説明

第四級アンモニウム基を有するエラストマー系シランおよびシロキサンを含むエマルジョンの調製方法。

エラストマー系のシランまたはシロキサン、好ましくは第四級アンモニウム基を有するエラストマー系のシランまたはシロキサンを含む水中油型(O/W)および油中水型(W/O)のエマルジョンならびにマイクロエマルジョンは、一般的に、エポキシド基またはハロヒドリン基を有する有機第四級アンモニウム化合物を、アミノ基を有するシランまたはシロキサンと反応させることによって製造される。該反応は、架橋剤および界面活性剤を含む水性極性相中で行われる。該エマルジョンおよびマイクロエマルジョンは、髪、肌または腋の下の処理に特に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒素原子、好ましくは第四級アンモニウム基を有するエラストマー系シランまたはシロキサンを油相として含む水中油型(O/W)のエマルジョンおよびマイクロエマルジョンならびに油中水型(W/O)エマルジョンおよびマイクロエマルジョンの製造方法を対象としている。特に、好ましいエラストマー系シランまたはシロキサンは、エポキシドまたはハロヒドリン基を有する有機第四級アンモニウム化合物を、アミノ基を有するシランまたはシロキサンと反応させることによって得られる。そして該反応は、水性極性相中、架橋剤および界面活性剤の存在下で行われる。
【背景技術】
【0002】
表題が「第四級アンモニウム官能性シランおよびシロキサンを含有するエマルジョンの製造方法(Method of Making Emulsions Containing Quaternary Ammonium Functional Silanes and Siloxanes)」である2002年11月27日に出願された同時係属中の米国特許出願第10/306,012号(’012号出願);表題が「シリコンベースの第四級アンモニウム官能性組成物およびそれらの製造方法(Silicon Based Quaternary Ammonium Functional Compositions and Methods for Making Them)」である2001年10月24日に出願された同時係属中の米国特許出願第10/001,760号(現在は2002年11月19日に発行されて米国特許第6,482,969号明細書(’969号特許)となっている);および表題が「シリコンベースの第四級アンモニウム官能性組成物およびそれらの用途(Silicon Based Quaternary Ammonium Functional Compositions and Their Applications)」である2001年10月24日に出願された同時係属中の米国特許出願第10/001,753号(’753号出願)は、全て本出願と同じ譲受人に譲渡され、且つこれらは参照することにより本明細書中に援用される。
【0003】
’012号出願、’969号特許および’753号出願に記載されるように、第四級アンモニウム官能性シランおよび第四級アンモニウム官能性シロキサンは、繊維産業およびパーソナルケア分野において様々な商業的用途を有する。それらは、抗菌剤として;フィラー、繊維、および表面の改質において;増粘剤として;ならびにコンディショニング剤としても使用可能である。
【0004】
これらの用途と使用の多くにおいて、エマルジョンまたはマイクロエマルジョンとして前記第四級アンモニウム官能性シランおよび第四級アンモニウム官能性シロキサンを供給する必要がしばしばある。エマルジョンが必要な場合、従来の知識は、該第四級アンモニウム官能性シランまたは第四級アンモニウム官能性シロキサンを界面活性剤および水と合わせ、該エマルジョンが形成されるまで混合するよう指示する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
第四級アンモニウム官能性シランおよびシロキサンのエンドユーザーにとって、エマルジョンおよびマイクロエマルジョンを調製することはしばしば不便であり、そのため該エマルジョンを調製するための新規でより単純な方法を提供することが有益であろう。
【0006】
’753号出願は、第四級アンモニウム官能性シランおよび第四級アンモニウム官能性シロキサンを含むエマルジョンの製造方法を記載しているが、該方法は、従来知識の適用、すなわち、該第四級アンモニウム官能性シランまたはシロキサンを界面活性剤および水と合わせ、該エマルジョンが形成されるまで混合することを必要とする。
【0007】
しかしながら、本出願による方法は、’753号出願で用いられる方法と著しく異なっており、第四級アンモニウム官能性シランまたはシロキサンを使用するというよりはむしろ、互いに反応して第四級アンモニウム官能性シランまたはシロキサンを形成するモノマーを出発物質として用いて、第四級アンモニウム官能性シランまたはシロキサンを実質的に合成する。さらに、本発明による該エマルジョン中に存在する第四級アンモニウム官能性シランまたはシロキサンは、’753号出願のエマルジョン中に形成される流体とは対照的なエラストマーである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、有機ケイ素化合物の組成物を油相として含む特定の水中油型(O/W)または油中水型(W/O)のエマルジョンおよびマイクロエマルジョンの製造方法に関する。特に、これらのエマルジョンおよびマイクロエマルジョンは、エラストマー系シランまたはシロキサン、好ましくは第四級アンモニウム基を分子中に有するものを油相として含む。第四級アンモニウム基を有する該エラストマー系シランまたはシロキサンは、(v)水性極性相に分散された(iii)架橋剤および(iv)界面活性剤の存在下で、(i)エポキシド基またはハロヒドリン基を分子中に有する有機第四級アンモニウム化合物を、(ii)アミノ基を分子中に有するシラン又はシロキサンと反応させることによって得られる。
【0009】
エポキシド基およびハロヒドリン基を有する好適な第四級アンモニウム化合物の典型はそれぞれ、グリシジルトリエチルアンモニウムクロライドおよび(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムクロライドである。水性極性相は、水または水と1,2ヘキサンジオールのような極性有機化合物との混合物であってよい。これらのエマルジョンおよびマイクロエマルジョンは、髪、皮膚およびヒトの身体の腋の下領域への処理剤として有用である。
【0010】
本発明のこれらの特徴および他の特徴は、詳細な説明の考察から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
<説明>
上述したように、本発明は、エラストマー系シランまたはシロキサン、好ましくは第四級アンモニウム基を分子中に有するエラストマー系シランまたはシロキサンを油相として含む水中油型(O/W)および油中水型(W/O)のエマルジョンならびにマイクロエマルジョンを対象としている。第四級アンモニウム基を有するエラストマー系シランまたはシロキサンは、(i)エポキシド基またはハロヒドリン基を分子中に有する有機第四級アンモニウム化合物を、(ii)アミノ基を分子中に有するシランまたはシロキサンと反応させることによって得られる。成分(i)および(ii)の該反応は、(v)水性極性相に分散された(iii)架橋剤および(iv)界面活性剤の存在下で行われる。他のあまり好ましくない方法によると、実施例2で説明されるように、窒素含有エラストマーは、(ii)から(v)までの成分だけを使用し、成分(i)を省略して得ることができる。
【0012】
<第四級アンモニウム基を含むシランおよびシロキサン>
これらの物質は、本質的に、成分(i)および(ii)を組み合わせることによって得られる反応生成物である。それらの組成物の構造に関する詳細な説明は、’753号および’760号出願に詳細に見出される。
【0013】
一般的に、これらの物質は、本明細書の目的のために、ケイ素に結合した−R−Z−Qのような基を含む少なくとも一つのユニットを分子中に有するシランまたはシロキサンであると説明でき、式中、
Rはエチレンのような二価の炭化水素基であり、
Zは−N(Q1)のような基であり、かつ
Qは−CH(R)CH(OH)YN(R)(R)(R)Xのような基であり、
ここで、
Q1はメチルのような一価の炭化水素基であり、
Yはエチレンのような二価の炭化水素基であり、
XはクロライドClのような対イオンであり、
かつR〜Rはメチルのような一価の炭化水素基である。
【0014】
それ故、特に好ましい−R−Z−Q基の少なくとも一つの典型的な例は、CHCH(OH)CH(CH(CH)Clである。
【0015】
<エポキシド基を有する有機第四級アンモニウム化合物>
このタイプの化合物の一般式の詳細な説明については、’753号および’760号出願を参照してもよい。本明細書の目的のためには、このタイプの有用な化合物の幾つかの具体例は、グリシジルトリメチルアンモニウムクロライドおよびグリシジルトリメチルアンモニウムブロミドであると言えば十分である。非末端エポキシドを使用してもよいが、記載された該化合物のような末端エポキシドが、一般的に好ましい。エポキシドの組み合わせ、ならびにエポキシドと以下に記載のハロヒドリンとの組み合わせを使用してもよい。
【0016】
<ハロヒドリン基を有する有機第四級アンモニウム化合物>
さらに、このタイプの化合物の一般式の詳細な説明については、’753号および’760号出願を参照してもよい。本明細書の目的のためには、以下のようにいえば十分であり、このタイプの有用な化合物の幾つかの具体例は、(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムクロライド ClCHCH(OH)CHN(CHCl、(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)ジメチルドデシルアンモニウムクロライド、(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)ジメチルオクタデシルアンモニウムクロライド、(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムブロミド、(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)ジメチルドデシルアンモニウムブロミド、および(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)ジメチルオクタデシルアンモニウムブロミドであると言えば十分である。
【0017】
非末端ハロヒドリンを使用してもよいが、記載された該化合物のような末端ハロヒドリンが、一般的に好ましい。ハロヒドリンの組み合わせ、ならびにハロヒドリンと上記エポキシドとの組み合わせを使用してもよい。
【0018】
<アミノ基を有するシランおよびシロキサン>
本明細書で使用されるアミノ基を含むシランは、一般的に、RSiRタイプ(式中、分子中のR基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルおよびイソブチルのような1〜6個の炭素原子を含むアルキル基、フェニルのようなアリル基からなることができ、または、該R基は、アミノエチル、アミノプロピル、アミノイソブチル、アミノエチルアミノプロピルおよびアミノエチルアミノイソブチルのようなアミノ基を含むことができ、但し該シラン中の少なくとも一つのR基がアミノ基であることを条件とする)の有機ケイ素モノマーを含む。
【0019】
本明細書での使用に好適なアミノ基を含むシランの幾つかの典型例には、アミノメチルトリメチルシラン、アミノトリメチルシラン、(ベンジルメチルアミノ)トリエチルシラン、ジエチルアミノメチルトリメチルシラン、ジエチルアミノトリメチルシラン、ジエチルアミノトリフェニルシラン、ジイソプロピルアミノトリメチルシラン、ジメチルアミノトリエチルシラン、ジメチルアミノトリメチルシラン、フェニルメチルビス(ジメチルアミノ)シラン、テトラキス(ジメチルアミノ)シラン、トリ−n−ヘキシルシリルアミン、トリメチルアミノシラン、トリフェニルアミノシラン、トリス(ジメチルアミノ)エチルシラン、トリス(ジメチルアミノ)メチルシランおよびトリス(ジメチルアミノ)フェニルシランが含まれる。
【0020】
アミノ基を有するシロキサンの幾つかの例には、1,000〜100,000の数平均分子量を有するシロキサンポリマーおよびコポリマー、特にポリジメチルシロキサンで末端されたアミノプロピル末端ポリジメチルシロキサンおよびトリメチルシリル末端ジメチルシロキサンコポリマーのような5,000〜50,000の数平均分子量を有するものが含まれる。該シロキサンは、シロキサン中に存在する第一級および第二級アミノ基のアミノ窒素に基づいて、シロキサン1グラム当たり、官能性アミノ平均で0.1〜2.0ミリグラム当量のアミノ官能性も含むべきである。該アミノ基は、アミノエチル基、アミノプロピル基、アミノイソブチル基、アミノエチルアミノプロピル基またはアミノエチルアミノイソブチル基としてシロキサン中に存在してもよい。本明細書で使用可能なアミノ基を含むこれらのシロキサンおよび類似のシロキサンの詳細については、最近発行された米国特許第6,475,974号明細書(2002年11月5日)を参照してもよい。
【0021】
<架橋剤>
本明細書で使用される架橋剤は、少なくとも2つのエポキシ基を含む有機エポキシド、すなわち、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル;1,2,3,4−ジエポキシブタン;1,2,4,5−ジエポキシペンタン;1,2,5,6−ジエポキシヘキサン;1,2,7,8−ジエポキシオクタン;1,3−ジビニルベンゼンジエポキシド;1,4−ジビニルベンゼンジエポキシド;4,4’−イソプロピリデンジフェノールジグリシジルエーテルおよびヒドロキノンジグリシジルエーテルのような組成物を含むジエポキシドである。
【0022】
アルカンポリオールの他のポリグリシジルエーテル、ポリ(アルキレングリコール)のポリグリシジルエーテル、ジエポキシアルカン、ジエポキシアラルカン(aralkans)、およびポリフェノールポリグリシジルエーテルは、またここで使われることができる。
【0023】
少なくとも2つのエポキシ基を含む有機エポキシドの特に好ましい2つを下記に示す。ここで、nはエポキシドの分子量を決定する正の整数である。
【0024】
【化1】

【0025】
【化2】

【0026】
少なくとも2つのエポキシ基を含む有機エポキシドの代わりに、少なくとも2つのエポキシ基を含むエポキシ官能性シリコーンを使うことが望ましい時、以下に示すような一般構造の好適なエポキシ官能性シリコーンを使用することができる。式中、xは1またはそれ以上の整数を表す。必要に応じて、シリコーンポリマー鎖に沿ってペンダントエポキシ基(pendant epoxy groups)を含むエポキシ官能性シリコーンも使用することができる。
【0027】
【化3】

【0028】
このようなエポキシ官能性シリコーンは、当該技術分野で周知であり、米国のミシガン州のミッドランドにあるダウコーニングコーポレイション(Dow Corning Corporation)のような供給元から市販されている。典型的に、このようなシリコーンは、1〜約200センチストーク(mm/s)の範囲の粘度と約300〜6,000の重量平均分子量とを有する。
【0029】
クロロヒドリンは、前記エポキシドの代わりに、または、エポキシドと共に使用されてもよい。当該技術分野で周知のように、クロロヒドリンは、クロロ基およびヒドロキシル基の両方を含む化合物である。場合によっては、クロロヒドリンは隣接した炭素原子に該クロロ基および該ヒドロキシ基を有する化合物、すなわち、
【0030】
【化4】

として定義されている。
【0031】
クロロヒドリンは、塩基の作用によってエポキシドに変換され得る。水酸化物イオンの存在下、アルコールのごく一部はアルコキシドとして存在し、隣接した炭素原子から該塩化物イオンを置換し、環状エーテルを生成する。
【0032】
さらに、該エラストマーの架橋密度および総分子量を制御するために、単一のエポキシ基を含む有機エポキシドおよびエポキシ官能性シリコーンが、任意の成分として含まれることもできる。
【0033】
必要に応じて、ヒドロキシアルキルアクリレートのような他のタイプの架橋剤を使用することもでき、幾つかの例としては、ヒドロキシエチルアクリレートおよびヒドロキシエチルメタクリレート、ならびにヘキサメチレンジイソシアネートのようなイソシアネートである。
【0034】
<界面活性剤>
界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤またはこのような界面活性剤の混合物を含む。しかしながら、最も好ましいものは、非イオン界面活性剤である。
【0035】
一般的に、該非イオン性界面活性剤は、非ケイ素原子含有非イオン性乳化剤であるべきである。最も好ましいものは、アルコールエトキシレートR−(OCHCHOHであり、特に脂肪族アルコールエトキシレートである。脂肪族アルコールエトキシレートは、典型的に、ラウリル基(C12)、セチル基(C16)、ステアリル基(C18)のような約8〜約20個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素残基Rに結合した特性基−(OCHCHOHを含む。「a」の値は1から約100の範囲であってよいが、その値は典型的に約12〜約40の範囲内である。
【0036】
好適な非イオン性界面活性剤の幾つかの例は、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(5)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(2)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(10)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(10)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(21)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(100)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(2)オレイルエーテルおよびポリオキシエチレン(10)オレイルエーテルである。これらの脂肪族アルコールエトキシレートおよび他の脂肪族アルコールエトキシレートは、ALFONIC(登録商標)、BRIJ、GENAPOL(登録商標)、NEODOL(登録商標)、SURFONIC(登録商標)、TERGITOL(登録商標)およびTRYCOLのような商標名および商品名で市販されている。エトキシル化アルキルフェノール、例えば、TRITON(登録商標)の商標名で販売されているエトキシル化オクチルフェノールも使用することができる。
【0037】
本発明において有用な陽イオン性界面活性剤には、R'R''R'''R''''N(式中、R'、R''、R'''およびR''''は、1〜30個の炭素原子を含有するアルキル基、または獣脂、ココナッツオイルもしくは大豆に由来するアルキル基であり、かつXはハロゲン、すなわち、塩素または臭素である)によって表される第四級アンモニウム塩のような、正に荷電した第四級アンモニウム親水性部分を分子中に含有する化合物が含まれる。最も好ましいものは、R'R''N(CH(式中、R'およびR''は、12〜30個の炭素原子を含むアルキル基、または獣脂、ココナッツオイルもしくは大豆に由来するアルキル基であり、かつXはハロゲンである)によって表されるジアルキルジメチルアンモニウム塩である。モノアルキルトリメチルアンモニウム塩も使用することができ、これらはR'N(CH(式中、R'は、12〜30個の炭素原子を含むアルキル基、または獣脂、ココナッツオイルもしくは大豆に由来するアルキル基であり、かつXはハロゲンである)によって表される。
【0038】
幾つかの代表的な第四級アンモニウム塩は、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド(DTAB)、ジドデシルジメチルアンモニウムブロミド、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムブロミド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジエイコシルジメチルアンモニウムクロライド、ジドコシルジメチルアンモニウムクロライド、ジココナッツジメチルアンモニウムクロライド、ジタロウジメチルアンモニウムクロライドおよびジタロウジメチルアンモニウムブロミドである。これらの第四級アンモニウム塩および他の第四級アンモニウム塩は、ADOGEN、ARQUAD、TOMAHおよびVARIQUATのような商品名で市販されている。
【0039】
使用することのできる陰イオン性界面活性剤の種々のタイプの中には、スルホン酸およびそれらの塩誘導体;アルカリ金属スルホスクシネート;ココナッツオイル酸のスルホン酸化モノグリセリドのような脂肪酸のスルホン化グリセリルエステル;ナトリウムオレイルイソチオネートのようなスルホン化一価アルコールエステルの塩;オレイルメチルタウライド(tauride)のナトリウム塩のようなアミノスルホン酸アミド、パルミトニトリルスルホネートのような脂肪酸ニトリルのスルホン化生成物;ナトリウム アルファ−ナフタレンモノスルホネートのようなスルホン化芳香族炭化水素;ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合生成物;ナトリウム オクタハイドロアントラセンスルホネート;ナトリウム ラウリル(ドデシル)スルホネート(SDS)のようなアルカリ金属アルキルスルフェート;8個またはそれ以上の炭素原子のアルキル基を有するエーテルスルフェート;および8個またはそれ以上の炭素原子のアルキル基を1またはそれ以上有するアルキルアリールスルホネートがある。
【0040】
本発明において有用な市販されている陰イオン性界面活性剤の幾つかの例には、イリノイ州ノースフィールドのステパンカンパニー(Stepan Company)によって商品名BIO−SOFT N−300で販売されているトリエタノールアミン直鎖アルキルスルホネート;ステパンカンパニー(the Stepan Company)によって商品名POLYSTEPで販売されているスルフェート;およびミシガン州ミッドランドのダウケミカルカンパニー(Dow Chemical Company)によって商品名DOWFAX8390で販売されているナトリウム n−ヘキサデシルジフェニルオキシドジスルホネートが含まれる。
【0041】
使用することのできる両性界面活性剤は、一般的に、アルキルベタイン、アルキルアミドベタインおよびアミンオキシドのような界面活性剤組成物を含み、これらの具体例は当該技術分野において周知である。
【0042】
<水性極性相>
本方法で使用される水性極性相は、最も好ましくは、水のみからなる水性相または水と極性溶媒とを含む水性相である。
【0043】
本明細書で特に好ましい極性溶媒は、「美容上受容される非水性極性溶媒」と定められる化合物であり、これらは、エチルアルコールおよびイソプロピルアルコールのようなモノヒドロキシアルコール;プロピレングリコール、1,2−ヘキサンジオール CH(CHCH(OH)CHOH、2−メチル−1,3プロパンジオール HOCHCH(CH)CHOHおよびグリセロールのようなジオールおよびトリオール;グリセリルトリアセテート(トリアセチン)、グリセリルトリプロピオネート(トリプロピオニン)およびグリセリルトリブチレート(トリブチリン)のようなグリセロールエステル;ならびにポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール(中でもPPG−14ブチルエーテル C[OCH(CH)CH14OH)のようなポリグリコールである。パーソナルケア以外の用途において、これらの非水性極性溶媒および他の非水性極性溶媒を使用することができる。
【0044】
それ故、前記エマルジョンまたはマイクロエマルジョンの前記水性極性相は、水または水と好ましくは極性有機化合物である極性溶媒との混合物から成り得る。一般的に、この成分は、好適な組成物の処方において使用される他の成分の量を考慮後、この組成物の100パーセントまでの残部を与える量で組成物中に存在する。しかしながら、典型的に、この成分は、O/WまたはW/Oのエマルジョンまたはマイクロエマルジョン組成物の総重量に基づいて、0.1〜99.8重量パーセント、好ましくは10〜95重量パーセント含まれる。該組成物の単一相成分を形成するのに液体混合物を使用することができるが、液体は混和性でかつ本質的に均一な混合物を形成可能であるべきである。
【0045】
<任意成分>
エマルジョンおよびマイクロエマルジョンは、微生物学的汚染の影響を受けやすいので、前記組成物の任意の成分として保存料を要してもよく、使用することのできる幾つかの代表的化合物には、ホルムアルデヒド、サリチル酸、フェノキシエタノール、DMDMヒダントイン(1,3−ジメチロール−5,5−ジメチルヒダントイン)、5−ブロモ−5−ニトロー1,3−ジオキサン、メチルパラベン、プロピルパラベン、ソルビン酸、ニュージャージー州チャタムのサットンラボラトリー(Sutton Laboratories)によってGERMALL(登録商標)IIの名称で販売されているイミダゾリジニル尿素、安息香酸ナトリウム、ペンシルバニア州フィラデルフィアのローム&ハースカンパニー(Rohm&Haas Company)によってKATHON CGの名称で販売されている5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、およびニュージャージー州フェアローンのロンザインコーポレイティド(Lonza Incorporated)によってGLYCACIL(登録商標)の名称で販売されているヨードプロピニルブチルカルバメートが含まれる。
【0046】
凍結/融解安定剤を、組成物の他の任意成分として含むことができ、これらには、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、トリメチレングリコールおよびポリオキシエチレンエーテルアルコール、例えば、デラウエア州ウィルミントンのICIサーファクタント(ICI Surfactants)によって販売されているRENEX 30のような化合物が含まれる。
【0047】
組成物に含まれ得る他の任意成分は、アルカノールアミン、ジチオリン酸亜鉛のような無機リン酸塩、無機ホスホン酸塩、亜硝酸ナトリウムのような無機亜硝酸塩、ケイ酸塩、シリコネート(siliconate)、アルキルリン酸アミン、ドデセニル無水コハク酸のような無水コハク酸、コハク酸アミンまたはスルホン酸ナトリウムもしくはスルホン酸カルシウムのようなアルカリ土類スルホン酸のような腐食防止剤である。
【0048】
使用することのできる追加の任意成分は、低分子量の直鎖もしくは環状の揮発性メチルシロキサンのような低分子量ポリシロキサン、または低分子量の直鎖および環状の揮発性および非揮発性のアルキルシロキサンおよびアリールシロキサンである。最も好ましいものは、低分子量の直鎖および環状の揮発性メチルシロキサンである。これらの組成物は当該技術分野で周知であり、好適な組成物の多数の具体例として、米国特許第6,238,657号明細書(2001年5月29日)を参照してもよい。
【0049】
<代替成分>
本発明によるO/WもしくはW/Oのエマルジョンまたはマイクロエマルジョン組成物が、パーソナルケア市場を意図した特定の製品中に用いられる場合、該組成物は一つまたはそれ以上の代替成分、例えば:
(A)陽イオンポリマー、タンパク質、自然油、窒素原子を含むエラストマー系シランおよびシロキサン、ワックス以外の炭化水素ならびにこれらの混合物のようなコンディショニング剤;
(B)ベタイン、モノアルキルアルカノールアミド、ジアルキルアルカノールアミド、アミンオキシド、アミングリシン酸塩、アミンプロピオン酸塩、アミンスルタイン(sultaines)およびこれらの混合物のような共界面活性剤;
(C)グリセリンおよびソルビトールのような多価アルコール
を含んで処方されてもよい。
【0050】
代替成分(A)を含む製品は、特にコンディショナーとして有用であり、(A)および(B)を含む製品は、特にシャンプーとして有用であり、そして(C)を含む製品は、特に保湿剤として有用である。
【0051】
<調製>
本発明によるエマルジョンおよびマイクロエマルジョンの調製において使用される種々の成分それぞれの量は、該組成物の総重量に基づき、下記の通りである:
(i)エポキシド基またはハロヒドリン基を分子中に有する0.01〜90重量パーセントの有機第四級アンモニウム化合物;
(ii)アミノ基を分子中に有する0.01〜90重量パーセントのシランまたはシロキサン;
(iii)0.01〜90重量パーセントの架橋剤;
(iv)0.01〜90重量パーセント、好ましくは2〜40の重量パーセント、より好ましくは5〜20重量パーセントの界面活性剤、および
(v)100重量パーセントの残部の水性極性相。
エマルジョンおよびマイクロエマルジョンは、成分(i)、すなわち、エポキシド基またはハロヒドリン基を分子中に有する第四級アンモニウム化合物を除いても調製をすることができる。
【0052】
任意成分が含まれる場合、一般的に、各任意成分、すなわち、保存料、凍結/融解安定剤または腐食防止剤は、0.01〜0.1重量パーセント量で存在する。
【0053】
前記反応は、全ての成分を一緒に単に混合することによって起こり、そしてこれは反応を得るため、すなわち、該状況下で「反応」工程を行うための最小の要件である。しかしながら、一般的には、全ての反応物質を一緒に混合し、それらを加熱することが好ましい。触媒は一般的に不要であるが、状況によっては、適切な触媒を使用してもよい。この点について、一般的に、第三級アミンはエポキシドに容易に付加しないことが判明している。これは、該反応混合物が酸性化されており、特に化学量論的割合となっているか、または第三級アミンがその酸性塩に変換されるために酸で前処理されていれば改善可能である。
【0054】
前記エマルジョンおよびマイクロエマルジョンは、単純なプロペラミキサー、タービンタイプミキサー、ブルックフィールドカウンター回転ミキサーまたはホモジナイジングミキサーを使用することで調製できる。特別な装置または処理条件は一般的に不要である。
【実施例】
【0055】
以下の実施例は、本発明をより詳細に説明するために与えられる。
【0056】
<実施例1>
約300の重合度(DP)を有しかつ約2モルパーセントのアミノエチルアミノイソブチルメチルシロキサン基を含む200グラムのトリメチルシロキシ末端アミノ官能性シロキサンを反応器に入れた。30グラムのTergitol TMN−6および30グラムのTergitol TMN−10非イオン性界面活性剤を加え、機械攪拌器で10〜15分間混合した。次に、40グラムの水および0.95グラムの氷酢酸を該溶液に加えた後、30分間混合した。混合後、該溶液を75±5℃まで加熱し、13.6グラムのグリシジルトリメチルアンモニウムクロライドを加えた。次いで、この混合物を2時間、75±5℃で攪拌した。その後、320グラムの水を該溶液にすばやく加え、1時間、高速混合した。114グラムの水をさらに加え、30分間混合した。この際、約5DPを有しかつメチル(プロピル−3−グリシドキシ)シロキサン基を3つ含む15.8グラムのトリメチルシロキシ末端シロキサンを加え、アミノ官能性シロキサンを架橋させた。この溶液を攪拌しながら75±5℃で2時間保持した。その後、エマルジョンを室温まで冷却させた。最終生成物は、エラストマー系第四級アンモニウム官能性シロキサンを含む、はっきりとした青色の透明なエマルジョンであった。
【0057】
<実施例2>
約300のDPを有しかつ約2モルパーセントのアミノエチルアミノイソブチルメチルシロキサン基を含む200グラムのトリメチルシロキシ末端アミノ官能性シロキサンを反応器に入れた。30グラムのTergitol TMN−6および30グラムのTergitol TMN−10非イオン性界面活性剤を加え、機械攪拌器で10〜15分間混合した。次に、40グラムの水および0.37グラムの氷酢酸を該溶液に加えた後、該溶液を30分間混合した。その後、320グラムの水を該溶液にすばやく加え、1時間、高速混合した。114グラムの水をさらに加え、30分間混合した。この際、約5のDPを有しかつメチル(プロピル−3−グリシドキシ)シロキサン基を3つ有する14.6グラムのトリメチルシロキシ末端シロキサンを加え、アミノ官能性シロキサンを架橋させた。この溶液を攪拌しながら75±5℃で2時間保持した。その後、エマルジョンを室温まで冷却させた。最終生成物は、エラストマー系アミン官能性シロキサンを含む、はっきりとした青色の透明なエマルジョンであった。
【0058】
実施例2は、必要であれば、窒素原子を有するエラストマー系シランまたはシロキサンを、エマルジョンまたはマイクロエマルジョンの油相として含む水中油型(O/W)および油中水型(W/O)のエマルジョンならびにマイクロエマルジョンを製造するために使用可能な他の方法を説明する。該方法は、以下:
(i)アミノ基を分子中に有するシランまたはシロキサンおよび界面活性剤のみを含む第1混合物を調製すること;
(ii)前記第1混合物に水性極性相の第1部分を加えることによって第2混合物を調製すること;
(iii)前記第2混合物に前記水性極性相の残部を加えることによって第3混合物を調製すること;
(iv)前記第3混合物に架橋剤を加えることによって第4混合物を調製すること;および
(v)前記第4混合物を加熱すること
の順次工程を本質的に伴う。
【0059】
<実施例3>
80グラムの実施例1のエマルジョン、すなわち、グリシジルトリメチルアンモニウムクロライドと部分的に反応させたアミノ官能性シロキサンの水性エマルジョンを、プラスチックカップ中で計量した。0.26グラムの2−ヒドロキシエチルアクリレートを、該エマルジョンに滴状で加え、該カップを閉じ、ハウシールドスピードミキサー(Haushild Speedmixer)モデルTM DAC−150実験用混合装置内に収容した。該カップの内容物を20秒の2つのサイクルのそれぞれで混合した。該カップをミキサーから取り出し、4時間そのままの状態にし、その後、3グラムの該エマルジョンを50mmのプラスチックシャーレに注いだ。該シャーレ内のエマルジョンを実験室環境条件で16時間蒸発させた。トルエンに不溶のエラストマー系フィルムが生じた。
【0060】
<実施例4>
80グラムの実施例1のエマルジョン、すなわち、グリシジルトリメチルアンモニウムクロライドと部分的に反応させたアミノ官能性シロキサンの水性エマルジョンを、プラスチックカップ中で計量した。0.18グラムのヘキサメチレンジイソシアネートを、該エマルジョンに滴状で加えた。該カップを閉じ、ハウシールドスピードミキサー(Haushild Speedmixer)モデルTM DAC−150実験用混合装置内に収容した。該カップの内容物を20秒の2つのサイクルのそれぞれで混合した。該カップをミキサーから取り出し、1時間そのままの状態にし、その後、3グラムの該エマルジョンを50mmのプラスチックシャーレに注いだ。該シャーレ内のエマルジョンを実験室環境条件で16時間蒸発させた。トルエンに不溶のエラストマー系フィルムが生じた。
【0061】
<実施例5>
約300のDPを有しかつ約2モルパーセントのアミノエチルアミノイソブチルメチルシロキサン基を含む200グラムのトリメチルシロキシ末端アミノシロキサンを反応器に入れた。30gのTergitol TMN−6および30gのTergitol TMN−10非イオン性界面活性剤を加え、機械攪拌器で10〜15分間混合した。次に、40グラムの水および0.37グラムの氷酢酸を該溶液に加え、該溶液を30分間混合した。次に、320グラムの水を該溶液にすばやく加え、該溶液を1時間、高速混合した。114グラムの水をさらに加え、該溶液を30分間混合した。30グラムのエマルジョンをプラスチックカップ中で計量した後、0.20グラムの2−ヒドロキシエチルアクリレートを添加した。該カップを閉じ、ハウシールドスピードミキサー(Haushild Speedmixer)モデルTM DAC−150実験用混合装置内に収容した。該カップの内容物を20秒の2つのサイクルのそれぞれで混合した。該カップをミキサーから取り出し、1時間そのままの状態にし、その後、3グラムの該エマルジョンを50mmのプラスチックシャーレに注いだ。該シャーレ内のエマルジョンを実験室環境条件で16時間蒸発させた。トルエンに不溶のエラストマー系フィルムが生じた。
【0062】
<実施例6>
30グラムの実施例5で調製されたアミノ官能性エマルジョンを、プラスチックカップ中で計量した後、0.34グラムのヘキサメチレンジイソシアネートを添加した。該カップを閉じ、ハウシールドスピードミキサー(Haushild Speedmixer)モデルTM DAC−150実験用混合装置内に収容した。該カップの内容物を20秒の2つのサイクルのそれぞれで混合した。該カップをミキサーから取り出し、1時間そのままの状態にし、その後、3グラムの該エマルジョンを50mmのプラスチックシャーレに注いだ。該シャーレ内のエマルジョンを実験室環境状条件で16時間蒸発させた。トルエンに不溶のエラストマー系フィルムが生じた。
【0063】
本明細書で調製された前記エマルジョンおよびマイクロエマルジョンは、パーソナルケア、例えば、制汗剤およびデオドラントのような組成物を調製する際に有用である。これらは、スキンクリーム、スキンケアローション、保湿剤、にきびまたはしわ除去剤のようなフェイシャルトリートメント、パーソナルおよびフェイシャルクレンザー、バスオイル、香水、コロン、におい袋、日焼け止め剤、プレシェーブおよびアフターシェーブローション、髭剃り用石鹸、ならびに髭剃り用石鹸泡に使用可能である。これらは、ヘアシャンプー、ヘアコンディショナー、ヘアカラー剤、ヘアリラクサー(hair relaxers)、ヘアスプレー、ムース、パーマネント剤、脱毛剤、およびキューティクルコートに使用可能である。化粧品では、該組成物は、メイクアップ、カラーコスメティック、ファンデーション、頬紅、口紅、アイライナー、マスカラ、オイルリムーバー、カラーコスメティックリムーバー、およびパウダーに添加可能である。このような用途では、該組成物は、油溶性、極性溶媒可溶性および水溶性の成分、例えば、ビタミンを含んでいてもよい。
【0064】
該エマルジョンおよびマイクロエマルジョンは、医薬品、殺生剤および他の生物学的活性物質のキャリアとしても機能することができ、このような組成物は、ウェットワイプ、ティッシュおよびタオルのようなウェットクレンジングワイプに使用される一般的に個人の衛生用および家庭清掃目的用に販売されている、セルロース系または合成不織布キャリア基材のための添加剤としての用途を有する。
【0065】
本明細書中に記載される化合物、組成物および方法には、本発明の本質的な特徴から逸脱せずに他の変形がなされてもよい。本明細書に具体的に説明された本発明の実施形態は、単なる例示であり、添付の特許請求の範囲に定義されたこと以外の範囲に限定することを意図するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エマルジョンまたはマイクロエマルジョンの油相として、第四級アンモニウム基を分子中に有するエラストマー系シランまたはシロキサンを含む水中油型(O/W)および油中水型(W/O)のエマルジョンならびにマイクロエマルジョンの製造方法であって、(v)水性極性相に分散された(iii)架橋剤および(iv)界面活性剤の存在下で、(i)エポキシド基またはハロヒドリン基を分子中に有する有機第四級アンモニウム化合物を、(ii)アミノ基を分子中に有するシランまたはシロキサンと反応させることを含む、製造方法。
【請求項2】
エポキシド基を有する前記有機第四級アンモニウム化合物が、グリシジルトリメチルアンモニウムクロライドまたはグリシジルトリメチルアンモニウムブロミドである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ハロヒドリン基を有する前記有機第四級アンモニウム化合物が、(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムクロライド、(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)ジメチルドデシルアンモニウムクロライド、(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)ジメチルオクタデシルアンモニウムクロライド、(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムブロミド、(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)ジメチルドデシルアンモニウムブロミド、および(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)ジメチルオクタデシルアンモニウムブロミドからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記水性極性相が水からなる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記水性極性相が水および極性有機化合物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記極性有機化合物が、モノヒドロキシアルコール類、ジオール類、トリオール類、グリセロールエステル類、およびポリグリコール類からなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記架橋剤が、少なくとも2つのエポキシ基を含む有機エポキシド類、少なくとも2つのエポキシ基を含むエポキシ官能性シリコーン類、クロロヒドリン類、ヒドロキシアルキルアクリレート類、およびイソシアネート類からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法によって調製されるエマルジョン又はマイクロエマルジョン。
【請求項9】
請求項1に記載の方法によって調製される、第四級アンモニウム基を分子中に有するエラストマー系シランまたはシロキサン。
【請求項10】
エマルジョンまたはマイクロエマルジョンの油相として、窒素原子を有するエラストマー系シランまたはシロキサンを含む水中油型(O/W)および油中水型(W/O)のエマルジョンならびにマイクロエマルジョンの製造方法であって、
(i)アミノ基を分子中に有するシランまたはシロキサンおよび界面活性剤のみを含む第1混合物を調製すること、
(ii)前記第1混合物に水性極性相の第1部分を加えることによって第2混合物を調製すること、
(iii)前記第2混合物に前記水性極性相の残部を加えることによって第3混合物を調製すること、
(iv)前記第3混合物に架橋剤を加えることによって第4混合物を調製すること、および
(v)第4混合物を加熱すること
の順次工程を含む、製造方法。
【請求項11】
前記水性極性相が水からなる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記水性極性相が水および極性有機化合物を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記極性有機化合物が、モノヒドロキシアルコール類、ジオール類、トリオール類、グリセロールエステル類、およびポリグルコール類からなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記架橋剤が、少なくとも2つのエポキシ基を含む有機エポキシド類、少なくとも2つのエポキシ基を含むエポキシ官能性シリコーン類、クロロヒドリン類、ヒドロキシアルキルアクリレート類、およびイソシアネート類からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
請求項10に記載の方法により調製されるエマルジョンまたはマイクロエマルジョン。
【請求項16】
請求項10に記載の方法により調製されるエラストマー系シランまたはシロキサン。

【公表番号】特表2007−508411(P2007−508411A)
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532344(P2006−532344)
【出願日】平成16年3月25日(2004.3.25)
【国際出願番号】PCT/US2004/009153
【国際公開番号】WO2004/104013
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(596012272)ダウ・コーニング・コーポレイション (347)
【Fターム(参考)】