説明

紛失物検索システム

【課題】カギや財布のように本人にとって重要なものを無くした場合であっても、あいまいな記憶や勘ばかりを頼りとすることなく、より簡単で確実に探し出せるようにする。
【解決手段】紛失物検索システムは、所有者情報データベース(DB)1と発見情報データベース(DB)2とを備えたサービスセンタ3と、所有物に付けられ紛失時にその所在を知らせる紛失物発見装置4、所有者がその紛失物発見装置4への問い合わせ等を行う電話機5と、を含んで構成されている。これらは、公衆電話網6によるネットワークで接続されている。従って、電話機5とサービスセンタ3とは、公衆電話網6を通じて接続されることになる。携帯電話を利用する場合は、サービスセンタへの接続の場合は、携帯電話最寄の基地局(A)7を介して接続され、紛失物発見装置4への接続の場合は、基地局(A)7と紛失物発見装置4の最寄りの基地局(B)8とを介して接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紛失物検索システムに関し、特に、個人情報保護を考慮した紛失物検索システムに関する。
【背景技術】
【0002】
所有物を紛失した際に、その紛失物を探すのに大変困難を要する場合がある。普段の生活の中で気を付けてはいても、大切な自分の所有物をどこかに置き忘れたり、無意識にどこかで落としてしまったりしていることはよくある。紛失後に紛失物を無くしていることに気付き、それを捜そうとしても、発見することが大変困難な場合が多い。特に、キーホルダに収容されたキー、携帯電話機など、小さいものを無くしてしまった場合は、捜索が特に困難である。現時点では、個人が所有物を紛失した場合に、それを発見するための支援を行ってくれるようなサービスは存在しないが、提案としては、下記特許文献1が挙げられる。
【0003】
【特許文献1】特開平10−122895号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術は、親機と子機との2台のPHSを利用し、子機を捜索対象者が携帯していることを前提とし、親機から子機に電話をかけると、子機のGPS機能に基づいて子機の位置が親機に伝えられる機能を利用して、捜索対象者の現在位置を特定するものであり、限定された状況でしか利用できない。このように、携帯電話機を携帯している捜索対象者を捜索することは比較的容易であるが、捜索対象が小型の物品である場合などにおいては、この物品に携帯電話を付随させることは難しい。
【0005】
本発明の目的は、カギや財布のように本人にとって重要な物品を無くした場合であっても、捜索対象の物品の探索を支援するシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一観点によれば、第1の通信部を有し、物品の所有者が所持する所有者端末と、前記物品に装着され、第2の通信部と自己の位置を検出する位置情報検出部とを有し、前記第2の通信部における着信に応答して現在位置情報を取得し相手先に返信する紛失物発見装置と、前記第1の通信部及び前記第2の通信部とネットワークを介して接続可能な第3の通信部を有し、前記所有者端末より登録されるとその物品に対してユニークに付与され前記所有者端末より参照可能な所有物番号と、前記所有者端末及び前記紛失物発見装置へのアクセス先とを含む所有者情報を格納する所有者情報データベースを管理する紛失物管理センタと、を有することを特徴とする紛失物検索システムが提供される。
【0007】
ここで、アクセス先と所有物番号とはセンタにおいて関連付けされている。所有物番号が、紛失物発見装置自身の電話番号になっていても良い。このような関連付けにより、所有者が所有者番号と関連させた発信すると、前者の場合にはダイレクトに、後者の場合にはセンタ経由で、紛失物発見装置と通信することができる。
【0008】
紛失物の所有物番号を登録している所有者端末から所有物番号を指定して紛失物管理センタに連絡され、これに応じて紛失物発見装置への通信が行われると、紛失物発見装置はその着信に応じて自己の現在位置を検出し、検出した自己の現在位置を紛失物管理センタに返信する。紛失物発見装置の現在位置に関する情報を受けた紛失物管理センタは、紛失物発見装置の現在位置に関する情報を所有者端末に送信する。これにより、所有者端末に、所有物番号に応じた紛失物発見装置の現在位置が知らされ、所有者は、紛失物を検索することができる。
【0009】
前記紛失物管理センタは、前記紛失物発見装置から取得した現在位置情報を特定した地図情報であって、前記所有者端末に表示させると拡大・縮小が可能な地図情報を作成する地図情報作成部を備えることが好ましい。拡大・縮小が可能な画面表示に基づいて、所有者端末による紛失物の捜索が容易になる。
【0010】
さらに、前記紛失物発見装置は、前記所有者端末の操作に基づいてアラームを鳴らすアラーム発報手段と、前記所有者端末からの操作に基づいてアラームを停止するアラーム停止手段と、前記所有者端末の操作に基づいて現在位置の経緯度と住所を音声で伝える音声応答手段と、契約期間内外により前記紛失物管理センタからの指令に基づいて本体の機能の開始または停止を行う機能制御手段と、自己発電手段と、本体を浸水による故障から守る防水手段と、を有することが好ましい。
【0011】
本発明の他の観点によれば、第1の通信部を有し、物品の所有者が所持する所有者端末と、前記物品に装着され、第2の通信部を備える紛失物発見装置と、前記第1の通信部及び前記第2の通信部とネットワークを介して接続可能な第3の通信部を有し、前記所有者端末より登録されるとその物品に対してユニークに付与され前記所有者端末より参照可能な所有物番号と、前記所有者端末及び前記紛失物発見装置へのアクセス先とを含む所有者情報を格納する所有者情報データベースと、前記紛失物発見装置の発見が通知されると自動的に付与されるユニークな発見番号と保管先とを含む発見情報データベースと、を管理する紛失物管理センタと、を有することを特徴とする紛失物検索システムが提供される。
【0012】
発見者によって紛失物が発見された場合には、所有者番号に加えて、発見番号が発見毎に付与されるため、所有者が受け取る場合にも、受け取り間違いが少なくなる。さらに、物品は、物品にも貼付されている所有者番号により物品毎に特定される所有者情報DBにより管理され、紛失物の発見は、発見毎に発見番号により特定される発見情報DBにより管理される。このように、物品と発見とが別々のデータベースで管理されるため、発見者が望まない場合には、発見者の個人情報を所有者等に開示する必要がないという利点がある。
【0013】
さらに、前記紛失物管理センタのアクセス先と登録されている所有物番号とをコード化したデータを含むバーコードが紛失物発見装置に付されていることが好ましい。コードかデータを例えば発見者がデコード機能を持つ携帯電話機などにより読みとり、そのままの状態でセンタに発信することが容易になる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の紛失物検索システムによれば、次のような効果が得られる。
【0015】
物を紛失した場合であっても、本システムを利用することで、紛失物の現在位置を把握出来るため、従来のようにあいまいな記憶や勘のみを頼りとすることなく、より簡単でかつ確実に紛失物を探し出すことができる。
【0016】
また、物品は物品にも貼付されている所有者番号により物品毎に特定される所有者情報DBにより、所有者番号とともに、紛失物の発見は発見毎に発見番号により特定される発見情報DBにより、それぞれが別々のデータベースで管理されるため、発見者が望まない場合には、発見者の個人情報を所有者等に開示する必要がないという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本明細書において、物品とは、形態のある物という意味であり、例えば、定期入れやキーホルダ、携帯電話機などが該当する。
【0018】
以下、本発明の第1の実施の形態による紛失物検索システムについて図面を参照しながら説明を行う。
【0019】
図1は、本実施の形態による紛失物検索システムの一構成例を示す図である。図1に示すように、本実施の形態による紛失物検索システムは、所有者情報データベース(DB)1と、本実施の形態においては任意に設けられ第2の実施の形態では必須である発見情報データベース(DB)2と、を管理する機能を備えたサービスセンタ3と、所有物に付けられ紛失時にその所在を知らせる紛失物発見装置4、所有者がその紛失物発見装置4への問い合わせ等を行う電話機5(携帯電話機、家庭用電話機、公衆電話機などいずれでも良い。)と、を含んで構成されている。これらは、公衆電話網6などのネットワークにより接続されている。従って、電話機5とサービスセンタ3とは、公衆電話網6を通じて接続されることになる。携帯電話を利用する場合は、サービスセンタ3への接続の場合は、携帯電話の最寄の基地局(A)7を介して接続され、紛失物発見装置4への接続の場合は、基地局(A)7と紛失物発見装置4の最寄りの基地局(B)8とを介して接続される。
【0020】
図2は、所有物に付随させる紛失物発見装置4の一構成例を示す機能ブロック図である。適宜図1も参照しながら説明を行う。図2に示すように、本実施の形態による紛失物発見装置4は、物品に装着されている。装着には、種々の形態がある。例えば、物品がキーホルダであれば、このキーホルダに取り付けられているような状態、物品が携帯電話機であれば、そのストラップに結びつけられている状態を指す。その他、どのような状態でも、少なくとも一時的に結合された状態であれば良い。
【0021】
紛失物発見装置4は、電話機5からの呼び出しを受ける着信部21と、着信による所有者からの操作に従い各動作の処理を行う制御部22と、衛星からの電波を受信して自機の現在位置を検出するGPS部23と、アラーム音を出力するスピーカ部24と、各動作の処理に伴った音声データ等必要なデータを記憶する記憶装置部25と、自装置の動作に必要な電気を自発電によって供給する発電部26と、を含んで構成されている。発電部26は、機械的に動作し、装置の移動に伴って発電を行う機能であっても良い、又は、それとともに、太陽電池を備えていても良い。GPSの代わりに他の位置検出機能を用いても良い。制御部22は、電話機5からの着信や電話機5への応答処理を制御する着信発信処理部221と、GPS部23から取得したデータを用いて各種位置情報を処理する位置情報処理部222と、スピーカ部24からのアラーム出力処理を行うアラーム発報処理223と、電話機5への音声応答の構成等の処理を行う音声出力処理部224と、を含んで構成されている。
【0022】
さらに、自装置を浸水による故障から守る防水装置225で覆われていても良い。さらに、サービスセンタ3のURL、サービスセンタ3に登録されている所有物番号等の識別情報をコード化したデータであるバーコード226が貼付されている。紛失物発見装置4自身の電話番号と所有物番号とはセンタにおいて関連付けされている。所有物番号が、紛失物発見装置4自身の電話番号になっていても良い。
【0023】
このような関連付けにより、所有者が所有者番号と関連させた発信を行うと、前者の場合にはダイレクトに、後者の場合にはサービスセンタ3経由で紛失物発見装置4と通信することができる。尚、上記識別情報は、肉眼等で識別可能なものであっても良い。
【0024】
図3は、所有者が紛失物発見装置4から紛失物の緯経度または住所を取得した後、その紛失物の詳細な所在地を地図上で確認することができるように、サービスセンタ3が提供するWebページの表示画面の一例を示す図である。アドレス入力欄31にサービスセンタ3が提供するWebページのURLを入力するとWebページを表示させることができる。
【0025】
緯経度又は住所入力欄32に紛失物発見装置4から取得した紛失物の現在地を示す緯経度または住所を入力することにより、地図表示欄33に紛失物付近の詳細地図を表示させることができる。この機能は、例えば図示しないが、紛失物管理センタ3に設けられ、紛失物発見装置4から取得した現在位置情報を特定した地図情報であって、所有者端末5に表示させると拡大・縮小が可能な地図情報を作成する地図情報作成部により実現することができる。
【0026】
紛失物34の現在位置は黒塗りの矢印によって明確に示すことができる。尚、地図縮尺スライドバー35をスライドすることにより、地図表示欄33の地図に関して自由自在に拡大縮小を行うことができる。例えば、ユーザは、ノートPCや携帯電話機などを所持し、この画面を表示させながら徐々に地図を拡大表示させていくことにより、紛失物34の現在位置に徐々に近づいていくことなどを画面上で確認しながら紛失物を捜索することができる。
【0027】
図4は、所有者情報データベース1に格納される所有者情報データの一構成例を示す図である。図4に示すように、所有者情報データは、部品の所有者(登録者)の氏名41、住所42、電話番号43、メールアドレス44、所有物番号45、有効期間46を含んで構成されており、所有物の数だけレコードが格納されるようになっている。これらの情報のうち、氏名41、住所42、電話番号43、メールアドレス44に関しては、所有者自身に関する情報がそのまま格納されるようになっている。一方、所有物番号45に関しては、所有物1つに対して1つの一意な番号がシステムによって自動的に生成され付与される。そして、これが紛失物発見装置4のバーコード226などに記憶されることになる。
【0028】
また、紛失物発見装置4において、電話機5又はセンタの電話機から連絡を受ける場合に、着信部21に対するアクセスID、例えば電話番号が必要になる。この紛失物発見装置4の電話番号は、所有物番号45(図4)と関連付けされていれば良い。本実施の形態においては、所有物番号が紛失物発見装置4の電話番号(連絡先)と同じであるとして説明している。但し、所有物番号と紛失物発見装置4の電話番号(連絡先)とは、必ずしも同じである必要はなく、両者がユニークかつ互いに関連付けされていれば、図4のデータベースに、紛失物発見装置4の電話番号(連絡先)を所有物番号と関連付けして記憶させておくことで対応することができる。
【0029】
尚、有効期間46に関しては、登録日と契約期間とから、具体的な日付がシステムによって起算され付与される。有効期間46の例えば期限2週間前となるとサービスセンタ3から所有者へ、期間延長を行うか契約打切りを行うかに関する応答を促す電子メールが送信されるようになっている。
【0030】
期間延長をせずに期限が経過すると、システムは自動的にサービスセンタ3から紛失物発見装置4へ有効期間切れの通知を行いサービス機能停止し、所有者情報データベース1からもデータが削除される。契約解除後、また同一所有物に対し本サービスの契約を行う場合は、再度所有者情報を登録し新たな所有物番号45を取得することになる。
【0031】
図5、紛失物発見装置4における検索処理の流れの概要を示すフローチャート図である。電話機5又はサービスセンタ3の電話機(図示せず、以下、「電話機」と称する。)からの呼び出しを着信部21で受信する(ステップ51)。次に、電話機からの呼び出しに対し音声で予めユーザとセンタとの間で取り決めされているパスワードの入力が促される(例:「パスワードを入力して下さい」)。これに応じて、電話機からパスワードが入力される(ステップ52)。入力されたパスワードが登録済みのものと一致しているか(正しいか)否かの判定を行う(ステップ53)。パスワードが正しい場合、選択メニューを音声で通知する(例:「アラームを鳴らす場合は1を、アラームを止める場合は2を、緯経度と住所を取得する場合は3を押して下さい」)。パスワードが誤っている場合、パスワードの再入力を音声で促す(例:「パスワードを再入力して下さい」)。メニューが選択される(ステップ54)。選択されたメニューに即した動作を行う(ステップ55)。この際、パスワードに代えて、ユニークな所有物番号を利用して認証を行ってもよい。
【0032】
ステップ55は、例えば、「1:アラームを鳴らす」を選択した場合、アラーム発報処理部223はスピーカ部24からのアラーム出力処理を行う。「2:アラームを止める」を選択した場合、アラーム発報処理部223はスピーカ部24からのアラーム出力処理を止める。「3:緯経度と住所を取得する」を選択した場合、GPS部23から紛失物の緯経度を取得し、それを用いて位置情報処理部222を機能させて住所を割り出し、音声出力処理部224を機能させて緯経度と住所の音声情報を組み立て、例えばセンタを介して又は直接に電話機5への音声応答を行わせるなどの処理を行う。以上の処理により、紛失した物品を精度良く検索することができる。
【0033】
以上に説明したように、本実施の形態による紛失物検索システムによれば、所有者端末から直接又は紛失物管理センタを介して紛失物発見装置への通信を行うと、紛失物発見装置がGPSなどにより自己の現在位置を検出し、自己の位置を紛失物管理センタ経由又は直接に所有者端末に送信することにより、紛失物の検索が容易になる。
【0034】
さらに、紛失物管理センタ経由の場合には、紛失物発見装置がGPSにより検知した自己の現在位置に関する情報を、紛失物管理センタが備える地図情報提供ソフトに反映させ、紛失物の現在位置を含む地図情報を所有者端末に送信することにより、所有者端末側において紛失物の現在位置を含む地図を表示させることができる。この地図表示が縮尺を変更することが可能であるため、所有者は紛失物を捜索する場合に、現場に近づくにつれて値ステップを拡大表示させることができ、より簡単に紛失物の現在位置に到達することができる。尚、この際、所有者端末にもGPS機能を持たせれば、地図に自己の位置と紛失物の位置とを表示させることもできる。
【0035】
次に、本発明の第2の実施の形態による検索システムについて図面を参照しながら説明を行う。本実施の形態では、紛失物を他人が発見してくれることを考慮した構成となっている。すなわち、第1の実施の形態によるシステム構成を前提としながら、さらに、発見番号という概念と、紛失物の保管場所とを導入することで、紛失物を他者が発見した場合でも、センタを介して円滑に紛失物の受け渡しが行えるようにする。
【0036】
また、第3者(他者)が紛失物を発見した場合には、それを、受け渡しまで自分で保管することなく、ある程度公正な機関、例えば図1のような保管先9を、例えば、サービスセンタの管理又は依頼により運営する公的機関または郵便局やコンビニエンスストアなどに設けておくことが好ましい。尚、第3者が発見することを前提としているため、紛失物発見装置4は、必ずしもGPS機能を備えていなくても良いが、下記のようなバーコード226などを備えている必要がある。
【0037】
紛失物の発見者は、例えば、上記のように、紛失物発見装置4に貼付したバーコード226であって、サービスセンタ3のURL、サービスセンタ3に登録されている所有物番号等の識別情報をコード化したデータであるバーコード226を、例えば、自身が所持している携帯電話機のバーコードリーダ機能などを利用して読みとる。バーコード226に記載されているサービスセンタ3のURLと所有物番号とが携帯電話機に取り込まれ、URL宛(サービスセンタ3宛)に所有物番号を、図6を参照して後述する方法により送ることができる。前述のように、所有物番号はサービスセンタ3において管理されている。サービスセンタ3では、所有物番号に基づいて所有者を検索する。尚、上記識別情報は、肉眼等で識別可能なものであっても良い。
【0038】
図6は、所有者より先に第3者が紛失物を発見した場合に、発見した旨を登録するためのサービスセンタ3が提供するWebページの入力画面例を示す図である。アドレス入力欄61にサービスセンタが提供するWebページのURLを入力し(上記バーコード226より取得)、自己の所有する携帯電話機やPCなどにWebページを表示させる。発見情報入力欄62より各種情報を入力し、発見情報として発見情報データベース2へ登録する。この際、紛失物は、例えば、センタが管理する保管先9に保管するようにする。発見情報データベース2へ登録する際、システムは、新規に後述する発見番号791を生成し、それと共に登録が行われる。発見情報の登録が完了すると、所有者へ自動的に発見された旨と発見番号791が電子メールなどにより所有者に対して通知され、所有者はその発見番号791を用い、サービスセンタ3のWebページから発見情報を参照することができる。バーコード読みとりに応じて自動的にセンタへのアクセスが行われるようにしても良い。
【0039】
通知を受けた所有者が、保管先79からその発見物を受け取る際は、発見番号791を提示する必要がある。この発見番号791が合致した場合のみ所有者は発見物を受け取ることが可能となる。発見番号791は、発見者と所有者との2者のみしか知り得ないため、第3者が不正に受け取ることを防止できるとともに、この番号を提示することで所有者本人であることを証明することができる。従って、所有者が発見物を受け取る時に、個人情報を開示する必要は無い。加えて、個人情報保護の観点から、発見情報登録時には、個人情報開示可否フラグ71を用いて、情報開示の可否を選択できるようになっている。「許可」を選択した場合、発見者が登録した自身に関する情報を所有者が参照することができる。一方、「拒否」を選択した場合、発見者自身に関する情報は発見情報データベース2へ登録する必要が無く、所有者も参照することが出来ないようになるため、発見者自身の氏名・住所・電話番号など個人情報の漏洩を防止することが可能である。
【0040】
図7は、発見情報データベース2に格納される発見情報データの一構成例を示す図である。図7に示すように、発見情報データは、個人情報開示可否フラグ71と、登録日時72と、氏名73と、住所74と、電話番号75と、メールアドレス76と、所有物番号77と、発見場所78と、保管先79と、発見番号791と、を含んで構成されており、発見した数分だけのレコードが格納される。
【0041】
登録日時72は、システムが自動的に登録日時を格納する。氏名73、住所74、電話番号75、メールアドレス76は、発見者自身に関しての情報がそのまま格納される。所有物番号77は発見者が拾った所有物番号を格納するが、これは、バーコードにより関連付けされており、従って図4の所有物番号と一致する。発見場所78は、発見した場所を格納する。保管先79は、現在、その発見物が保管されている場所を特定する情報が格納される。
【0042】
このデータは、所有者によって参照することができるようになっているが、個人情報保護の観点から、個人情報開示可否フラグの指定によって参照の許可/拒否を制御することが可能である。例えば「許可」の場合、全ての情報を入力可能であり、所有者は全ての情報を参照でき、発見者に連絡を取る事も可能となる。「拒否」の場合、氏名73、住所74、電話番号75、メールアドレス76の入力は不可となり、所有者は登録された情報のみしか参照する事が出来ないため、発見者と連絡を取ることさえも不可能となる。また保管先79を、発見者本人保管ではなく公共機関などに預け、そこを登録することにより、発見者と所有者とが直接会う必要も無くなる。発見者が発見情報を登録後、サービスセンタ3からその旨が所有者へ通知されるが、所有者がその発見物を受け取り後、所有者は発見情報データベース2から該当する発見情報データを削除する。
【0043】
以上に説明したように、本実施の形態によるシステムによれば、物を紛失した場合であっても、本システムを利用したサービスによれば、具体的な紛失物の場所を把握することができるため、従来のように、あいまいな記憶や勘ばかりを頼りとすることなく、より簡単で確実に探し出すことができる。また、所有物番号が所有者と物品毎にユニークであるため、多数の紛失物があっても、それを特定することが可能である。
【0044】
さらに、発見者によって紛失物が発見された場合には、所有者番号に加えて、発見番号が発見毎に付与されるため、所有者が受け取る場合にも、受け取り間違いが少なくなる。さらに、物品は物品にも貼付されている所有者番号により部品毎に特定される所有者情報DBにより、所有者番号とともに、紛失物の発見は発見毎に発見番号により特定される発見情報DBにより別々のデータベースで管理されるため、発見者が望まない場合には、発見者の個人情報を所有者等に開示する必要がないという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態による紛失物検索システムの一構成例を示すシステム構成図である。
【図2】紛失物発見装置の内部構成例を示す機能ブロック図である。
【図3】サービスセンタのWebページにおける位置検索確認画面の一例を示す図である。
【図4】所有者情報のデータ構成例を示す図である。
【図5】紛失物発見装置の処理の流れを示すフローチャート図である。
【図6】他人が発見した場合のサービスセンタのWebページでの登録画面の一例を示す図である。
【図7】発見情報のデータ構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
1…所有者情報データベース、2…発見情報データベース、3…サービスセンタ、4…紛失物発見装置、5…電話機、6…公衆電話網、7…基地局A、8…基地局B、9…紛失物保管先、21…着信部、22…制御部、221…着信発信処理部、222…位置情報処理部、223…アラーム発報処理部、224…音声出力処理部、225…防水装置、23…GPS部、24…スピーカ部、25…記憶装置部、26…発電部、31…アドレス入力欄、32…緯経度または住所入力欄、33…地図表示欄、34…紛失物の位置、35…地図縮尺スライドバー、41…氏名、42…住所、43…電話番号、44…メールアドレス、45…所有物番号、46…有効期間、61…アドレス入力欄、62…発見情報入力欄、71…個人情報開示可否フラグ、72…登録日時、73…氏名、74…住所、75…電話番号、76…メールアドレス、77…所有物番号、78…発見場所、79…保管先、791…発見番号。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信部を有し、物品の所有者が所持する所有者端末と、
前記物品に装着され、第2の通信部と自己の位置を検出する位置情報検出部とを有し、前記第2の通信部における着信に応答して現在位置情報を取得し相手方に返信する紛失物発見装置と、
前記第1の通信部及び前記第2の通信部とネットワークを介して接続可能な第3の通信部を有し、前記所有者端末より登録されるとその物品に対してユニークに付与され前記所有者端末より参照可能な所有物番号と、前記所有者端末及び前記紛失物発見装置へのアクセス先と、を含む所有者情報を格納する所有者情報データベースを管理する紛失物管理センタと
を有することを特徴とする紛失物検索システム。
【請求項2】
前記紛失物管理センタは、前記紛失物発見装置から取得した現在位置情報を特定した地図情報であって前記所有者端末に表示させると拡大・縮小が可能な地図情報を作成する地図情報作成部を備えることを特徴とする請求項1に記載の紛失物検索システム。
【請求項3】
さらに、前記紛失物発見装置は、前記所有者端末の操作に基づいてアラームを鳴らすアラーム発報手段と、前記所有者端末からの操作に基づいてアラームを停止するアラーム停止手段と、前記所有者端末の操作に基づいて現在位置の経緯度と住所を音声で伝える音声応答手段と、契約期間内外により前記紛失物管理センタからの指令に基づいて本体の機能の開始または停止を行う機能制御手段と、自己発電手段と、本体を浸水による故障から守る防水手段と、を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の紛失物検索システム。
【請求項4】
第1の通信部を有し、物品の所有者が所持する所有者端末と、
前記物品に装着され、第2の通信部を備える紛失物発見装置と、
前記第1の通信部及び前記第2の通信部とネットワークを介して接続可能な第3の通信部を有し、前記所有者端末より登録されるとその物品に対してユニークに付与され前記所有者端末より参照可能な所有物番号と、前記所有者端末及び前記紛失物発見装置へのアクセス先とを含む所有者情報を格納する所有者情報データベースと、前記紛失物発見装置の発見が通知されると自動的に付与されるユニークな発見番号と保管先とを含む発見情報データベースと、を管理する紛失物管理センタと
を有することを特徴とする紛失物検索システム。
【請求項5】
さらに、前記紛失物管理センタのアクセス先と登録されている所有物番号とをコード化したデータを含むバーコードが紛失物発見装置に付されていることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の紛失物検索システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−109442(P2008−109442A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−291032(P2006−291032)
【出願日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(000233055)日立ソフトウエアエンジニアリング株式会社 (1,610)
【Fターム(参考)】