説明

硬化性樹脂組成物、接着性エポキシ樹脂ペースト、ダイボンド剤、非導電性ペースト、接着性エポキシ樹脂フィルム、非導電性エポキシ樹脂フィルム、異方性導電ペースト及び異方性導電フィルム

【課題】 高温高湿環境下、熱衝撃等の耐性を向上させ、高接着性、高導通信頼性及び良好な耐クラック性を有する硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、エポキシ樹脂用硬化剤とを含有し、粘弾性スペクトルにおけるtanδの最大値と、−40℃でのtanδの値との差が0.1以上であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高温高湿環境下、熱衝撃等の耐性を向上させ、高接着性、高導通信頼性及び良好な耐クラック性を有する硬化性樹脂組成物、接着性エポキシ樹脂ペースト、ダイボンド剤、非導電性ペースト、接着性エポキシ樹脂フィルム、非導電性エポキシ樹脂フィルム、異方性導電ペースト及び異方性導電フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
ドライバーICや、LED素子等のチップを基板に実装する工法としてはワイヤーボンド工法が用いられている。ワイヤーボンド工法は、図7に示すように、素子33と基板31の電気的接合をワイヤーボンド37で行う。素子33の接続端子36と基板31との接着には、ダイボンド材32を用いる。しかし、このようなワイヤーボンド37で電気的接続を得る方法では、電極(p電極34及びn電極35)からのワイヤーボンド37の物理的破断・剥離のリスクがあり、より信頼性の高い技術が求められている。また、素子33と基板31との接着プロセスは、一般的にオーブン硬化で行われるため、生産に時間がかかってしまう。
【0003】
ワイヤーボンドを用いない工法として、図8に示すように、素子33と基板31との電気的接続に、銀ペーストに代表される導電性ペースト39を用いる方法がある。しかし、このような導電性ペースト39は、接着力が弱く、封止樹脂41による補強が必要である。さらに、封止樹脂41の接着プロセスは、オーブン硬化で行われるため、生産に時間がかかってしまう。
【0004】
導電性ペーストを用いない工法として、素子33と基板31との電気的接続及び接着に、ACFなどの異方性導電接着剤を用いる方法がある。異方性導電接着剤は、接着プロセスが短いため、生産効率が良い。異方性導電接着剤としては、特に、安価であり、透明性、接着性、耐熱性、機械的強度、電気絶縁性等に優れるエポキシ樹脂がよく使用される。
【0005】
しかし、エポキシ樹脂をベース樹脂とした従来の接着剤を用いた異方性導電接着剤は、弾性率が高く、応力緩和しづらいため、鉛フリーハンダの対応リフロー試験、熱衝撃試験(TCT)、高温高湿試験、プレッシャークッカー(PCT試験等の信頼性試験を行うと、接続基板との熱膨張率差に基づく内部応力によって、導通抵抗の増大や接合面の剥離、接着剤(バインダー)のクラックが生じる問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−13416号公報
【特許文献2】特開2005−120357号公報
【特許文献3】特開平05−152464号公報
【特許文献4】特開2003−26763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、高温高湿環境下、熱衝撃等の耐性を向上させ、高接着性、高導通信頼性及び良好な耐クラック性を有する硬化性樹脂組成物、接着性エポキシ樹脂ペースト、ダイボンド剤、非導電性ペースト、接着性エポキシ樹脂フィルム、非導電性エポキシ樹脂フィルム、異方性導電ペースト及び異方性導電フィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、エポキシ樹脂用硬化剤とを含有する硬化性樹脂組成物であって、当該硬化性樹脂組成物の粘弾性スペクトルにおけるtanδの最大値と、−40℃での該tanδの値との差が0.1以上であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る硬化性樹脂化合物は、上記tanδの最大値が、−40℃以上100℃以下の範囲に含まれること特徴とする。また、本発明に係る硬化性樹脂化合物は、上記tanδの最大値と、−40℃での該tanδの値との差が、0.1以上かつ0.5以下であることを特徴とする。また、本発明に係る硬化性樹脂化合物は、6員環以上の環構造を持つ酸無水物が、4.5wt%以上含まれることを特徴とする。また、本発明に係る硬化性樹脂化合物は、グルタル酸無水物が、4.5wt%以上含まれることを特徴とする。また、本発明に係る硬化性樹脂化合物は、少なくとも分子量が5000以上の高分子量成分を5〜50wt%含有することを特徴とする。また、本発明に係る硬化性樹脂化合物は、上記高分子量成分のTgが、50℃以下であることを特徴とする。また、本発明に係る硬化性樹脂化合物は、上記高分子量成分が、反応性官能基を有することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る接着性エポキシ樹脂ペーストは、上記硬化性樹脂化合物からなることを特徴とする。
【0011】
本発明に係るダイボンド剤は、上記接着性エポキシ樹脂ペーストからなることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る非導電性ペーストは、上記接着性エポキシ樹脂ペーストからなることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る接着性エポキシ樹脂フィルムは、上記硬化性樹脂組成物がフィルム状に成型されてなることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る非導電性エポキシ樹脂フィルムは、上記接着性エポキシ樹脂フィルムからなることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る異方性導電ペーストは、上記接着性エポキシ樹脂ペースト中に導電性粒子が含有されていることを特徴とする。
【0016】
本発明に係る異方性導電フィルムは、上記接着性エポキシ樹脂フィルム中に導電性粒子が含有されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る硬化性樹脂組成物は、弾性スペクトルにおけるtanδの最大値と−40℃でのtanδの値との差が0.1以上を満足する。このような硬化性樹脂組成物を用いることにより、回路基板にチップ部品を実装して得た実装品に対して、高温高湿環境下、熱衝撃等が与えられても、回路基板とチップ部品との高い導通信頼性を維持し、耐クラック性を良好な状態に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施の形態に係る硬化性樹脂組成物に含まれる6員環以上の環構造を持つ酸無水物を模式的に示す図である。
【図2】硬化性樹脂化合物を用いた異方性導電フィルムを模式的に示す断面図である。
【図3】硬化性樹脂化合物を用いた異方性導電ペーストの温度に対する貯蔵弾性率E’を示すグラフである。
【図4】硬化性樹脂化合物を用いた異方性導電ペーストの温度に対する貯蔵弾性率E’及び損失弾性率E”を示すグラフである。
【図5】硬化性樹脂化合物を用いた異方性導電ペーストの温度に対する損失正接tanδを示すグラフである。
【図6】硬化性樹脂化合物を用いた異方性導電ペーストの温度に対する損失正接tanδを示すグラフである。
【図7】ダイボンド接着剤を用いて素子を基板上に接合した発光装置の構造を模式的に示す断面図である。
【図8】フリップチップ実装により素子を基板上に接合した発光装置の構造を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を適用した硬化性樹脂組成物の具体的な実施の形態の一例(以下、「本実施の形態」という)について、図面を参照しながら以下の順序で説明する。
1.硬化性樹脂組成物
1−1.エポキシ樹脂
1−2.硬化剤
1−3.高分子量成分
1−4.導電性粒子
1−5.他の添加物
1−6.硬化性樹脂組成物の製造方法
2.硬化性樹脂組成物を用いた他の実施の形態
3.実施例
【0020】
<1.硬化性樹脂組成物>
本実施の形態である硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、エポキシ樹脂用硬化剤とを含有し、粘弾性スペクトルにおけるtanδの最大値と、−40℃でのtanδの値との差が0.1以上である。
【0021】
tanδ(損失正接)とは、tanδ=E”/E’で表される式により算出され、0以上かつ1未満の値である。ここで、E”は損失弾性率であり、E’は貯蔵弾性率である。例えば、tanδは、粘弾性試験機により、所定の周波数で所定の温度範囲における貯蔵弾性率(E’)の粘弾性スペクトルと、損失弾性率(E”)の粘弾性スペクトルとを測定することにより、上記式から算出される。tanδは、値が大きいほど、エネルギーを吸収することを表し、高温高湿環境下、熱衝撃等が与えられても、接合面の剥離性やバインダーの耐クラック性が良好となる。
【0022】
ここで、硬化性樹脂組成物は、tanδの最大値と、−40℃でのtanδの値との差が大きすぎると、粘着剤が柔らかくなりすぎて、高温で粘着剤が伸びて剥がれが発生しやすくなり、その結果、例えば導通抵抗が増大して接続信頼性が低下してしまう。また、硬化性樹脂組成物は、tanδの最大値と、−40℃でのtanδの値との差が小さすぎると、粘着剤が硬くなりすぎて、高温高湿環境下、熱衝撃等が与えられると、接合面の剥離、接着剤のクラックが生じる問題等が起きてしまう。そこで、硬化性樹脂組成物は、耐クラック性及び導通信頼性の両方を良好にする観点から、tanδの最大値と、−40℃でのtanδの値との差を、0.1以上とする。このように、硬化性樹脂組成物は、粘弾性スペクトルにおけるtanδの最大値と、−40℃でのtanδの値との差が0.1以上を満たすことで、温度による粘弾性の差異を大きくし、応力緩和性を向上させることができる。これにより、例えば、高温高湿環境下、熱衝撃等が与えられても、回路基板とチップ部品との高い導通信頼性を維持し、耐クラック性、耐剥離性を良好な状態に維持することができる。
【0023】
また、硬化性樹脂組成物は、tanδの最大値が、−40℃以上100℃以下の範囲に含まれることが好ましい。この温度範囲は、使用環境下における耐性を保障するために設定したものであり、後述する熱衝撃試験の温度範囲である。
【0024】
また、硬化性樹脂組成物は、上述した耐クラック性及び導通信頼性の両方をより良好にする観点から、tanδの最大値と、−40℃でのtanδの値との差が、0.1以上かつ0.5以下であることが好ましい。
【0025】
<1−1.エポキシ樹脂>
エポキシ樹脂としては、脂環式エポキシ化合物や複素環系エポキシ化合物や水素添加エポキシ化合物などを主成分としたエポキシ系樹脂が好ましく挙げられる。
【0026】
脂環式エポキシ化合物としては、分子内に2つ以上のエポキシ基を有するものが好ましい。これらの脂環式エポキシ化合物は、液状であっても、固体状であってもよい。具体的には、グリシジルヘキサヒドロビスフェノールA、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’−4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート等が挙げられる。これらの脂環式エポキシ化合物の中では、硬化物にLED素子の実装等に適した光透過性を確保でき、速硬化性にも優れている点から、グリシジルヘキサヒドロビスフェノールA又は3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’−4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートが好ましい。
【0027】
複素環系エポキシ化合物としては、トリアジン環を有するエポキシ化合物が挙げられ、特に好ましくは、1,3,5−トリス(2,3−エポキシプロピル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオンが挙げられる。
【0028】
水素添加エポキシ化合物としては、上述の脂環式エポキシ化合物及び複素環系エポキシ化合物等の水素化合物や、その他公知の水素添加エポキシ樹脂を用いることができる。
【0029】
脂環式エポキシ化合物、複素環系エポキシ化合物及び水素添加エポキシ化合物は、単独で使用してもよいが、2種以上を併用してもよい。また、これらのエポキシ樹脂化合物に加えて、本発明の効果を損なわない限り、他のエポキシ化合物を併用してもよい。他のエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ヘキサヒドロビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールA、ジアリールビスフェノールA、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、クレゾール、テトラブロモビスフェノールA、トリヒドロキシビフェニル、ベンゾフェノン、ビスレゾルシノール、ビスフェノールヘキサフルオロアセトン、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン、ビキシレノール、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどの多価フェノールとエピクロルヒドリンとを反応させて得られるグリシジルエーテル、またはグリセリン、ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどの脂肪族多価アルコールとエピクロルヒドリンとを反応させて得られるポリグリシジルエーテル;p−オキシ安息香酸、β−オキシナフトエ酸のようなヒドロキシカルボン酸とエピクロルヒドリンとを反応させて得られるグリシジルエーテルエステル、あるいはフタル酸、メチルフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラハイドロフタル酸、ヘキサハイドロフタル酸、エンドメチレンテトラハイドロフタル酸、エンドメチレンヘキサハイドロフタル酸、トリメリット酸、重合脂肪酸のようなポリカルボン酸から得られるポリグリシジルエステル;アミノフェノール、アミノアルキルフェノールから得られるグリシジルアミノグリシジルエーテル;アミノ安息香酸から得られるグリシジルアミノグリシジルエステル;アニリン、トルイジン、トリブロムアニリン、キシリレンジアミン、ジアミノシクロヘキサン、ビスアミノメチルシクロヘキサン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホンなどから得られるグリシジルアミン;エポキシ化ポリオレフィン等の公知のエポキシ樹脂類が挙げられる。
【0030】
<1−2.硬化剤>
硬化剤としては、酸無水物、イミダゾール化合物、ジシアン等が挙げられる。これらの硬化剤の中では、硬化物を変色させ難い酸無水物、特に、脂環式酸無水物系硬化剤が好ましい。より具体的には、上述したように、応力緩和性を向上させて、耐剥離性及び耐クラック性を良好な状態にする観点から、脂環式酸無水物系硬化剤の中でも、6員環以上の環構造を有する酸無水物が特に好ましい。
【0031】
具体的には、6員環以上の環構造を有する酸無水物としては、例えば図1に示すアジピン酸無水物、イサト酸無水物、グルタコン酸無水物、1,4−オキサチアン−2,6−ジオン、1,4−ジオキサン−2,6−ジオン、ジエチルグルタル酸無水物が挙げられる。また、その他の6員環以上の環構造を有する酸無水物としては、例えば、ピメリン酸無水物、スベリン酸無水物、アゼライン酸無水物、セバシン酸無水物等が挙げられる。これらの中で、アジピン酸無水物は、図1に示すように、アジピン酸が分子内脱水縮合反応を起こすことで得られる。また、ピメリン酸無水物、スベリン酸無水物、アゼライン酸無水物及びセバシン酸無水物は、例えば、図1に示すピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸が、それぞれ分子内脱水縮合反応を起こすことで得られる。
【0032】
これらの6員環以上の環構造を有する酸無水物は、添加量が少なすぎると未硬化のエポキシ化合物が多くなり、添加量が多すぎると余剰の硬化剤の影響で被着体材料の腐食が促進される傾向があるので、添加量を4.5重量%(wt%)以上とするのが好ましい。すなわち、6員環以上の環構造を有する酸無水物は、添加量を硬化剤成分全体の10%以上とするのが好ましい。このような添加量とすることにより、硬化性樹脂組成物の応力緩和性を向上させて、耐剥離性及び耐クラック性を良好な状態にすることができる。
【0033】
<1−3.高分子量成分>
本実施の形態に係る硬化性樹脂組成物は、硬化物の弾性率を低下させ、耐衝撃性を向上させる等の目的で高分子量成分を含有する。この高分子量成分としては、例えば、反応性官能基を有するアクリル樹脂やゴム(NBR、SBR、NR、SIS、またはそれらの水添加物)、オレフィン樹脂が挙げられる。
【0034】
アクリル樹脂は、例えば、アルキル(メタ)アクリレート100重量部に対して、グリシジルメタクリレートを2〜100重量部、好ましくは5〜70重量部を共重合させた樹脂である。好ましいアルキル(メタ)アクリレートとしては、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルアクリレート等が挙げられる。
【0035】
アクリル樹脂の重量平均分子量は、小さすぎると接着力が低下し、大きすぎると脂環式エポキシ化合物と混和し難くなるため、好ましくは5000以上200000以下、より好ましくは10000以上100000以下である。
【0036】
アクリル樹脂のガラス転移温度は、高すぎると接着力が低下するため、好ましくは50℃以下、より好ましくは20℃以下である。
【0037】
アクリル樹脂の使用量は、少なすぎると接着力が低下し、多すぎると光学特性が低下するため、脂環式エポキシ化合物と、脂環式酸無水物系硬化剤と、アクリル樹脂との合計100重量部中に、好ましくは5〜50質量部、より好ましくは10〜40質量部の割合とする。
【0038】
<1−4.導電性粒子>
本実施の形態に係る硬化性樹脂組成物は、導電性粒子を含有する。導電性粒子としては、樹脂粒子を金属材料で被覆した金属被覆樹脂粒子を使用することができる。このような樹脂粒子としては、スチレン系樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子、ナイロン樹脂粒子等が挙げられる。樹脂粒子を金属材料で被覆する方法としても、従来公知の方法を採用することができ、無電解メッキ法、電解メッキ法等を利用することができる。また、被覆する金属材料の層厚は、良好な接続信頼性を確保するに足りる厚さであり、樹脂粒子の粒径や金属の種類にもよるが、例えば、0.1〜3μmとするのが好ましい。
【0039】
導電性粒子の粒径は、小さすぎると導通不良が生じ、大きすぎるとパターン間ショートが生じる傾向があるので、好ましくは1〜20μm、より好ましくは3〜10μm、特に好ましくは3〜5μmである。樹脂粒子の形状は、球形が好ましいが、フレーク状やラグビーボール形状であってもよい。
【0040】
<1−5.他の添加物>
本実施の形態に係る硬化性樹脂組成物は、耐熱性及び耐熱光性の向上のために、熱酸化防止剤や硬化促進剤等を含有してもよい。高熱酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられる。硬化促進剤としては、例えば、2−エチル−4−メチルイミダゾールが挙げられる。
【0041】
<1−6.硬化性樹脂組成物の製造方法>
本発明の硬化性樹脂組成物は、例えば、常法に従って上述したエポキシ接着剤と、上述した硬化剤と、上述したアクリル樹脂とを均一に分散させることにより製造することができる。この硬化性樹脂組成物は、通常150〜250℃に加熱することにより硬化させることができる。
【0042】
<2.硬化性樹脂組成物を用いた他の実施の形態>
本発明の硬化性樹脂組成物は、常法に従ってペースト形態、フィルム形態等の形態に加工することができる。
【0043】
ペースト形態としては、例えば、上述した硬化性樹脂組成物からなる接着性エポキシ樹脂ペースト、この接着性樹脂ペーストからなるダイボンド剤や非導電性ペースト、接着性エポキシ樹脂ペースト中に導電性粒子が含有されてなる異方性導電接着剤(異方性導電ペースト)等が挙げられる。一例として、異方性導電フィルムは、上述したエポキシ接着剤と、上述した硬化剤と、上述したアクリル樹脂と、上述した導電性粒子とを均一に分散させることにより製造することができる。
【0044】
フィルム形態としては、上述した硬化性樹脂組成物がフィルム状に成型されてなる接着性エポキシ樹脂フィルム、この接着性エポキシ樹脂フィルムからなる非導電性エポキシ樹脂フィルム、この接着性エポキシ樹脂フィルム中に導電性粒子が含有されてなる異方性導電フィルム等が挙げられる。一例として、図2に示すように、上述したエポキシ接着剤と、上述した硬化剤と、上述したアクリル樹脂と、上述した導電性粒子とをトルエン等の溶媒とともに分散混合した接着性エポキシ樹脂ペースト12を、剥離処理したPETフィルム14に所期の厚さとなるように塗布し、約80℃程度の温度で乾燥することで、異方性導電フィルム10を製造することができる。
【0045】
また、異方性導電接着剤は、回路基板にチップ部品や各種モジュールを接続した接続体に好ましく使用することができる。特に、異方性導電接着剤を使用して回路基板にICチップやLED素子等のチップ部品をフリップチップ実装した接続構造体は、鉛フリーハンダ対応リフロー、熱衝撃、高温高湿等の実装品の加熱を伴う環境下であっても、回路基板とチップ部品との間に高い導通信頼性を維持できる。また、異方性導電接着剤は、回路基板及びチップ部品と、硬化した異方性導電ペーストとの間の接着性を良好な状態に維持することができる。これらの導通信頼性や接着性等は、高温高湿試験、熱衝撃試験(TCT)等の信頼性試験により確認することができる。
【0046】
また、本実施の形態に係る硬化性樹脂組成物には、入射した光を外部に反射するための反射性絶縁粒子を含有させてもよい。
【0047】
光反射性を有する粒子には、例えば、金属粒子、金属粒子を樹脂被覆した粒子、自然光の下で灰色から白色である金属酸化物、金属窒化物、金属硫化物等の無機粒子、樹脂コア粒子を無機粒子で被覆した粒子、粒子の材質によらず、その表面に凹凸がある粒子が含まれる。
【0048】
このような光反射性絶縁粒子の好ましい具体例としては、酸化チタン(TiO)窒化ホウ素(BN)、酸化亜鉛(ZnO)及び酸化アルミニウム(Al)からなる群より選択される少なくとも一種の無機粒子が挙げられる。中でも、高屈折率の点から、酸化チタンを使用するのが好ましい。
【0049】
光反射性絶縁粒子の形状としては、球状、鱗片状、不定形状、針状等でもよいが、反射効率を考慮すると、球状、鱗片状が好ましい。また、その大きさとしては、球状である場合、小さすぎると反射率が低くなり、大きすぎると導電性粒子による接続を阻害する傾向があるので、好ましくは0.02〜20μm、より好ましくは0.2〜1μmであり、鱗片状である場合には、長径が好ましくは0.1〜100μm、より好ましくは1〜50μm、短径が好ましくは0.01〜10μm、より好ましくは0.1〜5μm、厚さが好ましくは0.01〜10μm、より好ましくは0.1〜5μmである。
【0050】
光反射性絶縁粒子は、その屈折率(JIS K7142)が、好ましくは硬化性樹脂組成物の硬化物の屈折率よりも大きいこと、より好ましくは、少なくとも0.02程度大きいことが好ましい。これは、屈折率差が小さいと、それらの界面で反射効率が低下するためである。
【0051】
また、光反射性絶縁粒子としては、鱗片状又は球状金属粒子の表面を透明な絶縁性樹脂で被覆した樹脂被覆金属粒子を使用してもよい。金属粒子としては、ニッケル、銀、アルミニウム等を挙げることができる。粒子の形状としては、無定形、球状、鱗片状、針状等を挙げることができるが、中でも、光拡散効果の点から、球状、全反射効果の点から鱗片状の形状が好ましい。特に好ましいのは、光りの反射率の点から、鱗片状銀粒子である。
【0052】
光反射性絶縁粒子としての樹脂被覆金属粒子の大きさは、形状によっても異なるが、一般に大きすぎると、導電性粒子による接続を阻害するおそれがあり、小さすぎると光を反射しにくくなるので、好ましくは、球状の場合には、粒径0.1〜30μm、より好ましくは0.2〜10μmであり、鱗片状の場合には、長径が好ましくは0.1〜100μm、より好ましくは1〜50μmで厚みが好ましくは、0.01〜10μm、より好ましくは、0.1〜5μmである。ここで、光反応性絶縁粒子の大きさは、絶縁被覆されている場合には、その絶縁粒子も含めての大きさである。
【0053】
このような樹脂被覆金属粒子における樹脂としては、種々の絶縁性樹脂を使用することができる。機械的強度や透明性等の点から、アクリル系樹脂の硬化物を好ましく利用することができる。好ましくは、ベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物などのラジカル開始剤の存在下で、メタクリル酸メチルと、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルとをラジカル共重合させた樹脂を挙げることができる。この場合、2,4−トリレンジイソシアネート等のイソシアネート系架橋剤で架橋されていることが好ましい。
【0054】
また、金属粒子としては、予めシランカップリング剤でγ−グリシドキシ基やビニル基等を金属表面に導入しておくことが好ましい。
【0055】
このような樹脂被覆金属粒子は、例えば、トルエン等の溶媒中に金属粒子とシランカップリング剤とを投入し、室温で約1時間攪拌した後、ラジカルモノマーとラジカル重合開始剤と、必要に応じて架橋剤とを投入し、ラジカル重合開始温度に加温しながら攪拌することにより製造することができる。
【0056】
以上説明した光反射性絶縁粒子の配合量は、少なすぎると十分な光反射を実現することができず、多すぎると、併用している導電性粒子に基づく接続が阻害されるため、硬化性樹脂組成物中に、好ましくは、1〜50体積%、より好ましくは、2〜25体積%である。
【0057】
また、本実施の形態に係る硬化性樹脂組成物は、光反射性異方性導電接着剤に使用する場合には、無色透明なものが好ましい。例えば、異方性導電接着剤中に含有させた導電性粒子の光反射効率を低下させず、入射光の光色を変えずに反射させるためである。ここで、無色透明とは、例えば、異方性導電接着剤の硬化物が、波長380〜780nmの可視光に対して光路長1cmの光透過率(JIS K7105)が80%以上、好ましくは、90%以上となることを意味する。
【0058】
光反射性異方性導電接着剤の反射特性は、発光素子の発光効率を向上させるために、光反射性異方性導電接着剤の硬化物の波長450nmの光に対する反射率(JIS K7105)が、少なくとも30%以下であることが好ましい。このような反射率とするためには、使用する光反射性導電性粒子の反射特性や配合量、硬化性樹脂組成物の配合組成などを適宜調整すればよい。
【0059】
<3.実施例>
【実施例】
【0060】
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。なお、下記のいずれかの実施例に本発明の範囲が限定されるものではない。
<材料>
・アクリル樹脂
エチルアクリレート(EA100)、グリシジルメタクリレート(GMA10)
・エポキシ樹脂
1,3,5−トリグリシジルイソシアヌル酸(TEPIC 日産化学工業社製)、脂環式エポキシ樹脂(CEL 日立化成社製)、グリシジルヘキサヒドロビスフェノールA(YX8000 JER社製)、ジシクロペンタジエン型液状エポキシ樹脂(EP4088SS)
・硬化剤
メチルヘキサヒドロキシブタル酸無水物(MeHHPA 新日本理化社製)、ジエチルグルタル酸無水物(DEGAN 協和発酵ケミカル社製)
・硬化促進剤
2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ 四国化成工業社製)
・導電粒子
5μmの架橋ポリスチレン樹脂粒子にNi/Auめっきしたもの
・熱老化防止剤
ヒンダードフェノール系酸化防止剤(IRGANOX 日本チバガイギー社製)
【0061】
<アクリル樹脂の作製>
攪拌機、冷却管を備えた四つ口フラスコに、エチルアクリレート(EA)100g、グリシジルメタクリレート(GMA)10g、アゾビスブチロニトリル(AIBN)0.2g、酢酸エチル300g、及びアセトン5gを仕込み、撹拌しながら70℃で8時間重合反応させることでEA/GMA共重合アクリル樹脂を得た。得られたアクリル樹脂の重量平均分子量は、80000であり、ガラス転移温度は−40℃であった。
【0062】
表1、表2に示す配合の成分を遊星型攪拌器で均一に混合することにより、実施例1〜9及び比較例1〜5の硬化性樹脂組成物(以下、「接着剤バインダー硬化物」という)を調製した。なお、表1、表2において、樹脂、硬化剤及び導電材の成分の単位は、それぞれ重量部である。
【0063】
【表1】

【0064】
【表2】

【0065】
<評価試験>
実施例1〜実施例9及び比較例1〜比較例5で得られた接着剤バインダー硬化物について、以下で説明するように、tanδを算出することにより、導通信頼性及びクラック発生の有無を評価した。
【0066】
<導通信頼性について>
ガラスエポキシ回路基板に、上記実施例1〜実施例9及び比較例5で得られたペースト状の接着剤バインダー硬化物を25μm厚(乾燥厚)となるように塗布し、その上に0.3mm角のLEDチップを載置し、フリップチップボンダーで熱圧着した。得られた直後の接続構造体の導通抵抗を、4端子法により測定した。その後、接続構造体に対し、熱衝撃試験(TCT:−40℃、0.5時間←→100℃、0.5時間、500サイクル、1000サイクル)を行い、再び導通抵抗を測定した。すなわち、−40℃及び100℃の雰囲気に各30分間曝し、これを1サイクルとする冷熱サイクルを500サイクル又は1000サイクル行った。
【0067】
表1、表2における導通信頼性の評価は、各サイクル試験後にTCTから取り出した接続構造体について、If=20mA時のVf値が、初期Vf値よりも±0.05V未満上昇したときを「○」、初期Vf値よりも±0.05V以上かつ±0.1V未満上昇したときを「△」、初期Vf値よりも±0.1V以上上昇したときを「×」とした。
<クラック・剥離性について>
各サイクル試験後にTCTから取り出した接続構造体について、LEDチップとバインダーの界面との剥離及びバインダーのクラックの有無を金属顕微鏡(オリンパス(株)製)にて観察した。
【0068】
表1、表2におけるクラック・剥離性の評価については、クラック及び剥離が観察されなかったときを「〇」、クラック及び剥離が観察されたときを「×」とした。
【0069】
<tanδについて>
接着剤バインダー硬化物を、剥離処理PET上に乾燥厚が80μmとなるように塗布し、150℃の炉中に投入することで硬化させて、接着剤バインダー硬化物を得た。
【0070】
接着剤バインダー硬化物について、温度範囲−40〜250℃で固体粘弾測定することで、図3、図4に示す温度増加に対する貯蔵弾性率(E’)の粘弾性スペクトルと、図4に示す損失弾性率(E”)の粘弾性スペクトルとを得た。固体粘弾測定には、動的粘弾性測定器(DDV−01FP−W、エーアンドデー社:引っ張りモード、周波数11Hz、昇温速度5℃/分)を用いた。
【0071】
また、tanδ=(E”)/(E’)の式から、図5、図6に示すtanδ(損失正接)を算出した。
【0072】
表1、表2において、tanδ差(最大値−tanδ値(−40℃))とは、−40℃〜100℃の温度範囲でのtanδの最大値と、−40℃でのtanδの値との差を計算したものである。
【0073】
表1、表2からわかるように、実施例1〜実施例9で得られた接着剤バインダー硬化物は、粘弾性スペクトルにおけるtanδの最大値と、−40℃でのtanδの値との差が0.1以上を満足するため、導通信頼性及びクラック性・剥離性が良好であった。
【0074】
実施例4〜実施例6で得られた接着剤バインダー硬化物は、クラック・剥離性について、1500サイクル後にもクラック及び剥離が観察されなかったため、クラック性・剥離性が特に良好であった。しかし、実施例5で得られた接着剤バインダー硬化物は、tanδの最大値と、−40℃でのtanδの値との差が、0.1以上かつ0.5以下を満足しないため、他の実施例と比較して、測定したVfの値が初期Vf値からやや高くなった。
【0075】
また、実施例1〜実施例9で得られた接着剤バインダーは、架橋官能基が、アクリル樹脂も含めて全てグリシジル基であるため、例えば、図5、図6に示すように、得られたtanδのピークが1つになっている。すなわち、実施例1〜実施例9で得られた接着剤バインダーは、架橋官能基同士が反応(分子鎖が全て繋がり、三次元網目構造になる)し、均一系になったため、ピークが1つになっている。
【0076】
比較例1で得られた接着剤バインダー硬化物は、tanδの最大値と、−40℃でのtanδの値との差が0.1以上を満足しないため、初期導通は良好であったが、熱衝撃試験500サイクル後の導通信頼性が得られなかった。また、比較例1で得られた接着剤バインダー硬化物は、熱衝撃試験500サイクル後で界面剥離・クラックが観察された。したがって、比較例1で得られた接着剤バインダー硬化物は、導通信頼性及びクラック性・剥離性が良好ではなかった。
【0077】
比較例2で得られた接着剤バインダー硬化物は、tanδの最大値と、−40℃でのtanδの値との差が0.1以上を満足しないため、初期、熱衝撃試験500サイクル後の導通抵抗は良好であったが、熱衝撃試験1000サイクル後の導通信頼性が得られなかった。また、比較例2で得られた接着剤バインダー硬化物は、熱衝撃試験1000サイクル後で界面剥離・クラックが観察された。したがって、比較例2で得られた接着剤バインダー硬化物は、導通信頼性及びクラック性・剥離性が良好ではなかった。
【0078】
比較例3で得られた接着剤バインダー硬化物は、tanδの最大値と、−40℃でのtanδの値との差が0.1以上を満足しないため、初期導通は良好であったが、熱衝撃試験500サイクル後の導通信頼性が得られなかった。また、比較例3で得られた接着剤バインダー硬化物は、熱衝撃試験500サイクル後で界面剥離・クラックが観察された。したがって、比較例3で得られた接着剤バインダー硬化物は、導通信頼性及びクラック性・剥離性が良好ではなかった。
【0079】
比較例4で得られた接着剤バインダー硬化物は、tanδの最大値と、−40℃でのtanδの値との差が0.1以上を満足しないため、初期、熱衝撃試験500サイクル後の導通抵抗は良好であったが、熱衝撃試験1000サイクル後の導通信頼性が得られなかった。また、比較例4で得られた接着剤バインダー硬化物は、熱衝撃試験1000サイクル後で界面剥離・クラックが観察された。したがって、比較例4で得られた接着剤バインダー硬化物は、導通信頼性及びクラック性・剥離性が良好ではなかった。
【0080】
比較例5で得られた接着剤バインダー硬化物は、tanδの最大値と、−40℃でのtanδの値との差が0.1以上を満足しないため、初期導通は良好であったが、熱衝撃試験500サイクル後の導通信頼性が得られなかった。また、比較例5で得られた接着剤バインダー硬化物は、熱衝撃試験500サイクル後で界面剥離・クラックが観察された。したがって、比較例5で得られた接着剤バインダー硬化物は、導通信頼性及びクラック性・剥離性が良好ではなかった。
【0081】
以上のように、実施例1〜実施例9で得られた接着剤バインダーは、その組成について、脂環式エポキシ樹脂に反応性官能基を含む分子量が5000以上の高分子量成分を5〜50wt%含有し、硬化剤としてグルタル酸無水物を4.5wt%(硬化剤成分の10%)以上含み、tanδ値の最大値と、−40℃でのtanδ値の差が、0.1以上である。これにより、本発明では、良好な耐剥離・クラック性、長期導通信頼性を有するLED周辺で使用可能な、鉛フリーハンダの対応リフロー試験、熱衝撃試験等の信頼性試験に対応したフリップチップ工法用接着剤バインダー硬化物が得られることがわかった。
【符号の説明】
【0082】
10 異方性導電フィルム、12 接着性エポキシ樹脂ペースト、14 PETフィルム、31 基板、32 ダイボンド材、33 素子、34 p電極、35 n電極、36 接続端子、37 ワイヤーボンド、39 導電性ペースト、41 封止樹脂

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エポキシ樹脂と、エポキシ樹脂用硬化剤とを含有する硬化性樹脂組成物であって、当該硬化性樹脂組成物の粘弾性スペクトルにおけるtanδの最大値と、−40℃での該tanδの値との差が0.1以上であることを特徴とする硬化性樹脂組成物。
【請求項2】
上記tanδの最大値が、−40℃以上100℃以下の範囲に含まれることを特徴とする請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項3】
上記tanδの最大値と、−40℃での該tanδの値との差が、0.1以上かつ0.5以下であることを特徴とする請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
6員環以上の環構造を持つ酸無水物が、4.5wt%以上含まれることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
グルタル酸無水物が、4.5wt%以上含まれることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項6】
少なくとも分子量が5000以上の高分子量成分を5〜50wt%含有することを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項7】
上記高分子量成分のTgが、50℃以下であることを特徴とする請求項6記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項8】
上記高分子量成分は、反応性官能基を有することを特徴とする請求項6又は7記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項9】
請求項1乃至8のうちいずれか1項記載の硬化性樹脂組成物からなることを特徴とする接着性エポキシ樹脂ペースト。
【請求項10】
請求項9記載の接着性樹脂ペーストからなることを特徴とするダイボンド剤。
【請求項11】
請求項9記載の接着性樹脂ペーストからなることを特徴とする非導電性ペースト。
【請求項12】
請求項1乃至8のうちいずれか1項記載の硬化性樹脂組成物がフィルム状に成型されてなることを特徴とする接着性エポキシ樹脂フィルム。
【請求項13】
請求項12記載の接着性エポキシ樹脂フィルムからなることを特徴とする非導電性エポキシ樹脂フィルム。
【請求項14】
請求項9記載の接着性エポキシ樹脂ペースト中に導電性粒子が含有されていることを特徴とする異方性導電ペースト。
【請求項15】
請求項12記載の接着性エポキシ樹脂フィルム中に導電性粒子が含有されていることを特徴とする異方性導電フィルム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−219683(P2011−219683A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−92671(P2010−92671)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【出願人】(000108410)ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社 (595)
【Fターム(参考)】