説明

端末装置及びプログラム

【課題】装置本体を振る速度に合わせて複数の発光素子を時系列に駆動させることで残像効果を利用した情報表示を行う場合に、装置本体をどのように振ったとしても同じ情報を残像効果を利用して表示できるようにする。
【解決手段】制御部1は、発光部10を構成する複数の発光素子が斜め一列に配置されている状態で、加速度センサ12によって検出された振る速度に合わせて表示対象情報の発光パターンを切り出しながら複数の発光素子を時系列に駆動させる際に、加速度センサ12によって検出された振りの状態に応じてその切り出し駆動の仕方を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、装置本体の表面に直線的に配置された複数の発光素子を有し、この装置本体を振る速度に合わせて当該複数の発光素子を時系列に駆動させることで残像効果を利用した情報表示を行う端末装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、LED(light emitting diode)などの発光素子を筐体に直線的に配列し、装置本体を振る速度に合わせて発光素子を発光させることで残像効果を利用した情報表示を行う電子機器が知られている。例えば、装置本体を振ったときの残像効果を利用して絵又はテキストなどのメッセージを表示するようにした玩具が知られており(特許文献1参照)、また、多数の発光素子が棒状ケースに直線的に配列されている状態において、これを左右に振ることによって種々変化した2次元の残像イメージを得るようにした表示具が知られている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2005−230297号公報
【特許文献2】特開平05−341720号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した各先行技術にあっては、装置本体をどのような状態で把持し、どのような方向に振るかが固定されてしまうため、ユーザにあっては、どのように把持し、どの方向に振るかを常に意識しなければならず、それ以外の把持や振る方向では残像効果による表示を得ることはできなかった。
【0004】
この発明の課題は、装置本体を振る速度に合わせて複数の発光素子を時系列に駆動させることで残像効果を利用した情報表示を行う場合に、装置本体をどのように振ったとしても同じ情報を残像効果を利用して表示できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために請求項1記載の発明は、装置本体の表面に直線的に配置された複数の発光素子を有し、この装置本体を振る速度に合わせて当該複数の発光素子を時系列に駆動させることで残像効果を利用した情報表示を行う端末装置であって、前記複数の発光素子を斜め直線的に配置した発光表示手段と、装置本体が振られた際に、その振りの状態を検出する状態検出手段と、装置本体を振る速度に合わせて表示対象情報の発光パターンを順次切り出しながら前記複数の発光素子を時系列に駆動させる際に、前記状態検出手段によって検出された振りの状態に応じてその切り出し駆動の仕方を変更する表示制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0006】
請求項1に従属する発明として、前記状態検出手段は、装置本体の振り方向を検出し、前記表示制御手段は、前記状態検出手段によって検出された装置本体の振り方向に応じてその切り出し駆動の仕方を変更する、ようにしたことを特徴とする請求項2記載の発明であってもよい。
【0007】
請求項1に従属する発明として、前記状態検出手段は、装置本体の向きを検出し、前記表示制御手段は、前記状態検出手段によって検出された装置本体の向きに応じてその切り出し駆動の仕方を変更する、ようにしたことを特徴とする請求項3記載の発明であってもよい。
【0008】
請求項3に従属する発明として、方形状を成す装置本体の表面にその矩形の対角線上に沿って複数の発光素子を配置することで当該複数の発光素子が斜め直線的に配置されている状態において、前記状態検出手段は、装置本体の辺毎にその辺が鉛直方向を向く状態を装置本体の向きとして検出する、ようにしたことを特徴とする請求項4記載の発明であってもよい。
【0009】
請求項1に従属する発明として、前記状態検出手段は、装置本体の振り方向を検出すると共に、装置本体の向きを検出し、前記表示制御手段は、前記状態検出手段によって検出された装置本体の振り方向と向きに応じてその切り出し駆動の仕方を変更する、ようにしたことを特徴とする請求項5記載の発明であってもよい。
【0010】
また、上述した課題を解決するために請求項6記載の発明は、コンピュータに対して、装置本体の表面に一列に配置された複数の発光素子を装置本体の振る速度に合わせて時系列に駆動させることで残像効果を利用した情報表示を行う機能と、前記複数の発光素子が斜め一列に配置されている状態において、装置本体が振られた際に、その振りの状態を検出する機能と、装置本体を振る速度に合わせて表示対象情報の発光パターンを順次切り出しながら前記複数の発光素子を時系列に駆動させる際に、前記検出された振りの状態に応じてその切り出し駆動の仕方を変更する機能と、を実現させるためのプログラムを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、装置本体を振る速度に合わせて複数の発光素子を時系列に駆動させることで残像効果を利用した情報表示を行う場合に、装置本体をどのように振ったとしても同じ情報を残像効果を利用して表示することが可能となり、柔軟性に富み、使い勝手を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図1〜図9を参照して本発明の実施形態を説明する。
この実施形態は、端末装置として携帯電話機に適用した場合を例示したもので、図1は、この携帯電話機の基本的な構成要素を示したブロック図である。
この携帯電話機は、折り畳み自在な構成で、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能(Webアクセス機能)、音楽再生機能、テレビ機能など、各種の機能を備えている。制御部1は、二次電池を備えた電源部2からの電力供給によって動作し、記憶部3内の各種のプログラムに応じてこの携帯電話機の全体動作を制御するもので、この制御部1にはCPU(中央演算処理装置)やメモリなどが設けられている。
【0013】
記憶部3は、ROM、RAMなどの内部メモリで、プログラム領域とデータ領域とを有し、このプログラム領域には、後述する図4〜図6に示す動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムが格納されている。なお、記憶部3としては、例えば、SDカード、ICカードなど、着脱自在な可搬型メモリ(記録メディア)を含む構成であってもよい。表示部4は、液晶、有機ELなどを使用した高精細な表示装置で、数値、文字、待受画像、テレビ映像などを表示する。操作部5は、ダイヤル入力、文字入力、コマンド入力などを行うもので、制御部1は、操作部5からの操作信号に応じた処理として、例えば、発信処理など、各種の処理を実行する。
【0014】
通信部6は、無線部、ベースバンド部、多重分離部などを備え、例えば、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能の動作時に最寄りの基地局との間でデータの送受信を行うもので、通話機能の動作時にはベースバンド部の受信側から信号を取り込んで受信ベースバンド信号に復調したのち、電話部7を介して通話用スピーカSPから音声出力させ、また、通話用マイクMCからの入力音声データを電話部7から取り込み、送信ベースバンド信号に符号化したのち、ベースバンド部の送信側に与えてアンテナから発信出力させる。
【0015】
音楽再生部8は、音楽プレイヤーを構成するもので、ユーザ操作によって任意に選択された音楽コンテンツを読み出して、サウンドスピーカ(図示せず)から出力させる。テレビ放送受信部9は、地上波デジタルテレビ放送と共に、電子番組表(EPG)などの番組情報も含めて受信可能なもので、TVアンテナに接続されていて放送信号を抽出する受信部(アナログ回路部)と、受信した放送信号をOFDM(直交周波数分割多重)復調したり、多重化されている放送信号から映像、音声、データ(文字データ)に分離して復号化したりするデジタル回路部を有している。
【0016】
発光部10は、複数(例えば、13個)の発光素子(LED)を斜め方向へ直線的(斜め一列)に配置した構成となっている。制御部1は、装置本体を振る速度に合わせて当該複数の発光素子を時系列に順次駆動させることで残像効果を利用した情報表示を行わせるようにしている。なお、斜め一列に配置されている複数の発光素子は、それが右下がり方向に傾いている場合に、その傾きは鉛直方向に対して30度、又は60度となっている。この発光部10に表示される表示対象の情報は、例えば、時計部11によって計時された現在時刻である。なお、表示対象情報は、現在時刻に限らず、絵又はテキストなどのメッセージを表示するようにしてもよい。
【0017】
加速度センサ12は、3軸タイプの加速度センサによって構成されたもので、装置本体の向きを検出したり、装置本体を振ったときの振り方向を検出したり、装置本体を振ったときの加速度を検出したりする。制御部1は、加速度センサ12によって装置本体が振られたことが検出された際に、装置本体を振る速度に合わせて表示対象情報の発光パターンを斜め一列(発光部10を構成する複数の発光素子の配列方向)に合わせて順次切り出しながら複数の発光素子を時系列に順次点灯駆動させるが、その際、加速度センサ12によって検出された振りの状態に応じてその切り出し駆動の仕方を変更するようにしている。
【0018】
図2は、携帯電話機の外観図である。
携帯電話機は、装置本体を構成する操作部筐体Aと表示部筐体Bとがヒンジ部Cを介して開閉可能に取り付けられた折り畳み自在なもので、図2(a)は、操作部筐体Aと表示部筐体Bとを折り畳んだ状態のクローズスタイルを示し、図2(b)は、その折り畳みを開いた状態のオープンスタイルを示した図である。この表示部筐体Bの外面側には、発光部10を構成する複数の発光素子LED1〜LED13が斜め一列に配置されている。すなわち、方形状(縦長の長方形)を成す表示部筐体Bの表面に、その長方形の対角線上に沿って複数の発光素子LED1〜LED13を配置することで当該複数の発光素子LED1〜LED13が斜め一列に配置されている。また、図2(b)において、操作部筐体Aの内面側には、図1に示した操作部5が配置され、また、表示部筐体Bの内面側には、図1に示した表示部4が配置されている。
【0019】
図3は、加速度センサ12によって検出された装置本体を振る速度に合わせて複数の発光素子LED1〜LED13を時系列に駆動させた場合の表示例を示した図である。
すなわち、図中、斜め一列に配置された各発光素子LED1〜LED13が右下がりとなるように装置本体が向いている状態において、この装置本体を左方向から右方向に振った場合に、その残像効果によって現在時刻(例えば、16:57)が空間上でイメージ認識された様子を示したもので、制御部1は、装置本体を振る速度に合わせて、現在時刻(16:57)の発光パターンを順次切り出しながら各発光素子LED1〜LED13を時系列に駆動させるようにしている。なお、図示の例は、“16:57”の発光パターンの“1”の左下部から切り出したドットパターンにしたがって発光素子LED13を発光駆動させた場合を示している。
【0020】
次に、この実施形態における携帯電話機の動作概念を図4〜図6に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、このフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。すなわち、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用してこの実施形態特有の動作を実行することもできる。
【0021】
図4は、電源投入(オン)に伴って実行開始される携帯電話機の全体動作の概要を示したフローチャートである。
先ず、制御部1は、所定のメモリをクリアするなどの初期処理を行ったのち(ステップA1)、着信などの待ち受け状態となる(ステップA2)。そして、この待ち受け状態において、通信部6から電話の着信有無をチェックし(ステップA3)、電話着信を検出したときには、回線接続させるオフフック操作に応答して(ステップA4でYES)、通話可能状態とする通話処理を開始する(ステップA5)。その後、オンフック操作に応答して(ステップA6でYES)、回線切断処理の実行後(ステップA7)、待ち受け状態に戻る(ステップA2)。
【0022】
また、待ち受け状態において何らかの操作が行われたときには(ステップA8でYES)、操作に応じた処理として、例えば、発信処理、メール送信処理などを行い(ステップA9)、何の操作も行われていないときには(ステップA8でNO)、加速度センサ12からの検出結果に基づいて装置本体の向きが変化したかを調べ(ステップA10)、装置本体の向きが変化したときには、後述する向き判定処理に移る(ステップA11)。また、加速度センサ12からの検出結果に基づいて装置本体が振られたかを調べ(ステップA12)、装置本体が振られたときには、表示対象情報(現在時刻)を取得し(ステップA13)、この表示対象情報を発光部10から出力させる発光用のトッドパターン(発光パターン)に変換して表示バッファ(図示せずに)に展開したのち(ステップA14)、後述する発光制御処理に移る(ステップA15)。
【0023】
図5は、向き判定処理(図4のステップA11)を詳述するためのフローチャートであり、以下、図7を参照しながら向き判定処理を説明するものとする。
図7は、装置本体の向きを説明するための図で、複数の発光素子LED1〜LED13が斜め一列に配置されている状態において、加速度センサ12は、装置本体の辺毎にその辺が鉛直方向(重力方向)Gを向く方向を基準として、装置本体の向きをそれぞれ検出する。言い換えれば、3次元空間座標系において、その短辺方向がX軸方向に対応し、また、長辺方向がZ軸方向に対応し、また、厚さ方向がY軸方向に対応している場合に、制御部1は、加速度センサ12によって検出された重力方向GがプラスZ軸方向かマイナスZ軸方向か、又はプラスX軸方向かマイナスX軸方向かに応じて装置本体の向きをそれぞれ判定するようにしている。
【0024】
先ず、制御部1は、加速度センサ12からその検出結果を取得し(ステップB1)、その重力方向Gは3次元空間座標系のZ軸方向に近いかを調べ(ステップB2でYES)、Z軸方向に近ければ、そのZ軸方向に対して重力方向は3次元空間座標系のプラス方向かマイナス方向かを調べる(ステップB3)。いま、重力方向GがプラスZ軸方向であれば(ステップB3でYES)、図7(a)に示すような向き(縦長正向き)であると判定し(ステップB4)、マイナスZ軸方向であれば(ステップB3でNO)、図7(b)に示すような向き(縦長逆向き)であると判定する(ステップB5)。
【0025】
また、重力方向GがX軸方向に近ければ(ステップB2でNO)、そのX軸方向に対して重力方向Gがプラス方向かマイナス方向かを調べる(ステップB6)。いま、重力方向GがプラスX軸方向であれば(ステップB6でYES)、図7(c)に示すような向き(横長正向き)であると判定するが(ステップB7)、重力方向GがマイナスX軸方向であれば(ステップB6でNO)、図7(d)に示す向きような(横長逆向き)であると判定する(ステップB8)。
【0026】
図6は、発光制御処理(図4のステップA15)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、制御部1は、上述した向き判定結果を参照して(ステップC1)、“縦長正向き”か、“縦長逆向き”か、“横長正向き”か、“横長逆向き”を判定し、その結果、“縦長正向き”であれば、この“縦長正向き”に応じた発光制御処理に移る(ステップC2〜C10)。すなわち、装置本体はX軸方向に振られたかを調べ(ステップC2)、その振り方向がX軸方向であれば、X軸方向の加速度が予め設定されている閾値以上かを調べる(ステップC3)。
【0027】
ここで、X軸方向の加速度が閾値未満であれば(ステップC3でNO)、発光部10を駆動せずに、図6のフローの終了となるが、その加速度が閾値以上であれば(ステップC3でYES)、その加速度の方向はプラス方向であるかを調べる(ステップC4)。いま、加速度の方向がプラス方向であれば、次のステップC5に移り、表示対象情報の発光パターンの中から“縦長正向き”及び振り方向(X軸プラス方向)に応じて切り出したドットパターンをその加速度に応じた間隔で点灯駆動させる。
【0028】
図8は、“縦長正向き”及び振り方向(X軸プラス方向)に応じてドットパターンの切り出し方を例示した図である。なお、図8(a)において、図中、V字を矩形で囲った図形は、表示対象情報の発光パターンを示し、また、図中、右横方向への矢印は、装置本体の振り方向を示し、斜め方向への矢印は、斜め一列に配置された発光素子LED1〜LED13の配列方向(ドットパターンの切り出し方向)を示している。この場合、発光パターンの左下角部分から発光素子LED1〜LED13の配列方向(切り出し方向)に沿って1ドット列分のパターンを切り出すと共に、その切り出し方向をX軸プラス方向に移動しながら順次切り出す。
【0029】
図8(b)は、図8(a)に示した斜め方向の矢印(切り出し方向)に相当する位置で切り出された1列分のドットパターンを示し、図8(c)は、次にX軸プラス方向に移動した位置において、図8(a)に示した斜め方向の矢印(切り出し方向)に相当する位置で切り出された1列分のパターンを示している。なお、図8(b)、(c)において、黒く塗り潰したドットは、発光素子LED1〜LED13を点灯駆動した点灯ドットであることを示している。
図9(a)は、“縦長正向き”及び振り方向(X軸プラス方向)の場合の表示例を示した図で、V字を矩形で囲んだ図形が表示されるが、この図形の左下角部が最も早く(古く)表示され、右上角部が最も遅く(新しく)表示される。
【0030】
また、加速度が閾値以上の場合において(ステップC3でYES)、その加速度がマイナス方向であれば(ステップC4でNO)、切り出し駆動の仕方を変更して点灯駆動させる(ステップC6)。すなわち、表示対象情報の発光パターンの中から“縦長正向き”及び振り方向(X軸マイナス方向)に応じて切り出したドットパターンをその加速度に応じた間隔で点灯駆動させる。この場合、図8(a)の例においては、この発光パターンの右上角部分から発光素子LED1〜LED13の配列方向(切り出し方向)に沿って1ドット列分のパターンを切り出すと共に、その切り出し方向をX軸マイナス方向に移動しながら順次切り出す。
【0031】
他方、装置本体がZ軸方向に振られた場合には(ステップC2でNO)、上述の場合と基本的に同様な処理を行う。すなわち、その加速度が閾値未満であれば(ステップC7でNO)、図6のフローの終了となるが、閾値以上で(ステップC7でYES)、加速度がプラス方向であれば(ステップC8でYES)、表示対象情報の発光パターンの中から“縦長正向き”及び振り方向(Z軸プラス方向)に応じて切り出したドットパターンをその加速度に応じた間隔で点灯駆動させる(ステップC9)。
【0032】
この場合、図8(a)に示す表示対象情報の発光パターンのサイズを変更したのち、ドットパターンの切り出しを行う。すなわち、長方形の対角線上に沿って斜め一列に配置された発光素子LED1〜LED13において、その長方形の短辺の長さと発光パターンの横幅とが略一致するように、発光パターン全体のサイズを変更する。その後、発光パターンの右上角部分から発光素子LED1〜LED13の配列方向(切り出し方向)に沿って1ドット列分のパターンを切り出すと共に、その切り出し方向をZ軸プラス方向に移動しながら順次切り出す。
【0033】
また、加速度がマイナス方向であれば(ステップC8でNO)、表示対象情報の発光パターンの中から“縦長正向き”及び振り方向(Z軸マイナス方向)に応じて切り出したドットパターンをその加速度に応じた間隔で点灯駆動させる(ステップC10)。この場合、発光パターンの左下角部分から発光素子LED1〜LED13の配列方向(切り出し方向)に沿って1ドット列分のパターンを切り出すと共に、その切り出し方向をZ軸マイナス方向に移動しながら順次切り出す。
【0034】
一方、向き判定の結果が“縦長逆向き”であれば(ステップC1)、“縦長逆向き”に応じた発光制御処理を実行し(ステップC11)、“横長正向き”であれば(ステップC1)、“横長正向き”に応じた発光制御処理を実行する(ステップC12)。図9(b)は、“横長正向き”及び振り方向(X軸プラス方向)の場合の表示例を示した図で、この場合には、発光パターンの左上角部分から発光素子LED1〜LED13の配列方向(切り出し方向)に沿って1ドット列分のパターンを切り出すと共に、その切り出し方向をX軸プラス方向に移動しながら順次切り出す。
【0035】
また、図9(b)に示すように、V字を矩形で囲んだ図形の左上角部が最も早く(古く)表示され、右下角部が最も遅く(新しく)表示される。また、向き判定の結果が“横長逆向き”であれば(ステップC1)、“横長逆向き”に応じた発光制御処理を実行する(ステップC13)。なお、これらの発光制御処理(ステップC11〜C13)は、上述した“縦長正向き”に応じた発光制御処理(ステップC2〜C10)と基本的に同様であるため、その説明は省略するものとする。
【0036】
以上のように、この実施形態において制御部1は、複数の発光素子LED1〜LED13が斜め一列に配置されている状態において、加速度センサ12によって検出された振る速度に合わせて表示対象情報の発光パターンを順次切り出しながら複数の発光素子LED1〜LED13を時系列に駆動させる際に、加速度センサ12によって検出された振りの状態に応じてその切り出し駆動の仕方を変更するようにしたので、装置本体をどのように振ったとしても同じ情報を残像表示させることが可能となり、柔軟性に富み、使い勝手を向上させることができる。
【0037】
また、加速度センサ12によって検出された装置本体の振り方向に応じて発光パターンの切り出し駆動の仕方を変更するようにしたので、装置本体を振る方向を固定することなく、どのような方向に振っても対応することができる。
【0038】
また、加速度センサ12によって検出された装置本体の向きに応じて発光パターンの切り出し駆動の仕方を変更するようにしたので、装置本体の向きを固定することなく、どのような向きでも対応することができる。
【0039】
また、複数の発光素子LED1〜LED13が斜め一列に配置されている状態において、装置本体の辺毎にその辺が鉛直方向を向く状態を装置本体の向きとして、それぞれ検出するようにしたので、装置本体の各向きを正確かつ容易に検出することができる。
【0040】
また、加速度センサ12によって検出された装置本体の振り方向及び向きに応じて発光パターンの切り出し駆動の仕方を変更するようにしたので、装置本体を振る方向及び向きを固定することなく、どのような方向に振ってもどのような向きでも対応することができる。
【0041】
なお、上述した実施形態においては、矩形(長方形)の対角線上に沿って複数の発光素子LED1〜LED13を配置することで当該複数の発光素子LED1〜LED13が斜め一列に配置するようにしたが、矩形を正方形とすると、その対角線が45度となるため、発光素子の配列角度は45度となり、装置本体を縦長に向けても横長に向けても、残像表示は同じ大きさとなる。すなわち、矩形が長方形の場合には、その長方形の短辺の長さと発光パターンの横幅とが略一致するように、発光パターンのサイズを変更するようにしたが、矩形が正方形の場合には、発光パターンのサイズを変更する必要が無いために、装置本体を縦長に向けても横長に向けても、残像表示は同じ大きさとなる。
【0042】
また、上述した実施形態においては、複数の発光素子LED1〜LED13を斜め一列に配置するようにしたが、斜め2列に直線的に配置したり、斜め3列に直線的に配置したりするようにしてもよい。
また、発光素子の個数は14個以上であってよく、発光素子の個数を増やすことによってより精細な表示が可能となる。また、複数の発光素子の配列状態は、厳格な意味での直線に限らず、直線的であれば、やや弧状を帯びていてもよい。
【0043】
また、上述した実施形態においては、加速度センサ12によって装置本体の向きや振り方向を検出するようにしたが、その他の傾きセンサ、振動センサなどであってもよい。
その他、端末装置としては、携帯電話機に限らず、PDA、デジタルカメラ、音楽プレイヤー、表示玩具など、任意の端末装置であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】端末装置として適用した携帯電話機の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図2】携帯電話機の外観図。
【図3】加速度センサ12によって検出された装置本体を振る速度に合わせて複数の発光素子LED1〜LED13を時系列に駆動させた場合の表示例を示した図。
【図4】電源投入に伴って実行開始される携帯電話機の全体動作の概要を示したフローチャート。
【図5】向き判定処理(図4のステップA11)を詳述するためのフローチャート。
【図6】発光制御処理(図4のステップA15)を詳述するためのフローチャート。
【図7】装置本体の向きを説明するための図で、(a)は、縦長正向き、(b)は、縦長逆向き、(c)は、横長正向き、(d)は、横長逆向きを示した図。
【図8】(a)〜(c)は、縦長正向き及び振り方向(X軸プラス方向)に応じてドットパターンの切り出し方を例示した図。
【図9】(a)は、“縦長正向き”及び振り方向(X軸プラス方向)の場合の表示例を示した図、(b)は、横長正向き及び振り方向(X軸プラス方向)の場合の表示例を示した図。
【符号の説明】
【0045】
1 制御部
3 記憶部
10 発光部
11 時計部
12 加速度センサ
A 操作部筐体
B 表示部筐体
C ヒンジ部
LED1〜LED13 発光素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体の表面に直線的に配置された複数の発光素子を有し、この装置本体を振る速度に合わせて当該複数の発光素子を時系列に駆動させることで残像効果を利用した情報表示を行う端末装置であって、
前記複数の発光素子を斜め直線的に配置した発光表示手段と、
装置本体が振られた際に、その振りの状態を検出する状態検出手段と、
装置本体を振る速度に合わせて表示対象情報の発光パターンを順次切り出しながら前記複数の発光素子を時系列に駆動させる際に、前記状態検出手段によって検出された振りの状態に応じてその切り出し駆動の仕方を変更する表示制御手段と、
を具備したことを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記状態検出手段は、装置本体の振り方向を検出し、
前記表示制御手段は、前記状態検出手段によって検出された装置本体の振り方向に応じてその切り出し駆動の仕方を変更する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項3】
前記状態検出手段は、装置本体の向きを検出し、
前記表示制御手段は、前記状態検出手段によって検出された装置本体の向きに応じてその切り出し駆動の仕方を変更する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項4】
方形状を成す装置本体の表面にその矩形の対角線上に沿って複数の発光素子を配置することで当該複数の発光素子が斜め直線的に配置されている状態において、前記状態検出手段は、装置本体の辺毎にその辺が鉛直方向を向く状態を装置本体の向きとして検出する、
ようにしたことを特徴とする請求項3記載の端末装置。
【請求項5】
前記状態検出手段は、装置本体の振り方向を検出すると共に、装置本体の向きを検出し、
前記表示制御手段は、前記状態検出手段によって検出された装置本体の振り方向と向きに応じてその切り出し駆動の仕方を変更する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項6】
コンピュータに対して、
装置本体の表面に一列に配置された複数の発光素子を装置本体の振る速度に合わせて時系列に駆動させることで残像効果を利用した情報表示を行う機能と、
前記複数の発光素子が斜め一列に配置されている状態において、装置本体が振られた際に、その振りの状態を検出する機能と、
装置本体を振る速度に合わせて表示対象情報の発光パターンを順次切り出しながら前記複数の発光素子を時系列に駆動させる際に、前記検出された振りの状態に応じてその切り出し駆動の仕方を変更する機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−79618(P2010−79618A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−247428(P2008−247428)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】