説明

第四級アンモニウム基を有する新規なポリシロキサン、その調製方法、ならびに洗浄および手入れ用製剤中におけるその使用

【課題】第四級アンモニウム基を有する新規なポリシロキサン、その調製方法、ならびに洗浄および手入れ用製剤中におけるその使用を提供する。
【解決手段】本発明は、一般式(I)、
[M’DT (I)
(式中、
M’は、XSiY1/2であり、
Dは、SiY2/2であり、
Tは、SiZO3/2である)のポリシロキサンおよびその調製方法および界面活性剤を含有する水性製剤の添加剤としてのその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第四級アンモニウム基を有する新規なポリシロキサンおよびその調製方法に関する。さらに本発明は、このポリマーの、皮膚および外皮付属器の手入れおよび洗浄用製剤の添加剤(例えば毛髪用コンディショナー等)ならびに硬質表面の洗浄および手入れ用製剤の添加剤(洗車における添加剤等)としての使用に関する。
【背景技術】
【0002】
第四級基を有するポリシロキサンおよびその毛髪の手入れ用または繊維製品の柔軟剤用の添加剤としての使用は特許文献から周知である。したがって、例えば、(特許文献1)には、アンモニウム基で変性された側基がポリマー全体にランダムに分布したシロキサン構造が記載されている。このような化合物はシリコーンの顕著な特徴が薄れてしまっているため、もはや良好な活性が認められないという欠点がある。
【0003】
(特許文献2)および(特許文献3)に記載されているカチオン性シリコーンは、シリコーンの特徴をより顕著に有している。(特許文献3)には、第四級基がシロキサンの末端に結合した構造が記載されている。このような化合物は、毛髪および繊維製品用コンディショナーとしても硬質表面用コンディショナーとしても有利に作用する。しかしながら、この場合は利用できるカチオン中心が2つしかないことから、表面における持続性が十分でない場合が多い。
【0004】
(特許文献4)にはポリ第四級ポリシロキサンポリマーが開示されている。この種のポリ第四級ポリシロキサンポリマーは上述の欠点を有しない。しかしながら、この化合物の調製方法が複雑であるため、これを実際に使用することができない。この化合物は、理論上は60%未満の収率で調製することができるが、これは経済的に許容できるものではない。
【0005】
人の髪は日々多種多様な影響に曝されている。ブラシや櫛で梳かしたり、ピンで留めたり、後ろで束ねたりすることによる機械的なストレスに加えて、毛髪は、例えば、強い紫外線、寒さ、風、水などの環境的な影響による攻撃も受けている。個人の生理学的な状態(例えば年齢や健康状態)もケラチン線維の状態に影響を及ぼす。
【0006】
特に、化学的組成物による処理は毛髪の構造および表面性状を変化させる。例えば、パーマネントウェーブ、脱色、染毛(coloring)、染毛(tinting)、直毛化(smoothing)等の方法に加えて、侵襲性の強い界面活性剤で頻繁に洗浄することも多かれ少なかれ毛髪構造の損傷を引き起こす要因となる。したがって、例えばパーマネントウェーブの場合は、毛皮質も毛表皮も攻撃を受ける。シスチンのジスルフィド架橋が還元段階で切断され、それに続く酸化段階において一部がシステイン酸に酸化される。
【0007】
脱色においては、メラニンが破壊されるだけでなく、それに加えて、シスチンのジスルフィド結合が温和な脱色の場合で約15〜25%酸化される。強力な脱色の場合は、45%にも上る場合さえある(非特許文献1)。
【0008】
したがって、化学処理、頻回の洗浄、または紫外線は、自然に分泌される毛髪の脂肪や毛髪の湿潤剤(皮脂)を奪い、これが原因となって毛髪の機械的性質に不利益がもたらされる。その結果、毛髪は、切れやすく、パサつき、ツヤがなく、多孔性の、櫛通りの悪いものになる。
【0009】
また、毛髪を念入りに洗浄すると個々の毛髪が縮れたり絡まる傾向があるため、濡れた状態でも乾いた状態でも櫛通りが非常に悪くなるのが通常である。したがって、毛髪の抵抗力はまず洗浄中に失われ、次いで櫛で梳かす際に失われる。このことは、濡れた毛髪の引張強度が大幅に低下することから明らかである。さらに、こうした毛髪は健康な毛髪に比べて化学薬品、界面活性剤、および環境的な影響によるさらなる損傷に対する抵抗力が低い。
【0010】
このような損傷を受けた毛髪を手入れするために、専用の製剤、例えば、コンディショナー、毛髪補修用処理剤、シャンプー、洗い流さないコンディショナー等があるが、これらは特に、損傷した毛髪の櫛通り、手触り、および光沢の改善を可能にするものである。この種の市販の毛髪手入れ用組成物には、主としてアルキルアンモニウム系のカチオン性界面活性剤、ポリマー、ロウ、または油もしくはシリコーン油が含まれている。これらの化合物は、特に、毛髪表面に撥水性を付与することによって作用する。
【0011】
このような組成物はいずれも、毛髪の手入れ(コンディショニング)に関しては良い効果を達成するが、外観、特に毛髪の光沢はこの手入れ用品では改善されず、中には悪影響を及ぼすものさえある。
【0012】
したがって、洗浄作用に加えて、髪をよりよく手入れすると同時に良好な光沢を付与し、毛髪構造の損傷から髪を守るとともに、環境的な影響ならびに整形および染毛処理によって既に生じてしまった毛髪構造の損傷を最小限に抑える、個人衛生および手入れ用組成物(シャンプー、毛髪処理用組成物、および毛髪後処理用組成物等)のための幅広い用途を持つ活性物質が依然として必要とされている。
【0013】
本発明の目的は、損傷していない毛髪および損傷毛髪の櫛通り性、柔軟性、ボリューム、整形性、まとまりやすさ、もつれにくさなどの性質を改善することも髪に魅力的な光沢を付与することも可能な活性物質を提供することにある。したがって、この化合物は、個々の効果が改善されているかまたは少なくとも同程度に良好であるが、機械的性質および他の性質を合わせた全体としての効果も改善されていることが必要である。
【0014】
個人および工業分野における硬質表面の洗浄および手入れには、場合によっては複雑な処方および調整された所定の処理手順が必要である。したがって、例えば洗車機における車両の洗浄は、通常、複数の連続した工程から構成されており、これらを互いに厳密に調整することが必要である。この調整には、特に、適切な化学的処方の選択、接触時間の順守、洗浄機構、および温度の選択が含まれる。さらなる文献(非特許文献2)。
【0015】
実際の洗浄は、各場合ごとに異なる基本処方を使用することができる予備洗浄および本洗浄に分けることができるが、これには、車両表面の不溶性固体である汚れの粒子を除去することが含まれる。この目的のために、多種多様な洗浄方法に用いられる多くの処方が存在する。このような処方は、通常、塩基性または酸性成分と一緒になって洗浄に必要な表面張力改良性(tensioactivity)を導入するアニオン性界面活性剤系から構成されている。
【0016】
この洗浄の後に濯ぎ工程が続き、ここで残った洗浄剤を除去しなければならない。この段階は、最後に吹付け乾燥を行う前に車両に撥水性を付与し、したがって、残留水膜をより容易に除去することを可能にする好適な乾燥剤を使用するための準備である。乾燥剤はカチオン性の性質を有しており、もしアニオン性の洗浄用製剤を使用した後に濯ぎを行わない場合は、難溶性の塩が形成されることとなり、これが車両の外観を損なう斑点の原因となり、したがって、所望の光沢効果も撥水性も得られなくなるため、濯ぎは重要である。
【0017】
カチオン性界面活性剤は、持続性、すなわち被処理材上に界面活性化合物を残存させることが必要とされる処方の実質的な成分をなしている。この種の物質は、柔軟剤、繊維製品の仕上げ、またはヘアコンディショナーの分野に用いられる場合と同様に、洗車機における乾燥剤用途にも広く使用されている。
【0018】
自動車の塗膜は、他のほとんどの表面と同様、負の電位を有しているため、乾燥剤製剤を噴霧するとカチオン性界面活性剤は車両全体に拡散し、そこに存在する水膜と置き換わる。「破壊(breaking)」と呼ばれるこの工程により、水膜が会合して水滴が形成される。次いで、これらの水滴は、自身の重力および洗車の最終段階において送風機を使用することの両方によって車両から流れ落ちる。
【0019】
自動洗車用乾燥助剤の処方には特殊な課題がある。つまりこの処方は、水を自発的に破壊させなければならないだけでなく、長持ちする光沢剤を速やかに乾燥させることも必要とされる。ここで重要になるのが使用濃度であり、これを約0.1〜0.3%とすることが必要である。この濃度が低すぎると水膜は破壊されないであろう。高すぎる場合は、汚い油状層が車両表面に形成され、もはや所望の光沢効果を得ることはできない。
【0020】
この処方は、低温においてさえも析出物を生じさせず透明なままであることが必要とされる。さらにこの製品は、硬水や軟水中においても再生水中においても不透明化を引き起こさないよう、水の硬度に対し高い許容性を有していなければならない。表面に残留するように意図された任意のロウ、油、またはそれ以外の水に不混和な手入れ用組成物は乳化させなければならない。
【0021】
乾燥剤の基本処方は、通常、クアットと称される第四級アンモニウム化合物から構成されている。現在では、脂肪鎖が主としてオレイン酸から構成される環境に優しいエステルクアットまたはイミダゾリンクアットのみが実質的に使用されている。一般にクアットは水溶性ではないため、このような不飽和度の高い脂肪鎖によって水系への配合が容易になる。
【0022】
上述の要件プロファイル(requirement profile)を確保するためには、クアットに加えて、乳化性を有する原料も必要である。
【0023】
洗車機の作業速度を向上させる過程において、比較的時間のかかる破壊工程を促進するために様々な試みがなされてきた。例えば、(特許文献5)に記載されているシリコーン化合物が試されたが、うまくいかなかった。洗車機の速度を決定する段階の1つは一連の乾燥なので、これを促進することによって洗車機における車の処理量が高まることとなり、したがって顧客の待ち時間が短縮されるとともに設備効率が高くなる。
【0024】
【特許文献1】DEB1493384
【特許文献2】DE3719086
【特許文献3】EP0282720
【特許文献4】DE−A3340708
【特許文献5】DE10107772
【非特許文献1】K・F・デ・ポロ(K.F.de Polo)、化粧品学簡易教本(A Short Textbook of Cosmetology)、2000年、フェルラーク・フュール・キミーシュ・インダストリー(Verlag fuer chemische Industrie)、H・ジオルコウスキー・ゲーエムベーハー(H.Ziolkowsky GmbH)
【非特許文献2】F・ミュラー(F.Mueller)、J・ペガウ(J.Peggau)、S・アリフ(S.Arif)、特殊用途の洗浄剤処方:自動車の手入れ(Special Purpose Cleaning Formulations:Auto Care)、洗浄剤便覧、D部、処方(Handbook of Detergents,Part D:Formulation)に収録、M・ショウエル(M.Showell)編、CRCプレス(CRC Press)、ボカ・ラトン(Boca Raton)、2006年、pp.261〜278
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
本発明の目的は、良好な収率で調製することが可能であり、さらには、各用途において所望の特性プロファイルを有し、毛髪上で非常に優れたコンディショニング作用および光沢を示す第四級ポリシロキサンポリマーを見出すことにあった。
【0026】
本発明のさらなる目的は、良好な収率で調製することが可能であり、さらには、各用途において所望の特性プロファイルを有し、車両の手入れにおける破壊を実質的に促進すると同時に光沢を保持する第四級ポリシロキサンポリマーを見出すことにあった。
【課題を解決するための手段】
【0027】
驚くべきことに、一般式I、[M’DTのポリシロキサンがこの目的を果たすことが見出された。
【0028】
したがって本発明は、一般式I、
[M’D
式I
(式中、
M’は、XSiY1/2であり、
Dは、SiY2/2であり、
Tは、SiZO3/2であり、
Xは、同一であっても異なっていてもよい、アンモニウム基を有する有機基であり、
Yは、同一であっても異なっていてもよい、1〜30個の炭素原子を有するアルキル、アリール、またはアルカリールからなる群からの基、好ましくはメチルまたはフェニル、特にメチルであり、
Zは、同一であっても異なっていてもよい、1〜30個の炭素原子を有するアルキル、アリール、またはアルカリールからなる群からの基、好ましくはメチルまたはフェニルであり、
nは、2〜200、好ましくは3〜120、特に8〜80である)のポリシロキサンに関する。
【0029】
好適なX基は、例えば、構造−R1−R2、
(式中、
R1は、好ましくは、同一であっても異なっていてもよい、
【化1】

からなる群から選択される2価の基であり、
好ましくは、R1は、
【化2】

であり、
R2は、
【化3】

からなる群から選択され、
R3は、同一であっても異なっていてもよい、水素または1〜6個の炭素原子を有するアルキルからなる群からの基、好ましくはメチルであり、
R4は、同一であっても異なっていてもよい、場合によりエーテル基を含む2価の炭化水素基、好ましくはメチレンであり、
R5、R6、R7は、それぞれ、互いに独立に、水素または1〜30個の炭素原子を有するアルキル基であり、
R8は、同一であっても異なっていてもよい、−O−、−NR10からなる群からの基であり、
R9は、同一であっても異なっていてもよい、場合により分岐の2価の炭化水素基であり、
R10は、同一であっても異なっていてもよい、水素または1〜6個の炭素原子を有するアルキルからなる群からの基であり、
R11は、同一であっても異なっていてもよい、一般式、
【化4】

の基であり、
R12は、同一であっても異なっていてもよい、場合によりエーテル基を含む1〜30個の炭素原子を有するアルキル、アリール、またはアルカリール基、好ましくはメチル、エチル、またはフェニル、特にメチルであり、
eは、0〜20、好ましくは0〜10、特に1〜3であり、
fは、0〜20、好ましくは0〜10であり、
e+fは、1を超え、
xは、2〜18であり、
aは、2〜18、好ましくは3であり、
は、同一であっても異なっていてもよい、酸HAおよびその誘導体の無機または有機陰イオンから選択される、四級化された窒素基上の正電荷に対する対イオンである)を有する基である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
この化合物が、実質的に統計法則によって定まる分布を有する混合物の形態で存在することは当業者には周知である。
【0031】
単位Tは、1つのポリマー鎖中に統計上の平均で1個存在する。しかしながら、ある程度の割合の分子がT単位を含まないかまたは複数のT単位を有するような分子の混合物が存在する。
【0032】
本発明のさらなる好ましい実施態様においては、四級化された窒素基上の正電荷に対する対イオンAは、特に好ましくは、酢酸、L−ヒドロキシカルボン酸、特に乳酸、または芳香族カルボン酸から選択される、生理学的に許容される酸HAの陰イオンから構成される。
【0033】
さらなる好ましい対イオンは、慣用の四級化剤由来のものである。これらは特に、硫酸エチル、硫酸メチル、トルエンスルホン酸、塩化物、および臭化物である。
【0034】
さらに本発明は、本発明による生成物の調製方法に関する。これは、アリールトリス(ジメチルシリルオキシ)シランおよび/またはアルキルトリス(ジメチルシリルオキシ)シラン、特に、フェニルトリス(ジメチルシリルオキシ)シランおよびメチルトリス(ジメチルシリルオキシ)シランを、オクタメチルシクロテトラシロキサンおよび/またはデカメチルシクロペンタシロキサン(環状化合物)と平衡化させることによって進行する。シロキサンを平衡化するための好適な方法は、例えば、特許EP1439200に記載されている。
【0035】
上述の特許文献の平衡化に関する内容をここに引用して参照し、本明細書の開示内容の一部とみなす。
【0036】
平均変性量を制御下に低下させることを目的として、環状シロキサンに加えて、α,ω−ジ−SiH官能性シロキサンおよび非官能性シロキサンも同様に、平衡化の最中に平衡化混合物中に添加することができる。
【0037】
次いで、こうして得られたSiH基を有するシロキサンを用いて、例えばアリルグリシジルエーテル等の二重結合を含むエポキシドをヒドロシリル化することができる。ヒドロシリル化にPt、Rh、またはRu触媒を使用することも当業者に周知である。
【0038】
こうして得られたエポキシシランを最後に第三級アミンと反応させることによって、第四級アンモニウム基を有する所望のシロキサンを得ることができる。
【0039】
このような反応順序では、SiH基を有するシロキサンの平衡化においても、ヒドロシリル化および四級化においても、二次反応が予期されることは当業者に周知である。二次反応の程度は、反応条件だけでなく、特に出発物質に依存する。したがって、例えば慣用の方法によってカルボン酸の存在下にエポキシシロキサンを第三級アミンと反応させた場合の四級化の程度は、約80〜95%である。
【0040】
さらに本発明は、一般式Iの化合物および本発明による方法によって調製される一般式Iの化合物またはこの方法によって調製される工業用混合物(industrial mixture)の、場合により界面活性剤を含有する水性の手入れおよび洗浄用製剤における添加剤としての使用に関する。
【0041】
さらに本発明は、一般式Iの化合物および本発明による方法によって調製される一般式Iの化合物またはこの方法によって調製される工業用混合物の、毛髪処理用組成物および毛髪後処理用組成物用コンディショナーとして、ならびに毛髪構造改善用組成物としての使用に関する。
【0042】
さらに本発明は、一般式Iの化合物および本発明による方法によって調製される一般式Iの化合物またはこの方法によって調製される工業用混合物の、光沢を改善する手入れ用製剤を調製するための使用に関する。
【0043】
さらに本発明は、洗い流すかまたは毛髪に残留させる毛髪処理用組成物および毛髪後処理用組成物、例えば、顕著なコンディショニング効果を有するかまたは有しないシャンプー、リンス一体型シャンプー、コンディショナー、毛髪補修用処理剤、ヘアマスク、スタイリング剤、スタイリング用組成物、ブロー用ローション、ヘアセット用組成物、パーマネントウェーブ用組成物、毛髪を滑らかにする組成物、および染毛用組成物に関する。これらは、目的の用途に応じて、アニオン性、非イオン性、両性(amphoteric)、または両イオン性(zwitterionic)界面活性剤からなる群からの1種またはそれ以上の洗浄性界面活性剤を2〜25重量%、1種またはそれ以上の乳化剤を0.5〜10重量%、1種またはそれ以上の稠度調整剤を0.5〜10重量%、1種またはそれ以上の好ましくはカチオン性の界面活性剤または乳化剤を0.5〜10重量%、1種またはそれ以上の化粧油、シリコーン油、またはエモリエント剤を1〜20重量%、ならびに慣用濃度の慣用の助剤および添加剤を含み、さらに、カチオン性ポリマー(四級化されたセルロースおよびその誘導体、キトサンおよびその誘導体、カチオン性アルキルグリコシド、カチオン性グアー誘導体等)、ジメチルジアリルアンモニウム塩のポリマーならびにそのアクリル酸およびメタクリル酸のエステルおよびアミドとのコポリマー、ビニルピロリドンとアクリル酸およびメタクリル酸ジアルキルアミノアルキルの四級化された誘導体とのコポリマー(例えば、硫酸ジエチルで四級化されたビニルピロリドン/メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマー等)、ビニルピロリドン/ビニルイミダゾリウムメトクロライドコポリマー、ビニルピロリドン、カプロラクタム、およびアクリルアミドモノマーのターポリマー、四級化されたポリビニルアルコール、ならびにINCI名称よりポリクオタニウム−2、ポリクオタニウム−17、ポリクオタニウム−18、ポリクオタニウム−27、およびポリクオタニウム−37として周知のポリマー、ケラチン、コラーゲン、エラスチン、小麦、大豆、乳、絹、もしくはトウモロコシをベースとする植物もしくは動物由来のカチオン性もしくは非イオン性タンパク質加水分解物、またはさらなるシリコーン誘導体(例えば、ジメチコノール、ジメチコン(ポリジメチルシロキサンのINCI名称)等)、ならびに末端に官能基を有してもよく(INCI接頭辞ビス−)かつ/もしくはグラフト化されていてもよい変性シリコーン(例えば、アルコキシシリコーンおよび長鎖アルキル基を有するアルキルシリコーン等)、ポリオキシアルキル変性シリコーン(アルキルエーテル基を有するかまたは有しないPEG/PPG−3/10ジメチコンまたはビス−PEG/PPG−20/20ジメチコン等)およびそのエステル(例えば、ヤシ油脂肪酸PEG−7ジメチコン等)、ならびに多官能性シリコーン(例えば、セチルPEG/PPG−10/1ジメチコン、メチルオイゲニルPEG−8ジメチコン等)、さらにはアクリル酸エステルとのシリコーンコポリマー(アルキル変性されているかまたはされていないコポリマーを含む)、分岐のシリコーン誘導体(ジメチコン/シルセスキオキサンコポリマー等)、架橋シリコーンコポリマー(ジメチコンクロスポリマー、アルキルジメチコン/ジビニルジメチコンクロスポリマー、セテアリルジメチコンクロスポリマー、セテアリルジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー等)、アミノ基を有するシリコーン(アモジメチコン、アミノプロピルジメチコン、PEG−7アモジメチコン、メトキシPEG/PPG−7/3アミノプロピルジメチコン等)、またはイオン変性シリコーン(ジメチコンプロピルPGベタイン等)、ビタミン類、パンテノール、ピロリドンカルボン酸、ビサボロール、植物抽出物、クレアチン、セラミド、および紫外線吸収組成物からなる群から選択される、1種またはそれ以上の毛髪化粧料用活性物質を含む、少なくとも1種の一般式(I)の化合物を有効量含む組成物である。
【0044】
さらに本発明は、一般式Iの化合物および本発明による方法によって調製される一般式Iの化合物またはこの方法によって調製される工業用混合物の、硬質表面の洗浄および手入れ用、好ましくは車両の洗浄および手入れ用製剤を調製するための使用、特に、洗車機用乾燥助剤の添加剤としての使用に関する。
【実施例】
【0045】
以下に示す実施例は、本発明を明瞭化することを意図するものであって、本発明を何ら限定するものではない。
【0046】
実施例1:
a)SiH基を有するポリシロキサンの平衡化
500mlの三頚フラスコ内で、フェニルトリス(ジメチルシロキシ)シラン8.2g、デカメチルペンタシロキサン334g、および酸性触媒0.34gを混合し、80℃で4時間撹拌した。これを冷却した後、NaHCO20gを加えて室温で12時間撹拌した。これを濾過して、SiH価が0.02%である透明な生成物を得た。
【0047】
b)エポキシシロキサンの調製
500mlの三頚フラスコ内で、まず1a)に従い調製した化合物300gおよびアリルグリシジルエーテル7.5gを合わせて100℃に加熱した。その後、白金触媒15ppmを加えて2時間撹拌した。後続反応が完了した後、エポキシ価が0.37%である透明な生成物を得た。
【0048】
c)四級化されたポリシロキサンポリマーへの変換
500mlの三頚フラスコ内で、3−N,N−ジメチルアミノプロピルラウラミド14.5g、酢酸2.7g、およびイソプロパノール120gを室温で撹拌した。次いで、1b)に従い調製した化合物200gを滴下した。その後、50℃で8時間撹拌し、蒸留を行った。以下の平均式(statistical formula)、
【化5】

で表される粘性の高い濁った液体を得た。
【0049】
上述の式が理想的な構造式を表すことは当業者に周知である。直鎖およびより分岐度の高い構造もさらにこの生成物中に存在する。
【0050】
実施例2:
a)SiH基を有するポリシロキサンの平衡化
1000mlの三頚フラスコ内で、フェニルトリス(ジメチルシロキシ)シラン50g、デカメチルペンタシロキサン667g、および酸性触媒0.7gを混合し、80℃で4時間撹拌した。これを冷却した後、NaHCO15gを加えて室温で12時間撹拌した。これを濾過して、SiH価が0.07%である透明な生成物を得た。
【0051】
b)エポキシシロキサンの調製
1000mlの三頚フラスコ内で、まず2a)に従い調製した化合物670gおよびアリルグリシジルエーテル65gを合わせて100℃に加熱した。その後、白金触媒15ppmを加えて2時間撹拌した。後続反応が完了した後、エポキシ価が0.99%である透明な生成物を得た。
【0052】
c)シリコーンクアットへの変換
1000mlの三頚フラスコ内で、N,N−ジメチルステアリルアミン63g、酢酸12g、およびイソプロパノール200gを室温で撹拌した。次いで、2b)に従い調製した化合物325gを滴下した。その後、60℃で8時間撹拌し、蒸留を行った。以下の平均式、
【化6】

で表される粘性の高い濁った液体を得た。
【0053】
上述の式が理想的な構造式を表すことは当業者に周知である。直鎖およびより分岐度の高い構造もさらにこの生成物中に存在する。
【0054】
実施例3:
a)SiH基を有するポリシロキサンの平衡化
500mlの三頚フラスコ内で、フェニルトリス(ジメチルシロキシ)シラン33.1g、デカメチルペンタシロキサン274.4g、および酸性触媒0.3gを混合し、80℃で4時間撹拌した。これを冷却した後、NaHCO10gを加えて室温で12時間撹拌した。これを濾過して、SiH価が0.097%である透明な生成物を得た。
【0055】
b)エポキシシロキサンの調製
250mlの三頚フラスコ内で、まず3a)に従い調製した化合物103.5gおよびアリルグリシジルエーテル15gを合わせて100℃に加熱した。その後、白金触媒15ppmを加えて2時間撹拌した。後続反応が完了した後、エポキシ価が1.4%である透明な生成物を得た。
【0056】
c)シリコーンクアットへの変換
500mlの三頚フラスコ内で、3−N,N−ジメチルアミノプロピルラウラミド32g、酢酸6.2g、およびイソプロパノール100gを室温で撹拌し、次いで、3b)に従い調製した化合物115gを滴下した。その後、60℃で8時間撹拌し、蒸留を行った。以下の平均式、
【化7】

で表される粘性の高い濁った液体を得た。
【0057】
上述の式が理想的な構造式を表すことは当業者に周知である。直鎖およびより分岐度の高い構造もさらにこの生成物中に存在する。
【0058】
実施例4:
a)SiH基を有するポリシロキサンの平衡化
500mlの三頚フラスコ内で、フェニルトリス(ジメチルシロキシ)シラン3.3g、デカメチルペンタシロキサン220.4g、および酸性触媒0.3gを混合し、80℃で4時間撹拌した。これを冷却した後、NaHCO4.5gを加えて室温で12時間撹拌した。これを濾過して、SiH価が0.013%である透明な生成物を得た。
【0059】
b)エポキシシロキサンの調製
1000mlの三頚フラスコ内で、まず4a)に従い調製した化合物752gおよびアリルグリシジルエーテル14.8gを合わせて100℃に加熱した。その後、白金触媒15ppmを加えて2時間撹拌した。後続反応が完了した後、エポキシ価が0.21%である透明な生成物を得た。
【0060】
c)シリコーンクアットへの変換
250mlの三頚フラスコ内で、3−N,N−ジメチルアミノプロピルラウラミド3.2g、酢酸0.62g、およびイソプロパノール50gを室温で撹拌した。次いで、4b)に従い調製した化合物76.2gを滴下した。その後、60℃で8時間撹拌し、蒸留を行った。以下の平均式、
【化8】

で表される粘性の高い濁った液体を得た。
【0061】
上述の式が理想的な構造式を表すことは当業者に周知である。直鎖およびより分岐度の高い構造もさらにこの生成物中に存在する。
【0062】
実施例5:
a)SiH基を有するポリシロキサンの平衡化
500mlの三頚フラスコ内で、メチルトリス(ジメチルシロキシ)シラン6.7g、デカメチルペンタシロキサン334g、および酸性触媒0.4gを混合し、80℃で5時間撹拌した。これを冷却した後、NaHCO20gを加えて室温で12時間撹拌した。これを濾過して、SiH価が0.02%である透明な生成物を得た。
【0063】
b)エポキシシロキサンの調製
1000mlの三頚フラスコ内で、まず5a)に従い調製した化合物450gおよびアリルグリシジルエーテル11.3gを合わせて100℃に加熱した。その後、白金触媒15ppmを加えて2時間撹拌した。後続反応が終了した後、エポキシ価が0.37%である透明な生成物を得た。
【0064】
c)第四級ポリシロキサンポリマーへの変換
1000mlの三頚フラスコ内で、3−N,N−ジメチルアミノプロピルラウラミド31.9g、乳酸8.9g、およびイソプロパノール200gを室温で撹拌した。次いで、5b)に従い調製した化合物440gを滴下した。その後、50℃で8時間撹拌し、蒸留を行った。以下の平均式、
【化9】

で表される粘性の高い濁った液体を得た。
【0065】
上述の式が理想的な構造式を表すことは当業者に周知である。直鎖およびより分岐度の高い構造もさらにこの生成物中に存在する。
【0066】
性能特性
化粧料中における使用
本発明による化合物1、2、3、4、および5を使用した毛髪処理用組成物の調製および試験
成分の特性を判定するために、官能試験に用いられる編んだ毛束をパーマネントウェーブ処理および脱色処理による標準的な方法で予め損傷させておく。この目的には、理美容に慣用されている製品を使用する。試験順序、使用した基本材料、および判定基準の詳細はDE10327871に記載されている。
【0067】
試験処方
性能特性を判定するために、簡単な化粧料処方において本発明による化合物および比較用製品を使用する。
【0068】
以下の処方のシャンプーを使用した際の性能特性について試験した。
【0069】
【表1】

【0070】
シャンプー製剤の特性を評価するため、この一連の試験においてはコンディショナーによる後処理を行わなかった。
【0071】
さらに、以下の組成を有する簡単なヘアコンディショナーにおいても本発明による生成物を試験した。
【0072】
【表2】

【0073】
ヘアコンディショナーの特性に関する試験においては、コンディショナーを含まないシャンプーで毛髪を予め処理しておいた。
【0074】
本発明による化合物例、比較用製品、または本発明による化合物と周知のコンディショナー(特に塩化セトリモニウム)との組合せを「コンディショナー」と称する。
【0075】
予め損傷された毛束にコンディショニング試料を用いる標準化された処理:
予め損傷しておいた上述の毛束を上述のシャンプーまたは上述のコンディショナーを用いて以下に示すように処理する:
毛束を流温水で濡らす。余分な水を手で優しく絞り出した後、シャンプーを塗布し、毛髪の内側に優しく擦り込む(1ml/毛束(2g))。1分間置いてから、毛髪を1分間洗浄する。適切な場合はその直後にコンディショナーを塗布し、毛髪に優しく作用させる(1ml/毛束(2g))。1分間置いてから、毛髪を1分間洗浄する。
【0076】
官能評価の前に、相対湿度50%の25℃の空気中で毛髪を少なくとも12時間乾燥させる。
【0077】
処方中に通常存在する成分によって試験結果に影響が出ないように、簡単な組成の試験処方を意図的に選択した。本発明による処方は、上記成分に加えて、かつ/または上記成分に替えて、さらなる成分を含んでいてもよい。特に、説明した効果の場合、さらなる成分と組み合わせることによって相乗的に改善される可能性がある。このような成分は:
アニオン性、カチオン性、両イオン性、両性、もしくは非イオン性界面活性物質(脂肪族アルコール硫酸エステル塩、脂肪族アルコールエーテル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、第四級アンモニウム塩、アルキルベタイン、脂肪酸アミドアルキルベタイン等)、糖類の単量体もしくは縮合体の誘導体(糖エステル、メチルまたはエチルグルコシド脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等)、エトキシ化脂肪族アルコール、脂肪酸アルカノールアミド、またはエトキシ化脂肪酸エステルからなる群からの界面活性剤、湿潤剤、または乳化剤、増粘剤(カオリン、ベントナイト、脂肪酸、脂肪族アルコール、デンプン、ポリアクリル酸およびその誘導体、セルロース誘導体、グアー誘導体、アルギン酸塩、キトサン、ワセリン、パラフィン等)、さらには乳白剤(例えばグリコールエステル誘導体等)、またはアルコール(エタノール、プロパノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール等)、可溶化剤、安定剤、緩衝系、香油、染料に加えて、特に、さらなるコンディショナーおよび手入れ用添加剤(他のカチオン性または両性ポリマー、羊毛脂およびその誘導体、コレステロール、セラミド、パントテン酸、ベタイン、クレアチン、他のシリコーン、シリコーン誘導体等)であるが、これらに限定されるものではない。
【0078】
判定基準
1〜5段階に分けた評点に従い官能評価を実施する。1は最も評価が低く、5が最も評価が高い。個々の試験基準についてそれぞれ別々に評価する。
【0079】
試験基準は、湿潤時の櫛通り、湿潤時の手触り、乾燥時の櫛通り、乾燥時の手触り、外観/光沢である。
【0080】
本発明による物質または偽薬を用いて上述したように実施した毛束の処理に関する官能評価結果を以下の表において比較する。
【0081】
シャンプー用途においては、カチオン性ポリマーとしてグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(「グアークアット」)を使用した。
【0082】
【表3】

【0083】
驚くべきことに、この結果から、実施例1および2の本発明による化合物は、比較用製品である「クオタニウム−80」と比較して著しく高い評価を受けていることが分かる。実施例3および4の本発明による化合物は、クオタニウム−80に匹敵する良好な活性を示す。本発明による化合物がすべて光沢性に関し良い評価を受けていることは特筆すべきである。
【0084】
【表4】

【0085】
本発明による化合物は、コンディショナー用途においても同様に、官能評価において非常に良い化粧的評価を受けている。特に湿潤時および乾燥時の手触りに関しては、既に良好な塩化セトリモニウムの性能が本発明による化合物を併用することによってさらに向上する。光沢に関しても同様に、評価が大幅に向上している。
【0086】
一般に、本発明による化合物が処方中に存在すると、塗布時およびその後に手で触った感触が実質的に改善されることも見出された。特にO/Wエマルジョンにおいては、本発明による化合物によって触感を改善することができる。
【0087】
したがって、本実施例の処方においては、本発明による化合物を使用することによって触り心地が実質的に向上する。
【0088】
【表5】

【0089】
したがって、さらに本発明は、皮膚の洗浄および手入れ用製剤、例えば、シャワー用品、入浴用品、液体石鹸等における本発明による化合物の使用に関する。
【0090】
車両の手入れにおける使用
さらに本発明は、商業的な洗車において洗車機用の乾燥助剤中に本発明による化合物を使用することに関する。ここでは、アニオン性界面活性剤を用いて実施される洗浄段階に続いて、車両の塗膜に光沢と撥水性を確保すると同時に後段の送風機による車両の乾燥を可能にするカチオン性組成物を用いた処理が行われる。洗車機では、この組成物の接触時間が車両の処理量、したがって効率を増大させるのに特に重要である。実使用上の要件を満たす処方において本発明による化合物の使用に関する試験を行ったところ、驚くべきことに、文献より周知の第四級シリコーン化合物と比較しても破壊時間が大幅に短縮されたことが認められた。
【0091】
以下の基本処方について試験を実施した。
【0092】
【表6】

【0093】
処方8
この基本処方を処方番号8とする。
【0094】
処方9
特許EP0294643による活性物質である第四級シリコーン化合物0.8%を含む基本処方を処方9とする。
【0095】
処方10
本文書による活性物質である第四級シリコーン化合物(N=50)0.8%を含む基本処方を処方10とする。
【0096】
処方11
本文書による活性物質である第四級シリコーン化合物(N=80)0.8%を含む基本処方を処方11とする。
【0097】
これらの処方を、実使用上の要件に合わせて水道水で1:1000に希釈し、希釈液の破壊挙動を調査した。
【0098】
この有効性の特徴は、乾燥剤を添加すると車両のガラス表面に加えて自動車塗膜上の水膜が破壊されることにある。塗装された表面上における破壊の測定は再現が難しいが、ガラス表面はこの目的に非常に適している。
【0099】
破壊挙動を以下に示すように測定した:
規定の水膜がガラスの外に出ていく(penetrate)までおよびこのガラスが脱濡れ(dewet)するまでに必要な時間を測定する。最初の反応時間および水が完全にスライドの外に出たところを記録する。
【0100】
鏡面タイル
スライド(76×26mm(3×1インチ))
ピペット(3ml、プラスチック製)
計量ピペット(100μl)
規定の品質(伝導度)の水
ストップウオッチ
ブンゼンバーナー
【0101】
試料を水で希釈(通常1:1000で希釈)したものについて上述したように測定を実施する。スライドからゴミを取り除き、残留物のない完全に清浄な表面を確保するためにスライドを炎で手短に処理した。
【0102】
ピペットを用いてスライド上に水0.5mlを均一な膜として適用する。膜が形成できない場合は、スライドを再度清浄化するかまたは廃棄しなければならない。その後、使用する乾燥助剤の希釈物50μlを水表面の中心部に適用し、ストップウオッチを始動させる。脱濡れが開始した時点および水が後退して26mmの辺を通過(breakthrough)した時点を記録する。こうすることにより、反応時間および破壊速度を記録することができる。
【0103】
データは秒で示す。
【0104】
表に以下の結果を示す。
【0105】
【表7】

【0106】
本発明による化合物(N=50)による破壊作用が特に著しいことがわかる。
【0107】
以下の表を尺度に用いてもよい。
【0108】
【表8】

【0109】
破壊の完了は急速過ぎてはいけない。そうしないと、除去されにくい微小滴が形成されて、乾燥後に跡が残ってしまうためである。
【0110】
それと同時に、この化合物は、乾燥後の車両の光沢に対し目に見えて良い効果をもたらす。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I:
[M’D
式I
(式中、置換基および添数は:
M’は、XSiY1/2であり、
Dは、SiY2/2であり、
Tは、SiZO3/2であり、
Xは、同一であっても異なっていてもよい、アンモニウム基を有する有機基であり、
Yは、同一であっても異なっていてもよい、1〜30個の炭素原子を有するアルキル、アリール、またはアルカリールからなる群からの基であり、
Zは、同一であっても異なっていてもよい、1〜30個の炭素原子を有するアルキル、アリール、またはアルカリールからなる群からの基であり、
nは、2〜200である)のポリシロキサン。
【請求項2】
Xが、−R1−R2(式中、
R1は、同一であっても異なっていてもよい、
【化1】

からなる群から選択される2価の基であり、
R2は、
【化2】

からなる群から選択され、
R3は、同一であっても異なっていてもよい、水素または1〜6個の炭素原子を有するアルキルからなる群からの基であり、
R4は、同一であっても異なっていてもよい、場合によりエーテル基を含む2価の炭化水素基であり、
R5、R6、R7は、それぞれ、互いに独立に、水素または1〜30個の炭素原子を有するアルキル基であり、
R8は、同一であっても異なっていてもよい、−O−、−NR10の群からの基であり、
R9は、同一であっても異なっていてもよい、場合により分岐の2価の炭化水素基であり、
R10は、同一であっても異なっていてもよい、水素または1〜6個の炭素原子を有するアルキルからなる群からの基であり、
R11は、同一であっても異なっていてもよい、一般式、
【化3】

の基であり、
R12は、同一であっても異なっていてもよい、場合によりエーテル基を含む1〜30個の炭素原子を有するアルキル、アリール、またはアルカリール基であり、
eは、0〜20であり、
fは、0〜20であり、
e+fは、1を超え、
xは、2〜18であり、
aは、2〜18であり、
は、同一であっても異なっていてもよい、酸HAおよびその誘導体の無機または有機陰イオンから選択される、四級化された窒素基上の正電荷に対する対イオンである)である、請求項1に記載のポリシロキサン。
【請求項3】
R1が、
【化4】

を意味する、請求項2に記載のポリシロキサン。
【請求項4】
まずアリールトリス(ジメチルシリルオキシ)シランおよび/またはアルキルトリス(ジメチルシリルオキシ)シランを環状シロキサン化合物を用いて平衡化させ、次いで、結果として得られたSiH基を有する平衡化生成物で二重結合を含むエポキシドをヒドロシリル化し、最後に、このようにして得られたエポキシシロキサンを第三級アミンと反応させることによって対応する第四級シロキサンを得る、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリシロキサンの調製方法。
【請求項5】
場合により界面活性剤を含有する水性の手入れおよび洗浄用製剤における添加剤としての、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項6】
毛髪処理用組成物および毛髪後処理用組成物用ならびに毛髪構造改善用コンディショナーとしての、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項7】
光沢を改善する手入れ用製剤を調製するための、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項8】
皮膚洗浄用製剤を調製するための、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項9】
皮膚の手入れ用製剤を調製するための、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項10】
硬質表面の洗浄および手入れ用製剤を調製するための、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項11】
車両の洗浄および手入れ用製剤を調製するための、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項12】
洗車機用乾燥助剤の添加剤としての、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物の使用。

【公開番号】特開2008−31481(P2008−31481A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−196997(P2007−196997)
【出願日】平成19年7月30日(2007.7.30)
【出願人】(500442021)ゴールドシュミット ゲーエムベーハー (28)
【Fターム(参考)】