説明

管腔内プロテーゼ及びこれに薬剤を含浸させる二酸化炭素アシスト方法。

管腔内プロテーゼ及びこれに被検者の体内へ送達するための薬剤を含浸させる方法を提供する。重合物質を含む管腔内プロテーゼは、担体流体と薬剤との混合物に浸漬する。管腔内プロテーゼの重合物質が膨潤して、担体流体と薬剤が少なくとも部分的に膨潤重合物質中に浸透するのに十分な時間、担体流体と薬剤との混合物を加圧する。次いで、担体流体が膨潤重合物質から拡散し、かつ所定量の薬剤が重合物質内に溶離可能に捕捉されて残存するように圧を除く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、重合物質に含浸させること、詳細には、重合物質に薬剤を含浸させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ステントは、一般的に、閉塞又は部分的に閉塞された動脈及び他の血管の治療において、経皮経管バルーン動脈形成術の補助として使用される。バルーン動脈形成術の1例として、ガイディングカテーテル又はシースは、経皮で、大腿動脈を通って、患者の心臓血管系へと導入され、ガイディングカテーテルの遠位末端が、疾患部近辺に位置するまで血管系内を前進させられる。遠位末端にバルーンを有する拡張カテーテル及びガイドワイヤは、拡張カテーテル内へガイドワイヤをスライドさせて、ガイディングカテーテルを通して導入される。ガイドワイヤが最初にガイディングカテーテルから患者の血管系へと進入し、動脈病変部と交わるように案内される。その後、拡張カテーテルが、拡張バルーンが動脈病変部と交差して適切に位置決めされるまで、予め進んだガイドワイヤ上を進む。一旦、病変部向かいに位置すると、相対的に高い圧で、放射線不透過性液で拡張式バルーンを所定サイズに膨らませ、動脈壁の内側に対して病変のアテローム硬化プラークを放射状に圧迫し、それにより動脈の管腔を拡大させる。次いで、バルーンを萎ませて小さい形状にしたので、拡張カテーテルを患者の血管系から引き抜き、血流を拡張された動脈を通って再開させることができた。
【0003】
バルーン血管形成は、時には短期又は長期に失敗に終わることもある(再狭窄)。即ち、血管は、術後すぐに、突然閉鎖してしまうか、又はその後の数ヶ月にわたり徐々に再狭窄を起こすこともある。血管形成術の後の再狭窄に対抗するため、通常ステントとよばれる埋込み型管腔内プロテーゼを使用して、長期の血管開通性を実現する。ステントは、構造的に血管壁を支持し、それにより管腔開通性を保持する足場として機能し、かつデリバリーカテーテルによって病変部位に輸送される。
【0004】
ステントのタイプには、バルーン拡張式ステント、バネ様自己拡張式ステント及び熱拡張式ステントを含むことができる。バルーン拡張式ステントは、拡張カテーテルにより配達され、拡張可能部材、例えば拡張式バルーン、により小さい初期直径からより大きく拡張された直径へと、可塑的に変形される。自己拡張式ステントは、デリバリーカテーテルの周りで半径方向に圧縮可能なバネ部材として形成される。圧縮自己拡張式ステントは、通常、デリバリーシースにより圧縮された状態で保持される。病変部位への配達の際に、デリバリーシースは引っ込められ、ステントを膨張させることができる。熱拡張式ステントは、熱が適用されると、小さい初期直径からより大きい第二の直径へと膨張する能力のある形状記憶合金から形成される。
【0005】
ステントにより支持された部位で、局所化された薬理学的血管治療を施すのが好ましいこともある。従って、時には、内腔壁用支持体ならびに1つ以上の薬剤用配達媒介体として、ステントを利用することは望ましい。不運なことには、慣用ステントに通常使用される金属材料は、一般に、薬剤を運搬したり、放出したりすることができない。このジレンマに以前考案された解決策は、金属製ステントに薬物運搬ポリマーを取り付けることであった。更に、適用された薬剤を保持する能力を強化する多孔性表面を設けるようにステントの金属構造を形成するか又は処理する方法が開示されている。しかしながら、これらの方法は、一般に、管腔内プロテーゼ、例えばステント、上へ薬物を装填する迅速で容易かつ高価でない方法を提供するのに失敗した。更に、重合物質に薬剤を含浸させるのに慣用で使用される有毒な有機溶剤及び可塑剤を、環境によりやさしい別のものに取り替えることが望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
被検者の体内に送達するための薬剤を管腔内プロテーゼに含浸させる方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本出願は、その開示が本明細書中に、完全に記載されているかの如く、全体として、参考に組み入れられている、2002年11月14日提出の米国仮出願No.60/426125の利益を請求する。
【0008】
本発明の実施態様により、重合物質から形成されるか又は重合物質のコーティングを有する管腔内プロテーゼ(例えば、ステント、薬物送達デバイス等々)を、担体流体と薬剤の混合物中に浸漬する。重合物質が膨潤して、担体流体と薬剤が少なくとも部分的に膨潤重合物質中に浸透するのに十分な時間、担体流体と薬剤との混合物を(例えば、加圧二酸化炭素によって)加圧する。次いで、担体流体が膨潤重合物質から拡散し、かつ所定量の薬剤が重合物質内に溶離可能に捕捉されて残存するように圧を(完全又は部分的に)除く。
【0009】
本発明の実施態様により、管腔内プロテーゼに薬剤を含浸させる方法は、重合物質から形成されるか、又は重合物質のコーティングを有する管腔内プロテーゼを圧力容器内に配置することを含む。圧力容器内部を所定圧まで(例えば、加圧二酸化炭素を介し)加圧する。担体流体と薬剤の混合物を圧力容器に供給し、かつ重合物質が膨潤し、担体流体と薬剤が少なくとも部分的に膨潤重合物質中に浸透するのに十分な時間、担体流体と薬剤の混合物を重合物質に露出させる。次いで、担体流体が膨潤重合物質から拡散し、かつ所定量の薬剤が重合物質内に溶離可能に捕捉されて残存するように圧力容器内の圧を(完全に又は部分的に)抜く。
【0010】
本発明の実施態様によれば、ポリマー浸透性の変性により、種々の薬剤−ポリマーマトリックスの拡散係数を変更するために二酸化炭素を利用することができる。
【0011】
本発明の実施態様により、管腔内プロテーゼに薬剤を含浸させる方法は、重合物質を粘着性にするのに十分な条件下に、管腔内プロテーゼの重合物質を二酸化炭素に曝露することを含む。薬剤は、微粉末乾燥形で、粘着性重合物質に適用する。次いで、膜層を管腔内プロテーゼに適用し、かつこれは、管腔内プロテーゼが被検者の体内に配備される時に薬剤がそれを通って溶離できるように構成される。
【0012】
本発明の実施態様により、管腔内プロテーゼに複数の薬剤を含浸させる方法は、重合物質の複数の部分を粘着性にするのに十分な条件下に、管腔内プロテーゼの重合物質を二酸化炭素に曝露することを含む。夫々異なる薬剤を、重合物質の各粘着性部分に、微粉末化された乾燥形で適用する。次いで、管腔内プロテーゼに膜層を適用し、前記膜層は、管腔内プロテーゼが被検者の体内に配備される時に薬剤がそれを通って溶離できるように構成される。
【0013】
本発明の実施態様により、管腔内プロテーゼに複数の薬剤を含浸させる方法は、重合物質の1部分を粘着性にするのに十分な条件下に、管腔内プロテーゼの重合物質を二酸化炭素に曝露することを含む。重合物質の粘着性部分に、第一の薬剤を、微粉末化された乾燥形で適用する。管腔内プロテーゼに第一の膜層を適用し、第一の膜層は、管腔内プロテーゼが被検者の体内に配備される時に第一の薬剤がそれを通って溶離できるように構成される。前記第一の膜層に第二の薬剤を適用する。次いで、第二の薬剤が第一と第二の膜層の間に挟まれるように第二の膜層を管腔内プロテーゼに適用する。第二の膜層は、管腔内プロテーゼが被検者の体内に配備される時に第二の薬剤がそれを通って溶離できるように構成される。
【0014】
本発明の実施態様により、管腔内プロテーゼは、重合物質を含む管状本体部と、管状本体部に直接に付着した乾燥微粉末形の薬剤1つ以上と、管状本体部に取りつけられ、1つ以上の薬剤を覆う膜とを含む。膜は、管腔内プロテーゼが被検者の体内に配備される時に薬剤1種以上がそれを通って溶離できるように構成される。
【0015】
本発明の実施態様により、二酸化炭素は、管腔内プロテーゼの重合物質に放射線不透過性物質、限定はされないが、例えば三酸化ビスマス又は硫酸バリウム、を装填するのを促進するために使用することができる。例えば、重合物質が膨潤し、放射線不透過性物質が少なくとも部分的に膨潤重合物質中に浸透するのに十分な時間、重合物質に加圧二酸化炭素を施してよい。当業者に理解されるように、放射線不透過性物質は、公知のX線撮影技術により、被検者内の、管腔内プロテーゼ、例えばステントの位置をモニターすることを容易にできる。
【0016】
二酸化炭素の使用により、管腔内プロテーゼに装填された薬剤を劣化及び/又は変性させ得る熱の必要性が排除されるので、本発明の実施態様は特に好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
この後、本発明の実施態様が示される添付図を参照して、本発明をさらに詳細に説明する。しかしながら、本発明は多数の異なる形で実施でき、明細書中に記載の態様に限定されると解釈すべきではない。むしろこれらの態様は、この開示を徹底させ完全にするために提供され、本発明の範囲を当業者に完全に示唆するものである。
【0018】
用語「溶離」は、本明細書中で、重合物質から薬剤が放出されることを意味するために使用される。溶離は、拡散機構を介する基体からの物質の放出、又は物質/基体の分解又は侵食の結果としての重合物質/基体からの放出にもあてはまる。
【0019】
明細書中で使用されるように、用語「侵食性(erodible)」は、所望の期間、その構造的完全性を保持し、その後、実質的に引張強度及び質量を失わせる多数のプロセスのうちの何れかを徐々に受ける物質の能力のことである。そのようなプロセス例は、酵素及び非酵素加水分解、酸化、酵素アシスト酸化等を含み、従って、生体吸収、分解及び生理学的環境との相互作用時の、患者の組織が吸収、代謝、呼吸及び/又は排泄できる成分への自動的減成を含む。用語「侵食性」及び「分解可能な」は、明細書中で同義的に使用することが意図されている。
【0020】
用語「投与計画」は、明細書中で、体外投与薬剤及び体内投与薬剤の両方を記述するために使用される。投与計画は、薬剤の量及び各服用量が摂取されるべき時間の両方を含む。投与計画は、薬剤を食物と一緒に摂取すべきかどうか、かつ他の薬剤を忌避すべきかどうかを示すこともできる。
【0021】
用語「エベロリムス」は、マクロライド系薬剤の何らかのメンバーであることを意味するために明細書中で使用される。
【0022】
用語「疎水性」は、水に可溶でないことを意味するために、明細書中で使用される。
【0023】
用語「親水性」は、水に可溶であることを意味するために、明細書中で使用される。
【0024】
用語「管腔」は、身体通路の内部オープンスペース又は空洞の何れかを意味するために、明細書中で使用される。
【0025】
用語「ポリマー」及び「重合物質」は、同意語であり、限定はされないが、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマー等を含むと広く解釈することができる。
【0026】
用語「プロテーゼ」は、限定されないが、ステント、薬物送達デバイス等々を含む、何かの治療理由又は目的のために被検者の体内に移植される任意のタイプの管腔内プロテーゼ又は他のデバイスを示すために、本明細書中に広い意味で使用される。
【0027】
本明細書中で、用語「被検者」は、医療、家畜病治療、検査及び/又はスクリーニング目的のための人間及び動物(例えば、哺乳類被検者)の両方を記述するのに使用される。
【0028】
本明細書中で使用されるように、「XとYとの間」及び「約XとYとの間」のようなフレーズは、X及びYを含むと解釈すべきである。
【0029】
本明細書中で使用されるように、「約XとYとの間」のようなフレーズは、「約Xと約Yとの間」を意味する。
【0030】
本明細書中で使用されるように、「約XからYまで」のようなフレーズは、「約Xから約Yまで」を意味する。
【0031】
本発明の実施態様による、管腔内プロテーゼ(例えばステント等)の重合物質に被検者の体内に送達するための薬剤を含浸させる方法は、図1〜3を参照して説明される。本発明の実施態様は、管腔内プロテーゼ製造と関連する、限定されないが、押出し、引抜成形、射出成形、圧縮成形等々を含む多数の製造工程と一緒に使用することができる。更に、本発明の実施態様は、バッチ、半連続又は連続工程で利用することができる。
【0032】
最初に、図1を参照して、重合物質を含む(例えば重合物質から製造されるか又は重合物質のコーティングを有する)管腔内プロテーゼ(例えばステント、薬物送達デバイス等々)を、担体流体と薬剤との混合物に浸漬する(ブロック100)。本発明の実施態様により、1種以上の薬剤を、管腔内プロテーゼの重合物質又は管腔内プロテーゼの周囲のポリマーコーティング内に注入することができる。
【0033】
担体流体は、気体、液体又は超臨界流体であってよい。担体流体は、組成物中で不均一又は均一であってよく、即ち、1層組成物であるか又は追加の層を1つ以上、例えば、マイクロエマルジョン、エマルジョン、分散液、懸濁液等の形で含んでよい。担体流体は、二酸化炭素を含む、二酸化炭素からなる又は基本的には二酸化炭素からなってよい。複数の相が担体流体中に見られる場合は、二酸化炭素は連続相であってよい。1つ以上の他の成分が担体流体に含まれてもよく、例えば補助溶媒(即ち、水又は有機補助溶媒、例えばエタノール及びメタノール)、界面活性剤等が含まれてもよい。1つ以上の有機補助溶媒が含まれる場合には、それらは(又は少なくともそれぞれのうちの1つが)極性又は非極性であってよい。1つ以上の界面活性剤が含まれる場合は、それらは、親油性(疎水性)基又は親水性基のどちらかに結合した二酸化炭素親和性基を含んでよく、慣用の界面活性剤は、親水性基と結合した親油性(疎水性)基又は各1つ以上を含む。担体流体は、二酸化炭素少なくとも30、40、50、60、70、80又は90重量%を含んでよい。担体流体中に水が存在する場合は、水は、組成物の約0.01、0.1又は0.5から約1、5、10又は20重量%まで、あるいはそれ以上を含んでよい。
【0034】
一般に、プロテーゼ物質及び/又はコーティングに包含されるのに好適な薬剤は、本発明によれば、限定されはしないが、薬物及び他の生物学的に活性な物質を含み、かつ多種多様な作用を遂行することが意図され、これらの作用とは、抗癌治療(例えばレサン(Resan))、抗血餅形成又は抗血小板形成、平滑筋細胞増殖の防止、移動防止、血管壁内の増殖防止を含むが、これらに限定はされない。薬剤は、抗腫瘍薬、抗有糸分裂剤、抗炎症剤、抗血小板薬、抗凝血薬、抗線維素剤、抗トロンビン剤、抗増殖剤、抗生物質、抗酸化剤及び抗アレルギー物質並びにこれらの組み合わせを含んでよい。抗腫瘍剤及び/又は抗有糸分裂剤の例は、パクリタキセル(細胞増殖抑制性及び抗炎症性)及びその類似物及び医薬のタキソール(TAXOL:登録商標名、Bristol-Myers Squibb Co.,Stamford,Conn.)系の全化合物、ドセタキセル(例えば、Aventis S.A.,フランクフルト、ドイツからのTAXOTERE(登録商標名))、メトトレキサート、アザチオプリン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、フルオロウラシル、ドキソルビシンヒドロクロリド(例えばPharmacia&Upjohn,Peapack N.J.からのADRIAMYCIN(登録商標名))及びマイトマイシン(例えばBristol-Myers Squibb Co.,Stamford,Conn.からのMUTAMYCIN:(登録商標名))を含む。抗炎症剤の例は、シロリムス及びその類似体(エベロリムス及びリムス系医薬中の全ての化合物を含むが、これらに限定はされない)、グルココルチコイド、例えばデキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン及びベタメタゾン及び非ステロイド性抗炎症薬、例えばアスピリン、インドメタシン及びイブプロフェンを含む。抗血小板薬、抗凝血薬、抗線維素剤及び抗トロンビン剤の例は、ヘパリンナトリウム、低分子量ヘパリン、ヘパリン様物質、ヒルジン、アルガトロバン、フォルスコリン、バピプロスト(vapiprost)、プロスタサイクリン及びプロスタサイクリン類似体、デキストラン、D−phe−pro−arg−クロロメチルケトン(合成抗トロンビン)、ジピリダモール、糖蛋白IIB/IIIa血小板膜受容体アンタゴニスト抗体、組み換えヒルジン、及びトロンビン阻害薬、例えばアンギオマックス(Angiomax(登録商標名):Biogen,Inc.,Cambridge,Mass)を含む。細胞増殖抑止剤又は抗増殖剤又は増殖阻害剤の例は、エベロリムス、アクチノマイシンD並びにその誘導体と類似体(Sigma-Aldrich,Milwaukee,Wis.により製造又はCOSMEGEN(登録商標名):Merck&Co.,Inc.,Whitehouse Station,N.J.から市販)、アンジオペプチン、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、例えばカプトプリル(例えば、Bristol-Myers Squibb Co.,Stamford,Conn.からのCAPOTEN(登録商標名)及びCAPOZIDE(登録商標名))、シラザプリル又はリシノプリル(例えば、Prinivilo及びMerck&Co.,Inc.,Whitehouse Station,N.J.からのPRINZIDE(登録商標名))、カルシウムチャンネル遮断剤(例えばニフェジピン)、コルヒチン、線維芽細胞増殖因子(FGF)アンタゴニスト、魚油(ω3−脂肪酸)、ヒスタミンアンタゴニスト、ロバスタチン(HMG−CoAレダクターゼの阻害剤、コレステロール降下剤、Merck & Co.,Inc.,Whitehouse Station,N.J.からの商標名MEVACOR)、モノクロナール抗体(例えば、血小板由来成長因子(PDGF)受容体に特異的な抗体)、ニトロプルシド、ホスホジエステラーゼ阻害剤、プロスタグランジン阻害剤、スラミン、セロトニン遮断薬、ステロイド、チオプロテアーゼ阻害剤、トリアゾロピリミジン(PDGFアンタゴニスト)、及び酸化窒素を含む。抗アレルギー剤の例は、ペルミロラストカリウムである。使用できる他の治療物質又は薬剤は、αインターフェロン、遺伝子改変された上皮細胞及びデキサメタゾンを含む。
【0035】
Shockey et al.への米国特許No.4994033、Sahatian et al.への同5674192及びWolff et al.への同5545208は、所望の投与量の薬物を含有する吸収されやすい/生分解性のポリマー又はヒドロゲルを含むカテーテルを開示している。薬物送達を組み込んだステントは、例えば、それぞれ、全体として、参考に、本明細書中に組み入れられている、Turnlund et al.への米国特許No.5766710、Buscemi et al.への同5769883、Eury et al.への同5605696、Buscemi et al.への同5500013、Buscemi et al.への同5551954及びEuryへの同5443458に見ることができる。
【0036】
本発明の実施態様により、薬剤は、親水性又は疎水性であってよい。親水性薬剤については、担体流体は水であってよい。疎水性薬剤に関しては、担体流体は、超臨界流体、例えば液体二酸化炭素であってよい。本発明の実施態様による典型的な疎水性薬剤は、エベロリムスである。エベロリムスは、臓器移植患者における慢性拒否反応の主要原因をターゲットにする増殖阻害剤であり、再狭窄の防止に有効でもある。
【0037】
本発明の実施態様により、二酸化炭素は、液体、気体又は超臨界相で、1つの流体として使用することができる。液体二酸化炭素を使用するならば、プロセスの間の使用温度は、概して、31℃以下である。気体二酸化炭素を使用するならば、相は、高圧で使用することができる。本明細書中で使用されるように、用語「高圧」は、一般に、圧力約50〜約500barを有する二酸化炭素を意味する。二酸化炭素は、「超臨界」相で利用することができる。本明細書中で使用されるように、「超臨界」とは、流体媒体が、その臨界温度及び圧力、即ち、二酸化炭素であれば約31℃及び約71bar、より上にあることを意味する。二酸化炭素の熱力学的特性は、Hyatt,J.Org.Chem.49:5097〜5101(1984)中に報告されている。
【0038】
一般的に、超臨界流体は、周囲温度及び圧力で気体である。しかしながら、その臨界点以上に保持されると、超臨界流体は、気体と液体両方の特性を示す。具体的には、超臨界流体は液体の溶媒特性を有するが、気体の低い表面張力を有する。従って、気体と同様に、超臨界流体は、重合物質中により容易に拡散することができる。多種多様の超臨界流体の何れも本発明の実施態様により利用できるが、二酸化炭素は、実質的に無反応及び無毒(即ち不活性)であるので、特に望ましい超臨界流体である。
【0039】
二酸化炭素は、無毒生、非引火性、化学的不活性、完全に回収可能、豊富かつ安価である。二酸化炭素は、多数の液体特性と気体特性との間にある特性を有する。室温及び、その蒸気圧以上で、二酸化炭素は、有機溶剤に匹敵する密度の液体として存在するが、優れた湿潤性及び非常に低い粘性を有する。その臨界温度及び圧力(31℃及び73.8bar)より上で、二酸化炭素は超臨界状態にあり、気体様粘度及び液体様密度を有する。温度又は圧力における小さな変化は、超臨界二酸化炭素の密度、粘度及び誘電特性における劇的な変化を引き起こし、超臨界二酸化炭素を並外れて整調可能で、用途が広く、かつ選択的な溶剤にする。
【0040】
図1をなおも参照して、担体流体と薬剤との混合物は、管腔内プロテーゼの重合物質が膨潤して、担体流体と薬剤が少なくとも部分的に膨潤重合物質中に浸透するのに十分な時間、加圧される(ブロック110)。本発明の実施態様により、加圧二酸化炭素の使用によるか又は異なる第二加圧ガスの使用により、圧力を加えることができる。1つ以上の不活性ガス等の種々の第二加圧ガスは、ヘリウム、窒素、アルゴン等々又はこれらの組合せであってよい。
【0041】
二酸化炭素に可溶の薬剤(例えば疎水性薬品)に関しては、二酸化炭素を担体流体及び加圧媒体の両方として利用することができる。二酸化炭素不溶の薬剤(例えば親水性薬品)に関しては、薬剤及び担体流体を、上を覆う二酸化炭素のブランケットにより加圧することができる。当業者に公知のように、二酸化炭素は、重合物質を膨潤させ、かつ可塑性にすることができる。二酸化炭素雰囲気下の重合物質中に、二酸化炭素は分配されることができる。これが起こると、ポリマーの無定形相のガラス転移温度を劇的に下げることができる。これが起きると、第三成分の拡散性が、劇的に増加し得る。そのような可塑性は、薬剤のような第三成分の、物質への分配を可能にする。通常、ガラス転移温度を上げるには熱が必要とされる。不運なことに、熱的に不安定な薬剤では、加熱は問題となる。
【0042】
本発明の実施態様により、二酸化炭素のような担体流体は、重合物質の透過性を変性させて、多種多様の薬剤−ポリマーマトリックスの拡散係数を変化させるのに利用することができる。
【0043】
次いで、担体流体が膨潤重合物質から拡散し、かつ所定量の薬剤が重合物質内に溶離可能に捕捉されたままになるように圧力を除く(ブロック120)。用語「溶離可能に捕捉される」とは、管腔内プロテーゼが、被検者の体内に配備されると、そこから(所定の速度で)溶離できるように薬剤が重合物質内に配置されていることを意味する。除圧のステップは、所定の時間後、薬剤の所望量が残存することを保証する所定のスケジュールにより、制御された条件下で実施される。制御された条件は、以下のパラメーター:温度、温度変化率、圧力、圧力変化率、担体流体量、担体流体中の薬剤の濃度、補助溶媒及び界面活性剤等の濃度、の1つ以上を、所定のパターンで制御することを含む。これらのパラメーターは、減圧が達成された後に、重合物質内に捕われた薬剤の濃度を制御することができる。更に、これらのパラメーターが変化するにつれ、減圧後に重合物質内に捕われた薬剤の濃度勾配を得ることができる。そのような濃度勾配は、薬剤の変性された溶離特性を生じさせることができる。
【0044】
本発明の実施態様により、管腔内プロテーゼの重合物質は侵食性であってよい(あるいは、管腔内プロテーゼは、侵食性コーティングを有してよい)。本発明の実施態様により利用できる典型的な侵食性物質は、外科用消化管縫糸、絹、木綿、リポソーム、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリ酸無水物、ポリエチレングリコール、ポリ(オルトエステル)、ポリ(ホスホエステル)、ポリエステル、ポリアミド(例えばD−グルコースから誘導されるポリアミド)、ポリホスファゼン、ポリ(p−ジオキサン)、ポリ(アミノ酸)、ポリグラクチン及びそのコポリマー、侵食性ヒドロゲル、天然ポリマー、例えばコラーゲン及びキトサン等々を含むが、これらに限定されることはない。例えば、Healy et al.への米国特許No.5723508を参照のこと。好適な侵食性ポリマーの詳細な例は、脂肪族ポリエステルポリマー、例えば、ポリ(乳酸)、ポリ(L−乳酸)、ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(D−乳酸/グリコール酸)(Poly(D-lactic-co-glycolic acid))、ポリ(L−乳酸/グリコール酸)、ポリ(D,L−乳酸/グリコール酸)、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(バレロラクトン)、ポリ(ヒドロキシブチレート)(ポリ(ヒドロキシブチレートバレレート)を含む)、ポリ(ヒドロバレレート)、ポリジオキサノン、ポリ(プロピレンフマレート)等々を含み、これらのコポリマー、例えばポリ乳酸−ポリエチレングリコールブロックコポリマー及びポリ(エチレンオキシド)−ポリ(ブチレンテトラフタレート)、ポリ(乳酸/リジン)、ポリ(ε−カプロラクトンコポリマー)、ポリ(L−乳酸コポリマー)等々を含むが、これらに限定されることはない。例えば、J.Oh et al.へのPCT出願WO99/59548、2ページを参照のこと。侵食性ポリマーの追加例は、Cook et al.への米国特許No.5916585、9段53行から10段22行までに記載される。ポリマーの分子量(即ち平均分子量)は、1000、10000、100000、又は500000から2000000又は4000000ダルトンまで又はそれ以上であってよい。
【0045】
本発明の実施態様により、管腔内プロテーゼは、侵食性でない重合物質から構成されていて良い。典型的な非侵食性物質は、フルオロポリマー、ポリエステル、PET、ポリエチレン、ポリプロピレン等々及び/又はセラミックス、例えばヒドロキシアパタイトを含むが、これらに限定はされない。
【0046】
図2を参照して、本発明の他の態様による管腔内プロテーゼに薬剤を含浸させる方法が示される。重合物質を含む(例えば、重合物質から形成されるか又は重合物質のコーティングを有する)管腔内プロテーゼ(例えば、ステント、薬物送達デバイス等々)を圧力容器内に配置する(ブロック200)。圧力容器内部を、所定圧まで、圧力媒体(例えば、二酸化炭素)を介して加圧する(ブロック210)。担体流体と薬剤の混合物を圧力容器に供給し(ブロック220)、かつ重合物質が膨潤して、担体流体と薬剤が少なくとも部分的に膨潤重合物質中に浸透するのに十分な時間、管腔内デバイスの重合物質と接触させる(ブロック230)。薬剤が異なる濃度でその中に捕捉される重合物質の部分又は領域を創造するために、あるいは、プロテーゼの1領域に1つの薬剤を分配し、プロテーゼの第二(又は第三又は第四)の領域に他の薬剤を分配させるために、重合物質の選択された部分をマスクすることができる。マスクは、より少ない程度に可塑化される、おそらくは全く可塑化されない物質からなる保護層であってよく、これにより、マスクにより保護されないエリア中の薬剤の分配を、マスクにより保護されるエリアよりいっそう高くする。選択的な粘着力を高めるパターンを得るために、種々のマスキング技術のいずれかを使用することができる。
【0047】
次いで、担体流体(例えば二酸化炭素)が膨潤重合物質から拡散し、所定量の薬剤が重合物質内に溶離可能に捕捉されたままにするように、圧力容器を放圧する(ブロック240)。当業者に理解されるように、担体流体の重合物質からの除去は、圧力容器からのポンピング及び/又は排気を含む任意の好適な手段により促進することができる。
【0048】
図3を参照して、本発明の他の態様による管腔内プロテーゼに薬剤を含浸させる方法が説明される。重合物質を含む(例えば、重合物質から形成されるか又は重合物質のコーティングを有する)管腔内プロテーゼ(例えば、ステント、薬物送達デバイス等々)は、重合物質を粘着性にするのに十分な条件下で、重合物質(又はその1部)を二酸化炭素に曝露する(ブロック300)。用語「粘着力を高める」は、微粉末化粒子がそこに接着されて固定され得るように重合物質表面が接着特性を示している(例えば「粘着性」となる)ことを意味する。粒子は、又、界面活性剤のような添加物の助けを借りて又は借りずに、二酸化炭素媒体中で流動化されるか又は分散され、重合物質に接着される薬剤の一様な分布を促進することができる。重合物質の部分を選択的に粘着力を高めるために重合物質の選択部分をマスクしても良い。マスクは、より少ない程度まで可塑化される、おそらくは全く可塑化されない物質からなる保護層であってよく、これにより、マスクにより保護されないエリアへ粒子を接着させる。選択的に粘着を高めるパターンを得るために、種々のマスキング技術のいずれを使用することもできる。
【0049】
微粉末乾燥形の薬剤1つ以上を、直接に、重合物質の粘着部分に適用する(ブロック310)。前記薬剤1つ以上は、接着剤を単独又は補助的に使用することなく本体部分に直接に接着される。複数薬剤の層は、本体部に直接に接着された最低層と共に利用することができる。
【0050】
薬剤は、粘着性重合物質に容易に接着する乾燥微粉末又は半微粉末の粒子の形で供給される。多種多様の薬剤は、粒径約1〜0.05ミクロンを有するような形状で市販されている。そのような薬剤の例は、抗生物質、抗血栓剤、抗再狭窄剤及び抗腫瘍薬を含むが、これらに限定はされない。
【0051】
微粉末乾燥形の特に望ましい抗腫瘍薬剤は、パクリタキセルである。パクリタキセルは、限定はされないが、卵巣癌、乳癌、あるタイプの肺癌、皮膚癌、及び免疫不全症候群(AIDS)患者により一般的に見られる粘膜の癌等々を含む種々の癌の治療に使用される抗腫瘍薬である。
【0052】
更に、任意のそのような微粉末化又は半微粉末化薬剤は、所望の薬剤カクテルを調剤するために、種々の組み合わせのいずれかで混合されていてよい。例えば、多数の異なる薬剤は、各粒子に一体化することができる。あるいは、各薬剤の微粉末粒子は粘性にされた重合物質に適用される前に、混合されてよい。
【0053】
本発明の実施態様により、種々の薬剤は、管腔内プロテーゼの種々の部分に適用することができる。微粉末化又は半微粉末化粒子の適用は、多数の公知方法の何れかにより達成することができる。例えば、粒子を粘着性重合物質上に吹き付けるか又は粘着性重合物質を微粉末粒子の粉末中で回転させてもよい。
【0054】
本発明の実施態様により、複数の薬剤は、管腔内プロテーゼに、層で、直接に接着することができる。
【0055】
微粉末化粒子が、重合物質の粘着部分に適用された後、1つ以上の膜層が、管腔内プロテーゼに適用され得る(ブロック320)。膜層は、被検者の体内に管腔内プロテーゼが配備されると、そこを通って薬剤を溶離させるように構成される。膜は、被検者の体内に管腔内プロテーゼが配備されると、所定の速度で薬剤を溶離させることができる。
【0056】
本発明の実施態様により、複数の膜が、その間に異なるタイプ及び/又は量の薬剤を有して積層され得る。複数層の構成は、複数の薬剤を、疾病の過程と相関して溶離させることができ、従って、その進行において疾病の変化する局面を標的にすることを可能にする。
【0057】
本発明の実施態様により、膜層は、管腔内プロテーゼの重合物質の全てを密閉することができる。他の態様により、膜層は、重合物質の選択部分のみを密閉することができる(例えば、粘着部分のみ)。膜層物質は、薬剤との生体適合性並びにそれに対する透過性について選択される。膜層は、被検者内への配備を補助するようにも作用する。
【0058】
膜層の化学的組成及び薬剤の化学的組成は、膜層の厚さと共同で、薬剤の拡散速度を決定する。本発明の実施態様による膜層に好適な物質の例は、エチレンビニルアルコール、エチレン酢酸ビニル、ポリエチレングリコール等々を含むが、これらに限定はされない。あるいは、フルオロカーボンフィルムは、本発明の実施態様による膜層として作用させるために使用することができる。本発明の実施態様により、膜層物質は、侵食性であってよい。本発明の実施態様により、膜層物質は、下にあるプロテーゼと同一の物質(あるいは類似物質)であってよい。
【0059】
図1〜3に関して前記された本発明の実施態様は、当業者に公知の装置を使用して実施することができる。図1〜2の方法による、管腔内プロテーゼに薬剤を含浸させるのに使用する典型的な装置は、本明細書中に全体に参考として組み入れられている、Perman et al.への米国特許No.5808060で図示されかつ記述されている。
【0060】
図4〜5を参照すると、本発明の実施態様により製造できる管腔内プロテーゼ10が、図示される。図示されたプロテーゼ10は、ステントであり、第一端部14と、第二端部16と、第一端部14から第二端部16へとその中を通って画定される流路18とを有する管本体部12を含む。本体部12は、被検者の血管内部に管腔内設置するためのサイズであり、これは、第一の減じられた断面寸法(即ち収縮構造)から第二の拡大断面寸法(即ち拡大構造)へと拡大でき、その結果、本体部12は、管腔内で、治療部へと輸送され、次いで第二拡大断面寸法に膨張して、治療部位で、血管壁と係合して、これを支持する。本体部12は、少なくとも部分的に侵食性重合物質から形成されるか又は侵食性重合物質のコーティングを有する。重合物質は、一軸及び/又は二軸延伸ポリマーを含んでよい。他の態様により、本体部12は、少なくとも部分的に非侵食性物質から形成されてよい。
【0061】
本発明の実施態様により、乾燥微粉末形の薬剤(平行線模様で表された15)1種以上は、本体部12の重合物質13又は本体部12を取り巻くポリマーコーティング又はその一部に直接に接着することができる。図示された態様では、膜20は、本体部12に接着し、1種以上の薬剤15を覆う。膜20は、管腔内プロテーゼが、被検者の体内に配備されたら、そこを通って1種以上の薬剤15が溶離できるように構成される。
【0062】
複数の薬剤が利用されるならば、複数の薬剤は、本体部12上に均一に分布されるか又は本体部12上に不均一に分布されてよい。
【0063】
図6を参照すると、本発明の実施態様により製造できる管腔内プロテーゼ10’が図示される。図示された管腔内プロテーゼ10’は、図4〜5に関して前記したように、本体部12に接着された微粉末乾燥形の第一の薬剤15と、第一の薬剤15を覆う第一の膜層20とを含む。図示された管腔内プロテーゼ10’は、第二薬剤15’が第一と第二の膜層、20、20’、の間に挟まれるように、第一膜層20に接着された第二薬剤15’と、第二薬剤15’を覆う第二膜層20’とを更に含む。第二膜層20’は、管腔内プロテーゼ10’が被検者の体内に配備されると、第二の薬剤15’がそれを通って溶離できるように構成される。図示された管腔内プロテーゼ10’は、それにより、有利には、所定かつ制御された速度で第一薬剤15及び第二薬剤15’を順次溶離させることができる。
【0064】
本発明の実施態様により提供される管腔内プロテーゼは、血管系以外に、限定はしないが、胆道、食道、腸、気管−気管支道、尿道等々を含む身体部位で使用することができる。
【0065】
前記記述は、本発明を説明し、これを限定すると解釈すべきではない。本発明のいくつかの典型的態様が記載されるが、本発明の新規教示及び利点に実質的に反することなく典型的態様で多くの変更が可能であることは、当業者に容易に認識されるであろう。従って、そのような変更のすべては、特許請求の範囲に定義される本発明の範囲に含まれることが意図される。本発明は、以下の請求項により定義され、その等価物もその中に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施態様により、重合物質に薬剤を含浸させる操作のフローチャートである。
【図2】本発明の実施態様により、重合物質に薬剤を含浸させる操作のフローチャートである。
【図3】本発明の実施態様により、重合物質に薬剤を適用する操作のフローチャートである。
【図4】本発明の実施態様により製造された管腔内プロテーゼの斜視図である。
【図5】図4の管腔内プロテーゼの5−5線に沿った断面図である。
【図6】本発明の実施態様により、第二の薬剤と第二の膜を備えた図4の管腔内プロテーゼの断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管腔内プロテーゼに薬剤を含浸させる方法であって、前記方法は、
担体流体と薬剤との混合物に、重合物質を含む管腔内プロテーゼを浸漬し、
重合物質が膨潤して、担体流体と薬剤が少なくとも部分的に膨潤重合物質中に浸透するのに十分な時間、担体流体と薬剤との混合物を加圧し、
担体流体が膨潤重合物質から拡散し、かつ所定量の薬剤が重合物質内に溶離可能に捕捉されて残存するように圧を除く
ことを含む、方法。
【請求項2】
担体流体は、二酸化炭素であり、薬剤は疎水性である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
薬剤はエベロリムスを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
担体流体は、水であり、薬剤は親水性である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
担体流体と薬剤との混合物への加圧は、前記担体流体と薬剤との混合物を加圧二酸化炭素にさらすことを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
二酸化炭素は超臨界状態で存在する、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
二酸化炭素は補助溶媒、界面活性剤及び共活性剤を1種以上含有する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
担体流体は、重合物質の拡散係数を変えるように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
補助溶媒は、エタノール及びメタノールからなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
管腔内プロテーゼは、ステントである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
重合物質は、侵食性である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
重合物質は、非侵食性である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
重合物質は、管腔内プロテーゼの一部の上のコーティングである、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
侵食性重合物質は、外科用消化管縫糸、絹、木綿、リポソーム、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリ酸無水物、ポリエチレングリコール、ポリ(オルトエステル)、ポリ(ホスホエステル)、ポリエステル、ポリアミド、ポリホスファゼン、ポリ(p−ジオキサン)、ポリ(アミノ酸)、ポリグラクチン、侵食性ヒドロゲル、コラーゲン、キトサン、ポリ(乳酸)、ポリ(L−乳酸)、ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(D−乳酸/グリコール酸)、ポリ(L−乳酸/グリコール酸)、ポリ(D,L−乳酸/グリコール酸)、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(バレロラクトン)、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリ(ヒドロバレレート)、ポリジオキサノン、ポリ(プロピレンフマレート)、ポリ(エチレンオキシド)−ポリ(ブチレンテトラフタレート)、ポリ(乳酸/リジン)、ポリ(L−乳酸)及びポリ(ε−カプロラクトン)コポリマーからなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
除圧ステップは、制御条件下で実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
除圧ステップは、温度、温度変化率、圧力、圧力変化率、担体流体の量、及び担体流体の量の割合からなる群から選択された、少なくとも1つのパラメーターが、所定のパターンで制御される、制御条件下で実施される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
担体流体と放射線不透過性物質との混合物に、管腔内プロテーゼを浸漬し、かつ
重合物質が膨潤して、担体流体と放射線不透過性物質が少なくとも部分的に膨潤重合物質中に浸透するのに十分な時間、担体流体と放射線不透過性物質との混合物を加圧する
ことを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
管腔内プロテーゼに所定量の薬剤を含浸させる方法であって、前記方法は、
二酸化炭素と薬剤との混合物に、侵食性重合物質を含む管腔内ステントを浸漬し、その場合、侵食性重合物質は、外科用消化管縫糸、絹、木綿、リポソーム、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリ酸無水物、ポリエチレングリコール、ポリ(オルトエステル)、ポリ(ホスホエステル)、ポリエステル、ポリアミド、ポリホスファゼン、ポリ(p−ジオキサン)、ポリ(アミノ酸)、ポリグラクチン、侵食性ヒドロゲル、コラーゲン、キトサン、ポリ(乳酸)、ポリ(L−乳酸)、ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(D−乳酸/グリコール酸)、ポリ(L−乳酸/グリコール酸)、ポリ(D,L−乳酸/グリコール酸)、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(バレロラクトン)、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリ(ヒドロバレレート)、ポリジオキサノン、ポリ(プロピレンフマレート)、ポリ(エチレンオキシド)−ポリ(ブチレンテトラフタレート)、ポリ(乳酸/リジン)、ポリ(L−乳酸)及びポリ(ε−カプロラクトン)コポリマーからなる群から選択され、
重合物質が膨潤して、二酸化炭素と薬剤が少なくとも部分的に膨潤重合物質中に浸透するのに十分な時間、二酸化炭素と薬剤との混合物を加圧し、
二酸化炭素が膨潤重合物質から拡散し、かつ所定量の薬剤が重合物質内に溶離可能に捕捉されて残存するように圧を除く
ことを含む、方法。
【請求項19】
薬剤は、エベロリムスである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
重合物質は、管腔内プロテーゼの一部の上のコーティングである、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
二酸化炭素は超臨界状態で存在する、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
二酸化炭素は、重合物質の拡散係数を変えるように構成される、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
管腔内プロテーゼは、ステントである、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
管腔内プロテーゼに薬剤を含浸させる方法であって、前記方法は、
水と親水性薬剤との混合物に、侵食性重合物質を含む管腔内プロテーゼを浸漬し、その場合、侵食性重合物質は、外科用消化管縫糸、絹、木綿、リポソーム、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリ酸無水物、ポリエチレングリコール、ポリ(オルトエステル)、ポリ(ホスホエステル)、ポリエステル、ポリアミド、ポリホスファゼン、ポリ(p−ジオキサン)、ポリ(アミノ酸)、ポリグラクチン、侵食性ヒドロゲル、コラーゲン、キトサン、ポリ(乳酸)、ポリ(L−乳酸)、ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(D−乳酸/グリコール酸)、ポリ(L−乳酸/グリコール酸)、ポリ(D,L−乳酸/グリコール酸)、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(バレロラクトン)、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリ(ヒドロバレレート)、ポリジオキサノン、ポリ(プロピレンフマレート)、ポリ(エチレンオキシド)−ポリ(ブチレンテトラフタレート)、ポリ(乳酸/リジン)、ポリ(L−乳酸)及びポリ(ε−カプロラクトン)コポリマーからなる群から選択される、
重合物質が膨潤して、水と薬剤が少なくとも部分的に膨潤重合物質中に浸透するのに十分な時間、水と薬剤との混合物を二酸化炭素で加圧し、
水が膨潤重合物質から拡散し、かつ所定量の薬剤が重合物質内に溶離可能に捕捉されて残存するように圧を除く
ことを含む、方法。
【請求項25】
重合物質は、管腔内ステントの一部の上のコーティングである、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
二酸化炭素は超臨界状態で存在する、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
二酸化炭素は補助溶媒、界面活性剤及び共活性剤を1種以上含有する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
補助溶媒は、エタノール及びメタノールからなる群から選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
管腔内プロテーゼは、ステントである、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
二酸化炭素と放射線不透過性物質との混合物に、管腔内プロテーゼを浸漬し、かつ
重合物質が膨潤して、二酸化炭素と放射線不透過性物質が少なくとも部分的に膨潤重合物質中に浸透するのに十分な時間、二酸化炭素と放射線不透過性物質との混合物を加圧する
ことを更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
管腔内プロテーゼに薬剤を含浸させる方法であって、前記方法は、
圧力容器内にその1部が重合物質を含む管腔内プロテーゼを配置し、
圧力容器内部を所定圧まで加圧し、
担体流体と薬剤との混合物を圧力容器に供給し、
重合物質が膨潤して、担体流体と薬剤が少なくとも部分的に膨潤重合物質中に浸透するのに十分な時間、重合物質及び担体流体と薬剤との混合物を圧力容器中で露出させ、
担体流体が膨潤重合物質から拡散し、かつ所定量の薬剤が重合物質内に溶離可能に捕捉されて残存するように圧力容器内の圧を抜く
ことを含む、方法。
【請求項32】
担体流体は、二酸化炭素であり、薬剤は疎水性である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
薬剤は、エベロリムスである、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
担体流体は、水であり、薬剤は親水性である、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
圧力容器内部への加圧は、圧力容器内部を二酸化炭素で加圧することを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
二酸化炭素は超臨界状態にある、請求項31に記載の方法。
【請求項37】
二酸化炭素は補助溶媒、界面活性剤及び共活性剤を1種以上含有する、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
担体流体は、重合物質の拡散係数を変えるように構成される、請求項31に記載の方法。
【請求項39】
補助溶媒は、エタノール及びメタノールからなる群から選択される、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
管腔内プロテーゼは、ステントである、請求項31に記載の方法。
【請求項41】
重合物質は、侵食性である、請求項31に記載の方法。
【請求項42】
重合物質は、非侵食性である、請求項31に記載の方法。
【請求項43】
重合物質は、管腔内プロテーゼの一部の上のコーティングである、請求項31に記載の方法。
【請求項44】
侵食性重合物質は、外科用消化管縫糸、絹、木綿、リポソーム、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリ酸無水物、ポリエチレングリコール、ポリ(オルトエステル)、ポリ(ホスホエステル)、ポリエステル、ポリアミド、ポリホスファゼン、ポリ(p−ジオキサン)、ポリ(アミノ酸)、ポリグラクチン、侵食性ヒドロゲル、コラーゲン、キトサン、ポリ(乳酸)、ポリ(L−乳酸)、ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(D−乳酸/グリコール酸)、ポリ(L−乳酸/グリコール酸)、ポリ(D,L−乳酸/グリコール酸)、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(バレロラクトン)、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリ(ヒドロバレレート)、ポリジオキサノン、ポリ(プロピレンフマレート)、ポリ(エチレンオキシド)−ポリ(ブチレンテトラフタレート)、ポリ(乳酸/リジン)、ポリ(L−乳酸)及びポリ(ε−カプロラクトン)コポリマーからなる群から選択される、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
担体流体と放射線不透過性物質との混合物に、管腔内プロテーゼを浸漬し、かつ
重合物質が膨潤して、担体流体と放射線不透過性物質が少なくとも部分的に膨潤重合物質中に浸透するのに十分な時間、担体流体と放射線不透過性物質との混合物を加圧する
ことを更に含む、請求項31に記載の方法。
【請求項46】
管腔内プロテーゼに薬剤を含浸させる方法であって、前記方法は、
重合物質の粘着力を高めるのに十分な条件下で、二酸化炭素に管腔内プロテーゼの重合物質を曝露させ、
薬剤を微粉末化された乾燥形で粘着性重合物質に適用し、
管腔内プロテーゼに膜層を適用し、その場合、前記膜層は、管腔内プロテーゼが被検者の体内に配備される時に薬剤がそれを通って溶離できるように構成される、
ことを含む、方法。
【請求項47】
管腔内プロテーゼの重合物質の選択された部分のみが二酸化炭素に曝露され、粘着力を高める、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
管腔内プロテーゼはマスクされて、ベース層の二酸化炭素への曝露が、管腔内プロテーゼの選択された部分のみに限定される、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
複数の薬剤が粘着性重合物質に適用される、請求項46に記載の方法。
【請求項50】
複数の薬剤が、均一な混合物を構成する、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
大量の薬剤中で管腔内プロテーゼを回転させることにより、薬剤が適用される、請求項46に記載の方法。
【請求項52】
管腔内プロテーゼに乾燥微粉末粒子を吹き付けることにより、薬剤が適用される、請求項46に記載の方法。
【請求項53】
膜層は、エチレン酢酸ビニルを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項54】
膜層は、ポリエチレングリコールを含む、請求項46に記載の方法
【請求項55】
膜層は、フルオロポリマーフィルムを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項56】
薬剤は、抗腫瘍薬を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項57】
薬剤は、パクリタキセルを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
管腔内プロテーゼに複数の薬剤を含浸させる方法であって、前記方法は、
重合物質の複数の箇所が粘着力を高めるのに十分な条件下で、二酸化炭素に管腔内プロテーゼの重合物質を曝露させ、
重合物質の各粘着性部分に、微粉末化された乾燥形の夫々異なる薬剤を適用し、
管腔内プロテーゼに膜層を適用し、その場合、前記膜層は、管腔内プロテーゼが被検者の体内に配備される時に薬剤がそれを通って溶離できるように構成される、
ことを含む、方法。
【請求項59】
管腔内プロテーゼに複数の薬剤を含浸させる方法であって、前記方法は、
重合物質の1部が粘着力を高めるのに十分な条件下で、二酸化炭素に管腔内プロテーゼの重合物質を曝露させ、
重合物質の粘着性部分に、微粉末化された乾燥形の第一の薬剤を適用し、
管腔内プロテーゼに第一の膜層を適用し、その場合、第一の膜層は、管腔内プロテーゼが被検者の体内に配備される時に第一の薬剤がそれを通って溶離できるように構成される、
前記第一の膜層に第二の薬剤を適用し、
第二の薬剤が第一と第二の膜層の間に挟まれるように第二の膜層を管腔内プロテーゼに適用し、かつその場合、第二の膜層は、管腔内プロテーゼが被検者の体内に配備される時に第二の薬剤がそれを通って溶離できるように構成される、
ことを含む、方法。
【請求項60】
管腔内プロテーゼであって、これは、
重合物質を含む管状本体部と、
管状本体部に直接に取り付けられた乾燥微粉末形の薬剤と、
管状本体部に取りつけられた膜と
を含み、その際、膜は、薬剤を覆い、膜は管腔内プロテーゼが被検者の体内に配備される時に薬剤がそれを通って溶離できるように構成される、プロテーゼ。
【請求項61】
薬剤が所定の割合で溶離できるように膜は構成される、請求項60に記載の管腔内プロテーゼ。
【請求項62】
管状本体部は、有機系侵食性物質を含む、請求項60に記載の管腔内プロテーゼ。
【請求項63】
薬剤は、選択された位置でのみ、管状本体部に直接に付着する、請求項60に記載の管腔内プロテーゼ。
【請求項64】
複数の薬剤が、管状本体部に直接に付着する、請求項60に記載の管腔内プロテーゼ。
【請求項65】
複数の薬剤が、管状本体部上に均一に分布される、請求項64に記載の管腔内プロテーゼ。
【請求項66】
複数の薬剤が、管状本体部上に不均一に分配される、請求項64に記載の管腔内プロテーゼ。
【請求項67】
膜は、エチレン酢酸ビニルを含む、請求項60に記載の管腔内プロテーゼ。
【請求項68】
膜層は、ポリエチレングリコールを含む、請求項60に記載の管腔内プロテーゼ
【請求項69】
膜は、フルオロポリマーフィルムを含む、請求項60に記載の管腔内プロテーゼ。
【請求項70】
管状本体部は、第一端部と、第二端部と、第一端部から第二端部へとぬけるように画定された流路とを含み、本体部は対象となる通路内の管腔内設置に適したサイズであり、また本体部は第一の減じられた断面寸法から、第二の拡大断面寸法まで拡張可能であるので、本体部は、管腔内で通路の標的部に輸送され、次いで第二の拡大断面寸法に拡張し、通路の標的部に係合しかつこれを支持することが可能になる、請求項60に記載の管腔内プロテーゼ。
【請求項71】
管腔内プロテーゼは、ステントを含む、請求項60に記載の管腔内プロテーゼ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−512175(P2006−512175A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−507054(P2005−507054)
【出願日】平成15年10月23日(2003.10.23)
【国際出願番号】PCT/US2003/033645
【国際公開番号】WO2004/043506
【国際公開日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【出願人】(505175744)サインコア,リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (15)
【Fターム(参考)】