説明

粒子分散系樹脂基板、液晶表示装置、エレクトロルミネッセンス装置および太陽電池

【課題】本発明は、基材層に粒子を分散させることにより寸法安定性に優れた粒子分散系樹脂シートや光拡散性に優れた粒子分散系樹脂シートを提供すること、および上記粒子分散系樹脂シートを用いた液晶表示装置を提供することを課題とする。
【解決手段】樹脂に無機酸化物が分散された基材層を少なくとも有する粒子分散系樹脂シート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材層に無機酸化物が分散されており、薄型、軽量であり機械強度に優れ寸法安定性に優れた粒子分散系樹脂シートや基材層に微小領域が分散されており、薄型、軽量であり機械強度に優れ光拡散性に優れた樹脂シートや上記粒子分散系樹脂シートを用いた液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置やエレクトロルミネッセンス表示装置の大型化に伴い、ガラス系の基板は重くて嵩高いことから、薄型軽量化などを目的にエポキシ系樹脂等からなる樹脂シートが基板として提案され開発されている。しかし前記樹脂シートは熱膨張や水分の出入りによる伸び縮みが起きるため、電極形成時やカラーフィルター形成時には位置ずれが生じることが問題になっていた。特にカラーフィルターの形成時にはR(赤)、G(緑)、B(青)、およびBM(ブラックマトリックス)を所定の位置に精度よく形成する必要があり、樹脂シートではその精度を上げることが困難であった。カラーフィルターの形成は、まずR(赤)、G(緑)、B(青)、およびBM(ブラックマトリックス)のいずれか1つのパターニングを室温で約2時間かけて行った後150℃で20分間焼成を行い、次に再び室温に戻し、次の色のパターニングを室温で約2時間かけて行い、150℃で20分間焼成を行う。このようにパターニングと焼成の組み合わせを4色すべてについて行う。樹脂シートにカラーフィルターを形成する場合は、焼成後室温でパターニングを行っている間に基板の寸法が変化し、パターニングの位置ずれが生じることが問題になっている。
【0003】
液晶表示装置等の表示装置においては、透明粒子を有する光拡散シートを液晶セルの視認側に貼り付け照明光や液晶表示装置内蔵のバックライトに起因するギラツキを防止し視認性を向上させる方法が知られていた。しかし液晶表示装置の薄型化、軽量化の点から光拡散シートを液晶セルの視認側に貼り付ける代わりに、光拡散機能を液晶セル基板に付与することが検討されている。
【0004】
近年、衛星通信や移動通信技術の発展に伴い、小型携帯情報末端機器の需要が高まりつつある。小型携帯情報末端機器の多くに搭載されている表示装置には、薄型であることが求められており、液晶表示装置が最も多用されている。
【0005】
また、小型携帯情報末端機器用の表示装置には、低消費電力であること、外光下での視認性が高いことが要求されるため、透過型液晶表示装置よりも反射型液晶表示装置が多用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、基材層に粒子を分散させることにより寸法安定性に優れた粒子分散系樹脂シートや光拡散性に優れた粒子分散系樹脂シートを提供すること、および上記粒子分散系樹脂シートを用いた液晶表示装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、樹脂に無機酸化物が分散された基材層を少なくとも有する粒子分散系樹脂シートを提供するものである。樹脂としては熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。無機酸化物の平均粒子径は1〜100nmであることが好ましい。基材層重量に対する無機酸化物の割合は0.1〜23重量%であることが好ましい。本発明における粒子分散系樹脂シートは、λ=550nmにおける光透過率が88%以上であることが好ましい。また本発明における粒子分散系樹脂シートは、100〜160℃における線膨張係数が1.00E−4/℃以下であることが好ましい。また150℃で20分間加熱した後の寸法と150℃で20分間加熱し、室温で2時間放置した後の寸法から算出される寸法変化率が+0.020%未満であることが好ましい。本発明の樹脂シートに電極を設けて電極付きの樹脂シートとすることができる。また本発明における粒子分散系樹脂シートに金属薄層よりなる反射層を形成し、反射型の樹脂シートとすることもできる。上記反射型の樹脂シートの酸素透過率は0.3cc/m2・24h・atm以下であることが好ましく、200℃で30分加熱した後の黄色度と室温における黄色度から算出される黄色度変化率が0.75以下であることが好ましい。
【0008】
また本発明は無機酸化物が分散された基材層に基材層を形成する樹脂と屈折率が相違する微小領域を分散させてもよい。前記微小領域の基材層重量に対する添加量は0.1〜60重量%であることが好ましい。また微小領域の平均粒子径は0.2μm〜100μmであることが好ましく、微小領域と基材層を形成する樹脂との比重差は1以下であることが好ましく、微小領域と基材層を形成する樹脂との屈折率差は0.03〜0.10であることが好ましい。
【0009】
また本発明は、樹脂に上記基材層を形成する樹脂と屈折率が相違する微小領域が分散された基材層を少なくとも有する粒子分散系樹脂シートを提供するものである。前記微小領域の添加量は基材層形成樹脂100重量部あたり200重量部以下であることが好ましい。また微小領域の平均粒子径は0.2μm〜100μmであることが好ましく、微小領域と基材層を形成する樹脂との比重差は1以下であることが好ましく、微小領域と基材層を形成する樹脂との屈折率差は0.03〜0.10であることが好ましい。また基材層に微小領域を有する粒子分散系樹脂シートに金属薄層よりなる反射層を形成し、反射型の樹脂シートとすることもできる。この場合、上記反射型の樹脂シートの酸素透過率は0.3cc/m2・24h・atm以下であることが好ましく、200℃で30分加熱した後の黄色度と室温における黄色度から算出される黄色度変化率が0.75以下であることが好ましい。
【0010】
また本発明において基材層が最外層にある粒子分散系樹脂シートにおいては、基材層の最外面が平滑であることが好ましい。
【0011】
また本発明は、本発明の粒子分散系樹脂シートを用いた液晶表示装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の粒子分散系樹脂シートは樹脂系であるので薄型、軽量であり、機械強度に優れる。また基材層に無機酸化物を分散することにより樹脂シートの寸法変化を抑えることができる。更に基材層に微小領域を分散することにより光拡散機能を付与することができる。また本発明の粒子分散系樹脂シートに反射層を積層した反射型の樹脂シートは良好なガスバリア機能を有し、黄色度変化率が小さく、耐熱性に優れるという特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】粒子分散系樹脂シートの断面図
【図2】粒子分散系樹脂シートの断面図
【図3】粒子分散系樹脂シートの断面図
【図4】粒子分散系樹脂シートの断面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明における樹脂シートは樹脂に無機酸化物が分散された基材層を少なくとも有することを特徴とする。
【0015】
本発明において樹脂としては熱可塑性樹脂もしくは熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエステル、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルイミドやポリアミド等が挙げられ、熱硬化性樹脂としてはエポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル、ポリジアリルフタレートやポリイソボニルメタクリレート等が挙げられる。これらの樹脂は一種または二種以上を用いることができ、他成分との共重合体や混合物などとして用いうる。
【0016】
表面平滑性を得るために熱硬化性樹脂が好ましく用いられ、熱硬化性樹脂の中では色相の点よりエポキシ系樹脂が特に好ましく用いられる。エポキシ系樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型やビスフェノールF型、ビスフェノールS型やそれらの水添加の如きビスフェノール型、フェノールノボラック型やクレゾールノボラック型の如きノボラック型、トリグリシジルイソシアヌレート型やヒダントイン型の如き含窒素環型、脂環式型や脂肪族型、ナフタレン型の如き芳香族型やグリシジルエーテル型、ビフェニル型の如き低吸水率タイプやジシクロ型、エステル型やエーテルエステル型、それらの変成型などが挙げられる。これらは単独で使用してもあるいは併用してもよい。上記各種エポキシ系樹脂の中でも、変色防止性などの点よりビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート型を用いることが好ましい。
【0017】
このようなエポキシ系樹脂としては、一般にエポキシ当量100〜1000、軟化点120℃以下のものが、得られる樹脂シートの柔軟性や強度等の物性などの点より好ましく用いられる。さらに塗工性やシート状への展開性等に優れるエポキシ樹脂含有液を得る点などよりは、塗工時の温度以下、特に常温において液体状態を示す二液混合型のものが好ましく用いうる。
【0018】
またエポキシ系樹脂は、硬化剤、硬化促進剤、および必要に応じて従来から用いられている老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤等の従来公知の各種添加物を適宜に配合することができる。
【0019】
前記、硬化剤についても特に限定はなく、エポキシ系樹脂に応じた適宜な硬化剤を1種または2種以上用いることができる。ちなみにその例としては、テトラヒドロフタル酸やメチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸やメチルヘキサヒドロフタル酸の如き有機酸系化合物類、エチレンジアミンやプロピレンジアミン、ジエチレントリアミンやトリエチレンテトラミン、それらのアミンアダクトやメタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタンやジアミノジフェニルスルホンの如きアミン系化合物類が挙げられる。
【0020】
またジシアンジアミドやポリアミドの如きアミド系化合物類、ジヒドラジットの如きヒドラジド系化合物類、メチルイミダゾールや2−エチル−4−メチルイミダゾール、エチルイミダゾールやイソプロピルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾールやフェニルイミダゾール、ウンデシルイミダゾールやヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾールの如きイミダゾール系化合物類も前記硬化剤の例として挙げられる。
【0021】
さらに、メチルイミダゾリンや2−エチル−4−メチルイミダゾリン、エチルイミダゾリンやイソプロピルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリンやフェニルイミダゾリン、ウンデシルイミダゾリンやヘプタデシルイミダゾリン、2−フェニル−4−メチルイミダゾリンの如きイミダゾリン系化合物、その他、フェノール系化合物やユリア系化合物類、ポリスルフィド系化合物類も前記硬化剤の例として挙げられる。
【0022】
加えて、酸無水物系化合物類なども前記硬化剤の例として挙げられ、変色防止性などの点より、かかる酸無水物硬化剤が好ましく用いうる。その例としては無水フタル酸や無水マレイン酸、無水トリメリット酸や無水ピロメリット酸、無水ナジック酸や無水グルタル酸、テトラヒドロフタル酸無水物やメチルテトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物やメチルヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルナジック酸無水物やドデセニルコハク酸無水物、ジクロロコハク酸無水物やベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物やクロレンディック酸無水物などが挙げられる。
【0023】
特に、無水フタル酸やテトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物やメチルヘキサヒドロフタル酸無水物の如く無色系ないし淡黄色系で、分子量が約140〜約200の酸無水物系硬化剤が好ましく用いうる。
【0024】
前記エポキシ系樹脂と硬化剤の配合割合は、硬化剤として酸無水物系硬化剤を用いる場合、エポキシ系樹脂のエポキシ基1当量に対して酸無水物当量を0.5〜1.5当量となるように配合することが好ましく、さらに好ましくは0.7〜1.2当量がよい。酸無水物が0.5当量未満では、硬化後の色相が悪くなり、1.5当量を超えると、耐湿性が低下する傾向がみられる。なお他の硬化剤を単独で又は2種以上を併用して使用する場合にも、その使用量は前記の当量比に準じうる。
【0025】
前記硬化促進剤としては、第三級アミン類、イミダゾール類、第四級アンモニウム塩類、有機金属塩類、リン化合物類、尿素系化合物類等が挙げられるが、特に第三級アミン類、イミダゾール類を用いることが好ましい。これらは単独であるいは併用して使用することができる。
【0026】
前記硬化促進剤の配合量は、エポキシ系樹脂100重量部に対して0.05〜7.0重量部であることが好ましく、さらに好ましくは0.2〜3.0重量部がよい。硬化促進剤の配合量が0.05重量部未満では、充分な硬化促進効果が得られず、7.0重量部を超えると硬化体が変色するおそれがある。
【0027】
前記老化防止剤としては、フェノール系化合物、アミン系化合物、有機硫黄系化合物、ホスフィン系化合物等の従来公知のものが挙げられる。
【0028】
前記変成剤としては、グリコール類、シリコーン類、アルコール類等従来公知のものが挙げられる。
【0029】
前記界面活性剤は、エポキシ系樹脂シートを流延法等によりエポキシ樹脂を空気に触れながら成形する場合に、シートの表面を平滑にするために添加される。界面活性剤としてはシリコーン系、アクリル系、フッ素系等が挙げられるが、とくにシリコーン系が好ましい。
【0030】
本発明における無機酸化物はシリカ、二酸化チタン、酸化アンチモン、チタニア、アルミナ、ジルコニアや酸化タングステン等が挙げられる。これらは一種または二種以上の混合物であってもよい。無機酸化物の平均粒子径は特に限定されないが、1〜100nmであることが好ましい。平均粒子径が1nm未満であると分散性が悪くなり、100nmを超えると粒子分散系樹脂シートの光学特性が悪くなる場合がある。
【0031】
本発明における無機酸化物の添加量は基材層重量に対して0.1〜23重量%であることが好ましく、さらに好ましくは5〜15重量%がよい。無機酸化物の添加量が基材層重量に対して0.1重量%未満である場合は、粒子分散系樹脂シートの寸法変化が大きくカラーフィルター層のパターニングや電極形成が困難になる。23%を超えると粒子分散系樹脂シートの光透過率が悪くなる。
【0032】
本発明における粒子分散系樹脂シートの光透過率は88%以上であることが好ましく、さらに好ましくは90%以上がよい。光透過率が88%未満であると、この粒子分散系樹脂シートを用いて液晶表示装置を組み立てた時の表示が暗くなり、表示品位が低下する。光透過率の測定方法は、高速分光光度計を用いてλ=550nmの透過率を測定する。
【0033】
本発明における粒子分散系樹脂シートの100℃〜160℃における線膨張係数は1.00E−4/℃以下であることが好ましく、さらに好ましくは8.00E−5/℃以下がよい。
【0034】
線膨張係数が1.00E−4/℃を超えるとカラーフィルターを積層する時、パターニングの位置ずれが発生しやすくなる。また粒子分散系樹脂シート上への電極の形成が困難になる。
【0035】
線膨張係数は、JIS規格K−7197に記載のTMA法により測定し、(式1)により算出することができる。前記式においてΔIs(T1)、ΔIs(T2)はサンプル測定時の温度T1、T2(℃)におけるTMA測定値(μm)のことであり、L0は室温においてのサンプルの長さ(mm)のことである。
【式1】
【0036】

【0037】
本発明における粒子分散系樹脂シートにおいて150℃で20分間加熱した後の寸法と150℃で20分間加熱し、室温で2時間放置した後の寸法から算出される寸法変化率が+0.020%未満であることが好ましく、さらに好ましくは+0.010%以下がよい。寸法変化率は150℃で20分間加熱した直後の寸法をA、150℃で20分間加熱後室温で2時間放置した後の寸法をBとすると、(B−A)/A×100で算出することができる。寸法変化率が+0.020%以上になるとカラーフィルターを積層する時、パターニングの位置ずれが発生しやすくなる。また粒子分散系樹脂シート上への電極の形成が困難になる。
【0038】
本発明における粒子分散系樹脂シートに電極を形成し、電極付きの粒子分散系樹脂シートを提供することができる。
【0039】
前記電極としては透明電極膜が好ましく用いられる。透明電極膜は、例えば酸化インジウム、酸化スズ、インジウム・錫混合酸化物、金、白金、パラジウム、透明導電塗料などの適宜な形成材を用いて、真空蒸着法やスパッタリング法や塗工法等により付設ないし塗布する方式などの従来に準じた方式にて行うことができ、透明導電膜を所定の電極パターン状に直接形成することも可能である。また透明導電膜上に必要に応じて設けられる液晶配列用の配向膜も従来に準じた方式にて付加することもできる。
【0040】
また本発明の基材層が無機酸化物を有する粒子分散系樹脂シートに反射層を設けて反射型の粒子分散系樹脂シートとすることもできる。反射層は、銀またはアルミニウム等の金属薄層からなることが好ましい。反射層はガスバリア機能を有し、水分や酸素が侵入することを防止する。従って本発明においてはポリビニルアルコール等からなる有機ガスバリア層や珪素酸化物等からなる無機ガスバリア層を積層させる必要はない。
【0041】
反射層の厚みは50〜1000nmであることが好ましく、さらに好ましくは100〜500nmがよい。反射層の厚みが50nmより小さい場合は、耐熱性や耐湿性等の信頼性が低下する。反射層の厚みが1000nmを超えるとクラックが発生しやすくなりコスト高となる。また透過型の液晶表示装置としての使用ができなくなる。
【0042】
本発明の反射型の粒子分散系樹脂シートの酸素透過率は0.3cc/m2・24h・atm以下であることが好ましい。より好ましくは酸素透過率は0.15cc/m2・24h・atm以下がよい。酸素透過率が0.3cc/m2・24h・atmを超えると、この粒子分散系樹脂シートを用いて液晶セルを形成した場合、水分や酸素がセル内に侵入し、透明導電膜パターンが断線したり、セル内に侵入した水分や酸素が気泡を形成するまでに成長して外観不良を起こしたり液晶を変質させる等の問題が生じる。
【0043】
また本発明における反射型の粒子分散系樹脂シートは200℃で30分加熱した後の黄色度と室温における黄色度から算出される黄色度変化率が0.75以下であることが好ましい。黄色度変化率は室温における黄色度をYI、200℃で30分加熱した後の黄色度をYI200とすると、(式2)で計算できる。黄色度変化率が0.75を超える場合は、その反射型の樹脂シートを用いて液晶表示装置を形成した場合、白表示が黄色味を帯びる等表示品位が低下する。
【式2】
【0044】


【0045】
本発明の粒子分散系樹脂シートにおいては、基材層を形成する樹脂と屈折率が相違する微小領域が基材層に分散されていてもよく、基材層重量に対する微小領域の添加量は0.1〜60重量%であることが好ましい。つまり本発明においては基材層に無機酸化物と微小領域を同時に分散させてもよく、添加量は、無機酸化物は基材層重量に対して0.1〜23重量%であり、且つ、微小領域は基材層重量に対して0.1〜60重量%であることが好ましい。微小領域が分散されているとは、微小領域が基材層の一部に偏在することなく、基材層の全域において微小領域が存在している状態をいう。基材層は無機酸化物を有することで寸法変化が抑制され、微小領域を有することで光拡散機能が付与される。光拡散機能を付与することにより、照明光や液晶表示装置内蔵のバックライトに起因するギラツキを防止し視認性を向上させることができる。
【0046】
微小領域としてはSi系化合物、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウムや酸化アンチモン等からなる無機系粒子やアクリル系樹脂やメラミン系樹脂等からなる有機系粒子、および上記無機系粒子を上記有機系粒子でコーティングした粒子などが挙げられる。
【0047】
微小領域の形成材の粒径は、光学特性が落ちる可能性もあるが、十分な光拡散性を得るために平均粒径が0.2〜100μm、好ましくは0.5〜50μm、更に好ましくは1〜20μmがよい。
【0048】
前記微小領域と基材層形成樹脂との比重差は1g/cm3以下であることが好ましい。比重差が1g/cm3よりも大きい場合は、基材層に均一に微小領域を含有させることが困難になる。
【0049】
微小領域と基材層形成樹脂との屈折率差は0.03〜0.10であることが好ましい、屈折率差が0.03よりも小さい場合や0.10よりも大きい場合は十分な光拡散機能を付与することができない。
【0050】
また本発明は、樹脂に上記基材層を形成する樹脂と屈折率が相違する微小領域が分散された基材層を少なくとも有する粒子分散系樹脂シートを提供することができる。すなわち本発明においては基材層が基材層を形成する樹脂と屈折率が相違する微小領域のみを含有してもよい。
【0051】
基材層が微小領域のみを含有する粒子分散系樹脂シートにおいては、微小領域の添加量は、基材層形成樹脂100重量部あたり200重量部以下、好ましくは1〜150重量部、更に好ましくは2〜100重量部がよい。
【0052】
本発明において前記樹脂としては熱可塑性樹脂もしくは熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。表面平滑性を得るために熱硬化性樹脂が好ましく、色相の点よりエポキシ系樹脂が最も好ましい。
【0053】
微小領域の形成材の粒径は適宜に決定しうるが、十分な光拡散性を得るために平均粒径が0.2〜100μm、好ましくは0.5〜50μm、更に好ましくは1〜20μmがよい。
【0054】
前記微小領域と基材層形成樹脂との比重差は1g/cm3以下であることが好ましい。比重差が1g/cm3よりも大きい場合は、基材層に均一に微小領域を含有させることが困難になる。
【0055】
微小領域と基材層形成樹脂との屈折率差は0.03〜0.10であることが好ましい、屈折率差が0.03よりも小さい場合や0.10よりも大きい場合は十分な光拡散機能を付与することができない。
【0056】
また本発明においては、基材層に微小領域のみを含有する粒子分散系樹脂シートに反射層を設けてもよい。反射層は、銀またはアルミニウム等の金属薄層からなることが好ましい。反射層はガスバリア機能を有し、水分や酸素が樹脂シートを透過して侵入することを防止する。従って本発明においてはポリビニルアルコール等からなる有機ガスバリア層や珪素酸化物等からなる無機ガスバリア層を積層させる必要はない。
【0057】
反射層の厚みは50〜1000nmであることが好ましく、さらに好ましくは100〜500nmがよい。反射層の厚みが50nmより小さい場合は、耐熱性や耐湿性等の信頼性が低下する。反射層の厚みが1000nmを超えるとクラックが発生しやすくなりコスト高となる。また透過型の液晶表示装置としての使用ができなくなる。
【0058】
上記反射型の粒子分散系樹脂シートの酸素透過率は0.3cc/m2・24h・atm以下であることが好ましい。より好ましくは酸素透過率は0.15cc/m2・24h・atm以下がよい。酸素透過率が0.3cc/m2・24h・atmを超えると、この粒子分散系樹脂シートを用いて液晶セルを形成した場合、水分や酸素がセル内に侵入し、透明導電膜パターンが断線したり、セル内に侵入した水分や酸素が気泡を形成するまでに成長して外観不良を起こしたり液晶を変質させる等の問題が生じる。
【0059】
また上記反射型の粒子分散系樹脂シートは200℃で30分加熱した後の黄色度と室温における黄色度から算出される黄色度変化率が0.75以下であることが好ましい。黄色度変化率が0.75を超える場合は、その反射型の樹脂シートを用いて液晶表示装置を形成した場合、白表示が黄色味を帯びる等表示品位が低下する。
【0060】
本発明の粒子分散系樹脂シートにおいては、基材層が無機酸化物と基材層と屈折率が相違する微小領域を同時に有することが最も好ましい。基材層が無機酸化物と微小領域を同時に有することにより、粒子分散系樹脂シートの寸法変化が抑えられ、且つ、光拡散機能を付与し表示品位を向上させることができる。
【0061】
また上記基材層が無機酸化物と基材層と屈折率が相違する微小領域を同時に有する粒子分散系樹脂シートに反射層を積層することで反射型の樹脂シートとすることができる。上記反射型の樹脂シートは寸法変化率が小さく、光拡散機能を有するので表示品位も良好である。また反射層は高いガスバリア機能を有するので有機ガスバリア層を積層させる必要はなく、その結果、樹脂シートの黄変が抑制できる。
【0062】
本発明の基材層が最外層にある粒子分散系樹脂シートにおいては、基材層の最外面が平滑であることが好ましい。平滑とはJIS B 0601−1994に記載の表面粗さ(Ra)が1nm以下であることを意味する。平滑とすることにより配向膜や透明電極等の形成が容易となる。
【0063】
本発明の粒子分散系樹脂シートに電極を設けて、例えばTN型、STN型、TFT型、および強誘電性液晶型等の液晶セルを形成することができる。
【0064】
本発明の粒子分散系樹脂シートは各種の用途に用いることができ、液晶セル基板やエレクトロルミネッセンス表示用基板や太陽電池用基板としても好ましく用いられる。
【0065】
液晶表示装置は一般に、偏光板、液晶セル、反射板又はバックライト、及び必要に応じての光学部品等の構成部品を適宜に組み立てて駆動回路を組み込むことなどにより形成される。本発明においては、上記した粒子分散系樹脂シートを用いる点を除いて特に限定はなく、従来に準じて形成することができる。従って、本発明における液晶表示装置の形成に際しては、例えば視認側の偏光板の上に設ける光拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護層、保護板、あるいは液晶セルと視認側の偏光板の間に設ける補償用位相差板などの適宜な光学部品を前記粒子分散系樹脂シートに適宜に組み合わせることができる。
【実施例】
【0066】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。本発明における粒子分散系樹脂シートは注型法や流延法等により製造することが可能であるが、実施例中では流延法による製造方法を例示した。
【0067】
実施例1:(化1)の化学式で示される液状エポキシ樹脂100重量部と(化2)の化学式で示される固形エポキシ樹脂を混合し、90℃で加熱しながら攪拌し完全に溶解させた後、室温になるまで放冷し主剤を得た。次に(化3)の化学式で示されるメチルヘキサヒドロ無水フタル酸100重量部と(化4)の化学式で示される変性剤12重量部を混合し、120℃で加熱攪拌することによりエステル化反応を行った後、80℃になるまで冷却し室温になるまで放冷し、(化5)の化学式で示されるテトラ−n−ブチルホスホニウムo,o−ジエチルホスホロジチオエート2重量部を攪拌混合し硬化剤を得た。前記硬化剤460重量部に平均粒子径が12nmのシリカ粒子(日本アエロジル(株)製AEROSILR974)8.4重量部および前記主剤380重量部を攪拌混合しエポキシ系樹脂含有液を調製した。
【0068】
【化1】

【0069】
【化2】

【0070】
【化3】



【0071】
【化4】

【0072】
【化5】

【0073】
まず(化6)の化学式で示されるウレタンアクリレートの17重量%のトルエン溶液を、ステンレス製エンドレスベルトに走行速度0.3m/分で流延塗布し、風乾してトルエンを揮発させた後、UV硬化装置を用いて硬化し、膜厚2.0μmのウレタンアクリレート層を形成した。続いてポリビニルアルコール系樹脂の5.5重量%の水溶液をウレタンアクリレート層上に0.3m/分で流延塗布し、100℃で10分間乾燥させ、膜厚3.7μmのポリビニルアルコール層を形成した。続いて、前記エポキシ系樹脂含有液をポリビニルアルコール層の上に0.3m/分で流延塗布し、加熱装置を用いて150℃で加熱した後180℃で20分加熱し硬化させ、膜厚400μmのエポキシ系樹脂層を形成した。次にウレタンアクリレート層、ポリビニルアルコール層、およびエポキシ系樹脂層からなる積層体をステンレス製エンドレスベルトから剥離することにより粒子分散系樹脂シートを得た。
【0074】
【化6】

【0075】
実施例2:シリカ粒子の添加量を16.8重量部とした以外は実施例1と同様にして粒子分散系樹脂シートを得た。
【0076】
実施例3:シリカ粒子の添加量を25.2重量部とした以外は実施例1と同様にして粒子分散系樹脂シートを得た。
【0077】
実施例4:シリカ粒子の添加量を84重量部とした以外は実施例1と同様にして粒子分散系樹脂シートを得た。
【0078】
実施例5:シリカ粒子の添加量を168重量部とした以外は実施例1と同様にして粒子分散系樹脂シートを得た。
【0079】
実施例6:実施例1においてエポキシ系樹脂含有液を調製する際に平均粒子径が12nmのシリカ粒子を8.4重量部添加した代わりに平均粒子径30nmのアルミナ粒子を168重量部添加した以外は実施例1と同様にして粒子分散系樹脂シートを得た。
【0080】
実施例7:実施例1においてポリビニルアルコール層を積層させないで、ウレタンアクリレート層とエポキシ系樹脂層からなる積層体をステンレス製エンドレスベルトから剥離した。次にエポキシ系樹脂層側に真空蒸着により厚みが1000nmのアルミニウムの反射層を成膜した。つまり最外層からウレタンアクリレート層、無機酸化物を含有したエポキシ系樹脂層、および反射層からなる積層体を得た。
【0081】
実施例8:実施例1と同様にして主剤と硬化剤を調製した。次に前記硬化剤460重量部に平均粒子径が12nmのシリカ粒子(日本アエロジル(株)製AEROSILR974)84重量部、微小領域としてトスパール145(東芝シリコーン)(粒径3.5μm〜4.2μm)を7.56重量部、および前記主剤380重量部を攪拌混合しエポキシ系樹脂含有液を調製した。次に実施例1と同様にして流延法で粒子分散系樹脂シートを得た。つまり最外層からウレタンアクリレート層、ポリビニルアルコール層、および無機酸化物と微小領域を含有したエポキシ系樹脂層からなる積層体を得た。
【0082】
実施例9:実施例7においてポリビニルアルコール層を積層させないで、ウレタンアクリレート層とエポキシ系樹脂層からなる積層体をステンレス製エンドレスベルトから剥離した。次にエポキシ系樹脂層側に真空蒸着により厚みが1000nmのアルミニウムの反射層を成膜した。つまり最外層からウレタンアクリレート層、無機酸化物と微小領域を含有したエポキシ系樹脂層、および反射層からなる積層体を得た。
【0083】
実施例10:実施例1と同様にして主剤と硬化剤を調製した。次に前記硬化剤460重量部に微小領域としてトスパール145(東芝シリコーン)を7.56重量部、および前記主剤380重量部を攪拌混合しエポキシ系樹脂含有液を調製した。次に実施例1と同様にして流延法で粒子分散系樹脂シートを得た。つまり最外層からウレタンアクリレート層、ポリビニルアルコール層、および微小領域を含有したエポキシ系樹脂層からなる積層体を得た。
【0084】
実施例11:実施例10においてエポキシ系樹脂含有液を調製する際にトスパール145(東芝シリコーン)を7.56重量部添加する代わりに平均粒子径4μmのアクリル系粒子であるエポスタM30(日本触媒)(平均粒子径4μm)を7.56重量部添加した以外は実施例10と同様にして粒子分散系樹脂シートを得た。つまり最外層からウレタンアクリレート層、ポリビニルアルコール層、およびディフューザーを含有したエポキシ系樹脂層からなる積層体を得た。
【0085】
比較例1:シリカ粒子を添加しない点を除いては実施例1と同様にして樹脂シートを得た。
【0086】
評価試験:光透過率(%)、線膨張係数(/℃)、寸法変化率(%)、酸素透過率(cc/m2・24h・atm)、黄色度指数(YI値)、透湿度(g/m2・24h・atm)、表示品位
【0087】
光透過率は高速分光光度計(村上色彩CMS−500 ハロゲンランプ使用)を用いてλ=550nmの透過率を測定した。
【0088】
線膨張係数(/℃)はTMA/SS150C(セイコーインスツルメンツ社製)を用いて100℃および160℃におけるTMA値(μm)を測定し、算出した。
【0089】
寸法変化率は150℃で20分間加熱した直後の寸法および150℃で20分間加熱後室温で2時間放置した後の寸法をSTM5オリンパスデジタル式小型測定顕微鏡(オリンパス社製)を用いて測定し、算出した。
【0090】
酸素透過率はオキシラント法に従い、モダンコントロールズ社製、OX−TRAN TWINを用いて測定した。測定条件は40℃、43%RHとした。
【0091】
黄色度指数(YI値)は村上色彩製、CMS−500を用いてJIS規格K−7103に従って測定した。試料は30×50mmの平板を用いた。
【0092】
透湿度はJIS−Z0208で定められた透湿カップ及び付属品を用いて測定した。
【0093】
また、実施例1〜26、比較例1〜2で作成した液晶セルを用いて液晶表示装置を組み立て、暗室中で20°の角度でリング状照明装置を照射して、液晶表示装置の電圧印加状態で黒色表示の表示品位を調べ、電圧無印加状態で白色表示の表示品位を調べた。表示品位のランクを以下のように定めた。
A;表示の黄色味と白色表示のギラツキが抑えられた。
B;表示の黄色味が抑えられたが、白色表示において使用に耐えうる程度のギラツキが見られた。
C;白色表示のギラツキは抑えられたが使用に耐えうる程度の黄色味を帯びた。
D;表示が使用に耐えうる程度の黄色味を帯び、白色表示において使用に耐えうる程度のギラツキが見られた。
【0094】
前記の結果を表1、2に示した。
【0095】
【表1】



【0096】
【表2】

【0097】
実施例1〜5においてシリカ粒子を添加した場合は、線膨張係数、寸法変化率ともに小さく、光透過率は高かった。実施例1〜5において得られた粒子分散系樹脂シートにカラーフィルター層を積層を行ったが、精度良くパターニングすることができた。またこの樹脂シートを用いて液晶表示装置を作成したところ使用に耐えうる程度の黄色味を帯び、白色表示において使用に耐えうる程度のギラツキが見られた。
【0098】
実施例6においてアルミナ粒子を添加した場合は、線膨張係数、寸法変化率ともに小さく、光透過率は高かった。実施例6において得られた粒子分散系樹脂シートにカラーフィルター層を積層を行ったが、精度良くパターニングすることができた。またこの樹脂シートを用いて液晶表示装置を作成したところ使用に耐えうる程度の黄色味を帯び、白色表示において使用に耐えうる程度のギラツキが見られた。
【0099】
実施例7の反射型の樹脂シートは線膨張係数、寸法変化率ともに小さく、高いガスバリア機能を有した。またこの樹脂シートを用いて液晶表示装置を作成したところ表示の黄色味が抑えられたが、白色表示において使用に耐えうる程度のギラツキが見られた。
【0100】
実施例8の樹脂シートは線膨張係数、寸法変化率ともに小さく、光拡散機能を有し、この樹脂シートを用いて液晶表示装置を作成したところ白色表示のギラツキが抑えられたが、使用に耐えうる程度の黄色味を帯びた。
【0101】
実施例9の反射型の樹脂シートは線膨張係数、寸法変化率ともに小さく、高いガスバリア機能と光拡散機能を有し、この樹脂シートを用いて液晶表示装置を作成したところ表示の黄色味と白色表示のギラツキが抑えられた。
【0102】
実施例10の樹脂シートは線膨張係数、寸法変化率ともに大きく、カラーフィルターの形成や電極の形成が困難であった。この樹脂シートを用いて液晶表示装置を作成したところ白色表示のギラツキが抑えられたが使用に耐えうる程度の黄色味を帯びた。
【0103】
実施例11の樹脂シートは線膨張係数、寸法変化率ともに大きく、カラーフィルターの形成や電極の形成が困難であった。この樹脂シートを用いて液晶表示装置を作成したところ白色表示のギラツキが抑えられたが使用に耐えうる程度の黄色味を帯びた。
【0104】
比較例1においてシリカ粒子を添加しなかった場合は、光透過率は高かったが線膨張係数、寸法変化率ともに大きく、カラーフィルターや電極の形成が困難であった。またこの樹脂シートを用いて液晶表示装置を作成したところ、表示が使用に耐えうる程度の黄色味を帯び白色表示において使用に耐えうる程度のギラツキが見られた。
【符号の説明】
【0105】
1:無機酸化物が分散された基材層
2:有機ガスバリア層
3:ウレタンアクリレート層
4:微小領域と無機酸化物が分散された基材層
5:微小領域が分散された基材層
6:反射層



【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂に無機酸化物が分散された基材層を少なくとも有する粒子分散系樹脂シート。
【請求項2】
前記樹脂が熱可塑性樹脂である請求項1記載の粒子分散系樹脂シート。
【請求項3】
前記樹脂が熱硬化性樹脂である請求項1記載の粒子分散系樹脂シート。
【請求項4】
前記無機酸化物の平均粒子径が1〜100nmであることを特徴とする請求項1〜3記載の粒子分散系樹脂シート。
【請求項5】
基材層重量に対する無機酸化物の添加量が0.1〜23重量%であることを特徴とする請求項1〜4記載の粒子分散系樹脂シート。
【請求項6】
λ=550nmにおける光透過率が88%以上である請求項1〜5記載の粒子分散系樹脂シート。
【請求項7】
100℃〜160℃における線膨張係数が1.00E−4/℃以下であることを特徴とする請求項1〜6記載の粒子分散系樹脂シート。
【請求項8】
150℃で20分間加熱した後の寸法と150℃で20分間加熱し、室温で2時間放置した後の寸法から算出される寸法変化率が+0.020%未満であることを特徴とする請求項1〜7記載の粒子分散系樹脂シート。
【請求項9】
請求項1〜8の粒子分散系樹脂シートに電極を設けたことを特徴とする粒子分散系樹脂シート。
【請求項10】
請求項1〜8の粒子分散系樹脂シートに金属薄層よりなる反射層を設けたことを特徴とする粒子分散系樹脂シート。
【請求項11】
酸素透過率が0.3cc/m2・24h・atm以下であることを特徴とする請求項10に記載の粒子分散系樹脂シート。
【請求項12】
200℃で30分加熱した後の黄色度と室温における黄色度から算出される黄色度変化率が0.75以下であることを特徴とする請求項10または11に記載の粒子分散系樹脂シート。
【請求項13】
請求項1〜12の粒子分散系樹脂シートにおいて、基材層を形成する樹脂と屈折率が相違する微小領域が基材層に分散されていることを特徴とする粒子分散系樹脂シート。
【請求項14】
基材層重量に対する微小領域の添加量が0.1〜60重量%であることを特徴とする請求項13に記載の粒子分散系樹脂シート。
【請求項15】
前記微小領域の平均粒子径が0.2μm〜100μmであることを特徴とする請求項13または14に記載の粒子分散系樹脂シート。
【請求項16】
前記微小領域と基材層を形成する樹脂との比重差が1以下であることを特徴とする請求項13〜15に記載の粒子分散系樹脂シート。
【請求項17】
前記微小領域と基材層を形成する樹脂との屈折率差が0.03〜0.10であることを特徴とする請求項13〜16に記載の粒子分散系樹脂シート。
【請求項18】
樹脂に上記基材層を形成する樹脂と屈折率が相違する微小領域が分散された基材層を少なくとも有する粒子分散系樹脂シート。
【請求項19】
前記微小領域の添加量が基材層形成樹脂100重量部あたり200重量部以下であることを特徴とする請求項18に記載の粒子分散系樹脂シート。
【請求項20】
前記微小領域の平均粒子径が0.2μm〜100μmであることを特徴とする請求項18または19に記載の粒子分散系樹脂シート。
【請求項21】
前記微小領域と基材層を形成する樹脂との比重差が1以下であることを特徴とする請求項18〜20に記載の粒子分散系樹脂シート。
【請求項22】
前記微小領域と基材層を形成する樹脂との屈折率差が0.03〜0.10であることを特徴とする請求項18〜21に記載の粒子分散系樹脂シート。
【請求項23】
請求項18〜22の粒子分散系樹脂シートに金属薄層よりなる反射層を設けたことを特徴とする粒子分散系樹脂シート。
【請求項24】
酸素透過率が0.3cc/m2・24h・atm以下であることを特徴とする請求項23に記載の粒子分散系樹脂シート。
【請求項25】
200℃で30分加熱した後の黄色度と室温における黄色度から算出される黄色度変化率が0.75以下であることを特徴とする請求項23または24に記載の粒子分散系樹脂シート。
【請求項26】
基材層が最外層にある粒子分散系樹脂シートにおいて、基材層の最外面が平滑であることを特徴とする請求項1〜25に記載の粒子分散系樹脂シート。
【請求項27】
請求項1〜26の粒子分散系樹脂シートを用いた液晶表示装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−101349(P2013−101349A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−259412(P2012−259412)
【出願日】平成24年11月28日(2012.11.28)
【分割の表示】特願2001−161188(P2001−161188)の分割
【原出願日】平成13年5月29日(2001.5.29)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】