸グリセリル、ラウレス−2、コカミドモノエタノールアミン、ラウリルアミドモノエタノールアミン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0044】
特定の実施形態では、共界面活性剤は、ココモノエタノールアミド、ココアミドプロピルベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン、ココベタイン、ラウリルベタイン、ラウリルアミンオキシド、ラウリルアンホ酢酸ナトリウム;アルキルグリセリルエーテル、アルキル−ジ−グリセリルエーテル、1,2−アルキル環状サルファイト、1,2−アルキル環状カーボネート、1,2−アルキル−エポキシド、アルキルグリシジルエーテル、及びアルキル−1,3−ジオキソラン(アルキル基は、直鎖又は分枝鎖構成の6〜14個の炭素原子を含有する);1,2−アルカンジオール(総炭素含有量は、直鎖又は分枝鎖の6〜14個の炭素原子である)、メチル−2−ヒドロキシ−デシルエーテル、ヒドロキシエチル−2−ドデシルエーテル、ヒドロキシエチル−2−デシルエーテル、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0045】
カチオン性界面活性剤は、製剤のpHでプロトン化されたアミンから誘導されてもよく、例えばビス−ヒドロキシエチルラウリルアミン、ラウリルジメチルアミン、ラウロイルジメチルアミドプロピルアミン、ココイルアミドプロピルアミン等である。また、カチオン性界面活性剤は、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド及びラウロイルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド等の脂肪族四級アンモニウム塩から誘導されてもよい。
【0046】
本パーソナルケア組成物は、多相パーソナルケア組成物を作製するように、2つ以上の相を含んでもよい。1つの相は、構造化界面活性剤等の従来のパーソナルケア成分を含んでもよく、本発明の多相パーソナルケア組成物の第2の相は、有益相を含み得る。
【0047】
有益相は、存在する場合、好ましくは無水であり、実質的に水を含まなくてもよい。有益相は、約5重量%未満の水、好ましくは3重量%未満の水、最も好ましくは1重量%未満の水を含み得る。有益相は、実質的に界面活性剤を含まなくてもよい。有益相は、約5重量%未満の界面活性剤、より好ましくは約3重量%未満の界面活性剤、最も好ましくは約1重量%未満の界面活性剤を含んでもよい。
【0048】
有益相は、典型的には疎水性の潤いを与える物質を含む。有益相は、ペトロラタム、ラノリン、鉱油等の炭化水素油、天然及び合成ワックス(微晶性ワックス、パラフィン、オゾケライト、ラノリンワックス、ラノリンアルコール、ラノリン脂肪酸、ポリエチレン、ポリブテン、ポリデセン、及びペルヒドロスクアレン等)、揮発性又は不揮発性オルガノシロキサン及びこれらの誘導体(ジメチコン、シクロメチコン、アルキルシロキサン、ポリメチルシロキサン、及びメチルフェニルポリシロキサン等)、ラノリン油、エステル(イソプロピルラノレート、アセチル化ラノリン、アセチル化ラノリンアルコール、ラノリンアルコールリノレート、ラノリンアルコールリコノレート(riconoleate)等)、天然及び合成トリグリセリド(ヒマシ油、大豆油、ヒマワリ種子油、マレイン酸化大豆油、ベニバナ油、綿実油、トウモロコシ油、クルミ油、ラッカセイ油、オリーブ油、タラ肝油、アーモンド油、アボカド油、パーム油、及びゴマ油等)、ヒマシ油誘導体、シーフォース(sefose)、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される成分からなることができる。
【0049】
特定の実施形態では、有益相は、疎水性の潤いを与える物質を含み得る。特定の多相組成物中での使用に好適な疎水性の潤いを与える物質は、好ましくは約5(cal/cm3)1/2〜約15(cal/cm3)1/2のボーガン(Vaughan)溶解度パラメータ(「VSP」)を有し、これはボーガン(Vaughan)の化粧品及び洗面用品(Cosmetics and Toiletries)の103巻において定義されている。約5〜約15の範囲のVSP値を有する疎水性の潤いを与える物質の非限定例には、「溶解度、製品、包装、浸透、及び保存への効果(Solubility, Effects in Product, Package, Penetration and Preservation)」、C.D.ボーガン(Vaughan)、化粧品及び洗面用品(Cosmetics and Toiletries)103巻、1988年10月で報告されるように、シクロメチコン5.92、スクアレン6.03、ペトロラタム7.33、パルミチン酸イソプロピル7.78、ミリスチン酸イソプロピル8.02、ヒマシ油8.90、コレステロール9.55が含まれる。
【0050】
構造化界面活性剤−本発明の組成物は、多相形態にある場合、皮膚及び/又は毛髪等のケラチン性組織への適用に好適である構造化界面活性を含み得る。構造化界面活性剤を含有する組成物の割合は、一実施形態では少なくとも約50%の異方性相を含み得、異なる実施形態では約50%〜約90%の異方性相を含み得る。構造化界面活性剤は、好適な構造体と組み合わせて、本明細書及び米国特許第2007/0248562(A1)号に開示される、アニオン性、非イオン性、カチオン性、双極性の界面活性剤、石鹸、及びこれらの組み合わせを含む。界面活性剤と構造体との好適な組み合わせの選択は、当業者の知識内である。
【0051】
アルキルアンホアセテート類は、製品の低刺激性及び起泡を改善するために、本明細書の多相組成物中で使用される好適な構造化界面活性剤である。最も一般的に使用されるアルキルアンホアセテートは、ラウロアンホ酢酸及びココアンホアセテートである。アルキルアンホアセテートは、モノアセテート及びジアセテートを含み得る。一部の種類のアルキルアンホアセテートでは、ジアセテートは不純物又は意図的でない反応生成物である。しかしながら、ジアセテートの存在は、アルキルアンホアセテートの15%を超える量で存在する場合、種々の好ましくない組成物特徴を引き起こし得る。
【0052】
本明細書において使用に好適な非イオン性界面活性剤は、グルコースアミド類、アルキルポリグルコシド類、スクロースココエート、ラウリル硫酸スクロース、アルカノールアミド、エトキシル化アルコール、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものである。一実施形態では、非イオン性界面活性剤は、モノヒドロキシステアリン酸グリセリル、イソステアレス−2、トリデセス−3、ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸プロピレングリコール、ステアリン酸PEG−2、モノステアリン酸ソルビタン、ラウリン酸グリセリル、ラウレス−2、コカミドモノエタノールアミン、ラウリルアミドモノエタノールアミン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0053】
構造化界面活性剤は、非構造化ドメインとは視認可能なほど異なる、別個の構造化ドメインの形態であってもよい。組成物が構造化相及び非構造化相の両方を含む場合、構造化ドメインは、組成物中で別様には乳化されない高濃度のスキンケア活性物質の組み込みを可能にし得る。特定の実施形態では、構造化ドメインは、不透明な構造化ドメインである。不透明な構造化ドメインは、層状相であってもよく、層状ゲル網状組織を生成する層状相であってもよい。
【0054】
一実施形態では、構造化界面活性剤は層状相の形態であり、剪断力への抵抗、粒子及び液滴を懸濁するために十分な降伏、望ましいレオロジー特徴、及び/又は長期安定性を提供する。層状相は、粘度変性剤の必要性を最小限に抑える粘度を有する傾向にある。
【0055】
好適な構造体の非限定例は、米国特許第5,952,286号に記載されており、不飽和及び/又は分枝長鎖(C8〜C24)液体脂肪酸又はそのエステル誘導体、不飽和及び/又は分枝長鎖液体アルコール又はそのエーテル誘導体、並びにこれらの混合物を含む。また、構造化界面活性剤は、カプリン酸及びカプリル酸等の短鎖飽和脂肪酸を含んでもよい。理論によって制限されるものではないが、脂肪酸若しくはアルコールの不飽和部分、又は脂肪酸若しくはアルコールの分枝状部分は、界面活性剤の疎水性鎖を「混乱」させ、層状相の形成を誘発する役割を果たすと考えられる。好適な液体脂肪酸の例には、オレイン酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール酸、エライジン酸、アラキドン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、及びこれらの混合物が挙げられる。好適なエステル誘導体の例には、イソステアリン酸プロピレングリコール、オレイン酸プロピレングリコール、イソステアリン酸グリセリル、オレイン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、及びこれらの混合物が挙げられる。アルコールの例には、オレイルアルコール及びイソステアリルアルコールが挙げられる。エーテル誘導体の例には、カルボン酸イソステアレス若しくはオレス、又はイソステアレス若しくはオレスアルコールが挙げられる。構造材は、約25℃未満の融点を有するとして定義され得る。
【0056】
組成物は、異方性相及び/又は等方性相の両方を含み得る。特定の実施形態では、構造化界面活性剤は、組成物の視認可能なほど異なる相中に存在する。
【0057】
存在する場合、組成物はレオロジー変性剤を含んでもよく、レオロジー変性剤は、セルロース系レオロジー変性剤、架橋アクリレート、架橋無水マレイン酸コ−メチルビニルエーテル、疎水変性会合性ポリマー、又はこれらの混合物を含む。
【0058】
使用される場合、電解質は、それ自体が多相組成物に加えられ得るか、又はそれは原料の1つの中に含まれる対イオンを介してその場で形成され得る。電解質は、好ましくは、リン酸塩、塩化物、硫酸塩又はクエン酸塩を含むアニオン、及びナトリウム、アンモニウム、カリウム、マグネシウム又はこれらの混合物を含むカチオンを包含する。一部の好ましい電解質は、塩化ナトリウム若しくは塩化アンモニウム、又は硫酸ナトリウム若しくは硫酸アンモニウムである。電解質は、構造化界面活性剤組成物の約0.1重量%〜約15重量%、好ましくは約1重量%〜約6重量%、より好ましくは約3重量%〜約6重量%の量で、多相組成物の構造化界面活性剤相に添加されてもよい。
【0059】
本発明の一実施形態では、パーソナルケア組成物は、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤と電解質との混合物を含む、構造化界面活性剤相を含む。他の実施形態では、界面活性剤相は、界面活性剤、水、少なくとも一種のアニオン性界面活性剤、電解質の混合物、及び少なくとも一種のアルカノールアミドを含むことができる。
【0060】
皮膚科学的に許容可能な担体
本発明のパーソナルケア組成物はまた、組成物に、皮膚科学的に許容可能な担体を含み得る。担体は、多種多様な形態をとることができる。非限定例としては、単一溶液(水系又は油系)、エマルション、及び固体形態(ゲル、スティック)が挙げられる。例えば、エマルション担体としては、水中油型、油中水型、シリコーン中水型、水中油中水型、及びシリコーン中水中油型エマルションを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0061】
所望の製品形態によって、好ましい担体は、水中油型エマルション(例えば、水中シリコーン型)及び油中水型エマルション(例えば、シリコーン中水型エマルション)のようなエマルションを含むことができる。当業者には理解されるように、所与の成分は、組成物中の成分の水溶解度/非必須性に応じて、主として水相又は油相のいずれかに分配される。本発明に従うエマルションは、水相及び脂質又は油を含有することができる。脂質及び油は、動物、植物、又は石油に由来してもよく、天然又は合成(即ち、人工)でもよい。また好ましいエマルションは、グリセリンのような湿潤剤も含有できる。
【0062】
エマルションは、組成物の重量に基づき、約0.1重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.2重量%〜約5重量%の乳化剤を更に含むことができる。乳化剤は、非イオン性、アニオン性、又はカチオン性であってよい。好適な乳化剤は、例えば、米国特許第3,755,560号、同第4,421,769号、及びマカッチャン(McCutcheon)の洗剤及び乳化剤(Detergents and Emulsifiers)(北米版、317〜324頁、1986年)に開示されている。好適なエマルションは、所望の製品形態に応じて、幅広い範囲の粘度を有していてよい。
【0063】
本発明の組成物は、注入可能な液体の形態(周囲条件下で)であることができる。したがって、組成物は、典型的には約20重量%〜約97重量%、好ましくは約65重量%〜約90重量%、あるいは約20重量%〜約95重量%、好ましくは約60重量%〜約85重量%のレベルで存在する、水性担体を含み得る。水性担体は、水、又は水と有機溶媒との混和性混合物を含んでもよいが、別様に他の本質的若しくは任意の成分の副成分として組成物に付随的に組み込まれるものを除いて、好ましくは最小濃度若しくは実質的でない濃度の有機溶媒を含む水を含む。
【0064】
本明細書で使用するとき、「皮膚科学的に許容可能な」という用語は、組成物又はそう記載されるその成分が、過度の毒性、不適応性、不安定性、アレルギー反応、及び/又は他の悪影響なく、哺乳類のケラチン性組織と接触して使用するのに好適であることを意味する。
【0065】
II.任意成分
本発明の組成物は、製品形態及びその目的とする用途及び最終効果に応じて広範な追加の成分を包含してもよい。一実施形態では、かかる任意成分の個々の濃度は、組成物の約0.001重量%〜約50重量%の範囲であってもよく、別の実施形態では、約0.001重量%〜約10重量%の範囲であってもよい。
【0066】
本発明の組成物中で使用する任意成分の非限定例は、コフィンダッファー(Coffindaffer)らに発行された米国特許第6,335,312号に記載されており、カチオン性ポリマー、コンディショニング剤(炭化水素油、脂肪酸エステル[例えばポリオールカルボン酸エステル]、シリコーン、不溶性コンディショニング剤)、従来のパーソナルケアポリマー(沈着ポリマー、整髪ポリマー、分散相ポリマー)、抗ふけ剤(ピロクトンオラミン、非水溶性成分(3,4,4’−トリクロロカルバニリド(トリクロサン)等)、トリクロカルバン、及びジンクピリチオン等)、抗脂漏性剤、抗乾癬剤、酸化染料前駆体、展開剤、酸化剤、アルカリ化剤、懸濁化剤、粘度変性剤、帯電防止剤、保湿剤、皮膚軟化剤、懸濁化剤、粘度変性剤、抗菌剤、捕捉剤、タンパク質、スキンケア活性物質、日焼け止め剤、UV吸収剤、ビタミン及び精油等の他の審美的成分、皮膚感覚剤、収れん剤、皮膚鎮静剤、皮膚回復剤等を含み、その非限定例には、パンテノール及び誘導体(例えばエチルパンテノール)、パントテン酸及びその誘導体、丁子油、メントール、樟脳、ユーカリ油、オイゲノール、メンチルラクテート、マンサク蒸留液、アラントイン、ビサボロール、グリチルリチン酸二カリウム、前述のもののいずれかの誘導体、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0067】
本明細書において有用であるカチオン性ポリマーには、米国特許第2007/0207109(A1)号及び同第2008/0206185(A1)号で論じられるものが含まれてもよく、例えば、本明細書に記載されるパーソナルケア組成物のコンディショニング活性成分の沈着を効果的に強化するための、十分に高い分子量の合成コポリマー等が挙げられる。また、カチオン性ポリマーの組み合わせが利用されてもよい。一般に合成コポリマーの平均分子量は、約10,000〜約10,000,000、好ましくは約100,000〜約3,000,000、更により好ましくは約200,000〜約2,000,000である。
【0068】
更なる実施形態では、合成コポリマーは、パーソナルケア組成物の目的とする用途のpHにおいて、約0.1meq/gm〜約6.0meq/gm、より好ましくは約0.5meq/gm〜約3.0meq/gmの質量電荷密度を有する。一般にpHは、pH約3〜pH約9、より好ましくはpH約4〜pH約8の範囲であろう。
【0069】
更に別の実施形態では、合成コポリマーは、少なくとも約2meq/A〜約500meq/A、より好ましくは約20meq/A〜約200meq/A、最も好ましくは約25meq/A〜約100meq/Aの線状電荷密度を有する。
【0070】
カチオン性ポリマーは、コポリマー又はホモポリマーであってもよい。一実施形態では、本組成物中でホモポリマーが利用される。別の実施形態では、本組成物中でコポリマーが利用される。別の実施形態では、本組成物中でホモポリマーとコポリマーとの混合物が利用される。別の実施形態では、本明細書で論じられるセルロース又はグアーポリマー等の、天然由来の性質のホモポリマーが、以下に論じられるもの等の合成起源のホモポリマー又はコポリマーと組み合わせられる。
【0071】
ホモポリマー−3−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(APTAC)、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、[(3−メチルアクリロイルアミノ)プロピル]トリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)、3−メチル−1−ビニルイミダゾリウムクロリド(QVI);[2−(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド、及び[2−(アクリロイルオキシ)プロピル]トリメチルアンモニウムクロリドのモノマーの非架橋カチオン性ホモポリマーもまた、本明細書において有用である。
【0072】
コポリマー−コポリマーは、2個のカチオン性モノマー、又は非イオン性及びカチオン性モノマーを含んでもよい。
【0073】
非イオン性モノマー単位
本明細書において使用に好適なコポリマーは、以下の式Iによって表される非イオン性モノマー単位を含み、
I.
【0074】
【化1】

式I
【0075】
式中、Rは、H又はC1〜4アルキルであり;R1及びR2は、H、C1〜4アルキル、CH2OCH3、CH2OCH2CH(CH3)2、及びフェニルからなる群から独立して選択されるか、あるいは共にC3〜6シクロアルキルである。
【0076】
一実施形態では、非イオン性モノマー単位は、アクリルアミド(AM)であり、即ち、R、R1、及びR2は、以下の式IIに示されるように、全てHであり、
【0077】
【化2】

式II
【0078】
式中、mは、1に等しい。
【0079】
別の好ましい非イオン性モノマー単位は、メタクリルアミド(MethAM)であり、即ち、RはC1アルキル、R1、及びR2はそれぞれHであり、
【0080】
【化3】

式III
【0081】
式中、mは1に等しい。
【0082】
しかし、上に述べた式の範囲内の他のアクリルアミド誘導体も、好適であることも意図しており、ポリアクリルアミド及びアクリルアミドモノマーを使用するコポリマーが有用である。
【0083】
コポリマーの非イオン性モノマー部分は、コポリマー全体の約50重量%〜約99.5重量%の量で存在してもよい。好ましくは、この量は、コポリマーの約70重量%〜約99重量%、更により好ましくは約80重量%〜約99重量%である。
【0084】
カチオン性モノマー単位
また、コポリマーは、式IVによって表されるカチオン性モノマー単位を含んでもよく、
【0085】
【化4】

式IV
【0086】
式中、k=1であり、v、v’、及びv”のそれぞれは、独立して1〜6の整数であり、wは、ゼロ又は1〜10の整数であり、X-は、アニオンである。
【0087】
一実施形態では、上式IVに従い、k=1、v=3、及びw=0、及びX-がCl-である構造が存在し、以下の構造を形成する。
【0088】
【化5】

式V
【0089】
上の構造は、ジクワット(diquat)と称されてもよい。
【0090】
更に別の実施形態は、式IVに従い、k=1、v及びv”は、それぞれ3であり、v’=1、w=1、及びX-がCl-であるように形成された構造により、達成され、例えば、
【0091】
【化6】

式VI
【0092】
上記の構造は、トリクワット(Triquat)と称されてもよい。
【0093】
好適なカチオン性モノマーは、例えば、米国公開特許出願2004/0010106(A1)に記載される方法により作製され得る。
【0094】
セルロース又はグアーカチオン性沈着ポリマー
またパーソナルケア組成物は、セルロース又はグアーカチオン沈着ポリマーも含んでよい。一般に、こうしたセルロース又はグアーカチオン性沈着ポリマーは、組成物の約0.05〜約5重量%の濃度で存在してよい。好適なセルロース又はグアーカチオン性沈着ポリマーは、約5,000を超える分子量を有する。加えて、そのようなセルロース又はグアー沈着ポリマーは、パーソナルケア組成物の目的とする用途のpHで約0.5meq/g〜約4.0meq/gの電荷密度を有し、このpHは、一般に、約pH3〜約pH9、好ましくは約pH4〜約pH8の範囲であろう。組成物のpHは、未希釈で測定される。
【0095】
本発明の一実施形態では、カチオン性ポリマーはヒドロキシプロピルグアーの誘導体であり、その例には、INCI命名法でグアーヒドロキシプロピル塩化トリモニウムとして知られるポリマーが挙げられ、例えば、トーホー(Toho)社のカチナル(Catinal)CG−100、カチナルCG−200、コグニス(Cognis)社のコスメディアグアー(Cosmedia Guar)C−261N、コスメディアグアーC−261N、コスメディアグアーC−261N、フリーダム・ケミカル・ダイアモルト(Freedom Chemical Diamalt)社のダイアガム(DiaGum)P 5070、ハーキュレス(Hercules)/アクアロン(Aqualon)社のN−ハンスカチオン性グアー(N-Hance Cationic Guar)、ローディア(Rhodia)社のハイ−ケア(Hi-Care)1000、ジャガー(Jaguar)C−17、ジャガーC−2000、ジャガーC−13S、ジャガーC−14S、ジャガーエクセル(Excel)、日澱化学(Nippon Starch)社のキプロガム(Kiprogum)CW、キプロガムNGKの名称で販売されている製品である。
【0096】
抗ふけ活性物質−本発明の組成物はまた、抗ふけ剤を含んでもよい。好適な抗ふけ粒子の非限定例には、ピリジンチオン塩、亜鉛含有層状物質、アゾール(ケトコナゾール、エコナゾール、及びエルビオール等)、硫化セレン、粒子状硫黄、サリチル酸、及びこれらの混合物が挙げられる。典型的な抗ふけ粒子は、ピリジンチオン塩である。このような抗ふけ粒子は、物理的及び化学的に組成物の成分と適合すべきであり、過度に製品の安定性、審美性、又は性能を損なうべきではない。
【0097】
ピリジンチオン塩
ピリジンチオン抗ふけ粒子、特に1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン塩は、本発明の組成物に用いるのに好適な粒子状抗ふけ剤である。ピリジンチオン抗ふけ粒子の濃度は、典型的には組成物の約0.01重量%〜約5重量%、一般に約0.1重量%〜約3重量%、通例約0.1重量%〜約2重量%の範囲である。好適なピリジンチオン塩には、亜鉛、スズ、カドミウム、マグネシウム、アルミニウム、及びジルコニウム等の重金属、一般に亜鉛、典型的には1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオンの亜鉛塩(「ジンクピリジンチオン」又は「ZPT」として知られる)、通常血小板状粒子形態の1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン塩から形成されるものが挙げられ、粒子は、最大約20μ、典型的には最大約5μ、通常最大約2.5μの平均粒径を有する。また、ナトリウム等の他のカチオンから形成される塩も好適であり得る。ピリジンチオン抗ふけ剤は、例えば米国特許第2,809,971号、同第3,236,733号、同第3,753,196号、同第3,761,418号、同第4,345,080号、同第4,323,683号、同第4,379,753号、及び同第4,470,982号に記載されている。
【0098】
抗菌活性物質
ピリチオンの多価金属塩から選択される抗ふけ活性物質に加えて、本発明は、金属ピリチオン塩活性物質に加えて、1つ以上の抗真菌若しくは抗菌活性物質を更に含んでもよい。
【0099】
追加の好適な抗菌活性物質には、コールタール、硫黄、ウィットフィールド(whitfield)軟膏、カステラーニ(castellani)塗布剤、塩化アルミニウム、ゲンチアナバイオレット、オクトピロックス(ピロクトンオラミン)、シクロピロックスオラミン、ウンデシレン酸及びその金属塩、過マンガン酸カリウム、硫化セレン、チオ硫酸ナトリウム、プロピレングリコール、ビターオレンジ油、尿素調製物、グリセオフルビン、8−ヒドロキシキノリンシロキノール、チオベンダゾール、チオカルバメート、ハロプロジン、ポリエン、ヒドロキシピリドン、モルホリン、ベンジルアミン、アリルアミン(例えば、テルビナフィン)、茶木油、クローブリーフ油、コリアンダー、パルマロッサ、ベルベリン、タイムレッド、桂皮油、ケイ皮アルデヒド、シトロネル酸、ヒノキトール(hinokitol)、イヒチオールペール、センシバ(Sensiva)SC−50、エレスタブ(Elestab)HP−100、アゼライン酸、リチカーゼ(lyticase)、ヨードプロピニルブチルカルバメート(IPBC)、オクチルイソチアザリノンのようなイソチアザリノン及びアゾール、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。典型的には抗菌剤としては、イトラコナゾール、ケトコナゾール、硫化セレン及びコールタールが挙げられる。
【0100】
アゾール
アゾール抗菌剤としては、ベンズイミダゾールのようなイミダゾール、ベンゾチアゾール、ビフォナゾール、硝酸ブタコナゾール、クリムバゾール(クリムバゾール)、クロトリマゾール、クロコナゾール、エベルコナゾール、エコナゾール、エルビオール、フェンチコナゾール、フルコナゾール、フルチマゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、ラノコナゾール、メトロニダゾール、ミコナゾール、ネチコナゾール、オモコナゾール、硝酸オキシコナゾール、セルタコナゾール、硝酸サルコナゾール、チオコナゾール、チアゾール、並びにテルコナゾール及びイトラコナゾールのようなトリアゾール、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。アゾール抗菌活性物質は、組成物中に存在するとき、組成物の約0.01重量%〜約5重量%、典型的には約0.1重量%〜約3重量%、通常は約0.3重量%〜約2重量%の量で包含される。特に、ケトコナゾールが、一般的に本発明で使用される。
【0101】
硫化セレン
硫化セレンは、本発明の抗菌組成物中での使用に好適な粒子状抗ふけ剤であり、その効果的な濃度は、組成物の約0.1重量%〜約4重量%、典型的には約0.3重量%〜約2.5重量%、通常約0.5重量%〜約1.5重量%の範囲である。硫化セレンは、一般式、SexSy(式中、x+y=8)に従う環状構造であってもよいが、一般に1モルのセレン及び2モルの硫黄を有する化合物であると見なされる。硫化セレンの平均粒径は、前方レーザー光散乱装置(例えばマルバーン(Malvern)3600装置)で測定される、典型的には15μm未満、典型的には10μm未満である。硫化セレン化合物は、例えば米国特許第2,694,668号、同第3,152,046号、同第4,089,945号、同第4,885,107号に記載されている。
【0102】
硫黄
硫黄もまた、本発明の抗菌性組成物において粒子状抗菌剤/抗ふけ剤として使用されてもよい。粒子状硫黄の効果的な濃度は、典型的には、組成物の約1重量%〜約4重量%、典型的には約2重量%〜約4重量%である。
【0103】
角質溶解剤
本発明は、サリチル酸のような1つ以上の角質溶解剤を更に含んでもよい。
【0104】
亜鉛含有層状物質
本発明の実施形態では、組成物は、有効量の亜鉛含有層状物質を含んでもよい。本発明の好ましい実施形態は、約0.001%〜約10%、より好ましくは約0.01%〜約7%、更により好ましくは約0.1%〜約5%の亜鉛含有層状物質を含む。
【0105】
本発明の特定の実施形態に有用な亜鉛含有層状物質の例には、以下のものが挙げられる。
【0106】
亜鉛含有層状構造は、主として二次元で生じる結晶成長を有するものである。層構造は、全ての原子が明確な層に組み込まれているものとしてだけではなく、ギャラリーイオン(gallery ion)と呼ばれる、層の間にイオン又は分子があるものとすることが慣例的である(A.F.ウェルズ(A.F.Wells)「構造無機化学(Structural Inorganic Chemistry)」、クラレンドン出版(Clarendon Press)、1975年)。亜鉛含有層状物質(ZLM)は、亜鉛を層に組み込んで有してもよく、及び/又はギャラリーイオンの成分であってもよい。
【0107】
多くのZLMが鉱物として自然発生する。一般例としては、水亜鉛土(炭酸水酸化亜鉛)、塩基性炭酸亜鉛、水亜鉛銅鉱(炭酸水酸化銅亜鉛)、亜鉛孔雀石(炭酸水酸化亜鉛銅)、及び亜鉛を含有する多くの関連する鉱物が挙げられる。天然のZLMもまた発生可能であり、その際、粘土型鉱物(例えばフィロケイ酸塩)のようなアニオン性層の種は、イオン交換した亜鉛ギャラリーイオンを含有する。これらの天然物質の全てはまた、合成的に得ることもでき、又は組成物中にその場で若しくは製造プロセスの間に生じさせることもできる。
【0108】
ZLMの別の一般的種類で、常にではないが、多くの場合、合成であるものは、層状複水酸化物であり、これは一般に式、[M2+1-xM3+x(OH)2]x+Am-x/m・nH2Oによって表され、二価イオン(M2+)の一部又は全ては、亜鉛イオンとして表される(EL.クレパルディ(Crepaldi, EL)、PC.パバ(Pava, PC)、J.トロント(Tronto, J)、JB.バリム(Valim, JB)、コロイド界面科学誌(J.Colloid Interfac.Sci.)、2002年、248、429〜42)。
【0109】
ヒドロキシ複塩と呼ばれる、ZLMの更に他の種類を調製することができる(H.モリオカ(Morioka,H.)、H.タガヤ(Tagaya,H.)、M.カラス(Karasu,M)、J.カドカワ(Kadokawa,J)、K.チバ(Chiba,K)、無機化学(Inorg.Chem.)1999年、38、4211〜6)。ヒドロキシ複塩は、一般式、[M2+1-xM2+1+x(OH)3(1-y)]+An-(1=3y)/n・nH2Oにより表されることができ、その場合2つの金属イオンは異なってもよい。それらが同じでありまた亜鉛により表される場合は、式は、[Zn1+x(OH)2]2x+2xA-・nH2Oに単純化される。この後者の式(式中、x=0.4)は、ヒドロキシ塩化亜鉛及びヒドロキシ硝酸亜鉛のような一般物質を表す。これらは水亜鉛鉱にも関連し、その際、二価のアニオンは一価のアニオンを置き換える。これらの物質はまた、組成物中にその場で又は製造プロセスの間に生じさせることもできる。
【0110】
ZLMのこれらの種類は、一般カテゴリーの比較的一般的な例を表すが、この定義に合うより広範囲の物質に関する限定を意図するものではない。
【0111】
塩基性炭酸亜鉛の市販の供給源には、炭酸亜鉛塩基(Zinc Carbonate Basic)(ケイター・ケミカルズ(Cater Chemicals);米国イリノイ州ベンセンビル)、炭酸亜鉛(Zinc Carbonate)(シェパード・ケミカルズ(Shepherd Chemicals);米国オハイオ州ノーウッド)、炭酸亜鉛(Zinc Carbonate)(CPSユニオン社(CPS Union Corp.);米国ニューヨーク州ニューヨーク)、炭酸亜鉛(Zinc Carbonate)(エレメンティス・ピグメンツ(Elementis Pigments);英国ダラム)、及び炭酸亜鉛AC(Zinc Carbonate AC)(ブリュッグマン・ケミカル(Bruggemann Chemical);米国ペンシルベニア州ニュータウンスクエア)が挙げられる。
【0112】
塩基性炭酸亜鉛はまた、商業的には「炭酸亜鉛」又は「炭酸亜鉛塩基」又は「ヒドロキシ炭酸亜鉛」と呼ばれる場合もあるが、天然起源の水亜鉛鉱に類似した物質からなる合成の種類である。理想的な化学量論は、Zn5(OH)6(CO3)2により表されるが、実際の化学量論的比は僅かに変化することができ、またその他の不純物が結晶格子内に組み込まれてもよい。
【0113】
本発明の実施形態により、界面活性剤系中で特定の亜鉛反応活性度を有する有効量の亜鉛含有層状物質と組み合わせることによって、局所用組成物において抗ふけ効力を劇的に高めることができることを見出した。亜鉛反応活性度は、亜鉛イオンの化学的利用能の基準である。溶液中で他の化学種と錯体を形成しない可溶性亜鉛塩は、定義上100%の相対亜鉛反応活性度を有する。部分的に可溶性形態の亜鉛塩の使用及び/又はマトリクスへの潜在的錯体(complexants)の組み込みは、一般に亜鉛反応活性度を定義された最大100%未満に実質的に低下させる。
【0114】
有効な亜鉛含有層状物質の選択によって、又は既知の方法により有効な亜鉛含有層状物質をその場で生じさせることによって、反応活性度の高い亜鉛が維持される。
【0115】
本発明の実施形態により、亜鉛含有層状物質と組み合わせて、ジンクピリチオン等のピリチオンの多価金属塩を用いることによって、局所用組成物において抗ふけ効果を劇的に高めることができることが見出されている。したがって、本発明の実施形態は、皮膚及び頭皮に対して改善された効果(例えば、改善された抗ふけ効力)を有する局所適用組成物を提供する。
【0116】
本発明の一実施形態は、亜鉛源が粒子状形態で存在する、亜鉛含有層状物質分散液のための安定な組成物を提供する。亜鉛含有層状物質には独特の物理的特性及び化学的特性があるので、亜鉛含有層状物質を含有する水性系を配合するのが困難であることが示されている。亜鉛含有層状物質は、高い密度(約3g/cm3)を有することがあり、凝集又は沈殿しないようにするには、製品全体に一様に分散させる必要がある。亜鉛含有層状物質はまた、非常に反応性の高い表面化学的性質を有することに加えて、pH値が6.5未満の系に溶解する傾向にある。
【0117】
溶解度が25%未満の亜鉛含有層状物質は、亜鉛化合物の重量パーセント及び分子量によって決定される閾値よりも低い、測定可能な可溶性亜鉛値(%)を有することになる。理論上の閾値は、以下の式によって計算することができる。
【0118】
【数1】

【0119】
組成物がZLMを含む本発明の実施形態では、pHが約6.5を上回ってもよく、更に、pHは、約6.5〜約12、好ましくは約6.8〜約9.5、より好ましくは約6.8〜約8.5の範囲であってもよい。
【0120】
ZLMの粒径
本発明の一実施形態では、より小さい粒径が、相対亜鉛反応活性度に反比例することが見出されている。
【0121】
D(90)は、粒子の量の90%がその粒径未満であることに相当する粒径である。本発明の一実施形態では、亜鉛含有層状物質は、粒子の90%が約50マイクロメートル未満である粒径分布を有してよい。本発明の他の実施形態では、亜鉛含有層状物質は、粒子の90%が約30マイクロメートル未満である粒径分布を有してよい。本発明の更に他の実施形態では、亜鉛含有層状物質は、粒子の90%が約20マイクロメートル未満である粒径分布を有してよい。
【0122】
ZLMの表面積
本発明の一実施形態では、表面積と相対亜鉛反応活性度との間に直接的な関係がある場合がある。
【0123】
粒子の表面積が増大すると、一般に、動的因子によって亜鉛反応活性度が増大する。粒子の表面積は、粒径を縮小させることによって、かつ/又は多孔質粒子、若しくはその全体的な形状が幾何学的に球体から外れた粒子をもたらすように粒子のモルホロジーを変化させることによって、増大させることができる。
【0124】
本発明の実施形態において、塩基性炭酸亜鉛の表面積は約10m2/gmを超えてもよい。更なる実施形態において、塩基性炭酸亜鉛の表面積は約20m2/gmを超えてもよい。本発明の更なる実施形態において、塩基性炭酸亜鉛の表面積は約30m2/gmを超えてもよい。
【0125】
Log亜鉛結合定数を有する配位化合物
本発明の更なる実施形態では、組成物は、亜鉛の生物学的利用能を維持するのに十分な範囲のLog亜鉛結合定数を有する配位化合物を更に含む。好ましくは、このような配位化合物は、約6未満、好ましくは約5未満、より好ましくは約4未満、約−0.5超のLog亜鉛結合定数を有する。好ましくは、このような配位化合物は、有機酸、強鉱酸、又は配位種である。このような配位化合物の好ましい例としては、次のもの(括弧内にそれぞれのLog亜鉛結合定数を示す)が挙げられる:EDTA(16.5)、EDDS(13.5)、EDDA(11.1)、NTA(10.7)、キシレノールオレンジ(10.3)、システイン(9.1)、シスチン(6.7)、アスパラギン酸(アスパラテート)(5.9)、グリシン(5.0)、クエン酸(シトレート)(4.8)、グルタミン酸(4.5)、メチオニン(4.4)、アルギニン(4.2)、炭酸(カーボネート)(3.9)、オルニチン(3.8)、タトロン酸(Tatronic Acid)(タータラート)(3.2)、リンゴ酸(マレート)(2.9)、マロン酸(マロネート)(2.9)、酒石酸(タータラート)(2.7)、アジピン酸(アジペート)(2.6)、リン酸(ホスフェート)(2.4)、フタル酸(フタラート)(2.2)、グリコール酸(グリコレート)(2.0)、乳酸(ラクテート)(1.9)、コハク酸(サクシネート)(1.8)、酢酸(アセテート)(1.0)、硫酸(サルフェート)(0.9)、ホウ酸(ボレート)(0.9)、ギ酸(ホルメート)(0.6)、塩化物(−0.3)。
【0126】
ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩
一実施形態では、本発明は、ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩を含んでもよい。血小板状及び針晶構造などの、いかなる形態の多価金属のピリチオン塩も用いてよい。本明細書での使用に好ましい塩としては、多価金属のマグネシウム、バリウム、ビスマス、ストロンチウム、銅、亜鉛、カドミウム、ジルコニウム及びこれらの混合物から、より好ましくは亜鉛から形成されているものが挙げられる。本明細書における使用に更により好ましいのは、1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオンの亜鉛塩(「ジンクピリチオン」又は「ZPT」として知られる)であり、より好ましくは血小板状粒子形態のZPTであり、この粒子は、最大約20μm、好ましくは最大約5μm、より好ましくは最大約2.5μmの平均粒径を有する。
【0127】
ピリジンチオン抗菌及び抗ふけ剤は、例えば米国特許第2,809,971号、同第3,236,733号、同第3,753,196号、同第3,761,418号、同第4,345,080号、同第4,323,683号、同第4,379,753号、及び同第4,470,982号に記載されている。
【0128】
ZPTを本明細書の抗菌組成物中の抗菌粒子として使用すると、付加的な効果である育毛若しくは再生が促進若しくは調節される場合があり、又はその両方である場合があり、又は脱毛が減少若しくは抑制される場合があり、又は毛髪がより濃く見える若しくはより豊かに見える場合があることが更に考えられる。
【0129】
ジンクピリチオンは、米国特許第2,809,971号に例証されるように、1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン(即ち、ピリチオン酸)又はその可溶性塩を亜鉛塩(例えば硫酸亜鉛)と反応させて、ジンクピリチオン沈殿を形成することによって作製されてもよい。
【0130】
好ましい実施形態には、約0.01重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約2重量%のピリチオン又はピリチオンの多価金属塩が含まれる。
【0131】
亜鉛含有層状物質及びピリチオン又はピリチオンの多価金属塩を有する実施形態では、亜鉛含有層状物質と、ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩との比は、好ましくは5:100〜10:1、より好ましくは約2:10〜5:1、更により好ましくは1:2〜3:1である。
【0132】
追加の抗菌活性物質
本発明の追加の抗菌活性物質は、メラレウカ(茶木)及び炭の抽出物を包含してもよい。本発明はまた、抗菌活性物質の組み合わせを含んでもよい。このような組み合わせとして、オクトピロックスとジンクピリチオンとの組み合わせ、パインタールと硫黄との組み合わせ、サリチル酸とジンクピリチオンとの組み合わせ、エルビオールとジンクピリチオンとの組み合わせ、エルビオールとサリチル酸との組み合わせ、オクトピロックスとクリムバゾール(climbasole)との組み合わせ、及びサリチル酸とオクトピロックスとの組み合わせ、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0133】
本明細書において利用され得る他の有用な成分には、毛髪コンディショニング剤が含まれる。不溶性毛髪コンディショニング剤、シリコーンコンディショニング剤、及び他の有用な任意の成分の非限定例は、ガスキー(Guskey)らに発行された米国特許第6,221,817号に記載されている。
【0134】
更に、追加の成分には、糖アミン(例えばN−アセチルグルコサミン)、ビタミンB3化合物、デヒドロ酢酸ナトリウム、デヒドロ酢酸及びその塩、フィトステロール、大豆誘導体(例えばエクオル及び他のイソフラボン)、ナイアシンアミド、フィタントリオール、ファルネソール、ビサボロール、サリチル酸化合物、ヘキサミジン、ジアルカノイルヒドロキシプロリン化合物、フラボノイド、N−アシルアミノ酸化合物、レチノイド(例えばプロピオン酸レチニル)、水溶性ビタミン、アスコルベート(例えばビタミンC、アスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシド、アスコルビン酸パルミテート、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸リン酸ナトリウム)、粒子状物質、日焼け止め活性物質、抗脂肪沈着剤、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、これらの誘導体、並びにこれらの組み合わせ、染料、不揮発性溶媒又は希釈剤(水溶性及び非水溶性)、真珠光沢助剤、発泡増進剤、シラミ駆除剤、pH調整剤、香料、粒子(例えば有機、無機)、保存料、キラント、キレート剤、タンパク質、UV吸収剤、顔料、他のアミノ酸、並びに他のビタミンが含まれ得る。
【0135】
例えば、本発明の組成物は、ビタミンB1、B2、B6、B12、C、パントテン酸、パントテニルエチルエーテル、パンテノール、ビオチン及びこれらの誘導体等の水溶性ビタミン、アスパラギン、アラニン、グルタミン酸及びこれらの塩等の水溶性アミノ酸、ビタミンA、D、E及びこれらの誘導体等の非水溶性ビタミン、チロシン、トリプトファン、及びこれらの塩等の非水溶性アミノ酸等の1つ以上のビタミン及び/又はアミノ酸を含んでもよい。
【0136】
また、本発明の組成物は、C.I.名を有するもの等の水溶性成分を含む、無機、ニトロソ、モノアゾ、ジアゾ、カロチノイド、トリフェニルメタン、トリアリールメタン、キサンテン、キノリン、オキサジン、アジン、アントラキノン、インジゴイド、チオンインジゴイド、キナクリドン、フタロシアニン、植物の色、天然の色等の1つ以上の顔料物質を含有してもよい。また、本発明の組成物は、水溶性成分を含む化粧用殺生物剤及び抗ふけ剤として有用である抗菌剤を含んでもよい。
【0137】
更に、組成物は、米国特許第6,492,326号(2002年12月10日、ロビンソン(Robinson)らに発行)に開示されているもの等の他のペプチド類(例えば、Lys−Thr−Thr−Lys−Ser等のペンタペプチド、及びこれらの誘導体)を含むことができる。好適なペンタペプチド誘導体としては、フランスのセダーマ(Sederma)から入手可能なパルミトイル−Lys−Thr−Thr−Lys−Serが挙げられる。本明細書において組成物に使用することができる別の任意のジペプチドは、カルノシンである。本明細書で使用するとき、用語「ペプチド」とは、1以上のペプチド、1以上のペプチド誘導体、及びこれらの組み合わせを含むのに十分に広義である。
【0138】
また、所与の製品型に従来使用される成分のような、あらゆる他の好適な任意構成要素も、本発明のパーソナルケア組成物に含まれることができる。CTFA化粧品成分便覧(Cosmetic Ingredient Handbook)第10版(米国化粧品工業会社刊、ワシントンD.C)(2004年)(以後、「CTFA」)は、本明細書の組成物に添加することができる多種多様な非限定物質を記載している。
【0139】
III.作製方法
本発明のパーソナルケア組成物を作製するいかなる好適な方法も使用され得る。一実施形態では、ウンデシルベースの界面活性剤を、当該技術分野において既知の標準的な方法に従い、パーソナルケア組成物の他の成分と混合する。浄化シャンプーに使用される典型的な手順は、硫酸ウンデシルペースト若しくは硫酸ウンデセスペースト、又はこれらの混合物を、水と合わせ、所望の水溶性共界面活性剤を添加し、保存料、pH調整剤、香料、及び塩を添加することによって組成物を仕上げて、目的の物理特性を得る。非水溶性共界面活性剤が所望される場合、界面活性剤及び水の混合物を、好適な温度まで加熱して、その組み込みを容易にする。レオロジー変性剤が所望される場合、仕上げ工程の前に、それを、結果として得られた界面活性剤混合物に添加することができる。
【0140】
コンディショニングシャンプーの場合、典型的に、界面活性剤ペーストを上記の共界面活性剤と組み合わせて、最終活性を達成するのに相応した目標レベルまで、水で希釈する。レオロジー変性剤、その後、コンディショニング剤、例えば、シリコーン若しくはシリコーンエマルション又は他の油、ポリマープレミックスからのカチオン性ポリマー、香料、真珠光沢剤若しくは不透明化剤、香料、及び保存料を添加することができる。均質性を確実にするための適切な混合工程が、必要に応じて使用される。所望の物理特性となるまで、pH調整剤、向水性物質、及び塩を添加することによって、製品を仕上る。
【0141】
特定の実施形態では、パーソナルケア組成物は、界面活性剤を含み、該界面活性剤は、本質的にウンデシルベースの界面活性剤からなる。硫酸ウンデシルナトリウムは、37%以上の活性にて、一般的に利用可能な中和装置を備える流下薄膜反応器で等方性流体ペーストとして調製することができる。硫酸ウンデセス(1)ナトリウムは、沈殿物及び不均質な系、並びにパーソナルケア製品作製の不適切性を生じる立方体ゲル相を存在させることなく、約32%の活性にて同様に調製することができる。これらのペーストは、適切な共界面活性剤と組み合わせて、ポンプフォーマーからの起泡及び洗浄に関してひときわ高性能の製品を提供する、低粘度製品(25℃で100cps未満)を作製することが可能となる。
【0142】
IV.使用方法
本発明の組成物は、毛髪及び/又は皮膚等の哺乳類のケラチン性組織を洗浄及びコンディショニングするために使用され得、また、迅速な起泡及び/又はすすぎ適性を提供し得る。毛髪を洗浄及びコンディショニングするための方法は、a)毛髪を水で濡らす工程と、b)有効量のシャンプー組成物等のパーソナル洗浄組成物を毛髪に適用する工程と、c)組成物を水ですすぐ工程とを含み得る。所望の洗浄及びコンディショニング効果を達成するために、所望なだけ何回でもこれらの工程を繰り返すことができる。
【0143】
更に別の実施形態によると、哺乳類のケラチン性組織に効果をもたらす方法が提供され、調節を必要とするケラチン性組織に本発明の組成物を適用する工程を含む。
【0144】
本発明は、哺乳類のケラチン性組織の状態を調節するための方法を提供し、その方法は、本明細書に記載される1つ以上の組成物を、調節を必要とする哺乳類のケラチン性組織に適用する工程を含む。本組成物の適用は、種々の手段(非限定例としては、手のひら及び/又は指の使用、送達強化デバイス(デバイスを使用することなく送達される活性成分の量に対して、ケラチン性組織に、及び/又はその中に適用される組成物の量及び/又は活性成分を増加させるいかなるデバイスも含むと理解される)、温度変更要素、基質、道具(例えば、スポンジ、ヘチマ、パフ、パッド、基質等)、及びこれらの組み合わせが挙げられる)によって行うことができる。
【0145】
本発明の別の実施形態によると、好適なパーソナルケア発泡体を提供する方法が提供され、その方法は、好適なポンプディスペンサーから、第1の実施形態の組成物を分配する工程を含む。好適なポンプディスペンサーの非限定例としては、第WO 2004/078903号、第WO 2004/078901号、及び第WO 2005/078063号に記載のものが挙げられる。
【0146】
組成物は、ポンプフォーマーからの分配前に、25℃で約10〜約100センチポアズ(cps)、別の実施形態では、25℃で約10〜約60cps、及び別の実施形態では、25℃で約10〜約30cpsの粘度を有し得る。
【0147】
適用される組成物の量、適用頻度、及び使用期間は、所定の組成物の適用の目的、成分のレベル、及び所望される調節レベルに応じて、大きく変わることになる。例えば、組成物を毛髪に適用する場合、有効量は、一般に、約1g〜約50g、好ましくは約1g〜約20gの範囲、又は代替として、組成物に毛髪のほとんど若しくは全てが接触するのに十分な量である。組成物を皮膚に適用する場合、有効量は、ケラチン性組織の約0.01g組成物/cm2〜約1g組成物/cm2を含み得る。
【0148】
V.商業物品
本発明は、本明細書に記載される1つ以上の組成物を含む商業物品、並びに皮膚及び/又は毛髪等のケラチン性組織への洗浄効果、利益、迅速に起泡する発泡体、迅速にすすげる発泡体、清潔なすすぎ発泡体、及びこれらの組み合わせをもたらすように、組成物をケラチン性組織に適用することを消費者に指示する文書を提供する。文書は、組成物を包む包装に直接又は間接的に添付され得る。あるいは、文書は製品と関連付けられた電子又は同報メッセージであってもよい。あるいは、文書は少なくとも1つの活用可能性、性能、際立った特徴及び/又は製品の制限について記載してもよい。
【実施例】
【0149】
実施例1−界面活性剤の組み合わせのスクリーニング評価(Sitaフォームテスタ)
本実施例は、穏やかな攪拌条件の下での界面活性剤の瞬間的な発泡傾向を実証する。
【0150】
Sita試験方法
SITAフォームテスタR−2000を使用して、製品及び/又は特定の界面活性剤及び/又は他の原材料の固有の発泡性を測定する。シャンプー用途のための界面活性剤及び活性材料の固有の発泡性を測定するために、以下の手順に従う。
【0151】
原液:0.1w/v%のNaClを含む界面活性剤の500mLの原液を、シャンプーと逆浸透(RO)水(周囲温度又は高温のいずれか)の1:10の希釈を表す濃度に調製する。全ての固体が溶解し、試料が適切な温度に到達した際、pHを、HCl又はNaOHを使用して、7.0+/−0.5に調節する。最後に、硬度溶液の原液を試料に入れ、水の硬度を6gpg(3:1Ca:Mg)(平均的な北米の水条件を表す)増加させる。硬度溶液を添加したらすぐに、試料を1分間混合し(磁気攪拌プレートで)、次いで、直ちにSITAフォームテスタR−2000試料リザーバに移す。直ちに、試験溶液をSITAリザーバに移して、SITA試験を開始する。
【0152】
SITAフォームテスタR−2000:それぞれの試料をSITAで試験する前に、試料リザーバ、試料ライン、攪拌容器、及びロータを含む、機器を完全に洗浄しなければならない。SITAコンピュータソフトウェアを使用して、以下の攪拌及び測定サイクルを制御する:300mLまで試料を充填し、9つの測定サイクルのそれぞれの前に、500rpmで20秒間攪拌する。特許権を有する検知技術(「泡の山(foam hill)を特定するように設置された導電性プローブによって、装置が、表面特性を計算し、よって発泡体の容積を計算することを可能にする)によって、それぞれの攪拌サイクル間で発泡体の容積を測定する。
【0153】
所与の試料の全体的な発泡体の生成の特性を示すように、SITA発泡体容積(mL)を、攪拌時間(秒)に対してプロットする。180秒の時点を、試料の固有の発泡性の説明として記録する。
【0154】
低温でのC14の溶解限度により、40℃で16%の界面活性剤の濃度で行われる、本組成物の測定値を図1に報告する。Sitaフォームテスタ評価において、100mLの発泡体の容積が、シャンプーの界面活性剤の典型的な使用時の濃度で、記載される方法に従って生成される場合、界面活性剤は、シャンプー組成物に好適であると見なされる。C12及びSLS(ラウリル硫酸ナトリウム、約68/27/5の割合のC12/C14/C16鎖長の混合物)が、シャンプー組成物に好適であると示されているが、図1は、硫酸ウンデシルが、鎖長C8〜C14及びSLSに対して、予想外の、より高い起泡特性を有することを実証する。
【0155】
実施例2−共界面活性剤によるSita発泡体試験*
【0156】
【表1】

*本実施例は、40℃で実施した。
【0157】
実施例2は、硫酸ウンデシルが、硫酸ラウリルよりも高い瞬間的な起泡を提供することを実証する。更に、本明細書に開示する共界面活性剤は、硫酸ウンデシルの瞬間的な起泡を更に一層改善し、優れた発泡体容積を可能にする。
【0158】
実施例3−瞬間的な起泡のSitaスクリーニング*
【0159】
【表2】

*本実施例は、室温(25℃)で実施した。
【0160】
実施例3からのこのデータが示すように、硫酸ウンデシル及び硫酸ウンデセス(1)は、従来の発泡増進剤であるココアミドプロピルベタイン(CAPB)及びココモノエタノールアミド(CMEA)を含むラウリルベースの材料よりも良好な瞬間的な起泡を提供する。
【0161】
実施例4−アニオン及び共界面活性剤によるSita発泡体試験*
【0162】
【表3】

*本実施例は、室温(25℃)で実施した。
【0163】
実施例4は、より低い総アニオン性濃度では、ウンデシルベースの界面活性剤は、ラウリル界面活性剤よりも良好であることを実証する。共界面活性剤群は、ラウリル群及びウンデシル系の群の両方の起泡特性を改善する。類似の組成の共界面活性剤を含むウンデシルベースの系は、瞬間的な起泡において優れている。
【0164】
実施例5−比較シャンプー製剤の例及び房起泡特性
方法
房起泡試験方法は、シャンプー製品の起泡の容易性及び容積を評価するように設計される。アジア人の自然な毛髪の房(平坦構造、15g/25.4cm(10インチ))を、ヘキサン溶液からの0.1gの人口皮脂で均一に処理し、現実的な汚れの程度にする。起泡評価において、房をまず水道水(37.8℃(100°F)、硬度7〜10gpg)で濡らし、1gのH2O/1gの毛髪の含水量となるように脱液する。0.75mLの製品を房の中心に適用し、次いで、房の下部で円を描くように5回なでて、毛髪に製品をこすりつけて、製品を均等に分配する。この後、前後に40回なでる。起泡の容易さを、一杯に起泡するのに必要な、なでる回数によって判定する。
【0165】
前後に40回なでた後、作業者の手袋から泡を回収し、メスシリンダーに入れる。毛髪に残る泡を下方向に1回なでる(搾り取る)ことで集め、初期量に加える。起泡容積の合計を記録する。それぞれの試験製品につき3回行い、3つの値の平均を計算し、それを、処理あたりの起泡容積を表すために使用する。高(典型的な浄化シャンプー製剤)及び中程度(典型的なコンディショニングシャンプー製剤)の市販製品が、典型的に基準対照として含まれる。
【0166】
典型的なレベルの皮脂を有する実際のヒトの毛髪繊維が、泡生成の基質であるため、本試験方法は、シャンプーの使用時の起泡性能のより現実的な基準を表す。また、これは、発泡体を回収し、その容積を測定する際に、起泡の安定性も評価する。不安定な発泡体は、これらの実験において顕著に減少した容積を示すであろう。また、これは、実際の消費者の使用終了時の応力が加わった濃度での使用条件を表す、1:20に希釈した製品も使用する。対照プロトタイプ(8:4:1.2、SLS、SLE(3)S、CMEA、追加のコンディショニング成分(カチオン性ポリマー、シリコーン、有機油)を含まない)は、典型的に、より高い総アニオン性界面活性剤及び共界面活性剤レベルを有する、コンディショニングシャンプーに典型的な起泡特性を呈する。したがって、それは代表的な標線である。
【0167】
製剤
以下の実施例は、一般的に最高の起泡容積特性を提供する、典型的な浄化シャンプー製剤である。評価は、高対照として典型的な浄化シャンプー製剤を用いる房起泡試験方法に従い実施する。典型的なコンディショニングシャンプー製剤を、コンディショニングシャンプーの典型である中程度の対照として使用する。生成される相対容積を、この対照に対して指数化する。これらの製品の典型的な相違は、典型的な浄化シャンプー製剤の起泡容積が30%高いことである。
【0168】
【表4】

【0169】
【表5】

【0170】
以下の表6は、浄化シャンプーにおける種々の共界面活性剤を有するウンデシルとラウリル鎖長の比較である。
*典型的な浄化シャンプー製剤(処方38)の結果は、上記の最初のデータ列に提示されるのもである。
【0171】
【表6】

【0172】
本試験は、ウンデシルベースの浄化シャンプーベースにおいて、ナトリウム及びアンモニウム型の両方が、ラウリルベースのシャンプーベースと比較して、低い濃度で同等の起泡容積を提供することを確認する。更に、それはまた、ラウリルベースの組成物を、同等の濃度(共界面活性剤を含む)で使用して、ラウリルベースのシャンプーベースと比較して、優れた起泡容積を提供することができることを実証する。また、ラウリルベースの系において、より低い共界面活性剤濃度を使用して、少なくとも同等の起泡容積を提供することができる。更に、従来の共界面活性剤に対して、共界面活性剤1,2−デカンジオールを有する組成物はまた、顕著に低レベルで優れた起泡を提供する。
【0173】
実施例6−コンディショニングシャンプーの房起泡
本実施例に使用される典型的なコンディショニングシャンプー製剤の処方は、上記の実施例5に記載されるものと同じである。
【0174】
以下の表7は、コンディショニングシャンプーベースの界面活性剤系における、種々の共界面活性剤を有する、ウンデシルとラウリル鎖長の界面活性剤の比較である。対照界面活性剤系は、処方56である。処方56は、記載されるコンディショニングシャンプーと等しい起泡特性を有し、コンディショニング剤を含まない界面活性剤系の相対比較を可能にする。
【0175】
【表7】

【0176】
実施例6の試験は、皮脂を有する毛髪の束におけるウンデシルベースの界面活性剤対それらのラウリルベースの対応物の起泡の優位性を確認する。一連の種々の共界面活性剤は、これらの製剤におけるそれらの起泡増進機能を確認する。上記の一連の共界面活性剤は、CMEA含有組成物に対して優れた起泡特性を提供する。
【0177】
実施例7
本実施例に使用される典型的なコンディショニングシャンプー製剤の処方は、上記の実施例5に記載されるものと同じである。
【0178】
以下の表8は、コンディショニングシャンプーベースの界面活性剤系における、種々の共界面活性剤を有する、ウンデシルとラウリル鎖長の界面活性剤の比較である。対照界面活性剤系は処方69である。これは、記載されるコンディショニングシャンプーと等しい起泡特性を有し、コンディショニング剤を含まない界面活性剤系の相対比較を可能にする。
【0179】
【表8】

【0180】
共界面活性剤の追加の評価は、対照製品よりも改善された起泡特性を提供し、効果的なシャンプー界面活性剤ベースであることを示す。
【0181】
(実施例8)
毛髪の泡のすすぎ方法
毛髪の泡のすすぎ方法は、濃度、温度、水流、及び水質の中間使用条件下での、シャンプー製品のすすぎ時間を評価するように設計される。4グラム、20cm(8インチ)の房を、流速0.65〜0.70gpmで、37.8℃(100°F)、硬度7〜10gpgの水で、10秒間予備湿潤する。余分な水を絞り取り、毛髪1gに対して1gのH2Oの含水量を達成する。0.4gのシャンプーを、毛髪の房の中央部に適用し、房を中央で折り曲げ、30秒間前後運動させて泡を生成させる。起泡量及び質感の評価を記録する。房を折り曲げ、水を房に適用する。ストップウォッチを同時に始動させ、房の泡の完全な消失(流れる水が透明)の時間を記録する。それぞれの製品を3回試験し、平均すすぎ時間を判定する。典型的な試験は、最大10のプロトタイプ製品を分析し、例えば、典型的なコンディショニングシャンプー製剤(表4、処方36)及び典型的な浄化シャンプー製剤(表5、処方37)といった、内部対照が常に含まれる。
【0182】
【表9】

製品9=高浄化対照
製品10=高コンディショニング対照
【0183】
上記の表9から、処方80のすすぎ時間は、ウンデシルベースの界面活性剤の使用が、ラウリルベースの系(処方78、79、81、及び82)に対して、起泡を犠牲にすることのない、許容可能な目標すすぎ時間を提供することを示す。更に、処方83〜85において、ウンデシルベースの界面活性剤をラウリルベースの系に添加することで、ラウリルのみ(78、79、81、及び82)に対して、すすぎ時間が減少する。したがって、本実施例は、高コンディショニング対照と本質的に等しい房起泡指数を有するウンデシル由来のコンディショニング製品のすすぎ時間が、浄化シャンプーの速いすすぎ時間に等しいことを実証する。
【0184】
実施例8−ポンプフォーマー製品
以下の表10の実施例は、高性能のハンドソープ製品を、ウンデシルベースの界面活性剤から生成することができることを実証する。それらを豊かな発泡体として分配するためのポイントは、製剤の粘度を60cps未満に保つことである。ウンデシルベースの界面活性剤は、この結果を達成する上でのポイントである。シャンプー及びハンドソープ製剤の両方の実施例を以下に示す。標準的なラウリルベースの界面活性剤単独では、溶媒及び向水性物質なしでこの低粘度を達成することはできない。
【0185】
【表10】

【0186】
実施例9−コンディショニングボディソープ
表11に記載される以下の実施例は、硫酸ウンデシルナトリウムを含む本発明の構造化界面活性剤組成物の非限定例を示す。
【0187】
【表11】

【0188】
表11で上述される組成物は、従来の処方及び混合技術により調製することができる。構造化界面活性剤相組成物は、まずクエン酸を水に1:3の割合で添加し、クエン酸プレミックスを形成して、調製する。ポリオックスWSR301及びキサンタンガムをトリデセス−3に添加することによって、ポリマープレミックスを調製する。次いで、以下の成分を以下の順で、継続的に攪拌しながら主混合容器に添加する:水、塩化ナトリウム、N−ハンスポリマー、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、トリデセス−3を含むポリマープレミックス、トリデセス硫酸ナトリウム、硫酸ウンデシルナトリウム、安息香酸ナトリウム、及びEDTA二ナトリウム。クエン酸プレミックスを添加して、pHを5.7±0.2に調節する。均質になるまで攪拌を継続しながら、香料及びカトンCGを添加する。
【0189】
構造化界面活性剤相は、本明細書に開示される超遠心分離試験方法によって測定した際、約83%の層状相を含有する。硫酸ウンデシルを含む構造化界面活性剤相は、本明細書に開示されるレオロジー方法によって測定した際、約7884PaSのゼロずり粘度を有する。
【0190】
表12に記載される以下の実施例は、硫酸ウンデシルナトリウムを含む本発明の多相組成物の非限定例を示す。
【0191】
【表12】

【0192】
脂質相は、G2218ペトロラタム及びハイドロブライト(Hydrobrite)1000鉱油を180℃に加熱することによって調製する。次いで、ペトロラタム及び鉱油を混合容器に加え、攪拌する。次いで、混合物を約45℃に冷却する。均質になるまで攪拌しながら、脂質相を構造化界面活性剤相に添加する。多相の相組成物を10日間49℃で静置する。複数の相が依然として残存している場合、多相組成物は安定している。
【0193】
追加の代表的な抗ふけ製剤
【0194】
【表13】

【0195】
【表14】

【0196】
降伏応力及びゼロずり粘度方法:本組成物の相の降伏応力及びゼロずり粘度は、組成物を組み合わせる前、又は遠心分離、ピペット、機械的な切取、すすぎ、ろ過、若しくは他の分離手段等の好適な物理的分離手段によって、相を分離することにより、組成物を合わせた後に測定することができる。
【0197】
TAインスツルメンツAR2000レオメーター(TA Instruments AR2000 Rheometer)のような応力制御レオメーターが、降伏応力及びゼロずり粘度を決定するために用いられる。測定は、4cm直径の平行プレート測定システム及び1mmの間隙を用いて25℃で実行される。その幾何学構造は、得られたトルクを応力に変換するために、79580m-3の剪断応力係数を有する。鋸歯状のプレートを使用して、すべりが生じたときに一貫した結果を得ることができる。
【0198】
第1に、相の試料が取得され、レオメーターの基準プレート上の適所に設置され、測定用幾何学構造(上部プレート)が基準プレートの1mm上の位置に移動する。幾何学構造の端における余剰相は、幾何学構造を固定した後でこすることにより除去される。数平均直径が約150マイクロメートルより大きい、目又は感触により識別可能な粒子(例えば、ビーズ)を相が含む場合、基準プレートと上部プレートとの間の間隙設定は、4mmか、又は95体積パーセンタイル粒径(volume percentile particle diameter)の直径の8倍かの小さい方にまで増加される。いずれかの寸法が5mmより大きい任意の粒子を相が有する場合には、その粒子は測定前に取り除かれる。
【0199】
測定は、対数による漸進、即ち測定点が対数尺上に均等の間隔で並んだものを使用して、4分の時間間隔により、0.1Pa〜1,000Paの漸増する連続的剪断応力のプログラム化された適用を介して実行される。10の応力増加あたり三十(30)の測定点が得られる。応力、ひずみ、及び粘度を記録する。測定結果が不完全である場合、例えば、物質が間隙から流れる場合には、得られた結果を審査し不完全なデータ点を排除する。降伏応力は次のように決定する。応力(Pa)及びひずみ(単位なし)データは、それらの対数(基数10)を取ることにより変形する。応力0.2Pa〜2.0Paで得られたデータのみ、約30点について、log(応力)をlog(ひずみ)に対してグラフ化する。1Paの応力での粘度が、500Pa−s未満であるが、75Pa−sより大きい場合、0.2Pa〜1.0Paのデータのみについて、log(応力)をlog(ひずみ)に対してグラフ化し、その後次の数学的手順を行う。1Paの応力での粘度が75Pa−s未満である場合、ゼロずり粘度は、試験において得られる4つの最も高い粘度値(即ち個々の点)のメジアンであり、降伏応力は0であり、次の数学的手順は使用されない。数学的手順は次のようである。指示された応力領域において対数に変形されたデータを用いて、結果について、最小二乗法による直線回帰が実行され、次の形式の方程式が得られる:
(1)Log(ひずみ)=m*Log(応力)+b
【0200】
0.1〜1,000Paの測定での各応力値(即ち、個々の点)について得られる回帰を用いて、log(ひずみ)の予測値を、得られた係数m及びb、並びに実際の応力を使用し、方程式(1)を用いて得る。予測されたlog(ひずみ)から、真数(即ち、各xについて、10x)を取ることにより、各応力での予測されたひずみを得られる。予測されたひずみを、各測定点での実際のひずみと比較して、方程式(2)を用いて、各点での偏差%を得る。
【0201】
(2)偏差%=100*(測定されたひずみ−予測されたひずみ)/測定されたひずみ
降伏応力は、偏差%が10%を超える最初の応力(Pa)であり、その後(より高い)応力は、流れの開始又は構造の変形のために10%より更に大きい偏差を結果として生じる。0.1Paと降伏応力とを包含し、これらの間で得られる粘度データについて、パスカル−秒(Pa−s)による粘度の第1メジアン値を取ることによりゼロずり粘度を得る。第1メジアン粘度を取った後、第1メジアン値の5倍より大きく、及び0.2xメジアン値より小さいすべての粘度値が排除され、同じ粘度データの第2メジアン粘度値を、指示されたデータ点を排除して得る。そのようにして得られた第2メジアン粘度は、ゼロずり粘度である。
【0202】
剪断指数(n)及び稠度値(K):剪断指数(n)及び稠度値(K)は既知であり、指数法則モデルを用いて、適用される剪断速度によって異なる粘度を有する物質の粘度特性を報告する手段として認められている。本明細書で使用するとき、用語「稠度値」又は「K」は、粘度の尺度であり、その粘度が剪断速度の関数である物質の粘度を定義するため、剪断指数と組み合わせて使用される。稠度値及び剪断指数の測定は、25℃で行う。「稠度値」又は「K」の単位はパスカル秒である。「剪断指数」の単位は、無次元である。
【0203】
相の粘度は、剪断応力を適用し、TAインスツルメンツAR2000(TA Instruments AR2000)(米国19720デラウェア州ニューキャッスル(New Castle)のTAインスツルメンツ(TA Instruments))のようなレオメーターを使用して剪断速度を測定することにより測定することができる。粘度は、異なる剪断速度で、以下の方法により測定される。最初に、有益相が取得される。例えば、シリコーンオイル相及び炭化水素相のような、1を超える区別可能な(例えば、不混和性の)有益相が組成物中に存在する場合、それらは好ましくは別個に調製されるか、並びに/又は互いに分離され、互いに別個に評価されるが、エマルションのような混合物である特定の有益相は、個々の有益相を個々に評価することに加えて、混合物として評価され得る。
【0204】
測定については、1mmの間隙を有する40mm直径の平行プレート幾何学構造が、0.25mmを超える粒子が存在しない限り使用され、存在する場合は2mmの間隙が使用される。レオメーターは、標準平行プレート仕様を使用して、端における剪断速度を試験の剪断速度として報告し、係数2/(πR3)を使用して、トルクを応力に変換する。スパチュラを使用して、少し余剰の有益相を含む試料が、25℃であるレオメーター基準プレート上に載せられ、間隙が取得され、最上部測定用幾何学構造の外側の余剰組成物が取り除かれ、最上部プレートを適所に、余剰試料を取り除く間に固定する。試料を、基板温度に2分間平衡化する。50秒の逆数(1/秒)の剪断速度での15秒間の剪断を含む事前剪断工程を実行する。当業者に既知であるように、平行プレート構造での剪断速度は、縁部における剪断速度として表され、これは最大剪断速度でもある。予備剪断工程の後に測定が実行され、これは応力を10Paから1,000Paまで、25℃で2.0分間隔において漸増させながら、均等の間隔に並んだ直線回帰中の60の粘度データ点を収集することを含む。少なくとも500 1/秒の剪断速度が試験中に得られるか、あるいは、少なくとも500 1/秒の剪断速度が測定期間中に得られるまで、より高い最終応力値にて、同じ成分の新しい試料を用いて、時間あたりの応力増加の同じ速度を維持して、試験は繰り返される。測定の間は、トップ平行プレート下の領域は、いずれの端の位置においても、測定中に試料がなくならないように試料を観察して確かめるか、あるいは試験の持続時間中、試料が残っている間は測定が繰り返される。いくつかの試行後、端の試料がなくなったために結果を得ることができない場合には、物質の余剰蓄積を端に残しながら(削らない)測定を繰り返す。試料がなくなることが、なお回避できない場合には、装填中のくぼみを避けるために、多量の余剰試料を有する同心円筒形状が使用される。結果は、25〜500 1/秒の剪断速度の間のデータポイントのみ、Pa−sの粘度、1/秒の剪断速度を選択することにより、並びに指数法則の方程式に従ったK及びnの値を得るために粘度の対数対剪断速度の対数の最小二乗回帰を使用することで、指数法則のモデルに適合される。
μ=K(γ’)(n-1)
【0205】
log−logの傾きについて得られる値が(n−1)であり、その場合nは剪断指数であり、Kについて得られる値が、Pa−sの単位で表される稠度値である。
【0206】
構造化界面活性剤の安定性を判定するための超遠心分離「第3相」方法:超遠心分離「第3相」方法を使用して、パーソナルケア組成物における構造化界面活性剤相の安定性を判定する。
【0207】
この方法は、超遠心分離による組成物の、分離しているが区別可能な層への分離を伴う。本発明のパーソナルケア組成物は、複数の区別できる層、例えば、非構造化界面活性剤層、不透明な構造化界面活性剤層、透明な「第3相」層、及び効果相層を有することができる。
【0208】
迅速な安定性エイジングプロトコルを以下に記載する。容器を82.2℃(180°F)まで加熱することによって脂質混合物を調製し、ペトロラタム(メキシコのキデサ(Quidesa)社のキデサペトロラタム(Quidesa Petrolatum))及びハイドロブライト(Hydrobrite)1000白色鉱油(米国WITCOより)を65:35の重量比で添加する。ゆっくりと攪拌しながら(200rpm)容器を43℃(110°F)に冷却する。攪拌を停止し、容器を周囲温度に一夜冷却する。36グラムの脂質混合物(65/35 Pet/MO)を約44グラムの構造化界面活性剤組成物に添加する。スパチュラを使用して、5分間、界面活性剤と脂質を一緒に混合する。混合した試料を48.9℃(120°F)で10日間静置する。迅速なエイジング安定性試験後、約4グラムの組成物をベックマン(Beckman)遠心管(11×60mm)に移す。遠心管をベックマン(Beckman)LE−80超遠心分離機に設置し、超遠心分離機を以下の条件で操作する:50,000rpm、2時間、及び40℃。
【0209】
超遠心分離後、図2に示されるように、電子デジタルキャリパー(0.01mm以内)を使用して、種々の界面活性剤相の高さを測定することによって、第3相の容積を判定する。EXPANCEL(登録商標)ミクロスフェア、ペトロラタム、鉱油、及び構造化界面活性剤相を含む、洗浄組成物の実施例を図2に示す。
【0210】
EXPANCEL(登録商標)中空ミクロスフェア等の密度変性剤を使用する場合、最上層は主に、EXPANCEL(登録商標)ミクロスフェアを含む。上から2番目の層は、透明な鉱油層である。上から3番目の層は、ペトロラタム層である。ペトロラタム層よりも下の層は、水性界面活性剤を含有し、以下のとおり特徴付けられる:Haは、全ての水性及び/又は水性界面活性剤層の高さであり、Hbは、ペトロラタム層の直下の透明な「第3相」層の高さである。材料の移動を最小限にするように、超遠心分離が終了して30分後以内の読取値を記録することが重要である。第3相の容積は、以下のように計算される:第3相の容積%=Hb/Ha*100%。
【0211】
好ましくは、構造化界面活性剤組成物は、迅速なエイジングプロトコルの後、5%未満の「第3相」容積を有する。より好ましくは、構造化界面活性剤組成物は、迅速なエイジングプロトコルの後、2%未満の「第3相」容積を有する。最も好ましくは、構造化界面活性剤組成物は、迅速なエイジングプロトコルの後、1%未満の「第3相」容積を有する。
【0212】
亜鉛含有製品中の亜鉛反応活性度の評価方法
亜鉛反応活性度は、亜鉛イオンの化学的利用能の基準である。溶液中で他の化学種と錯体を形成しない可溶性亜鉛塩は、定義上100%の相対亜鉛反応活性度を有する。部分的に可溶性形態の亜鉛塩の使用及び/又はマトリクスへの潜在的錯体(complexants)の組み込みは、一般に亜鉛反応活性度を定義された最大100%未満に実質的に低下させる。
【0213】
亜鉛反応活性度は、希釈亜鉛含有溶液又は分散液と金属クロム染料キシレノールオレンジ(XO)とを組み合わせ、特定条件下で色の変化の程度を測定することによって評価される。色形成の規模は、反応活性度の高い亜鉛の濃度に比例する。開発された手順は、水性界面活性剤製剤について最適化されているが、他の物理製品形態にも同様に適応できる。
【0214】
分光光度計を使用して、XOに関して最適な色変化の波長である572nmでの色の変化を定量化する。分光光度計は、潜在的に反応度の高い形態の亜鉛以外を除くこと以外は試験製品の組成に近い製品対照を利用して、572nmでの吸光度を0に設定する。次いで、対照及び試験製品を、以下のように同様に処理する。50μlの製品試料を瓶に分配し、95mLの脱気した蒸留水を加え、攪拌する。pH5.0の5mLの23mg/mLキシレノールオレンジ原液を試料瓶にピペットで移す。これは、時間0と見なされる。次いで、希釈したHCl若しくはNaOHを使用して、pHを5.50±0.01に調節する。10.0分後、試料の一部を濾過し(0.45μ)、吸光度を572nmで測定する。次いで、測定した吸光度を、別に測定した対照と比較して、相対亜鉛反応活性度(0〜100%)を決定する。100%反応活性度の対照を、亜鉛基準で等濃度にて組み込まれた可溶性亜鉛物質(例えば硫酸亜鉛)の利用を除いて、試験製品と同様にマトリックスに調製する。100%反応活性度の対照の吸光度を、上記で試験物質について測定したように測定する。相対亜鉛反応活性度は、好ましくは約15%より高く、より好ましくは約20%より高く、更に好ましくは約25%よりも高い。
【0215】
この方法を使用して、以下の実施例は、固有の反応活性度が低い物質(ZnO)と比較して、アニオン性界面活性剤系での反応活性度が本質的に高い物質(塩基性炭酸亜鉛)を実証する。
【0216】
【表15】

1単一界面活性剤系:6%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)
【0217】
粒径測定方法
酸化亜鉛及び水亜鉛鉱の原材料に対する粒径分析を、ホリバLA−910粒径分析装置(Horiba LA-910 Particle Size Analyzer)を使用して実施する。ホリバLA−910(Horiba LA-910)機器は、小角のフラウンホーファー回折(Fraunhofer Diffraction)及び光散乱(Light Scattering)の原理を用いて粒子の希釈溶液中での粒径及び分布を測定する。これら2つの種類の原材料の試料を、ラウリルポリエーテルアルコールの希釈溶液中に予め分散させ、混合してから、機器に導入する。導入したら、試料を更に希釈し、機器内に循環させてから、測定を実施する。測定後、計算アルゴリズムを使用してデータを処理し、粒径及び分布の両方を得る。D(50)は、中央粒径値、又は粒子の量の50%がその粒径未満であることに相当する粒径である。D(90)は、粒子の量の90%がその粒径未満であることに相当する粒径である。D(10)は、粒子の量の10%がその粒径未満であることに相当する粒径である。
【0218】
この方法を使用して、以下の実施例は、塩基性炭酸亜鉛についての粒径と相対亜鉛反応活性度との間の関係を実証する。
【0219】
【表16】

1粉砕方法
2粒径測定
【0220】
表面積測定方法
表面積の分析を、マイクロメリティクスオートポアIV(Micromeritics Auto Pore IV)を使用して実施する。マイクロメリティクスオートポアIVは、非湿潤性の液体、より具体的には水銀の、小孔内への浸透を支配する、毛管の法則(capillary law)の原理を使用して、全孔表面積を測定する。この法則は、ウォッシュバーン(Washburn)の式によって表される:
D=(1/P)4γcosφ
式中、Dは孔の直径、Pは加えられる圧力、γは水銀の表面張力、φは水銀と試料との間の接触角である。ウォッシュバーン(Washburn)の式は、すべての孔が円筒状であると仮定している。代表的な表面積測定を塩基性炭酸亜鉛に対して実施したが、それについて以下に記載する。
【0221】
【表17】

1.炭酸亜鉛AC(Zinc Carbonate AC)として市販
2.炭酸亜鉛(Zinc Carbonate)として市販
【0222】
略語の要点
ALS−アンモニウムラウリル硫酸塩
ALE(3)S−アンモニウムラウレス(3)硫酸塩
AM:TRI−Polyquat 76
SLS−ラウリル硫酸ナトリウム
SLE(1)S−ラウレス(1)硫酸ナトリウム
SLE(3)S−ラウレス(3)硫酸ナトリウム
SLS w/C10−20%デシル硫酸塩を含むラウリル硫酸ナトリウム
C11S−硫酸ウンデシル
C11E(1)−硫酸ウンデセス(1)
CAPB−ココアミドプロピルベタイン
CocoB−ココベタイン
CMEA−ココモノエタノールアミド
EGDS−エチレングリコールジステアレート
グアー−ヒドロキシヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(カチオン性ポリマー)
LP−シリコーン−大粒子(>20um)シリコーン
DC 1872又はミクロシリコーン1872−ダウ・コーニングシリコーンマイクロエマルション
PQ−10 Polyquat−10
PS 1:2:1−C13〜C15スルホン酸パラフィン
NSKKbrC12−硫酸ヒドロキシエチル−2−ドデシルエーテルのナトリウム塩
SCS−クメンスルホン酸ナトリウム
Neo67S又はNeodol67硫酸塩−線状直鎖及び分枝状ヘキサデシル及びヘプタデシルアルコール硫酸塩の混合物
Neodol23硫酸塩−線状及び分枝状ドデシル及びトリデシルアルコール硫酸塩の混合物
Lial23−線状及び分枝状ドデシル及びトリデシルアルコール硫酸塩の混合物
ZPT−ジンクピリジンチオン
【0223】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に指定されない限り、各こうした寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0224】
「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であることを容認するものとして解釈すべきではない。本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれた文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいては、本書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0225】
本発明の特定の諸実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚科学的に許容可能な担体と、
a)R1−O(CH2CHR3O)y−SO3M、
b)CH3−(CH2)z−CHR2−CH2−O(CH2CHR3O)y−SO3M、及び
c)これらの混合物、
からなる群から選択される、3%〜40%、好ましくは3%〜37%の少なくとも1つの硫酸ウンデシル化合物と、を含み、
式中、R1は、CH3(CH2)10を表し、R2は、H、又はz及びR2の炭素原子の合計が8になるように1〜4個の炭素原子を含む炭化水素ラジカルを表し、R3は、H又はCH3であり、yは、0〜7であり、yの平均値は、y=0ではないときには1であり、Mは、好ましくはアンモニウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、トリエタノールアミンカチオン、及びこれらの混合物からなる群から選択される、一価又は二価の正電荷を持つカチオンである、パーソナルケア組成物。
【請求項2】
美的効果剤を、好ましくはカチオン性ポリマー、コンディショニング剤、頭皮ケア剤、粒子、着色剤、抗ふけ剤、レオロジー変性剤、スキンケア活性物質、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される美的効果剤を、追加で含む、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項3】
0.5%〜10%の共界面活性剤を、好ましくはココモノエタノールアミド、ココアミドプロピルベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン、ココベタイン、ラウリルベタイン、ラウリルアミンオキシド、ラウリルアンホ酢酸ナトリウム、及びこれらの混合物、より好ましくはアルキルグリセリルエーテル、アルキル−ジ−グリセリルエーテル、1,2−アルキル環状サルファイト、1,2−アルキル環状炭酸塩、1,2−アルキル−エポキシド、アルキルグリシジルエーテル、及びアルキル−1,3−ジオキソラン(アルキル基は、直鎖又は分枝鎖構成の6〜14個の炭素原子を含有する)、総炭素含有量が直鎖又は分枝鎖の6〜14個の炭素原子である1,2−アルカンジオール、メチル−2−ヒドロキシ−デシルエーテル、ヒドロキシエチル−2−ドデシルエーテル、ヒドロキシエチル−2−デシルエーテル、及びこれらの混合物からなる群から選択される0.5%〜10%の共界面活性剤を、更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物が、3%〜37%の少なくとも1つの追加の界面活性剤、好ましくはアニオン性界面活性剤を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
1つの追加の界面活性剤は、少なくとも50%の異方性相を含む構造化界面活性剤であり、好ましくは該異方性相が、別個の構造化ドメインを形成する、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記カチオン性ポリマーが、3−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(APTAC)、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、[(3−メチルアクリロイルアミノ)プロピル]トリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)、3−メチル−1−ビニルイミダゾリウムクロリド(QVI)、[2−(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド、及び[2−(アクリロイルオキシ)プロピル]トリメチルアンモニウムクロリドのモノマーの、非架橋カチオン性ホモポリマーから選択され、本明細書において、同様に有用である、請求項13に記載の組成物。
【請求項7】
前記カチオン性ポリマーが、コポリマーから選択され、該コポリマーが、以下の式:
【化1】

によって表され、
式中、Rは、H又はC1〜4アルキルであり、R1及びR2は独立して、H、C1〜4アルキル、CH2OCH3、CH2OCH2CH(CH3)2、及びフェニルからなる群から選択されるか、又は共にC3〜6シクロアルキルである、少なくとも1つの非イオン性モノマー単位と、
式:
【化2】

によって表され、
式中、k=1であり、v、v’、及びv”のそれぞれは、独立して1〜6の整数であり、wは、ゼロ又は1〜10の整数であり、X-は、アニオンである、少なくとも1つのカチオン性モノマー単位と、を含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項8】
前記カチオン性ポリマーが、セルロース又はグアー沈着ポリマーから選択され、前記パーソナルケア組成物の目的とする用途のpHで0.5meq/g〜4.0meq/gの電荷密度を有する、請求項13に記載の組成物。
【請求項9】
前記抗ふけ剤が、ピリジンチオン塩、亜鉛含有層状物質、ケトコナゾール、エコナゾール、及びエルビオール等のアゾール、硫化セレン、粒子状硫黄、サリチル酸、及びこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは前記抗ふけ剤が、不安定な亜鉛、ピリチオンの多価金属塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項13に記載の組成物。
【請求項10】
レオロジー変性剤を追加で含み、前記レオロジー変性剤が、セルロース系レオロジー変性剤、架橋アクリレート、架橋無水マレイン酸コ−メチルビニルエーテル、疎水変性会合性ポリマー、又はこれらの混合物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、請求項1に記載の組成物を含み、10〜100cpsの粘度を有する、ポンプフォーマー内で使用するための組成物。
【請求項12】
3,000cps〜500,000cpsの粘度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
a.少なくとも1つのアニオン性界面活性剤と、
b.1,2−アルキル環状サルファイト、1,2−アルキル環状炭酸塩、アルキルグリシジルエーテル、アルキル−1,3−ジオキソラン、総炭素含有量が直鎖又は分枝鎖の6〜14個の炭素原子である1,2−アルキル−エポキシド、ヒドロキシ−エチル−2−ドデシルエーテル、ヒドロキシエチル−2−デシルエーテル、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの共界面活性剤と、
c.皮膚科学的に許容可能な担体と、を含む、パーソナルケア組成物。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−500789(P2011−500789A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−530612(P2010−530612)
【出願日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際出願番号】PCT/IB2008/054385
【国際公開番号】WO2009/053931
【国際公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】