説明

紙葉類繰出装置

【課題】紙葉類の繰り出しに際して、折れや変形などの様々な状態の紙葉類であっても、ピックアップローラなどの繰出手段に対する安定した押圧接触と紙葉類繰出方向先端部の向きを適正にして繰り出すことのできる紙葉類繰出装置を提供する。
【解決手段】収納部に収納している最前面の紙葉類の繰出方向の先端部に当接する位置には先端検知レバーを配置し、繰出手段には揺動支持手段を持たせ、前記先端検知レバーと繰出手段の繰出接触圧を満たす押圧力が作用しているかどうかを検出する検出手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、紙葉類を重ねて収納した収納部から紙葉類を1枚ずつ繰り出す紙葉類繰出装置に関し、さらに詳しくは紙葉類の繰出圧を確保して紙葉類を安定して繰り出す紙葉類繰出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ATM(現金自動預払機)、複写機、プリンタ等の紙葉類を取り扱う機器は、収納部から収納している紙葉類を1枚ずつ繰り出す紙葉類繰出装置が設けられている。前記ATMは紙葉類として紙幣を取り扱い、複写機、プリンタ等では紙葉類として用紙を取り扱う。
【0003】
一般的な紙葉類繰出装置は、紙葉類を上下方向に重ねて収納する収納部の下部に上下動自在の押圧板が設けられており、この押圧板の上下動に基づいて、この押圧板の上に堆積されている紙葉類を上下動させる。また、収納部の上部には収納されている紙葉類の最上面に当接するピックアップローラが対設されている。
【0004】
この紙葉類繰出装置は、紙葉類を繰り出す際に、まず押圧板を上昇させ、収納されている紙葉類の最上面をピックアップローラに押圧させる。この押圧状態でピックアップローラを回転させることにより最上面の紙葉類が収納部から繰り出される。収納部から繰り出された紙葉類は、ピックアップローラの繰り出し方向に配置されているオーバラップ対応する一対の送出ローラ(フィードローラとゲートローラ)に挟持されて送り出される。
【0005】
このような繰出機構を有する例えば特許文献1に開示されている紙幣を取り扱う紙葉類繰出装置は、最上面の紙幣において繰出方向の紙幣先端部に当接する先端検知レバーにより、紙幣カートリッジ内に堆積されている紙幣の最上面の紙幣繰出方向の紙幣先端部の高さが適正な繰出高さになったことを検出し、ピックアップローラを回転させて最上面の紙幣を繰り出すように構成されている。
【0006】
また、特許文献2に開示されているシート給送装置は、ピックアップローラが紙葉類に押圧されて所定量変位したことをセンサで検出することで、紙葉類がピックアップローラに適当な押圧力で押圧されていることを検出している。ピックアップローラが紙葉類に押圧されて所定量変位したとき、最上面の紙葉類が、繰り出しに適した高さとなるように構成されている。
【0007】
【特許文献1】特開2004−277112号公報
【特許文献2】特開2000−95360号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記ATMの場合、折れた状態の紙幣や偽造券判別用に設定されている紙幣の厚みの多様化など様々な状態の紙幣を取り扱えることが必須である。
【0009】
特許文献1に開示されている紙幣繰出方向の先端位置を検出する方法では、紙幣繰出方向の先端位置が繰り出しに適した位置か否かを検出することはできるが、ピックアップローラにどのように接触しているかの具体的な接触状態までは検出していないため、ピックアップローラの押圧強さが紙幣繰出接触圧として適切に紙幣に負荷されているか否かを判断できない。そのため、紙幣の折れや紙幣の厚みの偏り等があった場合、先端検知レバーにより紙幣が検出されても、紙幣とピックアップローラとの接触圧が不足する可能性がある。この接触圧不足の状態で紙幣の繰り出しを開始すると、紙幣詰りなどの繰出障害を発生させてしまい、紙幣を正常に繰り出しできなくなる。
【0010】
特許文献2に開示されているピックアップローラの押圧を検知する方法では、繰り出しに適した押圧が負荷されているかを検出することはできるが、ピックアップローラと非接触の紙幣の位置を検知できない。このため、例えば紙幣の先端位置などが折れ曲がっている場合は、該紙幣の先端位置が繰り出しには不適な位置のまま繰り出しを開始してしまい、正常に繰り出しができない可能性がある。
【0011】
この発明は、上述の問題に鑑み、紙葉類への押圧性能を高めて紙葉類を安定して繰り出すことのできる紙葉類繰出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明は、収納部に重ねて収納された紙葉類を、その重ね方向の一方から押圧し、その他方の異なる位置で押圧対応する押圧状態の検知情報に基づいて前記一方からの押圧力を制御する紙葉類繰出装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、押圧不良を解消して紙葉類を1枚ずつ安定して繰り出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、この発明の紙葉類繰出装置の実施形態について図面を用いて説明する。
図1は紙幣入出金装置を実装する現金自動取引装置(ATM)11の外観を示す。この現金自動取引装置11の構成要素には、利用者の取引カードや取引明細票を処理するカード/明細票処理機構12と、通帳を処理する通帳処理機構13と、装置を覆う筐体14と、取引に必要な情報を表示及び入力する利用者操作部(単に操作部とも言う)15と、紙幣を入出金する紙幣入出金装置16と、本体制御部17とが備えられている。
【0015】
図2は現金自動取引装置11の制御機構を示すブロック図である。カード/明細票処理機構12、通帳処理機構13、利用者操作部15及び紙幣入出金装置16は、バス18を介して本体制御部17と接続されており、本体制御部17の制御指令により必要な動作を行う。前記の他に、該現金自動取引装置11に外部ユニットを接続するためのインタフェース部19と、係員が操作し、種々の情報の入力及び出力を実行する係員操作部20と、外部記憶装置21ともバス18で接続されており、必要なデータのやり取りを行う。前記に示す各機構や構成要素は、電源部22より電力が供給される。
【0016】
図3は現金自動取引装置11に実装される紙幣入出金装置16の構成を示す内部構成図であり、図4は後述する収納放出庫34などの紙幣処理構造も含めた制御機構を示すブロック図である。
紙幣入出金装置16は、紙幣を出し入れする入出金口31と、紙幣の金種や搬送状態を判別する紙幣判別部(単に判別部とも言う)32と、入金した紙幣を取引成立するまでの間、一時的に収納する一時スタッカ(一時保管庫)33と、入出金口31から入金された紙幣を収納し、出金取引時に紙幣を放出する金種別の収納放出庫(金種別収納庫、収納部とも言う)34、この実施形態では3金種の収納放出庫34a、34b、34cを有する。
【0017】
また、金種別の収納放出庫34に各金種紙幣を装填し、収納放出庫34から各金種紙幣を回収する装填回収庫(装填庫または回収庫)35と、紙幣判別部32によって金種の読み取りが不可と判定された紙幣や搬送不可と判定された紙幣等を集積するリジェクト庫36と、紙幣入出金装置16の各構成要素と接続して紙幣を搬送する搬送路37がある。さらに、金種と紙幣サイズとの対応関係等を記憶した記憶部データベース38(紙幣判別部32の一機能として含むものでもよい)と、本体制御部17とバス18を介して接続され、本体制御部17からの指令及び紙幣入出金装置16の状態の検出に応じて紙幣入出金装置16の制御を行い、紙幣入出金装置16の状態に関する情報を必要に応じて本体制御部17に送る制御部39を有する。なお、本体制御部17と制御部39とも、CPU、メモリ等から構成され、合わせて制御部とも言う。
【0018】
次に、紙幣入出金装置16の内部構成を、図3を参照して説明する。紙幣入出金装置16は紙幣を高速に搬送して大量の紙幣を能率よく取り扱うために紙幣を短辺方向に搬送する。これにより、搬送路37から収納放出庫34、装填回収庫35などの各収納ボックスに紙幣を収納する(集積する)ときの紙幣の姿勢、及び各収納ボックスから搬送路37へ紙幣を放出する(繰り出す)ときの紙幣の姿勢も、その収納方向または放出方向を紙幣の短辺方向に設定している。
【0019】
ここで紙幣入出金装置16の取り扱う紙幣は、日本国内紙幣のみならずユーロ紙幣やドル紙幣などの外国紙幣も対象にしている。日本国内の紙幣は、一万円札、五千円札、二千円札、千円札が使用されており、紙幣の寸法、特に短辺方向の寸法が略76mmに統一されている。このため、収納ボックスからの紙幣繰出動作などについて金種の違いは問題にならない。しかし、ユーロ紙幣は7金種あり、最小の5ユーロ紙幣の寸法は62×120mm、最大の500ユーロ紙幣は82×160mmあり、その短辺方向の最大寸法差は20mmある。
【0020】
このようなことから、外国紙幣など、複数の金種を混合して収納する装填回収庫35は、図3に示すように、紙幣を立位姿勢で収納するように構成している。つまり、寸法の小さい紙幣も大きい紙幣も、その紙幣の長辺方向を収納部の底面に整然と並べることができ、これらの紙幣の繰出動作や集積動作も安定したものとなる。
【0021】
一方、収納放出庫34のように紙幣を水平姿勢で収納するタイプでは、寸法が大きく異なる紙幣を繰り出そうとすると、紙幣の長辺部分を揃える特別な機構が必要になり複雑化する。このようなことから、複数の金種の紙幣を一括して収納する場合は、立位姿勢で収納可能な装填回収庫35が望ましく、1金種の紙幣を収納する場合は水平姿勢で収納する収納放出庫34が望ましい。
【0022】
リジェクト庫36は、紙幣判別部32による金種、真偽判別等により入金または出金に適さないと判別された紙幣を収納する。
紙幣入出金装置16の上部ユニットには入出金口31と判別部32と一時スタッカ33とを配置し、下部ユニットには紙幣を収納する各収納庫を配置している。前記下部ユニットには、装填回収庫35を上側に配置し、その下側に収納放出庫34a,34b,34cと、リジェクト庫36を配置している。
【0023】
前記装填回収庫35の一側(図3の左側)には装填時に判別不可と判定されたリジェクト紙幣を回収する装填リジェクト庫35aが備えられ、他側(図3の右側)には紙幣の出入りが自在である繰出部35bが備えられている。そして、装填回収庫35の繰出部35bから繰り出された紙幣は一時スタッカ33に一時的に保管され、金種に応じて各収納放出庫34a,34b,34cに振り分けられる。
【0024】
また、下部ユニット側の搬送路37の一部は、装填回収庫35に隣接して装置前側に実装され、装填回収庫35から繰り出される紙幣または装填回収庫35に集積する紙幣を上下方向で、双方向に搬送する。また、搬送路37は、取り忘れ回収庫36aを備えたリジェクト庫36や収納放出庫34a、34b,34cで構成される紙幣収納部(下部ユニット)と、装填回収庫35より上の部位(上部ユニット)とを接続している。
【0025】
図5は前記収納放出庫34に設けられた紙幣繰出装置51の側面図を示している。この紙幣繰出装置51は、収納部としての紙幣カートリッジ53を有し、この紙幣カートリッジ53は紙幣52を上下方向に重ねて収納する収納空間を有し、この収納空間の上方が紙幣の繰出側であり、下方が紙幣の押圧側である。
【0026】
前記紙幣繰出装置51は、紙幣の繰出側に、繰出手段としてのピックアップローラ54と、フィードローラ55と、ゲートローラ56とが配設され、また連動体としての押圧検知レバー57と、当接体としての先端検知レバー58と、検知手段及び1つのセンサとしての検知センサ59とが配置されている。
【0027】
一方、前記紙幣繰出装置51は、紙幣の押圧側に、押圧体としての押圧板60が配置されている。
これにより、水平姿勢に収納されている紙幣52を押圧板60が下方から上方へと押し上げ、最上面の紙幣を上方の繰出側からピックアップローラ54が1枚ずつ繰り出すようにしている。
【0028】
前記押圧板60は、紙幣カートリッジ53の底板として機能し、上下動自在に支持され、図示省略した駆動手段により上下動される。また、この駆動手段は本体の制御部により制御される。
【0029】
図5において、紙幣カートリッジ53の右方向が、該紙幣カートリッジ53に収納されている紙幣52の繰出方向であり、その繰出方向が紙幣52の短辺方向である。
【0030】
前記ピックアップローラ54は、外周面に一部突出して1回転で1枚出しする繰出接触部54aを有して紙幣カートリッジ53の上方に配設され、押圧板60の押圧により下方から上方に押し上げられてきた紙幣52の最上面に接触して紙幣52を1枚ずつ繰り出す役目を有している。
【0031】
また、ピックアップローラ54は、ピックアップローラ54の両端をそれぞれ独立して上下方向(図8参照)に揺動する揺動支持機構を備えており、紙幣カートリッジ53に収納されている紙幣によって上方に押し上げられると、図示省略するバネで該ピックアップローラ54は下向きに押圧して荷重を発生する機構となっている。
【0032】
前記紙幣カートリッジ53の繰出側には、ピックアップローラ54により繰り出される紙幣繰出口近傍の位置に、上下一対のフィードローラ55とゲートローラ56を配設している。そして、ピックアップローラ54により略水平方向に繰り出された紙幣52をフィードローラ55とゲートローラ56とで挟持して送り出す。フィードローラ55とゲートローラ56は、紙幣の送り出しに適した互いに凹凸対応するオーバラップ面を外周面に有しており、このオーバラップ面が挟持面となる。
【0033】
前記押圧検知レバー57はL字形状を有し、このL字形状の一端部がフィードローラ55の回転軸55aに軸支され、L字形状中間位置の折曲部分に開口した長孔57bがピックアップローラ54の回転軸54bに軸支され、L字形状の他端部が押圧検知遮光部57aとして上向きに設けられている。この押圧検知レバー57は、フィードローラの回転軸55aを支点にして、ピックアップローラ54の上下動に応じて上下方向に連動して回動する。
【0034】
この押圧検知レバー57の上端部の押圧検知遮光部57aと対応する位置には、フォトセンサ等の光電検知する検知センサ59が配設されている。この検知センサ59は、紙幣52の押圧駆動を開始前の状態及び紙幣52の押し上げが不十分のときは押圧検知遮光部57aが元位置のままでセンサ光を遮光(オフ)する状態にある。これに対し、押圧駆動を開始して十分な押上力が働いた押圧状態のときは、紙幣52の押し上げに連動して上動した押圧検知遮光部57aがセンサ光を投光(オン)させる投光位置に上動変位する。
【0035】
一方、先端検知レバー58は、つ字形状を有し、該つ字形状の湾曲部の下側部が支点ピン58aで軸支されて紙幣繰出装置51に取り付けられている。支点ピン58aは、回転軸55aの下方位置に設けられており、先端検知レバー58の湾曲部内側にフィードローラの回転軸55aが位置する構成となっている。なお、先端検知レバー58は支点ピン58aを中心に回動し、先端検知レバー58の内周面が回転軸55aに当たることで、該先端検知レバー58は下方向へのストッパ作用を受けて下動規制されている。該つ字形状の下片を紙幣の繰出先端側に当接する当接片58bに設け、つ字形状の上片を先端検知遮光部58cに設けている。そして、この先端検知レバー58は、支点ピン58aを軸に回動し、下方から上方へと押し上げられる紙幣52の最上面に当接する当接片58bが上下方向に回動し、これに連動して上片端部の先端検知遮光部58cは最上面の紙幣繰出方向先端部の押上動作に連動して上下方向に変位する。
【0036】
この場合も、先端検知レバー58の上片端部の先端検知遮光部58cと対応する位置に前記検知センサ59が配設されている。該検知センサ59は、紙幣52の押圧駆動停止により紙幣繰出方向先端部が当接片58bと未当接か、あるいは紙幣52の押し上げが不十分の当接力のときは、先端検知遮光部58cが遮光領域のままでセンサ光を遮光(オフ)した状態にある。これに対し、押圧駆動を開始して十分な押上力が働いた当接状態のときは、紙幣52の押し上げに連動して上動した上片の先端検知遮光部58cがセンサ光を投光(オン)させる投光位置に上動変位する。
【0037】
この場合、ピックアップローラ54と押圧板60との対向面間で紙幣52を押圧している押圧板60からの押圧力がピックアップローラ54の繰出接触圧を満たす一定値を超えているか否かを前記押圧検知レバー57が上動した上動量に応じて投光・遮光される検知センサ59によって検知することができる。
【0038】
具体的に説明すると、ピックアップローラ54は図示省略する付勢手段によって紙幣52側へ付勢されている。このため、押圧板60の押圧力が一定値を超えると付勢手段の付勢力に逆らって紙幣52が持ち上げられ、これに連動して押圧検知レバー57を変位させ、検知センサ59で検知できる。
【0039】
また、先端検知レバー58の当接片58bと押圧板60との対向面間で紙幣52を押圧している押圧板60からの押圧力が当接片58bの当接圧を満たす一定値を超えているか否かを先端検知レバー58が上動した上動量に応じて投光・遮光される検知センサ59によって検知することができる。
【0040】
具体的に説明すると、先端検知レバー58は図示省略する付勢手段によって紙幣52側へ付勢されている。このため、押圧板60の押圧力が一定値を超えると付勢手段の付勢力に逆らって紙幣52が持ち上げられ、これに連動して先端検知レバー58を変位させ、検知センサ59で検知できる。
【0041】
前記付勢手段による押圧力の強さは、ピックアップローラ54側に比べて先端検知レバー58側を弱く設定している。これにより、紙幣52はピックアップローラ54側の繰出力を十分に受け、先端検知レバー58側での当接力が紙幣の繰り出しを妨げることがない。
【0042】
この場合、前記両検知レバー57,58にかかる押圧力がそれぞれ一定値を超えたかどうかを検知する際、両検知レバー57,58の両検知遮光部57a,58cのそれぞれを1つの検知センサ59で検知する兼用構成としている。具体的には、両検知遮光部57a,58cを同じ検知領域に介在させて投光・遮光させればよく、両検知遮光部57a,58cがともに投光位置になった時点と、紙幣52の必要最低限の繰出条件を満たした押圧状態になった時点とを合致させて設定する。これにより、1つの検知センサ59で効率よく両検知レバー57,58の動きを検知することができる。また、この場合はセンサ数の削減により低コスト化が図れる。
【0043】
前記検知センサ59が検知したオンオフ信号は制御部39で監視され、このオンオフ状態に基づいて、制御部39は押圧板60の図示しない駆動装置を制御する。例えば、紙幣52の繰り出しに際して、押圧板60を駆動して紙幣52を上方に押し上げたとき、紙幣の繰り出しに適した押圧位置である検知センサ59がオンになる位置まで押圧板60の上昇を継続させる。そして、検知センサ59がオンした時点で制御部39は押圧板60の上昇を停止させる。このようにすれば、紙幣52の繰り出しに適した押圧力を確保でき、安定した繰出動作を実行できる。
【0044】
前記紙幣カートリッジ53における紙幣繰出方向(図5における右側)に設けられるガイド板61の上部は紙幣52の繰出に適した滑らかな曲面部61aを有し、この曲面部61aは、フィードローラ55とゲートローラ56との挟持位置に向かって伸びる紙幣ガイド曲面であり、前記先端検知レバー58の当接片58bの下方に対向する。
【0045】
図6は紙幣カートリッジ53の繰出側の底面図を示し、ピックアップローラ54と、フィードローラ55と、押圧検知レバー57及び先端検知レバー58との位置関係を示している。
【0046】
前記押圧検知レバー57と先端検知レバー58は、紙幣52の長辺方向に沿って左右一対に配設される両フィードローラ55間に介在され、これらの両検知レバー57,58の両検知遮光部57a,58cを平行させて検知センサ59の検知領域に延設されている。
【0047】
前記ピックアップローラ54は、この実施形態では紙幣52の長辺方向に沿って3箇所に等間隔に配置されている。また、中央のピックアップローラは、紙幣最上面の長辺方向に対しても略中央に配置している。さらに、これらのピックアップローラ54は、該ピックアップローラ54の回転軸54b(以下、ピックアップローラ回転軸54bと言う)の幅方向両端の2箇所に設けられたリンク62により、フィードローラ55の回転軸55a(以下、フィードローラ回転軸55aと言う)と連結されている。
【0048】
図7はピックアップローラ54の揺動支持手段を示す図である。図7(A)は紙幣繰出装置51の要部正面図を示し、図7(B)は紙幣繰出装置51の要部側面図を示す。前記左右一対のリンク62は、揺動支持手段としてピックアップローラ回転軸54bとフィードローラ回転軸55aとの間を連結し、フィードローラ回転軸55aを基準に該両側のリンク62がそれぞれ独立して可動する。このため、両側のリンク62を介してピックアップローラ54は紙幣繰出幅方向の両端が押圧方向に対してシーソー状に揺動支持される。従って、ピックアップローラ54は上下方向に並行に移動するだけでなく、フィードローラ55に対して斜めにもなることができる。
【0049】
これにより、例えば図8に示すように、紙幣カートリッジ53に積層された紙幣が折れや厚みの偏りのために傾斜した集積になり、最上面の紙幣が押し上げられて3箇所のピックアップローラ54に対して斜めに当接してきても、ピックアップローラ54は紙幣最上面の傾きに沿って傾き、少なくとも2箇所以上のピックアップローラ54が傾きに対応して紙幣を押圧することができる。それゆえ、ピックアップローラ54は紙幣最上面の傾きに追従して常に安定した紙幣との接触性能を確保できる。
【0050】
図9は押圧検知レバー57の検知構造を明瞭にするために側面方向で並列して重なる先端検知レバー58の図示を除いて示す要部側面図である。この押圧検知レバー57はピックアップローラ54の揺動に伴い、フィードローラ55の回転軸55aを中心に上下方向に回動する。また、該押圧検知レバー57の上下方向の動きを容易にするためにピックアップローラ回転軸54aには長孔57bにて軸支させている。
【0051】
さらに、この押圧検知レバー57を紙幣繰出幅方向の略中央に取り付けているので、押圧検知レバー57の押圧検知遮光部57aが検知センサ59に検知されるときは、仮にピックアップローラ54に傾きがあっても、検知位置が中央部なので検知誤差による影響を小さくすることができる。
【0052】
図10は先端検知レバー58の検知構造を明瞭にするために側面方向で並列して重なる押圧検知レバー57の図示を除いて示す要部側面図である。この先端検知レバー58は下側の当接片58aの下部外面を紙幣と接触する滑らかな円弧面に形成している。
【0053】
この実施形態では先端検知レバー58を紙幣繰出幅方向の略中央に1つ配置した構成であるが、先端検知レバー58を複数個配置してもよい。例えば、先端検知レバー58を紙幣繰出幅方向の両端部に配置し、両先端検知レバー58に設けられる両検知遮光部58bのそれぞれが独立して検知センサ59のセンサ光を投光・遮光させれば、より確実に紙幣の先端位置が適正な位置であることを検知できる。このため、紙幣の繰り出しに適した押圧条件を満たしたタイミングで紙幣の繰出動作を開始することができる。
【0054】
また、検知センサ59は、押圧検知遮光部57aと先端検知遮光部58cとの隣接する2枚の両検知遮光部57a,58bを挟んで、発光部と受光部とが対向するように配置される。そして、先端検知レバー58の回動により、検知センサ59は先端検知遮光部58cがセンサ光を遮光する位置と投光する位置との間で変化する。また、押圧検知レバー57の回動により、検知センサ59は押圧検知遮光部57aがセンサ光を遮光する位置と投光する位置との間で変化する。検知センサ59は、発光部と受光部との間に押圧検知遮光部57a及び先端検知遮光部58aが共に位置していないときはオンし、発光部と受光部との間に少なくとも一方の遮光部が位置しているときはオフする。
【0055】
次に、紙幣繰出装置51の処理動作を図11のフローチャートを参照して説明する。
この紙幣繰出装置51は、紙幣カートリッジ53に収納している紙幣52の繰出待機状態では押圧板60を下方に下げて紙幣の繰出指示を待っている(図5参照)。このとき、紙幣カートリッジ53に収納されている最上面の紙幣52は、ピックアップローラ54とは接触せず、また先端検知レバー58の当接片58bとも当接していない。また、検知センサ59は、発光部と受光部との間の検知領域に先端検知遮光部58cと押圧検知遮光部57aとが介在してセンサ光が遮光されてオフされている。
【0056】
紙幣繰出装置51は本体制御部17から制御部39を介して紙幣52の繰出指示があると、紙幣の繰出動作を開始する。この紙幣の繰出動作に際して、まず制御部39は押圧板60を上昇させる(ステップs1)。その後、検知センサ59がオンすると(ステップs2)、制御部39は押圧板60の上昇を停止させる(ステップs3)。
【0057】
押圧板60の上昇に伴い、紙幣カートリッジ53に収納されている紙幣52は堆積姿勢のまま上昇する。そして、上昇した最上面の紙幣52は、図12に示すように、上方に対応する先端検知レバー58とピックアップローラ54とに当接する。この最上面の紙幣52に当接する先端検知レバー58は紙幣繰出方向の先端部に当接する。
【0058】
ところで、図13(A)に示すように、紙幣繰出方向の最上面の先端がV字形状に谷折れしている場合は、先端検知レバー58が谷折れ部分に押し上げられて紙幣の全体が平面状態のまま押し上げられたかのように先端位置の上動を検知しても、ピックアップローラ54の押圧が不十分、あるいは当接していない状態になる場合がある。このときは、押圧不足によって空出しを発生させたり、繰出タイミングがずれて、次紙幣にくっついて連れ出しを発生させたりする繰出エラーを誘起させる原因になる。
【0059】
このような紙幣の繰り出しに不適な状態にあっても、検知センサ59がオンになる位置まで押圧板60の上昇は継続されるので、押圧検知レバー57と先端検知レバー58との双方は、紙幣52によって紙幣の繰り出しに適した高さ位置、所謂、検知センサ59がオンになる位置まで上方に押し上げられる。
【0060】
前記紙幣の先端折れは押圧過程で次第に平面上に矯正される。ここでは紙幣に折れがある場合を説明したが、不均一な厚みを持つ紙幣が積層され、紙幣が傾いた場合にも同様に押圧検知レバー57か先端検知レバー58かの一方に片当りして片方の検知レバーだけが上動する場合があるが、そのような状態でも両検知レバー57,58が十分に上動して紙幣の繰り出しに適した上動位置に達したことを検知センサ59がオンして検知するまで押圧動作を継続するため、紙幣カートリッジ53に収納されている紙幣52は確実に繰り出される。
【0061】
このように、最上面の紙幣繰出方向先端部に折れが生じている場合は、先端検知レバー58の当接片58bに紙幣52が当接するタイミングと、ピックアップローラ54に生じる一定以上の押圧タイミングとが異なることから、先端検知レバー58が回動するタイミングと、押圧検知レバー57が回動するタイミングとが異なる。したがって、先端検知遮光部58c、押圧検知遮光部57aが検知センサ59の遮光位置から投光位置になるタイミングも異なる。一方、検知センサ59は、押圧検知遮光部57aと先端検知遮光部58cとが共に投光位置に移動したときにオンするので、図13(A)に示すように、一方の遮光部58c(または他方の遮光部57a)が検知センサ59の遮光位置に存在していない状態になっても、他方の遮光部57a(または一方の遮光部58c)が検知センサ59の遮光位置に存在しているとオフ状態である。このため、押圧板60の上昇は停止されない。
【0062】
また、図13(B)に示すように、紙幣最上面の紙幣繰出方向の中央部が何らかの原因で上向きに中膨らみしている場合、その中膨らみ部分に先に接触するピックアップローラ54が先端検知レバー58より先に押し上げられてピックアップローラ54だけが投光位置に上動しても、最上面の紙幣繰出方向先端部は繰り出しに適した上動位置に平行して上昇せず、先端検知レバー58が投光位置まで上動していない押圧不足の状態になる場合がある。このときも押圧不足によって空出しや連れ出し、あるいは紙詰りなどの繰出エラーを発生させる原因になる。
【0063】
このような場合でも、両遮光部57a,58cが投光位置まで上動して検知センサ59がオンになるまで、押圧板60の上昇は継続するのでは停止されず、繰出押圧条件を満たすまで上昇させることができる。
【0064】
ことに、最上面の紙幣52にピックアップローラ54が当接しているので、紙幣カートリッジ53に収納されている紙幣52は上方のピックアップローラ54と下方の押圧板60との上下間で挟持された状態にある。このうち、上方のピックアップローラ54は押圧板60の上昇に反して図示しないバネで下向きに押圧されている。このため、紙幣52は繰出時の押し上げ動作に伴って上下から紙幣52を押圧して圧縮し、紙幣52の中膨らみした湾曲部分は平面状態に徐々に矯正される。
【0065】
図14は押圧検知レバー57と先端検知レバー58が共に、最上面の紙幣に押し上げられて上向きに回動し、検知センサ59がオンして紙幣52が繰り出しに適した高さまで上昇したことを検知した状態を表している。このときは、押圧板60の上昇を停止させる。前記検知センサ59がオンしたときは、ピックアップローラ54と先端検知レバー58に繰出に適した押圧力が作用しているときである。つまり、最上面の紙幣繰出方向の先端部は、繰出に適した高さにあり、また最上面の紙幣は、繰出しに適した押圧力でピックアップローラ54に当接している。また、検知センサ59がオンしたときは、最上面の紙幣52は折れが略矯正された繰り出しに適した平面状態になる。
【0066】
この平面状態で制御部39がピックアップローラ54の駆動を開始する(ステップs4)。制御部39は、設定された繰出枚数分に応じた時間が経過するまで、ピックアップローラ54を駆動させる(ステップs5)。ピックアップローラ54を一定時間回転させると、制御部39はピックアップローラ54の回転を停止させる(ステップs6)。
【0067】
ピックアップローラ54による繰り出しの際、最上面の紙幣52は、フィードローラ55とゲートローラ56との挟持搬送側へと繰り出される。このとき、繰り出される最上面の紙幣52は、繰出に適した高さであり、且つ紙幣52の折れや湾曲も矯正されているので、紙幣カートリッジ53から安定して繰り出される。その後、繰り出された紙幣52は、フィードローラ55と、ゲートローラ56とに挟持され、紙幣カートリッジ53から送り出される。
【0068】
制御部39は、図示しない繰出センサにより、紙幣の繰出枚数を計数し、本体制御部17から要求された枚数を繰り出したかどうかを判定する(ステップs7)。
このとき、制御部39はステップs7で要求された枚数の紙幣52を繰り出したと判定すると、本処理を終了する。
【0069】
一方、制御部39は、ステップs7で要求された枚数の紙幣52の繰り出しが完了していないと判定すると、制御部39は検知センサ59がオンしているかどうかを判定し(ステップs8)、検知センサ59がオンしていれば、繰り出しに適した押圧状態を保っているので、ステップs4に戻って、再び前記ステップs4以降の紙幣繰出処理を繰り返す。これに対し、ステップs8で検知センサ59がオフになっていると判定した場合は、前記ステップs1に戻って、前記ステップs1以降の繰出処理を繰り返す。
【0070】
このように、この実施形態の紙幣繰出装置51は、先端検知レバー58により、紙幣カートリッジ53に収納されている最上面の紙幣繰出方向先端部が繰り出しに適した高さになったことを検出し、押圧検知レバー57により紙幣52とピックアップローラ54との押圧状態が繰出接触圧を満たす一定値以上になったことを検出してから、ピックアップローラ54を回転させて紙幣52を繰り出すので、紙幣カートリッジ53から繰り出される紙幣52は、紙詰りのない安定した繰り出しができる。
【0071】
特に、紙幣の繰り出しに適した押圧条件を満たしてから繰り出しを開始するため、収納中は角折れや湾曲などの様々な状態の紙幣であっても、これを繰出前に真っ直ぐに矯正し、適正な繰り出しを行うことができる。また、適正に繰り出すことができる押圧力が得られるまでの間、押圧力を高めていき、十分な押圧力を得てから繰り出すため、紙幣を常に安定して繰り出すことができる。また、先端検知レバー58の紙幣との当接面を、繰出側の紙幣端部に位置させたことにより、繰出異常の原因となりやすい繰出端部側の折れを矯正できる。
【0072】
図15は紙幣52を立位姿勢で収納する装填回収庫35に設けられる紙幣繰出装置51の側面図を示している。この装填回収庫35に設けられる紙幣繰出装置51は、紙幣収納方向及び紙幣繰出方向が、上述の収納放出庫34の紙幣繰出装置51とは縦横に異なるだけで構造は同一であるため同一の符号を付して、その説明を省略する。この場合、立位姿勢での紙幣の収納が可能であり、立位姿勢の用途の繰出装置に利用できる。ことに、異種サイズの混合紙幣を繰り出すのに適している。
【0073】
以上に説明した実施形態では、紙幣繰出装置を例にとって、この発明を説明したが、複写機やプリンタ等の紙葉類を取り扱う他の機器についても、この発明を適用することができ、この場合も紙葉類の繰出性能の向上及び低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】現金自動取引装置の概略構成を示す斜視図、
【図2】現金自動取引装置の制御機構ブロック図、
【図3】紙幣入出金装置の内部構造を示す内部構成図、
【図4】紙幣入出金装置の制御機構ブロック図、
【図5】紙幣繰出装置の繰出待機状態を示す側面図、
【図6】紙幣繰出装置の要部底面図、
【図7】ピックアップローラの揺動支持構造と押圧検知レバーの支持構造を示す説明図、
【図8】ピックアップローラの揺動対応状態を示す要部正面図、
【図9】押圧検知レバーの検知構造を明瞭にした要部側面図、
【図10】先端検知レバーの検知構造を明瞭にした要部側面図、
【図11】紙幣繰出装置の紙幣の繰出処理動作を示すフローチャート、
【図12】紙幣繰出装置の押圧継続状態の一例を示す側面図、
【図13】紙幣繰出装置の紙幣が変形している紙幣繰出状態の一例を示す側面図、
【図14】紙幣繰出装置の押圧完了状態を示す側面図、
【図15】紙幣を立位姿勢で収納する紙幣繰出装置の側面図、
【符号の説明】
【0075】
39…制御部
51…紙幣繰出装置
53…紙幣カートリッジ
54…ピックアップローラ
57…押圧検知レバー
58…先端検知レバー
59…検知センサ
60…押圧板
62…リンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙葉類を重ねて収納する重ね方向の一方を紙葉類の繰出側とし、他方を紙葉類の押圧側とする収納部と、
前記収納部の繰出側に配設され、該繰出側に押圧されてきた紙葉類の最前面に接触して該最前面の紙葉類を1枚ずつ繰り出す繰出手段と、
前記収納部に収納されている紙葉類を該収納部の押圧側から繰出側に押圧体で押圧する駆動手段と、
を備えた紙葉類繰出装置であって、
前記紙葉類の最前面の前記繰出手段と異なる位置に当接する当接体と、
前記繰出手段と前記押圧体との対向面間で前記紙葉類を押圧している押圧体からの第1の押圧力が予め定めた繰出接触圧を超え、且つ前記当接体と前記押圧体との対向面間で前記紙葉類を押圧している押圧体からの第2の押圧力が予め定めた当接圧を超えたことを検知する検知手段と、
前記検知手段の検知に基づいて前記駆動手段を制御する制御手段と、
を備えた紙葉類繰出装置。
【請求項2】
前記当接体は、前記収納部の繰出側に設けた繰出口近傍に配置した
請求項1に記載の紙葉類繰出装置。
【請求項3】
前記検知手段は、前記第1の押圧力が繰出接触圧を超え、且つ第2の押圧力が当接圧を超えたか否かを1つのセンサで検知する構成とした
請求項1または2に記載の紙葉類繰出装置。
【請求項4】
前記繰出手段を紙葉類繰出幅方向の両端が押圧方向に対してシーソー状に揺動支持する揺動支持手段を備え、
前記検知手段として、前記繰出手段の押圧方向の変位に連動する連動体と、該連動体の変位を検知するセンサとを備え、
前記連動体を、紙葉類繰出幅方向中央部で前記繰出手段に接続した
請求項1、2または3に記載の紙葉類繰出装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記検知手段が第1の押圧力が繰出接触圧を超え、且つ第2の押圧力が当接圧を超えたことを検知するまで、前記駆動手段に対して前記押圧体の前進を指示する
請求項1〜4のいずれか1つに記載の紙葉類繰出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−182295(P2007−182295A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−1284(P2006−1284)
【出願日】平成18年1月6日(2006.1.6)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】