説明

移植機

【課題】部品の兼用化を図り、部品点数及びコストを削減する
【解決手段】ステアリングハンドル16の旋回操作に応じて、旋回内側の後輪7に対する動力伝動を自動的に断つ乗用型田植機であって、サイドクラッチ13のシフタアーム14を前輪操向機構17に連繋させ、ステアリングハンドル16の旋回操作に応じて、旋回内側のサイドクラッチ13を自動的に切り作動させるサイドクラッチ連繋機構29を備え、該サイドクラッチ連繋機構29は、ピットマンアーム22との当接により回動するカム部材31と、各サイドクラッチ13のシフタアーム14をカム部材31に連繋させる左右の連繋リンク32とを備えると共に、カム部材31を、ステアリング減速軸24を支点として回動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステアリングハンドルの旋回操作に応じて、旋回内側の後輪に対する動力伝動を自動的に断つ乗用型田植機などの移植機に関する。
【背景技術】
【0002】
ステアリングハンドルの旋回操作に応じて、旋回内側の後輪に対する動力伝動を自動的に断つことにより、小回り旋回を可能にする移植機が知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の移植機は、左右の前輪を支持する前側伝動ケース(トランスミッションケース及びフロントアクスルケースを含む)と、左右の後輪を支持する後側伝動ケース(リヤアクスルケース)と、ステアリングハンドルの操作に応じて、左右の前輪を操向させる前輪操向機構と、後側伝動ケースに内装される左右のサイドクラッチと、各サイドクラッチのシフタを前輪操向機構に連繋させ、ステアリングハンドルの旋回操作に応じて、旋回内側のサイドクラッチを自動的に切り作動させるサイドクラッチ連繋機構を備えて構成されている。
【0003】
また、特許文献1に示されるサイドクラッチ連繋機構は、ピットマンアームとの当接により回動するカム部材と、各サイドクラッチのシフタをカム部材に連繋させる左右の連繋リンクとを備えて構成されている。このようなサイドクラッチ連繋機構によれば、連繋リンクの引っ張り作動で旋回内側のサイドクラッチを切ることができるので、連繋リンクの押し作動で旋回内側のサイドクラッチを切る場合に比べ、連繋リンクの強度を落すことができるという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−125616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示されるものでは、カム部材を、ピットマンアームの後方に別途設けた支軸を支点として回動させるので、部品点数が多くなるだけでなく、カム部材がピットマンアームの周辺スペースを圧迫するという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、ステアリングハンドルの旋回操作に応じて、旋回内側の後輪に対する動力伝動を自動的に断つ移植機であって、左右の前輪を支持する前側伝動ケースと、左右の後輪を支持する後側伝動ケースと、ステアリングハンドルの操作に応じて、左右の前輪を操向させる前輪操向機構と、後側伝動ケースに内装される左右のサイドクラッチと、各サイドクラッチのシフタを前輪操向機構に連繋させ、ステアリングハンドルの旋回操作に応じて、旋回内側のサイドクラッチを自動的に切り作動させるサイドクラッチ連繋機構とを備え、前記前輪操向機構は、ステアリングハンドルの操作に応じて、ステアリング減速軸及びピットマンアームを介して左右の前輪を操向させ、前記サイドクラッチ連繋機構は、ピットマンアームとの当接により回動するカム部材と、各サイドクラッチのシフタをカム部材に連繋させる左右の連繋リンクとを備えると共に、カム部材を、ステアリング減速軸を支点として回動させることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、前記カム部材を、平面視でピットマンアームに重合させたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、カム部材を、ステアリング減速軸を支点として回動させることにより、部品の兼用化を図り、部品点数及びコストを削減することができる。
また、請求項2の発明によれば、カム部材を、平面視でピットマンアームに重合させたことにより、ピットマンアーム及びカム部材をコンパクトに配置できると共に、カム部材がピットマンアームの周辺スペースを圧迫する不都合を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】乗用型田植機の全体側面図である。
【図2】乗用型田植機の全体平面図である。
【図3】リンク類の配置構成を示す乗用型田植機の要部底面図である。
【図4】前輪操舵機構の要部斜視図である。
【図5】サイドクラッチ入り状態を示すカム機構の底面図である。
【図6】サイドクラッチ切り状態を示すカム機構の底面図である。
【図7】直進状態の作用を示す底面図である。
【図8】旋回状態の作用を示す底面図である。
【図9】サイドクラッチ連動解除状態の作用を示す底面図である。
【図10】直進状態の作用を示す要部拡大底面図である。
【図11】旋回状態の作用を示す要部拡大底面図である。
【図12】サイドクラッチ連動解除状態の作用を示す要部拡大底面図である。
【図13】デフロックペダル機構の斜視図である。
【図14】デフロックペダル機構の側面図である。
【図15】ペダル踏み込み状態を示すデフロックペダル機構の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1〜図3において、1は移植機である乗用型田植機の走行機体であって、該走行機体1の後部には、昇降リンク機構2を介して植付作業機3が連結されている。図3に示すように、走行機体1は、左右の前輪4を支持する前側伝動ケース(トランスミッションケース5及びフロントアクスルケース6)と、左右の後輪7を支持する後側伝動ケース(リヤアクスルケース8)と、前側伝動ケースと後側伝動ケースを一体的に連結するメインフレーム9とを備えている。また、メインフレーム9には、左右側方に延出するステップフレーム10が一体的に連結されており、メインフレーム9及びステップフレーム10の上に、左右方向に幅広なステップ11が構成される。ステップ11の下方スペースは、様々な部材の配置空間として利用されており、例えば、本実施形態では、ステップ11の左側下方空間に燃料タンクTを配置している。尚、図中に示す符号のKは、燃料タンクTの燃料供給口である。
【0010】
トランスミッションケース5は、エンジン(図示せず)から入力した動力を変速する。ここで変速された動力は、前輪デフ機構(図示せず)及びフロントアクスルケース6を介して左右の前輪4に伝動されると共に、走行PTO軸12及びリヤアクスルケース8を介して左右の後輪7に伝動され、さらには、植付PTO軸(図示せず)を介して植付作業機3に伝動されるようになっている。前輪デフ機構は、旋回時などにおいて左右前輪4の回転差(差動)を許容するために設けられるものであるが、所定のデフロック操作に応じて前輪デフ機構をロックし、左右の前輪4を同速で強制駆動させるデフロック機構(図示せず)も備えている。
【0011】
図7〜図9に示すように、リヤアクスルケース8の内部には、トランスミッションケース5から入力した動力を分岐し、左右の後輪7にそれぞれ伝動する左右の後輪動力伝動経路が構成されている。左右の後輪動力伝動経路には、それぞれサイドクラッチ13が介設されており、その入り切り作動にもとづいて、左右の後輪7に対する動力伝動を個別に断続することができる。左右のサイドクラッチ13には、リヤアクスルケース8の下部に配置されたシフタアーム(シフタ)14がシフタ軸15を介して連繋されており、該シフタアーム14を前後に押し引きすることにより、サイドクラッチ13を入り切りさせることが可能となる。
【0012】
図3及び図4に示すように、左右の前輪4は、フロントアクスルケース6に操向自在に支持され、ステアリングハンドル16の操作に応じて操向動作される。前輪4を操向させる前輪操向機構17は、ステアリングハンドル16の操作に応じて、ステアリング軸18を回転させるトルクジェネレータ(図示せず)と、ステアリング軸18の回転を減速してピットマンアーム軸19に伝動するステアリング減速機構20と、ピットマンアーム軸21に一体的に設けられるピットマンアーム22と、ピットマンアーム22を左右の前輪4に連繋させる左右一対のロッド23とを備えて構成されている。
【0013】
ステアリング軸18とピットマンアーム軸19は、同一軸心上に配置されており、その前方に、ステアリング減速機構20を構成するステアリング減速軸24が並列状に配置されている。ステアリング減速機構20は、ステアリング軸18に設けられる第一ギヤ25と、ステアリング減速軸24に設けられる第二ギヤ26及び第三ギヤ27と、ピットマンアーム軸19に設けられる第四ギヤ28とを備えて構成され、互いに噛み合う第一ギヤ25と第二ギヤ26の間、及び第三ギヤ27と第四ギヤ28の間で減速が行われる。
【0014】
図7〜図12に示すように、走行機体1の底部には、各サイドクラッチ13のシフタアーム14を前輪操向機構17に連繋させ、ステアリングハンドル16の旋回操作に応じて、旋回内側のサイドクラッチ13を自動的に切り作動させるサイドクラッチ連繋機構29が構成されている。本実施形態のサイドクラッチ連繋機構29は、ピットマンアーム22に設けられるローラ30との当接により回動するカム部材31と、各サイドクラッチ13のシフタアーム14をカム部材31の左右両端部に連繋させる左右の連繋リンク32とを備えて構成されている。このようなサイドクラッチ連繋機構29によれば、連繋リンク32の引っ張り作動で旋回内側のサイドクラッチ13を切ることができるので、連繋リンク32の押し作動で旋回内側のサイドクラッチ13を切る場合に比べ、連繋リンク32の強度を落すことができる。
【0015】
図4〜図6に示すように、カム部材31は、ステアリング減速軸24を支点として回動するようになっている。このようにすると、部品の兼用化が図れるので、ピットマンアーム22の周辺にカム部材31の支軸を別途設ける場合に比べ、部品点数及びコストを削減することができる。
【0016】
また、カム部材31は、平面視でピットマンアーム22に重合するように配置することが好ましい。このようにすると、ピットマンアーム22及びカム部材31をコンパクトに配置できると共に、カム部材31がピットマンアーム22の周辺スペースを圧迫する不都合を回避できる。
【0017】
本実施形態のカム部材31は、凹部31aを有するへの字状のプレート部材からなり、凹部31aの側辺にローラ30が当接することにより、ステアリング減速軸24を支点として回動する。図5に示すように、凹部31aの側辺とローラ30との間には、直進状態において所定の間隙が確保されており、ステアリングハンドル16の切れ角が所定以上にならないと、カム部材31が回動しないようにしてある。このようにすると、カム部材31の形状にもとづいて、サイドクラッチ13が切れるタイミングを設定できるだけでなく、非旋回走行時におけるカム部材31とローラ30の当接を回避し、円滑なハンドル操作を行うことができる。
【0018】
図5に示す直進状態から、ステアリングハンドル16を旋回操作すると、図6に示すように、ピットマンアーム22の回動に伴ってローラ30が凹部31aの側辺に当接してカム部材31を回動させ、それに伴って前方に引っ張られる旋回内側の連繋リンク32がサイドクラッチ13を切り作動させることになるが、サイドクラッチ13の切れ位置を超えてステアリングハンドル16を回しても、カム部材31がそれ以上に回動することなく、一定の回動角を維持するように凹部31aの側辺形状が設定されている。このようにすると、ステアリングハンドル16(前輪4)の切れ角が異なる機種間でも、連繋リンク32(シフタアーム14)の引っ張りストロークが同等となり、連繋リンク32の長さ調整などが不要になるという利点がある。
【0019】
図7〜図12に示すように、本実施形態に係る連繋リンク32の後端部には、連繋リンク32の伸長作動を許容する伸長許容機構32aが設けられており、常時は圧縮コイルバネ32bの付勢力(>サイドクラッチ切り操作荷重)で非伸長状態を維持している。このような伸長許容機構32aによれば、ステアリングハンドル16の旋回操作時に、連繋リンク32がシフタアーム14の切り操作ストロークを超えて前方に引っ張られても、連繋リンク32が伸長することにより、シフタアーム14に無理な引張荷重を作用させる惧れがない。
【0020】
さらには、シフタアーム14において、シフタ軸15を挟んで連繋リンク32とは反対側に解除リンク33を連結し、該解除リンク33の前方への引き作動にもとづいて、サイドクラッチ連繋機構29によるサイドクラッチ13の切り作動を解除することが可能になる。つまり、連繋リンク32がシフタアーム14を前方に引っ張り、サイドクラッチ13が切られている状態であっても、解除リンク33が前方に引っ張られると、連繋リンク32の伸長作動にもとづいて、シフタアーム14の入り側への回動が許容され、サイドクラッチ13を入り状態とすることが可能になる。尚、解除リンク33は、前後方向の長孔33aを介してシフタアーム14と連結されており、非解除作動時には、シフタアーム14の入り切り作動に干渉しないようになっている。
【0021】
図13〜図15に示すように、走行機体1のステップ11上には、前述したデフロック機構を操作するためのデフロックペダル34が設けられている。このデフロックペダル34を踏込むと、ペダル軸35を支点として第一アーム36及び第二アーム37が回動すると共に、第二アーム37がデフロック操作荷重調節部38を介してデフロック操作アーム39を回動させる。これにより、デフロック操作アーム39に連繋されるデフロック機構が前輪デフ機構をロックし、左右の前輪4を同速で強制駆動させることになる。デフロック操作荷重調節部38は、
デフロックペダル34によるデフロック機構の操作荷重を調節するためのもので、例えば、デフロック操作経路に介設したバネの作用長を変更することにより、デフロックペダル34によるデフロック機構の操作荷重を調節する。
【0022】
さらに、デフロックペダル34は、前述した左右の解除リンク33を介して、各サイドクラッチ13のシフタアーム14に連繋されている。これにより、ステアリングハンドル16の旋回操作に応じたサイドクラッチ13の切り作動を、デフロックペダル34の操作に応じて解除することが可能になる。例えば、旋回中に前輪4がスリップした場合に、デフロックペダル34によるデフロック操作にもとづいて左右の前輪4を強制駆動させることができるだけでなく、これに連動するサイドクラッチ13の切り解除にもとづいて左右の後輪7も強制駆動させることができるので、スリップ状態から容易に脱出することが可能となる。
【0023】
デフロックペダル34からシフタアーム14に至る連繋経路には、デフロックペダル34の踏み込み操作に応じてペダル軸35を支点として回動する第三アーム40と、第三アーム40の回動に応じて上方へ引き上げられるリンク41と、リンク41と連結され、アーム軸42を支点として回動する第四アーム43と、第四アーム43と一体的に回動し、解除タイミング調節部44を介して解除リンク33と連結される第五アーム45とが介在している。解除タイミング調節部44は、デフロックペダル34の操作に応じた解除リンク33によるサイドクラッチ連動解除の解除タイミングを調節するためのもので、例えば、解除リンク33の有効長さを変更する機構で構成される。
【0024】
本実施形態では、デフロックペダル34を踏み込み操作すると、まず、デフロック機構が作動し、その後にサイドクラッチ13の切り作動が解除されるようにタイミングが設定されている。デフロック操作及びサイドクラッチ13の切り解除操作は、いずれも旋回半径を大きくする操作なので、デフロック操作段階でスリップ状態から脱出したときは、サイドクラッチ13の切り解除操作をしないことが望ましい。そこで、本実施形態では、デフロックペダル34の隣接位置にフットレスト46を設けると共に、フットレスト46の高さを、デフロックペダル34のデフロック単独操作位置と対応させている。つまり、フットレスト46に靴底が当る位置までデフロックペダル34を踏込むと、デフロック操作のみを行うことができ、また、足をずらしてさらに踏み込むことにより、サイドクラッチ13の切り解除操作も同時に行うことが可能になる。
【0025】
次に、デフロックペダル34の取付構造について、図13〜図15を参照して説明する。これらの図に示すように、デフロックペダル34、デフロック操作荷重調節部38及び解除タイミング調節部44は、予めベース部材47に組み付け、トランスミッションケース5の後面部に一体的に取り付けられるようになっている。このようにすると、各部品を別々に取り付ける場合に比べ、組み立てを簡略化し、組立性の向上が図れる。
【0026】
また、ベース部材47には、トランスミッションケース5の後面部から突出する走行PTO軸12の貫通孔47aが形成されている。このようにすると、走行PTO軸12の軸支部を基準としてベース部材47を位置決めできるので、組み立てをさらに簡略化できるだけでなく、ベース部材47の位置精度を向上させることができる。
【0027】
次に、サイドクラッチ連繋機構29、解除リンク33、デフロックペダル34などの配置構成について、図3を参照して説明する。この図に示すように、サイドクラッチ13のシフタアーム14及び連繋リンク32は、平面視においてメインフレーム9の左右外端位置よりも内側に配置されている。このようにすると、サイドクラッチ13のシフタアーム14や連繋リンク32が、ステップ11の下方スペースを圧迫するという不都合を回避できる。
【0028】
また、デフロックペダル34は、平面視において左右の連繋リンク32の間で、かつ、トランスミッションケース5の後面部に配置されると共に、左右の解除リンク33は、平面視において左右の連繋リンク32の内側に沿って配置されている。このようにすると、連繋リンク32の内方スペースを有効利用できるだけでなく、解除リンク33によってステップ11の下方スペースが圧迫されることもない。
【0029】
叙述の如く構成された本実施形態によれば、ステアリングハンドル16の旋回操作に応じて、旋回内側の後輪7に対する動力伝動を自動的に断つ乗用型田植機であって、左右の前輪4を支持する前側伝動ケースと、左右の後輪7を支持する後側伝動ケースと、ステアリングハンドル16の操作に応じて、左右の前輪4を操向させる前輪操向機構17と、後側伝動ケースに内装される左右のサイドクラッチ13と、各サイドクラッチ13のシフタアーム14を前輪操向機構17に連繋させ、ステアリングハンドル16の旋回操作に応じて、旋回内側のサイドクラッチ13を自動的に切り作動させるサイドクラッチ連繋機構29とを備え、前記前輪操向機構17は、ステアリングハンドル16の操作に応じて、ステアリング減速軸24及びピットマンアーム22を介して左右の前輪4を操向させ、前記サイドクラッチ連繋機構29は、ピットマンアーム22との当接により回動するカム部材31と、各サイドクラッチ13のシフタアーム14をカム部材31に連繋させる左右の連繋リンク32とを備えると共に、カム部材31を、ステアリング減速軸24を支点として回動させるので、部品の兼用化を図り、部品点数及びコストを削減することができる。
【0030】
また、カム部材31を、平面視でピットマンアーム22に重合させたので、ピットマンアーム22及びカム部材31をコンパクトに配置できると共に、カム部材31がピットマンアーム22の周辺スペースを圧迫する不都合を回避できる。
【符号の説明】
【0031】
1 走行機体
4 前輪
5 トランスミッションケース
6 フロントアクスルケース
7 後輪
8 リヤアクスルケース
13 サイドクラッチ
14 シフタアーム
16 ステアリングハンドル
17 前輪操向機構
20 ステアリング減速機構
22 ピットマンアーム
24 ステアリング減速軸
29 サイドクラッチ連繋機構
30 ベアリング
31 カム部材
32 連繋リンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングハンドルの旋回操作に応じて、旋回内側の後輪に対する動力伝動を自動的に断つ移植機であって、
左右の前輪を支持する前側伝動ケースと、
左右の後輪を支持する後側伝動ケースと、
ステアリングハンドルの操作に応じて、左右の前輪を操向させる前輪操向機構と、
後側伝動ケースに内装される左右のサイドクラッチと、
各サイドクラッチのシフタを前輪操向機構に連繋させ、ステアリングハンドルの旋回操作に応じて、旋回内側のサイドクラッチを自動的に切り作動させるサイドクラッチ連繋機構とを備え、
前記前輪操向機構は、ステアリングハンドルの操作に応じて、ステアリング減速軸及びピットマンアームを介して左右の前輪を操向させ、
前記サイドクラッチ連繋機構は、ピットマンアームとの当接により回動するカム部材と、各サイドクラッチのシフタをカム部材に連繋させる左右の連繋リンクとを備えると共に、カム部材を、ステアリング減速軸を支点として回動させる
ことを特徴とする移植機。
【請求項2】
前記カム部材を、平面視でピットマンアームに重合させたことを特徴とする請求項1記載の移植機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−207161(P2010−207161A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−57892(P2009−57892)
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】