説明

積層シートの製造方法

【課題】 本発明は、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを芯材として使用した、線膨張係数が低く、軽量で、耐衝撃性、耐久性、作業性、生産性等が優れている積層シート、特に、雨樋等の外装建材として好適に使用できる積層シートの製造方法を提供する。
【解決手段】非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度−20℃〜+20℃の温度で引抜延伸する工程、昇温速度1℃/minで測定した示差走査熱量曲線での、熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの融解ピークの立ち上がり温度以上の温度に加熱されている穿孔治具で、引抜延伸された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを溶融させて貫通孔を穿設する工程及び穿孔された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に熱可塑性樹脂シートを、該両面の熱可塑性樹脂シートが貫通孔を介して融着するように、融着する工程からなる積層シートの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを芯材とし、外装建材として好適に使用できる積層シートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
塩化ビニル系樹脂は耐水性、難燃性、機械的特性等が優れ、且つ価格が比較的安価であるので、建築部材の材料として広く使用されている。例えば、雨樋は、一般的に硬質塩化ビニル系樹脂を押出成形により成形している。
【0003】
しかし、硬質塩化ビニル系樹脂成形体の線膨張係数は7.0×10-5(1/℃)と大きいので、硬質塩化ビニル系樹脂製雨樋を設置する際には、雨樋の伸縮を吸収しうる継手で接続したり、端部をフリーにしたりする必要があったが、雨樋の長さが長くなると、継手が大きくなり、外観が悪く且つ長期にわたって使用すると継手部分が破損することがあった。又、雨樋自身も伸縮の繰り返しにより、ひび割れやそりが発生し、長期間使用する際の信頼性が低いという欠点があった。
【0004】
そのため、線膨張係数の低い雨樋の検討が種々なされている。例えば、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、マイカ20〜35重量部と、炭酸カルシウム20〜40重量部と、加工助剤5〜15重量部とを添加した塩化ビニル系樹脂組成物からなることを特徴とする塩化ビニル系樹脂製雨樋(例えば、特許文献1参照。)が提案されている。
【特許文献1】特許第2905260号公報
【0005】
上記雨樋は、塩化ビニル系樹脂にマイカと炭酸カルシウムを添加し雨樋の線膨張係数を低くしているが、塩化ビニル系樹脂を主体とするものであり、マイカと炭酸カルシウムの添加量が少ないと線膨張係数が依然として高く、添加量を多くすると雨樋の耐衝撃性、耐久性が低下するという欠点があった。
【0006】
又、補強材としてガラス繊維を含浸したり、金属薄板を積層したりした雨樋も提案されている。例えば、熱可塑性樹脂と強化繊維とからなる複合シートが所要断面形状に賦形され、かつ、その表面に熱可塑性樹脂が押出被覆されているとともに、上記複合シートは、少なくともその賦形部分に強化短繊維がランダム配向していることを特徴とする複合成形品(例えば、特許文献2参照。)、金属薄板を芯材とし、この芯材両面に合成樹脂を被覆してシート材を形成し、このシート材に折曲治具先端部を押し当てて断面略コ字型に折曲形成して成る雨樋において、内面側となる前記合成樹脂の折曲位置に、折曲治具先端部がガイドされる凹溝を設けて成ることを特徴とする雨樋(例えば、特許文献3参照。)等が提案されている。
【特許文献2】特開平11−19998号公報
【特許文献3】特開平9−279783号公報
【0007】
しかしながら、前者の雨樋は熱可塑性樹脂と強化繊維とからなり、短繊維がランダムに配向した複合シートを作成し、所要断面形状に賦形した後に、その表面に熱可塑性樹脂を押出被覆しなければならず、その製造が困難であり、又、雨樋を施工する際に切断するとガラス繊維粉末が飛散し作業性が悪く、環境衛生上問題があり、且つ、廃棄する際に問題があった。
【0008】
後者の雨樋は、金属薄板が芯材として積層されているので、重量が重くなり、切断作業が困難であり、且つ、雨樋の端部に金属薄板が露出するので経時により錆が発生し、腐食により耐久性が低下するという欠点があった。
【0009】
更に、金属薄板からなる芯材やガラス繊維を使用せず、線膨張係数の低い雨樋として、例えば、20〜80℃の平均線膨張率が5×10-5(1/℃)以下であるポリオレフィン延伸材料の表面に、該ポリオレフィンを溶解する低分子化合物を付着させた後、加圧・加熱により前記ポリオレフィン延伸材料を接着した、20〜80℃の平均線膨張率が5×10-5(1/℃)以下であるポリオレフィン成形体(例えば、特許文献4参照。)、熱可塑性樹脂を押し出し成形した後、更に、この押し出し成形したものを延伸して引き延ばすことで分子を一方向に配向し、熱可塑性合成樹脂の線膨張係数が6×10-5/℃以下で且つ厚みが0.5mmより厚いことを特徴とする合成樹脂雨樋(例えば、特許文献5参照。)等が提案されている。
【特許文献4】特開平10−291250号公報
【特許文献5】特開2002−285685号公報
【0010】
しかしながら、前者の雨樋はポリオレフィン延伸材料を20〜40倍と高度に延伸したシートであり、延伸方向に沿って割れやすく耐衝撃性が悪いという欠点を有しており、これを防ぐために硬質塩化ビニル系樹脂、AES樹脂等と積層しようとすると、ポリオレフィンはこれらの樹脂より融点が低いためポリオレフィンの延伸状態が崩れ、線膨張係数が高くなるという欠点があった。
【0011】
又、後者の雨樋は押し出し成形した雨樋を単に延伸したものなので、延伸方向に沿って割れやすく耐衝撃性が悪いという欠点を有していた。
【0012】
又、上記ポリオレフィン(熱可塑性合成樹脂)として、熱可塑性ポリエステル系樹脂を使用し、延伸すると線膨張係数は優れているが、延伸方向に沿って割れやすく耐衝撃性が悪いという欠点を依然として有していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、上記欠点に鑑み、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを芯材として使用した、線膨張係数が低く、軽量で、耐衝撃性、耐久性、作業性、生産性等が優れている積層シート、特に、雨樋等の外装建材として好適に使用できる積層シートの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1記載の積層シートの製造方法は、(1)非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度−20℃〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+20℃の温度の一対のロール間を引抜いて延伸する工程、(2) 昇温速度1℃/minで測定した示差走査熱量曲線での、該熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの融解ピークの立ち上がり温度以上の温度に加熱されている穿孔治具で、引抜延伸された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを溶融させて貫通孔を穿設する工程、及び、(3)穿孔された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に熱可塑性樹脂シートを、該両面の熱可塑性樹脂シートが貫通孔を介して融着するように、融着する工程からなることを特徴とする。
【0015】
本発明の第1の工程は、非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度−20℃〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+20℃の温度の一対のロール間を引抜いて延伸する工程である。
【0016】
本発明で使用される熱可塑性ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリグリコール酸、ポリ(L−乳酸)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート/ヒドロキシバリレート)、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリブチレンサクシネート/乳酸、ポリブチレンサクシネート/カーボネート、ポリブチレンサクシネート/テレフタレート、ポリブチレンアジペート/テレフタレート、ポリテトラメチレナジペート/テレフタレート、ポリブチレンサクシネート/アジペート/テレフタレート等が挙げられ、耐熱性の優れたポリエチレンテレフタレートが好ましい。
【0017】
上記熱可塑性ポリエステル系樹脂の極限粘度は、低すぎるとシート作成時にドローダウンを起こしやすく、高すぎると、延伸しても機械的強度(特に弾性率)が上昇しないので、0.6〜1.0が好ましい。
【0018】
熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの厚みは特に限定されないが、0.1mm未満では、延伸後のシート厚みが薄くなりすぎ、取扱いに際しての強度が十分な大きさとならないことがあり、5mmを超えると延伸が困難となることがあるので0.1〜5mmが好ましく、より好ましくは0.2〜3mmである。
【0019】
上記熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは非晶状態である。熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは非晶状態であればよく、その結晶化度は特に限定されるものではないが、示差走査熱量計で測定した結晶化度が10%未満あることが好ましく、より好ましくは5%未満である。
【0020】
上記最初の工程において、非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは、一対のロール間を通して引抜き延伸される。
【0021】
上記引抜き延伸する際の一対のロールの温度は、低温であると熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが硬すぎて引き抜くことができず、逆に、高温になると熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが柔らかくなりシートを引き抜く張力によりシートが切断されるので、該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度−20℃〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+20℃の温度範囲であり、好ましくは該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+10℃の温度範囲である。
【0022】
又、非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを引き抜く際に、ロールは回転している必要はないが、温度分布を均一にするために引き抜き方向にわずかに回転していてもよい。
【0023】
上記引抜き延伸の延伸倍率は、特に限定されるものではないが、延伸倍率が低いと、引張強度、引張弾性率に優れたシートが得られず、高くなると延伸時にシートの破断が生じやすくなるので、2〜9倍が好ましく、より好ましくは2.5〜7倍である。
【0024】
引抜き延伸された熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは、該ロールの温度より高い温度で一軸延伸されるのが好ましい。引抜き延伸された熱可塑性ポリエステル系樹脂シートのポリエステル系樹脂は、延伸の阻害要因となる熱による等方的な結晶化及び配向が抑えられた状態で分子鎖は高度に配向しているので強度及び弾性率が優れているが結晶化度は低いので、加熱されると配向は容易に緩和され弾性率は低下してしまうという欠点を有している。
【0025】
しかし、この引抜き延伸された熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、該ロールの温度より高い温度で一軸延伸することにより配向が緩和されることなく結晶化度が上昇し、加熱されても配向が容易に緩和されない耐熱性の優れた延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが得られる。
【0026】
上記一軸延伸する方法としてはロール延伸法が好適に用いられる。ロール延伸法とは、速度の異なる2対のロール間に延伸原反を挟み、延伸原反を加熱しつつ引っ張る方法であり、一軸方向のみに強く分子配向させることができる。この場合、2対のロールの速度比が延伸倍率となる。
【0027】
上記一軸延伸する際の温度は、一次延伸する際の一対のロールの温度より高い温度であればよいが、高すぎると一次延伸された熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが溶融して切断されるので、昇温速度1℃/minで測定した示差走査熱量曲線での熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化ピークの立ち上がり温度〜融解ピークの立ち上がり温度の温度範囲が好ましい。
【0028】
尚、ポリエチレンテレフタレートの結晶化ピークの立ち上がり温度は約120℃であり、融解ピークの立ち上がり温度は約230℃である。従って、ポリエチレンテレフタレートシートを一軸延伸する際は約120℃〜約230℃で一軸延伸するのが好ましい。
【0029】
上記一軸延伸の延伸倍率は、特に限定されるものではないが、延伸倍率が低いと、引張強度、引張弾性係数等の優れたシートが得られず、高くなると延伸時にシートの破断が生じやすくなるので、1.1〜3倍が好ましく、さらに好ましくは1.2〜2倍である。又、一次延伸と一軸延伸の合計延伸倍率は、同様の理由で、2.5〜10倍が好ましく、より好ましくは3〜8倍である。
【0030】
延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの線膨張係数は、大きいと温度差により伸縮しやすくなるので、小さいほうが好ましく、特に負であるのが好ましい。又、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは積層成形体の芯材として積層されるのであるから、強度は大きいほうが好ましく、弾性率は9GPa以上が好ましい。
【0031】
一軸延伸された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは、耐熱性を向上させるために一軸延伸温度より高い温度で熱固定されているのが好ましい。
【0032】
熱固定温度は、一軸延伸温度より低いと熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化が進まないので耐熱性が向上せず、昇温速度1℃/minで測定した示差走査熱量曲線での熱可塑性ポリエステル系樹脂の融解ピークの立ち上がり温度より高くなると熱可塑性ポリエステル系樹脂が溶解して延伸(配向)が消滅し引張弾性率、引張強度等が低下するので、一軸延伸温度〜昇温速度1℃/minで測定した示差走査熱量曲線での熱可塑性ポリエステル系樹脂の融解ピークの立ち上がり温度が好ましい。
【0033】
又、熱固定する際に、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに負荷がかかっていると延伸されフリーの状態では収縮するので、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの延伸方向の長さが実質的に変化しないようにした状態で行うことが好ましく、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに圧力もかかっていないのが好ましい。
【0034】
即ち、熱固定された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの長さが、熱固定前の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの長さの0.95〜1.1になるように熱固定するのが好ましい。
【0035】
従って、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートをピンチロール等のロールで加熱室内を移動しながら連続的に熱固定する場合は、入口側と出口側の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの送り速度比を0.95〜1.1になるように設定して熱固定するのが好ましい。又、短尺シートを熱固定する際には、荷重がかからない状態で両端部を固定して行うのが好ましい。
【0036】
熱固定する際の加熱方法は、特に限定されるものではなく、例えば、熱風、ヒーター等で加熱する方法があげられる。熱固定する時間は、特に限定されず、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの厚さや熱固定温度により異なるが、一般に10秒〜10分が好ましい。
【0037】
更に、上記熱固定された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、ガラス転移温度〜昇温速度1℃/minで測定した示差走査熱量曲線での熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化ピークの立ち上がり温度の範囲で、実質的に張力がかからない状態でアニールするのが好ましい。
【0038】
上記アニールすることにより、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは弾性率等の力学的物性が良好であって、ガラス転移温度以上の温度に加熱されても弾性率等の力学的物性が低下することがなく、且つ、収縮率を低く抑えることができる。
【0039】
又、アニールする際に、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに大きな張力がかかっていると延伸されるので、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに実質的に張力がかからない状態でアニールするのが好ましい。
【0040】
即ち、アニールされた延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの長さが、アニール前の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの長さの1.0以下になるようにアニールするのが好ましい。
【0041】
従って、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートをピンチロール等のロールで加熱室内を移動しながら連続的にアニールする場合は、入口側と出口側の延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの送り速度比を1.0以下になるように設定してアニールするのが好ましい。又、短尺シートをアニールする際には、荷重がかからないよう両端部を開放して行うのが好ましい。
【0042】
アニールする際の加熱方法は、特に限定されるものではなく、例えば、熱風、ヒーター等で加熱する方法があげられる。アニールする時間は、特に限定されず、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの厚さやアニール温度により異なるが、一般に10秒以上が好ましく、より好ましくは30秒〜5分であり、更に好ましくは1〜2分である。
【0043】
本発明における第2工程は、昇温速度1℃/minで測定した示差走査熱量曲線での、該熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの融解ピークの立ち上がり温度以上の温度に加熱されている穿孔治具で、引抜延伸された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを溶融させて貫通孔を穿設する工程である。
【0044】
上記穿孔治具は、昇温速度1℃/minで測定した示差走査熱量曲線での、該熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの融解ピークの立ち上がり温度以上の温度に加熱して、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに押圧することにより、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに貫通孔を穿設しうるものであればよく、例えば、針状体があげられる。
【0045】
針状体の断面形状は、特に限定されるものではなく、例えば、円形、楕円形、三角形、四角形、六角形、八角形等があげられる。又、針状体の直径は小さくなると熱可塑性樹脂が侵入しにくく融着しにくくなり、大きくなると延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの線膨張率が大きくなり、機械的強度(特に弾性率)等が低下するので0.5mm〜5mmが好ましい。
【0046】
貫通孔の数が少なくなると熱可塑性樹脂同士の融着面積が少なくなり、熱可塑性樹脂シート同士の接着強度が小さくなり、多くなると延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの線膨張率が大きくなり、機械的強度(特に弾性率)等が低下するので、貫通孔同士が5cm〜10cmの間隔で略等間隔の穿設されるのが好ましい。
【0047】
延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに機械的に貫通孔を穿設すると、穿設の際に、貫通孔表面にクラックが発生し、耐衝撃性が低下するが、第2工程においては、上記穿孔治具で延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを溶融させて貫通孔を穿設するのであり、貫通孔の表面は滑らかでクラックが存在せず、耐衝撃性が低下することはない。
【0048】
又、上記穿孔治具で延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを溶融させて貫通孔を穿設するのであるから、穿孔治具は、昇温速度1℃/minで測定した示差走査熱量曲線での、該熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの融解ピークの立ち上がり温度以上の温度に加熱されていることが必要であり、好ましくは、融解ピークの立ち上がり温度+10℃以上の温度である。
【0049】
本発明における第3工程は、穿孔された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に熱可塑性樹脂シートを、該両面の熱可塑性樹脂シートが貫通孔を介して融着するように、融着する工程である。
【0050】
上記熱可塑性樹脂シートは、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に積層され、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートが衝撃により延伸方向に沿って割れや亀裂が発生しないように保護すると共に、ポリエステル系樹脂が直接雨水や太陽光線に曝されて加水分解や劣化を受け耐久性が低下することを防ぐものである。
【0051】
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、スチレン樹脂、AS樹脂、メチルメタクリレート樹脂、エチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等が挙げられる。
【0052】
尚、熱可塑性樹脂を溶融して延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に積層する場合は、熱可塑性樹脂の融点が熱可塑性ポリエステル系樹脂の融点より高いと、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの結晶が緩和され線膨張係数が高くなるので、熱可塑性樹脂は熱可塑性ポリエステル系樹脂より融点の低い樹脂が好ましい。
【0053】
上記熱可塑性樹脂シートの厚みは、特に限定されず、その用途により適宜決定されればよいが、薄すぎると上記保護効果が低下し、厚くなると重くなると共に延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの低線膨張係数の効果が減少されるので0.1〜3mmが好ましい。
【0054】
延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に熱可塑性樹脂シートを融着する方法は、両面の熱可塑性樹脂シートが溶融され、貫通孔に侵入して融着する方法であれば、特に限定されず、従来公知の任意の積層方法が採用されてよく、例えば、下記の方法が挙げられる。
【0055】
(1)延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に熱可塑性樹脂を押出被覆すると共に押圧して熱可塑性樹脂を貫通孔に押し込んで融着する方法。
(2)延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に熱可塑性樹脂シートを積層し、熱プレスにより、熱可塑性樹脂を貫通孔に押し込んで融着する方法。
尚、上記方法において、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に熱可塑性樹脂シートを融着していることは言うまでもない。
【0056】
又、後者の熱可塑性樹脂シートを積層して融着する方法の際には、超音波ウエルダーにより熱可塑性樹脂シートを溶融すると共に押圧して融着するのが好ましい。
【0057】
上記超音波ウエルダーにより融着する方法は、従来公知の任意の方法が採用されてよく、例えば、上記延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと熱可塑性樹脂シートを積層し、15〜40kHzの周波数で加振したホーンとローレットの間を押圧しながら通過させる方法があげられる。
【0058】
図1は、2枚の熱可塑性樹脂シートと延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを超音波ウエルダーにより融着する方法の一例を示す説明図である。
【0059】
図中1、1は熱可塑性樹脂シートであり、熱可塑性樹脂シート1、1の間に穿孔された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シート2が積層されて、積層体10が形成されている。
【0060】
積層体10はホーン3とローレット4で押圧された状態で移送すると共に、ホーン3から15〜40kHzの周波数で加振することにより、ホーン3から伝えられた超音波振動による摩擦熱により瞬時に熱可塑性樹脂シート1が加熱され溶融して、溶融した両面の熱可塑性樹脂が貫通孔に侵入して融着し、熱可塑性樹脂シート1、1と延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シート2が融着される。
【0061】
押圧するには、ホーン3にエアシリンダ、油圧シリンダ等を連設し、ホーン3を積層体10を介してローレット4に押圧するのが好ましい。
【0062】
又、ローレット4表面に突起部を形成しておくことにより、より効率よく融着することができ、突起部の配列や形状を変化することにより、融着部位の配列や形状のパターンを変化することができる。
【0063】
図2〜図6は融着部位の配列パターンの例を示す説明図である。図中11は、超音波ウエルダーにより融着された積層成形体であり、Aは延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シート1の延伸方向であり、5は融着部位である。
【0064】
又、超音波ウエルダーにより融着する際には、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シート2の配向状態が緩和されるのを抑制するために、積層体10(延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シート2)に張力を負荷しておくのが好ましい。
【0065】
請求項2記載の積層シートの製造方法は、(1)非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度−20℃〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+20℃の温度の一対のロール間を引抜いて延伸する工程、(2) 昇温速度1℃/minで測定した示差走査熱量曲線での、該熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの融解ピークの立ち上がり温度以上の温度に加熱されている穿孔治具で、引抜延伸された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを溶融させて貫通孔を穿設する工程、及び、(3)穿孔された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に接着剤層が積層されている熱可塑性樹脂シートを、該接着剤が貫通孔を介して接着するように、接着する工程からなることを特徴とする。
【0066】
第1工程及び第2工程は、請求項1記載の積層シートの製造方法の第1工程及び第2工程と同一である。
【0067】
第3工程は、穿孔された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に接着剤層が積層されている熱可塑性樹脂シートを、該接着剤が貫通孔を介して接着するように、接着する工程であり、熱可塑性樹脂シートは前述の通りである。
【0068】
上記接着剤は、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエステル系、ポリオレフィン系等のホットメルト型接着剤や反応性接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、ゴム系接着剤等があげられる。
【0069】
ホットメルト型接着剤で接着する方法は、特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂シートに溶融ホットメルト型接着剤を塗布すると同時に延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに積層押圧し融着する方法、熱可塑性樹脂シートに溶融ホットメルト型接着剤を塗布・冷却してホットメルト型接着剤層を形成した後、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シート積層するか、2枚の熱可塑性樹脂シートの間にシート状のホットメルト型接着剤を介して延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを積層して得られた積層体を加熱し、ホットメルト型接着剤を溶融して融着する方法等があげられる。尚、後者の場合はホットメルト型接着剤を超音波ウエルダーにより加熱して融着するのが好ましい。
【0070】
反応性接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、ゴム系接着剤等で接着する場合は、熱可塑性樹脂シート又は延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに接着剤を塗布し、積層押圧して接着すればよい。
【0071】
本発明で製造された積層シートは、異型成形、曲げ加工等の成形方法により所定形状に成形することができ、所定形状の積層成形体が得られる。
この積層成形体は、外装建材として、特に雨樋として好適に用いられる。
【発明の効果】
【0072】
請求項1記載の積層シートの製造方法の構成は上述の通りであり、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに、昇温速度1℃/minで測定した示差走査熱量曲線での、該熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの融解ピークの立ち上がり温度以上の温度に加熱されている穿孔治具で、引抜延伸された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを溶融させて貫通孔を穿設するのであるから、貫通孔の表面は滑らかでクラックが存在せず、耐衝撃性が低下することはない。
【0073】
又、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは、熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度−20℃〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+20℃の温度の一対のロール間を引抜いて延伸されており、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に熱可塑性樹脂シートが、両面の熱可塑性樹脂が貫通孔を介して融着することにより積層されているので、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと両面の熱可塑性樹脂シートは強固に融着しており、線膨張係数が低く、軽量で、耐衝撃性、耐久性、作業性、生産性等が優れている。従って、雨樋等の外装建材として好適に使用できる。
【0074】
請求項2記載の積層シートの製造方法の構成は上述の通りであり、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートに、昇温速度1℃/minで測定した示差走査熱量曲線での、該熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの融解ピークの立ち上がり温度以上の温度に加熱されている穿孔治具で、引抜延伸された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを溶融させて貫通孔を穿設するのであるから、貫通孔の表面は滑らかでクラックが存在せず、耐衝撃性が低下することはない。
【0075】
又、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは、熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度−20℃〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+20℃の温度の一対のロール間を引抜いて延伸されており、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に熱可塑性樹脂シートが、接着剤が貫通孔を介して接着することにより積層されているので、延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートと両面の熱可塑性樹脂シートは強固に接着しており、線膨張係数が低く、軽量で、耐衝撃性、耐久性、作業性、生産性等が優れている。従って、雨樋等の外装建材として好適に使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0076】
次に、本発明の実施例を挙げて、詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0077】
(実施例1)
厚さ1mmのポリエチレンテレフタレートシート(帝人化成社製、商品名「A−PETシートFR」:極限粘度0.7、結晶化度4%)を延伸装置(協和エンジニアリング社製)に供給し、75℃に予熱した後、70℃に加熱された一対のロール(ロール間隔0.2mm)間を2m/minの速度で引き抜き、更に、熱風加熱槽中でポリエチレンテレフタレートシート表面温度を180℃に加熱し、出口速度2.5m/minに設定してロール延伸して、延伸倍率が約5倍の延伸ポリエチレンテレフタレートシートを得た。
【0078】
尚、上記ポリエチレンテレフタレートシートのガラス転移温度は72℃、昇温速度1℃/minで測定した示差走査熱量曲線での結晶化ピークの立ち上がり温度は約118℃であり、融解ピークの立ち上がり温度は約230℃であった。
得られた延伸ポリエチレンテレフタレートシートに、265℃に加熱した針状の穿孔治具により直径3mmの貫通孔を孔中心間隔20mmの格子状に穿設した。
【0079】
得られた貫通孔穿設延伸ポリエチレンテレフタレート積層体の両面に、塩化ビニル樹脂(徳山積水社製、品番「TS1000R」)を200℃で押出被覆して、延伸ポリエチレンテレフタレートシートの両面に塩化ビニル樹脂シート(片面当たり厚み0.25mm)が積層された積層成形体を得た。
【0080】
得られた積層成形体の線膨張係数をJIS K 7197に準拠して測定したところ、1.8×10-5(1/℃)であった。
又、得られた積層成形体から長さ80mm、幅10mm(幅方向が延伸ポリエチレンテレフタレートシートの延伸方向)を切り出し、Vノッチ (深さ2mm)加工して、JIS K−7111に準拠してシャルピー衝撃値を測定したところ、シャルピー衝撃値は5.1kJ/m2 であった。
【0081】
(実施例2)
ポリエチレンテレフタレート(ユニチカ社製、商品名「NEH−2070」:極限粘度0.88、結晶化度4.5%)を溶融押出成形した、厚さ2.5mmのポリエチレンテレフタレートシートを延伸装置(協和エンジニアリング社製)に供給し、80℃に予熱した後、74℃に加熱された一対のロール(ロール間隔0.2mm)間を2m/minの速度で引き抜き、更に熱風加熱槽中でポリエチレンテレフタレートシート表面温度を180℃に加熱し、出口速度2.5m/minに設定してロール延伸して、延伸倍率が約5倍の延伸ポリエチレンテレフタレートシートを得た。
【0082】
尚、上記ポリエチレンテレフタレートシートのガラス転移温度は72℃、昇温速度10℃/minで測定した示差走査熱量曲線での結晶化ピークの立ち上がり温度は約118℃であり、融解ピークの立ち上がり温度は約230℃であった。
【0083】
得られた延伸ポリエチレンテレフタレートシートに、265℃に加熱した針状の穿孔治具により直径3mmの貫通孔を孔中心間隔20mmの格子状に穿設した。
【0084】
2枚の厚さ0.5mmの塩化ビニル樹脂シート(徳山積水社製、品番「TS1000R」を押出成形したもの)間にシート状のポリエステル系ホットメルト型接着剤(東洋紡績社製、商品名「バイロンGM−920」、融点107℃、厚さ0.05mm)を介して得られた貫通孔穿設延伸ポリエチレンテレフタレートシートを積層して得られた積層体を、160℃、圧力1MPaで180秒間熱プレスして、延伸ポリエチレンテレフタレートシートの両面に塩化ビニル樹脂シートが積層された積層成形体を得た。
【0085】
得られた積層成形体の線膨張係数をJIS K 7197に準拠して測定したところ、1.7×10-5(1/℃)であった。
【0086】
又、得られた積層成形体から長さ80mm、幅10mm(幅方向が延伸ポリエチレンテレフタレートシートの延伸方向)を切り出し、Vノッチ (深さ2mm)加工して、JIS K−7111に準拠してシャルピー衝撃値を測定したところ、シャルピー衝撃値は5.3kJ/m2 であった。
【0087】
(比較例1)
塩化ビニル樹脂(徳山積水社製、品番「TS1000R」)を200℃で押出して、厚さ1.6mmの塩化ビニル樹脂成形体を得た。
得られた塩化ビニル樹脂成形体の線膨張係数をJIS K 7197に準拠して測定したところ、7.0×10-5(1/℃)であった。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】2枚の熱可塑性樹脂シートと延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを超音波ウエルダーにより融着する方法の一例を示す説明図である。
【図2】積層シートの融着部位の配列パターンの一例を示す説明図である。
【図3】積層シートの融着部位の配列パターンの異なる例を示す説明図である。
【図4】積層シートの融着部位の配列パターンの異なる例を示す説明図である。
【図5】積層シートの融着部位の配列パターンの異なる例を示す説明図である。
【図6】積層シートの融着部位の配列パターンの異なる例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0089】
1 熱可塑性樹脂シート
2 延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シート
3 ホーン
4 ローレット
5 融着部位
10 積層体
11 積層成形体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度−20℃〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+20℃の温度の一対のロール間を引抜いて延伸する工程、
(2) 昇温速度1℃/minで測定した示差走査熱量曲線での、該熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの融解ピークの立ち上がり温度以上の温度に加熱されている穿孔治具で、引抜延伸された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを溶融させて貫通孔を穿設する工程、及び、
(3)穿孔された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に熱可塑性樹脂シートを、該両面の熱可塑性樹脂シートが貫通孔を介して融着するように、融着する工程からなることを特徴とする積層シートの製造方法。
【請求項2】
(1)非晶状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを、該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度−20℃〜該熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度+20℃の温度の一対のロール間を引抜いて延伸する工程、
(2) 昇温速度1℃/minで測定した示差走査熱量曲線での、該熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの融解ピークの立ち上がり温度以上の温度に加熱されている穿孔治具で、引抜延伸された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを溶融させて貫通孔を穿設する工程、及び、
(3)穿孔された延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂シートの両面に接着剤層が積層されている熱可塑性樹脂シートを、該接着剤が貫通孔を介して接着するように、接着する工程からなることを特徴とする積層シートの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−105886(P2007−105886A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−295867(P2005−295867)
【出願日】平成17年10月11日(2005.10.11)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】