説明

空気循環式冷暖房システム

【課題】空気流通層を通過する調温空気と熱交換されて床部に吸収される熱量に領域的な偏りが生じるのを抑制して、居室部の床部の表面の温度を略均一に保持した状態で足元部分の冷暖房を行うことのできる空気循環式冷暖房システムを提供する。
【解決手段】中間部分に空気流通層12が形成された二重床11と、空気流通層12に調温空気を送り込む調温空気供給装置13と、空気を排出する空気吹出し口14とを備え、床部(二重床)11の表面からの輻射熱によって居室部10の冷暖房を行う空気循環式冷暖房システムにおいて、二重床11は、床基盤15と均熱板17との間に空気流通層12を形成するようになっており、均熱板17の下面から下方に一体として突出して、複数の吸熱突板19が配設されており、これらの吸熱突板19の配設密度は、調温空気供給装置13に近接する領域よりも、調温空気供給装置13から離れた領域の方が大きくなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気循環式冷暖房システムに関し、特に、中間部分に空気流通層が形成されたニ重構造を有する床部、壁部、又は天井部と、調温空気供給装置と、空気吹出し口とを備え、空気流通層を通過する調温空気による床部、壁部、又は天井部の表面からの輻射熱によって居室部の冷暖房を行う空気循環式冷暖房システムに関する。
【背景技術】
【0002】
住宅建築物等の建物において、屋内の冷暖房を行う方法として、エアコン等によって低温又は高温に調温された調温空気を屋内に強制的に送風することにより、屋内の温度調整を行う空気の室内対流による冷暖房方法の他、屋内に面する床部、壁部又は天井部の表面温度を低温又は高温になるように調整し、こらの表面からの輻射熱によって屋内を冷暖房する輻射式の冷暖房方法が採用される場合がある。また、輻射式の冷暖房では、例えば床部の表面温度を低温又は高温に調温する方法として、水循環方式や空気循環方式による調温方法が知られている。
【0003】
これらのうち空気循環方式による調温方法は、例えば建物の床部を二重床として、二重床の中間部分に空気流通層を形成し、この空気流通層に調温空気供給装置から冷却又は加熱された調温空気を送り込むと共に、送り込んだ空気を吹出し口から排出させることにより屋内に循環させ、空気流通層を通過する調温空気との熱交換により冷却又は加熱された床部の表面からの輻射熱によって、屋内の冷暖房を行うものである(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、特許文献1の空気循環方式の調温方法では、二重床は、例えば中高層建築物において、各階層の例えばコンクリートスラブによる床版上に、各階層の全域に亘って連続して形成されるものである。このため、調温空気供給装置として大掛りな装置を必要とすることになると共に、各階層に複数の居室部が設けられている場合でも、これらの複数の居室部は、同じ条件で一律に冷暖房が行われることになる。これに対して、各階層に設けられた複数の居室部の用途に応じて、これらの居室部を異なる条件で冷暖房することができるようにした空気循環方式による床放射式空調システムも開発されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平10−169164号公報
【特許文献2】特開2000−310032号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、例えば戸建の住宅建築物等の低層の建物においては、屋内の一部の居室部のみに、床部、壁部又は天井部の表面からの輻射熱によって冷暖房を行う簡易な構造の空気循環式冷暖房システムを採用することが検討されている。このような簡易な構造の空気循環式冷暖房システムでは、例えば床基盤から支持脚部材を介して床下地材や床仕上材等の床材を支持することで二重床として、床基盤と床材との間に空気流通層を形成すると共に、例えばエアコンや温風ヒーター等の簡易な家庭用の調温空気供給装置から空気流通層に調温空気を送り込むことが考えられている。また、床材の下面には、例えば金属製のプレートからなる均熱板を配置して、空気流通層を通過する調温空気との熱交換がスムーズに行われるようにすると共に、熱交換された冷熱や温熱が、居室部の全体に亘って床部の表面から均一に放射されるようにする工夫がなされている。
【0006】
しかしながら、例えばエアコンや温風ヒーター等の簡易な家庭用の調温空気供給装置から調温空気を空気流通層に送り込む場合、調温空気が送り込まれる箇所が局所的になるため、例えば調温空気供給装置に近接する領域と、調温空気供給装置から離れた領域とでは、特に温度の立ち上がり時に、均熱板を介して熱交換されて床部、壁部又は天井部に吸収される冷熱や温熱の熱量に領域的な偏りが生じ、床部の表面に温度差が生じることになる。このような温度差を解消するには、特許文献2に記載の芯材や物質調製材からなる床材を用いて温度差が生じないように調整することも考えられるが、その構成が複雑且つ高価になる。
【0007】
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたものであり、簡易且つ安価な構成によって、空気流通層を通過する調温空気と熱交換されて床部、壁部又は天井部に吸収される熱量に領域的な偏りが生じるのを効果的に抑制して、居室部の床部、壁部又は天井部の表面の温度を略均一に保持した状態で、輻射熱による冷暖房を効率良く行うことのできる空気循環式冷暖房システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、中間部分に空気流通層が形成されたニ重構造を有する床部、壁部、又は天井部と、該二重構造の床部、壁部、又は天井部の空気流通層に調温空気を送り込む調温空気供給装置と、前記空気流通層を通過した空気を排出する空気吹出し口とを備え、前記空気流通層を通過する前記調温空気による床部、壁部、又は天井部の表面からの輻射熱によって居室部の冷暖房を行う空気循環式冷暖房システムにおいて、前記空気流通層の前記居室部側の面には均熱板が取り付けられていると共に、前記均熱板から一体として突出して、複数の吸熱突板が配設されており、該吸熱突板の配設密度は、前記調温空気供給装置に近接する領域よりも、前記調温空気供給装置から離れた領域の方が大きくなっている空気循環式冷暖房システムを提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0009】
また、本発明は、中間部分に空気流通層が形成された二重床と、該二重床の空気流通層に調温空気を送り込む調温空気供給装置と、前記空気流通層を通過した空気を排出する空気吹出し口とを備え、前記空気流通層を通過する前記調温空気による床部の表面からの輻射熱によって居室部の足元部分の冷暖房を行う空気循環式冷暖房システムにおいて、前記二重床は、床基盤から支持脚部材を介して均熱板を支持することにより、前記床基盤と前記均熱板との間に前記空気流通層を形成するようになっていると共に、前記均熱板の上面に床材が敷設されるようになっており、且つ、前記均熱板の下面から下方に一体として突出して、複数の吸熱突板が配設されており、該吸熱突板の配設密度は、前記調温空気供給装置に近接する領域よりも、前記調温空気供給装置から離れた領域の方が大きくなっている空気循環式冷暖房システムを提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0010】
ここで、上記記載における吸熱突板の配設密度とは、吸熱突板が突出する均熱板の単位面積当りの、吸熱突板の周囲の表面積の割合であり、この配設密度は、吸熱突板が例えば帯板形状を有している場合に、均熱板の単位面積中に設けられる吸熱突板の数や長さを増減することや、吸熱突板の突出幅を増減すること等によって、容易に調整することが可能である。
【0011】
そして、本発明の空気循環式冷暖房システムは、前記吸熱突板が、帯板形状を有していることが好ましい。
【0012】
また、本発明の空気循環式冷暖房システムは、前記吸熱突板が、前記調温空気供給装置から前記空気吹出し口に向う前記調温空気の流通方向に沿って配設されていることが好ましい。
【0013】
さらに、本発明の空気循環式冷暖房システムは、前記空気吹出し口が、窓際の床部に形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の空気循環式冷暖房システムによれば、簡易且つ安価な構成によって、空気流通層を通過する調温空気と熱交換されて床部、壁部又は天井部に吸収される熱量に領域的な偏りが生じるのを効果的に抑制して、居室部の床部、壁部又は天井部の表面の温度を略均一に保持した状態で、輻射熱による冷暖房を効率良く行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の好ましい一実施形態に係る空気循環式冷暖房システムは、図1及び図2に示すように、建物として例えば戸建の住宅建築物の屋内における、一部の居室部10の床部11をニ重床として、これの中間部分に空気流通層12を形成し、この空気流通層12に調温空気を送り込んで、床部(二重床)11の表面温度を低温又は高温になるように調整し、床部11の表面からの輻射熱によって居室部10を足元部分の冷暖房する空気循環による輻射式の冷暖房システムとして採用されたものである。また、本実施形態の空気循環式冷暖房システムは、例えばエアコンや温風ヒーター等の簡易な家庭用の調温空気供給装置13から空気流通層12に調温空気を送り込むようになっており、例えば調温空気供給装置13に近接する領域と、調温空気供給装置13から離れた領域とで、二重床による床部12の表面に温度差が生じないようにする機能を備えている。
【0016】
そして、本実施形態の空気循環式冷暖房システムは、中間部分に空気流通層12が形成された二重床(床部)11と、この二重床11の空気流通層12に調温空気を送り込む調温空気供給装置13と、空気流通層12を通過した空気を排出する空気吹出し口14とを備え、空気流通層12を通過する調温空気による床部(二重床)11の表面からの輻射熱によって屋内における居室部10の足元部分の冷暖房を行う冷暖房システムにおいて、二重床11は、床基盤15から支持脚部材16を介して均熱板17を支持することにより、床基盤15と均熱板17との間に空気流通層12を形成するようになっていると共に、均熱板17の上面に床材として床仕上材18が敷設されるようになっており、且つ、均熱板17の下面から下方に一体として突出して、複数の吸熱突板19が配設されており、これらの吸熱突板19の配設密度は、図5(a),(b)に示すように、調温空気供給装置13に近接する領域よりも、調温空気供給装置13から離れた領域の方が大きくなっている。
【0017】
本実施形態の空気循環式冷暖房システムでは、居室部10の床部11は、図1及び図2に示すように、中間部分に空気流通層12が形成された二重床11となっている。すなわち、本実施形態では、例えば床根太(図示せず)等によって支持された状態で敷設された合板等からなる床下地材を床基盤15として、これの上面に多数の支持脚部材16を配置すると共に、これらの支持脚部材16に支持させて、均熱板17を構成する多数の単位均熱板17aが縦横に並べて設置されることにより、床基盤15と均熱板17との間の中間部分に空気流通層12が形成された二重床11が設けられることになる。また、均熱板17の上面には、床仕上材18として、例えばフローリングが、接着剤等を介して均熱板17に一体接合されて敷設されるようになっている。
【0018】
ここで、本実施形態では、支持脚部材16は、例えば下部円盤20aの上面から雌ネジスリーブ20bを突設した下側支持金物20と、上部円盤21aの下面から雄ネジロッド21bを突設した上側支持金物21とからなり、雌ネジスリーブ20bに対する雄ネジロッド21bの螺合量を調整することにより、均熱板17を支持する高さを適宜調整することができるようになっている。支持脚部材16は、各単位均熱板17aの角部に4体配置され、4体の支持脚部材16によって各単位均熱板17aをバランス良く支持できるようになっている(図3(b)参照)。
【0019】
また、本実施形態では、均熱板17は、多数の単位均熱板17aを縦横に隙間無く並べて配置することによって構成される。各単位均熱板17aは、図3(a),(b)に示すように、例えば厚さ5〜10mm程度のアルミニウム製のプレート部材からなり、例えば縦横300〜500mm程度の矩形又は正方向の平面形状を有するように形成される。単位均熱板17aは、上述のように、角部に配置された4体の支持脚部材16によって各々支持されて、床基盤15との間に空気流通層12として例えば100〜300mm程度の間隔を保持した状態で、多数並べて設置されることにより、これらが一体となって、居室部10の床部11の全体を覆う均熱板17を形成することになる。
【0020】
さらに、本実施形態では、単位均熱板17aには、これの下面から下方に突出して、複数の吸熱突板19が各々設けられている。吸熱突板19は、例えば厚さ1〜5mm程度のアルミニウム製のプレート部材からなり、幅10〜50mm程度の帯板形状を有していると共に、均熱板17の下面から垂直方向に一体として突出して設けられている。
【0021】
さらにまた、本実施形態では、単位均熱板17aとして、例えば図4(a)〜(c)に示すように、下面から一体として突出する吸熱突板19の枚数が異なる複数種類の単位均熱板17aが用いられるようになっている。すなわち、複数種類の単位均熱板17aは、下面から同じ高さで突出する吸熱突板19の枚数が異なっていることにより、各単位均熱板17aにおける吸熱突板19の周囲の総表面積の割合が相異している。そして、吸熱突板19の配設密度は、例えば図4(a)の単位均熱板17aが小さく、例えば図4(b)の単位均熱板17a及び例えば図4(c)の単位均熱板17aでは、吸熱突板19の配設密度が順次大きくなっている。
【0022】
したがって、多数の単位均熱板17aを縦横に隙間無く並べて均熱板17を形成する際に、例えば調温空気供給装置13に近接する領域に、例えば図4(a)の吸熱突板19の配設密度の小さい単位均熱板17aを配置し、調温空気供給装置13から離れるに従って、吸熱突板19の配設密度がより大きな、図4(b)の単位均熱板17aや図4(c)の単位均熱板17aを配置することによって、均熱板17の下面から下方に一体として突出する多数の吸熱突板19の配設密度を、例えば図5(a),(b)に示すように、調温空気供給装置13に近接する領域よりも、調温空気供給装置13から離れた領域の方を大きくすることができるようになっている。また吸熱突板19は、空気流通層12における調温空気の流れを誘導する、風向板としても機能することができるようになっている。
【0023】
本実施形態では、二重床11の空気流通層12に調温空気を送り込む調温空気供給装置13として、エアコンや温風ヒーター等の簡易な家庭用の供給装置が用いられる。調温空気供給装置13は、例えば居室部10の窓22が設けられた一辺部と対向する一辺部の床上に設けられて、その送風口を二重床11の空気流通層12と連通させることにより、調温された冷風や温風を空気流通層12に送り込むことができようになっている。また、調温空気供給装置13は、押入れ等に隠した状態で設置したり、カバー体で覆い隠した状態で設置しておくことができ、これによって室内や壁面をスッキリとさせておくことが可能になる。さらに、調温空気供給装置13は、複数設けることもでき、また壁部等に設置した調温空気供給装置13からダクト等を介して、二重床11の所定の位置から調温された冷風や温風を空気流通層12に送り込むようにすることも可能である。
【0024】
また、本実施形態では、空気流通層12を通過した空気を排出する空気吹出し口14は、窓22が設けられた一辺部に沿って、例えばグレーチングによって覆われた状態で窓際の床部11に形成されている。空気吹出し口14が窓際の床部11に形成されていることにより、空気流通層12を通過して排出される空気が暖気である場合に、居室部10の窓際の窓面に結露が生じるのを効果的に回避することが可能になる。空気吹出し口14から空気流通層12を通過した空気が排出されることにより、この排出された空気による暖気や冷気を居室部10の内部に循環させて、居室部10の特に足元以外の部分を効率良く暖めたり冷やしたりして、全体が所望の室温に保たれた快適な室内空間の形成することが可能になる。
【0025】
そして、上述の構成を備える本実施形態の空気循環式冷暖房システムによれば、簡易且つ安価な構成によって、空気流通層12を通過する調温空気と熱交換されて床部11に吸収される熱量に領域的な偏りが生じるのを効果的に抑制して、居室部10の床部11の表面の温度を略均一に保持した状態で、輻射熱による足元部分の冷暖房を行うことが可能になる。
【0026】
すなわち、本実施形態によれば、床基盤15と均熱板17との間に空気流通層12が形成されており、且つ、均熱板17の下面から下方に一体として突出して、複数の吸熱突板19が配設されており、これらの吸熱突板19の配設密度は、調温空気供給装置13に近接する領域よりも、調温空気供給装置13から離れた領域の方が大きくなっているので、調温空気供給装置13から離れた部分で調温空気の冷熱や温熱が低下しても、調温空気供給装置13に近接する領域と、調温空気供給装置から離れた領域とで、吸熱突板19を介して熱交換されて床部11に吸収される冷熱や温熱の熱量に偏りが生じるのを効果的に回避することが可能になり、これによって、床部11の表面に温度差が生じないように全体の温度を略均一に保持した状態で、輻射熱による足元部分の冷暖房を快適に行うことが可能になる。
【0027】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、均熱板の下面から下方に一体として突出する吸熱突板は、帯板形状を有している必要は必ずしもなく、多数のリブ板形状や格子板形状等、相当の表面積を有するその他の種々の形状で突出していても良い。また、空気吹出し口を窓際の床部に形成する必要は必ずしもない。さらに、吸熱突板の配設密度を調温空気供給装置に近接する領域よりも調温空気供給装置から離れた領域の方を大きくする吸熱突板の配設形態は、図5(a)に示す形態である必要は必ずしもない。例えば、図5(b)に示すように、吸熱突板を、調温空気供給装置から空気吹出し口に向う調温空気の流通方向に沿って配設することにより、さらに効率良く風向板として機能させることが可能になると共に、空気流通層を通過する調温空気からの冷熱や温熱を、吸熱突板を介してよりスムーズに均熱板に吸収することが可能になる。
【0028】
また、本発明の空気循環式冷暖房システムは、居室部の床部に設ける必要は必ずしもない。例えば、ニ重構造を有する壁部又は天井部の中間部分の空気流通層における居室部側の面に均熱板を取り付けると共に、均熱板から一体として突出して、複数の吸熱突板を、これの配設密度を調温空気供給装置に近接する領域よりも調温空気供給装置から離れた領域の方が大きくなるように配設し、且つ壁部又は天井部の空気流通層に調温空気を送り込む調温空気供給装置を設けることによって、空気循環式冷暖房システムを居室部の壁部又は天井部に設けることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の好ましい一実施形態に係る空気循環式冷暖房システムの構成を説明する略示斜視図である。
【図2】中間部分に空気流通層が形成された二重床の構成を説明する、図1のA−Aに沿った断面図である。
【図3】(a)は、均熱板を構成する単位均熱板を斜め下方から視た斜視図、(b)は、単位均熱板を支持脚部材によって支持する状況を説明する斜め上方から視た斜視図である。
【図4】(a)〜(c)は、吸熱突板の配設密度が異なる複数種類の単位均熱板の構成を説明する底面図である。
【図5】(a),(b)は、均熱板の下面に複数の吸熱突板を、これの配設密度を調温空気供給装置に近接する領域よりも、調温空気供給装置から離れた領域の方が大きくなるように配設した状態を説明する略示透視平面図である。
【符号の説明】
【0030】
10 居室部
11 床部(ニ重床)
12 空気流通層
13 調温空気供給装置
14 空気吹出し口
15 床基盤
16 支持脚部材
17 均熱板
17a 単位均熱板
18 床仕上材
19 吸熱突板
22 窓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中間部分に空気流通層が形成されたニ重構造を有する床部、壁部、又は天井部と、該二重構造の床部、壁部、又は天井部の空気流通層に調温空気を送り込む調温空気供給装置と、前記空気流通層を通過した空気を排出する空気吹出し口とを備え、前記空気流通層を通過する前記調温空気による床部、壁部、又は天井部の表面からの輻射熱によって居室部の冷暖房を行う空気循環式冷暖房システムにおいて、
前記空気流通層の前記居室部側の面には均熱板が取り付けられていると共に、前記均熱板から一体として突出して、複数の吸熱突板が配設されており、該吸熱突板の配設密度は、前記調温空気供給装置に近接する領域よりも、前記調温空気供給装置から離れた領域の方が大きくなっている空気循環式冷暖房システム。
【請求項2】
中間部分に空気流通層が形成された二重床と、該二重床の空気流通層に調温空気を送り込む調温空気供給装置と、前記空気流通層を通過した空気を排出する空気吹出し口とを備え、前記空気流通層を通過する前記調温空気による床部の表面からの輻射熱によって居室部の足元部分の冷暖房を行う空気循環式冷暖房システムにおいて、
前記二重床は、床基盤から支持脚部材を介して均熱板を支持することにより、前記床基盤と前記均熱板との間に前記空気流通層を形成するようになっていると共に、前記均熱板の上面に床材が敷設されるようになっており、
且つ、前記均熱板の下面から下方に一体として突出して、複数の吸熱突板が配設されており、該吸熱突板の配設密度は、前記調温空気供給装置に近接する領域よりも、前記調温空気供給装置から離れた領域の方が大きくなっている空気循環式冷暖房システム。
【請求項3】
前記吸熱突板は、帯板形状を有している請求項1又は2に記載の空気循環式冷暖房システム。
【請求項4】
前記吸熱突板は、前記調温空気供給装置から前記空気吹出し口に向う前記調温空気の流通方向に沿って配設されている請求項1〜3のいずれかに記載の空気循環式冷暖房システム。
【請求項5】
前記空気吹出し口は、窓際の床部に形成されている請求項2〜4のいずれかに記載の空気循環式冷暖房システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−139124(P2010−139124A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−314149(P2008−314149)
【出願日】平成20年12月10日(2008.12.10)
【出願人】(000183428)住友林業株式会社 (540)
【Fターム(参考)】