硬化物質製造装置
本発明は、硬化物質製造装置に関するものであり、望ましくは、代用骨及び/又は骨補強材又は骨セメント又はそれと同様の物質の製造装置に関するものである。混合容器(3)は、少なくとも一つの粉末成分(5)及び少なくとも一つの液体成分(6)を、硬化物質(2)を供給するために混合する混合空間(4)を備える。ピストン手段(7)は、混合容器(3)の混合空間(4)に備えられる。混合容器(3)に対して回転可能な、少なくとも一つの手段(8)は、保持位置(P1)において、ピストン手段(7)と連携し、ピストン手段(7)を混合容器(3)に対して保持し、また、開放位置(P2)へ回転することにより、物質(2)が混合空間(4)外に出る、少なくとも一つの開口部(49)の方向(U)にピストン手段(7)が移動可能なように開放する。回転手段(8)は、開放位置(P2)において、混合空間(4)内で、開口部(49)の方向(U)へ、ピストン手段(7)に続くことができるように備えられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化物質製造装置に関するものであり、望ましくは、代用骨及び/又は骨補強材又は骨セメント又はそれと同様の物質の製造装置に関するものであり、硬化物質を供給するため、混合容器は、少なくとも一つの粉末成分及び少なくとも一つの液体成分を混合するための混合空間を備える。ピストン手段は、混合容器の混合空間に備えられ、ピストン手段は、混合容器に対して保持され、また、混合物質を混合容器の外に放出可能な、少なくとも一つの開口部の方向へ、混合容器に対して移動可能になるように開放することができる。混合容器に対して回転可能な、少なくとも一つの手段は、ピストン手段と連携し、保持位置において、ピストン手段が混合容器に対して保持され、また、開放位置へ回転することにより、ピストン手段が開口部へ向かって移動可能なように開放する。
【背景技術】
【0002】
骨粗しょう症は、特に先進国において急激に増加している。全女性の約50%が、骨粗しょう症による骨折を患うと推定される。これらの骨折の大部分は高齢者に見られ、死亡数、障害、社会的費用の増加をもたらす。椎体形成術は、骨粗しょう症による圧迫骨折の痛みを緩和するために、椎骨に骨セメントを皮内注射するものである。椎骨形成は、フランスで1984年に初めて実施され、その十年後、米国で実施された。圧迫骨折セメント固定は、つぶれた椎骨内でバルーンを膨らませ、椎骨がさらにつぶれる危険を少なくし、骨セメントを充填する空洞をもたらすものである。圧迫骨折セメント固定は、ヨーロッパにおいては試験的なものとみなされているが、最近、食品医薬品局で、病的骨折の治療法として、ポリマー骨セメントと共に承認された。圧迫骨折セメント固定の難点は、全身麻酔を必要とすることである。しかしながら、椎体形成術は、鎮静剤及び鎮痛剤を投与しながらの、透視診断の外科処置で実施可能である。どちらの方法においても、75%以上の場合において、痛みを軽減させることが可能である。早い段階で椎体形成術で椎骨を圧迫する処置については、痛みを軽減する効果があっても議論されている。椎体形成術を実施する前に、少なくとも6週間待つことが推奨されている。待つ間、痛みを取る処置が試される。しかしながら、固定化を引き起こす合併症の危険があったり、痛みが深刻な場合は、早い段階での椎体形成術を考慮に入れることが可能である。椎体形成術の主な目的は、椎骨がさらにつぶれるのを防ぐために痛みを取り除くものである。骨折を特定するため、通常のX線以外にMRを使うことができ、MRで、骨髄内の浮腫や椎骨内の骨折の割れ目を見ることもできる。
【0003】
椎体形成術は、患者があお向け又は横向きに寝そべった状態で、静脈内沈静法で、痛みを軽減しながら、医師の管理下において実施される。局所麻酔を追加する間、針が、透視診断中に、transpedicular又はposteolateral注入口を通じ、椎骨内のmandrineに挿入される。針は、椎骨の中心線、望ましくは前方又は前面部に位置することになる。そして、セメントの注入が行われる。別の針が、椎骨を対称的に充填するために必要とされる。セメントの注入は、テレビ透視で注意深く監視し、椎骨の境界外部に漏れることがあれば、注入を中断する。痛みを軽減するのに必要な量は少なく、約2〜3mlである。それよりも多い量を使うと、注入中に髄液が循環系の中に広がってしまう危険性と同様に、セメントが漏れ出す危険が増加する。注入には、技術的な知識と訓練が必要である。全ての合併症の大部分は、セメントが、脊柱管へ、又は注射部位を通じて漏れるかどうかによって決まる。20%以上の割合で、セメントが、傍脊椎の軟部や腰部の静脈系に、無症候性で漏れる。
【0004】
上記又はそれと同様の目的で、物質を製造及び放出する装置は、US4676655、GB2239818、WO2004/026377、WO99/65597、EP0657208、及びWO2004/002615で既知である。しかしながら、これらの公報による先行技術の装置では、椎体形成術又はそれと同様のものに関連した、簡素な処置を可能にするものではない。
【0005】
本発明の目的は、椎体形成術又はそれと同様のものに関連した、簡素な処置を可能にする、簡素な装置を提供するものである。これは、後述の請求項1に記載の特徴を持った、上記の装置を備えることによって実現される。
【発明の概要】
【0006】
完全に簡易な処置を可能にする装置を、とりわけ椎体形成術及び、例えばセメントをボウルの中で混合し、小さな注射器に移動させるための、複数の技術手段から執刀医を開放する装置を使うことの可能性は、最も重要なものである。セメントの混合に関する簡易な処置は、その放出と同様に重要なものである。閉鎖システムは、ポリメチル・メタクリレートを使うのであれば、モノマーを周囲空気に放出しないよう、衛生的な理由で必須となる。殺菌を可能にするプレパック・システムの可能性は、注入中の管理改善のための、小さな注射器への閉鎖移動と共に明白である。今日、これらの要望に応じるような、簡易で効果的な混合・放出装置が存在しない。そのような装置により、バランス良い量で、セラミック素材と同様に、高分子の混合を行うことができ、また、漏れが発生した場合には注入を中止することができる。本発明は、これに関し、多くの新規性を含んでいる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図に示した装置1は、代用骨及び/又は骨補強材又は骨セメント又はそれと同様の物質のような硬化物質2の製造に用いられる。この物質2は、装置1から送出及び/又は吸出され、例えば円筒状の形をした、混合容器3を備える。混合容器3には、混合空間4があり、硬化物質2を製造するために、そこで少なくとも一つの粉末成分5と少なくとも一つの液状成分6とを混合する。
【0008】
混合空間4は、ピストン手段7を備え、ピストン手段7は、混合工程中は混合容器3に対して保持され、その後、混合容器3に対し、混合空間4内を移動できるように開放可能である。ピストン手段7を開放するために、回転手段8が備えられ、回転手段8は、保持位置P1において、混合容器3に対してピストン手段7を保持し、また、保持位置P1から開放位置P2へ回転させることにより、混合容器3に対して開放可能となり、それにより、ピストン手段7が混合空間4を移動可能である。ピストン手段7及び回転手段8は、望ましくは直接又は間接的に連結される。
【0009】
装置1は、必須ではないものの、硬化物質2を製造するまでに、粉末成分5及び液体成分6を混合する混合手段9を備えるのが望ましい。それにより、混合物質2を混ぜることが適切又は必要であれば、混合手段9によって可能である。混合手段9は、例えば中空又は中空でない棒状の伸長部材10を備えることができ、伸長部材10は、混合空間4へ延び、混合空間4内における内端に、混合円板11を備え、上記円板は、それを貫通する軸穴12を有する。また、混合空間4外における外端において、伸長部材10には、混合手段9を操作するための操作ハンドル13が備えられる。
【0010】
混合/かくはんは、既知の方法により、混合手段9を混合空間4内で前後に移動させたり、また望ましくは、混合空間4に対してそれを回転させることによって実行可能である。
【0011】
ピストン手段7は、望ましくはその中を通る軸穴14を有し、そこを通じて、混合手段9の伸長部材10が、混合空間4へ延びる。伸長部材10は、ピストン手段7と連携して、一つ又は複数の密閉リング15又はそれと同様のものを通り、シーリングが上記部材の間に備えられるようにする。伸長部材10とピストン手段7の軸穴14は、伸長部材10がピストン手段7に対して移動及び回転可能になるように構成される。
【0012】
少なくとも一つの外部密閉リング16又はそれと同様のものが、混合容器の内側と連携するよう、ピストン手段7上に備えられ、シーリングがピストン手段7と上記の内側との間に規定される。外部密閉リング16は、望ましくはそれが混合空間4内を移動することにより、混合容器3の内側に堆積した物質2を取り除くように設計される。
【0013】
また、ピストン手段7は、少なくとも一つのフィルター18を備える開口部17を備える。開口部17は、混合空間4で発生した気体を外へ出し、フィルター18は、粉末成分5及び/又は液体成分6及び混合された物質2が開口部17を通じて混合空間4へ込み上げるのを防ぐ。
【0014】
回転防止部材19は、ピストン手段7上に備えられる。この部材19は、環状の形をしており、軸方向に設けられた二つのフック部20,21を備え、フック部20及び21は、ピストン手段7内の溝22,23内に挿入され、半径方向において、そこにある二つの段部7a及び7bにはめ込むことが可能である。これにより、回転防止部材19は、ピストン手段7に装着され、ピストン手段7に対して回転できないようになる。
【0015】
さらに、回転防止部材19は、軸方向に設けられたフランジ24を備え、フランジ24は、取付具25と連携して、回転防止部材19の回転を防止するようにし、また、混合手段9が粉末成分5及び液体成分6を混合する際に、ピストン手段7に対して回転するため、取付具25に対してピストン手段7の回転を防止する。取付具25は、穴部28を備える円筒部材27を備え、その中に回転手段8を挿入し、また回転手段8が開放位置P2に設置された際に、回転手段8がその中で回転することができる。取付具25の円筒部材27は、環状のスナップ取付部29を装備可能であり、スナップ取付部29は、混合容器3の内側に位置し、取付具25をスナップ取付方式で混合容器3に装着できるようにする、一つ又は複数の係止部30に螺入可能である。そのスナップ取付部29の代わり又はそれと併用して、取付具25は、放射状となった複数の突部33,34を備え、突部33,34は、混合容器3の放射状に外側へ向いたフランジ35にスナップ取付方式で装着でき、それにより、取付具25が混合容器3に対して回転できなくなる。
【0016】
回転手段8は、貫通孔8aを有し、その中を混合手段9の伸長部材10が延びることにより、伸長部材10が回転手段8に対して移動可能となり、またその逆に関しても同様である。
【0017】
回転手段8は、第1のフランジ36又は、方向Uに対し、回転手段8から、物質2を混合容器3から出す放出開口部49の方へ、放射状に外側へ延びる関連部材を有する。この第1のフランジ36は、回転手段8の周囲の一部を取り囲んでいる。
【0018】
取付具25の穴部28は、第2のフランジ31a又は、方向Uに対し、放射状に穴部28内の方へ向いた、第2の関連部材を有する。この第2のフランジ31aは、穴部28の周囲の一部に沿って延びている。このフランジ31aは、切込み部31b又は穴部28の第3の関連部分になく、回転手段8の第1のフランジ36が、そこを通過することができるように設計されており、それにより、第1のフランジ36と切込み部31bが連携すると、回転手段8全体が通過できることになる。
【0019】
回転手段8が、図1の保持位置P1に設置されると、第1のフランジ36及び第2のフランジ31aが連携し、回転手段8が、取付具25に対して、方向Uに移動できなくなり、一方、混合手段9は、移動可能であり、混合空間4の中で粉末成分及び液体成分を混合する混合動作を行うことが可能である。
【0020】
回転手段8は、保持位置P1から、取付具25に対して180度回転させることにより、図2の開放位置P2へ合わせることができ、この回転移動は、その第1のフランジ36を回転停止部32に係合又は付き合わせることによって制限することができる。それにより、回転手段8の第1のフランジ36は、取付具25の第2のフランジ31aから離れ、代わりに、取付具25の切込み部31bと連携することになり、回転手段8、すなわちピストン手段7が、それに対し、すなわち混合容器3に対し、方向Uに移動又はずらすことが可能である。
【0021】
ピストン手段7は、回転手段8が取付具25でピストン手段7を保持する際には、望ましくは取付具25の切込み部31bを係合又は保持する回転防止部材19のフランジ24によって、取付具25に対し、回転できないようになる。
【0022】
回転手段8は、望ましくは結合装置37と連携し、結合装置37は、ピストン手段7と混合手段9の伸長部材10を連結するために備えられ、これにより、ピストン手段7(及びそこに備えられた回転手段8)が、混合手段9が混合空間4から混合した物質2を放出することによって、混合容器3に対し、軸方向Uに移動可能である。結合装置37は、回転手段8とピストン手段7の間に位置し、望ましくは回転手段8によって操作され、ピストン手段7と伸長部材10を接続すると同時に、回転手段8が、保持位置P1から開放位置P2へ回転する。そのため、結合装置37は、例えば洗浄機のような、結合手段38を備えることが可能であり、結合手段38は伸長部材10に装着され、ピストン手段7と回転手段8の間に位置する。ピストン手段7は、軸方向に回転手段8の方を向き、伸長部材10の一方側に位置する支持部材39を有し、また、伸長部材10の他方側には空き領域40がある。回転手段8は、軸方向に向いたせん孔部41を有し、その後部には、つる巻きばね42もしくはそれと同様の弾力性のある物が備えられ、また、その前部には、せん孔部41から突出したピン43が備えられる。
【0023】
回転手段8を保持位置P1に設置すると、せん孔部41はつる巻きばね42と共に伸長部材10と同じ側に位置し、それにより、つる巻きばねが、支持部材39に反発して結合手段8を押圧するため、その結合手段38は、指示部材39に反発する形で中立位置P3に保持され、混合手段9の伸長部材10を、反対の軸混合方向Bへずらすことができ、それにより、粉末成分5及び液体成分6を、混合手段9を使って混合空間4内で混合することができ、同時に、ピストン手段7は、混合容器3に対して保持される。
【0024】
回転手段8を180度回転させて開放位置P2へ移動させると、せん孔部41及びつる巻きばね42も、支持部材39に対し180度移動し、それにより、つる巻きばね42は、結合手段38を空間40へ押圧又は押し入れ、結合手段38は伸長部材10に対して傾き、結合位置P4へ移動し、結合手段38は、ここで伸長部材10に固定される。これにより、ピストン手段7は、混合手段9に接続され、ピストン手段7を、その混合手段9によって方向Uにずらすことが可能である。
【0025】
望ましくは、結合装置37は、混合手段9とピストン手段7を連結した後、その混合手段9がピストン手段7に対し、戻り方向Rに引っ張られた場合に、混合手段9がピストン手段7から離れることができるように設計される。
【0026】
操作ハンドル13及び/又は伸長部材10には、開口端部45aと、その内部の空洞又は凹部45bを有する外部部材45を備えることができ、その開口端部は、混合中に混合手段9が混合容器3の軸方向にずれて、混合容器3に対して回転すると、混合容器3に係合又は付き合わされる。これにより、混合手段9の回転が回転手段8に伝達されなくなる。
【0027】
取付具25は、望ましくはピストン手段7及び混合手段9が混合容器3から引き離されるのを防止するように備えられる。
【0028】
回転手段8は、混合容器3の混合空間4内でピストン手段7と共に移動可能であるため、装置1を簡素化することができ、また、粉末成分5及び液体成分6の混合を行い、混合した物質2を放出する際には、簡易で迅速な処理を行うことが可能である。そのためには、回転手段8を保持位置P1から開放位置P2へ回転させるだけでよく、混合空間4から物質2を放出するため、混合手段9を使ってピストン手段7を方向Uにずらすことが可能である。
【0029】
開口部17の代わりとしては、ピストン手段7が取付具25によって保持されている場合、少なくとも一つの開口部47を、混合容器3の側面の、ピストン手段7の近くに備えることが可能である。開口部47は、ピストン手段7の近くに位置するため、ピストン手段7が方向Uに移動し始めると閉じ、さらにピストン手段7が移動すると、ピストン手段7の背部に位置し、物質2ではなく、気体のみが、開口部47を通じて外部へ押し出される。
【0030】
これらの開口部の代わりとしては、ピストン手段7が取付具25によって保持されている場合、混合容器3の側面の、ピストン手段7と、混合容器内にある、物質2を放出するための放出開口部49との間の約半分の所に、少なくとも一つの開口部48を備えることが可能である。開口部48は、必要であれば閉じられてもよい。
【0031】
上記の開口部17又は開口部47又は開口部48により、例えば液体成分6を混合空間4に注入する際、気体をその混合空間4の外へ押し出すことを可能とする。このように、気体を外へ押し出すことができるので、液体成分6の注入を円滑に行うことが可能である。開口部48は、その設置位置により、物質2の中に閉じ込められた気体を外へ押し出したり、又、物質2の放出中に、気体が物質2から離れるようにすることが可能である。
【0032】
混合空間4内に真空を生成するため、少なくとも一つの真空発生装置を備えることができ、それは、望ましくは液体成分6を迅速に吸入し、それを粉末成分5に分配するのを促進し、さらに/又は、例えば、粉末成分5及び液体成分6を混合中、そこから発生した有毒ガスを吸出するといった、様々な目的に使われる。この場合、混合容器3に空気が入る開口部はないが、混合容器は、密閉される必要がある。
【0033】
混合空間4内に、例えば有毒ガスを吸出するための真空を生成するため、第1の真空生成装置50を備え、それを適切な位置で混合容器3に接続することが可能である。第1の真空生成装置50を、図1に図式的に示す。
【0034】
物質2を放出するため、混合手段9に直線的な力をかけることができ、それにより、その混合手段9及びピストン手段7は、混合容器3に対し、直線的にずれる。あるいは、混合手段9を、スクリュー装置51によって直線的にずらすことが可能である。
【0035】
スクリュー装置51は、例えば、ナット状部材52を含み、このナット状部材52は、横方向に広がった溝53を有する横方向に広がったフォーク状部材52aを備え、混合容器3のフランジ35の上で、ナット状部材52が横向きに装着できるようにするので、上記のナット状部材52が、混合容器3に固定される。
【0036】
ナット状部材52には、外部ねじ山56と一体になったねじ状部材55のための、ねじ穴54が備えられ、外部ねじ山56は、ナット状部材52のねじ穴54内のねじ山とかみ合う。ねじ状部材55は、多面ナット58と一体のパイプ部材でよく、パイプ部材は、横方向に開いた縦の細長孔57を有し、多面ナット58は、開口面60を有し、それにより、ねじ状部材55及び多面ナット58は、混合手段9の伸長部材10に装着可能である。多面ナット58は、外部部材45の、対応の多面穴59又は、操作ハンドル13の他のどんな部材に適合するように調節される。
【0037】
上記のスクリュー装置51の実施例により、スクリュー装置51は、回転することなく混合容器3に位置することができ、また、多面ナット58を多面穴59に挿入することができるので、ねじ状部材55は、操作ハンドル13を使って、例えば外部部材45を通じて、ナット状部材52にねじ込み可能であり、それにより、ねじ状部材55の端部61が、回転手段8に接触し、回転手段8及び回転手段8を通じてピストン手段7に、方向Uに放出する力を与えることが可能である。
【0038】
ピストン手段7は、手動で操作ハンドル13を押したり、また、スクリュー装置51を使ってそれを回転させ、回転移動を伝達することにより、方向Uに移動可能である。物質2を混合空間4から放出するのに大きな力が必要な場合、図1で図式的に示すような、砲状の放出装置62又は同様の装置が使用可能である。混合容器3は、圧力手段63が混合手段9又は、混合手段がない時には直接ピストン手段7に連携するよう、配置される。圧力手段63は、抑制可能な引き金によって手動で操作され、圧力手段63を段階的に移動させ、圧力手段63が、混合手段9及び/又はピストン手段7を前方へ、方向Uに押圧するようにできる。
【0039】
図9に示すように、混合容器3の混合空間4には、装置1を納品する際に液体成分5が封入されている。そのため、放出開口部49を閉鎖装置64で閉じ、粉末成分5が混合空間4の外へ出ないようにする。
【0040】
液体成分6は、液体容器65に備えることができ、粉末成分5と混合するため、混合空間4に送入可能である。
【0041】
液体容器65は、放出端部66を有し、液体成分6を混合空間4及びそこに入っている粉末成分5に注入するよう挿入された際には、封鎖装置64を、放出端部66によって開くことができるように設計される。そのために、封鎖装置64は、バルブ本体64aを備え、それは通常閉じているが、放出端部66が封鎖装置64に挿入されると開き、放出端部66が封鎖装置64から取り外されたり、また、後退すると、自動的に閉じた状態に戻る。
【0042】
バルブ67は、封鎖装置64と連携し、液体成分6が液体容器65から混合空間4に注入される際に、気体を混合空間4から出すことが可能である。このバルブ67は、必要に応じて開閉可能である。
【0043】
混合空間4の内容物、すなわち粉末成分5及び液体成分6及び/又は物質2を振動させるために、混合容器3又はその一部を、図9で図式的に示すように、振動装置68に接触させることが可能である。
【0044】
図10に示すように、混合容器3は、分配装置69に接続することができ、またその逆も可能である。複数の容器70をそこに接続することができ、またその逆も可能であって、混合空間4で混合された物質2を、その混合空間から分配装置69に送出したり、また放出することが可能である。分配装置69は、多様な容器70へ物質2を分配し、物質2の一部が容器70の内部空間71に送入される。各々の容器70の内部空間71は、混合容器3の混合空間4よりも大幅に小さく、例えば、混合空間4からの物質2の一部2aで8個の容器70の空間71を充填するというように、一つの混合容器で、複数の容器70の空間71を充填することが可能になる。
【0045】
各々の容器70の空間71が、物質2の一部2aで充填されると、各々の容器70を分配装置69から取り外すことができ、また、その逆も可能であって、容器70に入っている物質2の一部2aを容器70外へ送出され、さらに/又は吸出することが可能である。
【0046】
分配装置69は、望ましくは軸方向の注入管73と一体になった分配本体72を備え、分配本体72は、放出開口部49を有する混合容器3の出口又は放出端部74の近くに配置可能である。注入管73は、ねじ止め又は他の適切な方法で放出端部74に配置可能であり、分配本体72の内部通路が、放出開口部49に通じる。当然、代わりに混合容器を注入管73に配置してもよい。
【0047】
また、分配装置69は、複数の放出管75乃至82を備え、それは少なくとも二つの管や、例えば8個の管であって、分配本体72から星のような形で放射状に延び、分配本体72の内部部材に通じる。
【0048】
各々の容器70は、前部84を有し、それを通じて分配装置69の放出管75乃至82の一つに、例えばねじ止めして実装することが可能で、またその逆も可能であり、物質2の一部2aを空間71に送入可能である。この空間71の充填中、容器70の一部を形成するピストン86は、望ましくは、容器70の後部85に位置する。空間71に物質2の一部2aを充填した後、カニューレ又は針83を前部84に配置可能である。物質2の一部2aは、カニューレ83を通じて、容器70の空間71から送出され、又は吸出される。
【0049】
各々の容器70は、最後に開口部87を有し、ピストン86が後部85にある時には、開口部87は、望ましくは後部85及びピストン86のすぐ前方に位置する。この開口部87により、物質2の一部2aが空間71に送入された際に、容器70の空間71にある気体を空間外に押し出すことが可能である。これにより、空間71にある気体が、空間71に物質2の一部2aが入る妨げにならない。開口部87の直径は、例えば0.2から1.0mmで、望ましくは約0.6mmである。
【0050】
開口部87は、ピストン86が容器70の後部85に位置する際には、代替的に、容器70の内側の軸方向に、ピストン86を越えて延びる溝(図示せず)が備えられてもよい。
【0051】
容器70が、必要数だけ物質2の一部2aに充填されると、その時点で一つの容器70が、分配装置69から取り外され、カニューレ又は針83が、望ましくは容器70の前部84に実装され、空間71が空になるまで、ピストン86の支持の有無に関わらず、物質2の一部2aは、カニューレ83を通じて、送出又は吸出されるようになる。一つの容器70を分配装置69から取り外し、他の充填した容器70を実装したままにすることにより、取り外されていない容器70の中の物質2が、長時間に渡って、不必要に大気にさらされないで済む。
【0052】
各々の容器70の空間71の大きさが分かるので、各々の容器70から送出又は放出される物質2の一部2aの量が、正確に分かる。
【0053】
海綿状骨89を物質2で処理するために、物質2は、海綿状骨89の内部89aに吸入可能である。そのために、容器70は、カニューレ83又は、カニューレ83を接続可能な部材(図示せず)を内部89aに挿入することにより、海綿状骨89に接続され、容器70の空間71が、そこに通じる。海綿状骨89の内部89aには、接続線92を通じて、少なくとも一つの真空源90が接続されて、内部89a及びそこに接続された容器70の空間71に真空を生成し、物質2の一部2aが、その空間71に吸出され、カニューレ83を通じて、海綿状骨89の内部89aに吸入される。この吸入工程中、ピストン86は、最終的に方向Uへずれ、物質2の一部2aが、空間71外へ吸出される際の支持をする。
【0054】
海綿状骨89の内部89aには、混合容器3から物質2を供給することができる。混合容器3には、カニューレ又は針(図示せず)又はそれと同様のものを供給することができ、このカニューレは、内部89aに挿入される。従って、物質2は、真空源90を使って、混合容器3の混合空間4から内部89aに吸入可能である。最終的に、この混合空間4からの物質2の吸入は、ピストン手段7を方向Uにずらすことによって支持される。
【0055】
海綿状骨89は、例えば海綿状椎骨、又は大腿骨又は膝蓋骨の骨折のような骨粗しょう症骨折がある。
【0056】
混合容器3内の混合された物質2は、インプラントの固定に使用可能であり、それにより、容器に放出管又はそれと同様物(図示せず)を供給でき、それを通じて、物質2が、ピストン手段7を使って、インプラントが固定される、骨内の空洞に放入される。
【0057】
物質2は、代用骨及び/又は骨補強材のような、主にカルシウム原料又はセラミックから成り、例えば水といった硬化剤と混合可能なもので構成可能である。これらの物質は、硫酸カルシウムα半水和物、硫酸カルシウムβ半水和物、硫酸カルシウム二水和物、炭酸カルシウム、αリン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイト、第二リン酸カルシウム二水和物、無水第二リン酸カルシウム、テトラカルシウムリン酸、βリン酸三カルシウム、カルシウム不足ヒドロキシアパタイト、第一リン酸カルシウム一水和物、第一リン酸カルシウム、pyurpphosphateカルシウム、沈降ヒドロキシアパタイト、炭素質アパタイト(ダーライト)、リン酸オクタカルシウム、非晶質リン酸カルシウム、オキシアパタイト、カルボナトアパタイト、アルミン酸カルシウムで構成されるグループから選択可能である。
【0058】
セラミック素材は、アルミン酸カルシウムでよく、ドクサ社(Company Doxa:www.doxa.se/pdf/nyhet_1.pdf)の製品であるドクサ・ティ(Doxa T)を部分的に形成するものである。
【0059】
X線造影剤をセラミック代用骨及び/又は骨補強材に追加することが可能であり、例えば、イオヘキソール(iohexol)、イオベルソール(ioversol)、イオパミドール(iopamidol)、イオトロラン(iotrolan)、メトリザミド、イオデシモール(iodecimol)、イオグルコール(ioglucol)、イオグルカミド(ioglucamide)、イオグルニド(ioglunide)、イオグルアミド(iogulamide)、イオメプロール(iomeprol)、イオペントール(iopentol)、イオプロミド(iopromide)、イオサルコール(iosarcol)、イオシミド(iosimide)、イオツーサル(iotusal)、イオキシラン(ioxilan)、イオフロタール(iofrotal)、イオデコール(iodecol)で構成されるグループから選択される水溶性の非イオン性X線造影剤がある。
【0060】
また、物質2は、ポリマー及びモノマー成分で構成される硬化骨セメントであってもよい。ポリマーは、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)でよく、モノマーは、メチルメタクリレート(MMA)でよい。高分子基材は、米国のオーソビタ社(company Orthovita)の製品であるCortossTMでよい。構成に関しては、www.orthovita.com/products/cortoss/oustechspecs.html.参照。他の高分子基材としては、パララックス・メディカル社(Parallax medical inc:www.parallax-medical.com/go/91-92b550-5642-1157-a432-d7a2b98310fe)の製品であるSECOUR(登録商標)アクリル樹脂でよい。
【0061】
物質2は、代用骨及び/又は骨補強材でよく、無機物及び/又はセラミックと高分子材料を組み合わせたもので構成される。
【0062】
スクリュー装置51は、図示されたものとは異なる方法で設計された混合容器3に接続されてもよく、そこでピストン手段7は、図示されたものと異なる方法で設置・操作されてもよい。
【0063】
分配装置69は、図示されたものとは異なる方法で設計された混合容器3に接続されてもよく、その逆も同様であり、そこでピストン手段7は、図示されたものと異なる方法で実装されてもよい。
【0064】
本発明は、上記の実施例及び図面に限定されるものではない。詳細な例示はないが、物質2は、代用骨及び/又は骨補強材、又は骨セメント、又はそれらと同様のもの以外の種類の物質でもよい。回転手段8は、図示及び記載した以外の手段と一体のピストン手段と連携可能である。混合においては、混合手段9以外の別の方法で行ってもよく、そのような手段がある場合は、異なる方法で設計してもよい。混合容器3は、記載及び図示したものとは異なる方法で設計してもよく、スクリュー装置51を使用する場合は、記載及び図示したものとは異なる種類のものでも適応可能であり、これは、分配装置69においても同様である。ピストン手段7は、混合手段9で方向Uに移動可能であり、また、真空源90で同じ方向に吸入可能であるが、ピストン手段7を、混合手段9及び真空源90を同時に使って移動させてもよい。装置1は、使い捨てタイプでも、また、繰り返し使うものでも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】混合工程における、本発明による装置の縦断面図。
【図2】図1の装置を部分的に拡大した断面図であり、放出手段に連結された混合手段を示す図。
【図3】放出工程における、図1の装置の断面図。
【図4】図1の装置の取付形成部の斜視図。
【図5】図1の装置の放出ピストン形成部の斜視図。
【図6】図1の装置の回転防止部材形成部の斜視図。
【図7】図1の装置の回転手段形成部の斜視図。
【図8】図1の装置で使用する、ねじ機構の側面図。
【図9】粉末成分を入れ、液状成分を注入している状態の、図1の装置の部分図。
【図10】分配装置に接続された、図1の装置の部分図。
【図11】図10の分配装置の斜視図。
【図12】図1の装置の、椎体形成術に関連して使用している時の図。
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化物質製造装置に関するものであり、望ましくは、代用骨及び/又は骨補強材又は骨セメント又はそれと同様の物質の製造装置に関するものであり、硬化物質を供給するため、混合容器は、少なくとも一つの粉末成分及び少なくとも一つの液体成分を混合するための混合空間を備える。ピストン手段は、混合容器の混合空間に備えられ、ピストン手段は、混合容器に対して保持され、また、混合物質を混合容器の外に放出可能な、少なくとも一つの開口部の方向へ、混合容器に対して移動可能になるように開放することができる。混合容器に対して回転可能な、少なくとも一つの手段は、ピストン手段と連携し、保持位置において、ピストン手段が混合容器に対して保持され、また、開放位置へ回転することにより、ピストン手段が開口部へ向かって移動可能なように開放する。
【背景技術】
【0002】
骨粗しょう症は、特に先進国において急激に増加している。全女性の約50%が、骨粗しょう症による骨折を患うと推定される。これらの骨折の大部分は高齢者に見られ、死亡数、障害、社会的費用の増加をもたらす。椎体形成術は、骨粗しょう症による圧迫骨折の痛みを緩和するために、椎骨に骨セメントを皮内注射するものである。椎骨形成は、フランスで1984年に初めて実施され、その十年後、米国で実施された。圧迫骨折セメント固定は、つぶれた椎骨内でバルーンを膨らませ、椎骨がさらにつぶれる危険を少なくし、骨セメントを充填する空洞をもたらすものである。圧迫骨折セメント固定は、ヨーロッパにおいては試験的なものとみなされているが、最近、食品医薬品局で、病的骨折の治療法として、ポリマー骨セメントと共に承認された。圧迫骨折セメント固定の難点は、全身麻酔を必要とすることである。しかしながら、椎体形成術は、鎮静剤及び鎮痛剤を投与しながらの、透視診断の外科処置で実施可能である。どちらの方法においても、75%以上の場合において、痛みを軽減させることが可能である。早い段階で椎体形成術で椎骨を圧迫する処置については、痛みを軽減する効果があっても議論されている。椎体形成術を実施する前に、少なくとも6週間待つことが推奨されている。待つ間、痛みを取る処置が試される。しかしながら、固定化を引き起こす合併症の危険があったり、痛みが深刻な場合は、早い段階での椎体形成術を考慮に入れることが可能である。椎体形成術の主な目的は、椎骨がさらにつぶれるのを防ぐために痛みを取り除くものである。骨折を特定するため、通常のX線以外にMRを使うことができ、MRで、骨髄内の浮腫や椎骨内の骨折の割れ目を見ることもできる。
【0003】
椎体形成術は、患者があお向け又は横向きに寝そべった状態で、静脈内沈静法で、痛みを軽減しながら、医師の管理下において実施される。局所麻酔を追加する間、針が、透視診断中に、transpedicular又はposteolateral注入口を通じ、椎骨内のmandrineに挿入される。針は、椎骨の中心線、望ましくは前方又は前面部に位置することになる。そして、セメントの注入が行われる。別の針が、椎骨を対称的に充填するために必要とされる。セメントの注入は、テレビ透視で注意深く監視し、椎骨の境界外部に漏れることがあれば、注入を中断する。痛みを軽減するのに必要な量は少なく、約2〜3mlである。それよりも多い量を使うと、注入中に髄液が循環系の中に広がってしまう危険性と同様に、セメントが漏れ出す危険が増加する。注入には、技術的な知識と訓練が必要である。全ての合併症の大部分は、セメントが、脊柱管へ、又は注射部位を通じて漏れるかどうかによって決まる。20%以上の割合で、セメントが、傍脊椎の軟部や腰部の静脈系に、無症候性で漏れる。
【0004】
上記又はそれと同様の目的で、物質を製造及び放出する装置は、US4676655、GB2239818、WO2004/026377、WO99/65597、EP0657208、及びWO2004/002615で既知である。しかしながら、これらの公報による先行技術の装置では、椎体形成術又はそれと同様のものに関連した、簡素な処置を可能にするものではない。
【0005】
本発明の目的は、椎体形成術又はそれと同様のものに関連した、簡素な処置を可能にする、簡素な装置を提供するものである。これは、後述の請求項1に記載の特徴を持った、上記の装置を備えることによって実現される。
【発明の概要】
【0006】
完全に簡易な処置を可能にする装置を、とりわけ椎体形成術及び、例えばセメントをボウルの中で混合し、小さな注射器に移動させるための、複数の技術手段から執刀医を開放する装置を使うことの可能性は、最も重要なものである。セメントの混合に関する簡易な処置は、その放出と同様に重要なものである。閉鎖システムは、ポリメチル・メタクリレートを使うのであれば、モノマーを周囲空気に放出しないよう、衛生的な理由で必須となる。殺菌を可能にするプレパック・システムの可能性は、注入中の管理改善のための、小さな注射器への閉鎖移動と共に明白である。今日、これらの要望に応じるような、簡易で効果的な混合・放出装置が存在しない。そのような装置により、バランス良い量で、セラミック素材と同様に、高分子の混合を行うことができ、また、漏れが発生した場合には注入を中止することができる。本発明は、これに関し、多くの新規性を含んでいる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図に示した装置1は、代用骨及び/又は骨補強材又は骨セメント又はそれと同様の物質のような硬化物質2の製造に用いられる。この物質2は、装置1から送出及び/又は吸出され、例えば円筒状の形をした、混合容器3を備える。混合容器3には、混合空間4があり、硬化物質2を製造するために、そこで少なくとも一つの粉末成分5と少なくとも一つの液状成分6とを混合する。
【0008】
混合空間4は、ピストン手段7を備え、ピストン手段7は、混合工程中は混合容器3に対して保持され、その後、混合容器3に対し、混合空間4内を移動できるように開放可能である。ピストン手段7を開放するために、回転手段8が備えられ、回転手段8は、保持位置P1において、混合容器3に対してピストン手段7を保持し、また、保持位置P1から開放位置P2へ回転させることにより、混合容器3に対して開放可能となり、それにより、ピストン手段7が混合空間4を移動可能である。ピストン手段7及び回転手段8は、望ましくは直接又は間接的に連結される。
【0009】
装置1は、必須ではないものの、硬化物質2を製造するまでに、粉末成分5及び液体成分6を混合する混合手段9を備えるのが望ましい。それにより、混合物質2を混ぜることが適切又は必要であれば、混合手段9によって可能である。混合手段9は、例えば中空又は中空でない棒状の伸長部材10を備えることができ、伸長部材10は、混合空間4へ延び、混合空間4内における内端に、混合円板11を備え、上記円板は、それを貫通する軸穴12を有する。また、混合空間4外における外端において、伸長部材10には、混合手段9を操作するための操作ハンドル13が備えられる。
【0010】
混合/かくはんは、既知の方法により、混合手段9を混合空間4内で前後に移動させたり、また望ましくは、混合空間4に対してそれを回転させることによって実行可能である。
【0011】
ピストン手段7は、望ましくはその中を通る軸穴14を有し、そこを通じて、混合手段9の伸長部材10が、混合空間4へ延びる。伸長部材10は、ピストン手段7と連携して、一つ又は複数の密閉リング15又はそれと同様のものを通り、シーリングが上記部材の間に備えられるようにする。伸長部材10とピストン手段7の軸穴14は、伸長部材10がピストン手段7に対して移動及び回転可能になるように構成される。
【0012】
少なくとも一つの外部密閉リング16又はそれと同様のものが、混合容器の内側と連携するよう、ピストン手段7上に備えられ、シーリングがピストン手段7と上記の内側との間に規定される。外部密閉リング16は、望ましくはそれが混合空間4内を移動することにより、混合容器3の内側に堆積した物質2を取り除くように設計される。
【0013】
また、ピストン手段7は、少なくとも一つのフィルター18を備える開口部17を備える。開口部17は、混合空間4で発生した気体を外へ出し、フィルター18は、粉末成分5及び/又は液体成分6及び混合された物質2が開口部17を通じて混合空間4へ込み上げるのを防ぐ。
【0014】
回転防止部材19は、ピストン手段7上に備えられる。この部材19は、環状の形をしており、軸方向に設けられた二つのフック部20,21を備え、フック部20及び21は、ピストン手段7内の溝22,23内に挿入され、半径方向において、そこにある二つの段部7a及び7bにはめ込むことが可能である。これにより、回転防止部材19は、ピストン手段7に装着され、ピストン手段7に対して回転できないようになる。
【0015】
さらに、回転防止部材19は、軸方向に設けられたフランジ24を備え、フランジ24は、取付具25と連携して、回転防止部材19の回転を防止するようにし、また、混合手段9が粉末成分5及び液体成分6を混合する際に、ピストン手段7に対して回転するため、取付具25に対してピストン手段7の回転を防止する。取付具25は、穴部28を備える円筒部材27を備え、その中に回転手段8を挿入し、また回転手段8が開放位置P2に設置された際に、回転手段8がその中で回転することができる。取付具25の円筒部材27は、環状のスナップ取付部29を装備可能であり、スナップ取付部29は、混合容器3の内側に位置し、取付具25をスナップ取付方式で混合容器3に装着できるようにする、一つ又は複数の係止部30に螺入可能である。そのスナップ取付部29の代わり又はそれと併用して、取付具25は、放射状となった複数の突部33,34を備え、突部33,34は、混合容器3の放射状に外側へ向いたフランジ35にスナップ取付方式で装着でき、それにより、取付具25が混合容器3に対して回転できなくなる。
【0016】
回転手段8は、貫通孔8aを有し、その中を混合手段9の伸長部材10が延びることにより、伸長部材10が回転手段8に対して移動可能となり、またその逆に関しても同様である。
【0017】
回転手段8は、第1のフランジ36又は、方向Uに対し、回転手段8から、物質2を混合容器3から出す放出開口部49の方へ、放射状に外側へ延びる関連部材を有する。この第1のフランジ36は、回転手段8の周囲の一部を取り囲んでいる。
【0018】
取付具25の穴部28は、第2のフランジ31a又は、方向Uに対し、放射状に穴部28内の方へ向いた、第2の関連部材を有する。この第2のフランジ31aは、穴部28の周囲の一部に沿って延びている。このフランジ31aは、切込み部31b又は穴部28の第3の関連部分になく、回転手段8の第1のフランジ36が、そこを通過することができるように設計されており、それにより、第1のフランジ36と切込み部31bが連携すると、回転手段8全体が通過できることになる。
【0019】
回転手段8が、図1の保持位置P1に設置されると、第1のフランジ36及び第2のフランジ31aが連携し、回転手段8が、取付具25に対して、方向Uに移動できなくなり、一方、混合手段9は、移動可能であり、混合空間4の中で粉末成分及び液体成分を混合する混合動作を行うことが可能である。
【0020】
回転手段8は、保持位置P1から、取付具25に対して180度回転させることにより、図2の開放位置P2へ合わせることができ、この回転移動は、その第1のフランジ36を回転停止部32に係合又は付き合わせることによって制限することができる。それにより、回転手段8の第1のフランジ36は、取付具25の第2のフランジ31aから離れ、代わりに、取付具25の切込み部31bと連携することになり、回転手段8、すなわちピストン手段7が、それに対し、すなわち混合容器3に対し、方向Uに移動又はずらすことが可能である。
【0021】
ピストン手段7は、回転手段8が取付具25でピストン手段7を保持する際には、望ましくは取付具25の切込み部31bを係合又は保持する回転防止部材19のフランジ24によって、取付具25に対し、回転できないようになる。
【0022】
回転手段8は、望ましくは結合装置37と連携し、結合装置37は、ピストン手段7と混合手段9の伸長部材10を連結するために備えられ、これにより、ピストン手段7(及びそこに備えられた回転手段8)が、混合手段9が混合空間4から混合した物質2を放出することによって、混合容器3に対し、軸方向Uに移動可能である。結合装置37は、回転手段8とピストン手段7の間に位置し、望ましくは回転手段8によって操作され、ピストン手段7と伸長部材10を接続すると同時に、回転手段8が、保持位置P1から開放位置P2へ回転する。そのため、結合装置37は、例えば洗浄機のような、結合手段38を備えることが可能であり、結合手段38は伸長部材10に装着され、ピストン手段7と回転手段8の間に位置する。ピストン手段7は、軸方向に回転手段8の方を向き、伸長部材10の一方側に位置する支持部材39を有し、また、伸長部材10の他方側には空き領域40がある。回転手段8は、軸方向に向いたせん孔部41を有し、その後部には、つる巻きばね42もしくはそれと同様の弾力性のある物が備えられ、また、その前部には、せん孔部41から突出したピン43が備えられる。
【0023】
回転手段8を保持位置P1に設置すると、せん孔部41はつる巻きばね42と共に伸長部材10と同じ側に位置し、それにより、つる巻きばねが、支持部材39に反発して結合手段8を押圧するため、その結合手段38は、指示部材39に反発する形で中立位置P3に保持され、混合手段9の伸長部材10を、反対の軸混合方向Bへずらすことができ、それにより、粉末成分5及び液体成分6を、混合手段9を使って混合空間4内で混合することができ、同時に、ピストン手段7は、混合容器3に対して保持される。
【0024】
回転手段8を180度回転させて開放位置P2へ移動させると、せん孔部41及びつる巻きばね42も、支持部材39に対し180度移動し、それにより、つる巻きばね42は、結合手段38を空間40へ押圧又は押し入れ、結合手段38は伸長部材10に対して傾き、結合位置P4へ移動し、結合手段38は、ここで伸長部材10に固定される。これにより、ピストン手段7は、混合手段9に接続され、ピストン手段7を、その混合手段9によって方向Uにずらすことが可能である。
【0025】
望ましくは、結合装置37は、混合手段9とピストン手段7を連結した後、その混合手段9がピストン手段7に対し、戻り方向Rに引っ張られた場合に、混合手段9がピストン手段7から離れることができるように設計される。
【0026】
操作ハンドル13及び/又は伸長部材10には、開口端部45aと、その内部の空洞又は凹部45bを有する外部部材45を備えることができ、その開口端部は、混合中に混合手段9が混合容器3の軸方向にずれて、混合容器3に対して回転すると、混合容器3に係合又は付き合わされる。これにより、混合手段9の回転が回転手段8に伝達されなくなる。
【0027】
取付具25は、望ましくはピストン手段7及び混合手段9が混合容器3から引き離されるのを防止するように備えられる。
【0028】
回転手段8は、混合容器3の混合空間4内でピストン手段7と共に移動可能であるため、装置1を簡素化することができ、また、粉末成分5及び液体成分6の混合を行い、混合した物質2を放出する際には、簡易で迅速な処理を行うことが可能である。そのためには、回転手段8を保持位置P1から開放位置P2へ回転させるだけでよく、混合空間4から物質2を放出するため、混合手段9を使ってピストン手段7を方向Uにずらすことが可能である。
【0029】
開口部17の代わりとしては、ピストン手段7が取付具25によって保持されている場合、少なくとも一つの開口部47を、混合容器3の側面の、ピストン手段7の近くに備えることが可能である。開口部47は、ピストン手段7の近くに位置するため、ピストン手段7が方向Uに移動し始めると閉じ、さらにピストン手段7が移動すると、ピストン手段7の背部に位置し、物質2ではなく、気体のみが、開口部47を通じて外部へ押し出される。
【0030】
これらの開口部の代わりとしては、ピストン手段7が取付具25によって保持されている場合、混合容器3の側面の、ピストン手段7と、混合容器内にある、物質2を放出するための放出開口部49との間の約半分の所に、少なくとも一つの開口部48を備えることが可能である。開口部48は、必要であれば閉じられてもよい。
【0031】
上記の開口部17又は開口部47又は開口部48により、例えば液体成分6を混合空間4に注入する際、気体をその混合空間4の外へ押し出すことを可能とする。このように、気体を外へ押し出すことができるので、液体成分6の注入を円滑に行うことが可能である。開口部48は、その設置位置により、物質2の中に閉じ込められた気体を外へ押し出したり、又、物質2の放出中に、気体が物質2から離れるようにすることが可能である。
【0032】
混合空間4内に真空を生成するため、少なくとも一つの真空発生装置を備えることができ、それは、望ましくは液体成分6を迅速に吸入し、それを粉末成分5に分配するのを促進し、さらに/又は、例えば、粉末成分5及び液体成分6を混合中、そこから発生した有毒ガスを吸出するといった、様々な目的に使われる。この場合、混合容器3に空気が入る開口部はないが、混合容器は、密閉される必要がある。
【0033】
混合空間4内に、例えば有毒ガスを吸出するための真空を生成するため、第1の真空生成装置50を備え、それを適切な位置で混合容器3に接続することが可能である。第1の真空生成装置50を、図1に図式的に示す。
【0034】
物質2を放出するため、混合手段9に直線的な力をかけることができ、それにより、その混合手段9及びピストン手段7は、混合容器3に対し、直線的にずれる。あるいは、混合手段9を、スクリュー装置51によって直線的にずらすことが可能である。
【0035】
スクリュー装置51は、例えば、ナット状部材52を含み、このナット状部材52は、横方向に広がった溝53を有する横方向に広がったフォーク状部材52aを備え、混合容器3のフランジ35の上で、ナット状部材52が横向きに装着できるようにするので、上記のナット状部材52が、混合容器3に固定される。
【0036】
ナット状部材52には、外部ねじ山56と一体になったねじ状部材55のための、ねじ穴54が備えられ、外部ねじ山56は、ナット状部材52のねじ穴54内のねじ山とかみ合う。ねじ状部材55は、多面ナット58と一体のパイプ部材でよく、パイプ部材は、横方向に開いた縦の細長孔57を有し、多面ナット58は、開口面60を有し、それにより、ねじ状部材55及び多面ナット58は、混合手段9の伸長部材10に装着可能である。多面ナット58は、外部部材45の、対応の多面穴59又は、操作ハンドル13の他のどんな部材に適合するように調節される。
【0037】
上記のスクリュー装置51の実施例により、スクリュー装置51は、回転することなく混合容器3に位置することができ、また、多面ナット58を多面穴59に挿入することができるので、ねじ状部材55は、操作ハンドル13を使って、例えば外部部材45を通じて、ナット状部材52にねじ込み可能であり、それにより、ねじ状部材55の端部61が、回転手段8に接触し、回転手段8及び回転手段8を通じてピストン手段7に、方向Uに放出する力を与えることが可能である。
【0038】
ピストン手段7は、手動で操作ハンドル13を押したり、また、スクリュー装置51を使ってそれを回転させ、回転移動を伝達することにより、方向Uに移動可能である。物質2を混合空間4から放出するのに大きな力が必要な場合、図1で図式的に示すような、砲状の放出装置62又は同様の装置が使用可能である。混合容器3は、圧力手段63が混合手段9又は、混合手段がない時には直接ピストン手段7に連携するよう、配置される。圧力手段63は、抑制可能な引き金によって手動で操作され、圧力手段63を段階的に移動させ、圧力手段63が、混合手段9及び/又はピストン手段7を前方へ、方向Uに押圧するようにできる。
【0039】
図9に示すように、混合容器3の混合空間4には、装置1を納品する際に液体成分5が封入されている。そのため、放出開口部49を閉鎖装置64で閉じ、粉末成分5が混合空間4の外へ出ないようにする。
【0040】
液体成分6は、液体容器65に備えることができ、粉末成分5と混合するため、混合空間4に送入可能である。
【0041】
液体容器65は、放出端部66を有し、液体成分6を混合空間4及びそこに入っている粉末成分5に注入するよう挿入された際には、封鎖装置64を、放出端部66によって開くことができるように設計される。そのために、封鎖装置64は、バルブ本体64aを備え、それは通常閉じているが、放出端部66が封鎖装置64に挿入されると開き、放出端部66が封鎖装置64から取り外されたり、また、後退すると、自動的に閉じた状態に戻る。
【0042】
バルブ67は、封鎖装置64と連携し、液体成分6が液体容器65から混合空間4に注入される際に、気体を混合空間4から出すことが可能である。このバルブ67は、必要に応じて開閉可能である。
【0043】
混合空間4の内容物、すなわち粉末成分5及び液体成分6及び/又は物質2を振動させるために、混合容器3又はその一部を、図9で図式的に示すように、振動装置68に接触させることが可能である。
【0044】
図10に示すように、混合容器3は、分配装置69に接続することができ、またその逆も可能である。複数の容器70をそこに接続することができ、またその逆も可能であって、混合空間4で混合された物質2を、その混合空間から分配装置69に送出したり、また放出することが可能である。分配装置69は、多様な容器70へ物質2を分配し、物質2の一部が容器70の内部空間71に送入される。各々の容器70の内部空間71は、混合容器3の混合空間4よりも大幅に小さく、例えば、混合空間4からの物質2の一部2aで8個の容器70の空間71を充填するというように、一つの混合容器で、複数の容器70の空間71を充填することが可能になる。
【0045】
各々の容器70の空間71が、物質2の一部2aで充填されると、各々の容器70を分配装置69から取り外すことができ、また、その逆も可能であって、容器70に入っている物質2の一部2aを容器70外へ送出され、さらに/又は吸出することが可能である。
【0046】
分配装置69は、望ましくは軸方向の注入管73と一体になった分配本体72を備え、分配本体72は、放出開口部49を有する混合容器3の出口又は放出端部74の近くに配置可能である。注入管73は、ねじ止め又は他の適切な方法で放出端部74に配置可能であり、分配本体72の内部通路が、放出開口部49に通じる。当然、代わりに混合容器を注入管73に配置してもよい。
【0047】
また、分配装置69は、複数の放出管75乃至82を備え、それは少なくとも二つの管や、例えば8個の管であって、分配本体72から星のような形で放射状に延び、分配本体72の内部部材に通じる。
【0048】
各々の容器70は、前部84を有し、それを通じて分配装置69の放出管75乃至82の一つに、例えばねじ止めして実装することが可能で、またその逆も可能であり、物質2の一部2aを空間71に送入可能である。この空間71の充填中、容器70の一部を形成するピストン86は、望ましくは、容器70の後部85に位置する。空間71に物質2の一部2aを充填した後、カニューレ又は針83を前部84に配置可能である。物質2の一部2aは、カニューレ83を通じて、容器70の空間71から送出され、又は吸出される。
【0049】
各々の容器70は、最後に開口部87を有し、ピストン86が後部85にある時には、開口部87は、望ましくは後部85及びピストン86のすぐ前方に位置する。この開口部87により、物質2の一部2aが空間71に送入された際に、容器70の空間71にある気体を空間外に押し出すことが可能である。これにより、空間71にある気体が、空間71に物質2の一部2aが入る妨げにならない。開口部87の直径は、例えば0.2から1.0mmで、望ましくは約0.6mmである。
【0050】
開口部87は、ピストン86が容器70の後部85に位置する際には、代替的に、容器70の内側の軸方向に、ピストン86を越えて延びる溝(図示せず)が備えられてもよい。
【0051】
容器70が、必要数だけ物質2の一部2aに充填されると、その時点で一つの容器70が、分配装置69から取り外され、カニューレ又は針83が、望ましくは容器70の前部84に実装され、空間71が空になるまで、ピストン86の支持の有無に関わらず、物質2の一部2aは、カニューレ83を通じて、送出又は吸出されるようになる。一つの容器70を分配装置69から取り外し、他の充填した容器70を実装したままにすることにより、取り外されていない容器70の中の物質2が、長時間に渡って、不必要に大気にさらされないで済む。
【0052】
各々の容器70の空間71の大きさが分かるので、各々の容器70から送出又は放出される物質2の一部2aの量が、正確に分かる。
【0053】
海綿状骨89を物質2で処理するために、物質2は、海綿状骨89の内部89aに吸入可能である。そのために、容器70は、カニューレ83又は、カニューレ83を接続可能な部材(図示せず)を内部89aに挿入することにより、海綿状骨89に接続され、容器70の空間71が、そこに通じる。海綿状骨89の内部89aには、接続線92を通じて、少なくとも一つの真空源90が接続されて、内部89a及びそこに接続された容器70の空間71に真空を生成し、物質2の一部2aが、その空間71に吸出され、カニューレ83を通じて、海綿状骨89の内部89aに吸入される。この吸入工程中、ピストン86は、最終的に方向Uへずれ、物質2の一部2aが、空間71外へ吸出される際の支持をする。
【0054】
海綿状骨89の内部89aには、混合容器3から物質2を供給することができる。混合容器3には、カニューレ又は針(図示せず)又はそれと同様のものを供給することができ、このカニューレは、内部89aに挿入される。従って、物質2は、真空源90を使って、混合容器3の混合空間4から内部89aに吸入可能である。最終的に、この混合空間4からの物質2の吸入は、ピストン手段7を方向Uにずらすことによって支持される。
【0055】
海綿状骨89は、例えば海綿状椎骨、又は大腿骨又は膝蓋骨の骨折のような骨粗しょう症骨折がある。
【0056】
混合容器3内の混合された物質2は、インプラントの固定に使用可能であり、それにより、容器に放出管又はそれと同様物(図示せず)を供給でき、それを通じて、物質2が、ピストン手段7を使って、インプラントが固定される、骨内の空洞に放入される。
【0057】
物質2は、代用骨及び/又は骨補強材のような、主にカルシウム原料又はセラミックから成り、例えば水といった硬化剤と混合可能なもので構成可能である。これらの物質は、硫酸カルシウムα半水和物、硫酸カルシウムβ半水和物、硫酸カルシウム二水和物、炭酸カルシウム、αリン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイト、第二リン酸カルシウム二水和物、無水第二リン酸カルシウム、テトラカルシウムリン酸、βリン酸三カルシウム、カルシウム不足ヒドロキシアパタイト、第一リン酸カルシウム一水和物、第一リン酸カルシウム、pyurpphosphateカルシウム、沈降ヒドロキシアパタイト、炭素質アパタイト(ダーライト)、リン酸オクタカルシウム、非晶質リン酸カルシウム、オキシアパタイト、カルボナトアパタイト、アルミン酸カルシウムで構成されるグループから選択可能である。
【0058】
セラミック素材は、アルミン酸カルシウムでよく、ドクサ社(Company Doxa:www.doxa.se/pdf/nyhet_1.pdf)の製品であるドクサ・ティ(Doxa T)を部分的に形成するものである。
【0059】
X線造影剤をセラミック代用骨及び/又は骨補強材に追加することが可能であり、例えば、イオヘキソール(iohexol)、イオベルソール(ioversol)、イオパミドール(iopamidol)、イオトロラン(iotrolan)、メトリザミド、イオデシモール(iodecimol)、イオグルコール(ioglucol)、イオグルカミド(ioglucamide)、イオグルニド(ioglunide)、イオグルアミド(iogulamide)、イオメプロール(iomeprol)、イオペントール(iopentol)、イオプロミド(iopromide)、イオサルコール(iosarcol)、イオシミド(iosimide)、イオツーサル(iotusal)、イオキシラン(ioxilan)、イオフロタール(iofrotal)、イオデコール(iodecol)で構成されるグループから選択される水溶性の非イオン性X線造影剤がある。
【0060】
また、物質2は、ポリマー及びモノマー成分で構成される硬化骨セメントであってもよい。ポリマーは、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)でよく、モノマーは、メチルメタクリレート(MMA)でよい。高分子基材は、米国のオーソビタ社(company Orthovita)の製品であるCortossTMでよい。構成に関しては、www.orthovita.com/products/cortoss/oustechspecs.html.参照。他の高分子基材としては、パララックス・メディカル社(Parallax medical inc:www.parallax-medical.com/go/91-92b550-5642-1157-a432-d7a2b98310fe)の製品であるSECOUR(登録商標)アクリル樹脂でよい。
【0061】
物質2は、代用骨及び/又は骨補強材でよく、無機物及び/又はセラミックと高分子材料を組み合わせたもので構成される。
【0062】
スクリュー装置51は、図示されたものとは異なる方法で設計された混合容器3に接続されてもよく、そこでピストン手段7は、図示されたものと異なる方法で設置・操作されてもよい。
【0063】
分配装置69は、図示されたものとは異なる方法で設計された混合容器3に接続されてもよく、その逆も同様であり、そこでピストン手段7は、図示されたものと異なる方法で実装されてもよい。
【0064】
本発明は、上記の実施例及び図面に限定されるものではない。詳細な例示はないが、物質2は、代用骨及び/又は骨補強材、又は骨セメント、又はそれらと同様のもの以外の種類の物質でもよい。回転手段8は、図示及び記載した以外の手段と一体のピストン手段と連携可能である。混合においては、混合手段9以外の別の方法で行ってもよく、そのような手段がある場合は、異なる方法で設計してもよい。混合容器3は、記載及び図示したものとは異なる方法で設計してもよく、スクリュー装置51を使用する場合は、記載及び図示したものとは異なる種類のものでも適応可能であり、これは、分配装置69においても同様である。ピストン手段7は、混合手段9で方向Uに移動可能であり、また、真空源90で同じ方向に吸入可能であるが、ピストン手段7を、混合手段9及び真空源90を同時に使って移動させてもよい。装置1は、使い捨てタイプでも、また、繰り返し使うものでも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】混合工程における、本発明による装置の縦断面図。
【図2】図1の装置を部分的に拡大した断面図であり、放出手段に連結された混合手段を示す図。
【図3】放出工程における、図1の装置の断面図。
【図4】図1の装置の取付形成部の斜視図。
【図5】図1の装置の放出ピストン形成部の斜視図。
【図6】図1の装置の回転防止部材形成部の斜視図。
【図7】図1の装置の回転手段形成部の斜視図。
【図8】図1の装置で使用する、ねじ機構の側面図。
【図9】粉末成分を入れ、液状成分を注入している状態の、図1の装置の部分図。
【図10】分配装置に接続された、図1の装置の部分図。
【図11】図10の分配装置の斜視図。
【図12】図1の装置の、椎体形成術に関連して使用している時の図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬化物質、望ましくは代用骨及び/又は骨補強材又は骨セメント又は同様の物質の製造装置であって、
混合容器(3)は、硬化物質(2)を提供するために、少なくとも一つの粉末成分(5)及び少なくとも一つの液体成分(6)を混合する混合空間(4)を有し、
ピストン手段(7)は、前記混合容器(3)の前記混合空間(4)に備えられ、
前記混合容器(3)に対して回転可能な、少なくとも一つの手段(8)は、前記ピストン手段(7)と連携し、保持位置(P1)において、前記混合容器(3)に対し、前記ピストン手段(7)を保持し、また、開放位置(P2)へ回転することにより、前記ピストン手段(7)を開放し、それによって、前記ピストン手段(7)は、前記物質(2)が前記混合空間(4)から出ることが可能な、少なくとも一つの開口部(49)の方向(U)へ向かって移動可能であり、
前記回転手段(8)は、前記開放位置(P2)において、前記方向(U)に、前記開口部(49)の方へ向かって、前記混合空間(4)の前記ピストン手段(7)に続くことを特徴とする硬化物質製造装置。
【請求項2】
前記回転手段(8)は、前記混合容器(3)に対して不動な状態で備えられた、第2の部材(31a)及び第3の部材(31b)と連携可能な第1の部材(36)を有し、それによって、前記回転手段(8)が前記保持位置(P1)にある時には、前記回転手段(8)の前記第1の部材(36)が、前記混合容器(3)の前記第2の部材(31a)と連携して、前記回転手段(8)及び前記ピストン手段(7)が、前記開口部(49)の前記方向(U)へ向かって移動しないようにし、
前記回転手段(8)の前記第1の部材(36)は、前記開放位置(P2)へ回転することにより、前記第2の部材(31a)から外れて、前記第3の部材(31b)と連携して回転可能であり、前記回転手段(8)及び前記ピストン手段(7)が、前記開口部(49)の前記方向(U)へ向かって移動可能であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記回転手段(8)の前記第1の部材は、前記方向(U)に対して、前記回転手段(8)から放射状に外側へ向き、前記回転手段(8)の周囲の一部を取り囲んで延びる第1のフランジ(36)であり、
前記第2の部材は、前記方向(U)に対して、前記回転手段(8)が前記開放位置(P2)に設置される時は、通過するように構成された穴部(28)内の方へ向き、また、前記穴部(28)の周囲の一部に沿って延びる第2のフランジ(31a)であり、
前記第3の部材は、前記第2のフランジ(31a)がなく、前記回転手段(8)の前記第1のフランジ(36)が通過可能である、前記穴部(28)の周囲の切込み部(31b)であることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第2の部材(31a)及び前記第3の部材(31b)は、前記混合容器(3)に配置可能な取付具(25)に備えられることを特徴とする、請求項2又は請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記取付具(25)は、スナップ取付方式で前記混合容器(3)に装着可能であることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
回転防止部材(19)は、前記回転手段(8)が前記ピストン手段(7)に対して回転する時、前記取付具(25)に対し、前記ピストン手段(7)が回転しないように備えられることを特徴とする、請求項4又は請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記回転防止部材(19)は、前記ピストン手段(7)に位置し、前記取付具(25)と連携して、前記回転手段(8)が前記ピストン手段(7)に対して回転する時には、前記取付具(25)に対して前記取付具(25)が前記回転防止部材(19)の回転を防止し、それにより、前記ピストン手段(7)の回転を防止することを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
回転停止部(32)は、前記回転手段(8)の回転移動を制限するために備えられることを特徴とする、前記何れかの請求項に記載の装置。
【請求項9】
前記回転手段(8)は、前記粉末成分(5)及び液体成分(6)を前記混合空間(4)内で混合するために備えられた混合手段(9)の伸長部材(10)が延びる貫通孔(8a)を有することを特徴とする、前記何れかの請求項に記載の装置。
【請求項10】
前記回転手段(8)は、前記回転手段(8)と前記ピストン手段(7)の間に位置した結合装置(37)と連携して、前記ピストン手段(7)と前記混合手段(9)の前記伸長部材(10)を連結し、前記ピストン手段(7)は、前記混合手段(9)の前記伸長部材(10)との接続後、前記混合手段(9)が前記混合空間(4)から混合した前記物質(2)を放出することによって、方向(U)に移動可能であることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記結合装置(37)は、前記ピストン手段(7)の支持部材(39)と連携する結合手段(38)を備え、前記支持部材(39)は、前記混合手段(9)の前記伸長部材(10)の一方側に位置し、
前記回転手段(8)は、前記保持位置(P1)に設置される時は、前記伸長部材(10)と同じ側に位置する弾性要素(42)を備え、前記弾性要素(42)は、前記結合手段(38)を前記支持部材(39)に反発して保持することにより、前記連結手段(38)を前記中立位置(P3)に動かし、前記回転手段(8)は、前記開放位置(P2)に回転することにより、前記弾性要素(42)を前記伸長部材(10)の反対側に移動させ、それによって、前記結合手段(38)を前記伸長部材(10)に固定又は留める前記結合位置(P4)に動かすことを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記結合装置(37)は、前記混合手段(9)が、前記ピストン手段(7)に対して、前記開口部(49)の前記方向(U)と反対の方向(R)へ引っ張られる時、前記混合手段(9)を前記ピストン手段(7)から開放するために備えられることを特徴とする、請求項10又は11に記載の装置。
【請求項13】
前記混合手段(9)の前記伸長部材(10)は、外部部材(45)を備え、前記外部部材(45)は、前記混合容器(3)の外部に位置し、前記混合手段(9)が、前記粉末成分(5)及び前記液体成分(6)を混合時に回転する際に、前記混合手段(9)によって前記回転手段(8)が回転するのを防止するために、前記回転手段(8)と接触しないよう、前記混合容器(3)と接触するように設計されることを特徴とする、請求項9乃至請求項12の何れかの請求項に記載の装置。
【請求項14】
少なくとも一つの開口部(17、47又は48)が、気体を前記混合空間(4)から開放又は外に出すために備えられることを特徴とする、前記何れかの請求項に記載の装置。
【請求項15】
前記開口部(17)は、前記ピストン手段(7)に備えられることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記開口部(47)は、前記ピストン手段(7)が、前記取付具(25)によって保持される時、前記ピストン手段(7)に近い、前記混合容器(3)の一方側に位置し、それによって、前記ピストン手段(7)が、方向(U)へ移動する時、前記開口部(47)が、前記ピストン手段(7)によって閉じることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記開口部(17)は、前記粉末成分(5)及び/又は前記液体成分(6)及び/又はそれを混合した物質(2)が前記開口部(17)を通って外に出るのを防ぐフィルター(18)を有することを特徴とする、請求項14乃至請求項16の何れかの請求項に記載の装置。
【請求項18】
前記少なくとも一つの開口部(48)が、前記混合容器(3)の一方側の前記ピストン手段(7)が約半分となる位置に備えられ、前記ピストン手段(7)が前記回転手段(8)によって保持されている時に、前記開口部(49)は、混合した物質(2)を前記混合容器(3)の外に出すことができ、前記第1の開口部(48)は閉じられることを特徴とする、前記何れかの請求項に記載の装置。
【請求項19】
真空生成装置(50)は、前記混合空間(4)内に真空を生成するために備えられることを特徴とする、請求項1乃至請求項13の何れかの請求項に記載の装置。
【請求項20】
前記真空生成装置(50)は、前記液体成分(6)を前記混合空間(4)に吸入するのを促進する目的で、前記混合空間(4)内に真空を生成するために提供されることを特徴とする、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
スクリュー装置(51)は、スクリュー移動により、前記ピストン手段(7)に、混合した物質(2)を前記混合空間(4)から方向(U)に放出するための放出移動をさせることを特徴とする、前記何れかの請求項に記載の装置。
【請求項22】
前記スクリュー装置(51)は、前記混合容器(3)に装着可能で、前記スクリュー装置(51)が前記混合容器(3)に対して回転できないようにするナット状部材(52)を有し、前記スクリュー装置(51)は、さらに、前記ナット状部材(52)にねじ込み可能であり、操作ハンドル(13)又は前記混合手段(9)の同様の形成部分に装着可能なねじ状部材(55)を有し、それによって、前記操作ハンドル(13)及び前記ねじ状部材(55)は回転しないように接続され、前記ねじ状部材(55)は、前記操作ハンドル(13)で、前記ねじ状部材(55)を前記ナット状部材(52)にねじ込むことにより、前記ピストン手段(7)を方向(U)に移動可能であることを特徴とする、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記ピストン手段(7)は、混合した物質(2)を前記混合空間(4)から放出するためのスクリューの一部として設計されることを特徴とする、前記何れかの請求項に記載の装置。
【請求項24】
前記ピストン手段(7)は、a)手動で操作ハンドル(13)やそれと同様のものに直線状の放出力をかけて、前記ピストン手段(7)を方向(U)に移動させることにより、b)スクリュー装置(51)によって前記ピストン手段(7)に伝達可能なスクリュー移動を手動で前記操作ハンドル(13)に与えることによって、前記ピストン手段(7)を前記方向(U)に移動させることにより、又はc)前記ピストン手段(7)が前記方向(U)に移動するために伝達される放出力を生成するために、段階的に操作可能な砲状の放出装置(62)内に前記装置(1)を配置することによって、混合した物質(2)を前記混合空間(4)から放出するため、一つの方向(U)に操作されるように備えられることを特徴とする、前記何れかの請求項に記載の装置。
【請求項25】
前記混合容器(3)の前記混合空間(4)は、密閉されて前記粉末成分(5)を有し、前記液体成分(6)は、前記粉末成分(5)及び前記液体成分(6)の混合を行う時には、前記混合空間に送入可能であることを特徴とする、前記何れかの請求項に記載の装置。
【請求項26】
混合した物質(2)を前記混合空間(4)から放出するための放出開口部(49)は、封鎖装置(64)によって閉じられ、前記液体成分(6)は、前記液体成分(6)を前記液体容器(65)の外に放出又は送出可能な放出端部(66)と一体になった液体容器(65)内にあり、前記封鎖装置(64)は、前記放出端部(66)が前記封鎖装置(64)に挿入されると、前記液体容器(65)の前記放出端部(66)で開かれて、前記液体成分(6)を、前記混合空間(4)に送入可能であり、前記封鎖装置(64)は、前記液体容器(65)の前記放出端部(66)が前記封鎖装置(64)から取り外されたり、また、後退すると、再び閉じた状態になることを特徴とする、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
バルブ(67)は、前記封鎖装置(64)と連携し、前記液体成分(6)が前記液体容器(65)から前記混合空間(4)に注入される際に、気体を前記混合空間(4)から出すことができるように備えられることを特徴とする、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記混合容器(3)は、振動装置(68)と連携し、前記混合空間(4)内の前記粉末成分(5)及び前記液体成分(6)及び/又は前記物質(2)を振動させるように備えられることを特徴とする、前記何れかの請求項に記載の装置。
【請求項29】
前記混合容器(3)は、分配装置(69)に接続することができ、またその逆も可能であり、複数の容器(70)を前記分配装置(69)に接続することができ、またその逆も可能であって、前記混合容器(3)の前記混合空間(4)で混合された物質(2)を、前記分配装置(69)に放出することが可能であり、前記分配装置(69)は、全ての前記容器(70)内の空間(71)が、前記物質(2)の一部(2a)で充填されるよう、前記容器(70)内の空間(71)へ前記物質(2)を分配するために備えられ、前記容器(70)を前記分配装置(69)から取り外した後、前記物質(2)の一部(2a)を前記容器(70)の前記空間(71)の外へ吸出及び/又は送出可能であることを特徴とする、前記何れかの請求項に記載の装置。
【請求項30】
各々の容器(70)の前部(84)は、前記分配装置(69)と接続可能で、またその逆も可能であり、前記物質(2)の一部(2a)を前記容器(70)の前記空間(71)に送入可能であり、前記容器(70)の前記空間(71)が前記物質(2)の一部(2a)を備えた後、カニューレ又は針(83)を前記前部(84)に配置可能であり、またその逆も可能であり、前記物質(2)の一部(2a)は、前記カニューレ(83)を通じて、前記空間(71)から吸出及び/又は送出可能であることを特徴とする、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
各々の容器(70)内のピストン(86)は、前記物質(2)の一部(2a)が前記容器(70)の前記空間(71)に送入されると、前記容器(70)の後部(85)に配置可能であることを特徴とする、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記容器(70)の後部(85)は、開口部(87)を有し、前記開口部(87)は、前記ピストンが前記後部(85)に位置する際にはピストン(86)の前に位置し、前記空間(71)が物質(2)の一部(2a)で充填される際には、前記容器(70)の前記空間(71)に存在する気体を前記開口部(87)を通じて前記空間(71)の外へ流出させることを可能にすることを特徴とする、請求項29乃至31の何れかの請求項に記載の装置。
【請求項33】
一つの容器(70)を空にするため、他の容器(70)を前記分配装置(69)に装着したまま、前記分配装置(69)から取り外すことが可能であることを特徴とする、請求項29乃至請求項32の何れかの請求項に記載の装置。
【請求項34】
前記混合容器(3)は、その混合空間(4)が内部(89a)と通じて、少なくとも一つの真空源(90)が、海綿状骨(89)の前記内部(89a)に、混合した物質(2)を前記混合空間(4)から前記内部(89a)に吸入するよう、真空を生成するという形で、前記海綿状骨(89)の前記内部(89a)と連携可能であることを特徴とする、請求項1乃至請求項28の何れかの請求項に記載の装置。
【請求項35】
ピストン手段(7)は、物質(2)を前記混合空間(4)から放出し、同時に物質(2)を前記混合空間(4)から吸出するために備えられることを特徴とする、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
物質(2)の一部(2a)が入った前記容器(70)は、前記容器(70)内の空間(71)が内部(89a)と通じて、少なくとも一つの真空源(90)が、海綿状骨(89)の前記内部(89a)に、物質(2)の一部(2a)を前記空間(71)から前記内部(89a)に吸出するよう、真空を生成するという形で、前記海綿状骨(89)の前記内部(89a)と連携可能であることを特徴とする、請求項29乃至請求項33の何れかの請求項に記載の装置。
【請求項37】
ピストン(86)は、物質(2)の一部(2a)を前記空間(71)から放出し、同時に物質(2)を前記空間(71)から吸出するために備えられることを特徴とする、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記海綿状骨(89)は、海綿状椎骨であることを特徴とする、請求項34乃至請求項37の何れかの請求項に記載の装置の使用方法。
【請求項39】
前記海綿状骨(89)は、大腿骨又は膝蓋骨の骨折のような骨粗しょう症骨折であることを特徴とする、請求項34乃至請求項37の何れかの請求項に記載の装置の使用方法。
【請求項40】
前記ピストン手段(7)は、骨インプラントの固定のため、混合した物質(2)を放出するために備えられることを特徴とする、請求項1乃至請求項29の何れかの請求項に記載の装置の使用方法。
【請求項41】
前記物質(2)は、カルシウム原料又は実質的なカルシウム原料、又はセラミック又は実質的なセラミック素材を含んだ、代用骨及び/又は骨補強材であることを特徴とする、請求項1乃至請求項37及び請求項40の何れかの請求項に記載の装置の使用方法。
【請求項42】
前記カルシウム原料又は前記セラミック素材は、前記海綿状骨(89)内で硬化可能な硬化性無機物又はセラミックであることを特徴とする、請求項41に記載の装置。
【請求項43】
前記カルシウム原料又はセラミックは、水のような硬化剤と混合することによって硬化可能であることを特徴とする、請求項42に記載の装置。
【請求項44】
前記カルシウム原料又はセラミックは、硫酸カルシウムα半水和物、硫酸カルシウムβ半水和物、硫酸カルシウム二水和物、炭酸カルシウム、αリン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイト、第2リン酸カルシウム二水和物、無水第2リン酸カルシウム、テトラカルシウムリン酸、βリン酸三カルシウム、カルシウム不足ヒドロキシアパタイト、第1リン酸カルシウム一水和物、第1リン酸カルシウム、pyurpphosphateカルシウム、沈降ヒドロキシアパタイト、炭素質アパタイト(ダーライト)、リン酸オクタカルシウム、非晶質リン酸カルシウム、オキシアパタイト、カルボナトアパタイト、アルミン酸カルシウムで構成されるグループから選択されることを特徴とする、請求項42又は請求項43に記載の装置。
【請求項45】
X線造影剤を、前記セラミック素材に混合することを特徴とする、請求項41乃至請求項44の何れかの請求項に記載の装置。
【請求項46】
前記X線造影剤は、水溶性及び非イオン性であることを特徴とする、請求項45に記載の装置。
【請求項47】
前記水溶性の非イオン性X線造影剤は、イオヘキソール(iohexol)、イオベルソール(ioversol)、イオパミドール(iopamidol)、イオトロラン(iotrolan)、メトリザミド、イオデシモール(iodecimol)、イオグルコール(ioglucol)、イオグルカミド(ioglucamide)、イオグルニド(ioglunide)、イオグルアミド(iogulamide)、イオメプロール(iomeprol)、イオペントール(iopentol)、イオプロミド(iopromide)、イオサルコール(iosarcol)、イオシミド(iosimide)、イオツーサル(iotusal)、イオキシラン(ioxilan)、イオフロタール(iofrotal)、イオデコール(iodecol)で構成されるグループから選択されることを特徴とする、請求項45に記載の装置。
【請求項48】
前記物質(2)は、ポリマー、望ましくはポリメタクリル酸メチル(PMMA)型、及びモノマー、望ましくはメチルメタクリレート(MMA)型の、混合すると硬化する成分で構成される骨セメントであることを特徴とする、請求項1乃至請求項37及び請求項40の何れかの請求項に記載の装置。
【請求項49】
前記代用骨及び/又は骨補強材又は骨セメントは、高分子材料と併用の無機物及び/又はセラミックで構成されることを特徴とする、請求項41乃至48の何れかの請求項に記載の装置。
【請求項50】
硬化物質、望ましくは代用骨及び/又は骨補強材又は骨セメント又は同様の物質の製造装置であって、
混合容器(3)は、硬化物質(2)を提供するために、少なくとも一つの粉末成分(5)及び少なくとも一つの液体成分(6)を混合する混合空間(4)を有し、
ピストン手段(7)は、前記混合容器(3)の前記混合空間(4)に備えられ、
前記混合容器(3)に対して回転可能な、少なくとも一つの手段(8)は、前記ピストン手段(7)と連携し、保持位置(P1)において、前記混合容器(3)に対し、前記ピストン手段(7)を保持し、また、開放位置(P2)へ回転することにより、前記ピストン手段(7)を開放し、それによって、前記ピストン手段(7)は、前記開口部(49)の方向(U)に向かって移動可能であり、
スクリュー装置(51)は、前記混合容器(3)に接続可能であり、それによって、前記スクリュー装置(51)が、スクリュー移動により、前記ピストン手段(7)に、混合した物質(2)を前記混合空間(4)から方向(U)に放出するための放出移動をさせることが可能であり、
前記スクリュー装置(51)は、前記混合容器(3)に装着可能で、前記スクリュー装置(51)が前記混合容器(3)に対して回転できないようにするナット状部材(52)を有し、前記スクリュー装置(51)は、さらに、前記ナット状部材(52)にねじ込み可能であり、操作ハンドル(13)又は前記混合手段(9)の同様の形成部分に装着可能なねじ状部材(55)を有し、それによって、前記操作ハンドル(13)及び前記ねじ状部材(55)は回転しないように接続され、前記ねじ状部材(55)は、前記操作ハンドル(13)で、前記ねじ状部材(55)を前記ナット状部材(52)にねじ込むことにより、前記ピストン手段(7)を方向(U)に移動可能であることを特徴とする硬化物質製造装置。
【請求項51】
硬化物質、望ましくは代用骨及び/又は骨補強材又は骨セメント又は同様の物質の製造装置であって、
混合容器(3)は、硬化物質(2)を提供するために、少なくとも一つの粉末成分(5)及び少なくとも一つの液体成分(6)を混合する混合空間(4)を有し、
ピストン手段(7)は、前記混合容器(3)の前記混合空間(4)に備えられ、
前記混合容器(3)に対して回転可能な、少なくとも一つの手段(8)は、前記ピストン手段(7)と連携し、保持位置(P1)において、前記混合容器(3)に対し、前記ピストン手段(7)を保持し、また、開放位置(P2)へ回転することにより、前記ピストン手段(7)を開放し、それによって、前記ピストン手段(7)は、前記物質(2)が前記混合空間(4)へ出ることが可能な、一つの開口部(49)の方向(U)へ向かって移動可能であり、
前記混合容器(3)は、分配装置(69)に接続することができ、またその逆も可能であり、複数の容器(70)を前記分配装置(69)に接続することができ、またその逆も可能であって、前記混合容器(3)の前記混合空間(4)で混合された物質(2)を、前記分配装置(69)に放出することが可能であり、前記分配装置(69)は、全ての前記容器(70)内の空間(71)が、前記物質(2)の一部(2a)で充填されるよう、前記容器(70)内の空間(71)へ前記物質(2)を分配するために備えられ、前記容器(70)を前記分配装置(69)から取り外した後、前記物質(2)の一部(2a)を前記容器(70)の前記空間(71)の外へ吸出及び/又は送出可能であることを特徴とする硬化物質製造装置。
【請求項52】
各々の容器(70)の前部(84)は、前記分配装置(69)と接続可能で、またその逆も可能であり、前記物質(2)の一部(2a)を前記容器(70)の前記空間(71)に送入可能であり、前記容器(70)の前記空間(71)が前記物質(2)の一部(2a)を備えた後、カニューレ又は針(83)を前記前部(84)に配置可能であり、またその逆も可能であり、前記物質(2)の一部(2a)は、前記カニューレ(83)を通じて、前記空間(71)から吸出及び/又は送出可能であることを特徴とする、請求項51に記載の装置。
【請求項53】
各々の容器(70)内のピストン(86)は、前記物質(2)の一部(2a)が前記容器(70)の前記空間(71)に送入されると、前記容器(70)の後部(85)に配置可能であることを特徴とする、請求項52に記載の装置。
【請求項54】
前記容器(70)の後部(85)は、開口部(87)を有し、前記開口部(87)は、前記ピストンが前記後部(85)に位置する際にはピストン(86)の前に位置し、前記空間(71)が物質(2)の一部(2a)で充填される際には、前記容器(70)の前記空間(71)に存在する気体を前記開口部(87)を通じて前記空間(71)の外へ流出させることを可能にすることを特徴とする、請求項51乃至53の何れかの請求項に記載の装置。
【請求項55】
一つの容器(70)を空にするため、他の容器(70)を前記分配装置(69)に装着したまま、前記分配装置(69)から取り外すことが可能であることを特徴とする、請求項51乃至請求項54の何れかの請求項に記載の装置。
【請求項56】
硬化物質、望ましくは代用骨及び/又は骨補強材又は骨セメント又は同様の物質の受入及び分配装置であって、
容器(70)には、前記硬化物質(2)を前記容器(70)の空間(71)外に分配するための可動のピストン(86)が備えられ、
前記ピストン(86)が後部(85)にある時には、前記ピストン(86)の前に位置し、前記空間(71)に前記物質(2)が充填される際には、前記容器(70)の前記空間(71)に存在する気体を前記開口部(87)を通じて前記空間(71)の外へ流出させることを可能にする開口部(87)を有することを特徴とする、硬化物質の受入及び分配装置。
【請求項1】
硬化物質、望ましくは代用骨及び/又は骨補強材又は骨セメント又は同様の物質の製造装置であって、
混合容器(3)は、硬化物質(2)を提供するために、少なくとも一つの粉末成分(5)及び少なくとも一つの液体成分(6)を混合する混合空間(4)を有し、
ピストン手段(7)は、前記混合容器(3)の前記混合空間(4)に備えられ、
前記混合容器(3)に対して回転可能な、少なくとも一つの手段(8)は、前記ピストン手段(7)と連携し、保持位置(P1)において、前記混合容器(3)に対し、前記ピストン手段(7)を保持し、また、開放位置(P2)へ回転することにより、前記ピストン手段(7)を開放し、それによって、前記ピストン手段(7)は、前記物質(2)が前記混合空間(4)から出ることが可能な、少なくとも一つの開口部(49)の方向(U)へ向かって移動可能であり、
前記回転手段(8)は、前記開放位置(P2)において、前記方向(U)に、前記開口部(49)の方へ向かって、前記混合空間(4)の前記ピストン手段(7)に続くことを特徴とする硬化物質製造装置。
【請求項2】
前記回転手段(8)は、前記混合容器(3)に対して不動な状態で備えられた、第2の部材(31a)及び第3の部材(31b)と連携可能な第1の部材(36)を有し、それによって、前記回転手段(8)が前記保持位置(P1)にある時には、前記回転手段(8)の前記第1の部材(36)が、前記混合容器(3)の前記第2の部材(31a)と連携して、前記回転手段(8)及び前記ピストン手段(7)が、前記開口部(49)の前記方向(U)へ向かって移動しないようにし、
前記回転手段(8)の前記第1の部材(36)は、前記開放位置(P2)へ回転することにより、前記第2の部材(31a)から外れて、前記第3の部材(31b)と連携して回転可能であり、前記回転手段(8)及び前記ピストン手段(7)が、前記開口部(49)の前記方向(U)へ向かって移動可能であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記回転手段(8)の前記第1の部材は、前記方向(U)に対して、前記回転手段(8)から放射状に外側へ向き、前記回転手段(8)の周囲の一部を取り囲んで延びる第1のフランジ(36)であり、
前記第2の部材は、前記方向(U)に対して、前記回転手段(8)が前記開放位置(P2)に設置される時は、通過するように構成された穴部(28)内の方へ向き、また、前記穴部(28)の周囲の一部に沿って延びる第2のフランジ(31a)であり、
前記第3の部材は、前記第2のフランジ(31a)がなく、前記回転手段(8)の前記第1のフランジ(36)が通過可能である、前記穴部(28)の周囲の切込み部(31b)であることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第2の部材(31a)及び前記第3の部材(31b)は、前記混合容器(3)に配置可能な取付具(25)に備えられることを特徴とする、請求項2又は請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記取付具(25)は、スナップ取付方式で前記混合容器(3)に装着可能であることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
回転防止部材(19)は、前記回転手段(8)が前記ピストン手段(7)に対して回転する時、前記取付具(25)に対し、前記ピストン手段(7)が回転しないように備えられることを特徴とする、請求項4又は請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記回転防止部材(19)は、前記ピストン手段(7)に位置し、前記取付具(25)と連携して、前記回転手段(8)が前記ピストン手段(7)に対して回転する時には、前記取付具(25)に対して前記取付具(25)が前記回転防止部材(19)の回転を防止し、それにより、前記ピストン手段(7)の回転を防止することを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
回転停止部(32)は、前記回転手段(8)の回転移動を制限するために備えられることを特徴とする、前記何れかの請求項に記載の装置。
【請求項9】
前記回転手段(8)は、前記粉末成分(5)及び液体成分(6)を前記混合空間(4)内で混合するために備えられた混合手段(9)の伸長部材(10)が延びる貫通孔(8a)を有することを特徴とする、前記何れかの請求項に記載の装置。
【請求項10】
前記回転手段(8)は、前記回転手段(8)と前記ピストン手段(7)の間に位置した結合装置(37)と連携して、前記ピストン手段(7)と前記混合手段(9)の前記伸長部材(10)を連結し、前記ピストン手段(7)は、前記混合手段(9)の前記伸長部材(10)との接続後、前記混合手段(9)が前記混合空間(4)から混合した前記物質(2)を放出することによって、方向(U)に移動可能であることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記結合装置(37)は、前記ピストン手段(7)の支持部材(39)と連携する結合手段(38)を備え、前記支持部材(39)は、前記混合手段(9)の前記伸長部材(10)の一方側に位置し、
前記回転手段(8)は、前記保持位置(P1)に設置される時は、前記伸長部材(10)と同じ側に位置する弾性要素(42)を備え、前記弾性要素(42)は、前記結合手段(38)を前記支持部材(39)に反発して保持することにより、前記連結手段(38)を前記中立位置(P3)に動かし、前記回転手段(8)は、前記開放位置(P2)に回転することにより、前記弾性要素(42)を前記伸長部材(10)の反対側に移動させ、それによって、前記結合手段(38)を前記伸長部材(10)に固定又は留める前記結合位置(P4)に動かすことを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記結合装置(37)は、前記混合手段(9)が、前記ピストン手段(7)に対して、前記開口部(49)の前記方向(U)と反対の方向(R)へ引っ張られる時、前記混合手段(9)を前記ピストン手段(7)から開放するために備えられることを特徴とする、請求項10又は11に記載の装置。
【請求項13】
前記混合手段(9)の前記伸長部材(10)は、外部部材(45)を備え、前記外部部材(45)は、前記混合容器(3)の外部に位置し、前記混合手段(9)が、前記粉末成分(5)及び前記液体成分(6)を混合時に回転する際に、前記混合手段(9)によって前記回転手段(8)が回転するのを防止するために、前記回転手段(8)と接触しないよう、前記混合容器(3)と接触するように設計されることを特徴とする、請求項9乃至請求項12の何れかの請求項に記載の装置。
【請求項14】
少なくとも一つの開口部(17、47又は48)が、気体を前記混合空間(4)から開放又は外に出すために備えられることを特徴とする、前記何れかの請求項に記載の装置。
【請求項15】
前記開口部(17)は、前記ピストン手段(7)に備えられることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記開口部(47)は、前記ピストン手段(7)が、前記取付具(25)によって保持される時、前記ピストン手段(7)に近い、前記混合容器(3)の一方側に位置し、それによって、前記ピストン手段(7)が、方向(U)へ移動する時、前記開口部(47)が、前記ピストン手段(7)によって閉じることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記開口部(17)は、前記粉末成分(5)及び/又は前記液体成分(6)及び/又はそれを混合した物質(2)が前記開口部(17)を通って外に出るのを防ぐフィルター(18)を有することを特徴とする、請求項14乃至請求項16の何れかの請求項に記載の装置。
【請求項18】
前記少なくとも一つの開口部(48)が、前記混合容器(3)の一方側の前記ピストン手段(7)が約半分となる位置に備えられ、前記ピストン手段(7)が前記回転手段(8)によって保持されている時に、前記開口部(49)は、混合した物質(2)を前記混合容器(3)の外に出すことができ、前記第1の開口部(48)は閉じられることを特徴とする、前記何れかの請求項に記載の装置。
【請求項19】
真空生成装置(50)は、前記混合空間(4)内に真空を生成するために備えられることを特徴とする、請求項1乃至請求項13の何れかの請求項に記載の装置。
【請求項20】
前記真空生成装置(50)は、前記液体成分(6)を前記混合空間(4)に吸入するのを促進する目的で、前記混合空間(4)内に真空を生成するために提供されることを特徴とする、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
スクリュー装置(51)は、スクリュー移動により、前記ピストン手段(7)に、混合した物質(2)を前記混合空間(4)から方向(U)に放出するための放出移動をさせることを特徴とする、前記何れかの請求項に記載の装置。
【請求項22】
前記スクリュー装置(51)は、前記混合容器(3)に装着可能で、前記スクリュー装置(51)が前記混合容器(3)に対して回転できないようにするナット状部材(52)を有し、前記スクリュー装置(51)は、さらに、前記ナット状部材(52)にねじ込み可能であり、操作ハンドル(13)又は前記混合手段(9)の同様の形成部分に装着可能なねじ状部材(55)を有し、それによって、前記操作ハンドル(13)及び前記ねじ状部材(55)は回転しないように接続され、前記ねじ状部材(55)は、前記操作ハンドル(13)で、前記ねじ状部材(55)を前記ナット状部材(52)にねじ込むことにより、前記ピストン手段(7)を方向(U)に移動可能であることを特徴とする、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記ピストン手段(7)は、混合した物質(2)を前記混合空間(4)から放出するためのスクリューの一部として設計されることを特徴とする、前記何れかの請求項に記載の装置。
【請求項24】
前記ピストン手段(7)は、a)手動で操作ハンドル(13)やそれと同様のものに直線状の放出力をかけて、前記ピストン手段(7)を方向(U)に移動させることにより、b)スクリュー装置(51)によって前記ピストン手段(7)に伝達可能なスクリュー移動を手動で前記操作ハンドル(13)に与えることによって、前記ピストン手段(7)を前記方向(U)に移動させることにより、又はc)前記ピストン手段(7)が前記方向(U)に移動するために伝達される放出力を生成するために、段階的に操作可能な砲状の放出装置(62)内に前記装置(1)を配置することによって、混合した物質(2)を前記混合空間(4)から放出するため、一つの方向(U)に操作されるように備えられることを特徴とする、前記何れかの請求項に記載の装置。
【請求項25】
前記混合容器(3)の前記混合空間(4)は、密閉されて前記粉末成分(5)を有し、前記液体成分(6)は、前記粉末成分(5)及び前記液体成分(6)の混合を行う時には、前記混合空間に送入可能であることを特徴とする、前記何れかの請求項に記載の装置。
【請求項26】
混合した物質(2)を前記混合空間(4)から放出するための放出開口部(49)は、封鎖装置(64)によって閉じられ、前記液体成分(6)は、前記液体成分(6)を前記液体容器(65)の外に放出又は送出可能な放出端部(66)と一体になった液体容器(65)内にあり、前記封鎖装置(64)は、前記放出端部(66)が前記封鎖装置(64)に挿入されると、前記液体容器(65)の前記放出端部(66)で開かれて、前記液体成分(6)を、前記混合空間(4)に送入可能であり、前記封鎖装置(64)は、前記液体容器(65)の前記放出端部(66)が前記封鎖装置(64)から取り外されたり、また、後退すると、再び閉じた状態になることを特徴とする、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
バルブ(67)は、前記封鎖装置(64)と連携し、前記液体成分(6)が前記液体容器(65)から前記混合空間(4)に注入される際に、気体を前記混合空間(4)から出すことができるように備えられることを特徴とする、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記混合容器(3)は、振動装置(68)と連携し、前記混合空間(4)内の前記粉末成分(5)及び前記液体成分(6)及び/又は前記物質(2)を振動させるように備えられることを特徴とする、前記何れかの請求項に記載の装置。
【請求項29】
前記混合容器(3)は、分配装置(69)に接続することができ、またその逆も可能であり、複数の容器(70)を前記分配装置(69)に接続することができ、またその逆も可能であって、前記混合容器(3)の前記混合空間(4)で混合された物質(2)を、前記分配装置(69)に放出することが可能であり、前記分配装置(69)は、全ての前記容器(70)内の空間(71)が、前記物質(2)の一部(2a)で充填されるよう、前記容器(70)内の空間(71)へ前記物質(2)を分配するために備えられ、前記容器(70)を前記分配装置(69)から取り外した後、前記物質(2)の一部(2a)を前記容器(70)の前記空間(71)の外へ吸出及び/又は送出可能であることを特徴とする、前記何れかの請求項に記載の装置。
【請求項30】
各々の容器(70)の前部(84)は、前記分配装置(69)と接続可能で、またその逆も可能であり、前記物質(2)の一部(2a)を前記容器(70)の前記空間(71)に送入可能であり、前記容器(70)の前記空間(71)が前記物質(2)の一部(2a)を備えた後、カニューレ又は針(83)を前記前部(84)に配置可能であり、またその逆も可能であり、前記物質(2)の一部(2a)は、前記カニューレ(83)を通じて、前記空間(71)から吸出及び/又は送出可能であることを特徴とする、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
各々の容器(70)内のピストン(86)は、前記物質(2)の一部(2a)が前記容器(70)の前記空間(71)に送入されると、前記容器(70)の後部(85)に配置可能であることを特徴とする、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記容器(70)の後部(85)は、開口部(87)を有し、前記開口部(87)は、前記ピストンが前記後部(85)に位置する際にはピストン(86)の前に位置し、前記空間(71)が物質(2)の一部(2a)で充填される際には、前記容器(70)の前記空間(71)に存在する気体を前記開口部(87)を通じて前記空間(71)の外へ流出させることを可能にすることを特徴とする、請求項29乃至31の何れかの請求項に記載の装置。
【請求項33】
一つの容器(70)を空にするため、他の容器(70)を前記分配装置(69)に装着したまま、前記分配装置(69)から取り外すことが可能であることを特徴とする、請求項29乃至請求項32の何れかの請求項に記載の装置。
【請求項34】
前記混合容器(3)は、その混合空間(4)が内部(89a)と通じて、少なくとも一つの真空源(90)が、海綿状骨(89)の前記内部(89a)に、混合した物質(2)を前記混合空間(4)から前記内部(89a)に吸入するよう、真空を生成するという形で、前記海綿状骨(89)の前記内部(89a)と連携可能であることを特徴とする、請求項1乃至請求項28の何れかの請求項に記載の装置。
【請求項35】
ピストン手段(7)は、物質(2)を前記混合空間(4)から放出し、同時に物質(2)を前記混合空間(4)から吸出するために備えられることを特徴とする、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
物質(2)の一部(2a)が入った前記容器(70)は、前記容器(70)内の空間(71)が内部(89a)と通じて、少なくとも一つの真空源(90)が、海綿状骨(89)の前記内部(89a)に、物質(2)の一部(2a)を前記空間(71)から前記内部(89a)に吸出するよう、真空を生成するという形で、前記海綿状骨(89)の前記内部(89a)と連携可能であることを特徴とする、請求項29乃至請求項33の何れかの請求項に記載の装置。
【請求項37】
ピストン(86)は、物質(2)の一部(2a)を前記空間(71)から放出し、同時に物質(2)を前記空間(71)から吸出するために備えられることを特徴とする、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記海綿状骨(89)は、海綿状椎骨であることを特徴とする、請求項34乃至請求項37の何れかの請求項に記載の装置の使用方法。
【請求項39】
前記海綿状骨(89)は、大腿骨又は膝蓋骨の骨折のような骨粗しょう症骨折であることを特徴とする、請求項34乃至請求項37の何れかの請求項に記載の装置の使用方法。
【請求項40】
前記ピストン手段(7)は、骨インプラントの固定のため、混合した物質(2)を放出するために備えられることを特徴とする、請求項1乃至請求項29の何れかの請求項に記載の装置の使用方法。
【請求項41】
前記物質(2)は、カルシウム原料又は実質的なカルシウム原料、又はセラミック又は実質的なセラミック素材を含んだ、代用骨及び/又は骨補強材であることを特徴とする、請求項1乃至請求項37及び請求項40の何れかの請求項に記載の装置の使用方法。
【請求項42】
前記カルシウム原料又は前記セラミック素材は、前記海綿状骨(89)内で硬化可能な硬化性無機物又はセラミックであることを特徴とする、請求項41に記載の装置。
【請求項43】
前記カルシウム原料又はセラミックは、水のような硬化剤と混合することによって硬化可能であることを特徴とする、請求項42に記載の装置。
【請求項44】
前記カルシウム原料又はセラミックは、硫酸カルシウムα半水和物、硫酸カルシウムβ半水和物、硫酸カルシウム二水和物、炭酸カルシウム、αリン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイト、第2リン酸カルシウム二水和物、無水第2リン酸カルシウム、テトラカルシウムリン酸、βリン酸三カルシウム、カルシウム不足ヒドロキシアパタイト、第1リン酸カルシウム一水和物、第1リン酸カルシウム、pyurpphosphateカルシウム、沈降ヒドロキシアパタイト、炭素質アパタイト(ダーライト)、リン酸オクタカルシウム、非晶質リン酸カルシウム、オキシアパタイト、カルボナトアパタイト、アルミン酸カルシウムで構成されるグループから選択されることを特徴とする、請求項42又は請求項43に記載の装置。
【請求項45】
X線造影剤を、前記セラミック素材に混合することを特徴とする、請求項41乃至請求項44の何れかの請求項に記載の装置。
【請求項46】
前記X線造影剤は、水溶性及び非イオン性であることを特徴とする、請求項45に記載の装置。
【請求項47】
前記水溶性の非イオン性X線造影剤は、イオヘキソール(iohexol)、イオベルソール(ioversol)、イオパミドール(iopamidol)、イオトロラン(iotrolan)、メトリザミド、イオデシモール(iodecimol)、イオグルコール(ioglucol)、イオグルカミド(ioglucamide)、イオグルニド(ioglunide)、イオグルアミド(iogulamide)、イオメプロール(iomeprol)、イオペントール(iopentol)、イオプロミド(iopromide)、イオサルコール(iosarcol)、イオシミド(iosimide)、イオツーサル(iotusal)、イオキシラン(ioxilan)、イオフロタール(iofrotal)、イオデコール(iodecol)で構成されるグループから選択されることを特徴とする、請求項45に記載の装置。
【請求項48】
前記物質(2)は、ポリマー、望ましくはポリメタクリル酸メチル(PMMA)型、及びモノマー、望ましくはメチルメタクリレート(MMA)型の、混合すると硬化する成分で構成される骨セメントであることを特徴とする、請求項1乃至請求項37及び請求項40の何れかの請求項に記載の装置。
【請求項49】
前記代用骨及び/又は骨補強材又は骨セメントは、高分子材料と併用の無機物及び/又はセラミックで構成されることを特徴とする、請求項41乃至48の何れかの請求項に記載の装置。
【請求項50】
硬化物質、望ましくは代用骨及び/又は骨補強材又は骨セメント又は同様の物質の製造装置であって、
混合容器(3)は、硬化物質(2)を提供するために、少なくとも一つの粉末成分(5)及び少なくとも一つの液体成分(6)を混合する混合空間(4)を有し、
ピストン手段(7)は、前記混合容器(3)の前記混合空間(4)に備えられ、
前記混合容器(3)に対して回転可能な、少なくとも一つの手段(8)は、前記ピストン手段(7)と連携し、保持位置(P1)において、前記混合容器(3)に対し、前記ピストン手段(7)を保持し、また、開放位置(P2)へ回転することにより、前記ピストン手段(7)を開放し、それによって、前記ピストン手段(7)は、前記開口部(49)の方向(U)に向かって移動可能であり、
スクリュー装置(51)は、前記混合容器(3)に接続可能であり、それによって、前記スクリュー装置(51)が、スクリュー移動により、前記ピストン手段(7)に、混合した物質(2)を前記混合空間(4)から方向(U)に放出するための放出移動をさせることが可能であり、
前記スクリュー装置(51)は、前記混合容器(3)に装着可能で、前記スクリュー装置(51)が前記混合容器(3)に対して回転できないようにするナット状部材(52)を有し、前記スクリュー装置(51)は、さらに、前記ナット状部材(52)にねじ込み可能であり、操作ハンドル(13)又は前記混合手段(9)の同様の形成部分に装着可能なねじ状部材(55)を有し、それによって、前記操作ハンドル(13)及び前記ねじ状部材(55)は回転しないように接続され、前記ねじ状部材(55)は、前記操作ハンドル(13)で、前記ねじ状部材(55)を前記ナット状部材(52)にねじ込むことにより、前記ピストン手段(7)を方向(U)に移動可能であることを特徴とする硬化物質製造装置。
【請求項51】
硬化物質、望ましくは代用骨及び/又は骨補強材又は骨セメント又は同様の物質の製造装置であって、
混合容器(3)は、硬化物質(2)を提供するために、少なくとも一つの粉末成分(5)及び少なくとも一つの液体成分(6)を混合する混合空間(4)を有し、
ピストン手段(7)は、前記混合容器(3)の前記混合空間(4)に備えられ、
前記混合容器(3)に対して回転可能な、少なくとも一つの手段(8)は、前記ピストン手段(7)と連携し、保持位置(P1)において、前記混合容器(3)に対し、前記ピストン手段(7)を保持し、また、開放位置(P2)へ回転することにより、前記ピストン手段(7)を開放し、それによって、前記ピストン手段(7)は、前記物質(2)が前記混合空間(4)へ出ることが可能な、一つの開口部(49)の方向(U)へ向かって移動可能であり、
前記混合容器(3)は、分配装置(69)に接続することができ、またその逆も可能であり、複数の容器(70)を前記分配装置(69)に接続することができ、またその逆も可能であって、前記混合容器(3)の前記混合空間(4)で混合された物質(2)を、前記分配装置(69)に放出することが可能であり、前記分配装置(69)は、全ての前記容器(70)内の空間(71)が、前記物質(2)の一部(2a)で充填されるよう、前記容器(70)内の空間(71)へ前記物質(2)を分配するために備えられ、前記容器(70)を前記分配装置(69)から取り外した後、前記物質(2)の一部(2a)を前記容器(70)の前記空間(71)の外へ吸出及び/又は送出可能であることを特徴とする硬化物質製造装置。
【請求項52】
各々の容器(70)の前部(84)は、前記分配装置(69)と接続可能で、またその逆も可能であり、前記物質(2)の一部(2a)を前記容器(70)の前記空間(71)に送入可能であり、前記容器(70)の前記空間(71)が前記物質(2)の一部(2a)を備えた後、カニューレ又は針(83)を前記前部(84)に配置可能であり、またその逆も可能であり、前記物質(2)の一部(2a)は、前記カニューレ(83)を通じて、前記空間(71)から吸出及び/又は送出可能であることを特徴とする、請求項51に記載の装置。
【請求項53】
各々の容器(70)内のピストン(86)は、前記物質(2)の一部(2a)が前記容器(70)の前記空間(71)に送入されると、前記容器(70)の後部(85)に配置可能であることを特徴とする、請求項52に記載の装置。
【請求項54】
前記容器(70)の後部(85)は、開口部(87)を有し、前記開口部(87)は、前記ピストンが前記後部(85)に位置する際にはピストン(86)の前に位置し、前記空間(71)が物質(2)の一部(2a)で充填される際には、前記容器(70)の前記空間(71)に存在する気体を前記開口部(87)を通じて前記空間(71)の外へ流出させることを可能にすることを特徴とする、請求項51乃至53の何れかの請求項に記載の装置。
【請求項55】
一つの容器(70)を空にするため、他の容器(70)を前記分配装置(69)に装着したまま、前記分配装置(69)から取り外すことが可能であることを特徴とする、請求項51乃至請求項54の何れかの請求項に記載の装置。
【請求項56】
硬化物質、望ましくは代用骨及び/又は骨補強材又は骨セメント又は同様の物質の受入及び分配装置であって、
容器(70)には、前記硬化物質(2)を前記容器(70)の空間(71)外に分配するための可動のピストン(86)が備えられ、
前記ピストン(86)が後部(85)にある時には、前記ピストン(86)の前に位置し、前記空間(71)に前記物質(2)が充填される際には、前記容器(70)の前記空間(71)に存在する気体を前記開口部(87)を通じて前記空間(71)の外へ流出させることを可能にする開口部(87)を有することを特徴とする、硬化物質の受入及び分配装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2008−503317(P2008−503317A)
【公表日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−517998(P2007−517998)
【出願日】平成17年6月17日(2005.6.17)
【国際出願番号】PCT/SE2005/000932
【国際公開番号】WO2005/122971
【国際公開日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【出願人】(504235621)ボーン サポート アクチボラゲット (4)
【出願人】(506159150)テグ ホールディング エス.エー. (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月17日(2005.6.17)
【国際出願番号】PCT/SE2005/000932
【国際公開番号】WO2005/122971
【国際公開日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【出願人】(504235621)ボーン サポート アクチボラゲット (4)
【出願人】(506159150)テグ ホールディング エス.エー. (2)
【Fターム(参考)】
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