説明

移動体通信システム、これに用いる回線管理局、移動体通信基地局及び移動局

【課題】 衛星を介した要求時回線割当多元接続方式のDAMA衛星通信システムにより提供される予約回線の割り当てを受け、予約回線の周波数帯域を移動体通信基地局及び移動局に割り当てて移動体通信を行う移動体通信システム、これに用いる回線管理局、移動体通信基地局及び移動局を得ることを目的とする。
【解決手段】 回線管理局6は、予約回線割当の要求をDAMA衛星通信システムのCSC回線4により行い、制御局1において予約回線の割り当てが行われる。回線管理局6は予約回線の割り当てを受けると、その予約回線の利用帯域中を分割して通信回線9及び通信回線10を作成する。この通信回線9および通信回線10は移動局8と移動体通信基地局7との間の通信衛星3を介した通信に使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、衛星を介した要求時回線割当多元接続方式のDAMA衛星通信システムにより提供される予約回線の割り当てを受け、予約回線の周波数帯域を移動体通信基地局及び移動局に割り当てて移動体通信を行う移動体通信システム、これに用いる回線管理局、移動体通信基地局及び移動局に関するものである。
【背景技術】
【0002】
衛星通信分野においては、古くは1対1の衛星通信装置間での固定方式の通信から、要求時回線割当多元接続方式(以下「DAMA方式」と呼ぶ。また、DAMA衛星通信システムとはこの方式を用いた衛星通信システムをいうものとする。DAMAは、Demand Assignment Multiple Accessの略である。)の衛星通信、さらにはイリジウム計画等のCDMA或いはFDMA方式を用いた衛星携帯電話による通信が案出されるに至っている。DAMA衛星通信システムは、広域性かつ公共性の観点から、複数の子局が衛星通信を利用できるようにするために、通信方式を共通化し、子局からの回線割り当て要求時に制御局により通信回線を割り当て、即時に、子局間での衛星通信を行ない、通信が終了すると、割り当てていた通信回線を別の子局間での衛星通信に利用できるよう開放する通信システムである。一般的に、このDAMA衛星通信システムの通信方式では、複数の子局と制御局との間で制御信号(例えば、回線割当要求信号や通信終了信号等)の送受信を行うための共通制御回線(以下「CSC回線」と呼ぶ。)と、子局間での通信のために要求に応じて割り当てられる要求時割当通信回線とが用いられる。要求時割当通信回線では、連続波による同期通信が行われるのが一般的であり、回線割当要求に対する制御局からの回線割当応答に引続き子局間の通信が開始するものである。このような要求時割当通信回線に加えて、予め定めた回線の割り当てを受けることができる固定的な通信回線を含むDAMA衛星通信システムを構成することもでき、特許文献1には、その一例が開示されている。
【0003】
特許文献1に記載のDAMA衛星通信システムによれば、制御局に備えるDAMA制御部において、CSC回線を介して任意の発呼子局からの回線割当要求信号を受信すると、空き通信回線を検索して発呼子局にCSC回線を介して通信回線を指示することにより要求時回線割当方式による回線割当機能を有するとともに、一対の子局間で相互通信可能な一対の通信回線を登録し、登録されたいずれか一方の子局からの回線割当要求信号を受信すると、当該一対の子局に登録された通信回線を指示することにより、通信回線の固定的な回線割当方式による回線割当機能を有するように構成されている。このような構成によって、要求時回線割当による通信回線と固定的な割当による通信回線とを、1つの制御局が制御するDAMA衛星通信システムにて提供することができる。
【0004】
【特許文献1】特開平10−327094号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、従来のDAMA衛星通信システムにおいては、要求時回線割当による通信回線と、予め固定的に登録した通信回線とを併存させることができるものの、DAMA衛星通信システムの提供を受ける子局は、CSC回線と通信回線の通信方式に合致したものでなければならず、移動体衛星通信ネットワーク等の他の衛星通信ネットワークへの通信サービスの提供面において拡張性を高めることができないという問題点があった。より具体的には、例えば、ヘリコプターに搭載した通信装置が衛星を介して地上の基地局と通信を行う場合には、ヘリコプターの回転翼による送受信波の遮断や反射の影響を抑制するために、ヘリコプターからの送信波は間欠的にバースト波で送信され、基地局からの送信波は時間ダイバーシチ方式により送信されており、このような通信をDAMA衛星通信システムにおいて行うことはできないという問題点があった。同様な問題は、他の移動体通信についても、回線制御の方式や通信方式がDAMA衛星通信システムとは異なる方式を使用するものは、別の衛星通信ネットワークシステムを構築せざるを得ず、衛星通信における周波数利用の観点からは非効率となっているとも考えられ、限られた周波数帯域をいかに有効利用するかが課題となっていた。
【0006】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、衛星を介した要求時回線割当多元接続方式のDAMA衛星通信システムにより提供される予約回線の割り当てを受け、予約回線の周波数帯域を移動体通信基地局及び移動局に割り当てて移動体通信を行う移動体通信システム、これに用いる回線管理局、移動体通信基地局及び移動局を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明に係る移動体通信システムは、衛星を経由する通信サービスを行うDAMA衛星通信システムが提供する予約回線の割り当てを回線管理局により受け、この予約回線の周波数帯域を移動体通信基地局と移動局との間の通信に割り当てて通信サービスを提供する移動体通信システムにおいて、上記回線管理局は、上記DAMA衛星通信システムのCSC回線により上記DAMA衛星通信システムの制御局との間の通信を行う第1のDAMA通信部と、この第1のDAMA通信部へ予約回線の割り当てを要求する予約要求を出力する予約端末装置と、予約された予約回線の周波数帯域を上記移動体通信基地局と上記移動局との通信回線に割り当てる回線管理装置とを具備し、上記移動体通信基地局は、上記回線管理局により割り当てられた通信回線により上記移動局との間で通信を行う移動体通信部と、上記予約回線の通信開始時刻に上記回線管理局から送信される通信開始指令に基づいて上記移動体通信部から上記移動局へ送信する通信開始信号を出力する第1の回線制御回路とを具備し、上記移動局は、上記回線管理局により割り当てられた通信回線により上記移動体通信基地局との間で通信を行う通信部と、上記移動体通信基地局からの上記通信開始信号を受けたことに基づいて、上記移動体通信基地局への送信を開始させる第2の回線制御回路とを具備したものである。
【0008】
請求項2の発明に係る回線管理局は、衛星を経由する通信サービスを行うDAMA衛星通信システムが提供する予約回線の割り当てを受け、移動体通信基地局と移動局との間の通信に割り当てて通信サービスを提供する移動体通信システムの回線管理局において、上記DAMA衛星通信システムのCSC回線により上記DAMA衛星通信システムの制御局との間の通信を行う第1のDAMA通信部と、この第1のDAMA通信部へ予約回線の割り当てを要求する予約要求を出力する予約端末装置と、予約された通信回線の帯域を上記移動体通信基地局と上記移動局との通信回線に割り当てる回線管理装置とを備え、上記回線管理装置は上記予約回線の通信開始時刻に上記移動体通信基地局へ送信する通信開始指令を生成するものである。
【0009】
請求項3の発明に係る移動体通信基地局は、衛星を経由する通信サービスを行うDAMA衛星通信システムが提供する予約回線の割り当てを回線管理局により受け、この予約回線の周波数帯域から通信回線の割り当てを受けて移動局との間で通信を行う移動体通信基地局において、上記回線管理局により割り当てられた通信回線により上記移動局との間で通信を行う移動体通信部と、上記予約回線の通信開始時刻に上記回線管理局から送信される通信開始指令に基づいて上記通信部から上記移動局へ送信する通信開始信号を出力する第1の回線制御回路とを備えたものである。
【0010】
請求項4の発明に係る移動局は、衛星を経由する通信サービスを行うDAMA衛星通信システムが提供する予約回線の割り当てを回線管理局により受け、この予約回線の周波数帯域から通信回線の割り当てを受けて移動体通信基地局との間で通信を行う移動局において、上記回線管理局により割り当てられた通信回線により上記移動体通信基地局との間で通信を行う通信部と、上記予約回線の通信開始時刻に上記回線管理局から送信される通信開始指令に基づいて上記移動体通信基地局から送信される通信開始信号を受けたことにより、上記移動体通信基地局への送信を開始させる第2の回線制御回路とを備えたものである。
【0011】
請求項5の発明に係る移動体通信システムは、衛星を経由する通信サービスを行うDAMA衛星通信システムが提供する予約回線の割り当てを回線管理局により受け、この予約回線の周波数帯域を移動体通信基地局と移動局との間の通信に割り当てて通信サービスを提供する移動体通信システムにおいて、上記回線管理局は、上記DAMA衛星通信システムのCSC回線により上記DAMA衛星通信システムの制御局との間の通信を行う第1のDAMA通信部と、この第1のDAMA通信部へ、予約回線の割り当てを要求する予約要求及び要求時割当回線の割り当てを要求する回線割当要求を出力する予約端末装置と、予約された予約回線の周波数帯域を上記移動体通信基地局と上記移動局との通信回線に割り当てる回線管理装置とを具備し、上記移動体通信基地局は、上記回線管理局により割り当てられた通信回線により上記移動局との間で通信を行う移動体通信部と、上記DAMA衛星通信システムの子局との間で上記要求時割当回線により通信を行う第2のDAMA通信部と、上記予約回線の通信開始時刻に上記回線管理局から送信される通信開始指令に基づいて上記移動体通信部から上記移動局へ送信する通信開始信号を出力する第1の回線制御回路とを具備し、上記移動局は、上記回線管理局により割り当てられた通信回線により上記移動体通信基地局との間で通信を行う通信部と、上記移動体通信基地局からの上記通信開始信号を受けたことに基づいて、上記移動体通信基地局への送信を開始させる第2の回線制御回路とを具備したものである。
【0012】
請求項6の発明に係る移動体通信基地局は、衛星を経由する通信サービスを行うDAMA衛星通信システムが提供する予約回線の割り当てを回線管理局により受け、この予約回線の周波数帯域から通信回線の割り当てを受けて移動局との間で通信を行う移動体通信基地局において、上記回線管理局により割り当てられた通信回線により上記移動局との間で通信を行う移動体通信部と、上記回線管理局により要求割当された上記DAMA衛星通信システムの要求時割当回線により、上記DAMA衛星通信システムの子局との間で通信を行う第2のDAMA通信部と、上記予約回線の通信開始時刻に上記回線管理局から送信される通信開始指令に基づいて上記通信部から上記移動局へ送信する通信開始信号を出力する第1の回線制御回路とを備えたものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1乃至請求項4に記載の発明によれば、回線管理局により、DAMA衛星通信システムの予約回線の割り当てを受け、移動体通信基地局と移動局との間の通信回線を割り当て、回線管理局からの通信開始指令に基づいて移動体通信基地局と移動局との間の通信を行うので、移動局がDAMA衛星通信システムからの直接的な制御を受けることがなく、衛星通信を成立させることができる。
【0014】
請求項5又は請求項6に記載の発明によれば、移動体通信基地局が要求時割当回線による通信を行うDAMA通信部を有するので、移動局から送信される送信信号を、DAMA衛星通信システムの子局へ送信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
実施の形態1
【0016】
この発明の実施の形態1に係る移動体通信システムを図1乃至図9を用いて説明する。図1はこの発明の実施の形態1に係る移動体通信システムを含む衛星通信システムの構成を表す構成図である。図1において、1はDAMA衛星通信システムにおいて回線割当や開放等の回線制御を行う制御局、2はDAMA衛星通信システムの子局、3は通信衛星、4は制御局1と複数の子局2との間で共通して制御信号を送受信するCSC回線であり、5は子局2間での通信回線である。6は移動体通信のための回線管理局であり、7は移動体通信基地局、8は移動局である。移動局8は、例えばヘリコプターや、航空機、船舶、自動車などがある。9は移動体通信基地局7から移動局8へ通信衛星3を介して送信する通信回線、10は移動局8から移動通信基地局7へ通信衛星3を介して送信する通信回線である。
【0017】
次に、図2により割り当てられる回線について説明する。図2は実施の形態1に係る衛星通信システムにおける周波数割当を示す模式図である。図2(a)はDAMA衛星通信システムにおいて割り当てられる回線を表している。制御局1と複数の子局2との間の制御信号は定められたCSC回線4にて送受信されており、子局2から制御局1への送信は上りCSC回線(周波数f1)、制御局1から子局2への送信は下りCSC回線(f2)において行われる。子局2は、上りCSC回線4により、通信回線の割り当てを要求する回線割当要求信号を制御局1へ送信し、制御局1において空き回線をサーチし子局間の通信回線5を割り当てる。割り当てられた通信回線5の回線情報は、下りCSC回線4により回線割当応答信号として制御局1から子局2へ送信される。ここで割り当てられる通信回線5は、要求時割当回線であり、図2(a)に示す周波数f3、f4、f5、f6の通信回線である。子局間で双方向に通信を行うために、f3とf4を一対の通信回線として割り当てる。割り当てを受けた子局間では、即時に通信が開始される。また、DAMA衛星通信システムでは、予め回線を予約しておき、所定の期間、予約された通信回線を子局間で専有する予約回線の使用も可能であり、図2(a)に示すf7やf8は予約回線である。予約回線を希望する子局2はCSC回線4により、通信開始時刻と通信終了時刻を指定する予約を制御局1に対して申し込み、制御局1は予約回線として割り当てる回線があるかどうかDAMA通信帯域をサーチし、空き回線があれば予約を受け付け、指定された通信開始時刻と通信終了時刻との間、その予約回線を当該子局が使用できるよう確保する。f7、f8等の予約回線は一方向であっても良いし、その帯域B中で双方向の通信ができるように2分割されていてもよい。
【0018】
次に移動体通信システムがDAMA衛星通信システムに対して通信回線の割り当てを要求し、割り当てを受けた通信回線で移動体通信を行うことについて説明する。図2(a)における予約回線(f7、f8等)の割り当てを回線管理局6から申し込む。この予約回線割り当ての申し込みはDAMA衛星通信システムのCSC回線4により行う。回線管理局6は予約回線の割り当てを受けると図2(b)に示すように利用帯域B中を自由に分割して通信回線を作成する。図2(b)において、f9、f11は帯域幅が狭く通信速度が遅い回線であり、f10、f12は帯域幅が広く通信速度が速い回線である。移動体通信の用途にもよるが、移動局8と移動体通信基地局7との間の通信を考慮したときに同速度の双方向通信とする場合と、異速度の双方向通信とする場合がある。異速度の双方向通信は、いわゆる非対称通信とも呼ばれるが、図1のようなヘリコプターを用いる移動体通信において、ヘリコプター(移動体8)から撮像した映像・音声及び制御信号を移動体通信基地局7へ伝送し、移動体通信基地局7からヘリコプター(移動体8)へは音声・制御信号を伝送するような場合に、移動体8から移動体通信基地局7への回線は広帯域、移動体通信基地局7から移動体8への回線は狭帯域とするとより効率的な回線利用ができる。この場合、図2(b)におけるf9を移動体通信基地局7からヘリコプター(移動体8)への送信回線、f10を移動体8から移動体通信基地局7への送信回線として割り当て、f11とf12は別のヘリコプター(移動体8)と移動体通信基地局7との間の通信回線として割り当てる。
【0019】
また、回線管理局6は複数の予約回線の割り当てを受けて、より広い帯域をより多くの移動局8と移動体通信基地局7との間の通信に割り当てることができる。図2(c)は、f7及びf8の予約回線の割り当てを回線管理局6が受けて2×Bの通信帯域を確保し、この通信帯域に、より数多くの移動体用の通信回線を割り当てたものである。
【0020】
次に制御局1、子局2、回線管理局6、移動体通信基地局7、および移動局8の構成について、図3乃至図6に基づき説明する。図3は制御局1の構成を表す機能ブロック図である。図3において、11は送信する音声信号やデータ信号を誤り訂正符号化する誤り訂正符号化回路、12は誤り訂正符号化された送信信号をフレーム化するフレーム生成回路、13はフレーム生成回路12によりフレーム化された送信信号を変調する通信回線変調器、14は通信回線変調器13により変調された送信信号を増幅等する送信機である。送信信号はアンテナ共用器15及びアンテナ16を介して通信衛星3へ送信される。一方、受信信号はアンテナ16及びアンテナ共用器15を介して受信機17へ入力され、低雑音増幅される。18は受信信号を復調する通信回線復調器、19は復調された受信信号をデフレーム化するフレーム処理回路であり、20はデフレーム化された受信信号データ列について誤り訂正復号を行う誤り訂正復号回路であり、この誤り訂正復号回路20により音声信号やデータ信号が出力される。音声信号が圧縮符号化されている場合には、さらに伸長処理が行われる。また、21は子局2からの回線割当要求信号を受けて空き通信回線をサーチし、通信回線(要求時割当回線及び予約回線)の割り当てを行う回線割当制御装置である。回線割当制御装置21からの制御信号は、CSC回線変調器22により変調して送信機14へ出力され、アンテナ共用器15及びアンテナ16を介して通信衛星3へ送信し、受信する子局2からの制御信号は、アンテナ16及びアンテナ共用器15を介して受信機17へ入力され、CSC回線復調器23により復調して回線割当制御装置21に入力する。
【0021】
図4は子局2の構成を表す機能ブロック図であり、図4において、24は制御局1へ送信する回線割当要求信号を生成し、制御局1からの回線割当応答信号に基づき通信回線を設定する回線制御回路であり、25は送信する制御信号を変調するCSC回線変調器、26は受信した制御信号を復調するCSC回線復調器である。図4において図3と同一の符号を付した部品及び回路は、図3におけるそれらの部品及び回路と同等又は相当する部品である。
【0022】
制御局1と子局2との間での制御信号の送受信はCSC回線4により行うが、制御局1から送信する制御信号は連続波として送出されており、子局2から送信する制御信号はバースト波として送出されている。したがって、図3における制御局1のCSC回線変調器22は連続波を変調して送出し、CSC回線復調器23はバースト波を復調するものとする。また図4における子局2のCSC回線変調器25はバースト波を変調して送出し、CSC回線復調器26は連続波を復調するものとする。
【0023】
次に回線管理局6と移動体通信基地局7の構成について図5により説明する。図5は回線管理局6と移動体通信基地局7の構成を示す機能ブロック図である。図5に示す回線管理局6において、27は予約回線の申込みを行う予約端末装置であり、28はDAMA衛星通信システムとのCSC回線による通信を行うDAMA通信部、29は予約申込み信号等の制御信号を生成する制御信号処理回路、30は送信する制御信号をバースト変調するCSC回線変調器、31は受信した制御信号を連続波として復調するCSC回線復調器である。制御信号処理回路29は、受信した制御信号に基づき必要な情報(例えば予約状況情報や予約完了通知など)を出力する。32は制御信号を増幅等する送信機、送信機32が出力する送信信号はアンテナ共用器33及びアンテナ34を介して通信衛星3へ送信される。35はアンテナ34及びアンテナ共用器33を介して受信する受信信号を低雑音増幅する受信機であり、受信機35により受信した制御信号はCSC回線復調器31へ入力される。36は予約端末装置27により予約した通信回線の周波数帯域を移動体用に回線割当する回線管理装置である。移動体通信基地局7において、37は回線管理局6の回線管理装置36による通信回線の割当及び通信開始指令に基づき、移動局8との間の通信を行うべく自局の回線を制御する回線制御回路であり、38は移動局8との間で通信を行う移動体通信部である。移動体通信部38において、39は送信する音声・データ信号と制御信号とを多重化する多重化回路、40は多重化された送信信号について誤り訂正符号化する誤り訂正符号化回路、41は送信信号をフレーム化するフレーム生成回路、42は移動局8において時間ダイバーシチ受信するために送信信号をダイバーシチデータに変換するダイバーシチデータ生成回路、43は送信信号を連続波として変調する変調器である。移動体基地局7からの送信信号を時間ダイバーシチ化しておくことは、移動体がヘリコプタである場合に有効である。送信信号の形式については後述するが、このようなダイバーシチ化が必要のない移動体通信では、ダイバーシチデータ生成回路42は不要となる。44は移動局8から送信され通信衛星3を介して受信した受信信号を復調する復調器であり、復調器44により復調された受信信号は、フレーム処理回路45及び誤り訂正復号回路46によりフレーム処理及び誤り訂正復号される。47は映像・音声信号と制御応答信号を分離する分離化回路であり、制御応答信号は回線制御回路37へ入力される。移動体通信部38からの送信信号は送信機48、アンテナ共用器49及びアンテナ50を介して通信衛星3へ送信され、移動局8から送信され通信衛星3を介して受信する信号はアンテナ50、アンテナ共用器49及び受信機51を介して、移動体通信部38に入力される。なお、移動局8との間で送受信する信号は、映像、音声、データ信号等であり、移動体通信システムの用途に応じて適宜定められるものとする。
【0024】
次に移動局8の構成について図6により説明する。図6は移動局8の構成を示す機能ブロック図である。図6において、52は移動局8から送信する映像・音声信号と制御応答信号を多重化する多重化回路、53は送信信号を誤り訂正符号化する誤り訂正符号化回路、54は送信信号をフレーム化するフレーム生成回路である。55はフレーム化された送信信号からバースト信号を生成するバースト生成回路、56はバースト信号を変調する変調器である。移動局8がヘリコプターである場合には、ヘリコプター本体(回転翼下)に搭載された通信装置と通信衛星3との伝送路が回転翼の回転により間欠的に遮断される。57は回転翼による送信波の遮断タイミングが入力され、遮断のない期間を示す送信タイミング信号を生成してバースト生成回路55及び変調器56へ出力する送信タイミング発生回路である。送信信号は送信機58により増幅され、アンテナ共用器59及びアンテナ60を介して、通信衛星3へ送信し、受信信号はアンテナ60、アンテナ共用器59を介して受信し、受信機61により低雑音増幅される。62は受信信号をダイバーシチ合成するダイバーシチ合成回路であり、ダイバーシチ合成された受信信号を復調器63により復調し、フレーム処理回路64及び誤り訂正復号回路65によりフレーム処理及び誤り訂正復号する。66は受信信号に含まれる制御信号と音声・データ信号とを分離する分離化回路であり、制御信号は回線制御回路67へ出力される。なお、多重化回路52、誤り訂正符号化回路53、フレーム生成回路54、バースト生成回路55、変調器56、送信タイミング発生回路57、ダイバーシチ合成回路62、復調器63、フレーム処理回路64、誤り訂正復号回路65、及び分離化回路66により通信部68が構成されている。
【0025】
以上のように構成された回線管理局6、移動体通信基地局7及び移動局8の動作について、図7により説明する。図7は回線管理局6、移動体通信基地局7及び移動局8による回線制御処理の流れを示す処理シーケンス図である。図7において、回線管理局6の予約端末装置27は、ステップS1により予約状況問合せ要求を回線管理装置36へ送出し、回線管理装置36はこの要求をDAMA通信部28へ送出する。DAMA通信部28はこの要求に基づき制御信号である予約状況問合せ信号を生成し、ステップS2においてCSC回線4により送信する。予約状況問合せ信号は、予約状況問合せであることを示す制御コード及び回線管理局の局番号を含む信号とする。制御局1が予約状況問合せ信号をCSC回線4により受信すると、回線割当制御装置21は予約回線の予約状況データ(例えば1週間の予約回線ごとの予約有無を記述したデータ)を作成し、予約状況応答信号を生成する。予約状況応答信号は、予約状況問合せの応答であることを示す制御コード、回線管理局の局番号、及び予約状況データを含むものとする。ステップS3により、制御局1はCSC回線4により予約状況応答信号を送信する。回線管理局6のDAMA通信部28は予約状況応答信号を受信すると、この信号に含まれる予約状況データをステップS4において回線管理装置36へ送出し、回線管理装置36は予約状況データを予約端末装置27へ出力する。予約端末装置27は予約状況データを画面等に表示し、操作者による予約入力があると予約要求を生成し、ステップS5により回線管理装置36へ送出し、回線管理装置36は予約要求をDAMA通信部28へ出力し、DAMA通信部28は予約要求信号を生成し、ステップS6においてCSC回線4により送信する。予約要求信号は、予約要求であることを示す制御コード及び回線管理局の局番号、予約回線番号、通信開始・終了時刻を表わす記述を含む信号とする。制御局1は予約要求信号をCSC回線4により受信すると、回線割当制御装置21にて、予約回線の番号と、局番号、通信開始・終了時刻を関連付けて記憶することにより、予約処理を行う。予約処理が完了すると、回線割当制御装置21は予約通知信号を生成する。この予約通知信号は、予約通知信号であることを示す制御コード、回線管理局の局番号を含むものとする。ステップS7により、制御局1はCSC回線4により予約通知信号を送信する。回線管理局6のDAMA通信部28は予約通知信号を受信すると、ステップS8において予約通知を回線管理装置36へ送出し、回線管理装置36はこの通知を予約端末装置27へ送出する。予約端末装置27は予約完了した旨を画面等に表示する。回線管理装置36は、予約回線番号に基づき、予約された周波数帯域内で移動体通信用の通信回線9及び10の割当処理を行う。なお、予約回線番号と周波数帯域との関係は回線管理装置36において既知のものであるとする。通信回線9及び10は、例えば、図2(b)に示すような移動体通信基地局7から移動局8への送信回線に中心周波数f9の回線を、移動局8から移動体通信基地局7への送信回線に中心周波数f10の回線を割り当てる。回線管理装置36は通信回線の割当処理の後、ステップS9により回線設定指令を移動体通信基地局7及び移動局8へ送出し、移動体通信基地局7及び移動局8は回線を設定し、設定が完了したことを示す設定確認通知をステップS10により回線管理装置36へ送出する。回線設定指令は、移動局番号、通信回線情報(中心周波数、帯域幅)を含む指令であり、設定確認通知は、移動局番号、確認した旨の制御コードを含むものとし、回線設定指令及び設定確認通知は、公衆回線網やインターネット等の地上ネットワークや専用線により、移動体通信基地局7及び移動局8と、回線管理局6との間で送受信するものとする。
【0026】
通信開始時刻に到達すると、DAMA衛星通信システムの制御局1は、予約回線の通信開始を指示する開始通知信号を生成し、ステップS11においてCSC回線4により送信する。回線管理局6のDAMA通信部28は開始通知信号を受信し、開始通知を回線管理装置36へステップS12により送出する。回線管理装置36は、開始通知に基づき通信開始を指示する制御コードを含む通信開始指令を生成し、ステップS13により移動体通信基地局7へ送出する。この通信開始指令、後述の開始確認通知、通信終了指令及び終了確認通知は、地上ネットワークや専用線により、移動体通信基地局7と回線管理局6との間で送受信するものとする。移動体通信基地局7は通信開始指令を受信すると、回線制御回路37において移動局8へ通信開始を指示する制御コードを含む通信開始信号を生成し、ステップS14において、通信衛星3を介した通信回線9により通信開始信号を移動局8へ送信する。移動局8は、通信開始時刻前に受信系回路を動作状態に移行させ通信開始信号を受信し、通信開始信号を受信したことを示す制御コードを含む開始確認信号を生成し、ステップS15において、通信衛星3を介した通信回線10により移動体通信基地局7へ送信する。移動体通信基地局7は、開始確認信号を受信すると、移動局8側との通信開始の確認がとれたことを示す制御コードを含む開始確認通知を生成し、ステップS16により回線管理局6の回線管理装置36へ送出する。この後、移動体通信基地局7と移動局8との間で通信衛星3を介した通信が通信回線9及び10を用いて行われる。
【0027】
通信終了時刻に到達すると、DAMA衛星通信システムの制御局1は、予約回線の通信終了を指示する終了通知信号を生成し、ステップS17においてCSC回線4により送信する。回線管理局6のDAMA通信部28は終了通知信号を受信し、終了通知を回線管理装置36へステップS18により送出する。回線管理装置36は、終了通知に基づき通信終了を指示する制御コードを含む通信終了指令を生成し、ステップS19により移動体通信基地局7へ送出する。移動体通信基地局7は通信終了指令を受信すると、回線制御回路37において移動局8へ通信終了を指示する制御コードを含む通信終了信号を生成し、ステップS20において、通信衛星3を介した通信回線9により通信終了信号を移動局8へ送信する。移動局8は、通信終了信号を受信し、通信終了信号を受信したことを示す制御コードを含む終了確認信号を生成し、ステップS21において、通信衛星3を介した通信回線10により移動体通信基地局7へ送信する。この送信後、移動局8は送信系回路及び受信系回路をオフして回線を開放する。移動体通信基地局7は、終了確認信号を受信すると、送信系回路及び受信系回路をオフして回線を開放し、移動局8側との通信終了の確認がとれたことを示す制御コードを含む終了確認通知を生成し、ステップS22により回線管理局6の回線管理装置36へ送出する。
【0028】
移動体通信基地局7と移動局8との間の通信衛星3を介した通信において送受信する信号について、移動体がヘリコプターである場合を例として図8及び図9に基づき説明する。図8は、移動局8から通信衛星3を介して移動体通信基地局7へ送信する信号を表わす模式図である。図8において、A段は移動局8のフレーム生成回路54において生成したフレーム化された送信信号であり、同期語(SYNC)と誤り訂正符号化された送信データとからなる。B段はバースト生成回路55により生成されるバースト化された送信信号であり、A段のフレーム化された送信信号を、C段に示す送信タイミング信号中の遮断開始タイミングにより切り出し、受信引き込み用のプリアンブルを先頭に付加したものである。C段はヘリコプターの回転翼が、搭載した通信装置と通信衛星との通信路を遮断するタイミングを表わしており、遮断期間と、遮断がなく送信が可能な期間とが繰り返される。B段に示すバースト化された送信信号は、C段に示す送信可能期間に通信衛星3へ送信される。図9は移動体通信基地局7から通信衛星3を介して移動局8へ送信する信号を表わす模式図である。図9のD段上は移動体通信基地局7のフレーム生成回路41により生成したフレーム化された送信信号であり、同期語(SYNC)と誤り訂正符号化された送信データとからなる。ダイバーシチデータ生成回路42は、フレーム化された送信信号をD段下に示すようにD(i)、D(i+1)にブロック化し、N個前のブロックを加えてE段に示すダイバーシチデータを生成する。E段に示すダイバーシチデータは、連続波として送信され、移動局8のダイバーシチ合成回路62において、受信信号とNブロック分の遅延信号とが合成される。移動体に搭載した通信装置と通信衛星3との通信路を回転翼が間欠的に遮断するが、上記のようなダイバーシチ受信を行うことによって、移動局での受信欠落を低減化することができる。
【0029】
以上のように、実施の形態1に示した通信方式による移動体通信システムでは、回線管理局6において、DAMA衛星通信システムの予約回線の割り当てを受け、この予約回線の帯域において、移動体通信システム用の通信回線を割り当てることによって、移動体通信基地局と移動局との間において、DAMA衛星通信システムの周波数帯域における衛星通信を行うことができる。また、この移動体通信システムは、移動局や移動体通信基地局がDAMA衛星通信システムからの直接的な制御を受けることがなく、CSC回線用モデムを持たなくても通信を成立させることができるので、バースト送受信やダイバーシチ送受信方式などの移動体通信特有の通信方式をもつ移動体通信への適用性が高く、通信装置規模の増大を抑制することができる。
【0030】
実施の形態2
【0031】
この発明の実施の形態2に係る移動体通信システムを図10及び図11を用いて説明する。図10はこの発明の実施の形態2に係る移動体通信システムを含む衛星通信システムの構成を表す構成図である。図10において、69は移動体通信基地局7と子局2との間の通信回線である。図10において図1と同一の符号を付した部品及び回路は図1におけるそれらの部品及び回路と同一又は相当するものとする。実施の形態2においては、実施の形態1において説明した移動体通信システムに加えて、移動体通信基地局7とDAMA衛星通信システムの子局2との間の衛星通信ができるようにしたものである。回線管理局6により、制御局1へ通信回線の割り当てを要求し、割り当てられた通信回線を移動体通信基地局7へ通知する。この通知を受けて、移動体通信基地局7は子局2との間で通信回線69により通信するものである。
【0032】
図11は実施の形態2に係る回線管理局6と移動体通信基地局7の構成を示す機能ブロック図である。図11において、70は移動体通信基地局7内に設けられ、DAMA衛星通信システムにより割り当てられる通信回線による送受信を行うDAMA通信部である。DAMA通信部70内の誤り訂正回路11、フレーム生成回路12、通信回線変調器13、通信回線復調器18、フレーム処理回路19、誤り訂正復号回路20は図3において同一の符号を付した回路と同一又は相当するものである。また、図11において図5と同一の符号を付した部品及び回路は、図5における部品又は回路と同一又は相当するものとする。
【0033】
回線管理局6は、DAMA衛星通信システムへ予約回線の申込みをする際にDAMA衛星通信システムから認識される回線管理局番号を用いているが、これに加えて別の子局番号を取得しているものとする。回線管理局6の予約端末装置27は、操作者による要求時割当回線の取得要求が入力されると、回線管理装置36へ当該要求を送出し、回線管理装置36は制御信号処理回路29へ当該要求を送出する。制御信号処理回路29はDAMA衛星通信システムの制御信号である回線割当要求信号を生成し、回線割当要求信号はCSC回線変調器30、送信機32、アンテナ34を経て、CSC回線4により送信される。回線割当要求信号は、制御コード、自局番号(上記の子局番号)、相手子局番号を含むものとする。制御局1は、CSC回線4により回線割当要求信号を受信し、回線割当制御装置21により空き回線をサーチし要求時割当回線を割り当てる。要求時割当回線は子局間での双方向通信が可能なように2つの通信回線、例えば図2(a)に示すf3、f4が割り当てられる。回線割当制御装置21は、制御コード、割り当てた要求時割当回線の回線情報(中心周波数及び帯域幅等)、子局番号を含む回線割当応答信号を生成する。回線割当応答信号は、図3に示す制御局1のCSC回線変調器22、送信機14、アンテナ16を経て送信される。回線管理局6は、回線割当応答信号をCSC回線4により受信すると、制御信号処理回路29により、割り当てられた要求時割当回線の情報を読み出し、当該情報は回線管理装置36、予約端末装置27へ伝送される。回線管理装置36は、要求時割当回線の回線情報を含む回線割当通知を生成し移動体通信基地局7へ、公衆回線網やインターネット等の地上ネットワークや専用線により、送出する。移動体通信基地局7は回線割当通知を受信すると、回線制御回路37により、要求時割当回線の回線情報に基づきDAMA通信部70の送信回線及び受信回線を設定する。
【0034】
この要求時割当回線が設定されるとともに、同時に、移動体通信基地局7と移動局8との間の移動体衛星通信が、実施の形態1と同様に予約回線の割り当てを受けて確立しているものとする。移動体通信基地局7においては、移動局8からの映像・音声信号を受信し、分離化回路47から出力しており、この分離化回路47が出力する映像・音声信号は、DAMA通信部69へ入力され、誤り訂正符号化、フレーム化等の処理を行って、送信機48及びアンテナ50を経て送信され、要求時割当回線の割当てを受けている相手子局において受信される。以上により、移動局8から送信される映像・音声信号は、移動体通信基地局7のみならず、DAMA衛星通信システムの子局へも中継送信することができ、さらには、移動体通信基地局7においてCSC回線によるDAMA衛星通信システムの制御信号の送受信を行う必要がなく、移動体通信基地局の回路規模の増大を抑制することができる。回線管理局6は、上記の回線割当要求信号及び回線割当応答信号のほか、子局の動作状況を確認するヘルスチェック信号や、要求時割当回線の使用を終了する旨の回線終了信号等の制御信号を移動体通信基地局7に代わって、制御局1との間でCSC回線により送受信し、適宜、移動体通信基地局7へ応答内容を要求し、応答信号をCSC回線4により送信する。また、移動体通信基地局7から送信する要求時割当回線を同報送信回線とすれば、移動局8からの映像・音声信号を複数の子局2で受信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】この発明の実施の形態1に係る移動体通信システムを含む衛星通信システムの構成を表す構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る衛星通信システムにおける周波数割当を示す模式図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る制御局の構成を表す機能ブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係る子局の構成を表す機能ブロック図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係る回線管理局と移動体通信基地局の構成を示す機能ブロック図である。
【図6】この発明の実施の形態1に係る移動局の構成を示す機能ブロック図である。
【図7】この発明の実施の形態1に係る回線管理局、移動体通信基地局及び移動局による回線制御処理の流れを示す処理シーケンス図である。
【図8】移動局から通信衛星を介して移動体通信基地局へ送信する信号を表わす模式図である。
【図9】移動体通信基地局7から通信衛星3を介して移動局8へ送信する信号を表わす模式図である。
【図10】この発明の実施の形態2に係る移動体通信システムを含む衛星通信システムの構成を表す構成図である。
【図11】この発明の実施の形態2に係る回線管理局と移動体通信基地局の構成を示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0036】
1 制御局
2 子局
3 通信衛星
4 CSC回線
5 通信回線
6 回線管理局
7 移動体通信基地局
8 移動局
9、10 通信回線
21 回線割当制御装置
24 回線制御回路(子局内)
27 予約端末装置
28 DAMA通信部(回線管理局内)
36 回線管理装置
37 回線制御回路(移動体通信基地局内)
38 移動体通信部
67 回線制御回路(移動局内)
68 通信部
69 通信回線
70 DAMA通信部(移動体通信基地局内)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛星を経由する通信サービスを行うDAMA衛星通信システムが提供する予約回線の割り当てを回線管理局により受け、この予約回線の周波数帯域を移動体通信基地局と移動局との間の通信に割り当てて通信サービスを提供する移動体通信システムにおいて、上記回線管理局は、上記DAMA衛星通信システムのCSC回線により上記DAMA衛星通信システムの制御局との間の通信を行う第1のDAMA通信部と、この第1のDAMA通信部へ予約回線の割り当てを要求する予約要求を出力する予約端末装置と、予約された予約回線の周波数帯域を上記移動体通信基地局と上記移動局との通信回線に割り当てる回線管理装置とを具備し、上記移動体通信基地局は、上記回線管理局により割り当てられた通信回線により上記移動局との間で通信を行う移動体通信部と、上記予約回線の通信開始時刻に上記回線管理局から送信される通信開始指令に基づいて上記移動体通信部から上記移動局へ送信する通信開始信号を出力する第1の回線制御回路とを具備し、上記移動局は、上記回線管理局により割り当てられた通信回線により上記移動体通信基地局との間で通信を行う通信部と、上記移動体通信基地局からの上記通信開始信号を受けたことに基づいて、上記移動体通信基地局への送信を開始させる第2の回線制御回路とを具備したことを特徴とする移動体通信システム。
【請求項2】
衛星を経由する通信サービスを行うDAMA衛星通信システムが提供する予約回線の割り当てを受け、移動体通信基地局と移動局との間の通信に割り当てて通信サービスを提供する移動体通信システムの回線管理局において、上記DAMA衛星通信システムのCSC回線により上記DAMA衛星通信システムの制御局との間の通信を行う第1のDAMA通信部と、この第1のDAMA通信部へ予約回線の割り当てを要求する予約要求を出力する予約端末装置と、予約された通信回線の帯域を上記移動体通信基地局と上記移動局との通信回線に割り当てる回線管理装置とを備え、上記回線管理装置は上記予約回線の通信開始時刻に上記移動体通信基地局へ送信する通信開始指令を生成することを特徴とする回線管理局。
【請求項3】
衛星を経由する通信サービスを行うDAMA衛星通信システムが提供する予約回線の割り当てを回線管理局により受け、この予約回線の周波数帯域から通信回線の割り当てを受けて移動局との間で通信を行う移動体通信基地局において、上記回線管理局により割り当てられた通信回線により上記移動局との間で通信を行う移動体通信部と、上記予約回線の通信開始時刻に上記回線管理局から送信される通信開始指令に基づいて上記通信部から上記移動局へ送信する通信開始信号を出力する第1の回線制御回路とを備えたことを特徴とする移動体通信基地局。
【請求項4】
衛星を経由する通信サービスを行うDAMA衛星通信システムが提供する予約回線の割り当てを回線管理局により受け、この予約回線の周波数帯域から通信回線の割り当てを受けて移動体通信基地局との間で通信を行う移動局において、上記回線管理局により割り当てられた通信回線により上記移動体通信基地局との間で通信を行う通信部と、上記予約回線の通信開始時刻に上記回線管理局から送信される通信開始指令に基づいて上記移動体通信基地局から送信される通信開始信号を受けたことにより、上記移動体通信基地局への送信を開始させる第2の回線制御回路とを備えたことを特徴とする移動局。
【請求項5】
衛星を経由する通信サービスを行うDAMA衛星通信システムが提供する予約回線の割り当てを回線管理局により受け、この予約回線の周波数帯域を移動体通信基地局と移動局との間の通信に割り当てて通信サービスを提供する移動体通信システムにおいて、上記回線管理局は、上記DAMA衛星通信システムのCSC回線により上記DAMA衛星通信システムの制御局との間の通信を行う第1のDAMA通信部と、この第1のDAMA通信部へ、予約回線の割り当てを要求する予約要求及び要求時割当回線の割り当てを要求する回線割当要求を出力する予約端末装置と、予約された予約回線の周波数帯域を上記移動体通信基地局と上記移動局との通信回線に割り当てる回線管理装置とを具備し、上記移動体通信基地局は、上記回線管理局により割り当てられた通信回線により上記移動局との間で通信を行う移動体通信部と、上記DAMA衛星通信システムの子局との間で上記要求時割当回線により通信を行う第2のDAMA通信部と、上記予約回線の通信開始時刻に上記回線管理局から送信される通信開始指令に基づいて上記移動体通信部から上記移動局へ送信する通信開始信号を出力する第1の回線制御回路とを具備し、上記移動局は、上記回線管理局により割り当てられた通信回線により上記移動体通信基地局との間で通信を行う通信部と、上記移動体通信基地局からの上記通信開始信号を受けたことに基づいて、上記移動体通信基地局への送信を開始させる第2の回線制御回路とを具備したことを特徴とする移動体通信システム。
【請求項6】
衛星を経由する通信サービスを行うDAMA衛星通信システムが提供する予約回線の割り当てを回線管理局により受け、この予約回線の周波数帯域から通信回線の割り当てを受けて移動局との間で通信を行う移動体通信基地局において、上記回線管理局により割り当てられた通信回線により上記移動局との間で通信を行う移動体通信部と、上記回線管理局により要求割当された上記DAMA衛星通信システムの要求時割当回線により、上記DAMA衛星通信システムの子局との間で通信を行う第2のDAMA通信部と、上記予約回線の通信開始時刻に上記回線管理局から送信される通信開始指令に基づいて上記通信部から上記移動局へ送信する通信開始信号を出力する第1の回線制御回路とを備えたことを特徴とする移動体通信基地局。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−111834(P2009−111834A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−283337(P2007−283337)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】