説明

紙種検知装置、これを用いた画像形成装置

【課題】転写紙の補給の前後で異なる転写紙を誤って補給することを抑制することができる紙種検知装置を提供する。
【解決手段】給紙搬送動作がスタート(S21)で紙種記憶値(Yn、Zn)の有無を判定し(S22)、記憶値(Yn、Zn)が有ればこれを紙種判定テーブルのデータ範囲R1〜R6と比較照合し(S26)、紙種を判定する(S27)。記憶値(Yn、Zn)が無い場合は紙種検知手段30が測定を行い(S23)、測定データを一時記憶手段に一時記憶値(X1、X2)として記憶し(S24)、これを紙種記憶値(Yn、Zn)として紙種記憶手段に格納し(S25)、同様に紙種を判定する(S27)。データクリア手段33は、データクリアする判定条件になると、紙種記憶手段32の該当する給紙動作を行っている給紙段の紙種記憶値(Y1〜Yn、Z1〜Znの該当値)をクリアする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクリミリなどの画像形成装置などの給紙装置に用いる紙種検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタなどの画像形成装置において、用紙が無くなった時などの用紙補給の前後で、誤って異なる紙種または紙厚の転写紙が補給された場合に、プリントした転写紙が無駄になる不具合があった。転写紙を補給したユーザとプリント要求をしたユーザが異なると、不具合の発生が多くなる。また、転写紙の補給の際に、異なる用を混ぜて混入した場合に同様である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、転写紙の補給の前後で異なる転写紙を誤って補給することを抑制することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の請求項1に係る紙種検知装置は、用紙を測定してデータを取得し、紙種判定テーブルの分類閾値を用いて該用紙の紙種・紙厚を判定するための紙種検知手段と、該紙種検知手段が取得した測定データを記憶する紙種記憶手段と、該紙種記憶手段に記憶された測定データをクリアするデータクリア手段と、用紙が無いことを検知した時に前記紙種記憶手段に記憶された測定データをクリアするデータクリア手段と、前記紙種検知手段による紙種判定とは別に、前記紙種検知手段が取得した今回のデータと前回取得したデータとを直接比較し、両データの差が大きい場合には前記紙種判定テーブルの分類閾値に関係なく、転写紙が前回と同一でなく変更になっている可能性が有ると判断し、該判断を通知する転写紙変更判定手段とを有することを特徴とする。
【0005】
同請求項2に係る紙種検知装置は、請求項1の紙種検知装置において、前記データクリア手段が、用紙が取り出される操作を検知した時に前記紙種記憶手段に記憶された測定データをクリアするものであり、前記転写紙変更判定手段が、前記紙種検知手段が今回取得したデータと前回取得したデータとの差の大きさの度合いを判定する判定基準範囲を選択変更できる表面検知精度調整手段を有することを特徴とする。
【0006】
同請求項3に係る紙種検知装置は、請求項1または請求項2の紙種検知装置において、用紙が無いことを検知した時にだけ、前記転写紙変更判定手段を動作させることを選択可能なジョブ限定選択手段を有することを特徴とする。
【0007】
同請求項4に係る紙種検知装置は、請求項1または請求項2の紙種検知装置において、用紙が無いことを検知した時にだけ前記データクリア手段が前記紙種記憶手段に記憶された測定データをクリアし、かつカラープリントが行われるときのみ、前記転写紙変更判定手段を動作させることを選択可能な表面検知高精度設定手段を有することを特徴とする。
【0008】
同請求項5に係る紙種検知装置は、請求項1または請求項2の紙種検知装置において、用紙が無いことを検知した時にだけ前記データクリア手段が前記紙種記憶手段に記憶された測定データをクリアし、かつ高画質プリントが行われるときのみ、前記転写紙変更判定手段を動作させることを選択可能な表面検知高精度設定手段を有することを特徴とする。
【0009】
同請求項6に係る紙種検知装置は、用紙の紙種・紙厚を判定するために用紙を測定してデータを収得する紙種検知手段と、該紙種検知手段が収得した測定データを記憶する紙種記憶手段と、該紙種記憶手段に記憶された測定データをクリアするデータクリア手段と、用紙が無いことを検知した時にだけ紙種記憶手段に記憶された測定データをクリアするデータクリア手段とを有し、前記紙種・紙厚検知手段が転写紙の用紙表面を検出判定する紙表面検知手段と、前回の表面測定データと比較して転写紙の表面が変更になっていないかを判定する紙表面変更判定手段有することを特徴とする。
【0010】
同請求項7に係る紙種検知装置は、請求項1または請求項6の紙種検知装置において、用紙が無いことを検知した時にだけ前記データクリア手段が前記紙種記憶手段に記憶された測定データをクリアし、かつカラープリントが行われるときのみ、前記転写紙変更判定手段を動作させることを選択可能な表面検知高精度設定手段を有することを特徴とする。
【0011】
同請求項8に係る紙種検知装置は、請求項1または請求項7の紙種検知装置において、用紙が無いことを検知した時にだけ前記データクリア手段が前記紙種記憶手段に記憶された測定データをクリアし、かつ高画質プリントが行われるときのみ、前記転写紙変更判定手段を動作させることを選択可能な表面検知高精度設定手段を有することを特徴とする。
【0012】
同請求項9に係る画像形成装置は、請求項1から8のいずれかの紙種検知装置を有することを特徴とする。
【0013】
同請求項10に係る画像形成装置は、請求項10の画像形成装置において、指定した給紙段に対してだけ、前記転写紙変更判定手段を動作させることを選択できる給紙段限定選択手段を有することを特徴とする。
【0014】
同請求項11に係る画像形成装置は、請求項9または10の画像形成装置において、前記画像形成装置は電子写真複写機であることを特徴とする。
【0015】
同請求項12に係る画像形成装置は、請求項9または10の画像形成装置において、前記画像形成装置はプリンタであることを特徴とする。
【0016】
同請求項13に係る画像形成装置は、請求項9または10の画像形成装置において、 前記画像形成装置はファクシミリであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、紙種検知手段が新しく取得したデータを前回取得データと直接比較しているので、補給前後での紙種・紙厚の変化を紙種テーブルの分類に関係なく精細に変更判定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に関して、添付図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0019】
図1は本発明の実施例1の実施対象となる両面画像形成装置の主要断面図で転写紙の搬送経路を示したものである。図中1は両面画像形成装置、2は画像形成部、3は給紙部であり、片面に画像形成する時、給紙装置3で転写紙Pは給送され、画像形成部2で画像を転写され、定着装置4で画像を定着され、反転排紙切換部9、排紙部8を通って外部へ排紙される。
【0020】
両面に画像形成する時は、給紙部3の給紙部3a〜3dのいずれかに積載された転写紙Pが給紙され、片面に画像形成部2で画像を転写され、定着装置4で画像を定着され、反転排紙切換部7で切換えられ、反転装置6でスイッチバックして反転され、再給送路7を通って、再び給紙され、裏面に画像形成部2で画像を転写され、定着装置4で画像を定着され、反転排紙切換部9、排紙部8を通って排紙される。
【0021】
図2は紙種検知手段を有する給紙装置の主要構成図である。レジスト駆動ローラ11とレジスト従動ローラ12の対への給紙方向前側に設けられた紙種検知手段30は紙厚検知手段と紙表面検知手段から構成されている。紙厚検知手段30は透過発光素子14と透過受光素子13で構成され、透過発光素子14が発光して転写紙Pを透過した光を透過受光素子13が受光してその転写紙Pの透過率を測定する。紙表面検知手段は反射発光素子と反射受光素子で構成され、反射発光素子が発光して転写紙Pに反射した光を反射受光素子が受光してその転写紙Pの反射率を測定する。なお図中17はグリップ駆動ローラ、18はグリップ従動ローラである。
【0022】
本実施例では、紙種判定手段は光学的検知で透過率を利用したものを紙厚検知手段と言い、光学的検知で反射率を利用したものを紙表面検知と称しているが、紙厚検知手段または紙表面検知手段どちらか一方を紙種検知手段として用いることもできる。さらに精度向上や対応紙種範囲拡大のために、特性のことなる複数の紙厚検知手段、または複数の紙表面検知手段で紙種検知手段を構成することもできる。
【0023】
図3は紙種検知装置の主要機能概念図である。転写紙を測定し紙種判別のためデータを取得する紙種検知手段30の紙厚検知手段51と紙表面検知手段52、紙厚検知手段51が取得した測定データをX1、紙表面検知手段52が取得した測定データをX2、すなわち一時記憶値X1、X2として一時記憶する一時記憶手段31、一時記憶手段31が記憶した測定データ(一時記憶値X1、X2)を各給紙段に対応した紙種記憶値(第1給紙紙種記憶値Y1、Z1、第2給紙紙種記憶値Y2、Z1、第3給紙紙種記憶値Y3、Z3・・・第n給紙紙種記憶値Yn、Zn)として記憶する紙種記憶手段32、各給紙段の紙種記憶手段32の測定データ(紙種記憶値Y1〜Yn、Z1〜Zn)をクリア(消去)するデータクリア手段33から構成されている。なお、Y1〜Ynは紙厚検知手51段が検知した測定データの一時記憶値X1を紙種記憶手段32が記憶した記憶値である。同様に、Z1〜Znは紙表面検知手段52が検知した測定データの一時記憶値X2を紙種記憶手段32が記憶した記憶値である。なお測定データX1、X2については、本図では単にXとして示してあるが、これらについては後述する。
【0024】
また、クリア判定手段41がデータクリア手段33がデータクリアする種々の条件を判定する。データクリアとは、紙種記憶値Yn、Znデータをクリアし、一時記憶値X1、X2を紙種記憶値Yn、Znに記憶することまで含む。紙種記憶値Yn、Znを紙種判定テーブルが持つ紙種範囲(紙種データ範囲)R1〜R5のどれに該当するかを判定する。R1〜R5はYnとZnの2つのデータそれぞれに最適な範囲であることを示す。また、YnとZnのどちらか一方だけで判定することもできる。実施例は、主に透過率を測定する紙厚検知手段のYnにより、OHP、第二原図、普通紙の紙種と、普通紙の紙厚段階を判定する紙種検知手段である。
【0025】
しかし、紙種検知手段は、反射率を測定する紙表面手段のZnと組合せた方式であってもよい。目的に応じて紙種検知手段を組合せると精度が向上する。例えば、複数の紙厚のある再生紙、コピー紙、コート紙の判定には紙種検知手段のYnと紙表面手段のZnの組合せで判定するこが有効である。
【0026】
図4は、紙厚検知装置の制御系主要構成のブロック図である。図中30は上述した紙種検知手段であり、図中43はCPU、44は表示部、45は操作部、46a〜46nはサイズ検知手段、47はRAM、48はROMであり、これらはそれぞれCPU43に接続している。
【0027】
図5は上述してきたような紙種検知装置の基本動作のフローチャート図である。給紙搬送動作がスタートする(ステップS21:以下ステップはSとのみ記載する)と、紙種記憶値(Yn、Zn)が有るか無いかを判定し(S22)、紙種記憶値(Yn、Zn)が有る場合は(Yn、Zn)を紙種判定テーブルのデータ範囲R1〜R6と比較照合して(S26)、紙種を判定する(S27)。(Yn、Zn)が無い場合は紙種検知手段30が測定を行い(S23)、測定データを一時記憶手段に一時記憶値(X1、X2)として記憶する(S24)。そして、一時記憶値(X1、X2)を紙種記憶値(Yn、Zn)として紙種記憶手段に格納(記憶)して(S25)、紙種記憶値(Yn、Zn)を紙種判定テーブルのデータ範囲R1〜R6と比較照合して(S26)、紙種を判定する(S27)。紙種・紙厚の判定は、紙種検知手段30の測定データ(一時記憶値Xまたは紙種記憶値Y1〜Yn、Z1〜Zn)が紙種判定テーブルの持つ紙種範囲(紙種のデータ範囲)R1〜R6に該当するかを比較することにより、紙種が判定される。
【0028】
なおデータクリア手段33は、データクリアする判定条件になると、紙種記憶手段32の該当する給紙動作を行っている給紙段の紙種記憶値(Y1〜Yn、Z1〜Znの該当値)をクリアする。データクリア判定手段33は、転写紙が変更になる可能性がある条件を判定する。データクリアする判定条件には、転写紙のセット判定する転写紙セット判定、電源オンを判定する電源オン判定、給紙トレイの転写紙変更を判定する転写紙セット判定、紙種・紙厚情報をユーザが設定する機能を有する場合の紙種・紙厚設定の変更を判定する紙種設定変更判定、ジャムが発生を判定するジャム発生判定、重送が発生を判定する重送発生判定がある。
【0029】
またなお転写紙セット判定には、転写紙が有りを検知した時に行う場合と給紙トレイがセットされた場合に行う場合がある。紙をセットするだけの手差し給紙トレイでは、転写紙無しから有りの変化を検知した場合にだけ、転写紙セット判定を行う。給紙トレイがフロントローデングなどの引出しトレイ式やカセット式で給紙トレイ自体の有り・無し検知が可能な場合には、給紙トレイが無しから有りの変化を検知した場合に行うこともある。
【実施例2】
【0030】
既に述べたように、従来、転写紙が無くなった時などの転写紙補給の前後で、誤って異なる転写紙を補給された場合に、プリントした転写紙が無駄になる不具合があった。転写紙を補給したユーザとプリント要求をしたユーザが異なると、不具合の発生が多くなる。また、転写紙の補給の際に、異なる用を混ぜて混入した場合に同様である。本実施例は、転写紙の補給の前後で異なる転写紙を誤って補給することを抑制するものである。すなわち、給紙トレイの転写紙変更を判定する転写紙セット確認手段は、転写紙の補給後に紙種・紙厚が変更になって場合に、その確認をユーザに通知するユーザ通知手段49、ユーザ了承手段50により構成されている。よって、ユーザが誤って異なった紙種を補給した場合に、その間違いを修正することができるため、ユーザが不本意なコピーをしないで済む。特に、同一冊子の中に、異なった紙厚・紙種が混入することを避ける場合やプリントの画質(色合いや質感など)を統一したいなどと気にする場合に有効である。また、ある給紙段は、いつも決まった転写紙を設定している場合にも有効である。
【0031】
図6は、本発明の実施例2の紙種検知装置の主要機能概念図である。クリア条件判定手段41が、紙種・紙厚変更確認が必要なデータ条件であるジャム発生、重送発生、電源オン、転写紙セットのいずれかを判定すると、転写紙変更確認手段42が、紙種検知手段30からの測定データである一時記憶手段31の一時記憶値(X1、X2)と紙種記憶手段32の該当する給紙段の紙種記憶値(Yn、Zn)(前回の測定データ)の比較を行い、紙種・紙厚に違いが無ければ、通常通り、紙種記憶値(Yn、Zn)データをクリアし、一時記憶値(X1、X2)を紙種記憶値(Yn、Z2)に記憶する。
【0032】
しかし、転写紙補給前後で、紙種・紙厚の相違判定を行い転写紙補給前後で紙種・紙厚に違いがあれば、ユーザに対して紙種・紙厚が変更になっていることの確認を促す。さらに、転写紙変更判定手段42において、今回の測定データ(X1、X2)とその段の前回の測定データに当たる紙種記憶値(Yn、Zn)を直接比較して転写紙が同一であるか異なるかを判定する。測定データ(X1、X2)が紙種記憶値(Yn、Zn)との差が表面検知精度調整手段で指定された差の範囲より大きい場合に、転写紙が同一でないので変更されたと判定する。ユーザが操作部45などより選択入力することにより、表面検知精度調整手段で、判定基準となる差の範囲の大きさ(精度)を調整することができる。表面検知制度調整手段において、判定が厳密な精細E1に設定すると転写紙の僅かな違いでも転写紙が変更されたと判定できるため、精度が高くなる。
【0033】
一方、粗目E3に設定すると転写紙の僅かな違いでは、変更されたと判定しないため、精度は低くなる。しかし、もともと同一の転写紙であってばらつきが大きい転写紙に対しては同一転写紙であっても転写紙が変更されたと判定する誤検知を防止するのに有効である。転写紙の種類(紙種)判定に関係なく、前回の測定データである紙種記憶値(Yn、Zn)と今回の測定データである一時記憶値(X1、X2)を比較して、その差の大きさだけ判定しているので、精度良く転写紙変更判定ができる。さらに、カラープリント時や高画質プリント選択時に表面検知高精度判定手段55が表面検知精度調整手段56に対して自動的に精細E1設定指示する。
【0034】
一般に画質を統一したいモードは、カラープリントと高画質プリントである。ユーザが操作部45などからプリント条件(プリントモード)を設定すると、表面検知高精度設定手段55によってカラープリントまたは高画質プリントが選択された時に、自動的に表面検知精度調整を精細E1に設定する。よって、カラープリント選択時、高画質プリント選択時には転写紙の紙表面検知手段に紙表面検知の精度を上げることができる。
【0035】
転写紙を統一したい場合には、紙種検知手段の紙厚検知手段による紙厚検知と紙表面検知手段による紙表面検知の組合せで検知品質が向上するが、転写紙の厚さは気にせず、画質(色合い、質感)だけ統一したい場合には紙表面検知手段による紙表面検知だけを行うことができる(第7図)。しかし、紙厚検知をまったく行わないのではなく、紙厚検知の精度だけを低くすることが実用的である。
【0036】
図8は、ジョブ限定選択手段の説明図である。ユーザが操作部45などから、転写紙変更判定手段42を動作させる場合を設定できる。常に変更判定を行う、またはジョブ中に選択設定され、限ジョブ限定選択手段57が自動的にその条件の時のみ転写紙変更判定手段42を動作させる。
【0037】
図9は、給紙段限定選択手段の説明図である。ユーザが操作部45などから、転写紙変更判定手段42を動作させる給紙段を設定できる。転写紙変更判定手段42を動作させる給紙段が設定されると、給紙段限定選択手段58が自動的に給紙段のみ転写紙変更判定手段42を動作させる。
図10は、補足説明のための転写紙変更判定手段における紙種・紙厚の変更を通知するユーザ通知手段の主要フローチャートの一例である。転写紙変更判定を行う条件の時(プリント動作のジョブ途中で、転写紙が無くなったために転写紙を補給して給紙トレイのセットした時、ジャムや重送があって転写紙を処理して給紙トレイのセットした時など)、転写紙変更判定手段の動作がスタートすると、データクリア判定条件が紙種変更条件であるかを判定する(S51)。転写紙変更判定条件である場合には、一時記憶値(X1、X2)と紙種記憶値(Yn、Zn)を比較して(S52)、紙種・紙厚が異なるか(変更になっている)を判定する(S53)。転写紙(紙種・紙厚)が変更になっていて良いか確認する必要があるのでユーザに通知する(S54)。紙種・紙厚が変更を了承したくなければ(S55)、給紙トレイに正しい転写紙を補給し、給紙トレイを再セットすること(S57)により、転写紙変更判定手段の動作を繰り返して、プリントジョブを再開して(S58)終了となる。了承するまでに間プリント動作を禁止すれば、本人ばかりでなく他のユーザ誤った転写紙にプリントすることもない。ネットワークプリンタ、複合機などでは、特に有効である。
【0038】
すなわち本発明では、紙種検知手段が新しく取得したデータを前回取得データと直接比較しているので、補給前後での紙種・紙厚の変化を紙種テーブルの分類に関係なく精細に変更判定できる。また紙種検知手段が新しく取得したデータと前回取得データと比較して判定する基準である変更度合いを選択設定できるので、用途に適してバランス良く変更判定できる。さらに、通常は転写紙変更判定を必要としないユーザでもジョブ動作中のペーパエンド時だけは、転写紙変更判定を操作できるように選択できるので、一つのジョブ内の転写紙を統一できる。
【0039】
また本発明は、通常は転写紙変更判定を必要としないユーザでもカラープリントの時だけは、転写紙変更判定を操作できるように選択できるので、カラープリント画質に対するユーザ要求を満たせる。そして通常は転写紙変更判定を必要としないユーザでも高画質プリントの時だけは、転写紙変更判定を操作できるように選択できるので、高画質プリントの画質に対するユーザ要求を満たせる。また転写紙の表面判定をしているので、表面が同等の転写紙の判定、または、同一転写紙判定の精度が向上する(転写紙が同一でなくても表面が同じ判定ができる。また、同一転写紙判定の精度の向上できる。)。
【0040】
さらに、通常は転写紙変更判定を必要としないユーザでもカラープリントの時だけは、転写紙変更判定を操作できるように選択できるので、カラープリント画質の表面に対するユーザ要求を満たせる。また通常は転写紙変更判定を必要としないユーザでも高画質プリントの時だけは、転写紙変更判定を操作できるように選択できるので、高画質プリントの表面に対するユーザ要求を満たせる。
【0041】
またさらに、給紙段を限定して転写紙変更判定ができるので、転写紙の違いを気にする給紙段だけに誤った転写紙変更を抑制することができる。そして、ユーザが誤った用紙にセットすることを抑制できるので、精密な機構である画像形成部や取扱に注意を要する定着装置などに対する機械ダメージ防止とミスプリントの防止ができる。オンライン上の不特定多数のユーザに対しも、ミスプリントの防止ができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施例1の実施対象となる両面画像形成装置の主要断面図
【図2】紙種検知手段を有する給紙装置の主要構成図
【図3】紙種検知装置の主要機能概念図
【図4】紙厚検知装置の制御系主要構成のブロック図
【図5】紙種検知装置の基本動作のフローチャート図
【図6】本発明の実施例2の紙種検知装置の主要機能概念図
【図7】転写紙を統一したい場合の例を示す図
【図8】ジョブ限定選択手段の説明図
【図9】給紙段限定選択手段の説明図
【図10】補足説明のための転写紙変更判定手段における紙種・紙厚の変更を通知するユーザ通知手段の主要フローチャート図
【符号の説明】
【0043】
1:両面画像形成装置
2:画像形成部
3:給紙部
3a:1段目給紙部
3b:2段目給紙部
3c:3段目給紙部
3d:4段目給紙部
4:定着部
5:給紙搬送路
6:反転部
7:再給送路
8:排紙部
9:排紙反転切換部
10:手差給紙部
11:レジスト駆動ローラ
12:レジスト従動ローラ
13:透過受光素子
14:透過発光素子
17:グリップ駆動ローラ
18:グリップ従動
30:紙種検知手段
31:一時記憶手段
32:紙種記憶手段
33:データクリア手段
34:紙種判定テーブル
41:クリア条件判定手段
42:転写紙変更判定手段
43:CPU
44:表示部
45:操作部
46:サイズ検知手段
47:RAM
48:ROM
49:ユーザ通知手段
50:ユーザ了承手段
51:紙厚検知手段
52:紙表面検知手段
53:反射発光素子
54:反射受光素子
55:表面検知高精度設定手段
56:表面検知精度調整手段
57:ジョブ限定選択手段
58:給紙段限定選択手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を測定してデータを取得し、紙種判定テーブルの分類閾値を用いて該用紙の紙種・紙厚を判定するための紙種検知手段と、
該紙種検知手段が取得した測定データを記憶する紙種記憶手段と、
該紙種記憶手段に記憶された測定データをクリアするデータクリア手段と、
用紙が無いことを検知した時に前記紙種記憶手段に記憶された測定データをクリアするデータクリア手段と、
前記紙種検知手段による紙種判定とは別に、前記紙種検知手段が取得した今回のデータと前回取得したデータとを直接比較し、両データの差が大きい場合には前記紙種判定テーブルの分類閾値に関係なく、転写紙が前回と同一でなく変更になっている可能性があると判断し、該判断を通知する転写紙変更判定手段と、
を有することを特徴とする紙種検知装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、前記作像部を上方へ回動させて開いた時、前記原稿テーブルと一定の隙間を保つための支持部材を前記原稿テーブル側または前記作像部のいずれかに設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2の紙種検知装置において、用紙が無いことを検知した時にだけ、前記転写紙変更判定手段を動作させることを選択可能なジョブ限定選択手段を有することを特徴とする紙種検知装置。
【請求項4】
用紙が無いことを検知した時にだけ前記データクリア手段が前記紙種記憶手段に記憶された測定データをクリアし、かつカラープリントが行われるときのみ、前記転写紙変更判定手段を動作させることを選択可能な表面検知高精度設定手段を有することを特徴とする請求項1または請求項2の紙種検知装置。
【請求項5】
用紙が無いことを検知した時にだけ前記データクリア手段が前記紙種記憶手段に記憶された測定データをクリアし、かつ高画質プリントが行われるときのみ、前記転写紙変更判定手段を動作させることを選択可能な表面検知高精度設定手段を有することを特徴とする請求項1または請求項2の紙種検知装置。
【請求項6】
用紙の紙種・紙厚を判定するために用紙を測定してデータを収得する紙種検知手段と、
該紙種検知手段が収得した測定データを記憶する紙種記憶手段と、
該紙種記憶手段に記憶された測定データをクリアするデータクリア手段と、
用紙が無いことを検知した時にだけ紙種記憶手段に記憶された測定データをクリアするデータクリア手段とを有し、
前記紙種・紙厚検知手段が転写紙の用紙表面を検出判定する紙表面検知手段と、前回の表面測定データと比較して転写紙の表面が変更になっていないかを判定する紙表面変更判定手段有することを特徴とする紙種検知装置。
【請求項7】
用紙が無いことを検知した時にだけ前記データクリア手段が前記紙種記憶手段に記憶された測定データをクリアし、かつカラープリントが行われるときのみ、前記転写紙変更判定手段を動作させることを選択可能な表面検知高精度設定手段を有することを特徴とする請求項1または請求項6の紙種検知装置。
【請求項8】
用紙が無いことを検知した時にだけ前記データクリア手段が前記紙種記憶手段に記憶された測定データをクリアし、かつ高画質プリントが行われるときのみ、前記転写紙変更判定手段を動作させることを選択可能な表面検知高精度設定手段を有することを特徴とする請求項1または請求項7の紙種検知装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかの紙種検知装置を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
指定した給紙段に対してだけ、前記転写紙変更判定手段を動作させることを選択できる給紙段限定選択手段を有することを特徴とする請求項10の画像形成装置。
【請求項11】
前記画像形成装置は電子写真複写機であることを特徴とする請求項9または10の画像形成装置。
【請求項12】
前記画像形成装置はプリンタであることを特徴とする請求項9または10の画像形成装置。
【請求項13】
前記画像形成装置はファクシミリであることを特徴とする請求項9または10の画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−225052(P2008−225052A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−63217(P2007−63217)
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】