積層型冷却装置
【課題】半導体モジュールから発生する電磁ノイズの影響を、制御回路基板が受けにくい積層型冷却装置を提供する。
【解決手段】半導体モジュール2と冷却チューブ3とを交互に積層配置してなる。半導体モジュール2の動作制御をする制御回路基板4が、半導体モジュール2と冷却チューブ3との積層体に対して積層方向と直交する方向に所定間隔をおいて隣接配置されている。制御回路基板4は制御信号端子21に接続されている。そして、導体モジュール2と制御回路基板4との間に、半導体モジュール2から発生した電磁ノイズを遮蔽するためのノイズ遮蔽部材5が設けられている。このノイズ遮蔽部材5は、冷却チューブ3と一体化している。
【解決手段】半導体モジュール2と冷却チューブ3とを交互に積層配置してなる。半導体モジュール2の動作制御をする制御回路基板4が、半導体モジュール2と冷却チューブ3との積層体に対して積層方向と直交する方向に所定間隔をおいて隣接配置されている。制御回路基板4は制御信号端子21に接続されている。そして、導体モジュール2と制御回路基板4との間に、半導体モジュール2から発生した電磁ノイズを遮蔽するためのノイズ遮蔽部材5が設けられている。このノイズ遮蔽部材5は、冷却チューブ3と一体化している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体モジュールと冷却チューブとを積層した積層型冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、半導体モジュールと冷却チューブとを積層した積層型冷却装置が知られている(下記特許文献1)。半導体モジュールはIGBT素子等のパワー素子を備えるもので、大電流を流す回路においてスイッチング制御を行う部品である。積層型冷却装置に含まれる複数個の半導体モジュールは、バスバー等で互いに電気的に接続されており、例えば車両用のインバータを構成している。
また、上記冷却チューブは、内部に冷媒が流れる管状部材である。インバータを動作させると、半導体モジュールに電流が流れて発熱するので、上記冷却チューブを用いて冷却する。
【0003】
インバータを動作させるには、個々の半導体モジュールを所定のタイミングでスイッチング動作させる必要がある。そのため、この動作制御を行う制御回路基板が、積層型冷却装置の近傍に配置されている。制御回路基板は、半導体モジュールの制御信号端子に接続されており、制御信号を送信して、個々の半導体モジュールの動作制御を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−73373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、半導体モジュールは大電流が流れるため、スイッチング動作に伴って大きな電磁ノイズが発生する。一方、制御回路基板は比較的小さな電流で動作するため、半導体モジュールから発生した電磁ノイズの影響を受けやすい。そのため、誤動作しないように、制御回路基板の回路設計を行う際に、ノイズ耐性を考慮した設計をする必要がある。
【0006】
また、近年、インバータのスイッチング周波数およびスイッチングスピードが高速化する傾向にある。動作速度が速くなると、半導体モジュールから発生する電磁ノイズが多くなりやすい。そのため、制御回路基板のノイズ耐性を、一層高める必要が生じる。
【0007】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、半導体モジュールから発生する電磁ノイズの影響を、制御回路基板が受けにくい積層型冷却装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、半導体素子及び制御信号端子を備えた半導体モジュールと、該半導体モジュールを冷却する冷却チューブとを交互に積層配置した積層型冷却装置であって、
上記半導体素子の動作制御をする制御回路基板が、上記半導体モジュールと上記冷却チューブとの積層体に対して積層方向と直交する方向に所定間隔をおいて隣接配置され、該制御回路基板は上記制御信号端子に接続されており、
上記半導体モジュールと上記制御回路基板との間に、該半導体モジュールから発生した電磁ノイズを遮蔽するためのノイズ遮蔽部材が設けられ、該ノイズ遮蔽部材が、上記冷却チューブと一体化していることを特徴とする積層型冷却装置にある(請求項1)。
【発明の効果】
【0009】
次に、本発明の作用効果につき説明する。
本発明では、半導体モジュールと制御回路基板との間に、上記ノイズ遮蔽部材を設けた。このノイズ遮蔽部材により、半導体モジュールから発生した電磁ノイズを遮断でき、制御回路基板に与える影響を低減することができる。そのため、ノイズ耐性に特に優れた制御回路基板を用いなくても、誤動作が生じにくくなる。
【0010】
これにより、半導体モジュールの動作制御を安定して行うことが可能となる。また、上述したように、近年、半導体モジュールのスイッチング速度の高速化に伴って、電磁ノイズの発生量が多くなっているが、上記構造を採用すれば、ノイズ遮蔽部材によって電磁ノイズを遮蔽できるため、電磁ノイズの発生量に関係なく、安定して半導体モジュールの動作制御を行うことができる。また、制御回路基板の回路設計をする際に、電磁ノイズの影響を特に考慮しなくてもよくなり、設計自由度が向上する。
【0011】
また、本発明では、ノイズ遮蔽部材が冷却チューブと一体になっているため、ノイズ遮蔽部材を別部材として用意する必要がなく、部品数の増加を防止できる。すなわち、少ない部品数で積層型冷却装置を組み立てることができ、また、組み立て作業も簡易なものとなる。
【0012】
以上のごとく、本発明によれば、半導体モジュールから発生する電磁ノイズの影響を、制御回路基板が受けにくい積層型冷却装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例1における、積層型冷却器の一部透過斜視図。
【図2】図1のA矢視図。
【図3】図2のC−C矢視図であって、積層方向に拡大した図。
【図4】図1のB矢視図。
【図5】実施例1における、インバータの回路図。
【図6】実施例1における、積層型冷却器の拡大断面図。
【図7】実施例1における、積層型冷却器の製造方法の説明図。
【図8】図7に続く図。
【図9】実施例2における、積層型冷却器の側面図。
【図10】実施例2における、積層型冷却器の平面図。
【図11】実施例3における、積層型冷却器の平面図。
【図12】図11の拡大図。
【図13】実施例4における、積層型冷却器の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
上述した本発明における好ましい実施の形態につき説明する。
本発明において、上記冷却チューブを構成する管壁の一部が、該冷却チューブの冷却面よりも上記半導体モジュール側に延出し、該管壁の一部が、上記ノイズ遮蔽部材をなしていることが好ましい(請求項2)。
このようにすると、冷却チューブを構成する管壁の一部を、ノイズ遮蔽部材として利用することができる。そのため、例えばノイズ遮蔽部材を、管壁から取り外し可能な別部材とした場合と比較して、部品数を減らすことができ、また、冷却チューブの構造を簡単にすることができる。
【0015】
また、上記半導体モジュールを挟んで隣り合う2個の上記冷却チューブとそれぞれ一体化された上記ノイズ遮蔽部材は、互いに接触しており、該ノイズ遮蔽部材に、上記制御信号端子が挿通する窓部が形成されていることが好ましい(請求項3)。
隣り合う2個の冷却チューブのノイズ遮蔽部材の間に隙間がある場合は、半導体モジュールから発生した電磁ノイズがこの隙間を通るため、制御回路基板に影響を与えることがある。しかし、上述のように隣り合う2個の冷却チューブのノイズ遮蔽部材が互いに接触する構成にすると、隙間が無くなるため、電磁ノイズを遮蔽しやすくなる。そのため、制御回路基板に与える、電磁ノイズの影響をより少なくすることができる。
なお、ノイズ遮蔽部材には部分的に上記窓部が形成されており、半導体モジュールの制御信号端子は、この窓部を通って制御回路基板に接続される。
【0016】
また、上記冷却チューブは、湾曲した2枚の管壁を接続してなり、個々の上記管壁は、冷媒が流れる流路を相手側の管壁との間に構成する本体部と、相手側の上記管壁と接続するための一対の接続部と、該一対の接続部のうち上記制御回路基板側の接続部から、隣接する上記半導体モジュールへ向かって延出する延出部とを有し、該延出部が上記ノイズ遮蔽部材をなしていることが好ましい(請求項4)。
このようにすると、上記本体部と、接続部と、延出部とを有する2枚の管壁を接続するだけで、ノイズ遮蔽部材と一体になった冷却チューブを製造することができる。そのため、例えば、ノイズ遮蔽部材を別部品として用意し、冷却チューブに溶接等する場合と比較して、製造工程を簡単にすることができる。
【実施例】
【0017】
(実施例1)
本発明の実施例にかかる積層型冷却装置につき、図1〜図8を用いて説明する。
本例の積層型冷却装置1は図1に示すごとく、半導体素子20(図5参照)及び制御信号端子21を備えた半導体モジュール2と、この半導体モジュール2を冷却する冷却チューブ3とを交互に積層配置したものである。
図1、図2、図4に示すごとく、半導体素子20の動作制御をする制御回路基板4が、半導体モジュール2と冷却チューブ3との積層体100に対して積層方向と直交する方向に所定間隔をおいて隣接配置されている。制御回路基板4は制御信号端子21に接続されている。
また、半導体モジュール2と制御回路基板4との間に、半導体モジュール2から発生した電磁ノイズを遮蔽するためのノイズ遮蔽部材5が設けられている。図1、図4に示すごとく、このノイズ遮蔽部材5は、冷却チューブ3と一体化している。
以下、詳説する。
【0018】
図1、図2に示すごとく、半導体モジュール2は制御信号端子21とパワー端子22とを備える。制御信号端子21は、積層体100の積層方向に直交する方向へ突出している。制御回路基板4は、制御信号端子21の突出方向に配置されている。そして、制御信号端子21の反対側にパワー端子22a,22bが突出している。また、図3、図4に示すごとく、隣り合う2個のノイズ遮蔽部材5の間にはスリット51が形成されており、制御信号端子21はこのスリット51を通って制御回路基板4に接続している。半導体モジュール2のパワー端子22a,22b間には大電流が流れるため、大きな電磁ノイズが発生するが、この電磁ノイズは上述したノイズ遮蔽部材5によって遮蔽される。
【0019】
一方、図1に示すごとく、冷却チューブ3と半導体モジュール2とが交互に積層されている。半導体モジュール2は通電に伴って発熱するため、冷却チューブ3によって、半導体モジュール2を両面から冷却している。また、図3に示すごとく、隣り合う2本の冷却チューブ3の両端に接続管35が設けられている。この接続管35および冷却チューブ3の中を、図3に示す方向へ冷媒38が流れる。これにより、半導体モジュール2を冷却する。
【0020】
次に、図5の回路図を用いて、半導体モジュール2によって構成した車両用電力変換回路10の説明をする。同図に示すごとく、複数個の半導体モジュール2を接続して、インバータ部11及びコンバータ部12が構成されている。コンバータ部12によって直流電源6の電圧を昇圧し、さらに、インバータ部11によって直流電力を交流に変換する。そして、交流電力を使って三相交流モータ60を駆動し、車両を走行させる。
個々の半導体モジュール2は、半導体素子としてのIGBT素子20およびフライホイールダイオード23を備える。このIGBT素子20の制御信号端子21、すなわちゲート端子21は、上述した制御回路基板4に接続されている。この制御回路基板4から送信される制御信号によって、IGBT素子20がスイッチング動作をし、直流電力を交流に変換する。
【0021】
次に、積層型冷却装置1の拡大断面図を図6に示す。同図に示すごとく、冷却チューブ3は2枚の管壁30a,30bを互いに接続して形成したものである。冷却チューブ3の内部は冷媒38が通る流路39になっている。この流路39は中壁36によって、半導体モジュール2と冷却チューブ3との積層方向へ2分割されている。また、流路39には放熱フィン37が設けられている。この放熱フィン37によって、冷媒38との接触面積を増やし、半導体モジュール2の冷却効率を高めている。
【0022】
また、本例では図6に示すごとく、冷却チューブ3を構成する管壁30の一部が、冷却チューブ3の冷却面31よりも半導体モジュール2側に延出している。そして、この管壁30の一部が、ノイズ遮蔽部材5をなしている。
【0023】
上述したように、冷却チューブ3は、湾曲した2枚の管壁30a,30bを接続して形成されている。そして個々の管壁30a,30bは、冷媒38が流れる流路39を相手側の管壁30との間に構成する本体部32と、相手側の管壁30と接続するための一対の接続部33a,33bと、一対の接続部33a,33bのうち制御回路基板4側の接続部33aから、隣接する半導体モジュール2へ向かって延出する延出部34とを有する。この延出部34がノイズ遮蔽部材5をなしている。
【0024】
次に、本例の積層型冷却装置1の製造方法について説明する。積層型冷却装置1を製造するには、例えば図7に示すごとく、冷却チューブ3と、接続管35とを接続したものを予め用意する。この接続管35はアルミニウム等の柔軟な金属から構成されており、半導体モジュール2の幅よりも若干長くなっている。そして図8に示すごとく、冷却チューブ3の間に半導体モジュール2を挿入する。次いで、図8の矢印方向に冷却チューブ3を圧縮する。この圧縮力により接続管35が縮み、冷却チューブ3の冷却面31が半導体モジュール2に密着する。この後、図4に示すごとく、制御信号端子21に制御回路基板4を接続する。
【0025】
次に、本例の積層型冷却装置1の作用効果について説明する。
本例では図1、図4に示すごとく、半導体モジュール2と制御回路基板4との間に、ノイズ遮蔽部材5を設けた。このノイズ遮蔽部材5により、半導体モジュール2から発生した電磁ノイズを遮断でき、制御回路基板4に与える影響を低減することができる。そのため、ノイズ耐性に特に優れた制御回路基板4を用いなくても、誤動作が生じにくくなる。
【0026】
これにより、半導体モジュール2の動作制御を安定して行うことが可能となる。また、上述したように、近年、半導体モジュール2のスイッチング速度の高速化に伴って、電磁ノイズの発生量が多くなっているが、上記構造を採用すれば、ノイズ遮蔽部材5によって電磁ノイズを遮蔽できるため、電磁ノイズの発生量に関係なく、安定して半導体モジュール2の動作制御を行うことができる。また、制御回路基板4の回路設計をする際に、電磁ノイズの影響を特に考慮しなくてもよくなり、設計自由度が向上する。
【0027】
また、本例では図6に示すごとく、ノイズ遮蔽部材5が冷却チューブ3と一体になっているため、ノイズ遮蔽部材5を別部材として用意する必要がなく、部品数の増加を防止できる。すなわち、少ない部品数で積層型冷却装置1を組み立てることができ、また、組み立て作業も簡易なものとなる。
【0028】
また、本例では図6に示すごとく、冷却チューブ3を構成する管壁30の一部が、冷却チューブ3の冷却面31よりも半導体モジュール2側に延出しており、この管壁30の一部が、ノイズ遮蔽部材5をなしている。
このようにすると、冷却チューブ3を構成する管壁30の一部を、ノイズ遮蔽部材5として利用することができる。そのため、例えばノイズ遮蔽部材を、管壁30から分離可能な別部材とした場合と比較して、部品数を減らすことができ、また、冷却チューブ3の構造を簡単にすることができる。
【0029】
さらに、本例では図6に示すごとく、冷却チューブ3は2枚の管壁30a,30bを接続して構成されており、この2枚の管壁30a,30bは、各々本体部32と、接続部33と、延出部34とからなる。この延出部34が、ノイズ遮蔽部材5を構成している。
このようにすると、本体部32と、接続部33と、延出部34とを有する2枚の管壁30を接続するだけで、ノイズ遮蔽部材5と一体になった冷却チューブ3を製造することができる。そのため、例えば、ノイズ遮蔽部材を別部品として用意し、冷却チューブ3に溶接等する場合と比較して、製造工程を簡単にすることができる。
【0030】
以上のごとく、本発明によれば、半導体モジュール2から発生する電磁ノイズの影響を、制御回路基板4が受けにくい積層型冷却装置1を提供することができる。
【0031】
(実施例2)
本例は、ノイズ遮蔽部材5の形状を変更した例である。本例では図9、図10に示すごとく、半導体モジュール2を挟んで隣り合う2個の冷却チューブ3a,3bとそれぞれ一体化されたノイズ遮蔽部材5a,5bは、互いに接触している。そして図10に示すごとく、ノイズ遮蔽部材5に、制御信号端子21が挿通する窓部50が形成されている。半導体モジュール2の制御信号端子21は、この窓部50を通って制御回路基板4に接続される。
その他、実施例1と同様の構成を備える。
【0032】
次に、本例の作用効果について説明する。
隣り合う2個の冷却チューブ3のノイズ遮蔽部材5の間に隙間がある場合は、半導体モジュール2から発生した電磁ノイズがこの隙間を通るため、制御回路基板4に影響を与えることがある。しかし、上述したように、隣り合う2個の冷却チューブ3のノイズ遮蔽部材5が互いに接触する構成にすると、隙間が無くなるため、電磁ノイズを遮蔽しやすくなる。そのため、制御回路基板4に与える、電磁ノイズの影響をより少なくすることができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を備える。
【0033】
(実施例3)
本例は、ノイズ遮蔽部材5の形状を変更した例である。図11、図12に示すごとく、半導体モジュール2を挟んで隣り合う2個の冷却チューブ3a,3bとそれぞれ一体化されたノイズ遮蔽部材5a,5bは、互いに接触している。そして、ノイズ遮蔽部材5a,5bに複数個の窓部50を形成し、個々の制御信号端子21が個々の窓部50を通るように構成した。
このようにすると、窓部50の大きさが小さいため、半導体モジュール2から発生した電磁ノイズが窓部50を通りにくくなる。そのため、制御回路基板4に与える電磁ノイズの影響をさらに低減することができる。
その他、実施例1と同様の構成及び作用効果を備える。
【0034】
(実施例4)
本例は、ノイズ遮蔽部材5の形状を変更した例である。図13に示すごとく、本例の積層型冷却装置1は、冷却チューブ3の長手方向の一部分にのみノイズ遮蔽部材5を設けた。
このようにすると、少ない材料でノイズ遮蔽部材5および冷却チューブ3を製造できるので、製造コストを低減することが可能となる。
その他、実施例1と同様の構成および作用効果を備える。
【符号の説明】
【0035】
1 積層型冷却装置
2 半導体モジュール
20 半導体素子
21 制御信号端子
3 冷却チューブ
30 管壁
31 冷却面
4 制御回路基板
5 ノイズ遮蔽部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体モジュールと冷却チューブとを積層した積層型冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、半導体モジュールと冷却チューブとを積層した積層型冷却装置が知られている(下記特許文献1)。半導体モジュールはIGBT素子等のパワー素子を備えるもので、大電流を流す回路においてスイッチング制御を行う部品である。積層型冷却装置に含まれる複数個の半導体モジュールは、バスバー等で互いに電気的に接続されており、例えば車両用のインバータを構成している。
また、上記冷却チューブは、内部に冷媒が流れる管状部材である。インバータを動作させると、半導体モジュールに電流が流れて発熱するので、上記冷却チューブを用いて冷却する。
【0003】
インバータを動作させるには、個々の半導体モジュールを所定のタイミングでスイッチング動作させる必要がある。そのため、この動作制御を行う制御回路基板が、積層型冷却装置の近傍に配置されている。制御回路基板は、半導体モジュールの制御信号端子に接続されており、制御信号を送信して、個々の半導体モジュールの動作制御を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−73373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、半導体モジュールは大電流が流れるため、スイッチング動作に伴って大きな電磁ノイズが発生する。一方、制御回路基板は比較的小さな電流で動作するため、半導体モジュールから発生した電磁ノイズの影響を受けやすい。そのため、誤動作しないように、制御回路基板の回路設計を行う際に、ノイズ耐性を考慮した設計をする必要がある。
【0006】
また、近年、インバータのスイッチング周波数およびスイッチングスピードが高速化する傾向にある。動作速度が速くなると、半導体モジュールから発生する電磁ノイズが多くなりやすい。そのため、制御回路基板のノイズ耐性を、一層高める必要が生じる。
【0007】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、半導体モジュールから発生する電磁ノイズの影響を、制御回路基板が受けにくい積層型冷却装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、半導体素子及び制御信号端子を備えた半導体モジュールと、該半導体モジュールを冷却する冷却チューブとを交互に積層配置した積層型冷却装置であって、
上記半導体素子の動作制御をする制御回路基板が、上記半導体モジュールと上記冷却チューブとの積層体に対して積層方向と直交する方向に所定間隔をおいて隣接配置され、該制御回路基板は上記制御信号端子に接続されており、
上記半導体モジュールと上記制御回路基板との間に、該半導体モジュールから発生した電磁ノイズを遮蔽するためのノイズ遮蔽部材が設けられ、該ノイズ遮蔽部材が、上記冷却チューブと一体化していることを特徴とする積層型冷却装置にある(請求項1)。
【発明の効果】
【0009】
次に、本発明の作用効果につき説明する。
本発明では、半導体モジュールと制御回路基板との間に、上記ノイズ遮蔽部材を設けた。このノイズ遮蔽部材により、半導体モジュールから発生した電磁ノイズを遮断でき、制御回路基板に与える影響を低減することができる。そのため、ノイズ耐性に特に優れた制御回路基板を用いなくても、誤動作が生じにくくなる。
【0010】
これにより、半導体モジュールの動作制御を安定して行うことが可能となる。また、上述したように、近年、半導体モジュールのスイッチング速度の高速化に伴って、電磁ノイズの発生量が多くなっているが、上記構造を採用すれば、ノイズ遮蔽部材によって電磁ノイズを遮蔽できるため、電磁ノイズの発生量に関係なく、安定して半導体モジュールの動作制御を行うことができる。また、制御回路基板の回路設計をする際に、電磁ノイズの影響を特に考慮しなくてもよくなり、設計自由度が向上する。
【0011】
また、本発明では、ノイズ遮蔽部材が冷却チューブと一体になっているため、ノイズ遮蔽部材を別部材として用意する必要がなく、部品数の増加を防止できる。すなわち、少ない部品数で積層型冷却装置を組み立てることができ、また、組み立て作業も簡易なものとなる。
【0012】
以上のごとく、本発明によれば、半導体モジュールから発生する電磁ノイズの影響を、制御回路基板が受けにくい積層型冷却装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例1における、積層型冷却器の一部透過斜視図。
【図2】図1のA矢視図。
【図3】図2のC−C矢視図であって、積層方向に拡大した図。
【図4】図1のB矢視図。
【図5】実施例1における、インバータの回路図。
【図6】実施例1における、積層型冷却器の拡大断面図。
【図7】実施例1における、積層型冷却器の製造方法の説明図。
【図8】図7に続く図。
【図9】実施例2における、積層型冷却器の側面図。
【図10】実施例2における、積層型冷却器の平面図。
【図11】実施例3における、積層型冷却器の平面図。
【図12】図11の拡大図。
【図13】実施例4における、積層型冷却器の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
上述した本発明における好ましい実施の形態につき説明する。
本発明において、上記冷却チューブを構成する管壁の一部が、該冷却チューブの冷却面よりも上記半導体モジュール側に延出し、該管壁の一部が、上記ノイズ遮蔽部材をなしていることが好ましい(請求項2)。
このようにすると、冷却チューブを構成する管壁の一部を、ノイズ遮蔽部材として利用することができる。そのため、例えばノイズ遮蔽部材を、管壁から取り外し可能な別部材とした場合と比較して、部品数を減らすことができ、また、冷却チューブの構造を簡単にすることができる。
【0015】
また、上記半導体モジュールを挟んで隣り合う2個の上記冷却チューブとそれぞれ一体化された上記ノイズ遮蔽部材は、互いに接触しており、該ノイズ遮蔽部材に、上記制御信号端子が挿通する窓部が形成されていることが好ましい(請求項3)。
隣り合う2個の冷却チューブのノイズ遮蔽部材の間に隙間がある場合は、半導体モジュールから発生した電磁ノイズがこの隙間を通るため、制御回路基板に影響を与えることがある。しかし、上述のように隣り合う2個の冷却チューブのノイズ遮蔽部材が互いに接触する構成にすると、隙間が無くなるため、電磁ノイズを遮蔽しやすくなる。そのため、制御回路基板に与える、電磁ノイズの影響をより少なくすることができる。
なお、ノイズ遮蔽部材には部分的に上記窓部が形成されており、半導体モジュールの制御信号端子は、この窓部を通って制御回路基板に接続される。
【0016】
また、上記冷却チューブは、湾曲した2枚の管壁を接続してなり、個々の上記管壁は、冷媒が流れる流路を相手側の管壁との間に構成する本体部と、相手側の上記管壁と接続するための一対の接続部と、該一対の接続部のうち上記制御回路基板側の接続部から、隣接する上記半導体モジュールへ向かって延出する延出部とを有し、該延出部が上記ノイズ遮蔽部材をなしていることが好ましい(請求項4)。
このようにすると、上記本体部と、接続部と、延出部とを有する2枚の管壁を接続するだけで、ノイズ遮蔽部材と一体になった冷却チューブを製造することができる。そのため、例えば、ノイズ遮蔽部材を別部品として用意し、冷却チューブに溶接等する場合と比較して、製造工程を簡単にすることができる。
【実施例】
【0017】
(実施例1)
本発明の実施例にかかる積層型冷却装置につき、図1〜図8を用いて説明する。
本例の積層型冷却装置1は図1に示すごとく、半導体素子20(図5参照)及び制御信号端子21を備えた半導体モジュール2と、この半導体モジュール2を冷却する冷却チューブ3とを交互に積層配置したものである。
図1、図2、図4に示すごとく、半導体素子20の動作制御をする制御回路基板4が、半導体モジュール2と冷却チューブ3との積層体100に対して積層方向と直交する方向に所定間隔をおいて隣接配置されている。制御回路基板4は制御信号端子21に接続されている。
また、半導体モジュール2と制御回路基板4との間に、半導体モジュール2から発生した電磁ノイズを遮蔽するためのノイズ遮蔽部材5が設けられている。図1、図4に示すごとく、このノイズ遮蔽部材5は、冷却チューブ3と一体化している。
以下、詳説する。
【0018】
図1、図2に示すごとく、半導体モジュール2は制御信号端子21とパワー端子22とを備える。制御信号端子21は、積層体100の積層方向に直交する方向へ突出している。制御回路基板4は、制御信号端子21の突出方向に配置されている。そして、制御信号端子21の反対側にパワー端子22a,22bが突出している。また、図3、図4に示すごとく、隣り合う2個のノイズ遮蔽部材5の間にはスリット51が形成されており、制御信号端子21はこのスリット51を通って制御回路基板4に接続している。半導体モジュール2のパワー端子22a,22b間には大電流が流れるため、大きな電磁ノイズが発生するが、この電磁ノイズは上述したノイズ遮蔽部材5によって遮蔽される。
【0019】
一方、図1に示すごとく、冷却チューブ3と半導体モジュール2とが交互に積層されている。半導体モジュール2は通電に伴って発熱するため、冷却チューブ3によって、半導体モジュール2を両面から冷却している。また、図3に示すごとく、隣り合う2本の冷却チューブ3の両端に接続管35が設けられている。この接続管35および冷却チューブ3の中を、図3に示す方向へ冷媒38が流れる。これにより、半導体モジュール2を冷却する。
【0020】
次に、図5の回路図を用いて、半導体モジュール2によって構成した車両用電力変換回路10の説明をする。同図に示すごとく、複数個の半導体モジュール2を接続して、インバータ部11及びコンバータ部12が構成されている。コンバータ部12によって直流電源6の電圧を昇圧し、さらに、インバータ部11によって直流電力を交流に変換する。そして、交流電力を使って三相交流モータ60を駆動し、車両を走行させる。
個々の半導体モジュール2は、半導体素子としてのIGBT素子20およびフライホイールダイオード23を備える。このIGBT素子20の制御信号端子21、すなわちゲート端子21は、上述した制御回路基板4に接続されている。この制御回路基板4から送信される制御信号によって、IGBT素子20がスイッチング動作をし、直流電力を交流に変換する。
【0021】
次に、積層型冷却装置1の拡大断面図を図6に示す。同図に示すごとく、冷却チューブ3は2枚の管壁30a,30bを互いに接続して形成したものである。冷却チューブ3の内部は冷媒38が通る流路39になっている。この流路39は中壁36によって、半導体モジュール2と冷却チューブ3との積層方向へ2分割されている。また、流路39には放熱フィン37が設けられている。この放熱フィン37によって、冷媒38との接触面積を増やし、半導体モジュール2の冷却効率を高めている。
【0022】
また、本例では図6に示すごとく、冷却チューブ3を構成する管壁30の一部が、冷却チューブ3の冷却面31よりも半導体モジュール2側に延出している。そして、この管壁30の一部が、ノイズ遮蔽部材5をなしている。
【0023】
上述したように、冷却チューブ3は、湾曲した2枚の管壁30a,30bを接続して形成されている。そして個々の管壁30a,30bは、冷媒38が流れる流路39を相手側の管壁30との間に構成する本体部32と、相手側の管壁30と接続するための一対の接続部33a,33bと、一対の接続部33a,33bのうち制御回路基板4側の接続部33aから、隣接する半導体モジュール2へ向かって延出する延出部34とを有する。この延出部34がノイズ遮蔽部材5をなしている。
【0024】
次に、本例の積層型冷却装置1の製造方法について説明する。積層型冷却装置1を製造するには、例えば図7に示すごとく、冷却チューブ3と、接続管35とを接続したものを予め用意する。この接続管35はアルミニウム等の柔軟な金属から構成されており、半導体モジュール2の幅よりも若干長くなっている。そして図8に示すごとく、冷却チューブ3の間に半導体モジュール2を挿入する。次いで、図8の矢印方向に冷却チューブ3を圧縮する。この圧縮力により接続管35が縮み、冷却チューブ3の冷却面31が半導体モジュール2に密着する。この後、図4に示すごとく、制御信号端子21に制御回路基板4を接続する。
【0025】
次に、本例の積層型冷却装置1の作用効果について説明する。
本例では図1、図4に示すごとく、半導体モジュール2と制御回路基板4との間に、ノイズ遮蔽部材5を設けた。このノイズ遮蔽部材5により、半導体モジュール2から発生した電磁ノイズを遮断でき、制御回路基板4に与える影響を低減することができる。そのため、ノイズ耐性に特に優れた制御回路基板4を用いなくても、誤動作が生じにくくなる。
【0026】
これにより、半導体モジュール2の動作制御を安定して行うことが可能となる。また、上述したように、近年、半導体モジュール2のスイッチング速度の高速化に伴って、電磁ノイズの発生量が多くなっているが、上記構造を採用すれば、ノイズ遮蔽部材5によって電磁ノイズを遮蔽できるため、電磁ノイズの発生量に関係なく、安定して半導体モジュール2の動作制御を行うことができる。また、制御回路基板4の回路設計をする際に、電磁ノイズの影響を特に考慮しなくてもよくなり、設計自由度が向上する。
【0027】
また、本例では図6に示すごとく、ノイズ遮蔽部材5が冷却チューブ3と一体になっているため、ノイズ遮蔽部材5を別部材として用意する必要がなく、部品数の増加を防止できる。すなわち、少ない部品数で積層型冷却装置1を組み立てることができ、また、組み立て作業も簡易なものとなる。
【0028】
また、本例では図6に示すごとく、冷却チューブ3を構成する管壁30の一部が、冷却チューブ3の冷却面31よりも半導体モジュール2側に延出しており、この管壁30の一部が、ノイズ遮蔽部材5をなしている。
このようにすると、冷却チューブ3を構成する管壁30の一部を、ノイズ遮蔽部材5として利用することができる。そのため、例えばノイズ遮蔽部材を、管壁30から分離可能な別部材とした場合と比較して、部品数を減らすことができ、また、冷却チューブ3の構造を簡単にすることができる。
【0029】
さらに、本例では図6に示すごとく、冷却チューブ3は2枚の管壁30a,30bを接続して構成されており、この2枚の管壁30a,30bは、各々本体部32と、接続部33と、延出部34とからなる。この延出部34が、ノイズ遮蔽部材5を構成している。
このようにすると、本体部32と、接続部33と、延出部34とを有する2枚の管壁30を接続するだけで、ノイズ遮蔽部材5と一体になった冷却チューブ3を製造することができる。そのため、例えば、ノイズ遮蔽部材を別部品として用意し、冷却チューブ3に溶接等する場合と比較して、製造工程を簡単にすることができる。
【0030】
以上のごとく、本発明によれば、半導体モジュール2から発生する電磁ノイズの影響を、制御回路基板4が受けにくい積層型冷却装置1を提供することができる。
【0031】
(実施例2)
本例は、ノイズ遮蔽部材5の形状を変更した例である。本例では図9、図10に示すごとく、半導体モジュール2を挟んで隣り合う2個の冷却チューブ3a,3bとそれぞれ一体化されたノイズ遮蔽部材5a,5bは、互いに接触している。そして図10に示すごとく、ノイズ遮蔽部材5に、制御信号端子21が挿通する窓部50が形成されている。半導体モジュール2の制御信号端子21は、この窓部50を通って制御回路基板4に接続される。
その他、実施例1と同様の構成を備える。
【0032】
次に、本例の作用効果について説明する。
隣り合う2個の冷却チューブ3のノイズ遮蔽部材5の間に隙間がある場合は、半導体モジュール2から発生した電磁ノイズがこの隙間を通るため、制御回路基板4に影響を与えることがある。しかし、上述したように、隣り合う2個の冷却チューブ3のノイズ遮蔽部材5が互いに接触する構成にすると、隙間が無くなるため、電磁ノイズを遮蔽しやすくなる。そのため、制御回路基板4に与える、電磁ノイズの影響をより少なくすることができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を備える。
【0033】
(実施例3)
本例は、ノイズ遮蔽部材5の形状を変更した例である。図11、図12に示すごとく、半導体モジュール2を挟んで隣り合う2個の冷却チューブ3a,3bとそれぞれ一体化されたノイズ遮蔽部材5a,5bは、互いに接触している。そして、ノイズ遮蔽部材5a,5bに複数個の窓部50を形成し、個々の制御信号端子21が個々の窓部50を通るように構成した。
このようにすると、窓部50の大きさが小さいため、半導体モジュール2から発生した電磁ノイズが窓部50を通りにくくなる。そのため、制御回路基板4に与える電磁ノイズの影響をさらに低減することができる。
その他、実施例1と同様の構成及び作用効果を備える。
【0034】
(実施例4)
本例は、ノイズ遮蔽部材5の形状を変更した例である。図13に示すごとく、本例の積層型冷却装置1は、冷却チューブ3の長手方向の一部分にのみノイズ遮蔽部材5を設けた。
このようにすると、少ない材料でノイズ遮蔽部材5および冷却チューブ3を製造できるので、製造コストを低減することが可能となる。
その他、実施例1と同様の構成および作用効果を備える。
【符号の説明】
【0035】
1 積層型冷却装置
2 半導体モジュール
20 半導体素子
21 制御信号端子
3 冷却チューブ
30 管壁
31 冷却面
4 制御回路基板
5 ノイズ遮蔽部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子及び制御信号端子を備えた半導体モジュールと、該半導体モジュールを冷却する冷却チューブとを交互に積層配置した積層型冷却装置であって、
上記半導体素子の動作制御をする制御回路基板が、上記半導体モジュールと上記冷却チューブとの積層体に対して積層方向と直交する方向に所定間隔をおいて隣接配置され、該制御回路基板は上記制御信号端子に接続されており、
上記半導体モジュールと上記制御回路基板との間に、該半導体モジュールから発生した電磁ノイズを遮蔽するためのノイズ遮蔽部材が設けられ、該ノイズ遮蔽部材が、上記冷却チューブと一体化していることを特徴とする積層型冷却装置。
【請求項2】
請求項1において、上記冷却チューブを構成する管壁の一部が、該冷却チューブの冷却面よりも上記半導体モジュール側に延出し、該管壁の一部が、上記ノイズ遮蔽部材をなしていることを特徴とする積層型冷却装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、上記半導体モジュールを挟んで隣り合う2個の上記冷却チューブとそれぞれ一体化された上記ノイズ遮蔽部材は、互いに接触しており、該ノイズ遮蔽部材に、上記制御信号端子が挿通する窓部が形成されていることを特徴とする積層型冷却装置。
【請求項4】
請求項2において、上記冷却チューブは、湾曲した2枚の管壁を接続してなり、個々の上記管壁は、冷媒が流れる流路を相手側の管壁との間に構成する本体部と、相手側の上記管壁と接続するための一対の接続部と、該一対の接続部のうち上記制御回路基板側の接続部から、隣接する上記半導体モジュールへ向かって延出する延出部とを有し、該延出部が上記ノイズ遮蔽部材をなしていることを特徴とする積層型冷却装置。
【請求項1】
半導体素子及び制御信号端子を備えた半導体モジュールと、該半導体モジュールを冷却する冷却チューブとを交互に積層配置した積層型冷却装置であって、
上記半導体素子の動作制御をする制御回路基板が、上記半導体モジュールと上記冷却チューブとの積層体に対して積層方向と直交する方向に所定間隔をおいて隣接配置され、該制御回路基板は上記制御信号端子に接続されており、
上記半導体モジュールと上記制御回路基板との間に、該半導体モジュールから発生した電磁ノイズを遮蔽するためのノイズ遮蔽部材が設けられ、該ノイズ遮蔽部材が、上記冷却チューブと一体化していることを特徴とする積層型冷却装置。
【請求項2】
請求項1において、上記冷却チューブを構成する管壁の一部が、該冷却チューブの冷却面よりも上記半導体モジュール側に延出し、該管壁の一部が、上記ノイズ遮蔽部材をなしていることを特徴とする積層型冷却装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、上記半導体モジュールを挟んで隣り合う2個の上記冷却チューブとそれぞれ一体化された上記ノイズ遮蔽部材は、互いに接触しており、該ノイズ遮蔽部材に、上記制御信号端子が挿通する窓部が形成されていることを特徴とする積層型冷却装置。
【請求項4】
請求項2において、上記冷却チューブは、湾曲した2枚の管壁を接続してなり、個々の上記管壁は、冷媒が流れる流路を相手側の管壁との間に構成する本体部と、相手側の上記管壁と接続するための一対の接続部と、該一対の接続部のうち上記制御回路基板側の接続部から、隣接する上記半導体モジュールへ向かって延出する延出部とを有し、該延出部が上記ノイズ遮蔽部材をなしていることを特徴とする積層型冷却装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−9462(P2011−9462A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−151377(P2009−151377)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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