説明

積層コンデンサ

【課題】外部電極と端子導体との間のショート不良を防止できる積層コンデンサを提供する。
【解決手段】積層コンデンサ1では、ESR制御部の内部電極に接続される外部電極3A,3Bがめっき層のみで構成されている。したがって、全ての外部電極3A,3B及び端子導体4A,4Bを焼付層で構成する場合と比べて外部電極3A,3Bと端子導体4A,4Bとの間のショート不良を防止できる。また、この積層コンデンサ1では、静電容量部の内部電極に接続される端子導体4A,4Bが焼付層を含んで構成されている。したがって、静電容量部の内部電極へのめっき液の浸入を抑制でき、絶縁抵抗不良の発生を低減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層コンデンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の積層コンデンサとして、例えば特許文献1に記載の積層コンデンサがある。この従来の積層コンデンサは、絶縁体層と複数の第1及び第2の内部電極とが積層された積層体を備え、積層体の外表面には、第1及び第2の外部電極と第1及び第2の端子導体とが設けられている。積層方向において、第1の内部電極と第2の内部電極とは重なる部分を有し、第1の内部電極同士は第1の端子導体を介して互いに接続され、第2の内部電極同士は第2の端子導体を介して互いに接続されている。また、一部の第1及び第2の内部電極は、引き出し導体によって積層体の側面に引き出され、第1及び第2の外部電極に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−286930号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の積層コンデンサは、近年では小型化が一段と進んでいる。このため、特に上述したような端子導体を備えた積層コンデンサでは、積層体の表面における外部電極と端子導体との間隔が非常に狭くならざるを得ない。したがって、従来のように導電ペーストを焼き付けてなる焼付層によって全ての外部電極及び端子導体を形成しようとすると、外部電極と端子導体との間がショートしてしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、外部電極と端子導体との間のショート不良を防止できる積層コンデンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の解決のため、本発明に係る積層コンデンサは、誘電体層を介在させて複数の内部電極が積層された積層体と、積層体の外表面に形成された外部電極及び端子導体と、を備え、積層体は、第1の内部電極と第2の内部電極とが少なくとも一層の誘電体層を挟んで配置されてなる静電容量部と、第3の内部電極と第4の内部電極とが少なくとも一層の誘電体層を挟んで配置されてなるESR制御部と、を有し、静電容量部において、第1の内部電極は、第1の引出導体を介し、積層体の表面に焼付層で構成される第1の端子導体にのみ接続され、第2の内部電極は、第2の引出導体を介し、積層体の表面に焼付層で構成される第2の端子導体にのみ接続され、ESR制御部において、第3の内部電極は、第3の引出導体を介し、第1の端子導体に接続されていると共に、第4の引出導体を介し、積層体の表面にめっき層で構成される第1の外部電極に接続され、第4の内部電極は、第5の引出導体を介し、第2の端子導体に接続されていると共に、第6の引出導体を介し、積層体の表面にめっき層で構成される第2の外部電極に接続されていることを特徴としている。
【0007】
この積層コンデンサでは、ESR制御部の内部電極に接続される外部電極がめっき層で構成されている。したがって、全ての外部電極及び端子導体を焼付層で構成する場合と比べて外部電極と端子導体との間のショート不良を防止できる。また、この積層コンデンサでは、静電容量部の内部電極に接続される端子導体が焼付層で構成されている。したがって、静電容量部の内部電極へのめっき液の浸入を抑制でき、絶縁抵抗不良の発生を低減できる。
【0008】
また、本発明に係る積層コンデンサは、誘電体層を介在させて複数の内部電極が積層された積層体と、積層体の外表面に形成された外部電極及び端子導体と、を備え、積層体は、第1の内部電極と第2の内部電極とが少なくとも一層の誘電体層を挟んで交互に配置されてなる静電容量部と、第3の内部電極と第4の内部電極とが少なくとも一層の誘電体層を挟んで交互に配置されてなるESR制御部と、を有し、静電容量部において、第1の内部電極は、第1の引出導体を介し、積層体の表面にめっき層で構成される第1の端子導体にのみ接続され、第2の内部電極は、第2の引出導体を介し、積層体の表面にめっき層で構成される第2の端子導体にのみ接続され、ESR制御部において、第3の内部電極は、第3の引出導体を介し、第1の端子導体に接続されていると共に、第4の引出導体を介し、積層体の表面に焼付層で構成される第1の外部電極に接続され、第4の内部電極は、第5の引出導体を介し、第2の端子導体に接続されていると共に、第6の引出導体を介し、積層体の表面に焼付層で構成される第2の外部電極に接続されていることを特徴としている。
【0009】
この積層コンデンサでは、静電容量部の内部電極に接続される端子導体がめっき層で構成されている。したがって、全ての外部電極及び端子導体を焼付層で構成する場合と比べて外部電極と端子導体との間のショート不良を防止できる。また、この積層コンデンサでは、ESR制御部の内部電極に接続される外部電極が焼付層で構成されている。したがって、ESR制御部の内部電極へのめっき液の浸入を抑制でき、絶縁抵抗不良の発生を低減できる。さらに、外部電極が焼付層を含むことで外部電極と積層体との固着強度が向上するので、回路電極への実装の際に外部電極に応力がかかった場合でも、外部電極が積層体から剥がれることを防止できる。
【0010】
また、積層体の表面に形成された焼付層の表面には、積層体の表面に形成されためっき層と同一の成分からなるめっき層が更に形成されていることが好ましい。このようなめっき層は、積層体の表面に形成されためっき層と同時形成することが可能である。
【0011】
また、静電容量部においてESR制御部に最も近接する内部電極と、ESR制御部において静電容量部に最も近接する内部電極とが同極性となっていることが好ましい。この場合、仮に内部電極にめっき液が浸入したとしても、絶縁抵抗不良の発生を低減できる。
【0012】
また、めっき層と接続される引出導体は、その接続部分の幅が他の部分の幅よりも広くなっていることが好ましい。この場合、めっき層の固着強度を十分に確保できる。
【0013】
また、積層体は、めっき層にのみ接続されるダミー電極を更に有していることが好ましい。この場合、めっき層の固着強度を十分に確保できる。
【0014】
また、積層体の一面側は、基板への実装面となっており、内部電極は、実装面に対して略直交するように配置されていることが好ましい。このような構成により、内部電極の積層数が増加した場合であっても低ESL化が図られる。
【0015】
また、端子導体は、積層体における長手方向の両端面に形成され、外部電極は、両端面に交差する側面に形成されていることが好ましい。この場合、外部電極と端子導体との間の間隔を確保できるので、一層確実にショート不良を防止できる
【0016】
また、外部電極と端子導体とは、積層体における同一の側面に形成されていることが好ましい。こうすると、一層の低ESL化が図られる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、外部電極と端子導体との間のショート不良を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態に係る積層コンデンサを示す斜視図である。
【図2】図1に示した積層コンデンサの層構成を示す図である。
【図3】図1に示した積層コンデンサの静電容量部を構成する電極パターンを示す図である。
【図4】図1に示した積層コンデンサのESR制御部を構成する電極パターンを示す図である。
【図5】図1に示した積層コンデンサにおける外部電極及び端子導体の形成の様子を示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る積層コンデンサを示す斜視図である。
【図7】図6に示した積層コンデンサの層構成を示す図である。
【図8】図6に示した積層コンデンサの静電容量部を構成する電極パターンを示す図である。
【図9】図6に示した積層コンデンサのESR制御部を構成する電極パターンを示す図である。
【図10】図6に示した積層コンデンサにおける外部電極及び端子導体の形成の様子を示す図である。
【図11】本発明の第3実施形態に係る積層コンデンサを示す斜視図である。
【図12】図11に示した積層コンデンサの層構成を示す図である。
【図13】図11に示した積層コンデンサの静電容量部を構成する電極パターンを示す図である。
【図14】図11に示した積層コンデンサのESR制御部を構成する電極パターンを示す図である。
【図15】図11に示した積層コンデンサにおける外部電極及び端子導体の形成の様子を示す図である。
【図16】本発明の第4実施形態に係る積層コンデンサを示す斜視図である。
【図17】図16に示した積層コンデンサの層構成を示す図である。
【図18】図16に示した積層コンデンサの静電容量部を構成する電極パターンを示す図である。
【図19】図16に示した積層コンデンサのESR制御部を構成する電極パターンを示す図である。
【図20】図16に示した積層コンデンサにおける外部電極及び端子導体の形成の様子を示す図である。
【図21】本発明の第5実施形態に係る積層コンデンサを示す斜視図である。
【図22】図21に示した積層コンデンサの層構成を示す図である。
【図23】図21に示した積層コンデンサの静電容量部を構成する電極パターンを示す図である。
【図24】図21に示した積層コンデンサのESR制御部を構成する電極パターンを示す図である。
【図25】図21に示した積層コンデンサにおける外部電極及び端子導体の形成の様子を示す図である。
【図26】本発明の第6実施形態に係る積層コンデンサを示す斜視図である。
【図27】図26に示した積層コンデンサの層構成を示す図である。
【図28】図26に示した積層コンデンサの静電容量部を構成する電極パターンを示す図である。
【図29】図26に示した積層コンデンサのESR制御部を構成する電極パターンを示す図である。
【図30】図26に示した積層コンデンサにおける外部電極及び端子導体の形成の様子を示す図である。
【図31】本発明の第7実施形態に係る積層コンデンサを示す斜視図である。
【図32】図31に示した積層コンデンサの層構成を示す図である。
【図33】図31に示した積層コンデンサの静電容量部を構成する電極パターンを示す図である。
【図34】図31に示した積層コンデンサのESR制御部を構成する電極パターンを示す図である。
【図35】図31に示した積層コンデンサにおける外部電極及び端子導体の形成の様子を示す図である。
【図36】本発明の第8実施形態に係る積層コンデンサを示す斜視図である。
【図37】図36に示した積層コンデンサの層構成を示す図である。
【図38】図36に示した積層コンデンサの静電容量部を構成する電極パターンを示す図である。
【図39】図36に示した積層コンデンサのESR制御部を構成する電極パターンを示す図である。
【図40】図36に示した積層コンデンサにおける外部電極及び端子導体の形成の様子を示す図である。
【図41】本発明の第9実施形態に係る積層コンデンサを示す斜視図である。
【図42】図41に示した積層コンデンサの層構成を示す図である。
【図43】図41に示した積層コンデンサの静電容量部を構成する電極パターンを示す図である。
【図44】図41に示した積層コンデンサのESR制御部を構成する電極パターンを示す図である。
【図45】図41に示した積層コンデンサにおける外部電極及び端子導体の形成の様子を示す図である。
【図46】本発明の第10実施形態に係る積層コンデンサを示す斜視図である。
【図47】図46に示した積層コンデンサの層構成を示す図である。
【図48】図46に示した積層コンデンサの静電容量部を構成する電極パターンを示す図である。
【図49】図46に示した積層コンデンサのESR制御部を構成する電極パターンを示す図である。
【図50】図46に示した積層コンデンサにおける外部電極及び端子導体の形成の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る積層コンデンサの好適な実施形態について詳細に説明する。本説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
[第1実施形態]
【0020】
図1は、本発明の第1実施形態に係る積層コンデンサを示す斜視図である。また、図2は、図1に示した積層コンデンサの層構成を示す図である。同図に示すように、積層コンデンサ1は、略直方体形状の積層体2と、積層体2の長手方向の両端面に形成された外部電極(第1の外部電極)3A及び外部電極(第2の外部電極)3Bと、積層体2の幅方向(図1における奥行き方向)の両側面に形成された端子導体(第1の端子導体)4A及び端子導体(第2の端子導体)4Bとを備えている。
【0021】
積層体2の内部には、図2に示すように、誘電体層5を介在させた状態で、電極パターンの異なる複数の内部電極6が積層されている。誘電体層5は、誘電体セラミックを含むセラミックグリーンシートの焼結体からなり、内部電極6は、導電性ペーストの焼結体からなる。実際の積層コンデンサ1では、誘電体層5,5間の境界が視認できない程度に一体化されている。また、積層体2において、内部電極6の積層方向の端面は、実装基板に積層する際の実装面となっている。
【0022】
この積層体2は、図2に示すように、積層コンデンサ1の静電容量に主として寄与する静電容量部11と、積層コンデンサ1のESRを制御するESR制御部12とを有している。静電容量部11は、図3に示すように、パターンの異なる2種類の内部電極(第1の内部電極)6A及び内部電極(第2の内部電極)6Bが交互に積層されて形成されている。
【0023】
内部電極6Aは、図3(a)に示すように、中央部分に形成された矩形の主電極部13Aと、主電極部13Aの一辺から端子導体4Aに向かって引き出された帯状の引出導体(第1の引出導体)14Aとを有している。引出導体14Aの端部は、積層体2の幅方向の一側面に露出して端子導体4Aに接続されている。
【0024】
内部電極6Aと同層には、ダミー電極15A,15B,15Cが形成されている。ダミー電極15Aは、積層体2の長手方向の一端面側の縁に沿って延在し、外部電極3Aに接続されている。ダミー電極15Bは、積層体2の長手方向の他端面側の縁に沿って延在し、外部電極3Bに接続されている。また、ダミー電極15Cは、引出導体14Aの反対側に位置し、端子導体4Bに接続されている。
【0025】
内部電極6Bは、図3(b)に示すように、中央部分に形成された矩形の主電極部13Bと、主電極部13Bの一辺から端子導体4Bに向かって引き出された帯状の引出導体(第2の引出導体)14Bとを有している。引出導体14Bの端部は、積層体2の幅方向の他側面に露出し、端子導体4Bに接続されている。
【0026】
内部電極6Bと同層には、ダミー電極15D,15E,15Fが形成されている。ダミー電極15Dは、積層体2の長手方向の一端面側の縁に沿って延在し、外部電極3Aに接続されている。ダミー電極15Eは、積層体2の長手方向の他端面側の縁に沿って延在し、外部電極3Bに接続されている。また、ダミー電極15Fは、引出導体14Bの反対側に位置し、端子導体4Bに接続されている。
【0027】
このような静電容量部11では、積層方向から見て内部電極6Aの主電極部13Aと内部電極6Bの主電極部13Bとが互いに重なり合う部分によって容量形成領域が形成されている。本実施形態では、主電極部13Aの全面が主電極部13Bの全面と重なり合っており、容量形成領域が十分に確保されている。
【0028】
一方、ESR制御部12は、積層方向から見て静電容量部11を挟むように上下にそれぞれ配置されている。ESR制御部12は、図4に示すように、パターンの異なる2種類の内部電極(第3の内部電極)6C及び内部電極(第4の内部電極)6Dが積層されて形成されている。
【0029】
内部電極6Cは、図4(a)に示すように、中央部分に形成された矩形の主電極部13Cと、主電極部13Cから端子導体4Aに向かって引き出された帯状の引出導体(第3の引出導体)14Cと、主電極部13Cから外部電極3Aに向かって引き出された引出導体(第4の引出導体)14Dとを有している。引出導体14Cの端部は、積層体2の幅方向の一側面に露出して端子導体4Aに接続されている。また、引出導体14Dの端部は、積層体2の幅と略等幅に拡張されており、積層体2の長手方向の一端面に露出して外部電極3Aに接続されている。
【0030】
内部電極6Cと同層には、ダミー電極15G,15Hが形成されている。ダミー電極15Gは、積層体2の長手方向の他端面側の縁に沿って延在し、外部電極3Bに接続されている。ダミー電極15Hは、引出導体14Cの反対側に位置し、端子導体4Bに接続されている。
【0031】
内部電極6Dは、図4(b)に示すように、中央部分に形成された矩形の主電極部13Dと、主電極部13Dから端子導体4Bに向かって引き出された帯状の引出導体(第3の引出導体)14Eと、主電極部13Dから外部電極3Bに向かって引き出された引出導体(第4の引出導体)14Fとを有している。引出導体14Eの端部は、積層体2の幅方向の他側面に露出して端子導体4Bに接続されている。また、引出導体14Fの端部は、積層体2の幅と略等幅に拡張されており、積層体2の長手方向の他端面に露出して外部電極3Bに接続されている。
【0032】
内部電極6Dと同層には、ダミー電極15I,15Jが形成されている。ダミー電極15Iは、積層体2の長手方向の一端面側の縁に沿って延在し、外部電極3Aに接続されている。ダミー電極15Jは、引出導体14Eの反対側に位置し、端子導体4Aに接続されている。
【0033】
なお、図2に示すように、静電容量部11においてESR制御部12に最も近接する内部電極6と、ESR制御部12において静電容量部11に最も近接する内部電極6とは、同一の外部電極に接続されており、両者は同極性となっている。
【0034】
また、ESR制御部12の外層側には、図2に示すように、保護層16が適宜積層されている。この保護層16には、ダミー電極15K,15L,15M,15Nが形成されている。ダミー電極15Kは、積層体2の長手方向の一端面側の縁に沿って延在し、外部電極3Aに接続されている。ダミー電極15Lは、積層体2の長手方向の他端面側の縁に沿って延在し、外部電極3Bに接続されている。ダミー電極15Mは、積層体2の長手方向の中央部分で端子導体4Aに接続されている。ダミー電極15Nは、ダミー電極15Mの反対側で端子導体4Bに接続されている。
【0035】
外部電極3A,3Bは、積層コンデンサ1を実装基板に実装する際に、所定の極性に接続される電極である。また、端子導体4A,4Bは、積層体2の静電容量部11に属する内部電極6同士を並列に接続する導体であり、実装基板には直接接続されない導体である。
【0036】
外部電極3A,3Bは、例えばNiなどの対ハンダ喰われ性を有する材料やSn、Sn合金、Agなどのハンダ濡れ性を有する材料からなる単層或いは複数層のめっき層のみによって構成されている。一方、端子導体4A,4Bは、導電性金属粉末及びガラスフリットを含む導電性ペーストを焼き付けて形成される焼付層を内層とし、外部電極3A,3Bと同様のめっき層を外層とする複数層によって構成されている。
【0037】
図5は、外部電極3及び端子導体4の形成の様子を示す図である。まず、スクリーン印刷等によって上記電極パターンを形成したグリーンシートを積層し、プレス工程、切断工程、焼成工程等を経て、図5(a)に示すように、積層体2を得る。
【0038】
次に、図5(b)に示すように、積層体2の幅方向の一側面から露出する引出導体14A,14C及びダミー電極15F,15J,15Mをそれぞれ覆うように、浸漬法或いはスクリーン印刷法を用いて導電性ペーストを塗布する。同様に、他側面から露出する引出導体14B,14E及びダミー電極15C,15H,15Nをそれぞれ覆うように、浸漬法或いはスクリーン印刷法を用いて導電性ペーストを塗布する。その後、所定の温度で焼き付けて焼付層17を形成する。
【0039】
最後に、図5(c)に示すように、積層体2の長手方向の一端面から露出する引出導体14D及びダミー電極15A,15D,15I,15Kと、他端面から露出する引出導体14F及びダミー電極15B,15E,15G,15Lと、焼付層17とをそれぞれ覆うように、バレルめっき法などを用いてめっき層18を形成する。これにより、外部電極3A,3B及び端子導体4A,4Bが形成され、積層コンデンサ1が得られる。
【0040】
なお、めっき層18の形成の際、外部電極3A,3Bについては、積層体2の表面に露出する引出導体の端部及び各ダミー電極の端部がそれぞれめっき伸びで生長することによって端部同士が連結することとなる。したがって、外部電極3A,3Bは、積層体2の高さ方向(図1における上下方向)の側面には形成されないが、積層体2の長手方向の端面から当該端面につながる幅方向の側面の縁部にわたって形成される。また、端子導体4A,4Bは、積層体2の幅方向の側面から当該側面につながる高さ方向の側面の縁部にわたって形成される。
【0041】
以上のような積層コンデンサ1では、ESR制御部12の内部電極6に接続される外部電極3A,3Bがめっき層18のみで構成されている。したがって、全ての外部電極3A,3B及び端子導体4A,4Bを焼付層で構成する場合と比べて外部電極3A,3Bと端子導体4A,4Bとの間のショート不良を防止できる。また、この積層コンデンサ1では、静電容量部11の内部電極6に接続される端子導体4A,4Bが焼付層17を含んで構成されている。したがって、静電容量部11の内部電極6へのめっき液の浸入を抑制でき、絶縁抵抗不良の発生を低減できる。
【0042】
積層コンデンサ1では、静電容量部11の積層数がESR制御部12の積層数よりも多く、従来構成では端子導体4A,4B側から静電容量部11において異極性で対向する内部電極6にめっき液が浸入しやすいため、端子導体4A,4Bを焼付層17で覆うことは特に有効である。一方、ESR制御部12の積層数が少ないので、外部電極3A,3Bとの接続箇所は少なく、外部電極3A,3Bをめっき層18で構成してもめっき液の浸入が抑えられる。また、外部電極3A,3Bに接続されるESR制御部12の内部電極6は、細長い帯状をなしているので、めっき液の浸入が抑えられると共に、異極性の内部電極6と対向する面積が抑えられる。したがって、絶縁抵抗不良の発生を一層確実に低減できる。
【0043】
また、積層コンデンサ1では、静電容量部11においてESR制御部12に最も近接する内部電極6と、ESR制御部12において静電容量部11に最も近接する内部電極6とが同極性となっている。これらの内部電極6,6同士は静電容量に寄与しないので、仮に内部電極6,6にめっき液が浸入したとしても、静電容量のばらつきといった信頼性の低下を防止できる。
【0044】
さらに、積層コンデンサ1では、めっき層18に直接接続される引出導体14D及び引出導体14Fの端部が積層体2の幅と略等幅に拡張され、引出導体14D及び引出導体14Fが存在しない層については、ダミー電極15A,15B,15D,15E,15G,15I,15K,15Lがそれぞれ存在している。これにより、積層体2に対するめっき層18の固着強度を十分に確保できる。
[第2実施形態]
【0045】
図6は、本発明の第1実施形態に係る積層コンデンサを示す斜視図である。また、図7は、図1に示した積層コンデンサの層構成を示す図である。図6及び図7に示すように、積層コンデンサ21は、外部電極23A,23B及び端子導体24A,24Bの構成と、積層体22内の内部電極26の電極パターンとが第1実施形態と異なっている。
【0046】
積層コンデンサ21では、積層体22の幅方向(図6における奥行き方向)の両側面に外部電極(第1の外部電極)23A及び外部電極(第2の外部電極)23Bが形成されている。また、積層体22の長手方向の両端面に端子導体(第1の端子導体)24A及び端子導体(第2の端子導体)24Bが形成されている。
【0047】
積層体22は、図7に示すように、積層コンデンサ21の静電容量に主として寄与する静電容量部31と、積層コンデンサ21のESRを制御するESR制御部32とを有している。静電容量部31は、図8に示すように、パターンの異なる2種類の内部電極(第1の内部電極)26A及び内部電極(第2の内部電極)26Bが交互に積層されて形成されている。
【0048】
内部電極26Aは、図8(a)に示すように、中央部分に形成された矩形の主電極部33Aと、主電極部33Aの一辺から端子導体24Aに向かって引き出された帯状の引出導体(第1の引出導体)34Aとを有している。引出導体34Aの端部は、積層体22の長手方向の一端面に露出して端子導体24Aに接続されている。
【0049】
内部電極26Aと同層には、ダミー電極35A,35Bが形成されている。ダミー電極35Aは、積層体22の幅方向の一側面側の縁に沿って延在し、外部電極23Aに接続されている。ダミー電極35Bは、積層体22の幅方向の他側面側の縁に沿って延在し、外部電極23Bに接続されている。
【0050】
内部電極26Bは、図8(b)に示すように、中央部分に形成された矩形の主電極部33Bと、主電極33Bの一辺から端子導体24Bに向かって引き出された帯状の引出導体(第2の引出導体)34Bとを有している。引出導体34Bの端部は、積層体2の長手方向の他端面に露出し、端子導体24Bに接続されている。
【0051】
内部電極26Bと同層には、ダミー電極35C,35Dが形成されている。ダミー電極35Cは、積層体22の幅方向の一側面側の縁に沿って延在し、外部電極23Aに接続されている。ダミー電極35Dは、積層体22の幅方向の他側面側の縁に沿って延在し、外部電極23Bに接続されている。
【0052】
このような静電容量部31では、積層方向から見て内部電極26Aの主電極部33Aと内部電極26Bの主電極部33Bとが互いに重なり合う部分によって容量形成領域が形成されている。本実施形態では、主電極部33Aの全面が主電極部33Bの全面と重なり合っており、容量形成領域が十分に確保されている。
【0053】
一方、ESR制御部32は、積層方向から見て静電容量部31を挟むように上下にそれぞれ配置されている。ESR制御部32は、図9に示すように、パターンの異なる2種類の内部電極(第3の内部電極)26C及び内部電極(第4の内部電極)26Dが積層されて形成されている。
【0054】
内部電極26Cは、図9(a)に示すように、中央部分に形成された矩形の主電極部33Cと、主電極部33Cから端子導体24Aに向かって引き出された帯状の引出導体(第3の引出導体)34Cと、主電極部33Cから外部電極23Aに向かって引き出された引出導体(第4の引出導体)34Dとを有している。引出導体34Cの端部は、積層体22の長手方向の一端面に露出して端子導体24Aに接続されている。また、引出導体34Dの端部は、積層体22の長さと略等幅に拡張されており、積層体22の幅方向の一側面に露出して外部電極23Aに接続されている。
【0055】
内部電極26Cと同層には、ダミー電極35Eが形成されている。ダミー電極35Eは、積層体22の幅方向の他端面側の縁に沿って延在し、外部電極23Bに接続されている。
【0056】
内部電極26Dは、図9(b)に示すように、中央部分に形成された矩形の主電極部33Dと、主電極部33Dから端子導体24Bに向かって引き出された帯状の引出導体(第3の引出導体)34Eと、主電極部33Dから外部電極23Bに向かって引き出された引出導体(第4の引出導体)34Fとを有している。引出導体34Eの端部は、積層体2の長手方向の他端面に露出して端子導体24Bに接続されている。また、引出導体34Fの端部は、積層体22の長さと略等幅に拡張されており、積層体22の幅方向の他側面に露出して外部電極23Bに接続されている。
【0057】
内部電極6Dと同層には、ダミー電極35Fが形成されている。ダミー電極35Fは、積層体22の幅方向の一側面側の縁に沿って延在し、外部電極23Aに接続されている。
【0058】
なお、図7に示すように、静電容量部31においてESR制御部32に最も近接する内部電極26と、ESR制御部32において静電容量部31に最も近接する内部電極26とは、同一の外部電極に接続されており、両者は同極性となっている。
【0059】
また、ESR制御部32の外層側には、図7に示すように、保護層36が適宜積層されている。この保護層36には、ダミー電極35G,35Hが形成されている。ダミー電極35Gは、積層体22の幅方向の一側面側の縁に沿って延在し、外部電極23Aに接続されている。ダミー電極35Hは、積層体22の幅方向の他側面側の縁に沿って延在し、外部電極23Bに接続されている。
【0060】
外部電極23A,23Bは、例えばNiなどの対ハンダ喰われ性を有する材料やSn、Sn合金、Agなどのハンダ濡れ性を有する材料からなる単層或いは複数層のめっき層のみによって構成されている。一方、端子導体24A,24Bは、導電性金属粉末及びガラスフリットを含む導電性ペーストを焼き付けて形成される焼付層を内層とし、外部電極23A,23Bと同様のめっき層を外層とする複数層によって構成されている。
【0061】
図10は、外部電極23及び端子導体24の形成の様子を示す図である。まず、スクリーン印刷等によって上記電極パターンを形成したグリーンシートを積層し、プレス工程、切断工程、焼成工程等を経て、図10(a)に示すように、積層体22を得る。
【0062】
次に、図10(b)に示すように、積層体2の長手方向の一端面から露出する引出導体34A,34C、他端面から露出する引出導体34B,34E、それぞれを覆うように、浸漬法或いはスクリーン印刷法を用いて導電性ペーストを塗布し、所定の温度で焼き付けて焼付層37を形成する。
【0063】
最後に、図10(c)に示すように、積層体22の幅方向の一側面から露出する引出導体34D及びダミー電極35A,35C,35F,35Gと、他側面から露出する引出導体34F及びダミー電極35B,35D,35E,35Hと、焼付層37とをそれぞれ覆うように、バレルめっき法などを用いてめっき層38を形成する。これにより、外部電極23A,23B及び端子導体24A,24Bが形成され、積層コンデンサ21が得られる。
【0064】
なお、めっき層38の形成の際、外部電極23A,23Bについては、積層体22の表面に露出する引出導体の端部及び各ダミー電極の端部がそれぞれめっき伸びで生長することによって端部同士が連結することとなる。したがって、外部電極23A,23Bは、積層体22の高さ方向(図1における上下方向)の側面には形成されないが、積層体22の幅方向の側面から当該側面につながる長手方向の端面の縁部にわたって形成される。また、端子導体24A,24Bは、積層体22の長手方向の端面から当該端面につながる高さ方向の側面の縁部にわたって形成される。
【0065】
以上のような積層コンデンサ21では、ESR制御部32の内部電極26に接続される外部電極23A,23Bがめっき層38のみで構成されている。したがって、全ての外部電極23A,23B及び端子導体24A,24Bを焼付層で構成する場合と比べて外部電極23A,23Bと端子導体24A,24Bとの間のショート不良を防止できる。また、この積層コンデンサ21では、静電容量部31の内部電極26に接続される端子導体24A,24Bが焼付層37を含んで構成されている。したがって、静電容量部31の内部電極26へのめっき液の浸入を抑制でき、絶縁抵抗不良の発生を低減できる。
【0066】
積層コンデンサ21では、静電容量部31の積層数がESR制御部32の積層数よりも多く、従来構成では端子導体24A,24B側から静電容量部31において異極性で対向する内部電極26にめっき液が浸入しやすいため、端子導体24A,24Bを焼付層37で覆うことは特に有効である。一方、ESR制御部32の積層数が少ないので、外部電極23A,23Bとの接続箇所は少なく、外部電極23A,23Bをめっき層38で構成してもめっき液の浸入が抑えられる。また、外部電極23A,23Bに接続されるESR制御部32の内部電極26は、細長い帯状をなしているので、めっき液の浸入が抑えられると共に、異極性の内部電極26と対向する面積が抑えられる。したがって、絶縁抵抗不良の発生を一層確実に低減できる。
【0067】
また、積層コンデンサ21では、静電容量部31においてESR制御部32に最も近接する内部電極26と、ESR制御部32において静電容量部31に最も近接する内部電極26とが同極性となっている。これらの内部電極26,26同士は静電容量に寄与しないので、仮に内部電極26,26にめっき液が浸入したとしても、静電容量のばらつきといった信頼性の低下を防止できる。
【0068】
さらに、積層コンデンサ21では、めっき層38に直接接続される引出導体34D及び引出導体34Fの端部が積層体22の長さと略等幅に拡張され、引出導体34D及び引出導体34Fが存在しない層については、ダミー電極35A〜35Hがそれぞれ存在している。これにより、積層体2に対するめっき層38の固着強度を十分に確保できる。
[第3実施形態]
【0069】
図11は、本発明の第1実施形態に係る積層コンデンサを示す斜視図である。また、図12は、図11に示した積層コンデンサの層構成を示す図である。図11及び図12に示すように、積層コンデンサ41は、主として外部電極43A,43B及び端子導体44A,44Bの構成が第1実施形態と異なっている。
【0070】
積層コンデンサ41では、第1実施形態と同様に、積層体42の長手方向の両端面に外部電極(第1の外部電極)43A及び外部電極(第2の外部電極)43Bが形成されている。また、積層体42の幅方向(図11における奥行き方向)の両側面に端子導体(第1の端子導体)44A及び端子導体(第2の端子導体)44Bが形成されている。
【0071】
積層体42は、図12に示すように、積層コンデンサ41の静電容量に主として寄与する静電容量部51と、積層コンデンサ41のESRを制御するESR制御部52とを有している。静電容量部51は、図13に示すように、パターンの異なる2種類の内部電極(第1の内部電極)46A及び内部電極(第2の内部電極)46Bが積層されて形成されている。
【0072】
内部電極46A及び内部電極46Bは、第1実施形態の内部電極6A及び6Bと同様のパターンを有しており、ダミー電極55A,55B,55D,55Eの幅が主電極部53A,53Bと略等幅となっている点で第1実施形態と異なっている。
【0073】
一方、ESR制御部52は、図14に示すように、パターンの異なる2種類の内部電極(第3の内部電極)46C及び内部電極(第4の内部電極)46Dが積層されて形成されている。内部電極46C及び内部電極46Dは、第1実施形態の内部電極6C及び6Dと同様のパターンを有しており、引出導体54D,54Fの端部の幅及びダミー電極55G,55Iの幅が主電極部53A,53Bと略等幅となっている点で第1実施形態と異なっている。なお、保護層56においても、ダミー電極55K,55Lの幅が主電極部53A,53Bと略等幅となっている。
【0074】
外部電極43A,43Bは、例えば導電性金属粉末及びガラスフリットを含む導電性ペーストを焼き付けて形成される焼付層を内層とし、例えばNiなどの対ハンダ喰われ性を有する材料やSn、Sn合金、Agなどのハンダ濡れ性を有する材料からなる単層或いは複数層のめっき層を外層とする複数層によって構成されている。一方、端子導体44A,44Bは、上記めっき層のみによって構成されている。
【0075】
図15は、外部電極43及び端子導体44の形成の様子を示す図である。まず、スクリーン印刷等によって上記電極パターンを形成したグリーンシートを積層し、プレス工程、切断工程、焼成工程等を経て、図15(a)に示すように、積層体42を得る。
【0076】
次に、図15(b)に示すように、積層体42の長手方向の一端面から露出する引出導体54D及びダミー電極55A,55D,55I,55Kをそれぞれ覆うように、また、他端面から露出する引出導体54F及びダミー電極55B,55E,55G,55Lをそれぞれ覆うように、浸漬法或いはスクリーン印刷法を用いて導電性ペーストを塗布し、所定の温度で焼き付けて焼付層57を形成する。
【0077】
最後に、図15(c)に示すように、積層体42の幅方向の一側面から露出する引出導体54A,54C及びダミー電極55F,55J,55Mと、他側面から露出する引出導体54B,54E及びダミー電極55C,55H,55Nと、焼付層57とをそれぞれ覆うように、バレルめっき法などを用いてめっき層58を形成する。これにより、外部電極43A,43B及び端子導体44A,44Bが形成され、積層コンデンサ41が得られる。
【0078】
なお、めっき層58の形成の際、端子導体44A,44Bについては、積層体42の表面に露出する引出導体の端部及び各ダミー電極の端部がそれぞれめっき伸びで生長することによって端部同士が連結することとなる。したがって、端子導体43A,43Bは、積層体42の高さ方向の側面には形成されず、積層体42の幅方向の側面にのみ形成される。また、外部電極43A,43Bは、積層体42の長手方向の端面と当該端面につながる幅方向及び高さ方向の各側面の縁部とにわたって形成される。
【0079】
以上のような積層コンデンサ41では、静電容量部51の内部電極46に接続される端子導体44A,44Bがめっき層58のみで構成されている。したがって、全ての外部電極43A,43B及び端子導体44A,44Bを焼付層で構成する場合と比べて外部電極43A,43Bと端子導体44A,44Bとの間のショート不良を防止できる。また、この積層コンデンサ41では、ESR制御部52の内部電極46に接続される外部電極43A,43Bが焼付層57を含んで構成されている。したがって、ESR制御部52の内部電極46へのめっき液の浸入を抑制でき、絶縁抵抗不良の発生を低減できる。さらに、外部電極43A,43Bが焼付層57を含むことで外部電極43A,43Bと積層体42との固着強度が向上するので、回路電極への実装の際に外部電極43A,43Bに応力がかかった場合でも、外部電極43A,43Bが積層体42から剥がれることを防止できる。
【0080】
また、積層コンデンサ41においても、静電容量部51においてESR制御部52に最も近接する内部電極46と、ESR制御部52において静電容量部51に最も近接する内部電極46とが同極性となっている。これにより、仮に内部電極46にめっき液が浸入したとしても、絶縁抵抗不良の発生を低減できる。
【0081】
さらに、積層コンデンサ41では、めっき層58に直接接続される引出導体54A,54B,54C,54Eが存在しない層については、ダミー電極55C,55F,55H,55M,55Nがそれぞれ存在している。これにより、積層体42に対するめっき層58の固着強度を十分に確保できる。
[第4実施形態]
【0082】
図16は、本発明の第4実施形態に係る積層コンデンサを示す斜視図である。また、図17は、図16に示した積層コンデンサの層構成を示す図である。図16及び図17に示すように、積層コンデンサ61は、主として外部電極63A,63B及び端子導体64A,64Bの構成が第2実施形態と異なっている。
【0083】
積層コンデンサ61では、第6実施形態と同様に、積層体62の幅方向(図16における奥行き方向)の両側面に外部電極(第1の外部電極)63A及び外部電極(第2の外部電極)63Bが形成されている。また、積層体62の長手方向の両端面に端子導体(第1の端子導体)64A及び端子導体(第2の端子導体)64Bが形成されている。
【0084】
積層体62は、図17に示すように、積層コンデンサ61の静電容量に主として寄与する静電容量部71と、積層コンデンサ61のESRを制御するESR制御部72とを有している。静電容量部71は、図18に示すように、パターンの異なる2種類の内部電極(第1の内部電極)66A及び内部電極(第2の内部電極)66Bが交互に積層されて形成されている。
【0085】
内部電極66A及び内部電極66Bは、第2実施形態の内部電極26A及び26Bと同様のパターンを有している。内部電極66Aと同層には、引出導体74Aと略等幅のダミー電極75Aが形成され、端子導体64Bに接続されている。内部電極66Bと同層には、引出導体74Bと略等幅のダミー電極75Bが形成され、端子導体64Aに接続されている。
【0086】
一方、ESR制御部72は、図19に示すように、パターンの異なる2種類の内部電極(第3の内部電極)66C及び内部電極(第4の内部電極)66Dが積層されて形成されている。内部電極66C及び内部電極66Dは、第2実施形態の内部電極46C及び46Dと同様のパターンを有しており、引出導体74D,74Fの端部の幅及びダミー電極75D,75Fの幅が積層体2の長さよりもわずかに短くなっている点で第2実施形態と異なっている。また、内部電極66Cと同層には、引出導体74Cと略等幅のダミー電極75Cが形成され、端子導体64Bに接続されている。内部電極66Dと同層には、引出導体74Eと略等幅のダミー電極75Eが形成され、端子導体64Aに接続されている。
【0087】
外部電極63A,63Bは、例えば導電性金属粉末及びガラスフリットを含む導電性ペーストを焼き付けて形成される焼付層を内層とし、例えばNiなどの対ハンダ喰われ性を有する材料やSn、Sn合金、Agなどのハンダ濡れ性を有する材料からなる単層或いは複数層のめっき層を外層とする複数層によって構成されている。一方、端子導体64A,64Bは、上記めっき層のみによって構成されている。
【0088】
図20は、外部電極63及び端子導体64の形成の様子を示す図である。まず、スクリーン印刷等によって上記電極パターンを形成したグリーンシートを積層し、プレス工程、切断工程、焼成工程等を経て、図20(a)に示すように、積層体62を得る。
【0089】
次に、図20(b)に示すように、積層体62の幅方向の一側面から露出する引出導体74D及びダミー電極75Fをそれぞれ覆うように、また他側面から露出する引出導体74F及びダミー電極75Dをそれぞれ覆うように、浸漬法或いはスクリーン印刷法を用いて導電性ペーストを塗布し、所定の温度で焼き付けて焼付層77を形成する。
【0090】
最後に、図20(c)に示すように、積層体62の長手方向の一端面から露出する引出導体74A,74C及びダミー電極75B,75E,75Gと、他端面から露出する引出導体74B,74E及びダミー電極75A,75C,75Hと、焼付層77とをそれぞれ覆うように、バレルめっき法などを用いてめっき層78を形成する。これにより、外部電極63A,63B及び端子導体64A,64Bが形成され、積層コンデンサ61が得られる。
【0091】
なお、めっき層78の形成の際、端子導体64A,64Bについては、積層体62の表面に露出する引出導体の端部及び各ダミー電極の端部がそれぞれめっき伸びで生長することによって端部同士が連結することとなる。したがって、端子導体64A,64Bは、積層体62の高さ方向(図1における上下方向)の側面には形成されず、積層体62の長手方向の端面にのみ形成される。また、外部電極63A,63Bは、積層体62の幅方向の側面と当該側面につながる長手方向の端面及び高さ方向の側面の縁部とにわたって形成される。
【0092】
以上のような積層コンデンサ61では、静電容量部71の内部電極66に接続される端子導体64A,64Bがめっき層78のみで構成されている。したがって、全ての外部電極63A,63B及び端子導体64A,64Bを焼付層で構成する場合と比べて外部電極63A,63Bと端子導体64A,64Bとの間のショート不良を防止できる。また、この積層コンデンサ61では、ESR制御部72の内部電極66に接続される外部電極63A,63Bが焼付層77を含んで構成されている。したがって、ESR制御部72の内部電極66へのめっき液の浸入を抑制でき、絶縁抵抗不良の発生を低減できる。さらに、外部電極63A,63Bが焼付層77を含むことで外部電極63A,63Bと積層体62との固着強度が向上するので、回路電極への実装の際に外部電極63A,63Bに応力がかかった場合でも、外部電極63A,63Bが積層体62から剥がれることを防止できる。

【0093】
また、積層コンデンサ61においても、静電容量部71においてESR制御部72に最も近接する内部電極66と、ESR制御部72において静電容量部71に最も近接する内部電極66とが同極性となっている。これにより、仮に内部電極66にめっき液が浸入したとしても、絶縁抵抗不良の発生を低減できる。
【0094】
さらに、積層コンデンサ61では、めっき層78に直接接続される引出導体74A,74B,74C,74Eが存在しない層については、ダミー電極75A,75B,75C,75E,75G,75Hがそれぞれ存在している。これにより、積層体62に対するめっき層78の固着強度を十分に確保できる。
[第5実施形態]
【0095】
図21は、本発明の第5実施形態に係る積層コンデンサを示す斜視図である。また、図22は、図21に示した積層コンデンサの層構成を示す図である。図21及び図22に示すように、積層コンデンサ81は、積層体82内の内部電極86が実装面に対して略直交するように配置されているいる点で、上述した実施形態とは異なっている。すなわち、積層コンデンサ81では、積層体82内の内部電極86の積層方向が図21における奥行き方向に一致している。
【0096】
この積層コンデンサ81では、積層体82の高さ方向(図21における上下方向)の両端面に外部電極(第1の外部電極)83A、外部電極(第2の外部電極)83B、端子導体(第1の端子導体)84A、端子導体(第2の端子導体)84Bが形成されている。より具体的には、積層体82の高さ方向の一端面(実装面)には、中央に端子導体84Aが位置し、その両側に外部電極83A,83Bがそれぞれ位置している。また、積層体82の高さ方向の他端面には、中央に端子導体84Bが位置し、その両側に一端面とは逆の並びで外部電極83A,83Bがそれぞれ位置している。
【0097】
積層体82は、図22に示すように、積層コンデンサ81の静電容量に主として寄与する静電容量部91と、積層コンデンサ81のESRを制御するESR制御部92とを有している。静電容量部91は、図23に示すように、パターンの異なる2種類の内部電極(第1の内部電極)86A及び内部電極(第2の内部電極)86Bが交互に積層されて形成されている。
【0098】
内部電極86Aは、図23(a)に示すように、中央部分に形成された矩形の主電極部93Aと、主電極部93Aの一辺から端子導体84Aに向かって引き出された帯状の引出導体(第1の引出導体)94Aとを有している。引出導体94Aの端部は、積層体82の高さ方向の一端面に露出して端子導体84Aに接続されている。
【0099】
内部電極86Aと同層には、ダミー電極95A,95Bが形成されている。ダミー電極95A,95Bは、積層体82の高さ方向の一端面側及び他端面側に延在し、それぞれ外部電極83A,83Bに接続されている。
【0100】
内部電極86Bは、図23(b)に示すように、中央部分に形成された矩形の主電極部93Bと、主電極部93Bの一辺から端子導体84Bに向かって引き出された帯状の引出導体(第2の引出導体)94Bとを有している。引出導体94Bの端部は、積層体82の高さ方向の他端面に露出し、端子導体84Bに接続されている。
【0101】
内部電極86Bと同層には、ダミー電極95C,95Dが形成されている。ダミー電極95C,95Dは、ダミー電極95A,95Bと同様に、積層体82の高さ方向の一端面側及び他端面側に延在し、それぞれ外部電極83A,83Bに接続されている。
【0102】
ESR制御部92は、積層方向から見て静電容量部91を挟むようにそれぞれ配置されている。ESR制御部92は、図24に示すように、パターンの異なる2種類の内部電極(第3の内部電極)86C及び内部電極(第4の内部電極)86Dが積層されて形成されている。
【0103】
内部電極86Cは、図24(a)に示すように、中央部分に形成された矩形の主電極部93Cと、主電極部93Cから端子導体84Aに向かって引き出された帯状の引出導体(第3の引出導体)94Cと、主電極部93Cから外部電極83Aに向かって引き出された引出導体(第4の引出導体)94Dとを有している。引出導体94Cの端部は、積層体82の高さ方向の一端面に露出して端子導体84Aに接続されている。また、引出導体94Dの端部は、外部電極83Aと略等幅に拡張されており、積層体82の高さ方向の両端面にそれぞれ露出して外部電極83Aに接続されている。
【0104】
内部電極86Cと同層には、ダミー電極95Eが形成されている。ダミー電極95Eは、ダミー電極95A,95Bと同様に、積層体82の高さ方向の一端面側及び他端面側に延在し、それぞれ外部電極83Bに接続されている。
【0105】
内部電極86Dは、図24(b)に示すように、中央部分に形成された矩形の主電極部93Dと、主電極部93Dから端子導体84Bに向かって引き出された帯状の引出導体(第3の引出導体)94Eと、主電極部93Dから外部電極93Bに向かって引き出された引出導体(第4の引出導体)94Fとを有している。引出導体94Eの端部は、積層体82の高さ方向の他端面に露出して端子導体84Bに接続されている。また、引出導体94Fの端部は、外部電極83Bと略等幅に拡張されており、積層体82の高さ方向の両端面にそれぞれ露出して外部電極83Bに接続されている。
【0106】
内部電極86Dと同層には、ダミー電極95Fが形成されている。ダミー電極95E,9
5Fは、ダミー電極95A,95Bと同様に、積層体82の高さ方向の一端面側及び他端面側に延在し、それぞれ外部電極83A,に接続されている。
【0107】
なお、図22に示すように、静電容量部91においてESR制御部92に最も近接する内部電極86と、ESR制御部92において静電容量部91に最も近接する内部電極86とは、同一の外部電極に接続されており、両者は同極性となっている。
【0108】
また、ESR制御部92の外層側には、図22に示すように、保護層96A,96Bが適宜積層されている。保護層96Aには、ダミー電極95G,95Hが形成されている。ダミー電極95G,95Hは、外部電極83A,83Bと略等幅で積層体82の高さ方向の一端面側及び他端面側に延在し、それぞれ外部電極83A,83Bに接続されている。また、保護層96Bには、ダミー電極は形成されておらず、誘電体層5のみで構成されている。
【0109】
外部電極83A,83Bは、例えばNiなどの対ハンダ喰われ性を有する材料やSn、Sn合金、Agなどのハンダ濡れ性を有する材料からなる単層或いは複数層のめっき層のみによって構成されている。一方、端子導体84A,84Bは、導電性金属粉末及びガラスフリットを含む導電性ペーストを焼き付けて形成される焼付層を内層とし、外部電極83A,83Bと同様のめっき層を外層とする複数層によって構成されている。
【0110】
図25は、外部電極83及び端子導体84の形成の様子を示す図である。まず、スクリーン印刷等によって上記電極パターンを形成したグリーンシートを積層し、プレス工程、切断工程、焼成工程等を経て、図25(a)に示すように、積層体82を得る。
【0111】
次に、図25(b)に示すように、積層体82の高さ方向の両端面から露出する引出導体94A,94C、及び引出導体94B,94Eをそれぞれ覆うように、浸漬法或いはスクリーン印刷法を用いて導電性ペーストを塗布し、所定の温度で焼き付けて焼付層97を形成する。
【0112】
最後に、図25(c)に示すように、積層体82の高さ方向の両端面から露出する引出導体94D及びダミー電極95A,95C,95F,95Gと、引出導体94F及びダミー電極95B,95D,95E,95Hと、焼付層97とをそれぞれ覆うように、バレルめっき法などを用いてめっき層98を形成する。これにより、外部電極83A,83B及び端子導体84A,84Bが形成され、積層コンデンサ81が得られる。
【0113】
以上のような積層コンデンサ81では、ESR制御部92の内部電極86に接続される外部電極83A,83Bがめっき層98のみで構成されている。したがって、全ての外部電極83A,83B及び端子導体84A,84Bを焼付層で構成する場合と比べて外部電極83A,83Bと端子導体84A,84Bとの間のショート不良を防止できる。また、この積層コンデンサ81では、静電容量部91の内部電極86に接続される端子導体84A,84Bが焼付層97を含んで構成されている。したがって、静電容量部91の内部電極86へのめっき液の浸入を抑制でき、絶縁抵抗不良の発生を低減できる。
【0114】
また、積層コンデンサ81では、静電容量部91においてESR制御部92に最も近接する内部電極86と、ESR制御部92において静電容量部91に最も近接する内部電極86とが同極性となっている。これにより、仮に内部電極86にめっき液が浸入したとしても、絶縁抵抗不良の発生を低減できる。
【0115】
さらに、積層コンデンサ81では、めっき層98に直接接続される引出導体94D及び引出導体94Fの端部が外部電極83A,83Bの幅と略等幅に拡張され、引出導体14D及び引出導体14Fが存在しない層については、ダミー電極95A〜95Hがそれぞれ存在している。これにより、積層体82に対するめっき層98の固着強度を十分に確保できる。
【0116】
また、積層コンデンサ81では、内部電極86が実装面に対して略直交するように配置されている。このような構成により、内部電極86の積層数が増加した場合であっても低ESL化が図られる。さらに、外部電極83と端子導体84とが積層体82における同一の側面に形成されていることから、一層の低ESL化が図られる。また、外部電極83A,83Bが積層体82の対向する2つの端面(ここでは高さ方向の端面)にそれぞれ形成されていることから、これら2つの端面のいずれにおいても実装面とすることができる。
[第6実施形態]
【0117】
図26は、本発明の第6実施形態に係る積層コンデンサを示す斜視図である。また、図27は、図26に示した積層コンデンサの層構成を示す図である。図26及び図27に示すように、積層コンデンサ101は、第5実施形態と同様に、積層体102内の内部電極106が実装面に対して略直交するように配置されている。
【0118】
この積層コンデンサ101では、積層体102の長手方向の両端面に外部電極(第1の外部電極)103A及び外部電極(第2の外部電極)103Bが形成されている。また、積層体102の高さ方向(図26における上下方向)の両端面に端子導体(第1の端子導体)104A及び端子導体(第2の端子導体)104Bが形成されている。
【0119】
積層体102は、図27に示すように、積層コンデンサ101の静電容量に主として寄与する静電容量部111と、積層コンデンサ101のESRを制御するESR制御部112とを有している。静電容量部111は、図28に示すように、パターンの異なる2種類の内部電極(第1の内部電極)106A及び内部電極(第2の内部電極)106Bが交互に積層されて形成されている。
【0120】
内部電極106Aは、図28(a)に示すように、中央部分に形成された矩形の主電極部113Aと、主電極部113Aの一辺から端子導体104Aに向かって引き出された帯状の引出導体(第1の引出導体)114Aとを有している。引出導体114Aの端部は、積層体102の高さ方向の一端面に露出して端子導体104Aに接続されている。
【0121】
内部電極106Aと同層には、ダミー電極115A,115Bが形成されている。ダミー電極115A,115Bは、積層体102の長手方向の両端面と高さ方向の両端面とにわたって断面コの字状に延在し、それぞれ外部電極103A,103Bに接続されている。
【0122】
内部電極106Bは、図28(b)に示すように、中央部分に形成された矩形の主電極部113Bと、主電極部113Bの一辺から端子導体114Bに向かって引き出された帯状の引出導体(第2の引出導体)114Bとを有している。引出導体114Bの端部は、積層体102の高さ方向の他端面に露出し、端子導体104Bに接続されている。
【0123】
内部電極106Bと同層には、ダミー電極115C,115Dが形成されている。ダミー電極115C,115Dは、ダミー電極115A,115Bと同様に、積層体102の長手方向の両端面と高さ方向の両端面とにわたって断面コの字状に延在し、それぞれ外部電極103A,103Bに接続されている。
【0124】
ESR制御部112は、積層方向から見て静電容量部111を挟むようにそれぞれ配置されている。ESR制御部112は、図29に示すように、パターンの異なる2種類の内部電極(第3の内部電極)106C及び内部電極(第4の内部電極)106Dが積層されて形成されている。
【0125】
内部電極106Cは、図29(a)に示すように、中央部分に形成された矩形の主電極部113Cと、主電極部113Cから端子導体104Aに向かって引き出された帯状の引出導体(第3の引出導体)114Cと、主電極部113Cから外部電極103Aに向かって引き出された引出導体(第4の引出導体)114Dとを有している。引出導体114Cの端部は、積層体102の高さ方向の一端面に露出して端子導体104Aに接続されている。また、引出導体114Dの端部は、積層体102の高さ方向に枝分かれすると共に、ダミー電極115Aと同様の断面形状となるように幅広に拡張され、外部電極103Aに接続されている。
【0126】
内部電極106Cと同層には、ダミー電極115Eが形成されている。ダミー電極115Eは、ダミー電極115B,115Dと同様に、積層体102の長手方向の両端面と高さ方向の両端面とにわたって断面コの字状に延在し、外部電極103Bに接続されている。
【0127】
内部電極106Dは、図29(b)に示すように、中央部分に形成された矩形の主電極部113Dと、主電極部113Dから端子導体104Bに向かって引き出された帯状の引出導体(第3の引出導体)114Eと、主電極部113Dから外部電極103Bに向かって引き出された引出導体(第4の引出導体)114Fとを有している。引出導体114Eの端部は、積層体102の高さ方向の他端面に露出して端子導体104Bに接続されている。また、引出導体114Fの端部は、積層体102の高さ方向に枝分かれすると共に、ダミー電極115Bと同様の断面形状となるように幅広に拡張され、外部電極103Bに接続されている。
【0128】
内部電極106Dと同層には、ダミー電極115Fが形成されている。ダミー電極115Fは、ダミー電極95A,95Cと同様に、積層体102の長手方向の両端面と高さ方向の両端面とにわたって断面コの字状に延在し、外部電極103Aに接続されている。
【0129】
なお、図27に示すように、静電容量部111においてESR制御部112に最も近接する内部電極106と、ESR制御部112において静電容量部111に最も近接する内部電極106とは、同一の外部電極に接続されており、両者は同極性となっている。
【0130】
また、ESR制御部112の外層側には、図27に示すように、保護層116A,116Bが適宜積層されている。保護層116Aには、ダミー電極115G,115Hが形成されている。ダミー電極115G,115Hは、積層体102の長手方向の両端面と高さ方向の両端面とにわたって断面コの字状に延在し、それぞれ外部電極103A,103Bに接続されている。また、保護層106Bには、ダミー電極は形成されておらず、誘電体層5のみで構成されている。
【0131】
外部電極103A,103Bは、例えばNiなどの対ハンダ喰われ性を有する材料やSn、Sn合金、Agなどのハンダ濡れ性を有する材料からなる単層或いは複数層のめっき層のみによって構成されている。一方、端子導体104A,104Bは、導電性金属粉末及びガラスフリットを含む導電性ペーストを焼き付けて形成される焼付層を内層とし、外部電極103A,103Bと同様のめっき層を外層とする複数層によって構成されている。
【0132】
図30は、外部電極103及び端子導体104の形成の様子を示す図である。まず、スクリーン印刷等によって上記電極パターンを形成したグリーンシートを積層し、プレス工程、切断工程、焼成工程等を経て、図30(a)に示すように、積層体102を得る。
【0133】
次に、図30(b)に示すように、積層体102の高さ方向の両端面から露出する引出導体114A,114C、及び引出導体114B,114Eをそれぞれ覆うように、浸漬法或いはスクリーン印刷法を用いて導電性ペーストを塗布し、所定の温度で焼き付けて焼付層117を形成する。
【0134】
最後に、図30(c)に示すように、積層体102の高さ方向の両端面及び長手方向の両端面から露出する引出導体114D及びダミー電極115A,115C,115F,115Gと、引出導体114F及びダミー電極115B,115D,115E,115Hと、焼付層117とをそれぞれ覆うように、バレルめっき法などを用いてめっき層118を形成する。これにより、外部電極103A,103B及び端子導体104A,104Bが形成され、積層コンデンサ101が得られる。
【0135】
以上のような積層コンデンサ101では、ESR制御部112の内部電極106に接続される外部電極103A,103Bがめっき層108のみで構成されている。したがって、全ての外部電極103A,103B及び端子導体104A,104Bを焼付層で構成する場合と比べて外部電極103A,103Bと端子導体104A,104Bとの間のショート不良を防止できる。また、この積層コンデンサ101では、静電容量部111の内部電極106に接続される端子導体104A,104Bが焼付層117を含んで構成されている。したがって、静電容量部111の内部電極106へのめっき液の浸入を抑制でき、絶縁抵抗不良の発生を低減できる。
【0136】
また、積層コンデンサ101では、静電容量部111においてESR制御部112に最も近接する内部電極106と、ESR制御部112において静電容量部111に最も近接する内部電極106とが同極性となっている。これにより、仮に内部電極106にめっき液が浸入したとしても、絶縁抵抗不良の発生を低減できる。
【0137】
さらに、積層コンデンサ101では、めっき層108に直接接続される引出導体114D及び引出導体114Fの端部が外部電極103A,103Bの断面形状と略同形になるように拡張され、引出導体114D及び引出導体114Fが存在しない層については、ダミー電極115A〜115Hがそれぞれ存在している。これにより、積層体102に対するめっき層108の固着強度を十分に確保できる。
【0138】
また、積層コンデンサ101では、内部電極106が実装面に対して略直交するように配置されている。このような構成により、内部電極106の積層数が増加した場合であっても低ESL化が図られる。さらに、外部電極103と端子導体104とが積層体102における同一の側面に形成されていることから、一層の低ESL化が図られる。また、外部電極103A,103Bが積層体102の対向する2つの端面(ここでは高さ方向の端面)にそれぞれ形成されていることから、これら2つの端面のいずれにおいても実装面とすることができる。
[第7実施形態]
【0139】
図31は、本発明の第7実施形態に係る積層コンデンサを示す斜視図である。また、図32は、図31に示した積層コンデンサの層構成を示す図である。図31及び図32に示すように、積層コンデンサ121は、第5実施形態と同様に、積層体122内の内部電極126が実装面に対して略直交するように配置されている。
【0140】
この積層コンデンサ121では、積層体122の高さ方向(図31における上下方向)の両端面に外部電極(第1の外部電極)123A及び外部電極(第2の外部電極)123Bが形成されている。また、積層体122の長手方向の両端面に端子導体(第1の端子導体)124A及び端子導体(第2の端子導体)124Bが形成されている。
【0141】
積層体122は、図32に示すように、積層コンデンサ121の静電容量に主として寄与する静電容量部131と、積層コンデンサ121のESRを制御するESR制御部132とを有している。静電容量部131は、図33に示すように、パターンの異なる2種類の内部電極(第1の内部電極)126A及び内部電極(第2の内部電極)126Bが積層されて形成されている。
【0142】
内部電極126Aは、図33(a)に示すように、中央部分に形成された矩形の主電極部133Aと、主電極部133Aの一辺から端子導体124Aに向かって引き出された帯状の引出導体(第1の引出導体)134Aとを有している。引出導体134Aの端部は、積層体122の長手方向の一端面に露出して端子導体124Aに接続されている。
【0143】
内部電極126Aと同層には、ダミー電極135A,135Bが形成されている。ダミー電極135A,135Bは、積層体122の高さ方向の両端面に延在し、それぞれ外部電極123A,123Bに接続されている。
【0144】
内部電極126Bは、図33(b)に示すように、中央部分に形成された矩形の主電極部133Bと、主電極部133Bの一辺から端子導体124Bに向かって引き出された帯状の引出導体(第2の引出導体)134Bとを有している。引出導体134Bの端部は、積層体122の長手方向の他端面に露出し、端子導体124Bに接続されている。
【0145】
内部電極126Bと同層には、ダミー電極135C,135Dが形成されている。ダミー電極135C,135Dは、ダミー電極135A,135Bと同様に、積層体122の高さ方向の両端面に延在し、それぞれ外部電極123A,123Bに接続されている。
【0146】
ESR制御部132は、積層方向から見て静電容量部131を挟むようにそれぞれ配置されている。ESR制御部132は、図34に示すように、内部電極(第3の内部電極)126C及び内部電極(第4の内部電極)126Dが積層されて形成されている。
【0147】
内部電極126Cは、図34(a)に示すように、矩形の主電極部133Cと、主電極部133Cから端子導体124Aに向かって引き出された帯状の引出導体(第3の引出導体)134Cと、主電極部133Cから外部電極123Aに向かって引き出された引出導体(第4の引出導体)134Dとを有している。引出導体134Cの端部は、積層体122の長手方向の一端面に露出して端子導体124Aに接続されている。また、引出導体134Dの端部は、積層体122の高さ方向に枝分かれすると共に、外部電極123Aと略同幅に拡張され、外部電極123Aに接続されている。本実施形態では、内部電極126Cと同層に、内部電極126Dと同じ電極パターンが形成されている。
【0148】
内部電極126Dは、図34(b)に示すように、中央部分に形成された矩形の主電極部133Dと、主電極部133Dから端子導体124Bに向かって引き出された帯状の引出導体(第3の引出導体)134Eと、主電極部133Dから外部電極123Bに向かって引き出された引出導体(第4の引出導体)134Fとを有している。引出導体134Eの端部は、積層体122の長手方向の他端面に露出して端子導体124Bに接続されている。また、引出導体134Fの端部は、積層体122の高さ方向に枝分かれすると共に、外部電極123Bと略同幅に拡張され、外部電極123Bに接続されている。本実施形態では、内部電極126Dと同層に、内部電極126Cと同じ電極パターンが形成されている。
【0149】
なお、図32に示すように、静電容量部131においてESR制御部132に最も近接する内部電極126と、ESR制御部132において静電容量部131に最も近接する内部電極126とは、同一の外部電極に接続されており、両者は同極性となっている。
【0150】
また、ESR制御部132の外層側には、図32に示すように、保護層136が適宜積層されている。保護層136には、ダミー電極135E,135Fが形成されている。ダミー電極135E,135Fは、積層体122の高さ方向の両端面に延在し、それぞれ外部電極123A,123Bに接続されている。
【0151】
外部電極123A,123Bは、例えばNiなどの対ハンダ喰われ性を有する材料やSn、Sn合金、Agなどのハンダ濡れ性を有する材料からなる単層或いは複数層のめっき層のみによって構成されている。一方、端子導体124A,124Bは、導電性金属粉末及びガラスフリットを含む導電性ペーストを焼き付けて形成される焼付層を内層とし、外部電極123A,123Bと同様のめっき層を外層とする複数層によって構成されている。
【0152】
図35は、外部電極123及び端子導体124の形成の様子を示す図である。まず、スクリーン印刷等によって上記電極パターンを形成したグリーンシートを積層し、プレス工程、切断工程、焼成工程等を経て、図35(a)に示すように、積層体122を得る。
【0153】
次に、図35(b)に示すように、積層体122の長手方向の両端面から露出する引出導体134A,134Cと、他端面から露出する引出導体134B,134Eとをそれぞれ覆うように、浸漬法或いはスクリーン印刷法を用いて導電性ペーストを塗布し、所定の温度で焼き付けて焼付層137を形成する。
【0154】
最後に、図35(c)に示すように、積層体122の高さ方向の両端面から露出する引出導体134D及びダミー電極135A,135C,135Eと、引出導体134F及びダミー電極135B,135D,135Fと、焼付層137とをそれぞれ覆うように、バレルめっき法などを用いてめっき層138を形成する。これにより、外部電極123A,123B及び端子導体124A,124Bが形成され、積層コンデンサ121が得られる。
【0155】
以上のような積層コンデンサ121では、ESR制御部132の内部電極126に接続される外部電極123A,123Bがめっき層138のみで構成されている。したがって、全ての外部電極123A,123B及び端子導体124A,124Bを焼付層で構成する場合と比べて外部電極123A,123Bと端子導体124A,124Bとの間のショート不良を防止できる。また、この積層コンデンサ121では、静電容量部131の内部電極126に接続される端子導体124A,124Bが焼付層137を含んで構成されている。したがって、静電容量部131の内部電極126へのめっき液の浸入を抑制でき、絶縁抵抗不良の発生を低減できる。
【0156】
また、積層コンデンサ121では、静電容量部131においてESR制御部132に最も近接する内部電極126と、ESR制御部132において静電容量部131に最も近接する内部電極126とが同極性となっている。これにより、仮に内部電極126にめっき液が浸入したとしても、絶縁抵抗不良の発生を低減できる。
【0157】
さらに、積層コンデンサ121では、めっき層138に直接接続される引出導体134D及び引出導体134Fの端部が外部電極123A,123Bと略等幅に拡張され、引出導体134D及び引出導体134Fが存在しない層については、ダミー電極135A〜135Fがそれぞれ存在している。これにより、積層体122に対するめっき層138の固着強度を十分に確保できる。
【0158】
また、積層コンデンサ121では、内部電極126が実装面に対して略直交するように配置されている。このような構成により、内部電極126の積層数が増加した場合であっても低ESL化が図られる。さらに、外部電極123A,123Bが積層体122における高さ方向の両端面に形成され、端子導体124A,124Bが積層体122における長手方向の両端面に形成されているので、外部電極123A,123Bと端子導体124A,124Bとの間の間隔を確保でき、一層確実にショート不良を防止できる。
[第8実施形態]
【0159】
図36は、本発明の第8実施形態に係る積層コンデンサを示す斜視図である。また、図37は、図36に示した積層コンデンサの層構成を示す図である。図36及び図37に示すように、積層コンデンサ141は、主として外部電極143A,143B及び端子導体144A,144Bの構成が第5実施形態と異なっている。
【0160】
積層コンデンサ141では、第5実施形態と同様に、積層体142の高さ方向(図36における上下方向)の両端面に外部電極(第1の外部電極)143A、外部電極(第2の外部電極)143B、端子導体(第1の端子導体)144A、端子導体(第2の端子導体)144Bが形成されている。より具体的には、積層体142の高さ方向の一端面(実装面)には、中央に端子導体144Aが位置し、その両側に外部電極143A,143Bがそれぞれ位置している。また、積層体142の高さ方向の他端面には、中央に端子導体144Bが位置し、その両側に一端面とは逆の並びで外部電極143A,143Bがそれぞれ位置している。
【0161】
積層体142は、図37に示すように、積層コンデンサ141の静電容量に主として寄与する静電容量部151と、積層コンデンサ141のESRを制御するESR制御部152とを有している。静電容量部151は、図38に示すように、パターンの異なる2種類の内部電極(第1の内部電極)146A及び内部電極(第2の内部電極)146Bが交互に積層されて形成されている。
【0162】
内部電極146Aは、図38(a)に示すように、中央部分に形成された矩形の主電極部153Aと、主電極部153Aの一辺から端子導体144Aに向かって引き出された帯状の引出導体(第1の引出導体)154Aとを有している。引出導体154Aの端部は、積層体142の高さ方向の一端面に露出して端子導体144Aに接続されている。
【0163】
内部電極146Aと同層には、ダミー電極155A,155B,155Cが形成されている。ダミー電極155A,155Bは、積層体142の高さ方向の一端面側及び他端面側に延在し、それぞれ外部電極143A,143Bに接続されている。ダミー電極155Cは、積層体142の高さ方向の他端面に延在し、端子導体144Bに接続されている。
【0164】
内部電極146Bは、図38(b)に示すように、中央部分に形成された矩形の主電極部153Bと、主電極部153Bの一辺から端子導体144Bに向かって引き出された帯状の引出導体(第2の引出導体)154Bとを有している。引出導体154Bの端部は、積層体142の高さ方向の他端面に露出し、端子導体144Bに接続されている。
【0165】
内部電極146Bと同層には、ダミー電極155D,155E,155Fが形成されている。ダミー電極155D,155Eは、ダミー電極155A,155Bと同様に、積層体142の高さ方向の一端面側及び他端面側に延在し、それぞれ外部電極143A,143Bに接続されている。
【0166】
ESR制御部152は、積層方向から見て静電容量部151を挟むようにそれぞれ配置されている。ESR制御部152は、図39に示すように、パターンの異なる2種類の内部電極(第3の内部電極)146C及び内部電極(第4の内部電極)146Dが積層されて形成されている。
【0167】
内部電極146Cは、図39(a)に示すように、中央部分に形成された矩形の主電極部153Cと、主電極部153Cから端子導体144Aに向かって引き出された帯状の引出導体(第3の引出導体)154Cと、主電極部153Cから外部電極143Aに向かって引き出された引出導体(第4の引出導体)154Dとを有している。引出導体154Cの端部は、積層体142の高さ方向の一端面に露出して端子導体144Aに接続されている。また、引出導体154Dの端部は、外部電極143Aと略等幅に拡張されており、積層体142の高さ方向の両端面にそれぞれ露出して外部電極143Aに接続されている。
【0168】
内部電極146Cと同層には、ダミー電極155G,155Hが形成されている。ダミー電極155Gは、ダミー電極155B,155Eと同様に、積層体142の高さ方向の一端面側及び他端面側に延在し、それぞれ外部電極143Bに接続されている。ダミー電極155Hは、ダミー電極155Cと同様に、積層体142の高さ方向の他端面に延在し、端子電極144Bに接続されている。
【0169】
内部電極146Dは、図39(b)に示すように、中央部分に形成された矩形の主電極部153Dと、主電極部153Dから端子導体144Bに向かって引き出された帯状の引出導体(第3の引出導体)154Eと、主電極部153Dから外部電極143Bに向かって引き出された引出導体(第4の引出導体)154Fとを有している。引出導体154Eの端部は、積層体142の高さ方向の他端面に露出して端子導体144Bに接続されている。また、引出導体154Fの端部は、外部電極143Bと略等幅に拡張されており、積層体142の高さ方向の両端面にそれぞれ露出して外部電極143Bに接続されている。
【0170】
内部電極146Dと同層には、ダミー電極155I,155Jが形成されている。ダミー電極155Iは、ダミー電極155A,155Dと同様に、積層体142の高さ方向の一端面側及び他端面側に延在し、それぞれ外部電極143Aに接続されている。ダミー電極155Jは、ダミー電極155Fと同様に、積層体142の高さ方向の一端面に延在し、端子電極144Aに接続されている。
【0171】
なお、図37に示すように、静電容量部151においてESR制御部152に最も近接する内部電極146と、ESR制御部152において静電容量部151に最も近接する内部電極146とは、同一の外部電極に接続されており、両者は同極性となっている。
【0172】
また、ESR制御部152の外層側には、図37に示すように、保護層156が適宜積層されている。保護層156には、ダミー電極は形成されておらず、誘電体層5のみで構成されている。
【0173】
外部電極143A,143Bは、例えば導電性金属粉末及びガラスフリットを含む導電性ペーストを焼き付けて形成される焼付層を内層とし、例えばNiなどの対ハンダ喰われ性を有する材料やSn、Sn合金、Agなどのハンダ濡れ性を有する材料からなる単層或いは複数層のめっき層を外層とする複数層によって構成されている。一方、端子導体144A,144Bは、上記めっき層のみによって構成されている。
【0174】
図40は、外部電極143及び端子導体144の形成の様子を示す図である。まず、スクリーン印刷等によって上記電極パターンを形成したグリーンシートを積層し、プレス工程、切断工程、焼成工程等を経て、図40(a)に示すように、積層体142を得る。
【0175】
次に、図40(b)に示すように、積層体142の高さ方向の両端面から露出する引出導体154D及びダミー電極155A,155D,155I、及び引出導体154F及びダミー電極155B,155E,155Gをそれぞれ覆うように、浸漬法或いはスクリーン印刷法を用いて導電性ペーストを塗布し、所定の温度で焼き付けて焼付層157を形成する。
【0176】
最後に、図40(c)に示すように、積層体142の高さ方向の両端面から露出する引出導体154A,154C及びダミー電極155F,155Jと、引出導体154B,154E及びダミー電極155C,155Hと、焼付層157とをそれぞれ覆うように、バレルめっき法などを用いてめっき層158を形成する。これにより、外部電極143A,143B及び端子導体144A,144Bが形成され、積層コンデンサ141が得られる。
【0177】
以上のような積層コンデンサ141では、静電容量部151の内部電極146に接続される端子導体144A,144Bがめっき層158のみで構成されている。したがって、全ての外部電極143A,143B及び端子導体144A,144Bを焼付層で構成する場合と比べて外部電極143A,143Bと端子導体144A,144Bとの間のショート不良を防止できる。また、この積層コンデンサ141では、ESR制御部152の内部電極146に接続される外部電極143A,143Bが焼付層157を含んで構成されている。したがって、ESR制御部152の内部電極146へのめっき液の浸入を抑制でき、絶縁抵抗不良の発生を低減できる。
【0178】
また、積層コンデンサ141では、静電容量部151においてESR制御部152に最も近接する内部電極146と、ESR制御部152において静電容量部151に最も近接する内部電極146とが同極性となっている。これにより、仮に内部電極146にめっき液が浸入したとしても、絶縁抵抗不良の発生を低減できる。
【0179】
さらに、積層コンデンサ141では、めっき層158に直接接続される引出導体154A,154B,154C,154Eが存在しない層については、ダミー電極155C,155F,155H,155Jがそれぞれ存在している。これにより、積層体142に対するめっき層158の固着強度を十分に確保できる。
【0180】
また、積層コンデンサ141では、内部電極146が実装面に対して略直交するように配置されている。このような構成により、内部電極146の積層数が増加した場合であっても低ESL化が図られる。さらに、外部電極143と端子導体144とが積層体142における同一の側面に形成されていることから、一層の低ESL化が図られる。
[第9実施形態]
【0181】
図41は、本発明の第9実施形態に係る積層コンデンサを示す斜視図である。また、図42は、図41に示した積層コンデンサの層構成を示す図である。図41及び図42に示すように、積層コンデンサ161は、主として外部電極163A,163B及び端子導体164A,164Bの構成が第6実施形態と異なっている。
【0182】
この積層コンデンサ161では、積層体162の長手方向の両端面に外部電極(第1の外部電極)163A及び外部電極(第2の外部電極)163Bが形成されている。また、積層体162の高さ方向(図41における上下方向)の両端面に端子導体(第1の端子導体)164A及び端子導体(第2の端子導体)164Bが形成されている。
【0183】
積層体162は、図42に示すように、積層コンデンサ161の静電容量に主として寄与する静電容量部171と、積層コンデンサ161のESRを制御するESR制御部172とを有している。静電容量部161は、図43に示すように、パターンの異なる2種類の内部電極(第1の内部電極)166A及び内部電極(第2の内部電極)166Bが交互に積層されて形成されている。
【0184】
内部電極166Aは、図43(a)に示すように、中央部分に形成された矩形の主電極部173Aと、主電極部173Aの一辺から端子導体164Aに向かって引き出された帯状の引出導体(第1の引出導体)174Aとを有している。引出導体174Aの端部は、積層体162の高さ方向の一端面に露出して端子導体164Aに接続されている。
【0185】
内部電極166Aと同層には、ダミー電極175A,175B,175Cが形成されている。ダミー電極175A,175Bは、積層体162の長手方向の両端面と高さ方向の両端面とにわたって断面コの字状に延在し、それぞれ外部電極163A,163Bに接続されている。ダミー電極175Cは、積層体162の高さ方向の他端面に露出し、端子導体164Bに接続されている。
【0186】
内部電極166Bは、図43(b)に示すように、中央部分に形成された矩形の主電極部173Bと、主電極部173Bの一辺から端子導体164Bに向かって引き出された帯状の引出導体(第2の引出導体)174Bとを有している。引出導体174Bの端部は、積層体162の高さ方向の他端面に露出し、端子導体164Bに接続されている。
【0187】
内部電極166Bと同層には、ダミー電極175D,175E,175Fが形成されている。ダミー電極175D,175Eは、ダミー電極175A,175Bと同様に、積層体162の長手方向の両端面と高さ方向の両端面とにわたって断面コの字状に延在し、それぞれ外部電極163A,163Bに接続されている。ダミー電極175Fは、積層体162の高さ方向の一端面に露出し、端子導体164Aに接続されている。
【0188】
ESR制御部172は、積層方向から見て静電容量部171を挟むようにそれぞれ配置されている。ESR制御部172は、図44に示すように、パターンの異なる2種類の内部電極(第3の内部電極)166C及び内部電極(第4の内部電極)166Dが積層されて形成されている。
【0189】
内部電極166Cは、図44(a)に示すように、中央部分に形成された矩形の主電極部173Cと、主電極部173Cから端子導体164Aに向かって引き出された帯状の引出導体(第3の引出導体)174Cと、主電極部173Cから外部電極163Aに向かって引き出された引出導体(第4の引出導体)174Dとを有している。引出導体174Cの端部は、積層体162の高さ方向の一端面に露出して端子導体164Aに接続されている。また、引出導体174Dの端部は、他の部分よりも幅広に拡張され、外部電極163Aに接続されている。
【0190】
内部電極166Cと同層には、ダミー電極175G,175H,175Iが形成されている。ダミー電極175Gは、積層体162の高さ方向の両端面に延在し、それぞれ外部電極163Aに接続されている。ダミー電極175Hは、積層体162の長手方向の他端面と高さ方向の両端面とにわたって断面コの字状に延在し、外部電極163Bに接続されている。ダミー電極175Iは、積層体162の高さ方向の他端面に延在し、端子導体164Bに接続されている。
【0191】
内部電極166Dは、図44(b)に示すように、中央部分に形成された矩形の主電極部173Dと、主電極部173Dから端子導体164Bに向かって引き出された帯状の引出導体(第3の引出導体)174Eと、主電極部173Dから外部電極163Bに向かって引き出された引出導体(第4の引出導体)174Fとを有している。引出導体174Eの端部は、積層体162の高さ方向の他端面に露出して端子導体164Bに接続されている。また、引出導体174Fの端部は、他の部分よりも幅広に拡張され、外部電極163Bに接続されている。
【0192】
内部電極166Dと同層には、ダミー電極175J,175K,175Lが形成されている。ダミー電極175Jは、積層体162の高さ方向の両端面に延在し、それぞれ外部電極163Bに接続されている。ダミー電極175Kは、積層体162の長手方向の他端面と高さ方向の両端面とにわたって断面コの字状に延在し、外部電極163Aに接続されている。ダミー電極175Lは、積層体162の高さ方向の一端面に延在し、端子導体164Aに接続されている。
【0193】
なお、図42に示すように、静電容量部171においてESR制御部172に最も近接する内部電極166と、ESR制御部172において静電容量部171に最も近接する内部電極166とは、同一の外部電極に接続されており、両者は同極性となっている。
【0194】
また、ESR制御部172の外層側には、図42に示すように、保護層176A,176Bが適宜積層されている。保護層176Aには、ダミー電極175M,175N,175Oが形成されている。ダミー電極175G,175Nは、積層体162の長手方向の両端面と高さ方向の両端面とにわたって断面コの字状に延在し、それぞれ外部電極163A,163Bに接続されている。また、保護層176Bには、ダミー電極は形成されておらず、誘電体層5のみで構成されている。
【0195】
外部電極163A,163Bは、例えば導電性金属粉末及びガラスフリットを含む導電性ペーストを焼き付けて形成される焼付層を内層とし、例えばNiなどの対ハンダ喰われ性を有する材料やSn、Sn合金、Agなどのハンダ濡れ性を有する材料からなる単層或いは複数層のめっき層を外層とする複数層によって構成されている。一方、端子導体164A,164Bは、上記めっき層のみによって構成されている。
【0196】
図45は、外部電極163及び端子導体164の形成の様子を示す図である。まず、スクリーン印刷等によって上記電極パターンを形成したグリーンシートを積層し、プレス工程、切断工程、焼成工程等を経て、図45(a)に示すように、積層体162を得る。
【0197】
次に、図45(b)に示すように、積層体162の長手方向の両端面から露出する引出導体174D及びダミー電極175A,175D,175K,175M、及び引出導体174F及びダミー電極174B,175E,175H,175Nをそれぞれ覆うように、浸漬法或いはスクリーン印刷法を用いて導電性ペーストを塗布し、所定の温度で焼き付けて焼付層177を形成する。
【0198】
最後に、図45(c)に示すように、積層体162の高さ方向の両端面から露出する引出導体174A,174C及びダミー電極175F,175L,175Oと、引出導体174B,174E及びダミー電極175C,175I,175Oと、焼付層117と、焼付層117で覆われていなかった引出導体174D,174F及びダミー電極175A,174B,175D,175E,175H,175K,175M,175Nの残りの部分とをそれぞれ覆うように、バレルめっき法などを用いてめっき層178を形成する。これにより、外部電極163A,163B及び端子導体164A,164Bが形成され、積層コンデンサ161が得られる。
【0199】
以上のような積層コンデンサ161では、静電容量部171の内部電極166に接続される端子導体164A,164Bがめっき層178のみで構成されている。したがって、全ての外部電極163A,163B及び端子導体164A,164Bを焼付層で構成する場合と比べて外部電極163A,163Bと端子導体164A,164Bとの間のショート不良を防止できる。また、この積層コンデンサ161では、ESR制御部172の内部電極166に接続される外部電極163A,163Bが焼付層177を含んで構成されている。したがって、ESR制御部172の内部電極166へのめっき液の浸入を抑制でき、絶縁抵抗不良の発生を低減できる。
【0200】
また、積層コンデンサ161では、静電容量部171においてESR制御部172に最も近接する内部電極166と、ESR制御部172において静電容量部161に最も近接する内部電極166とが同極性となっている。これにより、仮に内部電極166にめっき液が浸入したとしても、絶縁抵抗不良の発生を低減できる。
【0201】
さらに、積層コンデンサ161では、めっき層178に直接接続される引出導体174A,174B,174C,174Eが存在しない層については、ダミー電極175C,175F,175I,175L,175Oがそれぞれ存在している。これにより、積層体162に対するめっき層178の固着強度を十分に確保できる。
【0202】
また、積層コンデンサ161では、内部電極166が実装面に対して略直交するように配置されている。このような構成により、内部電極166の積層数が増加した場合であっても低ESL化が図られる。さらに、外部電極163と端子導体164とが積層体162における同一の側面に形成されていることから、一層の低ESL化が図られる。
[第10実施形態]
【0203】
図46は、本発明の第10実施形態に係る積層コンデンサを示す斜視図である。また、図47は、図46に示した積層コンデンサの層構成を示す図である。図46及び図47に示すように、積層コンデンサ181は、主として外部電極183A,183B及び端子導体184A,184Bの構成が第7実施形態と異なっている。
【0204】
この積層コンデンサ181では、積層体182の高さ方向の両端面に外部電極(第1の外部電極)183A及び外部電極(第2の外部電極)183Bが形成されている。また、積層体182の長手方向の両端面に端子導体(第1の端子導体)184A及び端子導体(第2の端子導体)184Bが形成されている。
【0205】
積層体182は、図47に示すように、積層コンデンサ181の静電容量に主として寄与する静電容量部181と、積層コンデンサ181のESRを制御するESR制御部182とを有している。静電容量部131は、図48に示すように、パターンの異なる2種類の内部電極(第1の内部電極)186A及び内部電極(第2の内部電極)186Bが交互に積層されて形成されている。
【0206】
内部電極186Aは、図48(a)に示すように、中央部分に形成された矩形の主電極部193Aと、主電極部193Aの一辺から端子導体184Aに向かって引き出された帯状の引出導体(第1の引出導体)194Aとを有している。引出導体194Aの端部は、積層体182の長手方向の一端面に露出して端子導体184Aに接続されている。
【0207】
内部電極186Aと同層には、ダミー電極195A,195B,195Cが形成されている。ダミー電極195A,195Bは、積層体182の高さ方向の両端面に延在し、それぞれ外部電極183A,183Bに接続されている。ダミー電極195Cは、積層体182の長手方向の他端面に露出し、端子導体184Bに接続されている。
【0208】
内部電極186Bは、図48(b)に示すように、中央部分に形成された矩形の主電極部193Bと、主電極部193Bの一辺から端子導体184Bに向かって引き出された帯状の引出導体(第2の引出導体)194Bとを有している。引出導体194Bの端部は、積層体182の長手方向の他端面に露出し、端子導体184Bに接続されている。
【0209】
内部電極186Bと同層には、ダミー電極195D,195E,195Fが形成されている。ダミー電極195D,195Eは、ダミー電極195A,195Bと同様に、積層体182の高さ方向の両端面に延在し、それぞれ外部電極183A,183Bに接続されている。ダミー電極195Fは、積層体182の長手方向の一端面に露出し、端子導体184Aに接続されている。
【0210】
ESR制御部192は、積層方向から見て静電容量部191を挟むようにそれぞれ配置されている。ESR制御部192は、図49に示すように、内部電極(第3の内部電極)186C及び内部電極(第4の内部電極)186Dが積層されて形成されている。
【0211】
内部電極186Cは、図49(a)に示すように、矩形の主電極部193Cと、主電極部193Cから端子導体184Aに向かって引き出された帯状の引出導体(第3の引出導体)184Cと、主電極部193Cから外部電極183Aに向かって引き出された引出導体(第4の引出導体)194Dとを有している。引出導体194Cの端部は、幅広に拡張され、積層体182の長手方向の一端面に露出して端子導体184Aに接続されている。また、引出導体194Dの端部は、積層体182の高さ方向に枝分かれすると共に、外部電極183Aと略同幅に拡張され、外部電極183Aに接続されている。本実施形態では、内部電極186Cと同層に、内部電極186Dと同じ電極パターンが形成されている。
【0212】
内部電極186Dは、図49(b)に示すように、中央部分に形成された矩形の主電極部193Dと、主電極部193Dから端子導体184Bに向かって引き出された帯状の引出導体(第3の引出導体)194Eと、主電極部193Dから外部電極183Bに向かって引き出された引出導体(第4の引出導体)194Fとを有している。引出導体194Eの端部は、幅広に拡張され、積層体182の長手方向の他端面に露出して端子導体184Bに接続されている。また、引出導体194Fの端部は、積層体182の高さ方向に枝分かれすると共に、外部電極183Bと略同幅に拡張され、外部電極183Bに接続されている。本実施形態では、内部電極186Dと同層に、内部電極186Cと同じ電極パターンが形成されている。
【0213】
なお、図47に示すように、静電容量部191においてESR制御部192に最も近接する内部電極186と、ESR制御部192において静電容量部191に最も近接する内部電極186とは、同一の外部電極に接続されており、両者は同極性となっている。
【0214】
また、ESR制御部192の外層側には、図47に示すように、保護層196が適宜積層されている。保護層196には、ダミー電極は形成されておらず、誘電体層5のみで構成されている。
【0215】
外部電極183A,183Bは、例えばNiなどの対ハンダ喰われ性を有する材料やSn、Sn合金、Agなどのハンダ濡れ性を有する材料からなる単層或いは複数層のめっき層のみによって構成されている。一方、端子導体184A,184Bは、導電性金属粉末及びガラスフリットを含む導電性ペーストを焼き付けて形成される焼付層を内層とし、外部電極183A,183Bと同様のめっき層を外層とする複数層によって構成されている。
【0216】
図45は、外部電極183及び端子導体184の形成の様子を示す図である。まず、スクリーン印刷等によって上記電極パターンを形成したグリーンシートを積層し、プレス工程、切断工程、焼成工程等を経て、図45(a)に示すように、積層体182を得る。
【0217】
次に、図45(b)に示すように、積層体182の高さ方向の両端面から露出する引出導体194D,194F及びダミー電極195A,195B,195D,195Eをそれぞれ覆うように、浸漬法或いはスクリーン印刷法を用いて導電性ペーストを塗布し、所定の温度で焼き付けて焼付層197を形成する。
【0218】
最後に、図45(c)に示すように、積層体182の長手方向の両端面から露出する引出導体194A,194C及びダミー電極195Eと、引出導体194B,194E及びダミー電極195Cと、焼付層197とをそれぞれ覆うように、バレルめっき法などを用いてめっき層198を形成する。これにより、外部電極183A,183B及び端子導体184A,184Bが形成され、積層コンデンサ181が得られる。
【0219】
以上のような積層コンデンサ121では、静電容量部191の内部電極186に接続される端子導体184A,184Bがめっき層198のみで構成されている。したがって、全ての外部電極183A,183B及び端子導体184A,184Bを焼付層で構成する場合と比べて外部電極183A,183Bと端子導体184A,184Bとの間のショート不良を防止できる。また、この積層コンデンサ181では、ESR制御部192の内部電極186に接続される外部電極183A,183Bが焼付層197を含んで構成されている。したがって、ESR制御部192の内部電極186へのめっき液の浸入を抑制でき、絶縁抵抗不良の発生を低減できる。
【0220】
また、積層コンデンサ181では、静電容量部191においてESR制御部192に最も近接する内部電極186と、ESR制御部192において静電容量部191に最も近接する内部電極186とが同極性となっている。これにより、仮に内部電極186にめっき液が浸入したとしても、絶縁抵抗不良の発生を低減できる。
【0221】
さらに、積層コンデンサ121では、めっき層138に直接接続される引出導体194AJPJ〜194D,194Eが存在しない層については、ダミー電極195C,195Fがそれぞれ存在している。これにより、積層体182に対するめっき層198の固着強度を十分に確保できる。
【0222】
また、積層コンデンサ181では、内部電極186が実装面に対して略直交するように配置されている。このような構成により、内部電極186の積層数が増加した場合であっても低ESL化が図られる。さらに、外部電極183A,183Bが積層体182における高さ方向の両端面に形成され、端子導体184A,184Bが積層体182における長手方向の両端面に形成されているので、外部電極183A,183Bと端子導体184A,184Bとの間の間隔を確保でき、一層確実にショート不良を防止できる。
【符号の説明】
【0223】
1,21,41,61,81,101,121,141,161,181…積層コンデンサ、2,22,42,62,82,102,122,142,162,182…積層体、3,23,43,63,83,103,123,143,163,183…外部電極、4,24,44,64,84,104,124,144,164,184…端子導体、5…誘電体層、6,26,46,66,86,106,126,146,166,186…内部電極、11,31,51,71,91,111,131,151,171,191…静電容量部、12,32,52,72,92,112,132,152,172,192…ESR制御部、14,34,54,74,94,114,134,154,174,194…引出導体、15,35,55,75,95,115,135,155,175,195…ダミー電極、17,37,57,77,97,117,137,157,177,197…焼付層、18,38,58,78,98,118,138,158,178,198…めっき層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体層を介在させて複数の内部電極が積層された積層体と、
前記積層体の外表面に形成された外部電極及び端子導体と、を備え、
前記積層体は、
第1の内部電極と第2の内部電極とが少なくとも一層の前記誘電体層を挟んで配置されてなる静電容量部と、
第3の内部電極と第4の内部電極とが少なくとも一層の前記誘電体層を挟んで配置されてなるESR制御部と、を有し、
前記静電容量部において、
前記第1の内部電極は、第1の引出導体を介し、前記積層体の表面に焼付層で構成される第1の端子導体にのみ接続され、
前記第2の内部電極は、第2の引出導体を介し、前記積層体の表面に焼付層で構成される第2の端子導体にのみ接続され、
前記ESR制御部において、
前記第3の内部電極は、第3の引出導体を介し、前記第1の端子導体に接続されていると共に、第4の引出導体を介し、前記積層体の表面にめっき層で構成される第1の外部電極に接続され、
前記第4の内部電極は、第5の引出導体を介し、前記第2の端子導体に接続されていると共に、第6の引出導体を介し、前記積層体の表面にめっき層で構成される第2の外部電極に接続されていることを特徴とする積層コンデンサ。
【請求項2】
誘電体層を介在させて複数の内部電極が積層された積層体と、
前記積層体の外表面に形成された外部電極及び端子導体と、を備え、
前記積層体は、
第1の内部電極と第2の内部電極とが少なくとも一層の前記誘電体層を挟んで配置されてなる静電容量部と、
第3の内部電極と第4の内部電極とが少なくとも一層の前記誘電体層を挟んで配置されてなるESR制御部と、を有し、
前記静電容量部において、
前記第1の内部電極は、第1の引出導体を介し、前記積層体の表面にめっき層で構成される第1の端子導体にのみ接続され、
前記第2の内部電極は、第2の引出導体を介し、前記積層体の表面にめっき層で構成される第2の端子導体にのみ接続され、
前記ESR制御部において、
前記第3の内部電極は、第3の引出導体を介し、前記第1の端子導体に接続されていると共に、第4の引出導体を介し、前記積層体の表面に焼付層で構成される第1の外部電極に接続され、
前記第4の内部電極は、第5の引出導体を介し、前記第2の端子導体に接続されていると共に、第6の引出導体を介し、前記積層体の表面に焼付層で構成される第2の外部電極に接続されていることを特徴とする積層コンデンサ。
【請求項3】
前記積層体の表面に形成された前記焼付層の表面には、前記積層体の表面に形成された前記めっき層と同一の成分からなるめっき層が更に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の積層コンデンサ。
【請求項4】
前記静電容量部において前記ESR制御部に最も近接する内部電極と、前記ESR制御部において前記静電容量部に最も近接する内部電極とが同極性となっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の積層コンデンサ。
【請求項5】
前記めっき層と接続される引出導体は、その接続部分の幅が他の部分の幅よりも広くなっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の積層コンデンサ。
【請求項6】
前記積層体は、前記めっき層にのみ接続されるダミー電極を更に有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の積層コンデンサ。
【請求項7】
前記積層体の一面側は、基板への実装面となっており、前記内部電極は、前記実装面に対して略直交するように配置されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の積層コンデンサ。
【請求項8】
前記端子導体は、前記積層体における長手方向の両端面に形成され、前記外部電極は、前記両端面に交差する側面に形成されていることを特徴とする請求項7記載の積層コンデンサ。
【請求項9】
前記外部電極と前記端子導体とは、前記積層体における同一の側面に形成されていることを特徴とする請求項7記載の積層コンデンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【公開番号】特開2012−256641(P2012−256641A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−127502(P2011−127502)
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】