説明

硬化性樹脂組成物、当該硬化物、およびこれらから誘導される各種物品

【目的】本発明は、従来のアルコキシ基を残存させたシルセスキオキサンおよびこれを含有する硬化性組成物の安定性が非常に悪いという欠点を解消した紫外線硬化が可能な実質的にシラノール基を含まないシルセスキオキサン化合物を含有する硬化性組成物を提供すること。
【解決手段】一般式(1):R1Si(OR23(1)(式中、R1は少なくとも1つのエポキシ基を有する炭素数1〜8の炭化水素基、または少なくとも1つのエポキシ基を有する芳香族炭化水素基を表し、R2は水素原子、炭素数1〜8の炭化水素基、または芳香族炭化水素基を表す)で示されるエポキシ基含有アルコキシシラン類(a1)およびエポキシ基を有しない金属アルコキシド類(a2)を{(a2)のモル数}/{(a1)のモル数と(a2)のモル数との合計}(モル比)が0.8以下となるように含有する混合物を、固体触媒を用いて加水分解、縮合させることによって得られる実質的にシラノール基を含まないエポキシ基含有シルセスキオキサン(A)ならびにエポキシ樹脂用硬化剤(B)を必須成分として含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱硬化性あるいは紫外線硬化性樹脂組成物、当該組成物を紫外線硬化させて得られる硬化物、およびこれらから誘導される各種物品に関する。
【背景技術】
【0002】
一般式[RSiO3/2で表されるシルセスキオキサン化合物の合成法としては、フェニルトリクロロシランを加水分解し、その後水酸化カリウム(KOH)を用い平衡化反応させる方法(非特許文献1)をはじめ多くの方法が知られている。一般的に、加水分解反応、縮合反応を迅速に行うために酸性または塩基性触媒を併用することが多い。シルセスキオキサンの合成における酸性触媒としては通常ギ酸や酢酸等の有機酸や塩酸、硫酸等の鉱酸が用いられる(特許文献1)。塩基性触媒としてはKOHやNaOH等のアルカリ塩類やトリエチルアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどの有機アミンやアンモニウムヒドロキシド類が用いられる。
【0003】
一般的に、シルセスキオキサン化合物は水酸基やアルコキシ基がほぼ消費された構造となっているため、安定性に優れた化合物である。しかしながらコーティング剤や封止材として使用する際には、残存水酸基や残存アルコキシ基が少なないために、基材への密着性や強度といった性能が不足する問題があった。
【0004】
この問題を解決するために、水酸基やアルコキシ基を残存させた状態のシルセスキオキサン化合物の合成が試みられているが、特に水酸基を残存させた状態のシルセスキオキサンの安定性を向上させることは非常に困難であった。水酸基を残存させた際の安定性の悪化は、シルセスキオキサン化合物の合成の際に用いた酸、あるいは塩基性の加水分解、縮合触媒が残存し、活性の高い反応性基である水酸基の縮合反応を進行させてしまうことが原因である。
【0005】
また、アルコキシ基を残存させた状態のシルセスキオキサン化合物の合成は一般的な酸あるいはアルカリ触媒を用いた場合、アルコキシ基の残存率や分子量の制御が非常に困難という問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−291313号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Brown J. F.ら、ジャーナル オブ ジ アメリカン ケミカル ソサエティ(J.Am.Chem.Soc,)82, 6194‐6195,1960
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来のアルコキシ基を残存させたシルセスキオキサンおよびこれを含有する硬化性組成物の安定性が非常に悪いという欠点を解消した硬化が可能な実質的にシラノール基を含まないシルセスキオキサン化合物を含有する硬化性組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の実質的にシラノール基を含まないエポキシ基含有シルセスキオキサンおよびエポキシ樹脂用硬化剤とからなる組成物、およびその熱硬化物あるいは紫外線硬化物によって上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、一般式(1):R1Si(OR23(1)(式中、R1は少なくとも1つのエポキシ基を有する炭素数1〜8の炭化水素基、または少なくとも1つのエポキシ基を有する芳香族炭化水素基を表し、R2は水素原子、炭素数1〜8の炭化水素基、または芳香族炭化水素基を表す)で示されるエポキシ基含有アルコキシシラン類(a1)およびエポキシ基を有しない金属アルコキシド類(a2)を{(a2)のモル数}/{(a1)のモル数と(a2)のモル数との合計}(モル比)が0.8以下となるように含有する混合物を、固体触媒を用いて加水分解、縮合させることによって得られる実質的にシラノール基を含まないエポキシ基含有シルセスキオキサン(A)ならびにエポキシ樹脂用硬化剤(B)を必須成分として含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物;当該組成物を硬化させて得られることを特徴とする硬化物;当該硬化性樹脂組成物を基材に塗布、硬化させることにより、コーティング層が形成されていることを特徴とする物品;当該硬化性樹脂組成物を被着物に塗布し、これの塗布面と別の部材とを貼りあわせ、ついで硬化させて得られることを特徴とする多層構造体;当該硬化性樹脂組成物を封止材として用い、硬化させて得られることを特徴とする封止物品に関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、耐熱性、耐薬品性、表面硬度などの諸特性が改善された硬化物を提供しうる熱硬化性または紫外線硬化性樹脂組成物を提供できる。また該熱硬化性または紫外線硬化性樹脂組成物から得られる本発明の硬化物は、コーティング剤、接着剤、封止材などとして有用である。当該コーティング剤は、物品の製造に、当該接着剤は、多層構造体の製造に、当該封止剤は、封止物品の製造に用いることができる。本発明による物品は導光板、偏光板、液晶パネル、ELパネル、PDPパネル、OHPフィルム、光ファイバー、カラーフィルター、光ディスク基板、レンズ、液晶セル用プラスチック基板またはプリズムなどの光学部材用途として有用である。本発明による多層構造体は液晶パネル、ELパネル、PDPパネル、カラーフィルターまたは光ディスク基板などのディスプレイ部材用途として有用である。本発明による封止物品は、発光素子、受光素子、光電変換素子、または光伝送関連部品などの電子部品用途として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例4および比較例4で得られた硬化物の粘弾性測定による動的貯蔵弾性率の測定結果である。
【図2】実施例5で得られた硬化物の各波長での透過率を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明で用いられるエポキシ基含有シルセスキオキサン(A)(以下、成分(A)という)は、一般式(1):RSi(OR((式中、Rは少なくとも1つのエポキシ基を有する炭素数1〜8の炭化水素基、または少なくとも1つのエポキシ基を有する芳香族炭化水素基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜8の炭化水素基、または芳香族炭化水素基を表す)で示されるエポキシ基含有アルコキシシラン類(a1)(以下、成分(a1)という)およびエポキシ基を有しない金属アルコキシド類(a2)(以下、成分(a2)という)を{成分(a2)のモル数}/{成分(a1)のモル数と成分(a2)のモル数との合計}(モル比)が0.8以下となるように含有する混合物を、固体触媒を用いて加水分解および縮合して得られる化合物である。
【0014】
成分(a1)の具体例としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシランなどが挙げられ、該例示化合物はいずれか単独で、または適宜に組み合わせて使用できる。該例示化合物のうち、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランは、加水分解反応の反応性が高く、かつ入手が容易であるため特に好ましい。
【0015】
また、成分(a2)の具体例としては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシランなどのトリアルキルアルコキシシラン類、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシランなどのジアルキルジアルコキシシラン類、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランなどのアルキルトリアルコキシシラン類、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランなどのテトラアルコキシシラン類、3−アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロイルプロピルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリ(2−メトキシエトキシ)シランなどのエチレン性不飽和結合アルコキシシラン類、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタンなどのテトラアルコキシチタン類、テトラエトキシジルコニウム、テトラプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウムなどのテトラアルコキシジルコニウム類などを使用しうる。成分(a2)は、いずれか単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、トリアルキルアルコキシシラン類、ジアルキルジアルコキシシラン類、テトラアルコキシシラン類を用いることで、成分(A)の架橋密度を調整することができる。アルキルトリアルコキシシラン類を用いることで、成分(A)中に含まれるエポキシ基を有する炭化水素基の量を調整することができる。テトラアルコキシチタン類、テトラアルコキシジルコニウム類を用いることで、最終的に得られる紫外線硬化物の屈折率を高くすることができる。
【0016】
成分(a2)を成分(a1)と併用する場合は、{成分(a2)のモル数}/{成分(a1)のモル数と成分(a2)のモル数との合計}(モル比)が0.8以下とすることが好ましい。0.8を超える場合、得られる成分(A)中に含まれるエポキシ基を有する炭化水素基のモル数が少なくなるため、紫外線硬化性が低下するとともに、硬化物の硬度などの物性についての改善効果も不十分となる傾向がある。また、[成分(a1)および成分(a2)に含まれる各アルコキシ基の合計モル数]/[成分(a1)のモル数と成分(a2)のモル数との合計](モル比:成分(A)1分子あたりに含まれるアルコキシ基の平均個数を示す)が2.5以上3.5以下であることが好ましく、2.7以上3.2以下であることがより好ましい。2.5未満の場合、得られる成分(A)の架橋密度が低く、硬化物の耐熱性が低下する傾向がある。また、3.5を超える場合、成分(A)を製造する際、ゲル化しやすくなる。
【0017】
本発明に用いられる成分(A)は、成分(a1)単独やこれに成分(a2)を併用して、それらを加水分解後、縮合させて得ることができる。加水分解反応によって、成分(a1)や成分(a2)に含まれるアルコキシ基が水酸基となり、アルコールが副生する。加水分解反応に必要な水の量は、[加水分解反応に用いる水のモル数]/[成分(a1)と成分(a2)に含まれる各アルコキシ基の合計モル数](モル比)が0.4以上10以下であればよく、好ましくは1である。0.4未満の場合、成分(A)中に加水分解されずに残るアルコキシ基が多くなるため好ましくない。また、10を超える場合、後に行う縮合反応(脱水反応)の際に除くべき水の量が多くなるため、経済的に不利である。
【0018】
また、成分(a2)としてテトラアルコキシチタン類、テトラアルコキシジルコニウム類等、特に加水分解性および縮合反応性の高い金属アルコキシド類を併用する場合には、急速に加水分解および縮合反応が進行し、系がゲル化してしまう場合がある。この場合、成分(a1)の加水分解反応を終了させ、実質的にすべての水が消費された状態にした後、該成分(a2)を添加することによって、ゲル化を避けることができる。
【0019】
加水分解反応に用いられる固体触媒は、エチレン性不飽和結合含有アルコキシシラン類(a1)、エチレン性不飽和結合を有しない金属アルコキシド類(a2)、及びこれらの加水分解物、エチレン性不飽和結合含有シルセスキオキサン(A)、加水分解や縮合時に用いる溶剤、水に不溶のものであって、酸性あるいは塩基性のイオン性基を有する、室温で固体の触媒材料である。加水分解反応に用いる固体触媒の具体例としては、イオン交換樹脂、活性白土、カーボン系固体酸等が挙げられ、該例示化合物はいずれか単独で、または適宜に組み合わせて使用できる。該例示化合物のうち、イオン交換樹脂は、加水分解反応の反応性が高く、かつ入手が容易であるため特に好ましい。イオン交換樹脂としては、強酸型陽イオン交換樹脂、弱酸型陽イオン交換樹脂、強塩基型陰イオン交換樹脂、弱塩基型陰イオン交換樹脂を使用でき、それらの市販品としては、強酸型陽イオン交換樹脂としては、ダイヤイオン SKシリーズ、同UBKシリーズ、同PKシリーズ、同HPK25・PCPシリーズ(いずれも三菱化学(株)製)、アンバーライト IR120B、同IR124、同200CT、同252、アンバージェット 1020、同1024、同1060、同1220、アンバーリスト 15DRY、同15JWET、同16WET、同31WET、同35WET(いずれもオルガノ(株)製)など、弱酸型陽イオン交換樹脂としては、ダイヤイオン WKシリーズ、同WK40(いずれも三菱化学(株)製)、アンバーライト FPC3500、同IRC76(いずれもオルガノ(株)製)など、強塩基型陰イオン交換樹脂としてはダイヤイオン SAシリーズ、同UBA120、同PA300シリーズ、同PA400シリーズ、同HPA25(いずれも三菱化学(株)製)、アンバーライト IRA400J、同IRA402BL、同IRA404J、同IRA900J、同IRA904、同IRA458RF、同IRA958、アンバージェット 4400、同4002、同4010(いずれもオルガノ(株)製)など、弱塩基型陰イオン交換樹脂としては、ダイヤイオン WA10、同WA20シリーズ、同WA30(いずれも三菱化学(株)製)、アンバーライト IRA410J、同IRA411、同IRA910CT、同IRC747UPS、同IRC748、同IRA743、アンバーリスト A21(いずれもオルガノ(株)製)などを使用しうる。反応速度や副反応の抑制などにより使用するイオン交換樹脂のタイプを任意に選択できるが、反応性から強酸型陽イオン交換樹脂および強塩基型陰イオン交換樹脂が特に好ましい。
【0020】
加水分解反応に用いられる固体触媒の粒子径平均粒子径は、100μm〜5mm程度であることが好ましく、300μm〜2mm程度であることがより好ましい。2mmを超えると表面積が小さくなり反応性が低くなる。300μmより小さいと触媒を濾過で取り除く際に濾過できなかったり、時間がかかったりする。
【0021】
加水分解反応に用いられる固体触媒の添加量は、成分(a1)および成分(a2)の合計100重量部に対して0.1〜25重量部であることが好ましく、1〜10重量部であることがより好ましい。25重量部よりも多いと、後に除くべき触媒の量が多くなるため、経済的に不利である。また0.1重量部よりも少ないと、実質的に反応が進行しなかったり、反応時間が長くなったりする傾向がある。反応温度、時間は、成分(a1)や成分(a2)の反応性に応じて任意に設定できるが、通常0〜100℃程度、好ましくは20〜80℃、1分〜4時間程度である。
【0022】
該加水分解反応は、溶剤の存在下または不存在下に行うことができる。溶剤の種類は格別限定されず、任意の溶剤を1種類以上選択して用いることができるが、後述の縮合反応に用いる溶剤と同一のものを用いることが好ましい。成分(a1)や成分(a2)の反応性が低い場合は、無溶剤で行うことが好ましい。
【0023】
上記方法で加水分解反応を行うが、[加水分解されてできた水酸基のモル数]/[成分(a1)と成分(a2)に含まれる各アルコキシ基の合計モル数](モル比)が0.5以上になるように進行させることが好ましく、0.8以上に調整することがさらに好ましい。加水分解反応に続く縮合反応は、加水分解で生じた水酸基間だけでなく、該水酸基と残存アルコキシ基との間でも進行するため、少なくとも半分(モル比が0.5以上)が加水分解されていればよい。
【0024】
縮合反応においては、前記の水酸基間で水が副生し、また水酸基とアルコキシ基間ではアルコールが副生して、ガラス化する。縮合反応には、加水分解反応に用いた固体触媒をそのまま用いてもよいし固体触媒を濾別後、別の固体触媒を用いてもよい。また、加水分解反応に用いた固体触媒を濾別後、無触媒で縮合反応を行ってもよいし、公知の塩基性の脱水縮合触媒を任意に用いてもよい。反応温度、時間は成分(a1)や成分(a2)の反応性に応じてそれぞれ任意に設定できるが、通常は20〜150℃程度、好ましくは40〜100℃、30分〜12時間程度である。
【0025】
塩基性の脱水縮合触媒は、格別限定はされず、従来公知の塩基性の脱水触媒を任意に用いることができる。具体例としては、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH))などのアルカリ塩類、プロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、s−ブチルアミン、アリルアミン、イソアミルアミン、2―エチルヘキシルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−アミノプロパノール、エタノールアミン、2−エチルヘキシロキシプロピルアミン、3−ラウリロキシプロピルアミン、エチレンジアミン、アニリン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジイソブチルアミン、メチルヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、N−メチルヘキシルアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、トリ−2−エチルヘキシルアミン、トリアリルアミン、メチルジアリルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ジメチルアミノエチルアミン、エチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、1、2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、メチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N−メチルモルフォリン、N−アミノプロピルモルフォリン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ヘキサメチレンテトラリン、ピペリジン、2−ピペコリン、4−ピペコリン、N−メチルピペリジン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、ジメチルベンジルアミン、フェネチルアミン、シクロヘキシルアニリン、ピロリジン、ピロール、ピペラジン、N−メチルピペラジン、ピラジン、2−メチルピラジン、2,5−ジメチルピラジン、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、2,6−ルチジン、2,4−ルチジン、2,4,6−コリジン、3ーアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、4−ヒドロキシピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エンなどの有機アミン類、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾールなどのイミダゾール類、テトラメチルアンモニウムヒロドキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドなどのアンモニウムヒドロキシド類、アンモニアなどがあげられる。該例示化合物はいずれか単独で、または適宜に組み合わせて使用できる。該例示化合物のうち、NaOH、KOH、トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、テトラメチルアンモニウムヒロドキシドは、縮合反応の反応性が高く、かつ入手が容易であるため特に好ましい。
【0026】
塩基性の脱水縮合触媒の添加量は、成分(a1)および成分(a2)の合計100重量部に対して0.001〜0.1重量部であることが好ましく、0.01〜0.05重量部であることがより好ましい。0.1重量部よりも多いと、反応性が高くなりすぎ、分子量の制御が困難になる。また0.001重量部よりも少ないと、実質的に反応が進行しなかったり、反応時間が長くなったりする傾向がある。
【0027】
また、塩基性の脱水縮合触媒としては塩基型陰イオン交換樹脂を前記塩基性の脱水触媒の代わりにまたは前記塩基性の脱水触媒と併用して用いることができる。塩基型陰イオン交換樹脂としては強塩基型陰イオン交換樹脂、弱塩基型陰イオン交換樹脂があげられる。当該イオン交換樹脂は縮合反応の反応性が高く、かつ入手が容易であるため特に好ましい。
【0028】
本発明に用いられる塩基性の脱水縮合触媒としての塩基型陰イオン交換樹脂の添加量は、成分(a1)および成分(a2)の合計100重量部に対して0.1〜25重量部程度であることが好ましく、1〜10重量部であることがより好ましい。25重量部よりも多いと、後に除くべき触媒の量が多くなるため、経済的に不利である。また0.1重量部よりも少ないと、反応時間が長くなる傾向がある。
【0029】
上記方法で縮合反応を行うが、[未反応の水酸基および未反応のアルコキシ基の合計モル数]/[成分(a1)や成分(a2)に含まれる各アルコキシ基の合計モル数](モル比)が0.3以下になるように進行させることが好ましく、0.2以下に調整することがさらに好ましい。0.3を超える場合、未反応の水酸基およびアルコキシ基が紫外線硬化性樹脂組成物の保管中に縮合反応してゲル化したり、硬化後に縮合反応し揮発分が発生してクラックが発生するなど、硬化物の性能を損なうことがあるため注意が必要である。
【0030】
当該縮合反応は、溶剤の存在下または不存在下に行うことができる。溶剤の種類は格別限定されず、任意の溶剤を1種類以上選択して用いることができるが、縮合反応によって生成する水およびアルコールより高い沸点を有する溶剤を用いれば、反応系中よりこれらを留去することができるため好ましい。また、前述の加水分解反応に用いる溶剤と同一のものを用いることが好ましい。
【0031】
当該縮合反応の終了後、用いた触媒を除去すると、最終的に得られる紫外線硬化性樹脂組成物の安定性が向上するため好ましい。除去方法は、用いた触媒に応じて公知各種の方法から適宜に選択できる。例えば、塩基性イオン交換樹脂を用いた場合は当該触媒を濾別するだけでよいし、アルカリ塩類や高沸点のアミン類、アンモニウムヒドロキシドなどを用いた場合は酸性イオン交換樹脂による吸着により容易に除去できる。また、低沸点のアミン類を用いた場合は、縮合反応の終了後、該沸点以上に加熱したり、減圧したりして容易に除去できる。
【0032】
当該縮合反応の終了後、縮合反応により発生した水を除去すると、最終的に得られる紫外線硬化性樹脂組成物の安定性が向上したり、残存アルコキシ基の加水分解を抑制できるため好ましい。除去方法は、該沸点以上に加熱したり、減圧したり、脱水剤を用いたりして容易に除去できる。
【0033】
本発明に用いられるエポキシ樹脂用硬化剤(B)としては、格別限定されず、従来公知のエポキシ樹脂用硬化剤またはエポキシ基開環重合触媒を任意に選択できる。エポキシ樹脂用硬化剤としては、通常、エポキシ樹脂の硬化剤として使用されている、フェノール樹脂系硬化剤、ポリアミン系硬化剤、ポリカルボン酸系硬化剤、イミダゾール系硬化剤等を特に制限なく使用できる。具体的には、フェノール樹脂系のものとしては、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールノボラック樹脂、ポリp−ビニルフェノール等があげられ、ポリアミン系硬化剤としてはジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジシアンジアミド、ポリアミドアミン(ポリアミド樹脂)、ケチミン化合物、イソホロンジアミン、m−キシレンジアミン、m−フェニレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、N−アミノエチルピペラジン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジシアンジアミド等があげられ、ポリカルボン酸系硬化剤としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサクロルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチル−3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸があげられ、またイミダゾール系硬化剤としては、2-メチルイミダゾール、2-エチルへキシルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2‐フェニルイミダゾール、1-シアノエチル‐2‐フェニルイミダゾリウム・トリメリテート、2‐フェニルイミダゾリウム・イソシアヌレート等があげられる。
【0034】
当該エポキシ樹脂用硬化剤の使用割合は、通常、エポキシ基含有シルセスキオキサン(A)が有するエポキシ基1当量に対し、エポキシ樹脂用硬化剤中の活性水素を有する官能基が0.2〜1.5当量程度となるような割合で配合される。
【0035】
また、当該樹脂組成物には、硬化反応を促進するための硬化促進剤を更に配合してもよい。当該硬化促進剤としては、例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの三級アミン類;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾールなどのイミダゾール類;トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類;テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレートなどのテトラフェニルボロン塩などがあげられる。当該硬化促進剤の使用量は、成分(A)100重量部に対し、通常は0.1〜5重量部程度である。
【0036】
当該樹脂組成物には本発明の効果を損なわない範囲で、各種用途での必要性に応じて、可塑剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、増白剤、着色剤、導電剤、離型剤、表面処理剤、粘度調節剤、フィラー等を配合してもよい。
【0037】
本発明の硬化物は、前記の熱硬化性樹脂組成物を室温〜250℃で硬化させることにより得られる。硬化温度は、エポキシ樹脂用硬化剤の種類によって適宜決定できる。当該硬化剤として、フェノール樹脂系硬化剤やポリカルボン酸系硬化剤を用いる場合には、100〜250℃で硬化させるのが好ましい。ポリアミン系硬化剤を用いると室温〜100℃の低温硬化が可能である。
【0038】
当該樹脂組成物の構成成分とし得る、前記エポキシ基開環重合触媒としては、特に限定はなく、各種公知のものが使用できるが、例えば、芳香族スルホニウム、芳香族ヨードニウム、芳香族ジアゾニウム、芳香族アンモニウム、η5−シクロペンタジエル−η6−クメニル−Fe塩系などから選ばれる少なくとも1種のカチオンと、BF4−、PF6−、SbF6−から選ばれる少なくとも1種のアニオンとから構成されるオニウム塩などがあげられ、当該使用量は当該複合体やその分散物100重量部に対し、通常は0.1〜10重量部程度である。このようなエポキシ基開環重合触媒は、1種を単独で用いてもよいし2種類以上を併用してもよい。
【0039】
前記した芳香族スルホニウム塩系のエポキシ基開環重合触媒としては、例えば、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド
ビスヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド
ビステトラフルオロボレート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、(2−エトキシ−1−メチル−2−オキソエチル)メチル−2−ナフタレニルスルホニウム
ヘキサフルオロホスフェート、(2−エトキシ−1−メチル−2−オキソエチル)メチル−2−ナフタレニルスルホニウム ヘキサフルオロアチモネート、(2−エトキシ−1−メチル−2−オキソエチル)メチル−2−ナフタレニルスルホニウム
テトラフルオロボレート、(2−エトキシ−1−メチル−2−オキソエチル)メチル−2−ナフタレニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム
ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロアチモネート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム
テトラフルオロボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド
ビスヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド
ビステトラフルオロボレート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどがあげられる。
【0040】
前記した芳香族ヨードニウム塩系のエポキシ基開環重合触媒としては、例えば、ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウム
ヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウム テトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム
ヘキサフルオロホスフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム テトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム
ヘキサフルオロアンチモネート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム テトラフルオロボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどがあげられる。
【0041】
前記した芳香族ジアゾニウム塩系のエポキシ基開環重合触媒としては、例えば、フェニルジアゾニウム ヘキサフルオロホスフェート、フェニルジアゾニウム
ヘキサフルオロアンチモネート、フェニルジアゾニウム テトラフルオロボレート、フェニルジアゾニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどがあげられる。
【0042】
前記した芳香族アンモニウム塩系のエポキシ基開環重合触媒としては、例えば、1−ベンジル−2−シアノピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウム
ヘキサフルオロアンチモネート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウム テトラフルオロボレート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウム
ヘキサフルオロホスフェート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウム ヘキサフルオロアンチモネート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウム テトラフルオロボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウム
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどがあげられる。
【0043】
前記したη5−シクロペンタジエル−η6−クメニル−Fe塩系のエポキシ基開環重合触媒としては、例えば、η5−シクロペンタジエル−η6−クメニル−Fe(II)ヘキサフルオロホスフェート、η5−シクロペンタジエル−η6−クメニル−Fe(II)ヘキサフルオロアンチモネート、η5−シクロペンタジエル−η6−クメニル−Fe(II)テトラフルオロボレート、η5−シクロペンタジエル−η6−クメニル−Fe(II)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどがあげられる。
【0044】
(コーティング剤への適用)
熱硬化性樹脂組成物を所望の基材にコーティングし、熱硬化させることでコーティング層を得ることができる。基材としては、ガラス、鉄、アルミニウム、銅、スズドープ酸化インジウム(ITO)等の無機基材、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンテレフタレート(PEN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PSt)、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、等の有機基材など、各種公知のものを適宜に選択使用できる。また、熱硬化性組成物を溶剤希釈することで、コーティング性をある程度向上させることもできる。上述のような熱硬化性組成物をコーティングし、熱硬化させることで、導光板、偏光板、液晶パネル、ELパネル、PDPパネル、OHPフィルム、光ファイバー、カラーフィルター、光ディスク基板、レンズ、液晶セル用プラスチック基板、プリズム等の光学部材用途に適した物品を得ることができる。
【0045】
また、熱硬化性組成物から得られる硬化膜(コーティング層)の屈折率が基材の屈折率より高い場合には、反射防止効果を付与することができる。成分(A)の製造に際して、成分(a2)を成分(a1)と併用したりすることで、該熱硬化性組成物から得られる硬化膜の屈折率を向上させることができる。そのため、導光板、偏光板、液晶パネル、ELパネル、PDPパネル、OHPフィルム、光ファイバー、カラーフィルター、光ディスク基板、レンズ、液晶セル用プラスチック基板、プリズムに対して適用されるコーティング層に反射防止効果を付与したい場合には、熱硬化性組成物に成分(a2)を併用しておくことが好ましい。
【0046】
(接着剤への適用)
所定の基材(被着物)に当該硬化性樹脂組成物を塗布し、これの塗布面と別の部材とを貼りあわせ、ついで該組成物を熱硬化させることで目的とするディスプレイ部材用途に適した多層構造体を得ることができる。基材としては、前記のコーティング層形成時に用いたものと同様のものを使用できる。また、接着層の発泡を防ぐため、前述のように熱硬化性組成物中の揮発成分を10%未満、好ましくは5%未満にするか、張り合わせ前に揮発分を除去しておくのが好ましい。上述のような熱硬化性組成物で接着することで、接着層が透明な接着物が得られるため、液晶パネル、ELパネル、PDPパネル、カラーフィルター、光ディスク基板等を作成するのに好適である。
【0047】
(封止材への適用)
熱硬化性樹脂組成物を厚膜塗布し、または所定の型枠に流し込んだ後、熱硬化させることで、透明な硬化物で封止された封止物品を得ることができる。このような封止物品は、発光素子、受光素子、光電変換素子、光伝送関連部品等の電子部品用途に、特に好適である。
【0048】
本発明の熱硬化または紫外線硬化性樹脂組成物を用いて所望の硬化物を調製するためには、該組成物を所定の基材にコーティングし、または所定の型枠に充填し、溶剤を含む場合は該溶剤を揮発させた後、熱硬化、あるいは紫外線を照射すればよい。溶剤の揮発方法は溶剤の種類、量、膜厚等に応じて適宜決定すればよいが、40〜150℃程度、好ましくは60〜100℃に加熱し、常圧または減圧下で5秒〜2時間程度の条件とされる。熱硬化の場合は溶剤の揮発後、あるいは溶剤の揮発を含めて100〜250℃で硬化させるのが好ましい。紫外線硬化の場合は、紫外線の照射量は、紫外線硬化性樹脂組成物の種類、膜厚等に応じて適宜決定すればよいが、積算光量が50〜10000mJ/cm程度となるよう照射すればよい。また、厚膜でコーティングや充填を行った場合には、前述のように該組成物に光増感剤などを添加することにより、光硬化性を向上させることが好ましい。
【0049】
また、紫外線照射して得られた硬化物を、更に加熱することで、硬化物の物性を一層向上させることができる。加熱の方法は適宜決定すればよいが、40〜300℃程度、好ましくは100〜250℃に加熱し、1分〜6時間程度の条件とされる。
【実施例】
【0050】
以下、実施例および比較例をあげて本発明を具体的に説明する。なお、各例中、部および%は特記しない限り重量基準である。
【0051】
製造例1(縮合物(A−1)の製造)
攪拌機、冷却管、分水器、温度計、窒素吹き込み口を備えた反応装置に、3−エポキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製:商品名「KBM−403」)140部、メチルトリメトキシシラン(多摩化学工業(株)製:商品名「メチルトリメトキシシラン」)16.1部、イオン交換水17.2部([加水分解反応に用いる水のモル数]/[成分(a1)に含まれるアルコキシ基のモル数](モル比)=0.96)、酸性イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:商品名「ダイヤイオン PK228LH」)3.1部を仕込み、室温で5分間攪拌したのち、50℃で15分間加水分解反応させた。反応後、イオン交換樹脂の濾過を行い、加水分解物を得た。別に用意した前記と同様の反応装置にトルエン41.9部、塩基性イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:商品名「ダイヤイオン SA10AOH」)を2.1部仕込んで60℃に加熱し、ここに加水分解物を1時間かけて滴下し、そのまま60℃で20時間加熱して縮合反応させた。反応後、冷却し、イオン交換樹脂の濾過を行い、縮合物を得た。プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(日本乳化剤(株)製:商品名「MFG−AC」)41.8部を仕込み、加熱、減圧して、残存するメタノール、水、トルエンとプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの一部を留去することで、縮合物(A−1)を125g得た。[未反応のアルコキシ基のモル数]/[成分(a1)に含まれるアルコキシ基のモル数](モル比)は0.08、濃度は70%であった。得られた縮合物のH−NMR測定により4−6ppmの領域にシラノール基のピークがないことを確認した。
【0052】
製造例2(縮合物(A−2)の製造)
製造例1と同様の反応装置に、3−エポキシプロピルトリメトキシシラン100部、メチルトリメトキシシラン100部、イオン交換水27.8部([加水分解反応に用いる水のモル数]/[成分(a1)に含まれるアルコキシ基のモル数](モル比)=0.96)、酸性イオン交換樹脂5.0部を仕込み、80℃で30分間加水分解反応させた。反応後、イオン交換樹脂の濾過を行い、加水分解物を得た。別に用意した前記と同様の反応装置に加水分解物とトルエン50.0部を仕込んで80℃に加熱後、トリエチルアミン0.004部を仕込み、2時間保温して縮合反応させた。反応後、冷却し、縮合物を得た。プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート60.0部を仕込み、加熱、減圧して、残存するメタノール、水、トルエンとプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの一部を留去することで、縮合物(A−2)を172g得た。[未反応のアルコキシ基のモル数]/[成分(a1)に含まれるアルコキシ基のモル数](モル比)は0.08、濃度は70%であった。得られた縮合物のH−NMR測定により4−6ppmの領域にシラノール基のピークがないことを確認した。
【0053】
製造例3(縮合物(A−3)の製造)
製造例1と同様の反応装置に、3−エポキシプロピルトリメトキシシラン100部、フェニルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製:商品名「KBM−103」)100部、イオン交換水22.3部([加水分解反応に用いる水のモル数]/[成分(a1)に含まれるアルコキシ基のモル数](モル比)=0.96)、酸性イオン交換樹脂5.0部を仕込み、室温で5分間攪拌したのち、50℃で15分間加水分解反応させた。反応後、イオン交換樹脂の濾過を行い、加水分解物を得た。別に用意した前記と同様の反応装置にトルエン41.9部、塩基性イオン交換樹脂を2.1部仕込んで60℃に加熱し、ここに加水分解物を1時間かけて滴下し、そのまま60℃で20時間加熱して縮合反応させた。反応後、冷却し、イオン交換樹脂の濾過を行い、縮合物を得た。プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート65.0部を仕込み、加熱、減圧して、残存するメタノール、水、トルエンとプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの一部を留去することで、縮合物(A−3)を194g得た。[未反応のアルコキシ基のモル数]/[成分(a1)に含まれるアルコキシ基のモル数](モル比)は0.08、濃度は70%であった。得られた縮合物のH−NMR測定により4−6ppmの領域にシラノール基のピークがないことを確認した。
【0054】
製造例4(縮合物(A−4)の製造)
製造例1と同様の反応装置に、3−エポキシプロピルトリメトキシシラン100部、フェニルトリメトキシシラン15.0部、テトラブトキシジルコニウム30.0部、イオン交換水16.2部([加水分解反応に用いる水のモル数]/[成分(a1)に含まれるアルコキシ基のモル数](モル比)=0.96)、酸性イオン交換樹脂4.0部を仕込み、80℃で2時間加水分解・縮合反応させた。反応後、イオン交換樹脂の濾過を行い、縮合分解物を得た。別に用意した前記と同様の反応装置に加水分解物とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート45.0部を仕込み、加熱、減圧して、残存するメタノール、水とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの一部を留去することで、縮合物(A−4)を128g得た。[未反応のアルコキシ基のモル数]/[成分(a1)に含まれるアルコキシ基のモル数](モル比)は0.08、濃度は70%であった。得られた縮合物のH−NMR測定により4−6ppmの領域にシラノール基のピークがないことを確認した。
【0055】
比較製造例1(縮合物(A−5)の製造)
製造例1と同様の反応装置に、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製:商品名「KBM−403」)1000部、イオン交換水240部([加水分解反応に用いる水のモル数]/[成分(a1)に含まれるアルコキシ基のモル数](モル比)=1.05)、95%ギ酸9.0部、トルエン800部を仕込み、室温で30分間加水分解反応させた。反応後、加熱し、70℃まで昇温したところで、加水分解によって発生したメタノールが留去され始めた。30分かけて75℃まで昇温し、縮合反応によって発生した水を留去した。さらに30分、75℃で反応させた後、50℃で3時間、段階的に圧力を下げながら減圧して、残存するメタノール、水、ギ酸、トルエンを留去しプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1485g仕込み、縮合物(A−5)を2250g得た。[未反応の水酸基およびアルコキシ基のモル数]/[成分(a1)に含まれるアルコキシ基のモル数](モル比)は0.15、濃度は32.0%であった。得られた縮合物のH−NMR測定により4−6ppmの領域にシラノール基のピークが存在することを確認した。
【0056】
実施例1(熱硬化性組成物の製造)
製造例1で得られた縮合物(A−1)10部に対し、成分(B)としてフェノールノボラック樹脂(荒川化学工業(株):商品名「タマノル759」)5.22部([成分(A)に含まれるエポキシ基のモル数]/[成分(B)に含まれる反応性基のモル数](モル比)=1.0)、2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業(株)製:商品名「キュアゾール2E4MZ」)0.1部を配し、熱硬化性組成物とした。
【0057】
実施例2(熱硬化性組成物の製造)
製造例1で得られた縮合物(A−1)10部に対し、成分(B)としてヘキサヒドロ無水フタル酸と4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸との混合物(新日本理化(株):商品名「リカシッドMH−700」)8.20部([成分(A)に含まれるエポキシ基のモル数]/[成分(B)に含まれる反応性基のモル数](モル比)=1.0)、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(サンアプロ(株)製:商品名「DBU」)0.018部を配し、熱硬化性組成物とした。
【0058】
実施例3(紫外線硬化性組成物の製造)
製造例1で得られた縮合物(A−1)100部に対し、成分(B)としてサンエイドSI−L110(三新化学工業(株))2部を配し、紫外線硬化性組成物とした。
【0059】
実施例4(熱硬化物の製造)
実施例1で得られた熱硬化組成物を硬化後膜厚が約1mmとなるようアルミカップに流し込み、100℃で1時間、150℃で2時間硬化反応を行い熱硬化物とした。
【0060】
実施例5(熱硬化物の製造)
実施例2で得られた熱硬化組成物を硬化後膜厚が約1mmとなるようアルミカップに流し込み、100℃で1時間、150℃で2時間硬化反応を行い熱硬化物とした。
【0061】
実施例6(熱硬化物の製造)
実施例2で得られた熱硬化組成物をガラス上に膜厚100μmで塗布し、100℃で1時間、150℃で2時間硬化反応を行い熱硬化物とした。
【0062】
実施例7(紫外線硬化物の製造)
実施例3で得られた紫外線硬化組成物をガラス上に膜厚100μmで塗布し、120℃で30分間のプレキュア後、2000mJ/cmでUV照射(365nm高圧水銀灯)を行い、次いで200℃で1時間のアフターキュアを行い紫外線硬化物とした。
【0063】
実施例8〜11(熱硬化物の製造)
実施例1で得られた熱硬化組成物を表1に示す基材上に膜厚100μmで塗布し、100℃で30分間、150℃で2時間硬化反応を行い熱硬化物とした。
【0064】
【表1】

【0065】
表中、PCは、ポリカーボネート製テストパネル、PMMAは、ポリメタクリル酸メチル製テストパネル、PETは、ポリエチレンテレフタレート製テストパネル、TACは、トリアセチルセルロース製テストパネルを示す。
【0066】
実施例12(熱硬化物の製造)
製造例4で得られた縮合物(A−4)100部に対し、成分(B)としてサンエイドSI−L110(三新化学工業(株))2部を配し、紫外線硬化性組成物とし、これを硬化後膜厚が約0.5mmとなるようアルミカップに流し込み、120℃で30分間のプレキュア後、2000mJ/cmでUV照射(365nm高圧水銀灯)を行い、次いで200℃で1時間のアフターキュアを行い紫外線硬化物とした。
【0067】
比較例1(熱硬化性組成物の製造)
比較製造例1で得られた縮合物(A−5)10部に対し、成分(B)としてリカシッドMH−700 8.20部([成分(A)に含まれるエポキシ基のモル数]/[成分(B)に含まれる反応性基のモル数](モル比)=1.0)、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン0.018部を配し、熱硬化性組成物とした。
【0068】
比較例2(熱硬化性組成物の製造)
成分(A)の代わりとなる3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(ダイセル化学工業(株)製:商品名「セロキサイド2021P」、エポキシ当量126g/eq)10部に対し、タマノル759 8.09部([成分(A)に含まれるエポキシ基のモル数]/[成分(B)に含まれる反応性基のモル数](モル比)=1.0)、2E4MZ0.1部を配し、熱硬化性組成物とした。
【0069】
比較例3(熱硬化性組成物の製造)
成分(A)の代わりとなる3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート10部に対し、リカシッドMH−700 12.7部([成分(A)に含まれるエポキシ基のモル数]/[成分(B)に含まれる反応性基のモル数](モル比)=1.0)、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン0.023部を配し、熱硬化性組成物とした。
【0070】
比較例4(熱硬化物の製造)
比較例2で得られた熱硬化組成物を硬化後膜厚が約1mmとなるようアルミカップに流し込み、100℃で1時間、150℃で2時間硬化反応を行い熱硬化物とした。
【0071】
比較例5(熱硬化物の製造)
比較例3で得られた熱硬化組成物をガラス上に膜厚100μmで塗布し、100℃で1時間、150℃で2時間硬化反応を行い熱硬化物とした。
【0072】
安定性
実施例2で得られた熱硬化性組成物および、比較例1で得られた熱硬化性組成物を室温にて24時間保管した際の粘度安定性を評価した。結果を表2に示す。
○:粘度上昇が50%未満である。
×:粘度上昇が50%以上である。
【0073】
【表2】

【0074】
表2より明らかなように、実施例2は、比較例1と比べて、安定性が向上していることが分かる。
【0075】
耐熱性
実施例4および比較例4で得られた硬化物を5mm×25mmにカットし、粘弾性測定器(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製、商品名「DMS6100」、測定条件:振動数1Hz、スロープ3℃/分)を用いて動的貯蔵弾性率を測定して、耐熱性を評価した。測定結果を図1に示す。
【0076】
図1から明らかなように、比較例4では、硬化物は60℃付近で貯蔵弾性率が大幅に低下している。これに対し、実施例4は比較例4と比べて貯蔵弾性率の低下が少なくなり、より耐熱性に優れていると認められる。
【0077】
透明性
実施例5で得られた硬化物の各波長での透過率を図2に示す。図2から明らかなように、紫外線領域から可視光領域まで高い透過率を示している。
【0078】
無機材への密着性、鉛筆硬度
実施例6、7および比較例5で得られた熱硬化物をJIS K−5400の一般試験法による碁盤目セロハンテープ剥離試験、鉛筆硬度試験により評価した。結果を表3に示す。表3より明らかなように、実施例6および7は、比較例5と比べて、密着性は同等以上であるとともに鉛筆硬度が大きく向上していることが分かる。
【0079】
【表3】

【0080】
(有機材への密着性)
実施例8〜11で得られた硬化物をJIS K−5400の一般試験法による碁盤目セロハンテープ剥離試験により評価した。結果を表4に示す。表4より明らかなように、実施例8〜11の硬化物は有機基材への密着性が良好であることが分かる。
【0081】
【表4】

【0082】
屈折率
実施例12で得られた硬化物をアッベ屈折率計((株)アタゴ製:商品名「多波長アッベ屈折計 DR−M2」)を用いて589nmでの屈折率を測定した。結果を表5に示す。表5から明らかなように高い屈折率の得ることが可能である。
【0083】
【表5】

【0084】
耐熱性、透明性、密着性、硬度より、実施例1〜3の熱および紫外線硬化性組成物は、導光板、偏光板、液晶パネル、ELパネル、PDPパネル、OHPフィルム、光ファイバー、カラーフィルター、光ディスク基板、レンズ、液晶セル用プラスチック基板またはプリズムなどの光学部材用途として、液晶パネル、ELパネル、PDPパネル、カラーフィルターまたは光ディスク基板などのディスプレイ部材用途として、発光素子、受光素子、光電変換素子、または光伝送関連部品などの電子部品用途として好適であると認められる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1):
1Si(OR23 (1)
(式中、R1は少なくとも1つのエポキシ基を有する炭素数1〜8の炭化水素基、または少なくとも1つのエポキシ基を有する芳香族炭化水素基を表し、R2は水素原子、炭素数1〜8の炭化水素基、または芳香族炭化水素基を表す)で示されるエポキシ基含有アルコキシシラン類(a1)およびエポキシ基を有しない金属アルコキシド類(a2)を{(a2)のモル数}/{(a1)のモル数と(a2)のモル数との合計}(モル比)が0.8以下となるように含有する混合物を、固体触媒を用いて加水分解、縮合させることによって得られる実質的にシラノール基を含まないエポキシ基含有シルセスキオキサン(A)ならびにエポキシ樹脂用硬化剤(B)を必須成分として含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
【請求項2】
エポキシ基含有シルセスキオキサン(A)の製造に用いられる固体触媒が、イオン交換樹脂であることを特徴とする、請求項1、2のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項3】
請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物を硬化させて得られることを特徴とする硬化物。
【請求項4】
請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物を基材に塗布、硬化させることにより、コーティング層が形成されていることを特徴とする物品。
【請求項5】
コーティング層の屈折率が基材の屈折率よりも高い請求項4に記載の物品。
【請求項6】
光学部材用途に適した請求項5に記載の物品。
【請求項7】
請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物を被着物に塗布し、これの塗布面と別の部材とを貼りあわせ、ついで硬化させて得られることを特徴とする多層構造体。
【請求項8】
ディスプレイ部材用途に適した請求項7に記載の多層構造体。
【請求項9】
請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物を封止材として用い、硬化させて得られることを特徴とする封止物品。
【請求項10】
電子部品用途に適した請求項9に記載の封止物品。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−180463(P2012−180463A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−44691(P2011−44691)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【出願人】(000168414)荒川化学工業株式会社 (301)
【Fターム(参考)】