説明

移動端末装置および移動端末装置用プログラム

【課題】 FMCサービスを利用する移動端末装置が転送または会議通話を行う場合に、既に通話中の呼や、転送または会議通話の相手先へ発信する呼が、構内交換装置を経由する呼であるか否かに関わらず、同様の操作手順により転送または会議通話を行うことができる無線端末装置および無線端末装置用プログラムを目的とする。
【解決手段】 FMCサービスを利用する移動端末装置が転送または会議通話を行う場合に、既に通話中の呼である第1の呼、および、転送または会議通話の相手先へ発信する呼である第2の呼について、それぞれ構内交換装置を経由する呼であるか否かを判断し、何れの呼についても構内交換装置を経由する呼である場合に、構内交換装置の機能を利用して、転送または会議通話を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、構内交換装置(PBX、Private Branch eXchange)の転送や会議等の内線電話機能を使用することができる移動端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話やPHS(Personal Handy-phone System)等の移動端末装置が普及し、1人が1台の移動端末装置を所持するようになった。これに伴い、固定電話機と移動端末装置とを別々のシステムとして使用するだけでなく、固定電話機と移動端末装置とが融合したFMC(Fixed Mobile Convergence)サービスが注目されている。このFMCサービスは、例えば、企業の構内交換システム内では、構内交換システムに備えられた構内交換装置により提供される転送や会議通話などの機能を、外出時、すなわちFMCサービスを利用する移動端末装置が構内交換システム外に位置している場合でも利用できるというものである。
【0003】
このようなFMCサービスを提供するには、異種網間の連携が必要である。異種網間の連携とは、上記の例では、構内交換システムと接続される公衆網と、移動通信網との連携を指す。それらの連携のための通信インフラが構築された現在では、企業の構内交換システム内に設けられる構内交換装置に、移動端末装置の電話番号と内線電話機の電話番号とを関連付けして登録しておくことにより、構内交換システムの外でも構内交換システム内と同様のサービスを利用することができる。
【0004】
なお、構内交換装置が行う転送処理に関連する技術として、例えば、特許文献1が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−197211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、FMCサービスを利用する移動端末装置には、このようなFMCサービスと連携するアプリケーションソフトウェアである、FMCアプリケーションプログラムがインストールされる。移動端末装置は、このFMCアプリケーションプログラムを用いて、構内交換装置のFMC機能を利用する。構内交換装置のFMC機能は、構内交換システム内に位置するときと同じように発信や着信する機能や、構内交換システム内の電話機へ転送したり、構内交換システム内の電話機と会議通話をしたりする処理が含まれる。このFMCアプリケーションプログラムは、構内交換装置と連携した処理を行うアプリケーションソフトウェアであるため、転送や会議通話を行う際、相手の電話機との呼が構内交換装置を経由している必要がある。
【0007】
例えば、構内交換装置のFMC機能である転送や会議通話を利用するには、FMCサービスを利用可能な移動端末装置が既に通話中の場合、この既に通話中の呼(第1の呼)が構内交換装置を経由した呼であり、且つ、転送先や会議通話に招待する相手先へ発信する呼(第2の呼)が構内交換装置を経由する呼でなければ、FMCアプリケーションを用いて転送や会議通話を行うことができない。
【0008】
そこで、本発明は、FMCサービスを利用する移動端末装置が転送または会議通話を行う場合に、既に通話中の呼や、転送または会議通話の相手先へ発信する呼が、構内交換装置を経由する呼であるか否かに関わらず、転送または会議通話を行うことができる無線端末装置および無線端末装置用プログラムを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明による無線端末装置は、複数の電話機と、前記複数の電話機が接続されるとともに構外のネットワークである構外網と通信する構内交換装置とを有する構内交換システムで使用され、前記複数の電話機の何れかと関連付けられる移動端末装置であって、前記複数の電話機または前記構外網に接続される通信機器との通話である第1の呼が前記構内交換装置を経由した呼であるか否かを判断する第1の判断手段と、転送先を入力する入力手段と、前記第1の呼の通話中に、前記入力手段により入力された転送先である第2の呼が前記構内交換装置を経由した呼であるか否かを判断する第2の判断手段と、前記第1の判断手段および前記第2の判断手段の何れによっても、前記構内交換装置を経由した呼であると判断された場合に、前記構内交換装置の転送処理を開始させるよう前記構内交換装置へ発信する転送処理手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
また、上記目的を達成するために、本発明による無線端末装置用プログラムは、複数の電話機と、前記複数の電話機が接続されるとともに構外のネットワークである構外網と通信する構内交換装置とを有する構内交換システムで使用され、前記複数の電話機の何れかと関連付けられる移動端末装置にインストールされる移動端末装置用プログラムであって、前記複数の電話機または前記構外網に接続される通信機器との通話である第1の呼が前記構内交換装置を経由した呼であるか否かを判断する第1の判断機能と、転送先の入力を受け付ける入力受付手段と、前記第1の呼の通話中に、前記入力受付手段から入力された転送先である第2の呼が前記構内交換装置を経由した呼であるか否かを判断する第2の判断機能と、前記第1の判断機能および前記第2の判断機能の何れによっても、前記構内交換装置を経由した呼であると判断された場合に、前記構内交換装置の転送処理を開始させるよう前記構内交換装置へ発信する転送処理機能とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明による無線端末装置および無線端末装置用プログラムによれば、FMCサービスを利用する移動端末装置が転送または会議通話を行う場合に、既に通話中の呼や、転送または会議通話の相手先へ発信する呼が、構内交換装置を経由する呼であるか否かに関わらず、転送または会議通話を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施の形態に係る構内交換システムの構成を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施の形態に係る構内交換装置の構成を示すブロック図。
【図3】本発明の一実施の形態に係る移動端末装置の構成を示すブロック図。
【図4】本発明の一実施の形態に係る移動端末装置が行う転送の手順を示すシーケンス図。
【図5】本発明の一実施の形態に係る移動端末装置が行う転送の手順を示すシーケンス図。
【図6】本発明の一実施の形態に係る移動端末装置が行う転送/会議通話の処理手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施例を、図面を参照して説明する。
【実施例】
【0014】
図1は、本発明の一実施の形態を示す構内交換システムSの構成を示したブロック図である。
構内交換システムSは、構内交換装置10および電話機21、22、23を有する。構内交換装置10には、電話機21、22、23が接続される。また、構内交換装置10は、構外網NW1と接続され、構外網NW1に接続されている電話機41や移動端末装置31、32、または通信事業者が有するサーバ50と通信することができるようになっている。構内交換装置10は、企業などの構内の電話機21、22、23を接続するものであるが、これに対し、構内交換システムSの外のネットワークとも通信するようになっているため、構内交換システムSの外のネットワークを総称して、構外網NW1と称する。この構外網NW1には、公衆網や移動通信網を含む。この構外網NW1は、固定電話機と移動端末装置とが融合したFMC(Fixed Mobile Convergence)サービスを提供するために、公衆網と移動通信網とが連携するよう通信インフラが構築されたものである。
【0015】
構内交換装置10に接続される電話機21、22、23は、3つのみ図示したが、4つ以上の電話機2Nが接続されてもよい。これらの電話機20(以下、電話機21〜2Nを総称して電話機20と称する。)は、そのユーザが構内交換システムS外へ移動した際にも構内交換装置10の機能を利用して通話等を行うことができるよう、移動端末装置30(以下、移動端末装置31〜3Nを総称して移動端末装置30と称する。)と関連付けされている。このような関連付けは、構内交換装置10へ設定される。
【0016】
次に、図2を参照して、構内交換装置10の構成について説明する。
構内交換装置10は、構外網インタフェース11、内線インタフェース12、記憶部13、および制御部12を有する。構内交換装置10は、構外網インタフェース11を介して構外網NW1と通信し、構内交換システムSに備えられる電話機20は、内線インタフェース12に接続される。構内交換システムS内での通話は、内線通話と呼ばれ、また、構内交換システムSに備えられる電話機20は、内線電話機とも呼ばれる。これに対して、構外網NW1に接続された電話機41や移動端末装置30と構内交換システムSに備えられた電話機20との通話は、外線通話と呼ばれる。
【0017】
記憶部13は、構内交換装置10の各種設定情報や、電話機20と移動端末装置30との関連付けに係る情報等を記憶する。制御部14は、電話機20同士の通話、つまり内線電話同士の通話や、内線電話と外線通話する電話機41との通話を接続処理するなどの呼制御を行ったり、構外網NW1に接続する移動端末装置30からのFMC機能の要求に対して処理を行ったりするなど、構内交換装置14全体を制御するものである。
【0018】
次に、図3を参照して、電話機20と関連付けられる移動端末装置30の構成について説明する。
移動端末装置30は、送受信部310、通話処理部320、マンマシンインタフェース部330、表示部、331、ボタン332、マイク333、スピーカ334、主制御部340、呼制御部350、および記憶部360が備えられている。
【0019】
送受信部310には、無線で通信を行うアンテナANTおよびアンテナANTで使用する無線の周波数および電力を制御する無線制御部311が備えられている。記憶部360には、構内交換装置10のFMC機能を使用するためのアプリケーションソフトウェアであるFMCアプリケーションプログラムおよび通話中の相手先電話番号等の通話情報を記憶する。この移動端末装置30から発信する際は、ボタン332から入力された発信の命令は、マンマシンインタフェース部330を介して呼制御部350へ送られ、通話処理部320で通話処理を行い、無線制御部310がアンテナANTを制御して無線を使用して発信を行うようになっている。
【0020】
また、この移動端末装置30にアンテナANTを介して着信があった場合は、無線制御部310を介し通話処理部320によって通話処理を行い、呼制御部350によって通話を確立する。通話の際は、呼制御部350に接続されるマンマシンインタフェース部330を介してマイク333およびスピーカ334を使用するようになっている。
【0021】
さらに、記憶部360に記憶されるFMCアプリケーションプログラムを、ボタン332の操作等を契機に主制御部340が起動すると、発信、着信、転送および会議通話などの通話に関する処理は、このFMCアプリケーションプログラムにより処理されるようになる。このFMCアプリケーションプログラムを起動しておけば、構内交換システムS内に接続された電話機20が構内交換装置10の機能を利用する場合と同様の機能を利用することができる。このとき、通常の呼処理を行うプログラムは停止されることになる。なお、構内交換装置10の機能を利用しない場合、すなわち通常の移動端末装置20として使用する場合には、このFMCアプリケーションプログラムを停止し、通常の呼処理を行うプログラムが起動される。
【0022】
次に、図4を参照して、電話機21と関連付けされた移動端末装置31が、他の電話機41へ転送を行う手順を説明する。なお、他の移動端末装置30と区別するため、電話機21と関連付けられた移動端末装置31を、FMC端末31と称する。
【0023】
FMC端末31は、内線電話番号が1000の電話機21と関連付けられ、内線電話番号1000の電話機21に構内交換システムS内から発信があると、構内交換装置10はFMC端末31へその発信呼を送るように設定されているとする。このとき、内線電話番号が1001の電話機23と通話中に、構外網NW1に接続された電話機41へその通話を転送する場合を例に挙げて説明する。
【0024】
まず、電話機23が内線電話番号1000の電話機21へ発信する(ステップS11)。この例では、内線電話番号1000の電話機21にはFMC端末31が関連付けられ、このFMC端末31で着信するように設定がなされているので、構内交換装置10の機能により、FMC端末31へ発信呼が送られる(ステップS12)。そして、FMC端末31にてボタン332の操作等がなされると、通話が開始される(ステップS13)。この転送前の通話を第1の呼と称する。このとき、FMC端末31が、この通話を電話機41に転送する場合、通信事業者が提供する転送機能を利用するために、サーバ50へ発信して電話機41へ転送する(ステップS14、S15)。サーバ50への発信は、例えば、サーバ50へアクセスする電話番号03−XXXX−0001へダイヤルし、転送先の電話機41の電話番号03−YYYY−0002を転送先に指定する処理である。この処理は、FMCアプリケーションプログラムが起動されている状態で、ユーザが転送先の電話番号と転送機能に対応したボタンを押下する等の操作により開始される。そして、サーバ50により転送処理が行われると、電話機41にて受話器を上げる等の操作により、FMC端末31が行っていた通話は、電話機41へ転送され、電話機41と電話機23とが通話を開始する(ステップS16)。この転送後の通話を第2の呼と称する。
【0025】
このように、第1の呼が構内交換装置10を経由するものであっても、第2の呼が構内交換装置10を経由しない場合には、構内交換装置10の転送機能を利用することができないため、通信事業者が提供する転送機能を利用する。
【0026】
この例では、第1の呼は、構内交換装置10に接続された電話機23からFMC端末31へ発信された場合を示したが、FMC端末31から電話機23へ発信した場合でも同様であり、つまり、第1の呼が構内交換装置10を経由するものであり、第2の呼が構内交換装置10を経由しない場合には、通信事業者が提供する転送機能を利用することになる。
【0027】
次に、図5を参照して、電話機21と関連付けされたFMC端末31が、構内交換システムS内の電話機22へ転送を行う手順を説明する。なお、FMC端末31の関連付けや構内交換装置10の設定は、図4と同様であるとする。このとき、内線電話番号が1001の電話機23と通話中に、構内交換システムS内の電話機22へその通話を転送する場合を例に挙げて説明する。
【0028】
まず、電話機23が内線電話番号1000の電話機21へ発信し、構内交換装置10の処理によりFMC端末31へ発信呼を送り、電話機23とFMC端末31とが通話を開始する(ステップS21、S22、S23)。これらの処理については、図4と同様のため、説明を省略する。そして、FMC端末31が構内交換システムS内の電話機22へその通話を転送する場合、構内交換装置10の転送機能を利用するために、構内交換装置10へ発信して電話機22へ転送する(ステップS24、S25)。構内交換装置10への発信は、例えば、構内交換装置10へアクセスする電話番号03−AAAA−0001へダイヤルし、転送先の電話機22の内線電話番号1001を転送先に指定する処理である。この処理は、FMCアプリケーションプログラムが起動されている状態で、ユーザが転送先の内線番号と転送機能に対応したボタンを押下する等の操作により開始される。そして、構内交換装置10により転送処理が行われると、電話機22にて受話器を上げる等の操作により、FMC端末31が行っていた通話は、電話機22へ転送され、電話機22と電話機23とが通話を開始する(ステップS26)。
【0029】
このように、第1の呼および第2の呼の両方が構内交換装置10を経由する場合には、構内交換装置10の転送機能を利用することができるため、転送等の機能を利用するための構内交換装置10の電話番号へ発信するようになっている。従って、図4のように通信事業者の提供する転送機能を利用する場合と、図5のように構内交換装置10の転送機能を利用する場合とでは、転送等の機能を利用するための発信先が異なる。このように、発信先が異なる場合でも、同様の操作手順により転送等の機能を利用するための移動端末装置31の処理について説明する。
【0030】
図6は、FMCアプリケーションプログラムがインストールされた移動端末装置31(FMC端末31)が行う処理手順を示したフローチャートである。例えば、このプログラムは、転送先の電話番号および転送ボタンの押下などのユーザ操作を契機に主制御部340により実行される。
【0031】
まず、主制御部340は、第1の呼の相手先電話番号を検出する(ステップS101)。第1の呼の相手先電話番号の検出は、主制御部340が記憶部360に記憶される通話に係る情報を参照することにより行われる。次に、主制御部340が読み出すFMCアプリケーションプログラムに基づき、検出された第1の呼の相手先電話番号が、構内交換装置10を経由したものか否かを判断する(ステップ102)。
【0032】
ここで、第1の呼の相手先電話番号が、構内交換装置10を経由したものか否かの判断処理について説明する。
構内交換システムS内からの発信において、どの電話機20から発信してもその発信者番号が同じであるという構内交換システムSであれば、その発信者番号をFMC端末31の記憶部360に記憶しておき、第1の呼の相手先電話番号がその発信者番号と同じであれば構内交換装置10を経由した呼であると判断する。また、構内交換システムS内からの発信において、その発信者番号は上6桁が同じ番号であるならば、第1の呼の相手先電話番号の上6桁を記憶部360に記憶しておき、第1の呼の相手先電話番号の上6桁が、記憶部360に記憶されている上6桁の電話番号を同じであれば構内交換装置10を経由した呼であると判断する。
【0033】
また、構内交換システムS内から構内交換装置10によりFMC端末31へ発信された場合に、FMC端末31へ通知される番号が、構内交換システムS内で使用される内線番号である場合、その内線番号は4桁もしくは5桁の番号であるため、構内交換装置10を経由しない呼の発信元番号よりも桁が少なく、その桁数により判断してもよい。例えば、発信元の番号が9桁以下の場合には、構内交換装置10を経由する呼であると判断する。以上の判断は、構内交換システムS内から発信された場合だけでなく、FMC端末31から発信した第1の呼についても、同様に判断できる。
【0034】
このように上記の何れかの判断基準により、第1の呼の相手先電話番号が構内交換装置10を経由したものであると判断された場合は、第2の呼の相手先が構内交換装置10を経由するものであるか否かを判断する(ステップS103)。この判断は、つまり、転送先の電話番号が構内交換装置10を経由するものであるか否かを判断するものである。
【0035】
ここで、第2の呼の相手先電話番号が、構内交換装置10を経由するものか否かの判断処理について説明する。
構内交換装置10を経由する電話番号は、FMC端末31へ入力される電話番号は、内線電話番号であり、その内線電話番号の後に(前でもよい)転送ボタンが押下される。構内交換装置10を経由しない電話番号は、03または090等の番号から始まる10桁または11桁の番号である。つまり、内線電話番号は、例えば4桁もしくは5桁の番号であり、構内交換装置10を経由しない電話番号の桁数よりも少ない。そのため、構内交換装置10を経由する電話番号か否かの判断は、転送先の電話番号の桁数によって判断すればよい。例えば、転送先の電話番号の桁数が10桁以上であれば構内交換装置10を経由しないものと判断し、9桁以下であれば構内交換装置10を経由するものと判断する。
【0036】
ステップS103によって、第2の呼が構内交換装置10を経由するものであると判断された場合は、構内交換装置10の転送機能を利用するために構内交換装置10へ発信し、転送先の電話機20の内線番号を指定する(ステップS104)。
【0037】
また、ステップS102において第1の呼が構内交換装置10を経由しないものであると判断された場合、および、ステップS103において第2の呼が構内交換装置10を経由しないものであると判断された場合は、通信事業者の転送機能を利用するために、通信事業者のサーバ50へ発信し、転送先の電話機の電話番号を指定する。
【0038】
このように、第1の呼および第2の呼の何れも構内交換装置10を経由する場合にのみ、構内交換装置10の転送等の機能を利用することができることを示した。もちろん、第1の呼および第2の呼の両方が構内交換装置10を経由しない場合には、構内交換装置10の転送等の機能を利用することができなく、構内交換装置10の機能を利用できない場合には、通信事業者の提供する転送等の機能を利用するようにした。
【0039】
また、図4、図5、図6の説明では、転送機能について説明したが、第1の呼と第2の呼を接続して会議通話、すなわち、いわゆる3者通話を行う場合の手順は、図4、図5、図6と同様である。会議通話の手順は、図4、図5、図6の手順における「転送」を「会議通話」と読み替えればよい。また、転送の場合の第2の呼は、転送後の呼を指したが、会議通話の場合の第2の呼は、第1の呼に加えられる呼を指す。
【0040】
以上述べたように、FMCアプリケーションプログラムをインストールされた移動端末装置が転送または会議通話を行う場合に、既に通話中の呼(第1の呼)や、転送または会議通話の相手先へ発信する呼(第2の呼)が、構内交換装置10を経由する呼であるか否かに関わらず、転送または会議通話を行うために、移動端末装置31が行う転送または会議通話の発信処理において、第1の呼および第2の呼が構内交換装置10を経由する呼であるか否かを判断するようにした。そのため、第1の呼の通話中に、移動端末装置31が転送や会議通話を行う場合、転送や会議通話を行う相手先の電話番号の入力と、転送や会議通話に対応したボタンを押下するという手順とを行うことにより、移動端末装置31が構内交換装置10の機能を使用するか、通信事業者が提供する機能を使用するかの判断を行い、その判断に応じて、その機能を使用するための発信先へ発信する処理を行うことができる。その結果、第1の呼および第2の呼が構内交換装置10を経由する呼であるか否かに関わらず、転送や会議通話の機能を利用することができるだけでなく、ユーザは、構内交換装置10の機能を使用するか、通信事業者が提供する機能を使用するかを意識することなく転送や会議通話の操作を行うことができる。
【0041】
なお、本発明は、以上の構成に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施例では、移動端末装置30に予めFMCアプリケーションプログラムがインストールされている場合を説明したが、FMCアプリケーションプログラムは、インターネットからダウンロードしてインストールするものや、CD−ROMなどの媒体により配布されるものであってもよく、移動端末装置が販売される状態においてはインストールされていなくてもよい。また、移動端末装置は、携帯電話やPHSに限定されるものではなく、モバイルPCやPDA(Personal Digital Assistants)等のポータブル機器であってもよい。
【符号の説明】
【0042】
10…構内交換装置、11…構外網インタフェース、12…内線インタフェース、13…記憶部、14…制御部、20,21,22,2N…電話機、30,31,32,3N…移動端末装置、40,41…電話機、50…サーバ、ANT…アンテナ、310…送受信部、311…無線制御部、320…通話処理部、330…マンマシンインタフェース部、331…表示部、332…ボタン、333…マイク、334…スピーカ、340…主装置、350…呼制御部、360…記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電話機と、前記複数の電話機が接続されるとともに構外のネットワークである構外網と通信する構内交換装置とを有する構内交換システムで使用され、前記複数の電話機の何れかと関連付けられる移動端末装置であって、
前記複数の電話機または前記構外網に接続される通信機器との通話である第1の呼が前記構内交換装置を経由した呼であるか否かを判断する第1の判断手段と、
転送先を入力する入力手段と、
前記第1の呼の通話中に、前記入力手段により入力された転送先である第2の呼が前記構内交換装置を経由した呼であるか否かを判断する第2の判断手段と、
前記第1の判断手段および前記第2の判断手段の何れによっても、前記構内交換装置を経由した呼であると判断された場合に、前記構内交換装置の転送処理を開始させるよう前記構内交換装置へ発信する転送処理手段と
を備えることを特徴とする移動端末装置。
【請求項2】
前記転送処理手段は、前記第1の判断手段または前記第2の判断手段の何れか一方において前記構内交換装置を経由しない呼であると判断された場合に、前記構外網に接続された通信事業者のサーバの転送処理を開始させるよう前記サーバへ発信することを特徴とする請求項1に記載の移動端末装置。
【請求項3】
前記第1の判断手段または前記第2の判断手段の少なくとも一方は、相手先の電話番号の桁数を用いて判断することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の移動端末装置。
【請求項4】
複数の電話機と、前記複数の電話機が接続されるとともに構外のネットワークである構外網と通信する構内交換装置とを有する構内交換システムで使用され、前記複数の電話機の何れかと関連付けられる移動端末装置にインストールされる移動端末装置用プログラムであって、
前記複数の電話機または前記構外網に接続される通信機器との通話である第1の呼が前記構内交換装置を経由した呼であるか否かを判断する第1の判断機能と、
転送先の入力を受け付ける入力受付手段と、
前記第1の呼の通話中に、前記入力受付手段から入力された転送先である第2の呼が前記構内交換装置を経由した呼であるか否かを判断する第2の判断機能と、
前記第1の判断機能および前記第2の判断機能の何れによっても、前記構内交換装置を経由した呼であると判断された場合に、前記構内交換装置の転送処理を開始させるよう前記構内交換装置へ発信する転送処理機能と
を備えることを特徴とする移動端末装置用プログラム。
【請求項5】
前記転送処理機能は、前記第1の判断機能または前記第2の判断機能の何れか一方において前記構内交換装置を経由しない呼であると判断された場合に、前記構外網に接続された通信事業者のサーバの転送処理を開始させるよう前記サーバへ発信することを特徴とする請求項4に記載の移動端末装置用プログラム。
【請求項6】
前記第1の判断機能または前記第2の判断機能の少なくとも一方は、相手先の電話番号の桁数を用いて判断することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の移動端末装置用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−66575(P2011−66575A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−213996(P2009−213996)
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】