説明

磁石発電機

【課題】回転子の回転バランスを、ロータヨークに配された凸部間に形成された帯状部によって調整することができる磁石発電機を提供する。
【解決手段】エンジンに固定された固定子2と、エンジンのクランクシャフト101に連結されたロータヨーク4とを有し、固定子2の周りを回転する回転子3とを備えた磁石発電機1において、ロータヨーク4の底面部4aに形成されたバランス調整孔12と、ロータヨーク4配された第1の凸部13aと第2の凸部13bとの間に形成された第2の帯状部4hとによって、回転子3の回転バランスは調整される。第2の帯状部4hの高さH2を適宜変更することで、バランス調整孔12をロータヨーク4の底面部4aに容易に形成することができ、回転バランスに優れた回転子3を容易に製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動二輪車、バギー車等の小型車両に搭載される磁石発電機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動二輪車などでは、磁石式発電機が広く利用されている。この種の磁石発電機は、コイルを有する固定子と、複数のマグネットを有する回転子とを備えている。回転子は、エンジンのクランクシャフトに固定されたロータヨークを有しており、クランクシャフトの回転に伴って、固定子の外周を回転する。この際、ロータヨークの内周面に配置されたマグネットによって、固定子のコイルには誘導起電力が発生する。コイルに発生した誘導起電力は、コイルと電気的かつ機械的に接続されたリード線を介し、バッテリーに供給され、蓄積される。
【0003】
また、ロータヨークの外周面部には、複数の凸部が形成されており、エンジンには、複数の凸部に臨んで位置検出センサが配置されている。エンジンの始動に伴い回転子が回転すると、ロータヨークの外周面部に形成された複数の凸部は、エンジンに配置された位置検出センサの検出領域を横切る。位置検出センサは、位置検出センサと回転子の外周面部との間で発生する磁束の変化を検出し、パルス信号に変換し、制御部に送信する。制御部は、エンジンの回転速度情報やクランクシャフトの回転角度情報を得て、エンジンの点火タイミングを制御する。
【0004】
しかし、ロータヨークの外周面部に複数の凸部が、周方向等間隔にされると、位置検出センサと回転子の外周面部との間の磁束は、一定の間隔で変化する。位置検出センサは、一定の間隔で磁束の変化を検出し、一定の間隔で制御部にパルス信号を送信する。そのため、制御部は、回転子の回転位置の基準となる原点を定めることができず、エンジンの点火タイミングを制御することができなくなる。そのため、ロータヨークの外周面部に形成された複数の凸部のうち、予め定められた凸部は、欠落している。位置検出センサと回転子の外周面部との間の磁束の変化が一定の間隔とはならず、制御部は、回転子の回転位置の基準となる原点を定めることができる。
【0005】
しかしながら、ロータヨークの外周面部に形成された複数の凸部のうち、予め定められた凸部が欠落しているため、回転子の回転バランスはアンバランスになる。そのため、ロータヨークの底面部には、回転子の回転バランスを調整する位置に貫通孔が形成されており、これによって回転子の回転バランスは調整される。(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−88060
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、回転子の回転バランスを調整するための貫通孔のみで調整するためには、回転子の回転バランスを調整するための貫通孔を形成する際に高い加工精度が要求される。そのため、回転子バランスの良い回転子を容易に製造することができなかった。さらに、ロータヨークの底面部には、ロータヨークにクラッチと締結する際に使用される貫通孔や、クラッチ取り付け部が形成される場合がある。そのため、回転バランスを調整するための貫通孔の大きさや、位置が著しく制限される場合がある。このような場合には、回転バランスを調整するための貫通孔の大きさや位置を最適に設定することが難しく、回転子の回転バランスを調整できない。
【0007】
そのため、回転バランスの良い回転子を高い加工精度を要することなく、容易に製造できる構造が望まれており、本発明の目的は、これらの課題を解決することができる磁石発電機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載された発明は、エンジンに固定されたステータコアとステータコアに巻装されたコイルとを有する固定子と、エンジンのクランクシャフトに連結されたロータヨークとロータヨークの内周面に配設されたマグネットとを有し、固定子の周りを回転する回転子と、エンジンに固定され、回転子の回転を検出する検出センサとを備えた磁石発電機において、ロータヨークの底面部には、回転子の回転バランスを調整する位置に貫通孔が形成されており、ロータヨークの外周面部は、複数の凸部と、複数の凸部の間に形成された帯状部とを有しており、帯状部のうち、予め定められた一の帯状部の高さは、他の帯状部の高さと異なることを特徴とする磁石発電機である。
【0009】
請求項2に記載された発明は、請求項1記載の磁石発電機において、回転子のロータヨークの外周面部に形成された帯状部のうち、予め定められた一の帯状部の周方向の長さは、他の帯状部の周方向の長さより、長く形成されていることを特徴とする磁石発電機である。
【0010】
請求項3に記載された発明はエンジンに固定された固定子と、エンジンのクランクシャフトに連結され、固定子の周りを回転する回転子と、この回転子の回転を検出する検出センサとを備えた磁石発電機であって、固定子は、円環状に形成された本体部とこの本体部から径方向外側に延出するT字形状のティース部とを有する磁性材料からなるステータコアと、インシュレータによって被覆されたティース部の周りに巻装されたコイルとを有しており、回転子は、エンジンのクランクシャフトに連結された碗状のロータヨークと、ロータヨークの内周面部に等間隔に配設された複数のマグネットと、ロータヨークの外周面部に形成された複数の凸部と、ロータヨークの底面部において、回転子の回転バランスを調整する位置に形成された貫通孔とを有しており、検出センサは、ロータヨークの外周面部に形成された複数の凸部と対向する位置に配され、ロータヨークの外周面に形成された複数の凸部は、予め定められた位置に配された第1の凸部と、第1の凸部から、予め定められた角度だけ離れて配された第2の凸部と、第1の凸部と第2の凸部との間に周方向等間隔に配された複数の第3の凸部とを有しており、これら複数の第3の凸部の間と、第1の凸部と第3の凸部との間と、第2の凸部と第3の凸部との間には、予め定められた第1の高さを有する第1の帯状部が形成されており、第1の凸部と第2の凸部との間には、第1の高さと異なる第2の高さを有する第2の帯状部が形成されていることを特徴とする磁石発電機である。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載された発明によると、回転子の回転バランスは、ロータヨークの底面部に形成された貫通孔と、ロータヨークの外周面部に形成された帯状部とで調整することが可能となる。そのため、ロータヨークの底面部に形成された貫通孔の加工精度には、高い加工精度が要求されず、回転バランスの良い回転子は、容易に製造される。
【0012】
請求項2、請求項3に記載された発明によると、回転子の回転バランスは、ロータヨークの外周面部に形成された複数の帯状部のうち、周方向に最も長く形成された帯状部によって調整される。そのため、回転子の回転バランスを調整する帯状部を、効率良く形成することができ、回転バランスの良い回転子は、容易に製造される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は磁石発電機の正面図であり、図2は磁石発電機のA−A断面図である。磁石発電機1は、エンジン(不図示)に固定された固定子2と、固定子2の周りを回転する回転子3とを有している。固定子2は、磁性材料からなる複数のコア材20を積層形成したステータコア17とステータコア17に巻装されたコイル6とを有しており、ステータコア17はエンジンに固定される。回転子3は、碗状に形成されたロータヨーク4とロータヨーク4の内周面部4bに配設された複数のマグネット5とを有しており、ロータヨーク4は、エンジンのクランクシャフト101に連結されている。そのため、エンジンが始動すると、クランクシャフト101に連結された回転子3は、固定子2の周りを回転し、コイル6に誘導起電力を発生させる。そして、コイル6に生じた誘導起電力は、コイル6と電気的かつ機械的に接続されたリード線7を介してバッテリーや付属電機機器(図示せず)に供給される。
【0014】
ロータヨーク4は、鉄などの磁性材によって碗状に形成されている。ロータヨーク4の内周面部4bには、複数のマグネット5が配置されており、ロータヨーク4の底面部4aの中央には、筒形状のボス部4cが突出形成されている。ボス部4cには、クランクシャフト101が挿入されており、ロータヨーク4は、クランクシャフト101の段差部101aと、クランクシャフト101の先端に螺入されるナット102とによって挟持固定され、クランクシャフト101と連結される。そのため、回転子3は、クランクシャフト101の回転に伴って固定子2の周りを回転し、固定子2に巻装されたコイル6に誘導起電力を発生させる。
【0015】
複数のマグネット5は、ロータヨーク4の内周面部4bに、周方向等間隔に配置されており、隣接するマグネット5の磁極は、互いに異なっている。ロータヨークの底面部4aには、樹脂製のリング形状のマグネットケース8が載置されており、マグネット5は、マグネットケース8によって、周方向の位置決めされている。マグネット5の上には、断面視L字形状のマグネットホルダー9が載置されており、マグネットホルダー9は、ロータヨーク4の開口周縁部4dによってカールカシメされている。そのため、マグネット5は、マグネットホルダー9から脱落することはない。また、マグネットホルダー9の上には、樹脂製のリング形状のマグネットカバー10が載置されている。そのため、ロータヨーク4の開口周縁部4dを用いて、マグネットホルダー9をカールカシメしたと場合であっても、マグネット5が破損することはない。
【0016】
ロータヨーク4の外周面部4fには、複数の凸部13が一体形成されており、凸部13と対向する位置には、位置検出センサ14が設置されている。エンジンの始動に伴い、回転子3が固定子2の周りを回転すると、ロータヨーク4の外周面部4fに形成された凸部13は、位置検出センサ14の検出領域14aを横切る。これによって、位置検出センサ14は、信号線14bを介してパルス信号を制御部に送信し、制御部は、エンジンの回転速度情報やクランクシャフト101の回転角度情報を得て、エンジンの点火タイミングを制御する。
【0017】
ロータヨーク4の底面部4aの外側には、クラッチ(不図示)を取り付けるためのクラッチ取り付け部4eが形成されており、ロータヨーク4の底面部4aには、クラッチ取り付け部4eの径方向内側に、複数の貫通孔11が周方向略等間隔に形成されている。クラッチは、ロータヨーク4の底面部4aに形成された複数の貫通孔11を介して、ボルトなどによってロータヨーク4のクラッチ取り付け部4eに締結固定される。
【0018】
図3は、本発明における磁石発電機のロータヨークの正面図であり、図4は、本発明における磁石発電機のロータヨークの斜視図である。ロータヨーク4の外周面部4fに形成された複数の凸部13は、第1の凸部13aと、第2の凸部13bと、7個の第3の凸部13cによって構成されている。第1の凸部13aと第2の凸部13bは、120°の間隔、すなわち、240°の間隔を空けて配されており、第3の凸部13cは、第1の凸部13aと第2の凸部13bの間隔240°の間に、30°の間隔を空けて配されている。
【0019】
上記の構成とすると、第2のロータヨーク部4jの重量が、第1のロータヨーク部4iの重量に比べて軽くなるため、回転子3の回転バランスはアンバランスになる。そのため、第1のロータヨーク部4iには、回転子3の回転バランスを調整するための貫通孔12(バランス調整孔12)が形成され、第2のロータヨーク部4jの重量は、第1のロータヨーク部4iの重量と等しくなるように設定されている。
【0020】
しかしながら、第1のロータヨーク部4iにバランス調整孔12を形成しても、第1のロータヨーク部4iの重量が、第2のロータヨーク部4jの重量に比べて重い場合がある。この様な場合、第2の帯状部4hの高さH2を、第1の帯状部4gの高さH1よりも高く形成し、第2のロータヨーク部4jの重量を重くすることができる。これによって、第2のロータヨーク部4jの重量が、第1のロータヨーク部4iの重量と等しくなり、回転子3の回転バランスは調整される。
【0021】
上記の場合とは反対に、第1のロータヨーク部4iにバランス調整孔12を形成したことにより、第1のロータヨーク部4iの重量が、第2のロータヨーク部4jの重量に比べて軽くなってしまう場合がある。この様な場合、第2の帯状部4hの高さH2を、第1の帯状部4gの高さH1よりも低く形成し、第2のロータヨーク部4jの重量を軽くすることができる。これによって、第2のロータヨーク部4jの重量が、第1のロータヨーク部4iの重量と等しくなり、回転子3の回転バランスは調整される。
【0022】
従って、第2のロータヨーク部4jに形成された第2の帯状部4hの高さH2を適宜変更することにより、回転子3の回転バランスは調整される。ロータヨーク4の底面部4aに形成されたバランス調整孔12に依らないで、回転子3の回転バランスを調整することができるため、ロータヨーク4の底面部4aには、バランス調整孔12を容易に形成することができる。したがって、回転バランスの良い回転子3を容易に製造することが可能となる。
【0023】
次に、ロータヨーク4の外周面部4fに配された第1の凸部13a,第2の凸部13b、第3の凸部13cおよび、第1の帯状部4g、第2の帯状部4hの形成方法について、図5(a)〜(c)に基づいて、説明する。
まず、ロータヨーク4の外周面4fを切削加工する。これによって、ロータヨーク4の外周面4fの略中央には、帯形状の壁部15が形成される(図5(a)、図5(b)参照)。次に、ロータヨーク4の外周面部4fに形成された帯形状の壁部15を、所定間隔L1を存して切削加工することにより、第1の凸部13aと、第2の凸部13bと、第2の帯状部4hとが形成される。さらに、第1の凸部13aと第2の凸部13bとの間に所定間隔L2を存して切削加工することにより、第3の凸部13cと第1の帯状部4gとが形成される(図5(c)参照)。第2の帯状部4hを切削形成する際の切削量を調整することにより、第2の帯状部4hの高さH2は調整され、第2のロータヨーク部4jの重量は、第1のロータヨーク部4iの重量と等しくなり、回転子3の回転バランスは調整される。したがって、回転バランスの良い回転子3は、新たな加工を施すことなく製造される。
【0024】
なお、本発明の実施形態では、第2の帯状部4hの周方向の長さL2は、第1の帯状部の周方向の長さL1よりも長く形成されている。そのため、第2のロータヨーク部4jの重量を最も大きく変化させることができるため、ロータヨーク4の底面部4aには、バランス調整孔12を容易に形成することができる。したがって、回転バランスの良い回転子3を容易に製造することが可能となる。
【0025】
ステータコア17は、磁性材料によって板状に形成されたコア材20を積層し形成される。コア材20は、円環状の本体部17aと、本体部17aから放射状に径方向外側に向かって周方向等間隔に突出するT字形状の複数のティース部17bとを有している。ステータコア17には、インシュレータ16が装着されており、コイル6は、インシュレータ16によって被覆されたティース部17bに巻装されている。ステータコア17は、ボルト孔21に挿入されるボルト(不図示)によって、エンジンに取り付けられる。
【0026】
インシュレータ16によって被覆されたステータコア17のティース部17bには、3本のコイル6が巻回されている。コイル6を確実にティース部17bに固着するため、コイル6には、ワニス材等が塗布されている。コイル6の各端末部とリード線7の各端末部は、各々重ね合わせた状態で半田や、圧着スリーブなどによって接続される。接続されたコイル6とリード線7は、絶縁性を確保するために、保護チューブ18によって被覆されている。コイル6と接続されたリード線7は、絶縁チューブ18を介して金属製の保持部材19によって保持され、回転子3の外周面部4fの外側へ引き出される。保持部材19は、絶縁チューブ18と回転子3の開口周縁部4dとの間に介在するため、絶縁チューブ18が回転子3と接触することを防止する。
【0027】
金属製の保持部材19は、平板状の金属板をプレス加工などによって形成されたものであり、螺子22によってステータコア17に固定されている。保持部材19は、ステータコア17に固定されると共にリード線7を保持する保持部19aと、リード線7を挟持する押さえ部19bと、保持部19aと押さえ部19bとを連結する連結部19cとを有している。したがって、リード線7は、保持部材19によって絶縁チューブ18を介して保持されているため、リード線7はロータヨークの開口周縁部と接触することなく保持される。
【0028】
本実施形態の磁石発電機によれば、第1のロータヨーク部4iの底面部4aにバランス調整孔12を形成し、第1のロータヨーク部4iの重量が、第2のロータヨーク部4jの重量よりも軽くなった場合であっても、第2のロータヨーク部4jに形成された第2の帯状部4hの高さH2を、第1のロータヨーク部4jに形成された第1の帯状部4gの高さH1よりも低く形成することで、回転子3の回転バランスを調整することができる。
【0029】
また、第1のロータヨーク部4iの底面部4aにバランス調整孔12を形成し、第1のロータヨーク部4iの重量が、第2のロータヨーク部4jの重量よりも重い場合であっても、第2のロータヨーク部4jに形成された第2の帯状部4hの高さH2を、第1のロータヨーク部4jに形成された第1の帯状部4gの高さH1よりも高く形成することで、回転子3の回転バランスを調整することができる。
【0030】
このように、ロータヨーク4に形成された第1の帯状部4hの高さを適宜変更することで、回転子3の回転バランスを容易に調整することができる。したがって、上記の実施形態とすることにより、ロータヨーク4の底面部4aに、容易にバランス調整孔12を形成することができ、回転バランスの良い回転子3を容易に製造することが可能となる。
【0031】
なお、前述の実施の形態では、磁石発電機として使用した場合を示したが、発電機と始動電動機を兼用した物にも適用できる。加えて、前述の実施形態では、自動二輪車に適用した例を示したが、他の用途の発電機や始動発電機に適用することも可能である。また、前述の実施形態では、三相の磁石発電機について説明したが、単相磁石発電機若しくは多相磁石発電機にも本発明は適用可能である。前述の実施形態では、ロータヨークの外周面に9個の凸部を形成した場合を示したが、ロータヨークの外周面に形成する凸部の個数を増減させた場合であっても、適用することは可能である。また、前述の実施形態では、最も長い帯状部の高さを適宜変更することで、回転子の回転バランスを調整する場合を示したが、他の帯状部の高さを適宜変更することによって、回転子の回転バランスを調整することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態である磁石発電機の正面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】ロータヨークの正面図である。
【図4】ロータヨークの斜視図である。
【図5(a)】凸部の切削手順の第1ステップを示す側面図である。
【図5(b)】同じく第2ステップを示す側面図である。
【図5(c)】同じく第3ステップを示す側面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 磁石発電機
2 固定子
3 回転子
4 ロータヨーク
4a ロータヨークの底面部
4b ロータヨークの内周面部
4c ロータヨークのボス部
4d ロータヨークの開口周縁部
4e ロータヨークのクラッチ取り付け部
4f ロータヨークの外周面部
4g 第1の帯状部
4h 第2の帯状部
4i 第1のロータヨーク部
4j 第2のロータヨーク部
5 マグネット
6 コイル
7 リード線
8 マグネットケース
9 マグネットホルダー
10 マグネットカバー
11 貫通孔
12 バランス調整孔(回転子の回転バランスを調整する貫通孔)
13 凸部
13a 第1の凸部
13b 第2の凸部
13c 第3の凸部
14 位置検出センサ
14a 位置検出センサの検出領域
14b 信号線
15 帯状の壁部
16 インシュレータ
17 ステータコア
17a 本体部
17b ティース部
18 絶縁チューブ
19 保持部材
19a 保持部
19b 押さえ部
19c 連結部
20 コア材
21 ボルト孔
22 螺子
101 クランクシャフト
102 ナット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンに固定されたステータコアと前記ステータコアに巻装されたコイルとを有する固定子と、エンジンのクランクシャフトに連結されたロータヨークと前記ロータヨークの内周面に配設されたマグネットとを有し、前記固定子の周りを回転する回転子と、エンジンに固定され、前記回転子の回転を検出する検出センサとを備えた磁石発電機において、前記ロータヨークの底面部には、前記回転子の回転バランスを調整する位置に貫通孔が形成されており、前記ロータヨークの外周面部は、複数の凸部と、複数の前記凸部の間に形成された帯状部とを有しており、前記帯状部のうち、予め定められた一の帯状部の高さは、他の帯状部の高さと異なることを特徴とする磁石発電機。
【請求項2】
請求項1記載の磁石発電機において、前記回転子の前記ロータヨークの外周面部に形成された前記帯状部のうち、予め定められた前記一の帯状部の周方向の長さは、前記他の帯状部の周方向の長さより、長く形成されていることを特徴とする磁石発電機。
【請求項3】
エンジンに固定された固定子と、エンジンのクランクシャフトに連結され、前記固定子の周りを回転する回転子と、この回転子の回転を検出する検出センサとを備えた磁石発電機であって、前記固定子は、円環状に形成された本体部とこの本体部から径方向外側に延出するT字形状のティース部とを有する磁性材料からなるステータコアと、インシュレータによって被覆された前記ティース部の周りに巻装されたコイルとを有しており、前記回転子は、エンジンのクランクシャフトに連結された碗状のロータヨークと、前記ロータヨークの内周面部に等間隔に配設された複数のマグネットと、前記ロータヨークの外周面部に形成された複数の凸部と、前記ロータヨークの底面部において、前記回転子の回転バランスを調整する位置に形成された貫通孔とを有しており、前記検出センサは、前記ロータヨークの外周面部に形成された複数の前記凸部と対向する位置に配され、前記ロータヨークの外周面に形成された複数の前記凸部は、予め定められた位置に配された第1の凸部と、前記第1の凸部から、予め定められた角度だけ離れて配された第2の凸部と、前記第1の凸部と前記第2の凸部との間に周方向等間隔に配された複数の第3の凸部とを有しており、これら複数の第3の凸部の間と、前記第1の凸部と前記第3の凸部との間と、前記第2の凸部と前記第3の凸部との間には、予め定められた第1の高さを有する第1の帯状部が形成されており、前記第1の凸部と前記第2の凸部との間には、前記第1の高さと異なる第2の高さを有する第2の帯状部が形成されていることを特徴とする磁石発電機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5(a)】
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【図5(b)】
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【図5(c)】
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【公開番号】特開2010−88172(P2010−88172A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−252486(P2008−252486)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000144027)株式会社ミツバ (2,083)
【Fターム(参考)】